(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025000001
(43)【公開日】2025-01-06
(54)【発明の名称】時刻同期システム、通信システム及び時刻同期方法
(51)【国際特許分類】
H04L 7/00 20060101AFI20241223BHJP
【FI】
H04L7/00 990
H04L7/00 930
【審査請求】有
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023097831
(22)【出願日】2023-06-14
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2024-12-20
(71)【出願人】
【識別番号】399041158
【氏名又は名称】西日本電信電話株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001634
【氏名又は名称】弁理士法人志賀国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】吹上 悠貴
【テーマコード(参考)】
5K047
【Fターム(参考)】
5K047AA15
5K047AA18
5K047GG10
5K047GG56
(57)【要約】
【課題】高精度かつ安定性が高いクロック源の台数を抑えつつ、時刻信号の品質低下を抑制する技術を提供する。
【解決手段】時刻同期システムは、通信制御に用いる時刻情報を通信システムに供給する時刻同期システムであって、人工衛星から受信した第1受信信号に基づいた第1時刻補正信号と、取得した第1周波数同期信号との何れかを用いて第1時刻情報を生成して配信する第1時刻送信装置と、自走して基準周波数を所望の品質で生成する基準周波数装置と、前記基準周波数装置から供給される基準周波数に直接的に又は間接的に同期する前記第1周波数同期信号を生成する第1周波数発信装置と、を備える。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信制御に用いる時刻情報を通信システムに供給する時刻同期システムであって、
少なくとも人工衛星から受信した第1受信信号に基づいた第1時刻補正信号と、取得した第1周波数同期信号との何れかを用いて第1時刻情報を生成して配信する第1時刻送信装置と、
自走して基準周波数を所望の品質で生成する基準周波数装置と、
前記基準周波数装置から供給される基準周波数に直接的に又は間接的に同期する前記第1周波数同期信号を生成する第1周波数発信装置と、
を備える時刻同期システム。
【請求項2】
前記第1時刻送信装置は、
少なくともsync-E(Synchronous Ethernet)に準じた前記第1周波数同期信号を受ける
請求項1に記載の時刻同期システム。
【請求項3】
前記第1周波数発信装置は、
前記第1時刻送信装置に対してsync-Eに準じた前記第1周波数同期信号を供給する
請求項2に記載の時刻同期システム。
【請求項4】
前記第1周波数発信装置は、
前記基準周波数装置から供給される基準周波数に間接的に同期する周波数同期信号であって、互いに異なる経路を経て供給される2つの周波数同期信号の内の何れかの周波数同期信号に基づいて前記第1周波数同期信号を生成する
請求項1から請求項3の何れか1項に記載の時刻同期システム。
【請求項5】
前記基準周波数装置から供給される基準周波数に直接的に又は間接的に同期する周波数同期信号に基づいて、前記2つの周波数同期信号の内の1つに対応する第2周波数同期信号を生成する第2周波数発信装置
を備える請求項4に記載の時刻同期システム。
【請求項6】
前記基準周波数装置から供給される基準周波数に直接的に又は間接的に同期する周波数同期信号に基づいて第3周波数同期信号を生成する第2周波数発信装置
を備え、
前記第1時刻送信装置は、
少なくとも人工衛星から受信した第1受信信号に基づいた第1時刻補正信号と、取得した第1周波数同期信号と、前記第3周波数同期信号との何れかを用いて第1時刻情報を生成して配信する、
請求項1から請求項3の何れか1項に記載の時刻同期システム。
【請求項7】
少なくとも人工衛星から受信した第2受信信号に基づいた第2時刻補正信号と、取得した前記第1周波数同期信号との何れかを用いて第2時刻情報を生成して配信する第2時刻送信装置
を備え、
前記第1時刻送信装置は、
少なくとも人工衛星から受信した第1受信信号に基づいた第1時刻補正信号と、取得した第1周波数同期信号との何れかを用いて第1時刻情報と、第4周波数同期信号とを生成して配信する、
請求項1から請求項3の何れか1項に記載の時刻同期システム。
【請求項8】
少なくとも人工衛星から受信した第3受信信号に基づいた第3時刻補正信号と、取得した第1周波数同期信号と、取得した第4周波数同期信号との何れかを用いて第3時刻情報を生成して配信する第3時刻送信装置
を備える請求項7に記載の時刻同期システム。
【請求項9】
