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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024099958
(43)【公開日】2024-07-26
(54)【発明の名称】収容装置及び切断装置
(51)【国際特許分類】
   B23Q 7/00 20060101AFI20240719BHJP
   B23K 26/38 20140101ALI20240719BHJP
   B23K 26/70 20140101ALI20240719BHJP
   B23K 10/00 20060101ALI20240719BHJP
   B23K 7/00 20060101ALI20240719BHJP
   B23K 37/00 20060101ALI20240719BHJP
【FI】
B23Q7/00 E
B23K26/38 A
B23K26/70
B23K10/00 501A
B23K7/00 501A
B23K37/00 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023003610
(22)【出願日】2023-01-13
(71)【出願人】
【識別番号】000185374
【氏名又は名称】小池酸素工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000718
【氏名又は名称】弁理士法人中川国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】丸山 要一
【テーマコード(参考)】
3C033
4E001
4E168
【Fターム(参考)】
3C033AA06
3C033BB03
3C033MM02
3C033MM06
3C033PP10
4E001AA01
4E001BA04
4E001CA00
4E168AD07
4E168DA28
4E168FC01
4E168GA01
4E168GA02
4E168JA02
(57)【要約】
【課題】被切断材を片持梁状のフレームを利用して引き出す際に、該フレームの高さを大きくすることなく支持し得る収容装置を提供する。
【解決手段】被切断材1を載置するパレット2を複数台収容する収容棚10と、パレット2を移送すると共に昇降させる昇降装置20とを有し、昇降装置は、昇降フレーム21と、昇降フレームを収容棚の端部11側に沿って上下方向に駆動する昇降駆動部材22と、収容棚の端部側であって対向する位置に配置された一対の支持リンクを有し、支持リンクは、一方の端部が第1回動支点25に回動可能に支持されると共に他方の端部が昇降フレームに接触して摺動可能な第1リンク24と、一方の端部が第1回動支点の略鉛直線の上方に設けた第2回動支点27に回動可能に支持されると共に他方の端部が第1リンクの長さ方向の略中央に設けた第3回動支点28に回動可能に支持された第2リンク26と、を有して構成された支持部材23と、を有して構成されている。
【選択図】 図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被切断材を載置する載置台と、
前記載置台を上下方向に複数台収容する収容棚と、
前記収容棚の端部側に配置され、前記載置台を水平面内に於ける予め設定された移送方向に移送すると共に上下方向に昇降させる昇降装置と、を有し、
前記昇降装置は、
前記載置台を前記移送方向に移送して前記収容棚から引き出し又は収容する移送部材を有し該収容棚の端部側に沿って昇降する昇降フレームと、
前記昇降フレームを前記収容棚の端部側に沿って上下方向に駆動する昇降駆動部材と、
前記収容棚に於ける移送方向の端部側であって該移送方向と直交する方向に於ける対向する位置に配置された一対の支持リンクを有し、夫々の支持リンクは、一方の端部が前記収容棚に於ける載置台の移送方向の端部側の下方に設けた第1回動支点に回動可能に支持されると共に他方の端部が前記昇降フレームに接触して摺動可能な第1リンクと、一方の端部が前記昇降フレームに於ける前記第1回動支点の略鉛直線の上方に設けた第2回動支点に回動可能に支持されると共に他方の端部が前記第1リンクの長さ方向の略中央に設けた第3回動支点に回動可能に支持された第2リンクと、を有して構成された支持部材と、
