(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025100539
(43)【公開日】2025-07-03
(54)【発明の名称】味改変成分
(51)【国際特許分類】
A23L 27/00 20160101AFI20250626BHJP
A23L 27/20 20160101ALI20250626BHJP
A23C 9/00 20060101ALI20250626BHJP
A23C 9/123 20060101ALI20250626BHJP
【FI】
A23L27/00 Z
A23L27/20 D
A23C9/00
A23C9/123
【審査請求】有
【請求項の数】15
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2025037154
(22)【出願日】2025-03-10
(62)【分割の表示】P 2022536916の分割
【原出願日】2020-12-11
(31)【優先権主張番号】62/948,918
(32)【優先日】2019-12-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】501105842
【氏名又は名称】ジボダン エス エー
(74)【代理人】
【識別番号】110003971
【氏名又は名称】弁理士法人葛和国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】シ,フェン
(72)【発明者】
【氏名】小沼 陽介
(72)【発明者】
【氏名】ワン,イーリー
(72)【発明者】
【氏名】コールス,ウヴェ
(57)【要約】
【課題】
約20%以下の脂肪含量を有する消費物において改善された口当たりを提供する方法が提供される。
【解決手段】
当該方法は、消費可能な組成物ベースに消費可能な組成物の総重量に基づいて約0.02パーツ・パー・ビリオン~約25パーツ・パー・ミリオンのアマドリ化合物を添加するステップを包含し、これに続く加熱を含まない。アマドリ化合物は、グルコースのプロリンとの反応生成物である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
約20%以下の脂肪含量を有する消費物において改善された口当たりを提供する方法であって、消費可能な組成物ベースに、消費可能な組成物の総重量に基づいて約0.02パーツ・パー・ビリオン~約25パーツ・パー・ミリオンのアマドリ化合物を添加するステップを含み、これに続く加熱を含まず、ここでアマドリ化合物は、グルコースのプロリンとの反応生成物である、前記方法。
【請求項2】
消費物におけるアマドリ化合物の量が、約0.1パーツ・パー・ビリオン~10パーツ・パー・ミリオンである、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
脂肪含量が、約10%以下である、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
脂肪含量が、約5%以下である、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
アマドリ化合物が粉末である、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
消費物が、飲料である、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
消費物が、ヨーグルトである、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
約20%以下の脂肪含量を有する消費物ベース、および消費可能な組成物の総重量に基づいて約0.02パーツ・パー・ビリオン~約25パーツ・パー・ミリオンのアマドリ化合物を含む消費可能な組成物であって、ここでアマドリ化合物は、グルコースのプロリンとの反応生成物であり、およびアマドリ化合物が消費可能な組成物の口当たり特徴を補完する、前記組成物。
【請求項9】
消費物におけるアマドリ化合物の量が、約0.1パーツ・パー・ビリオン~10パーツ・パー・ミリオンである、請求項8に記載の消費可能な組成物。
【請求項10】
脂肪含量が、約10%以下である、請求項8に記載の消費可能な組成物。
【請求項11】
脂肪含量が、約5%以下である、請求項8に記載の消費可能な組成物。
【請求項12】
アマドリ化合物が、粉末である、請求項8に記載の消費可能な組成物。
【請求項13】
消費物が、飲料である、請求項8に記載の消費可能な組成物。
【請求項14】
消費物が、ヨーグルトである、請求項8に記載の消費可能な組成物。
【請求項15】
特徴的なフレーバーをさらに含む、請求項8に記載の消費可能な組成物。
【請求項16】
消費物ベース、および消費可能な組成物の総重量に基づいて約0.02パーツ・パー・ビリオン~約25パーツ・パー・ミリオンのアマドリ化合物を含む乳製の消費可能な組成物であって、ここでアマドリ化合物は、グルコースのプロリンとの反応生成物であり、およびアマドリ化合物が消費可能な組成物の口当たり特徴を補完する、前記組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
技術分野
本開示は、味改変成分を使用して、消費物における口当たりを改善するための方法に関する。より具体的に、本開示は、グルコースおよびアミノ酸の反応生成物であるアマドリ化合物を使用する、脂肪を含有するまたは低脂肪の消費物における口当たりを改善するための方法に関し、ここで、消費物は、食品および飲料である。さらにより具体的に、本開示は、アマドリ味改変成分を含むフレーバー組成物および消費物、および消費物におけるアマドリ味改変成分の、例えば消費物の口当たりを改善するための使用に関する。
【背景技術】
【0002】
背景
消費可能な製品、すなわち、摂取するかまたは吐き出すかのいずれかのために口腔に入れられる製品、たとえば、食材、飲料、菓子、オーラルケア製品等の味を改変するための化合物は、幅広く使用される。それら自体は消費物にフレーバーを加えないが、所望の付随的な利益、たとえば、増強された口当たり、またはダイエット製品において糖の代わりに使用されるいくつかの甘味料に関連する苦い後味などの、他の成分の望ましくない特徴のマスキングを提供する。所望の口当たりは、滑らかさ(ざらつきおよび摩擦の無さ)およびクリーミーさによってしばしば代表される。
