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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025100728
(43)【公開日】2025-07-03
(54)【発明の名称】バッテリ配置構造及び乗物
(51)【国際特許分類】
   B62D 25/20 20060101AFI20250626BHJP
   B60N 2/06 20060101ALI20250626BHJP
   B60N 2/32 20060101ALI20250626BHJP
【FI】
B62D25/20 G
B60N2/06
B60N2/32
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2025066480
(22)【出願日】2025-04-14
(62)【分割の表示】P 2023554728の分割
【原出願日】2022-10-19
(31)【優先権主張番号】63/257,688
(32)【優先日】2021-10-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/272,303
(32)【優先日】2021-10-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/274,240
(32)【優先日】2021-11-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/298,264
(32)【優先日】2022-01-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/322,693
(32)【優先日】2022-03-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】000220066
【氏名又は名称】テイ・エス テック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088580
【弁理士】
【氏名又は名称】秋山 敦
(74)【代理人】
【識別番号】100195453
【弁理士】
【氏名又は名称】福士 智恵子
(72)【発明者】
【氏名】田辺 仁一
(72)【発明者】
【氏名】郭 裕之
(72)【発明者】
【氏名】阿部 浩久
(72)【発明者】
【氏名】溝井 健介
(72)【発明者】
【氏名】馬場 広
(72)【発明者】
【氏名】石井 雄
(72)【発明者】
【氏名】高橋 祥一
(72)【発明者】
【氏名】古和 宗高
(72)【発明者】
【氏名】島崎 隼人
(57)【要約】
【課題】乗員の足元を平坦とすることが可能な車両を提供する。
【解決手段】車両Vは、乗員が着座するシートSと、シートをスライドさせるレール20と、上方に突出する複数の凸部10が形成された第1フロアFS1と、第1フロアFS1より上方に設けられる第2フロアFS2とを備え、レール20は、第2フロアFL2の下方において第1フロアFL1の複数の凸部10を渡って配置されており、シートSは、第2フロアFL2より上方に配置され、レール20にスライド可能に連結されている。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
乗員が着座するシートと、
該シートをスライドさせるレールと、
上方に突出する複数の凸部が形成された第1フロアと、
該第1フロアより上方に設けられる第2フロアと、を備え、
前記レールは、前記第2フロアの下方において前記第1フロアの前記複数の凸部を渡って配置されており、
前記シートは、前記第2フロアより上方に配置され、前記レールにスライド可能に連結されていることを特徴とする車両。
【請求項2】
前記複数の凸部のそれぞれは車両幅方向に延びており、車両前後方向に並んで配置されていることを特徴とする請求項1に記載の車両。
【請求項3】
前記シートは複数設けられており、
前記レールには、車両前後方向に二つ以上の前記シートが配置されていることを特徴とする請求項1に記載の車両。
【請求項4】
前記レールは、三つ以上の凸部に渡って配置されていることを特徴とする請求項1に記載の車両。
【請求項5】
前記複数の凸部の間に配置され、前記レールを下方から支持するレール支持部材を備えることを特徴とする請求項1に記載の車両。
【請求項6】
前記複数の凸部のうち少なくとも1つ凸部は他の凸部より高さが低く形成されており、
他の凸部より高さが低い凸部上には、他の凸部と高さを合わせる嵩上げ部材が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の車両。
【請求項7】
前記複数の凸部の上面には凹部が形成されており、前記レールは前記凹部内に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の車両。
【請求項8】
前記レールの一端は、前記第1フロアから立設する車体構造部の側面に当接していることを特徴とする請求項1に記載の車両。
【請求項9】
前記レールは、前記第1フロアに固定されるロアレールと、該ロアレール上をスライドするアッパーレールと、から構成され、
前記アッパーレールには、前記シートを着脱可能に連結するシート着脱機構が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の車両。
【請求項10】
前記レールは複数設けられており、
前記第1フロア上において複数の前記レールの間に配置され、前記第2フロアを支持するフロア支持部材を備えることを特徴とする請求項1に記載の車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両に係り、特に車体フロアに凸部を有する車両に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、特許文献1に記載されるように、電気自動車等の車体フロアには、前後に並んで左右方向に延びる複数の凸部(特許文献1ではフロアメンバと呼ばれる)が設けられ、凸部を跨ぐようにスライドレールが配置された車両が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2021-115933号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、凸部がフロア上に設けられているため、乗物用シートに着座する乗員の足が凸部に当たったり、乗物用シートの下の掃除が困難になったりする場合があった。
また、近年では動力源の電動化に伴いフロア下にバッテリが搭載されるようになり、車両又は乗物用シートに従来以上の機能を持たせることが求められている。
【0005】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、乗員の足元を平坦とすることが可能な車両を提供することにある。
また、別の目的として、フロアに様々な機能を持たせることが可能な車両を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題は、本発明に係る車両によれば、乗員が着座するシートと、該シートをスライドさせるレールと、上方に突出する複数の凸部が形成された第1フロアと、該第1フロアより上方に設けられる第2フロアとを備え、前記レールは、前記第2フロアの下方において前記第1フロアの前記複数の凸部を渡って配置されており、前記シートは、前記第2フロアより上方に配置され、前記レールにスライド可能に連結されていることにより解決される。
本発明によれば、第1フロアの上方に第2フロアを設け、レールを第2フロアの下方に配置することで、第2フロアの上面を平坦にすることができ、乗員の足元を平坦とすることが可能な車両を提供することができる。
また、第1フロアとその上方に第2フロアを設けることで空間ができ、フロアに様々な機能を持たせることが可能となる。
【0007】
また、上記の車両において、前記複数の凸部のそれぞれは車幅方向に延びており、車両前後方向に並んで配置されているとよい。
これにより、車両の剛性を向上させることができる。
【0008】
また、上記の車両において、前記シートは複数設けられており、前記レールには、車両前後方向に二つ以上の前記シートが配置されているとよい。
複数のシートがレールを共有することにより、例えばシートの移動範囲を広げることができ利便性を向上させることができる。
【0009】
また、上記の車両において、前記レールは、三つ以上の凸部に渡って配置されているとよい。
これにより、三つ以上の凸部でレールを支持することができ、レールを支持する支持力を向上させることができる。
【0010】
また、上記の車両において、前記複数の凸部の間に配置され、前記レールを下方から支持するレール支持部材を備えるとよい。
凸部の間にレール支持部材を設けることで、レールを支持する支持力を向上させることができる。
【0011】
また、上記の車両において、前記複数の凸部のうち少なくとも1つ凸部は他の凸部より高さが低く形成されており、他の凸部より高さが低い凸部上には、他の凸部と高さを合わせる嵩上げ部材が設けられているとよい。
高さが他の凸部より低い凸部に嵩上げ部材を設けることで、高さが統一されレールの設置が容易になる。
【0012】
また、上記の車両において、前記複数の凸部の上面には凹部が形成されており、前記レールは前記凹部内に配置されているとよい。
凸部に凹部を設け、凹部内にレールを配置することでレールの高さが下がり、それにより第2フロアの高さも下げることができる。
【0013】
また、上記の車両において、前記レールの一端は、前記第1フロアから立設する車体構造部の側面に当接しているとよい。
レールの一端が車体構造部の側面に当接することで、前後方向の衝撃に対する耐性を向上させることができる。
【0014】
また、上記の車両において、前記レールは、前記第1フロアに固定されるロアレールと、該ロアレール上をスライドするアッパーレールと、から構成され、前記アッパーレールには、前記シートを着脱可能に連結するシート着脱機構が設けられているとよい。
シートを着脱可能にすることで、シートが交換可能になり、様々なサイズのシートを適用することができる。
【0015】
また、上記の車両において、前記レールは複数設けられており、前記第1フロア上において複数の前記レールの間に配置され、前記第2フロアを支持するフロア支持部材を備えるとよい。
レールの間にフロア支持部材を備ええることで、第2フロアのたわみを防止することが可能となる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、第1フロアの上方に第2フロアを設け、レールを第2フロアの下方に配置することで、第2フロアの上面を平坦にすることができ、乗員の足元を平坦とすることが可能な車両を提供することができる。
