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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024099940
(43)【公開日】2024-07-26
(54)【発明の名称】表示装置および電子機器
(51)【国際特許分類】
   G09F 9/30 20060101AFI20240719BHJP
   G09F 9/302 20060101ALI20240719BHJP
   H10K 50/10 20230101ALI20240719BHJP
   H10K 59/12 20230101ALI20240719BHJP
   H10K 59/123 20230101ALI20240719BHJP
   H10K 59/131 20230101ALI20240719BHJP
【FI】
G09F9/30 338
G09F9/30 339Z
G09F9/30 365
G09F9/302 C
H10K50/10
H10K59/12
H10K59/123
H10K59/131
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023003591
(22)【出願日】2023-01-13
(71)【出願人】
【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100179475
【弁理士】
【氏名又は名称】仲井 智至
(74)【代理人】
【識別番号】100216253
【弁理士】
【氏名又は名称】松岡 宏紀
(74)【代理人】
【識別番号】100225901
【弁理士】
【氏名又は名称】今村 真之
(72)【発明者】
【氏名】児玉 拓海
(72)【発明者】
【氏名】腰原 健
【テーマコード(参考)】
3K107
5C094
【Fターム(参考)】
3K107AA01
3K107BB01
3K107BB07
3K107BB08
3K107CC33
3K107CC35
3K107EE03
3K107FF15
3K107HH05
5C094AA02
5C094AA05
5C094BA03
5C094BA27
5C094CA20
5C094DB01
5C094EA04
(57)【要約】
【課題】表示品位が低下を抑制することができる表示装置、および電子機器を提供する。
【解決手段】表示装置は、走査線と、第1データ線および第2データ線と、第1トランジスター回路と、第2トランジスター回路と、第1画素電極を含む第1発光素子と、第2画素電極を含む第2発光素子と、を備え、前記第1トランジスター回路は、第1駆動トランジスターと、第1選択トランジスターと、を有し、前記第2トランジスター回路は、第2駆動トランジスターと、第2選択トランジスターと、を有し、前記第1画素電極および前記第2画素電極は、前記第2方向に並び、前記第1トランジスター回路および前記第2トランジスター回路は、前記第1方向に並び、前記第1選択トランジスターが有するゲートと、前記第2選択トランジスターが有するゲートとは、前記走査線に電気的に接続される。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1方向に延在する走査線と、
前記第1方向と交差する第2方向に延在し、前記第1方向に並ぶ第1データ線および第2データ線と、
第1トランジスター回路と、
第2トランジスター回路と、
第1画素電極を含む第1発光素子と、
第2画素電極を含む第2発光素子と、を備え、
前記第1トランジスター回路は、前記第1画素電極に前記第1データ線からの第1映像信号に応じた電位に基づく第1駆動電流を供給する第1駆動トランジスターと、前記第1データ線と前記第1駆動トランジスターとを電気的に接続する第1選択トランジスターと、を有し、
前記第2トランジスター回路は、前記第2画素電極に前記第2データ線からの第2映像信号に応じた電位に基づく第2駆動電流を供給する第2駆動トランジスターと、前記第2データ線と前記第2駆動トランジスターとを電気的に接続する第2選択トランジスターと、を有し、
前記第1画素電極および前記第2画素電極は、前記第2方向に並び、
前記第1トランジスター回路および前記第2トランジスター回路は、前記第1方向に並び、
前記第1選択トランジスターが有するゲートと、前記第2選択トランジスターが有するゲートとは、前記走査線に電気的に接続される、
ことを特徴とする表示装置。
【請求項2】
前記第2方向に延在し、前記第1方向に並ぶ第3データ線および第4データ線と、
第3トランジスター回路と、
第4トランジスター回路と、
第3画素電極を含む第3発光素子と、
第4画素電極を含む第4発光素子と、を備え、
前記第3トランジスター回路は、前記第3画素電極に前記第3データ線からの第3映像信号に応じた電位に基づく第3駆動電流を供給する第3駆動トランジスターと、前記第3データ線と前記第3駆動トランジスターとを電気的に接続する第3選択トランジスターと、を有し、
前記第4トランジスター回路は、前記第4画素電極に前記第4データ線からの第4映像信号に応じた電位に基づく第4駆動電流を供給する第4駆動トランジスターと、前記第4データ線と前記第4駆動トランジスターとを電気的に接続する第4選択トランジスターと、を有し、
前記第3画素電極は、前記第1画素電極に対して前記第1方向に設けられ、
前記第4画素電極は、前記第2画素電極に対して前記第1方向に設けられ、かつ、前記第3画素電極に対して前記第2方向に設けられ、
前記第3トランジスター回路および前記第4トランジスター回路は、前記第1方向に並び、
前記第3選択トランジスターが有するゲートと、前記第4選択トランジスターが有するゲートとは、前記走査線に電気的に接続される、
請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記第2方向に延在し、前記第1方向に並ぶ第5データ線および第6データ線と、
第5トランジスター回路と、
第6トランジスター回路と、
第5画素電極を含む第5発光素子と、
第6画素電極を含む第6発光素子と、を備え、
前記第5トランジスター回路は、前記第5画素電極に前記第5データ線からの第5映像信号に応じた電位に基づく第5駆動電流を供給する第5駆動トランジスターと、前記第5データ線と前記第5駆動トランジスターとを電気的に接続する第5選択トランジスターと、を有し、
