(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025010041
(43)【公開日】2025-01-20
(54)【発明の名称】動力電池及びその制御システム並びに制御方法
(51)【国際特許分類】
H02H 7/18 20060101AFI20250109BHJP
H02J 7/00 20060101ALI20250109BHJP
H02H 7/00 20060101ALI20250109BHJP
【FI】
H02H7/18
H02J7/00 S
H02H7/00 K
【審査請求】有
【請求項の数】15
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024105269
(22)【出願日】2024-06-28
(31)【優先権主張番号】202310802676.1
(32)【優先日】2023-06-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202321712941.9
(32)【優先日】2023-06-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】PCT/CN2024/098786
(32)【優先日】2024-06-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】523116767
【氏名又は名称】惠州億緯▲り▼能股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100166729
【弁理士】
【氏名又は名称】武田 幸子
(72)【発明者】
【氏名】胡 文斌
【テーマコード(参考)】
5G053
5G503
【Fターム(参考)】
5G053AA01
5G053AA02
5G053AA14
5G053BA01
5G053BA06
5G053CA01
5G053CA04
5G053DA01
5G053EA01
5G053EC01
5G053EC05
5G053FA05
5G503AA01
5G503BA01
5G503BB01
5G503FA06
5G503FA17
(57)【要約】 (修正有)
【解決手段】動力電池に適用される制御システム100は、スイッチ回路、サンプリング回路及び制御回路を含む。制御回路は、スイッチ回路の温度及び電池パックの電流に基づいて、動力電池の状態を決定し、動力電池の状態に基づいて、対応する操作を実行するように制御する。
【効果】制御システムは、動力電池をよりよく監視し、且つ、処理することで動力電池の内部デバイスを保護することができる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
動力電池に適用される制御システムであって、前記動力電池は、電池パックと、バスとを含み、前記制御システムは、
前記電池パックと前記バスとの間に接続され、前記スイッチ回路の温度を取得し且つ出力するように構成されているスイッチ回路と、
前記スイッチ回路と前記バスとの間に接続され、前記電池パックの電流をサンプリングするように構成されているサンプリング回路と、
前記スイッチ回路及び前記サンプリング回路に接続され、前記スイッチ回路の温度及び前記電池パックの電流に基づいて、前記動力電池の状態を決定し、前記動力電池の状態に基づいて、対応する操作を実行するように制御するように構成されている制御回路とを含む、制御システム。
【請求項2】
前記動力電池の状態は、短絡状態、過負荷状態及び正常動作状態を含み、前記短絡状態に対応する操作は、前記スイッチ回路を切断するように制御することであり、前記過負荷状態に対応する操作は、前記動力電池の動作パラメータを制御調節して前記動力電池を前記正常動作状態にすることである、請求項1に記載の制御システム。
【請求項3】
前記スイッチ回路は、リレーと、ヒューズとを含み、前記リレーは、前記電池パックと前記バスとの間に接続され、前記ヒューズは、前記電池パックと前記バスとの間に接続され、
前記スイッチ回路の温度は、前記リレーの第1温度及び/又は前記ヒューズの第2温度を含み、
前記制御回路は、前記リレーの第1温度及び/又は前記ヒューズの第2温度及び前記電池パックの電流に基づいて、前記動力電池の現在状態を決定する、請求項1に記載の制御システム。
【請求項4】
前記電池パックの電流が予め設定された電流閾値を超え、且つ前記リレーの第1温度が第1予め設定された時間内に第1予め設定された閾値を超え及び/又は前記ヒューズの第2温度が第2予め設定された時間内に第2予め設定された閾値を超えることに応答して、前記制御回路は、前記動力電池の現在状態が過負荷状態であることを決定する、請求項3に記載の制御システム。
【請求項5】
前記電池パックの電流が第1予め設定された電流閾値よりも小さく且つ第2予め設定された電流閾値よりも大きく、且つ前記リレーの第1温度が第1予め設定された温度閾値よりも大きく及び/又は前記ヒューズの第2温度が第2予め設定された温度閾値よりも大きいことに応答して、前記制御回路は、前記動力電池の現在状態が短絡状態であることを決定し、前記第1予め設定された電流閾値は、前記第2予め設定された電流閾値よりも大きい、請求項3に記載の制御システム。
【請求項6】
前記電池パックの電流が前記第1予め設定された電流閾値よりも小さく且つ前記第2予め設定された電流閾値よりも大きく、且つ前記リレーの第1温度の第1予め設定された時間内の温度上昇速度が第1温度上昇速度閾値よりも大きく及び/又は前記ヒューズの第2温度の第2予め設定された時間内の温度上昇速度が第2温度上昇速度閾値よりも大きいことに応答して、前記制御回路は、前記動力電池の現在状態が前記短絡状態であることを決定し、又は
前記電池パックの電流が前記第1予め設定された電流閾値よりも小さく且つ前記第2予め設定された電流閾値よりも大きく、且つ前記リレーの第1温度の温度値が第1温度値閾値を超え及び/又は前記ヒューズの第2温度の温度値が第2温度値閾値を超えることに応答して、前記制御回路は、前記動力電池の現在状態が前記短絡状態であることを決定する、請求項5に記載の制御システム。
【請求項7】
前記サンプリング回路は、前記電池パックの第1電流をサンプリングし、
前記制御回路は、前記スイッチ回路の温度及び前記電池パックの第1電流に基づいて、前記動力電池の現在状態が前記過負荷状態であることを決定し、前記動力電池の動作パラメータを制御調節して前記動力電池を前記正常動作状態にし、
前記制御回路が前記動力電池の動作パラメータを制御調節した後の第3予め設定された時間内に、前記サンプリング回路は、前記電池パックの第2電流をサンプリングし、
前記制御回路は、前記第2電流をさらに取得し、前記第2電流が前記第1電流以上であることに応答して、前記動力電池の現在状態が前記短絡状態に変わることを決定する、請求項2に記載の制御システム。
【請求項8】
前記の、前記動力電池の動作パラメータを調節することは、
前記動力電池の出力を低減させることを含む、請求項2-7のいずれか1項に記載の制御システム。
【請求項9】
前記スイッチ回路は、リレーと、第1温度センサと、リレー制御サブ回路とを含み、前記リレーは、前記電池パックと前記バスとの間に接続され、前記第1温度センサは、前記リレーに接続され、且つ前記リレーの第1温度を取得するように構成されており、前記リレー制御サブ回路は、前記第1温度センサに接続され、
前記制御回路は、
前記リレー制御サブ回路に接続され、前記第1温度及び前記電池パックの電流に応答して第1制御命令を送信することで、前記リレー制御サブ回路が前記第1制御命令に応答して前記リレーを切断するように制御し、それにより前記スイッチ回路を切断するように制御するように構成されている電池管理回路と、
前記リレー制御サブ回路に接続され、前記第1制御命令が送信されておらず又は前記リレー制御サブ回路が前記第1制御命令に応答していない時に第2制御命令を送信することで、前記リレー制御サブ回路が前記第2制御命令に応答して前記リレーを切断するように制御し、それにより前記スイッチ回路を切断するように制御するように構成されている車全体コントローラとを含む、請求項2-7のいずれか1項に記載の制御システム。
