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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025100532
(43)【公開日】2025-07-03
(54)【発明の名称】羽根部材、構造部材
(51)【国際特許分類】
   F01D 5/14 20060101AFI20250626BHJP
   B23K 26/352 20140101ALN20250626BHJP
   B23K 26/00 20140101ALN20250626BHJP
【FI】
F01D5/14
B23K26/352
B23K26/00 G
【審査請求】有
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2025028807
(22)【出願日】2025-02-26
(62)【分割の表示】P 2022579260の分割
【原出願日】2021-02-05
(71)【出願人】
【識別番号】000004112
【氏名又は名称】株式会社ニコン
(74)【代理人】
【識別番号】100104765
【弁理士】
【氏名又は名称】江上 達夫
(72)【発明者】
【氏名】白石 雅之
(72)【発明者】
【氏名】倉島 高広
(72)【発明者】
【氏名】小笠原 麦
(57)【要約】      (修正有)
【課題】物体を適切に加工可能な加工システムを提供する。
【解決手段】表面に溝構造9が形成されたタービンブレード等の羽根部材であって、溝構造は、複数の第1溝構造と、複数の第2溝構造と、第3溝構造とを備え、複数の第1溝構造は、第1方向に延びるように形成されており、複数の第2溝構造は、第1方向とは異なる第2方向に延びるように形成されており、第3溝構造は、第1及び第2方向とは異なる第3方向に沿って延び、且つ、一の第1溝構造と一の第2溝構造との間に形成されている。
【選択図】図13
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面に溝構造が形成された羽根部材であって、
前記溝構造は、複数の第1溝構造と、複数の第2溝構造と、第3溝構造とを備え、
前記複数の第1溝構造は、第1方向に延びるように形成されており、
前記複数の第2溝構造は、前記第1方向とは異なる第2方向に延びるように形成されており、
前記第3溝構造は、前記第1及び第2方向とは異なる第3方向に沿って延び、且つ、前記複数の第1溝構造のうちの一の第1溝構造と前記複数の第2溝構造のうちの一の第2溝構造との間に形成されている
羽根部材。
【請求項2】
前記第1方向に沿って延びる第1の軸と前記第3方向に沿って延びる第3の軸とがなす角度のうち大きい方の角度に相当する第1の角度、及び、前記第2方向に沿って延びる第2の軸と前記第3の軸とがなす角度のうち大きい方の角度に相当する第2の角度のそれぞれは、前記第1の軸と前記第2の軸とがなす角度のうち大きい方の角度に相当する第3の角度よりも大きい
請求項1に記載の羽根部材。
【請求項3】
前記第1の角度と前記第2の角度の和は、前記第3の角度に180°を加算した角度となる
請求項2に記載の羽根部材。
【請求項4】
前記第3溝構造は、複数形成されており、
前記複数の第3溝構造のうちの少なくとも二つは、前記第3方向に沿って延びている
請求項1から3のいずれか一項に記載の羽根部材。
【請求項5】
前記複数の第1溝構造は、互いに平行であり、
前記複数の第2溝構造は、互いに平行である
請求項1から4のいずれか一項に記載の羽根部材。
【請求項6】
前記複数の第3溝構造の配列ピッチは、前記第3方向における位置に関わらず一定である
請求項4に記載の羽根部材。
【請求項7】
前記第3溝構造は、複数形成されており、
前記複数の第3溝構造のうちの少なくとも一つは、前記第3方向に沿って延びており、
前記複数の第3溝構造のうちの少なくとも他の一つは、前記第3方向と異なる第4方向に沿って延びている
請求項1から3のいずれか一項に記載の羽根部材。
【請求項8】
前記複数の第1溝構造の配列ピッチと、前記複数の第2溝構造の配列ピットとは異なる
請求項1から7のいずれか一項に記載の羽根部材。
【請求項9】
前記第3溝構造は、複数形成されており、
前記複数の第3溝構造の少なくとも二つに接続される複数の第1溝構造のうちの二つの配列ピッチと、前記複数の第3溝構造の少なくとも二つに接続される前記複数の第2溝構造のうちの二つの配列ピッチとが異なる請求項1から3及び7から8のいずれか一項に記載の羽根部材。
【請求項10】
前記複数の第3溝構造の配列ピッチは、位置に応じて変化する
請求項7又は9に記載の羽根部材。
【請求項11】
前記複数の第1溝構造、前記複数の第2溝構造及び第3溝構造のうちの隣り合う二つの間には、突起形状、凸形状及び山形状の少なくとも一つの構造が含まれる
請求項1から10のいずれか一項記載の羽根部材。
【請求項12】
表面に溝構造が形成された羽根部材であって、
前記溝構造は、複数の第1溝構造と、複数の第2溝構造と、第3溝構造とを備え、
前記複数の第1溝構造は、第1方向に延びる第1の波形状であり、且つ、前記第1方向に交差する方向に沿って第1の配列ピッチで並ぶように形成されており、
前記複数の第2溝構造は、第2方向に延びる第2の波形状であり、且つ、前記第2方向に交差する方向に沿って前記第1の配列ピッチとは異なる第2の配列ピッチで並ぶように形成されており、
前記第3溝構造は、第3方向に延びる第3の波形状であり、且つ、前記複数の第1溝構造のうちの一の第1溝構造と前記複数の第2溝構造のうちの一の第2溝構造との間に形成されている
羽根部材。
【請求項13】
前記一の第1溝構造と前記第3溝構造との境界において、前記一の第1溝構造の接線方向と前記第3溝構造の接線方向とが揃うように、前記一の第1溝構造と前記第3溝構造とが接続されており、
前記一の第2溝構造と前記第3溝構造との境界において、前記一の第2溝構造の接線方向と前記第3溝構造の接線方向とが揃うように、前記一の第2溝構造と前記第3溝構造とが接続されている
請求項12に記載の羽根部材。
【請求項14】
前記第3溝構造は、複数形成されており、
前記複数の第3溝構造のうちの少なくとも一つは、前記第3方向に沿って延びており、
前記複数の第3溝構造のうちの少なくとも他の一つは、前記第3方向と異なる第4方向に沿って延びている
請求項12又は13に記載の羽根部材。
【請求項15】
前記第3の波形状の振幅周期は、前記第3方向における位置に応じて変化する
請求項12から14のいずれか一項に記載の羽根部材。
【請求項16】
前記第3の波形状の振幅周期は、前記第3方向における位置に関わらずに固定されている
請求項12から15のいずれか一項に記載の羽根部材。
【請求項17】
前記第3溝構造は、前記第1及び第2方向に交差する方向に沿って延びる
請求項12から16のいずれか一項に記載の羽根部材。
【請求項18】
前記第3溝構造は、前記第1及び第2方向に平行な方向に沿って延びる
請求項12から17のいずれか一項に記載の羽根部材。
【請求項19】
前記第3の波形状の振幅は、前記第3方向における位置に応じて変化する
請求項12から18のいずれか一項に記載の羽根部材。
【請求項20】
前記第3の波形状の振幅は、前記第3方向における位置に関わらずに固定されている
請求項12から19のいずれか一項に記載の羽根部材。
【請求項21】
表面に溝構造が形成された羽根部材であって、
第1方向に延びる溝構造が形成された第1領域と、
前記溝構造が形成されていない第2領域と、
前記第1領域と前記第2領域との間に位置し、且つ、前記第1領域の溝構造に繋がる溝構造が形成された第3領域と
を備え、
前記第3領域に形成されている前記溝構造の深さは、前記第1領域から前記第2領域に近づくにつれて浅くなる
羽根部材。
【請求項22】
前記第3領域に形成されている前記溝構造の深さは、前記第1方向に沿って前記溝構造が前記第1領域から前記第2領域に近づくにつれて、連続的に浅くなる
請求項21に記載の羽根部材。
【請求項23】
前記第3領域に形成されている前記溝構造の深さは、前記第1方向に沿って前記溝構造が前記第1領域から前記第2領域に近づくにつれて、段階的に浅くなる
請求項21又は22に記載の羽根部材。
【請求項24】
前記第1領域の端部における前記溝構造の深さは、前記第1領域の端部に接続される前記第3領域の端部における前記溝構造の深さと同じである
請求項21から23のいずれか一項に記載の羽根部材。
【請求項25】
前記第2領域に接続される前記第3領域の端部の高さは、前記第3領域に接続される前記第2領域の端部の高さと同じである
請求項21から24のいずれか一項に記載の羽根部材。
【請求項26】
前記第1領域には、突起形状、凸形状及び山形状の少なくとも一つを形成するように前記第1方向に交差する第2方向に沿って並ぶ二つの溝を含む前記溝構造が形成されている
請求項21から25のいずれか一項に記載の羽根部材。
【請求項27】
前記第3領域の少なくとも一部には、突起形状、凸形状及び山形状の少なくとも一つを形成するように前記第1方向に交差する第2方向に沿って並ぶ二つの溝を含む前記溝構造が形成されている
請求項21から26のいずれか一項に記載の羽根部材。
【請求項28】
前記溝の深さは、突起形状、凸形状及び山形状の少なくとも一つの頂点に対する前記溝の底の位置を表す
請求項26又は27に記載の羽根部材。
【請求項29】
表面に溝構造が形成された構造部材であって、
前記溝構造は、複数の第1溝構造と、複数の第2溝構造と、第3溝構造とを備え、
前記複数の第1溝構造は、第1方向に延びるように形成されており、
前記複数の第2溝構造は、第2方向に延びるように形成されており、
前記第3溝構造は、第3方向に沿って延び、且つ、前記複数の第1溝構造のうちの一の第1溝構造と前記複数の第2溝構造のうちの一の第2溝構造との間に形成されている
構造部材。
【請求項30】
前記第3溝構造は、複数形成されており、
前記複数の第3溝構造のうち少なくとも二つが延びる方向は、互いに平行である
請求項29に記載の構造部材。
【請求項31】
前記第1方向は、前記第2方向と同じである
請求項29又は30に記載の構造部材。
【請求項32】
前記第1溝構造の配列ピッチは、前記第2溝構造の配列ピッチと同じである
請求項29から31のいずれか一項に記載の構造部材。
【請求項33】
前記第1方向は、前記表面のうち前記複数の第1溝構造が形成される第1領域における流線の延びる方向であり、
前記第2方向は、前記表面のうち前記複数の第2溝構造が形成される第2領域における流線の延びる方向である
請求項29から32のいずれか一項に記載の構造部材。
【請求項34】
前記複数の第1溝構造、前記複数の第2溝構造及び第3溝構造のうちの隣り合う二つの間には、突起形状、凸形状及び山形状の少なくとも一つの構造が含まれる
請求項29から33のいずれか一項記載の構造部材。
【請求項35】
表面に溝構造が形成された構造部材であって、
前記溝構造は、複数の第1溝構造と、複数の第2溝構造と、第3溝構造とを備え、
前記複数の第1溝構造は、第1方向に延びる第1の波形状であり、且つ、前記第1方向に交差する方向に沿って第1の配列ピッチで並ぶように形成されており、
前記複数の第2溝構造は、第2方向に延びる第2の波形状であり、且つ、前記第2方向に交差する方向に沿って第2の配列ピッチで並ぶように形成されており、
前記第3溝構造は、第3方向に延びる第3の波形状であり、且つ、前記複数の第1溝構造のうちの一の第1溝構造と前記複数の第2溝構造のうちの一の第2溝構造との間に形成されている
構造部材。
【請求項36】
表面に溝構造が形成された構造部材であって、
前記溝構造は、複数の第1溝構造と、複数の第2溝構造と、第3溝構造とを備え、
前記複数の第1溝構造は、第1方向に延びる第1の波形状であり、且つ、前記第1方向に交差する方向に沿って第1の配列ピッチで並ぶように形成されており、
前記複数の第2溝構造は、第2方向に延び、且つ、前記第2方向に交差する方向に沿って第2の配列ピッチで並ぶように形成されており、
前記第3溝構造は、第3方向に延びる第3の波形状であり、且つ、前記複数の第1溝構造のうちの一の第1溝構造と前記複数の第2溝構造のうちの一の第2溝構造との間に形成されている
構造部材。
【請求項37】
前記一の第2溝構造と前記第3溝構造との境界において、前記一の第2溝構造の端部と前記第3溝構造の端部とは、前記第2方向に交差する方向に沿って同じ位置に位置する
請求項36に記載の構造部材。
【請求項38】
前記一の第2溝構造は、前記第2方向に沿って直線状に延びる
請求項36又は37に記載の構造部材。
【請求項39】
前記第3の波形状の振幅は、前記第3溝構造が前記一の第2溝構造と前記第3溝構造との境界に近づくにつれて小さくなる
請求項36から38のいずれか一項に記載の構造部材。
【請求項40】
前記一の第1溝構造と前記第3溝構造との境界において、前記一の第1溝構造の接線方向と前記第3溝構造の接線方向とが揃うように、前記一の第1溝構造と前記第3溝構造とが接続されており、
前記一の第2溝構造と前記第3溝構造との境界において、前記一の第2溝構造の接線方向と前記第3溝構造の接線方向とが揃うように、前記一の第2溝構造と前記第3溝構造とが接続されている
請求項39に記載の構造部材。
【請求項41】
前記第3の波形状の振幅周期は、前記第3方向における位置に応じて変化する
請求項35に記載の構造部材。
【請求項42】
前記第3の波形状の振幅周期は、前記第3方向における位置に関わらずに固定されている
請求項35から41のいずれか一項に記載の構造部材。
【請求項43】
前記第3の波形状の振幅は、前記第3方向における位置に応じて変化する
請求項35から42のいずれか一項に記載の構造部材。
【請求項44】
前記第3の波形状の振幅は、前記第3方向における位置に関わらずに固定されている
請求項35に記載の構造部材。
【請求項45】
前記第3溝構造は、前記第1及び第2方向に交差する方向に沿って延びる
請求項35から44のいずれか一項に記載の構造部材。
【請求項46】
前記第3溝構造は、前記第1及び第2方向に平行な方向に沿って延びる
請求項35から45のいずれか一項に記載の構造部材。
【請求項47】
表面に溝構造が形成された構造部材であって、
第1方向に延びる溝構造が形成された第1領域と、
前記溝構造が形成されていない第2領域と、
前記第1領域と前記第2領域との間に位置し、且つ、前記第1領域の溝構造に繋がる溝構造が形成された第3領域と
を備え、
前記第3領域に形成されている前記溝構造の深さは、前記第1領域から前記第2領域に近づくにつれて浅くなる
構造部材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、タービンブレード等の羽根部材及び構造部材の技術分野に関する。
【背景技術】
【0002】
羽根部材及び構造部材の一例として、タービンに用いられるタービンブレードがあげられる。例えば、特許文献1には、表面に溝構造が形成されたタービンブレードが記載されている。このような羽根部材及び構造部材では、適切な溝構造を表面に形成することが要求される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】欧州特許第2283169号
【発明の概要】
【0004】
第1の態様によれば、表面に溝構造が形成された羽根部材であって、前記溝構造は、複数の第1溝構造と、複数の第2溝構造と、第3溝構造とを備え、前記複数の第1溝構造は、第1方向に延びるように形成されており、前記複数の第2溝構造は、前記第1方向とは異なる第2方向に延びるように形成されており、前記第3溝構造は、前記第1及び第2方向とは異なる第3方向に沿って延び、且つ、前記複数の第1溝構造のうちの一の第1溝構造と前記複数の第2溝構造のうちの一の第2溝構造との間に形成されている羽根部材が提供される。
【0005】
第2の態様によれば、表面に溝構造が形成された羽根部材であって、前記溝構造は、複数の第1溝構造と、複数の第2溝構造と、第3溝構造とを備え、前記複数の第1溝構造は、第1方向に延びる第1の波形状であり、且つ、前記第1方向に交差する方向に沿って第1の配列ピッチで並ぶように形成されており、前記複数の第2溝構造は、第2方向に延びる第2の波形状であり、且つ、前記第2方向に交差する方向に沿って前記第1の配列ピッチとは異なる第2の配列ピッチで並ぶように形成されており、前記第3溝構造は、第3方向に延びる第3の波形状であり、且つ、前記複数の第1溝構造のうちの一の第1溝構造と前記複数の第2溝構造のうちの一の第2溝構造との間に形成されている羽根部材が提供される。
【0006】
第3の態様によれば、表面に溝構造が形成された羽根部材であって、第1方向に延びる溝構造が形成された第1領域と、前記溝構造が形成されていない第2領域と、前記第1領域と前記第2領域との間に位置し、且つ、前記第1領域の溝構造に繋がる溝構造が形成された第3領域とを備え、前記第3領域に形成されている前記溝構造の深さは、前記第1領域から前記第2領域に近づくにつれて浅くなる羽根部材が提供される。
【0007】
第4の態様によれば、表面に溝構造が形成された構造部材であって、前記溝構造は、複数の第1溝構造と、複数の第2溝構造と、第3溝構造とを備え、前記複数の第1溝構造は、第1方向に延びるように形成されており、前記複数の第2溝構造は、第2方向に延びるように形成されており、前記第3溝構造は、第3方向に沿って延び、且つ、前記複数の第1溝構造のうちの一の第1溝構造と前記複数の第2溝構造のうちの一の第2溝構造との間に形成されている構造部材が提供される。
【0008】
第5の態様によれば、表面に溝構造が形成された構造部材であって、前記溝構造は、複数の第1溝構造と、複数の第2溝構造と、第3溝構造とを備え、前記複数の第1溝構造は、第1方向に延びる第1の波形状であり、且つ、前記第1方向に交差する方向に沿って第1の配列ピッチで並ぶように形成されており、前記複数の第2溝構造は、第2方向に延びる第2の波形状であり、且つ、前記第2方向に交差する方向に沿って第2の配列ピッチで並ぶように形成されており、前記第3溝構造は、第3方向に延びる第3の波形状であり、且つ、前記複数の第1溝構造のうちの一の第1溝構造と前記複数の第2溝構造のうちの一の第2溝構造との間に形成されている構造部材が提供される。
【0009】
第6の態様によれば、表面に溝構造が形成された構造部材であって、前記溝構造は、複数の第1溝構造と、複数の第2溝構造と、第3溝構造とを備え、前記複数の第1溝構造は、第1方向に延びる第1の波形状であり、且つ、前記第1方向に交差する方向に沿って第1の配列ピッチで並ぶように形成されており、前記複数の第2溝構造は、第2方向に延び、且つ、前記第2方向に交差する方向に沿って第2の配列ピッチで並ぶように形成されており、前記第3溝構造は、第3方向に延びる第3の波形状であり、且つ、前記複数の第1溝構造のうちの一の第1溝構造と前記複数の第2溝構造のうちの一の第2溝構造との間に形成されている構造部材が提供される。
【0010】
第7の態様によれば、表面に溝構造が形成された構造部材であって、第1方向に延びる溝構造が形成された第1領域と、前記溝構造が形成されていない第2領域と、前記第1領域と前記第2領域との間に位置し、且つ、前記第1領域の溝構造に繋がる溝構造が形成された第3領域とを備え、前記第3領域に形成されている前記溝構造の深さは、前記第1領域から前記第2領域に近づくにつれて浅くなる構造部材が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、本実施形態の加工システムの全体構造を模式的に示す断面図である。
図2図2は、本実施形態の加工システムのシステム構成を示すシステム構成図である。
図3図3は、タービンの外観を示す斜視図である。
図4図4は、タービンブレードの外観を示す斜視図である。
図5図5は、タービンブレードの外観を示す斜視図である。
図6図6(a)は、リブレット構造を示す斜視図であり、図6(b)は、リブレット構造を示す断面図(図6(a)のVI-VI’断面図)であり、図6(c)は、リブレット構造を示す上面図である。
図7図7は、タービンブレードの表面における流線の一例を模式的に示す平面図である。
図8図8は、流線に関する情報に基づいて形成されたリブレット構造の一例を模式的に示す平面図である。
図9図9は、流線に関する情報に基づいてリブレット構造を形成する動作の一例の流れを示すフローチャートである。
図10図10は、流線情報の一例を模式的に示す。
図11図11は、ピッチ情報の一例を模式的に示す。
図12図12は、リブレットラインを模式的に示す。
図13図13は、リブレット構造が形成されたタービンブレードを示す平面図である。
図14図14は、リブレット構造が形成されたタービンブレードを示す平面図である。
図15図15は、リブレット構造が形成されたタービンブレードを示す平面図である。
図16図16は、ウェイビー溝構造を備えるリブレット構造を模式的に示す平面図である。
図17図17は、ウェイビー溝構造を備えるリブレット構造を模式的に示す平面図である。
図18図18は、ウェイビー溝構造を備えるリブレット構造を模式的に示す平面図である。
図19図19は、ウェイビー溝構造を備えるリブレット構造を模式的に示す平面図である。
図20図20(a)は、終端処理が施された溝構造を含むリブレット構造を示す斜視図であり、図20(b)は、終端処理が施された溝構造を含むリブレット構造を示す断面図である。
図21図21(a)は、溝構造の断面を示す断面図(特に、図20(a)のB-B’断面図)であり、図21(b)は、溝構造の断面を示す断面図(特に、図20(a)のC-C’断面図)である。