【0003】
それらが組み込まれる消費物のフレーバーを補完する味改変成分を提供する必要性が残っており、これは、それらの自体の具体的な味特徴を発揮するのではなく、該組成物のフレーバーおよび口当たりを強調し、よって、広範な食品および飲料カテゴリーに亘る使用の極めて広いスペクトルを与えるためである。
【0004】
結果的に、脂肪を含有するまたは低脂肪の消費物において使用するための、口当たりを改善し、同時に、かかる食べることが可能な組成物の所望される官能特性を保存または増強する、化合物を提供することへの要求がある。
【発明の概要】
【0005】
概要
例示的な1つの態様において、約20%以下の脂肪含量を有する消費物において改善された口当たりを提供する方法は、消費可能な組成物ベースに、消費可能な組成物の総重量に基づいて、約0.02パーツ・パー・ビリオン~約25パーツ・パー・ミリオンのアマドリ化合物を添加するステップを含み、これに続く加熱を含まない。
別の例示的な態様において、消費可能な組成物は、約20%以下の脂肪含量を有する消費物ベース、および消費可能な組成物の総重量に基づいて約0.02パーツ・パー・ビリオン~約25パーツ・パー・ミリオンのアマドリ化合物を含む。
【0006】
別の例示的な態様において、乳製の消費可能な組成物は、消費物ベース、および消費可能な組成物の総重量に基づいて約0.02パーツ・パー・ビリオン~約25パーツ・パー・ミリオンのアマドリ化合物を含み、ここでアマドリ化合物が消費可能な組成物の口当たり特徴を補完する。
特定の態様の、これらのおよび他の特色、側面および利点が、本開示を読むことから、当業者に明らかになるであろう。
【0007】
詳細な記載
以下の文章は、本開示の無数の異なる態様の広い記載を示す。記載は、例示的なものとしてのみ解釈され、全ての実行可能な態様を記載することは、全ての実行可能な態様は、不可能ではないとしても非実際的であるため、全ての実行可能な態様を記載するものではない。本明細書に記載のあらゆる特色、特徴、構成要素、組成物、成分、製品、ステップまたは方法論は、全部または一部を削除、組み合わせ、または置換することができることは理解されよう。無数の代替の態様は、現在の技術または本出願の出願日後に開発される技術のいずれかを使用して、実施することができ、それらは依然として、請求項の範囲内である。本明細書において引用されるすべての刊行物および特許は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0008】
望ましくない口当たりは、それ以外は望ましくフレーバーが付された、脂肪含有または低脂肪の消費物に重篤な不利をもたらすことがある。本明細書に使用されるとき、「口当たり」は、食品、飲料または成分によって作られる、口の中の物理的な感覚を指し、これらに限定されないが、重さ、厚さ、粘度、湿り気、滑らかさ、フィルム感、乾燥、およびマウスコーティングを包含する。残念ながら、所望の効果は、しばしば、健康および食事の理由のために多くの人々にとってその摂取が減少されるべきである、乳製品などの脂肪の多い食品の特性である。今、望ましくない口当たり特性を、アマドリ化合物の消費可能な組成物への組み込みによって改善することができることが見いだされ、ここでアマドリ化合物は、消費可能な組成物の総重量に基づいて、約0.02パーツ・パー・ビリオン~約25パーツ・パー・ミリオンの量で存在する。
【0009】
一態様において、約20%以下の脂肪含量を有する消費物において、改善された口当たりを提供する方法であって、消費可能な組成物ベースに、消費可能な組成物の総重量に基づいて約0.02パーツ・パー・ビリオン~約25パーツ・パー・ミリオンのアマドリ化合物を添加するステップを含む、前記方法が開示される。驚くべきことに、ある濃度で存在する、グルコースのプロリンとのアマドリ反応生成物の組み込みが、約20%以下の脂肪含量を有する消費物の全体的な口当たりを改善することが見いだされた。
【0010】
別の態様において、ある濃度で存在する、グルコースのプロリンとのアマドリ反応生成物が、約20%より多くの脂肪含量を有する消費物の口当たりを改善することが見いだされた。
ある濃度で存在する、グルコースのプロリンとのアマドリ反応生成物が、クリーム感、脂肪感およびボディなどの他の口当たり特徴も増強することもまた見いだされた。
アマドリ化合物(アマドリ生成物とも知られる)は、アルドース糖を、酸または塩基を介して異性化し、次いでアミンと反応させ、Schiff塩基中間体の転位の後に、アマドリ化合物を形成する、周知のアマドリ転位反応を介して形成する(M. Amadori, Atti Accad. Naz. Lincei 2(6), 337 (1925); The Merck Index (14th Edition), pg. ONR-3, (2006))参照)。以下の反応スキームは、アマドリ化合物を形成するための、ヘキソース糖およびアンモニアの間の反応を示す。
【0011】
【0012】
アマドリ化合物(生成物)を作成するための方法は、当該技術分野において周知であるが、それらの利用は、当該技術分野においてあまり知られていない。アマドリ化合物は、それ自体では利益を有さないが、アマドリ化合物が、脱水、断片化またはアルドール縮合を経て、進行した最終産物(Advanced end product:AEP)の形成のための中間体化合物として機能すると考えられる。これらのAEPは、しばしば、食品産業において、フレーバー料として利益を有する。かかる例の1つは、キャラメルの匂いを有する化合物を製造するための、アマドリ化合物の熱分解である。Mills et al., “Amadori Compounds as Nonvolatile Flavor Precursors in Processed Foods”, Agric. Food Chem., vol. 17, no. 4, pgs 723-727 (July-August 1969).
