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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025100959
(43)【公開日】2025-07-04
(54)【発明の名称】半導体装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 23/50 20060101AFI20250627BHJP
   H01L 25/00 20060101ALI20250627BHJP
   H02M 3/155 20060101ALI20250627BHJP
   H05K 1/02 20060101ALI20250627BHJP
【FI】
H01L23/50 X
H01L25/00 B
H02M3/155 Y
H05K1/02 J
【審査請求】有
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2025048170
(22)【出願日】2025-03-24
(62)【分割の表示】P 2021539248の分割
【原出願日】2020-08-06
(31)【優先権主張番号】P 2019147638
(32)【優先日】2019-08-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000116024
【氏名又は名称】ローム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001933
【氏名又は名称】弁理士法人 佐野特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】青木 啓
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼木元 伸輔
(72)【発明者】
【氏名】中山 昌昭
(57)【要約】
【課題】PCBレイアウトを最適化することのできる半導体装置を提供する。
【解決手段】半導体装置1aは、第1辺101、第2辺102、第3辺103、並びに、第4辺104を持つ平面視矩形状のパッケージ100と、第1辺101、若しくは、第2辺102に設けられたパワー電源端子PVIN1/2と、第1辺101、若しくは、第2辺102または第4辺104に設けられたパワー接地端子PGND1/2と、第2辺102に設けられたスイッチ出力端子SW1/2と、パワー電源端子PVIN1/2とスイッチ出力端子SW1/2との間に接続された上側スイッチ11Hと、スイッチ出力端子SW1/2とパワー接地端子PGND1/2との間に接続された下側スイッチ11Lと、を有する。上側スイッチ11H、下側スイッチ11L、パワー電源端子PVIN1/2、及びパワー接地端子PGND1/2は、それぞれ、複数のチャンネル毎に設けられている。
【選択図】図12
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1辺、前記第1辺と平行する第2辺、前記第1辺及び前記第2辺と直交する第3辺、並びに、前記第3辺と平行して前記第1辺及び前記第2辺と直交する第4辺を持つ平面視矩形状のパッケージと、
前記第1辺、若しくは、前記第2辺に設けられたパワー電源端子と、
前記第1辺、若しくは、前記第2辺または前記第4辺に設けられたパワー接地端子と、
前記第2辺に設けられたスイッチ出力端子と、
前記パワー電源端子と前記スイッチ出力端子との間に接続された上側スイッチと、
前記スイッチ出力端子と前記パワー接地端子との間に接続された下側スイッチと、
を有し、
前記上側スイッチ、前記下側スイッチ、前記パワー電源端子、及び前記パワー接地端子は、それぞれ、複数のチャンネル毎に設けられている、
半導体装置。
【請求項2】
前記スイッチ出力端子は、複数のチャネル毎に設けられている、
請求項1に記載の半導体装置。
【請求項3】
前記パッケージのトップ面に露出した放熱パッドと、を有する、
請求項2に記載の半導体装置。
【請求項4】
前記上側スイッチ及び前記下側スイッチは、平面視において、前記第2辺寄りに偏在配置されている、
請求項3に記載の半導体装置。
【請求項5】
前記上側スイッチ及び前記下側スイッチは、平面視において、前記第1辺及び前記第2辺の延びる第1方向に直交する第2方向に沿って縦列に配置されている、
請求項4に記載の半導体装置。
【請求項6】
前記スイッチ出力端子から負荷に供給される出力電流が所定の目標値と一致するように前記上側スイッチ及び前記下側スイッチを駆動する出力帰還制御部をさらに有する、
請求項5に記載の半導体装置。
【請求項7】
前記出力帰還制御部は、ボトム検出オン時間固定方式の出力帰還制御を行う、
請求項6に記載の半導体装置。
【請求項8】
前記パッケージに封止された半導体チップから前記パッケージのトップ面までの熱抵抗は、前記半導体チップから前記パッケージのボトム面までの熱抵抗よりも小さい、
請求項6または7に記載の半導体装置。
【請求項9】
第1辺、前記第1辺と平行する第2辺、前記第1辺及び前記第2辺と直交する第3辺、並びに、前記第3辺と平行して前記第1辺及び前記第2辺と直交する第4辺を持つ平面視矩形状のパッケージと、
前記第1辺、若しくは、前記第2辺に設けられたパワー電源端子と、
前記第1辺、若しくは、前記第2辺または前記第4辺に設けられたパワー接地端子と、
前記第2辺に設けられたスイッチ出力端子と、
前記パワー電源端子と前記スイッチ出力端子との間に接続された上側スイッチと、
前記スイッチ出力端子と前記パワー接地端子との間に接続された下側スイッチと、
前記パッケージのトップ面に露出した放熱パッドと、を有する、
半導体装置。
【請求項10】
第1辺、前記第1辺と平行する第2辺、前記第1辺及び前記第2辺と直交する第3辺、並びに、前記第3辺と平行して前記第1辺及び前記第2辺と直交する第4辺を持つ平面視矩形状のパッケージと、
前記第1辺、若しくは、前記第2辺に設けられたパワー電源端子と、
前記第1辺、若しくは、前記第2辺または前記第4辺に設けられたパワー接地端子と、
前記第2辺に設けられたスイッチ出力端子と、
前記パワー電源端子と前記スイッチ出力端子との間に接続された上側スイッチと、
前記スイッチ出力端子と前記パワー接地端子との間に接続された下側スイッチと、
を有し、
前記上側スイッチ及び前記下側スイッチは、平面視において、前記第2辺寄りに偏在配置されている、
半導体装置。
【請求項11】
第1辺、前記第1辺と平行する第2辺、前記第1辺及び前記第2辺と直交する第3辺、並びに、前記第3辺と平行して前記第1辺及び前記第2辺と直交する第4辺を持つ平面視矩形状のパッケージと、
前記第1辺、若しくは、前記第2辺に設けられたパワー電源端子と、
前記第1辺、若しくは、前記第2辺または前記第4辺に設けられたパワー接地端子と、
前記第2辺に設けられたスイッチ出力端子と、
前記パワー電源端子と前記スイッチ出力端子との間に接続された上側スイッチと、
前記スイッチ出力端子と前記パワー接地端子との間に接続された下側スイッチと、
を有し、
前記上側スイッチ及び前記下側スイッチは、平面視において、前記第1辺及び前記第2辺の延びる第1方向に直交する第2方向に沿って縦列に配置されている、
半導体装置。
【請求項12】
第1辺、前記第1辺と平行する第2辺、前記第1辺及び前記第2辺と直交する第3辺、並びに、前記第3辺と平行して前記第1辺及び前記第2辺と直交する第4辺を持つ平面視矩形状のパッケージと、
前記第1辺、若しくは、前記第2辺に設けられたパワー電源端子と、
前記第1辺、若しくは、前記第2辺または前記第4辺に設けられたパワー接地端子と、
前記第2辺に設けられたスイッチ出力端子と、
前記パワー電源端子と前記スイッチ出力端子との間に接続された上側スイッチと、
前記スイッチ出力端子と前記パワー接地端子との間に接続された下側スイッチと、
前記スイッチ出力端子から負荷に供給される出力電流が所定の目標値と一致するように前記上側スイッチ及び前記下側スイッチを駆動する出力帰還制御部と、有する、
半導体装置。
【請求項13】
前記出力帰還制御部は、ボトム検出オン時間固定方式の出力帰還制御を行う、
請求項12に記載の半導体装置。
【請求項14】
第1辺、前記第1辺と平行する第2辺、前記第1辺及び前記第2辺と直交する第3辺、並びに、前記第3辺と平行して前記第1辺及び前記第2辺と直交する第4辺を持つ平面視矩形状のパッケージと、
前記第1辺、若しくは、前記第2辺に設けられたパワー電源端子と、
前記第1辺、若しくは、前記第2辺または前記第4辺に設けられたパワー接地端子と、
前記第2辺に設けられたスイッチ出力端子と、
前記パワー電源端子と前記スイッチ出力端子との間に接続された上側スイッチと、
前記スイッチ出力端子と前記パワー接地端子との間に接続された下側スイッチと、
を有し、
前記パッケージに封止された半導体チップから前記パッケージのトップ面までの熱抵抗は、前記半導体チップから前記パッケージのボトム面までの熱抵抗よりも小さい、
半導体装置。
【請求項15】
第1辺、前記第1辺と平行する第2辺、前記第1辺及び前記第2辺と直交する第3辺、並びに、前記第3辺と平行して前記第1辺及び前記第2辺と直交する第4辺を持つ平面視矩形状のパッケージと、
前記第1辺、若しくは、前記第2辺に設けられたパワー電源端子と、
前記第1辺、若しくは、前記第2辺または前記第4辺に設けられたパワー接地端子と、
前記第2辺に設けられたスイッチ出力端子と、
前記パワー電源端子と前記スイッチ出力端子との間に接続された上側スイッチと、
前記スイッチ出力端子と前記パワー接地端子との間に接続された下側スイッチと、
を有し、
前記下側スイッチは、前記上側スイッチよりも素子サイズが大きい、
半導体装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書中に開示されている発明は、半導体装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、半導体装置のピン配置については、種々の提案がなされている(例えば、特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開第2018/096573号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、PCB[printed circuit board]レイアウトを最適化するためには、半導体装置のピン配置について、更なる検討の余地があった。
【0005】
本明細書中に開示されている発明は、本願発明者らにより見出された上記課題に鑑み、PCBレイアウトを最適化することのできる半導体装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本明細書中に開示されている半導体装置は、第1辺、前記第1辺と平行する第2辺、前記第1辺及び前記第2辺と直交する第3辺、並びに、前記第3辺と平行して前記第1辺及び前記第2辺と直交する第4辺を持つ平面視矩形状のパッケージと;前記第1辺、若しくは、前記第3辺または前記第4辺に設けられたパワー電源端子と;前記第2辺、若しくは前記第3辺または前記第4辺に設けられたパワー接地端子と;前記第2辺に設けられたスイッチ出力端子と;前記パワー電源端子と前記スイッチ出力端子との間に接続された上側スイッチと;前記スイッチ出力端子と前記パワー接地端子との間に接続された下側スイッチと;を有する構成(第1の構成)とされている。
【0007】
なお、上記第1の構成から成る半導体装置において、前記上側スイッチ、前記下側スイッチ、及び、前記スイッチ出力端子は、それぞれ、複数のチャンネル毎に設けられている構成(第2の構成)にするとよい。
【0008】
また、上記第2の構成から成る半導体装置において、前記複数のチャンネル毎に設けられている前記スイッチ出力端子は、少なくとも2つのチャンネル相互間で対称に配置されている構成(第3の構成)にするとよい。
【0009】
また、上記第2または第3の構成から成る半導体装置において、前記パワー電源端子及び前記パワー接地端子は、それぞれ、前記複数のチャンネル毎に設けられている構成(第4の構成)にするとよい。
【0010】
また、上記第4の構成から成る半導体装置において、前記複数のチャンネル毎に設けられている前記パワー電源端子は、少なくとも2つのチャンネル相互間で対称に配置されている構成(第5の構成)にするとよい。
【0011】
また、上記第4または第5の構成から成る半導体装置において、前記複数のチャンネル毎に設けられている前記パワー接地端子は、少なくとも2つのチャンネル相互間で対称に配置されている構成(第6の構成)にするとよい。
【0012】
或いは、上記第2または第3の構成から成る半導体装置において、前記パワー電源端子及び前記パワー接地端子の少なくとも一方は、前記複数のチャンネルで共用されている構成(第7の構成)にしてもよい。
【0013】
また、上記第1~第7いずれかの構成から成る半導体装置は、前記パッケージのトップ面に露出した放熱パッドをさらに有する構成(第8の構成)にするとよい。