【請求項10】
前記電池管理回路は、前記第1制御命令を伝送するように、電源線を介して前記リレー制御サブ回路に接続され、
前記車全体コントローラは、前記第2制御命令を伝送するように、通信線を介して前記リレー制御サブ回路に接続され、
及び/又は、前記第1温度センサは、前記リレー制御サブ回路内に集積される、請求項9に記載の制御システム。
【請求項11】
前記サンプリング回路は、
前記スイッチ回路と前記バスとの間に接続され、且つ電流を伝導するように構成されている導体部と、
前記導体部の表面に設けられ、前記導体部の温度を前記サンプリング回路の第3温度として取得するように構成されている第3温度センサと、
前記第3温度センサ及び前記制御回路に接続され、前記導体部の表面に設けられ、前記第3温度及び前記電池パックの電流を取得し、前記第3温度に基づいて、前記電池パックの電流を修正するように構成されているプロセッサとを含む、請求項1-7のいずれか1項に記載の制御システム。
【請求項12】
前記導体部の表面は、第1表面と、第2表面とを含み、
前記第3温度センサは、前記導体部の第1表面に設けられ、前記プロセッサは、前記導体部の第2表面に設けられ、且つ前記第1表面は、前記第2表面に隣接する、請求項11に記載の制御システム。
【請求項13】
前記スイッチ回路は、
前記電池パックと前記バスとの間に接続され、前記電池パックの電流が第1予め設定された電流閾値よりも大きい場合に、溶断するように構成されているヒューズと、
それぞれ前記ヒューズ及び前記制御回路に接続され、且つ前記ヒューズのケーシングに設けられ、前記ヒューズの第2温度を取得するように構成されている第2温度センサとを含む、請求項1-7のいずれか1項に記載の制御システム。
【請求項14】
動力電池であって、電池パックと、バスと、前記電池パックと前記バスとの間に接続される請求項1-7のいずれか1項に記載の制御システムとを含む、動力電池。
【請求項15】
動力電池の制御方法であって、前記動力電池は、電池パックと、バスと、前記電池パックと前記バスとの間に接続される請求項1-7のいずれか1項に記載の制御システムとを含み、前記制御方法は、
前記制御回路が前記スイッチ回路の温度及び前記サンプリング回路によりサンプリングされた前記電池パックの電流を取得することと、
前記制御回路が前記スイッチ回路の温度及び前記電池パックの電流に基づいて、前記動力電池の状態を決定し、前記動力電池の状態に基づいて、対応する操作を実行するように制御することとを含む、動力電池の制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2023年06月30日に中国特許局に提出され、出願番号が202321712941.9の中国特許出願の優先権、2023年06月30日に中国特許局に提出され、出願番号が202310802676.1の中国特許出願の優先権及び2024年6月12日に世界知的財産組織に提出され、PCT 国際出願番号がPCT/CN2024/098786の国際特許出願の優先権を主張し、以上の出願の全ての内容は、引用により本願に組み込まれる。
【0002】
本願は、電池技術分野に関し、具体的には動力電池及びその制御システム並びに制御方法に関する。
【背景技術】
【0003】
動力電池は、電気自動車などの多くの分野で広く使われている。動力電池に過負荷又は短絡などの故障が生じると、大きな安全上の危険性が生じる。
【0004】
関連技術では、動力電池の状態監視効果が悪く、動力電池の状態状況をタイムリーに検出して反応することが難しいため、動力電池が安全ではない。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
第1態様によれば、本願実施例は、動力電池に適用される制御システムであって、前記動力電池は、電池パックと、バスとを含み、前記制御システムは、前記電池パックと前記バスとの間に接続され、前記スイッチ回路の温度を取得し且つ出力するように構成されているスイッチ回路と、前記スイッチ回路と前記バスとの間に接続され、前記電池パックの電流をサンプリングするように構成されているサンプリング回路と、前記スイッチ回路及び前記サンプリング回路に接続され、前記スイッチ回路の温度及び前記電池パックの電流に基づいて、前記動力電池の状態を決定し、前記動力電池の状態に基づいて、対応する操作を実行するように制御するように構成されている制御回路とを含む、制御システムを提供する。
【0006】
第2態様によれば、本願実施例は、電池パックと、バスと、前記電池パックと前記バスとの間に接続される上記第1態様に記載の制御システムとを含む、動力電池を提供する。
【0007】
第3態様によれば、本願実施例は、動力電池の制御方法であって、前記動力電池は、電池パックと、バスと、前記電池パックと前記バスとの間に接続される上記第1態様に記載の制御システムとを含み、前記制御方法は、前記制御回路が前記スイッチ回路の温度及び前記サンプリング回路によりサンプリングされた前記電池パックの電流を取得することと、前記制御回路が前記スイッチ回路の温度及び前記電池パックの電流に基づいて、前記動力電池の状態を決定し、前記動力電池の状態に基づいて、対応する操作を実行するように制御することとを含む、動力電池の制御方法を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本願実施例による動力電池の制御システムの構造概略図である。
【
図2】本願実施例による他の動力電池の制御システムの構造概略図である。
【
図3】本願実施例によるリレー回路の構造概略図である。
【
図4】本願実施例による他の動力電池の制御システムの構造概略図である。
【
図5】本願実施例によるヒューズ回路の構造概略図である。
【
図6】本願実施例によるサンプリング回路の構造概略図である。
【
図7】本願実施例による動力電池の構造概略図である。
【
図8】本願実施例による動力電池の制御方法のフローチャートである。
【
図9】本願実施例による他の動力電池の制御方法のフローチャートである。
【
図10】本願実施例による他の動力電池の制御方法のフローチャートである。
【
図11】本願実施例による他の動力電池の制御方法のフローチャートである。
【
図12】本願実施例による他の動力電池の制御方法のフローチャートである。
【
図13】本願実施例による他の動力電池の制御方法のフローチャートである。
【
図14】本願実施例による他の動力電池の制御方法のフローチャートである。
【
図15】本願実施例による他の動力電池の制御方法のフローチャートである。
【
図16】本願実施例による他の動力電池の制御方法のフローチャートである。
【
図17】本願実施例による制御回路の構造概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
なお、本願の明細書、特許請求の範囲及び上記図面における用語「第1」、「第2」などは、特定の順序又は優先順位を記述するために使用する必要なく、類似するオブジェクトを区別するためのものである。このように使用されるデータは、ここに記載された本願の実施例がここに図示又は説明されたものを除いた順序で実施できるように、適切な場合に交換可能であることを理解すべきである。また、用語「含む」及び「有する」並びにそれらの任意の変形は、非排他的な包含をカバーすることを意図し、例えば、一連のステップ又はユニットを含むプロセス、方法、システム、製品又は機器は、必ずしも明確に列挙されたそれらのステップ又はユニットに限定されず、明確に列挙されていないか又はそれらのプロセス、方法、製品又は機器に固有の他のステップ又はユニットを含んでもよい。
【0010】
関連技術では、動力電池の状態監視効果が悪く、動力電池の状態状況をタイムリーに検出して反応することが難しく、動力電池が安全ではない。たとえば、動力電池の過負荷監視効果が悪く、動力電池の過負荷状況をタイムリーに検出して反応することが難しく、動力電池が安全ではない。またたとえば、動力電池に短絡故障が生じると、通常、ヒューズの溶断のみにより受動的な短絡保護を行う。回路における短絡電流が小さく、ヒューズを急速に溶断することができず、回路における導体が通電能力を超える電流を受け、動力電池に危険が生じる可能性があるため、短絡故障の保護に対する感度が低い。