【0013】
ある態様に従って、アマドリ化合物は、グルコースのアミノ酸との反応によって形成され、ここでアミノ酸は、ヒスチジン、イソロイシン、メチオニン、プロリンおよびセリンからなる群から選択される。一態様において、グルコースおよびプロリンの反応によって形成されたアマドリ化合物は、N-(1-デオキシ-D-フルクトース-1-イル)-L-プロリンと表すことができる:
【0014】
【0015】
同様に、グルコースの他の天然に存在するアミノ酸との反応は、以下のように表すことできる:
・N-(1-デオキシ-D-フルクトース-1-イル)-L-ヒスチジン;
・N-(1-デオキシ-D-フルクトース-1-イル)-L-イソロイシン;
・N-(1-デオキシ-D-フルクトース-1-イル)-L-メチオニン;
【0016】
別の態様において、グルコースおよびセリンの反応によって形成されるアマドリ化合物は、N-(1-デオキシ-D-フルクトース-1-イル)-L-セリンと表すことができる:
【0017】
【0018】
本出願に記載されたアマドリ化合物の上記構造は、その塩形態および荷電形態を包含することが意図される。加えて、上記アマドリ化合物は、D-グルコースを描いているが、L-グルコースからのアマドリ化合物もまた、本開示の一部であるとみなされる。
【0019】
グルコースのプロリンとのアマドリ反応生成物の包含の存在に起因する優れた有益な効果を得るために、反応生成物は、消費可能な組成物の総重量に基づいて、0.02パーツ・パー・ビリオン~25パーツ・パー・ミリオンの濃度において用いられるべきである。これより多い量を用いることもできるが、有益な効果は、あきらかに大幅に少なく、および望ましくないオフノートが益々明らかになる。
【0020】
ある態様に従って、消費可能な組成物に存在するグルコースのプロリンとのアマドリ反応生成物の量は、約0.02ppb~約25ppmの濃度であってよい。ある態様に従って、消費物に存在するグルコースのプロリンとのアマドリ反応生成物の量は、約0.1ppb~約10ppmの濃度であってよい。ある態様に従って、消費物に存在するグルコースのプロリンとのアマドリ反応生成物の量は、約0.25ppb~約1ppmの濃度であってよい。ある態様に従って、消費物に存在するグルコースのプロリンとのアマドリ反応生成物の量は、約0.5ppb~約250ppbの濃度であってよい。
【0021】
「ppb」または「ppm」として表される場合、濃度は、状況に応じて、消費物の総重量に基づく、重量でのパーツ・パー・ビリオンまたはパーツ・パー・ミリオンである。本開示において値の範囲が記載される場合、終点を含む範囲内のあらゆる値が開示されたと見なされることが意図されていることを理解されたい。例えば、グルコースのプロリンとのアマドリ反応生成物の「100ppm~1000ppmの範囲」は、100および1000の間の連続に沿ったあらゆる可能な数値を示すものとして読み取られるものとする。本発明者らは、範囲内のありとあらゆる値が特定されたとみなされること、および本発明者らが範囲全体および範囲内のすべての値を所有していることを理解し、了解するものとする。
【0022】
本開示において、値に関連して使用される用語「約」は、規定された値を包含し、文脈によって規定される意味を有する。例えば、具体的な値の測定に関連する誤差の程度を少なくとも包含する。当業者は、用語「約」が、本明細書に使用されるのは、記載された値の「約」の量が、本開示の組成物および/または方法において、所望される程度の有効性をもたらすことを意味すると理解するであろう。当業者はさらに、ある態様におけるあらゆる構成要素のパーセンテージ、量または分量の値に関する「約」の境界は、値を変化させ、各値に関して、組成物または方法の有効性を決定し、本開示に従う所望される程度の有効性を有する組成物または方法をもたらす値の範囲を判断することによって判断することができることを理解するであろう。
【0023】
本明細書に使用される、冠詞「a」、「an」および「the」は、1つまたは2つ以上(すなわち、少なくとも1つの)の文法上の目的語を意味する。一例として、「a compound(化合物)」は、1つの化合物または2つ以上の化合物を意味する。
【0024】
味改変成分の最終的な形態は、当該技術分野において周知である方法にしたがって選択することができ、具体的な食品用に依存する。液体食品のために、味改変成分はその液体形態において、さらに加工されることなく使用することができる。乾燥用途のために、噴霧乾燥濃縮した味改変成分を使用することができる。味改変成分は、食品製品に直接添加しても、フレーバリングまたはシーズニング食品のためのフレーバー組成物の一部として提供してもよい。
【0025】
消費可能な組成物は、ベースを包含してもよい。本明細書に使用されるとき、用語「ベース」は、グルコースのプロリンとの味改変アマドリ反応生成物を別として、消費物のために必要な成分の全てを指す。これらは、当然ながら、消費物または添加剤の性質および使用に依存して、性質および割合が変化するが、これらはすべて当業者に周知であり、当該技術分野において認識された割合で使用してもよい。あらゆる考えられる目的のための、かかるベースの処方は、したがって、当該技術分野の通常の技能の範囲内である。
【0026】
