IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ テイ・エス テック株式会社の特許一覧

特開2025-100491乗物用シートのシートバックフレーム
<>
  • 特開-乗物用シートのシートバックフレーム 図1
  • 特開-乗物用シートのシートバックフレーム 図2
  • 特開-乗物用シートのシートバックフレーム 図3
  • 特開-乗物用シートのシートバックフレーム 図4
  • 特開-乗物用シートのシートバックフレーム 図5
  • 特開-乗物用シートのシートバックフレーム 図6
  • 特開-乗物用シートのシートバックフレーム 図7
  • 特開-乗物用シートのシートバックフレーム 図8
  • 特開-乗物用シートのシートバックフレーム 図9
  • 特開-乗物用シートのシートバックフレーム 図10
  • 特開-乗物用シートのシートバックフレーム 図11
  • 特開-乗物用シートのシートバックフレーム 図12
  • 特開-乗物用シートのシートバックフレーム 図13
  • 特開-乗物用シートのシートバックフレーム 図14
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025100491
(43)【公開日】2025-07-03
(54)【発明の名称】乗物用シートのシートバックフレーム
(51)【国際特許分類】
   B60N 2/68 20060101AFI20250626BHJP
【FI】
B60N2/68
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024224800
(22)【出願日】2024-12-20
(31)【優先権主張番号】63/613,275
(32)【優先日】2023-12-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】000220066
【氏名又は名称】テイ・エス テック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001379
【氏名又は名称】弁理士法人大島特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】三好 晃
(72)【発明者】
【氏名】北山 恵一
【テーマコード(参考)】
3B087
【Fターム(参考)】
3B087DB02
3B087DB04
(57)【要約】
【課題】互いに重なり合わされた2つの枠状のパネルを有する、乗物用シートのシートバックフレームにおいて、シートバックフレームの剛性を高めること。
【解決手段】乗物用シート1のシートバックフレーム5であって、枠状の前パネル11と、前記前パネルの後部に結合された枠状の後パネル12とを有し、前記前パネルは、上下方向に延びる左右の前サイド部21と、左右方向に延び、左右の前記前サイド部に結合した複数の前クロス部22、23、44、46、47と、を有し、前記後パネルは、上下方向に延びる左右の後サイド部31と、左右方向に延び、左右の前記後サイド部に結合した複数の後クロス部32、33と、を有し、複数の前記前クロス部及び複数の前記後クロス部のうちの少なくとも2つのクロス部の間に掛け渡された第1補強部材13、14、16、41、45、48、49、55、61、66が設けられている。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
乗物用シートのシートバックフレームであって、
枠状の前パネルと、前記前パネルの後部に結合された枠状の後パネルとを有し、
前記前パネルは、上下方向に延びる左右の前サイド部と、左右方向に延び、左右の前記前サイド部に結合した複数の前クロス部と、を有し、
前記後パネルは、上下方向に延びる左右の後サイド部と、左右方向に延び、左右の前記後サイド部に結合した複数の後クロス部と、を有し、
複数の前記前クロス部及び複数の前記後クロス部のうちの少なくとも2つの間に掛け渡された第1補強部材が設けられている、シートバックフレーム。
【請求項2】
前記前クロス部及び前記後クロス部の少なくとも一方は、下方に突出する突出部を有し、前記突出部は、前記第1補強部材に結合されている、請求項1に記載のシートバックフレーム。
【請求項3】
前記第1補強部材は前後に貫通する少なくとも1つの肉抜孔を有する、請求項1に記載のシートバックフレーム。
【請求項4】
前記突出部の左右の幅は、前記第1補強部材の左右の幅よりも広い、請求項2に記載のシートバックフレーム。
【請求項5】
前記前クロス部及び前記後クロス部の少なくとも一方は、シートベルトガイドが取り付けられる第1端部を左右のいずれか一方に有し、
前記第1端部と、前記第1補強部材との間に架け渡された第2補強部材を有する、請求項1に記載のシートバックフレーム。
【請求項6】
前記第2補強部材は長手方向に延びる第1ビードを有する、請求項5に記載のシートバックフレーム。
【請求項7】
前記第1補強部材は長手方向に延びる第2ビードを有する、請求項1に記載のシートバックフレーム。
【請求項8】
前記第1補強部材には、送風装置が取り付けられている、請求項1に記載のシートバックフレーム。
【請求項9】
前記第1補強部材の板厚は、前記前パネルの板厚及び前記後パネルの板厚よりも厚い、請求項1に記載のシートバックフレーム。
【請求項10】
前記第1補強部材は、送風装置が取り付けられる取付部と、前記取付部の上方又は下方の少なくとも一方に形成され、前記取付部よりも容易に変形する易変形部と、を有する、請求項1に記載のシートバックフレーム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、乗物用シートのシートバックフレームに関する。
【背景技術】
【0002】
多くの乗物用シートのシートバックは、シートバックの骨格をなすシートバックフレームを有する。そして、互いに重なり合わされた2つの枠状のパネルを有するシートバックフレームがある。例えば、特許文献1には、互いに重なり合わされて結合されたフロントシェル及びリアシェルを有するシートバックフレームが記載されている。フロントシェル及びリアシェルは、枠状のパネルである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】独国特許出願公開第102004048350A1号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