を有して構成されていることを特徴とする収容装置。
【請求項2】
前記昇降装置は、前記収容棚に於ける端部側に配置され、前記載置台を前記移動方向に移送して該載置台を収容棚に収容し又は収容されている載置台を引き出して昇降させるように構成されていることを特徴とする請求項1に記載した収容装置。
【請求項3】
前記第1リンクは昇降フレームの長さと略等しいか短い長さを有し、前記第2リンクは前記第1リンクの略半分の長さを有することを特徴とする請求項1又は2に記載した収容装置。
【請求項4】
平行に敷設された一対のレールと
被切断材を切断するための切断ノズルを搭載し、前記一対のレール上を走行しつつ該切断ノズルを稼動させることで被切断材を切断する切断機と、
前記一対のレールの内側に設定された切断領域と、
前記切断領域を跨いで又は並行して配置され、被切断材を載置する載置台を上下方向に複数台収容する収容棚と、
前記収容棚の端部に配置され、前記載置台をレールの敷設方向又は直交する方向に移送して前記収容棚から引き出す移送部材を有し該収容棚に沿って昇降する昇降フレームと、該昇降フレームを前記収容棚の端部側に沿って上下方向に駆動する昇降駆動部材と、前記収容棚に於ける移送方向の端部側であって該移送方向と直交する方向に於ける対向する位置に配置された一対の支持リンクを有し、夫々の支持リンクは、一方の端部が前記収容棚に於ける載置台の移送方向の端部側の下方に設けた第1回動支点に回動可能に支持されると共に他方の端部が前記昇降フレームに接触して摺動可能な第1リンクと、一方の端部が前記昇降フレームに於ける前記第1回動支点の略鉛直線の上方に設けた第2回動支点に回動可能に支持されると共に他方の端部が前記第1リンクの長さ方向の略中央に設けた第3回動支点に回動可能に支持された第2リンクとを有して構成された支持部材と、を有することを特徴とする切断装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の被切断材を上下方向に収容すると共に、被切断材を収容又は引き出すことが可能な収容装置と、この収容装置を利用する切断装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
鋼板に代表される被切断材をレーザ切断トーチやプラズマ切断トーチ或いはガス切断トーチを利用して切断することが行われている。特に、レーザ切断トーチを用いた切断装置では、プラズマ切断トーチやガス切断トーチと比較して保守点検のための作業を少なくすることができる。このため、昼夜を問わずに切断作業を継続させることで、切断装置の稼働率を向上させることができる。
【0003】
切断装置の稼働率を向上させる場合、切断装置に対する被切断材の供給及び切断終了後の被切断材の排出を効率良く行うことが必要である。このため、被切断材を載置した載置台(パレット)を上下方向に複数収容し得るように構成した技術が提案されている(例えば、特許文献1、2参照)。
【0004】
特許文献1はパレット搬出入装置に関するものであり、複数のパレットを収納するストッカーの構成が記載されている。そして、このストッカーの相反する二方向に各々リフターを設け、これらのリフターを個別に稼動させることで、切断された製品の回収や次の加工のための素材を準備することが記載されている。この技術では、ストッカーに対し長方形の素材を短辺方向に搬送して搬出入を行うように構成されている。
【0005】
また、特許文献2は切断設備に関するものであり、貯蔵領域と切断領域及び仕分領域を設定して各領域が夫々独立して稼動することで、切断装置の稼働率の向上をはかるようにしたものである。貯蔵領域に配置された収容棚は被切断材を載置した複数のパレットを収容し得るように構成されている。また、収容棚の前面には走行可能に構成された受取台車が配置されており、この受取台車によって、収容棚に収容された被切断材を受け取って、切断装置に搬送し得るように構成されている。特に、収容棚は長方形の被切断材を短辺方向に移送して収容又は排出するように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平5-139512号公報