限定せずに、およびたんなる例証として、好適なベースは以下を包含してよい:固化防止剤、消泡剤、抗酸化剤、結合剤、着色料、希釈剤、崩壊剤、乳化剤、カプセル化剤または製剤、酵素、脂肪、フレーバーエンハンサー、フレーバリング剤、ガム、多糖類、保存料、タンパク質、可溶化剤、溶媒、安定剤、糖誘導体、界面活性剤、甘味剤、ビタミン、ワックス等。使用され得る溶媒は、当業者に知られており、例として以下を包含する:水、エタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリンおよびトリアセチン。カプセル材およびガムは、以下を包含する:マルトデキストリン、ガムアラビック、アルギン酸、ゼラチン、加工デンプン、他の多糖類、およびタンパク質。
【0027】
フレーバー化合物のための賦形剤、担体、希釈剤または溶媒の例は、例として以下に見出し得る: “Perfume and Flavour Materials of Natural Origin”, S. Arctander, Ed., Elizabeth, N.J., 1960; “Perfume and Flavour Chemicals”, S. Arctander, Ed., Vol. I & II, Allured Publishing Corporation, Carol Stream, USA, 1994; “Flavourings”, E. Ziegler and H. Ziegler (ed.), Wiley-VCH Weinheim, 1998、および“CTFA Cosmetic Ingredient Handbook”, J. M. Nikitakis (ed.), 1st ed., The Cosmetic, Toiletry and Fragrance Association, Inc., Washington, 1988。
【0028】
ある態様に従って、グルコースのプロリンとのアマドリ反応生成物は、味改変組成物の一部として、消費物に添加されてよく、ここで組成物は、少なくとも1の特徴的なフレーバーを含む。グルコースのプロリンとのアマドリ反応生成物は、消費物に直接添加してもよく、または消費物のある成分と前もって混合してもよい。特徴的なフレーバーの非限定例は、天然のフレーバー、人工フレーバー、香辛料、調味料等を包含する。これらは、合成フレーバー油およびフレーバーアロマおよび/または油、オレオレジン、エッセンス、および蒸留物、およびそれらの組み合わせを包含する。用語「特徴的なフレーバー」は、個人による消費時に優勢であると認識されるフレーバーを指す。
【0029】
フレーバー油は、以下を包含する:スペアミント油、桂皮油、冬緑油(サリチル酸メチル)、ペパーミント油、薄荷油、丁子油、ベイ油、アニス油、ユーカリ油、タイム油、ニオイヒバ油、ニクズク油、オールスパイス、セージ油、メース、苦扁桃油、およびカッシア油;有用なフレーバリング剤は、以下を包含する:人工、天然および合成の果実フレーバー、たとえばバニラ、およびレモン、オレンジ、ライム、グレープフルーツ、ユズ、スダチを包含する柑橘類油、およびリンゴ、セイヨウナシ、モモ、ブドウ、キイチゴ、ブラックベリー、ガチョウベリー、ブルーベリー、イチゴ、サクランボ、セイヨウスモモ、プルーン、レーズン、コーラ、ガラナ、ネロリ、パイナップル、アンズ、バナナ、メロン、アンズ、サクランボ、熱帯産果実、マンゴー、マンゴスチン、ザクロ、パパイヤ、などを包含する果実エッセンス。
【0030】
特徴的なフレーバーによって付与される追加の例示のフレーバーは、以下を包含する:乳フレーバー、バターフレーバー、チーズフレーバー、クリームフレーバー、およびヨーグルトフレーバー、バニラフレーバー、茶またはコーヒーフレーバー、たとえば緑茶フレーバー、ウーロン茶フレーバー、茶フレーバー、ココアフレーバー、チョコレートフレーバー、およびコーヒーフレーバー;ミントフレーバー、たとえばペパーミントフレーバー、スペアミントフレーバー、および薄荷フレーバー;スパイシーなフレーバー、たとえばアギフレーバー、アジョワンフレーバー、アニスフレーバー、シシウドフレーバー、ウイキョウフレーバー、オールスパイスフレーバー、桂皮フレーバー、カモミールフレーバー、カラシフレーバー、カルダモンフレーバー、キャラウェーフレーバー、クミンフレーバー、丁子フレーバー、コショウフレーバー、コリアンダーフレーバー、サッサフラスフレーバー、セイボリーフレーバー、山椒フレーバー、エゴマフレーバー、ジュニパーベリーフレーバー、生姜フレーバー、八角フレーバー、セイヨウワサビフレーバー、タイムフレーバー、タラゴンフレーバー、イノンドフレーバー、唐辛子フレーバー、ニクズクフレーバー、バジルフレーバー、マジョラムフレーバー、ローズマリーフレーバー、ベイリーフフレーバー、およびわさび(ワサビ)フレーバー;ナッツフレーバー、たとえばアーモンドフレーバー、ハシバミの実フレーバー、マカダミアナッツフレーバー、落花生フレーバー、ペカンフレーバー、ピスタチオフレーバー、およびクルミフレーバー;フローラルフレーバー;および野菜フレーバー、たとえばタマネギフレーバー、ニンニクフレーバー、キャベツフレーバー、ニンジンフレーバー、セロリフレーバー、キノコフレーバー、およびトマトフレーバー。
【0031】
一般にあらゆる特徴的なフレーバーまたは食品添加剤、たとえば“Chemicals Used in Food Processing”, Publication No 1274, pages 63-258, the National Academy of Sciencesに記載されたものなどを使用することができる。
【0032】
