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特開2024-99926決済処理システム、決済処理方法、及び決済処理プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024099926
(43)【公開日】2024-07-26
(54)【発明の名称】決済処理システム、決済処理方法、及び決済処理プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 20/24 20120101AFI20240719BHJP
【FI】
G06Q20/24
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023003565
(22)【出願日】2023-01-13
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2024-02-06
(71)【出願人】
【識別番号】521327301
【氏名又は名称】株式会社PAY ROUTE
(74)【代理人】
【識別番号】100194467
【弁理士】
【氏名又は名称】杉浦 健文
(72)【発明者】
【氏名】清水 友大
【テーマコード(参考)】
5L020
5L055
【Fターム(参考)】
5L020AA52
5L055AA52
(57)【要約】
【課題】
スムーズに決済処理を行える決済処理システム、決済処理方法、及び決済処理プログラムを提供する。
【解決手段】
決済処理システム100は、
来店した顧客の顧客情報であって、決済情報を含む顧客情報を取得する顧客情報取得部110と、顧客が注文した商品又は役務に関する注文情報を取得する注文情報取得部114と、顧客の全ての注文情報を取得した後、決済情報に示される決済業者に向けて、全ての注文の合計金額に関する請求情報を出力する請求情報出力部116とを備える。
【選択図】図2

【特許請求の範囲】
【請求項1】
来店した顧客に関する情報であって、少なくとも決済情報を含む顧客情報を取得する顧客情報取得部と、
前記顧客が注文した商品又は役務に関する注文情報を取得し、前記顧客情報と関連付ける注文情報取得部と、
前記顧客の全ての注文情報を取得した後、前記決済情報に示される決済業者に向けて、全ての注文の合計金額に関する請求情報を出力する請求情報出力部とを備える、決済処理システム。
【請求項2】
前記注文情報取得部は、前記注文情報と前記顧客情報とを関連付けて記憶し、
前記請求情報出力部は、前記顧客情報に含まれる前記決済情報を参照し、前記決済情報に示される決済業者に向けて前記請求情報を出力する、請求項1に記載の決済処理システム。
【請求項3】
前記請求情報出力部は、前記顧客が退店したことを契機に前記請求情報を出力する、請求項1に記載の決済処理システム。
【請求項4】
顧客が退店したことを示す退店情報を受け付ける退店情報受付部を備える、請求項3に記載の決済処理システム。
【請求項5】
前記顧客情報取得部は、前記顧客の保有する情報処理端末からの通信に応じて前記顧客情報を取得する、請求項1に記載の決済処理システム。
【請求項6】
前記顧客情報と、当該顧客情報に当該顧客の前記決済情報を関連付けて記憶する顧客情報記憶部を備え、
前記顧客情報取得部は、前記情報処理端末から前記決済情報以外の前記顧客情報を取得し、かつ前記顧客情報記憶部からその顧客の前記決済情報を取得する、請求項5に記載の決済処理システム。
【請求項7】
前記請求情報出力部は、前記決済情報に示される決済業者に向けて所定金額のデポジットに関するデポジット情報を出力し、
前記決済処理システムは、前記決済業者から前記デポジット情報に対する許可応答がくるまで前記商品又は役務に関する注文情報の受付を停止する、請求項1に記載の決済処理システム。
【請求項8】
来店した顧客の顧客情報であって、決済情報を含む顧客情報を取得し、
前記顧客が注文した商品又は役務に関する注文情報を取得し、
前記顧客の全ての注文情報を取得した後、前記決済情報に示される決済業者に向けて、全ての注文の合計金額に関する請求情報を出力する、決済処理方法。
【請求項9】
決済情報を含む顧客情報を取得する顧客情報取得部と、
前記顧客が注文した商品又は役務に関する注文情報を取得する注文情報取得部と、
全ての注文の合計金額に関する請求情報を出力する請求情報出力部とを備える、決済処理システムを稼働させるための決済処理プログラムであって、
前記顧客情報取得部に、来店した顧客の顧客情報を取得させる顧客情報取得指示部と、
前記注文情報取得部に、前記顧客が注文した商品又は役務に関する注文情報を取得させる注文情報取得指示部と、