【特許文献2】特開2012-237363号公報(特許第6029928号)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
一般に、レーザ切断機やプラズマ切断機、ガス切断機を用いて切断する被切断材となる鋼板は長方形状を有している。これらの切断機の切断能力の向上に伴って、被切断材の板厚も大きくなり、重量も大きくなっている。このため、ストッカー、収容棚の強度も大きくすることが必要となる。
【0008】
特許文献1に記載されたストッカー、特許文献2に記載された収容棚は、何れも被切断材を短辺方向に移送して収容又は排出し得るように構成されている。特に、特許文献1の技術のように、ストッカーに対する被切断材の搬入、搬出を片持梁状のフレームによって行う構造では、被切断材の面積、重量の増加に伴って、該フレームの剛性を大きくすることが必要となる。このため、フレームの高さ寸法及び重量が増加してしまうという問題が生じる。
【0009】
また、特許文献2の技術は切断工場に於ける作業を連続した工程として捉えて各工程毎の作業領域が構築されている。特に、収容棚から切断機に被切断材を供給する際に使用される受取台車は複数の柱を有して構成されており、被切断材を片持梁状のフレームを利用して取り出す構造ではないため、前述のような問題が生じることはない。しかし、簡単な構造で板厚が大きくなった被切断材を収容棚に対する収容、排出を行えるようにすることが好ましいという課題はある。
【0010】
本発明の目的は、棚に収容された被切断材を片持梁状のフレームを利用して引き出す際に、被切断材の重量が大きくなった場合でも、該フレームの高さを大きくすることなく支持し得るようにした収容装置と、この収容装置を用いた切断装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するために本発明に係る代表的な収容装置は、被切断材を載置する載置台と、前記載置台を上下方向に複数台収容する収容棚と、前記収容棚の端部側に配置され、前記載置台を水平面内に於ける予め設定された移送方向に移送すると共に上下方向に昇降させる昇降装置と、を有し、前記昇降装置は、前記載置台を前記移送方向に移送して前記収容棚から引き出し又は収容する移送部材を有し該収容棚の端部側に沿って昇降する昇降フレームと、前記昇降フレームを前記収容棚の端部側に沿って上下方向に駆動する昇降駆動部材と、前記収容棚に於ける移送方向の端部側であって該移送方向と直交する方向に於ける対向する位置に配置された一対の支持リンクを有し、夫々の支持リンクは、一方の端部が前記収容棚に於ける載置台の移送方向の端部側の下方に設けた第1回動支点に回動可能に支持されると共に他方の端部が前記昇降フレームに接触して摺動可能な第1リンクと、一方の端部が前記昇降フレームに於ける前記第1回動支点の略鉛直線の上方に設けた第2回動支点に回動可能に支持されると共に他方の端部が前記第1リンクの長さ方向の略中央に設けた第3回動支点に回動可能に支持された第2リンクと、を有して構成された支持部材と、を有して構成されているものである。
【0012】
また、本発明に係る切断装置は、平行に敷設された一対のレールと、被切断材を切断するための切断ノズルを搭載し、前記一対のレール上を走行しつつ該切断ノズルを稼動させることで被切断材を切断する切断機と、前記一対のレールの内側に設定された切断領域と、前記切断領域を跨いで又は並行して配置され、被切断材を載置する載置台を上下方向に複数台収容する収容棚と、前記収容棚の端部に配置され、前記載置台をレールの敷設方向又は直交する方向に移送して前記収容棚から引き出す移送部材を有し該収容棚に沿って昇降する昇降フレームと、該昇降フレームを前記収容棚の端部側に沿って上下方向に駆動する昇降駆動部材と、前記収容棚に於ける移送方向の端部側であって該移送方向と直交する方向に於ける対向する位置に配置された一対の支持リンクを有し、夫々の支持リンクは、一方の端部が前記収容棚に於ける載置台の移送方向の端部側の下方に設けた第1回動支点に回動可能に支持されると共に他方の端部が前記昇降フレームに接触して摺動可能な第1リンクと、一方の端部が前記昇降フレームに於ける前記第1回動支点の略鉛直線の上方に設けた第2回動支点に回動可能に支持されると共に他方の端部が前記第1リンクの長さ方向の略中央に設けた第3回動支点に回動可能に支持された第2リンクとを有して構成された支持部材と、を有するものである。
