(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025010008
(43)【公開日】2025-01-20
(54)【発明の名称】情報処理方法、情報処理システム及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/00 20240101AFI20250109BHJP
G06Q 50/10 20120101ALI20250109BHJP
G06Q 10/06 20230101ALI20250109BHJP
【FI】
G06Q50/00 300
G06Q50/10
G06Q10/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024104203
(22)【出願日】2024-06-27
(31)【優先権主張番号】P 2023107522
(32)【優先日】2023-06-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】519137888
【氏名又は名称】株式会社Lightblue
(74)【代理人】
【識別番号】110002789
【氏名又は名称】弁理士法人IPX
(72)【発明者】
【氏名】園田 亜斗夢
(72)【発明者】
【氏名】富岡 渉
【テーマコード(参考)】
5L010
5L050
【Fターム(参考)】
5L010AA00
5L050CC11
(57)【要約】
【課題】ユーザが所属する組織において、その組織に関する組織情報を効率的に入手することができる技術を提供する。
【解決手段】本発明の一態様によれば、情報処理方法であって、次の各ステップを備え、受付ステップでは、複数のユーザが使用するチャットのタイムラインに対する、第1の情報を含む入力を受け付け、ユーザは、所定の組織に所属する者であり、第1の情報は、自然言語で構成され、組織に関する組織情報を要求するテキスト情報であり、出力ステップでは、第1の情報を含む入力と、予め設定された参照情報とに基づいて、要求された組織情報に相当する第2の情報を、タイムラインに出力する、方法が提供される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報処理方法であって、
次の各ステップを備え、
受付ステップでは、複数のユーザが使用するチャットのタイムラインに対する、第1の情報を含む入力を受け付け、ここで
前記ユーザは、所定の組織に所属する者であり、
前記第1の情報は、自然言語で構成され、前記組織に関する組織情報を要求するテキスト情報であり、
出力ステップでは、前記第1の情報を含む前記入力と、予め設定された参照情報とに基づいて、要求された前記組織情報に相当する第2の情報を、前記タイムラインに出力する、方法。
【請求項2】
請求項1に記載の情報処理方法において、
さらに特定ステップでは、前記第1の情報との関係において、前記参照情報のうち所定値以上の類似度を有する特定情報を特定し、
前記第2の情報は、前記特定情報を含む、方法。
【請求項3】
請求項2に記載の情報処理方法において、
前記第2の情報は、前記特定情報を一覧可能に含む、方法。
【請求項4】
請求項2に記載の情報処理方法において、
前記第2の情報は、前記特定情報の保存場所を示す情報を含む、方法。
【請求項5】
請求項2に記載の情報処理方法において、
前記第2の情報は、前記特定情報を要約した情報を含む、方法。
【請求項6】
請求項2に記載の情報処理方法において、
前記出力ステップでは、前記特定情報を参照した大規模言語モデルに基づいて、前記第2の情報を出力する、方法。
【請求項7】
請求項1に記載の情報処理方法において、
前記出力ステップでは、任意のキャラクタが返信する態様を有して、前記第2の情報を出力する、方法。
【請求項8】
請求項7に記載の情報処理方法において、
前記任意のキャラクタは、役割又は属性を有する、方法。
【請求項9】
請求項7に記載の情報処理方法において、
前記任意のキャラクタは、仮想空間に配置されるアバターである、方法。
【請求項10】
請求項1に記載の情報処理方法において、
前記参照情報は、イントラネットにより接続されている記録媒体に保存される情報である、方法。
【請求項11】
請求項1に記載の情報処理方法において、
前記参照情報は、前記組織における、規定、制度及びルールの少なくとも1つを含む前記組織の情報である、方法。
【請求項12】
請求項1に記載の情報処理方法において、
前記組織は、業として、所定の商品又は役務を提供する事業体であり、
前記参照情報は、前記事業体又は前記業に関する情報である、方法。
【請求項13】
請求項12に記載の情報処理方法において、
前記参照情報は、前記組織における、過去の営業情報である、方法。
【請求項14】
請求項12に記載の情報処理方法において、
前記参照情報は、前記組織における、過去の広告宣伝事例である、方法。
【請求項15】
少なくとも1つの装置からなる情報処理システムであって、
請求項1~14の何れか1つに記載の情報処理方法の各ステップがなされるようにプログラムを実行可能な、少なくとも1つのプロセッサを備える、システム。
【請求項16】
プログラムであって、
少なくとも1つのコンピュータに、請求項1~請求項14の何れか1つに記載の情報処理方法の各ステップを実行させる、プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理方法、情報処理システム及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、ソフトウェア開発業務において発生する問題点を解決するための情報共有方式のうち、ライセンス管理システムや社内SNSなどの社内情報システムを活用し、開発者のニーズに合致した情報を効率的に提示できるようにするシステムが開示されている。
【0003】
組織内のユーザがインターネットを利用して検索を行ったときの検索履歴を保管する。また、組織内のユーザが社内SNSに記事を投稿したとき、その投稿した記事の記事内容と類似する検索キーワードで過去に検索された検索履歴を求め、その検索を行ったユーザに対して、当該記事をおすすめ情報として提示する。類似度は、例えば、投稿された記事の記事内容に含まれるソフトウェアのバージョンと、検索履歴に含まれる検索されたソフトウェアのバージョンとを比較して、それらのバージョンが近いほど高くなるようにし、該類似度が所定値以上の場合に当該ユーザをおすすめ情報通知先とする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来技術では、複数のデジタルツールを利用していることにより、ユーザが所望の情報を入手することに時間を要してしまう又は入手できないという問題があった。