図22図22(a)は、溝構造の断面を示す断面図(特に、図20(a)のB-B’断面図)であり、図22(b)は、溝構造の断面を示す断面図(特に、図20(a)のC-C’断面図)である。
図23図23は、形成領域に対する加工光の照射回数を示す。
図24図24は、形成領域における照射領域の移動速度を示す。
図25図25は、形成領域における加工光の強度を示す。
図26図26は、溝構造を含まないリブレット構造を示す断面図である。
図27図27は、終端処理が施された溝構造の他の例を含むリブレット構造を示す断面図である。
図28図28は、終端処理が施された溝構造の他の例を含むリブレット構造を示す断面図である。
図29図29は、終端処理が施された溝構造の他の例を含むリブレット構造を示す断面図である。
図30図30は、終端処理が施された溝構造の他の例を含むリブレット構造を示す断面図である。
図31図31は、終端処理が施された溝構造の他の例を含むリブレット構造を示す断面図である。
図32図32は、修正前のリブレット情報が示すリブレット構造と、修正後のリブレット情報が示すリブレット構造とを示す断面図である。
図33図33は、修正前のリブレット情報が示すリブレット構造と、修正後のリブレット情報が示すリブレット構造とを示す断面図である。
図34図34は、修正前のリブレット情報が示すリブレット構造と、修正後のリブレット情報が示すリブレット構造とを示す断面図である。
図35図35は、修正前のリブレット情報が示すリブレット構造と、修正後のリブレット情報が示すリブレット構造とを示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照しながら、羽根部材、構造部材、加工システム及び加工方法の実施形態について説明する。以下では、加工光ELを用いた加工処理を行う加工システムSYSを用いて、羽根部材、構造部材、加工システム及び加工方法の実施形態を説明する。但し、本発明が以下に説明する実施形態に限定されることはない。
【0013】
また、以下の説明では、互いに直交するX軸、Y軸及びZ軸から定義されるXYZ直交座標系を用いて、加工システムSYSを構成する各種構成要素の位置関係について説明する。尚、以下の説明では、説明の便宜上、X軸方向及びY軸方向のそれぞれが水平方向(つまり、水平面内の所定方向)であり、Z軸方向が鉛直方向(つまり、水平面に直交する方向であり、実質的には上下方向)であるものとする。また、X軸、Y軸及びZ軸周りの回転方向(言い換えれば、傾斜方向)を、それぞれ、θX方向、θY方向及びθZ方向と称する。ここで、Z軸方向を重力方向としてもよい。また、XY平面を水平方向としてもよい。
【0014】
(1)加工システムSYSの構造
初めに、図1及び図2を参照しながら、本実施形態の加工システムSYSの構造について説明する。図1は、本実施形態の加工システムSYSの構造を模式的に示す断面図である。図2は、本実施形態の加工システムSYSのシステム構成を示すシステム構成図である。
【0015】
図1及び図2に示すように、加工システムSYSは、加工装置1と、加工光源2と、制御装置3とを備えている。加工装置1の少なくとも一部は、筐体4の内部空間に収容されている。筐体4の内部空間は、窒素ガス等のパージガスでパージされていてもよいし、パージガスでパージされていなくてもよい。筐体4の内部空間は、真空引きされてもよいし、真空引きされていなくてもよい。但し、加工装置1は、筐体4の内部空間に収容されていなくてもよい。つまり加工システムSYSは、加工装置1を収容する筐体4を備えていなくてもよい。
【0016】
加工装置1は、制御装置3の制御下で、加工対象物(母材と称されてもよい)であるワークWを加工可能である。ワークWは、例えば、金属であってもよいし、合金(例えば、ジュラルミン等)であってもよいし、半導体(例えば、シリコン)であってもよいし、樹脂であってもよいし、CFRP(Carbon Fiber Reinforced Plastic)等の複合材料であってもよいし、塗料(一例として基材に塗布された塗料層)であってもよいし、ガラスであってもよいし、それ以外の任意の材料から構成される物体であってもよい。
【0017】
ワークWの表面は、ワークWとは異なる材質の膜でコーティングされていてもよい。この場合、ワークWの表面にコーティングされた膜の表面が、加工装置1によって加工される面であってもよい。この場合であっても、加工装置1は、ワークWを加工する(つまり、膜でコーティングされたワークWを加工する)とみなしてもよい。
【0018】
加工装置1は、ワークW(例えば、上述したタービンブレードBL)を加工するために、ワークWに対して加工光ELを照射する。加工光ELは、ワークWに照射されることでワークWを加工可能である限りは、どのような種類の光であってもよい。本実施形態では、加工光ELがレーザ光である例を用いて説明を進めるが、加工光ELは、レーザ光とは異なる種類の光であってもよい。更に、加工光ELの波長は、ワークWに照射されることでワークWを加工可能である限りは、どのような波長であってもよい。例えば、加工光ELは、可視光であってもよいし、不可視光(例えば、赤外光、紫外光及び極端紫外光等の少なくとも一つ)であってもよい。加工光ELは、パルス光(例えば、発光時間がピコ秒以下のパルス光)を含んでいてもよい。或いは、加工光ELは、パルス光を含んでいなくてもよい。言い換えると、加工光ELは、連続光であってもよい。
【0019】
加工装置1は、ワークWに加工光ELを照射することでワークWの一部を除去する除去加工を行ってもよい。本実施形態では、加工装置1は、除去加工を行うことで、後に図6を参照しながら詳述するリブレット構造RBをワークWの表面に形成する。リブレット構造RBは、ワークWの表面の流体に対する抵抗(特に、摩擦抵抗及び乱流摩擦抵抗の少なくとも一方)を低減可能な構造を含んでいてもよい。リブレット構造RBは、流体がワークWの表面に対して相対的に移動するときに発生する騒音を低減可能な構造を含んでいてもよい。尚、ここでいう「流体」とは、ワークWの表面に対して流れている媒質(例えば、気体及び液体の少なくとも一方)を意味する。例えば、媒質自体が静止している状況下でワークWの表面が媒質に対して移動する場合には、この媒質を流体と称してもよい。尚、媒質が静止している状態は、所定の基準物(例えば、地表面)に対して媒質が移動していない状態を意味していてもよい。
【0020】
リブレット構造RBが形成されるワークWの一例として、タービンブレードBLがあげられる。この場合、加工装置1は、タービンブレードBLを加工することで、タービンブレードBLの表面にリブレット構造RBを形成してもよい。タービンブレードBLは、流体機械の一例であるタービンTに用いられる部材である。具体的には、タービンブレードBLは、タービンTの羽根を構成するブレード状の部材である。つまり、タービンブレードBLは、タービンTの羽根を構成する構造体である。このため、タービンブレードBLは、羽根部材又は構造部材と称されてもよい。タービンTの一例が図3及び図4に示されている。図3は、タービンTの外観を示す斜視図である。図4は、タービンブレードBLの外観を示す斜視図である。図3及び図4に示すように、タービンTは、複数のタービンブレードBLを備えている。タービンブレードBLは、シャンク91と、シャンク91に結合され且つシャンク91からタービンTの半径方向外側に延びるブレード本体92とを含む。シャンク91及びブレード本体92の少なくとも一方は、単一の金属から構成されていてもよい。シャンク91及びブレード本体92の少なくとも一方は、複数の金属から構成されていてもよい。シャンク91及びブレード本体92の少なくとも一方は、既存の製造方法(例えば、鋳造、鍛造、付加加工、除去加工及び機械加工のうちの少なくとも一つを用いた製造方法)によって製造されてもよい。シャンク91及びブレード本体92が一体的に製造されていてもよい。或いは、別々に製造されたシャンク91及びブレード本体92が、既存の結合方法(例えば、溶接、ロウ付け及び接着等の少なくとも一つを用いた結合方法)によって結合されてもよい。複数のタービンブレードBLがそれぞれ備える複数のシャンク91は、互いに結合されていてもよい。結合された複数のシャンク91は、回転可能なロータRTの少なくとも一部を構成していてもよい。ロータRTとタービンブレードBLとは、一体的に形成されていてもよい。
【0021】
ブレード本体92は、シャンク91のプラットフォーム911から、タービンTの半径方向外側に延びる。プラットフォーム911は、正圧側プラットフォーム9111と、負圧側プラットフォーム9112とを含む。ブレード本体92は、正圧面921と、正圧面921とは反対側を向いた負圧面922と、シャンク91に結合される根本部923と、根本部923とは反対側の端部を構成する先端部924とを含む。ブレード本体92は更に、正圧面921と負圧面922との間に位置する前縁面925と、前縁面925とは反対側において正圧面921と負圧面922との間に位置する後縁面926とを含む。正圧面921、負圧面922、前縁面925及び後縁面926のうちの少なくとも一つの表面は、曲面を含んでいてもよい。例えば、図4に示す例では、少なくとも正圧面921及び負圧面922のそれぞれの表面は、曲面を含んでいる。
【0022】
タービンTは、タービンTに供給される流体の流れを用いて回転可能である。具体的には、タービンTには、流体(例えば、水、蒸気、空気及びガスの少なくとも一つ)が供給される。タービンTに供給された流体は、複数のタービンブレードBLのそれぞれの表面に沿って流れる。このため、タービンブレードBLは、流体中で用いられる。その結果、流体の運動エネルギーは、複数のタービンブレードBLによって、タービンTの回転エネルギーに変換される。このようなタービンTの一例として、流体として蒸気を用いる蒸気タービン及び流体としてガスを用いるガスタービンの少なくとも一方があげられる。このようなタービンTの他の一例として、流体として水を用いる水力タービン及び流体として空気を用いる浮力タービンの少なくとも一方があげられる。また、タービンTは、その回転によって流体の流れを生成するものであってもよい。
【0023】
尚、図3及び図4に示すタービンTは、軸流型のタービンブレードBLを備えている。つまり、図3及び図4に示すタービンTは、軸流タービンである。しかしながら、タービンTは、図5に示すように、半径流タービン(つまり、ラジアルタービン)であってもよい。半径流タービンでは、図5において矢印F1及びF2で示すように、流体は、タービンブレードBLの回転軸120に対して平行にタービンブレードBLに侵入し、出口部分160から、回転軸120と交差する方向に流出する。
【0024】
以下の説明では、説明の便宜上、ワークWがタービンブレードBLである例について説明する。但し、ワークWがタービンブレードBLに限定されることはない。つまり、リブレット構造RBは、タービンブレードBLとは異なるワークWに形成されてもよい。リブレット構造RBが形成されるワークWの他の一例として、媒質(例えば、流体)に対して相対的に移動する任意の部材があげられる。例えば、ワークWは、ファン又はプロペラの少なくとも一部(例えば、ファン又はプロペラの羽根を構成する部材)であってもよい。ファンは、送風機等に用いられ、気体の流れを形成する部材(典型的には、回転体)である。プロペラは、例えば、エンジン及びモータの少なくとも一方を含む原動機から出力される回転力を、飛行機及び船舶等の少なくとも一つを含む移動体の推進力に変換する部材(典型的には、回転体)である。例えば、ワークWは、インペラーの少なくとも一部(例えば、ファン又はプロペラの羽根を構成する部材)であってもよい。インペラーは、例えば、ポンプに用いられる部材であって、ポンプが流体を送り出す(或いは、吸い出す)力を発生させるように回転可能な羽根車である。例えば、ワークWは、インペラーの周囲に配置される静止した分離板の少なくとも一部であってもよい。例えば、ワークWは、飛行機及び船舶等の少なくとも一つを含む移動体の筐体(例えば、機体又は船体)の少なくとも一部であってもよい。例えば、ワークWは、飛行機等の飛翔体の翼部分(いわゆる、ウイング)の少なくとも一部であってもよい。
【0025】
ワークWは、ケーシングを含んでいてもよい。つまり、リブレット構造RBは、ケーシングの少なくとも一部に形成されていてもよい。例えば、ケーシングが、タービンTに用いられる場合には、リブレット構造RBは、タービンブレードBL(つまり、可動翼)を収容する収容空間及び流体が流れる通路のうちの少なくとも一つに面するケーシングの内壁面の少なくとも一部に形成されていてもよい。例えば、ケーシングが、ポンプに用いられる場合には、リブレット構造RBは、インペラーを収容する収容空間及び流体が流れる通路のうちの少なくとも一つに面するケーシングの内壁面の少なくとも一部に形成されていてもよい。例えば、ケーシングが、空調機(例えば、空調機を構成する室内機及び室外機の少なくとも一つ)のファンを収容するために用いられる場合には、リブレット構造RBは、ファンを収容する収容空間、流体(例えば、冷媒)が流れる通路、及び、空調機の通風路のうちの少なくとも一つに面するケーシングの内壁面の少なくとも一部に形成されていてもよい。
【0026】
ワークWは、風力発電に用いられる風車の羽根(つまり、ブレード)であってもよい。つまり、リブレット構造RBは、風車の羽根に形成されていてもよい。特に、リブレット構造RBは、環境負荷の低いクリーンエネルギー(或いは、自然エネルギー又は再生可能エネルギー)を得るための風車の羽根に形成されてもよい。この場合、エネルギー効率の向上を図ることができる。
【0027】
或いは、加工装置1は、除去加工に加えて又は代えて、ワークWに加工光ELを照射することでワークWに新たな構造物を付加する付加加工を行ってもよい。この場合、加工装置1は、付加加工を行うことで、上述したリブレット構造RBをワークWの表面に形成してもよい。或いは、加工装置1は、除去加工及び付加加工の少なくとも一方に加えて又は代えて、ワークWに工具を接触させることでワークWを加工する機械加工を行ってもよい。この場合、加工装置1は、機械加工を行うことで、上述したリブレット構造RBをワークWの表面に形成してもよい。
【0028】
加工光ELは、加工光ELを生成する加工光源2から、不図示の光伝搬部材(例えば、光ファイバ及びミラーの少なくとも一方)を介して加工装置1に供給される。加工装置1は、加工光源2から供給される加工光ELを、ワークWに照射する。
【0029】
ワークWを加工するために、加工装置1は、加工ヘッド11と、ヘッド駆動系12と、ステージ13と、ステージ駆動系14とを備える。
【0030】
加工ヘッド1は、加工光源2からの加工光ELをワークWに照射する。加工光ELをワークWに照射するために、加工ヘッド11は、加工光学系111を備える。加工ヘッド11は、加工光学系111を介して、加工光ELをワークWに照射する。加工光学系111は、例えば、ワークWの表面に加工光ELを集光してもよい。加工光学系111は、例えば、加工光ELの光学特性を制御してもよい。加工光ELの光学特性の一例として、加工光ELの強度、加工光ELの強度の経時的変化、加工光ELの集光位置、ワークWに対する加工光ELの入射角度、加工光学系111の光軸に交差する光学面内での加工光ELの形状、当該光学面内での加工光ELの強度分布、及び加工光のパルス数(但し、加工光がパルス光である場合)の少なくとも一つがあげられる。
【0031】
ヘッド駆動系12は、制御装置3の制御下で、X軸方向、Y軸方向及びZ軸方向の少なくとも一つに沿って加工ヘッド11を移動させる。尚、ヘッド駆動系12は、X軸方向、Y軸方向及びZ軸方向の少なくとも一つに加えて又は代えて、θX方向、θY方向及びθZ方向の少なくとも一つに沿って加工ヘッド11を移動させてもよい。加工ヘッド11が移動すると、ステージ13(更には、ステージ13に載置されたワークW)と加工ヘッド11との位置関係が変わる。更には、ステージ13及びワークWと加工ヘッド11との位置関係が変わると、ワークW上での加工光ELの照射位置が変わる。
【0032】
ステージ13上には、ワークWが載置される。ステージ13は、ステージ13に載置されたワークWを保持しなくてもよい。つまり、ステージ13は、ステージ13に載置されたワークWに対して、当該ワークWを保持するための保持力を加えなくてもよい。或いは、ステージ13は、ステージ13に載置されたワークWを保持してもよい。つまり、ステージ13は、ステージ13に載置されたワークWに対して、当該ワークWを保持するための保持力を加えてもよい。例えば、ステージ13は、ワークWを真空吸着及び/又は静電吸着することで、ワークWを保持してもよい。
【0033】
ステージ駆動系14は、制御装置3の制御下で、ステージ13を移動させる。具体的には、ステージ駆動系14は、加工ヘッド11に対してステージ13を移動させる。例えば、ステージ駆動系14は、制御装置3の制御下で、X軸方向、Y軸方向、Z軸方向、θX方向、θY方向及びθZ方向の少なくとも一つに沿ってステージ13を移動させてもよい。尚、ステージ13をθX方向、θY方向及びθZ方向の少なくとも一つに沿って移動させることは、ステージ13(更には、ステージ13に載置されたワークW)のX軸、Y軸及びZ軸の少なくとも一つの廻りの姿勢を変更することと等価であるとみなしてもよい。或いは、ステージ13をθX方向、θY方向及びθZ方向の少なくとも一つに沿って移動させることは、ステージ13をX軸、Y軸及びZ軸の少なくとも一つの廻りに回転(又は回転移動)させることと等価であるとみなしてもよい。
【0034】
ステージ13が移動すると、ステージ13(更には、ステージ13に載置されたワークW)と加工ヘッド11との位置関係が変わる。更には、ステージ13及びワークWと加工ヘッド11との位置関係が変わると、ワークW上での加工光ELの照射位置が変わる。
【0035】
制御装置3は、加工システムSYSの動作を制御する。例えば、制御装置3は、ワークWを加工するための加工制御情報を生成すると共に、生成した加工制御情報に従ってワークWが加工されるように、加工制御情報に基づいて、加工装置1を制御してもよい。つまり、制御装置3は、ワークWの加工を制御してもよい。
【0036】
制御装置3は、例えば、演算装置と記憶装置とを含んでいてもよい。演算装置は、例えば、CPU(Central Processing Unit)及びGPU(Graphics Processing Unit))の少なくとも一方を含んでいてもよい。制御装置3は、演算装置がコンピュータプログラムを実行することで、加工システムSYSの動作を制御する装置として機能する。このコンピュータプログラムは、制御装置3が行うべき後述する動作を制御装置3(例えば、演算装置)に行わせる(つまり、実行させる)ためのコンピュータプログラムである。つまり、このコンピュータプログラムは、加工システムSYSに後述する動作を行わせるように制御装置3を機能させるためのコンピュータプログラムである。演算装置が実行するコンピュータプログラムは、制御装置3が備える記憶装置(つまり、記録媒体)に記録されていてもよいし、制御装置3に内蔵された又は制御装置3に外付け可能な任意の記憶媒体(例えば、ハードディスクや半導体メモリ)に記録されていてもよい。或いは、演算装置は、実行するべきコンピュータプログラムを、ネットワークインタフェースを介して、制御装置3の外部の装置からダウンロードしてもよい。
【0037】
制御装置3は、加工システムSYSの内部に設けられていなくてもよい。例えば、制御装置3は、加工システムSYS外にサーバ等として設けられていてもよい。この場合、制御装置3と加工システムSYSとは、有線及び/又は無線のネットワーク(或いは、データバス及び/又は通信回線)で接続されていてもよい。有線のネットワークとして、例えばIEEE1394、RS-232x、RS-422、RS-423、RS-485及びUSBの少なくとも一つに代表されるシリアルバス方式のインタフェースを用いるネットワークが用いられてもよい。有線のネットワークとして、パラレルバス方式のインタフェースを用いるネットワークが用いられてもよい。有線のネットワークとして、10BASE-T、100BASE-TX及び1000BASE-Tの少なくとも一つに代表されるイーサネット(登録商標)に準拠したインタフェースを用いるネットワークが用いられてもよい。無線のネットワークとして、電波を用いたネットワークが用いられてもよい。電波を用いたネットワークの一例として、IEEE802.1xに準拠したネットワーク(例えば、無線LAN及びBluetooth(登録商標)の少なくとも一方)があげられる。無線のネットワークとして、赤外線を用いたネットワークが用いられてもよい。無線のネットワークとして、光通信を用いたネットワークが用いられてもよい。この場合、制御装置3と加工システムSYSとはネットワークを介して各種の情報の送受信が可能となるように構成されていてもよい。また、制御装置3は、ネットワークを介して加工システムSYSにコマンドや制御パラメータ等の情報を送信可能であってもよい。加工システムSYSは、制御装置3からのコマンドや制御パラメータ等の情報を、上記ネットワークを介して受信する受信装置を備えていてもよい。或いは、制御装置3が行う処理のうちの一部を行う第1制御装置が加工システムSYSの内部に設けられている一方で、制御装置3が行う処理のうちの他の一部を行う第2制御装置が加工システムSYSの外部に設けられていてもよい。
【0038】
