(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024099984
(43)【公開日】2024-07-26
(54)【発明の名称】ハーネスプロテクタ
(51)【国際特許分類】
H02G 3/04 20060101AFI20240719BHJP
H02G 3/30 20060101ALI20240719BHJP
B60R 16/02 20060101ALI20240719BHJP
H01R 13/46 20060101ALI20240719BHJP
H01R 13/506 20060101ALI20240719BHJP
【FI】
H02G3/04 087
H02G3/30
B60R16/02 623T
H01R13/46 304G
H01R13/506
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023003656
(22)【出願日】2023-01-13
(71)【出願人】
【識別番号】500543775
【氏名又は名称】株式会社ジーエスエレテック
(74)【代理人】
【識別番号】100188075
【弁理士】
【氏名又は名称】石黒 修
(72)【発明者】
【氏名】兼松 正美
【テーマコード(参考)】
5E087
5G357
5G363
【Fターム(参考)】
5E087JJ05
5E087JJ09
5E087MM05
5E087QQ04
5E087RR25
5G357DB03
5G357DC12
5G357DD02
5G357DD06
5G357DE03
5G357DE08
5G357DG05
5G363BA02
5G363DA13
5G363DC02
(57)【要約】 (修正有)
【課題】簡便にコネクタ部を配設することができるとともに別コネクタ部を着脱させる際もコネクタ部の相対変位を容易に抑制できるハーネスプロテクタを提供する。
【解決手段】ハーネスプロテクタ1は、同一平面で分割される2つの形成部材20、21からなり、同一平面上に軸線を有する複数の筒状体が結合したものであって、電気信号の流れる複数の配線2が挿通し、複数の配線2を複数の配線群3、4に分離する複数の開口端部7、8を有する。複数の配線群3、4のうち、終端が外部に露出しない終端配線群30は、終端配線群30が挿通する終端開口端部に配されるとともに電気信号を外部に取り出すコネクタ部27に終端が接続されている。コネクタ部27は終端開口端部31に対して着脱自在に固定されている。2つの形成部材20、21は、同一形状である。このため、簡便にコネクタ部27を配設することができ、コネクタ部27の相対変位も抑制できる。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
同一平面上に軸線を有する複数の筒状体が結合したものであって、電気信号の流れる複数の配線が挿通し、前記複数の配線を複数の配線群に分離する複数の開口端部を有し、前記同一平面で分割される2つの形成部材よりなるハーネスプロテクタにおいて、
前記複数の配線群の少なくとも1つの配線群であって終端が外部に露出しない終端配線群は、前記終端配線群が挿通する前記複数の開口端部の少なくとも1つの開口端部である終端開口端部に配されるとともに電気信号を外部に取り出すコネクタ部に終端が接続されており、
前記コネクタ部は前記終端開口端部に対して着脱自在に固定されており、
前記2つの形成部材は、同一形状であることを特徴とするハーネスプロテクタ。
【請求項2】
請求項1に記載のハーネスプロテクタにおいて、
前記複数の配線群の内、前記終端配線群と異なる少なくとも1つの配線群は、コルゲートチューブ内を挿通し、
前記終端開口端部以外の前記複数の開口端部の少なくとも1つは、前記コルゲートチューブの外表面の凹凸が着脱自在に嵌合するように内表面に凹凸が形成されていることを特徴とするハーネスプロテクタ。
【請求項3】
請求項1または2に記載のハーネスプロテクタにおいて、
自身を対象物に着脱自在に固定する固定部を有することを特徴とするハーネスプロテクタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気信号の流れる複数の配線が挿通するハーネスプロテクタ、特に複数の配線を複数の配線群に分離するハーネスプロテクタに係るものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、電気信号の流れる複数の配線が挿通し、複数の配線を複数の配線群に分離する複数の開口端部を有するハーネスプロテクタが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