【0014】
また、上記第1~第8いずれかの構成から成る半導体装置において、前記パッケージに封止された半導体チップから前記トップ面までの熱抵抗は、前記半導体チップから前記パッケージのボトム面までの熱抵抗よりも小さい構成(第9の構成)にするとよい。
【0015】
また、上記第1~第9いずれかの構成から成る半導体装置において、前記上側スイッチと前記下側スイッチは、平面視において、前記第2辺寄りに偏在配置されている構成(第10の構成)にするとよい。
【0016】
また、上記第1~第10いずれかの構成から成る半導体装置において、前記上側スイッチ及び前記下側スイッチは、平面視において前記第1辺及び前記第2辺の延びる第1方向に直交する第2方向に沿って縦列に配置されている構成(第11の構成)にするとよい。
【0017】
また、上記第1~第11いずれかの構成から成る半導体装置において、前記下側スイッチは、前記上側スイッチよりも素子サイズが大きい構成(第12の構成)にするとよい。
【0018】
また、上記第1~第12いずれかの構成から成る半導体装置において、前記パワー電源端子と前記パワー接地端子は、いずれも前記第3辺または前記第4辺に設けられており、前記パワー接地端子は、前記パワー電源端子よりも前記第2辺側に配列されている構成(第13の構成)にするとよい。
【0019】
また、上記第1~第13いずれかの構成から成る半導体装置は、前記スイッチ出力端子から負荷に供給される出力電流が所定の目標値と一致するように前記上側スイッチと前記下側スイッチを駆動する出力帰還制御部を有する構成(第14の構成)にするとよい。
【0020】
また、上記第14の構成から成る半導体装置において、前記出力帰還制御部は、ボトム検出オン時間固定方式の出力帰還制御を行う構成(第15の構成)にするとよい。
【0021】
また、本明細書中に開示されているモジュールは、プリント回路基板と、上記第1~第15いずれかの構成から成る半導体装置と、前記半導体装置から出力電流の供給を受ける負荷とを有する構成(第16の構成)とされている。
【0022】
上記第16の構成から成るモジュールにおいて、前記半導体装置は、前記プリント回路基板の第1主面に実装されており、前記パワー電源端子に接続されるパワー電源ライン、前記パワー接地端子に接続されるパワー接地ライン、及び、前記スイッチ出力端子に接続されるスイッチ出力ラインは、前記プリント回路基板の第2主面に敷設されている構成(第17の構成)にしてもよい。
【0023】
なお、上記第17の構成から成るモジュールにおいて、前記パワー電源ライン及び前記パワー接地ラインそれぞれの主幹部分は、平面視において、前記第1辺及び前記第2辺の延びる第1方向に沿って並列に敷設されている構成(第18の構成)にするとよい。
【0024】
また、上記第18の構成から成るモジュールにおいて、前記第1主面には、前記第1方向に沿って前記半導体装置が複数実装されている構成(第19の構成)にするとよい。
【0025】
また、上記第17~第19いずれかの構成から成るモジュールにおいて、前記パワー電源ライン及び前記パワー接地ラインの少なくとも一方は、平面視において、前記半導体装置と重なるように敷設されている構成(第20の構成)にするとよい。
【0026】
また、上記第17~第20いずれかの構成から成るモジュールにおいて、前記第2主面には、前記パワー電源ラインと前記パワー接地ラインとの間にバイパスキャパシタが接続されている構成(第21の構成)にするとよい。
【0027】
また、上記第21の構成から成るモジュールにおいて、前記バイパスキャパシタは、平面視において、前記半導体装置と重なるように実装されている構成(第22の構成)にするとよい。
【0028】
また、上記第21または第22の構成から成るモジュールにおいて、前記バイパスキャパシタは、前記上側スイッチ及び前記下側スイッチと共に形成する閉ループが最小となる位置に実装されている構成(第23の構成)にするとよい。
【0029】
また、上記第16~第23いずれかの構成から成るモジュールにおいて、前記複数のチャンネル毎に設けられる前記パワー電源端子、前記スイッチ出力端子、前記パワー接地端子、及び、これらに外付けされるディスクリート部品は、少なくとも2つのチャンネル相互間で対称に配置されている構成(第24の構成)にするとよい。
【0030】
また、上記第16~第24いずれかの構成から成るモジュールは、前記半導体装置に装着されるヒートシンクをさらに有する構成(第25の構成)にするとよい。
【0031】
また、上記第16の構成から成るモジュールにおいて、前記半導体装置とこれに外付けされるディスクリート部品の少なくとも一部は、いずれも前記プリント回路基板の同一面に実装されている構成(第26の構成)にしてもよい。
【0032】
また、上記第26の構成から成るモジュールは、前記プリント回路基板の同一面に実装された前記半導体装置及び前記ディスクリート部品の双方に共通して装着されるヒートシンクをさらに有する構成(第27の構成)にしてもよい。
【0033】
また、上記第16~第27いずれかの構成から成るモジュールは、バッテリ電圧から昇圧電圧を生成して前記パワー電源端子に供給する昇圧回路をさらに有する構成(第28の構成)にするとよい。
【0034】
また、上記第16~第28いずれかの構成から成るモジュールにおいて、前記負荷は、発光ダイオードである構成(第29の構成)にするとよい。
【発明の効果】
【0035】
本明細書中に開示されている発明によれば、PCBレイアウトを最適化することのできる半導体装置を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
図1】LEDドライバIC(2ch)の適用例を示す図
図2】LEDドライバIC(3ch)の適用例を示す図
図3】LEDドライバICの回路構成を示す図
図4】ボトム検出オン時間固定方式の出力帰還制御を示す図
図5】LEDドライバICの電力損失を評価するための図
図6】LEDドライバICのパッケージを示す三面図
図7】LEDドライバICのパッケージを示す斜視図
図8】LEDドライバICに取り付けられるヒートシンクの一例を示す斜視図
図9】LEDドライバICの熱抵抗を評価するための図
図10A】LEDドライバIC(2ch)のピン配置(第1例)を示す図
図10B】LEDドライバIC(2ch)のピン配置(第2例)を示す図
図11A】LEDドライバIC(3ch)のピン配置(第1例)を示す図
図11B】LEDドライバIC(3ch)のピン配置(第2例)を示す図
図12図10Aで示したLEDドライバIC(2ch)の内部構造を示す図
図13A図11Aで示したLEDドライバIC(3ch)の内部構造を示す図
図13B図11Bで示したLEDドライバIC(3ch)の内部構造を示す図
図14A】同期整流方式を採用するLEDドライバIC(2ch)のPCBレイアウトを示す図
図14B】ダイオード整流方式を採用するLEDドライバIC(2ch)のPCBレイアウトを示す図
図14C】同期整流方式を採用するLEDドライバIC(2ch)の他のPCBレイアウトを示す図
図14D】ダイオード整流方式を採用するLEDドライバIC(2ch)の他のPCBレイアウトを示す図
図15】LEDドライバIC(3ch)のPCBレイアウトを示す図
図16】バイパスキャパシタの閉ループ形成を示す図
図17】LEDドライバIC(3ch)の縦列配置を示す図
図18】LEDドライバIC(3ch)のPCBレイアウト(比較例)を示す図
図19】ピン配置の第1変形例を示す図
図20】ピン配置の第2変形例を示す図
図21】ピン配置の第3変形例を示す図
図22】ピン配置の第4変形例を示す図
図23】PCBレイアウトの変形例を示す図
図24】QFPの採用例を示す図
図25】LEDドライバIC(3ch)とディスクリート部品を同一面に実装したPCBレイアウトを示す図
図26図25のα-β断面を示す図
【発明を実施するための形態】
【0037】
<LED[light emitting diode]ドライバIC>
図1は、2チャンネルのLEDドライバICが適用されたLEDランプモジュールの一構成例を示す図である。本構成例のLEDランプモジュールXは、2チャンネルのLEDドライバIC1aと、昇圧回路2と、MCU[micro control unit]3と、発光ダイオードLED1及びLED2(本図では、複数の発光ダイオード素子が直列に接続されたLEDストリング)と、各種ディスクリート部品(キャパシタC1及びC2、キャパシタC11~C13、キャパシタC21~C23、インダクタL1及びL2、抵抗R1及びR2、並びに、センス抵抗Rs1及びRs2)と、を有する。
【0038】
LEDドライバIC1aは、昇圧電圧Vbstを降圧して発光ダイオードLED1及びLED2への電力供給を行う半導体装置である。なお、LEDドライバIC1aは、IC外部との電気的な接続を確立するための手段として、複数の外部端子(VINピン、VREG5ピン、GNDピン、TONピン、SOピン、CSBピン、SCKピン、SIピン、PVIN1ピン、BOOT1ピン、SW1ピン、PGND1ピン、SNSP1ピン、SNSN1ピン、PVIN2ピン、BOOT2ピン、SW2ピン、PGND2ピン、SNSP2ピン、及び、SNSN2ピンなど)を有する。
【0039】
VINピンは、信号系の入力電圧供給端子である。VREG5ピンは、内部レギュレータの出力端子である。GNDピンは、信号系の接地端子である。TONピンは、オン時間設定用の抵抗接続端子である。SOピンは、SPI[serial peripheral interface]通信用のシリアルデータ出力端子である。CSBピンは、SPI通信用のチップセレクト入力端子である。SCKピンは、SPI通信用のシリアルクロック入力端子である。SIピンは、SPI通信用のシリアルデータ入力端子である。
【0040】
PVIN1ピン及びPVIN2ピンは、それぞれ、パワー系の入力電圧供給端子(=パワー電源端子)である。BOOT1ピン及びBOOT2ピンは、それぞれ、上側ゲート駆動用のブートストラップキャパシタ接続端子である。SW1ピン及びSW2ピンは、それぞれ、スイッチ出力端子である。PGND1ピン及びPGND2ピンは、それぞれ、パワー系の接地端子(=パワー接地端子)である。SNSP1ピン及びSNSP2ピンは、それぞれ、出力電流センス入力端子(+)である。SNSN1ピン及びSNSN2ピンは、それぞれ、出力電流センス入力端子(-)である。
【0041】
なお、符号の末尾に「1」を付した外部端子群(PVIN1、SW1、PGND1、SNSP1、及び、SNSN1)は、いずれも第1チャンネル用である。一方、符号の末尾に「2」を付した外部端子群(PVIN2、SW2、PGND2、SNSP2、及び、SNSN2)は、いずれも第2チャンネル用である。
【0042】
VINピンは、バッテリ電圧+B(例えば13V)の印加端に接続されている。GNDピンは、接地端に接続されている。VINピンとGNDピンとの間には、キャパシタC1(=入力平滑キャパシタ)が接続されている。VREG5ピンとGNDピンとの間には、キャパシタC2(=内部レギュレータの出力平滑キャパシタ)が接続されている。TONピンと接地端との間には、抵抗R1(=オン時間設定抵抗)が接続されている。SOピンと電源電圧Vcc(例えば5V)の印加端との間には、抵抗R2(=プルアップ抵抗)が接続されている。SOピン、CSBピン、SCKピン、及び、SIピンは、それぞれ、MCU3に接続されている。
【0043】
PVIN1ピンは、昇圧電圧Vbst(例えば65V)の印加端に接続されている。SW1ピンは、インダクタL1の第1端に接続されている。インダクタL1の第2端は、センス抵抗Rs1の第1端に接続されている。センス抵抗Rs1の第2端は、発光ダイオードLED1のアノードに接続されている。発光ダイオードLED1のカソードは、接地端に接続されている。PVIN1ピンとPGND1ピンとの間には、キャパシタC11(=バイパスキャパシタ)が接続されている。BOOT1ピンとSW1ピンとの間には、キャパシタC12(=ブートストラップキャパシタ)が接続されている。発光ダイオードLED1のアノードと接地端との間には、キャパシタC13(=出力平滑キャパシタ)が接続されている。センス抵抗Rs1の両端は、それぞれ、SNSP1ピン及びSNSN1ピンに接続されている。
【0044】
PVIN2ピンは、昇圧電圧Vbstの印加端に接続されている。SW2ピンは、インダクタL2の第1端に接続されている。インダクタL2の第2端は、センス抵抗Rs2の第1端に接続されている。センス抵抗Rs2の第2端は、発光ダイオードLED2のアノードに接続されている。発光ダイオードLED2のカソードは接地端に接続されている。PVIN2ピンとPGND2ピンの間には、キャパシタC21(=バイパスキャパシタ)が接続されている。BOOT2ピンとSW2ピンとの間には、キャパシタC22(=ブートストラップキャパシタ)が接続されている。発光ダイオードLED2のアノードと接地端との間には、キャパシタC23(=出力平滑キャパシタ)が接続されている。センス抵抗Rs2の両端は、それぞれ、SNSP2ピン及びSNSN2ピンに接続されている。