前記請求情報出力部に、前記顧客の全ての注文情報を取得した後、前記決済情報に示される決済業者に向けて請求情報を出力させる請求情報出力指示部とを備える、決済処理プログラム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、決済処理システム、決済処理方法、及び決済処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、特定の決済システムを導入している店舗に顧客が来店した際に、顧客に決済方法を選択させるシステムが知られている(例えば特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許7153756号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示は、特許文献1に記載されたシステムよりもスムーズに決済処理を行える決済処理システム、決済処理方法、及び決済処理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の一態様によれば、来店した顧客の顧客情報であって、決済情報を含む顧客情報を取得する顧客情報取得部と、顧客が注文した商品又は役務に関する注文情報を取得する注文情報取得部と、顧客の全ての注文情報を取得した後、決済情報に示される決済業者に向けて、全ての注文の合計金額に関する請求情報を出力する請求情報出力部とを備える、決済処理システムが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】決済処理システムが活用され得る場面を概略的に説明する概略図である。
図2】決済処理システムのブロック図である。
図3】情報記憶部に記憶される情報の一例を示す。
図4】決済処理システムの周辺システムを示す概略図である。
図5】決済処理システムの一連の動作を示すフロー図である。
図6】決済処理プログラムを示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、本開示の実施形態について説明する。実施形態による決済処理システムは例示に過ぎず、各構成は本開示の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。特に以下の実施形態では、決済処理システム等を実現するためのハードウェア及び機能ブロックを明示して詳細な説明を行う。しかしながら、本開示の趣旨に従えばどのハードウェアがどのような機能を実現するのかは適宜変更可能であることは明らかである。また、各機能ブロックを同一のハードウェア若しくはソフトウェア、又は異なるハードウェア若しくはソフトウェアにより実現可能であることも明らかである。
【0008】
また、以下の実施形態では決済処理システム全体が、特定の店舗内に存在するハードウェア及びそれを稼働させるソフトウェアにより実現されているものとして説明をする。説明の便宜上、以下の実施形態ではブロック図を用いるが、各ブロックはいわゆる機能ブロックとして表現されている。したがって、各ブロックの機能を実現するためのハードウェア及び当該ハードウェアを稼働させるためのソフトウェアは店舗内に存在していることは必須ではない。つまり、各機能ブロックは、その機能によっては外部サーバー、ユーザー端末等の外部端末及びそのソフトウェアによっても実現可能である。
【0009】
図1は、決済処理システムが活用され得る場面を概略的に説明する概略図である。決済処理システム100は、決済処理システムが導入されている店舗に、会員登録をしている顧客102が来店した際に活用される。店舗に顧客が来店すると、まず顧客102は自身に固有の顧客情報を店舗側(厳密には店舗スタッフ104か店舗内の情報処理装置106)に提示する。その後、顧客102は、当該店舗において提供されている商品又は役務を注文する。商品又は役務はどのようなものであってもよい。顧客102が一連の商品又は役務の提供を受けた後、顧客102は別途決済処理を行うことなく退店する。退店後、店舗側(例えば店舗スタッフ104)は、顧客102が退店したことを決済処理システム100に入力する。これを契機として決済処理システム100は、顧客102に提供した商品又は役務の金額の合計値を算出する。その後、決済処理システム100は、顧客102が来店したときに取得した顧客情報を参照して決済を行う。これにより一連の取引が終了する。退店に際して顧客は、精算処理をする必要がないため、一連の取引をスムーズにできる。以下、決済処理システム100についてさらに具体的に説明をする。
【0010】