前記第6トランジスター回路は、前記第6画素電極に前記第6データ線からの第6映像信号に応じた電位に基づく第6駆動電流を供給する第6駆動トランジスターと、前記第6データ線と前記第6駆動トランジスターとを電気的に接続する第6選択トランジスターと、を有し、
前記第5画素電極は、前記第3画素電極に対して前記第1方向に設けられ、
前記第6画素電極は、前記第4画素電極に対して前記第1方向に設けられ、かつ、前記第5画素電極に対して前記第2方向に設けられ、
前記第5トランジスター回路および前記第6トランジスター回路は、前記第1方向に並び、
前記第5選択トランジスターが有するゲートと、前記第6選択トランジスターが有するゲートとは、前記走査線に電気的に接続され、
前記第1画素電極、前記第3画素電極、および前記第5画素電極は、カラー表示の1ドットを構成する第1画素に設けられ、
前記第1画素電極、前記第3画素電極、および前記第5画素電極は、カラー表示の他の1ドットを構成する第2画素に設けられ、
請求項2に記載の表示装置。
【請求項4】
前記第1画素電極、前記第2画素電極、前記第3画素電極、および前記第4画素電極は、カラー表示の1ドットを構成する1つの画素に設けられる、
請求項2に記載の表示装置。
【請求項5】
請求項1に記載の表示装置と、
前記表示装置の動作を制御する制御部と、を有することを特徴とする電子機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置および電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶表示装置および有機エレクトロルミネッセンス表示装置等の表示装置が知られている。かかる装置の一例として、特許文献1に記載の有機EL表示装置が挙げられる。
【0003】
特許文献1の有機EL表示装置では、複数のサブ画素をまとめて1つの矩形状の画素が構成されており、当該画素がマトリクス状に配置される。各サブ画素は、列方向に延びるデータ線と行方向に延びる走査線との交差に対応して設けられる。また、各サブ画素の領域内には、発光素子のアノード電極、スイッチ用トランジスターおよび駆動用トランジスターが設けられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2016-75868号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1の表示装置において、高解像度化を図るためにサブ画素数が増えると、1本の走査線に対応するサブ画素数が増加する。このため、1水平走査期間が減少してしまう。この結果、表示品位が低下するという課題がある。さらに、駆動フレームレートの高速化が進むと、当該課題はより顕著になる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
以上の課題を解決するために、本発明の好適な態様に係る表示装置は、第1方向に延在する走査線と、前記第1方向と交差する第2方向に延在し、前記第1方向に並ぶ第1データ線および第2データ線と、第1トランジスター回路と、第2トランジスター回路と、第1画素電極を含む第1発光素子と、第2画素電極を含む第2発光素子と、を備え、前記第1トランジスター回路は、前記第1画素電極に前記第1データ線からの第1映像信号に応じた電位に基づく第1駆動電流を供給する第1駆動トランジスターと、前記第1データ線と前記第1駆動トランジスターとを電気的に接続する第1選択トランジスターと、を有し、前記第2トランジスター回路は、前記第2画素電極に前記第2データ線からの第2映像信号に応じた電位に基づく第2駆動電流を供給する第2駆動トランジスターと、前記第2データ線と前記第2駆動トランジスターとを電気的に接続する第2選択トランジスターと、を有し、前記第1画素電極および前記第2画素電極は、前記第2方向に並び、前記第1トランジスター回路および前記第2トランジスター回路は、前記第1方向に並び、前記第1選択トランジスターが有するゲートと、前記第2選択トランジスターが有するゲートとは、前記走査線に電気的に接続される。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】第1実施形態の表示装置を示す図である。
図2図1の表示装置を模式的に示す図である。
図3図1の複数の画素のうちの任意の2つの画素を示す図である。
図4図3に示す6つの表示画素に対応する6つのトランジスター回路の配置図である。
図5図4の6つのトランジスター回路を示す図である。
図6】第2実施形態の1つの画素を示す図である。
図7図6の4つの表示画素に対応する4つのトランジスター回路の配置図である。
図8】第3実施形態の1つの画素を示す図である。
図9図8の2つの表示画素に対応する2つのトランジスター回路の配置図である。
図10】表示装置を備える電子機器としてのヘッドマウントディスプレイの外観を示す斜視図である。
図11図10に示すヘッドマウントディスプレイの光学的な構成の図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、添付図面を参照しながら本発明に係る好適な実施形態を説明する。なお、図面において各部の寸法や縮尺は実際のものと適宜異なり、理解を容易にするために模式的に示す部分もある。また、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの形態に限られない。
【0009】
A.第1実施形態
1.表示装置1の基本構成
図1は、第1実施形態の表示装置1を示す図である。図1に示す表示装置1は、例えばヘッドマウントディスプレイにおいて画像を表示するマイクロディスプレイである。また、表示装置1は、例えば、OLEDを含む有機EL装置である。OLEDは、Organic Light Emitting Diodeの略称である。ELは、Electroluminescenceの略称である。本実施形態では、表示装置1は、フルカラーの画像の表示が可能である。なお、画像には、文字情報のみを表示するものが含まれる。また、表示装置1は単色のみを表示可能な装置であってもよい。
【0010】
表示装置1は、画像を表示する表示パネル10を有し、表示パネル10で開口する枠状のケース71に収納される。表示装置1には、FPC基板72の一端が接続されている。FPCは、Flexible Printed Circuitsの略称である。FPC基板72の他端には、図示省略されたホスト装置を接続するための複数の端子73が設けられる。複数の端子73が当該ホスト装置に接続されると、表示装置1には、当該ホスト装置からFPC基板72を介して各種信号が供給される。