しかし、このようなハーネスプロテクタでは複数の配線を複数の配線群に分離するだけであり、配線群を別途の配線群とコネクタ部を介して接続する際には、ハーネスプロテクタ外に別途コネクタ部を用意する必要があり、配線のハーネスプロテクタ外への配索、ハーネスプロテクタ外の配線の保護処理等に手間が掛かる問題があった。
【0004】
また、設置位置が振動の多い場所であると、ハーネスプロテクタ外にコネクタ部が設定された場合、ハーネスプロテクタとコネクタ部との相対変位に起因するコネクタ部の接続外れ、配線の断線等にも気を配る必要があった。
【0005】
そこで、ハーネスプロテクタとコネクタ部とを一体に形成する対策を講じることができるが、ハーネスプロテクタとコネクタ部とを一体に成形してしまうとコネクタ部の金属接続端子と配線との接続の自由度が少なくなり、配線接続に手間が掛かってしまう。
また、このような一体成型品であるとコネクタ部にのみ問題が発生した場合であっても、ハーネスプロテクタ全体を交換する必要が生じてしまう。
【0006】
このような問題を解決するために、以下に説明するようなハーネスプロテクタが提案されている(例えば、特許文献2参照。)。
このハーネスプロテクタは、電気信号の流れる複数の配線が挿通するとともに複数の配線を複数の配線群に分離する複数の開口端部を有している。
ここで、終端が外部に露出しない終端配線群は、終端配線群が挿通する終端開口端部に配されるとともに電気信号を外部に取り出すコネクタ部に終端が接続されている。
なお、コネクタ部は終端開口端部に対して着脱自在に固定されている。
【0007】
このような構成とすることで、コネクタ部は終端開口端部に対して固定されているため、ハーネスプロテクタ外にコネクタ部を設定する必要もなく、配線のハーネスプロテクタ外への配索、ハーネスプロテクタ外の配線の保護処理等も必要がなくなる。
このため、簡便にコネクタ部を配設することができる。
【0008】
また、コネクタ部が終端開口端部に対して着脱自在に設けられているため、コネクタ部をハーネスプロテクタから取り外した状態でコネクタ部の金属接続端子と終端配線群を電気的に接続することができ、コネクタ部と終端配線群との電気的接続の自由度を高めることができる。
【0009】
しかし、特許文献2の構成では、コネクタ部は、プロテクタ本体に設けられる断面略C字型の上下の爪部による係止力のみで保持されているに過ぎず、上下の爪部間には解放状態となっている部分があり、コネクタ部に対して別コネクタ部を着脱させる際に力が掛かると開放部側に外れやすい構成となっている。また、コネクタ部に対して別コネクタ部を着脱させる際に別コネクタ部を押し引きすることになるが、その際にコネクタ部が奥側や前側に相対変位してしまう虞もある。
【0010】
さらに、特許文献2のハーネスプロテクタは、プロテクタ本体とサイドシルとにより構成されているが、2種類の別部品によって構成されているため、部品種が多くなってしまう問題もある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】実用新案登録第3177641号公報
【特許文献2】実開昭62-084558号のマイクロフィルム
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本開示は、上記の問題点を解決するためになされたものであり、その目的は、簡便にコネクタ部を配設することができるとともにコネクタ部を着脱自在としつつ別コネクタ部を着脱させる際も相対変位を容易に抑制できるハーネスプロテクタを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本開示によれば、ハーネスプロテクタは、同一平面上に軸線を有する複数の筒状体が結合したものであって、電気信号の流れる複数の配線が挿通し、複数の配線を複数の配線群に分離する複数の開口端部を有し、同一平面で分割される2つの形成部材よりなる。
【0014】
そして、複数の配線群の少なくとも1つの配線群であって終端が外部に露出しない終端配線群は、終端配線群が挿通する複数の開口端部の少なくとも1つの開口端部である終端開口端部に配されるとともに電気信号を外部に取り出すコネクタ部に終端が接続されている。
また、コネクタ部は終端開口端部に対して着脱自在に固定されている。
さらに、2つの形成部材は同一形状となっている。
【0015】
これにより、コネクタ部は終端開口端部に対して固定されているため、ハーネスプロテクタ外にコネクタ部を設定する必要もなく、配線のハーネスプロテクタ外への配索、ハーネスプロテクタ外の配線の保護処理等も必要がなくなる。
このため、簡便にコネクタ部を配設することができる。
【0016】