請求項1から請求項3の何れか1項に記載の時刻同期システムと、
前記時刻同期システムから供給される前記第1時刻情報を時刻受信装置にて再生して、前記再生された前記第1時刻情報を用いて時分割返信制御で通信する無線通信局と、
を備える通信システム。
【請求項10】
通信制御に用いる時刻情報を通信システムに供給するための時刻同期方法であって、
人工衛星から受信した第1受信信号に基づいた第1時刻補正信号と、取得した第1周波数同期信号との何れかを用いて第1時刻情報を生成する第1時刻送信装置GMCから、前記第1時刻情報を配信して、
自走して基準周波数を所望の品質で生成する基準周波数装置から供給される基準周波数に直接的に又は間接的に同期する前記第1周波数同期信号を生成する過程、
を含む時刻同期方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高精度かつ安定性が高いクロック源の台数を抑えつつ、時刻信号の品質低下を抑制する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、時分割複信方式(TDD方式)の無線通信システムがある。このTDD方式は、同一の周波数で上り通信と下り通信を時分割して利用するための高精度な時刻同期が必要となる。無線通信システムの基地局の時刻同期は、GPS衛星(人工衛星、GNSS衛星。)からアンテナ経由で受信した信号から時刻信号を生成して、上記の時刻信号を複数の時刻受信装置(BC)に配信し、基地局がこの時刻信号を用いて通信することにより実現されている。このような無線通信システムにおいて、時刻信号の高品質化が望まれていた。
例えば、上記の時刻信号の品質としては、GPS衛星の信号を利用できる状況の「定常時精度」と、GPS衛星の信号を利用できない状況の「自走精度」の両方を満たすことが要求されている。この時刻信号の品質は、発信装置の周波数精度と安定性により決定される。GPS衛星の信号を利用できない状況の時刻信号の品質を維持するために、高精度かつ安定性が高いクロック源(セシウム発信器型の網同期装置など。)を、時刻情報を生成する基地局ごとに配置する構成が知られている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、高精度かつ安定性が高いクロック源を、時刻情報を生成する基地局ごとに配置する場合、上記の基地局に要する費用が増えるという問題があった。
【0005】
上記事情に鑑み、本発明は、高精度かつ安定性が高いクロック源の台数を抑えつつ、時刻信号の品質低下を抑制する技術の提供を目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様は、通信制御に用いる時刻情報を通信システムに供給する時刻同期システムであって、人工衛星から受信した第1受信信号に基づいた第1時刻補正信号と、取得した第1周波数同期信号との何れかを用いて第1時刻情報を生成して配信する第1時刻送信装置と、自走して基準周波数を所望の品質で生成する基準周波数装置と、前記基準周波数装置から供給される基準周波数に直接的に又は間接的に同期する前記第1周波数同期信号を生成する第1周波数発信装置と、を備える。
【0007】
本発明の一態様は、上記の時刻同期システムであって、前記第1時刻送信装置は、少なくともsync-E(Synchronous Ethernet)に準じた前記第1周波数同期信号を受ける。
【0008】
本発明の一態様は、上記の時刻同期システムであって、前記第1周波数発信装置は、前記第1時刻送信装置に対してsync-Eに準じた前記第1周波数同期信号を供給する。
【0009】
本発明の一態様は、上記の時刻同期システムであって、前記第1周波数発信装置は、前記基準周波数装置から供給される基準周波数に間接的に同期する周波数同期信号であって、互いに異なる経路を経て供給される2つの周波数同期信号の内の何れかの周波数同期信号に基づいて前記第1周波数同期信号を生成する。
【0010】
本発明の一態様は、前記基準周波数装置から供給される基準周波数に直接的に又は間接的に同期する周波数同期信号に基づいて、前記2つの周波数同期信号の内の1つに対応する第2周波数同期信号を生成する第2周波数発信装置を備える上記の時刻同期システムである。
【0011】
本発明の一態様は、前記基準周波数装置から供給される基準周波数に直接的に又は間接的に同期する周波数同期信号に基づいて第3周波数同期信号を生成する第2周波数発信装置を備える上記の時刻同期システムであって、前記第1時刻送信装置は、少なくとも人工衛星から受信した第1受信信号に基づいた第1時刻補正信号と、取得した第1周波数同期信号と、前記第3周波数同期信号との何れかを用いて第1時刻情報を生成して配信する。
【0012】
本発明の一態様は、少なくとも人工衛星から受信した第2受信信号に基づいた第2時刻補正信号と、取得した前記第1周波数同期信号との何れかを用いて第2時刻情報を生成して配信する第2時刻送信装置を備える上記の時刻同期システムであって、前記第1時刻送信装置は、少なくとも人工衛星から受信した第1受信信号に基づいた第1時刻補正信号と、取得した第1周波数同期信号との何れかを用いて第1時刻情報と、第4周波数同期信号とを生成して配信する。