【0006】
本発明では上記事情に鑑み、ユーザが所属する組織において、その組織に関する組織情報を効率的に入手することができる技術を提供することとした。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様によれば、情報処理方法であって、次の各ステップを備え、受付ステップでは、複数のユーザが使用するチャットのタイムラインに対する、第1の情報を含む入力を受け付け、ユーザは、所定の組織に所属する者であり、第1の情報は、自然言語で構成され、組織に関する組織情報を要求するテキスト情報であり、出力ステップでは、第1の情報を含む入力と、予め設定された参照情報とに基づいて、要求された組織情報に相当する第2の情報を、タイムラインに出力する、方法が提供される。
【0008】
本開示によれば、ユーザが所属する組織において、その組織に関する組織情報を効率的に入手することができる技術を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本実施形態に係る情報処理システム1を表す構成図である。
【
図2】情報処理装置2のハードウェア構成を示すブロック図である。
【
図3】端末3のハードウェア構成を示すブロック図である。
【
図4】本実施形態に係る情報処理システム1の機能を示す機能ブロック図である。
【
図5】情報処理システム1により実行される処理の概要を示すフローチャートである。
【
図6】情報処理システム1により実行される処理の具体例を示すアクティビティ図である。
【
図7】設定画面4のうち、マイアシスタントを作成するための設定画面4aの概要図である。
【
図8】設定画面4のうち、作成されたマイアシスタントの設定内容について確認するための設定画面4aの概要図である。
【
図9】チャット画面5のうち、チャットボットにチャットの内容を記憶させる一例を示すチャット画面5aの概要図である。
【
図10】チャット画面5のうち、社内チャット上でチャットボットから得た回答の一例を示すチャット画面5aの概要図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を用いて本開示の実施形態について説明する。以下に示す実施形態中で示した各種特徴事項は、互いに組み合わせ可能である。
【0011】
ところで、一実施形態に登場するソフトウェアを実現するためのプログラムは、コンピュータが読み取り可能な非一時的な記録媒体(Non-Transitory Computer-Readable Medium)として提供されてもよいし、外部のサーバからダウンロード可能に提供されてもよいし、外部のコンピュータで当該プログラムを起動させてクライアント端末でその機能を実現(いわゆるクラウドコンピューティング)するように提供されてもよい。
【0012】
また、一実施形態に係る種々の情報処理において、入力と、入力に応じた出力とが実現されうる。ここで、入力の結果として出力が得られれば、かかる情報処理において参照される情報(以下、参照情報と称する。)の態様は、限定されない。参照情報は、例えば、データベース、ルックアップテーブル、所定の関数(統計学的手法によって構築された、回帰式等の判定式を含む。)等のルールベースの情報でもよいし、入力と出力との相関を予め学習させた学習済みモデルでもよいし、プロンプトを入力することで所望の結果を出力可能な大規模言語モデルでもよい。
【0013】
また、一実施形態において「部」とは、例えば、広義の回路によって実施されるハードウェア資源と、これらのハードウェア資源によって具体的に実現されうるソフトウェアの情報処理とを合わせたものも含みうる。また、一実施形態においては様々な情報を取り扱うが、これら情報は、例えば電圧・電流を表す信号値の物理的な値、0又は1で構成される2進数のビット集合体としての信号値の高低、又は量子的な重ね合わせ(いわゆる量子ビット)によって表され、広義の回路上で通信・演算が実行されうる。
【0014】
さらに、広義の回路とは、回路(Circuit)、回路類(Circuitry)、プロセッサ(Processor)、及びメモリ(Memory)等を少なくとも適当に組み合わせることによって実現される回路である。また、プロセッサは、汎用プロセッサでもよいし、専用の回路でもよい。すなわち、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC)、プログラマブル論理デバイス(例えば、単純プログラマブル論理デバイス(Simple Programmable Logic Device:SPLD)、複合プログラマブル論理デバイス(Complex Programmable Logic Device:CPLD)、及びフィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array:FPGA))等を含むものである。
【0015】
1.ハードウェア構成
本節では、ハードウェア構成について説明する。
【0016】
1.1 情報処理システム1
図1は、本実施形態に係る情報処理システム1を表す構成図である。情報処理システム1は、情報処理装置2と、端末3とを備え、これらが汎用又は専用の通信ネットワーク11を通じて接続されている。ここで、情報処理システム1に例示されるシステムとは、1つ又はそれ以上の装置又は構成要素からなる。したがって、情報処理装置2単体であっても情報処理システム1に例示されるシステムに含まれる。以下、情報処理システム1に含まれる各構成要素についてさらに説明する。
【0017】
1.2 情報処理装置2
図2は、情報処理装置2のハードウェア構成を示すブロック図である。情報処理装置2は、通信部21と、記憶部22と、制御部23とを有し、これらの構成要素が情報処理装置2の内部において通信バス20を介して電気的に接続されている。各構成要素についてさらに説明する。
【0018】
通信部21は、USB、IEEE1394、Thunderbolt(登録商標)、有線LANネットワーク通信等といった有線型の通信手段が好ましいものの、無線LANネットワーク通信、3G/LTE/5G等のモバイル通信、Bluetooth(登録商標)通信等を必要に応じて含めてもよい。すなわち、これら複数の通信手段の集合として実施することがより好ましい。すなわち、情報処理装置2は、通信部21及び通信ネットワーク11を介して、外部から種々の情報を通信してもよい。