尚、演算装置が実行するコンピュータプログラムを記録する記録媒体としては、CD-ROM、CD-R、CD-RWやフレキシブルディスク、MO、DVD-ROM、DVD-RAM、DVD-R、DVD+R、DVD-RW、DVD+RW及びBlu-ray(登録商標)等の光ディスク、磁気テープ等の磁気媒体、光磁気ディスク、USBメモリ等の半導体メモリ、及び、その他プログラムを格納可能な任意の媒体の少なくとも一つが用いられてもよい。記録媒体には、コンピュータプログラムを記録可能な機器(例えば、コンピュータプログラムがソフトウェア及びファームウェア等の少なくとも一方の形態で実行可能な状態に実装された汎用機器又は専用機器)が含まれていてもよい。更に、コンピュータプログラムに含まれる各処理や機能は、制御装置3(つまり、コンピュータ)がコンピュータプログラムを実行することで制御装置3内に実現される論理的な処理ブロックによって実現されてもよいし、制御装置3が備える所定のゲートアレイ(FPGA、ASIC)等のハードウェアによって実現されてもよいし、論理的な処理ブロックとハードウェアの一部の要素を実現する部分的ハードウェアモジュールとが混在する形式で実現してもよい。
【0039】
(2)リブレット構造RB
続いて、図6(a)から図6(c)を参照しながら、加工システムSYSによってワークWに形成されるリブレット構造RBについて説明する。図6(a)は、リブレット構造RBを示す斜視図であり、図6(b)は、リブレット構造RBを示す断面図(図6(a)のVI-VI’断面図)であり、図6(c)は、リブレット構造RBを示す上面図である。尚、以下では、ワークWの一具体例であるタービンブレードBLに形成されるリブレット構造RBについて説明する。但し、タービンブレードBLとは異なるワークWに形成されるリブレット構造RBも、以下に説明する構造を有していてもよい。
【0040】
図6(a)から図6(c)に示すように、リブレット構造RBは、タービンブレードBLの表面に沿った第1の方向に沿って延びる溝が、タービンブレードBLの表面に沿っており且つ第1の方向に交差する第2方向に沿って複数配列された構造を含んでいてもよい。つまり、リブレット構造RBは、第1の方向に沿って延びるように形成される溝構造9が、第2方向に沿って並んだ構造を含んでいてもよい。図6(a)から図6(c)に示す例では、リブレット構造RBは、X軸方向に沿って延びる溝構造9が、Y軸方向に沿って複数配列された構造を含んでいる。
【0041】
溝構造9は、溝構造9が延びる方向及び溝構造9が配列される方向の双方に交差する方向に沿って窪んだ構造である。溝構造9は、タービンブレードBLの表面から窪んだ構造である。図6(a)から図6(c)に示す例では、溝構造9は、Z軸方向に沿って窪んだ構造である。
【0042】
隣り合う溝構造9の間には、周囲と比較して突き出た山構造8が形成される。このため、リブレット構造RBは、タービンブレードBLの表面に沿った第1の方向に沿って延び且つタービンブレードBLの表面に沿っており且つ第1の方向に交差する第2方向に沿って配列された複数の山構造8を含んでいてもよい。つまり、リブレット構造RBは、第1の方向に沿って延びるように形成される山構造8が、第2方向に沿って並んだ構造を含んでいてもよい。山構造8は、山構造8が延びる方向及び山構造8が配列される方向の双方に交差する方向に沿って突き出た構造である。山構造8は、タービンブレードBLの表面から突き出た構造である。図6(a)から図6(c)に示す例では、山構造8は、Z軸方向に沿って突き出た構造である。尚、山構造8は、タービンブレードBLの表面に対して突起となる突起形状の構造を含んでいてもよい。山構造8は、タービンブレードBLの表面に対して凸となる凸形状の構造を含んでいてもよい。山構造8は、タービンブレードBLの表面に対して山となる山形状の構造を含んでいてもよい。
【0043】
尚、山構造8は、溝構造9から突き出た構造であるとみなしてもよい。山構造8は、隣り合う二つの溝構造9の間に、突起形状の構造、凸形状の構造及び山形状の構造の少なくとも一つを形成する構造であるとみなしてもよい。溝構造9は、山構造8から窪んだ構造であるとみなしてもよい。溝構造9は、隣り合う二つの山構造8の間に、溝形状の構造を形成する構造であるとみなしてもよい。
【0044】
上述したように、本実施形態の加工システムSYSは、除去加工を行うことでリブレット構造RBを形成する。このため、加工システムSYSは、タービンブレードBLのうち溝構造9が形成される部分を除去する除去加工を行うことで、リブレット構造RBを形成してもよい。つまり、加工システムSYSは、タービンブレードBLのうち山構造8が形成される部分を残すようにタービンブレードBLの一部を除去する除去加工を行うことで、リブレット構造RBを形成してもよい。例えば、加工システムSYSは、タービンブレードBLの表面のうちの溝構造9が形成される部分に加工光ELが照射されるように、タービンブレードBLに加工光ELを照射してもよい。具体的には、加工システムSYSは、溝構造9が延びるX軸方向に沿って加工光ELが照射される照射領域EA(図1参照)を移動させながらタービンブレードBLの表面に加工光ELを照射するスキャン動作と、タービンブレードBLの表面に加工光ELを照射することなく溝構造9が並ぶY軸に沿って加工光ELの照射領域EAを移動させるステップ動作とを繰り返すことで、リブレット構造RBを形成してもよい。この場合、加工システムSYSは、溝構造9を形成することでリブレット構造RBを形成している(つまり、山構造8を形成している)とも言える。
【0045】
(3)リブレット構造RBを形成する動作の具体例
続いて、リブレット構造RBを形成する動作の具体例について説明する。
【0046】
(3-1)リブレット構造RBを形成する動作の第1具体例
第1具体例では、加工システムSYSは、タービンブレードBLの流線に関する情報に基づいてリブレット構造RBを形成してもよい。例えば、図7は、タービンブレードBLの表面における流線の一例を模式的に示す平面図である。尚、本実施形態における流線は、タービンブレードBL(つまり、ワークW)の表面に対して流体が流れている状況下での、タービンブレードBLの表面の各部における流体の速度ベクトルを接線とする曲線を意味していてもよい。つまり、本実施形態における流線は、タービンブレードBL(つまり、ワークW)の表面における流れ場の速度ベクトルを接線とする曲線を意味していてもよい。
【0047】
第1具体例では、加工システムSYSは、このようなタービンブレードBLの流線に関する情報に基づいて、タービンブレードBLの表面にリブレット構造RBを形成してもよい。例えば、図8は、流線に関する情報に基づいて形成されたリブレット構造RBの一例を模式的に示す平面図である。図8に示すように、加工システムSYSは、複数の溝構造9のうちの少なくとも一つが、流線に沿って延びるように、リブレット構造RBを形成してもよい。加工システムSYSは、ある一つの溝構造9の少なくとも一部が、流線に沿って延びるように、リブレット構造RBを形成してもよい。加工システムSYSは、複数の山構造8のうちの少なくとも一つが、流線に沿って延びるように、リブレット構造RBを形成してもよい。加工システムSYSは、ある一つの山構造8の少なくとも一部が、流線に沿って延びるように、リブレット構造RBを形成してもよい。加工システムSYSは、複数の溝構造9のうちの少なくとも一つが、流線に基づいて定まる方向に沿って延びるように、リブレット構造RBを形成してもよい。加工システムSYSは、ある一つの溝構造9の少なくとも一部が、流線に基づいて定まる方向に沿って延びるように、リブレット構造RBを形成してもよい。加工システムSYSは、複数の山構造8のうちの少なくとも一つが流線に基づいて定まる方向に沿って延びるように、リブレット構造RBを形成してもよい。加工システムSYSは、ある一つの山構造8の少なくとも一部が、流線に基づいて定まる方向に沿って延びるように、リブレット構造RBを形成してもよい。
【0048】
以下、図9を参照しながら、流線に関する情報に基づいてリブレット構造RBを形成する動作の一例について説明する。図9は、流線に関する情報に基づいてリブレット構造RBを形成する動作の一例の流れを示すフローチャートである。
【0049】
図9に示すように、制御装置3は、流線に関する情報(以降、“流線情報”と称する)を取得する(ステップS101)。流線情報は、流線の方向(つまり、流れ場の速度ベクトルの方向)を示す情報を含んでいてもよい。例えば、図10は、流線情報の一例を模式的に示す。図10に示すように、流線情報は、タービンブレードBLの表面上の各位置における流線の方向を示す情報を含んでいてもよい。特に、流線情報は、タービンブレードBLの表面上の複数位置(つまり、少なくとも二つの位置)のそれぞれにおける流線の方向を示す情報を含んでいてもよい。例えば、図10に示すように、流線情報は、タービンブレードBLの表面上の第1位置P11における流線の方向を示す情報と、タービンブレードBLの表面上の第2位置P12における流線の方向を示す情報とを含んでいてもよい。但し、流線情報は、流線の方向を示す情報に加えて又は代えて、流線に関する任意の情報を含んでいてもよい。
【0050】
例えば、制御装置3が備える記憶装置に流線情報が記憶されている場合には、制御装置3は、記憶装置に記憶された流線情報を読み出してもよい。例えば、制御装置3は、加工システムSYSが備える不図示の記録媒体読み出し装置を用いて、加工システムSYSに外付け可能な記録媒体から、流線情報を取得してもよい。例えば、制御装置3は、加工システムSYSが備える通信装置を用いて、通信ネットワークを介して加工システムSYSと通信可能な加工システムSYSの外部の装置から、流線情報を取得(つまり、ダウンロード)してもよい。
【0051】
制御装置3は、流線情報を生成することで、流線情報を取得してもよい。具体的には、例えば、制御装置3は、タービンブレードBLの3次元モデルを示すモデル情報と、タービンブレードBLの表面を流れる流体の特性に関する特性情報とに基づいて、流体の粘性に起因してタービンブレードBLの表面に作用するせん断応力(例えば、壁面せん断応力)を算出してもよい。その後、制御装置3は、算出した壁面せん断応力に基づいて、タービンブレードBLの表面上の各位置における流線を算出してもよい。
【0052】
再び図9において、御装置3は、流線情報に加えて、溝構造9の配列ピッチに関するピッチ情報を取得する(ステップS102)。溝構造9の配列ピッチは、隣り合う二つの溝構造9の間の間隔に相当する。尚、上述したように、隣り合う二つの溝構造9の間に山構造8が形成されているがゆえに、溝構造9の配列ピッチは、実質的には、山構造8の配列ピッチと等価であるとみなしてもよい。山構造8の配列ピッチは、隣り合う二つの山構造8の間の間隔に相当する。
【0053】
図11は、ピッチ情報の一例を模式的に示す。図11に示すように、ピッチ情報は、タービンブレードBLの表面上の各位置における配列ピッチを示す情報を含んでいてもよい。特に、ピッチ情報は、タービンブレードBLの表面上の複数位置(つまり、少なくとも二つの位置)のそれぞれにおける配列ピッチを示す情報を含んでいてもよい。例えば、図11に示すように、ピッチ情報は、タービンブレードBLの表面上の第1位置P11における配列ピッチを示す情報と、タービンブレードBLの表面上の第2位置P12における配列ピッチを示す情報と、タービンブレードBLの表面上の第3位置P13における配列ピッチを示す情報と、タービンブレードBLの表面上の第4位置P14における配列ピッチを示す情報とを含んでいてもよい。例えば、図11に示す例では、ピッチ情報は、タービンブレードBLの表面上の第1位置P11における配列ピッチが、60マイクロメートルであり、タービンブレードBLの表面上の第2位置P12における配列ピッチが、60マイクロメートルであり、タービンブレードBLの表面上の第3位置P13における配列ピッチが、70マイクロメートルであり、タービンブレードBLの表面上の第3位置P13における配列ピッチが、110マイクロメートルであることを示している。
【0054】
例えば、制御装置3が備える記憶装置にピッチ情報が記憶されている場合には、制御装置3は、記憶装置に記憶されたピッチ情報を読み出してもよい。例えば、制御装置3は、加工システムSYSが備える不図示の記録媒体読み出し装置を用いて、加工システムSYSに外付け可能な記録媒体から、ピッチ情報を取得してもよい。例えば、制御装置3は、加工システムSYSが備える通信装置を用いて、通信ネットワークを介して加工システムSYSと通信可能な加工システムSYSの外部の装置から、ピッチ情報を取得(つまり、ダウンロード)してもよい。
【0055】
制御装置3は、ピッチ情報を生成することで、ピッチ情報を取得してもよい。具体的には、例えば、制御装置3は、タービンブレードBLの3次元モデルを示すモデル情報と、タービンブレードBLの表面を流れる流体の特性に関する特性情報とに基づいて、タービンブレードBLWの表面の流体に対する抵抗(特に、摩擦抵抗及び乱流摩擦抵抗の少なくとも一方)を低減可能な適切な配列ピッチを算出してもよい。
【0056】
再び図9において、その後、制御装置3は、タービンブレードBLの表面において溝構造9が形成される位置を設定する(つまり、決定する又は算出する)(ステップS103)。上述したように、溝構造9は、タービンブレードBLの表面上で線状に延びる。このため、制御装置3は、溝構造9が形成される位置として、溝構造9が延びる軌跡を表す線を設定してもよい。以下の説明では、説明の便宜上、溝構造9が延びる軌跡を表す線を、“リブレットラインRL”と称する。
【0057】
尚、上述したように、隣り合う二つの溝構造9の間に山構造8が形成されているがゆえに、溝構造9が形成される位置は、実質的には、山構造8が形成されている位置を間接的に示しているとみなしてもよい。このため、リブレットラインRLは、山構造8が延びる軌跡を表す線であってもよい。制御装置3は、溝構造9が延びる軌跡を表す線であるリブレットラインRLに加えて又は代えて、山構造8が延びる軌跡を表す線であるリブレットラインRLを設定してもよい。尚、以下では、説明の便宜上、溝構造9が延びる軌跡を表す線であるリブレットラインRLについて説明する。しかしながら、以下の説明は、「溝構造9」という文言を「山構造8」という文言に置き換えることで、山構造8が延びる軌跡を表す線に相当するリブレットラインRLに関する説明として利用可能である。
【0058】
制御装置3は、ステップS101において取得された流線情報と、ステップS102において取得されたピッチ情報とに基づいて、リブレットラインRLを設定する。具体的には、制御装置3は、流線情報に基づいて、タービンブレードBLの表面の各位置における流線の方向を特定する。更に、制御装置3は、ピッチ情報に基づいて、タービンブレードBLの表面の各位置に形成される溝構造9の配列ピッチを特定する。その後、制御装置3は、特定した流線の方向に沿って延び、且つ、特定した流線の方向に交差する方向に沿って、特定した配列ピッチで互いに平行に並ぶ複数のリブレットラインRLを、タービンブレードBLの表面上の各位置に設定する。つまり、制御装置3は、タービンブレードBLの表面上の各位置において、複数のリブレットラインRLの延びる方向が、流線情報が示す流線の方向と一致し、且つ、リブレットラインRLの配列ピッチが、ピッチ情報が示す配列ピッチと一致するように、互いに平行な複数のリブレットラインRLを設定する。
【0059】
具体的には、リブレットラインRLを模式的に示す図12に示すように、制御装置3は、タービンブレードBLの表面上の第1位置P11において、複数のリブレットラインRLの延びる方向が、流線情報が示す第1位置P11における流線の方向と一致し、且つ、リブレットラインRLの配列ピッチが、ピッチ情報が示す第1位置P11における配列ピッチと一致するように、互いに平行な複数のリブレットラインRLを設定する。例えば、制御装置3は、第1位置P11を含むタービンブレードBLの表面上の領域において、複数のリブレットラインRLの延びる方向が、流線情報が示す第1位置P11における流線の方向と一致し、且つ、リブレットラインRLの配列ピッチが、ピッチ情報が示す第1位置P11における配列ピッチと一致するように、互いに平行な複数のリブレットラインRLを設定してもよい。同様に、制御装置3は、タービンブレードBLの表面上の第2位置P12において、複数のリブレットラインRLの延びる方向が、流線情報が示す第2位置P12における流線の方向と一致し、且つ、リブレットラインRLの配列ピッチが、ピッチ情報が示す第2位置P12における配列ピッチと一致するように、互いに平行な複数のリブレットラインRLを設定する。例えば、制御装置3は、第2位置P12を含むタービンブレードBLの表面上の領域において、複数のリブレットラインRLの延びる方向が、流線情報が示す第2位置P12における流線の方向と一致し、且つ、リブレットラインRLの配列ピッチが、ピッチ情報が示す第2位置P12における配列ピッチと一致するように、互いに平行な複数のリブレットラインRLを設定してもよい。但し、制御装置3は、互いに平行でない(つまり、非平行な)少なくとも二つのリブレットラインRLを含む複数のリブレットラインRLを設定してもよい。
【0060】
制御装置3は、リブレットラインRLを構成する線分のサイズ(具体的には、リブレットラインRLの延伸方向におけるリブレットラインRLの線分のサイズであり、実質的には、長さ)が、溝構造9の配列ピッチ(つまり、リブレットラインRLの配列ピッチ)よりも大きくなるように、リブレットラインRLを設定してもよい。制御装置3は、リブレットラインRLを構成する線分の長さが、溝構造9の配列ピッチ(つまり、リブレットラインRLの配列ピッチ)の数倍から数十倍となるように、リブレットラインRLを設定してもよい。一例として、溝構造9の配列ピッチが数十マイクロメートルである場合には、制御装置3は、リブレットラインRLを構成する線分の長さが数百マイクロメートルから数ミリメートルとなるように、リブレットラインRLを設定してもよい。
【0061】
上述したように、タービンブレードBLの表面上の各位置には、流線情報が示す各位置の流線の方向に沿って延びる複数の線分からそれぞれ構成され、且つ、ピッチ情報が示す各位置の配列ピッチで並ぶ複数のリブレットラインRLが設定される。このため、制御装置3は、タービンブレードBLの表面上の各位置において、ピッチ情報が示す各位置の配列ピッチよりも長く且つ流線情報が示す各位置の流線の方向に沿って延びる線分から構成されるリブレットラインRLを設定してもよい。例えば、制御装置3は、タービンブレードBLの表面上の第1位置P11において、ピッチ情報が示す第1位置P11の配列ピッチよりも長く且つ流線情報が示す第1位置P11の流線の方向に沿って延びる線分から構成されるリブレットラインRLを設定してもよい。例えば、制御装置3は、タービンブレードBLの表面上の第2位置P12において、ピッチ情報が示す第2位置P12の配列ピッチよりも長く且つ流線情報が示す第2位置P12の流線の方向に沿って延びる線分から構成されるリブレットラインRLを設定してもよい。
【0062】
タービンブレードBLの表面上の第1領域内における流線の方向は、第1領域に隣接するタービンブレードBLの表面上の第2領域内における流線の方向と一致するとは限らない。このため、タービンブレードBLの表面上の第1領域内に設定されたリブレットラインRLが延びる方向は、タービンブレードBLの表面上の第2領域内に設定されたリブレットラインRLが延びる方向と一致するとは限らない。図12は、タービンブレードBLの表面上の第1領域(図12に示す例では、第1位置P11を含む領域)に設定されたリブレットラインRLが延びる方向が、タービンブレードBLの表面上の第2領域(図12に示す例では、第2位置P12を含む領域)内に設定されたリブレットラインRLが延びる方向と異なる例を示している。つまり、図12は、タービンブレードBLの表面上の第1領域内に設定されたリブレットラインRLが、タービンブレードBLの表面上の第2領域内に設定されたリブレットラインRLとが平行でない例を示している。但し、タービンブレードBLの表面上の第1領域内に設定されたリブレットラインRLが延びる方向が、タービンブレードBLの表面上の第2領域内に設定されたリブレットラインRLが延びる方向と一致していてもよい。つまり、タービンブレードBLの表面上の第1領域内に設定されたリブレットラインRLと、タービンブレードBLの表面上の第1領域内に設定されたリブレットラインRLとが平行であってもよい。
【0063】
タービンブレードBLの表面上の第1領域内に形成される溝構造9の配列ピッチは、第1領域に隣接するタービンブレードBLの表面上の第2領域内に形成される溝構造9の配列ピッチと一致するとは限らない。このため、タービンブレードBLの表面上の第1領域内に設定されたリブレットラインRLの配列ピッチは、タービンブレードBLの表面上の第2領域内に設定されたリブレットラインRLの配列ピッチと一致するとは限らない。図12は、タービンブレードBLの表面上の第1領域内に設定されたリブレットラインRLの配列ピッチが、タービンブレードBLの表面上の第2領域内に設定されたリブレットラインRLの配列ピッチと異なる例を示している。この場合、タービンブレードBLの表面上の第1領域内に設定された複数のリブレットラインRLのうちの少なくとも一つは、タービンブレードBLの表面上の第2領域内に設定された複数のリブレットラインRLのいずれにもつながっていなくてもよい。但し、タービンブレードBLの表面上の第1領域内に設定されたリブレットラインRLの配列ピッチが、タービンブレードBLの表面上の第2領域内に設定されたリブレットラインRLの配列ピッチと一致していてもよい。
【0064】