互いに重なり合わされた2つの枠状のパネルを有する、乗物用シートバックフレームは、剛性の確保が重要である。
【0005】
本発明は、以上の背景に鑑み、互いに重なり合わされた2つの枠状のパネルを有する、乗物用シートのシートバックフレームにおいて、シートバックフレームの剛性を高めることを課題とする
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明の一態様は、乗物用シート(1)のシートバックフレーム(5)であって、枠状の前パネル(11)と、前記前パネルの後部に結合された枠状の後パネル(12)とを有し、前記前パネルは、上下方向に延びる左右の前サイド部(21)と、左右方向に延び、左右の前記前サイド部に結合した複数の前クロス部(22、23、44、46、47)と、を有し、前記後パネルは、上下方向に延びる左右の後サイド部(31)と、左右方向に延び、左右の前記後サイド部に結合した複数の後クロス部(32、33)と、を有し、複数の前記前クロス部及び複数の前記後クロス部のうちの少なくとも2つのクロス部の間に掛け渡された第1補強部材(13、14、16、41、45、48、49、55、61、66)が設けられている。
【0007】
この態様によれば、第1補強部材は、互いに重なり合わされた2つの枠状のパネルを有する、乗物用シートのシートバックフレームにおいて、シートバックフレームの剛性を高めることができる。そして、シートバックフレームは適切な剛性を有することができる。
【0008】
上記の態様において、前記前クロス部及び前記後クロス部の少なくとも一方は、下方に突出する突出部(22C、32C)を有し、前記突出部は、前記第1補強部材に結合されているとよい。
【0009】
この態様によれば、突出部により、第1補強部材を前クロス部及び後クロス部の少なくとも一方に取り付けることを容易にすることができる。
【0010】
上記の態様において、前記第1補強部材は前後に貫通する少なくとも1つの肉抜孔(41A)を有するとよい。
【0011】
この態様によれば、第1補強部材を軽量にすることができる。ひいては、シートバックフレームを軽量にすることができる。
【0012】
上記の態様において、前記突出部の左右の幅は、前記第1補強部材の左右の幅よりも広いとよい。
【0013】
この態様によれば、第1補強部材を突出部に取り付けることを容易にすることができる。
【0014】
上記の態様において、前記前クロス部及び前記後クロス部の少なくとも一方は、シートベルトガイド(14)が取り付けられる第1端部(22D、32D)を左右のいずれか一方に有し、前記第1端部と、前記第1補強部材との間に架け渡された第2補強部材(42、51、56)を有するとよい。
【0015】
この態様によれば、シートベルトガイドが取り付けられている第1端部を第2補強部材が補強する。これにより、シートバックフレームは、シートベルトからシートベルトガイドを介して第1端部にかかる荷重に対してより確実に抗することができる。
【0016】
上記の態様において、前記第2補強部材は長手方向に延びる第1ビード(51A、56A)を有するとよい。
【0017】
この態様によれば、第1ビードは、第2補強部材の剛性を高めることができる。ひいては、第1ビードはシートバックフレームの剛性を高めることができる。
【0018】
上記の態様において、前記第1補強部材は長手方向に延びる第2ビード(55A)を有するとよい。
【0019】
この態様によれば、第2ビードは、第1補強部材の剛性を高めることができる。ひいては、第2ビードはシートバックフレームの剛性を高めることができる。
【0020】
上記の態様において、前記第1補強部材には、送風装置(62、67)が取り付けられているとよい。
【0021】
送風装置は、着座者の背中等に風を送るために用いられる。この態様によれば、第1補強部材に送風装置が取り付けられていることで、送風装置は着座者の背中に近い位置に配置されている。従って、送風装置を好適な位置に配置することができる。
【0022】
上記の態様において、前記第1補強部材の板厚は、前記前パネルの板厚及び前記後パネルの板厚よりも厚いとよい。
【0023】
この態様によれば、第1補強部材の強度を確実に確保することができる。従って、第1補強部材がシートバックフレーム5の強度をより確実に高めることができる。
【0024】
上記の態様において、前記第1補強部材は、送風装置(62)が取り付けられる取付部(61A)と、前記取付部の上方又は下方の少なくとも一方に形成され、前記取付部よりも容易に変形する易変形部(61B、61C)と、を有するとよい。
【0025】
この態様によれば、着座者の背中から送風装置に荷重がかかった場合に、易変形部が変形することで、送風装置が荷重のかかる方向(後方)に移動できる。これにより、着座者の送風装置に対する違和感を抑制することができる。
【発明の効果】
【0026】
上記課題を解決するために、本発明の一態様は、乗物用シート(1)のシートバックフレーム(5)であって、枠状の前パネル(11)と、前記前パネルの後部に結合された枠状の後パネル(12)とを有し、前記前パネルは、上下方向に延びる左右の前サイド部(21)と、左右方向に延び、左右の前記前サイド部に結合した複数の前クロス部(22、23、44、46、47)と、を有し、前記後パネルは、上下方向に延びる左右の後サイド部(31)と、左右方向に延び、左右の前記後サイド部に結合した複数の後クロス部(32、33)と、を有し、複数の前記前クロス部及び複数の前記後クロス部のうちの少なくとも2つのクロス部の間に掛け渡された第1補強部材(13、14、16、41、45、48、49、55、61、66)が設けられている。
【0027】
この態様によれば、第1補強部材は、互いに重なり合わされた2つの枠状のパネルを有する、乗物用シートのシートバックフレームにおいて、シートバックフレームの剛性を高めることができる。そして、シートバックフレームは適切な剛性を有することができる。
【0028】
上記の態様において、前記前クロス部及び前記後クロス部の少なくとも一方は、下方に突出する突出部(22C、32C)を有し、前記突出部は、前記第1補強部材に結合されているとよい。
【0029】
この態様によれば、突出部により、第1補強部材を前クロス部及び後クロス部の少なくとも一方に取り付けることを容易にすることができる。
【0030】
上記の態様において、前記第1補強部材は前後に貫通する少なくとも1つの肉抜孔(41A)を有するとよい。
【0031】
この態様によれば、第1補強部材を軽量にすることができる。ひいては、シートバックフレームを軽量にすることができる。