また、第1フロアとその上方に第2フロアを設けることで空間ができ、フロアに様々な機能を持たせることが可能となる。
本発明よれば、複数の凸部のそれぞれは車両幅方向に延びており、車両前後方向に並んで配置されていることにより、車両の剛性を向上させることができる。
本発明よれば、複数のシートがレールを共有することにより、例えばシートの移動範囲を広げることができ利便性を向上させることができる。
本発明よれば、レールが三つ以上の凸部に渡って配置されていることで、三つ以上の凸部でレールを支持することができ、レールを支持する支持力を向上させることができる。
本発明によれば、凸部の間にレール支持部材を設けることで、レールを支持する支持力を向上させることができる。
本発明によれば、高さが他の凸部より低い凸部に嵩上げ部材を設けることで、高さが統一されレールの設置が容易になる。
本発明よれば、凸部に凹部を設け、凹部内にレールを配置することでレールの高さが下がり、それにより第2フロアの高さも下げることができる。
本発明によれば、レールの一端が車体構造部の側面に当接することで、車両の剛性を向上させることができる。
本発明によれば、シートを着脱可能にすることで、シートが交換可能になり、様々なサイズのシートを適用することができる。
本発明によれば、レールの間にフロア支持部材を備ええることで、第2フロアのたわみを防止することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本実施形態に係る車両の構成を模式的に示す上面図である。
図2】車体フロアの構成を模式的に示す斜視図である。
図3】車体フロアの構成を模式的に示す断面図である。
図4】レール支持部材を備える車体フロアの構成を模式的に示す斜視図である。
図5】レール支持部材を備える車体フロアの構成を模式的に示す断面図である。
図6A】凸部の一つに嵩上げ部材が配置された車体フロアを模式的に示す断面図である。
図6B図6AのB-B線に沿った断面図で、嵩上げ部材の配置例を示す模式図である。
図7】レール支持部材によりロングレールが支持された車体フロアを模式的に示す上面図である。
図8A】凹部が形成された凸部を模式的に示す断面図である。
図8B】凹部が形成された凸部の別例を模式的に示す断面図である。
図8C】嵩上げ部材に凹部が形成された凸部を模式的に示す断面図である。
図9A】バッテリ上にレール支持部材を配置した車体フロアの構成を模式的に示す断面図である。
図9B】凹部が形成されたバッテリにレール支持部材を配置した車体フロアの構成を模式的に示す断面図である。
図10A】ロングレールの領域に第2フロアが設けられた車体フロアの構成を模式的に示す上面図である。
図10B図10AのB-B線に沿った断面図であり、ロングレールの領域に第2フロアが設けられた車体フロアの構成を模式的に示す図である。
図11A】車体構造部に当接するロングレールを備える車体フロアの構成を模式的に示す上面図である。
図11B図11BのB-B線に沿った断面図であり、車体構造部に当接するロングレールを備える車体フロアの構成を模式的に示す図である。
図12A】傾斜する第2フロアを備える車体フロアを模式的に示す断面図である。
図12B】傾斜する第2フロアを備える車体フロアの別例を模式的に示す断面図である。
図13】ロングレールにエアバッグが設けられた車体フロアを模式的に示す図である。
図14】ロングレールにエアバッグが設けられた車体フロアの別例を模式的に示す図である。
図15】シート着脱機構が設けられた車体フロアの構成を示す模式図である。
図16A】車両用シートと連結するストライカの位置を示す模式図である。
図16B】車両用シートと連結するストライカの位置の別例を示す模式図である。
図17A】フロア下に配置されたレールロック機構の解除方法を示す説明図であり、ロックされた状態を示す図である。
図17B】フロア下に配置されたレールロック機構の解除方法を示す説明図であり、ロックが解除された状態を示す図である。
図18】車両用シートとロングレールとの位置関係を模式的に示す車体フロアの上面図である。
図19】車両用シートの横に配置されるアームレストの側面図である。
図20】第2フロアの下方に収納部が設けられた車体フロアの構成を模式的に示す図である。
図21A】収納部に収納された折り畳み状態の車両用シートを示す車体フロアの構成を模式的に示す図である。
図21B】着座可能状態の車両用シートを示す車体フロアの構成を模式的に示す図である。
図22A】フロア支持部材が配置された車体フロアの構成を模式的に示す上面図である。
図22B】フロア支持部材が配置された車体フロアの構成を模式的に示す断面図である。
図23】フット取付部が設けられた凸部を示す斜視図である。
図24】フットブラケットにより固定された車両用シートを模式的に示す断面図である。
図25A】ロングレール間にバッテリ交換用の蓋を配置した車両の構成を模式的に示す上面図である。
図25B図25AのB-B線に沿った断面図であり、ロングレール間にバッテリ交換用の蓋を配置した車両の構成を模式的に示す断面図である。
図26A】車両用シートを前方に移動させた状態を示す説明図である。
図26B】車両用シートを後方に移動させた状態を示す説明図である。
図27A】レールが埋め込まれたバッテリを備える車体フロアを模式的に示す断面図である。
図27B】レール取付ブラケットをバッテリ上に備える車体フロアを模式的に示す断面図である。
図28】レール取付ブラケットを備える車体フロアを模式的に示す上面図である。
図29A】レール取付ブラケットの別例を示す車体フロアの模式的断面図である。
図29B】レール取付ブラケットの別例を示す車体フロアの模式的断面図である。
図30】EPP製の土台により支持される後側シートを示す模式的断面図である。
図31】補強部材が設けられたEPP製の土台により支持される後側シートを示す模式的断面図である。
図32】シート下部に収納部を設けた車体フロアの模式的断面図である。
図33】取り外し可能なテーブルを設けた車両室内の模式的上面図である。
図34】バッテリとフロアとの間に衝撃吸収材が設けられた車体フロアの模式的断面図である。
図35】フロアの上部に補強パネル又はフロアマットが設けられた車体フロアの模式的断面図である。
図36A】従来の後方ダイブダウンシートを収納する収納部の構成を示す模式的断面図である。
図36B】傾斜した底面を有する収納部を備えた車体フロアの模式的断面図である。
図37A】従来の跳ね上げ式の車両用シートの取付構造を示す模式的斜視図である。
図37B】フロアの凸部に取付部が設けられた跳ね上げ式の車両用シートの取付構造を示す模式的斜視図である。
図38】回転軸が垂直方向である車両用シートの回転時におけるシート占有体積を説明する説明図である。
図39A】前後方向に移動可能な後側シートを示す上面図である。
図39B】側部にエアセルを有する後側シートを説明する説明図である。
図40A】通常状態の後側シートのシートクッションの構成を示す模式図である。
図40B】シート幅を狭くした状態のシートクッションを示す模式図である。
図41】シートクッションの前部にエアセルを設け、前後方向の長さを変化させる車両用シートを説明する説明図である。
図42】バッテリの上に設けられたダイブダウン式の後側シートが設けられた車両の構成を示す模式図である。
図43】後突時のダイブダウン式の後側シートの遷移を示す状態遷移図である。
図44】充電プラグの構成を示す模式図である。
図45A】バッテリ交換可能な車両の構成を示す上方から見た模式的構成図である。
図45B】バッテリ交換可能な車両の構成を示す側方から見た模式的断面図である。
図45C】バッテリ交換可能な車両の構成を示す前方から見た模式的断面図である。
図46A】バッテリ交換可能な車両の別の構成を示す上方から見た模式的構成図である。
図46B】バッテリ交換可能な車両の別の構成を示す側方から見た模式的断面図である。
図46C】バッテリ交換可能な車両の別の構成を示す前方から見た模式的断面図である。
図47】乗員保護装置の第一例を示す側方から見た模式的構成図である。
図48】乗員保護装置の第一例を示す前方から見た模式的構成図である。
図49】収納時における乗員保護装置の第一例を示す斜視図である。
図50A】乗員保護装置の第二例を示す側方から見た模式的構成図である。
図50B】収納時における乗員保護装置の第二例を示す斜視図である。
図51A】乗員保護装置の第三例を示す側方から見た模式的構成図である。
図51B】収納時における乗員保護装置の第三例を示す斜視図である。
図52A】乗員保護装置の第三例を示す前方から見た模式的構成図である。
図52B】収納時における乗員保護装置の第三例を前方から見た模式的構成図である。
図53A】乗員保護装置の第四例を示す側方から見た模式的構成図である。
図53B】乗員保護装置の第四例を示す前方から見た模式的構成図である。
図54】乗員保護装置の第五例を示す側方から見た模式的構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
<第一実施形態>
以下、図1から図22Bを参照しながら、本発明の第一実施形態(以下、本実施形態)に係る車両Vについて説明する。なお、以下に説明する実施形態は、本発明の理解を容易にするための一例に過ぎず、本発明を限定するものではない。すなわち、以下に説明する部材の形状、寸法、配置等については、本発明の趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることは勿論である。
【0019】
なお、以下では、車両の一例として図1に示す、4つの車輪を有する四輪の電気自動車(EV車)の車両Vを挙げ、その構成例について説明することとする。
但し、適用される車両Vは四輪の電気自動車に限定されず、エンジン車、走行用にモータとエンジンの双方を備えるハイブリッド車、電源としてバッテリと燃料電池を搭載する車等に適用されてもよい。
また、以下の説明中、「前後方向」とは、車両及び車両用シートの前後方向であり、車両走行時の進行方向と一致する方向である。また、「左右方向」又は「車幅方向」とは、車両の横幅方向であり、車両用シートに着座した乗員から見た左右方向と一致する方向である。また、「上下方向」とは、車両の上下方向であり、車両が水平面を走行しているときには鉛直方向と一致する方向である。また、単に「外側」という場合は、車両の中心から外側に向かう方向において外側に近い方を指し、「内側」という場合は車両の外側から中心に向かう方向において中心に近い方を意味する。
また、「シート外側」という場合は、車両用シートの中心から外側に向かう方向において外側に近い方を刺し、「シート内側」という場合は車両用シートの外側から中心に向かう方向において中心に使い方を意味する。
なお、以下に説明する車両に設けられた車両用シート各部の形状、位置及び姿勢等については、特に断る場合を除き、車両用シートが着座状態にあるケースを想定して説明することとする。