補助成分は、増強された安定性、消費物または添加剤への組み込みの容易さ、および増強された栄養価などの他の利益を提供するために存在してもよい。かかる補助成分の非限定的な典型例は、以下を包含する:安定剤、乳化剤、保存料、ガム、デンプン、デキストリン、ビタミンおよびミネラル、機能的成分、塩、抗酸化剤、およびポリ不飽和脂肪酸。具体的な例は、スプレー乾燥プロセスにおいて有用な、乳化剤および担体である。これらの非限定例は、CapsulTMなどの加工デンプンおよびマルトデキストリンである。
【0033】
添加剤は、単一の成分であっても、成分のブレンドであってもよく、または上に言及されたものなどの、あらゆる好適なカプセル材にカプセル化されてもよい。添加剤は、スプレー乾燥、押出および流動床乾燥などのあらゆる好適な方法によって調製してもよい。
【0034】
アマドリ反応生成物は、多種多様の消費物または用途において使用してよく、いかなる具体的な物理的なモードまたは製品形態に限定されない。本開示に従って、用語「消費物/消費可能な(consumable)」は、典型的には口腔を介して(ただし、消費は吸入などの非口腔手段を介して起こる場合がある)、楽しみ、栄養分、または健康およびウェルネス利益の少なくとも1の目的のために、対象によって消費されるための製品を指す。消費物は、あらゆる形態で存在してよく、これらに限定されないが、以下を含む:液体、固体、半固体、錠剤、カプセル、ロゼンジ、ストリップ、粉末、ゲル、ガム、ペースト、スラリー、溶液、懸濁液、シロップ、エアロゾルおよびスプレー。当該用語は、例えば、食事および栄養、ならびに健康およびウェルネスサプリメントも指す。消費物は、廃棄される前に一定期間口腔内に置かれるが、飲み込まれない組成物を包含する。消費される前に口腔内に配置されてもよいし、廃棄される前に一定期間口腔内に保持されてもよい。乳製品および減脂乳製品との併用により、アマドリ反応生成物の口当たり改善効果がとくに増強されることが見いだされた。
【0035】
広く、消費物は、これらに限定されないが、以下を包含する:すべての種類の菓子類、製菓製品、焼成製品、甘味製品、セイボリー製品、発酵製品、乳製品、非乳製品、飲料、栄養補助食品および医薬品。
【0036】
消費物の非限定例は、濃度または容器を問わず、冷凍スープを包含するウェット/液体スープを包含する。この定義の目的で、スープ(単数または複数)は、液体において調理され、肉、家禽、魚類、野菜、穀物、果実および他の成分から調製される食品を意味し、これは、これらの成分のいくつかのまたはすべての目に見える片を包含する。これは、透明(ブロス)または濃厚(チャウダー)、滑らかな、ピューレまたは塊状、即席、半凝縮または濃縮されており、温かくまたは冷たく、食事の最初のコースまたはメインコースとして、または食間のスナック(飲料のようにすする)として提供することができ、スープは、他の食事構成要素を準備するための成分として使用することができ、スープ(コンソメ)からソース(クリームまたはチーズベースのスープ)へと及ぶことがある;脱水したおよび調理食品、これは以下のような調理補助製品を包含する:粉末、顆粒、ペースト、濃縮液体製品(以下を包含する:圧縮したキューブ、錠剤または粉末または顆粒状形態の濃縮ブイヨン、ブイヨンおよびブイヨン様製品であって、完成製品として、または製品、ソースおよびレシピミックス内の成分として(技術を問わず)販売される);ミールソリューション製品、たとえば、脱水および冷凍乾燥スープであって、これは以下を包含する:脱水スープミックス、脱水インスタントスープ、脱水された調理用スープ、調理済みの料理、食事、および単一で提供されるアントレ(パスタ、ジャガイモ、および米料理)の脱水されたまたは常温調製物;食事装飾製品、たとえば:コンディメント、マリネード、サラダドレッシング、サラダトッピング、ディップ、パン粉、バッターミックス、保存可能なスプレッド、バーベキューソース、液体レシピミックス、濃縮物、ソースまたはソースミックス(サラダ用レシピミックスを包含する)、これらは脱水されているか、液体または冷凍で、完成製品として、または製品内の成分として販売される;飲料ミックスおよび濃縮物を包含する飲料、これは、これらに限定されないが以下を包含する:アルコールのノンアルコールのすぐに飲める飲料および乾燥粉末飲料、炭酸および非炭酸飲料、例として、ソーダ、果実または野菜ジュース、アルコールおよびノンアルコール飲料、緑茶および紅茶などの茶、赤ワインなどのワイン;菓子類製品、例として、ケーキ、クッキー、パイ、キャンディ、チューインガム、ゼラチン、アイスクリーム、ソルベ、プリン、ジャム、ゼリーサラダドレッシング、および他のコンディメント、シリアル、および他の朝食食品、缶詰果実および果実ソース等。
【0037】
ある態様に従って、グルコースのアミノ酸とのアマドリ反応生成物は、乳またはヨーグルトなどの低脂肪乳製品の口当たりを改善するために使用する。ある態様に従って、グルコースのプロリンとのアマドリ反応生成物は、乳またはヨーグルトなどの低脂肪乳製品の口当たりを改善するために使用する。
【0038】