【0019】
記憶部22は、前述の記載により定義される様々な情報を記憶する。これは、例えば、制御部23によって実行される情報処理装置2に係る種々のプログラム等を記憶するソリッドステートドライブ(Solid State Drive:SSD)等のストレージデバイスとして、あるいは、プログラムの演算に係る一時的に必要な情報(引数、配列等)を記憶するランダムアクセスメモリ(Random Access Memory:RAM)等のメモリとして実施されうる。記憶部22は、制御部23によって実行される情報処理装置2に係る種々のプログラムや変数等を記憶している。
【0020】
制御部23は、情報処理装置2に関連する全体動作の処理・制御を行う。制御部23は、例えば不図示の中央処理装置(Central Processing Unit:CPU)である。制御部23は、記憶部22に記憶された所定のプログラムを読み出すことによって、情報処理装置2に係る種々の機能を実現する。すなわち、記憶部22に記憶されているソフトウェアによる情報処理が、ハードウェアの一例である制御部23によって具体的に実現されることで、制御部23に含まれる各機能部として実行されうる。これらについては、次節においてさらに詳述する。なお、制御部23は単一であることに限定されず、機能ごとに複数の制御部23を有するように実施してもよい。またそれらの組合せであってもよい。すなわち、情報処理システム1は、少なくとも1つの装置として制御部23を備える。プロセッサである制御部23は、プログラムを読み出すことで後述の各ステップを実行するように構成されている。換言すると、情報処理システム1は、情報処理方法の後述の各ステップがなされるようにプログラムを実行可能な、少なくとも1つのプロセッサを備える。
【0021】
1.3 端末3
図3は、端末3のハードウェア構成を示すブロック図である。端末3は、所定の組織に所属するユーザによって操作され、スマートフォン、タブレット端末、コンピュータ、その他電気通信回線を通じて情報処理装置2にアクセス可能なものであれば、その形態は問わない。つまり、ユーザは、所定の組織に所属する者であり、また、所定の組織には複数のユーザが所属している。また、具体的には、端末3は、通信部31と、記憶部32と、制御部33と、表示部34と、入力部35とを備え、これらの構成要素が端末3の内部において通信バス30を介して電気的に接続されている。通信部31、記憶部32及び制御部33の説明は、情報処理装置2における各部の説明と同様のため省略する。
【0022】
表示部34は、例えば、端末3の筐体に含まれるものであってもよいし、外付けされるものであってもよい。表示部34は、ユーザが操作可能なグラフィカルユーザインターフェース(Graphical User Interface:GUI)の画面を表示する。これは例えば、CRTディスプレイ、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ及びプラズマディスプレイ等の表示デバイスを、端末3の種類に応じて使い分けて実施することが好ましい。
【0023】
入力部35は、端末3の筐体に含まれるものであってもよいし、外付けされるものであってもよい。例えば、入力部35は、表示部34と一体となってタッチパネルとして実施されてもよい。タッチパネルであれば、ユーザは、タップ操作、スワイプ操作等を入力することができる。もちろん、タッチパネルに代えて、スイッチボタン、マウス、QWERTYキーボード等を採用してもよい。すなわち、入力部35がユーザによってなされた操作入力を受け付ける。当該入力が命令信号として、通信バス30を介して制御部33に転送され、制御部33が必要に応じて所定の制御や演算を実行しうる。
【0024】
2.機能構成
本節では、本実施形態の機能構成について説明する。前述の通り、記憶部22に記憶されているソフトウェアによる情報処理がハードウェアの一例である制御部23によって具体的に実現されることで、制御部23に含まれる各機能部が実行されうる。
【0025】
図4は、本実施形態に係る情報処理システム1の機能を示す機能ブロック図である。具体的には、情報処理システム1の一例である情報処理装置2は、受付部231と、表示制御部232と、特定部233と、取得部234と、演算部235と、出力部236とを備える。
【0026】
受付部231は、受付ステップとして、種々の情報を受け付けるように構成される。例えば、受付部231は、データ、ユーザから入力された情報(一例として、第1の情報IF1)等を、記憶部22から、又は通信ネットワーク11を介して端末3の入力部35若しくは他の外部装置から受け付ける。一実施形態では、受付部231が受け付けた種々の情報は、記憶部22に記憶されるものとして説明する。
【0027】
表示制御部232は、種々の表示処理を実行するように構成される。例えば、表示制御部232は、画面、静止画又は動画を含む画像、アイコン、メッセージ等の視覚で認識可能な情報を、端末3の表示部34に表示させるように制御する。表示制御部232は、視覚で認識可能な情報を端末3の表示部34に表示させるためのレンダリング情報だけを生成してもよい。詳細については、後述する。
【0028】
特定部233は、特定ステップとして、種々の情報を特定するように構成される。詳細については、後述する。
【0029】
取得部234は、種々の情報を取得するように構成される。また、一実施形態では、取得部234が取得した種々の情報は、記憶部22に記憶されるものとして説明する。詳細については、後述する。
【0030】
演算部235は、情報処理装置2に係る種々の情報処理演算を実行するように構成される。詳細については、後述する。
【0031】
出力部236は、出力ステップとして、種々の情報を出力するように構成される。例えば、出力部236は、第2の情報IF2を出力する。詳細については、後述する。
【0032】
3.情報処理システム1の動作
本節では、図を参照しながら、前述した情報処理システム1の情報処理方法について説明する。なお、処理の順番は適宜入れ替えることができ、複数の処理が同時に実行されてもよいし、一部の処理が省略されてもよい。
【0033】
3.1 概要
図5は、情報処理システム1により実行される処理の概要を示すフローチャートである。かかる処理では、まず、受付部231は、複数のユーザが使用するチャットのタイムラインTLに対する、第1の情報IF1を含む入力を受け付ける(ステップS001)。第1の情報IF1は、自然言語で構成され、組織に関する組織情報IFaを要求するテキスト情報である。そして、出力部236は、第1の情報IF1を含む入力と、予め設定された参照情報RIとに基づいて、要求された組織情報IFaに相当する第2の情報IF2を、タイムラインTLに出力する(ステップS002)。
