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特開2025-10097ガルバニック分離器を使用した高圧ゲート駆動集積回路
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025010097
(43)【公開日】2025-01-20
(54)【発明の名称】ガルバニック分離器を使用した高圧ゲート駆動集積回路
(51)【国際特許分類】
   H10D 1/20 20250101AFI20250109BHJP
【FI】
H01L27/04 L
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024107408
(22)【出願日】2024-07-03
(31)【優先権主張番号】10-2023-0087259
(32)【優先日】2023-07-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】520051230
【氏名又は名称】ウェラング・カンパニー・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】▲黄▼ 鐘泰
【テーマコード(参考)】
5F038
【Fターム(参考)】
5F038AZ04
5F038EZ20
(57)【要約】
【課題】ガルバニック分離器を使用した高圧ゲート駆動集積回路を提供する。
【解決手段】基板上において、第1集積回路を含む第1領域、基板上において、第2集積回路を含む第2領域、及び基板上において、第1領域と第2領域との間の第3領域を含み、第1領域及び第2領域のうち少なくとも一つは、基板上において、第1集積回路及び第2集積回路の間に、ガルバニック分離(galvanic isolation)を提供する少なくとも1つのパターンを含む装置でもある。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板上において、第1集積回路を含む第1領域と、
前記基板上において、第2集積回路を含む第2領域と、
前記基板上において、前記第1領域と前記第2領域との間の第3領域と、を含み、
前記第1領域及び前記第2領域のうち少なくとも一つは、前記基板上において、前記第1集積回路及び前記第2集積回路の間に、ガルバニック分離を提供する少なくとも1つのパターンを含むことを特徴とする装置。
【請求項2】
前記少なくとも1つのパターンは、
第1導電層において、第1キャパシタの第1電極、及び第2キャパシタの第1電極にそれぞれ対応する第1パターン及び第2パターンと、
第2導電層において、前記第1キャパシタの第2電極、及び前記第2キャパシタの第2電極にそれぞれ対応する第3パターン及び第4パターンと、を含むことを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記少なくとも1つのパターンは、
前記第1導電層において、第3キャパシタの第1電極、及び第4キャパシタの第1電極にそれぞれ対応する第5パターン及び第6パターンと、
前記第2導電層において、前記第3キャパシタの第2電極、及び前記第4キャパシタの第2電極にそれぞれ対応する第7パターン及び第8パターンと、をさらに含み、
前記第1パターンないし前記第4パターンは、前記第1領域に含まれ、
前記第5パターンないし前記第8パターンは、前記第2領域に含まれ、
前記第1パターン及び前記第5パターンは、前記第3領域を横切るパターンを介し、相互電気的に連結され、
前記第2パターン及び前記第6パターンは、前記第3領域を横切るパターンを介し、相互電気的に連結されることを特徴とする請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記第1キャパシタの前記第1電極と、前記第2キャパシタの前記第1電極との間に直列連結された第1インダクタ及び第2インダクタをさらに含み、
前記第1インダクタ及び前記第2インダクタが連結されたノードは、第1電圧にバイアシングされることを特徴とする請求項2に記載の装置。
【請求項5】
前記第1インダクタと誘導結合された第3インダクタと、
前記第2インダクタと誘導結合された第4インダクタと、をさらに含むことを特徴とする請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記少なくとも1つのパターンは、
第1導電層において、第1キャパシタの第1電極、及び第2キャパシタの第2電極にそれぞれ対応する第1パターン及び第2パターンと、
第2導電層において、前記第1キャパシタの第2電極、及び前記第2キャパシタの第2電極にそれぞれ対応する第3パターン及び第4パターンと、を含むことを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記少なくとも1つのパターンは、
第1導電層において直列連結された第1インダクタ及び第2インダクタにそれぞれ対応する第1パターン及び第2パターンと、