【発明の効果】
【0013】
本発明に係る収容装置では、収容棚から被切断材を載置した載置台を引き出して昇降する昇降フレームを支持部材によって支持し得るように構成されている。このため、片持梁状の支持フレームであっても、重量の大きい被切断材を載置した載置台を安定して支持して収容棚から引き出すことができる。
【0014】
また、本発明に係る切断装置では、上記収容装置を利用することで設置面積を大きくすることなく、一連の切断作業を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】収容装置の構成を説明する図である。
図2】収容装置を用いた切断装置の構成を説明する正面図である。
図3図2の平面図である。
図4図2の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本実施例に係る収容装置Aと、この収容装置Aを用いた切断装置Bの構成について説明する。
【0017】
先ず、収容装置Aの構成について説明する。収容装置Aは、被切断材1を載置した載置台となるパレット2を収容する複数の棚10aを有する収容棚10と、収容棚10の端部11側に配置された昇降装置20と、を有して構成されている。
【0018】
収容棚10は予め設定された被切断材1の長さ寸法、幅寸法に対応させた平面寸法を有し、且つ厚さ寸法に応じた重量を支持し得る強度を有して構成された複数のパレット2を上下方向に並べて収容するものである。パレット2の収容数を限定するものではなく、後述する切断機の切断能力、例えば切断速度や被切断材1に設定された切断線の長さ(所要切断時間)など、に対応させて設定することが好ましい。
【0019】
本実施例では、被切断材1としては、最大寸法が呼寸法8×20(幅寸法が2438mm、長さ寸法が6096mm)、厚さ40mmの鋼板(重量が約4.6トン)が設定されている。また、この被切断材1を載置するパレット2の寸法は幅寸法が略3m、長さ寸法が略6.5mに設定され、充分な剛性を発揮し得るような構造を有しており、重量が約4.8トン程度に設定されている。
【0020】
収容棚10に対してパレット2を収容又は引き出す際の移送方向を幅方向とするか、長さ方向とするかは限定するものではないが、水平面内に於いて予め設定しておくことが必要である。本実施例では、パレット2の移送方向を長さ方向に設定している。このため、パレット2を収容棚10に収容し又は引き出す際に、このパレット2は収容棚10から最大で6.5m以上突出することとなる。
【0021】
収容棚10は前述の被切断材1を載置したパレット2を収容することが可能な幅寸法と長さ寸法を有しており、上下方向に10台並べて収容し得るように、10段の棚10aが配置されている。各棚10aは幅方向の対向する位置であって長さ方向に配置された一対のガイドレール10bを有して構成されている。各ガイドレール10bは夫々柱10cに取り付けられている。また、各柱10cは上端が梁10dによって互いに連結されている。
【0022】
収容棚10が上記の如く構成されることで、パッレト2はガイドレール10bに案内されて長さ方向に移送される。ガイドレール10bに沿ってパレット2を移送する構造は特に限定するものではなく、ガイドレール10bを駆動手段によって駆動されるコンベアとして構成することが可能である。また、ガイドレール10bをコロコンベア状に構成すると共に、外部に設けた駆動手段によってパレット2を移送するように構成しても良い。
【0023】
昇降装置20は、収容棚10に於ける選択された棚10aに対してパレット2を収容し、又は収容されているパレット2を引き出して予め設定された高さ(例えば後述する切断装置Bの切断領域52の高さ)まで降下させるためのものである。
【0024】
このため、昇降装置20は、収容棚10に於ける移送方向の端部11側に片持梁状に配置された昇降フレーム21と、昇降フレーム21を収容棚10の端部11側に沿って上下方向に駆動する昇降駆動部材22と、昇降フレーム21を支持する支持部材23と、を有して構成されている。
