(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024099899
(43)【公開日】2024-07-26
(54)【発明の名称】衛生用薄葉紙収納容器
(51)【国際特許分類】
B65D 83/08 20060101AFI20240719BHJP
B65D 25/52 20060101ALI20240719BHJP
【FI】
B65D83/08 B
B65D83/08 G
B65D25/52 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023003508
(22)【出願日】2023-01-13
(71)【出願人】
【識別番号】390029148
【氏名又は名称】大王製紙株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100090033
【弁理士】
【氏名又は名称】荒船 博司
(74)【代理人】
【識別番号】100093045
【弁理士】
【氏名又は名称】荒船 良男
(72)【発明者】
【氏名】宇都宮 達也
【テーマコード(参考)】
3E014
3E062
【Fターム(参考)】
3E014LB08
3E014MC06
3E062AA20
3E062AB13
3E062LA02
3E062LA14
3E062LA20
3E062LA25
(57)【要約】
【課題】衛生用薄葉紙の取り出し易さを維持しつつ、衛生用薄葉紙に含浸された薬液が取出孔から揮発し難くすることを可能とする衛生用薄葉紙収納容器を提供する。
【解決手段】衛生用薄葉紙収納容器100は、容器本体1と開閉蓋2とを備え、容器本体1は、取出孔1221が形成された可撓性部材122を備え、開閉蓋2は、開閉蓋2が取出孔1221を覆う状態において可撓性部材122に対向する位置に、開閉蓋2が取出孔1221を覆う状態において可撓性部材122を押圧する突起部22を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部に収納された衛生用薄葉紙を取り出すための取出孔を備え、
前記取出孔の面積を変動させることができることを特徴とする衛生用薄葉紙収納容器。
【請求項2】
前記取出孔が備えられた容器本体と、
前記取出孔を覆う状態と前記取出孔が露出した状態とを切り替え可能に前記容器本体に取り付けられた開閉蓋と、
を備え、
前記取出孔は、前記開閉蓋が前記取出孔を覆う状態において、前記取出孔が露出した状態と比較して面積が狭くなることを特徴とする請求項1に記載の衛生用薄葉紙収納容器。
【請求項3】
前記容器本体は、可撓性を有する部分である可撓部を備え、
前記取出孔は前記可撓部に形成され、
前記取出孔は、前記可撓部が引き伸ばされた状態において、前記可撓部が引き伸ばされていない状態と比較して面積が狭くなることを特徴とする請求項2に記載の衛生用薄葉紙収納容器。
【請求項4】
前記開閉蓋は、当該開閉蓋が前記取出孔を覆う状態において前記可撓部に対向する位置に、当該開閉蓋が前記取出孔を覆う状態において前記可撓部を押圧する突起部を備え、
前記取出孔は、前記可撓部が前記突起部によって押圧された状態において、前記可撓部が前記突起部によって押圧されていない状態と比較して面積が狭くなることを特徴とする請求項3に記載の衛生用薄葉紙収納容器。
【請求項5】
前記取出孔は楕円形状に形成され、
前記突起部は、前記可撓部の前記取出孔の長軸方向の位置を押圧するように形成されていることを特徴とする請求項4に記載の衛生用薄葉紙収納容器。
【請求項6】
前記突起部は、前記可撓部のうち、前記取出孔と比較して、前記容器本体と前記開閉蓋との接続部と近接した位置を押圧することを特徴とする請求項4又は5に記載の衛生用薄葉紙収納容器。
【請求項7】
