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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024099964
(43)【公開日】2024-07-26
(54)【発明の名称】シートバックテーブル用ロック装置
(51)【国際特許分類】
   B60N 3/00 20060101AFI20240719BHJP
   A47C 7/62 20060101ALI20240719BHJP
【FI】
B60N3/00 A
A47C7/62 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023003621
(22)【出願日】2023-01-13
(71)【出願人】
【識別番号】000241500
【氏名又は名称】トヨタ紡織株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000394
【氏名又は名称】弁理士法人岡田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】近藤 修平
(72)【発明者】
【氏名】村松 直樹
【テーマコード(参考)】
3B084
3B088
【Fターム(参考)】
3B084JA04
3B088AA02
(57)【要約】
【課題】構造の簡素化を図ることが可能なシートバックテーブル用ロック装置を提供すること。
【解決手段】シートバックテーブル用ロック装置(以下、ロック装置)1は、シートバック11に設けられて、シートバックテーブル12を格納位置にロックする装置であり、回転式の操作部材2と、操作部材2の回転に連動するよう操作部材2に対して第1のピン2Cと第1の長孔3Dとのスライド可能な連結構造を介して連結される第1のロック部材3と、操作部材2の回転により第1のロック部材3とは逆方向に押し回されるように第1のロック部材3に対して第2のピン3Bと第2の長孔4Bとのスライド可能な連結構造を介して連結される第2のロック部材4と、を有する。操作部材2を所定位置から一方向に回転させることにより、第1のロック部材3と第2のロック部材4とがシートバックテーブル12に対して格納位置に保持するように係合する。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シートバックテーブルをシートバックの背裏部に沿って跳ね上げた格納位置にロックするシートバックテーブル用ロック装置であって、
前記シートバックテーブル及び前記シートバックのうちの一方である本体部材に設けられる回転式の操作部材と、
前記本体部材に設けられ、前記操作部材の回転に連動して押し回されるように前記操作部材に対して第1のピンと第1の長孔とのスライド可能な連結構造を介して連結される第1のロック部材と、
前記本体部材に設けられ、前記操作部材の回転により前記第1のロック部材とは逆方向に押し回されるように前記操作部材又は前記第1のロック部材に対して第2のピンと第2の長孔とのスライド可能な連結構造を介して連結される第2のロック部材と、を有し、
前記操作部材を所定位置から一方向に回転させることにより、前記第1のロック部材と前記第2のロック部材とが互いに相反する方向に回されて前記シートバックテーブル及び前記シートバックのうちの他方である相手部材に対して前記シートバックテーブルを前記格納位置に保持するように係合するシートバックテーブル用ロック装置。
【請求項2】
請求項1に記載のシートバックテーブル用ロック装置であって、
前記操作部材が、前記一方向の回転により前記相手部材に対して前記シートバックテーブルを前記格納位置に保持するように係合するラッチとされるシートバックテーブル用ロック装置。
【請求項3】
請求項2に記載のシートバックテーブル用ロック装置であって、
前記操作部材を前記相手部材との係合位置から他方向に回転させることにより、前記第1のロック部材と前記第2のロック部材とが前記操作部材よりも先に前記相手部材との係合から外されるシートバックテーブル用ロック装置。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれかに記載のシートバックテーブル用ロック装置であって、
前記本体部材が前記シートバックとされ、前記相手部材が前記シートバックテーブルとされ、前記操作部材が上面に小物を引掛け可能な窪み状のフックを有するシートバックテーブル用ロック装置。
【請求項5】
請求項4に記載のシートバックテーブル用ロック装置であって、
前記第1のロック部材と前記第2のロック部材とが、前記格納位置に跳ね上げられた前記シートバックテーブルの上面に形成されるロック孔に入り込むことで前記シートバックテーブルと係合するロック爪をそれぞれ有するシートバックテーブル用ロック装置。
【請求項6】
請求項1から請求項3のいずれかに記載のシートバックテーブル用ロック装置であって、
前記操作部材が、前記格納位置に跳ね上げられた前記シートバックテーブルの幅方向の中間部に対応する位置に設けられ、前記第1のロック部材と前記第2のロック部材とが、前記操作部材の回転中心である操作回転軸を間に挟む前記幅方向の一側の位置と他側の位置とに分かれて各々の回転中心である第1の回転軸と第2の回転軸とが設けられ、前記第2のロック部材が、前記操作回転軸と前記第2の回転軸との間の位置で前記第1のロック部材と連結されるシートバックテーブル用ロック装置。
【請求項7】