例示の乳製品は、これらに限定されないが以下を包含する:チーズ、チーズソース、チーズ-ベース製品、アイスクリーム、インパルアイスクリーム、個食乳製品アイスクリーム、個食水氷クリーム、マルチパック乳製品アイスクリーム、マルチパック水氷クリーム、持ち帰り用アイスクリーム、持ち帰り用乳製品アイスクリーム、アイスクリームデザート、大容量アイスクリーム、持ち帰り用ウォーターアイスクリーム、フローズンヨーグルト、職人のアイスクリーム、乳、新鮮/低温殺菌乳、全脂新鮮/低温殺菌乳、半脱脂新鮮/低温殺菌乳、ロングライフ/uht乳、全脂ロングライフ/uht乳、半脱脂ロングライフ/uht乳、無脂肪ロングライフ/uht乳、ヤギ乳、コンデンス/エバミルク、プレーンコンデンス/エバミルク、フレーバーが付与された、機能的および他のコンデンスミルク、フレーバーが付与された乳飲料、乳製品のみのフレーバーが付与された乳飲料、果汁入りフレーバーが付与された乳飲料、豆乳、豆乳飲料、発酵した乳製品飲料、コーヒーホワイトナー、粉末乳、フレーバーが付与された粉末乳飲料、クリーム、ヨーグルト、プレーン/ナチュラルヨーグルト、フレーバーが付与されたヨーグルト、果実ヨーグルト、プロバイオティックヨーグルト、飲むヨーグルト、通常の飲むヨーグルト、プロバイオティック飲むヨーグルト、冷蔵および常温保存可能なデザート、乳製品ベースのデザート、および豆ベースのデザート。
【0039】
乳製品において脂肪を減らすことの問題は、味および食感の喪失である。乳製品における脂肪含量が、減らされるか、または、他の成分(例として、難消化性脂肪、タンパク質、繊維、ガム)で置き換えられると、乳製品における脂肪含量は、悪影響な官能効果(例として、口コーティング、乾燥、クリスピーさの欠如およびフレーバーの欠如)が、増大する。悪影響な官能効果は、嗜好性が低下した製品をもたらす。本開示に従って、乳製品は、消費物の総重量に基づいて、約40重量%以下、より具体的に約20%以下、さらにより具体的に15%以下、もう1つの態様において10%以下、およびもう1つの態様において5%以下の脂肪含量を有する。
【0040】
例
以下の例は、もっぱら説明のために与えられており、本開示の精神および範囲から逸脱することなく本発明の多くのバリエーションが可能であるため、本発明の限定として解釈されるべきではない。
【0041】
例1
この例において、グルコースのプロリンとの反応からのアマドリ化合物である、N-(1-デオキシ-D-フルクトース-1-イル)-L-プロリン(Fru-Pro)を調製した。
5gの糖(27.8mmol)および5gのプロリン(38.1mmol)の混合物を、1:1MeOH:DMF(100ml:100ml)の溶液に、室温にて添加した。混合物を85℃で3時間撹拌した。次いで1.15gのマロン酸(11.05mmol)を混合物に添加し、結果として生じる混合物を90℃に2時間、反応物の色が薄茶色になるまで加熱した。薄茶色混合物をろ過し、未溶解の構成要素を除去し、真空下で濃縮して、ほとんどの溶媒を除去した。アマドリ化合物を、~30℃の冷たいアセトンを添加することで、沈殿させた。4.14g(92%純粋な)の白色固体が、遠心分離およびC18フラッシュカラム精製の後に得られた。
同様に、Fru-Metを、プロリンの代わりにメチオニンを使用して、上に記載のとおり調製することができる;Fru-Ileuを、プロリンの代わりにイソロイシンを使用して、上に記載のとおり調製することができる;およびFru-Hisを、プロリンの代わりにヒスチジンを使用して、上に記載のとおり調製することができる。
【0042】
NMR Data
Fru-Pro
1H NMR (300 MHz, D2O) δ ppm 1.86-2.13 (m, 3H), 2.14-2.39 (m, 1H), 3.18-4.08 (m, 10H).
13C NMR (75 MHz, D2O, major isomer) δ ppm 23.35, 28.27, 46.08, 57.36, 63.74, 68.90, 69.90, 69.97, 71.44, 95.64, 173.84.
【0043】
Fru-Met
1H NMR (600 MHz, D2O) δ ppm 2.09 - 2.16 (m, 1 H), 2.18 - 2.30 (m, 2 H), 2.58 - 2.74 (m, 1 H), 3.28 - 3.44 (m, 1 H), 3.74 - 3.81 (m, 1 H), 3.81 - 3.94 (m, 1 H), 3.98 - 4.08 (m, 1 H).
13C NMR (151 MHz, D2O) δ ppm 16.95, 31.63, 31.90, 55.53, 62.28, 66.76, 71.78, 72.20, 72.76, 98.21, 175.78.
【0044】
Fru-Ileu
1H NMR (300 MHz, D2O) δ ppm 0.81-0.92 (m, 6H), 1.19-1.29 (m, 1H), 1.39-1.50 (m, 1H), 1.91 (br m, 1H), 3.20-3.22 (m, 2H), 3.56-3.95 (m, 6H).
13C NMR (75 MHz, D2O, major isomer) δ ppm 11.21, 14.07, 25.86, 25.99, 35.79, 52.35, 63.87, 67.76, 68.89, 69.34, 70.12, 95.26, 172.08.
【0045】
Fru-His
1H NMR (600 MHz, D2O) δ ppm 3.00 - 3.36 (m, 3 H), 3.46 - 4.03 (m, 5 H), 4.77 - 4.82 (m, 1 H), 4.87 - 5.05 (m, 1 H), 7.10 - 7.23 (m, 1 H), 8.06 (s, 1 H).
13C NMR (151 MHz, D2O) δ ppm 30.20, 55.45, 65.35, 65.86, 71.83, 72.31, 72.71, 98.96, 119.42, 134.29, 137.99, 178.04.
