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特開2025-10012極低温流体用の荷積み塔および/または荷下ろし塔をガイドするための装置
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  • 特開-極低温流体用の荷積み塔および/または荷下ろし塔をガイドするための装置 図1
  • 特開-極低温流体用の荷積み塔および/または荷下ろし塔をガイドするための装置 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025010012
(43)【公開日】2025-01-20
(54)【発明の名称】極低温流体用の荷積み塔および/または荷下ろし塔をガイドするための装置
(51)【国際特許分類】
   F17C 13/00 20060101AFI20250109BHJP
【FI】
F17C13/00 302Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024104335
(22)【出願日】2024-06-27
(31)【優先権主張番号】FR2306765
(32)【優先日】2023-06-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(71)【出願人】
【識別番号】515220317
【氏名又は名称】ギャズトランスポルト エ テクニギャズ
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【弁理士】
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100127465
【弁理士】
【氏名又は名称】堀田 幸裕
(74)【代理人】
【識別番号】100141830
【弁理士】
【氏名又は名称】村田 卓久
(72)【発明者】
【氏名】ニコラ、ルルー
(72)【発明者】
【氏名】フロリアン、バルダン
【テーマコード(参考)】
3E172
【Fターム(参考)】
3E172AB01
3E172AB03
3E172AB04
3E172AB05
3E172AB20
3E172BA06
3E172BB12
3E172BB17
3E172BD02
3E172CA01
3E172DA90
3E172EA03
3E172EB03
(57)【要約】      (修正有)
【課題】極低温流体用の荷積み塔および/または荷下ろし塔をガイドするための装置を提供する。
【解決手段】貯蔵タンクのベースに対して相対的に、極低温流体用の荷積み塔および/または荷下ろし塔を位置決めするように設計されたガイド装置(16)に関し、このガイド装置(16)は、塔のベースプレートに結合されるように設計された第1の部分(18)と、ベースに接触するように設計された第2の部分(20)とを備えており、第2の部分(20)は、バッファ(30)を支持するように構成されており、第1の部分(18)は、少なくとも1つの斜壁(22)を備えており、第2の部分(20)は、少なくとも1つの傾斜壁(26)を備えており、ガイド装置(16)は、傾斜壁(26)を斜壁(22)に沿って摺動させるように構成された調節手段(32)を含む。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
貯蔵タンク(1)内の極低温流体を荷積みしかつ/または荷下ろしするように構成された荷積み塔および/または荷下ろし塔(6)であって、ガイド装置(16)と、複数の支柱(12)と、該支柱(12)をつなぐベースプレート(14)とを備えており、前記ガイド装置(16)は、前記ベースプレート(14)に結合されており、かつ前記貯蔵タンク(1)の底部に結合されたベース(4)に接触するように構成されており、前記ガイド装置(16)は、極低温流体用の前記荷積み塔および/または荷下ろし塔(6)を、極低温流体の前記貯蔵タンク(1)の前記底部(2)に結合された前記ベース(4)に対して相対的に位置決めするように設計されており、前記ガイド装置(16)は、前記荷積み塔および/または荷下ろし塔(6)の前記支柱(12)をつなぐ前記ベースプレート(14)に結合されるように設計された第1の部分(18)と、前記ベース(4)に接触するように構成された第2の部分(20)とを有しており、前記第2の部分(20)は、バッファ(30)を支持するように構成されており、前記第1の部分(18)は、少なくとも1つの斜壁(22)を備えており、前記第2の部分(20)は、少なくとも1つの傾斜壁(26)を備えており、前記ガイド装置(16)は、前記傾斜壁(26)を前記斜壁(22)に沿って摺動させるように構成された調節手段(32)を備えている、荷積み塔および/または荷下ろし塔(6)。
【請求項2】
前記傾斜壁(26)および前記斜壁(22)は、前記第1の部分(18)に沿った前記第2の部分(20)の摺動方向において平行である、請求項1記載の荷積み塔および/または荷下ろし塔(6)。
【請求項3】
前記荷積み塔および/または荷下ろし塔(6)がその延在軸線に沿って動く場合に前記ベース(4)に接触するように構成された少なくとも1つのバッファ(30)を含む、請求項1および2のいずれか1項記載の荷積み塔および/または荷下ろし塔(6)。