【0020】
<車両Vの基本構成>
図1に示すように、本発明が適用される車両Vは、車室2を画定する車体3と、左右一対の前輪及び後輪の4つの車輪(不図示)とを含む車両構造を有する。
車体3は、車両Vの前後方向に延在する左右一対のサイドメンバ(不図示)と、車体フロアFLとを有する。車体フロアFL上には、車両Vの前方から後方に向けて順に、運転席シート又は助手席シートとなる前側シートFSと、後側に位置する後側シートRSとが配置されている。前側シートFSと後側シートRSとの間にミッドシートが設けられてもよい。
前側シートFS及び後側シートRSには、スライド機構が設けられており、車体フロアFLに設けられたロングレール20により前後方向に移動することが可能となっている。
車両用シートSには、回転装置16が設けられてもよい。回転装置16を用いて、車両用シートSを、垂直方向を軸線として回転することにより、乗員が座る向きを変えることができる。
【0021】
また、車体フロアFL内には、車両Vの電動モータ当に電力を供給するためのバッテリBTと、バッテリBTを下側から支持する車体底部FL3(図3参照)とが設けられている。
【0022】
従来の車両では、フロア上に左右方向(車幅方向)に延びる凸部が設けられており、凸部の上に車両用シートの脚部又はスライド機構が取り付けられていた。そのため、乗員の足が当たったり、車両用シートの下の掃除が困難になったりする場合があった。
【0023】
本実施形態の車両Vでは、図2に示すように、車体フロアFLが、上方に突出する複数の凸部10が形成された第1フロアFL1と、第1フロアFL1よりも上方に設けられる第2フロアFL2と、を備えるように構成される。
複数の凸部10のそれぞれは車幅方向に延びている。また、複数の凸部10は、車両Vの前後方向おいて間隔をあけて、互いに平行になるように配置されている。
車体フロアFLを構成する、車体底部FL3、第1フロアFL1、第2フロアFL2は、特に断りがない限り、鋼材によって形成されている。また、第1フロアFL1の凸部10は例えば鋼板をプレス成形することにより形成される。
【0024】
車両Vには、前側シートFS及び後側シートRSを前後方向にスライドさせるためのロングレール20が設けられている。ロングレール20は、第2フロアFL2の下方において、第1フロアFL1の複数の凸部10を渡って配置されているまた、前側シートFS及び後側シートRSは、第2フロアFL2より上方に配置されており、第2フロアFL2に形成されたスリット18を通してロングレール20にスライド可能に連結するようにしている。
ロングレール20は、より詳しく述べると、車体に固定されるロアレール21と、車両用シートSと接続しロアレール21上をスライドするアッパーレール22とから構成されている。
【0025】
ロングレール20のロアレール21が前後方向に長く配置されており、前側シートFS及び後側シートRSのそれぞれに連結するアッパーレール22が個別にスライド可能となっている。前側シートFS及び後側シートRSがロアレール21を共有することにより移動範囲を広げることができ利便性を向上させることができる。
【0026】
第1フロアFL1の上方に第2フロアFL2を設け、ロングレール20を第2フロアFL2の下方に配置することで、第2フロアFL2の上面を平坦にすることができる。それにより、前側シートFS及び後側シートRSに着座する乗員の足元を平坦にすることができる。
また、第1フロアFL1の凸部10にロングレール20を載せることで、車体フロアFLの剛性を向上させることができる。
【0027】
なお、図2及び図3に示す例では、ロングレール20は、二つの凸部10に渡って配置されているが、これは一例であり、三つ以上の凸部10が設けられている場合、ロングレール20は、三つ以上の凸部10に渡って配置されていてもよい。
【0028】
<レール支持部材11>
また、図4に示すように、第1フロアFL1に形成される複数の凸部10の間に、ロングレール20(より詳しくはロアレール21)を下方から支持するレール支持部材11を備えてもよい。
また、図4に示すレール支持部材11は、凸部10と同様に車幅方向に延びており、複数のロングレール20をレール支持部材11により支持している。
また、車幅方向に並んで配置される複数のレール支持部材11を、ロングレール20のそれぞれの下方に配置し、個別にロングレール20を支持するようにしてもよい。
【0029】
<嵩上げ部材12>
また、ロングレール20を、複数の凸部10又はレール支持部材11により支持する場合、支持する凸部10及びレール支持部材11の高さを統一する必要がある。しかしながら、図6Aに示すように、他の凸部10やレール支持部材11と高さが合わない凸部10Aが出てくる場合がある。このような場合、図6Aに示すように、他の凸部10と高さを合わせる嵩上げ部材12を、他の凸部10より高さの低い凸部10Aに設けるとよい。高さが他の凸部10より低い凸部10Aに嵩上げ部材12を設けることで、高さが統一されロングレール20を撓ませることなく支持することができ、ロングレール20の設置が容易になる。
【0030】
なお、嵩上げ部材12は、図6Bに示す嵩上げ部材12Aのように、ロングレール20を個別に支持するように設けられてもよい。また、嵩上げ部材12Bのように、複数のロングレール20を支持するように設けられてもよい。
【0031】
また、第1フロアFL1に凸部10が形成されていない場合、図7に示すように、複数のレール支持部材11を第1フロアFL1上に配置し、複数のレール支持部材11を渡るようにロングレール20を配置してもよい。
【0032】
<凹部13の形成>
また、図8A及び図8Bに示すように、凸部10又はレール支持部材11には、ロングレール20を支持する上面に凹部13が形成されてもよい。凹部13を形成し、凹部13内にロングレール20を配置することで、ロングレール20の高さ(車両Vにおける上下方向における位置)が下がり、それにより第2フロアFL2の高さを下げることができる。また、他の凸部10やレール支持部材11よりも高さが高い場合、凹部13を形成することで高さを合わせることができ、ロングレール20を撓ませることなく支持することができるようになる。
【0033】
なお、凹部13は図8Aに示すように、ロングレール20が個別に収容されるように形成されてもよい。また、図8Bに示す凹部13Aのように、複数のロングレール20がまとめて収容されるように形成されてもよい。
また、図8Cに示すように、嵩上げ部材12が凸部10に設けられる場合、嵩上げ部材12に凹部14を形成し、凹部14内にロングレール20を収容してもよい。凸部10に形成される凹部13と同様に、個別にロングレール20を収容してもよく、また、凹部14Aのように複数のロングレール20を収容してもよい。
【0034】
また、図9Aに示すように、ロングレール20を支持するレール支持部材11は、第1フロアFL1を設けず、バッテリBTに直接支持されてもよい。
また、図9Bに示すように、バッテリBTに凹部17を形成し、バッテリBTに形成された凹部17内にレール支持部材11を収納してもよい。
【0035】
図10A及び図10Bに示すように、第2フロアFL2は、ロングレール20が設けられる領域にのみ形成されてもよい。すなわち、ロングレール20の前後方向の長さと第2フロアFL2の前後方向の長さとが一致するように構成されているとよい。
【0036】
また、図11A及び図11Bに示すように、ロングレール20は、その先端が、第1フロアFL1から立設する車体構造部15、例えば、インストルメントパネルやダッシュボード等を構成する前壁部の側面に当接するように配置されてもよい。このようにロングレール20を配置することで、前後方向の衝撃に対する耐性を向上させることができる。なお、この場合、ロングレール20の後端は、凸部10又はレール支持部材11の側面に刺さるように固定してもよい。
また、ロングレール20を車体構造部15に当接させることにより、前側シートFSの移動範囲が増え、例えば、前側シートFSを回転装置16により回転させることで、車室2の前方まで前側シートFSをスライドさせて利用することが可能となる。
【0037】
<フロア面の傾斜>
また、車種によっては、地面に対して平行なフロア面ではなく、前方に向けて若干下るように傾斜したフロア面が求められる場合がある。このような場合、図12Aに示すように、第1フロアFL1の凸部10又はレール支持部材11の高さを変え、ロングレール20及び第2フロアFL2を傾斜させることにより、傾斜面を設けるようにしてよい。
また、図12Bに示すように、凸部10又はレール支持部材11の上面に嵩上げ部材12を配置することで、ロングレール20及び第2フロアFL2を傾斜させ、それにより傾斜面を設けるようにしてもよい。
【0038】
<レール内搭載エアバッグ装置>
ロングレール20を設け、車両用シートSの移動範囲を広げた場合、ダッシュボード又はハンドルに設けられたエアバッグでは十分に届かない場合がある。
そこで、図13に示すように、ダッシュボード又はハンドルに内蔵されているエアバッグの代わりに、ロングレール20(より詳しくはロアレール21)の先端にエアバッグ装置23を備え、衝撃があった場合にエアバッグ24が展開するようにしてもよい。
エアバッグ24が展開する方向(図13の矢印方向)が、乗員に向かっていないため、ダッシュボード又はハンドルに内蔵されたエアバッグよりも安全に乗員を保護することができる。
【0039】
また、図14に示すように、エアバッグ装置23は、ロングレール20のロアレール21に沿ってスライドするアッパーレール22の先端に取り付けられてもよい。車両用シートSの位置に合わせてエアバッグ装置23の位置が決まるようになり、エアバッグ24が展開する位置が安定する。
また、図14に示すように、エアバッグ装置23Aが前側シートFSと後側シートRSと間に設けられてもよい。エアバッグ24Aにより、後側シートRSに着座する乗員も保護することができる。
【0040】
車両Vのロングレール20は、一本の長いロアレール21に、共有する座席数分のアッパーレール22が設けられている。ロアレール21は、第2フロアFL2下に配置されていることから、車両用シートSとアッパーレール22との間に容易に取り外しであると便利である。
【0041】
本実施形態の車両用シートSは、図15に示すように、車両用シートSの底部には、ロングレール20に対して着脱可能に接続するシート着脱機構25が設けられている。シート着脱機構25は、車両用シートSのシートクッションの下に脚部となるロック部材26と、アッパーレールに設けられるストライカ27とから構成されている。ロック部材26が、ストライカ27に係合することで、車両用シートSがロングレール20に取り付けられる。また、ロック部材26のロックを解除すれば、車両用シートSを容易にロングレール20から容易に取り外すことができる。ストライカ27は、第2フロアFL2より下方にあるため、第2フロアFL2の平滑性は確保されている。