【0045】
昇圧回路2は、バッテリ電圧+Bを昇圧して昇圧電圧Vbstを生成するDC/DCコンバータである。
【0046】
MCU3は、電源電圧Vccの供給を受けて動作し、LEDドライバIC1aとの間でSPI通信を行う。
【0047】
図2は、3チャンネルのLEDドライバICが適用されたLEDランプモジュールの一構成例を示す図である。本構成例のLEDランプモジュールXは、先出の図1を基本としつつ、2チャンネルのLEDドライバIC1aに代えて、3チャンネルのLEDドライバIC1bを有する。
【0048】
なお、LEDドライバIC1bは、その3チャンネル化に伴い、先出の外部端子に加えて、第3チャンネル用の外部端子群(PVIN3ピン、BOOT3ピン、SW3ピン、PGND3ピン、SNSP3ピン、及び、SNSN3ピン)を備えている。
【0049】
また、LEDランプモジュールXには、先出の構成要素に加えて、第3チャンネル用の発光ダイオードLED3と、各種ディスクリート部品(キャパシタC31~C33、インダクタL3、並びに、センス抵抗Rs3)が設けられている。
【0050】
PVIN3ピンは、パワー系の入力電圧供給端子(=パワー電源端子)である。BOOT3ピンは、上側ゲート駆動用のブートストラップキャパシタ接続端子である。SW3ピンは、スイッチ出力端子である。PGND3ピンは、パワー系の接地端子(=パワー接地端子)である。SNSP3ピンは、出力電流センス入力端子(+)である。SNSN3ピンは、出力電流センス入力端子(-)である。
【0051】
PVIN3ピンは、昇圧電圧Vbstの印加端に接続されている。SW3ピンは、インダクタL3の第1端に接続されている。インダクタL3の第2端は、センス抵抗Rs3の第1端に接続されている。センス抵抗Rs3の第2端は、発光ダイオードLED3のアノードに接続されている。発光ダイオードLED3のカソードは接地端に接続されている。PVIN3ピンとPGND3ピンの間には、キャパシタC31(=バイパスキャパシタ)が接続されている。BOOT3ピンとSW3ピンとの間には、キャパシタC32(=ブートストラップキャパシタ)が接続されている。発光ダイオードLED3のアノードと接地端との間には、キャパシタC33(=出力平滑キャパシタ)が接続されている。センス抵抗Rs3の両端は、それぞれ、SNSP3ピン及びSNSN3ピンに接続されている。
【0052】
なお、以下では、LEDドライバIC1a及び1bを区別する必要がない場合、単に、LEDドライバIC1と略称する場合がある。
【0053】
<回路構成>
図3は、LEDドライバIC1の回路構成(特に出力段周辺)を示す図である。本構成例のLEDドライバIC1は、第*チャンネル(ただし*=1、2または3)の発光ダイオードLED*を駆動する手段として、上側スイッチ11Hと、下側スイッチ11Lと、上側ドライバ12Hと、下側ドライバ12Lと、コントローラ13と、オン時間設定部14と、スロープ電圧生成部15と、センスアンプ16と、エラーアンプ17と、コンパレータ18と、ブートストラップ用のダイオードD1とを集積化して成る。もちろん、LEDドライバIC1には、上記以外の構成要素(各種保護回路など)を集積化してもよい。
【0054】
上側スイッチ11Hは、PVINピンとSW*ピンとの間に接続されており、上側ゲート信号GHに応じてオン/オフされる。なお、上側スイッチ11Hとしては、NMOSFET[N-channel type metal oxide semiconductor field effect transistor]等を好適に用いることができる。その場合、上側スイッチ11Hは、GH=H(=BOOT*)であるときにオンして、GH=L(=SW*)であるときにオフする。なお、上側スイッチ11Hとして、NMOSFETではなくPMOSFET[P-channel type MOSFET]を用いることも可能である。その場合には、ブートストラップ用のダイオードD1、キャパシタC*2、及び、BOOT*ピンが不要となる。
【0055】
下側スイッチ11Lは、SW*ピンとPGND*ピンとの間に接続されており、下側ゲート信号GLに応じてオン/オフされる。なお、下側スイッチ11Lとしては、NMOSFET等を好適に用いることができる。その場合、下側スイッチ11Lは、GL=H(=VDRV5)であるときにオンして、GL=L(=PGND*)であるときにオフする。
【0056】
このように接続された上側スイッチ11Hと下側スイッチ11Lは、SW*ピンから矩形波状のスイッチ電圧Vswを出力するハーフブリッジ出力段を形成している。なお、本図では、同期整流方式のハーフブリッジ出力段を挙げたが、ダイオード整流方式を採用する場合には、下側スイッチ11Lとしてダイオードを用いればよい。
【0057】
上側ドライバ12Hは、コントローラ13から入力される上側制御信号SHに基づいて上側ゲート信号GHを生成する。なお、上側ゲート信号GHのハイレベルは、BOOT*ピンの端子電圧(≒Vsw+VDRV5)となる。一方、上側ゲート信号GHのローレベルは、SW*ピンの端子電圧(≒Vsw)となる。
【0058】
下側ドライバ12Lは、コントローラ13から入力される下側制御信号SLに基づいて下側ゲート信号GLを生成する。なお、下側ゲート信号GLのハイレベルは、定電圧VDRV5(内部電源電圧VREGまたは別途の外部入力電圧)となる。一方、下側ゲート信号GLのローレベルは、PGND*ピンの端子電圧(接地電圧)となる。
【0059】
コントローラ13は、例えば、セット信号SET及びリセット信号RSTの入力を受け付けるRSフリップフロップを含み、上側スイッチ11H及び下側スイッチ11Lを相補的にオン/オフするように上側制御信号SH及び下側制御信号SLを生成する。
【0060】
より具体的に述べると、コントローラ13は、セット信号SETの立上りタイミングで上側スイッチ11Hをオンして下側スイッチ11Lをオフする一方、リセット信号RSTの立上りタイミングで上側スイッチ11Hをオフして下側スイッチ11Lをオンするように、上側制御信号SH及び下側制御信号SLを生成する。
【0061】
ただし、本明細書中における「相補的」という文言は、上側スイッチ11H及び下側スイッチ11Lそれぞれのオン/オフ状態が完全に逆転している場合だけでなく、貫通電流を防止するための同時オフ期間(いわゆるデッドタイム)が設けられている場合も含むものとして、広義に理解されるべきである。
【0062】
オン時間設定部14は、セット信号SETの立上りタイミング(延いては上側スイッチ11Hのオンタイミング)から所定のオン時間Tonが経過した時点でリセット信号RSTをハイレベルに立ち上げる。なお、オン時間設定部14は、TONピンに接続された抵抗R1の抵抗値に応じてオン時間Tonを任意に設定する機能を備えている。また、オン時間設定部14は、PVINピン及びSNSNピンそれぞれの端子電圧に基づいてスイッチング周波数Fswの変動を抑えるようにオン時間Tonを可変する機能も備えている。
【0063】
スロープ電圧生成部15は、下側スイッチ11Lのオン期間中に流れるインダクタ電流ILを検出し、同インダクタ電流ILの情報を含んだスロープ電圧Vslpを生成する。スロープ電圧Vslpは、下側スイッチ11Lのオン期間中に流れるインダクタ電流ILが大きいほど高くなり、同インダクタ電流ILが小さいほど低くなる。
【0064】
センスアンプ16は、SNSP*ピンとSNSN*ピンとの端子間電圧(=センス抵抗Rs*の両端間電圧)を増幅してセンス電圧Vsを生成する。センス電圧Vsは、センス抵抗Rs*に流れる出力電流ILED(=平均インダクタ電流IL_ave)が大きいほど高くなり、出力電流ILEDが小さいほど低くなる。
【0065】
エラーアンプ17は、非反転入力端(+)に入力される基準電圧VISET(=アナログ調光電圧)と、反転入力端(-)に入力されるセンス電圧Vs(より正確には、オフセット電圧Vofsとセンス電圧Vsとの加算電圧)との差分に応じた電流出力を行い、不図示のキャパシタを充放電することにより、制御電圧Vcを生成する。なお、制御電圧Vcは、VISET>Vsであるときに上昇し、VISET<Vsであるときに低下する。
【0066】
コンパレータ18は、反転入力端(-)に入力されるスロープ電圧Vslpと、非反転入力端(+)に入力される制御電圧Vcとを比較することにより、セット信号SETを生成する。セット信号SETは、Vc<Vslpであるときにローレベルとなり、Vc>Vslpであるときにハイレベルとなる。従って、制御電圧Vcが低いほどセット信号SETの立上りタイミング(延いては上側スイッチ11Hのオンタイミング)が遅くなり、逆に、制御電圧Vcが高いほどセット信号SETの立上りタイミングが早くなる。
【0067】
なお、上記構成要素のうち、上側ドライバ12H及び下側ドライバ12L、コントローラ13、オン時間設定部14、スロープ電圧生成部15、センスアンプ16、エラーアンプ17、並びに、コンパレータ18は、ボトム検出オン時間固定方式の出力帰還制御部として機能し、スイッチ出力端子SW*から発光ダイオードLED*に供給される出力電流ILEDが所定の目標値と一致するように、上側スイッチ11H及び下側スイッチ11Lが相補的に駆動される。
【0068】
<出力帰還制御>
図4は、ボトム検出オン時間固定方式の出力帰還制御を示す図であり、上から順に、インダクタ電流ILとスイッチ電圧Vswが描写されている。
【0069】
上側スイッチ11Hがオフして下側スイッチ11Lがオンしている間、スイッチ電圧Vswは、ローレベル(=下側スイッチ11Lのドレイン・ソース間に生じる負電圧-VDSW)となる。このとき、PGND*ピンから下側スイッチ11Lを介してSW*ピンに流れるインダクタ電流ILは、インダクタL*のエネルギー放出に伴って減少していく。
【0070】
そして、インダクタ電流ILが制御電圧Vcに応じたボトム値IL_btmまで減少すると、Vc>Vslpとなり、セット信号SETがハイレベルに立ち上がる。その結果、上側スイッチ11Hがオンして下側スイッチ11Lがオフする。このとき、スイッチ電圧Vswがハイレベル(≒PVIN)となるので、PVINピンから上側スイッチ11Hを介してSW*ピンに流れるインダクタ電流ILが増大していく。
【0071】
その後、所定のオン時間Tonが経過すると、リセット信号RSTがハイレベルに立ち上がり、上側スイッチ11Hがオフして下側スイッチ11Lがオンするので、インダクタ電流ILが再び増大から減少に転じる。その結果、インダクタ電流ILは、ピーク値IL_pkとボトム値IL_btmとの間で増大と減少を繰り返すリップル波形となる。
【0072】
ここで、インダクタ電流ILのボトム値IL_btmは、センス電圧Vs(=平均インダクタ電流IL_aveに相当)と、基準電圧VISET(=平均インダクタ電流IL_aveの目標値に相当)との差分に応じて変動する。また、インダクタ電流ILのリップル振幅ΔIL(=IL_pk-IL_btm)は、オン時間Tonに応じて決定される。
【0073】
従って、上記一連の動作が繰り返されることにより、LEDドライバIC1では、平均インダクタ電流IL_ave(延いては出力電流ILED)が所定の目標値と一致するように、ボトム検出オン時間固定方式の出力帰還制御が行われる。
【0074】
ただし、LEDドライバIC1の出力帰還制御方式については、必ずしも上記に限定されるものではなく、例えば、ボトム検出オン時間固定方式に代えて、ピーク検出オフ時間固定方式を採用してもよいし、或いは、ヒステリシスウィンドウ方式を採用してもよい。若しくは、PWM[pulse width modulation]制御方式を採用することもできる。
【0075】
<電力損失>
図5は、LEDドライバIC1の電力損失を評価するための図である。なお、本図上段にはスイッチ電流Isw及びスイッチ電圧Vswが描写されており、本図下段には電力損失Psw(=Isw×Vsw)が描写されている。
【0076】
本図で示すように、LEDドライバIC1では、上側スイッチ11H及び下側スイッチ11Lそれぞれを相補的に駆動するときに、スイッチング損失Psw_loss(=Vbst×ILED/2+(Tsw_on+Tsw_off)×Fsw)と、導通損失Pcon_loss(=ILED×ILED×Fsw×(RonH×Ton+RonL×Toff))が生じる。
【0077】
特に、昇圧電圧Vbstが数十V(例えば65V)であって、かつ、スイッチング周波数Fswが数MHz(例えば2.2MHz)である場合には、上記したLEDドライバIC1の電力損失(=Psw_loss+Pcon_loss)が大きくなり、延いては、LEDドライバIC1の発熱が大きくなる。そのため、LEDドライバIC1のパッケージには、高い放熱性が求められる。
【0078】
<パッケージ>
図6及び図7は、それぞれ、LEDドライバIC1のパッケージを示す三面図(平面、正面、側面)及び斜視図である。ここで例示するパッケージ100は、48ピンのHTSSOP[heat-sink thin-shrink small outline package]であり、第1辺101、第2辺102、第3辺103、及び、第4辺104を持つ平面視矩形状(平面視長方形状)に形成されている。