【請求項4】
前記バッファ(30)は、前記傾斜壁(26)と交差する平面内で前記第2の部分(20)の側面(28)に配置されている、請求項3記載の荷積み塔および/または荷下ろし塔(6)。
【請求項5】
前記調節手段(32)は、一方が前記第2の部分(20)に支持されるのに対して他方が前記第1の部分(18)に接触している、ヘッド(36)とボディ(38)とを備えた少なくとも1つの位置決め手段(34)を含む、請求項1から4までのいずれか1項記載の荷積み塔および/または荷下ろし塔(6)。
【請求項6】
前記位置決め手段(34)は、長円形の開口(44)を通り一方の前記部分(18,20)を貫通して延びる終端部分を備えており、前記位置決め手段(34)の前記終端部分は、前記開口(44)の長円形状を規定する平面内で前記開口(44)を通って並進移動可能である、請求項5記載の荷積み塔および/または荷下ろし塔(6)。
【請求項7】
前記第2の部分(20)を、前記第1の部分(18)に対して相対的にガイドするガイド手段を備えている、請求項1から6までのいずれか1項記載の荷積み塔および/または荷下ろし塔(6)。
【請求項8】
前記ガイド手段は、一方の前記部分(18,20)に結合されかつ他方の前記部分(18,20)に滑り接触する少なくとも1つの凹部(56)を備えており、該凹部(56)は、前記斜壁(22)に沿って、または前記傾斜壁(26)に沿って延びている、請求項7記載の荷積み塔および/または荷下ろし塔(6)。
【請求項9】
前記ベースプレート(14)は、前記ガイド装置(16)の正面に貫通孔(54)を有している、請求項1から8までのいずれか1項記載の荷積み塔および/または荷下ろし塔(6)。
【請求項10】
請求項1から9までのいずれか1項記載の荷積み塔および/または荷下ろし塔(6)と、底壁(2)と、該底壁(2)に前記荷積み塔および/または荷下ろし塔(6)をつなぐように設計されたベース(4)とを含む極低温流体の貯蔵タンク(1)であって、前記ガイド装置(16)が、前記底壁(2)に対して実質的に平行な平面内での前記荷積み塔および/または荷下ろし塔(6)の動きを停止させる一方で、前記底壁(2)に対して実質的に垂直な方向に沿った、前記荷積み塔および/または荷下ろし塔(6)の並進を可能にするように構成されている、極低温流体の貯蔵タンク(1)。
【請求項11】
請求項10記載の貯蔵タンク(1)を組み立てる方法であって、前記荷積み塔および/または荷下ろし塔(6)を前記ベース(4)まで下ろすステップが、前記ベースプレート(14)に前記ガイド装置(16)を事前に位置決めするステップと、前記ガイド装置(16)が前記ベース(4)に接触するまで、前記第2の部分(20)を前記第1の部分(18)に沿って並進移動させる、前記ガイド装置(16)を調節するステップとを含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液化天然ガス、液化石油ガス、エタン、アンモニアまたは水素等の極低温流体の分野に関し、より具体的には、これらの輸送に起因する、これらの荷積みおよび荷下ろしに関連する問題に関する。
【背景技術】
【0002】
液化天然ガスまたはLNGは、主にメタンから製造される重要な電力供給源である。液化天然ガスは、通常-160℃に近い温度で液体の状態で貯蔵され、この場合、液化天然ガスの体積は、気体の状態の体積の1/600である。これにより、この液化天然ガスを採掘地と目的地との間で輸送することが可能になる。液化天然ガスは、その輸送前および輸送中に、不透過性かつ断熱性のタンク内に貯蔵される。このようなタンクは、陸上または浮体構造物上に配置され得る。
【0003】
液化天然ガスを貯蔵するタンクにおいて荷積みしかつ荷下ろしするために、タンクの中には、荷積み塔および/または荷下ろし塔が組み立てられている。荷積み塔および/または荷下ろし塔は、可動の装置であってよいが、ガス運搬船におけるタンクの場合には、荷積み塔および/または荷下ろし塔は、通常、タンクに直接に取り付けられている。タンクは、全体がタンクの高さに沿って延びるいくつかの支柱を含む荷積み塔および/または荷下ろし塔を受容するように構成された上部開口を有している。タンクの底部にはベースが取り付けられており、ベース上で、荷積み塔および/または荷下ろし塔は、液化天然ガスを荷積みしかつ荷下ろしするための所定の位置を占めている。
【0004】
タンクにおいて荷積みしかつ荷下ろしする場合、液体の状態のメタンの貯蔵温度から周囲温度への移行の結果生じる温度の大幅な変化が、荷積み塔および/または荷下ろし塔内の材料に影響を及ぼすことがある。材料に影響を及ぼすということは、この材料が温度の変化に応じて膨張または収縮することがある、ということを意味する。この場合、材料の変質に適応するために、荷積み塔および/または荷下ろし塔は、そのベース上で鉛直方向に可動であることが必要であり、この場合、このような鉛直方向の並進移動は、タンクの底部に対して実質的に垂直である。
【0005】