【0025】
昇降フレーム21は、全体の形状が収容棚10の端部11側から突出した片持梁状に形成されており、パレット2を安定して載置するために該パレット2の寸法と対応させた平面寸法を有する格子枠状に構成されている。
【0026】
昇降フレーム21の収容棚10側の端部には幅方向に対向して一対のブラケット21aが配置されており、夫々のブラケット21aからパレット2の移送方向に沿って長さ方向に梁部材21bが対向して配置されている。一対のブラケット21aどうし、梁部材21bどうしは図示しない桁部材によって互いに接続され、これにより昇降フレーム21は格子枠状に構成されている。
【0027】
梁部材21bには移送部材となるコンベア21cが配置されている。このコンベア21cは、パレット2を収容棚10から引き出して昇降フレーム21の長さ方向に移送して載置し、又は昇降フレーム21に載置されているパレット2を長さ方向に移送して収容棚10に収容するものである。コンベア21cにはパレット2に設けた図示しない係止部と係合する係合部が形成されている。
【0028】
また、梁部材21cには、該梁部材21cから突起した支持片21dが形成されており、この支持片21dに後述する支持部材23を構成する第1リンク24の端部24b(端部24bに取り付けた摺動部材29)が摺動可能に接触している。そして、支持片21dと第1リンク24の端部24bが摺動可能に接触することで、後述するように、昇降フレーム21、昇降フレーム21に移送されたパレット2、パレット2に載置された被切断材1の重量を支持部材23によって支持することが可能となる。
【0029】
昇降駆動部材22は、昇降フレーム21を収容棚10の端部11に沿って昇降させるものであり、収容棚10の梁10dに設置した駆動モータ22aと、柱10cに沿って上下方向に張り渡されたチェン22bと、柱10bに沿って上下方向に設置した昇降レール22cを有して構成されている。
【0030】
そして、昇降フレーム21のブラケット21aは、チェン22bに接続されると共に昇降レール22cと接触して案内されるように構成されている。このため、駆動モータ22aを所望の方向に回転させることで、昇降フレーム21を上昇させ或いは下降させることが可能である。
【0031】
上記の如く構成された昇降フレーム21は、被切断材1を載置したパレット2を引き出したとき、自重を含めた総重量は11トン程度となり、この重量を支持することが必要となる。この重量を単に片持梁としての梁部材21bで支持するには高い剛性を有することが必要となり、梁部材21bの高さ寸法を大きくすることが必要となる。
【0032】
このため、本発明に係る収容装置Aでは、昇降フレーム21を支持部材23によって支持することで、梁部材21bの高さ寸法を大きくすることなく、且つ安定した状態で昇降し得るように構成されている。
【0033】
支持部材23は、昇降フレーム21の昇降に追従して支持位置(第1リンク24の端部24bが支持片21dと接触する位置)を変化させつつ、該昇降フレーム21を下方から支持する。このため、昇降フレーム21が片持梁状に構成されているにも関わらず、昇降フレーム21が単独でパレット2、被切断材1の重量を支持し得るように構成した場合と比較して高さ寸法を抑えることが可能となる。
【0034】
支持部材23は、収容棚10の端部11側で且つ幅方向の対向する位置に配置された一対のリンク機構を有して構成されている。各リンク機構は、一方の端部24aが収容棚10の端部11側の下方に設けた第1回動支点25に回動可能に支持され、他方の端部24bが昇降フレーム21の梁部材21bに設けた支持片21dに摺動可能に接触した第1リンク24と、一方の端部26aが昇降フレーム21に於ける第1回動支点25の略鉛直線上に設けた第2回動支点27に回動可能に支持され、他方の端部26bが第1リンク24の長さ方向の略中央に設けた第3回動支点28に回動可能に支持された第2リンク26と、を有して構成されている。
【0035】
第1リンク24は長さが昇降フレーム21と等しいか短く形成されており、図1に示すように、昇降フレーム21を点線で記載した下降限まで下降させたときにも端部24bが支持片21dに対する接触状態を保持し得るように構成されている。