【0013】
本発明の一態様は、少なくとも人工衛星から受信した第3受信信号に基づいた第3時刻補正信号と、取得した第1周波数同期信号と、取得した第4周波数同期信号との何れかを用いて第3時刻情報を生成して配信する第3時刻送信装置を備える上記の時刻同期システムである。
【0014】
本発明の一態様の通信システムは、上記の時刻同期システムと、前記時刻同期システムから供給される前記第1時刻情報を時刻受信装置にて再生して、前記再生された前記第1時刻情報を用いて時分割返信制御で通信する無線通信局と、を備える通信システムである。
【0015】
本発明の一態様は、通信制御に用いる時刻情報を通信システムに供給するための時刻同期方法であって、人工衛星から受信した第1受信信号に基づいた第1時刻補正信号と、取得した第1周波数同期信号との何れかを用いて第1時刻情報を生成する第1時刻送信装置から、前記第1時刻情報を配信して、自走して基準周波数を所望の品質で生成する基準周波数装置から供給される基準周波数に直接的に又は間接的に同期する前記第1周波数同期信号を生成する過程、を含む時刻同期方法である。
【発明の効果】
【0016】
本発明の各態様によれば、高精度かつ安定性が高いクロック源の台数を抑えつつ、時刻信号の品質低下を抑制する技術を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本実施形態の無線通信システムの概略構成図である。
【
図2】本実施形態の比較例の時刻同期について説明するための図である。
【
図3】本実施形態の時刻配信装置(GMC)111による時刻補正について説明するための図である。
【
図4】本実施形態の無線通信システム10における周波数同期網200の概略構成図である。
【
図5】本実施形態の時刻配信網に係る周波数配信網200の構成図である。
【
図6】本実施形態の適用例について説明するための図である。
【
図7】本実施形態における周波数信号の配信経路を冗長構成にした構成図である。
【
図8】本実施形態におけるGMC間の周波数信号の配信について説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。なお、各図において同一又は対応する構成には同一の符号を用いて説明を適宜省略する。
【0019】
(第1の実施形態:基本構成)
図1は、実施形態の無線通信システムの概略構成図である。
無線通信システム10は、サブシステム11、12、・・・、15などに分けて構成される。
【0020】
サブシステム11、12、・・・、15などの各サブシステムには、GNSS(GPS)などの人工衛星2からの電波を夫々受信するアンテナと、その受信信号から時刻情報を抽出する時刻配信網が設けられている。サブシステム12、・・・、15は、サブシステム11と同様に構成されていてもよく、構成が互いに異なっていてもよい。このサブシステムは、共通の時刻情報が配信される範囲を示す。
以下、各サブシステムの一例としてサブシステム11を示して、無線通信システム10の説明を続ける。
サブシステム11内の各装置は、例えば通信ビルB11A、B11Bなどの複数のビルに分散して配置されていてもよい。
【0021】
無線通信システム10は、時刻同期システム1を含む。
無線通信システム10は、サブシステム11として、基地局122、123(モバイル基地局)と、時刻配信網114と、時刻配信装置(Grand Master Clock 、GMC)111と、時刻受信装置(Boundary Clock、BC)112、113と、を備える。
【0022】
例えば、基地局122、123は、通信ビルB11AとB11Bに夫々設けられているモバイル基地局の一例である。
基地局122、123は、サブシステム11の中の通信サービスの提供エリア内に存在する端末装置(不図示)の通信を中継する。例えば、上記の各基地局は、時刻受信装置(BC)112、113から夫々提供される時刻情報を用いてTDD方式(時分割複信方式)で端末装置と通信する。
サブシステム11内の各基地局の時刻同期をとるために、時刻配信装置(GMC)111と、時刻受信装置(BC)112、113と、時刻配信網114とが設けられている。時刻受信装置(BC)112、113は、時刻配信網と時刻配信装置(GMC)との組に対して複数であってよい。
なお、無線通信システム10の各無線通信局の時刻同期をとるために、サブシステム11、12、・・・、15が、互いの時刻が同期している状況で通信処理を実施する。
【0023】
この