また、コネクタ部が終端開口端部に対して着脱自在に設けられているため、コネクタ部をハーネスプロテクタから取り外した状態でコネクタ部の金属接続端子と終端配線群を電気的に接続することができ、コネクタ部と終端配線群との電気的接続の自由度を高めることができる。
また、コネクタ部のみに問題が発生した場合であっても、コネクタ部のみの交換で十分となる。
【0017】
さらに、コネクタ部が終端開口端部に対して固定されているため、振動を有する場所に設置されたとしても、コネクタ部のハーネスプロテクタに対する相対変位に起因するコネクタ部の接続外れ、配線の断線等の発生を抑制することもできる。
【0018】
ここで、ハーネスプロテクタは、同一平面で分割される2つの形成部材よりなるため、コネクタ部は2つの形成部材で挟み込まれることになる。これにより、2つの形成部材を分離することで容易にコネクタ部を取り出すことができる構成のため、コネクタ部を着脱自在に固定する自由度を高めることができる。
例えば、コネクタ部に係合凸部を設け、2つの形成部材に係合凹部を設け、係合凸部と係合凹部を係合させることで、コネクタ部に対して別コネクタ部を着脱させる際にもコネクタ部の相対変位を強固に抑制することができる。
【0019】
すなわち、ハーネスプロテクタは、同一平面で分割される2つの形成部材よりなる構成としたことにより、コネクタ部の着脱自在と相対変位の抑制される強固な固定とを容易に両立できる構成となっている。
【0020】
さらに、ハーネスプロテクタは、2つの形成部材が同一形状となっており、部品種数を減らすことができる。このため、金型等が1種類で済むため、コスト的にも有利である。
また、部品種が1つであるため、ハーネスプロテクタの部品種を間違えて組付けてしまう虞もない。
なお、ハーネスプロテクタが同一平面で分割される2つの形成部材よりなる場合、2つの形成部材の形状が異なっていても両者の形状が相紛らわしいことがあり、このことが組み付けの際の作業効率の低下を招く要因の一つとなっている。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】ハーネスプロテクタの説明図である(実施例)。
【
図2】(a)ハーネスプロテクタの斜視図、および、(b)ハーネスプロテクタの分解斜視図である(実施例)。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、発明を実施するための形態を実施例に基づいて説明する。
なお、以下の実施例は具体的な一例を開示するものであり、本発明が以下の実施例に限定されないことは言うまでもない。
【実施例0023】
[実施例]
本開示の実施例によるハーネスプロテクタ1を
図1に示す。
ハーネスプロテクタ1は、車両に搭載され、電気信号の流れる複数の配線2を複数の配線群3、4に分離するものである。
なお、複数の配線2は、車両の各部を制御するECU(Electronic Control Unit)10に接続されており、複数の配線2を介してECU10と各機器との間で電気信号の送受信が行われている。
【0024】
ここで、配線群3は、車輪11に設けられる減衰力を段階的に切り替え可能なショックアブソーバを含むAVS(Adaptive Valiable Suspension)12に接続されており、AVS12はECU10によって車両のロール姿勢等が制御されている。
【0025】
また、配線群4は車輪11の近傍に設けられ車輪11の回転速度である車輪速を検出する車輪速センサ14に接続されている。
そして、検出された車輪速のデータはECU10に送られる。
【0026】
ハーネスプロテクタ1の特徴的な構成について
図2を用いて説明する。
ハーネスプロテクタ1は、複数の配線2を複数の配線群3、4に分離する複数の開口端部7、8を有している。
なお、ハーネスプロテクタ1は、
図2に示すように、同一平面上に軸線を有する複数の筒状体が結合したものであって、この同一平面で分割される2つの形成部材20、21よりなる。
【0027】
ここで、2つの形成部材20、21はそれぞれ爪部23、突起部24が交互に配されており、同一形状となっている。
そして、2つの形成部材20、21のそれぞれの爪部23と突起部24とを係合させることで、2つの形成部材20、21を組み合わせてハーネスプロテクタ1は形成される。
【0028】
なお、ハーネスプロテクタ1は、爪部23を跳ね上げ、突起部24との係合を解くことで、容易に2つの形成部材20、21に分解することもできる。
すなわち、ハーネスプロテクタ1は、スナップフィット方式で容易に分解、組み付けを行うことができる。
【0029】
また、ECU10に接続される複数の配線2の数は4本となっており、それぞれ絶縁性の樹脂で被覆されている被覆線となっている。そして、複数の配線2は、4本まとめて外装保護樹脂Gによってさらなる被覆の施される所謂シース線となっている。