【0079】
第1辺101は、第1の長辺(例えば12.5mm)に相当し、合計24本の外部端子が設けられている。なお、図6では、第1辺101の左端から右端に向けて、1ピン~24ピンが順次配列されている。
【0080】
第2辺102は、第1辺101と平行する第2の長辺に相当し、第1辺101と同様、合計24本の外部端子が設けられている。なお、図6では、第2辺102の右端から左端に向けて、25ピン~48ピンが順次配列されている。
【0081】
第3辺103は、第1辺101及び第2辺102と直交する第1の短辺(例えば6.1mm)に相当する。なお、第3辺103には外部端子が設けられていない。
【0082】
第4辺104は、第3辺103と平行して第1辺102及び第2辺102と直交する第2の短辺に相当する。なお、第4辺104にも外部端子は設けられていない。
【0083】
なお、上記48本の外部端子は、それぞれ、パッケージ100の長側面(=平面視での第1辺101及び第2辺102に相当)から外側に向けて導出されている。また、それぞれの外部端子は、パッケージ100の側面視において、根元部と先端部との間で段差を成すように途中で屈曲された形状(いわゆるガルウィング形状)とされている。
【0084】
また、パッケージ100のトップ面110(=プリント回路基板と対向しない第1主面に相当)には、放熱パッド111と1ピンマーク112が形成されている。一方、パッケージ100のボトム面120(=プリント回路基板と対向する第2主面に相当)には、何も形成されていない。
【0085】
放熱パッド111は、半導体チップを搭載するアイランドの裏面をパッケージ100のトップ面110に露出させたものである。なお、放熱パッド111のサイズについては、長辺長(=パッケージ100の長辺と平行する一辺の長さ)を第1辺101及び第2辺102の0.4倍程度(例えば5mm)とし、短辺長(=パッケージ100の短辺と平行する一辺の長さ)を第3辺103及び第4辺104の0.7倍程度(例えば4.2mm)とすればよい。
【0086】
このような放熱パッド111を設けることにより、パッケージ100の放熱性を高めることが可能となる。特に、パッケージ100のボトム面120ではなく、パッケージ100のトップ面110に放熱パッド111を露出させた構成であれば、放熱パッド111にヒートシンクを装着することができるので、パッケージ100の放熱性をさらに高めることが可能となる。
【0087】
図8は、LEDドライバIC1に取り付けられるヒートシンクの一例を示す斜視図である。本構成例のヒートシンク200は、基台部210(例えば60mm×50mm)と、複数枚の放熱フィン220(例えば50mm×50mm)と、を有する。
【0088】
基台部210のトップ面(=LEDドライバIC1のパッケージ100と対向しない第1主面に相当)には、複数枚の放熱フィン220が設けられている。このような構成とすることにより、ヒートシンク200の表面積を増やすことができるので、パッケージ100の放熱性を高めることが可能となる。なお、基台部210と放熱フィン220は、一体的に形成してもよいし、個別に形成して組み立ててもよい。
【0089】
ヒートシンク200をLEDドライバIC1に取り付けるときには、基台部210のボトム面(=LEDドライバIC1のパッケージ100と対向する第2主面に相当)に放熱グリス230を塗布し、LEDドライバIC1のパッケージ100(特に放熱パッド111)に貼り付けるとよい。
【0090】
図9は、LEDドライバIC1の熱抵抗を評価するための模式的な縦断面図である。本図で示すように、パッケージ100のトップ面110に放熱パッド111が露出されたLEDドライバIC1において、パッケージ100に封止された半導体チップ130からトップ面110までの熱抵抗θ1は、半導体チップ130からボトム面120までの熱抵抗θ2と比べて極めて小さくなる(θ1<<θ2、例えば、θ1=3℃/W、θ2=100℃/W)。従って、放熱パッド111(さらにはこれに取り付けられるヒートシンク200)から速やかに熱を逃がすことができるので、LEDドライバIC1の最大許容損失を高めることが可能となる。
【0091】
<ピン配置>
次に、これまでに説明してきたLEDドライバIC1について、PCBレイアウトを最適化することのできる新規なピン配置を提案する。
【0092】
図10Aは、LEDドライバIC1a(2ch)のピン配置(第1例)を示す平面図である。なお、図中の破線は、パワー電源端子(PVIN1、PVIN2)、パワー接地端子(PGND1、PGND2)、並びに、スイッチ出力端子(SW1、SW2)と、上側スイッチ11H及び下側スイッチ11Lとの接続関係を模式的に明示するための補助線であり、実際の配線パターンや素子形成パターンとは異なる。
【0093】
また、以下の説明では、パッケージ100の平面視において、第1辺101及び第2辺102の延びる第1方向をx方向(本図では紙面の上下方向)と呼び、これと直交する第2方向(=第3辺103及び第4辺104の延びる方向)をy方向(本図では紙面の左右方向)と呼ぶ。
【0094】
1ピン~3ピンには、第1チャンネルのパワー電源端子(PVIN1)が割り当てられている。5ピン~7ピン及び9ピンには、SPI通信用の外部端子群(SI、SCK、CSB、SO)が割り当てられている。11ピン~13ピン及び15ピンには、信号系の外部端子群(GND、TON、VIN、VREG5)が割り当てられている。22ピン~24ピンには、第2チャンネルのパワー電源端子(PVIN2)が割り当てられている。
【0095】
25ピン及び26ピンには、第2チャンネルの出力電流センス入力端子(SNSN2、SNSP2)が割り当てられている。28ピンには、第2チャンネルのブートストラップキャパシタ接続端子(BOOT2)が割り当てられている。30ピン~32ピンには、第2チャンネルのスイッチ出力端子(SW2)が割り当てられている。34ピン~36ピンには、第2チャンネルのパワー接地端子(PGND2)が割り当てられている。
【0096】
37ピン~39ピンには、第1チャンネルのパワー接地端子(PGND1)が割り当てられている。41ピン~43ピンには、第1チャンネルのスイッチ出力端子(SW1)が割り当てられている。45ピンには、第1チャンネルのブートストラップキャパシタ接続端子(BOOT1)が割り当てられている。47ピン及び48ピンには、第1チャンネルの出力電流センス入力端子(SNSN1、SNSP1)が割り当てられている。
【0097】
このように、本構成例のLEDドライバIC1aにおいて、パワー電源端子(PVIN1、PVIN2)は、パッケージ100の第1辺101(本図では左辺)に設けられている。一方、パワー接地端子(PGND1、PGND2)とスイッチ出力端子(SW1、SW2)は、パッケージ100の第2辺102(本図では右辺)に設けられている。
【0098】
図10Bは、LEDドライバIC1a(2ch)のピン配置(第2例)を示す平面図である。なお、図中の破線は、パワー電源端子(PVIN1、PVIN2)、パワー接地端子(PGND1、PGND2)、並びに、スイッチ出力端子(SW1、SW2)と、上側スイッチ11H及び下側スイッチ11Lとの接続関係を模式的に明示するための補助線であり、実際の配線パターンや素子形成パターンとは異なる。
【0099】
1ピン及び2ピンには、第1チャンネルの出力電流センス入力端子(SNSN1、SNSP1)が割り当てられている。3ピン、4ピン及び15ピンには、第1チャンネルのパワー接地端子(PGND1)が割り当てられている。6ピン及び7ピンには、第1チャンネルのスイッチ出力端子(SW1)が割り当てられている。8ピンには、第1チャンネルのブートストラップキャパシタ接続端子(BOOT1)が割り当てられている。
【0100】
16ピン、21ピン、22ピンには、第2チャンネルのパワー接地端子(PGND2)が割り当てられている。17ピンには、第2チャンネルのブートストラップキャパシタ接続端子(BOOT2)が割り当てられている。18ピンと19ピンには、第2チャンネルのスイッチ出力端子(SW2)が割り当てられている。23ピンと24ピンには、第2チャンネルの出力電流センス入力端子(SNSP2、SNSN2)が割り当てられている。
【0101】
25ピン及び33ピンには、第2チャンネルのパワー電源端子(PVIN2)が割り当てられている。34ピン及び48ピンには、第1チャンネルのパワー電源端子(PVIN1)が割り当てられている。
【0102】
36ピン~39ピンには、信号系の外部端子群(VIN、TON、5VREG及びGND)が割り当てられている。41ピン~43ピン及び45ピンには、SPI通信用の外部端子群(SI、SCK、CSB、SO)が割り当てられている。
【0103】
図10A及び図10Bから分かるように、パワー電源端子(PVIN1、PVIN2)をパッケージ100の第1辺101(本図では左辺)に設けるとともに、パワー接地端子(PGND1、PGND2)とスイッチ出力端子(SW1、SW2)をパッケージ100の第2辺102(本図では右辺)に設けるという基本コンセプトから逸脱しない限り、LEDドライバIC1a(2ch)のピン配置については、様々なバリエーションを考えることができる。
【0104】
図11Aは、LEDドライバIC1b(3ch)のピン配置(第1例)を示す平面図である。なお、図中の破線は、パワー電源端子(PVIN1~PVIN3)、パワー接地端子(PGND1~PGND3)、並びに、スイッチ出力端子(SW1~SW3)と、上側スイッチ11H及び下側スイッチ11Lとの接続関係を模式的に明示するための補助線であり、実際の配線パターンや素子形成パターンとは異なる。
【0105】
1ピン及び2ピンには、第1チャンネルのパワー電源端子(PVIN1)が割り当てられている。4ピン~6ピン及び8ピンには、SPI通信用の外部端子群(SI、SCK、CSB、及び、SO)が割り当てられている。10ピン~13ピンには、信号系の外部端子群(VREG5、GND、TON、VIN5)が割り当てられている。14ピン及び15ピンには、第2チャンネルのパワー電源端子(PVIN2)が割り当てられている。23ピン及び24ピンには、第3チャンネルのパワー電源端子(PVIN3)が割り当てられている。
【0106】
25ピン及び26ピンには、第3チャンネルのスイッチ出力端子(SW3)が割り当てられている。27ピンには、第3チャンネルのブートストラップキャパシタ接続端子(BOOT3)が割り当てられている。28ピン及び29ピンには、第3チャンネルのパワー接地端子(PGND3)が割り当てられている。30ピンと31ピンには、第3チャンネルの出力電流センス入力端子(SNSP3、SNSN3)が割り当てられている。
【0107】
34ピン及び35ピンには、第2チャンネルのスイッチ出力端子(SW2)が割り当てられている。36ピンには、第2チャンネルのブートストラップキャパシタ接続端子(BOOT2)が割り当てられている。37ピン及び38ピンには、第2チャンネルのパワー接地端子(PGND2)が割り当てられている。39ピンと40ピンには、第2チャンネルの出力電流センス入力端子(SNSP2、SNSN2)が割り当てられている。
【0108】
42ピン及び43ピンには、第1チャンネルの出力電流センス入力端子(SNSN1、SNSP1)が割り当てられている。44ピン及び45ピンには、第1チャンネルのパワー接地端子(PGND1)が割り当てられている。46ピンには、第1チャンネルのブートストラップキャパシタ接続端子(BOOT1)が割り当てられている。47ピン及び48ピンには、第1チャンネルのスイッチ出力端子(SW1)が割り当てられている。
【0109】
このように、本構成例のLEDドライバIC1bにおいて、パワー電源端子(PVIN1~PVIN3)は、パッケージ100の第1辺101(本図では左辺)に設けられている。一方、パワー接地端子(PGND1~PGND3)とスイッチ出力端子(SW1~SW3)は、パッケージ100の第2辺102(本図では右辺)に設けられている。
【0110】
図11Bは、LEDドライバIC1b(3ch)のピン配置(第2例)を示す平面図である。なお、図中の破線は、パワー電源端子(PVIN1、PVIN2)、パワー接地端子(PGND1、PGND2)、並びに、スイッチ出力端子(SW1~SW3)と、上側スイッチ11H及び下側スイッチ11Lとの接続関係を模式的に明示するための補助線であり、実際の配線パターンや素子形成パターンとは異なる。
【0111】
1ピン及び2ピンには、第1チャンネルの出力電流センス入力端子(SNSN1、SNSP1)が割り当てられている。3ピン及び4ピンには、第1チャンネルのパワー接地端子PGND1が割り当てられている。6ピン及び7ピンには、第1チャンネルのスイッチ出力端子(SW1)が割り当てられている。8ピンには、第1チャンネルのブートストラップキャパシタ接続端子(BOOT1)が割り当てられている。
【0112】