第2導電層において直列連結され、前記第1インダクタ及び前記第2インダクタとそれぞれ誘導結合された第3インダクタ及び第4インダクタにそれぞれ対応する第3パターン及び第4パターンと、を含むことを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記第1インダクタ及び前記第2インダクタが連結されたノードは、第1電圧にバイアシングされ、
前記第3インダクタ及び前記第4インダクタが連結されたノードは、第2電圧にバイアシングされることを特徴とする請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記少なくとも1つのパターンは、
前記第1導電層において直列連結された第5インダクタ及び第6インダクタにそれぞれ対応する第5パターン及び第6パターンと、
前記第2導電層において直列連結され、前記第5インダクタ及び前記第6インダクタとそれぞれ誘導結合された第7インダクタ及び第8インダクタにそれぞれ対応する第7パターン及び第8パターンと、をさらに含み、
前記第1パターンないし前記第4パターンは、前記第1領域に含まれ、
前記第5パターンないし前記第8パターンは、前記第2領域に含まれ、
前記第1パターン及び前記第5パターンは、前記第3領域を横切るパターンを介し、相互電気的に連結され、
前記第2パターン及び前記第6パターンは、前記第3領域を横切るパターンを介し、相互電気的に連結されることを特徴とする請求項7に記載の装置。
【請求項10】
前記第1インダクタ及び前記第2インダクタが連結されたノードは、第1電圧にバイアシングされ、
前記第5インダクタ及び前記第6インダクタが連結されたノードは、第2電圧にバイアシングされることを特徴とする請求項9に記載の装置。
【請求項11】
前記第3領域は、前記基板上において、前記第2領域を取り囲むことを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項12】
前記第3領域は、
前記基板上において、前記第2領域を取り囲む第1ドーピング領域と、
前記基板上において、前記第1ドーピング領域を取り囲む第2ドーピング領域と、
前記基板上において、前記第2ドーピング領域を取り囲む第3ドーピング領域と、を含み、
前記第2ドーピング領域及び前記第3ドーピング領域は、第1電位にバイアシングされ、
前記第2ドーピング領域は、電気的にフローティングされることを特徴とする請求項11に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、接合分離(junction isolation)基盤の高圧ゲート駆動IC(integrated circuit)に係り、詳細には、ガルバニック分離器をレベルシフタとして使用した高圧ゲート駆動ICに関する。
【背景技術】
【0002】
低い駆動電圧でもって高い電圧において動作するスイッチング素子を駆動するために、高圧ゲート駆動回路が使用されうる。該高圧ゲート駆動回路は、低電圧の信号を、高電圧のレベル信号に転換するために、一般的に、高圧MOSFET(metal-oxide-semiconductor field-effect transistor)素子を利用したレベルシフタ(level shifter)を使用しうる。電力消耗を少なくするために、入力信号の立ち上がり/立ち下がり(rising/falling)エッジ(edge)情報だけレベルシフタを利用して伝達し、該信号から、ラッチ(latch)回路を利用し、高圧レベルにおいて駆動信号を再現する場合、ノイズにより、ラッチの情報が損傷され、それにより、深刻な誤動作が生じうる。
【0003】
変調器(modulator)でもって該ガルバニック分離器を駆動し、復調器(demodulator)で信号を受信する方法を適用することにより、ラッチ回路を除去する場合、高い信頼性を満足するゲート駆動回路を具現しうる。しかしながら、該ガルバニック分離器に基づくゲート駆動回路は、絶縁を満足するために、変調器回路と復調器回路とが電気的に絶縁されなければならないので、1枚のウェーハ(wafer)でもって具現するのが容易ではないのである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示の技術的思想は、半導体技術を利用し、1枚のウェーハにおいて、低圧側変調器部分と、高圧側復調器部分とを具現し、この2回路間の信号伝達のために、ガルバニック分離器を使用することにより、高い信頼性を有する高圧ゲート駆動集積回路、及びそれを含む半導体パッケージを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の技術的思想の一態様による装置は、基板上において、第1集積回路を含む第1領域、該基板上において、第2集積回路を含む第2領域、並びに該基板上において、該第1領域と該第2領域との間の第3領域を含み、該第1領域及び該第2領域のうち少なくとも一つは、基板上において、該第1集積回路と該第2集積回路とのガルバニック分離(galvanic isolation)を提供する少なくとも1つのパターンを含むものでもある。