前記突起部は、前記可撓部のうち、前記取出孔と比較して、前記容器本体と前記開閉蓋との接続部から離間した位置を押圧することを特徴とする請求項4又は5に記載の衛生用薄葉紙収納容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ウェットシートやウェットティッシュ等の衛生用薄葉紙を収納する衛生用薄葉紙収納容器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、床、キッチン、トイレ等の家屋内の物品や、人体等を拭くための衛生用薄葉紙を収納する衛生用薄葉紙収納容器として、収納された衛生用薄葉紙を引き出すための取出孔を備え、内部に収納された衛生用薄葉紙を、当該取出孔から引き出して使用するものが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような衛生用薄葉紙収納容器においては、取出孔が容器の内部と外部とを繋ぐことから、内部に収納された衛生用薄葉紙に含浸された薬液が、取出孔から揮発してしまう。なお、取出孔を開閉自在に覆うようにして開閉蓋を備え、衛生用薄葉紙の取り出し時にのみ開閉蓋を開ける構成とした場合にも、このような開閉蓋は取出孔を密閉するものではないことから同様である。
【0005】
この点、取出孔の面積を小さくする程に、内部に収納された衛生用薄葉紙に含浸された薬液が取出孔から揮発し難くなるものの、取出孔の面積を小さくし過ぎてしまうと、内部に収納された衛生用薄葉紙を取り出し難くなるおそれがある。
【0006】
本発明の課題は、衛生用薄葉紙の取り出し易さを維持しつつ、衛生用薄葉紙に含浸された薬液が取出孔から揮発し難くすることを可能とする衛生用薄葉紙収納容器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、衛生用薄葉紙収納容器において、
内部に収納された衛生用薄葉紙を取り出すための取出孔を備え、
前記取出孔の面積を変動させることができることを特徴とする。
【0008】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の衛生用薄葉紙収納容器において、
前記取出孔が備えられた容器本体と、
前記取出孔を覆う状態と前記取出孔が露出した状態とを切り替え可能に前記容器本体に取り付けられた開閉蓋と、
を備え、
前記取出孔は、前記開閉蓋が前記取出孔を覆う状態において、前記取出孔が露出した状態と比較して面積が狭くなることを特徴とする。
【0009】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の衛生用薄葉紙収納容器において、
前記容器本体は、可撓性を有する部分である可撓部を備え、
前記取出孔は前記可撓部に形成され、
前記取出孔は、前記可撓部が引き伸ばされた状態において、前記可撓部が引き伸ばされていない状態と比較して面積が狭くなることを特徴とする。
【0010】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の衛生用薄葉紙収納容器において、
前記開閉蓋は、当該開閉蓋が前記取出孔を覆う状態において前記可撓部に対向する位置に、当該開閉蓋が前記取出孔を覆う状態において前記可撓部を押圧する突起部を備え、
前記取出孔は、前記可撓部が前記突起部によって押圧された状態において、前記可撓部が前記突起部によって押圧されていない状態と比較して面積が狭くなることを特徴とする。
【0011】
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の衛生用薄葉紙収納容器において、
前記取出孔は楕円形状に形成され、
前記突起部は、前記可撓部の前記取出孔の長軸方向の位置を押圧するように形成されていることを特徴とする。
【0012】
請求項6に記載の発明は、請求項4又は5に記載の衛生用薄葉紙収納容器において、
前記突起部は、前記可撓部のうち、前記取出孔と比較して、前記容器本体と前記開閉蓋との接続部と近接した位置を押圧することを特徴とする。
【0013】
請求項7に記載の発明は、請求項4又は5に記載の衛生用薄葉紙収納容器において、