【0042】
また、図16Aに示すように、アッパーレール22に設けられる前後のストライカ27の間隔W0を間隔W1に広げることで、大きさの異なる車両用シートSの取り付けに対応することができる。予め間隔の異なる4つのストライカ27をアッパーレール22に設けてもよい。
また、図16Bに示すように、ストライカ27を等間隔で複数配置すれば、アッパーレール22上での取付位置を変更することができ、スライド量以上の位置調整を行うことができる。
【0043】
本実施形態の車両Vでは、ロングレール20が第2フロアより下に配置されているため、アッパーレール22の移動を制限するロック装置を乗員が直接操作することは難しい。
本実施形態では、ロングレール20は、図19A図19Bに示すように、ロックスプリング28の端部に設けられた突出部31が、アッパーレール22に設けられるロック孔32に嵌ることによりアッパーレール22の移動が制限されるように構成されている。この突出部31を押下することでロックが解除され、アッパーレール22はスライドすることが可能となる。
【0044】
本実施形態では、ロックスプリング28の突出部31を押下するレバー30をアッパーレール22に設け、レバー30をケーブル29で操作することで、ロックを解除するように構成している。より具体的には、レバーの端部と接続するケーブルを乗員が上方向に引っ張ることで、レバーが回転し、ロックスプリングの突出部を押下することができる。このレバー操作により、第2フロアFL2上からロックを解除することができ、それにより車両用シートSを移動させることができる。
【0045】
また、本実施形態の車両Vでは、4本のロングレール20が車室内に配置されており、車両用シートSが前後方向に移動可能となっている。
この4本のロングレール20を、図18に示すように左右方向に等間隔W3離れて並べることで、車両用シートSを、真ん中に配置された二本のロングレール20を用いて取り付けたり、アームレスト35を隣り合う車両用シートSの間に配置したりすることができる。アームレストのように、真ん中に配置された車両用シートSの左右に、配置することも可能である。
【0046】
図19はアームレスト35の側面図である。図19に示すようにアームレスト35の前方に車輪36を設け、後方に位置を固定するロック装置37を設けてもよい。
図15に示すように、車両用シートSがシート取り外し容易であると、車両用シートSの位置を自由にアレンジすることができる。また、アームレスト35以外にも、オットマンやテーブル等のオプショを好みに応じて設置することが可能となる。
【0047】
また、本実施形態の車体フロアFLには、第1フロアFL1と、その上に第2フロアFL2が設けられるため、第1フロアFL1と第2フロアFL2との間に空間ができる。そこで、図20に示すように、第2フロアFL2に凹部を形成し、凹部を利用した収納部38を設けてもよい。収納部38は、例えば冷蔵庫や靴入れに利用することができる。
また、収納部38の周囲に第2フロアFL2を補強するフロア補強部材39を設けてもよい。車体フロアFLを強化すると共に、収納部自体の強度も向上させることができる。
【0048】
また、第2フロアFL2に設けられる収納部38は、図21A及び図21Bに示す収納部38Aのように、ダイブダウン可能な車両用シートSAの収納に用いてもよい。
また、収納部38を靴入れとし用いる場合、収納部38内に除菌装置、例えば紫外線照射装置を備えてもよい。
【0049】
第2フロアFL2の下方に収納部38を設けることで、第2フロアFL2の上面を平坦に見せつつ、空いた空間を有効活用することができる。
また、収納部38はバッテリBT上に配置されることから、バッテリBTから車室内への伝達を抑制することができる。
【0050】
<フロア支持部材40>
また、第1フロアFL1と第2フロアFL2と間に空間があると、第1フロアFL1の凸10部により支持されない第2フロアFL2の部分が鉛直方向に撓む可能性がある。この第2フロアFL2の撓みを防止するため、図22A及び図22Bに示すように、第1フロアFL1と第2フロアFL2との間に、第2フロアFL2を支持するフロア支持部材40をもうけてもよい。フロア支持部材40は、図22Aに示すようにハニカム構造体を有するハニカムプレートを用いるとよい。また、ハニカムプレートはアルミニウムやカーボン製のものが望ましい。
【0051】
ハニカムプレートからなるフロア支持部材40を設けることで、鉛直方向の強度を保ちつつ軽量化を図ることができる。そのため、上下方向(図22Bの矢印A)から荷重がかかった場合でも、第2フロアFL2の撓みを防止することができ、平滑性の低下を抑制することができる。また、図22Bに示す矢印Bのように側方から衝撃が加わった場合でも、フロア支持部材40のハニカム構造により緩衝することできる。
【0052】
<<第二実施形態>>
図23及び図24を用いて本発明に第二実施形態について説明する。第二実施形態は、バッテリがフロア下に配置された車両に関する。
従来、車両フロアのフレームには、車体フレームを補強するため、左右方向に延びる凸部(フロアメンバ)が形成されおり、車両用シートは、凸部とは別部材であるフットブラケットを用いて凸部に固定されていた。
【0053】
本実施形態の車両V2では、バッテリBT2の上に第1フロア201が配置されており、第1フロア201を補強する凸部203が形成されている。そして、図23に示すように、車両用シートS2を取り付けるフットブラケットの機能をフット取付部204として第1フロア201の凸部203に形成し、フットブラケットと凸部とを一体化させている。一体化させることにより補強性能の向上が図れると共に、フットブラケットを省略したことにより車両用シートS2の軽量化を図ることができる。
【0054】
また、従来は凸部の上面にフットブラケットを配置してシートを固定していたが、図24に示す車両V2Aの車体フロアのように、第1フロア201の凸部203を挟むようにしてフットブラケット220を取り付けてもよい。
凸部203を前後方向から挟むようにフットブラケット220を取り付け、車両用シートS2を固定することにより、例えば捻じれ剛性を向上させることができ、車両用シートS2全体の取付剛性を更に向上させることができる。
【0055】
<<第三実施形態>>
次に、図25Aから図26Bを用いて本発明の第三実施形態について説明する。第三実施形態は、バッテリがフロア下に配置された車両に関する。
図25Aは、フロア301に設けられたロングレール320の間にバッテリ交換用の蓋321を配置した車両V3を模式的に示す断面図であり、図25Bはその上面図である。
図25A及び図25Bに示すように、車両V3の側部には、ドアD3が配置されており、フロア301がドアD3の下方に設けられている。フロア301には前後方向に延びる凹部302が形成されており、凹部302の中に交換可能なバッテリユニットBT3が複数搭載されている。バッテリユニットBT3は前後方向に細長く形成されており、前側シートFS3及び後側シートRS3を移動させるロングレール320の間の空間に収納されている。凹部302のそれぞれには、二つのバッテリユニットBT3が前後方向に並べて配置されている。
【0056】
バッテリユニットBT3のそれぞれの上には、フロア材としても機能する蓋321が設けられており、蓋321を開けることによりバッテリユニットBT3を取り出すことできる。バッテリユニットBT3をロングレール320の間に配置することで、ロングレール320を取り外すことなくバッテリユニットBT3を交換することができる。
【0057】
また、バッテリユニットBT3の前後方向の長さをロングレール320の約半分にすることで、図26Aに示すように、前側シートFS3及び後側シートRS3を車両の前方に移動させることで、車両V3の後側に配置された蓋321を開けることで後側に配置されたバッテリユニットBT3を交換することができる。
また、図26Bに示すように、前側シートFS3及び後側シートRS3を車両の後方に移動させることで、車両V3の前側に配置された蓋321を開けることで、前側に配置されたバッテリユニットBT3を交換することができる。
【0058】
なお、本実施形態では、バッテリユニットBT3は前後において二つに分割されたバッテリユニットBT3が並べて配置されているが、これは一例であり三つ以上に分割して配置してもよい。
【0059】
<<第四実施形態>>
次に、図27Aから図29Bを用いて本発明の第四実施形態について説明する。第四実施形態は、バッテリがフロア下に配置された車両に関する。
電気自動車においては、フロアを平坦にするために、レールの凹凸又はフットブラケットの凹凸をできるだけ小さくすることが課題となっている。本実施形態の車両V4では、この課題を解消すると共に、車両用シートに着座した着座者の頭部からルーフまでの距離(ヘッドクリアランス)を確保するため、図27Aに示すように、フロア(第2フロア402)下のバッテリBT4にロングレール420を埋め込み一体化している。第2フロア402にフラット面が形成されるため、車内空間を広く見せることができ、ヘッドクリアランスを確保することができる。
【0060】
第2フロア402にフラット面を形成するために、図27Bに示すように、ロングレール420が埋め込まれたレール取付ブラケット410を設けてもよい。
従来、プラットフォームのアーキテクチャーが変化した場合、車種ごとにフレーム等の構成を変更する必要があった。ロングレール420が埋め込まれたレール取付ブラケット410を用いることで、車種ごとにレール取付ブラケット410を取り付ける取付点411の位置が変化した場合でも、取付点411の穴の位置を変更するだけで、ロングレール420を取り付けることができる。すなわち、ロングレール420よりも上のフレームの構成については変更する必要が無く、最低限の変更で対応することができる。
【0061】
また、レール取付ブラケット410の形状を変更することにより、車内空間に必要な凹凸も作ることが可能である。車種によるプラットフォームを変更する必要性が無くなる。例えば、吸気口等に開口部412が必要である場合は、レール取付ブラケット410に穴を形成するとよい。
なお、ロングレール420の同期をみて、レール取付ブラケットを接合した後に車体フレームに締結する穴(取付点411)をあける方が品質的によい。
また、レール取付ブラケット410の下に車体フレームがあるが、車体フレームだけではフロアの凹凸を無くすことは困難である。レール取付ブラケット410を設けることで、フロアを平坦にすることが可能となる。フロアが平坦になれば、フロアカーペットを平坦にすることができ、既製品のフロアカーペットを用いて、車の所有者自らドレスアップすることができる。
【0062】