請求項1から請求項3のいずれかに記載のシートバックテーブル用ロック装置であって、
前記操作部材が、前記格納位置に跳ね上げられた前記シートバックテーブルの幅方向の中間部に対応する位置に設けられ、前記第1のロック部材と前記第2のロック部材とが、前記操作部材の回転中心である操作回転軸を間に挟む前記幅方向の一側の位置と他側の位置とに分かれて各々の回転中心である第1の回転軸と第2の回転軸とが設けられることで、前記操作部材が前記第1のロック部材と前記第2のロック部材とを前記相手部材と係合させるロック位置からどちらの方向に回されても前記第1のロック部材と前記第2のロック部材とが前記相手部材との係合から外されるように回されるシートバックテーブル用ロック装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シートバックテーブル用ロック装置に関する。詳しくは、シートバックテーブルをシートバックの背裏部に沿って跳ね上げた格納位置にロックするシートバックテーブル用ロック装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、後席乗員のために設けられるシートバックテーブルをシートバックの背裏部に沿って格納した状態にロックするロック装置が開示されている。具体的には、ロック装置は、使用者がシートバックテーブルを格納した後、シートバックテーブルの中央上部に設けられたラッチを回転させてシートバックに引掛けることで、シートバックテーブルを格納した状態にロックする構成とされる。
【0003】
ロック装置は、更に、上記ラッチの回転に連動して、シートバックテーブルの左右2箇所もシートバックに引掛けてロックさせる左右一対のロック爪を有する。これらラッチと各ロック爪のロックにより、シートバックテーブルがシートバックに対して適切に引掛けられた状態に保持される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許第11186372号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の構成では、ラッチの動きに連動させて各ロック爪を動作させる機構が、複数のばね部品とワイヤとを用いて回転運動を直線運動に変換する複雑かつ部品点数の多い構成となっている。そこで、本発明は、構造の簡素化を図ることが可能なシートバックテーブル用ロック装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決する手段として、本発明のシートバックテーブル用ロック装置は、次の手段をとる。
【0007】
すなわち、本発明の第1の発明は、シートバックテーブルをシートバックの背裏部に沿って跳ね上げた格納位置にロックするシートバックテーブル用ロック装置であって、前記シートバックテーブル及び前記シートバックのうちの一方である本体部材に設けられる回転式の操作部材と、前記本体部材に設けられ、前記操作部材の回転に連動して押し回されるように前記操作部材に対して第1のピンと第1の長孔とのスライド可能な連結構造を介して連結される第1のロック部材と、前記本体部材に設けられ、前記操作部材の回転により前記第1のロック部材とは逆方向に押し回されるように前記操作部材又は前記第1のロック部材に対して第2のピンと第2の長孔とのスライド可能な連結構造を介して連結される第2のロック部材と、を有し、前記操作部材を所定位置から一方向に回転させることにより、前記第1のロック部材と前記第2のロック部材とが互いに相反する方向に回されて前記シートバックテーブル及び前記シートバックのうちの他方である相手部材に対して前記シートバックテーブルを前記格納位置に保持するように係合するシートバックテーブル用ロック装置である。
【0008】
第1の発明によれば、操作部材の回転に合わせて第1のロック部材と第2のロック部材とをロック動作させる構成を、これらを長孔とピンとのスライド可能な連結構造(第1のピンと第1の長孔、第2のピンと第2の長孔)を介して連結するという簡素な構成により具現化することができる。上記第1のロック部材と第2のロック部材との相手部材に対する係合により、シートバックテーブルを格納位置に適切にロックすることができる。
【0009】
本発明の第2の発明は、上記第1の発明において、前記操作部材が、前記一方向の回転により前記相手部材に対して前記シートバックテーブルを前記格納位置に保持するように係合するラッチとされるシートバックテーブル用ロック装置である。
【0010】
第2の発明によれば、第1のロック部材と第2のロック部材に加え、操作部材によってもシートバックテーブルを格納位置にロックすることができる。それにより、シートバックテーブルを格納位置により適切にロックすることができる。
【0011】
本発明の第3の発明は、上記第2の発明において、前記操作部材を前記相手部材との係合位置から他方向に回転させることにより、前記第1のロック部材と前記第2のロック部材とが前記操作部材よりも先に前記相手部材との係合から外されるシートバックテーブル用ロック装置である。
【0012】
第3の発明によれば、操作部材を解除方向に回すことで、操作部材が相手部材との係合から外れるときには、必ず第1のロック部材と第2のロック部材とが相手部材との係合から外れている状態とすることができる。したがって、操作部材を相手部材との係合から外す操作をしたにもかかわらず、シートバックテーブルが格納位置にロックされたままとなる不測の事態を防止することができる。