図2は、決済処理システムのブロック図である。図2に示すように決済処理システム100は、顧客情報取得部110と、顧客情報記憶部112と、注文情報取得部114と、請求情報出力部116と、退店情報受付部118とを備える。顧客情報取得部110、顧客情報記憶部112、注文情報取得部114、請求情報出力部116、及び退店情報受付部118は、店舗内に設置されている情報処理装置(図1の情報処理装置106)により実現されてもよい。決済処理システム100を構成する各部は、決済処理システム100を稼働させるための決済処理プログラムからの指示に基づいて動作する。決済処理プログラムについては後述する。
【0011】
顧客情報取得部110は、システム外部から顧客情報を取得する。顧客情報とは、顧客に関する情報であり、少なくとも顧客を識別するための顧客識別情報(例えば、顧客名又は顧客ID)と、決済情報とを含む。決済情報は、当該顧客が商品等の提供を受けたときに当該商品等の代金の請求を行えるようにするための情報である。一例として、決済先としてクレジットカード番号を登録している場合、決済情報は、決済先(つまりクレジットカードの発行者及びクレジットカード番号)に関する情報である。決済情報としては、当該顧客のクレジットカードの番号又はバーコード若しくはQRコード(登録商標)決済に用いられる当該顧客固有のバーコード情報等がある。
【0012】
顧客情報記憶部112は、顧客情報と、注文情報と、請求情報とを互いに紐付けて記憶する。図3は、情報記憶部に記憶される情報の一例を示す。
【0013】
顧客情報は、顧客が店舗に初めて来店した際に顧客情報取得部110により顧客情報記憶部112に書き込まれるのがよい。つまり、顧客が初めて来店した際に会員登録を行う。これにより顧客の顧客識別情報と決済情報とが関連付けて記憶される。顧客情報の登録は、店舗の店員が実行しても良いし顧客が情報処理端末を操作して実行してもよい。顧客情報は、実際に来店する前に、ウェブ登録により顧客情報記憶部112に書き込まれてもよい。
【0014】
注文情報とは、顧客が店舗において注文した商品等に関する情報である。注文情報は、顧客が店舗において注文した商品等の名称に関する情報、及びその商品等の金額に関する情報を含む。注文情報は、顧客が店舗において商品等を注文する度に顧客情報記憶部112に記憶される。注文情報が顧客情報と一元的に管理されている場合、顧客が退店した時点で注文情報を消去するのがよい。また注文情報が顧客情報と分離して管理されている場合、顧客情報をマスターとして管理し、且つ注文情報と顧客情報を紐付けた独立したデータベースを作成するのがよい。この場合、注文情報の履歴を保管できる。
【0015】
請求情報とは、全ての注文の合計金額に関する情報である。つまり請求情報は、当該顧客に対して請求すべき金額の合計値を示す。請求情報は、決済先(例えば決済情報に含まれる決済先としてのクレジットカード会社)に送信される。請求情報は、顧客が商品等を注文する度に更新されても良いし、決済先への送信直前に算出されて顧客情報記憶部112に書き込まれてもよい。
【0016】
注文情報取得部114は、システム外部から注文情報を取得する。注文情報取得部114は、顧客が商品等を注文する度に、顧客情報記憶部112に注文情報を書き込む。顧客が商品を注文する度に注文情報を書き込むとは、顧客が一度にまとめて商品等を注文した際にまで、商品毎に注文情報を書き込むことを意味するのではない。つまり、顧客がまとめて商品等を注文した場合には、注文情報取得部114は、いわば商品等のグループとして、注文情報を顧客情報記憶部112に書き込むようにしてもよい。
【0017】
請求情報出力部116は、顧客の全ての注文情報を取得した後、決済情報に示される決済業者(決済会社)に向けて、全ての注文の合計金額(総額)に関する請求情報を出力する。つまり請求情報出力部116は、顧客が退店する際に(又は退店した後に)、予め登録された決済業者に対して、顧客に請求すべき金銭に関する情報を出力する。請求情報出力部116は、当該顧客が一度の来店で提供を受けた商品等の請求情報を一度に送信する。これにより、顧客に対して困難な処理を要求することがなくなり、顧客はスムーズに退店できる。
【0018】
決済処理システム100は、種々の外部機器と通信可能である。通信は、無線方式又は有線方式を含む様々な手法により実現可能である。一例として決済処理システム100は、インターネット、Bluetooth(登録商標)を介して外部機器と通信可能である。なお、ここでいう外部機器とは決済処理システム100と情報を送受信可能な種々の機器をいう。外部機器は、必ずしも決済処理システム100とは別体のハードウェアとして構成されている必要はなく、同一の筐体内に収容された一体型の情報処理装置内に実装されていてもよい。