また、車両のフロア形状によっては、乗降性を考慮しスライドドア等のドアに向けて左右フロアの左右に斜面が設けられている場合がある。図29Aに示すように、レール取付ブラケット410の側部に傾斜部413を設けることにより、車両に合わせて傾斜部413を変更し、フロアの形状を変えることなく設定することができる。
この傾斜部は一定方向に傾斜する斜面だけでなく、図29Bに示すレール取付ブラケット410Aの傾斜部413Aのように、乗降性や使い勝手に合わせてその形状を変更してもよい。車体フレームとは分離しているため形状の変更が容易である。
【0063】
<<第五実施形態>>
次に、図30及び図31を用いて本発明の第五実施形態について説明する。第五実施形態は、バッテリが下方に配置された車両用シートに関する。
電気自動車では、フロア下にバッテリが配置されていることから、バッテリからの放熱により、車両用シートにバッテリからの熱が伝わる場合がある。特に後側シートの場合、フロアの距離が近いことからバッテリからの熱が伝わりやすい。
【0064】
本実施形態のシートでは、図30に示すように、バッテリBT5上に後側シートRS5のフレームを配置するときEPP(発泡ポリプロピレン)で形成された土台520を使用している。
バッテリBT5上にEPP製の土台520を配置する場合、固定用のフットブラケット510を配置する。このフットブラケット510とEPP製の土台520は一体成形されていてもよい。
EPP製の土台520を用いることで、高さの調整が車種ごとに可能となり、エクステリア・インテリアのデザイン性が向上する。また、バッテリBT5からの放熱による後側シートRS5への熱伝導をEPP製の土台520により効果的に抑制することができる。
【0065】
また、従来の車両では高電圧部材との接触を防ぐために、後側シートが取り付けられるフロアに、座屈防止用の補強部材が設けられている場合がある。
この座屈防止用の補強部材511を、図31に示すように、EPP製の土台520Aにインサート成形してもよい。EPP製の土台520Aを、第2フロア502に取り付ける際に、補強部材511が第2フロア502に固定されるようにする。
補強部材511を土台520Aにインサート成形することで、車両用シートRS5Aに補強部材511を取り付ける作業を省略でき、車両の組立を省力化することができる。
なお、EPP製の土台520Aは、前側シート及びミッドシートにも適用可能である。前側シート又はミッドシートの場合、ロアレールの下に断面がコ字状に形成された補強部材511を付けるとよい。
【0066】
<<第六実施形態>>
次に、図32から図33Bを用いて、本発明の第六実施形態について説明する。第六実施形態はバッテリを備えた電気自動車に関する。
近年では、電気自動車の普及により、フロア下にバッテリが搭載されるようになってきている。バッテリは通常、硬いカバーで覆われており、強固に保護及び固定されている。そのため、フロア上に設けられた車両用シートの脚部を伸ばし、フロア(車体フレーム、第2フロア)を貫通させ、バッテリbT6のケースに固定することでより強固に車両用シートS6を固定してもよい。この場合、車体フレーム(第2フレーム602)と、バッテリBT、及び車両用シートS6の脚部を共締めしてもよい。
【0067】
また、全固体電池が普及することにより、電気自動車においてシートクッションの下に設けられるバッテリを削減できることが予想される。この場合、図32に示すように、車両用シートS6(より詳細にはシートクッション)の下方に空間を形成することができる。この空間に蓋部を設け収納部610として他の用途に使用してもよい。例えば、収納部610を冷蔵庫又は靴の収納に利用する。
このような、収納部610は図32に示すように凹部が形成されたバッテリBT6に設けられてもよい。また、収納部610の前後左右方向にバッテリBT6が配置されてもよい。収納部610には、車両用シートS6を横方向にスライドさせる横方向スライド装置や回転させる回転装置を入れてもよい。また、収納部610には、フロアシートを兼ねた蓋部611を設けても良い。
【0068】
また、従来の車両では、ドアパネルが比較的厚く形成されており、車両用シートの向きを変更するために回転させると、車両用シートとドアパネルとが干渉する場合があった。
そこで、本実施形態の車両V6では、図33に示すようにドアパネルD6の一部をテーブルTBとして取り外し可能に構成している。そして、車両用シートS6Aを回転させる際、ドアパネルD6の一部であるテーブルTBを取り外すことで、ドアパネルD6の厚さを薄くすることで、車内空間の幅を大きくし、シート回転する際、車両用シートS6Aとドアとが干渉しないようにしている。
取り外したテーブルTBは、車両用シートSA6を回転させた後、図33の右側に示すようにサイドテーブルとして利用することができる。
【0069】
<<第七実施形態>>
次に、図34及び図35を用いて、本発明の第七実施形態について説明する。第七実施形態は、バッテリをフロア下に備える車両に関する。
【0070】
従来のガソリン車では、フロア下にバッテリが配置されておらず、車両シートは移動時に安全、快適に座るものであった。一方、近年では、電気自動車の普及により、大容量のバッテリが必要となり、バッテリがフロアの下に配置されるようになった。しかしながら、バッテリは衝撃により燃える場合もあることから、バッテリを守るためにより強度剛性を向上させる必要がある。特に、跳ね上げ式のシートが設けられている場合、乗降時にフロア下のバッテリに強い荷重がかかる場合があり、跳ね上げたときの衝撃からバッテリを保護する必要があった。
また、電動自動車の普及により車室空間の過ごし方が多様化しており、昨今の健康ブームから移動時間内に運動する機会が求められるようになった。車室空間の使用方法が変化していることから、着座者を支えたり、車室内で運動する人からの振動や衝撃からバッテリを保護したりすることも要件として加わり、さらなる強度剛性の向上が求められている。
【0071】
跳ね上げ式の車両用シートでは、回転ヒンジ廻りの入力トルクが大きく設定されていると、勢いよく跳ね上がることから、フロアへの衝撃も大きくなる。
本実施形態の車両V7では、バッテリBT7に与える衝撃を和らげるため、減衰ダンパを設け、跳ね上がる際の速度を抑えている。
また、跳ね上げた車両用シートS7を着座モードに戻すために、勢いよくおろして車両用シートS7をロックさせると、第2フロア702への衝撃も大きくなる。そのため減衰ダンパを設け、ロック時の衝撃荷重を抑制している。
【0072】
また、図34に示すように、第2フロア702とバッテリBT7との間に免振材又は衝撃吸収材710を設け、第2フロア702からの衝撃がバッテリBT7に直接伝達されないようにするとよい。これによりバッテリBT7を衝撃から保護することができる。
【0073】
また、図35に示すように、乗員が運動するときに乗員から踏まれるフロア面に補強パネルが設けられてもよい。すなわち、運動することが想定される場所に、フロアを強化する補強パネルを設置する。また、補強された部分にセンサを配置し、センサが配置された部分でのみ運動可能にしてもよい。なお、補強パネル711が設けられる場所は、運動を想定される場所に限定されず、シートを後方スライドせずに脱着して乗降する場所に配置してもよい。乗降に使用されるフロアを補強することでバッテリを保護することができる。
【0074】
また、フロアに配置されるフロアマットは、従来、燃焼性、防汚性、滑り止めの機能が求められていた。そのため、フロアマットの材質としてゴム又は織物等の繊維が使用されており、それらが単層、又は積層することで形成されていた。
一方、近年では、電動化に伴い漏電対策や、車体振動の伝達を抑制するため、絶縁性や吸音及び制振性の向上が求められている。
【0075】
図35に示す補強パネル711の代わりに、絶縁性や吸音性を有するフロアマット712を配置してもよい。本実施形態のフロアマット712は、ゴム成分を樹脂バッキングすることで、絶縁抵抗を上昇させると共に、振動を吸収するように構成されている。
このような、フロアマット712を使用することで、緊急時における漏電対策を行うことができ、車体振動が乗員に伝達されることを抑制することができる。
【0076】
<<第八実施形態>>
次に、図36A及び図36Bを用いて、本発明の第八実施形態について説明する。第八実施形態は、後方にダイブダウンする車両用シートを備えた車両に関する。
従来の、車両後方にダイブダウンする車両用シートS18は、例えば、図36Aに示すように、底部がフロア1802と平行となる収納凹部1810に、収納可能なように形成されている。
しかしながら、電気自動車では、フロア下にバッテリBT18が配置され、収納状態の車両用シートS18と直列した状態となる。そのため、図36Aの矢印Aに示すように後方から衝撃が加わった場合、その衝撃が車両用シートS18を介してバッテリBT18に伝達され、バッテリBT18が破損する可能性があった。
【0077】
本実施形態の車両V8では、図36Bに示すように、底部810aが傾斜した収納凹部810が形成されており、折り畳まれた車両用シートS8を収納している。このように収納凹部810を形成することで、折り畳まれた車両用シート8は、後方から衝撃(図36Bの矢印A)が加わっても、図36Bの矢印Bの方向に移動し、後方からの衝撃を斜め上に逃がすことができる。フロア下のバッテリBT8に直接衝撃が伝達されることが抑制され、バッテリBT8を保護ことができる。
なお、底部810aに傾斜が付けられた収納凹部810には、折り畳み状態の車両用シートS8だけでなく、車両用シート8が着座可能状態である場合は、別の収納物が収納凹部810に収納されてもよい。底部810aに傾斜が付けられていることから、後方から衝撃が加わった場合でも、収納物を斜め上に移動させることができ、バッテリBT8を衝撃から保護することができる。
【0078】
<<第九実施形態>>
次に、図37A及び図37Bを用いて、本発明の第九実施形態について説明する。第九実施形態は、跳ね上げ機構がついた車両用シートS9を備える電気自動車V9に関する。
従来、荷室等の空間を広げるために、車両の後側シートに跳ね上げ機構を備えたものが知られている。このような跳ね上げ式のシートS19の取付部1912は、図37Aに示すように、側壁1911又は車両側部のドアパネルに固定されていた。
本実施形態の車両用シートS9は、跳ね上げ式のシートであり、電気自動車V9に設けられる。図37Bに示すように、フロアは第1フロア901とその上に配置される第2フロア902とから構成されており、第1フロア901には、第一実施形態の凸部と同様に、上方に突出しシート幅方向に延びる凸部910が形成されている。また、凸部910の下にバッテリBT9が配置されている。
【0079】
本実施形態では、バッテリBT9が配置された凸部910に、跳ね上げ式の車両用シートS9の取付部920が取り付けられている。凸部910に取付部920を設けることで第1フロア901の剛性を向上させ、それによりバッテリBT9を保護することができる。