【0011】
2.表示装置1の構成
図2は、図1の表示装置1を模式的に示す図である。なお、以下では、説明の便宜上、X方向およびY方向を適宜用いて説明する。X方向に沿った軸とY方向に沿った軸とは互いに直交する。X方向は「第1方向」および「行方向」であり、Y方向が「第2方向」および「列方向」である。
【0012】
図2に示すように、表示装置1は、表示パネル10と、制御回路130、走査線駆動回路110、およびデータ線駆動回路120を含む。表示パネル10、制御回路130、走査線駆動回路110、およびデータ線駆動回路120は、例えばシリコン基板等の半導体基板上に形成される。
【0013】
表示パネル10には、X方向に延びるm本の走査線11と、Y方向に延びるn本のデータ線12とが設けられる。複数の走査線11と複数のデータ線12との交差に対応して複数の表示画素P0が設けられる。なお、例えば、X方向に並ぶ3つの表示画素P0ごとにカラー映像の1ドットを表現する画素Pを構成される。本実施形態では、画素Pの配列は、所謂RGBストライプ配列である。また、各表示画素P0には、後述の発光素子15が有する画素電極151が設けられる。
【0014】
制御回路130は、画像の表示を制御する。図2に示す制御回路130には、図示省略されたホスト装置から出力されるデジタルの映像データVideoが同期信号Syncに同期して供給される。制御回路130は、映像データVideoおよび同期信号Syncに基づいて表示装置1の各部を制御する。映像データVideoとは、表示すべき画像における表示画素P0の階調レベルを例えば8ビットで指定する。また、同期信号Syncとは、映像データVideoの垂直走査開始を指示する垂直同期信号、水平走査開始を指示する水平同期信号、およびドットクロック信号を含む信号である。
【0015】
制御回路130は、同期信号Syncに基づいて制御信号Ctr1を生成し、制御信号Ctr1を走査線駆動回路110に供給するとともに、同期信号Syncに基づいて制御信号Ctr2を生成し、制御信号Ctr2をデータ線駆動回路120に供給する。制御信号Ctr1およびCtr2のそれぞれは、パルス信号や、クロック信号、イネーブル信号などの複数の信号を含む。
【0016】
さらに、制御回路130は、映像データVideoに基づいて映像データVidを生成し、映像データVidをデータ線駆動回路120に供給する。映像データVidで示される階調レベルと、後述の発光素子15とでは、輝度の特性が一致しない場合がある。そこで、映像データVideoで示される階調レベルに対応した輝度で発光素子15を発光させるために、制御回路130は、例えば、映像データVideoの8ビットを10ビットに変更した映像データVidを生成する。
【0017】
また、制御回路130は、図示省略された電源回路からの電力の供給を受け、走査線駆動回路110、データ線駆動回路120、および表示パネル10に含まれる後述の複数のトランジスター回路20へ電源電位を供給する。
【0018】
走査線駆動回路110は、制御信号Ctr1に基づいて走査信号Gwrを生成する。走査信号Gwrは、各フレーム期間Vにおいてm行の走査線11を所定数行ごとに順番に選択して走査するため信号である。走査線駆動回路110は、各フレーム期間Vに含まれる1水平走査期間Hごとに、m行の走査線11から1以上の走査線11を順次排他的に選択し、複数の表示画素P0のうち映像信号Vdを書込む表示画素P0を選択する。なお、図2では、1、2、3、…、m行目の走査線11に供給される走査信号Gwrは、Gwr_1、Gwr_2、Gwr_3、…Gwr_mと表記される。
【0019】
なお、前述のフレーム期間Vとは、表示装置1が1カット分の画像を表示するのに要する期間をいう。フレーム期間Vの長さは、例えば、駆動フレームレートが60Hzである場合、1/60秒である。1フレーム期間Vには、行ごとに対応する水平走査期間Hおよび発光期間が含まれる。発光期間は、発光素子15が発光する期間である。1水平走査期間Hは、1行分の水平走査に要する期間である。1水平走査期間Hには、表示画素P0に映像信号Vdが書き込まれる書込期間が含まれる。なお、1水平走査期間Hでの走査線11の選択数は、1行に限定されず、2行以上でもよい。
【0020】
データ線駆動回路120は、走査線駆動回路110によって選択された行に設けられる表示画素P0に対応する後述のトランジスター回路20に対して映像信号Vdを供給する。なお、図2では、1、2、3、…、n行目のデータ線12に供給される映像信号Vdは、Vd_1、Vd_2、Vd_3、…Vd_nと表記される。
【0021】
3.表示画素P0の配置
図3は、図1の複数の画素Pのうちの任意の2つの画素Pを示す図である。図3には、複数の画素Pのうちの任意の2つの画素Pが図示される。一方の画素Pを第1画素P1とし、他方の画素Pを第2画素P2とする。第2画素P2は、第1画素P1に対してY方向に設けられる。
【0022】
第1画素P1および第2画素P2のそれぞれは、3つの表示画素P0を有する。具体的には、第1画素P1は、第1表示画素Pa、第3表示画素Pcおよび第5表示画素Peを有する。第1表示画素Pa、第3表示画素Pcおよび第5表示画素Peは、X方向に並ぶ。また、第2画素P2は、第2表示画素Pb、第4表示画素Pdおよび第6表示画素Pfを有する。第2表示画素Pb、第4表示画素Pdおよび第6表示画素Pfは、X方向に並ぶ。第1表示画素Paおよび第2表示画素Pbは、例えば赤色の波長域の光を発する。第3表示画素Pcおよび第4表示画素Pdは、例えば緑色の波長域の光を発する。第5表示画素Peおよび第6表示画素Pfは、例えば青色の波長域の光を発する。
【0023】
各表示画素P0には、画素電極151が設けられる。複数の表示画素P0がマトリクス状に配置されていることと同様に、複数の画素電極151は、マトリクス状に配置される。なお、図示はしないが、各表示画素P0には、画素電極151とほぼ同一の平面積でほぼ同一の平面視形状である発光領域が設けられる。当該発光領域から光が出射される。
【0024】