【0046】
別の例において、グルコースおよびセリンの反応によって形成されたアマドリ化合物を、N-(1-デオキシ-D-フルクトース-1-イル)-L-セリン(Fru-Ser)として表すことができる:
200mlのジクロロメタン中のオキシアル塩化物(6.64g、52.3mmol)を-78℃(アセトン/ドライアイス)に冷却し、この撹拌溶液に、20mlジクロロメタン中の12ml(77mmol)DMSOを、加圧滴下漏斗を介して滴加した。完了したら、混合物を-78℃で15min撹拌し、次いで80mlジクロロメタン中のアセチル保護糖(20g、77mmol)を加圧滴下漏斗を使用して、再度滴加し、混合物を-78℃で17min撹拌し、次いでトリエチルアミン(53.6ml、77mmol)を加圧滴下漏斗を使用して滴加し、-78℃で17min継続的に撹拌し、次いで混合物を室温まで温め、水を添加し、混合物を3回、ジクロロメタンで抽出し、有機層を組み合わせ、1NHClで2回、5%Na2CO3で2回、水で2回、および飽和NaClで洗浄した。硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、濾過物を濃縮した。シリカゲルカラムを使用して、EtOAc/ヘキサン勾配ヘキサン中5%、10%、15%、20%EtOAc~100%EtOAcで、フラッシュクロマトグラフィーによって精製し、10gの透明油化合物Aが得られた。そのまま使用する。
【0047】
A(2.55g、9.88mmol)およびベンジル保護セリン(1.76g、9.0mmol)の50mlMeOH中の溶液に、1M溶液のシアノ水素化ホウ素ナトリウム(10ml、9.0mmol)を室温にて添加し、混合物を同じ温度で2時間撹拌し、ほとんどのMeOHをロータリーエバポレーターで除去した。この混合物に、飽和NaClを添加し、EtOAcで3回抽出した。有機層を組み合わせ、真空下で濃縮し、硫酸ナトリウム上で乾燥した。シリカクロマトグラフィーCH2Cl2中の5%MeOHにより、3gの白色固体の化合物Bが得られた。
【0048】
化合物B: 1H NMR (300 MHz, CD3OD-d6, δ ppm) 1.32 (s, 3H), 1.36 (s, 3H), 1.42 (s, 3H), 1.53 (s, 3H), 3.35 (s, 2H), 3.44 (s, 2H), 3.72-3.76 (d, d, J=12.9, Hz, 1H), 3.87-4.06 (m, 4H), 4.25-4.27 (d, J=6.2 Hz, 1H), 4.31-4.32 (d, J=2.4Hz, 1H), 4.58 (s, 2H), 4.63-4.66 (d, d, J=2.7, 8.1 Hz, 1H), 7.27-7.39 (m, 5H).
【0049】
B(3g、6.86mmol)のメタノール(50ml)中の溶液に、室温にてPd/Cを添加し、溶液を脱気し、水素バルーン下で4日間撹拌した。固体をろ過し;溶媒を真空下で除去した。シリカクロマトグラフィーCH2Cl2中5%MeOHにより、1.15gの白色固体の化合物Bが得られ、これを、2NHCl(2ml)に溶解した。丸底フラスコをロータリーエバポレーターに置き、および溶液を室温にて真空(~30mmHg)で濃縮した。その結果得られる油状の残留物水に溶解し、真空下で濃縮した。この操作を2回繰り返し、粗製のアマドリセリン化合物Cを得た。この粗製の材料をC18カラムで精製し、0.32g白色固体化合物Cを得た。
【0050】
Fru-Ser
1H NMR (300 MHz, D2O) δ ppm 3.20-3.37 (m, 2H), 3.63-4.00 (m, 8H).
13C NMR (75 MHz, D2O, major isomer) δ ppm 52.39, 59.04, 63.89, 68.88, 69.33, 70.32,
95.26, 171.14.
【0051】
以下の処方を、アマドリ化合物有および無で調製し、専門テイスター(5-7名)によって味見をし、比較した。アマドリ化合物は、追加の加熱をすることなく、消費物に加えた。
【0052】
バニラフレーバーが付された乳
ベース: ハーフフル乳;5%糖;0.1%バニリン;20ppm Fru-Pro: わずかにより豊か、ベースよりもよりこっていりしている、脂肪のようにより豊か、より甘い。
ベース: 2%乳脂肪;4%糖;0.2%バニラ抽出物;0.1ppb Fru-Pro: 甘さが続く、より粉ぽい、より脂肪感のあるボディ、豊かでクリーミー、より乳製品のインパクト、よりクリーミーな口当たり、わずかにワックス様の口当たり。
ベース: 2%乳脂肪;4%糖;0.2%バニラ抽出物;1ppb Fru-Pro: より甘い、豊かさの向上、よりクリーミーな口当たり、より乳製品らしい、わずかなワックス様の口当たり。
ベース: 2%脂肪乳;4%糖;0.15%バニラフレーバー;6ppm Fru-Pro: より甘い、より豊かでクリーミー、わずかにより甘い、ジューシー、わずかな金属および口の乾燥。
【0053】
チョコレートフレーバーが付された乳
ベース: 2%乳脂肪;5%糖;2%ココア粉末;0.05%カラギーナン;0.1ppb Fru-Pro: クリーミー、豊か、よりこっていりしているチョコレート、わずかな蝋様の、よりココアのインパクト。
ベース: 2%乳脂肪;5%糖;2%ココア粉末;0.05%カラギーナン;1ppb Fru-Pro:よりチョコレートが続く、よりチョコレート、より複雑、豊かな口当たり、より甘い印象、より濃い、ワックス様、わずかなピリピリ感。
ベース: 2%脂肪乳;5%糖;2%ココア粉末;0.05%カラギーナン;10ppm Fru-Pro: より豊かな、よりボディ、より本物のチョコレートプロファイル、わずかな苦味の増加。
【0054】
アーモンドミルク
ベース: 市販の甘み付けされたバニラアーモンド乳;2ppb Fru-Pro: よりクリーミー、より強いバニラフレーバー、よりボディ、よりクリーミーな口当たり;より甘いおよびより塩味。
【0055】
イチゴフレーバーが付与されたヨーグルト