その後、制御装置3は、ステップS103において設定されたリブレットラインRLに沿って延びる溝構造9を含むリブレット構造RBを形成するように加工装置1を制御するための加工制御情報を生成する(ステップS104)。加工制御情報は、例えば、ワークWの表面での加工光ELの照射領域EAのワークWに対する相対的な移動軌跡を示す加工パス情報を含んでいてもよい。その後、制御装置3は、ステップS104で生成された加工制御情報に基づいて、設定したリブレットラインRLに沿って延びるリブレット構造RBを形成するように加工装置1を制御する(ステップS105)。つまり、加工装置1は、ステップS104で生成された加工制御情報に基づいて、設定したリブレットラインRLに沿って延びるリブレット構造RBを形成するように、タービンブレードBL(つまり、ワークW)を加工する(ステップS105)。その結果、リブレット構造RBが形成されたタービンブレードBLを示す平面図である図13に示すように、設定されたリブレットラインRLに沿って延びるリブレット構造RBが形成される。つまり、設定されたリブレットラインRLが延びる方向に沿って延び且つ設定されたリブレットラインRLの配列ピッチと同じ配列ピッチで並ぶ複数の溝構造9を含むリブレット構造RBが形成される。
【0065】
図13に示す例では、第1位置P11を含むタービンブレードBLの表面上の領域において、流線情報が示す第1位置P11における流線の方向に沿って延び且つピッチ情報が示す第1位置P11における配列ピッチで並ぶ複数の溝構造9が形成されている。更に、第2位置P12を含むタービンブレードBLの表面上の領域(つまり、第1位置P11を含む領域に隣接する領域)において、流線情報が示す第2位置P12における流線の方向に沿って延び且つピッチ情報が示す第2位置P12における配列ピッチで並ぶ複数の溝構造9が形成されている。尚、以降の説明では、第1位置P11に形成される溝構造9を、“溝構造9#1”と称し、第2位置P12に形成される溝構造9を、“溝構造9#2”と称する。
【0066】
加工システムSYSは、タービンブレードBLの表面上の第1領域内に形成される複数の溝構造9のうちの少なくとも一つが、第1領域に隣接するタービンブレードBLの表面上の第2領域内に形成される複数の溝構造9のうちの少なくとも一つに滑らかに接続されるように、リブレット構造RBを形成してもよい。具体的には、加工システムSYSは、第1領域内に形成される第1の溝構造9と、第2領域内に形成される第2の溝構造9とを接続する第3の溝構造9を含むリブレット構造RBを形成してもよい。つまり、加工システムSYSは、第1領域内に形成される第1の溝構造9と第2領域内に形成される第2の溝構造9との間に、一の溝構造9及び第2の溝構造と共に一連の溝構造9を構成する第3の溝構造9を含むリブレット構造RBを形成してもよい。尚、以降の説明では、隣り合う二つの領域にそれぞれ形成される第1及び第2の溝構造9を接続するための第3の溝構造9を、“溝構造9_connect”と称する。例えば、図13に示すように、加工システムSYSは、溝構造9#1と溝構造9#2とを接続する溝構造9_connectを含むリブレット構造RBを形成してもよい。
【0067】
溝構造9_connectが延びる方向は、溝構造9_connectが接続する二つの溝構造9が延びる方向とは異なっていてもよい。例えば、図13に示すように、加工システムSYSは、溝構造9#1と、溝構造9#1が延びる方向と異なる方向に沿って延びる溝構造9#2と、溝構造9#1及び9#2が延びる方向とは異なる方向に沿って延びる溝構造9_connectとを含むリブレット構造RBを形成してもよい。例えば、加工システムSYSは、溝構造9#1と、溝構造9#1が延びる方向と同じ方向に沿って延びる溝構造9#2と、溝構造9#1及び9#2が延びる方向とは異なる方向に沿って延びる溝構造9_connectとを含むリブレット構造RBを形成してもよい。但し、溝構造9_connectが延びる方向は、溝構造9_connectが接続する二つの溝構造9のうちの少なくとも一方が延びる方向と同一であってもよい。例えば、加工システムSYSは、溝構造9#1と、溝構造9#1が延びる方向と同じ又は異なる方向に沿って延びる溝構造9#2と、溝構造9#1及び9#2の少なくとも一方が延びる方向と同じ方向に沿って延びる溝構造9_connectとを含むリブレット構造RBを形成してもよい。
【0068】
加工システムSYSは、以下に説明する角度条件を満たす溝構造9_connectを形成してもよい。溝構造9#1と溝構造9#2とを接続する溝構造9_connectが満たしていてもよい角度条件について説明する。角度条件は、溝構造9#1と溝構造9_connectとがなす角度θ1と、溝構造9#2と溝構造9_connectとがなす角度θ2と、溝構造9#1と溝構造9#2とがなす角度θ3とに関する条件を含んでいてもよい。角度θ1は、溝構造9#1が延びる方向に沿った軸と溝構造9_connectが延びる方向に沿った軸とがなす角度であってもよい。角度θ1は、溝構造9#1と溝構造9_connectとがなす二つの角度(例えば、90度以上となる角度及び90度以下となる角度)のうちの大きい方の角度(例えば、90度以上となる角度)であってもよい。角度θ2は、溝構造9#2が延びる方向に沿った軸と溝構造9_connectが延びる方向に沿った軸とがなす角度であってもよい。角度θ2は、溝構造9#2と溝構造9_connectとがなす二つの角度(例えば、90度以上となる角度及び90度以下となる角度)のうちの大きい方の角度(例えば、90度以上となる角度)であってもよい。角度θ3は、溝構造9#1が延びる方向に沿った軸と溝構造9#2が延びる方向に沿った軸とがなす角度であってもよい。角度θ3は、溝構造9#1と溝構造9#2とがなす二つの角度(例えば、90度以上となる角度及び90度以下となる角度)のうちの大きい方の角度(例えば、90度以上となる角度)であってもよい。この場合、角度条件は、角度θ1及びθ2のそれぞれが、角度θ3よりも大きくなるという条件を含んでいてもよい。角度条件は、角度θ1及びθ2の和が、角度θ3に180度を加算した角度となるという条件を含んでいてもよい。
【0069】
加工システムSYSは、タービンブレードBLの表面上の第1領域内に形成される複数の第1の溝構造9のうちの少なくとも一つが、第1領域に隣接するタービンブレードBLの表面上の第2領域内に形成される複数の第2の溝構造9のいずれにも接続されないように、リブレット構造RBを形成してもよい。加工システムSYSは、第1領域内に形成される複数の第1の溝構造9のうちの少なくとも一つが、溝構造9_connectに接続されないように、リブレット構造RBを形成してもよい。例えば、図14に示すように、加工システムSYSは、複数の溝構造9#1のうちの少なくとも一つが、複数の溝構造9#2のいずれにも接続されない(特に、溝構造9#1と溝構造9#2との境界、つまり、第1領域と第2領域との境界付近において接続されない)ように、リブレット構造RBを形成してもよい。加工システムSYSは、複数の溝構造9#1のうちの少なくとも一つが、溝構造9_connectに接続されないように、リブレット構造RBを形成してもよい。
【0070】
但し、加工システムSYSは、タービンブレードBLの表面上の第1領域内に形成される複数の第1の溝構造9が、第1領域に隣接するタービンブレードBLの表面上の第2領域内に形成される複数の第2の溝構造9にそれぞれ接続されるように、リブレット構造RBを形成してもよい。つまり、加工システムSYSは、第1の溝構造9と溝構造9_connectとが1対1で対応し、且つ、第2の溝構造9と溝構造9_connectとが1対1で対応するように、リブレット構造RBを形成してもよい。
【0071】
加工システムSYSは、タービンブレードBLの表面上の第1領域内に形成される複数の第1の溝構造9の配列ピッチが、第1領域に隣接するタービンブレードBLの表面上の第2領域内に形成される複数の第2の溝構造9の配列ピッチと異なるように、リブレット構造RBを形成してもよい。例えば、図15に示すように、加工システムSYSは、複数の溝構造9#1の配列ピッチPT1#1が、複数の溝構造9#2の配列ピッチPT1#2とは異なるように、リブレット構造RBを形成してもよい。この場合、図15に示すように、複数の第1の溝構造9(例えば、図15における複数の溝構造9#1)と複数の第2の溝構造9(例えば、図15における複数の溝構造9#2)とをそれぞれ接続する複数の溝構造9_connectのうちの少なくとも二つは、互いに平行でなくてもよい(つまり、非平行であってもよい)。つまり、複数の第1の溝構造9(例えば、図15における複数の溝構造9#1)と複数の第2の溝構造9(例えば、図15における複数の溝構造9#2)とをそれぞれ接続する複数の溝構造9_connectのうちの少なくとも二つは、互いに異なる方向(つまり、一の方向及び一の方向と異なる若しくは交差する他の方向)に延びていてもよい。典型的には、複数の第1の溝構造9(例えば、図15における複数の溝構造9#1)と複数の第2の溝構造9(例えば、図15における複数の溝構造9#2)とをそれぞれ接続する複数の溝構造9_connectは、互いに平行でなくてもよい(つまり、非平行であってもよい)。つまり、複数の第1の溝構造9(例えば、図15における複数の溝構造9#1)と複数の第2の溝構造9(例えば、図15における複数の溝構造9#2)とをそれぞれ接続する複数の溝構造9_connectは、互いに異なる方向に延びていてもよい。この場合、溝構造9_connectの配列ピッチ(例えば、図15に示す配列ピッチPT1_connect)は、溝構造9_connectが延びる方向(図15に示す例では、Y軸方向)における位置に応じて変化してもよい。一例として、図15に示すように、複数の溝構造9#1の配列ピッチPT1#1が、複数の溝構造9#2の配列ピッチPT1#2よりも大きい場合には、第1領域において、第1領域と第2領域との境界に近づくにつれて溝構造9_connectの配列ピッチが徐々に小さくなり、第2領域において、第1領域と第2領域との境界から離れるにつれて溝構造9_connectの配列ピッチが徐々に小さくなっていてもよい。他の一例として、図示しないものの、、複数の溝構造9#1の配列ピッチPT1#1が、複数の溝構造9#2の配列ピッチPT1#2よりも小さい場合には、第1領域において、第1領域と第2領域との境界に近づくにつれて溝構造9_connectの配列ピッチが徐々に大きくなり、第2領域において、第1領域と第2領域との境界から離れるにつれて溝構造9_connectの配列ピッチが徐々に大きくなっていてもよい。
【0072】
但し、加工システムSYSは、タービンブレードBLの表面上の第1領域内に形成される複数の第1の溝構造9の配列ピッチが、第1領域に隣接するタービンブレードBLの表面上の第2領域内に形成される複数の第2の溝構造9の配列ピッチと同一になるように、リブレット構造RBを形成してもよい。この場合、溝構造9_connectの配列ピッチ(例えば、図15に示す配列ピッチPT1_connect)は、溝構造9_connectが延びる方向(図15に示す例では、Y軸方向)における位置に関わらずに一定となっていてもよい。 尚、溝構造9_connectが形成される場合には、制御装置3は、溝構造9_connectに対応するリブレットラインRLを予め設定してもよい。例えば、制御装置3は、図12に示すリブレットラインRLに代えて、第1領域に設定されるリブレットラインRLと、第1領域に隣接する第2領域に設定される複数のリブレットラインRLのうちの少なくとも一つに滑らかに接続されるように、リブレットラインRLを設定してもよい。例えば、制御装置3は、図12に示すリブレットラインRLに代えて、隣り合う二つの領域にそれぞれ設定される二つのリブレットラインRLを接続するための別のリブレットラインRL(具体的には、溝構造9_connectを形成するためのリブレットラインRL)を設定してもよい。この場合、加工装置1は、制御装置3が生成したリブレットラインRLに基づいて、溝構造9_connectを形成してもよい。
【0073】
尚、タービンブレードBL(或いは、任意のワークW)の表面は、曲面を含む場合がある。この場合、互いに平行な複数のリブレットラインRLに沿って延びる複数の溝構造9は、タービンブレードBL(或いは、任意のワークW)の表面上で厳密に平行にはならない可能性がある。しかしながら、この場合であっても、互いに平行な複数のリブレットラインRLに沿って延びる複数の溝構造9は、タービンブレードBL(或いは、任意のワークW)の表面上で互いに平行であるとみなしてもよい。或いは、タービンブレードBLの表面上を延びる複数の溝構造9を所定の平面に投影した(つまり、射影した)場合に所定の平面上で複数の溝構造9が互いに平行になる場合には、タービンブレードBL(或いは、任意のワークW)の表面上に形成された複数のリブレットラインRLが互いに平行であるとみなしてもよい。
【0074】
このように、第1具体例では、加工システムSYSは、流線情報に基づいてリブレット構造RBを形成する。その結果、流線に基づいて定まる方向(典型的には、流線の方向)に沿って延びる溝構造9(更には、山構造8)を含むリブレット構造RBが形成される。このため、ワークWの表面の流体に対する抵抗を適切に低減可能なリブレット構造RBが形成可能となる。
【0075】
特に、第1具体例では、互いに隣接する第1及び第2の溝構造9を接続する溝構造9_connectが形成される。このため、溝構造9_connectが形成されない場合と比較して、第1及び第2の溝構造9と溝構造9_connectとから構成される一連の溝構造9がより滑らかに延びる。その結果、ワークWの表面の流体に対する抵抗を適切に低減可能なリブレット構造RBが形成可能となる。
【0076】
尚、上述した説明では、加工システムSYSが備える制御装置3が、リブレットラインRLを設定している。しかしながら、加工システムSYSの外部の情報処理装置が、リブレットラインRLを設定してもよい。つまり、加工システムSYSの外部の情報処理装置が、図9のステップS101からステップS105までの動作を行ってもよい。この場合、制御装置3は、外部の情報処理装置からリブレットラインRLに関する情報を取得し、取得したリブレットラインRLに関する情報に基づいて加工制御情報を生成してもよい。或いは、外部の情報処理装置は、リブレットラインRLを設定し且つ加工制御情報を生成してもよい。つまり、加工システムSYSの外部の情報処理装置が、図9のステップS101からステップS105までの動作を行ってもよい。この場合、制御装置3は、外部の情報処理装置から加工制御情報を取得し、取得した加工制御情報に基づいて加工装置1を制御してもよい。
【0077】
(3-2)リブレット構造RBを形成する動作の第2具体例
続いて、第2具体例では、加工システムSYSは、波形状の溝構造9を含むリブレット構造RBを形成してもよい。つまり、加工システムSYSは、形状が波形状となるように延びる溝構造9を含むリブレット構造RBを形成してもよい。溝構造9の形状が波形状になる場合には、隣り合う二つの溝構造9の間に位置する山構造8もまた、形状が波形状となるように延びる。このため、加工システムSYSは、波形状の山構造8(つまり、形状が波形状となるように延びる山構造8)を含むリブレット構造RBを形成してもよい。このため、以下の説明は、「溝構造9」という文言を「山構造8」という文言に置き換えることで、形状が波形状となるように延びる山構造8に関する説明として利用可能である。また、以下の説明では、説明の便宜上、形状が波形状となるように延びる溝構造9を、“ウェイビー溝構造9w”と称する。
【0078】
ウェイビー溝構造9wを含むリブレット構造RBの一例が、図16に示されている。図16に示すように、ウェイビー溝構造9wは、ウェイビー溝構造9wが延びる第1方向(図16に示す例では、Y軸方向)及び複数のウェイビー溝構造9wが並ぶ第2方向(図16に示す例では、X軸方向)を含む平面(図16に示す例では、XY平面)上において、波形状の軌跡を描くように延びる溝構造9を意味していてもよい。ウェイビー溝構造9wは、複数のウェイビー溝構造9wが並ぶ第2方向に沿って揺動しながら第1方向に沿って延びる溝構造9であってもよい。ウェイビー溝構造9wは、形状が正弦波状となる溝構造9であってもよい。
【0079】
ウェイビー溝構造9wは、ウェイビー溝構造9wを拡大して示す図17に示すように、ウェイビー溝構造9wが延びる第1方向に沿って延びる軸AXと少なくとも3ケ所で交差していてもよい。図17に示す例では、ウェイビー溝構造9wは、位置P21、位置P22及び位置P23のそれぞれにおいて軸AXと交差している。更に、位置P21と位置P22との間におけるウェイビー溝構造9wの位置P24は、軸AXの一の方向側(図17に示す例では、-X側)に位置していてもよい。更に、位置P22と位置P23との間におけるウェイビー溝構造9wの位置P25は、軸AXの他の方向側(具体的には、一の方向と反対側であり、図17に示す例では、+X側)に位置していてもよい。
【0080】
リブレット構造RBは、第1の配列ピッチで並ぶ複数のウェイビー溝構造9wと、第2の配列ピッチで並ぶ複数のウェイビー溝構造9wとを備えていてもよい。以下の説明では、説明の便宜上、第1の配列ピッチで並ぶ複数のウェイビー溝構造9wのそれぞれを、“ウェイビー溝構造9w#a”と称し、第2の配列ピッチで並ぶ複数のウェイビー溝構造9wのそれぞれを、“ウェイビー溝構造9w#b”と称する。
【0081】
ウェイビー溝構造9w#aは、図17に示す条件を満たしていてもよい。つまり、ウェイビー溝構造9w#aは、ウェイビー溝構造9w#aが延びる方向に沿って延びる第1軸と第1位置、第2位置及び第3位置のそれぞれにおいて交差していてもよい。更に、第1位置と第2位置との間におけるウェイビー溝構造9w#aの第4位置は、第1軸の第1方向側に位置していてもよい。更に、第2位置と第3位置との間におけるウェイビー溝構造9w#aの第5位置は、第1軸の第2方向側(具体的には、第1方向と反対側)に位置していてもよい。
【0082】
ウェイビー溝構造9w#bは、図17に示す条件を満たしていてもよい。つまり、ウェイビー溝構造9w#bは、ウェイビー溝構造9w#bが延びる方向に沿って延びる第2軸と第6位置、第7位置及び第8位置のそれぞれにおいて交差していてもよい。更に、第6位置と第7位置との間におけるウェイビー溝構造9w#bの第9位置は、第2軸の第3方向側に位置していてもよい。更に、第7位置と第8位置との間におけるウェイビー溝構造9w#bの第10位置は、第2軸の第4方向側(具体的には、第3方向と反対側)に位置していてもよい。
【0083】
リブレット構造RBがウェイビー溝構造9w#a及び9w#bを備えている場合には、リブレット構造RBは、ウェイビー溝構造9w#aとウェイビー溝構造9w#bとを接続するウェイビー溝構造9wを備えていてもよい。以下の説明では、説明の便宜上、ウェイビー溝構造9w#aとウェイビー溝構造9w#bとを接続するウェイビー溝構造9wを、“ウェイビー溝構造9w_connect”と称する。ウェイビー溝構造9w_connectは、典型的には、ウェイビー溝構造9w#aとウェイビー溝構造9w#bとの間に形成される。上述したようにリブレット構造RBが複数のウェイビー溝構造9w#aと複数のウェイビー溝構造9w#bとを備えている場合には、リブレット構造RBは、複数のウェイビー溝構造9w#aと複数のウェイビー溝構造9w#bとをそれぞれ接続する複数のウェイビー溝構造9w_connectを備えていてもよい。つまり、リブレット構造RBは、複数のウェイビー溝構造9w#aのうちの一のウェイビー溝構造9w#aと複数のウェイビー溝構造9w#bのうちの一のウェイビー溝構造9w#bとを接続する一のウェイビー溝構造9w_connectを複数備えていてもよい。
【0084】
ウェイビー溝構造9w_connectは、図17に示す条件を満たしていてもよい。つまり、ウェイビー溝構造9w_connectは、ウェイビー溝構造9w_connectが延びる方向に沿って延びる第3軸と第11位置、第12位置及び第13位置のそれぞれにおいて交差していてもよい。更に、第11位置と第12位置との間におけるウェイビー溝構造9w_connectの第14位置は、第3軸の第5方向側に位置していてもよい。更に、第12位置と第13位置との間におけるウェイビー溝構造9w_connectの第15位置は、第3軸の第6方向側(具体的には、第5方向と反対側)に位置していてもよい。
【0085】
以下、図18を参照しながら、ウェイビー溝構造9w#a、9w#b及び9w_connectを備えるリブレット構造RBについて説明する。図18は、ウェイビー溝構造9w#a、9w#b及び9w_connectを備えるリブレット構造RBを模式的に示す平面図である。尚、以下では、ウェイビー溝構造9w#aの配列ピッチとウェイビー溝構造9w#bの配列ピッチとが異なる場合に形成されるウェイビー溝構造9w_connectについて説明する。但し、ウェイビー溝構造9w#aの配列ピッチとウェイビー溝構造9w#bの配列ピッチとが同じ場合に形成されるウェイビー溝構造9w_connectについても同様のことが言える。
【0086】
図18に示すように、一のウェイビー溝構造9w#aと一のウェイビー溝構造9w#bとを接続する一のウェイビー溝構造9w_connectの一方の端部は、一のウェイビー溝構造9w#aの端部に接続される。この際、一のウェイビー溝構造9w#aと一のウェイビー溝構造9w_connectとの境界BD#aにおいて、一のウェイビー溝構造9w#aと一のウェイビー溝構造9w_connectとが滑らかに接続されていてもよい。例えば、境界BD#aにおいて、一のウェイビー溝構造9w#aの接線方向(つまり、接線が延びる方向)と一のウェイビー溝構造9w_connectの接線方向とが揃うように、一のウェイビー溝構造9w#aと一のウェイビー溝構造9w_connectとが接続されていてもよい。この場合、一のウェイビー溝構造9w#aの接線方向と一のウェイビー溝構造9w_connectの接線方向とが揃っていない場合と比較して、一のウェイビー溝構造9w#aと一のウェイビー溝構造9w_connectとが滑らかに接続されているとみなしてもよい。