第1表示画素Paには、第1画素電極151aが設けられる。第3表示画素Pcには、第3画素電極151cが設けられる。第5表示画素Peには、第5画素電極151eが設けられる。また、第2表示画素Pbには、第2画素電極151bが設けられる。第4表示画素Pdには、第4画素電極151dが設けられる。第5表示画素Peには、第5画素電極151eが設けられる。第6表示画素Pfには、第6画素電極151fが設けられる。
【0025】
第3画素電極151cは、第1画素電極151aに対してX方向に設けられる。第5画素電極151eは、第3画素電極151cに対してX方向に設けられる。また、第2画素電極151bは、第1画素電極151aに対してY方向に設けられる。第4画素電極151dは、第3画素電極151cに対してY方向に設けられ、かつ第2画素電極151bに対してX方向に設けられる。第6画素電極151fは、第5画素電極151eに対してY方向に設けられ、かつ第4画素電極151dに対してX方向に設けられる。
【0026】
4.トランジスター回路20の配置
図4は、図3に示す6つの表示画素P0に対応する6つのトランジスター回路20の配置図である。図4には、6つのトランジスター回路20として、第1トランジスター回路20a、第2トランジスター回路20b、第3トランジスター回路20c、第4トランジスター回路20d、第5トランジスター回路20e、および第6トランジスター回路20fが図示される。
【0027】
第1トランジスター回路20aは、第1表示画素Paに対応する。第2トランジスター回路20bは、第2表示画素Pbに対応する。第3トランジスター回路20cは、第3表示画素Pcに対応する。第4トランジスター回路20dは、第4表示画素Pdに対応する。第5トランジスター回路20eは、第5表示画素Pe対応する。第6トランジスター回路20fは、第6表示画素Pfに対応する。
【0028】
第1トランジスター回路20aと、第2トランジスター回路20bと、第3トランジスター回路20cと、第4トランジスター回路20dと、第5トランジスター回路20eと、第6トランジスター回路20fとは、この順にX方向に並ぶ。
【0029】
詳細な図示はしないが、第1トランジスター回路20aおよび第2トランジスター回路20bは、平面視で第1表示画素Paおよび第2表示画素Pbに重なる。かかる配置により、第1トランジスター回路20aと第1画素電極151aとの電気的な接続経路が過度に長くなること、および過度に複雑になることが抑制される。なお、第2トランジスター回路20bについても同様である。また、平面視とは、X方向およびY方向の両方に対して直交する方向から見ることをいう。
【0030】
同様に、詳細な図示はしないが、第3トランジスター回路20cおよび第4トランジスター回路20dは、平面視で第3表示画素Pcおよび第4表示画素Pdに重なる。かかる配置により、第3トランジスター回路20cと第3画素電極151cとの電気的な接続経路が過度に長くなること、および過度に複雑になることが抑制される。なお、第4トランジスター回路20dについても同様である。また、第5トランジスター回路20eおよび第6トランジスター回路20fは、平面視で第5表示画素Peおよび第6表示画素Pfに重なる。かかる配置により、第5トランジスター回路20eと第5画素電極151eとの電気的な接続経路が過度に長くなること、および過度に複雑になることが抑制される。なお、第6トランジスター回路20fについても同様である。
【0031】
5.トランジスター回路20の構成
図5は、図4の6つのトランジスター回路20を示す図である。図5に示すように、第1トランジスター回路20aは、第1発光素子15a、第1駆動トランジスター16a、第1選択トランジスター17a、および第1容量素子18aを有する。
【0032】
第1発光素子15aは、第1画素電極151a、共通電極152、および発光層153を含む。なお、共通電極152は、第1~第6発光素子15a~15fで共通である。発光層153は、第1~第6発光素子15a~15fで共通であるが、個別であってもよい。
【0033】
第1発光素子15aは、第1定電位配線13pと第2定電位配線14pとを連結する経路上に配置される。第1定電位配線13pには、図示省略された電源回路から高位側の電位Velが供給される。第2定電位配線14pには、当該電源回路から低位側の電位Vctが供給される。また、第1発光素子15aは、例えばOLEDである。発光層153は、発光材料を含み、第1画素電極151aと共通電極152との間に介在する。第1画素電極151aがアノード電極として機能し、共通電極152がカソード極として機能する。かかる第1発光素子15aは、第1画素電極151aから供給される正孔と、共通電極152から供給される電子とが発光層153で再結合する。再結合により、発光層153が発光する。
【0034】
第1駆動トランジスター16aは、第1画素電極151aにn本のデータ線12のうちの第1データ線12aから供給される第1映像信号Vdaに応じた電位に基づく第1駆動電流Idaを供給する。第1駆動トランジスター16aは、第1発光素子15aに対して直列に配置される。第1駆動トランジスター16aのソースまたはドレインのうちの一方は、第1定電位配線13pに電気的に接続され、他方は、第1画素電極151aに電気的に接続される。
【0035】
第1選択トランジスター17aは、第1データ線12aと第1駆動トランジスター16aとを電気的に接続する。具体的には、第1選択トランジスター17aは、第1データ線12aと第1駆動トランジスター16aのゲートとの導通および非導通を制御するスイッチとして機能する。第1選択トランジスター17aのソースまたはドレインのうちの一方が、第1データ線12aに電気的に接続され、他方は、第1駆動トランジスター16aのゲートに電気的に接続される。第1選択トランジスター17aが有するゲートは、m本の走査線11のうちの任意の1つの走査線11pに電気的に接続される。
【0036】
以下では、第2~第6トランジスター回路20b~20fについて説明するが、第1トランジスター回路20aと同様の事項については適宜説明を省略する。
【0037】
第2トランジスター回路20bは、第2発光素子15b、第2駆動トランジスター16b、第2選択トランジスター17b、および第2容量素子18bを有する。第2発光素子15bは、第2画素電極151b、共通電極152、および発光層153を含む。第2駆動トランジスター16bは、第2画素電極151bに第2データ線12bから供給される第2映像信号Vdbに応じた電位に基づく第2駆動電流Idbを供給する。第2選択トランジスター17bは、n本のデータ線12のうちの第2データ線12bと第2駆動トランジスター16bとを電気的に接続する。第2選択トランジスター17bが有するゲートは、走査線11pに電気的に接続される。