【0032】
上記の態様において、前記突出部の左右の幅は、前記第1補強部材の左右の幅よりも広いとよい。
【0033】
この態様によれば、第1補強部材を突出部に取り付けることを容易にすることができる。
【0034】
上記の態様において、前記前クロス部及び前記後クロス部の少なくとも一方は、シートベルトガイド(14)が取り付けられる第1端部(22D、32D)を左右のいずれか一方に有し、前記第1端部と、前記第1補強部材との間に架け渡された第2補強部材(42、51、56)を有するとよい。
【0035】
この態様によれば、シートベルトガイドが取り付けられている第1端部を第2補強部材が補強する。これにより、シートバックフレームは、シートベルトからシートベルトガイドを介して第1端部にかかる荷重に対してより確実に抗することができる。
【0036】
上記の態様において、前記第2補強部材は長手方向に延びる第1ビード(51A、56A)を有するとよい。
【0037】
この態様によれば、第1ビードは、第2補強部材の剛性を高めることができる。ひいては、第1ビードはシートバックフレームの剛性を高めることができる。
【0038】
上記の態様において、前記第1補強部材は長手方向に延びる第2ビード(55A)を有するとよい。
【0039】
この態様によれば、第2ビードは、第1補強部材の剛性を高めることができる。ひいては、第2ビードはシートバックフレームの剛性を高めることができる。
【0040】
上記の態様において、前記第1補強部材には、送風装置(62、67)が取り付けられているとよい。
【0041】
送風装置は、着座者の背中等に風を送るために用いられる。この態様によれば、第1補強部材に送風装置が取り付けられていることで、送風装置は着座者の背中に近い位置に配置されている。従って、送風装置を好適な位置に配置することができる。
【0042】
上記の態様において、前記第1補強部材の板厚は、前記前パネルの板厚及び前記後パネルの板厚よりも厚いとよい。
【0043】
この態様によれば、第1補強部材の強度を確実に確保することができる。従って、第1補強部材がシートバックフレーム5の強度をより確実に高めることができる。
【0044】
上記の態様において、前記第1補強部材は、送風装置(62)が取り付けられる取付部(61A)と、前記取付部の上方又は下方の少なくとも一方に形成され、前記取付部よりも容易に変形する易変形部(61B、61C)と、を有するとよい。
【0045】
この態様によれば、着座者の背中から送風装置に荷重がかかった場合に、易変形部が変形することで、送風装置が荷重のかかる方向(後方)に移動できる。これにより、着座者の送風装置に対する違和感を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0046】
図1】第1実施形態に係る乗物用シートの斜視図
図2】第1実施形態に係るシートバックフレームの分解斜視図
図3図2のシートバックフレームの正面図
図4図2のIV-IV断面図
図5】第2実施形態に係るシートバックフレームの正面図
図6】第3実施形態に係るシートバックフレームの正面図
図7】第4実施形態に係るシートバックフレームの正面図
図8】第5実施形態に係るシートバックフレームの正面図
図9】第6実施形態に係るシートバックフレームの正面図
図10】第7実施形態に係るシートバックフレームの正面図
図11】第8実施形態に係るシートバックフレームの正面図
図12】第9実施形態に係るシートバックフレームの正面図
図13図12のXIII-XIII断面図
図14】第10実施形態に係るシートバックフレームの正面図
【発明を実施するための形態】
【0047】
以下、図面を参照して、本発明に係る乗物用シートを自動車の乗物用シートに適用した実施形態について説明する。図面及び以下の説明において、前後左右上下は、乗物用シート1に着座した乗員を基準にして定められた方向である。また、シート内方(又は、シート内側)は、正面視で乗物用シート1の左右方向(シート幅方向ともいう)における中央に向かう方向である。また、シート外方(又は、シート外側)は、乗物用シート1の左右方向における中央から離れる方向である。
【0048】
<<第1実施形態>>
図1に示すように、乗物用シート1は、乗員の臀部を支持するシートクッション2と、シートクッション2の後部から上方に延びるシートバック3と、シートバック3の上部に設けられたヘッドレスト4と、を有する。シートバック3は乗員の背部を支持する。ヘッドレスト4は、乗員の頭部を支持する。シートクッション2は、骨格をなすシートクッションフレーム(不図示)と、シートクッションフレームに支持されるパッド(不図示)と、パッドの表面を覆う表皮材2Aとを有する。シートバック3は、骨格をなすシートバックフレーム5(図2参照)と、シートバックフレーム5に支持されるパッド(不図示)と、パッドの表面を覆う表皮材3Aとを有する。
【0049】
<シートバックフレーム5の構成>
図2に示すように、シートバックフレーム5は、前パネル11と、後パネル12と、前第1補強部材13と、後第1補強部材14と、を有する。前パネル11及び後パネル12にはシートベルトガイド15が取り付けられている。前第1補強部材13と、後第1補強部材14とを結合したものは、「第1補強部材16」と呼ばれる。
【0050】
図2に示すように、前パネル11及び後パネル12は四角枠状に形成された板金部材である。後パネル12は、前パネル11の後部に結合されている。前パネル11は、着座者の荷重を受ける。
【0051】
前パネル11は、左右の前サイド部21と、前アッパ部22と、前ロア部23と、を有する。左右の前サイド部21は、上下に延びている。前サイド部21のそれぞれは、面が左右を向く内壁部21Aと、内壁部21Aの後縁からシートの左右内方に延びる後壁部21Bと、内壁部21Aの前縁からシートの左右外方に延びる前壁部21Cとを有する。後壁部21B及び前壁部21Cのそれぞれは、前後を向く面を形成している。内壁部21A、後壁部21B、及び前壁部21Cは上下方向に延びている。左右の前サイド部21は、内壁部21A、後壁部21B及び前壁部21Cを有するように折り曲げられていることで剛性が高められている。
【0052】
前アッパ部22は、左右に延び、左右の前サイド部21の上端のそれぞれに結合している。前アッパ部22は、面が前後を向く前壁部22Aと、前壁部22Aの上縁から後方に延びる上壁部22Bとを有する。前壁部22A及び上壁部22Bは左右方向に延びている。前壁部22Aは、左右方向中央部から下方に突出する突出部22Cを有する。また、前壁部22Aは、左右の前壁部21Cと結合している。上壁部22Bは、シートベルトガイド15が取り付けられている左端部22D(第1端部)を有する。上壁部22Bは、上下を向く面を形成している。前アッパ部22は、前壁部22A及び上壁部22Bを有するように折り曲げられていることで剛性が高められている。