【0011】
本願は、動力電池に適用される制御システムであって、動力電池は、電池パックと、バスとを含み、制御システムは、電池パックとバスとの間に接続され、スイッチ回路の温度を取得し且つ出力するように構成されているスイッチ回路と、スイッチ回路とバスとの間に接続され、電池パックの電流をサンプリングするように構成されているサンプリング回路と、スイッチ回路及びサンプリング回路に接続され、スイッチ回路の温度及び電池パックの電流に基づいて、動力電池の状態を決定し、動力電池の状態に基づいて、対応する操作を実行するように制御するように構成されている制御回路とを含む、制御システムを提供する。
【0012】
いくつかの実施形態では、動力電池の状態は、短絡状態、過負荷状態及び正常動作状態を含み、短絡状態に対応する操作は、スイッチ回路を切断するように制御することであり、過負荷状態に対応する操作は、動力電池の動作パラメータを制御調節して動力電池を正常動作状態にすることである。
【0013】
いくつかの実施形態では、スイッチ回路は、リレーと、ヒューズとを含み、リレーは、電池パックとバスとの間に接続され、ヒューズは、電池パックとバスとの間に接続され、スイッチ回路の温度は、リレーの第1温度及び/又はヒューズの第2温度を含み、制御回路は、リレーの第1温度及び/又はヒューズの第2温度及び電池パックの電流に基づいて、動力電池の現在状態を決定する。
【0014】
いくつかの実施形態では、電池パックの電流が予め設定された電流閾値を超え、且つリレーの第1温度が第1予め設定された時間内に第1予め設定された閾値を超え及び/又はヒューズの第2温度が第2予め設定された時間内に第2予め設定された閾値を超えることに応答して、制御回路は、動力電池の現在状態が過負荷状態であることを決定する。
【0015】
いくつかの実施形態では、電池パックの電流が第1予め設定された電流閾値よりも小さく且つ第2予め設定された電流閾値よりも大きく、且つリレーの第1温度が第1予め設定された温度閾値よりも大きく及び/又はヒューズの第2温度が第2予め設定された温度閾値よりも大きいことに応答して、制御回路は、動力電池の現在状態が短絡状態であることを決定し、第1予め設定された電流閾値は、第2予め設定された電流閾値よりも大きい。
【0016】
いくつかの実施形態では、電池パックの電流が第1予め設定された電流閾値よりも小さく且つ第2予め設定された電流閾値よりも大きく、且つリレーの第1温度の第1予め設定された時間内の温度上昇速度が第1温度上昇速度閾値よりも大きく及び/又はヒューズの第2温度の第2予め設定された時間内の温度上昇速度が第2温度上昇速度閾値よりも大きいことに応答して、制御回路は、動力電池の現在状態が短絡状態であることを決定し、第1予め設定された電流閾値は、第2予め設定された電流閾値よりも大きい。
【0017】
いくつかの実施形態では、サンプリング回路は、電池パックの第1電流をサンプリングし、制御回路は、スイッチ回路の温度及び電池パックの第1電流に基づいて、動力電池の現在状態が過負荷状態であることを決定し、動力電池の動作パラメータを制御調節して動力電池を正常動作状態にし、制御回路が動力電池の動作パラメータを制御調節した後の第3予め設定された時間内に、サンプリング回路は、電池パックの第2電流をサンプリングし、制御回路は、さらに第2電流を取得し、第2電流が第1電流以上であることに応答して、動力電池の現在状態が短絡状態に変わることを決定する。
【0018】
いくつかの実施形態では、動力電池の動作パラメータを調節することは、動力電池の出力を低減させることを含む。
【0019】
いくつかの実施形態では、スイッチ回路は、リレーと、第1温度センサと、リレー制御サブ回路とを含み、リレーは、電池パックとバスとの間に接続され、第1温度センサは、リレーに接続され、且つリレーの第1温度を取得するように構成されており、リレー制御サブ回路は、第1温度センサに接続され、制御回路は、リレー制御サブ回路に接続され、第1温度及び電池パックの電流に応答して第1制御命令を送信することで、リレー制御サブ回路が第1制御命令に応答してリレーを切断するように制御し、それによりスイッチ回路を切断するように制御するように構成されている電池管理回路と、リレー制御サブ回路に接続され、第1制御命令が送信されておらず又はリレー制御サブ回路が第1制御命令に応答していない時に第2制御命令を送信することで、リレー制御サブ回路が第2制御命令に応じてリレーを切断するように制御し、それによりスイッチ回路を切断するように制御する車全体コントローラとを含む。
【0020】
いくつかの実施形態では、電池管理回路は、第1制御命令を伝送するように、電源線を介してリレー制御サブ回路に接続され、車全体コントローラは、第2制御命令を伝送するように、通信線を介してリレー制御サブ回路に接続され、及び/又は、第1温度センサは、リレー制御サブ回路内に集積される。
【0021】
いくつかの実施形態では、サンプリング回路は、スイッチ回路とバスとの間に接続され、且つ電流を伝導するように構成されている導体部と、導体部の表面に設けられ、導体部の温度をサンプリング回路の第3温度として取得するように構成されている第3温度センサと、第3温度センサ及び制御回路に接続され、導体部の表面に設けられ、第3温度及び電池パックの電流を取得し、第3温度に基づいて、電池パックの電流を修正するように構成されているプロセッサとを含む。
【0022】
いくつかの実施形態では、導体部の表面は、第1表面と、第2表面とを含み、第3温度センサは、導体部の第1表面に設けられ、プロセッサは、導体部の第2表面に設けられ、且つ第1表面は、第2表面に隣接する。
【0023】
いくつかの実施形態では、スイッチ回路は、電池パックとバスとの間に接続され、電池パックの電流が第1予め設定された電流閾値よりも大きい場合に、溶断するように構成されているヒューズと、ヒューズ及び制御回路に接続され、且つヒューズのケーシングに設けられ、ヒューズの第2温度を取得するように構成されている第2温度センサとを含む。
【0024】
本願は、電池パックと、バスと、電池パックとバスとの間に接続される上記制御システムとを含む、動力電池を提供する。
【0025】
本願は、動力電池の制御方法であって、動力電池は、電池パックと、バスと、電池パックとバスとの間に接続される制御システムとを含み、制御方法は、制御回路がスイッチ回路の温度及びサンプリング回路によりサンプリングされた電池パックの電流を取得することと、制御回路がスイッチ回路の温度及び電池パックの電流に基づいて、動力電池の状態を決定し、動力電池の状態に基づいて、対応する操作を実行するように制御することとを含む、動力電池の制御方法を提供する。
【0026】
図1は、本願実施例による動力電池の制御システムの構造概略図である。
図1を参照すると、本願実施例による動力電池の制御システム100は、スイッチ回路10と、サンプリング回路20と、制御回路30とを含む。スイッチ回路10は、電池パック40とバスL1との間に接続される。スイッチ回路10は、それ自体の温度を取得し且つ出力するように構成されている。サンプリング回路20は、スイッチ回路10とバスL1との間に接続される。サンプリング回路20は、動力電池の電流をサンプリングするように構成されている。制御回路30は、スイッチ回路10及びサンプリング回路20に接続される。制御回路30は、温度及び電流に基づいて、動力電池が短絡するか否か又は過負荷であるか否かを判断し、判断結果に基づいて制御命令をスイッチ回路10に送信するように構成されており、スイッチ回路10は、動力電池が短絡すると、制御命令に応答して切断するように構成されている。
【0027】