【0087】
更に、一のウェイビー溝構造9w_connectの他方の端部は、一のウェイビー溝構造9w#bの端部に接続される。この際、一のウェイビー溝構造9w#bと一のウェイビー溝構造9w_connectとの境界BD#bにおいて、一のウェイビー溝構造9w#bと一のウェイビー溝構造9w_connectとが滑らかに接続されていてもよい。例えば、境界BD#bにおいて、一のウェイビー溝構造9w#bの接線方向と一のウェイビー溝構造9w_connectの接線方向とが揃うように、一のウェイビー溝構造9w#bと一のウェイビー溝構造9w_connectとが接続されていてもよい。この場合、一のウェイビー溝構造9w#bの接線方向と一のウェイビー溝構造9w_connectの接線方向とが揃っていない場合と比較して、一のウェイビー溝構造9w#bと一のウェイビー溝構造9w_connectとが滑らかに接続されているとみなしてもよい。
【0088】
複数のウェイビー溝構造9w_connectのうちの少なくとも一つは、当該少なくとも一つのウェイビー溝構造9w_connectが接続するウェイビー溝構造9w#a及び9w#bが延びる方向に交差する方向に沿って延びていてもよい。この場合、複数のウェイビー溝構造9w_connectの全てが、ウェイビー溝構造9w#a及び9w#bが延びる方向に交差する方向に沿って延びていてもよい。或いは、複数のウェイビー溝構造9w_connectのうちの少なくとも一つは、当該少なくとも一つのウェイビー溝構造9w_connectが接続するウェイビー溝構造9w#a及び9w#bが延びる方向に平行な方向に沿って延びていてもよい。図18に示す例では、リブレット構造RBは、ウェイビー溝構造9w#a-1及び9w#b-1を接続し且つウェイビー溝構造9w#a-1及び9w#b-1が延びる方向とは異なる方向に延びるウェイビー溝構造9w_connect-1と、ウェイビー溝構造9w#a-2及び9w#b-2を接続し且つウェイビー溝構造9w#a-2及び9w#b-2が延びる方向とは異なる方向に延びるウェイビー溝構造9w_connect-2と、ウェイビー溝構造9w#a-3及び9w#b-3を接続し且つウェイビー溝構造9w#a-1及び9w#b-1が延びる方向に平行な方向に延びるウェイビー溝構造9w_connect-3と、ウェイビー溝構造9w#a-4及び9w#b-4を接続し且つウェイビー溝構造9w#a-4及び9w#b-4が延びる方向とは異なる方向に延びるウェイビー溝構造9w_connect-4と、ウェイビー溝構造9w#a-5及び9w#b-5を接続し且つウェイビー溝構造9w#a-5及び9w#b-5が延びる方向とは異なる方向に延びるウェイビー溝構造9w_connect-5とを備えている。
【0089】
複数のウェイビー溝構造9w_connectは、異なる方向に沿って延びる少なくとも二つのウェイビー溝構造9w_connectを含んでいてもよい。つまり、複数のウェイビー溝構造9w_connectの少なくとも一つが、一の方向に沿って延び、複数のウェイビー溝構造9w_connectの少なくとも他の一つが、一の方向とは異なる他の方向に沿って延びていてもよい。図18に示す例では、ウェイビー溝構造9w_connect-1から9w_connect-5が延びる方向は互いに異なる。
【0090】
尚、図18に示す例では、複数のウェイビー溝構造9w#a及び複数のウェイビー溝構造9w#bは、同じ方向(図18に示す例では、Y軸方向)に沿って延びている。しかしながら、複数のウェイビー溝構造9w#aは、異なる方向に沿って延びる少なくとも二つのウェイビー溝構造9w#aを含んでいてもよい。複数のウェイビー溝構造9w#bは、異なる方向に沿って延びる少なくとも二つのウェイビー溝構造9w#bを含んでいてもよい。複数のウェイビー溝構造9w#aのうちの少なくとも一つは、複数のウェイビー溝構造9w#bのうちの少なくとも一つが延びる方向に交差する方向に沿って延びていてもよい。
【0091】
複数のウェイビー溝構造9w_connectが異なる方向に沿って延びる少なくとも二つのウェイビー溝構造9w_connectを含む場合には、ウェイビー溝構造9w_connectの配列ピッチPT2_connectは、ウェイビー溝構造9w_connectが延びる方向における位置に応じて変化してもよい。但し、配列ピッチPT2_connectは、ウェイビー溝構造9w_connectが延びる方向における位置に関わらず一定であってもよい。この場合、典型的には、複数のウェイビー溝構造9w_connectが同じ方向に沿って延びる。
【0092】
尚、ウェイビー溝構造9w#aの配列ピッチPT2#aは、ウェイビー溝構造9w#aが延びる方向における位置に応じて変化してもよい。或いは、配列ピッチPT2#aは、ウェイビー溝構造9w#aが延びる方向における位置に関わらず一定であってもよい。また、ウェイビー溝構造9w#bの配列ピッチPT2#bは、ウェイビー溝構造9w#bが延びる方向における位置に応じて変化してもよい。或いは、配列ピッチPT2#bは、ウェイビー溝構造9w#bが延びる方向における位置に関わらず一定であってもよい。
【0093】
ウェイビー溝構造9w_connectの振幅周期(つまり、波の周期)は、ウェイビー溝構造9w_connectが延びる方向における位置に応じて変化してもよい。例えば、ウェイビー溝構造9w#aの振幅周期とウェイビー溝構造9w#bの振幅周期とが異なる場合には、ウェイビー溝構造9w_connectの振幅周期は、ウェイビー溝構造9w#aの振幅周期からウェイビー溝構造9w#bの振幅周期へと変化する(例えば、連続的に又は段階的に変化する)ように、ウェイビー溝構造9w_connectが延びる方向に沿って変化してもよい。例えば、ウェイビー溝構造9w#aの振幅周期とウェイビー溝構造9w#bの振幅周期とが異なる場合には、ウェイビー溝構造9w_connectの振幅周期は、境界BD#aにおいてウェイビー溝構造9w_connectの振幅周期がウェイビー溝構造9w#aの振幅周期に一致し、且つ、境界BD#bにおいてウェイビー溝構造9w_connectの振幅周期がウェイビー溝構造9w#bの振幅周期に一致するように、ウェイビー溝構造9w_connectが延びる方向に沿って変化してもよい。或いは、ウェイビー溝構造9w_connectの振幅周期は、ウェイビー溝構造9w_connectが延びる方向における位置に関わらず一定であってもよい。
【0094】
尚、ウェイビー溝構造9w#aの振幅周期は、ウェイビー溝構造9w#aが延びる方向における位置に応じて変化してもよい。或いは、ウェイビー溝構造9w#aの振幅周期は、ウェイビー溝構造9w#aが延びる方向における位置に関わらず一定であってもよい。また、ウェイビー溝構造9w#bの振幅周期は、ウェイビー溝構造9w#bが延びる方向における位置に応じて変化してもよい。或いは、ウェイビー溝構造9w#bの振幅周期は、ウェイビー溝構造9w#bが延びる方向における位置に関わらず一定であってもよい。
【0095】
ウェイビー溝構造9w_connectの振幅(つまり、波の振れ幅)は、ウェイビー溝構造9w_connectが延びる方向における位置に応じて変化してもよい。例えば、ウェイビー溝構造9w#aの振幅とウェイビー溝構造9w#bの振幅とが異なる場合には、ウェイビー溝構造9w_connectの振幅は、ウェイビー溝構造9w#aの振幅からウェイビー溝構造9w#bの振幅へと変化する(例えば、連続的に又は段階的に変化する)ように、ウェイビー溝構造9w_connectが延びる方向に沿って変化してもよい。例えば、ウェイビー溝構造9w#aの振幅とウェイビー溝構造9w#bの振幅とが異なる場合には、ウェイビー溝構造9w_connectの振幅は、境界BD#aにおいてウェイビー溝構造9w_connectの振幅がウェイビー溝構造9w#aの振幅に一致し、且つ、境界BD#bにおいてウェイビー溝構造9w_connectの振幅がウェイビー溝構造9w#bの振幅に一致するように、ウェイビー溝構造9w_connectが延びる方向に沿って変化してもよい。或いは、ウェイビー溝構造9w_connectの振幅は、ウェイビー溝構造9w_connectが延びる方向における位置に関わらず一定であってもよい。
【0096】
尚、ウェイビー溝構造9w#aの振幅は、ウェイビー溝構造9w#aが延びる方向における位置に応じて変化してもよい。或いは、ウェイビー溝構造9w#aの振幅は、ウェイビー溝構造9w#aが延びる方向における位置に関わらず一定であってもよい。また、ウェイビー溝構造9w#bの振幅は、ウェイビー溝構造9w#bが延びる方向における位置に応じて変化してもよい。或いは、ウェイビー溝構造9w#bの振幅は、ウェイビー溝構造9w#bが延びる方向における位置に関わらず一定であってもよい。
【0097】
加工装置1は、制御装置3の制御下で、以下のようにウェイビー溝構造9w#a、9w#b及び9w_connectを備えるリブレット構造RBを形成してもよい。具体的には、加工装置1は、まず、ウェイビー溝構造9w#aを形成してもよい。その後、加工装置1は、ウェイビー溝構造9w#aに接続されるウェイビー溝構造9w_connectを形成してもよい。この際、加工装置1は、ウェイビー溝構造9w#aとウェイビー溝構造9w_connectとが滑らかに接続されるように、ウェイビー溝構造9w_connectの特性を調整しながらウェイビー溝構造9w_connectを形成してもよい。例えば、加工装置1は、境界BD#aにおいてウェイビー溝構造9w#aの接線方向とウェイビー溝構造9w_connectの接線方向とが揃うように、ウェイビー溝構造9w_connectの特性を調整しながらウェイビー溝構造9w_connectを形成してもよい。ウェイビー溝構造9w_connectの特性は、例えば、ウェイビー溝構造9w_connectの振幅周期、振幅、位相及び長さのうちの少なくとも一つを含んでいてもよい。その後、加工装置1は、ウェイビー溝構造9w_connectに接続されるウェイビー溝構造9w#bを形成してもよい。この際、加工装置1は、ウェイビー溝構造9w#bとウェイビー溝構造9w_connectとが滑らかに接続されるように、ウェイビー溝構造9w#bの特性を調整しながらウェイビー溝構造9w#bを形成してもよい。例えば、加工装置1は、境界BD#bにおいてウェイビー溝構造9w#bの接線方向とウェイビー溝構造9w_connectの接線方向とが揃うように、ウェイビー溝構造9w#bの特性を調整しながらウェイビー溝構造9w#bを形成してもよい。ウェイビー溝構造9w#bの特性は、例えば、ウェイビー溝構造9w#bの振幅周期、振幅、位相及び長さのうちの少なくとも一つを含んでいてもよい。
【0098】
このように、第2具体例では、加工システムSYSは、ウェイビー溝構造9wを備えるリブレット構造RBを形成する。特に、加工システムSYSは、配列ピッチ等の特性が異なるウェイビー溝構造9w#a及び9w#bが滑らかに接続されるように、ウェイビー溝構造9w#a及び9w#bの間に形成されるウェイビー溝構造9w_connectを備えるリブレット構造RBを形成する。その結果、配列ピッチ等の特性が異なるウェイビー溝構造9w#a及び9w#bが直接(つまり、ウェイビー溝構造9w_connectを介することなく)接続される場合と比較して、より滑らかに延びるウェイビー溝構造9wが形成可能となる。このため、ワークWの表面の流体に対する抵抗を適切に低減可能なリブレット構造RBが形成可能となる。
【0099】
尚、上述した説明では、ウェイビー溝構造9w_connectは、ウェイビー溝構造9w#aとウェイビー溝構造9w#bとを接続している。しかしながら、ウェイビー溝構造9w_connectは、ウェイビー溝構造9w#aと、直線状に延びる(つまり、波形状でない)溝構造9とを接続してもよい。尚、以下の説明では、ウェイビー溝構造9w_connectに接続される直線状に延びる溝構造9を、“非ウェイビー溝構造9n#b”と称する。非ウェイビー溝構造9n#bは、波形状でないという点で、波形状であるウェイビー溝構造9w#bと異なる。非ウェイビー溝構造9n#bのその他の特徴は、ウェイビー溝構造9w#bのその他の特徴と同一であってもよい。
【0100】
この場合も、ウェイビー溝構造9w#aと非ウェイビー溝構造9n#bとを接続するウェイビー溝構造9w_connectを示す図19に示すように、一の非ウェイビー溝構造9n#bと一のウェイビー溝構造9w_connectとの境界BD#bにおいて、一の非ウェイビー溝構造9n#bと一のウェイビー溝構造9w_connectとが滑らかに接続されていてもよい。例えば、境界BD#bにおいて、一の非ウェイビー溝構造9w#bの接線方向と一のウェイビー溝構造9w_connectの接線方向とが揃うように、一の非ウェイビー溝構造9n#bと一のウェイビー溝構造9w_connectとが接続されていてもよい。
【0101】
非ウェイビー溝構造9n#bに接続されるウェイビー溝構造9w_connectの振幅は、ウェイビー溝構造9w_connectが延びる方向における位置に応じて変化してもよい。例えば、ウェイビー溝構造9w_connectの振幅は、境界BD#bに近づくにつれて小さくなるように、ウェイビー溝構造9w_connectが延びる方向に沿って変化してもよい。例えば、ウェイビー溝構造9w_connectの振幅は、境界BD#bにおいてウェイビー溝構造9w_connectの振幅がゼロになるように、ウェイビー溝構造9w_connectが延びる方向に沿って変化してもよい。
【0102】
(3-3)リブレット構造RBを形成する動作の第3具体例
続いて、第3具体例では、加工システムSYSは、終端処理が施された溝構造9を含むリブレット構造RBを形成してもよい。以下、図20(a)及び図20(b)を参照しながら、終端処理が施された溝構造9を含むリブレット構造RBの一例について説明する。図20(a)は、終端処理が施された溝構造9を含むリブレット構造RBを示す斜視図であり、図20(b)は、終端処理が施された溝構造9を含むリブレット構造RBを示す断面図(特に、図20(a)のA-A’断面図)である。
【0103】
図20(a)及び図20(b)に示すように、終端処理が施された溝構造9は、溝構造9が延びる方向における位置に応じて溝の深さが変わる終端構造93を含む溝構造9である。この場合、加工システムSYSは、溝構造9が延びる方向における位置に応じて溝の深さが変わる終端構造93を含む溝構造9を含むリブレット構造RBを形成してもよい。このため、終端処理は、溝構造9の終端において、溝構造9が延びる方向における位置に応じて溝構造9の深さを変えるための処理を含んでいてもよい。尚、ここで言う「溝構造9の深さ(つまり、溝構造9が形成する溝の深さ)」は、山構造8の頂点に対する溝構造9の底の位置(図20(a)及び図20(b)に示す例では、Z軸方向における位置)を表していてもよい。
【0104】
具体的には、ワークWは、リブレット構造RBが形成される(つまり、溝構造9が形成される)形成領域W1と、リブレット構造RBが形成されない(つまり、溝構造9が形成されない)非形成領域W2とを備えている。更に、形成領域W1は、溝構造9が延びる方向に沿って隣り合う形成領域W11と形成領域W12とを含む。形成領域W11には、溝構造9の一部が形成される。以降、説明の便宜上、形成領域W11に形成される溝構造9を、“溝構造91”と称する。形成領域W12は、溝構造9が延びる方向に沿って形成領域W11と非形成領域W2との間に位置する。形成領域W12には、形成領域W11に形成される溝構造9の一部(つまり、溝構造91)に繋がる溝構造9の他の一部が形成される。以降、説明の便宜上、形成領域W12に形成される溝構造9を、“溝構造92”と称する。
【0105】
加工システムSYSは、形成領域W12に形成される溝構造92の深さを、溝構造9が延びる方向における位置に応じて変える。つまり、加工システムSYSは、形成領域W12に形成される溝構造92の深さが、溝構造9が延びる方向における位置に応じて変わるように、形成領域W12に溝構造92を形成する。このため、溝構造92が、上述した終端構造93を構成していてもよい。
【0106】
本実施形態では特に、加工システムSYSは、溝構造92が延びる方向に沿って溝構造92が形成領域W11から非形成領域W2に近づくにつれて、溝構造9の深さが浅くなるように、溝構造92の深さを変える。具体的には、加工システムSYSは、第1位置における溝構造92の深さよりも、第1位置よりも非形成領域W2に近い第2位置における溝構造92の深さが浅くなるように、溝構造92の深さを、溝構造9が延びる方向における位置に応じて変える。このため、終端処理は、溝構造92が延びる方向に沿って溝構造92が形成領域W11から非形成領域W2に近づくにつれて溝構造9の深さを浅くする処理を含んでいてもよい。
【0107】
加工システムSYSは、溝構造91の断面を示す断面図(特に、図20(a)のB-B’断面図)である図21(a)及び溝構造92の断面を示す断面図(特に、図20(a)のC-C’断面図)である図21(b)に示すように、溝構造92の幅WDが溝構造91の幅WDよりも小さくなるように、溝構造92を形成してもよい。この場合、加工システムSYSは、溝構造92の深さが浅くなるほど溝構造92の幅WDが小さくなるように、溝構造92を形成してもよい。加工システムSYSは、溝構造92が延びる方向に沿って溝構造92が形成領域W11から非形成領域W2に近づくにつれて、溝構造92の幅WDが小さくなるように、溝構造92を形成してもよい。或いは、加工システムSYSは、溝構造91の断面を示す断面図(特に、図20(a)のB-B’断面図)である図22(a)及び溝構造92の断面を示す断面図(特に、図20(a)のC-C’断面図)である図22(b)に示すように、溝構造92の幅WDが溝構造91の幅WDと同じになるように、溝構造92を形成してもよい。この場合、加工システムSYSは、溝構造92の深さに関わらずに溝構造92の幅WDが一定になるように、溝構造92を形成してもよい。加工システムSYSは、溝構造92が延びる方向における位置に関わらずに、溝構造92の幅WDが一定になるように、溝構造92を形成してもよい。尚、ここでの「溝構造91の幅WD」は、溝構造91が延びる方向に交差する方向における溝構造91のサイズ(つまり、複数の溝構造91が並ぶ方向における溝構造91のサイズ)を意味していてもよい。同様に、ここでの「溝構造92の幅WD」は、溝構造92が延びる方向に交差する方向における溝構造92のサイズ(つまり、複数の溝構造92が並ぶ方向における溝構造92のサイズ)を意味していてもよい。
【0108】
一方で、加工システムSYSは、非形成領域W2に近づくにつれて深さが浅くなる溝構造91を、形成領域W11に形成しなくてもよい。つまり、形成領域W11に形成される溝構造91の深さは、溝構造91が非形成領域W2に近づくにつれて浅くならなくてもよい。この場合、加工システムSYSは、形溝構造91の深さを、溝構造9が延びる方向における位置に応じて変えなくてもよい。例えば、加工システムSYSは、溝構造91の深さが、溝構造9が延びる方向における位置に関わらず一定となるように、溝構造91を形成領域W11に形成してもよい。
【0109】
形成領域W11と形成領域W12との境界BD31において、溝構造92と溝構造91とが接続される。この際、境界BD31において、溝構造92の深さと溝構造91の深さとが同じであってもよい。つまり、溝構造9が延びる方向において、形成領域W11の端部に接続される形成領域W12の端部における溝構造92の深さは、形成領域W12の端部に接続される形成領域W11の端部における溝構造91の深さと同じであってもよい。
【0110】
形成領域W12と非形成領域W2との境界BD32において、溝構造92がなくなってもよい。つまり、加工システムSYSは、境界BD32において溝構造92がなくなるように、形成領域W12に溝構造92を形成してもよい。この場合、境界BD32において、形成領域W12の高さと非形成領域W2の高さとが同じであってもよい。つまり、溝構造9が延びる方向において、非形成領域W2の端部に接続される形成領域W12の端部の高さは、形成領域W12の端部に接続される非形成領域W2の端部の高さと同じであってもよい。
【0111】
深さが変わる溝構造92を形成するために、加工システムSYSは、制御装置3の制御下で、加工光ELの照射回数を制御してもよい。例えば、通常、加工システムSYSは、一定の深さの溝構造92を形成するために、ワークWの同じ位置に加工光ELを複数回照射する。具体的には、加工システムSYSは、1回の加工光ELの照射で厚みがdとなる構造部分をワークWから除去可能である場合には、深さがDとなる溝構造92を形成するために、ワークWの同じ位置に加工光ELをD/d回照射する。この際、加工光ELの照射回数が少なくなるほど、形成される溝構造92の深さが浅くなる。このため、形成領域W12に対する加工光ELの照射回数を示す図23に示すように、加工システムSYSは、加工光ELの照射位置が非形成領域W2に近づくほど、形成領域W12に対する加工光ELの照射回数が少なくなるように、形成領域W12に加工光ELを照射してもよい。つまり、加工システムSYSは、加工光ELがワークWに照射されるたびに、形成領域W12内で加工光ELが照射される範囲が徐々に狭くなるように、形成領域W12に加工光ELを照射してもよい。加工システムSYSは、加工光ELがワークWに照射されるたびに、形成領域W12内で加工光ELが照射される範囲の非形成領域W2側の端部が非形成領域W2から徐々に離れるように、形成領域W12に加工光ELを照射してもよい。