【0013】
本発明の第4の発明は、上記第1から第3のいずれかの発明において、前記本体部材が前記シートバックとされ、前記相手部材が前記シートバックテーブルとされ、前記操作部材が上面に小物を引掛け可能な窪み状のフックを有するシートバックテーブル用ロック装置である。
【0014】
第4の発明によれば、シートバックテーブルの格納時の他、展開時にも、操作部材をコートフックなどの引掛け具として利用することが可能となる。
【0015】
本発明の第5の発明は、上記第4の発明において、前記第1のロック部材と前記第2のロック部材とが、前記格納位置に跳ね上げられた前記シートバックテーブルの上面に形成されるロック孔に入り込むことで前記シートバックテーブルと係合するロック爪をそれぞれ有するシートバックテーブル用ロック装置である。
【0016】
第5の発明によれば、第1のロック部材と第2のロック部材の各ロック爪を、外部に露出させることなくシートバックテーブルに係合させることができる。
【0017】
本発明の第6の発明は、上記第1から第3のいずれかの発明において、前記操作部材が、前記格納位置に跳ね上げられた前記シートバックテーブルの幅方向の中間部に対応する位置に設けられ、前記第1のロック部材と前記第2のロック部材とが、前記操作部材の回転中心である操作回転軸を間に挟む前記幅方向の一側の位置と他側の位置とに分かれて各々の回転中心である第1の回転軸と第2の回転軸とが設けられ、前記第2のロック部材が、前記操作回転軸と前記第2の回転軸との間の位置で前記第1のロック部材と連結されるシートバックテーブル用ロック装置である。
【0018】
第6の発明によれば、第2のロック部材が第1のロック部材と共に操作部材と連結されるもの比べて、操作部材の配置領域に部材同士が嵩張って配置されることを抑制することができる。その結果、操作部材が幅方向の中央に配置される場合など、シートバックの背凭れ面が凹状となっていることで設置スペースが狭い場合でも、シートバックテーブル用ロック装置を適切に設けることが可能となる。
【0019】
本発明の第7の発明は、上記第1から第3のいずれかの発明において、前記操作部材が、前記格納位置に跳ね上げられた前記シートバックテーブルの幅方向の中間部に対応する位置に設けられ、前記第1のロック部材と前記第2のロック部材とが、前記操作部材の回転中心である操作回転軸を間に挟む前記幅方向の一側の位置と他側の位置とに分かれて各々の回転中心である第1の回転軸と第2の回転軸とが設けられることで、前記操作部材が前記第1のロック部材と前記第2のロック部材とを前記相手部材と係合させるロック位置からどちらの方向に回されても前記第1のロック部材と前記第2のロック部材とが前記相手部材との係合から外されるように回されるシートバックテーブル用ロック装置である。
【0020】
第7の発明によれば、操作部材をロック位置からどちらの方向に回しても、第1のロック部材と第2のロック部材とを相手部材との係合から外すことができる。したがって、シートバックテーブル用ロック装置の利便性をより向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】第1の実施形態に係るシートバックテーブル用ロック装置の概略構成を示す斜視図である。
図2図1の背面図である。
図3】シートバックテーブル用ロック装置の構成を表す模式図である。
図4】シートバックテーブル用ロック装置の斜視図である。
図5】シートバックテーブル用ロック装置の分解斜視図である。
図6】操作部材をロック位置から右に回転させた状態を表す模式図である。
図7】操作部材をロック位置から左に回転させた状態を表す模式図である。
図8】第2の実施形態に係るシートバックテーブル用ロック装置の要部を示す部分拡大斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下に、本発明を実施するための形態について、図面を用いて説明する。
【0023】
《第1の実施形態》
(シートバックテーブル用ロック装置1の概略構成)
始めに、本発明の第1の実施形態に係るシートバックテーブル用ロック装置(以下、ロック装置)1の構成について、図1図7を用いて説明する。なお、以下の説明において、具体的な参照図を示さない場合、或いは参照図に該当する符号がない場合には、図1図7のいずれかの図を適宜参照するものとする。
【0024】
図1図2に示すように、本実施形態に係るロック装置1は、航空機に搭載されるシート10のシートバック11に適用されている。具体的には、ロック装置1は、シートバック11の背裏部に設けられる後席乗員用のテーブルであるシートバックテーブル12を、シートバック11の背裏部に沿って跳ね上げた格納位置にロックするための装置とされる。ここで、シートバック11が、本発明の「本体部材」に相当する。また、シートバックテーブル12が、本発明の「相手部材」に相当する。
【0025】
シート10は、着座乗員の背凭れ部となるシートバック11と、着座部となる不図示のシートクッションと、を有する。シートバック11は、その上部に頭凭れ部となるヘッドレストが一体的に形成された、いわゆるハイバックタイプの構成とされる。
【0026】
シートバックテーブル12は、横長な平板形状のトレイで構成されている。シートバックテーブル12は、その図示左右両側の下端部が、左右一対のアーム13を介して、シートバック11の図示しないリクライニングヒンジセンタと同軸まわりに回転可能となるように連結されている。それにより、シートバックテーブル12は、各アーム13の回転に伴い、シートバック11の背裏部から後方に傾倒させたり、シートバック11の背裏部に沿って前方に跳ね上げたりすることができる構成とされる。