【0034】
以上をまとめると、一実施形態に係る情報処理方法は、次の各ステップを備える。受付部231は、受付ステップとして、複数のユーザが使用するチャットのタイムラインTLに対する、第1の情報IF1を含む入力を受け付ける。第1の情報IF1は、自然言語で構成され、組織に関する組織情報IFaを要求するテキスト情報である。出力部236は、出力ステップとして、第1の情報IF1を含む入力と、予め設定された参照情報RIとに基づいて、要求された組織情報IFaに相当する第2の情報IF2を、タイムラインTLに出力する。このような態様によれば、ユーザが所属する組織において、その組織に関する組織情報IFaを効率的に入手することができる。
【0035】
3.2 具体例
次に、一実施形態に係る処理の具体例について説明する。具体例は、前述した概要に既定される範囲に包含されうる。
図6は、情報処理システム1により実行される処理の具体例を示すアクティビティ図である。以下、このアクティビティ図に沿って、情報処理の流れを概説する。以下では一例として、複数のユーザが所属する組織ABC(所定の組織の一例)において使用されているチャットアプリ(以下、「社内チャット」ともいう。)において、組織ABCに所属するユーザA(ユーザの一例)が社内チャットでやり取りする場面を例に説明する。なお、組織ABCは、業として、所定の商品又は役務を提供する事業体である。
【0036】
はじめに、ユーザAは、端末3を用いて、情報処理システム1により実行される社内チャットにブラウザを用いてアクセスする。なお、社内チャットは、専用のモバイルアプリケーションにより提供されてもよく、この場合、ユーザAは、当該アプリケーションを起動する。これに応じて、表示制御部232は、端末3の表示部34にログイン画面(不図示)を表示させる。そして、受付部231は、ログイン画面を介したユーザAの操作によって、ユーザAのログイン情報の入力(例えば、クリック操作、タップ操作、スワイプ操作、選択操作等)を受け付ける。ログインが完了した場合には、表示制御部232は、端末3の表示部34にチャット画面5(
図9及び
図10参照)を表示させるように制御する(アクティビティA001)。なお、チャット画面5は、組織ABCに所属する複数のユーザ(ユーザAも含む)によって入力された情報(以下、「メッセージ」ともいう。)が時間順に、すわなち、タイムラインTL上に示されるように構成されている。
【0037】
チャット画面5を介してユーザAによりメッセージが入力されると、受付部231は、入力されたメッセージを受け付ける(アクティビティA002)。具体的には例えば、メッセージは、自然言語で構成されたテキスト情報等である。
【0038】
また、取得部234は、受け付けたメッセージに宛先の指定がある場合には、当該宛先の情報を取得する(アクティビティA003)。具体的には例えば、取得部234は、メッセージで指定された、組織ABCに所属する他のユーザ(ユーザA以外のユーザ)、又は、チャットボットを、宛先の情報として取得する。なお、この場合におけるチャットボットは、ルールベース、学習済みモデル、大規模言語モデル等によって構成され、ユーザにより入力された質問、タスクの依頼(以下、「質問依頼等」ともいう。)等に応じた回答を社内チャット上に出力する。
【0039】
次に、演算部235は、取得した宛先の情報について、宛先がチャットボットであるか否か判定する(アクティビティA004)。
【0040】
アクティビティA004において、宛先がチャットボットでないと判定された場合、表示制御部232は、受け付けたメッセージが追加されたチャット画面5を、端末3の表示部34に表示させる(アクティビティA101)。具体的には例えば、指定されたユーザを宛先として、または、特に宛先を指定せずに、ユーザAが入力した内容に相当する新たなメッセージが、タイムラインTL上に示される。
【0041】
また、受付部231は、チャット画面5を介してユーザAによるメッセージに応じて、メッセージを記憶する旨の指示を受け付ける(アクティビティA102)。具体的には例えば、「このメッセージを記憶してください。」等のメッセージを記憶する旨のメッセージがチャットボットを宛先として入力されると、受付部231は、メッセージを記憶する旨の指示を受け付ける。
【0042】
続けて、取得部234は、ユーザAによるメッセージに基づいて、記憶する対象のメッセージの内容を取得する(アクティビティA103)。そして、表示制御部232は、記憶した旨のメッセージが追加されたチャット画面5を、端末3の表示部34に表示させる(アクティビティA104)。具体的には例えば、ユーザAを宛先に指定して、「メッセージを記憶しました。」等の新たなメッセージがタイムラインTL上に示される。
【0043】
一方で、アクティビティA004において、宛先がチャットボットであると判定された場合、演算部235は、チャットボットを宛先とするメッセージに質問依頼等が含まれるか否か判定する(アクティビティA201)。この場合における質問依頼等とは、組織情報IFaを要求するテキスト情報であり、例えば、組織ABCに関する情報を要求するテキスト情報である。また、組織情報IFaは、組織ABCにおいてアクセス可能な情報であり、例えば、社内規定、社内制度、マニュアル、社内フロー、社内ルール、提案書、議事録、契約書、メール、チャット、営業提案資料、営業情報、広告宣伝事例、研究資料、工場の改善事例、災害報告、品質改善報告書、外部ガイドライン、基準法、営業ノウハウ、作業ノウハウ、マニュアル化される前の最新情報等である。具体的には例えば、質問依頼等は、組織ABCにおける就業規則の不明点に対する質問、経費申請方法及び要件についての質問、組織ABCの過去の営業事例について検索する旨の要望等である。なお、組織情報IFaは、情報処理装置2の記憶部22に記憶されている場合に限らず、情報処理装置2が通信ネットワーク11を介してアクセス可能な保存先に保存されていればよく、例えば、外部のストレージ等の外部装置に保存されていてもよい。
【0044】
アクティビティA201において、チャットボットを宛先とするメッセージに質問依頼等が含まれない場合、表示制御部232は、質問依頼等を促すメッセージが追加されたチャット画面5を、端末3の表示部34に表示させる(アクティビティA202)。具体的には例えば、ユーザAを宛先に指定して、「質問やタスクの依頼等はございますか?」等の新たなメッセージがタイムラインTL上に示される。