荷積み塔および/または荷下ろし塔の鉛直方向の並進移動での動きを可能にする一方で、タンクの底部に対して平行な平面内での荷積み塔および/または荷下ろし塔の動きを制限するバッファまたはパッドを使用することが周知である。このようなバッファは、支持体により支持されており、支持体は、塔の下部に取り付けられかつベースの正面に配置された、ベースに沿って摺動するガイド装置である。しかしながら、バッファ用の支持体の設置および組立ては実施が複雑であり、いくつかの中間位置決めステップを必要とする。
【0006】
本発明はこの欠点を、液化天然ガスの貯蔵タンク内への荷積み塔および/または荷下ろし塔の設置をより簡単にする形状を有するバッファ用の支持体を提案することにより、特に荷積み塔および/または荷下ろし塔とタンクとを組み立てるために必要とされるステップの数を減らすことにより克服することを目的とする。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
したがって本発明は主に、極低温流体の貯蔵タンクのベースに対して相対的に、極低温流体用の荷積み塔および/または荷下ろし塔を位置決めするように設計されたガイド装置に関し、このガイド装置は、液化天然ガス荷積み塔および/または荷下ろし塔の支柱をつなぐベースプレートに結合されるように設計された第1の部分と、ベースに接触するように設計された第2の部分とを備えており、第2の部分は、バッファを支持するように構成されており、第1の部分は、少なくとも1つの斜壁を備えており、第2の部分は、少なくとも1つの傾斜壁を備えており、ガイド装置は、傾斜壁を斜壁に沿って摺動させるように構成された調節手段を含む。
【0008】
本発明によるガイド装置は、液化天然ガスまたはLNG等の極低温流体荷積み塔および/または荷下ろし塔と、貯蔵タンク用のベースとの間のインタフェースであるバッファ支持体であり、この場合、ベースは、より具体的には、荷積み塔および/または荷下ろし塔のベースプレートの正面に配置されるように設計されている。ガイド装置は、ベースに対する荷積み塔および/または荷下ろし塔の設置に関与する。
【0009】
ガイド装置は、ステンレス鋼から製造された第1の部分と第2の部分とを備えている。第1の部分は、荷積み塔および/または荷下ろし塔に、特にそのベースプレートにおいて結合されるように設計されているのに対し、第2の部分は、ベースに接触するように設計されている。第2の部分とベースとの間のこの接触を管理するために、この第2の部分にはバッファが設けられている。
【0010】
第1の部分と第2の部分とは両方共、楔形であり、第1の部分の形状と第2の部分の形状とは相補的である。「楔形」とは、第1の部分と第2の部分とが両方共、互いに対して30~60°、好適には45°の角度の少なくとも2つの壁を有していることを意味する。これらの壁のうちの1つは、第1の部分用の斜壁であり、かつ第2の部分用の傾斜壁である。ガイド装置の内部で、斜壁と傾斜部とは互いの正面に位置しており、互いに接触している可能性がある。さらに、これらは同一平面内に延在している。斜壁は、第1の部分の一端であるのに対して、傾斜壁は、第2の部分の一端である。
【0011】
ベースに対するガイド装置の位置を調節するために、第2の部分は、第1の部分に対して相対的に可動である。この動きは、調節手段、特にねじ締結手段により行われる。したがって、この調節手段は、斜壁を傾斜壁に沿って摺動させるように構成されている。
【0012】
第1の部分に対して相対的な第2の部分の動きは、ガイド装置が支持しているバッファをベースに対して相対的に位置決めすることを可能にする。このことは、荷積み塔および/または荷下ろし塔の設置に必要とされるステップの数を減らすことを可能にし、実際に、ガイド装置を正しく位置決めするために、ガイド装置を連続的に組み立てかつ分解することは最早不要であり、調節するためには、第2の部分を第1の部分に沿って摺動させることで十分である。
【0013】
本発明の1つの任意の特徴では、傾斜壁および斜壁は、第1の部分に対して相対的な、第2の部分の摺動方向において平行である。
【0014】
第2の部分が第1の部分に対して相対的に摺動することにより、ベースが結合された貯蔵タンクの底部に対して実質的に垂直な鉛直方向と、タンクの底部に対して実質的に平行な水平方向の両方に沿って第2の部分が動くことが可能になる。
【0015】
本発明の1つの任意の特性では、ガイド装置は、荷積み塔および/または荷下ろし塔がその延在軸線に沿って動く場合にベースに接触するように構成された少なくとも1つのバッファを含む。
【0016】
このバッファまたはパッドは、ベースに向かう第2の部分の移動中に生じ得る衝撃を緩和することを可能にする保護部材である。バッファは、荷積み塔および/または荷下ろし塔の鉛直方向に沿った動きは可能にするが、この荷積み塔および/または荷下ろし塔の、水平方向に沿った如何なる動きも阻止するように構成されている。
【0017】
本発明の1つの任意の特徴では、バッファは、第2の部分の、傾斜壁と交差する平面内に延びる側面に配置されている。
【0018】
傾斜壁と側面とは、より具体的には30°~60°、好適には45°の角度を成す2つの平面内に延在している。第2の部分において、バッファは側面を越えて、側面の両側に突出している。