【0027】
また、シートバックテーブル12は、各アーム13に対しても、シート幅方向(左右方向)に延びるテーブル回転軸13Aのまわりに回転可能となるように連結されている。それにより、シートバックテーブル12は、各アーム13の後方回転によりシートバック11の背裏部から後方に傾倒された状態から、各アーム13に対して各テーブル回転軸13Aのまわりに更に後方に傾倒させて、水平姿勢となる使用位置へと展開できるようになっている。
【0028】
シートバックテーブル12は、上記使用位置から使用者により前方に跳ね上げられることで、シートバック11の背裏部に沿って重ね合わせた状態に格納される。そして、シートバックテーブル12は、上記格納後に、使用者によりシートバック11の中央上部にある操作部材2が横向きから縦向きに切り替えられることで、操作部材2を含むロック装置1により、シート幅方向の3箇所の部位がロックされる。
【0029】
具体的には、図2図3に示すように、シートバックテーブル12は、操作部材2が縦向きに切り替えられることにより、その中央上部の箇所が操作部材2により後方から押さえ込まれて後方に倒れないように保持される。更に、シートバックテーブル12は、操作部材2の操作に連動する第1のロック部材3と第2のロック部材4とにより、その左右2箇所の上面部位に形成された各ロック孔12Aに各ロック爪3C,4Cが入り込んで後方に倒れないように保持される。
【0030】
その結果、シートバックテーブル12は、操作部材2を含むロック装置1によりシート幅方向の3箇所の部位がロックされる。そのうちの1箇所は、操作部材2がシートバックテーブル12に後方から掛かってロックするラッチによるものである。それにより、シートバックテーブル12は、シートバック11に対して左右いずれかに偏った後方からの衝突荷重が掛けられても、その一部が弾みでシートバック11から後方に浮くような不具合を伴わない堅固な状態にロックされる。
【0031】
(シートバックテーブル用ロック装置1の各部構成)
以下、ロック装置1の各部の具体的な構成について詳しく説明する。図3図4に示すように、ロック装置1は、操作部材2を除き、シートバック11の背裏部に埋め込まれた状態で設けられている。ロック装置1は、操作部材2と、第1のロック部材3と、第2のロック部材4と、を有する。操作部材2は、全体が棒状を成す摘みとして構成される。
【0032】
詳しくは、操作部材2は、その図示上側の基端から図示下側の先端に向かって先細り状に延びる棒状部材から成る。操作部材2は、その基端の前面中央部から延び出る操作回転軸2Aが、シートバック11の背裏部内に設けられる不図示のフレームに対して回転可能に連結されている。それにより、操作部材2は、操作回転軸2Aを中心とした回転により、シートバック11に対して図示下側の先端を下方に向けた縦向きの姿勢と左右に向けた横向きの姿勢とに切り替え可能とされている。
【0033】
操作部材2は、シートバック11の背裏部内に設けられる不図示のフレームに固定されたブラケット11Aにより、操作回転軸2Aの周囲が図示下側と左右両側とから支えられた状態とされる。操作部材2の図示上側の面となる上面部分には、図示左右方向に貫く窪み状のフック2Bが形成されている。フック2Bは、後席乗員がコートを引掛けることが可能ないわゆるコートフックとして機能する。
【0034】
すなわち、図1に示すように、フック2Bは、シートバックテーブル12を格納した後、操作部材2を縦向きに切り替えてロックすることで、上向きに窪みを形成する状態となる。したがって、この上向きに窪みを形成するフック2Bに後席乗員がコートを引掛けることが可能となる。
【0035】
なお、フック2Bは、シートバックテーブル12を後方に倒し込んで使用する際にも、操作部材2を縦向きに切り替えることで、コートフックとして使用することが可能となる。フック2Bは、コートを引掛ける用途以外にも、小物を引掛ける用途で用いられても良い。
【0036】
図3図5に示すように、第1のロック部材3と第2のロック部材4とは、それぞれ、図示左右方向に細長く延びる1本の金属プレートから成る。第1のロック部材3と第2のロック部材4は、それぞれ、シートバック11の背裏部内において、それぞれのプレート面を前後方向に向けて配設されている。第1のロック部材3は、その長さ方向となる図示左右方向の中間部が、シートバック11の背裏部内に設けられる不図示のフレームに対して、前後方向に軸を向ける第1の回転軸3Aにより回転可能に連結されている。
【0037】
第2のロック部材4も同様に、その長さ方向となる図示左右方向の中間部が、シートバック11の背裏部内に設けられる不図示のフレームに対して、前後方向に軸を向ける第2の回転軸4Aにより回転可能に連結されている。第1の回転軸3Aは、操作部材2の回転中心である操作回転軸2Aよりも図示右方に位置する。また、第2の回転軸4Aは、操作回転軸2Aよりも図示左方に位置する。
【0038】
第1のロック部材3は、その図示左端に、前後方向に軸を向ける第2のピン3Bが前方から通されて、この第2のピン3Bを介して第2のロック部材4の図示右端と連結される。第1のロック部材3は、その図示右端に、下方に延び出るロック爪3Cが形成されている。第1のロック部材3は、その図示左端の第2のピン3Bが通される箇所と、第1の回転軸3Aが通される箇所と、の間の中間部に、長さ方向となる図示左右方向に延びる第1の長孔3Dが形成されている。