【0080】
<<第十実施形態>>
次に、図38を用いて、本発明の第十実施形態について説明する。第十実施形態は、電気自動車等の車両に搭載され向きを変更することが可能な車両用シートに関する。
従来、フロアに垂直な回転軸で回転する車両用シートでは、クッションシートの最も長い部分、例えばシートクッションの対角線の大きさや、シートバックの外側への突出度合いにより回転時の占有体積が定められていた。そのため、シートを回転させるとき、シートの形状によっては、乗員又はドア等と干渉する可能性があった。
【0081】
本実施形態の回転可能な乗物用シートS10では、図38に示すように、回転する際、回転軸1001をずらして傾斜させることで、乗物用シートS10が回転する際の占有体積Vo2を減少させている。すなわち、回転軸1001が傾斜しなかった場合の占有体積Vo1の直径R110より、回転軸1001を傾斜させた場合の占有体積Vo2の直径R100が短くなり、他部品への干渉が抑制される。
このとき、傾斜角度θは、欲しい空間を形成する角度より小さく、ストレスなく回転することが可能な角度より小さいとよい。回転軸1001を傾斜させることで、回転時における占有体積Vo2を減少させ、乗員や他部品への干渉を抑制することができる。
【0082】
<<第十一実施形態>>
次に、図39Aから図41を用いて、本発明の第十一実施形態について説明する。第十一実施形態は、スライド機構により前後方向に移動可能な車両用シートに関する。
図39Aは、車両V11に搭載された後側シートRS11を上方から見た図である。後側シートRS11をロングレール1120に乗せて前方に移動させる場合、シートクッションの幅W1101がホイールハウス1101間の距離W1102より長く、ホイールハウス1101と干渉して移動することが難しい。
【0083】
本実施形態の後側シートRS11(車両用シート)は、ホイールハウス1101等により幅が狭くなった場合でも移動可能な車両用シートを提供することを目的としている。
本実施形態の後側シートRS11は、図39Bに示すように、シートクッション1102の骨格(クッションフレームF11)の外側に浮袋(エアセル1110)を設け、表皮等を支持している。エアセル1110には、不図示の空気を送り込む管が連結されており、空気を供給したり排出したりすることによりエアセル1110を膨縮させることができる。すなわち、エアセル1110を収縮させることで、図39Bに示ように、後側シートRS11のシート幅方向の長さW1101を短くすることができる。
後側シートRS11を前方に移動させるとき、エアセル1110を収縮させてシート幅を狭くすることにより、前方に移動させることが可能となる。
【0084】
また、後側シートRS11の外側だけでなく、後側シートRS11の内側にエアセル1111を設けてもよい。内側に設けられたエアセル1111が収縮した分、シートクッション1102をシート幅方向にスライドさせることでシート幅W1101を更に狭くすることができる。それにより、ホイールハウス1101等と干渉することなく、後側シートRS11を前後方向に移動させることができる。移動後は、エアセル1110、1111に空気を送り込み元のシート幅W1101に戻すことができる。
【0085】
また、図40に示すように、シートクッションの外側を、回転軸(回転ヒンジ)を有するサポート部材1121により構成してもよい。
前方に後側シートRS11を移動させる際、サポート部材1121を回転させ、サポート部材1121を折ることによりシート幅を狭くすることができる。
また、図39の車両用シートと同様、シートクッション1102の内側にエアセル1111を設け、収縮させることによりシート内側にシートクッション1102をスライドさせ、更にシート幅を狭くしてもよい。
【0086】
また、車両用シートS11Bを垂直方向の軸線を中心に回転させ、前後方向の向きを変更する場合、着座者の膝が他のシートと干渉し回転が困難な場合がある。そのため、図41に示すように、車両用シートS11Bの前方にエアセル1112を設け、車両用シートS11Bを回転させるとき、エアセルを収縮させシートクッション1112Bの前後方向の長さを短くするとよい。着座者の膝をシート内側に移動させることができ、他の車両用シートとの干渉を抑制させることができる。
【0087】
<<第十二実施形態>>
次に、図42図43を用いて、本発明の第十二実施形態について説明する。第十二実施形態は、前方にダイブダウン可能な車両用シートに関する。
従来、フロアとシートとがリンクを介して接続され、前方にダイブダウン可能な車両用シートが知られている。
本実施形態のダイブダウン可能な車両用シートである後側シートRS12は、図42に示すように車両V12のフロアパネル1202に設けられている。車両V12のフロアパネル1202は、上部フロア1202aと上部フロア1202aの前端から下方に延びる段差部を介して連続する下部フロア1202cとから、構成されていて、本実施形態の後側シートRS12は、前方にダイブダウンしたときにシートクッションが段差部1202bの前方(下部フロア1202c上)に位置するよう構成されている。
電気自動車においては、上部フロア1202aの下にバッテリBT12やモータが配置される場合がある。このような構成の場合、シートがダイブダウン状態で後突されたとき、バッテリが前方に移動し、位置が固定されたダイブダウン状態のシートと衝突し、破損する可能性があった。
【0088】
本実施形態のダイブダウン式の後側シートRS12では、シートクッションと下部フロアとの係合にリンク1210が用いられており、後方から衝撃を受けたとき、リンク1210の係合が外れるように構成されている。また、シートクッションの下面が、台座1203上に乗り上げることができるように、湾曲状に形成されている。
そのため、ダイブダウン状態においては、後側シートRSのリンク1210(ボルト部)が外れ、後側シートRS12がフロアの台座上に乗り上げることで、前側シートFS12と後側シートRS12との間に空間を作ることができる。
【0089】
図43を用いて、後突されたときの後側シートRS12の動作について説明する。図43の上段に示すように後方から後突されたとき(矢印A方向)、フロアパネル1202下に配置されるバッテリBT12が前方(矢印B方向)に押し出される。そして、図43の中段に示すように、バッテリBT12がフロアの段差部1202bに当たり、フロアの段差部1202bが変形する。このとき、リンク1210の係合が解除される。リンク1210の係合が解除されると、図43の下段に示すように、後側シートRS12がフロアの段差部1202bに乗り上げることができ、バッテリBT12に強い衝撃が加わることを避けることができる。
【0090】
なお、バッテリBT12の形状は、バッテリBT12が衝撃等で前方に移動するとき最初に後側シートの左右方向中央部(シートクッションフレームのうち、前後方向に延びるフレームを避けた位置)に当たるよう形成する。例えば、バッテリBT12の中央部に、フロアの段差部1202bへ向かう凸部が設けられるとよい。
【0091】
本実施形態のダイブダウンシートである後側シートRS12は、ダイブダウン状態で後方から荷重がかかった場合に、リンク係合が解除され、前後方向に潰れるように構成されている。衝突に伴うフロアの圧潰により後側シートがフロアの段差部と前側シートとの間に挟まれたときに、後側シートにより衝突荷重を吸収することができるため、例えばバッテリBT12の破損を抑制することができる。
【0092】
なお、上部フロア1202aの下に配置されるのはバッテリBT12に限定されず、モータ(不図示)であってもよい。また、このようなダイブダウンシートの構成は、後突だけでなく、前突や側突の場合においても適用することができる。
【0093】
<<第十三実施形態>>
次に、図44を用いて、本発明の第十三実施形態について説明する。第十三実施形態は、バッテリに接続する充電プラグに関する。
従来、電気自動車の充電は、充電プラグを車両の充電用差込口に差し込むことにより行われている。充電時間を短くするためには、充電プラグから送る電力を上げる必要があるが、電力を上げると発熱量も上がる。発熱したバッテリは冷却する必要があるが、空冷で十分に冷却することは困難であった。
そのため、バッテリを安全で効果的に急速充電をするために液冷すること望ましく、本実施形態の充電プラグでは、充電時にバッテリを冷却する冷媒を交換することでバッテリを冷却しつつ安全に急速充電を行うことを試みている。
【0094】
本実施形態の充電プラグ1302は、電源端子1314と別に、車両V13に搭載されるバッテリBT13を冷却する冷媒冷却器の冷媒を交換するプラグを別途設けている。冷媒を供給・還流する吐出口1311/回収口1312を設け、充電と同時に充電器側から冷媒を供給して還流させることで、バッテリBT13を冷却し急速充電をすることを可能としている。
【0095】
図44に示すように、車両V13には、シートS13の下方にバッテリケース1301が搭載されており、バッテリケース1301の下にバッテリ冷却層1303が設けられている。バッテリ冷却層には、バッテリ冷却前冷媒輸送パイプ1304が接続されており、充電プラグ1310が差込口1307に差し込まれると、バッテリ冷媒吐出側の吐出口から冷媒が供給されるように構成されている。
バッテリ冷却層1303にはバッテリ冷却用のヒートシンク1306が設けられており、バッテリケースから伝わった熱を、冷媒を用いて効率良く冷却することが可能となっている。バッテリ冷却層1303には、バッテリ冷却後に高温となった冷媒を輸送する高温冷媒輸送パイプ1305が接続されている高温冷媒輸送パイプ1305は差込口1307まで延びており、高温となった冷媒を回収口から回収することが可能となっている。
【0096】
充電プラグには、バッテリの電源端子1314と、その下方に冷媒用の吐出口1311/回収口1312が設けられている。車両が普通充電の差込口及び急速充電用の差込口の両方を備えている場合、少なくとも急速充電用の差込口の下方に冷媒の吐出1311/回収口1312を備える。
充電と同時に冷媒を吐出/回収することで循環させ、効率よくバッテリBT13を冷却することでより大きな電力で充電することが可能となり、充電時間を短くすることができる。
【0097】
<<第十四実施形態>>
次に、図45A図46Cを用いて、本発明の第十四実施形態について説明する。第十四実施形態は、バッテリが交換可能な電気自動車に関する。
従来の電気自動車は、車両に搭載されたバッテリに充電プラグを接続して充電する方式をとっているため、充電に時間がかかる等の課題があった。一方、既に充電済みのバッテリと交換することも可能であるが、バッテリが重く容易に交換することが困難であった。
本実施形態は、上記の課題を鑑み、容易にバッテリを交換することが可能な電気自動車を提供することを目的とする。
【0098】