10ピンには、第3チャンネルのブートストラップキャパシタ接続端子(BOOT3)が割り当てられている。11ピン及び12ピンには、第3チャンネルのスイッチ出力端子(SW3)が割り当てられている。13ピン及び14ピンには、第3チャンネルの出力電流センス入力端子(SNSP3、SNSN3)が割り当てられている。15ピン及び16ピンには、第3チャンネルのパワー接地端子PGND3が割り当てられている。
【0113】
17ピンには、第2チャンネルのブートストラップキャパシタ接続端子(BOOT2)が割り当てられている。18ピン及び19ピンには、第2チャンネルのスイッチ出力端子(SW2)が割り当てられている。21ピン及び22ピンには、第2チャンネルのパワー接地端子(PGND2)が割り当てられている。23ピンと24ピンには、第2チャンネルの出力電流センス入力端子(SNSP2、SNSN2)が割り当てられている。
【0114】
25ピンには第2チャンネルのパワー電源端子(PVIN2)が割り当てられている。33ピンと34ピンには、第3チャンネルのパワー電源端子(PVIN3)が割り当てられている。48ピンには、第1チャンネルのパワー電源端子(PVIN1)が割り当てられている。
【0115】
36ピン~39ピンには、信号系の外部端子群(VIN、TON、5VREG及びGND)が割り当てられている。41ピン~43ピン及び45ピンには、SPI通信用の外部端子群(SI、SCK、CSB、SO)が割り当てられている。
【0116】
図11A及び図11Bから分かるように、パワー電源端子(PVIN1~PVIN3)をパッケージ100の第1辺101(本図では左辺)に設けるとともに、パワー接地端子(PGND1~PGND3)とスイッチ出力端子(SW1~SW3)をパッケージ100の第2辺102(本図では右辺)に設けるという基本コンセプトから逸脱しない限り、LEDドライバIC1b(3ch)のピン配置については、様々なバリエーションを考えることができる。
【0117】
<内部構造>
図12は、図10Aで示したLEDドライバIC1a(2ch)の内部構造を示す底面透視図(=パッケージ100をボトム面120から透視した図)である。従って、本図では、先出の図10Aと逆に、第1辺101が右辺となっており、第2辺102が左辺となっている。
【0118】
第1チャンネルの上側スイッチ11H(ch1)及び下側スイッチ11L(ch1)、並びに、第2チャンネルの上側スイッチ11H(ch2)及び下側スイッチ11L(ch2)がそれぞれ集積化された半導体チップ130は、平面視矩形状のアイランド140にダイボンディングされている。なお、アイランド140は、第3辺103に向けて延びる支持フレーム151、及び、第4辺104に向けて延びる支持フレーム152により、パッケージ100の内部で支持されている。また、アイランド140の裏面は、先の放熱パッド111として、パッケージ100のトップ面110に露出されている。
【0119】
上側スイッチ11H(ch1)のドレインパッドと3本のPVIN1ピンとの間には、それぞれ、ワイヤW11が張られている。上側スイッチ11H(ch1)のソースパッド及び下側スイッチ11L(ch1)のドレインパッドと3本のSW1ピンとの間には、それぞれ、ワイヤW12が張られている。下側スイッチ11L(ch1)のソースパッドと3本のPGND1ピンとの間には、それぞれ、ワイヤW13が張られている。
【0120】
上側スイッチ11H(ch2)のドレインパッドと3本のPVIN2ピンとの間には、それぞれ、ワイヤW21が張られている。上側スイッチ11H(ch2)のソースパッド及び下側スイッチ11L(ch2)のドレインパッドと3本のSW2ピンとの間には、それぞれ、ワイヤW22が張られている。下側スイッチ11L(ch2)のソースパッドと3本のPGND2ピンとの間には、それぞれ、ワイヤW23が張られている。
【0121】
なお、下側スイッチ11L(ch1/ch2)は、上側スイッチ11H(ch1/ch2)よりも素子サイズが大きい。このような素子設計によれば、下側スイッチ11L(ch1/ch2)の電流能力を上側スイッチ11H(ch1/ch2)の電流能力よりも高めることが可能となる。例えば、出力電力を一定に維持したい場合、出力電圧VLEDが高いほど出力電流ILEDを小さくし、逆に、出力電圧VLEDが低いほど出力電流ILEDを大きくする必要がある。すなわち、ハーフブリッジ出力段のオンデューティが低いほど大きい出力電流ILEDを流す必要があることから、上記の素子設計が有効となる。
【0122】
また、上側スイッチ11H(ch1)と下側スイッチ11L(ch1)、並びに、上側スイッチ11H(ch2)と下側スイッチ11L(ch2)は、それぞれ、半導体チップ130の平面視において、第1辺101と直交するy方向に沿って、図示の順序で縦列に配置されている。
【0123】
また、上側スイッチ11H(ch1/ch2)及び下側スイッチ11L(ch1/ch2)が形成されるスイッチ形成領域は、半導体チップ130の平面視において、パッケージ100の第2辺102寄りに偏在配置されている。
【0124】
さらに、第1チャンネルの上側スイッチ11H(ch1)及び下側スイッチ11L(ch1)は、それぞれ、第1チャンネルの外部端子群(PVIN1、PGND1、SW1)との距離ができるだけ近くなるように、半導体チップ130の平面視において、パッケージ100の第3辺103寄りに配置されている。
【0125】
一方、第2チャンネルの上側スイッチ11H(ch2)及び下側スイッチ11L(ch2)は、それぞれ、第2チャンネルの外部端子群(PVIN2、PGND、SW2)との距離ができるだけ近くなるように、半導体チップ130の平面視において、パッケージ100の第4辺104寄りに配置されている。
【0126】
このような素子レイアウトを採用することにより、ワイヤW11~W13、及び、ワイヤW21~W23それぞれの長さを最小限に短縮することができるので、それぞれの抵抗成分、容量成分、並びに、インダクタンス成分を極力低減することが可能となる。
【0127】
図13Aは、図11Aで示したLEDドライバIC1b(3ch)の内部構造を示す底面透視図である。従って、先出の図11Aと逆に、第1辺101が右辺となっており、第2辺102が左辺となっている。
【0128】
半導体チップ130には、第1チャンネルの上側スイッチ11H(ch1)及び下側スイッチ11L(ch1)、第2チャンネルの上側スイッチ11H(ch2)及び下側スイッチ11L(ch2)、並びに、第3チャンネルの上側スイッチ11H(ch3)及び下側スイッチ11L(ch3)がそれぞれ集積化されている。
【0129】
上側スイッチ11H(ch1)のドレインパッドと2本のPVIN1ピンとの間には、それぞれ、ワイヤW11が張られている。上側スイッチ11H(ch1)のソースパッド及び下側スイッチ11L(ch1)のドレインパッドと2本のSW1ピンとの間には、それぞれ、ワイヤW12が張られている。下側スイッチ11L(ch1)のソースパッドと2本のPGND1ピンとの間には、それぞれ、ワイヤW13が張られている。
【0130】
上側スイッチ11H(ch2)のドレインパッドと2本のPVIN2ピンとの間には、それぞれ、ワイヤW21が張られている。上側スイッチ11H(ch2)のソースパッド及び下側スイッチ11L(ch2)のドレインパッドと2本のSW2ピンとの間には、それぞれ、ワイヤW22が張られている。下側スイッチ11L(ch2)のソースパッドと2本のPGND2ピンとの間には、それぞれ、ワイヤW23が張られている。
【0131】
上側スイッチ11H(ch3)のドレインパッドと2本のPVIN3ピンとの間には、それぞれ、ワイヤW31が張られている。上側スイッチ11H(ch3)のソースパッド及び下側スイッチ11L(ch3)のドレインパッドと2本のSW3ピンとの間には、それぞれ、ワイヤW32が張られている。下側スイッチ11L(ch3)のソースパッドと2本のPGND3ピンとの間には、それぞれ、ワイヤW33が張られている。
【0132】
なお、下側スイッチ11L(ch1/ch2/ch3)は、上側スイッチ11H(ch1/ch2/ch3)よりも素子サイズが大きい。このような素子設計によれば、下側スイッチ11L(ch1/ch2/ch3)の電流能力を上側スイッチ11H(ch1/ch2/ch3)の電流能力よりも高めることが可能となる。例えば、出力電力を一定に維持したい場合、出力電圧VLEDが高いほど出力電流ILEDを小さくし、逆に、出力電圧VLEDが低いほど出力電流ILEDを大きくする必要がある。すなわち、ハーフブリッジ出力段のオンデューティが低いほど大きい出力電流ILEDを流す必要があることから、上記の素子設計が有効となる。
【0133】
また、上側スイッチ11H(ch1)と下側スイッチ11L(ch1)、上側スイッチ11H(ch2)と下側スイッチ11L(ch2)、並びに、上側スイッチ11H(ch3)と下側スイッチ11L(ch3)は、それぞれ、半導体チップ130の平面視において、第1辺101と直交するy方向に沿って、図示の順序で縦列に配置されている。
【0134】
また、上側スイッチ11H(ch1/ch2/ch3)及び下側スイッチ11L(ch1/ch2/ch3)が形成されるスイッチ形成領域は、半導体チップ130の平面視において、パッケージ100の第2辺102寄りに偏在配置されている。
【0135】
さらに、第1チャンネルの上側スイッチ11H(ch1)及び下側スイッチ11L(ch1)は、それぞれ、第1チャンネルの外部端子群(PVIN1、PGND1、SW1)との距離ができるだけ近くなるように、半導体チップ130の平面視において、パッケージ100の第3辺103寄りに配置されている。
【0136】
一方、第2チャンネルの上側スイッチ11H(ch2)及び下側スイッチ11L(ch2)は、それぞれ、第2チャンネルの外部端子群(PVIN2、PGND2、SW2)との距離ができるだけ近くなるように、半導体チップ130の平面視において、y方向中央部に配置されている。
【0137】
また、第3チャンネルの上側スイッチ11H(ch3)及び下側スイッチ11L(ch3)は、それぞれ、第3チャンネルの外部端子群(PVIN3、PGND3、SW3)との距離ができるだけ近くなるように、半導体チップ130の平面視において、パッケージ100の第4辺104寄りに配置されている。
【0138】
このような素子レイアウトを採用することにより、ワイヤW11~W13、ワイヤW21~W23、及び、ワイヤW31~W33それぞれの長さを最小限に短縮することができるので、それぞれの抵抗成分、容量成分、並びに、インダクタンス成分を極力低減することが可能となる。
【0139】
図13Bは、図11Bで示したLEDドライバIC1b(3ch)の内部構造を示す底面透視図である。従って、先出の図11Bと逆に、第1辺101が右辺となっており、第2辺102が左辺となっている。
【0140】
半導体チップ130には、第1チャンネルの上側スイッチ11H(ch1)及び下側スイッチ11L(ch1)、第2チャンネルの上側スイッチ11H(ch2)及び下側スイッチ11L(ch2)、並びに、第3チャンネルの上側スイッチ11H(ch3)及び下側スイッチ11L(ch3)がそれぞれ集積化されている。
【0141】
上側スイッチ11H(ch1)のドレインパッドとPVIN1ピンとの間には、ワイヤW11が張られている。上側スイッチ11H(ch1)のソースパッド及び下側スイッチ11L(ch1)のドレインパッドと2本のSW1ピンとの間には、それぞれ、ワイヤW12が張られている。下側スイッチ11L(ch1)のソースパッドと2本のPGND1ピンとの間には、それぞれ、ワイヤW13が張られている。
【0142】
上側スイッチ11H(ch2)のドレインパッドとPVIN2ピンとの間には、ワイヤW21が張られている。上側スイッチ11H(ch2)のソースパッド及び下側スイッチ11L(ch2)のドレインパッドと2本のSW2ピンとの間には、それぞれ、ワイヤW22が張られている。下側スイッチ11L(ch2)のソースパッドと2本のPGND2ピンとの間には、それぞれ、ワイヤW23が張られている。
【0143】
上側スイッチ11H(ch3)のドレインパッドとPVIN3ピン及びPVIN3(S)ピンとの間には、それぞれ、ワイヤW31が張られている。また、PVIN3(S)ピンと半導体チップ130のサブパッドとの間には、ワイヤW31Sが張られている。上側スイッチ11H(ch3)のソースパッド及び下側スイッチ11L(ch3)のドレインパッドと2本のSW3ピンとの間には、それぞれ、ワイヤW32が張られている。下側スイッチ11L(ch3)のソースパッドと2本のPGND3ピンとの間には、それぞれ、ワイヤW33が張られている。
【0144】
なお、下側スイッチ11L(ch1/ch2/ch3)は、上側スイッチ11H(ch1/ch2/ch3)よりも素子サイズが大きい。このような素子設計によれば、下側スイッチ11L(ch1/ch2/ch3)の電流能力を上側スイッチ11H(ch1/ch2/ch3)の電流能力よりも高めることが可能となる。例えば、出力電力を一定に維持したい場合、出力電圧VLEDが高いほど出力電流ILEDを小さくし、逆に、出力電圧VLEDが低いほど出力電流ILEDを大きくする必要がある。すなわち、ハーフブリッジ出力段のオンデューティが低いほど大きい出力電流ILEDを流す必要があることから、上記の素子設計が有効となる。