前記突起部は、前記可撓部のうち、前記取出孔と比較して、前記容器本体と前記開閉蓋との接続部から離間した位置を押圧することを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、衛生用薄葉紙の取り出し易さを維持しつつ、衛生用薄葉紙に含浸された薬液が取出孔から揮発し難くすることを可能とする衛生用薄葉紙収納容器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】実施形態に係る衛生用薄葉紙収納容器の斜視図である。なお、開閉蓋を開放した状態を図示している。
【
図2】実施形態に係る衛生用薄葉紙収納容器の可撓性部材を外した状態における斜視図である。なお、開閉蓋を開放した状態を図示している。
【
図3】
図1のIII-III部における断面図である。
【
図4】開閉蓋を閉塞した状態における
図3と同一の位置における断面図である。
【
図5】実施形態に係る衛生用薄葉紙収納容器の容器本体の蓋体を上方から見た図であり、(a)は開閉蓋を開放し、可撓性部材が押圧されていない状態を示す図、(b)は開閉蓋を閉塞し、可撓性部材が押圧されている状態を示す図である。
【
図6】変形例に係る衛生用薄葉紙収納容器の
図3と同一の位置における断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態である衛生用薄葉紙収納容器100について、
図1から
図6に基づいて説明する。ただし、本発明の技術的範囲は、図示例に限定されるものではない。
なお、本明細書において、「から」を用いて記載する数値範囲は、その前後に記載される数値を下限値及び上限値として含むものとする。
【0017】
また、以下においては、
図1に示すように、X軸、Y軸及びZ軸並びに前後方向、左右方向及び上下方向を定めて説明する。すなわち、衛生用薄葉紙収納容器100の開閉蓋2が備えられた側を「上」、その反対側を「下」、容器本体1と開閉蓋2とが接続されている側を「後」、その反対側を「前」、後方向を向いた状態における右手側を「右」、後方向を向いた状態における左手側を「左」とし、前後方向に沿った軸をX軸、左右方向に沿った軸をY軸、上下方向に沿った軸をZ軸とする。
【0018】
[1 実施形態の構成]
衛生用薄葉紙収納容器100は、
図1から
図4に示すように、内部に衛生用薄葉紙Pが収納され、衛生用薄葉紙Pを取り出す取出孔1221を備えた容器本体1と、取出孔1221を覆う状態と取出孔1221が露出した状態とを切り替え可能に容器本体1に接続された開閉蓋2と、を備える。
【0019】
衛生用薄葉紙Pは、例えば、ウェットティッシュ等の薬液が含浸されたウェットシートがロール状に巻かれたものであり、Z軸方向に沿った軸心にロール状に巻かれた状態で容器本体1に収納されている。また、衛生用薄葉紙Pには、長さ方向に一定間隔をおいてミシン目が形成されており、当該ミシン目に沿って切り離された衛生用薄葉紙Pを、ユーザが使用するようになっている。
【0020】
[(1) 容器本体]
容器本体1は、衛生用薄葉紙収納容器100のうち開閉蓋2を除いた、衛生用薄葉紙Pが収納される部分であり、収納部11と、蓋体12と、を備える。
【0021】
[a 収納部]
収納部11は、衛生用薄葉紙Pを収納するための容器であり、
図1から
図4に示すように、上面が開放された有底円筒形状に形成され、上面の全面に開口部111が設けられている。また、側面の上端部の外面側には、
図3及び
図4に示すように、周方向に沿って雄ネジ部112が設けられている。
【0022】
収納部11の材料としては、例えば、PE(ポリエチレン)、PP(ポリプロピレン)、PET(ポリエチレンテレフタレート)、ABS樹脂等を用いることができる。また、収納部11の製造方法は特に限定されず、例えば、射出成型、ブロー成型等の方法で製造すればよい。
収納部11の形状は、上記のような円筒形状が好ましいが、衛生用薄葉紙Pを収納できるものであればよく、これに限られない。例えば、平面視において五角形、六角形等となる角柱状に形成されていてもよい。