具体的には、動力電池の電池パック40は、スイッチ回路10及びサンプリング回路20を介してバスL1に接続される。電池パック40の動作中に、バスL1を流れる電流は、スイッチ回路10において熱を発生させ、スイッチ回路10は、電流がそれ自体を流れる時に生じた温度を取得することができる。サンプリング回路20は、電池パック40がバスL1を流れる電流をサンプリングすることができる。電池パック40の電流は、動力電池の電流を表すことができる。制御回路30は、スイッチ回路10の温度及びサンプリング回路20によりサンプリングされた電流を取得し、温度及び電流に基づいて、動力電池が短絡するか否かを判断することができる。制御回路30がスイッチ回路10の温度の予め設定された時間内の温度上昇速度が温度上昇速度閾値を超え又は温度値が温度値閾値を超えることを検出すると、制御回路30は、サンプリング回路20によりサンプリングされた電流を同期に取得し、現在の電流が第2予め設定された電流閾値よりも大きく且つ第1予め設定された電流閾値よりも小さい場合に、動力電池が短絡したと考えることができる。動力電池のヒューズは、短絡電流が小さいためまだトリガされていないか、溶断されていない可能性があり、この時、制御回路30は、制御命令を送信してスイッチ回路10を制御し、スイッチ回路10は、制御命令に応答して切断することで動力電池を保護する。
【0028】
例示的には、動力電池の動作中に、スイッチ回路10は、電流がそれ自体を流れる時に生じた温度を取得し、サンプリング回路20は、電池パック40がバスL1を流れる電流をサンプリングし、制御回路30は、スイッチ回路10の温度及びサンプリング回路20によりサンプリングされた電流を取得する。制御回路30がスイッチ回路10の温度の予め設定された時間内の温度上昇速度が温度上昇速度閾値を超え又は温度値が温度値閾値を超えることを検出すると、制御回路30は、サンプリング回路20によりサンプリングされた電流を同期に取得し、現在の電流が第2予め設定された電流閾値よりも大きく且つ第1予め設定された電流閾値よりも小さい場合に、制御回路30は、動力電池が短絡したことを判断し、制御命令を送信してスイッチ回路10を制御し、スイッチ回路10は、制御命令に応答して切断することで動力電池を保護する。
【0029】
本願実施例による動力電池の制御システムでは、制御回路は、スイッチ回路の温度及びサンプリング回路によりサンプリングされた電流を取得することにより、動力電池が短絡するか否かを判断する。動力電池が短絡すると、制御回路は、制御命令を送信してスイッチ回路を切断するように制御することで動力電池を保護する。本願実施例による動力電池の制御システムは、動力電池の短絡故障を判断する正確性の向上を実現し、短絡故障をタイムリーに処理することができる。
【0030】
選択可能に、
図2は、本願実施例による他の動力電池の制御システムの構造概略図である。
図2を参照すると、スイッチ回路10は、リレー回路11と、ヒューズ回路12とを含む。リレー回路11は、電池パック40とバスL1との間に接続され、それ自体の第1温度を取得し、動力電池が短絡すると、制御命令に応答して切断するように構成されている。ヒューズ回路12は、電池パック40とバスL1との間に接続され、それ自体の第2温度を取得し、動力電池の電流が第1予め設定された電流閾値よりも大きい場合に、溶断するように構成されている。制御回路30は、リレー回路11及びヒューズ回路12に接続され、第1温度及び/又は第2温度及び電流に基づいて、動力電池が短絡するか否かを判断し、判断結果に基づいて制御命令を送信するように構成されている。
【0031】
制御回路30は、動力電池の電流が第2予め設定された電流閾値よりも大きく且つ第1予め設定された電流閾値よりも小さく、第1温度が第1予め設定された温度閾値よりも大きく及び/又は第2温度が第2予め設定された温度閾値よりも大きい場合に、動力電池が短絡状態にあることを判定し、制御命令を送信するように構成されている。第1予め設定された電流閾値は、第2予め設定された電流閾値よりも大きい。
【0032】
いくつかの実施形態では、第1予め設定された温度閾値は、第1温度上昇速度閾値及び第1温度値閾値を含む。第1温度が第1予め設定された温度閾値よりも大きいことは、第1温度の第1予め設定された時間内の温度上昇速度が第1温度上昇速度閾値よりも大きいこと、又は第1温度の温度値が第1温度値閾値を超えることを含む。
【0033】
いくつかの実施形態では、第2予め設定された温度閾値は、第2温度上昇速度閾値及び第2温度値閾値を含む。第2温度が第2予め設定された温度閾値よりも大きいことは、第2温度の第2予め設定された時間内の温度上昇速度が第2温度上昇速度閾値よりも大きいこと、又は第2温度の温度値が第2温度値閾値を超えることを含む。
【0034】
第1予め設定された温度閾値及び第2予め設定された温度閾値は、それぞれリレー及びヒューズの温度閾値であり、両者は、同じでも異なってもよい。
【0035】
具体的には、スイッチ回路10は、リレー回路11と、ヒューズ回路12とを含む。リレー回路11は、電流が流れて生じた熱の第1温度を取得することができ、さらに制御命令に基づいて、動力電池の回路の遮断導通を制御することもできる。ヒューズ回路12は、電流が流れて生じた熱の第2温度を取得することができ、動力電池の電流が第1予め設定された電流閾値よりも大きい場合に、溶断することで動力電池を保護することができる。第1予め設定された電流閾値は、ヒューズ回路12が溶断できる電流値である。
【0036】
制御回路30は、取得した第1温度及び第2温度に基づいて動力電池の短絡状況を判断することができる。制御回路30が第1温度が第1予め設定された時間内に急速に高くなり又は第1温度値閾値を超え、及び/又は第2温度が第2予め設定された時間内に急速に高くなり又は第2温度値閾値を超え、且つヒューズ回路12が溶断されていない(すなわち動力電池の電流が第1予め設定された電流閾値よりも小さい)ことを検出すると、制御回路30は、サンプリング回路20によりサンプリングされた電流を取得し、電流が第2予め設定された電流閾値よりも大きいが第1予め設定された電流閾値よりも小さい場合に、動力電池に短絡故障が発生したことを判断することができる。この時、制御回路30は、制御命令を送信し、リレー回路11を切断するように制御することで動力電池を保護する。このようにすることにより、動力電池は、短絡故障すると、ヒューズ回路による受動的な切断及びリレー回路による能動的な切断の2つの方式で保護され、動力電池の安全性を向上させる。
【0037】
選択可能に、引き続き
図2を参照すると、リレー回路11は、リレー13と、第1温度センサ14と、リレー制御サブ回路15とを含む。リレー13は、電池パック40とバスL1との間に接続され、動力電池が短絡すると切断するように構成されている。第1温度センサ14は、リレー13に接続され、リレー13の第1温度を取得するように構成されている。リレー制御サブ回路15は、それぞれ第1温度センサ14及び制御回路30に接続され、第1温度を制御回路30に出力し、制御命令に基づいてリレー13のスイッチ状態を制御するように構成されている。
【0038】
具体的には、リレー13は、電池パック40及びバスL1に接続され、バスL1の電流は、リレー13を流れると熱を発生させる。第1温度センサ14は、リレー13の第1温度を取得し、リレー制御サブ回路15に出力することができる。制御回路30は、リレー制御サブ回路15によって第1温度を取得し、第1温度及び電流に基づいて動力電池の短絡状況を判断する。動力電池が短絡すると、制御回路30は、制御命令を送信し、リレー制御サブ回路15は、該制御命令を取得し且つリレー13を切断するように制御することで動力電池を保護することを実現する。このようにすることにより、リレーの温度に基づいて動力電池が短絡するか否かを判断し、更に動力電池の安全性を向上させる。
【0039】
選択可能に、
図3は、本願実施例によるリレー回路の構造概略図である。
図2及び
図3を併せ、第1温度センサ14は、リレー制御サブ回路15内に集積され、リレー回路11は、電源線a及び通信線bをさらに含む。電源線aは、リレー制御サブ回路15と制御回路30との間に接続され、電気信号で制御命令を伝送するように構成されている。通信線bは、リレー制御サブ回路15と制御回路30との間に接続され、デジタル信号で制御命令を伝送するように構成されている。
【0040】