【0145】
また、上側スイッチ11H(ch1)と下側スイッチ11L(ch1)、上側スイッチ11H(ch2)と下側スイッチ11L(ch2)、並びに、上側スイッチ11H(ch3)と下側スイッチ11L(ch3)は、それぞれ、半導体チップ130の平面視において、第1辺101と直交するy方向に沿って、図示の順序で縦列に配置されている。
【0146】
また、上側スイッチ11H(ch1/ch2/ch3)及び下側スイッチ11L(ch1/ch2/ch3)が形成されるスイッチ形成領域は、半導体チップ130の平面視において、パッケージ100の第1辺101寄りに偏在配置されている。また、コントローラ13などが形成されるロジック形成領域は、半導体チップ130の平面視において、パッケージ100の第2辺寄りに偏在配置されている。
【0147】
さらに、第1チャンネルの上側スイッチ11H(ch1)及び下側スイッチ11L(ch1)は、それぞれ、第1チャンネルの外部端子群(PVIN1、PGND1、SW1)との距離ができるだけ近くなるように、半導体チップ130の平面視において、パッケージ100の第3辺103寄りに配置されている。
【0148】
一方、第2チャンネルの上側スイッチ11H(ch2)及び下側スイッチ11L(ch2)は、それぞれ、第2チャンネルの外部端子群(PVIN2、PGND2、SW2)との距離ができるだけ近くなるように、半導体チップ130の平面視において、パッケージ100の第4辺104寄りに配置されている。
【0149】
また、第3チャンネルの上側スイッチ11H(ch3)及び下側スイッチ11L(ch3)は、それぞれ、第3チャンネルの外部端子群(PVIN3、PGND3、SW3)との距離ができるだけ近くなるように、半導体チップ130の平面視において、y方向中央部に配置されている。
【0150】
このような素子レイアウトを採用することにより、ワイヤW11~W13、ワイヤW21~W23、及び、ワイヤW31~W33それぞれの長さを最小限に短縮することができるので、それぞれの抵抗成分、容量成分、並びに、インダクタンス成分を極力低減することが可能となる。
【0151】
また、本レイアウトでは、先出の図13Aと比べて、上側スイッチ11H(ch1/ch2/ch3)及び下側スイッチ11L(ch1/ch2/ch3)がそれぞれ縦長形状(x方向長がy方向長よりも大きい形状)に形成されている。その結果、PGNDピンをSW1~SW3ピンよりも第1辺101の端部側に配置しやすくなる。
【0152】
<PCBレイアウト>
次に、上記のピン配置により実現されるPCBレイアウトの最適化について、具体例を挙げながら詳細に説明する。
【0153】
図14Aは、図10Aで示したLEDドライバIC1a(2ch)が実装されるプリント回路基板のレイアウトを示す平面図である。本構成例のLEDランプモジュールXは、プリント回路基板300(以下、PCB300と呼ぶ)と、2チャンネルのLEDドライバIC1aと、これに外付けされる種々のディスクリート部品(本図では先出のキャパシタC11及びC21、キャパシタC13及びC23、インダクタL1及びL2、並びに、センス抵抗Rs1及びRs2のみを例示)と、発光ダイオードLED1及びLED2(不図示)と、を有する。また、本図では明示していないが、LEDドライバIC1aの放熱パッド111にはヒートシンク200が装着される。
【0154】
LEDドライバIC1aは、細実線で示したように、PCB300の第1主面(紙面表側)に実装されている。より具体的に述べると、LEDドライバIC1aは、図10を反時計回りに90度回転された状態で実装されている。すなわち、本図では、紙面左右方向が先述のx方向に相当し、紙面上下方向が先述のy方向に相当する。従って、パッケージ100の第1辺101に設けられたパワー電源端子(PVIN1、PVIN2)は、紙面下向きに導出されており、パッケージ100の第2辺102に設けられたパワー接地端子(PGND1、PGND2)及びスイッチ出力端子(SW1、SW2)は、紙面上向きに導出されている。
【0155】
一方、LEDドライバIC1aに接続される各種配線(パワー電源ライン310~312、パワー接地ライン320~322、スイッチ出力ライン331~333及び341~343、電源ライン360)、及び、各種ディスクリート部品(キャパシタC11及びC21、キャパシタC13及びC23、インダクタL1及びL2、センス抵抗Rs1及びRs2)は、破線で示したように、PCB300の第2主面(紙面裏側)に敷設ないし実装されている。以下、個別具体的に説明する。
【0156】
LEDドライバIC1aのパワー電源端子(PVIN1、PVIN2)に接続されるパワー電源ライン310の主幹部分、及び、LEDドライバIC1aのパワー接地端子(PGND1、PGND2)に接続されるパワー接地ライン320の主幹部分は、PCB300の平面視において、x方向(紙面左右方向)に沿って並列に敷設されている。
【0157】
また、パワー電源ライン310及びパワー接地ライン320それぞれの主幹部分は、PCB300の平面視において、LEDドライバIC1aのパッケージ100と重なるように敷設されている。
【0158】
本図に即して具体的に述べると、パワー電源ライン310の主幹部分は、第3辺103の外側からパッケージ100背面の第1辺101寄りを通過して第4辺104の外側に至るルートで直線的に敷設されている。
【0159】
一方、パワー接地ライン320の主幹部分は、パワー電源ライン310の主幹部分と所定のギャップを隔てつつ、第3辺103の外側からパッケージ100背面の第2辺102寄りを通過して第4辺104の外側に至るルートで直線的に敷設されている。
【0160】
なお、パワー電源ライン310の主幹部分とパワー接地ライン320の主幹部分との間には、キャパシタC11及びC21(=バイパスキャパシタ)が接続されている。特に、キャパシタC11及びC21は、本図で示したように、PCB300の平面視において、LEDドライバIC1aと重なるように実装するとよい。
【0161】
また、パワー電源ライン310には、主幹部分からそれぞれ分岐された支線部分311及び312が形成されている。本図に即して述べると、支線部分311及び312は、それぞれ、パッケージ100の背面を通るパワー電源ライン310の主幹部分から、パワー電源端子(PVIN1、PVIN2)に向けて紙面下向きに分岐されており、PCB300の第1主面と第2主面との間を貫通するビアやスルーホールなど(不図示)を介して、パワー電源端子(PVIN1、PVIN2)と電気的に導通される。
【0162】
また、パワー接地ライン320には、主幹部分からそれぞれ分岐された支線部分321及び322が形成されている。本図に即して述べると、支線部分321及び322は、それぞれ、パッケージ100の背面を通るパワー接地ライン320の主幹部分からパワー接地端子(PGND1、PGND2)に向けて紙面上向きに分岐されており、PCB300の第1主面と第2主面との間を貫通するビアやスルーホールなど(不図示)を介して、パワー接地端子(PGND1、PGND2)と電気的に導通される。なお、パワー接地ライン321、322は共用しても構わない。パワー接地ライン321、322を共用する場合、パワー電源ライン310の主幹部分から分岐された支線部分は1本のラインになる。
【0163】
第1チャンネルのスイッチ出力端子(SW1)と発光ダイオードLED1との間を導通するスイッチ出力ライン331~333は、スイッチ出力端子(SW1)の背面領域から紙面上向きに敷設されている。なお、スイッチ出力ライン331とスイッチ出力ライン332との間には、インダクタL1が実装される。また、スイッチ出力ライン332とスイッチ出力ライン333との間には、センス抵抗Rs1が実装される。また、スイッチ出力ライン333とこれに隣接する位置まで延出されたパワー接地ライン320の支線部分321との間には、キャパシタC13が実装される。
【0164】
第2チャンネルのスイッチ出力端子(SW2)と発光ダイオードLED2との間を導通するスイッチ出力ライン341~343は、スイッチ出力端子(SW2)の背面領域から紙面上向きに敷設されている。なお、スイッチ出力ライン341とスイッチ出力ライン342との間には、インダクタL2が実装される。また、スイッチ出力ライン342とスイッチ出力ライン343との間には、センス抵抗Rs2が実装される。また、スイッチ出力ライン343とこれに隣接する位置まで延出されたパワー接地ライン320の支線部分322との間には、キャパシタC23が実装される。
【0165】
また、本構成例のLEDランプモジュールXにおいて、複数のチャンネル毎に設けられるパワー電源端子(PVIN1、PVIN2)、スイッチ出力端子(SW1、SW2)、パワー接地端子(PGND1、PGND2)、及び、これらに外付けされるディスクリート部品(C11及びC21、C13及びC23、L1及びL2、Rs1及びRs2)、並びに、パワー電源ライン310の支線部分311及び312、パワー接地ライン320の支線部分321及び322、及び、スイッチ出力ライン331~333及び341~343は、第1チャンネルと第2チャンネルとの間で左右対称となるように配置されている。
【0166】
上記以外の外部端子及び配線についても簡単に説明しておく。パッケージ100の第1辺101に設けられたVINピンには、その背面領域から紙面下向きに敷設された電源ライン360が接続される。また、第1辺101に設けられたSPI通信端子(SI、SCK、CSB、SO)には、紙面下側からロジック信号が入力される。
【0167】
先述の図14Aは、同期整流方式のハーフブリッジ出力段を有するLEDドライバIC1a(2ch)が実装されるプリント回路基板のレイアウトを示す平面図である。一方、同期整流方式に代えてダイオード整流方式を採用するLEDドライバIC1a(2ch)が実装されるプリント回路基板のレイアウトを示す平面図は、図14Bのようになる。
【0168】
図14Bにおいて図14Aと相違する部分について説明する。ダイオードD11及びD21は、LEDドライバIC1aに外付けされるディスクリート部品である。ダイオードD11及びD21は、破線で示したように、PCB300の第2主面に実装されている。ダイオードD11は第1チャンネルの下側スイッチ11Lとして用いられ、ダイオードD21は第2チャンネルの下側スイッチ11Lとして用いられる。
【0169】
ダイオードD11は、ダイオードD11のカソード側端子がスイッチ出力ライン331と電気的に導通しダイオードD11のアノード側端子がパワー接地ライン320と電気的に導通するように実装するとよい。第1チャンネルの閉ループ(後述する図16参照)を小さくするために、ダイオードD11のアノード側端子はキャパシタC11にできるだけ近い位置に配置することが好ましい。
【0170】
ダイオードD21は、ダイオードD21のカソード側端子がスイッチ出力ライン341と電気的に導通しダイオードD21のアノード側端子がパワー接地ライン320と電気的に導通するように実装するとよい。第2チャンネルの閉ループ(後述する図16参照)を小さくするために、ダイオードD21のアノード側端子はキャパシタC21にできるだけ近い位置に配置することが好ましい。
【0171】
図14Bに示す構成例では、パワー接地端子PGND1、PGND2は第1チャンネルと第2チャンネルとにそれぞれ1つずつ設けられる。しかし、後述する図19のように、パワー接地端子を第1チャンネルと第2チャンネルとで共用しても構わない。
【0172】
次に、図14A及び図14Bに示すレイアウト以外のプリント回路基板のレイアウトについて説明する。図14Cは、同期整流方式のハーフブリッジ出力段を有するLEDドライバIC1a(2ch)が実装されるプリント回路基板の他のレイアウトを示す平面図である。図14Dは、ダイオード整流方式のハーフブリッジ出力段を有するLEDドライバIC1a(2ch)が実装されるプリント回路基板の他のレイアウトを示す平面図である。以下、図14Cにおいて図14Aと相違する部分及び図14Dにおいて図14Bと相違する部分について説明する。
【0173】
図14C及び図14Dに示すレイアウトは、図14A及び図14Bに示すレイアウトと比較して、パワー電源ライン310及びパワー接地ライン320を拡大している。そのため、図14C及び図14Dに示すレイアウトでは、図14A及び図14Bに示すレイアウトとは異なり、電源ライン360、ロジック信号を伝送するライン(不図示)、スイッチ出力ライン330、及びスイッチ出力ライン340がPCB300の第1主面に敷設されている。
【0174】
スイッチ出力ライン330は、第1チャンネルのスイッチ出力端子(SW1)とスイッチ出力ライン331との間を導通する。スイッチ出力ライン330は、PCB300の第1主面と第2主面との間を貫通するビアやスルーホールなど(不図示)を介してスイッチ出力ライン331と電気的に導通される。図14C及び図14Dに示すレイアウトでは、図14A及び図14Bに示すレイアウトとは異なり、PCB300の平面視においてスイッチ出力ライン331はスイッチ出力端子(SW1)と重ならない。