【0053】
前ロア部23は、左右に延び、左右の前サイド部21の下端のそれぞれに結合している。前ロア部23は、面が前後を向く内壁部23Aと、内壁部23Aの下縁から前方に延びる前壁部23Bと、前壁部23Bの下縁から下方に延びる下壁部23Cと、下壁部23Cの下縁から後方に延びる底壁部23Dとを有する。内壁部23Aは、左右の後壁部21Bに結合している。前壁部23Bは、上下を向く面を形成している。下壁部23Cは、前後を向く面を形成している。底壁部23Dは、上下を向く面を形成している。前ロア部23は、内壁部23A、前壁部23B、下壁部23C及び底壁部23Dを有するように折り曲げられていることで剛性が高められている。
【0054】
前アッパ部22及び前ロア部23は、左右方向に延び、左右の前サイド部21に結合した前クロス部の一種である。また、前パネル11は、左右の前サイド部21と、前アッパ部22と、前ロア部23とに囲まれた貫通孔H1を有する。
【0055】
後パネル12は、左右の後サイド部31と、後アッパ部32と、後ロア部33と、を有する。左右の後サイド部31は、上下に延びている。左右の後サイド部31のそれぞれは、面が左右を向く外壁部31Aと、外壁部31Aの後縁からシート内方に延びる後壁部31Bとを有する。後壁部31Bは、前後を向く面を形成している。左右の後サイド部31は、外壁部31A及び後壁部31Bを有するように折り曲げられていることで剛性が高められている。
【0056】
後アッパ部32は、左右に延び、左右の後サイド部31の上端のそれぞれに結合している。後アッパ部32は、面が前後を向く後壁部32Aと、後壁部32Aの上縁から前方に延びる上壁部32Bとを有する。後壁部32Aは、左右方向中央部から下方に突出する突出部32Cを有する。突出部32Cは、後壁部32Aの下縁から前方に延びる前突出部32Eと、前突出部32Eの下縁から下方に延びる下突出部32Fとを有する。前突出部32Eは、上下を向く面を形成している。前突出部32Eは、前後を向く面を形成している。上壁部32Bは、上下を向く面を形成している。上壁部32Bは、シートベルトガイド15が取り付けられている左端部32D(第1端部)と、を有している。後壁部32Aは、左右の後壁部31Bに結合されている。また、上壁部32Bは、左右の外壁部31Aに結合されている。後アッパ部32は、後壁部32A、上壁部32B、前突出部32E及び下突出部32Fを有するように折り曲げられていることで剛性が高められている。
【0057】
シートベルトガイド15は、前アッパ部22の左端部22Dと後アッパ部32の左端部32Dとに取り付けられている。シートベルトガイド15は、前アッパ部22の左端部22D及び後アッパ部32の左端部32Dにボルト及びナットで締結されている。
【0058】
後ロア部33は、左右に延び、左右の後サイド部31の下端のそれぞれに結合している。後ロア部33は、面が前後を向く内壁部33Aと、内壁部33Aの下縁から前方に延びる前壁部33Bと、を有する。前壁部33Bは上下を向く面を形成している。後ロア部33は、内壁部33A及び前壁部33Bを有するように折り曲げられていることで剛性が高められている。また、後アッパ部32及び後ロア部33は、左右方向に延び、左右の後サイド部31に結合した後クロス部の一種である。
【0059】
図4に示すように、前アッパ部22の前壁部22A及び上壁部22Bと、後アッパ部32の後壁部32A、上壁部32B及び前突出部32Eとは、協働して閉断面構造を形成している。これにより、シートバックフレーム5の剛性が高められている。
【0060】
図示は省略するが、左右の前サイド部21の内壁部21A、後壁部21B及び前壁部21Cと、左右の後サイド部31の外壁部31A及び後壁部31Bとは、一体となって上下に延びるピラー状になっており、協働して閉断面構造を形成している。これにより、シートバックフレーム5の剛性が高められている。
【0061】
後パネル12は、左右の後サイド部31と、後アッパ部32と、後ロア部33とに囲まれた貫通孔H2を有する。図3に示すように、前パネル11の貫通孔H1と、後パネル12の貫通孔H2とは、互いに重なり合っている。貫通孔H1と貫通孔H2、協働してシートバックフレーム5の貫通孔Hを形成している。貫通孔H1及び貫通孔H2によって、シートバックフレーム5は軽量化されている。
【0062】
図2に示すように、前第1補強部材13は、上下に延びる板状に形成された板金部材である。前第1補強部材13は、上下に延びて面が前後を向く板部13Aと、板部13Aの左右の縁部から後方に延びる左右の側板部13Bとを有する。板部13Aの上下の長さは、左右の側板部13Bの上下の長さよりも長い。図3及び図4に示すように、前第1補強部材13は、前アッパ部22の突出部22Cと、前ロア部23の内壁部23Aとの間に掛け渡されている。前第1補強部材13の板部13Aでは、上端部が前アッパ部22の突出部22Cの前面に結合され、下端部が前ロア部23の内壁部23Aの前面に結合されている。
【0063】
前第1補強部材13の板厚(板部13A及び側板部13Bの板厚)は、前パネル11の板厚及び後パネル12の板厚よりも厚い。また、図2及び図3に示すように、前アッパ部22の突出部22Cの左右の幅は、前第1補強部材13の左右の幅(板部13Aの左右の幅)よりも広い。
【0064】
図2に示すように、後第1補強部材14は、上下に延びる板状に形成された板金部材である。後第1補強部材14は、上下に延びて面が前後を向く板部14Aと、板部14Aの左右の縁部から前方に延びる左右の側板部14Bとを有する。板部14Aの上下の長さは、左右の側板部14Bの上下の長さよりも長い。図2及び図4に示すように、後第1補強部材14は、後アッパ部32の突出部32Cと、後ロア部33との間に掛け渡されている。後第1補強部材14の板部14Aでは、上端部が後アッパ部32の突出部32Cの後面に結合され、下端部が後ロア部33の後面に結合されている。
【0065】
図4に示すように、後第1補強部材14の板厚(板部14A及び側板部14Bの板厚)は、前パネル11の板厚及び後パネル12の板厚よりも厚い。また、図2に示すように、後アッパ部32の突出部32Cの左右の幅は、後第1補強部材14の左右の幅(板部14Aの左右の幅)よりも広い。
【0066】