【0112】
深さが変わる溝構造92を形成するために、加工システムSYSは、制御装置3の制御下で、加工光ELの照射領域EAの移動速度(つまり、加工光ELの走査速度)を制御してもよい。例えば、照射領域EAの移動速度が速くなるほど、加工光ELからワークWに対して単位面積当たりに又は単位時間当たりに伝達されるエネルギー量が少なくなる。その結果、1回の加工光ELの照射でワークWから除去可能な構造部分の厚みが薄くなる。つまり、1回の加工光ELの照射でワークWに形成される溝構造9の深さが浅くなる。このため、形成領域W12における照射領域EAの移動速度を示す図24に示すように、加工システムSYSは、加工光ELの照射位置が非形成領域W2に近づくほど、形成領域W12における照射領域EAの移動速度が速くなるように、形成領域W12に加工光ELを照射してもよい。
【0113】
深さが変わる溝構造92を形成するために、加工システムSYSは、制御装置3の制御下で、加工光ELの強度を制御してもよい。例えば、加工光ELの強度が低くなるほど、加工光ELからワークWに対して単位面積当たりに又は単位時間当たりに伝達されるエネルギー量が少なくなる。その結果、1回の加工光ELの照射でワークWから除去可能な構造部分の厚みが薄くなる。つまり、1回の加工光ELの照射でワークWに形成される溝構造9の深さが浅くなる。このため、形成領域W12における加工光ELの強度を示す図25に示すように、加工システムSYSは、加工光ELの照射位置が非形成領域W2に近づくほど、形成領域W12における加工光ELの強度が低くなるように、形成領域W12に加工光ELを照射してもよい。
【0114】
このように深さが変わる溝構造92を含むリブレット構造RBが形成される場合には、以下に説明する技術的効果が享受可能である。まず、溝構造92を含まないリブレット構造RBが形成される比較例では、溝構造92を含まないリブレット構造RBを示す断面図である図26に示すように、溝構造9に沿って流れる流体は、溝構造9が形成される形成領域W1(W11)の端部において非形成領域W2が形成する壁(典型的には、流体の流れを遮るように立ち上がる壁)によって遮られる。このため、溝構造9に沿って流れる流体が、溝構造9からスムーズに排出されにくい。その結果、流体の流れが乱れるがゆえに、ワークWの表面の流体に対する抵抗の低減効果が薄れる。一方で、深さが変わる溝構造92を含むリブレット構造RBが形成される本実施形態では、図20(b)に示すように、溝構造9に沿って流れる流体が、溝構造9の終端構造93を構成する溝構造92を介して溝構造9からスムーズに排出される。このため、本実施形態では、流体の流れが乱れにくい。その結果、本実施形態では、ワークWの表面の流体に対する抵抗を適切に低減可能なリブレット構造RBが形成可能となる。
【0115】
尚、図20(a)及び図20(b)に示す例では、溝構造92が非形成領域W12に近づくにつれて溝構造9の深さの変化率が大きくなるように、溝構造92の深さが変化している。しかしながら、図27に示すように、溝構造92が非形成領域W12に近づくにつれて溝構造9の深さの変化率が小さくなるように、溝構造92の深さが変化してもよい。或いは、図28に示すように、溝構造92の深さは、溝構造92が延びる方向における位置に関わらずに一定であってもよい。
【0116】
また、図20(a)から図20(b)及び図27から図28に示す例では、溝構造92の深さは、溝構造92が非形成領域W12に近づくにつれて連続的に浅くなっている。しかしながら、図29及び図30に示すように、溝構造92の深さは、溝構造92が形成領域W11から非形成領域W12に近づくにつれて段階的に浅くなっていてもよい。この場合、図29及び図30に示すように、溝構造92は、底面921と、側面922と、側面923とを含んでいてもよい。底面921は、溝構造91の底面911と平行な面であってもよい。側面922は、図29に示すように、底面921に対して傾斜する方向に沿って底面921の非形成領域W2側の端部から上方(図29に示す例では、+Z側)に向かって延びる面であってもよい。或いは、側面922は、図30に示すように、底面921に対して直交する方向に沿って底面921の非形成領域W2側の端部から上方(図30に示す例では、+Z側)に向かって延びる面であってもよい。側面923は、図29に示すように、底面921に対して傾斜する方向に沿って底面921の形成領域W11側の端部から下方(図29に示す例では、-Z側)に向かって延びる面であってもよい。或いは、側面923は、図30に示すように、底面921に対して直交する方向に沿って底面921の形成領域W11側の端部から下方(図29に示す例では、-Z側)に向かって延びる面であってもよい。このように溝構造92の深さが段階的に浅くなる場合であっても、溝構造92の深さが連続的に浅くなっている場合と同様に、溝構造92を含まないリブレット構造RBが形成される比較例と比較すれば、ワークWの表面の流体に対する抵抗を適切に低減可能なリブレット構造RBが形成可能となる。
【0117】
但し、溝構造92の深さが段階的に浅くなる場合には、上述したように、溝構造9を流れる流体の流れを遮る壁として機能する可能性がある側面922及び923が形成される。特に、側面922及び923が底面921に対して直交する方向に沿って延びる場合には、側面922及び923が溝構造9を流れる流体の流れを遮る壁として機能する可能性が相対的に高くなる。そこで、溝構造92の深さが段階的に浅くなる場合には、図31に示すように、側面922及び923の高さ(つまり、Z軸方向におけるサイズ)が相対的に低くなるように、溝構造92が形成されてもよい。つまり、溝構造9を流れる流体の流れを遮る壁(つまり、段差)の高さが相対的に低くなるように、溝構造92が形成されてもよい。この場合、典型的には、側面922及び923が形成する段差が複数形成される(つまり、高さが低い段差が多数形成される)ように、溝構造92が形成されてもよい。
【0118】
(4)変形例
(4-1)第1変形例
制御装置3は、ワークWに形成するべきリブレット構造RBに関するリブレット情報に基づいて、加工制御情報(例えば、加工パス情報)を生成してもよい。尚、リブレット構造RBに関するリブレット情報は、例えば、リブレットラインRLに関する情報、溝構造9が延びる方向に関する情報、溝構造9のサイズ(例えば、溝の深さ及び幅の少なくとも一方)に関する情報、山構造8が延びる方向に関する情報、山構造8のサイズ(例えば、山の高さ及び幅の少なくとも一方)に関する情報、溝構造9の配列ピッチに関する情報及び山構造8の配列ピッチに関する情報のうちの少なくとも一つを含んでいてもよい。
【0119】
制御装置3は、加工システムSYSの外部からリブレット情報を取得し、取得したリブレット情報に基づいて加工制御情報を生成してもよい。この際、制御装置3は、取得したリブレット情報を修正し、修正したリブレット情報に基づいて加工制御情報を生成してもよい。例えば、制御装置3は、加工装置1に起因した制約条件(つまり、ワークWを加工するための動作に起因した制約条件)に基づいて、取得したリブレット情報を修正してもよい。例えば、制御装置3は、ワークWに起因した制約条件に基づいて、取得したリブレット情報を修正してもよい。以下、リブレット情報の修正例について説明する。
【0120】
上述したように、加工装置1は、加工光ELをワークWに照射することで、ワークWを加工する。このため、ワークWの所望位置を加工したい状況下で当該所望位置に加工光ELを照射することができない場合には、加工装置1は、ワークWを適切に加工することができない。例えば、ワークWの第1部分を加工するためにワークWの第1部分に照射された加工光ELが、ワークWの第2部分によって遮られてしまう可能性がある。この場合、加工装置1は、ワークWの第1部分を加工することで、取得したリブレット情報が示すリブレット構造RBを形成することができない。そこで、この場合には、加工装置1は、取得したリブレット情報が示すリブレット構造RBに代えて、ワークWの第2部分によって遮られない方向からワークWの第1部分に照射された加工光ELによって形成可能なリブレット構造RBを形成してもよい。この場合、制御装置3は、取得したリブレット情報を修正することで、ワークWの第2部分によって遮られない方向からワークWの第1部分に照射された加工光ELによって形成可能なリブレット構造RBに関するリブレット情報を生成してもよい。一例として、ワークWの第1部分を加工するためにワークWの第1部分に垂直入射するように照射される加工光ELがワークWの第2部分によって遮られる場合には、制御装置3は、取得したリブレット情報を修正することで、ワークWの第1部分に斜入射するように照射される加工光ELによって形成可能なリブレット構造RBに関するリブレット情報を生成してもよい。つまり、図32に示すように、制御装置32は、ワークWに垂直入射する加工光ELによって形成されるリブレット構造RB(図32の上側参照)に関するリブレット情報を修正することで、ワークWに斜入射する加工光ELによって形成されるリブレット構造RB(図32の下側参照)に関するリブレット情報を生成してもよい。
【0121】
制御装置3は、リブレット情報が示す溝構造9の配列ピッチ(或いは、山構造8の配列ピッチ、以下、第1変形例において同じ)を変更するように、リブレット情報を修正してもよい。例えば、配列ピッチが大きくなればなるほど、リブレット構造RBを形成するために要する時間が長くなる。このため、図33に示すように、制御装置3は、リブレット情報が示す溝構造9の配列ピッチが小さくなるように、リブレット情報を修正してもよい。その結果、リブレット構造RBを形成するために要する時間が短くなる。つまり、リブレット構造RBを形成するためのスループットが向上する。或いは、加工装置1の特性によっては、加工装置1は、リブレット情報が示す配列ピッチで並ぶ複数の溝構造9を形成することができない可能性がある。なぜならば、配列ピッチが小さくなればなるほど加工装置1に高い加工精度が要求されるがゆえに、加工装置1が加工可能な溝構造9の配列ピッチには、加工装置1の特性(例えば、加工精度)に起因した下限値(下限ピッチ)が存在するからである。このため、取得したリブレット情報が示す溝構造9の配列ピッチが下限ピッチよりも小さい場合には、制御装置3は、リブレット情報が示す溝構造9の配列ピッチが下限ピッチとなる(或いは、下限ピッチより大きくなる)ように、リブレット情報を修正してもよい。その結果、加工装置1は、加工精度を向上させるための高価な光学系等を必要とすることなく、ワークWにリブレット構造RBを適切に形成することができる。但し、取得したリブレット情報が示す溝構造9の配列ピッチが下限ピッチよりもずっと小さい(例えば、下限ピッチのN(尚、Nは、0より大きく且つ100よりも小さい変数であり、例えば、60未満の変数)%未満となる)場合には、下限ピッチで並ぶ複数の溝構造9が形成されたとしても、ワークWの表面の流体に対する抵抗の低減効果がうすれる又はなくなる可能性がある。このため、取得したリブレット情報が示す溝構造9の配列ピッチが下限ピッチよりもずっと小さい場合には、加工装置1は、ワークWにリブレット構造RBを形成しなくてもよい。この場合、制御装置3は、リブレット構造RBを形成することができない警告を出力してもよい。
【0122】
制御装置3は、リブレット情報が示す溝構造9のサイズ(或いは、山構造8のサイズ、以下、第1変形例において同じ)を変更するように、リブレット情報を修正してもよい。例えば、溝構造9を構成する溝の深さが深くなればなるほど、リブレット構造RBを形成するために要する時間が長くなる。このため、図34に示すように、制御装置3は、リブレット情報が示す溝構造9の深さが浅くなるように、リブレット情報を修正してもよい。その結果、リブレット構造RBを形成するために要する時間が短くなる。つまり、リブレット構造RBを形成するためのスループットが向上する。或いは、ワークWの特性(例えば、サイズ)によっては、加工装置1は、リブレット情報が示すサイズ(例えば、深さ)を有する溝構造9を形成することができない可能性がある。リブレット情報が示すサイズ(例えば、深さ)を有する溝構造9をワークWに形成することができたとしても、ワークWの品質が過度に悪化する(例えば、ワークWの強度又は合成が過度に悪化する)可能性がある。このため、制御装置3は、リブレット情報が示す溝構造9の深さが、ワークWに形成可能な現実的な深さとなるように、リブレット情報を修正してもよい。その結果、加工装置1は、ワークWの品質を維持しつつ、ワークWにリブレット構造RBを適切に形成することができる。
【0123】
尚、制御装置3は、溝構造9の配列ピッチを変更する場合には、溝構造9のサイズ(例えば、溝の幅及び深さの少なくとも一方)を合わせて変更してもよい。例えば、制御装置3は、溝構造9の配列ピッチを変更する場合には、変更後の配列ピッチと変更後のサイズとが所定の数値条件を満たすように、溝構造9のサイズを合わせて変更してもよい。例えば、制御装置3は、溝構造9の配列ピッチを変更する場合には、変更後の配列ピッチと変更後のサイズとの比率が所定の比率となるように、溝構造9のサイズを合わせて変更してもよい。例えば、制御装置3は、溝構造9の配列ピッチを変更する場合には、変更後の配列ピッチと変更後のサイズとの比率が2:1となるように、溝構造9のサイズを合わせて変更してもよい。
【0124】
同様に、制御装置3は、溝構造9のサイズを変更する場合には、溝構造9の配列ピッチを合わせて変更してもよい。例えば、制御装置3は、溝構造9のサイズを変更する場合には、変更後の配列ピッチと変更後のサイズとが所定の数値条件を満たすように、溝構造9の配列ピッチを合わせて変更してもよい。例えば、制御装置3は、溝構造9のサイズを変更する場合には、変更後の配列ピッチと変更後のサイズとの比率が所定の比率となるように、溝構造9の配列ピッチを合わせて変更してもよい。例えば、制御装置3は、溝構造9のサイズを変更する場合には、変更後の配列ピッチと変更後のサイズとの比率が2:1となるように、溝構造9の配列ピッチを合わせて変更してもよい。
【0125】
制御装置3は、リブレット情報が示す溝構造9の断面形状(或いは、山構造8の断面形状、以下、第1変形例において同じ)を変更するように、リブレット情報を修正してもよい。例えば、加工装置1の特性によっては、加工装置1は、リブレット情報が示す断面形状を有する溝構造9を形成することができない可能性がある。一例として、図35の上側に示すように、断面形状が逆三角形となるV字型の溝から構成される溝構造9を示すリブレット情報が取得された状況下で、加工装置1の加工精度に起因して加工装置1が形成可能な溝の幅の最小値(最小幅)が存在する場合には、加工装置1は、リブレット情報が示す溝構造9を形成することができない。そこで、制御装置3は、リブレット情報が示す溝構造9の断面形状が、加工装置1が形成可能な現実的な断面形状となるように、リブレット情報を修正してもよい。一例として、図35の下側に示すように、加工装置1は、リブレット情報が示す溝構造9の幅が、加工装置1が形成可能な最小幅を下回らなくなるように、リブレット情報を修正してもよい。その結果、加工装置1は、加工精度を向上させるための高価な光学系等を必要とすることなく、ワークWにリブレット構造RBを適切に形成することができる。
【0126】
制御装置3は、リブレット情報が示す溝構造9のつなぎ目(或いは、山構造8のつなぎ目、以下、第1変形例において同じ)を変更するように、リブレット情報を修正してもよい。例えば、溝構造9の長さが所定長を超えると、加工装置1が溝構造9を一度に形成することができなくなる可能性がある。この場合、加工装置1は、溝構造9のうちの第1の構造部分を形成し、その後、溝構造9のうちの第2の構造部分を第1の構造部分につながるように形成してもよい。但し、第1の構造部分と第2の構造部分とのつなぎ目(つまり、溝構造9のつなぎ目)に段差が形成されてしまう可能性がある。そこで、制御装置3は、ワークWの表面のうち溝構造9の段差が存在することが許される位置において溝構造9のつなぎ目が存在するように、リブレット情報を修正してもよい。その結果、加工装置1は、ワークWにリブレット構造RBを適切に形成することができる。
【0127】
リブレット情報(特に、上述したリブレットラインRLに関する情報)は、流線の方向に基づいて生成されてもよいことは上述したとおりである。一方で、ワークWの形状によっては、ワークWの表面において流線の方向が極めて複雑に分布する可能性がある。このような流線の方向が極めて複雑に分布する状況下で生成されるリブレット情報は、ワークWの表面において極めて複雑なパターンで分布する溝構造9(或いは、山構造8)を示すことになる。その結果、加工装置1がこのような溝構造9を適切に形成することができなくなる可能性がある。そこで、制御装置3は、溝構造9(或いは、山構造8)が延びる方向が平均化されるように、リブレット情報を修正してもよい。制御装置3は、溝構造9(或いは、山構造8)が、複雑なパターンで分布する溝構造9(或いは、山構造8)が平均的に延びる方向にそって延びるように、リブレット情報を修正してもよい。その結果、加工装置1は、ワークWにリブレット構造RBを適切に形成することができる。
【0128】
(4-2)その他の変形例
加工装置1は、ワークWを加工することで、加工されたワークWから構成される金型を形成してもよい。この場合、加工装置1は、制御装置3の制御下で、抜き勾配を有する金型を形成してもよい。つまり、加工装置1は、制御装置3の制御下で、金型が開く方向(つまり、金型を用いて形成される成形品が離型する方向)に傾斜した面を有する金型を形成してもよい。
【0129】
上述した説明では、加工装置1は、ヘッド駆動系12を備えている。しかしながら、加工装置1は、ヘッド駆動系12を備えていなくてもよい。つまり、加工ヘッド11は、移動可能でなくてもよい。また、上述した説明では、加工装置1は、ステージ駆動系14を備えている。しかしながら、加工装置1は、ステージ駆動系14を備えていなくてもよい。つまり、ステージ13は、移動可能でなくてもよい。
【0130】
上述した説明では、加工装置1が、金属性のワークW(つまり、母材)にリブレット構造RBを形成する例、及び、加工装置1が、ワークWの表面にコーティングされた膜にリブレット構造RBを形成する例について説明した。しかしながら、加工装置1が行う加工が、上述した例に限定されることはない。例えば、加工装置1は、ワークWの表面にリブレット構造RBを形成し、リブレット構造RBが形成されたワークWの表面が膜でコーティングされてもよい。例えば、加工装置1がワークWの表面にコーティングされた膜にリブレット構造RBを形成する場合には、リブレット構造RBが形成された膜が更に別の膜でコーティングされてもよい。いずれの例においても、リブレット構造RBが膜でコーティングされてもよい。この場合、リブレット構造RBにコーティングされた膜によってリブレット構造RBの機能が低減しないように、膜の厚みが決定されていてもよい。例えば、リブレット構造RBが膜に埋もれてしまう場合に膜によってリブレット構造RBの機能が低減される可能性があるため、リブレット構造RBが膜に埋もれないように、膜の厚みが決定されていてもよい。リブレット構造RBにコーティングされた膜によってリブレット構造RBの機能が低減しないように、リブレット構造RBの形状に沿って(例えば、溝構造9又は山構造8に沿って)膜が形成されていてもよい。
【0131】
加工装置1は、表面にフィルムが張られたワークWを用いて、フィルムの表面にリブレット構造RBを形成してもよい。フィルムは、樹脂性のフィルムであってもよいし、金属性のフィルムであってもよいし、他の材料から構成されるフィルムであってもよい。
【0132】
上述した膜(或いは、フィルム)の材料は、CrN、TiN、TiLN、Y、ZrO、MCrALY(或いは、MCrAlY)、NiCr、Wc(或いは、WC)、Al-TiO、Cr及び水溶性アルミニウムの少なくとも一つを含む材料であってもよいし、他の材料であってもよい。また、金属製のワークWの表面にコーティングされる膜は、複数の層を備えていてもよい。この場合、複数の層のうちの第1層の材料は、複数の層のうちの第1層とは異なる第2層の材料と同一であってもよいし、異なっていてもよい。例えば、第1層及び第2層の少なくとも一方の材料は、CrN、TiN、TiLN、Y、ZrO、MCrALY(或いは、MCrAlY)、NiCr、Wc(或いは、WC)、Al-TiO、Cr及び水溶性アルミニウムの少なくとも一つを含んでいてもよいし、含んでいなくてもよい。
【0133】
ワークWに膜をコーティングすることによって生ずる効果(特に、ワークWに生ずる効果)は、ワークWを保護するという効果、ワークWの遮熱性を向上させるという効果、ワークWの耐熱性を向上させるという効果、ワークWの耐食性を向上させるという効果、ワークWの耐摩耗性を向上させるという効果、及び、ワークWの耐酸化特性を向上させるという効果の少なくとも一つを含んでいてもよい。リブレットRB構造に膜を形成することによって生ずる効果(つまり、膜によって実現される効果)は、リブレットRB構造を保護するという効果、リブレットRB構造の遮熱性を向上させるという効果、リブレットRB構造の耐熱性を向上させるという効果、リブレットRB構造の耐食性を向上させるという効果、リブレットRB構造の耐摩耗性を向上させるという効果、及び、リブレットRB構造の耐酸化特性を向上させるという効果の少なくとも一つを含んでいてもよい。ワークW上に複数の異なる材料の層を形成する(例えば、複数の異なる材料の層を含む膜を形成する)ことによって生ずる効果は、はがれ防止効果を含んでいてもよい。例えば、ワークWに近い膜とワークWとの間における熱膨張の特性の差、及び、ワークWから遠い膜とワークWとの間における熱膨張の特性の差を考慮して、ワークWに形成される膜が選択されてもよい。ワークWに近い膜とワークWとの間における熱膨張の特性の差が、ワークWから遠い膜(例えば、リブレット構造RBが形成される膜)とワークWとの間における熱膨張の特性の差よりも小さい場合には、熱によって膜が広がることによるリブレット構造RBの剥がれを抑制することができる。