【0175】
スイッチ出力ライン340は、第2チャンネルのスイッチ出力端子(SW2)とスイッチ出力ライン341との間を導通する。スイッチ出力ライン340は、PCB300の第1主面と第2主面との間を貫通するビアやスルーホールなど(不図示)を介してスイッチ出力ライン341と電気的に導通される。図14C及び図14Dに示すレイアウトでは、図14A及び図14Bに示すレイアウトとは異なり、PCB300の平面視においてスイッチ出力ライン341はスイッチ出力端子(SW2)と重ならない。
【0176】
図15は、図11Aで示したLEDドライバIC1b(3ch)が実装載されるプリント回路基板のレイアウトを示す平面図である。本構成例のLEDランプモジュールXは、PCB300と、3チャンネルのLEDドライバIC1bと、これに外付けされる種々のディスクリート部品(本図では、先出のキャパシタC11、C21及びC31、キャパシタC13、C23及びC33、インダクタL1~L3、並びに、センス抵抗Rs1~Rs3のみを例示)と、発光ダイオードLED1~LED3(不図示)を有する。また、本図では明示していないが、LEDドライバIC1bの放熱パッド111にはヒートシンク200が装着される。
【0177】
LEDドライバIC1bは、細実線で示したように、PCB300の第1主面(紙面表側)に実装されている。より具体的に述べると、LEDドライバIC1bは、図11を反時計回りに90度回転された状態で実装されている。すなわち、本図では、紙面左右方向が先述のx方向に相当し、紙面上下方向が先述のy方向に相当する。従って、パッケージ100の第1辺101に設けられたパワー電源端子(PVIN1~PVIN3)は、紙面下向きに導出されており、パッケージ100の第2辺102に設けられたパワー接地端子(PGND1~PGND3)及びスイッチ出力端子(SW1~SW3)は、紙面上向きに導出されている。
【0178】
一方、LEDドライバIC1bに接続される各種配線(パワー電源ライン310~312、パワー接地ライン320~323、スイッチ出力ライン331~333、341~343及び351~353、電源ライン360)、及び、各種ディスクリート部品(キャパシタC11、C21及びC31、キャパシタC13、C23及びC33、インダクタL1~L3、センス抵抗Rs1~Rs3)は、破線で示したように、PCB300の第2主面(紙面裏側)に敷設ないし実装されている。以下、個別具体的に説明する。
【0179】
LEDドライバIC1bのパワー電源端子(PVIN1~PVIN3)に接続されるパワー電源ライン310の主幹部分、及び、LEDドライバIC1bのパワー接地端子(PGND1~PGND3)に接続されるパワー接地ライン320の主幹部分は、PCB300の平面視において、x方向(紙面左右方向)に沿って並列に敷設されている。
【0180】
また、パワー電源ライン310及びパワー接地ライン320それぞれの主幹部分は、PCB300の平面視において、LEDドライバIC1bのパッケージ100と重なるように敷設されている。
【0181】
本図に即して具体的に述べると、パワー電源ライン310の主幹部分は、第3辺103の外側からパッケージ100背面の第1辺101寄りを通過して第4辺104の外側に至るルートで直線的に敷設されている。
【0182】
一方、パワー接地ライン320の主幹部分は、パワー電源ライン310の主幹部分と所定のギャップを隔てつつ、第3辺103の外側からパッケージ100背面の第2辺102寄りを通過して第4辺104の外側に至るルートで直線的に敷設されている。
【0183】
なお、パワー電源ライン310の主幹部分とパワー接地ライン320の主幹部分との間には、キャパシタC11、C21及びC31(バイパスキャパシタ)が接続されている。特に、キャパシタC11、C21及びC31は、本図で示したように、PCB300の平面視において、LEDドライバIC1bと重なるように実装するとよい。
【0184】
また、パワー電源ライン310には、主幹部分からそれぞれ分岐された支線部分311~313が形成されている。本図に即して述べると、支線部分311~313は、それぞれ、パッケージ100の背面を通るパワー電源ライン310の主幹部分から、パワー電源端子(PVIN1~PVIN3)に向けて紙面下向きに分岐されており、PCB300の第1主面と第2主面との間を貫通するビアやスルーホールなど(不図示)を介して、パワー電源端子(PVIN1~PVIN3)と電気的に導通される。
【0185】
また、パワー接地ライン320には、主幹部分からそれぞれ分岐された支線部分321~323が形成されている。本図に即して述べると、支線部分321~323は、それぞれ、パッケージ100の背面を通るパワー接地ライン320の主幹部分から、パワー接地端子(PGND1~PGND3)に向けて紙面上向きに分岐されており、PCB300の第1主面と第2主面との間を貫通するビアやスルーホールなど(不図示)を介して、パワー接地端子(PGND1~PGND3)と電気的に導通される。
【0186】
第1チャンネルのスイッチ出力端子(SW1)と発光ダイオードLED1との間を導通するスイッチ出力ライン331~333は、スイッチ出力端子(SW1)の背面領域から紙面上向きに敷設されている。なお、スイッチ出力ライン331とスイッチ出力ライン332との間には、インダクタL1が実装される。また、スイッチ出力ライン332とスイッチ出力ライン333との間には、センス抵抗Rs1が実装される。また、スイッチ出力ライン333とこれに隣接する位置まで延出されたパワー接地ライン320の支線部分321との間には、キャパシタC13が実装される。
【0187】
第2チャンネルのスイッチ出力端子(SW2)と発光ダイオードLED2との間を導通するスイッチ出力ライン341~343は、スイッチ出力端子(SW2)の背面領域から紙面上向きに敷設されている。なお、スイッチ出力ライン341とスイッチ出力ライン342との間には、インダクタL2が実装される。また、スイッチ出力ライン342とスイッチ出力ライン343との間には、センス抵抗Rs2が実装される。また、スイッチ出力ライン343とこれに隣接する位置まで延出されたパワー接地ライン320の支線部分322との間には、キャパシタC23が実装される。
【0188】
第3チャンネルのスイッチ出力端子(SW3)と発光ダイオードLED3との間を導通するスイッチ出力ライン351~353は、スイッチ出力端子(SW3)の背面領域から紙面上向きに敷設されている。なお、スイッチ出力ライン351とスイッチ出力ライン352との間には、インダクタL3が実装される。また、スイッチ出力ライン352とスイッチ出力ライン353との間には、センス抵抗Rs3が実装される。また、スイッチ出力ライン353とこれに隣接する位置まで延出されたパワー接地ライン320の支線部分323との間には、キャパシタC33が実装される。
【0189】
また、本構成例のLEDランプモジュールXにおいて、複数のチャンネル毎に設けられるパワー電源端子(PVIN1~PVIN3)、スイッチ出力端子(SW1~SW3)、パワー接地端子(PGND1~PGND3)、及び、これらに外付けされるディスクリート部品(C11、C21及びC31、C13、C23及びC33、L1~L3、Rs1~Rs3)、並びに、パワー電源ライン310の支線部分311~313、パワー接地ライン320の支線部分321~323、及び、スイッチ出力ライン331~333、341~343及び351~353は、少なくとも2つのチャンネル相互間において、左右対称となるように配置されている。具体的には、第1チャンネルと第2チャンネルとの間、及び、第1チャンネルと第3チャンネルとの間で、それぞれの構成要素が左右対称となるように配置されている。
【0190】
上記以外の外部端子及び配線についても簡単に説明しておく。パッケージ100の第1辺101に設けられたVINピンには、その背面領域から紙面下向きに敷設された電源ライン360が接続される。また、第1辺101に設けられたSPI通信端子(SI、SCK、CSB、SO)には、紙面下側からロジック信号が入力される。
【0191】
なお、先述の図14Aから先述の図14B図14Dへの変更と同様の変更を、図15に対しても実施することができる。
【0192】
<バイパスキャパシタ>
次に、バイパスキャパシタとして機能するキャパシタC*1(ただし*=1、2または3)の最適な配置レイアウトについて、図面を参照しながら考察する。図16は、キャパシタC*1の閉ループ形成を示す図である。
【0193】
本図で示したように、第*チャンネルのキャパシタC*1は、上側スイッチ11H及び下側スイッチ11Lと共に、閉ループ(11H→PVIN*→C*1→PGND*→11L)を形成する。この閉ループが小さいほど電源変動に伴う過渡電流の影響を小さく抑えることが可能となる。そのため、キャパシタC*1は、上記の閉ループが最小となる位置に実装することが望ましい。
【0194】
具体的には、先出の図14A図14D及び図15で示したように、キャパシタC*1は、PCB300の平面視において、LEDドライバIC1aないしIC1bと重なるように実装することが望ましく、さらに言えば、PVIN*ピンとPGND*ピンとを結ぶ線分上(ないしはその近傍)に実装することが望ましい。
【0195】
<LEDドライバICの縦列配置>
図17は、LEDドライバIC1b(3ch)の縦列配置を示す図である。本構成例のLEDランプモジュールXにおいて、PCB300の第1主面には、x方向(紙面左右方向)に沿ってm個のLEDドライバIC1b(1)~1b(m)(ただしm≧2)が縦列に実装されている。
【0196】
なお、LEDドライバIC1b(1)~1b(m)では、それぞれ、先出の図11で示したピン配置が採用されている。従って、パワー電源ライン310及びパワー接地ライン320については、それぞれ、先出の図15で示したように、LEDドライバIC1b(1)~1b(m)それぞれの背面を通り抜けるように、x方向(紙面左右方向)に沿って一直線に敷設することができる。
【0197】
また、LEDドライバIC1b(1)~1b(m)それぞれのスイッチ出力ラインは、いずれも紙面上向きに導出することができるので、チャンネル数が増えても、全チャンネルの発光ダイオードLED1~LED(3m)をx方向(紙面左右方向)に沿って並べることが可能となる。
【0198】
このように、先出のピン配置を採用することにより、PCB300に敷設される配線パターンの単純化を図ることが可能となり、延いては、配線パターン同士の短絡防止や配線パターン面積縮小など、PCBレイアウトの最適化を実現することが可能となる。
【0199】
なお、本図では、LEDドライバIC1b(3ch)の縦列配置を例に挙げたが、LEDドライバIC1a(2ch)の縦列配置についても、上記と同様が言える。
【0200】
<比較例>
次に、これまでに説明してきたピン配置(図10図15)の作用効果をより明確に理解するために、先とは異なるピン配置を採用した比較例を挙げながら、PCBレイアウトの差異について説明する。
【0201】
図18は、先とは異なるピン配置を採用したLEDドライバIC1c(3ch)が実装されるプリント回路基板のレイアウトを示す平面図である。
【0202】
本図で示したように、LEDドライバIC1cでは、第1チャンネルの外部端子群(PVIN1、PGND1、SW1)がパッケージ100の第1辺101に集約して配置されている。一方、第2チャンネルの外部端子群(PVIN2、PGND2、SW2)、並びに、第3チャンネルの外部端子群(PVIN3、PGND3、SW3)は、それぞれ、パッケージ100の第2辺102に集約して配置されている。
【0203】
そのため、第1チャンネルの構成要素と、第2チャンネル及び第3チャンネルそれぞれの構成要素については、LEDドライバIC1cの両側に分離して敷設ないし配置せざるを得なくなる。
【0204】
本図に即して述べると、第1チャンネルの構成要素(パワー電源ライン411、パワー接地ライン420の支線部分421、スイッチ出力ライン431~433、キャパシタC11及びC13、インダクタL1、及び、センス抵抗Rs1)は、いずれも、パッケージ100の第1辺101側に配置されている。
【0205】
一方、第2チャンネルの構成要素(パワー電源ライン412、パワー接地ライン420の支線部分422、スイッチ出力ライン441~443、キャパシタC21及びC23、インダクタL2、及び、センス抵抗Rs2)は、いずれも、パッケージ100の第2辺102側に配置されている。
【0206】
また、第3チャンネルの構成要素(パワー電源ライン413、パワー接地ライン420の支線部分423、スイッチ出力ライン451~453、キャパシタC31及びC33、インダクタL3、及び、センス抵抗Rs3)は、いずれも、パッケージ100の第2辺102側に配置されている。
【0207】