図1に示す構成の時刻配信装置(GMC)111は、GNSSの人工衛星2からアンテナ経由で受信した信号から時刻信号を生成して、上記の時刻信号を、時刻配信装置(GMC)111に対応付けられた複数の時刻受信装置(BC)112、113に配信する。時刻配信装置(GMC)111は、例えば、時刻同期用のプロトコルの一例であるPTP(以下、単にPTPという。)を用いて時刻信号を配信する。この複数の時刻受信装置(BC)を含む時刻配信網は、例えばPTPを用いて時刻配信装置(GMC)111が生成した時刻信号が配信される。換言すれば、複数の時刻受信装置(BC)は、時刻配信装置(GMC)111から供給される時刻信号に基づいて時刻同期する。この場合、時刻受信装置(BC)112、113は、対応する時刻配信装置(GMC)111と、自時刻受信装置(BC)よりも上位階梯の時刻受信装置(BC)以外の装置から周波数同期用の信号を受けないように構成されている。
【0024】
図2と
図3を参照して、実施形態の時刻同期について説明する。
先に、実施形態の比較例の時刻同期を例示する。
図2は、実施形態の比較例の時刻同期について説明するための図である。
図2の(a)に、時刻配信装置(GMC)111Zに周波数信号を供給しない構成例を示す。
図2の(a)の構成例の時刻配信装置(GMC)111Zは、人工衛星2からアンテナ経由で受信した信号からの時刻信号を利用して、生成する時刻信号を補正する。時刻配信装置(GMC)111Zは、人工衛星2からアンテナ経由で受信した信号から時刻信号を利用できなくなった場合には、備えている発信器LOの自走クロックを利用して時刻信号を生成して配信を継続する。上記の場合になると、その後の時刻情報は、上記の補正のための時刻信号がなくなることにより、時刻配信装置(GMC)111Zが持つ発信器LOの自走クロックの周波数誤差に依存する時刻誤差が含まれたものになる。このように、時刻配信装置(GMC)111Zが持つ発信器LOの自走クロックによる時刻信号の品質は時刻配信装置(GMC)111Zが持つ発振器の性能に大きく左右され、時刻配信装置(GMC)111Zの性能向上のみで時刻信号の品質を高めていくことに限界があった。
【0025】
ところで、このような時刻誤差を抑制するための構成例として、
図2の(b)の構成例が知られている。
図2の(b)に、時刻配信装置(GMC)111Zに、原子時計を周波数発振源として周波数信号を供給する構成例を示す。この構成は、ITU-T G.8272.1等で提案されているePRTC(Enhanced Primary Reference Time Clock)の方式に相当する。時刻配信装置(GMC)111Zには、原子時計を周波数発振源であるセシウム発振器MCが接続される。
【0026】
図3は、実施形態の時刻配信装置(GMC)111による時刻補正について説明するための図である。
時刻配信装置(GMC)111が配信する時刻信号の品質としては、人工衛星2のアンテナからの信号を受信して利用可能な場合の「定常時精度」と、人工衛星2のアンテナからの信号が断となった場合、又は時刻配信装置(GMC)111が自走状態になった場合の「自走精度」の両方について、所望の品質を確保することが要求される。なお、人工衛星2からの信号を受信できない状態、及びアンテナ経由で受信した信号からの時刻信号を利用できなくなった状態を、まとめて「自走時」の状態と呼ぶことがある。
【0027】
「定常時精度」は、発振器LO又は外部装置(例えば、後述する周波数発振装置220など。)からの周波数信号により生成したタイミング情報に基づいて時刻情報が生成されて、人工衛星2からアンテナ経由で受信した信号からの時刻信号を利用して、上記で生成された時刻情報を補正する。これにより、人工衛星2からアンテナ経由で受信した信号からの時刻信号が「定常時」の時刻精度に寄与することになる。
【0028】
「自走精度」は、人工衛星2からアンテナ経由で受信した信号からの時刻信号がなくなったことによる自走状態の精度になる。この自走状態では直前の時刻情報とタイミング情報に基づいて時刻配信装置(GMC)111内で時刻信号を生成する。
【0029】
この自走時の場合、発振器LO又は外部装置からの周波数信号に基づくタイミングのずれが累積するため、自走時の時刻情報の精度(自走精度)は、発振器LO又は外部装置からの周波数信号の周波数の精度に依存するものになる。
【0030】
時刻情報の自走精度を所望の範囲に確保するためには、時刻配信装置(GMC)111はセシウム発振器からの周波数信号を利用することが推奨されている。これにより自走時の時刻配信装置(GMC)111を単体で運用するよりも時刻信号の品質を高めることができる。ただし、時刻配信装置(GMC)111ごとに原子時計(セシウム発振器)を設けた場合、下記の課題があり、時刻配信網でePRTC方式を採用することは現実的には困難であった。
【0031】
・セシウム発振器が非常に高価であり、時刻配信装置(GMC)111と同等の台数を導入すると膨大なコストが発生すること。
・セシウム発振器の使用にあたっては長時間のエージングが必要であること(おおよそ30日程度必要とされる場合がある。)
・ePRTC方式では周波数発振源と時刻配信装置(GMC)111との周波数同期に使用できる信号が限定されており、使用できる周波数発振装置や時刻配信装置(GMC)111に制約があること。例えばその信号の要求仕様として10MHzのアナログ信号のみが規定されていること。