本実施形態の電気自動車V14は、図45Aに示すように、モータ1403と、フロア上に配置される複数の車両用シートS14(前側シートFS14、後側シートRS14)を備えている。車両用シートS14の下方には車両用シートS14を前後方向に移動することができるようレール1404が設けられている。レール1404の間には、レール1404の間を通るように、交換用のバッテリBT14を収納するバッテリ収納トンネル1405が設けられている。バッテリ収納トンネル1405は、車両用シートS14の間を通るように配置してもよい。
【0099】
バッテリ収納トンネル1405の前側端部には、挿入されたバッテリBT14を固定するバッテリロック1406が設けられている。バッテリロック1406には通電用のコネクタも兼ねており、挿入されたバッテリBT14を固定すると同時に通電することが可能となっている。
【0100】
バッテリ収納トンネル1405は、後方がやや下がるよう傾斜して設けられている。傾斜させることで、交換時、バッテリ収納トンネル1405内にあるバッテリが自重で降りてくるため、容易に取り出すことができる。
また、バッテリ通電用のコネクタをバッテリ収納トンネル1405の上部に設けることで、水漏れした場合、バッテリ収納トンネル1405に侵入した水を自重で排出することができる。地面にバッテリBT14の端部を接触させることなくバッテリBT14の抜き差しが可能となる。
また、バッテリBT14は、上側が円弧状に形成された断面を有するとよい。上側が円弧状に形成されることで、浸水しても水が自重で下方に流れ、傾斜したバッテリ収納トンネル1405から排出することができる。
【0101】
バッテリ収納トンネル1405には、車両の後方に設けられた挿入孔1407からバッテリBT14を挿入するよう構成されている。バッテリBT14の挿入は手動でもよいが、ロボット等の機械的手段を用いて自動的にバッテリBT14を交換可能にしてもよい。このとき、図45Cに示すように、バッテリ交換用の位置認識マーク1408を挿入孔1407の周辺を設けると、正確な挿入孔の位置を自動的に認識できるようになりバッテリBT14の交換を容易にすることができる。
【0102】
図46A図46Cに電気自動車1401の別例を示す。図45Aに示す電気自動車1401では、中央に一つのバッテリ収納トンネルを設けていたが、図46Aに示す電気自動車1401Aでは、後輪を中央に配置し、三輪とすることで、車体の左右両側部にバッテリ収納トンネル1405Aを配置している。バッテリ収納トンネル1405Aの構成は、図45Aに示すものと同様であるため詳細な説明は省略する。車体の左右両側部にバッテリ収納トンネル1405Aを設けることで、より多くのバッテリBT14を搭載可能とすることができ、航続距離を伸ばすことができる。
【0103】
<<第十五実施形態>>
次に、図47図54を用いて、本発明の第十五実施形態について説明する。第十五実施形態は、衝突予測時において適切に乗員保護を行う乗員保護装置に関する。
特開2021-37923号公報には、車両の衝突時に乗員を保護するメインエアバッグ装置と、乗員の腕を払い落とすサブエアバッグ装置と、衝突予測時にサブエアバッグ袋体の展開後にメインエアバッグ袋体を展開させる制御部を備えた乗員保護装置が開示されている。
【0104】
サブエアバッグ装置が座席シートに設けられているので、シートスライド装置により座席シートが後方に移動されていても、衝突予測時に直ちにサブエアバッグ袋体を展開させることができ、メインエアバッグ袋体の展開を遅らせることなく、適切に乗員を保護することができる。
【0105】
しかしながら、特開2021-37923号公報には、サブエアバッグ袋体を用いて乗員の腕を払い落とすことは開示されているものの、サブエアバッグ袋体の展開時の挙動及びサブエアバッグ袋体の収納方法までは開示されていない。そこで、本実施形態では、より具体的なサブエアバッグ袋体の挙動や収納方法を示し、適切にサブエアバッグ袋体を展開して乗員の腕を払い落とすことで乗員の保護性能を向上させることを目的とする。
【0106】
本実施形態の乗員保護装置1501は、図47に示すように、車両用シートS15と、メインエアバッグ1503と、サブエアバッグ1504と、車両の衝突を予測する衝突予測手段1505と、展開制御手段1506とを有する。
【0107】
車両用シート1502は、乗員が着座し車両の前後方向に移動可能に設けられている。メインエアバッグ1503は、衝突予測手段1505により車両の衝突が予測されると、車両の前方から乗員に向かって展開するように構成されている。
サブエアバッグ1504は、車両用シート1502に収納され、衝突が予測されると乗員側へ展開するように構成されている。
展開制御手段1506は、衝突予測手段1505により車両の衝突が予測された場合に、車両用シート1502からサブエアバッグ1504を展開させ、その後、メインエアバッグ1503を展開させるように構成されている。
【0108】
また、サブエアバッグ1504は、図47図48に示すように、第1袋部1510と、第2袋部1511とから構成されている。第1袋部1510と第2袋部1511とは、接着又は縫製によりそれらを接合する接合部1512を有する。
接合部1512は、破断部1514と被破断部1515とを有し、第2袋部1511は、第1袋部に空気が注入され展開されると、破断部1514が破断することにより、第2袋部1511に空気が入り展開することができるように構成されている。
【0109】
衝突時、乗員が携帯端末1507等を持っていると、サブエアバッグ1504が展開されることにより、乗員の腕や携帯端末1507が振り下ろされる。メインエアバッグ1503と乗員の体との間に携帯端末1507又は乗員の腕が挟まれることが抑制され、乗員を適切に保護することができる。
【0110】
サブエアバッグ1504を収納する場合、図49に示すように、第2袋部1511は、第1袋部1510に巻き付くように収納される。このとき、破断部1514は第1袋部1510の先端側に配置されるのがよい。
このように第2袋部1511を収納することで、サブエアバッグ1504を効率よく収納することができると共に、乗員の腕を振り下ろすように展開させることができる。
【0111】
サブエアバッグ1504の第二例について図50A及び図50Bを用いて説明する。図50Aに示すように、第二例のサブエアバッグ1504Aでは、第2袋部1511Aが、第1袋部1510の先端部に配置されている。そして、第2袋部1511Aは、その先端から時計回りに巻回されることにより収納されており、第1袋部1510Aの先端は、巻回された第2袋部1511Aの先端よりも外側に配置されている。このように収納することで、サブエアバッグ1504Aを効率よく収納することができる。
【0112】
次に、サブエアバッグ1504の第三例について図51Aから図52Bを用いて説明する。図51Aに示すサブエアバッグ1504Bに示すように、第1袋部1510には、衝突時において、下方に展開する第2袋部1511Bに加え、上方に展開する第3袋部1516を設けてもよい。
このとき、展開制御手段1506は、第1袋部1510Cが展開した後に第2袋部1511Cが展開し、第2袋部1511Cが展開した後に第3袋部1516が展開するように制御するとよい。
第2袋部1511B及び第3袋部1516は図51Bに示すように、収納時、各々の先端が巻回されることによりことでコンパクトなるよう構成される。このとき、図52Bに示すように、第2袋部1511Bは、その先端から反時計回りに巻回され、第3袋部1516が時計回りに収納されるとよい。
このとき、サブエアバッグ1504が収納される位置は、第1例のサブエアバッグ1504の収納位置よりも下方に位置される。第3袋部1516を設けることで、乗員の頭部を保護することができる。
【0113】
また、図53A及び図53Bに示す乗員保護装置1501Cのように、サブエアバッグ1504Cとは別に、車両用シートS15Cのシートクッション内にサブマリンエアバッグ1517を設けてもよい。サブマリンエアバッグ1517は、車両前方方向から見て、展開時、第二袋部の一部とサブマリンエアバッグ1517の一部が上下方向で重なるように配置されるのがよい。また、サブマリンエアバッグ1517が展開されたとき、シートクッション1502bの前端部と、第2袋部1511Cとの間に隙間が生じるように構成されるとよい。隙間1518を設けることにより、第2袋部1511Cとサブマリンエアバッグ1517とにより、乗員の足や腕等の部位を必要以上に圧迫することを抑制することができる。
【0114】
また、図54に示す乗員保護装置1501Dのように、サブエアバッグ1504Dが、シートバックの背面に設けられたエアバッグ収納部1519から、前方に向けて展開するように構成されてもよい。乗員の腕を払い下すと共に、乗員の頭部を保護することができる。
【0115】
以上、図を用いて本発明の第一実施形態から第十五実施形態について説明した。本発明の一例として電気自動車及びそれに搭載される車両用シートを挙げ、その構成例について説明したが、本発明は、電気自動車に限定されず、エンジン車、走行用にモータとエンジンの双方を備えるハイブリッド車、電源としてバッテリと燃料電池を搭載する車等に適用されてもよい。また、本発明は、自動車・鉄道など車輪を有する地上走行用乗物及び、それに搭載される車両用シートに限定されるものではなく、地上以外を移動する航空機や船舶及びそれに搭載される乗物用シートに適用されてもよい。
【符号の説明】
【0116】
<第一実施形態>
V 車両
FL 車体フロア
FL1 第1フロア
FL2、FL2A 第2フロア
FL3 車体底部
BT バッテリ
S、SA 車両用シート
FS 前側シート
RS 後側シート
2 車室
3 車体
10 凸部
11 レール支持部材
12、12A 嵩上げ部材
13 凹部
14 凹部
15 車体構造部
16 回転装置
17 凹部
18 スリット
20 ロングレール
21 ロアレール
22 アッパーレール
23、23A エアバッグ装置
24、24A エアバッグ
25 シート着脱機構
26 ロック部材
27 ストライカ
28 ロックスプリング
29 ケーブル
30 レバー
31 突出部
32 穴
35 アームレスト
36 車輪
37 ロック装置
38 収納部
39 フロア補強部材
40 ハニカムプレート
【0117】
<第二実施形態>
V2、V2A 車両
S2 車両用シート
BT2 バッテリ
201 第1フロア
202 第2フロア
203 凸部
204 フット取付部(フットブラケット)
220 フットブラケット
【0118】
<第三実施形態>
V3 車両
FS3 前側シート
RS3 後側シート
BT3 バッテリユニット
301 フロア
302 凹部
320 ロングレール
321 蓋
【0119】
<第四実施形態>
V4 車両
BT4 バッテリ
401 第1フロア
402 第2フロア
410、410A レール取付ブラケット
411 取付点
412 開口部