【0039】
第1の長孔3Dには、操作部材2から前方に延び出る第1のピン2Cが後方から通される。第1のピン2Cは、操作部材2の回転中心である操作回転軸2Aよりも図示上方に外れた位置から前方に延び出る。第1のピン2Cは、操作部材2の回転に伴い、その回転方向に応じて第1の長孔3Dの内部を図示左右方向に移動しながら、第1のロック部材3を図示上下方向に押動する。それにより、第1のロック部材3が、その押動方向に応じて、第1の回転軸3Aのまわりに回転する。
【0040】
具体的には、図6に示すように、操作部材2が縦向きの状態から図示右側に振られるように反時計回りに回されることで、第1のロック部材3の第1の長孔3Dが、操作部材2の第1のピン2Cにより図示下方へと押動される。それにより、第1のロック部材3が、第1の回転軸3Aのまわりに図示反時計回りに回される。この回転により、第1のロック部材3は、その図示右端のロック爪3Cを上方に引き上げるように動作する。
【0041】
第1のロック部材3は、操作部材2が図6に示す図示右側に振られた状態から縦向きの状態に戻されることで、上記とは逆に図示時計回りに回される。それにより、第1のロック部材3は、その図示右端のロック爪3Cを下方に押し下げるように動作する。
【0042】
また、図7に示すように、第1のロック部材3は、操作部材2が縦向きの状態から図示左側に振られるように時計回りに回された時にも、第1の長孔3Dが操作部材2の第1のピン2Cにより図示下方へと押動される。それにより、第1のロック部材3は、第1の回転軸3Aのまわりに図示反時計回りに回される。したがって、この回転によっても、第1のロック部材3は、その図示右端のロック爪3Cを上方に引き上げるように動作する。
【0043】
また、第1のロック部材3は、操作部材2が図7に示す図示左側に振られた状態から縦向きの状態に戻されることで、上記とは逆に図示時計回りに回される。それにより、第1のロック部材3は、その図示右端のロック爪3Cを下方に押し下げるように動作する。
【0044】
すなわち、第1のロック部材3は、操作部材2が左右どちらかの向きに切り替えられている状態から縦向きに切り替えられることで、ロック爪3Cを押し下げて、ロック爪3Cをシートバックテーブル12の図示右側の上面部位にあるロック孔12Aに上方から入り込ませるようになっている。また、第1のロック部材3は、操作部材2が縦向きの状態から左右どちらかの向きに切り替えられることで、ロック爪3Cをシートバックテーブル12の図示右側のロック孔12Aから上方に引き抜くようになっている。
【0045】
第1のロック部材3は、その回転中心である第1の回転軸3Aから操作部材2との連結箇所である第1の長孔3Dの図示左端までの長さよりも、第1の回転軸3Aからロック爪3Cまでの長さの方が長い構成とされる。それにより、第1のロック部材3は、操作部材2の回転操作によって第1のピン2Cにより押動される操作移動量に対して、ロック爪3Cを上下方向に大きく動かすことができる構成とされる。
【0046】
図3図5に示すように、第2のロック部材4は、その長さ方向となる図示左右方向の中間部が、シートバック11の背裏部内に設けられる不図示のフレームに対して、前後方向に軸を向ける第2の回転軸4Aにより回転可能に連結されている。第2のロック部材4は、その図示右端に、前述した第2のピン3Bが前方から通される第2の長孔4B(図5参照)が形成されている。第2の長孔4Bは、第2のロック部材4の長さ方向となる図示左右方向に延びる孔形状とされる。
【0047】
第2のロック部材4は、その図示左端に、下方に延び出るロック爪4Cが形成されている。第2のロック部材4は、その図示右端の第2の長孔4Bに、第1のロック部材3の左端から延び出る第2のピン3Bが通されていることにより、第1のロック部材3の回転に連動して第2の回転軸4Aのまわりに第1のロック部材3とは反対まわりに回転する。
【0048】
具体的には、図6に示すように、操作部材2が縦向きの状態から図示右側に振られるように反時計回りに回されて、第1のロック部材3が同方向に回されることにより、第2の長孔4Bが、第1のロック部材3の第2のピン3Bにより図示下方へと押動される。それにより、第2のロック部材4が、第2の回転軸4Aのまわりに図示時計回りに回される。この回転により、第2のロック部材4は、その図示左端のロック爪4Cを上方に引き上げるように動作する。
【0049】
第2のロック部材4は、操作部材2が図6に示す図示右側に振られた状態から縦向きの状態に戻されることで、上記とは逆に図示反時計回りに回される。それにより、第2のロック部材4は、その図示左端のロック爪4Cを下方に押し下げるように動作する。
【0050】
また、図7に示すように、第1のロック部材3は、操作部材2が縦向きの状態から図示左側に振られるように時計回りに回された時にも、第2の長孔4Bが第1のロック部材3の第2のピン3Bにより図示下方へと押動される。それにより、第2のロック部材4は、第2の回転軸4Aのまわりに図示時計回りに回される。したがって、この回転によっても、第2のロック部材4は、その図示左端のロック爪4Cを上方に引き上げるように動作する。
【0051】
また、第2のロック部材4は、操作部材2が図7に示す図示左側に振られた状態から縦向きの状態に戻されることで、上記とは逆に図示反時計回りに回される。それにより、第2のロック部材4は、その図示左端のロック爪4Cを下方に押し下げるように動作する。