【0006】
本開示の例示的実施形態により、第1導電層において、第1キャパシタの第1電極、及び第2キャパシタの第1電極にそれぞれ対応する第1パターン及び第2パターン、並びに第2導電層において、第1キャパシタの第2電極、及び第2キャパシタの第2電極にそれぞれ対応する第3パターン及び第4パターンを含むものでもある。
【0007】
本開示の例示的実施形態により、少なくとも1つのパターンは、第1導電層において、第3キャパシタの第1電極、及び第4キャパシタの第1電極にそれぞれ対応する第5パターン及び第6パターン、及び第2導電層において、第3キャパシタの第2電極、及び第4キャパシタの第2電極にそれぞれ対応する第7パターン及び第8パターンをさらに含むものでもあり、第1パターンないし第4パターンは、第1領域に含まれ、第5パターンないし第8パターンは、第2領域に含まれ、該第1パターン及び該第5パターンは、第3領域を横切るパターンを介し、相互電気的に連結され、該第2パターン及び該第6パターンは、該第3領域を横切るパターンを介し、相互電気的に連結されうる。
【0008】
本開示の例示的実施形態により、装置は、第1キャパシタの第1電極と、第2キャパシタの第1電極との間に直列連結された第1インダクタ及び第2インダクタをさらに含むものでもあり、該第1インダクタ及び該第2インダクタの連結されたノードは、第1電圧にバイアシングされうる。
【0009】
本開示の例示的実施形態により、装置は、第1インダクタと誘導結合された第3インダクタ、及び第2インダクタと誘導結合された第4インダクタをさらに含むものでもある。
【0010】
本開示の例示的実施形態により、少なくとも1つのパターンは、第1導電層において、第1キャパシタの第1電極、及び第2キャパシタの第2電極にそれぞれ対応する第1パターン及び第2パターン、及び第2導電層において、第1キャパシタの第2電極、及び第2キャパシタの第2電極にそれぞれ対応する第3パターン及び第4パターンを含むものでもある。
【0011】
本開示の例示的実施形態により、少なくとも1つのパターンは、第1導電層において直列連結された第1インダクタ及び第2インダクタにそれぞれ対応する第1パターン及び第2パターン、及び第2導電層において直列連結され、第1インダクタ及び第2インダクタとそれぞれ誘導結合された第3インダクタ及び第4インダクタにそれぞれ対応する、第3パターン及び第4パターンを含むものでもある。
【0012】
本開示の例示的実施形態により、第1インダクタ及び第2インダクタが連結されたノードは、第1電圧にバイアシングされ、第3インダクタ及び第4インダクタが連結されたノードは、第2電圧にバイアシングされうる。
【0013】
本開示の例示的実施形態により、少なくとも1つのパターンは、第1導電層において直列連結された第5インダクタ及び第6インダクタにそれぞれ対応する第5パターン及び第6パターン、及び第2導電層において直列連結され、第5インダクタ及び第6インダクタとそれぞれ誘導結合された第7インダクタ及び第8インダクタにそれぞれ対応する、第7パターン及び第8パターンをさらに含むものでもあり、該第1パターンないし該第4パターンは、第1領域に含まれ、該第5パターンないし該第8パターンは、第2領域に含まれ、該第1パターン及び該第5パターンは、第3領域を横切るパターンを介し、相互電気的に連結され、該第2パターン及び該第6パターンは、該第3領域を横切るパターンを介し、相互電気的に連結されうる。
【0014】
本開示の例示的実施形態により、第1インダクタ及び第2インダクタが連結されたノードは、第1電圧にバイアシングされ、第5インダクタ及び第6インダクタが連結されたノードは、第2電圧にバイアシングされうる。
【0015】
本開示の例示的実施形態により、第3領域は、基板上において、第2領域を取り囲むことができる。
【0016】
本開示の例示的実施形態により、第3領域は、基板上において、第2領域を取り囲む第1ドーピング領域、基板上において、第1ドーピング領域を取り囲む第2ドーピング領域、及び基板上において、第2ドーピング領域を取り囲む第3ドーピング領域を含み、該第2ドーピング領域及び該第3ドーピング領域は、第1電位にバイアシングされ、該第2ドーピング領域は、電気的にフローティングされうる。
【発明の効果】
【0017】
本開示の例示的実施形態による装置によれば、1つのチップでもって、高圧ゲート駆動回路を具現するとき、ガルバニック分離器をレベルシフタとして使用し、信号伝達が可能であり、高圧MOSFETを使用したレベルシフタ回路より誤動作問題を抑制し、それにより、高い信頼性を要求する多様な光電力アプリケーションに容易に採用されうる。
【0018】
また、本開示の例示的実施形態による装置によれば、信号の急激な変化による誤動作が防止され、それにより、高信頼度を有するガルバニック分離が提供されうる。
【0019】