図2に示すように、前第1補強部材13の左右の側板部13Bと、後第1補強部材14の左右の側板部14Bとは、互いに結合されている。これにより、前第1補強部材13の板部13A及び左右の側板部13Bと、後第1補強部材14の板部14A及び左右の側板部14Bとが閉断面構造を形成している。この閉断面構造により、第1補強部材16の剛性が高められている。
【0067】
なお、前第1補強部材13及び後第1補強部材14のうちのいずれか一方が省かれてもよい。前第1補強部材13及び後第1補強部材14の代わりに、前アッパ部22と後ロア部33の間に架け渡された第1補強部材が設けられてもよい。また、前第1補強部材13及び後第1補強部材14の代わりに、後アッパ部32と前ロア部23の間に架け渡された第1補強部材が設けられてもよい。
【0068】
<乗物用シート1の製造方法>
次に、乗物用シート1の製造方法について説明する。乗物用シート1の製造方法は、シートバックフレーム5を製造する第1工程と、シートバックフレーム5とシートクッションフレームとを組み付ける第2工程と、シートバックフレーム5にパッド及び表皮材3Aを組み付ける第3工程とを含む。
【0069】
シートバックフレーム5を製造する第1工程には、前パネル11及び後パネル12をプレス加工により製造するパネル製造工程と、シートベルトガイド15を前アッパ部22及び後アッパ部32に取り付けるシートベルトガイド取付工程と、前パネル11と後パネル12とを周縁部にて結合するパネル結合工程と、前第1補強部材13、後第1補強部材14を製造する第1製造工程と、前第1補強部材13を前パネル11に取り付ける前第1取付工程と、後第1補強部材14を後パネル12及び前第1補強部材13に取り付ける後第1取付工程とが含まれる。
【0070】
前パネル11と後パネル12との結合、前第1補強部材13と前アッパ部22の突出部22Cとの結合、後第1補強部材14と後アッパ部32の突出部32Cとの結合、及び、前第1補強部材13と後第1補強部材14との結合は、リベットを用いた結合でもよく、接着による結合でもよく、溶接による結合でもよく、ボルト及びナットを用いた締結による結合でもよく、さらに、これらの組み合わせた結合でもよい。
【0071】
次に、シートバックフレーム5の効果について説明する。
【0072】
図3に示すように、前第1補強部材13は、前アッパ部22の突出部22Cと、前ロア部23との間に掛け渡されており、貫通孔Hの一部を閉塞している。また、後第1補強部材14は、後アッパ部32の突出部32Cと、後ロア部33との間に掛け渡されており、貫通孔Hの一部を閉塞している。これにより、第1補強部材16、前第1補強部材13及び後第1補強部材14は、シートバックフレーム5の剛性を高めることができる。そして、シートバックフレーム5は、適切な剛性を有することができる。
【0073】
図4に示すように、前第1補強部材13の上端部は前パネル11の前アッパ部22(前クロス部)から下方に突出する突出部22Cに結合されている。突出部22Cにより、前第1補強部材13を前アッパ部22に取り付けることが容易になる。また、後第1補強部材14の上端部は後パネル12の後アッパ部32から下方に突出する突出部32Cに結合されている。突出部32Cにより、後第1補強部材14を後アッパ部32に取り付けることが容易になる。
【0074】
図2及び図3に示すように、突出部22Cの左右の幅は、前第1補強部材13の左右の幅(板部13Aの左右の幅)よりも広い。これにより、前第1補強部材13を突出部22Cに取り付けることを容易にすることができる。また、図2に示すように、突出部32Cの左右の幅は、後第1補強部材14の左右の幅(板部14Aの左右の幅)よりも広い。これにより、後第1補強部材14を突出部32Cに取り付けることを容易にすることができる。
【0075】
前第1補強部材13及び後第1補強部材14の板厚(板部13Aの板厚及び板部14Aの板厚)は、前パネル11の板厚及び後パネル12の板厚よりも厚い。これにより、前第1補強部材13及び後第1補強部材14の強度を確実に確保することができる。従って、前第1補強部材13、後第1補強部材14及び第1補強部材16がシートバックフレーム5の強度をより確実に高めることができる。
【0076】
<<第2実施形態>>
図5に示すように、第2実施形態の乗物用シート1は、第1補強部材41を有する。以下の第2実施形態~第10実施形態の説明において、同一又は類似の構成要素には同一の符号を付し、重複する詳細な説明は省略する。
【0077】
第2実施形態の第1補強部材41は、第1実施形態の第1補強部材16に、前後に貫通する肉抜孔41Aと、左右の切欠41B、41Cとを設けたものである。肉抜孔41Aは、第1補強部材41の上部の左右方向中央に設けられている。左右の切欠41Bは、第1補強部材41の上下方向中央に形成されている。左右の切欠41Cは第1補強部材41の下部に形成されている。
【0078】
肉抜孔41Aと、左右の切欠41B、41Cとは、第1補強部材41を軽量にすることができる。ひいては、肉抜孔41Aと、切欠41B、41Cとは、シートバックフレーム5を軽量にすることができる。
【0079】
本実施形態の乗物用シート1の製造方法には、第1補強部材41を製造する第1製造工程と、第1補強部材41を前パネル11に取り付ける第1取付工程とが含まれる。
【0080】
<<第3実施形態>>
図6に示すように、第3実施形態のシートバックフレーム5は、第2補強部材42と、第3補強部材43とを有する。第2補強部材42及び第3補強部材43は、前パネル11の前面に結合された板金部材である。第2補強部材42は、前アッパ部22の左端部22Dと、前第1補強部材13の上部との間に掛け渡されている。一方、第3補強部材43は、前アッパ部22の右端部22Eと、前第1補強部材13の上部との間に掛け渡されている。
【0081】
本実施形態の乗物用シート1の製造方法には、第2補強部材42を製造する第2製造工程と、第2補強部材42を前パネル11に取り付ける第2取付工程と、第3補強部材43を製造する第3製造工程と、第3補強部材43を前パネル11に取り付ける第3取付工程とが含まれる。
【0082】
シートベルトガイド15が取り付けられている前アッパ部22の左端部22D(第1端部)を第2補強部材42が補強する。これにより、シートバックフレーム5は、シートベルトからシートベルトガイド15を介して前アッパ部22の左端部22Dにかかる荷重に対してより確実に抗することができる。また、第2補強部材42及び第3補強部材43は、前アッパ部22を補強する。言い換えれば、第2補強部材42及び第3補強部材43は、前パネル11の剛性を高めることができる。ひいては、第2補強部材42及び第3補強部材43は、シートバックフレーム5の剛性を高めることができる。