【0019】
本発明の1つの任意の特徴では、調節手段は、一方が第2の部分に支持されるのに対して他方が第1の部分に接触しているヘッドとボディとを備えた少なくとも1つの位置決め手段を含む。
【0020】
換言すると、位置決め手段、例えばねじは、その端部のうちの第1の端部において第1の部分を貫通して延びており、かつその端部のうちの第2の端部において第2の部分を貫通して延びている。位置決め手段のボディは、特にその、ねじ山を含む部分に相当する。この実施形態では、ヘッドが第2の部分に支持されているのに対してボディは第1の部分に接触しているか、または反対に、ボディが第2の部分に支持されているのに対してヘッドは第1の部分に接触している。ねじは、各端部におけるナットを特徴とするか、または一方の端部におけるナットと、他方の端部におけるナットなしのヘッドとを特徴とする。
【0021】
本発明の1つの任意の特徴では、位置決め手段は、長円形の開口を通り一方の部分を貫通して延びる終端部分を備えており、位置決め手段の終端部分は、開口の長円形状を規定する平面内で開口を通って並進移動可能である。
【0022】
この実施形態の1つの機能として、長円形の開口は、第1の部分または第2の部分を貫通して形成されている。この長円形の開口は、ガイド手段の調節用の位置決め手段の終端部分を受容するための貫通孔である。位置決め手段は、長円形の開口を通り、並進移動により横方向に沿って移動する。
【0023】
本発明の1つの任意の特徴では、ガイド装置は、第2の部分を第1の部分に対して相対的にガイドするガイド手段を備えている。
【0024】
このようなガイド手段は、傾斜壁が横壁に沿って、これらの壁が延在する垂直面内でオフセットなしに摺動することを保証する。換言すると、このガイド手段は、壁に対して垂直な方向におけるストッパである。
【0025】
本発明の1つの任意の特徴では、ガイド手段は、一方の部分に結合されかつ他方の部分と滑り接触する少なくとも1つの凹部を備えており、凹部は、斜壁に沿って、かつ傾斜壁に沿って延びている。
【0026】
いくつかの実施形態では、ガイド手段は、第1の部分から、または第2の部分から延びている。ただ1つの凹部の場合、凹部は、斜壁および斜壁を覆う傾斜壁の一方の側に配置されている。複数の凹部、例えば2つの凹部の場合、これらの凹部は、斜壁および傾斜壁の両方の側に配置されており、これにより、摺動をガイドする通路を形成している。
【0027】
本発明は、貯蔵タンク内の液化天然ガスを荷積みしかつ/または荷下ろしするように構成された荷積み塔および/または荷下ろし塔であって、少なくとも、上述のようなガイド装置と、複数の支柱と、支柱をつなぐベースプレートとを備えており、ガイド装置は、ベースプレートに結合されており、かつ貯蔵タンクの底部に結合されたベースに接触するように構成されている、荷積み塔および/または荷下ろし塔にも関する。
【0028】
荷積み塔および/または荷下ろし塔の内側において、ベースプレートは、支柱を互いにつなぐことを可能にするフレームに相当する。ベースプレートは、ガイド装置に結合されており、より具体的には、ベースプレートは、ガイド装置に、特にその第1の部分において溶接されている。荷積み塔および/または荷下ろし塔は、少なくとも1つのガイド装置を備えている。好適には、荷積み塔および/または荷下ろし塔は、ベースの周囲に複数のガイド装置を備えている。
【0029】
本発明の1つの任意の特徴では、ベースプレートは、ガイド装置の正面に設けられた貫通孔を特徴とする。
【0030】
より正確には、貫通孔は、ガイド装置の第2の部分と、タンクに結合されたベースとの間の接触ゾーンの正面に形成されている。この貫通孔は、ベースに対する第2の部分の位置に対する監視および制御動作を可能にする。
【0031】
本発明は、上述のような荷積み塔および/または荷下ろし塔と、ベースと、ベースに結合された底壁とを含む、液化天然ガスの貯蔵タンクであって、ガイド装置が、底壁に対して実質的に平行な平面内での荷積み塔および/または荷下ろし塔の動きを停止させる一方で、底壁に対して実質的に垂直な方向に沿った、荷積み塔および/または荷下ろし塔の並進を可能にするように構成されている、液化天然ガスの貯蔵タンクにも関する。
【0032】
換言すると、貯蔵タンク内では、荷積み塔および/または荷下ろし塔の鉛直方向に沿った動きは許容されるが、水平方向に沿った動きはガイド装置により阻止される。貯蔵タンクは、例えば浮体構造物のタンクであり、この場合、この貯蔵タンクは、不透過性かつ断熱性である。
【0033】
さらに、本発明は、上述のような貯蔵タンクを組み立てる方法であって、ベースプレートにおいてガイド装置を事前に位置決めするステップと、荷積み塔および/または荷下ろし塔をベースまで下ろすステップと、ガイド装置がベースに接触するまで、第2の部分を第1の部分に沿って並進移動させる、ガイド装置を調節するステップとを含む、方法を包含することを意図したものである。
【0034】