【0019】
本実施例では、決済処理システム100は、顧客情報が入力される顧客情報受付機器120と通信可能である。顧客情報受付機器120としては、例えば店舗内に配置されたPCのような情報処理装置(図1の情報処理装置106)、又は顧客の保有する携帯端末(例えばスマートフォン)が挙げられる。顧客情報受付機器120が店舗内に配置された端末である場合、顧客情報受付機器120には、顧客情報が入力される。入力操作は店員が行っても良いし、顧客が行っても良い。顧客情報受付機器120が顧客の保有する携帯端末である場合、顧客が携帯端末を用いて特定のサーバーにアクセスをし、当該サーバーを通して顧客が顧客情報を決済処理システム100に送信する。顧客を特定のサーバーに案内するための読取用二次元バーコード等を店舗内に設置してもよい。
【0020】
決済処理システム100は、顧客に提供された商品等の情報が入力される商品等情報受付機器130と通信可能である。商品等情報受付機器130としては、例えば店舗内に配置されたレジスターや他の情報処理端末、顧客の保有する携帯端末が挙げられる。商品等情報受付機器130と、顧客情報受付機器120は同一のハードウェアであってもよい。商品等情報受付機器130には、顧客が商品等を注文する度に注文情報が入力される。商品等の性質によっては、顧客に商品等が提供される度に注文情報が商品等情報受付機器130に入力されてもよい。商品等情報受付機器130が顧客の携帯端末である場合、顧客が商品等を注文する度にその注文に関する情報を注文情報として取り扱ってもよい。商品等情報受付機器130に注文情報が入力されると、商品等情報受付機器130は注文情報を決済処理システム100に送信する。
【0021】
決済処理システム100は、顧客が退店したことを示す退店情報を受け付ける退店情報入力機器132と通信可能である。退店情報入力機器132としては、例えば店舗内に配置されたレジスターや他の情報処理端末、顧客の保有する携帯端末が挙げられる。退店情報入力機器132と、商品等情報受付機器130、及び/又は顧客情報受付機器120は同一のハードウェアであってもよい。退店情報入力機器132には、顧客が退店したことを示す情報が入力される。退店情報入力機器132が店舗内に配置されたレジスターである場合、店員が顧客の退店時(又は全ての注文が終了した時)に退店情報入力機器132を操作する。退店情報入力機器132が顧客端末である場合、顧客の退店時(又は全ての注文が終了した時)に退店情報入力機器132(つまり顧客端末)を操作する。これらの操作により退店情報入力機器132から退店情報受付部118に退店情報が送信される。
【0022】
上述の例において顧客情報受付機器120、商品等情報受付機器130、及び退店情報入力機器132が顧客端末である場合について説明した。この場合、顧客端末に専用のアプリケーションをインストールさせ、当該アプリケーションにより顧客端末を稼働させ、顧客端末に顧客情報受付機器120、商品等情報受付機器130、及び退店情報入力機器132の機能を実行させるのがよい。
【0023】
図4は、決済処理システムの周辺システムを示す概略図である。なお、説明の便宜上、図4では顧客情報受付機器120、商品等情報受付機器130、及び退店情報入力機器132が顧客端末200に実装されているものとする。決済処理システム100と、顧客端末200と、決済会社システム300とが、ネットワークNを介して互いに通信可能に接続されている。
【0024】
決済会社システム300は、決済業者が管理するシステムであり、例えばクレジットカードの請求情報を受け付け、クレジットカードの名義人(つまり、顧客)に対して請求を実行するためのシステムである。
【0025】
以下、図2及び図4を参照しながら決済処理システム100の動作について詳述する。なお、以下の説明では各部(決済処理システム100、顧客端末200、及び決済会社システム300)が互いに通信することとするが、厳密には各通信はネットワークNを介して行われるものとする。
【0026】
〔顧客情報の登録〕
まず、顧客が来店する前に行われる顧客情報の登録について説明する。顧客は顧客端末200を操作して決済処理システム100(又は決済処理システム100のサーバー)にアクセスし、顧客情報の登録を行う。顧客情報の登録に際して顧客は、顧客端末200を介して顧客識別情報及び決済情報を決済処理システム100に送信する。顧客情報取得部110は、受信した顧客識別情報及び決済情報を顧客情報記憶部112に記憶させる。これらの操作はネットワークNを介して行われる来店予約と同時に行ってもよい。
【0027】