【0036】
第1リンク24の端部24bが昇降フレーム21の支持片21dと接触して摺動する際の構造は限定するものではないが、接触摩擦を可及的に小さくすることが好ましい。このため、端部24bに低摩擦を期待し得る直線軸受けや合成樹脂などから選択した摺動部材29を回動ピン24cを介して取り付けている。
【0037】
上記の如く構成された支持部材23によって、例えば昇降フレーム21に収容棚10に収容されている被切断材1を載置したパレット2が引き出された状態の昇降フレーム21を下降させる場合について説明する。
【0038】
昇降駆動部材22の駆動モータ22aを起動して昇降フレーム21を下降させると、この下降に伴って第2回動支点27が第1回動支点25に接近し、これに伴って第1リンク24が矢印a方向に回動する。そして第1リンク24の回動に伴って端部24bに設けた摺動部材29が支持片21dと接触して矢印c方向に摺動する。
【0039】
従って、昇降フレーム21は片持状の梁部材21bが支持片21dを介して常に第1リンク24によって支持されることとなり、被切断材1、パレット2の重量を安定した状態で支持することが可能となる。
【0040】
また、下降している昇降フレーム21を上昇させる場合、昇降駆動部材22の駆動モータ22aを前記した方向とは反対方向に回転させると、昇降フレーム21が上昇し、これに伴って第2回動支点27が第1回動支点25から離隔し、同時に第1リンク24が矢印b方向に回動する。そして第1リンク24の回動に伴って端部24bに設けた摺動部材29が突起片21dと接触して矢印d方向に摺動する。
【0041】
次に、上記の如く構成された収容装置Aを用いて構成した切断装置Bについて説明する。切断装置Bは平行に敷設された一対のレール51を有しており、このレール51に切断機Cと片付装置Dが夫々走行可能に載置されている。また、一対のレール51の内側に切断領域52が設定されている。この切断領域52には、パレット2を移送するためのコンベアが配置されている。
【0042】
一対のレールの内側であって、切断領域52を跨いで収容装置Aが設置されている。収容装置Aは、パレット2の移送方向がレール51の敷設方向と平行となるように設置されると共に、昇降フレーム21が片付装置Dの方向に向くように設置されている。
【0043】
切断機Cとしてはレーザ切断トーチを有するレーザ切断機、或いはプラズマ切断トーチを有するプラズマ切断機などを選択的に利用することが可能である。しかし、本実施例では切断機Cとしてはレーザ切断機、特にファイバーレーザを利用した切断機として構成され、切断機本体55はカバーによって覆われている。
【0044】
また、切断機Cの近傍には、切断領域52に於いて被切断材1の切断によって生じた煙を排除する排煙装置56が設置されている。
【0045】
上記の如く構成された切断装置Bでは、収容装置Aに収容されている被切断材を昇降フレーム21に引き出して下降させ、切断領域52に移送する。そして、パレット2が切断領域52に於ける所定位置に設置された後、切断機Cを稼動させて予め記憶されている形状の切断を実行することが可能である。目的の切断が終了した後、パレット2は片付装置D方向に移送され、切断された製品がこの片付装置Dによって切断装置Bの外部に排出される。
【産業上の利用可能性】
【0046】
本発明の収容装置Aは、切断機を昼夜連続させて稼動することが可能となり、レーザ切断機やプラズマ切断機を有する切断装置に利用して有利である。
【符号の説明】
【0047】
A 収容装置
B 切断装置
C 切断機
D 片付装置
1 被切断材
2 パレット
10 収容棚
10a 棚
10b ガイドレール
10c 柱
10d 梁
11 端部
20 昇降装置
21 昇降フレーム
21a ブラケット
21b 梁部材
21c コンベア
21d 支持片
22 昇降駆動部材
22a 駆動モータ
22b チェン
22c 昇降レール
23 支持部材
24 第1リンク
24a、24b、26a、26b 端部
24c 回動ピン
25 第1回動支点
26 第2リンク
27 第2回動支点
28 第3回動支点
29 摺動部材
51 レール
52 切断領域
55 切断機本体
56 排煙装置

図1
図2
図3
図4