【0045】
一方で、アクティビティA201において、チャットボットを宛先とするメッセージに質問依頼等が含まれる場合、受付部231は、当該質問依頼等を含むメッセージを、第1の情報IF1を含む入力として受け付ける。換言すると、受付部231は、第1の情報IF1を含む入力を受け付ける(アクティビティA203)。
【0046】
続けて、出力部236は、第1の情報IF1を含む入力と、予め設定された参照情報RIとに基づいて、第2の情報IF2を出力する(アクティビティA204)。
【0047】
この場合における参照情報RIは、第1の情報IF1を含む入力の結果として、第2の情報IF2が得られる情報であり、例えば、データベース、ルックアップテーブル、所定の関数(統計学的手法によって構築された、回帰式等の判定式を含む。)等のルールベースの情報でもよく、組織情報IFaを教師データとして学習させた学習済みモデルでもよい。また、参照情報RIは、組織情報IFaに基づく情報であり、具体的に例えば、組織情報IFaと同一の情報、組織情報IFaの一部を修正した情報(例えば、「先月」等の相対的な日時の情報を、「2023年8月」等の絶対的な日時の情報に置き換えた情報等)、組織情報IFaが暗号化された情報及び組織情報IFaがベクトル化された情報のうち、少なくとも1つの情報を含む。以上説明したように、参照情報RIは、イントラネットにより接続されている記録媒体に保存される情報であるとよい。このような態様によれば、特定する対象の情報をイントラネット上の情報に限定することが可能となり、ユーザが要求する情報を効率的に入手することができる。また、組織ABC(所定の組織の一例)における、規定、制度及びルールの少なくとも1つを含む組織の情報であるとよい。このような態様によれば、組織固有の情報である、社内規定、社内制度、マニュアル、社内ルール等の情報のうちユーザが要求する情報を、社内チャットを介したやり取りに基づいて効率的に入手することができる。また、参照情報RIは、事業体又は業に関する情報であるとよい。このような態様によれば、事業体又は業に関する情報のうちユーザが要求する情報を、社内チャットを介したやり取りに基づいて効率的に入手することができる。さらに、具体的には、参照情報RIは、過去の営業情報又は過去の広告宣伝事例であるとよい。このような態様によれば、特定のユーザのみが把握し他のユーザが把握しにくい情報である、過去の営業情報又は過去の広告宣伝事例について、社内チャットを介したやり取りに基づいて入手することができる。
【0048】
また、第2の情報IF2は、第1の情報IF1に基づき要求された組織情報IFaに相当する情報である。具体的には例えば、第2の情報IF2は、組織ABCにおける就業規則の不明点に対する質問に対する回答及び当該回答に付随する組織情報IFa等の情報、経費申請方法及び要件についての質問に対する回答及び当該回答に付随する組織情報IFa等の情報、組織ABCの過去の営業事例について検索する旨の要望に対する回答及び検索結果である組織情報IFa等の情報等である。
【0049】
さらに、特定部233は、第2の情報IF2を特定する際に、第1の情報IF1との関係において、参照情報RIのうち所定値以上の類似度を有する特定情報IFbを特定するとよい。つまり、第2の情報IF2は、特定情報IFbを含む。また、この場合における参照情報RIには、組織情報IFaがベクトル化された情報が含まれる。具体体には例えば、まず、演算部235は、入力された第1の情報IF1をベクトル化する処理を実行する。続けて、特定部233は、ベクトル化された第1の情報IF1との関係において、参照情報RIのうち0.4以上の類似度を有する特定情報IFbを特定する。なお、所定値は、好ましくは、0.5以上であるとよく、より好ましくは、0.6以上であるとよい。具体的には例えば、所定値は、0.3,0.35,0.4,0.45,0.5,0.55,0.6,0.65,0.7,0.75,0.8,0.85,0.9,0.95,1であり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。このような態様によれば、ユーザが要求する情報をより適切に入手することができる。
【0050】
また、第2の情報IF2は、特定された特定情報IFbを大規模言語モデルに入力した結果として得られる情報であるとよい。この場合、出力部236は、特定された特定情報IFbを参照した大規模言語モデルに基づいて、第2の情報IF2を出力する。このような態様によれば、ユーザが所望する、より直接的な回答、検索結果等を入手することができる。さらに、第2の情報IF2は、特定された特定情報IFbを要約した情報を含むとよい。具体的には例えば、出力部236は、特定された特定情報IFbを大規模言語モデルに入力し、その特定情報IFbを要約した情報を、第2の情報IF2として出力する。このような態様によれば、特定された情報の内容を効率的に把握することができる。
【0051】
そして、表示制御部232は、第2の情報IF2が追加されたチャット画面5を、端末3の表示部34に表示させる(アクティビティA205)。具体的には例えば、ユーザAを宛先に指定して、第2の情報IF2を含む新たなメッセージがタイムラインTL上に示される。
【0052】
以上が、具体例に係る処理の流れである。
【0053】
3.3 詳細
次に、前述の情報処理について、別図を用いてさらに説明する。
【0054】
図7は、設定画面4のうち、マイアシスタントを作成するための設定画面4aの概要図である。
【0055】
図7に示されるように、「マイアシスタントを作成」というタイトルが描画された設定画面4aは、入力欄401と、ボタン402、403とを備えている。マイアシスタントは、チャットボットの一例であり、例えば、役割又は属性に応じた設定、任意のキャラクタCと紐づける設定等がされたチャットボットである。具体的には例えば、役割又は属性に応じた設定は、総務に関する支援をする総務アシスタント、営業に関する支援をする営業アシスタント、研究開発に関する支援をする研究開発アシスタント等とする設定である。また、任意のキャラクタCと紐づける設定は、アイコン、画像、アバター等を用いて、任意のキャラクタCと紐づける設定である。換言すると、マイアシスタントとして設定される任意のキャラクタCは、役割又は属性を有する。このような態様によれば、役割又は属性に応じた情報のやり取りをすることができる。また、マイアシスタントとして設定される任意のキャラクタCは、仮想空間に配置されるアバターであるとよい。このような態様によれば、情報のやり取りにおいて、さらに親近感が湧くような環境を提供することができる。