具体的には、第1温度センサ14は、リレー制御サブ回路15内に集積される。リレー回路11は、さらにリレー制御サブ回路15に電源線a及び通信線bが設けられ、リレー制御サブ回路15は、電源線a及び通信線bを介して制御回路30に接続される。動力電池が短絡すると、制御回路30により送信された制御命令は、電源線aを介して電気信号の形式でリレー制御サブ回路15を制御することができ、通信線bを介してデジタル信号の形式でリレー制御サブ回路15を制御することもできる。例示的には、通信線は、CANバスであってもよく、送信した制御命令は、CAN命令であってもよい。このようにすることにより、リレーに対する制御効果を向上させ、リレー制御の信頼性を向上させ、更に動力電池の安全性を向上させる。
【0041】
選択可能に、
図4は、本願実施例による他の動力電池の制御システムの構造概略図である。
図4を参照すると、制御回路30は、電池管理回路31と、車全体コントローラ32とを含む。電池管理回路31は、リレー制御サブ回路15、サンプリング回路20及びヒューズ回路12に接続され、リレー制御サブ回路15は、電源線aを介して電池管理回路31に接続される。電池管理回路31は、第1温度及び/又は第2温度及び電流に基づいて動力電池が短絡するか否かを判断し、判断結果に基づいて第1制御命令をリレー13に送信するように構成されている。車全体コントローラ32は、リレー制御サブ回路15に接続され、つまり、リレー制御サブ回路は、通信線bを介して車全体コントローラ32に接続され、車全体コントローラ32は、リレー制御サブ回路15が第1制御命令に応答していない時に第2制御命令を送信するように構成されている。制御命令は、第1制御命令及び第2制御命令を含む。
【0042】
具体的には、制御回路30は、電池管理回路31と、車全体コントローラ32とを含み、電池管理回路31は、リレー制御サブ回路15、サンプリング回路20及びヒューズ回路12に接続され且つ第1温度、第2温度及び電流を取得することにより、動力電池が短絡するか否かを判断し、動力電池が短絡すると、第1制御命令を送信してリレー制御サブ回路15を制御し、更にリレー13を切断するように制御する。電池管理回路31が故障して第1制御命令を送信できない又はリレー制御サブ回路15が第1制御命令に応答していないと、リレー制御サブ回路15に接続される車全体コントローラ32は、通信線を介して第2制御命令を送信してリレー13を切断するように制御する。このようにすることにより、更にリレー制御の信頼性を向上させ、更に動力電池の安全性を向上させる。
【0043】
選択可能に、
図5は、本願実施例によるヒューズ回路の構造概略図である。
図4及び
図5を併せ、ヒューズ回路12は、ヒューズ17と、第2温度センサ16とを含む。ヒューズ17は、電池パック40とバスL1との間に接続され、動力電池の電流が第1予め設定された電流閾値よりも大きい場合に、溶断するように構成されている。第2温度センサ16は、ヒューズ17と制御回路30との間に接続され、ヒューズ17のケーシングに設けられ、ヒューズ17の第2温度を取得するように構成されている。
【0044】
具体的には、ヒューズ回路12は、ヒューズ17と、ヒューズ17のケーシングに設けられる第2温度センサ16とを含む。バスL1の電流は、ヒューズ17を流れて熱を発生させ、動力電池の電流が第1予め設定された電流閾値よりも大きい場合に、ヒューズ17は、溶断することで動力電池を保護することができる。第2温度センサ16は、ヒューズ17の第2温度を取得することができる。制御回路30は、第2温度センサ16によって第2温度を取得し、第2温度及び電流に基づいて動力電池の短絡状況を判断する。動力電池が短絡すると、制御回路30は、制御命令を送信してリレー13を切断するように制御することで動力電池を保護することを実現する。このようにすることにより、ヒューズの温度に基づいて動力電池が短絡するか否かを判断し、ヒューズの溶断が遅いことによる短絡電流による動力電池の損傷を防止し、更に動力電池の安全性を向上させる。
【0045】
選択可能に、引き続き
図4を参照すると、サンプリング回路20は、サンプラ21と、第3温度センサ22とを含み、サンプラ21は、スイッチ回路10とバスL1との間に接続され、制御回路30に接続され、動力電池の電流を取得し、第3温度に基づいて電流を修正するように構成されている。第3温度センサ22は、サンプラ21に接続され、サンプラ21の第3温度を取得するように構成されている。
【0046】
具体的には、サンプリング回路20は、サンプラ21と、第3温度センサ22とを含み、サンプラ21は、電池パック40がバスL1を流れる電流、すなわち動力電池の電流をサンプリングすることができる。第3温度センサ22は、電流がサンプリング回路20を流れる時に生じた熱の第3温度を取得することができ、サンプラ21は、第3温度に基づいて、サンプリングした電流を修正することができ、電流の正確性を更に向上させ、制御回路が動力電池が短絡するか否かを判断する正確性を更に向上させる。
【0047】
選択可能に、
図6は、本願実施例によるサンプリング回路の構造概略図である。
図4及び
図6を併せ、サンプラ21は、導体部23と、プロセッサ24とを含む。導体部23は、スイッチ回路10とバスL1との間に接続され、第3温度センサ22は、導体部23の表面に設けられ、導体部23は、電流を伝導して動力電池の電流を測定するように構成されている。プロセッサ24は、制御回路30に接続され、導体部23の表面に設けられ、導体部23の電流を取得し、第3温度に基づいて電流を修正するように構成されている。このようにすることにより、取得した電流及び温度の正確性を更に向上させる。
【0048】
具体的には、サンプラ21には、導体部23及び導体部23の表面に設けられるプロセッサ24が設けられ、また第3温度センサ22も導体部23の表面に設けられる。導体部23は、バスL1に接続され、電池パック40の動作時に生じた電流は、導体部23を流れ且つ熱を発生させる。第3温度センサ22は、導体部23の第3温度を取得し、サンプラ21は、導体部23の両端の電圧を取得し、知られている導体部23の抵抗に基づいて動力電池の電流を計算する。電流が導体部23を流れると、その温度が変化し、更にその抵抗値が変化し、導体部23の第3温度を取得することにより、導体部23の抵抗値を修正し、更に電流を修正することができる。
【0049】
選択可能に、引き続き
図6を参照すると、導体部23は、第1表面と、第2表面とを含む。第3温度センサ22は、導体部23の第1表面に設けられ、プロセッサ24は、導体部23の第2表面に設けられ、第1表面は、第2表面に隣接して設けられる。
【0050】
具体的には、導体部23は、隣接して設けられる第1表面と、第2表面とを含み、第3温度センサ22は、第1表面に設けられ、プロセッサ24は、第2表面に設けられ、プロセッサ24は、第3温度センサ22に接続される。プロセッサ24及び第3温度センサ22を隣接する位置に設けることにより、取得した電流の正確性を向上させ、制御回路が動力電池が短絡するか否かを判断する正確性を更に向上させることができる。
【0051】
選択可能に、第1表面の面積を第2表面の面積よりも小さくしてもよい。体積が小さい第3温度センサ22を面積が小さい第1表面に設け、体積が大きいプロセッサ24を面積が大きい第2表面に設けることができ、サンプリング回路の体積を小さくし、動力電池の制御システムの集積度を向上させやすく、動力電池の制御システムの体積を減少させる。
【0052】
例示的には、動力電池の動作中に、第1温度センサ14は、リレー13の第1温度を取得し、リレー制御サブ回路15に出力する。第2温度センサ16は、ヒューズ17の第2温度を取得する。サンプラ21は、電池パック40がバスL1を流れる電流をサンプリングし、第3温度センサ22により取得された第3温度に基づいて、サンプリングした電流を修正する。電池管理回路31は、取得した第1温度、第2温度及び電流に基づいて、動力電池が短絡するか否かを判断する。
【0053】
第1温度が第1予め設定された時間内及び/又は第2温度が第2予め設定された時間内に急速に高くなり且つ予め設定された温度閾値を超え、且つヒューズ17が溶断されておらず、また電流が第2予め設定された電流閾値よりも大きいが第1予め設定された電流閾値よりも小さい場合に、動力電池に短絡故障が生じたことを判断することができる。この時、電池管理回路31は、リレー制御サブ回路15に第1制御命令を送信し、リレー13を切断するように制御する。