ベース: 1.7%脂肪;4%糖;イチゴフレーバー0.1%;1ppb Fru-Pro: ほとんど効果が感じられない。
ベース: 1.7%脂肪;4%糖;イチゴフレーバー0.1%;10ppb Fru-Pro: より甘い、よりクリーミー、よりこっていりしている口当たり、よりフルーティ。
ベース: 1.7%脂肪;4%糖;イチゴフレーバー0.1%;100ppb Fru-Pro: 10ppbと同様。
【0056】
プレーン低脂肪ヨーグルト
ベース: 1.5%脂肪;5%糖;5ppm Fru-Pro: 少ない酸味、より甘い、クリーミー。
ベース: 1.5%脂肪;5%糖;10ppm Fru-Pro: 最初の甘みの増加、少ない酸味。
ベース: 1.5%脂肪;5%糖;25ppm Fru-Pro: 金属感が続く、全体および最初の甘みの増加。
【0057】
アイスクリーム
ベース: 14.31%ヘビーホイップクリーム;77.60%全乳;8%スクロース;0.009%バニリン;10ppb Fru-Pro: よりクリーミー、より甘い、わずかによりボディおよび口あたりを丸くする効果、わずかに強い乳脂肪味。
【0058】
クリームフィリング
ベース: 66.4%スクロース;32%パーム油;0.2%塩;0.4%バニラ抽出物;1%水;10ppb Fru-Pro: より脂肪感がありクリーミー、より甘いおよびより塩味、よりバターらしいプロファイル。
【0059】
チーズソース
ベース: 33.46%マルトデキストリン10DE;29.00%デンプンUltrasphere 2000;10.00%チェダーチーズ(白色);9.00%無脂肪乳粉末;6.20%ホエイ;5.00%キャノーラショートニング粉末;4.25%塩、メッシュ;0.35%酵母抽出物粉末;0.10%クエン酸;0.10%乳酸;2.54%チーズフレーバー。
10ppm Fru-Pro: より濃厚、よりチーズらしい、滑らか、より塩味がある、よりクリーミーな口当たり、より新鮮な乳製品ノート、豊かな、わずかな金属および渋味。
10ppm Fru-Met: より豊かな、チーズらしい、旨味、渋味、よりシャープなチーズノート、塩味。
10ppm Fru-Ser: チーズらしい、クリーミー、豊かな、刺痛、金属、濃厚、滑らか。
10ppm Fru-Ileu: わずかな酸性の、苦味のある、よりクリーミー、増大した塩み。
10ppm Fru-His: よりチーズらしい、わずかな酸性の、熟成した、肉らしい、刺痛、チョークっぽい、増大した口当たり、よりクリーミー。
【0060】
本発明の具体的な態様を例示し、説明したが、本発明の精神および範囲から逸脱することなく、様々な他の変更および改変を行うことができることは、当業者に自明であろう。したがって、添付のすべての請求項において、本発明の範囲内にあるすべてのかかる変更および改変がカバーされることが意図される。
【手続補正書】
【提出日】2025-04-09
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
20%以下の脂肪含量を有する乳製の消費物において、増強されたクリーム感、脂肪感および/またはボディ感を提供する方法であって、消費可能な組成物ベースに、消費可能な組成物の総重量に基づいて10パーツ・パー・ビリオン~25パーツ・パー・ミリオンのアマドリ化合物を添加するステップを含み、これに続く加熱を含まず、ここでアマドリ化合物は、N-(1-デオキシ-D-フルクトース-1-イル)-L-プロリンである、前記方法。
【請求項2】
消費物におけるアマドリ化合物の量が、10パーツ・パー・ビリオン~10パーツ・パー・ミリオンである、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
脂肪含量が、10%以下である、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
脂肪含量が、5%以下である、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
アマドリ化合物が粉末である、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
消費物が、飲料である、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
消費物が、ヨーグルトである、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
20%以下の脂肪含量を有する消費物ベース、および消費可能な組成物の総重量に基づいて10パーツ・パー・ビリオン~25パーツ・パー・ミリオンのアマドリ化合物を含む乳製の消費可能な組成物であって、ここでアマドリ化合物は、N-(1-デオキシ-D-フルクトース-1-イル)-L-プロリンである、前記組成物。
【請求項9】
消費物におけるアマドリ化合物の量が、10パーツ・パー・ビリオン~10パーツ・パー・ミリオンである、請求項8に記載の消費可能な組成物。
【請求項10】
脂肪含量が、10%以下である、請求項8に記載の消費可能な組成物。
【請求項11】
脂肪含量が、5%以下である、請求項8に記載の消費可能な組成物。
【請求項12】
アマドリ化合物が、粉末である、請求項8に記載の消費可能な組成物。
【請求項13】
消費物が、飲料である、請求項8に記載の消費可能な組成物。
【請求項14】
消費物が、ヨーグルトである、請求項8に記載の消費可能な組成物。
【請求項15】
乳製の消費可能な組成物のクリーム感、脂肪感および/またはボディ感を増強するための剤であって、
N-(1-デオキシ-D-フルクトース-1-イル)-L-プロリンを含み、
消費可能な組成物の総重量に基づいて10パーツ・パー・ビリオン~25パーツ・パー・ミリオンのN-(1-デオキシ-D-フルクトース-1-イル)-L-プロリンを含むように用いられる、
前記剤。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0014
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0014】
【外国語明細書】