【0032】
図4と
図5を参照して、実施形態の時刻配信網に係る周波数配信網200について説明する。
図4は、実施形態の無線通信システム10における周波数同期網200の概略構成図である。
周波数配信網200は、例えばセシウム発振器210と、周波数発振装置222、223、224、225と含む。なお、以下の説明で、周波数発振装置222、223、224、225を纏めて周波数発振装置220と呼ぶことがある。
【0033】
セシウム発振器210は、自走型の発振器を含み、これを周波数配信網200のマスタクロックとする。
【0034】
周波数発振装置220は、水晶又はルビジウムなどの振動子を用いた発信回路を含む。水晶又はルビジウムなどの振動子を含む発信回路(例えばPLL。)の中には、電源投入から発振が安定するまでに、所定の時間を要するものがある。このようなものでもセシウム発振器210が安定するまでに係る時間に比べて十分に短く、長期のエージング期間を必要としない。
【0035】
この周波数発振装置220は、従属同期型の発信装置である。周波数発振装置220は、周波数信号の入力ポートと周波数信号の出力ポートを備える。周波数発振装置220の周波数信号の出力ポートには、GMCに接続されるポートと、他の周波数発振装置220に接続されるポートとを備える。なお、周波数発振装置220の入力ポートの個数は、必要数により適宜決定してよい。
【0036】
周波数配信網200におけるセシウム発振器210と、周波数発振装置220について、より具体的に説明する。
【0037】
第1階梯のセシウム発振器210には、その下位の階梯(第2階梯)の周波数発振装置220が接続されている。第2階梯の周波数発振装置222は、セシウム発振器210から供給される周波数信号に同期した周波数信号を生成する。
第2階梯の周波数発振装置222には、その下位の階梯(第3階梯)の周波数発振装置222が接続されている。第3階梯の周波数発振装置223は、セシウム発振器210から供給される周波数信号に同期した周波数信号を生成する。
第3階梯の周波数発振装置223には、その下位の階梯(第4階梯)の周波数発振装置223が接続されている。第4階梯の周波数発振装置224は、セシウム発振器210から供給される周波数信号に同期した周波数信号を生成する。
第4階梯の周波数発振装置224には、その下位の階梯(第5階梯)の周波数発振装置224が接続されている。第5階梯の周波数発振装置225は、セシウム発振器210から供給される周波数信号に同期した周波数信号を生成する。
第5階梯の周波数発振装置225には、その下位の階梯(第5階梯)の周波数発振装置225が接続されている。第5階梯の周波数発振装置226は、セシウム発振器210から供給される周波数信号に同期した周波数信号を生成する。
【0038】
なお、上記の各階梯のセシウム発振器210と、周波数発振装置220とには、夫々時刻配信装置(GMC)等が接続されていてよい。上記のセシウム発振器210と、周波数発振装置220は、夫々に接続されている時刻配信装置(GMC)111等に対して周波数信号を供給する。各時刻配信装置(GMC)は、供給された周波数信号を必要により用いて時刻同期信号を生成する。
【0039】
例えば、セシウム発振器210と周波数発振装置220とのインタフェースと、セシウム発振器210と時刻配信装置(GMC)111等とのインタフェースと、周波数発振装置220と時刻配信装置(GMC)111等とのインタフェースの周波数信号として、例えばePRTCで規定されているアナログ10MHz信号の他、Ethernet(登録商標)規格に準じたデジタル信号を適用できる。
【0040】
図5は、実施形態の時刻配信網に係る周波数配信網200の構成図である。
この図に示す構成は、一例を示すものである。
上記のように、周波数発振装置220と時刻配信装置(GMC)111等は、セシウム発振器210を大元のマスタクロックとして、隣接装置からの周波数信号を元に周波数信号を生成する。
周波数発振装置220に接続される時刻配信装置(GMC)111等の個数は、1つに制限されず、複数にしてもよい。
【0041】
例えば、周波数同期網200内に、時刻配信装置(GMC)111等が接続されない、セシウム発振器210又は周波数発振装置220が含まれていてよい。
【0042】
また、この図に示す周波数配信網200を冗長構成に代えてもよい。これに伴う変更方法には、既知の冗長構成の形態を適用できる。
【0043】
次に、周波数配信網200を時刻同期に用いることができる無線通信システムを、国レベルに展開する構成を例示する。このような無線通信システムに対応する時刻配信網は、無線通信システムと同様に広範囲に展開される。例えば、この周波数配信網200の全体が、マスタクロックMCであるセシウム発振器210の基準周波数に同期するように構成されている。セシウム発振器210の下位の階梯には、周波数発信装置が層を成して設けられている。
【0044】
例えば、
図5に示すように周波数配信網200を多層化して構成する。