【0054】
電池管理回路31が故障して第1制御命令を送信できない又はリレー制御サブ回路15が第1制御命令に応答していない場合に、リレー制御サブ回路15に接続される車全体コントローラ32は、通信線を介して第2制御命令を送信してリレー13を切断するように制御する。本実施例による動力電池の制御システムは、動力電池の短絡故障を判断する正確性の向上を実現し、短絡故障をタイムリーに処理することができ、動力電池の安全性を向上させる。
【0055】
選択可能に、
図7は、本願実施例による電池パックの構造概略図である。
図7を参照すると、本願実施例による動力電池200は、動力電池の制御システム100を含み、上記いずれかの実施例による動力電池の制御システム100の有益な効果を有し、ここでこれ以上説明しない。
【0056】
図8は、本願実施例による動力電池の制御方法のフローチャートである。動力電池は、電池パックと、バスと、制御システム、たとえば、上記いずれかの実施例又はその組み合わせにおける制御システム100とを含む。
図8を参照すると、本願実施例による動力電池の制御方法は、以下のステップを含む。
【0057】
S101、スイッチ回路の温度及びサンプリング回路により収集された第1電流を取得する。
【0058】
具体的には、動力電池のスイッチ回路は、動力電池回路の動作状態を制御することができ、スイッチ回路が切断される時、動力電池は、動作を停止させ、スイッチ回路が導通される時、動力電池は、動作する。動力電池の動作中に、電流は、スイッチ回路を流れて熱を発生させる。スイッチ回路の温度及びサンプリング回路により収集された動力電池の第1電流を取得することにより、動力電池の動作状態を判断することができる。
【0059】
S102、温度及び第1電流に基づいて、動力電池の動作状態を決定する。
【0060】
動作状態は、正常動作状態及び過負荷状態を含む。
【0061】
具体的には、スイッチ回路の温度及びサンプリング回路により収集された第1電流に基づいて、動力電池の動作状態を判断することができる。スイッチ回路の温度が安全温度閾値を超え、サンプリング回路により収集された第1電流が安全電流閾値を超える場合に、動力電池が過負荷状態にあることを判断することができる。このようにすることにより、動力電池の温度及び電流に基づいて動力電池の状態を判断することができ、正確性を向上させる。
【0062】
S103、動力電池の過負荷状態に基づいて、動力電池の動作パラメータを調節することで、正常動作状態で作動するように動力電池を制御する。
【0063】
具体的には、動力電池が過負荷状態にある時、動力電池の内部の電流は、安全電流閾値よりも大きく、温度は、高くなって安全温度閾値を超え、動力電池が動作を継続すると安全故障が生じる。この時、動力電池の動作パラメータを調節し、例えば、出力を低減させることで、動力電池により出力された電流を減少させ、温度を徐々に低下させ、動力電池を正常動作状態に戻す必要がある。このようにすることにより、動力電池の正常動作を維持し、動力電池の安全性を向上させる。
【0064】
例示的には、動力電池は、動作中に、スイッチ回路の温度及びサンプリング回路により収集された第1電流を取得する。スイッチ回路の温度が安全温度閾値を超え、サンプリング回路により収集された第1電流が安全電流閾値を超える場合に、動力電池が過負荷状態にあることを判断することができる。この時、動力電池の動作パラメータを調節し、例えば、出力を低減させることで、動力電池の電流を減少させ、温度を徐々に低下させ、動力電池を正常動作状態に戻す必要がある。
【0065】
本実施例による電池制御方法は、スイッチ回路の温度及びサンプリング回路により収集された第1電流を取得することにより、動力電池の動作状態を判断し、動力電池が過負荷状態にある時、動力電池の動作パラメータを調節することで、正常動作状態で作動するように動力電池を制御する。このようにすることにより、動力電池の正常動作を維持することを実現し、動力電池の安全性を向上させる。
【0066】
選択可能に、
図9は、本願実施例による他の動力電池の制御方法のフローチャートである。
図9を参照すると、本願実施例による動力電池の制御方法は、以下のステップを含む。
【0067】
S201、リレーの第1温度を取得する。
【0068】
具体的には、スイッチ回路は、リレーと、ヒューズとを含み、リレーは、動力電池回路の遮断導通を制御するように構成されている。動力電池の電流は、リレーを流れる時に第1温度を発生させ、第1温度は、動力電池の動作状態を判断するように設定されてもよい。
【0069】
S202、ヒューズの第2温度を取得する。
【0070】
スイッチ回路は、リレーと、ヒューズとを含み、詳細には上記実施例の説明を参照し、ここでこれ以上説明しない。
【0071】
具体的には、ヒューズは、動力電池の電流が予め設定された閾値を超える場合に、溶断することで動力電池を保護するように構成されており、たとえば、ヒューズ17は、動力電池の電流が第1予め設定された電流閾値を超える場合に、溶断することで動力電池を保護するように構成されている。動力電池の電流は、ヒューズを流れる時に第2温度を発生させ、第2温度は、動力電池の動作状態を判断するように設定されてもよい。
【0072】
S203、サンプリング回路により収集された第1電流を取得する。
【0073】
具体的には、サンプリング回路内には導体部が設けられ、サンプリング回路は、導体部の電圧を収集し、知られている導体部の抵抗に基づいて動力電池の動作時の第1電流を計算することができる。第1電流は、動力電池の動作状態を判断するように設定されてもよい。このようにすることにより、複数のパラメータによって動力電池の状態を判断することができ、正確性を更に向上させる。
【0074】
S102、温度及び第1電流に基づいて、動力電池の動作状態を決定し、動作状態は、正常動作状態及び過負荷状態を含み、温度は、リレーの第1温度及びヒューズの第2温度を含む。
【0075】
S103、動力電池の過負荷状態に基づいて、動力電池の動作パラメータを調節することで、正常動作状態で作動するように動力電池を制御する。
【0076】
選択可能に、
図10は、本願実施例による他の動力電池の制御方法のフローチャートである。
図10を参照すると、本願実施例による動力電池の制御方法は、以下のステップを含む。
【0077】
S201、リレーの第1温度を取得する。
【0078】
S202、ヒューズの第2温度を取得する。
【0079】
S203、サンプリング回路により収集された第1電流を取得する。
【0080】
S301、リレーの第1予め設定された時間内の第1温度と第1予め設定された閾値とを比較し、第1比較結果を得る。
【0081】
具体的には、動力電池の正常動作中に、リレーの第1温度は、第1予め設定された閾値以下である。第1温度が第1予め設定された閾値を超える場合に、動力電池は、過負荷状態にある可能性がある。
【0082】
いくつかの実施形態では、リレーの第1予め設定された時間内の第1温度と第1予め設定された閾値とを比較し、第1比較結果に基づいて動力電池の動作状態を判断することができる。
【0083】
S302、ヒューズの第2予め設定された時間内の第2温度と第2予め設定された閾値とを比較し、第2比較結果を得る。
【0084】
具体的には、動力電池の正常動作中に、ヒューズの第2温度は、第2予め設定された閾値以下である。第2温度が第2予め設定された閾値を超える場合に、動力電池は、過負荷状態にある可能性がある。
【0085】
いくつかの実施形態では、ヒューズの第2予め設定された時間内の第2温度と第2予め設定された閾値とを比較し、第2比較結果に基づいて動力電池の動作状態を判断することができる。
【0086】
該実施形態では、スイッチ回路は、リレーと、ヒューズとを含み、安全温度閾値は、第1予め設定された閾値及び第2予め設定された閾値を含む。
【0087】