〔来店時の処理〕
図5は、決済処理システムの一連の動作を示すフロー図である。具体的には図5は、顧客情報を登録済みの顧客が来店した際の決済処理システム100の一連の動作を示す。一連の動作は、顧客が来店して顧客情報を提示してから開始する。一連の処理が開始するとステップS1において決済処理システム100は、顧客情報を取得する。具体的には顧客情報取得部110は、顧客から顧客識別情報の提示を受け、当該顧客識別情報に対応する(当該顧客識別情報を含む)顧客情報を顧客情報記憶部112から取得する。
【0028】
なお、未登録の顧客が来店した際に、顧客が顧客情報受付機器120に決済情報を入力することにより、決済処理システム100が顧客情報を取得してもよい。
【0029】
次にステップS2において決済処理システム100は、注文情報を取得する。具体的には注文情報取得部114は、商品等情報受付機器130から注文情報を受信し、受信した注文情報を顧客情報と紐付けて顧客情報記憶部112に記憶させる。この際、注文情報取得部114は、受信した注文情報に含まれる商品等の金額も顧客情報記憶部112に記憶させる。
【0030】
ついで決済処理システム100は、退店情報が入力されるまでステップS2の処理を繰り返す(ステップS3)。これにより顧客が商品等を注文する度に、注文情報が顧客情報記憶部112に記憶される。
【0031】
退店情報入力機器132が操作され、退店情報受付部118が退店情報を受け付けると(ステップS3のYes)、ステップS4において決済処理システム100は、顧客の全ての注文情報を取得したものとして請求情報を出力する。具体的には請求情報出力部116は、退店した顧客の顧客情報に基づいて顧客情報記憶部112を参照し、当該顧客に紐付けられた請求情報、及び当該顧客の決済情報を読み出す。請求情報出力部116は、請求情報に含まれる合計金額に関する情報に基づいて、決済情報に含まれる決済先の決済会社システム300に対して請求情報を送信する。これにより、当該顧客に対する一連の処理が終了する。
【0032】
このような一連の処理により、顧客の全ての注文情報を取得した後、全ての注文の合計金額に関する請求情報を出力することができる。これにより、顧客は退店時に精算処理を行うことなく、スムーズに退店できる。
【0033】
また、顧客情報記憶部112に顧客情報を予め記憶させておくことにより、顧客が来店した際に顧客に対して決済情報を要求する必要がなくなる。これにより、来店時の処理をスムーズに行えるようになる。
【0034】
また、決済処理システム100は、顧客が退店したことを契機に請求情報を出力する。これにより、店員又は顧客は、全ての注文情報を入力し終えたことを改めて決済処理システム100に入力する必要がなくなる。なお、全ての注文情報を入力し終えたことが他の手段により判別可能な場合、退店情報入力機器132を用いる必要はない。
【0035】
図6は、決済処理プログラムを示すブロック図である。決済処理プログラム400は、決済処理システム100が搭載されている情報処理装置にインストールされるプログラムであり、決済処理システム100を稼働させるための各種指示を出力する。
【0036】
図6に示すように決済処理プログラムは、顧客情報取得指示部402と、注文情報取得指示部404と、請求情報出力指示部406とを備える。
【0037】
顧客情報取得指示部402は、顧客情報取得部110に、来店した顧客の顧客情報を取得させる。より具体的には顧客情報取得指示部402は、顧客情報受付機器120からの通信に応じて顧客情報取得部110を稼働させて顧客情報取得部110に顧客情報を取得させる。また顧客情報取得指示部402は、顧客情報取得部110に、新規の顧客情報を顧客情報記憶部112に記憶させる。
【0038】
注文情報取得指示部404は、注文情報取得部114に、顧客が注文した商品又は役務に関する注文情報を取得させる。より具体的には注文情報取得指示部404は、商品等情報受付機器130からの通信に応じて注文情報取得部114を稼働させて注文情報を取得させる。また、注文情報取得指示部404は、取得した注文情報を、顧客情報と紐付けて顧客情報記憶部112に記憶させる。
【0039】
請求情報出力指示部406は、請求情報出力部116に、決済情報に示される決済業者に向けて請求情報を出力させる。より具体的には請求情報出力指示部406は、決済処理システム100に退店情報が入力されたことを契機として、請求情報出力部116に顧客情報記憶部112を参照させ、当該顧客の決済情報を読み出させ、決済業者に対して請求情報を出力させる。
【0040】
本開示は上述の実施形態に限られるものではなく、実施形態の構成は適宜変更可能である。以下のような変形例も本開示の範囲内にある。