【0134】
上述した説明では、加工システムSYSは、ワークWの表面の流体に対する抵抗を低減させる機能を有するリブレット構造RBを形成している。しかしながら、加工システムSYSは、ワークWの表面の流体に対する抵抗を低減させる機能とは異なる機能を有する構造をワークWに形成してもよい。例えば、加工システムSYSは、流体とワークWの表面とが相対的に移動するときに発生する騒音を低減するためのリブレット構造をワークWに形成してもよい。例えば、加工システムSYSは、ワークWの表面上の流体の流れに対して渦を発生するリブレット構造をワークWに形成してもよい。例えば、加工システムSYSは、ワークWの表面に疎水性を与えるための構造をワークWに形成してもよい。
【0135】
上述した説明では、加工システムSYSは、ワークWの表面にリブレット構造RBを形成している。しかしながら、加工システムSYSは、ワークWの表面上に、任意の形状を有する任意の構造を形成してもよい。任意の構造の一例として、ワークWの表面上の流体の流れに対して渦を発生させる構造があげられる。任意の構造の他の一例として、ワークWの表面に疎水性を与えるための構造があげられる。任意の構造の他の一例としては、規則的又は不規則的に形成されたマイクロ・ナノメートルオーダの微細テクスチャ構造(典型的には、山構造及び溝構造を含む凹凸構造)があげられる。微細テクスチャ構造は、流体(気体及び/又は液体)による抵抗を低減させる機能を有するサメ肌構造及びディンプル構造の少なくとも一方を含んでいてもよい。微細なテクスチャ構造は、撥液機能及びセルフクリーニング機能の少なくとも一方を有する(例えば、ロータス効果を有する)ハスの葉表面構造を含んでいてもよい。微細なテクスチャ構造は、液体輸送機能を有する微細突起構造(米国特許公開第2017/0044002号公報参照)、親液性機能を有する凹凸構造、防汚機能を有する凹凸構造、反射率低減機能及び撥液機能の少なくとも一方を有するモスアイ構造、特定波長の光のみを干渉で強めて構造色を呈する凹凸構造、ファンデルワールス力を利用した接着機能を有するピラーアレイ構造、空力騒音低減機能を有する凹凸構造、液滴捕集機能を有するハニカム構造、並びに、表面上に形成される層との密着性を向上させる凹凸構造、摩擦抵抗を低減するための凹凸構造等の少なくとも一つを含んでいてもよい。この場合においても、凹凸構造を構成する溝構造は、上述したリブレット構造RBを構成する溝構造9と同様の構造を有してもよい。凹凸構造を構成する山構造は、上述したリブレット構造RBを構成する山構造8と同様の構造を有してもよい。尚、微細なテクスチャ構造は、特定の機能を有していなくてもよい。
【0136】
上述した説明では、加工システムSYSは、ワークWに加工光ELを照射することで、ワークWを加工している。しかしながら、加工システムSYSは、光とは異なる任意のエネルギービームをワークWに照射して、ワークWを加工させてもよい。この場合、加工システムSYSは、加工光源2に加えて又は代えて、任意のエネルギービームを照射可能なビーム照射装置を備えていてもよい。任意のエネルギービームの一例として、荷電粒子ビーム及び電磁波の少なくとも一方があげられる。荷電粒子ビームの一例として、電子ビーム及びイオンビームの少なくとも一方があげられる。
【0137】
(5)付記
以上説明した実施形態に関して、更に以下の付記を開示する。
[付記1]
表面に溝構造が形成された羽根部材であって、
前記溝構造は、複数の第1溝構造と、複数の第2溝構造と、第3溝構造とを備え、
前記複数の第1溝構造は、第1方向に延びるように形成されており、
前記複数の第2溝構造は、前記第1方向とは異なる第2方向に延びるように形成されており、
前記第3溝構造は、前記第1及び第2方向とは異なる第3方向に沿って延び、且つ、前記複数の第1溝構造のうちの一の第1溝構造と前記複数の第2溝構造のうちの一の第2溝構造との間に形成されている
羽根部材。
[付記2]
前記第1方向に沿って延びる第1の軸と前記第3方向に沿って延びる第3の軸とがなす角度のうち大きい方の角度に相当する第1の角度、及び、前記第2方向に沿って延びる第2の軸と前記第3の軸とがなす角度のうち大きい方の角度に相当する第2の角度のそれぞれは、前記第1の軸と前記第2の軸とがなす角度のうち大きい方の角度に相当する第3の角度よりも大きい
付記1に記載の羽根部材。
[付記3]
前記第1の角度と前記第2の角度の和は、前記第3の角度に180°を加算した角度となる
付記2に記載の羽根部材。
[付記4]
前記第3溝構造は、複数形成されており、
前記複数の第3溝構造のうちの少なくとも二つは、前記第3方向に沿って延びている
付記1から3のいずれか一項に記載の羽根部材。
[付記5]
前記複数の第1溝構造は、互いに平行であり、
前記複数の第2溝構造は、互いに平行である
付記1から4のいずれか一項に記載の羽根部材。
[付記6]
前記複数の第3溝構造の配列ピッチは、前記第3方向における位置に関わらず一定である
付記4に記載の羽根部材。
[付記7]
前記第3溝構造は、複数形成されており、
前記複数の第3溝構造のうちの少なくとも一つは、前記第3方向に沿って延びており、
前記複数の第3溝構造のうちの少なくとも他の一つは、前記第3方向と異なる第4方向に沿って延びている
付記1から3のいずれか一項に記載の羽根部材。
[付記8]
前記複数の第1溝構造の配列ピッチと、前記複数の第2溝構造の配列ピットとは異なる
付記1から7のいずれか一項に記載の羽根部材。
[付記9]
前記第3溝構造は、複数形成されており、
前記複数の第3溝構造の少なくとも二つに接続される複数の第1溝構造のうちの二つの配列ピッチと、前記複数の第3溝構造の少なくとも二つに接続される前記複数の第2溝構造のうちの二つの配列ピッチとが異なる付記1から3及び7から8のいずれか一項に記載の羽根部材。
[付記10]
前記複数の第3溝構造の配列ピッチは、位置に応じて変化する
付記7又は9に記載の羽根部材。
[付記11]
前記複数の第1溝構造、前記複数の第2溝構造及び第3溝構造のうちの隣り合う二つの間には、突起形状、凸形状及び山形状の少なくとも一つの構造が含まれる
付記1から10のいずれか一項記載の羽根部材。
[付記12]
表面に溝構造が形成された羽根部材であって、
前記溝構造は、複数の第1溝構造と、複数の第2溝構造と、第3溝構造とを備え、
前記複数の第1溝構造は、第1方向に延びる第1の波形状であり、且つ、前記第1方向に交差する方向に沿って第1の配列ピッチで並ぶように形成されており、
前記複数の第2溝構造は、第2方向に延びる第2の波形状であり、且つ、前記第2方向に交差する方向に沿って前記第1の配列ピッチとは異なる第2の配列ピッチで並ぶように形成されており、
前記第3溝構造は、第3方向に延びる第3の波形状であり、且つ、前記複数の第1溝構造のうちの一の第1溝構造と前記複数の第2溝構造のうちの一の第2溝構造との間に形成されている
羽根部材。
[付記13]
前記一の第1溝構造と前記第3溝構造との境界において、前記一の第1溝構造の接線方向と前記第3溝構造の接線方向とが揃うように、前記一の第1溝構造と前記第3溝構造とが接続されており、
前記一の第2溝構造と前記第3溝構造との境界において、前記一の第2溝構造の接線方向と前記第3溝構造の接線方向とが揃うように、前記一の第2溝構造と前記第3溝構造とが接続されている
付記12に記載の羽根部材。
[付記14]
前記第3溝構造は、複数形成されており、
前記複数の第3溝構造のうちの少なくとも一つは、前記第3方向に沿って延びており、
前記複数の第3溝構造のうちの少なくとも他の一つは、前記第3方向と異なる第4方向に沿って延びている
付記12又は13に記載の羽根部材。
[付記15]
前記第3の波形状の振幅周期は、前記第3方向における位置に応じて変化する
付記12から14のいずれか一項に記載の羽根部材。
[付記16]
前記第3の波形状の振幅周期は、前記第3方向における位置に関わらずに固定されている
付記12から15のいずれか一項に記載の羽根部材。
[付記17]
前記第3溝構造は、前記第1及び第2方向に交差する方向に沿って延びる
付記12から16のいずれか一項に記載の羽根部材。
[付記18]
前記第3溝構造は、前記第1及び第2方向に平行な方向に沿って延びる
付記12から17のいずれか一項に記載の羽根部材。
[付記19]
前記第3の波形状の振幅は、前記第3方向における位置に応じて変化する
付記12から18のいずれか一項に記載の羽根部材。
[付記20]
前記第3の波形状の振幅は、前記第3方向における位置に関わらずに固定されている
付記12から19のいずれか一項に記載の羽根部材。
[付記21]
表面に溝構造が形成された羽根部材であって、
第1方向に延びる溝構造が形成された第1領域と、
前記溝構造が形成されていない第2領域と、
前記第1領域と前記第2領域との間に位置し、且つ、前記第1領域の溝構造に繋がる溝構造が形成された第3領域と
を備え、
前記第3領域に形成されている前記溝構造の深さは、前記第1領域から前記第2領域に近づくにつれて浅くなる
羽根部材。
[付記22]
前記第3領域に形成されている前記溝構造の深さは、前記第1方向に沿って前記溝構造が前記第1領域から前記第2領域に近づくにつれて、連続的に浅くなる
付記21に記載の羽根部材。
[付記23]
前記第3領域に形成されている前記溝構造の深さは、前記第1方向に沿って前記溝構造が前記第1領域から前記第2領域に近づくにつれて、段階的に浅くなる
付記21又は22に記載の羽根部材。
[付記24]
前記第1領域の端部における前記溝構造の深さは、前記第1領域の端部に接続される前記第3領域の端部における前記溝構造の深さと同じである
付記21から23のいずれか一項に記載の羽根部材。
[付記25]
前記第2領域に接続される前記第3領域の端部の高さは、前記第3領域に接続される前記第2領域の端部の高さと同じである
付記21から24のいずれか一項に記載の羽根部材。
[付記26]
前記第1領域には、突起形状、凸形状及び山形状の少なくとも一つを形成するように前記第1方向に交差する第2方向に沿って並ぶ二つの溝を含む前記溝構造が形成されている
付記21から25のいずれか一項に記載の羽根部材。
[付記27]
前記第3領域の少なくとも一部には、突起形状、凸形状及び山形状の少なくとも一つを形成するように前記第1方向に交差する第2方向に沿って並ぶ二つの溝を含む前記溝構造が形成されている
付記21から26のいずれか一項に記載の羽根部材。
[付記28]
前記溝の深さは、突起形状、凸形状及び山形状の少なくとも一つの頂点に対する前記溝の底の位置を表す
付記26又は27に記載の羽根部材。
[付記29]
表面に溝構造が形成された構造部材であって、
前記溝構造は、複数の第1溝構造と、複数の第2溝構造と、第3溝構造とを備え、
前記複数の第1溝構造は、第1方向に延びるように形成されており、
前記複数の第2溝構造は、第2方向に延びるように形成されており、
前記第3溝構造は、第3方向に沿って延び、且つ、前記複数の第1溝構造のうちの一の第1溝構造と前記複数の第2溝構造のうちの一の第2溝構造との間に形成されている
構造部材。
[付記30]
前記第1方向に沿って延びる第1の軸と前記第3方向に沿って延びる第3の軸とがなす角度のうち大きい方の角度に相当する第1の角度、及び、前記第2方向に沿って延びる第2の軸と前記第3の軸とがなす角度のうち大きい方の角度に相当する第2の角度のそれぞれは、前記第1の軸と前記第2の軸とがなす角度のうち大きい方の角度に相当する第3の角度よりも大きい
付記29に記載の構造部材。
[付記31]
前記第3方向は、前記第1及び第2方向と異なる方向である
付記29に記載の構造部材。
[付記32]
前記第3溝構造は、複数形成されており、
前記複数の第3溝構造のうちの少なくとも二つは、前記第3方向に沿って延びている
付記29から31のいずれか一項に記載の構造部材。
[付記33]
前記第3溝構造は、複数形成されており、
前記複数の第3溝構造のうち少なくとも二つが延びる方向は、互いに平行である
付記29から32のいずれか一項に記載の構造部材。
[付記34]
前記複数の第3溝構造の配列ピッチは、前記複数の第3溝構造が延びる方向における位置に関わらず一定である
付記29から33のいずれか一項に記載の構造部材。
[付記35]
前記第3溝構造は、複数形成されており、
前記複数の第3溝構造のうちの少なくとも一つは、前記第3方向に沿って延びており、
前記複数の第3溝構造のうちの少なくとも他の一つは、前記第3方向に交差する第4方向に沿って延びている
付記29から34のいずれか一項に記載の構造部材。
[付記36]
前記第3溝構造は、複数形成されており、
前記複数の第3溝構造の少なくとも二つが延びる方向は、互いに非平行である
付記29から35のいずれか一項に記載の構造部材。
[付記37]
前記複数の第3溝構造の少なくとも二つに接続される複数の第1溝構造のうちの二つの配列ピッチと、前記複数の第3溝構造の少なくとも二つに接続される前記複数の第2溝構造のうちの二つの配列ピッチとが異なる
付記36に記載の構造部材。
[付記38]
前記第3溝構造は、複数形成されており、
前記複数の第3溝構造の配列ピッチは、前記複数の第3溝構造が延びる方向における位置に応じて変化する
付記29から37のいずれか一項に記載の構造部材。
[付記39]
前記複数の第1溝構造、前記複数の第2溝構造及び第3溝構造のうちの隣り合う二つの間には、突起形状、凸形状及び山形状の少なくとも一つの構造が含まれる
付記29から38のいずれか一項記載の構造部材。
[付記40]
前記第1方向は、前記第2方向と異なる
付記29から39のいずれか一項に記載の構造部材。
[付記41]
前記第1方向は、前記第2方向と同じである
付記29から40のいずれか一項に記載の構造部材。
[付記42]
前記第1溝構造の配列ピッチは、前記第2溝構造の配列ピッチと異なる
付記29から41のいずれか一項に記載の構造部材。
[付記43]
前記第1溝構造の配列ピッチは、前記第2溝構造の配列ピッチと同じである
付記29から42のいずれか一項に記載の構造部材。
[付記44]
前記第1方向は、前記表面のうち前記複数の第1溝構造が形成される第1領域における流線の延びる方向であり、
前記第2方向は、前記表面のうち前記複数の第2溝構造が形成される第2領域における流線の延びる方向である
付記29から43のいずれか一項に記載の構造部材。
[付記45]
前記複数の第1溝構造、前記複数の第2溝構造及び第3溝構造のうちの隣り合う二つの間には、突起形状、凸形状及び山形状の少なくとも一つの構造が含まれる
付記29から44のいずれか一項記載の構造部材。
[付記46]
表面に溝構造が形成された構造部材であって、
前記溝構造は、複数の第1溝構造と、複数の第2溝構造と、第3溝構造とを備え、
前記複数の第1溝構造は、第1方向に延びる第1の波形状であり、且つ、前記第1方向に交差する方向に沿って第1の配列ピッチで並ぶように形成されており、
前記複数の第2溝構造は、第2方向に延びる第2の波形状であり、且つ、前記第2方向に交差する方向に沿って第2の配列ピッチで並ぶように形成されており、
前記第3溝構造は、第3方向に延びる第3の波形状であり、且つ、前記複数の第1溝構造のうちの一の第1溝構造と前記複数の第2溝構造のうちの一の第2溝構造との間に形成されている
構造部材。
[付記47]
表面に溝構造が形成された構造部材であって、
前記溝構造は、第1方向に延び且つ前記第1方向と交差する方向に沿って第1の配列ピッチで並ぶ複数の第1溝構造と、第2方向に延び且つ前記第2方向と交差する方向に沿って第2の配列ピッチで並ぶ複数の第2溝構造と、第3方向に沿って延びる第3溝構造とを備え、
前記第1溝構造は、前記第1方向に沿った第1軸と第1乃至第3位置で交差し、前記第1溝構造の前記第1位置と前記第2位置との間の第4位置は、前記第1軸の第4方向側に位置し、前記第1溝構造の前記第2位置と前記第3位置との間の第5位置は、前記第1軸に関して前記第4方向と反対側の第5方向側に位置し、
前記第2溝構造は、前記第2方向に沿った第2軸と第6乃至第8位置で交差し、前記第2溝構造の前記第6位置と前記第7位置との間の第9位置は、前記第2軸の第6方向側に位置し、前記第2溝構造の前記第7位置と前記第8位置との間の第10位置は、前記第2軸に関して前記第6方向と反対側の第7方向側に位置し、
前記第3溝構造は、前記第3方向に沿った第3軸と第11乃至第13位置で交差し、前記第3溝構造の前記第11位置と前記第12位置との間の第14位置は、前記第3軸の第8方向側に位置し、前記第3溝構造の前記第12位置と前記第13位置との間の第15位置は、前記第3軸に関して前記第8方向と反対側の第9方向側に位置し、
前記第3溝構造は、前記複数の第1溝構造のうちの一の第1溝構造と前記複数の第2溝構造のうちの一の第2溝構造との間に形成されている
構造部材。
[付記48]
前記一の第1溝構造と前記第3溝構造との境界において、前記一の第1溝構造と前記第3溝構造とが滑らかに接続されており、
前記一の第2溝構造と前記第3溝構造との境界において、前記一の第2溝構造と前記第3溝構造とが滑らかに接続されている
付記46又は47に記載の構造部材。
[付記49]
前記一の第1溝構造と前記第3溝構造との境界において、前記一の第1溝構造の接線方向と前記第3溝構造の接線方向とが揃うように、前記一の第1溝構造と前記第3溝構造とが接続されており、
前記一の第2溝構造と前記第3溝構造との境界において、前記一の第2溝構造の接線方向と前記第3溝構造の接線方向とが揃うように、前記一の第2溝構造と前記第3溝構造とが接続されている
付記46から48のいずれか一項に記載の構造部材。
[付記50]
表面に溝構造が形成された構造部材であって、
前記溝構造は、複数の第1溝構造と、複数の第2溝構造と、第3溝構造とを備え、
前記複数の第1溝構造は、第1方向に延びる第1の波形状であり、且つ、前記第1方向に交差する方向に沿って第1の配列ピッチで並ぶように形成されており、
前記複数の第2溝構造は、第2方向に延び、且つ、前記第2方向に交差する方向に沿って第2の配列ピッチで並ぶように形成されており、
前記第3溝構造は、第3方向に延びる第3の波形状であり、且つ、前記複数の第1溝構造のうちの一の第1溝構造と前記複数の第2溝構造のうちの一の第2溝構造との間に形成されている
構造部材。
[付記51]
表面に溝構造が形成された構造部材であって、
前記溝構造は、第1方向に延び且つ前記第1方向と交差する方向に沿って第1の配列ピッチで並ぶ複数の第1溝構造と、第2方向に延び且つ前記第2方向と交差する方向に沿って第2の配列ピッチで並ぶ複数の第2溝構造と、第3方向に沿って延びる第3溝構造とを備え、
前記第1溝構造は、前記第1方向に沿った第1軸と第1乃至第3位置で交差し、前記第1溝構造の前記第1位置と前記第2位置との間の第4位置は、前記第1軸の第4方向側に位置し、前記第1溝構造の前記第2位置と前記第3位置との間の第5位置は、前記第1軸に関して前記第4方向と反対側の第5方向側に位置し、
前記第3溝構造は、前記第3方向に沿った第2軸と第6乃至第8位置で交差し、前記第3溝構造の前記第6位置と前記第7位置との間の第9位置は、前記第2軸の第6方向側に位置し、前記第3溝構造の前記第7位置と前記第8位置との間の第10位置は、前記第2軸に関して前記第6方向と反対側の第7方向側に位置し、
前記第3溝構造は、前記複数の第1溝構造のうちの一の第1溝構造と前記複数の第2溝構造のうちの一の第2溝構造との間に形成されている
構造部材。
[付記52]
前記一の第2溝構造と前記第3溝構造との境界において、前記一の第2溝構造の端部と前記第3溝構造の端部とは、前記第2方向に交差する方向に沿って同じ位置に位置する
付記50又は51に記載の構造部材。
[付記53]
前記一の第2溝構造は、前記第2方向に沿って直線状に延びる
付記50から52のいずれか一項に記載の構造部材。
[付記54]
前記第3の波形状の振幅は、前記第3溝構造が前記一の第2溝構造と前記第3溝構造との境界に近づくにつれて小さくなる
付記50から53のいずれか一項に記載の構造部材。
[付記55]
前記一の第1溝構造と前記第3溝構造との境界において、前記一の第1溝構造の接線方向と前記第3溝構造の接線方向とが揃うように、前記一の第1溝構造と前記第3溝構造とが接続されており、
前記一の第2溝構造と前記第3溝構造との境界において、前記一の第2溝構造の接線方向と前記第3溝構造の接線方向とが揃うように、前記一の第2溝構造と前記第3溝構造とが接続されている
付記54に記載の構造部材。
[付記56]
前記第3の波形状の振幅周期は、前記第3方向における位置に応じて変化する
付記46から49のいずれか一項に記載の構造部材。
[付記57]
前記第3の波形状の振幅周期は、前記第3方向における位置に関わらずに固定されている
付記46から56のいずれか一項に記載の構造部材。
[付記58]
前記第3の波形状の振幅は、前記第3方向における位置に応じて変化する
付記46から57のいずれか一項に記載の構造部材。
[付記59]
前記第3の波形状の振幅は、前記第3方向における位置に関わらずに固定されている
付記46から49のいずれか一項に記載の構造部材。
[付記60]
前記第3溝構造は、前記第1及び第2方向に交差する方向に沿って延びる
付記46から59のいずれか一項に記載の構造部材。
[付記61]
前記第3溝構造は、前記第1及び第2方向に平行な方向に沿って延びる