そして、4本の複数の配線2のうち、2本の配線からなる配線群3が電気信号を外部に取り出すコネクタ部27に接続し、残りの2本の配線からなる配線群4がコルゲートチューブ29内を挿通している。
なお、コネクタ部27は、樹脂製の本体部と金属製の接続端子から構成されている。
【0030】
すなわち、配線群3がコネクタ部27を介しAVS12に、配線群4が車輪速センサ14に電気的に接続していることになる。
なお、配線群3、および、配線群4における、配線の一方はそれぞれグランド線となっている。
【0031】
ここで、配線群3は、終端が外部に露出しない終端配線群30となっており、終端配線群30が挿通する開口端部7が終端開口端部31となっている。
また、配線群4の挿通するコルゲートチューブ29は終端開口端部31ではない開口端部8に固定されている。
なお、シース線となっている複数の配線2は、開口端部Eに固定されている。
【0032】
なお、先述のように、ハーネスプロテクタ1は、スナップフィット方式で容易に分解できるため、コネクタ部27は終端開口端部31に対して着脱自在となっており、コルゲートチューブ29も開口端部8に対して着脱自在になっている。
そして、ハーネスプロテクタ1は、自身を着脱自在に固定する固定部35を介して車体に対して相対変位をしない対象物に固定している。
【0033】
より具体的には、コネクタ部27の外表面に設けられる係合凸部を2つの形成部材20、21にそれぞれ設けられる係合凹部に嵌め込むことで、コネクタ部27は終端開口端部31に対して着脱自在に固定されている。
【0034】
また、2つの形成部材20、21は、コルゲートチューブ29外表面の凹凸に対応する凹凸が2つの形成部材20、21の内表面に設けられており、それぞれの凹部と凸部が嵌合することでコルゲートチューブ29も開口端部8に対して着脱自在に固定されている。
なお、シース線の外装保護樹脂Gと開口端部Eは略同径に設けられており、2つの形成部材20、21によって挟み込まれることで開口端部Eに対して着脱自在に固定されている。
【0035】
また、ハーネスプロテクタ1は、対象物の係合穴等に固定部35を弾性変形させて嵌め込むことで車体に対して相対変位を行わないようにスナップフィット方式で着脱自在に固定されている。
【0036】
なお、コネクタ部27は、雄コネクタとなっておりAVS12から延びる雌コネクタと嵌合接続することでAVS12と配線群3は電気的に接続される。
また、コネクタ部27は雄コネクタとなっているが、特にこだわるものではなく雌コネクタであってもよい。この場合、AVS12から延びる雄コネクタと嵌合接続することでAVS12と配線群3は電気的に接続されることになる。
【0037】
[実施例の効果]
ハーネスプロテクタ1において、終端が外部に露出しない終端配線群30は、終端配線群30が挿通する終端開口端部31に配されるとともに電気信号を外部に取り出すコネクタ部27に終端が接続されている。
また、コネクタ部27は終端開口端部に対して着脱自在に固定されている。
【0038】
これにより、コネクタ部27は終端開口端部31に対して固定されているため、ハーネスプロテクタ1外にコネクタ部27を設定する必要もなく、配線のハーネスプロテクタ1外への配索、ハーネスプロテクタ1外の配線の保護処理等も必要がなくなる。
このため、簡便にコネクタ部27を配設することができる。
【0039】
また、コネクタ部27が終端開口端部31に対して着脱自在に設けられているため、コネクタ部27をハーネスプロテクタ1から取り外した状態でコネクタ部27の金属接続端子と終端配線群を電気的に接続することができ、コネクタ部27と終端配線群30との電気的接続の自由度を高めることができる。
また、コネクタ部27のみに問題が発生した場合であっても、コネクタ部27のみの交換で十分となる。
【0040】
ここで、コネクタ部が一体に形成されているハーネスプロテクタを考えると、型抜きの都合上、コネクタ部の金属接続端子をインサート成型することが一般的となる。しかし、このような構成であるとハーネスプロテクタ内に固定されている金属接続端子と終端配線群の終端との接続はハーネスプロテクタ内の狭い領域においての作業となるため非常に困難である。
しかし、金属接続端子と終端配線群の終端との接続を容易にできるように金属接続端子をハーネスプロテクト外に突出させる構成にすると突出部の絶縁対策、突出部によるハーネスプロテクタの体格の肥大化等を招いてしまう。
【0041】
しかし、本実施例では、コネクタ部27の樹脂製の本体部がハーネスプロテクタ1とは別体となっているため、コネクタ部27の金属接続端子と終端配線群30の各配線の終端との接続の自由度が高くなっている。