このように、本比較例のピン配置を採用した場合には、PCB400に敷設される配線パターンが非常に複雑となる上、全チャンネルの発光ダイオードLED1~LED3をx方向(紙面左右方向)に並べて配置することができなくなる。
【0208】
一方、先に提案したピン配置(図10図15)を採用すれば、このような不具合を回避してPCBレイアウトを最適化することが可能となる。
【0209】
<変形例>
なお、これまで説明してきたピン配置やPCBレイアウトについては、種々の変形が可能である。以下、いくつかの変形例を挙げながら簡単に説明する。
【0210】
図19は、ピン配置の第1変形例を示す図である。本図で示したように、パワー接地端子(PGND)は、必ずしも複数のチャンネル毎に設ける必要はなく、複数のチャンネルで共用しても構わない。
【0211】
図20は、ピン配置の第2変形例を示す図である。本図で示したように、パワー電源端子(PVIN)は、必ずしも複数のチャンネル毎に設ける必要はなく、複数のチャンネルで共用しても構わない。
【0212】
図21は、ピン配置の第3変形例を示す図である。本図で示したように、第2辺102に設けられるパワー接地端子(PGND)及びスイッチ出力端子(SW)は、それぞれの位置を相互に入れ替えても構わない。
【0213】
図22は、ピン配置の第4変形例を示す図である。本図で示したように、信号系の電源端子(VIN)は、必ずしも第1辺101に設ける必要はなく、第2辺102に設けても構わない。
【0214】
図23は、PCBレイアウトの変形例を示す図である。本図で示したように、パワー電源ライン310及びパワー接地ライン320の少なくとも一方(本図ではパワー電源ライン310)は、パッケージ100と重ならない位置に敷設されていてもよい。
【0215】
図24は、QFP[quad flat package]の採用例を示す図である。本図で示したように、パッケージ100は、必ずしもSOPに限定されるものではなく、QFPを採用しても構わない。
【0216】
その場合、例えば、SW1ピン及びSW2ピンを第2辺102に配置し、第1チャンネルのPVIN1ピン及びPGND1ピンを第3辺103に配置し、第2チャンネルのPVIN2ピン及びPGND2ピンを第4辺104に配置するとよい。また、PVIN1ピン及びPVIN2ピンは、第1辺101寄りに配置し、PGND1ピン及びPGND2ピンは、第2辺102寄りに配置するとよい。さらに、PVIN1ピンとPVIN2ピンは、互いに対向する位置に配置するとよい。同様に、PGND1ピンとPGND2ピンは、互いに対向する位置に配置するとよい。
【0217】
このようなピン配置を採用することにより、パワー電源ライン310及びパワー接地ライン320は、先出の図14Aと同じく、並列かつ一直線に敷設することが可能となる。
【0218】
<同一面実装>
図25は、図11Bで示したLEDドライバIC1b(3ch)とこれに外付けされる複数のディスクリート部品が同一面に実装されるプリント回路基板のレイアウトを示す平面図である。本構成例のLEDランプモジュールXは、PCB300と、図11Bで示した3チャンネルのLEDドライバIC1b(本図では3つ)と、これらに外付けされる種々のディスクリート部品(本図では、キャパシタC、インダクタL及びセンス抵抗Rを例示)と、発光ダイオードLED1~LED9(不図示)を有する。また、本図では明示していないが、LEDドライバIC1bの放熱パッド111にはヒートシンク200が装着されている。
【0219】
LEDドライバIC1bは、細実線で示したように、PCB300の第1主面(紙面表側)に実装される。また、LEDドライバIC1bに接続される各種配線及び各種ディスクリート部品のうち、少なくとも一部については、実線で示したように、PCB300の第1主面(紙面表側)に敷設ないし実装されており、その余について、破線で示したように、PCB300の第2主面(紙面裏側)に敷設ないし実装されている。以下、個別具体的に説明する。
【0220】
LEDドライバIC1bのパワー電源端子(PVIN1~PVIN3)に接続されるパワー電源ライン310の主幹部分は、PCB300の第1主面において、LEDドライバIC1bのパッケージ100と重ならない位置で、x方向に沿って敷設されている。
【0221】
一方、LEDドライバIC1bのパワー接地端子(PGND1~PGND3)に接続されるパワー接地ライン320の主幹部分は、PCB300の第2主面において、LEDドライバIC1bのパッケージ100と重なる位置で、x方向に沿って敷設されている。
【0222】
また、パワー電源ライン310には、主幹部分からそれぞれ分岐された支線部分311~313が形成されている。本図に即して述べると、支線部分311~313は、それぞれ、PCB300の第1主面において、パワー電源ライン310の主幹部分からパワー電源端子(PVIN1~PVIN3)に向けて分岐されており、パワー電源端子(PVIN1~PVIN3)と電気的に導通される。
【0223】
また、パワー接地ライン320には、主幹部分からそれぞれ分岐された支線部分321~325が形成されている。本図に即して述べると、支線部分321~323は、それぞれ、PCB300の第2主面において、パワー接地ライン320の主幹部分からパワー接地端子(PGND1~PGND3)に向けて分岐されており、PCB300の第1主面と第2主面との間を貫通するビアやスルーホールなど(不図示)を介して、パワー接地端子(PGND1~PGND3)と電気的に導通される。
【0224】
また、支線部324は、PCB300の第2主面において、パワー接地ライン320の主幹部分からパワー電源ライン310の支線部311~313に向けて分岐されている。なお、パワー電源ライン310の分岐部分311~313とパワー接地ライン320の分岐部分324との間には、バイパスキャパシタCが実装される。
【0225】
一方、支線部325は、PCB300の第2主面において、パワー接地ライン320の主幹部分から後出のスイッチ出力ライン333~353に向けて分岐されている。
【0226】
LEDドライバIC1bそれぞれのスイッチ出力端子(SW1)に接続されるスイッチ出力ライン331~333は、PCB300の第1主面において、対応する発光ダイオード(本図ではLED3、LED6及びLED9)に向けて敷設されている。なお、スイッチ出力ライン331とスイッチ出力ライン332との間には、PCB300の第1主面において、インダクタLが実装される。また、スイッチ出力ライン332とスイッチ出力ライン333との間には、PCB300の第1主面において、センス抵抗Rが実装される。また、スイッチ出力ライン333とこれに隣接する位置まで延出されたパワー接地ライン320の支線部分325との間には、PCB300の第1主面において、出力キャパシタCが実装される。
【0227】
LEDドライバIC1bそれぞれのスイッチ出力端子(SW2)に接続されるスイッチ出力ライン341~343は、PCB300の第1主面において、対応する発光ダイオード(本図ではLED1、LED4及びLED7)に向けて敷設されている。なお、スイッチ出力ライン341とスイッチ出力ライン342との間には、PCB300の第1主面において、インダクタLが実装される。また、スイッチ出力ライン342とスイッチ出力ライン343との間には、PCB300の第1主面において、センス抵抗Rが実装される。また、スイッチ出力ライン343とこれに隣接する位置まで延出されたパワー接地ライン320の支線部分325との間には、PCB300の第1主面において、出力キャパシタCが実装される。
【0228】
LEDドライバIC1bそれぞれのスイッチ出力端子(SW3)に接続されるスイッチ出力ライン351~353は、PCB300の第1主面において、対応する発光ダイオード(本図ではLED2、LED5及びLED8)に向けて敷設されている。なお、スイッチ出力ライン351とスイッチ出力ライン352との間には、PCB300の第1主面において、インダクタLが実装される。また、スイッチ出力ライン352とスイッチ出力ライン353との間には、PCB300の第1主面において、センス抵抗Rが実装される。また、スイッチ出力ライン353とこれに隣接する位置まで延出されたパワー接地ライン320の支線部分323との間には、PCB300の第1主面において、出力キャパシタCが実装される。
【0229】
なお、本図では明示していないが、PCB300の第2主面には、小信号系のディスクリート部品を実装するとよい。
【0230】
また、LEDドライバICとこれに外付けされるディスクリート部品をプリント配線基板の同一面に実装する上で、LEDドライバICのチャンネル数及びピン配置はいずれも不問である。すなわち、本図では、図11Bで示したLEDドライバIC1b(3ch)に限らず、図11Aで示したLEDドライバIC1b(3ch)、並びに、図10A及び図10Bで示したLEDドライバIC1a(2ch)のいずれでも、ディスクリート部品との同一面実装は可能である。
【0231】
図26は、図25のα-β断面を示す図である。先にも述べたように、図25のLEDランプモジュールXにおいて、3つのLEDドライバIC1bとこれらに外付けされるディスクリート部品の少なくとも一部(インダクタL、センス抵抗R、出力キャパシタC)は、いずれもPCB300の同一面(第1主面)に実装されている。
【0232】
従って、LEDドライバIC1bに取り付けられるヒートシンク200の形状を工夫することにより、PCB300の同一面に実装されたLEDドライバIC1b及びディスクリート部品(インダクタLなど)の双方に共通してヒートシンク200を装着することが可能となる。
【0233】
例えば、本図で示したように、ヒートシンク200の基台部210からインダクタLの上部に向けて伸びる延出部240を設けて、そのボトム面に放熱グリス250を塗布し、インダクタLのトップ面に貼り付けるとよい。このような構成であれば、LEDドライバIC1bのみならず、ディスクリート部品の放熱性を高めることも可能となる。
【0234】
例えば、本図で示したように、同じ高さのディスクリート部品を一列に並べると、ヒートシンク200(特に延出部240)の形状設計が容易となる。また、本図では、LEDドライバIC1bとインダクタLがヒートシンク200に接合されているが、その他のディスクリート部品についても必要に応じてヒートシンク200に接合することができる。
【0235】
<その他の変形例>
このように、本明細書中に開示されている種々の技術的特徴は、上記実施形態のほか、その技術的創作の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加えることが可能である。すなわち、上記実施形態は、全ての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきであり、本発明の技術的範囲は、上記実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内に属する全ての変更が含まれると理解されるべきである。
【産業上の利用可能性】
【0236】
本明細書中に開示されている発明は、例えば、車載用のLEDランプモジュールに搭載されるマルチチャンネルのLEDドライバICに利用することが可能である。
【符号の説明】
【0237】
1、1a、1b LEDドライバIC(半導体装置)
2 昇圧回路
3 MCU
11H 上側スイッチ(NMOSFET)
11L 下側スイッチ(NMOSFET)
12H 上側ドライバ
12L 下側ドライバ
13 コントローラ
14 オン時間設定部
15 スロープ電圧生成部
16 センスアンプ
17 エラーアンプ
18 コンパレータ
100 パッケージ
101 第1辺
102 第2辺
103 第3辺
104 第4辺
110 トップ面
111 放熱パッド
112 1ピンマーク
120 ボトム面
130 半導体チップ
140 アイランド
151、152 支持フレーム
200 ヒートシンク
210 基台部
220 放熱フィン
230 放熱グリス
240 延出部
250 放熱グリス
300 プリント回路基板
310 パワー電源ライン(主幹部分)
311、312、313 パワー電源ライン(支線部分)
320 パワー接地ライン(主幹部分)
321、322、323、324、325 パワー接地ライン(支線部分)
330~333、340~343、351~353 スイッチライン
360 電源ライン
C1、C2、C11~C13、C21~C23、C31~C33 キャパシタ
D1、D11、D21 ダイオード
L1、L2、L3 インダクタ
LED1、LED2、LED3 発光ダイオード
R1、R2 抵抗
Rs1、Rs2、Rs3 センス抵抗
W11~W13、W21~W23、W31~W33 ワイヤ
X LEDランプモジュール
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10A
図10B
図11A
図11B
図12
図13A
図13B
図14A
図14B
図14C
図14D
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26