【0038】
第3トランジスター回路20cは、第3発光素子15c、第3駆動トランジスター16c、第3選択トランジスター17c、および第3容量素子18cを有する。第3発光素子15cは、第3画素電極151c、共通電極152、および発光層153を含む。第3駆動トランジスター16cは、第3画素電極151cに第3データ線12cから供給される第3映像信号Vdcに応じた電位に基づく第3駆動電流Idcを供給する。第3選択トランジスター17cは、n本のデータ線12のうちの第3データ線12cと第3駆動トランジスター16cとを電気的に接続する。第3選択トランジスター17cが有するゲートは、走査線11pに電気的に接続される。
【0039】
第4トランジスター回路20dは、第4発光素子15d、第4駆動トランジスター16d、第4選択トランジスター17d、および第4容量素子18dを有する。第4発光素子15dは、第4画素電極151d、共通電極152、および発光層153を含む。第4駆動トランジスター16dは、第4画素電極151dに第4データ線12dから供給される第4映像信号Vddに応じた電位に基づく第4駆動電流Iddを供給する。第4選択トランジスター17dは、n本のデータ線12のうちの第4データ線12dと第4駆動トランジスター16dとを電気的に接続する。第4選択トランジスター17dが有するゲートは、走査線11pに電気的に接続される。
【0040】
第5トランジスター回路20eは、第5発光素子15e、第5駆動トランジスター16e、第5選択トランジスター17e、および第5容量素子18eを有する。第5発光素子15eは、第5画素電極151e、共通電極152、および発光層153を含む。第5駆動トランジスター16eは、第5画素電極151eに第5データ線12eから供給される第5映像信号Vdeに応じた電位に基づく第5駆動電流Ideを供給する。第5選択トランジスター17eは、n本のデータ線12のうちの第5データ線12eと第5駆動トランジスター16eとを電気的に接続する。第5選択トランジスター17eが有するゲートは、走査線11pに電気的に接続される。
【0041】
第6トランジスター回路20fは、第6発光素子15f、第6駆動トランジスター16f、第6選択トランジスター17f、および第6容量素子18fを有する。第6発光素子15fは、第6画素電極151f、共通電極152、および発光層153を含む。第6駆動トランジスター16fは、第6画素電極151fに第6データ線12fから供給される第6映像信号Vdfに応じた電位に基づく第6駆動電流Idfを供給する。第6選択トランジスター17fは、n本のデータ線12のうちの第6データ線12fと第6駆動トランジスター16fとを電気的に接続する。第6選択トランジスター17fが有するゲートは、走査線11pに電気的に接続される。
【0042】
なお、トランジスター回路20の図5に示す構成は一例であり、図5に示す構成以外であってもよい。例えば、第1トランジスター回路20aは、第1画素電極151aと第1駆動トランジスター16aとの間の導通を制御する他のトランジスターをさらに備えてもよい。
【0043】
前述のように、図3に示す第1画素電極151aおよび第2画素電極151bは、Y方向に並ぶ。一方、図4に示す第1トランジスター回路20aおよび第2トランジスター回路20bは、X方向に並ぶ。したがって、第1トランジスター回路20aおよび第2トランジスター回路20bの配列方向は、第1画素電極151aおよび第2画素電極151bの配列方向と交差する。そして、図5に示す第1選択トランジスター17aが有するゲートと、第2選択トランジスター17bが有するゲートとは、同一の走査線11pに電気的に接続される。なお、第1選択トランジスター17aのソースまたはドレインのうちの一方と、第2選択トランジスター17bのソースまたはドレインのうちの一方は、互いに異なるデータ線12に電気的に接続される。
【0044】
従来、トランジスター回路20は、画素電極151の配置と同様に、マトリクス状に配置される。このため、従来、第1画素電極151aおよび第2画素電極151bがY方向に並ぶ場合、第1トランジスター回路20aおよび第2トランジスター回路20bは、Y方向に並ぶ。よって、第1トランジスター回路20aと第2トランジスター回路20bとは、互いに異なる走査線11に電気的に接続されていた。したがって、従来、第1選択トランジスター17aと第2選択トランジスター17bのON/OFFを制御するためには、2本の走査線11が必要であった。
【0045】
これに対し、本実施形態では、第1画素電極151aおよび第2画素電極151bは、Y方向に並ぶことに対し、第1トランジスター回路20aおよび第2トランジスター回路20bは、X方向に並ぶ。このため、第1選択トランジスター17aが有するゲートと、第2選択トランジスター17bが有するゲートとは、同一の走査線11pに電気的に接続される。したがって、第1選択トランジスター17aおよび第2選択トランジスター17bのON/OFFを制御する走査線11pは共通である。よって、従来、2本必要であって走査線11が、本実施形態では1本の走査線11pで済む。つまり、従来の構成に比べ、走査線11の数を1/2にすることができる。このため、1水平走査期間Hを従来の1水平走査期間Hよりも2倍長くすることができる。よって、1水平走査期間Hが短くなることによる表示品位の低下を抑制することができる。特に、駆動フレームレートの高速化が進んだ場合であっても、表示品位の維持に十分な1水平走査期間Hを確保することができる。
【0046】
また、図3に示すように、第3画素電極151cは、第1画素電極151aに対してX方向に設けられる。第4画素電極151dは、第2画素電極151bに対してX方向に設けられ、かつ、第3画素電極151cに対してY方向に設けられる。第5画素電極151eは、第3画素電極151cに対してX方向に設けられる。第6画素電極151fは、第4画素電極151dに対してX方向に設けられ、かつ、第5画素電極151eに対してY方向に設けられる。したがって、第1~第6画素電極151a~151fは、2行3列で配置される。
【0047】