【0056】
また、入力欄401では、マイアシスタントとして総務アシスタントを作成するための入力がされている。当該入力では、総務に関する情報を参照して回答することが記載されている。これにより、総務アシスタントの回答として、総務に関する情報を基に作成された、信頼性の高い回答を得ることができる。
【0057】
さらに、「作成」というテキストが描画されたボタン402は、ユーザの押下(操作の一例)を受け付けるように構成される。押下は、クリック操作でもよいしタップ操作でもよい。入力欄401に適切なテキスト情報が入力された状態で、ユーザがボタン402を押下することで、ユーザは、マイアシスタントを作成することができる。また、「キャンセル」というテキストが描画されたボタン403は、ユーザの押下を受け付けるように構成される。ボタン403が押下された場合には、マイアシスタントの作成がキャンセルされ、画面は、設定画面4aから別の画面(不図示)に遷移する。
【0058】
図8は、設定画面4のうち、作成されたマイアシスタントの設定内容について確認するための設定画面4aの概要図である。設定画面4bは、設定画面4aの402が押下されることで、遷移した画面である。
【0059】
図8に示されるように、「マイアシスタント」というタイトルが描画された設定画面4bは、表示404、406と、ボタン405、407と、入力欄408~410とを備えている。
【0060】
表示404には、マイアシスタントとして設定された任意のキャラクタCの画像が描画されている。「キャラクタを変更」というテキストが描画されたボタン405は、表示404の下に位置し、ユーザの押下を受け付けるように構成される。ユーザがボタン405を押下することで、ユーザは、マイアシスタントのアイコン、画像、アバター等を変更することができる。さらにボタン405の下には、設定されるマイアシスタントのオーナのIDが描画された表示406が示されている。
【0061】
また、「タイトル」という名称が付けられた入力欄408には、設定画面4aを介して作成したマイアシスタントに応じた、役割又は属性が入力されている。「説明」という名称が付けられた入力欄409には、マイアシスタントを作成する際に入力した内容に応じた説明が入力されている。「基本プロンプト」という名称が付けられた入力欄410には、マイアシスタントを作成する際に入力したプロンプトが入力されている。入力欄408~410は、ユーザによるテキスト入力を受け付けるように構成され、また、予め入力されているテキストを編集することもできる。「保存」というテキストが描画されたボタン407は、ユーザの押下を受け付けるように構成される。ボタン407が押下された場合には、作成されたマイアシスタントの設定が保存され、画面は、設定画面4bから別の画面(不図示)に遷移する。
【0062】
図9は、チャット画面5のうち、チャットボットにチャットの内容を記憶させる一例を示すチャット画面5aの概要図である。
図9では、社内チャットにおいて、組織ABCに所属するユーザによって入力されたメッセージを、チャットボットに記憶させる一例について説明する。
【0063】
図9に示すように、チャット画面5aは、領域501~505を備えている。領域501~504には、送信情報SE、アイコンIC及びメッセージMEがそれぞれ描画されている。また、領域501~504は、メッセージが送信された時間順に上から描画されることで、タイムラインTLを形成している。
【0064】
領域505は、タイムラインTLの下に描画され、入力欄505aと、ボタン505bとを備えている。入力欄505aは、ユーザがテキスト情報を入力可能な欄であり、未入力の段階において、「ここにメッセージ内容を入力」というテキストが表示されている。入力欄505aは、ユーザによるテキスト入力を受け付けるように構成される。入力欄505aには、宛先の情報、メッセージの内容等が入力されるとよい。さらに、「送信」というテキストが描画されたボタン505bは、ユーザの押下を受け付けるように構成される。入力欄505aに適切なテキスト情報が入力された状態で、ユーザがボタン505bを押下することで、ユーザは、メッセージを入力することができる。
【0065】
図9に示すように、具体的には例えば、タイムラインTLに入力されるメッセージは、次の通りである。
【0066】
領域501の送信情報SE1には、組織ABCに所属する「Satou Tsukasa」(以下、「ユーザT」という。)から「5月18日 15:06」にメッセージが入力されたことが描画されている。また、領域501のメッセージME1には、組織ABCに所属する「Suzuki Daichi」(以下、「ユーザD」という。)を宛先とする情報、及び、ユーザDに対し経費に関する質問をするテキスト情報が描画されている。
【0067】
次に、領域501に描画されたメッセージに応答するように、領域502の送信情報SE2には、ユーザDから「5月18日 15:21」にメッセージが入力されたことが描画されている。領域502のメッセージME2には、ユーザTを宛先とする情報、及び、ユーザTに対し経費に関する質問を回答するテキスト情報が描画されている。
【0068】
そして、領域503では、領域501及び領域502において入力されたメッセージ(以下、総称して「スレッド」という。)を記憶させる入力がされている。具体的には例えば、領域503の送信情報SE3には、ユーザDから「5月18日 15:25」にメッセージが入力されたことが描画されている。領域503のメッセージME3には、総務アシスタントのチャットボットに相当する「bot-hr」(以下、「総務アシスタント」という。)を宛先とする情報、及び、総務アシスタントに対しスレッドを記憶する旨のテキスト情報として「このスレッドを記憶してください。」が描画されている。これにより、受付部231は、チャット画面5aを介してユーザDによるメッセージに応じて、メッセージを記憶する旨の指示を受け付ける。
【0069】
その結果、領域504では、スレッドを記憶した旨のメッセージが描画されている。具体的には例えば、領域504の送信情報SE4には、総務アシスタントから「5月18日 15:26」にメッセージが出力されたことが描画されている。領域504のメッセージME4には、スレッドを記憶した旨のテキスト情報として「スレッドを記憶しました。」、及び、記憶したスレッドのタイトル、リンク、内容等の情報が描画されている。記憶したスレッドのタイトルには、「2024/05/18 15:25のスレッド」と描画されている。このようにして、社内チャットにおいて入力されたメッセージを、チャットボットに記憶させることができる。換言すると、取得部234は、記憶する対象のメッセージの内容を取得する。