【0052】
すなわち、第2のロック部材4も、第1のロック部材3と同様、操作部材2が左右どちらかの向きに切り替えられている状態から縦向きに切り替えられることで、ロック爪4Cを押し下げて、ロック爪4Cをシートバックテーブル12の図示左側の上面部位にあるロック孔12Aに上方から入り込ませるようになっている。また、第2のロック部材4は、操作部材2が縦向きの状態から左右どちらかの向きに切り替えられることで、ロック爪4Cをシートバックテーブル12の図示左側のロック孔12Aから上方に引き抜くようになっている。
【0053】
また、第2のロック部材4も、その回転中心である第2の回転軸4Aから第1のロック部材3との連結箇所である第2の長孔4Bの図示右端までの長さよりも、第2の回転軸4Aからロック爪4Cまでの長さの方が長い構成とされる。それにより、第2のロック部材4は、操作部材2の回転操作によって第2のピン3Bにより押動される操作移動量に対して、ロック爪4Cを上下方向に大きく動かすことができる構成とされる。
【0054】
図5に示すように、各ロック孔12Aは、樹脂製容器状のリテーナ12Bにより、それらの周囲側面が補強された構成とされる。これらロック孔12Aに入り込む各ロック爪3C,4Cは、それらの先端となる図示下端側の外周面が下向きに凸となる凸湾曲面状に丸められた形状とされる。それにより、各ロック爪3C,4Cは、シートバックテーブル12(図1参照)の展開使用状態で操作部材2が縦向きに切り替えられた際に、その丸みを帯びた先端部分がシートバック11の背裏部から下方に突出するようになっている。
【0055】
第1のロック部材3及び第2のロック部材4は、それらのロック爪3C,4Cの形成領域である端側の領域が、シートバック11の背裏部内に設けられる不図示のガイドプレートにより前後から挟み込み状にあてがわれた状態にガイドされている。図3を参照して、第1のロック部材3及び第2のロック部材4は、操作部材2が縦向きの状態(ロック状態)から左右どちらかの向きに回された際、操作部材2がシートバックテーブル12を後方から押さえ込む回転領域から外れるよりも先に、各ロック孔12Aから上方に外される。
【0056】
このような構成により、操作部材2がシートバックテーブル12を後方から押さえ込む回転領域から外れるときには、必ず第1のロック部材3と第2のロック部材4とが各ロック孔12Aから外れている状態とすることができる。したがって、操作部材2をシートバックテーブル12との係合から外す操作をしたにもかかわらず、シートバックテーブル12が格納位置にロックされたままとなる不測の事態を防止することができる。
【0057】
第2のロック部材4は、操作部材2から延びる第1のピン2Cとはシート幅方向の配置が重ならず、第1のピン2Cよりも図示左方に外れた領域に配置されている。すなわち、第2のロック部材4は、第2の長孔4Bが第1のピン2Cに通されて操作部材2により第1のロック部材3と共に直接操作されるのではなく、第1のロック部材3に設けられる第2のピン3B、すなわち第1のピン2Cよりも図示左方に外れた領域に設けられる第2のピン3Bにより操作される構成とされる。
【0058】
このような構成とされることにより、第1のピン2Cが第1のロック部材3と第2のロック部材4とに通されてこれらと連結される構成と比べて、第1のピン2Cの前方への延び出し長さを短く抑えることができる。その結果、操作部材2が配置されるシートバック11のシート幅方向の中央部において、シートバック11の背凭れ面が凹状となっていることで設置スペースが狭い場合であっても、操作部材2を含むロック装置1を適切に配置できるようになっている。
【0059】
以上をまとめると、本実施形態に係るロック装置1は、次のような構成とされている。なお、以下において括弧書きで付す符号は、上記実施形態で示した各構成に対応する符号である。
【0060】
すなわち、シートバックテーブル用ロック装置(1)は、シートバックテーブル(12)をシートバック(11)の背裏部に沿って跳ね上げた格納位置にロックする装置である。シートバックテーブル用ロック装置(1)は、シートバックテーブル(12)及びシートバック(11)のうちの一方である本体部材(11)に設けられる回転式の操作部材(2)を有する。また、シートバックテーブル用ロック装置(1)は、本体部材(11)に設けられ、操作部材(2)の回転に連動して押し回されるように操作部材(2)に対して第1のピン(2C)と第1の長孔(3D)とのスライド可能な連結構造を介して連結される第1のロック部材(3)を有する。
【0061】
また、シートバックテーブル用ロック装置(1)は、本体部材(11)に設けられ、操作部材(2)の回転により第1のロック部材(3)とは逆方向に押し回されるように第1のロック部材(3)に対して第2のピン(3B)と第2の長孔(4B)とのスライド可能な連結構造を介して連結される第2のロック部材(4)を有する。操作部材(2)を所定位置から一方向に回転させることにより、第1のロック部材(3)と第2のロック部材(4)とが互いに相反する方向に回されてシートバックテーブル(12)及びシートバック(11)のうちの他方である相手部材(12)に対してシートバックテーブル(12)を格納位置に保持するように係合する。
【0062】