セシウム発振器210を第1階梯のマスタクロックMCとする周波数信号を分配する周波数同期網を構成する。周波数同期網の第2階梯にブロック代表の周波数発振装置222(数台程度)を、第3階梯に県代表の周波数発振装置223(数十台程度)を、第4階梯に地域代表の周波数発振装置224を、さらに第5階梯に末端のビル用の周波数発振装置225を、夫々配置する。これらをツリー状に接続して構成することで、効率的に無線通信システムを広範囲に配備することができる。
【0045】
図6を参照して、実施形態の適用例について説明する。
図6は、実施形態の適用例について説明するための図である。
この
図6の(a)に示す構成は、同一のビル内に時刻配信装置(GMC)111等を複数配備する場合の一例である。この
図6の(b)に示す構成は、時刻配信装置(GMC)111と周波数発振器装置の両方を設置するのが難しい小規模ビルに時刻配信装置(GMC)111を設置する場合の一例である。これらの何れの場合に対して、本実施形態を適用できる。
【0046】
このように、セシウム発振器210(マスタクロック)又は配下の周波数発振装置から複数の時刻配信装置(GMC)111等に周波数信号を送る構成も考えられる。
【0047】
なお、平衡信号をその伝送に利用すると、不平行信号(10MHzのアナログ信号)をその伝送に利用する場合よりも、距離による減衰などの影響を受けにくい。
図6の(b)に示す構成のようにビル間を跨ぐ場合については、平衡信号を利用することで構成が容易になる。
【0048】
上記の実施形態の時刻同期システム1によれば、通信制御に用いる時刻情報を通信システムに供給する。時刻送信装置(第1時刻送信装置)は、人工衛星から受信した第1受信信号に基づいた第1時刻補正信号と、取得した第1周波数同期信号との何れかを用いて第1時刻情報を生成して配信する。基準周波数装置は、自走して基準周波数を所望の品質で生成する。周波数発信装置(第1周波数発信装置)は、基準周波数装置から供給される基準周波数に直接的に又は間接的に同期する前記第1周波数同期信号を生成する。
これにより、高精度かつ安定性が高いクロック源になる基準周波数装置の台数を抑えつつ、時刻信号の品質低下を抑制することができる。
【0049】
なお、周波数発信装置220は、時刻送信装置(GMC)111等に対してsync-Eに準じた第1周波数同期信号を供給する。
時刻送信装置(GMC)111等は、少なくともsync-E(Synchronous Ethernet)に準じた第1周波数同期信号を受けるとよい。
【0050】
(第2の実施形態:信号経路冗長構成)
図7と
図8を参照して、第2の実施形態について説明する。
前述の第1の実施形態では、周波数同期信号の分配経路に、ツリー型の経路を利用する事例について説明した。このようなツリー型の場合、信号経路を冗長化できないものであった。そこで、本実施形態では、周波数信号の配信経路を冗長構成にした事例について説明する。
【0051】
図7は、実施形態における周波数信号の配信経路を冗長構成にした構成図である。
周波数同期網全体の安定性向上のため、周波数信号の配信経路を冗長化してもよい。
周波数信号の配信経路の冗長構成の一例として、4つの形態(ケース)を例示する。
【0052】
ケース1:セシウム発振器210(マスタクロック)又は上位階梯の2つの周波数発振器からの周波数信号を夫々受信することで、周波数発振器が周波数信号を2重に受信するケース。
このケースの構成の場合、周波数発振器は受信した2つの信号を対等に扱うことができる。
ケース2:セシウム発振器210(マスタクロック)又は上位階梯の周波数発振器からの第1信号と、同一階梯の周波数発振装置からの第2信号を周波数発振器が受信するケース。
このケースの構成の場合、周波数発振器は受信した2つの信号のうち第1信号を現用系として扱い、第2信号を予備系として扱うことができる。
ケース3:GMCが2つの周波数発振器から周波数信号を夫々受信することで、周波数信号を2重に受信するケース。
ケース4:周波数発振器からの信号に通常は同期し、冗長として別のGMCからの信号を受信するケース。
【0053】
上記の各ケースの特徴を整理する。
時刻同期システム1は、自走して基準周波数を所望の品質で生成する基準周波数装置に同期するように構成されている。
【0054】
ケース1の場合に、周波数発信装置224A(第1周波数発信装置)は、基準周波数装置220から供給される基準周波数に直接的に又は間接的に同期する第1周波数同期信号を生成する。例えば、時刻送信装置141B(第1時刻送信装置)は、少なくとも人工衛星2から受信した第1受信信号に基づいた第1時刻補正信号と、取得した第1周波数同期信号との何れかを用いて第1時刻情報を生成して配信する。
【0055】
ケース2の場合に、周波数発信装置224Cは、基準周波数装置220から供給される基準周波数に間接的に同期する周波数同期信号であって、互いに異なる経路を経て供給される2つの周波数同期信号の内の何れかの周波数同期信号に基づいて第1周波数同期信号を生成する。