また、図4に示すように、第3トランジスター回路20c、第4トランジスター回路20d、第5トランジスター回路20eおよび第6トランジスター回路20fは、走査線11pの延びる方向と同じX方向に並ぶ。したがって、第1~第6トランジスター回路20a~29fは、1行6列で配置される。そして、第3選択トランジスター17cが有するゲートと、第4選択トランジスター17dが有するゲートと、第5選択トランジスター17eが有するゲートと、第6選択トランジスター17fが有するゲートとは、走査線11pに電気的に接続される。したがって、第1~第6選択トランジスター17a~17fの各ゲートは、走査線11pに電気的に接続される。よって、第1~第6トランジスター回路20a~20fの第1~第6選択トランジスター17a~17fのON/OFFを制御する走査線11pは共通である。なお、第1~第6選択トランジスター17a~17fのソースまたはドレインのうちの一方は、互いに異なるデータ線12に電気的に接続される。
【0048】
本実施形態によれば、6つの表示画素P0が2行3列に配置されることに対し、6つのトランジスター回路20は1行6列で配置される。したがって、画素電極151の列方向の配列数に対し、トランジスター回路20の列方向の配列数を半分にすることができる。すなわち、表示画素P0の配列数に対し、トランジスター回路20の配列数を半分にすることができる。したがって、前述のように、1水平走査期間Hを従来の1水平走査期間Hの2倍確保することができる。よって、表示品位の低下を抑制することができる。
【0049】
また、第1画素電極151a、第3画素電極151c、および第5画素電極151eは、カラー表示の1ドットを構成する第1画素P1を構成する。第2画素電極151b、第4画素電極151d、および第6画素電極151fは、カラー表示の他の1ドットを構成する第2画素P2を構成する。よって、列方向に並ぶ2つの画素Pのトランジスター回路20が行方向に並ぶ。そして、列方向に並ぶ2つの画素Pが有するトランジスター回路20のゲートが1本の走査線11pに電気的に接続される。かかる構成によれば、画素Pの配列方向に関わらず、前述のように、画素電極151の列方向の配列数に対し、トランジスター回路20の列方向の配列数を半分にすることができる。したがって、前述のように、1水平走査期間Hを従来の1水平走査期間Hの2倍確保することができる。よって、表示品位の低下を抑制することができる。
【0050】
B.第2実施形態
第2実施形態を説明する。なお、以下の各例示において機能が第1実施形態と同様である要素については、第1実施形態の説明で使用した符号を流用して各々の詳細な説明を適宜に省略する。
【0051】
本実施形態では、1画素Pに含まれる表示画素P0の組み合わせが第1実施形態と異なる。本実施形態における表示画素P0の配置は、いわゆるベイヤー配列である。
【0052】
図6は、第2実施形態の1つの画素Pを示す図である。なお、図6には、複数の画素Pのうちの任意の1つの画素PAが図示される。
【0053】
図6に示すように、画素PAは、4つの表示画素P0を有する。具体的には、画素P3は、第1表示画素PaA、第2表示画素PbA、第3表示画素PcAおよび第4表示画素PdAを有する。例えば、第1表示画素PaAは、赤色の波長域の光を発する。第2表示画素PbAは、緑色の波長域の光を発する。第3表示画素PcAは、緑色の波長域の光を発する。第4表示画素PdAは、青色の波長域の光を発する。
【0054】
第1表示画素PaAには、第1画素電極151aが設けられる。第2表示画素PbAには、第2画素電極151bが設けられる。第3表示画素PcAには、第3画素電極151cが設けられる。第4表示画素PdAには、第4画素電極151dが設けられる。
【0055】
第2画素電極151bは、第1画素電極151aに対してX方向に設けられる。第3表示画素PcAは、第1画素電極151aに対してY方向に設けられる。第4画素電極151dは、第3表示画素PcAに対してX方向に設けられ、かつ第2画素電極151bに対してY方向に設けられる。
【0056】
図7は、図6に示す4つの表示画素P0に対応する4つのトランジスター回路20の配置図である。図7には、4つのトランジスター回路20として、第1トランジスター回路20aと、第2トランジスター回路20bと、第3トランジスター回路20cと、第4トランジスター回路20dと、が図示される。第1トランジスター回路20aは、第1表示画素PaAに対応する。第2トランジスター回路20bは、第2表示画素PbAに対応する。第3トランジスター回路20cは、第3表示画素PcAに対応する。第4トランジスター回路20dは、第4表示画素PdAに対応する。
【0057】
第1トランジスター回路20aと、第2トランジスター回路20bと、第3トランジスター回路20cと、第4トランジスター回路20dとは、この順にX方向に並ぶ。
【0058】
詳細な図示はしないが、第1トランジスター回路20aおよび第2トランジスター回路20bは、平面視で第1表示画素PaAおよび第2表示画素PbAに重なる。かかる配置により、第1トランジスター回路20aと第1画素電極151aとの電気的な接続経路が過度に長くなること、および過度に複雑になることが抑制される。なお、第2トランジスター回路20bについても同様である。また、詳細な図示はしないが、第3トランジスター回路20cおよび第4トランジスター回路20dは、平面視で第3表示画素PcAおよび第4表示画素PdAに重なる。かかる配置により、第3トランジスター回路20cと第3画素電極151cとの電気的な接続経路が過度に長くなること、および過度に複雑になることが抑制される。なお、第4トランジスター回路20dについても同様である。
【0059】
本実施形態では、4つの表示画素P0が2行2列に配置されることに対し、4つのトランジスター回路20が1行4列で配置される。また、第1選択トランジスター17aが有するゲートと、第2選択トランジスター17bが有するゲートと、第3選択トランジスター17cが有するゲートと、第4選択トランジスター17dが有するゲートとは、同一の走査線11pに電気的に接続される。
【0060】
本実施形態によれば、第1実施形態と同様に、画素電極151の列方向の配列数に対し、トランジスター回路20の列方向の配列数を半分にすることができる。すなわち、表示画素P0の配列数に対し、トランジスター回路20の配列数を半分にすることができる。具体的には、なお、表示画素P0の行方向の配列数に対し、トランジスター回路20の配列数は2倍になる。かかる本実施形態の構成によれば、1水平走査期間Hを従来の1水平走査期間Hの2倍確保することができる。よって、1水平走査期間Hが短くなることによる表示品位の低下を抑制することができる。