【0041】
変形例として、以下のような態様により顧客情報を取得してもよい。変形例においては、顧客は決済処理システム100(例えば、顧客情報記憶部112)に予め顧客識別情報と、顧客識別情報と共に利用する携帯端末(顧客の携帯端末)に関する情報(例えば、固体識別番号)とを紐付けて記憶させておく。顧客識別情報、及び固体識別番号は、決済会社システム300(図4参照)にも記憶される。この際、決済会社システム300には、顧客の生体情報(指紋、掌紋、顔情報、虹彩情報)を併せて記憶させる。
【0042】
予め顧客識別情報等を決済処理システム100に登録した顧客が店舗に来店すると、まず顧客は自身の顧客識別情報を(例えば、顧客情報受付機器120を介して)決済処理システム100に入力する。決済処理システム100は、決済会社システム300に顧客識別情報を送信(照会)する。決済会社システム300は、決済処理システム100から照会があった旨の通知、及び所定のチャレンジ(本人確認の要求)を携帯端末200に送信する。これに応じて顧客は、携帯端末200に生体情報を入力し、決済会社システム300に送信する。決済会社システム300は、チャレンジに対する回答(つまり、本人確認の要求に対する回答)が正しければ、本人確認が完了したとして決済処理システム100にその旨を通知する。これにより、決済処理システム100は顧客を認証できる。このような一連の処理によれば、顧客識別情報以外の情報を決済処理システム100に入力する必要が無くなる。これにより、顧客情報の漏洩を防止できる。
【0043】
また、更なる変形例として顧客が来店した際にデポジットを請求してもよい。この場合、決済処理システム100(例えば、顧客情報取得部110)が顧客情報を取得した際に、決済処理システム100(例えば、請求情報出力部116)は、顧客識別情報に対応する決済情報を参照して、所定金額のデポジットを決済先に請求する。決済処理システム100は、決済先からの承認(許可応答)があったことを条件に、当該顧客からの注文情報を取得する。つまり、決済先からの承認が得られなければ当該顧客からの注文情報の取得を停止させる。これにより、決済の確度を高められる。この場合において、決済処理システム100(例えば、注文情報取得部114)は、顧客の注文した商品等の総額がデポジットを請求した金額を超えたときに、注文の取得を拒否するか、追加のデポジットを請求することができる。
【0044】
以下の態様も本開示の範囲内である。
【0045】
決済処理を実行する決済処理システムであって、
顧客が店舗に入店したことを受け付ける顧客情報受付手段と、
前記顧客情報受付手段により入店したことを受け付けられた前記顧客が、前記店舗を退店したことを受け付ける退店情報受付手段と、
前記退店受付手段により前記顧客が退店したことを受け付ける前に、前記顧客が前記店舗で注文した注文情報に対応する金額情報を取得する注文情報取得手段と、
前記退店受付手段により前記顧客が退店したこと受け付けた後に、前記注文情報取得手段により取得された前記金額情報に基づいて請求情報を出力する請求情報出力手段とを備える、決済処理システム。
【符号の説明】
【0046】
100:決済処理システム、 110:顧客情報取得部、 112:顧客情報記憶部、 114:注文情報取得部、 116:請求情報出力部、 118:退店情報受付部

図1
図2
図3
図4
図5
図6
【手続補正書】
【提出日】2023-11-24
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
来店した顧客に関する情報であって、少なくとも決済情報を含む顧客情報を取得する顧客情報取得部と、
前記決済情報に示される決済業者に向けて所定金額のデポジットに関するデポジット情報を出力する請求情報出力部と、
前記決済業者から前記デポジット情報に対する前記決済業者の承認が得られるまで前記商品又は役務に関する注文情報の取得を停止し、前記決済業者から前記デポジット情報に対する前記決済業者の承認が得られると、前記顧客が注文した商品又は役務に関する注文情報を取得して当該注文情報を前記顧客情報と関連付ける注文情報取得部とを備え、
前記請求情報出力部は、顧客が退店したことを示す退店情報を受け付けることで前記顧客の全ての注文情報を取得した後、前記決済情報に示される決済業者に向けて、全ての注文の合計金額に関する請求情報を出力する、決済処理システム。
【請求項2】
前記請求情報出力部は、前記顧客が退店したことを契機に前記請求情報を出力する、請求項1に記載の決済処理システム。
【請求項3】
顧客が退店したことを示す退店情報を受け付ける退店情報受付部を備える、請求項2に記載の決済処理システム。