【0023】
[b 蓋体]
蓋体12は、
図1から
図4に示すように、収納部11の上方に、開口部111を覆うようにして取り付けられる部材であり、蓋体本体121と、可撓性部材122と、を備える。
【0024】
[(a) 蓋体本体]
蓋体本体121は、
図1から
図4に示すように、下面が開放された有底円筒形状に形成され、下面の全面に下面開口部1211が設けられている。また、側面の下端部の内面側には、
図3及び
図4に示すように、周方向に沿って雌ネジ部1212が設けられている。
【0025】
蓋体本体121の材料としては、収納部11と同様、例えば、PE、PP、PET、ABS樹脂等を用いることができる。また、蓋体本体121の製造方法は特に限定されず、収納部11と同様、例えば、射出成型、ブロー成型等の方法で製造すればよい。
蓋体本体121の形状は、円筒形状には限られず、収納部11の形状に応じて、平面視において収納部11と同一の形状となるように形成すればよい。
【0026】
蓋体本体121の上面の中央部には、
図1から
図5に示すように、下方へと凹状となる部分である凹部1213が形成されている。
また、
図2から
図4に示すように、凹部1213の底には、XY面と平行な平面状の底面部12131が形成され、底面部12131の前端部近傍には、蓋体本体121の上面を貫通する上面開口部12132が形成され、底面部12131の後端部近傍には、底面部12131からさらに下方へと凹状となる陥没部12133が形成されている。
【0027】
[(b) 可撓性部材]
可撓性部材122は、
図1及び
図3から
図5に示すように、凹部1213の底面部12131の全面を覆うようにして蓋体本体121に取り付けられた、可撓性を有する材料によって形成された膜状の部材である。
可撓性部材122を形成する材料としては、後述のように開閉蓋2を閉塞状態とし、突起部22によって押圧された際に引き伸ばされて形状が変更する程度の可撓性を有するものであればよく、例えば、シリコンゴム又はスチレン-ブタジエン系、ポリエステル系、ポリエチレン系若しくはウレタン系等の熱可塑性樹脂等を用いることができるが、より少ない力で変形させることが可能であることから、シリコンゴムを用いることが特に好ましい。
また、可撓性部材122の硬度は、20から90であることが好ましい。なお、上記硬度は、JIS K 6253-3:2012(タイプAデュロメータ)によって測定した値である。
また可撓性部材122の厚さ(Z軸方向の長さ)は、1mmから5mmであることが好ましい。
【0028】
可撓性部材122の前端部近傍の、蓋体本体121の上面開口部12132に対応する位置(平面視において上面開口部12132に重なる位置)には、
図1及び
図3から
図5に示すように、可撓性部材122を貫通するようにして、容器本体1の内部に収納された衛生用薄葉紙Pを取り出すための孔である取出孔1221が形成されている。
【0029】
取出孔1221は、
図5に示すように、平面視において、蓋体12の上面のY軸方向中央かつX軸方向において中央よりも前端部よりの箇所に位置する。また、取出孔1221は、長軸がX軸と平行となり、短軸がY軸と平行となる楕円形状となるように形成されている。具体的な大きさとしては、長軸方向(X軸方向)に10mmから20mm、短軸方向(Y軸方向)に0.5mmから2mmであることが好ましい。
【0030】
取出孔1221が可撓性部材122に形成されていることで、衛生用薄葉紙Pに対して適切な抵抗を掛けることができ、使用する衛生用薄葉紙Pをミシン目に沿って切り離すと共に、次の衛生用薄葉紙Pを取出孔1221から端部が出た状態で保持しておくことが容易となる。
【0031】
[(2) 開閉蓋]
開閉蓋2は、容器本体1の蓋体12の蓋体本体121に回動自在に取り付けられた部材であり、
図1から
図4に示すように、開閉蓋本体21と、突起部22と、環状壁部23と、を備える。