【0061】
また、本実施形態では、第1画素電極151a、第2画素電極151b、第3画素電極151cおよび第4画素電極151dは、カラー表示の1ドットを構成する1画素Pを構成する。よって、1画素Pに対応する第1~第4トランジスター回路20a~20dが一行に並び、第1~第4トランジスター回路20a~20dの各ゲートが走査線11pに電気的に接続される。本実施形態のように、1画素Pが有する4つの表示画素P0が2行2列で配置される場合であっても、画素電極151の列方向の配列数に対し、トランジスター回路20の列方向の配列数を半分にすることができる。したがって、前述のように、1水平走査期間Hを従来の1水平走査期間Hの2倍確保することができる。よって、表示品位の低下を抑制することができる。
【0062】
C.第3実施形態
第3実施形態を説明する。なお、以下の各例示において機能が第1実施形態と同様である要素については、第1実施形態の説明で使用した符号を流用して各々の詳細な説明を適宜に省略する。
【0063】
本実施形態では、1画素Pに含まれる表示画素P0の組み合わせが第1実施形態と異なる。本実施形態では、例えば、単色表示を行う。
【0064】
図8は、第3実施形態の1つの画素Pを示す図である。なお、図8には、複数の画素Pのうちの任意の1つの画素PBが図示される。図8に示すように、画素PBは、2つの表示画素P0を有する。具体的には、画素PBは、第1表示画素PaB、および第2表示画素PbBを有する。例えば、第1表示画素PaAおよび第2表示画素PbBは、互いに同一の色の波長域の光を発する。
【0065】
第1表示画素PaBには、第1画素電極151aが設けられる。第2表示画素PbBには、第2画素電極151bが設けられる。第2画素電極151bは、第1画素電極151aに対してY方向に設けられる。
【0066】
図9は、図8に示す2つの表示画素P0に対応する2つのトランジスター回路20の配置図である。図9には、2つのトランジスター回路20として、第1トランジスター回路20aと第2トランジスター回路20bとが図示される。第1トランジスター回路20aは、第1表示画素PaBに対応する。第2トランジスター回路20bは、第2表示画素PbBに対応する。
【0067】
第1トランジスター回路20aと、第2トランジスター回路20bとは、この順にX方向に並ぶ。詳細な図示はしないが、第1トランジスター回路20aおよび第2トランジスター回路20bは、平面視で第1表示画素PaBおよび第2表示画素PbBに重なる。かかる配置により、第1トランジスター回路20aと第1画素電極151aとの電気的な接続経路が過度に長くなること、および過度に複雑になることが抑制される。同様に、第2トランジスター回路20bと第2画素電極151bとの電気的な接続経路が過度に長くなること、および過度に複雑になることが抑制される。
【0068】
本実施形態では、第1実施形態と同様に、第1トランジスター回路20aおよび第2トランジスター回路20bの配列方向は、第1画素電極151aおよび第2画素電極151bの配列方向と交差する。また、本実施形態では、2つの表示画素P0が2行1列に配置されることに対し、2つのトランジスター回路20は1行2列で配置される。そして、第1選択トランジスター17aが有するゲートと、第2選択トランジスター17bが有するゲートとは、同一の走査線11pに電気的に接続される。
【0069】
本実施形態によれば、第1実施形態と同様に、画素電極151の列方向の配列数に対し、トランジスター回路20の列方向の配列数を半分にすることができる。すなわち、表示画素P0の配列数に対し、トランジスター回路20の配列数を半分にすることができる。かかる本実施形態の構成によれば、1水平走査期間Hを従来の1水平走査期間Hの2倍確保することができる。よって、1水平走査期間Hが短くなることによる表示品位の低下を抑制することができる。
【0070】
また、本実施形態では、第1画素電極151a、および第2画素電極151bは、カラー表示の1ドットを構成する1画素Pを構成する。1画素Pが有する2つの表示画素P0が2行1列で配置される場合であっても、2つの表示画素P0に対応する2つのトランジスター回路20のゲートが1本の走査線11pに電気的に接続される。かかる構成によれば、前述のように、行方向の配列数を半分にすることができる。したがって、前述のように、1水平走査期間Hを従来の1水平走査期間Hの2倍確保することができる。よって、表示品位の低下を抑制することができる。
【0071】
D.変形例
以上に例示した実施形態は多様に変形され得る。前述の実施形態に適用され得る具体的な変形の態様を以下に例示する。以下の例示から任意に選択された2以上の態様は、相互に矛盾しない範囲で適宜に併合され得る。
【0072】
前述の実施形態の表示画素P0の配置は例示であり、他の配置であってもよい。例えば、いわゆるペンタイル配置等であってもよい。
【0073】
前述の実施形態では、2つのトランジスター回路20が平面視で2つの表示画素P0に重なる。しかし、3つ以上のトランジスター回路20が平面視で3つ以上の表示画素P0重なってもよい。この場合、Y方向に並ぶ3つ以上の表示画素P0に対応する3つ以上のトランジスター回路20がX方向に並ぶ。そして、この場合、当該3つのトランジスター回路20が有する選択トランジスター17のゲートが同一の走査線11pに電気的に接続される。この構成によれば、表示画素P0の配列数に対し、トランジスター回路20の配列数を1/3以下にすることができる。かかる構成によれば、1水平走査期間Hを従来の1水平走査期間Hの3倍以上確保することができる。
【0074】
ただし、2つのトランジスター回路20が平面視で2つの表示画素P0に重なり、当該2つの表示画素P0に対応する2つのトランジスター回路20が有する選択トランジスター17のゲートが同一の走査線11pに電気的に接続される構成が最適である。データ線12の配線数が過度に密にならず、かつ、1水平走査期間Hが短くなることによる表示品位の低下を抑制することができる。
【0075】
前述の実施形態では、発光素子15は、OLEDである。しかし、例えば発光素子15は、LED、ミニLED、マイクロLED等であってもよい。LEDは、light-emitting diodeの略である。
【0076】
E.電子機器