【請求項4】
前記顧客情報取得部は、前記顧客の保有する情報処理端末からの通信に応じて前記顧客情報を取得する、請求項1に記載の決済処理システム。
【請求項5】
前記顧客情報と、当該顧客情報に当該顧客の前記決済情報を関連付けて記憶する顧客情報記憶部を備え、
前記顧客情報取得部は、前記情報処理端末から前記決済情報以外の前記顧客情報を取得し、かつ前記顧客情報記憶部からその顧客の前記決済情報を取得する、請求項4に記載の決済処理システム。
【請求項6】
請求項1に記載の決済処理システムを用いた決済処理方法であって、
前記顧客情報取得部が、来店した顧客の顧客情報であって、決済情報を含む顧客情報を取得し、
前記請求情報出力部が、前記決済情報に示される決済業者に向けて所定金額のデポジットに関するデポジット情報を出力し、
前記注文情報取得部が、前記決済業者から前記デポジット情報に対する前記決済業者の承認が得られるまで前記商品又は役務に関する注文情報の取得を停止し、前記決済業者から前記デポジット情報に対する前記決済業者の承認が得られると、前記顧客が注文した商品又は役務に関する注文情報を取得して当該注文情報を前記顧客情報と関連付け、
前記請求情報出力部が、顧客が退店したことを示す退店情報を受け付けることで前記顧客の全ての注文情報を取得した後、前記決済情報に示される決済業者に向けて、全ての注文の合計金額に関する請求情報を出力する、決済処理方法。
【請求項7】
プログラムであって、
請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の決済処理システムの各部としてコンピュータを機能させる、プログラム。
【手続補正書】
【提出日】2023-12-07
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
来店した顧客に関する情報であって、少なくとも決済情報を含む顧客情報を取得する顧客情報取得部と、
前記決済情報に示される決済業者に向けて所定金額のデポジットに関するデポジット情報を出力する請求情報出力部と、
前記決済業者から前記デポジット情報に対する前記決済業者の承認が得られるまで商品又は役務に関する注文情報の取得を停止し、前記決済業者から前記デポジット情報に対する前記決済業者の承認が得られると、前記顧客が注文した商品又は役務に関する注文情報を取得して当該注文情報を前記顧客情報と関連付ける注文情報取得部とを備え、
前記請求情報出力部は、顧客が退店したことを示す退店情報を受け付けることで前記顧客の全ての注文情報を取得した後、前記決済情報に示される決済業者に向けて、全ての注文の合計金額に関する請求情報を出力する、決済処理システム。
【請求項2】
前記請求情報出力部は、前記顧客が退店したことを契機に前記請求情報を出力する、請求項1に記載の決済処理システム。
【請求項3】
顧客が退店したことを示す退店情報を受け付ける退店情報受付部を備える、請求項2に記載の決済処理システム。
【請求項4】
前記顧客情報取得部は、前記顧客の保有する情報処理端末からの通信に応じて前記顧客情報を取得する、請求項1に記載の決済処理システム。
【請求項5】
前記顧客情報と、当該顧客情報に当該顧客の前記決済情報を関連付けて記憶する顧客情報記憶部を備え、
前記顧客情報取得部は、前記情報処理端末から前記決済情報以外の前記顧客情報を取得し、かつ前記顧客情報記憶部からその顧客の前記決済情報を取得する、請求項4に記載の決済処理システム。
【請求項6】
請求項1に記載の決済処理システムを用いた決済処理方法であって、
前記顧客情報取得部が、来店した顧客の顧客情報であって、決済情報を含む顧客情報を取得し、
前記請求情報出力部が、前記決済情報に示される決済業者に向けて所定金額のデポジットに関するデポジット情報を出力し、
前記注文情報取得部が、前記決済業者から前記デポジット情報に対する前記決済業者の承認が得られるまで前記商品又は役務に関する注文情報の取得を停止し、前記決済業者から前記デポジット情報に対する前記決済業者の承認が得られると、前記顧客が注文した商品又は役務に関する注文情報を取得して当該注文情報を前記顧客情報と関連付け、
前記請求情報出力部が、顧客が退店したことを示す退店情報を受け付けることで前記顧客の全ての注文情報を取得した後、前記決済情報に示される決済業者に向けて、全ての注文の合計金額に関する請求情報を出力する、決済処理方法。
【請求項7】
プログラムであって、
請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の決済処理システムの各部としてコンピュータを機能させる、プログラム。