例えば、周波数発信装置224B(第2周波数発信装置)は、基準周波数装置220から供給される基準周波数に直接的に又は間接的に同期する周波数同期信号に基づいて、前記2つの周波数同期信号の内の1つに対応する第2周波数同期信号を生成する。
【0056】
ケース3の場合に、周波数発信装置224B(第2周波数発信装置)は、基準周波数装置から供給される基準周波数に直接的に又は間接的に同期する周波数同期信号に基づいて第3周波数同期信号を生成する。時刻送信装置141D(第1時刻送信装置)は、少なくとも人工衛星2から受信した第1受信信号に基づいた第1時刻補正信号と、取得した第1周波数同期信号と、第3周波数同期信号との何れかを用いて第1時刻情報を生成して配信する。
【0057】
ケース4の場合に、時刻送信装置141B(第2時刻送信装置)は、少なくとも人工衛星2から受信した第2受信信号に基づいた第2時刻補正信号と、周波数発信装置224Aから取得した第1周波数同期信号との何れかを用いて第2時刻情報と第4周波数同期信号とを生成して配信する。時刻送信装置141A(第3時刻送信装置)は、少なくとも人工衛星2から受信した第3受信信号に基づいた第3時刻補正信号と、周波数発信装置224Aから取得した第1周波数同期信号と、時刻送信装置141Bから取得した第4周波数同期信号との何れかを用いて第3時刻情報を生成して配信する。
【0058】
図8は、実施形態における時刻送信装置(GMC)111等間の周波数信号の配信について説明するための図である。
前述の
図1に示したように時刻送信装置(GMC)111から時刻受信装置(BC)112、113に時刻信号(PTP等)及び周波数信号(Sync-E等)を送信するように構成されている。
図8に示す構成は、周波数信号の配信経路を冗長化するために、時刻送信装置(GMC)111等間で周波数信号を授受するようにしたものである。
【0059】
例えば、
図8の(a)に示すように、時刻送信装置(GMC)111等が他の時刻送信装置(GMC)に対して、時刻信号(PTP等)及び周波数信号(Sync-E等)を送信するように構成してもよい。この場合、時刻信号(PTP等)及び周波数信号(Sync-E等)を受けた時刻送信装置(GMC)は、周波数信号(Sync-E等)を利用して時刻信号を生成するとよい。なお、時刻信号(PTP等)を受けた時刻送信装置(GMC)は、時刻信号(PTP等)を利用して時刻受信装置(BC)112、113等に供給する時刻信号を生成してもよい。上記の時刻送信装置(GMC)111等による時刻信号(PTP等)に基づいた時刻信号の生成には、時刻受信装置(BC)112、113等と同様の生成方法を適用してもよい。
【0060】
また、
図8の(b)に示すように、時刻送信装置(GMC)111等が他の時刻送信装置(GMC)111等に対して、周波数信号(Sync-E等)を送信するように構成してもよい。この場合、周波数信号(Sync-E等)を受けた時刻送信装置(GMC)111等は、周波数信号(Sync-E等)を利用して時刻信号を生成するとよい。
【0061】
このように、本実施形態の時刻同期システム1は、通信制御に用いる時刻情報を通信システムに供給する。時刻送信装置(第1時刻送信装置、GMC)111は、人工衛星2から受信した第1受信信号に基づいた第1時刻補正信号と、取得した第1周波数同期信号との何れかを用いて第1時刻情報を生成して配信する。基準周波数装置210は、自走して基準周波数を所望の品質で生成する。周波数発信装置(第1周波数発信装置)220は、基準周波数装置から供給される基準周波数に直接的に又は間接的に同期する前記第1周波数同期信号を生成する。
これにより、高精度かつ安定性が高いクロック源になる基準周波数装置の台数を抑えつつ、時刻信号の品質低下を抑制することができる。
【0062】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明の実施形態は上記のものに限定されない。例えば、各実施形態とその変形例に例示した手法は、例示した組み合わせ以外の組みにしてもよい。また、本発明の実施形態は、上記の実施形態を次のように変形したものとすることができる。
【符号の説明】
【0063】
1 時刻同期システム
10 無線通信システム(通信システム)
11、12、13、14、15 サブシステム
111、112、113、121、131、141、151 時刻配信装置(GMC)
200 周波数配信網
210 セシウム発振器(マスタークロック)
220、222、223、224、225 周波数発振装置
【手続補正書】
【提出日】2024-10-18
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の周波数発信装置を含む周波数配信網を用いて、通信制御に用いる時刻情報を通信システムに供給する時刻同期システムであって、
自走して基準周波数を所望の品質で生成する基準周波数装置と、
前記基準周波数装置から供給される基準周波数に直接的に又は間接的に同期する第1周波数同期信号を生成する第1周波数発信装置と、