前述の各実施形態または各変形例の表示装置1は、各種の電子機器に適用することができる。前述の実施形態に係る表示装置1は、特に2K2K以上の高精細な画像の表示を要求され、かつ小型であることを要求される電子機器に好適である。
【0077】
図10は、電子機器としてのヘッドマウントディスプレイ300の外観を示す斜視図である。図11は、図10に示すヘッドマウントディスプレイ300の光学的な構成の図である。図11では、左眼用の表示装置1を表示装置1Lと表記し、右眼用の表示装置1を表示装置1Rと表記する。
【0078】
図10に示されるように、ヘッドマウントディスプレイ300は、テンプル310、ブリッジ320、投射光学系301L、投射光学系301R、および制御部350を備える。また、図11に示すように、ヘッドマウントディスプレイ300は、2つの表示装置1を備える。制御部350は、例えばプロセッサーおよびメモリーを含み、2つの表示装置1の各動作を制御する。
【0079】
表示装置1Lによって形成される映像光LLは、投射光学系301Lに出射される。投射光学系301Lは、光学レンズ302Lおよびハーフミラー303Lを含む。映像光LLは、光学レンズ302Lを介してハーフミラー303Lに向けて出射される。映像光LLの一部はハーフミラー303Lで反射し、ヘッドマウントディスプレイ300の装着者の瞳EYに投射される。また、映像光LLの一部は、ハーフミラー303Lを透過する。同様に、表示装置1Rによって形成される映像光LRは、投射光学系301Rに出射される。投射光学系301Rは、光学レンズ302Rおよびハーフミラー303Rを含む。映像光LRは、光学レンズ302Rを介してハーフミラー303Lに向けて出射される。映像光LRの一部はハーフミラー303Rで反射し、ヘッドマウントディスプレイ300の装着者の瞳EYに投射される。また、映像光LRの一部は、ハーフミラー303Rを透過する。
【0080】
ヘッドマウントディスプレイ300の装着者は、外界像を視認しながら、映像光LLおよびLRにより形成された画像を視認することができる。
【0081】
ヘッドマウントディスプレイ300は、前述の表示装置1および制御部350を備える。表示装置1によれば、表示品位の低下を抑制することができる。したがって、ヘッドマウントディスプレイ300が表示装置1を備えることで、ヘッドマウントディスプレイ300の表示品位の低下を抑制することができる。
【0082】
なお、前述の表示装置1が適用される電子機器としては、ヘッドマウントディスプレイ300のほか、デジタルスコープ、デジタル双眼鏡、デジタルスチルカメラ、ビデオカメラなど眼に近接して配置する電子機器が挙げられる。さらに、携帯電話機、スマートフォン、スマートウォッチ、携帯情報端末(PDA:Personal Digital Assistants)、カーナビゲーション装置、および車載用のインストルメントパネルなどの表示器等の電子機器に設けられる表示部として適用することができる。また、表示装置1は、投写式プロジェクターのライトバルブに適用可能である。
【0083】
以上、本発明について図示の実施形態および変形例に基づいて説明したが、本発明は、これらに限定されるものではない。また、本発明の各部の構成は、前述した実施形態の同様の機能を発揮する任意の構成のものに置換することができ、また、任意の構成を付加することもできる。
【符号の説明】
【0084】
1…表示装置、1H…1水平走査期間、1L…表示装置、1R…表示装置、10…表示パネル、11…走査線、11p…走査線、12…データ線、12a…第1データ線、12b…第2データ線、12c…第3データ線、12d…第4データ線、12e…第5データ線、12f…第6データ線、13p…第1定電位配線、14p…第2定電位配線、15…発光素子、15a…第1発光素子、15b…第2発光素子、15c…第3発光素子、15d…第4発光素子、15e…第5発光素子、15f…第6発光素子、16a…第1駆動トランジスター、16b…第2駆動トランジスター、16c…第3駆動トランジスター、16d…第4駆動トランジスター、16e…第5駆動トランジスター、16f…第6駆動トランジスター、17…第1選択トランジスター、17a…第1選択トランジスター、17b…第2選択トランジスター、17c…第3選択トランジスター、17d…第4選択トランジスター、17e…第5選択トランジスター、17f…第6選択トランジスター、18a…第1容量素子、18b…第2容量素子、18c…第3容量素子、18d…第4容量素子、18e…第5容量素子、18f…第6容量素子、20…トランジスター回路、20a…第1トランジスター回路、20b…第2トランジスター回路、20c…第3トランジスター回路、20d…第4トランジスター回路、20e…第5トランジスター回路、20f…第6トランジスター回路、71…ケース、72…FPC基板、73…端子、110…走査線駆動回路、120…データ線駆動回路、130…制御回路、151…画素電極、151a…第1画素電極、151b…第2画素電極、151c…第3画素電極、151d…第4画素電極、151e…第5画素電極、151f…第6画素電極、152…共通電極、153…発光層、300…ヘッドマウントディスプレイ、301L…投射光学系、301R…投射光学系、302L…光学レンズ、302R…光学レンズ、303L…ハーフミラー、303R…ハーフミラー、310…テンプル、320…ブリッジ、350…制御部、Ctr1…制御信号、Ctr2…制御信号、EY…瞳、Gwr…走査信号、Ida…第1駆動電流、Idb…第2駆動電流、Idc…第3駆動電流、Idd…第4駆動電流、Ide…第5駆動電流、Idf…第6駆動電流、LL…映像光、LR…映像光、P…画素、P0…表示画素、P1…第1画素、P2…第2画素、P3…画素、PA…画素、PB…画素、Pa…第1表示画素、PaA…第1表示画素、PaB…第1表示画素、Pb…第2表示画素、PbA…第2表示画素、PbB…第2表示画素、Pc…第3表示画素、PcA…第3表示画素、Pd…第4表示画素、PdA…第4表示画素、Pe…第5表示画素、Pf…第6表示画素、Vct…電源電位、Vd…映像信号、Vda…第1映像信号、Vdb…第2映像信号、Vdc…第3映像信号、Vdd…第4映像信号、Vde…第5映像信号、Vdf…第6映像信号、Vel…電源電位、Vid…映像データ、Video…映像データ。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11