本発明による組立てプロセスは、液化天然ガスを荷積みしかつ/または荷下ろしするために、貯蔵タンク内に、荷積み塔および/または荷下ろし塔を組み立てることを可能にする。調節するステップは、調節手段により行われる。すなわち、このプロセスは、第1の部分に沿った第2の部分の摺動の結果として、ガイド装置の第2の部分を、ベースに接触するまでベースに近づけるものである。第2の部分がベースに接触すると、ガイド装置は、荷積み塔および/または荷下ろし塔の水平方向の如何なる並進も阻止する一方で、荷積み塔および/または荷下ろし塔の鉛直方向の並進を可能にする。
【0035】
本発明の他の特徴、細部および利点は、一方では以下の説明に基づき、かつ他方では添付の概略図を参照して非限定的にガイドとして製造されたいくつかの実施形態に基づき、より明確に現れるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0036】
図1】液化天然ガスの荷積み塔および/または荷下ろし塔を備えた液化天然ガス用の貯蔵タンクを概略的に示す図であって、荷積み塔および/または荷下ろし塔は、タンクのベースの正面にベースプレートを備えている。
図2図1に示したベースプレートとベースとの間に配置された複数のガイド装置を概略的に示す図である。
図3図2に示したガイド装置のうちの1つを、ベースから離れた第1の位置で概略的に示す図である。
図4図3に示したガイド装置を、ベースに接触した第2の位置で概略的に示す図である。
図5図4に示した第2の位置におけるガイド装置を概略的に示す横断面図であり、ガイド装置には調節手段が設けられている。
図6】ベースプレートを上から見たところを概略的に示す図であって、ベースプレートを通して、図3図5に示したガイド装置が見えている。
【発明を実施するための形態】
【0037】
本発明の特徴、変化形および様々な実施形態は、これらが互いに非共存的または排他的でない限り、様々な組合せの下で互いに関連していてよい。以下に説明するような特徴の1つの選択肢が技術的な利点を与えかつ/または本発明を従来技術と区別するために十分である限り、説明する他の特徴は別として、この特徴の選択肢だけを含む本発明の変化形が考えられる。
【0038】
図において、いくつかの図に共通する部材は、同じ参照符号を有している。
【0039】
以下に記載する説明において、「鉛直」および「水平」は、本発明によるガイド装置の向きを指す。鉛直方向とは、ガイド装置の主延在方向を指し、この鉛直方向は、図示のようにフレームV,Hにおける鉛直方向軸線Vに対して平行である。水平方向は、ガイド装置が配置された貯蔵タンクの底部の壁に対して実質的に平行な方向であって、この水平方向は、フレームV,Hの水平方向軸線Hに対して平行であり、この水平方向軸線Hは、鉛直方向軸線Vに対して垂直である。
【0040】
このように、図1には、極低温流体、例えば液化天然ガス用の貯蔵タンク1が概略的に示されている。本発明の枠から逸脱することなしに、極低温流体は、択一的には液化石油ガス、エタン、アンモニアまたは水素であると考えられる。貯蔵タンク1は、浮体構造物、例えばガス運搬船等の、液化ガスを取り扱うために設計されたタンカー、または陸上構造物または重力に基づく構造物のタンクである。貯蔵タンク1は、その床である底壁2を備えている。貯蔵タンク1はさらに、側壁を備えている。底壁2と共に、側壁は液化天然ガスの貯蔵容積の画定に関与している。貯蔵タンク1の壁には、液化天然ガスに接触するように設計された防水膜で覆われた少なくとも1つの断熱層が設けられている。
【0041】
貯蔵タンク1の底壁2には、先細形状のベース4が配置されている。このベース4は、底壁2から、底壁2に対して実質的に垂直な鉛直方向Vに沿って突出している。ベース4は、貯蔵タンク1のその他の部材を支持するように設計された台座である。
【0042】
ベース4上の部材に基づき、貯蔵タンク1は、貯蔵タンク1内の液化天然ガスを荷積みしかつ/または荷下ろしするように構成された少なくとも1つの荷積み塔および/または荷下ろし塔6を備えている。換言すると、荷積み塔および/または荷下ろし塔6は、液化天然ガスを貯蔵タンク1へまたは貯蔵タンク1から運ぶことを可能にする。荷積み塔および/または荷下ろし塔6は、貯蔵タンクの天井壁と貯蔵タンクの底壁2、より正確にはベース4との間に延在している。荷積み塔および/または荷下ろし塔6は、例えば貯蔵タンク1の天井壁に取り付けられた、この貯蔵タンク1の蓋を通して、貯蔵タンク1の容積内に設置されている。
【0043】
荷積み塔および/または荷下ろし塔6は、鉛直方向Vに対して実質的に平行な、つまり底壁2に対して実質的に垂直な主延在方向に沿って延在している。荷積み塔および/または荷下ろし塔6は、貯蔵タンク1の天井壁の正面の第1の端部8と、底壁2の正面の第2の端部10との間に延在している。より具体的には、第1の端部8が蓋の正面にある一方で、第2の端部10はベース4に接触している。
【0044】
荷積み塔および/または荷下ろし塔6は、複数の支柱12を備えている。図示のように、ここでは荷積み塔および/または荷下ろし塔6は、三脚として3つの支柱12を備えている。これらの3つの支柱12は、支柱12を互いにつなぐ底壁2に対して実質的に平行なプレートであるベースプレート14により、荷積み塔および/または荷下ろし塔6の第2の端部10に結合されている。
【0045】