【0083】
<<第4実施形態>>
図7に示すように、第4実施形態のシートバックフレーム5は、前パネル11の下クロス部44と、後パネル12の下クロス部(図示省略)と、第1補強部材45と、第2補強部材42及び第3補強部材43と、を有する。
【0084】
前パネル11の下クロス部44は、左右に延び、左右の前サイド部21の下部のそれぞれに結合している。後パネル12の下クロス部は、左右に延び、左右の後サイド部31の下部のそれぞれに結合している。
【0085】
第1補強部材45は、シートバックフレーム5の左右方向中間部において上下に延び、前アッパ部22の突出部22Cと下クロス部44との間に架け渡されている板金部材である。第1補強部材45は、前アッパ部22の突出部22Cの前面と、下クロス部44の前面とに結合されている。
【0086】
本実施形態の乗物用シート1の製造方法には、第1補強部材45を製造する第1製造工程と、第1補強部材45を前パネル11に取り付ける第1取付工程と、第2補強部材42を製造する第2製造工程と、第2補強部材42を前パネル11に取り付ける第2取付工程と、第3補強部材43を製造する第3製造工程と、第3補強部材43を前パネル11に取り付ける第3取付工程とが含まれる。
【0087】
前パネル11の下クロス部44と、後パネル12の下クロス部と、第1補強部材45と、第2補強部材42及び第3補強部材43とは、シートバックフレーム5を補強し、シートバックフレーム5の剛性を高めることができる。
【0088】
<<第5実施形態>>
図8に示すように、第5実施形態のシートバックフレーム5は、第4実施形態のシートバックフレーム5(図7参照)に前パネル11の上クロス部46と、後パネル12の上クロス部を加えたものである。第5実施形態のシートバックフレーム5は、前パネル11の下クロス部44と、後パネル12の下クロス部と、前パネル11の上クロス部46と、後パネル12の上クロス部と、第2補強部材42及び第3補強部材43と、第1補強部材45と、を有する。
【0089】
前パネル11の上クロス部46は、左右に延び、左右の前サイド部21の上部のそれぞれに結合している。また、上クロス部46において、左右方向の中間部の前面が第1補強部材45の後面に結合している。後パネル12の上クロス部は、左右に延び、左右の後サイド部31の上部のそれぞれに結合している。
【0090】
本実施形態の乗物用シート1の製造方法には、第1補強部材45を製造する第1製造工程と、第1補強部材45を前パネル11に取り付ける第1取付工程と、第2補強部材42を製造する第2製造工程と、第2補強部材42を前パネル11に取り付ける第2取付工程と、第3補強部材43を製造する第3製造工程と、第3補強部材43を前パネル11に取り付ける第3取付工程とが含まれる。
【0091】
前パネル11の下クロス部44及び後パネル12の下クロス部と、前パネル11の上クロス部46及び後パネル12の上クロス部と、第2補強部材42及び第3補強部材43と、第1補強部材45とは、シートバックフレーム5を補強し、シートバックフレーム5の剛性を高めることができる。
【0092】
<<第6実施形態>>
図9に示すように、第6実施形態のシートバックフレーム5は、前パネル11の上クロス部46及び後パネル12の上クロス部(図示省略)と、前パネル11の下クロス部47及び後パネル12の下クロス部(図示省略)と、第1補強部材48、49と、第2補強部材51と、第3補強部材52と、第4補強部材53と、第5補強部材54と、を有する。
【0093】
前パネル11の下クロス部47は、第4実施形態の前パネル11の下クロス部44(図7参照)にビード47Aを加えた板金部材である。本実施形態の後パネル12の下クロス部(図示省略)は、第4実施形態の後パネル12の下クロス部と同じものである。下クロス部47は左右に延び、左右の前サイド部21の下部のそれぞれに結合し、ビード47Aを有している。ビード47Aは、下クロス部47の長手方向(左右方向)に線状に延びる突起(いわゆる突条部)である。ビード47Aは、プレス加工によって形成することができる。ビード47Aは、下クロス部47の剛性を高めることができる。ひいては、ビード47Aはシートバックフレーム5の剛性を高めることができる。
【0094】
第1補強部材48、49は、シートバックフレーム5の左右方向中間部において上下に延び、前パネル11の前面に取り付けられた板状部材である。第1補強部材48は、前アッパ部22の突出部22Cと上クロス部46との間に架け渡されている。第1補強部材49は、前パネル11の下クロス部47と前ロア部23との間に架け渡されている。
【0095】
第2補強部材51、第3補強部材52、第4補強部材53及び第5補強部材54は、前パネル11の前面に取り付けられた板金部材である。
【0096】
第2補強部材51は、第3実施形態の第2補強部材42(図6参照)にビード51A(第1ビード)を加えた板金部材である。第2補強部材51は、前アッパ部22の左端部22D(第1端部)と、第1補強部材48の下部との間に架け渡されており、ビード51Aを有する。ビード51Aは、第2補強部材51の長手方向に線状に延びる突起(いわゆる突条部)である。ビード51Aは、第2補強部材51の剛性を高めることができる。ひいては、ビード51Aはシートバックフレーム5の剛性を高めることができる。
【0097】
第3補強部材52は、第3実施形態の第3補強部材43(図6参照)にビード52Aを加えた板金部材である。第3補強部材52は、前アッパ部22の右端部22Eと、第1補強部材48の下部との間に架け渡され、ビード52Aを有している。ビード52Aは、第3補強部材52の長手方向に線状に延びる突起(いわゆる突条部)である。ビード52Aは、第3補強部材52の剛性を高めることができる。
【0098】
第4補強部材53は、前パネル11の上クロス部46の左端部と、前パネル11の下クロス部47の左右方向中間部との間に架け渡されている。第5補強部材54は、前パネル11の上クロス部46の右端部と、前パネル11の下クロス部47の左右方向中間部との間に架け渡されている。
【0099】
本実施形態の乗物用シート1の製造方法には、第1補強部材48、49を製造する第1製造工程と、第1補強部材48、49を前パネル11に取り付ける第1取付工程と、第2補強部材51を製造する第2製造工程と、第2補強部材51を前パネル11に取り付ける第2取付工程と、第3補強部材52を製造する第3製造工程と、第3補強部材52を前パネル11に取り付ける第3取付工程と、第4補強部材53を製造する第4製造工程と、第4補強部材53を前パネル11に取り付ける第4取付工程と、第5補強部材54を製造する第5製造工程と、第5補強部材54を前パネル11に取り付ける第5取付工程とが含まれる。