付記46から60のいずれか一項に記載の構造部材。
[付記62]
表面に溝構造が形成された構造部材であって、
前記溝構造は複数の第3溝構造を備え、
前記複数の第3溝構造のうちの一の第3溝構造は、第3方向に延びる第3の波形状であり、
前記複数の第3溝構造のうちの他の一の第3溝構造は、前記第3方向とは異なる第4方向に延びる第4の波形状であり、
前記複数の第3溝構造の配列ピッチは位置に応じて変化する
構造部材。
[付記63]
表面に溝構造が形成された構造部材であって、
前記溝構造は、複数の第1溝構造と、複数の第3溝構造とを備え、
前記複数の第1溝構造は、第1方向に延びる第1の波形状であり、且つ、前記第1方向に交差する方向に沿って第1の配列ピッチで並ぶように形成されており、
前記複数の第3溝構造は、第3方向に延びる第3の波形状である一の第3溝構造と前記第3方向とは異なる第4方向に延びる第4の波形状である他の第3溝構造とを含み、前記複数の第1溝構造にそれぞれ接続されるように形成されている
構造部材。
[付記64]
表面に溝構造が形成された構造部材であって、
第1方向に延びる溝構造が形成された第1領域と、
前記溝構造が形成されていない第2領域と、
前記第1領域と前記第2領域との間に位置し、且つ、前記第1領域の溝構造に繋がる溝構造が形成された第3領域と
を備え、
前記第3領域に形成されている前記溝構造の深さは、前記第1領域から前記第2領域に近づくにつれて浅くなる
構造部材。
[付記65]
前記第3領域に形成されている前記溝構造の深さは、前記第1方向に沿って前記溝構造が前記第1領域から前記第2領域に近づくにつれて、連続的に浅くなる
付記64に記載の構造部材。
[付記66]
前記第3領域に形成されている前記溝構造の深さは、前記第1方向に沿って前記溝構造が前記第1領域から前記第2領域に近づくにつれて、段階的に浅くなる
付記64又は65に記載の構造部材。
[付記67]
前記第1領域の端部における前記溝構造の深さは、前記第1領域の端部に接続される前記第3領域の端部における前記溝構造の深さと同じである
付記64から66のいずれか一項に記載の構造部材。
[付記68]
前記第2領域に接続される前記第3領域の端部の高さは、前記第3領域に接続される前記第2領域の端部の高さと同じである
付記64から67のいずれか一項に記載の構造部材。
[付記69]
前記第1領域には、突起形状、凸形状及び山形状の少なくとも一つを形成するように前記第1方向に交差する第2方向に沿って並ぶ二つの溝を含む前記溝構造が形成されている
付記64から68のいずれか一項に記載の構造部材。
[付記70]
前記第3領域の少なくとも一部には、突起形状、凸形状及び山形状の少なくとも一つを形成するように前記第1方向に交差する第2方向に沿って並ぶ二つの溝を含む前記溝構造が形成されている
付記64から69のいずれか一項に記載の構造部材。
[付記71]
前記溝の深さは、突起形状、凸形状及び山形状の少なくとも一つの頂点に対する前記溝の底の位置を表す
付記69又は70に記載の構造部材。
[付記72]
前記構造部材は、回転体の一部である羽根部材、移動体の筐体及び飛翔体の翼部分の少なくとも一つ含む
付記29から71のいずれか一項に記載の構造部材。
[付記73]
物体にエネルギービームを照射することで前記物体を加工可能な加工装置と、
前記物体を加工することで前記物体の表面に溝構造を形成するように、前記加工装置を制御する制御装置と
を備え、
前記制御装置は、第1方向に延びる複数の第1溝構造と、前記第1方向とは異なる第2方向に延びる複数の第2溝構造と、第3方向に沿って延び且つ前記複数の第1溝構造のうちの一の第1溝構造と前記複数の第2溝構造のうちの一の第2溝構造との間に形成される第3溝構造とを備える前記溝構造を形成するように前記加工装置を制御する
加工システム。
[付記74]
物体にエネルギービームを照射することで前記物体を加工可能な加工装置と、
前記物体を加工することで前記物体の表面に溝構造を形成するように、前記加工装置を制御する制御装置と
を備え、
前記制御装置は、第1方向に延びる第1の波形状であり、且つ、前記第1方向に交差する方向に沿って第1の配列ピッチで並ぶ複数の第1溝構造と、第2方向に延びる第2の波形状であり、且つ、前記第2方向に交差する方向に沿って第2の配列ピッチで並ぶ複数の第2溝構造と、第3方向に延びる第3の波形状であり、且つ、前記複数の第1溝構造のうちの一の第1溝構造と前記複数の第2溝構造のうちの一の第2溝構造との間に形成される第3溝構造とを備える前記溝構造を形成するように前記加工装置を制御する
加工システム。
[付記75]
物体にエネルギービームを照射することで前記物体を加工可能な加工装置と、
前記物体を加工することで前記物体の表面に溝構造を形成するように、前記加工装置を制御する制御装置と
を備え、
前記制御装置は、第1方向に延び且つ前記第1方向と交差する方向に沿って第1の配列ピッチで並ぶ複数の第1溝構造と、第2方向に延び且つ前記第2方向と交差する方向に沿って第2の配列ピッチで並ぶ複数の第2溝構造と、第3方向に沿って延び且つ前記複数の第1溝構造のうちの一の第1溝構造と前記複数の第2溝構造のうちの一の第2溝構造との間に形成される第3溝構造とを備える前記溝構造を形成するように前記加工装置を制御し、
前記第1溝構造は、前記第1方向に沿った第1軸と第1乃至第3位置で交差し、前記第1溝構造の前記第1位置と前記第2位置との間の第4位置は、前記第1軸の第4方向側に位置し、前記第1溝構造の前記第2位置と前記第3位置との間の第5位置は、前記第1軸に関して前記第4方向と反対側の第5方向側に位置し、
前記第2溝構造は、前記第2方向に沿った第2軸と第6乃至第8位置で交差し、前記第2溝構造の前記第6位置と前記第7位置との間の第9位置は、前記第2軸の第6方向側に位置し、前記第2溝構造の前記第7位置と前記第8位置との間の第10位置は、前記第2軸に関して前記第6方向と反対側の第7方向側に位置し、
前記第3溝構造は、前記第3方向に沿った第3軸と第11乃至第13位置で交差し、前記第3溝構造の前記第11位置と前記第12位置との間の第14位置は、前記第3軸の第8方向側に位置し、前記第3溝構造の前記第12位置と前記第13位置との間の第15位置は、前記第3軸に関して前記第8方向と反対側の第9方向側に位置する
加工システム。
[付記76]
物体にエネルギービームを照射することで前記物体を加工可能な加工装置と、
前記物体を加工することで前記物体の表面に溝構造を形成するように、前記加工装置を制御する制御装置と
を備え、
前記制御装置は、第1方向に延びる第1の波形状であり、且つ、前記第1方向に交差する方向に沿って第1の配列ピッチで並ぶ複数の第1溝構造と、第2方向に延び、且つ、前記第2方向に交差する方向に沿って第2の配列ピッチで並ぶ複数の第2溝構造と、第3方向に延びる第3の波形状であり、且つ、前記複数の第1溝構造のうちの一の第1溝構造と前記複数の第2溝構造のうちの一の第2溝構造との間に形成される第3溝構造とを備える前記溝構造を形成するように前記加工装置を制御する
加工システム。
[付記77]
物体にエネルギービームを照射することで前記物体を加工可能な加工装置と、
前記物体を加工することで前記物体の表面に溝構造を形成するように、前記加工装置を制御する制御装置と
を備え、
前記制御装置は、第1方向に延び且つ前記第1方向と交差する方向に沿って第1の配列ピッチで並ぶ複数の第1溝構造と、第2方向に延び且つ前記第2方向と交差する方向に沿って第2の配列ピッチで並ぶ複数の第2溝構造と、第3方向に沿って延び且つ前記複数の第1溝構造のうちの一の第1溝構造と前記複数の第2溝構造のうちの一の第2溝構造との間に形成される第3溝構造とを備える前記溝構造を形成するように前記加工装置を制御し、
前記第1溝構造は、前記第1方向に沿った第1軸と第1乃至第3位置で交差し、前記第1溝構造の前記第1位置と前記第2位置との間の第4位置は、前記第1軸の第4方向側に位置し、前記第1溝構造の前記第2位置と前記第3位置との間の第5位置は、前記第1軸に関して前記第4方向と反対側の第5方向側に位置し、
前記第3溝構造は、前記第3方向に沿った第2軸と第6乃至第8位置で交差し、前記第3溝構造の前記第6位置と前記第7位置との間の第9位置は、前記第2軸の第6方向側に位置し、前記第3溝構造の前記第7位置と前記第8位置との間の第10位置は、前記第2軸に関して前記第6方向と反対側の第7方向側に位置する
加工システム。
[付記78]
物体にエネルギービームを照射することで前記物体を加工可能な加工装置と、
前記物体を加工することで前記物体の表面に溝構造を形成するように、前記加工装置を制御する制御装置と
を備え、
前記制御装置は、複数の第3溝構造を備える前記溝構造を形成するように前記加工装置を制御し、
前記複数の第3溝構造のうちの一の第3溝構造は第3方向に延びる第3の波形状であり、
前記複数の第3溝構造のうちの他の一の第3溝構造は前記第3方向とは異なる第4方向に延びる第4の波形状であり、
前記複数の第3溝構造の配列ピッチは位置に応じて変化する
加工システム。
[付記79]
物体にエネルギービームを照射することで前記物体を加工可能な加工装置と、
前記物体を加工することで前記物体の表面に溝構造を形成するように、前記加工装置を制御する制御装置と
を備え、
前記制御装置は、第1方向に延びる第1の波形状であり、且つ、前記第1方向に交差する方向に沿って第1の配列ピッチで並ぶ複数の第1溝構造と、第3方向に延びる第3の波形状である一の第3溝構造と前記第3方向とは異なる第4方向に延びる第4の波形状である他の第3溝構造とを含み、それぞれ、前記複数の第1溝構造に接続される複数の第3溝構造とを備える前記溝構造を形成するように前記加工装置を制御する
加工システム。
[付記80]
物体にエネルギービームを照射することで前記物体を加工可能な加工装置と、
前記物体を加工することで前記物体の表面に溝構造を形成するように、前記加工装置を制御する制御装置と
を備え、
前記制御装置は、前記表面の第1領域に、第1方向に延びる溝構造を形成し、前記第1領域と前記溝構造が形成されない前記表面の第2領域との間に位置する前記表面の第3領域に、前記第1領域の溝構造に繋がる溝構造を形成するように前記加工装置を制御し、
前記第3領域に形成されている前記溝構造の深さは、前記第1領域から前記第2領域に近づくにつれて浅くなる
加工システム。
[付記81]
物体にエネルギービームを照射することで前記物体の表面に溝構造を形成するように前記物体を加工する加工方法であって、
前記溝構造は、複数の第1溝構造と、複数の第2溝構造と、第3溝構造とを備え、
第1方向に延びる前記複数の第1溝構造を形成することと、
前記第1方向とは異なる第2方向に延びる前記複数の第2溝構造を形成することと、
第3方向に沿って延び且つ前記複数の第1溝構造のうちの一の第1溝構造と前記複数の第2溝構造のうちの一の第2溝構造との間に形成される前記第3溝構造を形成することと
を含む加工方法。
[付記82]
物体にエネルギービームを照射することで前記物体の表面に溝構造を形成するように前記物体を加工する加工方法であって、
前記溝構造は、複数の第1溝構造と、複数の第2溝構造と、第3溝構造とを備え、
第1方向に延びる第1の波形状であり、且つ、前記第1方向に交差する方向に沿って第1の配列ピッチで並ぶ前記複数の第1溝構造を形成することと、
第2方向に延びる第2の波形状であり、且つ、前記第2方向に交差する方向に沿って第2の配列ピッチで並ぶ前記複数の第2溝構造を形成することと、
第3方向に延び且つ前記複数の第1溝構造のうちの一の第1溝構造と前記複数の第2溝構造のうちの一の第2溝構造との間に形成される第3溝構造を形成することと
を含む加工方法。
[付記83]
物体にエネルギービームを照射することで前記物体の表面に溝構造を形成するように前記物体を加工する加工方法であって、
前記溝構造は、複数の第1溝構造と、複数の第2溝構造と、第3溝構造とを備え、
第1方向に延び且つ前記第1方向と交差する方向に沿って第1の配列ピッチで並ぶ前記複数の第1溝構造を形成することと、
第2方向に延び且つ前記第2方向と交差する方向に沿って第2の配列ピッチで並ぶ前記複数の第2溝構造を形成することと、
第3方向に沿って延び且つ前記複数の第1溝構造のうちの一の第1溝構造と前記複数の第2溝構造のうちの一の第2溝構造との間に形成される第3溝構造を形成すること
を含み、
前記第1溝構造は、前記第1方向に沿った第1軸と第1乃至第3位置で交差し、前記第1溝構造の前記第1位置と前記第2位置との間の第4位置は、前記第1軸の第4方向側に位置し、前記第1溝構造の前記第2位置と前記第3位置との間の第5位置は、前記第1軸に関して前記第4方向と反対側の第5方向側に位置し、
前記第2溝構造は、前記第2方向に沿った第2軸と第6乃至第8位置で交差し、前記第2溝構造の前記第6位置と前記第7位置との間の第9位置は、前記第2軸の第6方向側に位置し、前記第2溝構造の前記第7位置と前記第8位置との間の第10位置は、前記第2軸に関して前記第6方向と反対側の第7方向側に位置し、
前記第3溝構造は、前記第3方向に沿った第3軸と第11乃至第13位置で交差し、前記第3溝構造の前記第11位置と前記第12位置との間の第14位置は、前記第3軸の第8方向側に位置し、前記第3溝構造の前記第12位置と前記第13位置との間の第15位置は、前記第3軸に関して前記第8方向と反対側の第9方向側に位置する
加工方法。
[付記84]
物体にエネルギービームを照射することで前記物体の表面に溝構造を形成するように前記物体を加工する加工方法であって、
前記溝構造は、複数の第1溝構造と、複数の第2溝構造と、第3溝構造とを備え、
第1方向に延びる第1の波形状であり、且つ、前記第1方向に交差する方向に沿って第1の配列ピッチで並ぶ前記複数の第1溝構造を形成することと、
第2方向に延び、且つ、前記第2方向に交差する方向に沿って第2の配列ピッチで並ぶ前記複数の第2溝構造を形成することと、
第3方向に延びる第3の波形状であり、且つ、前記複数の第1溝構造のうちの一の第1溝構造と前記複数の第2溝構造のうちの一の第2溝構造との間に形成される第3溝構造を形成すること
を含む加工方法。
[付記85]
物体にエネルギービームを照射することで前記物体の表面に溝構造を形成するように前記物体を加工する加工方法であって、
前記溝構造は、複数の第1溝構造と、複数の第2溝構造と、第3溝構造とを備え、
第1方向に延び且つ前記第1方向と交差する方向に沿って第1の配列ピッチで並ぶ前記複数の第1溝構造を形成することと、
第2方向に延び且つ前記第2方向と交差する方向に沿って第2の配列ピッチで並ぶ前記複数の第2溝構造を形成することと、
第3方向に沿って延び且つ前記複数の第1溝構造のうちの一の第1溝構造と前記複数の第2溝構造のうちの一の第2溝構造との間に形成される第3溝構造を形成することと
を含み、
前記第1溝構造は、前記第1方向に沿った第1軸と第1乃至第3位置で交差し、前記第1溝構造の前記第1位置と前記第2位置との間の第4位置は、前記第1軸の第4方向側に位置し、前記第1溝構造の前記第2位置と前記第3位置との間の第5位置は、前記第1軸に関して前記第4方向と反対側の第5方向側に位置し、
前記第3溝構造は、前記第3方向に沿った第2軸と第6乃至第8位置で交差し、前記第3溝構造の前記第6位置と前記第7位置との間の第9位置は、前記第2軸の第6方向側に位置し、前記第3溝構造の前記第7位置と前記第8位置との間の第10位置は、前記第2軸に関して前記第6方向と反対側の第7方向側に位置する
加工方法。
[付記86]
物体にエネルギービームを照射することで前記物体の表面に溝構造を形成するように前記物体を加工する加工方法であって、
前記溝構造は、複数の第3溝構造を備え、
前記複数の第3溝構造のうちの一の第3溝構造が、第3方向に延びる第3の波形状であり、前記複数の第3溝構造のうちの他の一の第3溝構造が、前記第3方向とは異なる第4方向に延びる第4の波形状であり、且つ、前記複数の第3溝構造の配列ピッチが、位置に応じて変化するように、前記複数の第3構造を形成する
加工方法。
[付記87]
物体にエネルギービームを照射することで前記物体の表面に溝構造を形成するように前記物体を加工する加工方法であって、
前記溝構造は、複数の第1溝構造と、複数の第3溝構造とを備え、
第1方向に延びる第1の波形状であり、且つ、前記第1方向に交差する方向に沿って第1の配列ピッチで並ぶ前記複数の第1溝構造を形成することと、
第3方向に延びる第3の波形状である一の第3溝構造と前記第3方向とは異なる第4方向に延びる第4の波形状である他の第3溝構造とを含み、前記複数の第1溝構造にそれぞれ接続される前記複数の第3溝構造を形成することと
を含む加工方法。
[付記88]
物体にエネルギービームを照射することで前記物体の表面に溝構造を形成するように前記物体を加工する加工方法であって、
前記表面の第1領域に、第1方向に延びる溝構造を形成することと、
前記第1領域と前記溝構造が形成されない前記表面の第2領域との間に位置する前記表面の第3領域に、前記第1領域の溝構造に繋がる溝構造を形成することと
を含み、
前記第3領域に形成されている前記溝構造の深さは、前記第1領域から前記第2領域に近づくにつれて浅くなる
加工方法。
【0138】
上述の各実施形態の要件は、適宜組み合わせることができる。上述の各実施形態の要件のうちの一部が用いられなくてもよい。上述の各実施形態の要件は、適宜他の実施形態の要件と置き換えることができる。また、法令で許容される限りにおいて、上述の各実施形態で引用した装置等に関する全ての公開公報及び米国特許の開示を援用して本文の記載の一部とする。
【0139】
また、本発明は、請求の範囲及び明細書全体から読み取るこのできる発明の要旨又は思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う羽根部材、構造部材、加工システム及び加工方法もまた本発明の技術思想に含まれる。
【符号の説明】
【0140】
1 加工装置
3 制御装置
8 山構造
9 溝構造
EL 加工光
SYS 加工システム
W ワーク
BL タービンブレード
RB リブレット構造
RL リブレットライン
図1
図2
図3
図4
図5
図6
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図10
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図32
図33
図34
図35
【手続補正書】
【提出日】2025-02-26
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面に溝構造が形成された構造部材であって、
第1方向に延びる溝構造が、前記第1方向と交差する第2方向に複数形成された第1領域と、
前記溝構造が形成されていない第2領域と、
前記第1領域と前記第2領域との間に位置し、且つ、前記第1領域の溝構造に繋がる溝構造が形成された第3領域と
を備え、
前記第3領域に形成されている複数の前記溝構造の深さは、前記第1領域から前記第2領域に近づくにつれて浅くなる
構造部材。
【請求項2】
前記第3領域に形成されている前記溝構造の深さは、前記第1方向に沿って前記溝構造が前記第1領域から前記第2領域に近づくにつれて、連続的に浅くなる
請求項に記載の構造部材。
【請求項3】
前記第3領域に形成されている前記溝構造の深さは、前記第1方向に沿って前記溝構造が前記第1領域から前記第2領域に近づくにつれて、段階的に浅くなる
請求項又はに記載の構造部材。
【請求項4】
前記第1領域の端部における前記溝構造の深さは、前記第1領域の端部に接続される前記第3領域の端部における前記溝構造の深さと同じである
請求項からのいずれか一項に記載の構造部材。
【請求項5】
前記第2領域に接続される前記第3領域の端部の高さは、前記第3領域に接続される前記第2領域の端部の高さと同じである
請求項からのいずれか一項に記載の構造部材。
【請求項6】
前記第1領域には、突起形状、凸形状及び山形状の少なくとも一つを形成するように前記第1方向に交差する第2方向に沿って並ぶ二つの溝を含む前記溝構造が形成されている
請求項からのいずれか一項に記載の構造部材。
【請求項7】
前記第3領域の複数の前記溝構造は、突起形状、凸形状及び山形状の少なくとも一つを形成するように前記第1方向に交差する第2方向に沿って並ぶ二つの溝を含む
請求項からのいずれか一項に記載の構造部材。
【請求項8】
前記溝の深さは、突起形状、凸形状及び山形状の少なくとも一つの頂点に対する前記溝の底の位置を表す
請求項又はに記載の構造部材。
【請求項9】
前記第1領域の複数の溝構造のうち前記第2方向に沿って並ぶ二つの溝の間に形成される突起形状、凸形状及び山形状の少なくとも一つの頂点の高さは、前記第2領域の表面の高さと同じである
請求項1から8のいずれか一項に記載の構造部材。
【請求項10】
前記第3領域の複数の溝構造のうち前記第2方向に沿って並ぶ二つの溝の間に形成される突起形状、凸形状及び山形状の少なくとも一つの頂点の高さは、前記第2領域の表面の高さと同じである
請求項1から9のいずれか一項に記載の構造部材。
【請求項11】
前記第3領域の複数の溝構造のうち前記第2方向に沿って並ぶ二つの溝の間に形成される突起形状、凸形状及び山形状の少なくとも一つの前記第2方向の幅は、前記第2領域に近づくにつれて狭くなる
請求項1から10のいずれか一項に記載の構造部材。
【請求項12】
前記第3領域の複数の前記溝構造の深さの変化率は、前記第3領域の複数の前記溝構造が前記第2領域に近づくにつれて変化している
請求項1から11のいずれか一項に記載の構造部材。
【請求項13】
前記第3領域の複数の前記溝構造の深さの変化率は、前記第3領域の複数の前記溝構造が前記第2領域に近づくにつれて小さくなっている
請求項1から12のいずれか一項に記載の構造部材。