ベースプレート14は、ベース4の正面の荷積み塔および/または荷下ろし塔6の部分に相当する。ベース4に対するベースプレート14のこの位置に基づき、特にこの荷積み塔および/または荷下ろし塔6が少なくとも部分的に液化天然ガスに浸漬させられた場合、荷積み塔および/または荷下ろし塔6は、貯蔵タンク1内で鉛直位置に保たれる。
【0046】
貯蔵タンク1の容積内に荷積み塔および/または荷下ろし塔6を設置する間、ベースプレート14は、少なくとも1つのガイド装置16によりベース4に対して相対的に位置決めされており、このガイド装置16の機能は、より詳細には、ベース4に対して相対的な、荷積み塔および/または荷下ろし塔6の鉛直方向の並進移動を可能にする一方で、底壁2に対して実質的に平行な平面内での如何なる動きも阻止することである。
【0047】
図2図6に関連して、ガイド装置16を説明する。この場合、貯蔵タンク1は、ベース4の周りに配置されたいくつかのガイド装置16を備えている。特に明記しない限り、これらのガイド装置16のうちの1つに関連して説明する特徴は、全てのガイド装置16に準用されるように設計されている。
【0048】
ガイド装置16は、荷積み塔および/または荷下ろし塔6のベースプレート14に結合されるように設計された第1の部分18と、ベース4に接触するように設計された第2の部分20とを有しており、これらの部分18,20は、例えばステンレス鋼から製造されている。第1の部分18および第2の部分20は、それぞれ相補的な楔形を有する、凹部が設けられたボックスである。換言すると、第1の部分18は楔形であり、第2の部分20も楔形であり、第1の部分18の形状と第2の部分20の形状とは相補的である。「楔形」とは、第1の部分18と第2の部分20とが両方共、それぞれ互いに対して30~60°、好適には45°の角度の壁を有していることを意味する。したがって、第1の部分18は、主に鉛直方向Vに沿って延びる同じ部分18の側壁24に対して45°回動させられた少なくとも1つの斜壁22を備えている。同様に、第2の部分20は、主に鉛直方向Vに沿って延びる側面28に対して45°回動させられた少なくとも1つの傾斜壁26を備えている。換言すると、ガイド装置16の第1の部分18において、第1の部分18の斜壁22と側壁24とは、30~60°の角度を成している。同様に、ガイド装置16の第2の部分20においても、この第2の部分20の傾斜壁26と側面28とは、30~60°の角度を成している。
【0049】
側壁24および側面28は、実質的に平行な平面内に配置されており、両方共、ベース4の正面にある。ガイド装置16のボックス形状に基づき、第1の部分18は、互いに対称の2つの斜壁22を備えており、第2の部分20は、互いに対称の2つの傾斜壁26を備えている。
【0050】
斜壁22は、鉛直方向Vに沿った第1の部分18の終端壁であり、斜壁22は、貯蔵タンク1の底壁2の方に向けられている。傾斜壁26も同様に、鉛直方向Vに沿った第2の部分20の終端壁であり、傾斜壁26は、貯蔵タンク1の天井壁の方に向けられている。ガイド装置16において、第1の部分18の斜壁22は、第2の部分20の傾斜壁26の正面に配置されている。
【0051】
ガイド装置16において、第1の部分18はカバー壁27を備えている。このカバー壁27は、主に鉛直-水平面内に延在している。カバー壁27は、鉛直方向Vに沿って第1の部分18の斜壁22と、荷積み塔および/または荷下ろし塔6のベースプレート14との間に延在している。より正確には、カバー壁27は、斜壁22に接触した第1の端部と、ベースプレート14に接触した第2の端部とを有している。カバー壁27は、特にその第2の端部に沿った溶接により、ベースプレート14に結合されている。
【0052】
カバー壁27の形状は、第1の端部から第2の端部へ拡幅されていることに留意されたい。さらにカバー壁27は、その第2の端部における2つのパグ形状部27A,27Bを特徴とする。これらのパグ形状部27A,27Bは、カバー壁27の第2の端部の寸法を水平方向Hに増大させ、ひいてはベースプレート14に対するカバー壁27の溶接ゾーンを増大させる。さらにパグ形状部27A,27Bは、ガイド装置16とベースプレート14との間の制約を、より良好に分散させることを可能にする。
【0053】
ガイド装置16の第2の部分20には、バッファ30またはパッドが設けられている。このバッファ30は、荷積み塔および/または荷下ろし塔6の鉛直方向Vに沿った動きは可能にするが、この荷積み塔および/または荷下ろし塔6の、底壁2に対して平行な方向に沿った如何なる動きも阻止するように構成された保護装置に相当する。
【0054】
バッファ30は、第2の部分20の側面28に配置されている。より具体的には、バッファ30は、この側面28からベース4に向かって突出している。さらに、いくつかの実施形態では、バッファ30は、側面28からベース4とは反対の方向にも突出している。
【0055】
バッファ30は、ベース4に接触するように設計されている。このようにするために、第2の部分20は、バッファ30がベース4から離れている第1の位置と、このバッファ30がベース4に接触している第2の位置との間で可動である。第1の位置が図3に示されている一方で、第2の位置は図4に示されている。