【0100】
第2補強部材51は、シートベルトガイド15が取り付けられている前アッパ部22の左端部22D(第1端部)を補強する。これにより、シートバックフレーム5は、シートベルトからシートベルトガイド15を介して前アッパ部22の左端部22Dにかかる荷重に対してより確実に抗することができる。
【0101】
また、前パネル11の上クロス部46及び後パネル12の上クロス部(図示省略)と、前パネル11の下クロス部47及び後パネル12の下クロス部(図示省略)と、第1補強部材48、49と、第2補強部材51と、第3補強部材52と、第4補強部材53と、第5補強部材54とは、シートバックフレーム5を補強し、シートバックフレーム5の剛性を高めることができる。
【0102】
<<第7実施形態>>
図10に示すように第7実施形態のシートバックフレーム5は、前パネル11の上クロス部46及び後パネル12の上クロス部(図示省略)と、前パネル11の下クロス部47及び後パネル12の下クロス部(図示省略)と、第1補強部材48、55と、第2補強部材56と、第3補強部材57と、を有する。
【0103】
第1補強部材55は、第6実施形態の第1補強部材49(図9参照)にビード55A(第2ビード)を加えた板金部材である。第1補強部材55は、前パネル11の下クロス部47と前ロア部23との間に架け渡されており、ビード55Aを有する。ビード55Aは、第1補強部材55の長手方向に線状に延びる突起(いわゆる突条部)である。ビード55Aは、第1補強部材55の剛性を高めることができる。ひいては、ビード55Aはシートバックフレーム5の剛性を高めることができる。
【0104】
第2補強部材56は、前パネル11の前アッパ部22の左端部22D(第1端部)と、前パネル11の下クロス部47との間に架け渡され、上クロス部46に結合され、ビード56A(第1ビード)を有する板金部材である。ビード56Aは、第2補強部材56の長手方向に線状に延びる突起(いわゆる突条部)である。ビード56Aは、第2補強部材56の剛性を高めることができる。ひいては、ビード56Aはシートバックフレーム5の剛性を高めることができる。
【0105】
第2補強部材56は、シートベルトガイド15が取り付けられている前アッパ部22の左端部22D(第1端部)を補強する。これにより、シートバックフレーム5は、シートベルトからシートベルトガイド15を介して前アッパ部22の左端部22Dにかかる荷重に対してより確実に抗することができる。
【0106】
第3補強部材57は、前パネル11の前アッパ部22の右端部22Eと、下クロス部47の左右方向中間部との間に架け渡され、上クロス部46に結合され、ビード57Aを有する板金部材である。ビード57Aは、第3補強部材57の長手方向に線状に延びる突起(いわゆる突条部)である。ビード57Aは、第3補強部材57の剛性を高めることができる。
【0107】
本実施形態の乗物用シート1の製造方法には、第1補強部材48、55を製造する第1製造工程と、第1補強部材48、55を前パネル11に取り付ける第1取付工程と、第2補強部材56を製造する第2製造工程と、第2補強部材56を前パネル11に取り付ける第2取付工程と、第3補強部材57を製造する第3製造工程と、第3補強部材57を前パネル11に取り付ける第3取付工程とが含まれる。
【0108】
前パネル11の上クロス部46及び後パネル12の上クロス部(図示省略)と、前パネル11の下クロス部47及び後パネル12の下クロス部(図示省略)と、第1補強部材48、55と、第2補強部材56と、第3補強部材57とは、シートバックフレーム5を補強し、シートバックフレーム5の剛性を高めることができる。
【0109】
<<第8実施形態>>
図11に示すように、第8実施形態のシートバックフレーム5は、前パネル11の上クロス部46及び後パネル12の上クロス部(図示省略)と、前パネル11の下クロス部44及び後パネル12の下クロス部(図示省略)と、第1補強部材48、55と、第3補強部材43と、第6補強部材58と、を有する。
【0110】
第6補強部材58は、前パネル11の前アッパ部22の左端部22D(第1端部)と、下クロス部44の右端部との間に架け渡され、上クロス部46の左右方向中央部に結合した板金部材である。第6補強部材58は、シートベルトガイド15が取り付けられている前アッパ部22の左端部22D(第1端部)を補強する。これにより、シートバックフレーム5は、シートベルトからシートベルトガイド15を介して前アッパ部22の左端部22Dにかかる荷重に対してより確実に抗することができる。
【0111】
本実施形態の乗物用シート1の製造方法には、第1補強部材48、55を製造する第1製造工程と、第1補強部材48、55を前パネル11に取り付ける第1取付工程と、第3補強部材43を製造する第3製造工程と、第3補強部材43を前パネル11に取り付ける第3取付工程と、第6補強部材58を製造する第6製造工程と、第6補強部材58を前パネル11に取り付ける第6取付工程とが含まれる。
【0112】
前パネル11の上クロス部46及び後パネル12の上クロス部(図示省略)と、前パネル11の下クロス部44及び後パネル12の下クロス部(図示省略)と、第1補強部材48、55と、第3補強部材43と、第6補強部材58とは、シートバックフレーム5を補強し、シートバックフレーム5の剛性を高めることができる。
【0113】
<<第9実施形態>>
図12に示すように、第9実施形態のシートバックフレーム5は、第1補強部材61と、送風装置62とを有する。
【0114】
第1補強部材61は、シートバックフレーム5の左右方向中間部において、上下に延びる板金部材である。第1補強部材61は、前パネル11の前面に取り付けられている。第1補強部材61は、前アッパ部22の突出部22Cと前ロア部23との間に架け渡されている。第1補強部材61は、送風装置62が取り付けられた取付部61Aと、取付部61Aと突出部22Cとの間に配置された易変形部61Bと、取付部61Aの下側に配置された易変形部61Cと、を有する。易変形部61B、61Cは、取付部61Aよりも容易に変形する。
【0115】
送風装置62は、送風する本体部62Aと、本体部62Aに接続されたダクト62Bと、上被固定部62Cと、下被固定部62Dと、左被固定部62Eと、右被固定部62Fとを有する。送風装置62は、ダクト62Bから吸気又は排気を行うことができる。