なお、第1予め設定された時間は、第2予め設定された時間と同じであってもよく、第2予め設定された時間と異なってもよく、第1予め設定された閾値は、第2予め設定された閾値と同じであってもよく、第2予め設定された閾値と異なってもよく、ここで限定しない。
【0088】
なお、第1予め設定された温度閾値及び第2予め設定された温度閾値は、動力電池が短絡状態にあるか否かを判断するように設定されている。第1予め設定された閾値及び第2予め設定された閾値は、動力電池が過負荷状態にあるか否かを判断するように設定されている。いくつかの実施形態では、第1予め設定された温度閾値は、第1予め設定された閾値よりも高く、第2予め設定された温度閾値は、第2予め設定された閾値よりも高い。
【0089】
S303、サンプリング回路により収集された第1電流と第3予め設定された閾値とを比較し、第3比較結果を得る。
【0090】
具体的には、動力電池の正常動作中に、サンプリング回路により収集された動力電池の第1電流は、第3予め設定された閾値以下である。第1電流が第3予め設定された閾値を超える場合に、動力電池は、過負荷状態にある可能性がある。第1電流と第3予め設定された閾値とを比較し、第3比較結果に基づいて動力電池の動作状態を判断することができる。いくつかの実施形態では、第3予め設定された閾値と安全電流閾値とは、同じである。
【0091】
S304、第1比較結果、第2比較結果及び第3比較結果に基づいて、動力電池の動作状態を決定する。
【0092】
具体的には、第1比較結果に基づいて、リレーの温度が第1予め設定された時間内に急速に高くなり且つ第1予め設定された閾値を超えるか否かを決定することができる。第2比較結果に基づいて、ヒューズの温度が第2予め設定された時間内に急速に高くなり且つ第2予め設定された閾値を超えるか否かを決定することができる。第3比較結果に基づいて、動力電池の電流が第3予め設定された閾値を超えるか否かを決定することができる。リレーの温度変化状況、ヒューズの温度変化状況及び動力電池の電流変化状況に基づいて、動力電池の動作状態を決定することができる。
【0093】
S103、動力電池の過負荷状態に基づいて、動力電池の動作パラメータを調節することで、正常動作状態で作動するように動力電池を制御する。
【0094】
なお、予め設定された電流閾値は、動力電池が過負荷状態にあるか否かを判断するように設定されている。第1予め設定された電流閾値及び第2予め設定された電流閾値は、動力電池が短絡状態にあるか否かを判断するように設定されている。
【0095】
いくつかの実施形態では、予め設定された電流閾値と、安全電流閾値と、第3予め設定された閾値とは、同じである。
【0096】
いくつかの実施形態では、第1予め設定された電流閾値は、第2予め設定された電流閾値よりも大きく、第2予め設定された電流閾値は、予め設定された電流閾値よりも大きい。
【0097】
選択可能に、
図11は、本願実施例による他の動力電池の制御方法のフローチャートである。
図11を参照すると、本願実施例による動力電池の制御方法は、以下のステップを含む。
【0098】
S201、リレーの第1温度を取得する。
【0099】
S202、ヒューズの第2温度を取得する。
【0100】
S203、サンプリング回路により収集された第1電流を取得する。
【0101】
S301、リレーの第1予め設定された時間内の第1温度と第1予め設定された閾値とを比較し、第1比較結果を得る。
【0102】
S302、ヒューズの第2予め設定された時間内の第2温度と第2予め設定された閾値とを比較し、第2比較結果を得る。
【0103】
S303、サンプリング回路の第1電流と第3予め設定された閾値とを比較し、第3比較結果を得る。
【0104】
S401、第1予め設定された時間内の第1温度が第1予め設定された閾値を超え及び/又は第2予め設定された時間内の第2温度が第2予め設定された閾値を超え、且つ第1電流が第3予め設定された閾値を超える場合に、動力電池が過負荷状態にあることを判定する。
【0105】
具体的には、リレーの第1予め設定された時間内の第1温度が第1予め設定された閾値を超え及び/又はヒューズの第2予め設定された時間内の第2温度が第2予め設定された閾値を超え、且つサンプリング回路により収集された第1電流が第3予め設定された閾値を超える場合に、動力電池が過負荷状態にあると考えることができ、その動作パラメータを調整する必要がある。このようにすることにより、複数の判断根拠によって動力電池の動作状態を判断することで、タイムリーに処理しやすく、更に動力電池の安全性を向上させることができる。
【0106】
S103、動力電池の過負荷状態に基づいて、動力電池の動作パラメータを調節することで、正常動作状態で作動するように動力電池を制御する。
【0107】
選択可能に、
図12は、本願実施例による他の動力電池の制御方法のフローチャートである。
図12を参照すると、本願実施例による動力電池の制御方法は、以下のステップを含む。
【0108】
S101、スイッチ回路の温度及びサンプリング回路により収集された第1電流を取得する。
【0109】
S102、温度及び第1電流に基づいて、正常動作状態及び過負荷状態を含む動力電池の動作状態を決定する。
【0110】
S501、動力電池が過負荷状態にある時、出力を低減させるように動力電池を制御する。
【0111】
具体的には、動力電池が過負荷状態にある時、動力電池の内部のデバイスは、通電能力を超える電流を受けるため、温度が徐々に高くなり、長時間に過負荷状態にあると、動力電池の安全事故を引き起こす。この時、動力電池の出力を低減させることで動力電池の内部の電流を減少させ、それにより動力電池を保護する必要がある。このようにすることにより、動力電池の耐用年数を延長させ、コストを節約することができる。
【0112】
選択可能に、
図13は、本願実施例による他の動力電池の制御方法のフローチャートである。
図13を参照すると、本願実施例による動力電池の制御方法は、以下のステップを含む。
【0113】
S101、スイッチ回路の温度及びサンプリング回路により収集された第1電流を取得する。
【0114】
S102、温度及び第1電流に基づいて、正常動作状態及び過負荷状態を含む動力電池の動作状態を決定する。
【0115】
S501、動力電池が過負荷状態にある時、出力を低減させるように動力電池を制御する。
【0116】
S601、サンプリング回路により収集された第2電流を取得する。
【0117】
具体的には、動力電池の出力を低減させた後、サンプリング回路により収集された動力電池の第2電流を再取得し、現在の動力電池の電流の大きさを確認することができる。
【0118】
S602、サンプリング回路により第3予め設定された時間内に収集された第2電流と第1電流とを比較し、第4比較結果を得る。
【0119】
具体的には、動力電池が出力を低減させてからの第3予め設定された時間の後、サンプリング回路により収集された第2電流と第1電流とを比較し、比較結果に基づいて、動力電池の電流が低減したか否かを決定し、それにより動力電池が故障したか否かを判断することができる。
【0120】
S603、第4比較結果に基づいて、動力電池の故障状況を決定する。具体的には、第2電流が第1電流よりも小さい場合に、動力電池の出力が低減したことを確認することができる。第2電流が第1電流以上である場合に、動力電池の出力が低減しておらず、この時、動力電池が故障したか否かを確認し、それにより動力電池に対して対応する処理を行う必要がある。このようにすることにより、更に動力電池の安全性を向上させる。
【0121】
選択可能に、
図14は、本願実施例による他の動力電池の制御方法のフローチャートである。
図14を参照すると、本願実施例による動力電池の制御方法は、以下のステップを含む。
【0122】
S101、スイッチ回路の温度及びサンプリング回路により収集された第1電流を取得する。
【0123】
S102、温度及び第1電流に基づいて、正常動作状態及び過負荷状態を含む動力電池の動作状態を決定する。
【0124】
S501、動力電池が過負荷状態にある時、出力を低減させるように動力電池を制御する。
【0125】
S601、サンプリング回路により収集された第2電流を取得する。
【0126】