413、413A 傾斜部
420 ロングレール
【0120】
<第五実施形態>
RS5、RS5A 後側シート
501 第1フロア
502 第2フロア
510 フットブラケット
511 補強部材
520、520A 土台
【0121】
<第六実施形態>
V6 車両
S6、S6A 車両用シート
BT6 バッテリ
D6 ドアパネル
TB テーブル
601 第1フロア
602 第2フロア
610 収納部
611 蓋部
【0122】
<第七実施形態>
V7 電気自動車
S7 車両用シート
BT7 バッテリ
701 第1フロア
702 第2フロア
710 衝撃吸収材
711 補強パネル
712 フロアマット
【0123】
<第八実施形態>
V8 車両
S8 車両用シート
BT8 バッテリ
802 フロア
810 収納凹部
810a 底部
【0124】
<第九実施形態>
V9 電気自動車
S9 車両用シート
BT9 バッテリ
901 第1フロア
902 第2フロア
910 凸部
911 側壁
920 取付部
【0125】
<第十実施形態>
【0126】
S10 乗物用シート
Vo1、Vo2 占有体積
R100、R110 直径
1001 回転軸
【0127】
<第十一実施形態>
V11 車両
RS11、RS11A 後側シート
S11B シート
W1101 シート幅
W1102 ホイールハウス間の距離
D11、D11A、D11B 短縮幅
F11 クッションフレーム
1101 ホイールハウス
1102 シートクッション
1110、1111、1112 エアセル
1120 ロングレール
1121 サポート部材
【0128】
<第十二実施形態>
V12 車両
FS12 前側シート
RS12 後側シート
BT12 バッテリ
1202 フロアパネル
1202a 上部フロア
1202b 段差部
1202c 下部フロア
1203 台座
1210 リンク
【0129】
<第十三実施形態>
V13 電気自動車
S13 シート
BT13 バッテリ
1301 バッテリケース
1303 バッテリ冷却層
1304 バッテリ冷却前冷媒輸送パイプ
1305 高温冷媒輸送パイプ
1306 ヒートシンク
1307 充電用差込口
1310 充電プラグ
1314 充電端子
1311 吐出口
1312 回収口
【0130】
<第十四実施形態>
V14、V14A 電気自動車
FS14 前側シート
RS14 後側シート
BT14 バッテリ
1403 モータ
1404 レール
1405、1405A バッテリ収納トンネル
1406 バッテリロック
1407、1407A 挿入孔
1408、1408A 位置認識マーク
【0131】
<第十五実施形態>
S15、S15C 乗物用シート
1501 乗員保護装置
1503 メインエアバッグ
1504、1504A、1504B、1504C サブエアバッグ
1505 衝突予測手段
1506 展開制御手段
1507 携帯端末
1510 第一袋部
1511、1511A、1511B、1511C 第2袋部
1512 接合部
1514 破断部
1515 非破断部
1516、1516C 第3袋部
1517 サブマリンエアバッグ
1518 隙間
1519 エアバッグ収納部
図1
図2
図3
図4
図5
図6A
図6B
図7
図8A
図8B
図8C
図9A
図9B
図10A
図10B
図11A
図11B
図12A
図12B
図13
図14
図15
図16A
図16B
図17A
図17B
図18
図19
図20
図21A
図21B
図22A
図22B
図23
図24
図25A
図25B
図26A
図26B
図27A
図27B
図28
図29A
図29B
図30
図31
図32
図33
図34
図35
図36A
図36B
図37A
図37B
図38
図39A
図39B
図40A
図40B
図41
図42
図43
図44
図45A
図45B
図45C
図46A
図46B
図46C
図47
図48
図49
図50A
図50B
図51A
図51B
図52A
図52B
図53A
図53B
図54
【手続補正書】
【提出日】2025-04-15
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
乗員が着座するシートと、
該シートをスライドさせるレールと、
乗物の電動モータに電力を供給するためのバッテリと、を備える乗物のバッテリ配置構造であって、
前記バッテリの少なくとも一部が、上下方向で前記レールと重なる位置に配置されていることを特徴とするバッテリ配置構造
【請求項2】
前記レールは、前記バッテリと当接して配置されていることを特徴とする請求項1に記載のバッテリ配置構造
【請求項3】
前記バッテリは、前記レールの側面と下面とを覆う収容部を有することを特徴とする請求項1に記載のバッテリ配置構造
【請求項4】
第1フロアと、該第1フロアよりも上方に配置される第2フロアと、を備え、
前記レール及び前記バッテリは、前記第1フロアと前記第2フロアとの間に配置されることを特徴とする請求項1に記載のバッテリ配置構造
【請求項5】
前記レールは、前記第1フロアよりも前記第2フロアの近くに配置され、
前記バッテリの上下方向における中心部分は、前記レールの上下方向における中心部分よりも下方に配置されていることを特徴とする請求項に記載のバッテリ配置構造
【請求項6】
前記バッテリと前記シートとの間に断熱部材が配置されていることを特徴とする請求項1に記載のバッテリ配置構造
【請求項7】
前記バッテリと前記第2フロアとの間に衝撃吸収材が配置されていることを特徴とする請求項に記載のバッテリ配置構造
【請求項8】
前記バッテリの上部において、少なくとも前記シートに着座する乗員の足と対向する部分に補強プレートが配置されていることを特徴とする請求項1に記載のバッテリ配置構造
【請求項9】
前記シートを回転させる回転装置と、
前記乗員を保護するエアバッグ装置と、を備えることを特徴とする請求項1に記載のバッテリ配置構造
【請求項10】
請求項1から9のいずれか一項に記載のバッテリ配置構造を有する乗物であって、
前記シートと、該シートをスライドさせる前記レールと、前記乗物の前記電動モータに電力を供給するための前記バッテリと、前記乗員の乗降口となるドアと、を備えることを特徴とする乗物。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0005
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0005】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、乗員の足元を平坦とすることが可能な車両を提供することにある。
また、別の目的として、フロアに様々な機能を持たせることが可能な車両を提供することにある。
また、別の目的として、例えば上下方向において、よりコンパクトな配置とすることが可能なバッテリ配置構造を提供することにある。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0006】
上記課題は、本発明に係る車両によれば、乗員が着座するシートと、該シートをスライドさせるレールと、乗物の電動モータに電力を供給するためのバッテリと、を備える乗物のバッテリ配置構造であって、前記バッテリの少なくとも一部が、上下方向で前記レールと重なる位置に配置されていることにより解決される。
上記構成により、上下方向においてよりコンパクトな配置とすることが可能なバッテリ配置構造を提供することができる。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0007】
また、上記のバッテリ配置構造において、前記レールは、前記バッテリと当接して配置されているとよい
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0008】
また、上記のバッテリ配置構造において、前記バッテリは、前記レールの側面と下面とを覆う収容部を有するとよい
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0009】
また、上記のバッテリ配置構造において、第1フロアと、該第1フロアよりも上方に配置される第2フロアと、を備え、前記レール及び前記バッテリは、前記第1フロアと前記第2フロアとの間に配置されるとよい
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0010】
また、上記のバッテリ配置構造において、前記レールは、前記第1フロアよりも前記第2フロアの近くに配置され、前記バッテリの上下方向における中心部分は、前記レールの上下方向における中心部分よりも下方に配置されているとよい
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0011
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0011】
また、上記のバッテリ配置構造において、前記バッテリと前記シートとの間に断熱部材が配置されているとよい
【手続補正10】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0012
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0012】
また、上記のバッテリ配置構造において、前記バッテリと前記第2フロアとの間に衝撃吸収材が配置されているとよい
【手続補正11】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0013
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0013】
また、上記のバッテリ配置構造において、前記バッテリの上部において、少なくとも前記シートに着座する乗員の足と対向する部分に補強プレートが配置されているとよい
【手続補正12】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0014
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0014】
また、上記のバッテリ配置構造において、前記シートを回転させる回転装置と、前記乗員を保護するエアバッグ装置と、を備えるとよい
【手続補正13】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0015
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0015】
また、上記のバッテリ配置構造を有する乗物は、前記シートと、該シートをスライドさせる前記レールと、前記乗物の前記電動モータに電力を供給するための前記バッテリと、前記乗員の乗降口となるドアと、を備えるとよい