【0056】
図4に示すように、パグ形状部27A,27Bの縁部がベース4の正面に延在している平面と、このベース4の、バッファ30に接触するように設計された面が延在している平面との間には、ギャップDが存在している。このようなギャップDは、第2の部分20の第1の位置と同様に第2の位置においても存在しており、このことは、バッファ30がベース4から離れているか、またはこのベース4に接触しているかどうかは問題ではない、ということを意味する。ギャップDの幅は、例えばバッファ30がベース4に接触している場合には10mmである。このギャップDは、荷積み塔および/または荷下ろし塔6が曲がった場合に、荷積み塔および/または荷下ろし塔6の支柱12のうちの1つとベース4との間の接触を防ぐことを可能にする。
【0057】
第1の位置から第2の位置への移行は、第1の部分18の斜壁22に沿った第2の部分20の傾斜壁26の摺動の結果、生じる。このような摺動は、傾斜壁26および斜壁22の双方に対して平行な摺動方向に沿ったものである。この摺動は、第1の鉛直方向成分と、貯蔵タンク1の底壁2に対して平行であることを意味する第2の水平方向成分とに分解され得る。
【0058】
第1の部分18に対して相対的な、第2の部分20の摺動は、ガイド装置16内の調節手段32により提供される。この調節手段32、ここではねじ締結システムは、図5において特に明らかである。この調節システム32は、少なくとも1つの位置決め手段34、ここではヘッド36とボディ38とを備えたねじ34を含み、この場合、ボディ38にはねじ山が設けられている。ねじ34のボディ38は、ガイド装置16内で第1の部分18と第2の部分20との間に延びている。より正確には、ねじ34のボディ38は、鉛直方向において第1の部分18を閉鎖する第1の隔壁40と、鉛直方向において第2の部分20を閉鎖する第2の隔壁42とを貫通して延びている。第1の隔壁40と第2の隔壁42とは両方共、貯蔵タンク1の底壁2に対して実質的に平行に延びている。
【0059】
第1の部分18において、ねじ34のボディ38は、図5および図6に見えている第1の隔壁40における開口44を通って延びている。同様に、第2の部分20において、ねじ34のボディ38は、図5に見えている第2の隔壁42における孔46を通って延びている。開口44と孔46とは、鉛直方向Vに沿って互いに正面にある。図の実施形態では、第1の部分18において、ねじ34のボディ38のねじ山は、第1の隔壁40に、より具体的には第1の隔壁40の開口44に接触しているのに対して、第2の部分20では、ねじ34のヘッド36は第2の隔壁42に支持されている。第1の部分18に対して、ねじ34は、ねじ34のねじ山に取り付けられたナット48により、鉛直方向Vに保持されている。ただし、発明の範囲から逸脱することなしに、ねじ34のヘッド36が第1の隔壁40に支持されている実施形態も考えられ、この場合、ねじ山は、第2の隔壁42においてナット48により保持されているか、またはねじ34のヘッド36もナット48を支持している。
【0060】
図6において特に明らかなように、開口44は、ここでは長円形であり、これにより、ねじ34のボディ38は、この開口44内で、その長円形状を規定する、タンク1の底壁2に対して平行な平面内で並進移動可能である。換言すると、開口44は、開口44の主寸法に沿って互いに反対の側の第1の長手方向端部50と第2の長手方向端部52とを特徴としており、この場合、ねじ34のボディ38は、第1の長手方向端部50から第2の長手方向端部52まで並進移動可能である。第1の長手方向端部50は、ベース4から、第2の長手方向端部52よりも遠い。ガイド装置16のオペレータが、ベースプレート14を介して調節システム32に容易にアクセスすることができるように、このベースプレート14は、開口44の正面に窓53を有している。この窓53は、図2および図6に見られる。
【0061】
上述のように、第2の部分20は、傾斜壁26が斜壁22に沿って摺動することで、第1の部分18に対して相対的に可動である。このようにするために、調節手段32が実装されている。この場合、ねじ34が第1の隔壁40に螺入させられ、かつ開口44の第1の長手方向端部50から第2の長手方向端部52へ並進させられる。このようにして、調節手段が第2の部分20を移動させ、このとき、ねじ34のヘッド36が接触しており、この場合、第2の部分20は、ベース4から離れたその第1の位置から第2の位置へ移動し、そこではこのベース4にバッファ30が接触している。第1の位置から第2の位置への、第2の部分20のこのような移動は、図6に示されている。
【0062】
同じ図6には、荷積み塔および/または荷下ろし塔6のベースプレート14における貫通孔54が示されている。貫通孔54は、ガイド装置16の第2の部分20により支持されたバッファ30を、ベース4に接触した状態で正しく位置決めする制御手段を構成している。したがって貫通孔54は、第2の部分20とベース4との間のインタフェースの正面において、つまり、バッファ30が当接するように設計されたベース4の領域の正面において、ベースプレート14に配置されている。このようにして、貫通孔54は、第1の部分18に対して相対的な、第2の部分20の正しい摺動を提供することを可能にする。