開閉蓋2の材料としては、容器本体1の収納部11及び蓋体12の蓋体本体121と同様、例えば、PE、PP、PET、ABS樹脂等を用いることができる。また、開閉蓋2の製造方法は特に限定されず、容器本体1の収納部11及び蓋体12の蓋体本体121と同様、例えば、射出成型、ブロー成型等の方法で製造すればよい。
【0032】
[a 開閉蓋本体]
開閉蓋本体21は、
図1から
図4に示すように、一端部が、容器本体1の蓋体12の蓋体本体121の凹部1213の後端部付近のY軸方向中央部に回動自在に接続された扁平な板状の部材である。
【0033】
開閉蓋本体21は、平面視における形状が凹部1213の平面視における形状と前端部を除いて略同一となり、蓋体本体121に接続された後端部を支点として回動させてXY面と平行とした際に、
図4に示すように凹部1213に嵌め込まれて固定されるように構成されている。なお、開閉蓋本体21が凹部1213に嵌め込まれた状態を閉塞状態とし、開閉蓋本体21が凹部1213に嵌め込まれていない状態を開放状態とする。
【0034】
上記のように取出孔1221は、凹部1213内に備えられた可撓性部材122に形成されていることから、閉塞状態においては取出孔1221が開閉蓋2によって覆われ、開放状態においては取出孔1221が露出することとなる。なお、衛生用薄葉紙収納容器100の外部から取出孔1221を視認できなければ、取出孔1221は開閉蓋2によって覆われているものとし、衛生用薄葉紙収納容器100の外部から取出孔1221を視認できれば、取出孔1221は露出しているものとする。
【0035】
[b 突起部]
突起部22は、
図1から
図4に示すように、開閉蓋2の閉塞状態における下面側に備えられた、開閉蓋本体21から下方へと突出する部分である。
【0036】
突起部22は、
図1から
図4に示すように、開閉蓋2の閉塞状態における開閉蓋本体21の後端部近傍のY軸方向中央部、すなわち、閉塞状態において、容器本体1の蓋体12の蓋体本体121の凹部1213に形成された陥没部12133と対向する位置に形成されている。
【0037】
突起部22は、開閉蓋2の閉塞状態において開閉蓋本体21の下面から下方へと突出する長さが、
図4に示すように、開閉蓋2の閉塞状態における、開閉蓋本体21の下面と可撓性部材122の上面との間の距離よりも長くなるように形成されている。これによって、開閉蓋2の閉塞状態において、可撓性部材122のうち、陥没部12133上方に位置する部分を、下方へと押し込むこととなる。
【0038】
具体的には、突起部22は、開閉蓋本体21の下面と可撓性部材122の上面との間の距離よりも、1mmから20mm長く開閉蓋本体21の下面から突出するように形成され、開閉蓋2の閉塞状態において、当該長さの分、可撓性部材122を下方へと押し込むように形成されていことが好ましい。
【0039】
上記のように、突起部22が、開閉蓋2の閉塞状態における開閉蓋本体21の後端部近傍のY軸方向中央部に備えられていることで、突起部22は、可撓性部材122のうち取出孔1221の後方の位置、すなわち、長軸がX軸と平行、短軸がY軸と平行の楕円形状となるように形成された取出孔1221の長軸方向の位置を下方へと押し込むこととなる。
【0040】
[c 環状壁部]
環状壁部23は、
図1から
図4に示すように、開閉蓋2の閉塞状態における下面側に備えられた、開閉蓋本体21から環状に下方へと突出する部分である。
【0041】
環状壁部23は、
図4に示すように、開閉蓋2の閉塞状態において開閉蓋本体21の下面から下方へと突出する長さが、開閉蓋2の閉塞状態における、開閉蓋本体21の下面と可撓性部材122の上面との間の距離と等しくなるように形成されている。これによって、開閉蓋2の閉塞状態において、環状壁部23は、可撓性部材122を押し込むことなくこれに接することとなる。
また、環状壁部23は、
図4に示すように、開閉蓋2の閉塞状態において、取出孔1221を囲むようにして可撓性部材122に接する位置に形成されている。