【0116】
図13に示すように、上被固定部62Cは、ねじ63により取付部61Aにねじ止めされている。図12に示すように、左被固定部62E及び右被固定部62Fのそれぞれは、上被固定部62Cと同様に、取付部61Aにねじ止めされている。図13に示すように、下被固定部62Dは、後方に突出する突起64を有する。突起64は、取付部61Aに設けられた孔に挿し通されている。
【0117】
本実施形態の乗物用シート1の製造方法には、第1補強部材61を製造する第1製造工程と、第1補強部材61を前パネル11に取り付ける第1取付工程と、送風装置62を製造する送風装置製造工程と、送風装置62を前パネル11の取付部61Aに取り付ける送風装置取付工程とが含まれる。
【0118】
第1補強部材61には、送風装置62が取り付けられている。送風装置62は、着座者の背中等に風を送るために用いられる。第1補強部材61に送風装置62が取り付けられていることで、送風装置62は着座者の背中に近い位置に配置されている。従って、第1補強部材61に送風装置62が取り付けられていることで、送風装置62を好適な位置に配置することができる。
【0119】
着座者の背中から送風装置62に荷重がかかった場合に、易変形部61B、61Cが変形することで、送風装置62が荷重のかかる方向(後方)に移動できる。これにより、着座者の送風装置62に対する違和感を抑制することができる。
【0120】
<<第10実施形態>>
図14に示すように、第10実施形態のシートバックフレーム5は、第1補強部材66と、送風装置67とを有する。
【0121】
第1補強部材66は、シートバックフレーム5の左右方向中間部において、上下に延びる板金部材である。第1補強部材66は、前パネル11の前面に取り付けられている。第1補強部材66は、前アッパ部22の突出部22Cと前ロア部23との間に架け渡されている。第1補強部材66は、送風装置67が取り付けられた取付部66Aを有する。
【0122】
送風装置67は、送風する本体部67Aと、本体部67Aに接続されたダクト67Bと、下被固定部67Cと、左上被固定部67Dと、右上被固定部67Eとを有する。送風装置67は、ダクト67Bから吸気又は排気を行うことができる。下被固定部67Cと、左上被固定部67Dと、右上被固定部67Eとは、取付部66Aにねじ止めされている。
【0123】
本実施形態の乗物用シート1の製造方法には、第1補強部材66を製造する第1製造工程と、第1補強部材66を前パネル11に取り付ける第1取付工程と、送風装置67を製造する送風装置製造工程と、送風装置67を前パネル11の取付部66Aに取り付ける送風装置取付工程とが含まれる。
【0124】
第1補強部材66には、送風装置67が取り付けられている。送風装置67は、着座者の背中等に風を送るために用いられる。第1補強部材66に送風装置67が取り付けられていることで、送風装置67は着座者の背中に近い位置に配置されている。従って、第1補強部材66に送風装置67が取り付けられていることで、送風装置67を好適な位置に配置することができる。
【0125】
第1実施形態~第10実施形態において、前アッパ部22、前ロア部23、下クロス部44、上クロス部46及び下クロス部47のそれぞれは、左右方向に延び、左右の前サイド部21に結合した前クロス部である。後アッパ部32及び後ロア部33のそれぞれは、左右方向に延び、左右の後サイド部31に結合した後クロス部である。また、前アッパ部22、前ロア部23、下クロス部44、上クロス部46、下クロス部47、後アッパ部32及び後ロア部33のそれぞれは、クロス部である。
【0126】
以上で実施形態の説明を終えるが、本発明は上記実施形態に限定されることなく幅広く変形実施することができる。第1実施形態~第10実施形態の構成が組み合わされても良い。例えば、前第1補強部材13、後第1補強部材14、第1補強部材45、48、61及び66にビードが形成されてもよい。また、第4補強部材53、第5補強部材54、及び、第6補強部材58にビードが形成されてもよい。
【0127】
前パネル11の前アッパ部22は突出部22Cを有さなくても良い。また、後パネル12の後アッパ部32は突出部32Cを有さなくても良い。
【0128】
第1実施形態において、突出部22Cの左右の幅は、前第1補強部材13の左右の幅(板部13Aの左右の幅)よりも広くなくてもよく、突出部32Cの左右の幅は、後第1補強部材14の左右の幅(板部14Aの左右の幅)よりも広くなくてもよい。
【0129】
第1実施形態において、前第1補強部材13、後第1補強部材14の板厚(板部13Aの板厚及び板部14Aの板厚)は、前パネル11の板厚及び後パネル12の板厚よりも厚くなくてもよい。
【0130】
図7に示す第4実施形態のシートバックフレーム5に、後アッパ部32の突出部32Cと後パネル12の下クロス部との間に架け渡された第1補強部材が設けられてもよい。
【0131】
図9に示す第5実施形態のシートバックフレーム5において、後アッパ部32の突出部32Cと後パネル12の上クロス部との間に架け渡された第1補強部材や、後パネル12の下クロス部と後パネル12の後ロア部33との間に架け渡された第1補強部材が設けられてもよい。
【符号の説明】
【0132】
1 :乗物用シート
3 :シートバック
5 :シートバックフレーム
11 :前パネル
12 :後パネル
13 :前第1補強部材
14 :後第1補強部材
15 :シートベルトガイド
16 :第1補強部材
21 :前サイド部
22 :前アッパ部(前クロス部)
22C :突出部
22D :左端部(第1端部)
23 :前ロア部(前クロス部)
31 :後サイド部
32 :後アッパ部(後クロス部)
32C :突出部
32D :左端部(第1端部)
33 :後ロア部(後クロス部)
41 :第1補強部材
41A :肉抜孔
42 :第2補強部材
44 :下クロス部(前クロス部)
45 :第1補強部材
46 :上クロス部(前クロス部)
47 :下クロス部(前クロス部)
48 :第1補強部材
49 :第1補強部材
51 :第2補強部材
51A :ビード(第1ビード)
55 :第1補強部材
55A :ビード(第2ビード)
56 :第2補強部材
56A :ビード(第1ビード)
61 :第1補強部材
61A :取付部
61B :易変形部
61C :易変形部
62 :送風装置
66 :第1補強部材
66A :取付部
67 :送風装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14