【0063】
第1の部分18に対して相対的な第2の部分20の正しい摺動を保証する手段に応じて、ガイド装置16はさらに、第1の部分18に対して相対的に第2の部分20をガイドするガイド手段を備えている。このガイド手段は、より正確には、特に図5に示した少なくとも1つの凹部56を含む。
【0064】
ここでは、凹部56は第1の部分18に結合されている。凹部56は、第2の部分20の傾斜壁26まで斜壁22に沿って延在する、この第1の部分18の延在部に相当する。例えば、凹部56は、斜壁22および傾斜壁26の双方の正面における、第1の部分18および第2の部分20の内面に対するステンレス鋼板である。
【0065】
凹部56は、斜壁22用のストッパを構成しており、このようにして、凹部56は、この斜壁22と滑り接触しており、これにより、この斜壁22に対して垂直な方向に沿った並進を防止している。この実施形態では、ガイド装置16は、ただ1つの凹部56または2つの凹部56を特徴としていてよい。2つの凹部56の場合、第1の凹部は斜壁22の内面に配置されており、第2の凹部は傾斜壁26の内面に配置されている。別の実施形態では、2つの凹部56の場合、これらの凹部56は、斜壁22および傾斜壁26の両方の側に配置されており、これにより、これらの凹部56は、傾斜壁26用のガイド通路を形成している。この場合、一方の凹部56は、第1の部分18および第2の部分20の内面に沿って配置されており、他方の凹部56は、これらの第1の部分18および第2の部分20の外面に沿って配置されている。
【0066】
ここで、貯蔵タンク1の組立てプロセスを説明する。この組立てプロセス中に、貯蔵タンク1の容積内に荷積み塔および/または荷下ろし塔6が設置される。貯蔵タンク1の容積内への荷積み塔および/または荷下ろし塔6の設置は、貯蔵タンク1内の液化天然ガスを荷積みしかつ/または荷下ろしすることを可能にする。
【0067】
組立てプロセスは、ガイド装置16の事前位置決めステップから始まり、このとき、このガイド装置16は、荷積み塔および/または荷下ろし塔6のベースプレート14に結合される。特に、第1の部分18は溶接により、ベースプレート14に結合されている。このプロセスの次のステップは、荷積み塔および/または荷下ろし塔6の、ベースプレート14を介して互いに結合された支柱12を、貯蔵タンク1の蓋から、底壁2と結束したベース4まで下ろすことである。ベースプレート14がベース4に可能な限り近づくと、組立てプロセスは調節ステップを含む。この調節ステップの間に、ガイド装置16はその第1の位置からその第2の位置へ移動する。つまり、傾斜壁26が斜壁22に沿って摺動し、これにより、第2の部分20が第1の部分18に沿って並進する。次いで、ガイド装置16により支持されたバッファ30がベース4に接触し、これにより、荷積み塔および/または荷下ろし塔6の鉛直方向の並進移動を保証する一方で、貯蔵タンク1の底壁2に対して平行な平面内での如何なる運動も阻止する。ガイド装置16の位置は、検査ステップで検査され、このとき、オペレータが貫通孔54を介して、バッファ30が荷積み塔および/または荷下ろし塔6に接触していることを検査する。
【0068】
特に、第2の部分20の側面28は、鉛直方向Vに沿って測定した場合、鉛直方向Vに沿って測定したバッファ30の寸法よりも長い寸法を有している。したがって側面28は、ベース4の正面になるように、またはそれどころかベース4に接触するように設計されたその面のうちの1つに、バッファ30なしの少なくとも1つの領域を有している。図5において特に明らかなように、側面28は、ここではバッファ30によりカバーされていない第1の終端領域29と、第2の終端領域31とを含む。第1の終端領域29は、第2の部分20の第2の隔壁42の近くに配置されているのに対して、第2の終端領域31は、この第2の隔壁42とは反対の側にある。バッファ30は、鉛直方向Vに沿って第1の終端領域29と第2の終端領域31との間に配置された側面28の中央領域に支持されている。側面28におけるバッファ30のこのような位置は、ガイド装置16に加わる応力の改善を可能にし、このような応力は、ガイド装置16の使用時に、特に第2の終端領域31に集中する。
【0069】
したがって本発明は、液化天然ガスの貯蔵タンクのベースに関連する、荷積み塔および/または荷下ろし塔の設置をより簡単にするように構成されたバッファ用の支持体を提案するものであり、バッファ用の支持体の一部の、別の部分に対して相対的な可動性が、バッファ用の支持体の位置の調節を可能にし、ひいては荷積み塔および/または荷下ろし塔とベースとの間の組立てに必要とされるステップの数を減らすことを可能にする。
【0070】
本発明は、ここに説明して図示した手段および構成に限定されることはなく、必然的に、任意の同等の手段および構成、ならびにこのような手段の技術的に有効な任意の組合せをも含む。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【外国語明細書】