S602、サンプリング回路の第3予め設定された時間内の第2電流と第1電流とを比較し、第4比較結果を得る。
【0127】
S701、第2電流が第1電流よりも小さい場合に、動力電池が故障していないことを判定する。
【0128】
具体的には、第2電流が第1電流よりも小さい場合に、動力電池が出力を低減させた後、動力電池の電流が減少し、動力電池が正常に動作することが示される。この時、動力電池は、故障していない。
【0129】
S702、第2電流が第1電流以上である場合に、動力電池に短絡故障が生じたことを判定する。
【0130】
具体的には、第2電流が第1電流以上である場合に、動力電池が出力を低減させる操作を行ったが、実際に動力電池の電流が減少していないことが示され、この時、動力電池に外部短絡の故障が生じたと考えることができる。つまり、過負荷状態及び正常動作状態のほか、動力電池は、短絡状態をさらに有する。
【0131】
選択可能に、
図15は、本願実施例による他の動力電池の制御方法のフローチャートである。
図15を参照すると、本願実施例による動力電池の制御方法は、以下のステップを含む。
【0132】
S101、スイッチ回路の温度及びサンプリング回路により収集された第1電流を取得する。
【0133】
S102、温度及び第1電流に基づいて、正常動作状態及び過負荷状態を含む動力電池の動作状態を決定する。
【0134】
S501、動力電池が過負荷状態にある時、出力を低減させるように動力電池を制御する。
【0135】
S601、サンプリング回路により収集された第2電流を取得する。
【0136】
S602、サンプリング回路の第3予め設定された時間内の第2電流と第1電流とを比較し、第4比較結果を得る。
【0137】
S603、第4比較結果に基づいて、動力電池の故障状況を決定する。
【0138】
S801、動力電池に短絡故障が生じた場合に、リレーを切断するように制御する。具体的には、動力電池に短絡故障が生じた場合に、リレーを切断して動力電池の回路を切断することで、動力電池を保護する必要がある。電池管理回路によってリレーを切断するように制御することができ、車全体リレーによってリレーを切断するように制御することもできる。このようにすることにより、更に動力電池を保護し、安全性を向上させる。
【0139】
選択可能に、
図16は、本願実施例による他の動力電池の制御方法のフローチャートである。
図16を参照すると、本願実施例による動力電池の制御方法は、以下のステップを含む。
【0140】
S201、リレーの第1温度を取得する。
【0141】
S202、ヒューズの第2温度を取得する。
【0142】
S203、サンプリング回路により収集された第1電流を取得する。
【0143】
該実施例では、収集した第1電流の正確性を確保するために、サンプリング回路によって第1電流を修正し、具体的には、
S901において、サンプリング回路の第3温度を取得する。
【0144】
具体的には、サンプリング回路の第3温度を取得することで、動力電池の温度を確認することができ、第3温度は、動力電池の電流がサンプリング回路の導体部を流れて生じた温度である。導体部の抵抗値は、導体部の温度による影響を受け、更に導体部を流れる電流の大きさに影響を与える。第3温度を取得することで、サンプリング回路によりサンプリングされた電流を修正することができる。上記したように、サンプリング回路における第3温度センサによってサンプリング回路の第3温度を取得することができる。
【0145】
S902において、第3温度に基づいて、第1電流を修正する。
【0146】
具体的には、動力電池の電流がサンプリング回路の導体部を流れる時に生じた第3温度に基づいて、導体部の抵抗値を修正し、サンプリング回路により取得された第1電流を更に修正することができる。これにより、サンプリングされた電流の正確性を確保する。上記したように、サンプリング回路におけるプロセッサによって第1電流を修正することができる。
【0147】
S102、温度及び第1電流に基づいて、動力電池の動作状態を決定し、動作状態は、正常動作状態及び過負荷状態を含み、温度は、リレーの第1温度及びヒューズの第2温度を含む。
【0148】
S103、動力電池の過負荷状態に基づいて、動力電池の動作パラメータを調節することで、正常動作状態で作動するように動力電池を制御する。
【0149】
例示的には、動力電池は、動作中に、リレーの第1温度、ヒューズの第2温度、サンプリング回路の第3温度及びサンプリング回路により収集された第1電流を取得し、サンプリング回路は、第3温度に基づいて第1電流を修正する。リレーの第1予め設定された時間内の第1温度と第1予め設定された閾値とを比較し、ヒューズの第2予め設定された時間内の第2温度と第2予め設定された閾値とを比較し、サンプリング回路によりサンプリングされた第1電流と第3予め設定された閾値とを比較する。
【0150】
リレーの第1予め設定された時間内の第1温度が第1予め設定された閾値を超え及び/又はヒューズの第2予め設定された時間内の第2温度が第2予め設定された閾値を超え、且つサンプリング回路により収集された第1電流が第3予め設定された閾値を超える場合に、動力電池が過負荷状態にあると考えることができる。この時、動力電池の出力を低減させて動力電池の内部の電流を減少させ、それにより動力電池を保護する必要がある。
【0151】
動力電池が出力を低減させてからの第3予め設定された時間の後、サンプリング回路により収集された第2電流と第1電流とを比較し、第2電流が第1電流以上である場合に、動力電池が出力を低減させる操作を行ったが、実際に動力電池の電流が減少しておらず、動力電池に短絡故障が生じたことが示される。この時、電池管理システム又は車全体リレーによってリレーを切断するように制御し、更に動力電池を保護する。本実施例による電池制御方法は、動力電池の正常動作を維持することを実現し、動力電池の安全性を向上させる。
【0152】
選択可能に、
図17は、本願実施例による制御回路の構造概略図である。
図17を参照すると、本願実施例による制御回路30は、
スイッチ回路の温度及びサンプリング回路により収集された第1電流を取得するように構成されている取得モジュール171と、
温度及び第1電流に基づいて、正常動作状態及び過負荷状態を含む動力電池の動作状態を決定するように構成されている判断モジュール172と、
動力電池の過負荷状態に基づいて、動力電池の動作パラメータを調節することで、正常動作状態で作動するように動力電池を制御するように構成されている調節モジュール173とを含む。
【0153】
本願実施例による制御回路は、スイッチ回路の温度及びサンプリング回路により収集された第1電流を取得する。温度及び第1電流に基づいて、正常動作状態及び過負荷状態を含む動力電池の動作状態を決定する。動力電池の動作状態に基づいて、動力電池の動作パラメータを調節することで、正常動作状態で作動するように動力電池を制御する。動力電池の動作状態を判断することで動力電池の動作パラメータを調節し、動力電池の正常動作を維持することを実現し、動力電池の安全性を向上させる。
【0154】
上述したさまざまな形式のプロセスを使用して、ステップを並べ替え、追加、又は削除することができることを理解すべきである。例えば、本願に記載された各ステップは、並列に実行してもよいし、順次実行してもよいし、異なる順序で実行してもよい。本願の技術案で所望の結果が実現できれば、本明細書はここで制限しない。
【符号の説明】
【0155】
制御システム:100、スイッチ回路:10、サンプリング回路:20、制御回路:30、電池パック:40、バス:L1、
リレー回路:11、ヒューズ回路:12、リレー:13、第1温度センサ:14、リレー制御サブ回路:15、
電源線:a、通信線:b、
第2温度センサ:16、ヒューズ:17、サンプラ:21、第3温度センサ:22、電池管理回路:31、車全体コントローラ:32、
導体部:23、プロセッサ:24、
動力電池200、
S101-S103、S201-S203、S301-S304、S401、S501、S601-S603、S701-S702、S801、S901-S902:ステップ
取得モジュール:171、判断モジュール:172、調節モジュール173。
【外国語明細書】