【0070】
図10は、チャット画面5のうち、社内チャット上でチャットボットから得た回答の一例を示すチャット画面5aの概要図である。
図10では、社内チャットにおいて、組織ABCに所属するユーザによって入力された質問依頼等に対して、チャットボットから回答を得る一例について説明する。
【0071】
図10に示すように、チャット画面5bは、領域505~507を備えている。領域506、507には、送信情報SE、アイコンIC及びメッセージMEがそれぞれ描画されている。また、領域506、507は、メッセージが送信された時間順に上から描画されることで、タイムラインTLを形成している。なお、チャット画面5bの領域505は、チャット画面5aの領域505と同様の構成のため、説明を省略する。
【0072】
図10に示すように、具体的には例えば、タイムラインTLに入力されるメッセージは、次の通りである。
【0073】
領域506の送信情報SE6には、ユーザDから「6月7日 11:01」にメッセージが入力されたことが描画されている。領域506のメッセージME6には、チャットボットである総務アシスタントを宛先とする情報、及び、総務アシスタントに対し経費に関する質問依頼等をするテキスト情報が描画されている。この場合において受付部231は、当該質問依頼等を含むメッセージを、第1の情報IF1を含む入力として受け付ける。換言すると、受付部231は、第1の情報IF1を含む入力を受け付ける。
【0074】
そして、領域507の送信情報SE7には、総務アシスタントから「6月7日 11:02」にメッセージが出力されたことが描画されている。領域507のメッセージME71には、「アシスタントの回答」という名称とともに、質問依頼等に対する回答を示すテキスト情報が描画されている。さらに、領域507のメッセージME72には、「参考」という名称とともに、当該回答において特定された特定情報IFbが一覧に描画されている。換言すると、出力部236は、第1の情報IF1を含む入力と、予め設定された参照情報RIとに基づいて、第2の情報IF2を出力している。さらに、表示制御部232は、第2の情報IF2が追加されたチャット画面5bを、端末3の表示部34に表示させている。すなわち、第2の情報IF2を含む新たなメッセージがタイムラインTL上に示されている。
【0075】
また、領域507のアイコンICには、総務アシスタントとして予め設定されているキャラクタCが描画されている。換言すると、出力部236は、任意のキャラクタCが返信する態様を有して、第2の情報IF2を出力している。このような態様によれば、情報のやり取りにおいて、親近感が湧くような環境を提供することができる。
【0076】
さらに、領域507のメッセージME71では、特定された特定情報IFbを参照した大規模言語モデルに基づいて、第2の情報IF2が出力されている。詳細には、特定された特定情報IFbを要約した第2の情報IF2が出力されている。この場合における特定情報IFbには、予め記憶されている、タイトルを「2024/05/18 15:25のスレッド」とするスレッドが含まれている。つまり、過去の経費に関するスレッドを参照している。
【0077】
また、領域507のメッセージME72では、総務アシスタントからの回答において特定された特定情報IFbを一覧で示すテキスト情報が描画され、さらに、当該テキスト情報の保存場所を示す情報が対応付けられている。具体的には例えば、メッセージME72に示されたリンクL1~L3それぞれには、特定情報IFbの名称に、保存場所へのハイパーリンクが付されている。ユーザが、リンクL1~L3の何れかをクリック又はタップすることで、不図示の画面に遷移される。ユーザは、不図示の画面を介して、対象の特定情報IFbの内容を把握することができる。以上説明したように、第2の情報IF2は、特定情報IFbを一覧可能に含む。このような態様によれば、入手した情報を効率的に閲覧することができる。また、第2の情報IF2は、特定情報IFbの保存場所を示す情報を含む。このような態様によれば、入手した情報の一次情報に容易にアクセスすることができる。
【0078】
[その他]
前述の実施形態に係る情報処理システム1に関して、以下のような態様を採用してもよい。
【0079】
上記の実施形態を、頒布可能なプログラムとして実施してもよい。つまり、このプログラムは、少なくとも1つのコンピュータに、情報処理方法の各ステップを実行させる。このような態様によれば、ユーザが所属する組織において、その組織に関する組織情報IFaを効率的に入手することができる。
【0080】
前述の一実施形態では、チャットボットからの回答がテキスト情報である場合を例に説明したが、これに限られず、第2の情報IF2を音声や映像で出力してもよい。
【0081】
情報処理システム1に含まれる装置のうちの少なくとも1つは、日本国外に設置されていてもよい。例えば、情報処理装置2が日本国外に設置され、日本国内のユーザが自身の端末3を用いて、情報処理装置2にアクセスしていてもよいし、情報処理装置2が日本国内に設置され、日本国外のユーザが自身の端末3を用いて、情報処理装置2にアクセスしていてもよい。
【0082】
一実施形態では、受付部231、表示制御部232、特定部233、取得部234、演算部235及び出力部236を、情報処理装置2の制御部23によって実現される機能部として説明しているが、この少なくとも一部を、端末3の制御部33によって実現される機能部として実施してもよい。さらには、上記の例で説明した種々の情報が、情報処理装置2の記憶部22だけでなく、他の外部装置に分散的に記憶されていてもよい。係る場合、ブロックチェーン等を基盤とした分散台帳管理がなされていてもよい。
【0083】
次に記載の各態様で提供されてもよい。
【0084】
(1)情報処理方法であって、次の各ステップを備え、受付ステップでは、複数のユーザが使用するチャットのタイムラインに対する、第1の情報を含む入力を受け付け、ここで前記ユーザは、所定の組織に所属する者であり、前記第1の情報は、自然言語で構成され、前記組織に関する組織情報を要求するテキスト情報であり、出力ステップでは、前記第1の情報を含む前記入力と、予め設定された参照情報とに基づいて、要求された前記組織情報に相当する第2の情報を、前記タイムラインに出力する、方法。
【0085】
このような態様によれば、ユーザが所属する組織において、その組織に関する組織情報を効率的に入手することができる。
【0086】