前記基準周波数に直接的に又は間接的に同期する第3周波数同期信号を生成する第2周波数発信装置と、
少なくとも人工衛星から受信した第1受信信号に基づいた第1時刻補正信号と、取得した前記第1周波数同期信号と、取得した前記第3周波数同期信号との内の何れかを用いて第1時刻情報を生成して配信する第1時刻送信装置と、
を備え、
前記第1時刻送信装置は、
前記人工衛星からの前記第1受信信号を得ることができる第1状態にある場合に、前記第1周波数同期信号と前記第3周波数同期信号との何れかと、前記人工衛星からの前記第1受信信号から時刻情報とを用いて前記第1時刻情報を生成し、
前記人工衛星からの前記第1受信信号を得ることができない第2状態にある場合に、前記第1周波数同期信号と前記第3周波数同期信号との何れかと、既に得られた前記第1時刻補正信号による時刻情報とを用いて、前記第1時刻補正信号に基づいた時刻情報に代わる時刻情報を生成して送信する
時刻同期システム。
【請求項2】
前記第1周波数発信装置は、
前記基準周波数装置から供給される基準周波数に間接的に同期する周波数同期信号であって、互いに異なる経路を経て供給される2つの周波数同期信号の内の何れかの周波数同期信号に基づいて前記第1周波数同期信号を生成する
請求項1に記載の時刻同期システム。
【請求項3】
前記基準周波数装置から供給される基準周波数に直接的に又は間接的に同期する周波数同期信号に基づいて、前記2つの周波数同期信号の内の1つに対応する第2周波数同期信号を生成する第2周波数発信装置
を備える請求項2に記載の時刻同期システム。
【請求項4】
前記基準周波数装置から供給される基準周波数に直接的に又は間接的に同期する周波数同期信号に基づいて第3周波数同期信号を生成する第2周波数発信装置
を備え、
前記第1時刻送信装置は、
少なくとも人工衛星から受信した第1受信信号に基づいた第1時刻補正信号と、取得した第1周波数同期信号と、前記第3周波数同期信号との何れかを用いて第1時刻情報を生成して配信する、
請求項1に記載の時刻同期システム。
【請求項5】
少なくとも人工衛星から受信した第2受信信号に基づいた第2時刻補正信号と、取得した前記第1周波数同期信号との何れかを用いて第2時刻情報を生成して配信する第2時刻送信装置
を備え、
前記第1時刻送信装置は、
少なくとも人工衛星から受信した第1受信信号に基づいた第1時刻補正信号と、取得した第1周波数同期信号との何れかを用いて第1時刻情報と、第4周波数同期信号とを生成して配信する、
請求項1に記載の時刻同期システム。
【請求項6】
少なくとも人工衛星から受信した第3受信信号に基づいた第3時刻補正信号と、取得した第1周波数同期信号と、取得した第4周波数同期信号との何れかを用いて第3時刻情報を生成して配信する第3時刻送信装置
を備える請求項5に記載の時刻同期システム。
【請求項7】
請求項1から請求項6の何れか1項に記載の時刻同期システムと、
前記時刻同期システムから供給される前記第1時刻情報を時刻受信装置にて再生して、前記再生された前記第1時刻情報を用いて時分割返信制御で通信する無線通信局と、
を備える通信システム。
【請求項8】
複数の周波数発信装置を含む周波数配信網を用いて、通信制御に用いる時刻情報を通信システムに供給するための時刻同期方法であって、
自走して基準周波数を所望の品質で生成する基準周波数装置から供給される基準周波数に直接的に又は間接的に同期する第1周波数同期信号を第1周波数発信装置によって生成し、
前記基準周波数に直接的に又は間接的に同期する第3周波数同期信号を第2周波数発信装置によって生成し、
人工衛星から受信した第1受信信号に基づいた第1時刻補正信号と、取得した前記第1周波数同期信号と、取得した前記第3周波数同期信号との内の何れかを用いて第1時刻情報を生成する第1時刻送信装置GMCから、前記第1時刻情報を配信する過程
を含み、
前記第1時刻送信装置によって、
前記人工衛星からの前記第1受信信号を得ることができる第1状態にある場合に、前記第1周波数同期信号と前記第3周波数同期信号との何れかと、前記人工衛星からの前記第1受信信号から時刻情報とを用いて前記第1時刻情報を生成し、
前記人工衛星からの前記第1受信信号を得ることができない第2状態にある場合に、前記第1周波数同期信号と前記第3周波数同期信号との何れかと、既に得られた前記第1時刻補正信号による時刻情報とを用いて、前記第1時刻補正信号に基づいた時刻情報に代わる時刻情報を生成して送信する
時刻同期方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0047
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0047】
なお、平衡信号をその伝送に利用すると、不平
衡信号(10MHzのアナログ信号)をその伝送に利用する場合よりも、距離による減衰などの影響を受けにくい。
図6の(b)に示す構成のようにビル間を跨ぐ場合については、平衡信号を利用することで構成が容易になる。