例えば、コネクタ部27と終端配線群30との電気的接続については、金属接続端子と各配線の終端とを予め圧着端子締結器等で圧着した後に、コネクタ部27の樹脂製の本体部に金属接続端子を固定する等の接続方法が考えられる。
なお、金属接続端子に係合凸部をつけ、本体部の係合凹部に係合させることで容易に本体部から外れることのない構成とすることができる。
【0042】
さらに、コネクタ部27が終端開口端部31に対して固定されているため、振動を有する場所に設置されたとしても、コネクタ部27のハーネスプロテクタ1に対する相対変位に起因するコネクタ部27の接続外れ、配線の断線等の発生を抑制することもできる。
【0043】
また、ハーネスプロテクタ1は、同一平面で分割される2つの形成部材20、21よりなるため、コネクタ部27は2つの形成部材20、21で挟み込まれることになる。これにより、2つの形成部材20、21を分離することで容易にコネクタ部27を取り出すことができる構成のため、コネクタ部27を着脱自在に固定する自由度を高めることができる。
また、コネクタ部27に係合凸部を設け、2つの形成部材20、21に係合凹部を設け、係合凸部と係合凹部を係合させることで、コネクタ部27に対して別コネクタ部を着脱させる際にもコネクタ部27の相対変位を強固に抑制することができる。
【0044】
すなわち、ハーネスプロテクタ1は、同一平面で分割される2つの形成部材20、21よりなる構成としたことにより、コネクタ部27の着脱自在と相対変位の抑制される強固な固定とを容易に両立できる構成となっている。
【0045】
また、ハーネスプロテクタ1は、2つの形成部材20、21が同一形状となっており、部品種数を減らすことができる。このため、金型等が1種類で済むため、コスト的にも有利である。
また、部品種が1つであるため、ハーネスプロテクタ1の部品種を間違えて組付けてしまう虞もない。
なお、ハーネスプロテクタが同一平面で分割される2つの形成部材よりなる場合、2つの形成部材の形状が異なっていても両者の形状が相紛らわしいことがあり、このことが組み付けの際の作業効率の低下を招く要因の一つとなっている。
【0046】
また、ハーネスプロテクタ1において、終端配線群30と異なる配線群4はコルゲートチューブ29内を挿通し、開口端部8はコルゲートチューブ29の外表面の凹凸が嵌合するように内表面に凹凸が形成されている。
これにより、外装保護樹脂Gの剥がされた配線群4をコルゲートチューブ29によって保護することができる。
また、コルゲートチューブ29は開口端部8に着脱自在に固定されているため、コルゲートチューブ29のみの破損の際にも、コルゲートチューブ29のみの交換で十分となる。
【0047】
なお、
図2(a)に示すように、それぞれの配線は、シース線の外装保護樹脂G、ハーネスプロテクタ1、コルゲートチューブ29によって覆われているため、外部への露出がなく、飛び石等の飛来による断線、破損等を抑制できる。
【0048】
また、ハーネスプロテクタ1は、自身を対象物に対して着脱自在に固定する固定部35を有している。
これにより、振動を有する場所に設置されても、対象物とハーネスプロテクタ1との相対変位に起因するコネクタ部27の接続外れ、配線の断線等の発生を抑制できる。
また、着脱自在であるため、ハーネスプロテクタ1のみ破損の際にも、ハーネスプロテクタ1の交換のみで十分となる。
【0049】
[変形例]
本発明は、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変形例を考えることができる。
実施例においては、複数の配線2は、外装保護樹脂Gによって覆われていたが、複数の配線2をコルゲートチューブで覆う構成とすることもできる。
これにより、外装保護樹脂Gを剥がす手間を省くことができる。
【0050】
また、実施例においては、配線群3はAVS12に、配線群4は車輪速センサ14に電気的に接続されていたが、配線群4をAVS12に、配線群4を車輪速センサ14に接続する構成としてもよい。
また、配線群3、4を、AVS12、車輪速センサ14以外の、EPB(Electronic Parking Brake)、PWI(Pad Wear Indicater)等に接続する構成とすることもできる。
【0051】
また、実施例においては、ハーネスプロテクタ1の外観は略T字状を呈していたが、この形状に拘るものではなく、例えば外観が略Y字状を呈するものであってもよい。
また、実施例においては、コネクタ部27に係合凸部が設けられ、2つの形成部材20、21に係合凹部が設けられていたが、コネクタ部27に係合凹部を設け、2つの形成部材20、21に係合凸部を設ける構成としてもよい。
さらに、コネクタ部27の外表面に凹凸を形成し、2つの形成部材20、21の内表面に形成される凹凸に嵌合させてコネクタ部27を固定する構成としてもよい。