上記構成によれば、操作部材(2)の回転に合わせて第1のロック部材(3)と第2のロック部材(4)とをロック動作させる構成を、これらを第1のピン(2C)と第1の長孔(3D)とのスライド可能な連結構造と、第2のピン(3B)と第2の長孔(4B)とのスライド可能な連結構造と、を介して連結するという簡素な構成により具現化することができる。上記第1のロック部材(3)と第2のロック部材(4)との相手部材(12)に対する係合により、シートバックテーブル(12)を格納位置に適切にロックすることができる。
【0063】
また、操作部材(2)が、一方向の回転により相手部材(12)に対してシートバックテーブル(12)を格納位置に保持するように係合するラッチとされる。上記構成によれば、第1のロック部材(3)と第2のロック部材(4)に加え、操作部材(2)によってもシートバックテーブル(12)を格納位置にロックすることができる。それにより、シートバックテーブル(12)を格納位置により適切にロックすることができる。
【0064】
また、操作部材(2)を相手部材(12)との係合位置から他方向に回転させることにより、第1のロック部材(3)と第2のロック部材(4)とが操作部材(2)よりも先に相手部材(12)との係合から外される。上記構成によれば、操作部材(2)を解除方向に回すことで、操作部材(2)が相手部材(12)との係合から外れるときには、必ず第1のロック部材(3)と第2のロック部材(4)とが相手部材(12)との係合から外れている状態とすることができる。したがって、操作部材(2)を相手部材(12)との係合から外す操作をしたにもかかわらず、シートバックテーブル(12)が格納位置にロックされたままとなる不測の事態を防止することができる。
【0065】
また、本体部材(11)がシートバック(11)とされ、相手部材(12)がシートバックテーブル(12)とされる。操作部材(2)が、上面に小物を引掛け可能な窪み状のフック(2B)を有する。上記構成によれば、シートバックテーブル(12)の格納時の他、展開時にも、操作部材(2)をコートフックなどの引掛け具として利用することが可能となる。
【0066】
また、第1のロック部材(3)と第2のロック部材(4)とが、格納位置に跳ね上げられたシートバックテーブル(12)の上面に形成されるロック孔(12A)に入り込むことでシートバックテーブル(12)と係合するロック爪(3C、4C)を有する。上記構成によれば、第1のロック部材(3)と第2のロック部材(4)の各ロック爪(3C、4C)を、外部に露出させることなくシートバックテーブル(12)に係合させることができる。
【0067】
また、操作部材(2)が、格納位置に跳ね上げられたシートバックテーブル(12)の幅方向の中間部に対応する位置に設けられる。第1のロック部材(3)と第2のロック部材(4)とが、操作部材(2)の回転中心である操作回転軸(2A)を間に挟む幅方向の一側の位置と他側の位置とに分かれて各々の回転中心である第1の回転軸(3A)と第2の回転軸(4A)とが設けられる。第2のロック部材(4)が、操作回転軸(2A)と第2の回転軸(4A)との間の位置で第1のロック部材(3)と連結される。
【0068】
上記構成によれば、第2のロック部材(4)が第1のロック部材(3)と共に操作部材(2)と連結されるもの比べて、操作部材(2)の配置領域に部材同士が嵩張って配置されることを抑制することができる。その結果、操作部材(2)が幅方向の中央に配置される場合など、シートバック(11)の背凭れ面が凹状となっていることで設置スペースが狭い場合であっても、シートバックテーブル用ロック装置(1)を適切に設けることが可能となる。
【0069】
また、操作部材(2)が、格納位置に跳ね上げられたシートバックテーブル(12)の幅方向の中間部に対応する位置に設けられる。第1のロック部材(3)と第2のロック部材(4)とが、操作部材(2)の回転中心である操作回転軸(2A)を間に挟む幅方向の一側の位置と他側の位置とに分かれて各々の回転中心である第1の回転軸(3A)と第2の回転軸(4A)とが設けられることで、操作部材(2)が第1のロック部材(3)と第2のロック部材(4)とを相手部材(12)と係合させるロック位置からどちらの方向に回されても第1のロック部材(3)と第2のロック部材(4)とが相手部材(12)との係合から外されるように回される。
【0070】
上記構成によれば、操作部材(2)をロック位置からどちらの方向に回しても、第1のロック部材(3)と第2のロック部材(4)とを相手部材(12)との係合から外すことができる。したがって、シートバックテーブル用ロック装置(1)の利便性をより向上させることができる。
【0071】
《第2の実施形態》
続いて、第2の実施形態に係るシートバックテーブル用ロック装置(以下、ロック装置)1の構成について、図8を用いて説明する。本実施形態におけるロック装置1は、第2のロック部材4が、第1のロック部材3と共に、操作部材2から前方に延び出る第1のピン2Cに通されて、第1のピン2Cにより回転操作される構成とされる。
【0072】
具体的には、第2のロック部材4は、その図示右端に、第1のピン2Cが前方から通される第2の長孔4Dが形成されている。第2の長孔4Dは、第2のロック部材4の長さ方向となる図示左右方向に延びる孔形状とされる。このような構成であっても、第2のロック部材4を第1の実施形態で示した構成と同様に、操作部材2の回転操作に伴って第1のロック部材3とは反対まわりに回転するように動作させることができる。
【0073】