(2)上記(1)に記載の情報処理方法において、さらに特定ステップでは、前記第1の情報との関係において、前記参照情報のうち所定値以上の類似度を有する特定情報を特定し、前記第2の情報は、前記特定情報を含む、方法。
【0087】
このような態様によれば、効率的に且つ網羅的に情報を入手することができる。
【0088】
(3)上記(2)に記載の情報処理方法において、前記第2の情報は、前記特定情報を一覧可能に含む、方法。
【0089】
このような態様によれば、入手した情報を効率的に閲覧することができる。
【0090】
(4)上記(2)又は(3)に記載の情報処理方法において、前記第2の情報は、前記特定情報の保存場所を示す情報を含む、方法。
【0091】
このような態様によれば、入手した情報の一次情報に容易にアクセスすることができる。
【0092】
(5)上記(2)~(4)の何れか1つに記載の情報処理方法において、前記第2の情報は、前記特定情報を要約した情報を含む、方法。
【0093】
このような態様によれば、入手した情報を効率的に把握することができる。
【0094】
(6)上記(2)~(5)の何れか1つに記載の情報処理方法において、前記出力ステップでは、前記特定情報を参照した大規模言語モデルに基づいて、前記第2の情報を出力する、方法。
【0095】
このような態様によれば、ユーザが所望する、より直接的な回答、検索結果等を入手することができる。
【0096】
(7)上記(1)~(6)の何れか1つに記載の情報処理方法において、前記出力ステップでは、任意のキャラクタが返信する態様を有して、前記第2の情報を出力する、方法。
【0097】
このような態様によれば、情報のやり取りにおいて、親近感が湧くような環境を提供することができる。
【0098】
(8)上記(7)に記載の情報処理方法において、前記任意のキャラクタは、役割又は属性を有する、方法。
【0099】
このような態様によれば、役割又は属性に応じた情報のやり取りをすることができる。
【0100】
(9)上記(7)又は(8)に記載の情報処理方法において、前記任意のキャラクタは、仮想空間に配置されるアバターである、方法。
【0101】
このような態様によれば、情報のやり取りにおいて、さらに親近感が湧くような環境を提供することができる。
【0102】
(10)上記(1)~(9)の何れか1つに記載の情報処理方法において、前記参照情報は、イントラネットにより接続されている記録媒体に保存される情報である、方法。
【0103】
このような態様によれば、イントラネット上の情報に限定して、効率的に情報を入手することができる。
【0104】
(11)上記(1)~(10)の何れか1つに記載の情報処理方法において、前記参照情報は、前記組織における、規定、制度及びルールの少なくとも1つを含む前記組織の情報である、方法。
【0105】
このような態様によれば、組織固有の情報について、効率的に情報を入手することができる。
【0106】
(12)上記(1)~(11)の何れか1つに記載の情報処理方法において、前記組織は、業として、所定の商品又は役務を提供する事業体であり、前記参照情報は、前記事業体又は前記業に関する情報である、方法。
【0107】
このような態様によれば、事業体又は業に関する情報について、効率的に情報を入手することができる。
【0108】
(13)上記(12)に記載の情報処理方法において、前記参照情報は、前記組織における、過去の営業情報である、方法。
【0109】
このような態様によれば、過去の営業情報について、効率的に情報を入手することができる。
【0110】
(14)上記(12)に記載の情報処理方法において、前記参照情報は、前記組織における、過去の広告宣伝事例である、方法。
【0111】
このような態様によれば、過去の広告宣伝事例について、効率的に情報を入手することができる。
【0112】
(15)少なくとも1つの装置からなる情報処理システムであって、上記(1)~(14)の何れか1つに記載の情報処理方法の各ステップがなされるようにプログラムを実行可能な、少なくとも1つのプロセッサを備える、システム。
【0113】
このような態様によれば、ユーザが所属する組織において、その組織に関する組織情報を効率的に入手することができる。
【0114】
(16)プログラムであって、少なくとも1つのコンピュータに、上記(1)~(14)の何れか1つに記載の情報処理方法の各ステップを実行させる、プログラム。
【0115】
このような態様によれば、ユーザが所属する組織において、その組織に関する組織情報を効率的に入手することができる。
もちろん、この限りではない。
【0116】
最後に、本開示に係る種々の実施形態を説明したが、これらは、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。当該新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。当該実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0117】
1 :情報処理システム
11 :通信ネットワーク
2 :情報処理装置
20 :通信バス
21 :通信部
22 :記憶部
23 :制御部
231 :受付部
232 :表示制御部
233 :特定部
234 :取得部
235 :演算部
236 :出力部
3 :端末
30 :通信バス
31 :通信部
32 :記憶部
33 :制御部
34 :表示部
35 :入力部
4 :設定画面
4a :設定画面
4b :設定画面
401 :入力欄
402 :ボタン
403 :ボタン
404 :表示
405 :ボタン
406 :表示
407 :ボタン
408 :入力欄
409 :入力欄
410 :入力欄
5 :チャット画面
5a :チャット画面
5b :チャット画面
501 :領域
502 :領域
503 :領域
504 :領域
505 :領域
505a :入力欄
505b :ボタン
506 :領域
507 :領域
C :キャラクタ
IC :アイコン
IF1 :第1の情報
IF2 :第2の情報
IFa :組織情報
IFb :特定情報
L1 :リンク
L2 :リンク
L3 :リンク
ME :メッセージ
ME1 :メッセージ
ME2 :メッセージ
ME3 :メッセージ
ME4 :メッセージ
ME6 :メッセージ
ME71 :メッセージ
ME72 :メッセージ
RI :参照情報
SE :送信情報
SE1 :送信情報
SE2 :送信情報
SE3 :送信情報
SE4 :送信情報
SE6 :送信情報
SE7 :送信情報
TL :タイムライン