【0042】
[2 実施形態の効果]
本実施形態に係る衛生用薄葉紙収納容器100によれば、開閉蓋2が突起部22を備え、突起部22は、開閉蓋2が開放状態とされた場合には可撓性部材122を押圧しないが、開閉蓋2が閉塞状態とされた場合には可撓性部材122を押圧し、下方へと押し込むこととなる。また、開閉蓋2が閉塞状態とされた場合に、突起部22は、可撓性部材122のうち、長軸がX軸と平行、短軸がY軸と平行の楕円形状となるように形成された取出孔1221の長軸方向の位置を押圧する。
【0043】
これによって、開閉蓋2が閉塞状態とされた場合にのみ、可撓性部材122がX軸方向に引き伸ばされ、これに伴って、
図5に示すように、楕円形状の取出孔1221がその長軸方向に引き伸ばされ、開閉蓋2が開放状態とされた場合と比較して、長軸方向に長く、短軸方向に短い楕円形状となる。
【0044】
したがって、開閉蓋2を開放状態とした場合(取出孔1221が露出する場合)と、開閉蓋2を閉塞状態とした場合(取出孔1221が開閉蓋2によって覆われる場合)とで、取出孔1221の面積が変動し、開閉蓋2を閉塞状態とした場合に、開閉蓋2を開放状態とした場合と比較して、取出孔1221の面積が狭くなることから、衛生用薄葉紙収納容器100の使用時には、取出孔1221の面積を広くして衛生用薄葉紙Pの取り出し易さを維持しつつ、衛生用薄葉紙収納容器100の不使用時には、取出孔1221の面積を狭くして、衛生用薄葉紙Pに含浸された薬液が取出孔1221から揮発し難くすることが可能となる。
【0045】
また、開閉蓋2の開閉に伴って自動的に取出孔1221の面積を変動させることができることから、例えば使用者が手動で逐一取出孔1221の面積を変動させることを要する場合と比較して、取出孔1221の面積を変動させるために要する手間も低減することができる。
【0046】
また、突起部22が、開閉蓋2の回動の支点に近い開閉蓋本体21の閉塞状態における後端部近傍に備えられ、開閉蓋2を閉塞状態とした際に、可撓性部材122のうち、取出孔1221と比較して、開閉蓋2の回動の支点である開閉蓋2と蓋体本体121との接続部に近い取出孔1221の後方に位置する部分を押圧するように構成されていることで、開閉蓋2を閉塞状態とし、突起部22によって可撓性部材122を押し込む際に要する力を小さくすることができる。
【0047】
[3 変形例]
上記構成の説明においては、取出孔1221が可撓性部材122の前端部近傍に備えられると共に、突起部22が開閉蓋本体21の閉塞状態における後端部近傍に備えられ、開閉蓋2を閉塞状態とした際に、突起部22が、可撓性部材122のうち、取出孔1221の後方に位置する部分を押圧する場合について説明したが、これとは反対に、突起部22が、可撓性部材122のうち、取出孔1221の前方に位置する部分を押圧するようにしてもよい。
【0048】
具体的には、例えば、
図6に示す衛生用薄葉紙収納容器100Aのように、可撓性部材122Aの後端部近傍に取出孔1221Aが備えられるようにした上で、開閉蓋2Aについて、閉塞状態における下面側の前端部近傍に突起部22Aを備えるようにすればよい。
【0049】
この場合、突起部22Aが、取出孔1221Aと比較して、開閉蓋2Aの回動の支点である開閉蓋2Aと蓋体本体121Aとの接続部から離間した取出孔1221Aの前方に位置する部分を押圧することから、開閉蓋2Aを閉塞状態とし、突起部22Aによって可撓性部材122Aを押し込む際に要する力が大きくなる点では好ましくないものの、開閉蓋2Aを閉塞状態とする際に、突起部22Aが可撓性部材122Aを押し込み始めるタイミングを遅らせることができる。
【符号の説明】
【0050】
100、100A 衛生用薄葉紙収納容器
1、1A 容器本体
11 収納部
12、12A 蓋体
121、121A 蓋体本体
122、122A 可撓性部材(可撓部)
1221、1221A 取出孔
2、2A 開閉蓋
21 開閉蓋本体
22、22A 突起部
23、23A 環状壁部
P 衛生用薄葉紙