すなわち、本実施形態における第1のピン2Cは、第1のロック部材3の第1の長孔3Dに通される構成であると共に、第2のロック部材4の第2の長孔4Dにも通される、本発明の「第2のピン」としての機能も備える構成とされる。上記以外の構成は、第1の実施形態で示した構成と同一の構成となっているため、同一の符号を付して説明を省略する。
【0074】
以上をまとめると、本実施形態に係るロック装置1は、次のような構成とされている。なお、以下において括弧書きで付す符号は、上記実施形態で示した各構成に対応する符号である。
【0075】
すなわち、シートバックテーブル用ロック装置(1)は、シートバックテーブル(12)をシートバック(11)の背裏部に沿って跳ね上げた格納位置にロックする装置である。シートバックテーブル用ロック装置(1)は、シートバックテーブル(12)及びシートバック(11)のうちの一方である本体部材(11)に設けられる回転式の操作部材(2)を有する。また、シートバックテーブル用ロック装置(1)は、本体部材(11)に設けられ、操作部材(2)の回転に連動して押し回されるように操作部材(2)に対して第1のピン(2C)と第1の長孔(3D)とのスライド可能な連結構造を介して連結される第1のロック部材(3)を有する。
【0076】
また、シートバックテーブル用ロック装置(1)は、本体部材(11)に設けられ、操作部材(2)の回転により第1のロック部材(3)とは逆方向に押し回されるように操作部材(2)に対して第2のピン(2C)と第2の長孔(4D)とのスライド可能な連結構造を介して連結される第2のロック部材(4)を有する。操作部材(2)を所定位置から一方向に回転させることにより、第1のロック部材(3)と第2のロック部材(4)とが互いに相反する方向に回されてシートバックテーブル(12)及びシートバック(11)のうちの他方である相手部材(12)に対してシートバックテーブル(12)を格納位置に保持するように係合する。
【0077】
上記構成によれば、操作部材(2)の回転に合わせて第1のロック部材(3)と第2のロック部材(4)とをロック動作させる構成を、これらを第1のピン(2C)と第1の長孔(3D)とのスライド可能な連結構造と、第2のピン(2C)と第2の長孔(4D)とのスライド可能な連結構造と、を介して連結するという簡素な構成により具現化することができる。上記第1のロック部材(3)と第2のロック部材(4)との相手部材(12)に対する係合により、シートバックテーブル(12)を格納位置に適切にロックすることができる。
【0078】
《その他の実施形態について》
以上、本発明の実施形態を2つの実施形態を用いて説明したが、本発明は上記実施形態の他、各種の形態で実施することができるものである。
【0079】
1.本発明のシートバックテーブル用ロック装置は、航空機のシートに適用されるものの他、自動車や鉄道等の車両のシートに適用されるものであっても良い。また、シートバックテーブル用ロック装置は、船舶等の航空機や車両以外の乗物に適用されるものであっても良い。また、シートバックテーブル用ロック装置は、乗物の他、映画館や劇場、コンサート会場、スポーツ施設等の各種施設に設置されるシートに適用されるものであっても良い。
【0080】
2.シートバックテーブル用ロック装置は、シートバックの他、シートバックテーブルに設けられる構成であっても良い(「本体部材」は、シートバックテーブルであっても良い)。その場合、第1のロック部材と第2のロック部材とが係合する「相手部材」は、シートバックとなる。そのような構成であっても、シートバックテーブルをシートバックに対して格納した位置にロックすることができる。
【0081】
3.操作部材は、その回転によりシートバックテーブルを格納位置に保持するように相手部材と係合するラッチとしての機能を備えるものであっても良いが、単に、第1のロック部材と第2のロック部材とを回転操作するためだけの用途で設けられるものであっても良い。その場合、操作部材は、丸型のハンドルのような形から成るものであっても良い。
【0082】
4.操作部材に形成される窪み状のフックは、操作部材がどの向きとされた時の上面に形成されるものであっても良い。すなわち、上記各実施形態で示した構成を例に挙げれば、フックは、操作部材が横向きとなった時の上面に形成されるものであっても良いし、縦向きと横向きのどちらにもおける上面に形成されるものであっても良い。
【0083】
5.シートバックテーブル用ロック装置がシートバックに設けられる場合において、第1のロック部材のロック爪及び/又は第2のロック部材のロック爪は、操作部材と同様、シートバックテーブルを後方から押さえ込むようにシートバックから張り出す構成であっても良い。各ロック爪は、第1のロック部材や第2のロック部材からシームレスに延び出す構成とされても良いが、第1のロック部材や第2のロック部材に取り付けられる別部材から成るものであっても良い。
【符号の説明】
【0084】
1 シートバックテーブル用ロック装置
2 操作部材
2A 操作回転軸
2B フック
2C 第1のピン(第2のピン)
3 第1のロック部材
3A 第1の回転軸
3B 第2のピン
3C ロック爪
3D 第1の長孔
4 第2のロック部材
4A 第2の回転軸
4B 第2の長孔
4C ロック爪
4D 第2の長孔
10 シート
11 シートバック(本体部材)
11A ブラケット
12 シートバックテーブル(相手部材)
12A ロック孔
12B リテーナ
13 アーム
13A テーブル回転軸
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8