本開示の例示的実施形態で得ることができる効果は、以上で言及された効果に制限されるものではなく、言及されていない他の効果は、以下の記載から、本開示の例示的実施形態が属する技術分野において通常の知識を有する者により、明確に導き出されて理解されうるであろう。すなわち、本開示の例示的実施形態を実施することによる意図しない効果も、本開示の例示的実施形態から、当該技術分野の通常の知識を有する者によって導き出されうるのである。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本開示の例示的実施形態による、高圧MOSFETレベルシフタを使用した高圧ゲート駆動回路の例示である。
図2】本開示の例示的実施形態による装置を示すブロック図である。
図3】本開示の例示的実施形態により、図2の信号を示すタイミング図である。
図4A】本開示の例示的実施形態によるガルバニック分離器の例示を示す回路図である。
図4B】本開示の例示的実施形態によるガルバニック分離器の例示を示す回路図である。
図5A】本開示の例示的実施形態によるガルバニック分離器の例示を示す回路図である。
図5B】本開示の例示的実施形態によるガルバニック分離器の例示を示す回路図である。
図6】本開示の例示的実施形態による装置のレイアウトを示す図である。
図7A】本開示の例示的実施形態による装置のレイアウトを示す図である。
図7B】本開示の例示的実施形態による装置のレイアウトを示す図である。
図8A】本開示の例示的実施形態による装置のレイアウトを示す図である。
図8B】本開示の例示的実施形態による装置のレイアウトを示す図である。
図9A】本開示の例示的実施形態によるガルバニック分離器の例示を示す回路図である。
図9B】本開示の例示的実施形態によるガルバニック分離器の例示を示す回路図である。
図9C】本開示の例示的実施形態によるガルバニック分離器の例示を示す回路図である。
図10A】本開示の例示的実施形態によるガルバニック分離器の例示を示す回路図である。
図10B】本開示の例示的実施形態によるガルバニック分離器の例示を示す回路図である。
図11】本開示の例示的実施形態による装置のレイアウトを示す図である。
図12】本開示の例示的実施形態による装置のレイアウトを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、添付図面を参照し、本発明の実施形態について詳細に説明する。本発明の実施形態は、当業界において平均的な知識を有する者に、本発明についてさらに完全に説明するために提供されるものである。本発明は、多様な変更を加えることができ、さまざまな形態を有することができるが、特定実施形態を図面に例示し、詳細に説明する。しかしながら、それらは、本発明を、特定の開示形態について限定するものではなく、本発明の思想及び技術範囲に含まれる全ての変更、均等物ないし代替物を含むものであると理解されなければならない。各図面について説明しながら、類似した参照符号を、類似した構成要素について使用する。添付図面において、構造物の寸法は、本発明の明確性を期するために、実際より拡大されたり縮小されたりして図示されてもいる。
【0022】
本出願で使用した用語は、単に特定の実施形態についての説明に使用されたものであり、本発明を限定する意図ではない。単数の表現は、文脈上明白に取り立てて意味しない限り、複数の表現を含む。本出願において、「含む」または「有する」というような用語は、明細書上に記載された特徴、数、段階、動作、構成要素、部分品、またはそれらの組み合わせが存在するということを指定するものであり、1またはそれ以上の他の特徴、数、段階、動作、構成要素、部分品、またはそれらの組み合わせの存在または付加の可能性を事前に排除するものではないと理解されなければならない。
【0023】
取り立てて定義されない限り、技術的であったり科学的であったりする用語を含み、ここで使用される全ての用語は、本発明が属する技術分野において通常の知識を有する者により、一般的に理解されるところと同一の意味を有する。一般的に使用される、事前に定義されているような用語は、関連技術の文脈上で有する意味と一致する意味を有すると解釈されなければならず、本出願で明白に定義しない限り、理想的であったり、過度に形式的であったりする意味に解釈されるものではない。
【0024】
本明細書において、X軸方向及びY軸方向は、第1水平方向及び第2水平方向とそれぞれ称され、Z軸方向は、垂直方向と称されうる。X軸及びY軸によってなる平面は、水平面と称され、他の構成要素よりも、相対的に+Z方向に配された構成要素は、他の構成要素上にあると称され、他の構成要素よりも、相対的に-Z方向に配された構成要素は、他の構成要素の下にあると称されうる。また、該構成要素の面積は、水平面と平行な面において、構成要素が占める大きさを称し、該構成要素の幅は、構成要素が延長される方向と直交する方向の長さを称しうる。+Z方向に露出された表面は、上面(top surface)と称され、-Z方向に露出された表面は、下面(bottom surface)と称され、±X方向または±Y方向に露出された表面は、側面と称されうる。図解の便宜上、図面において、一部層だけが図示され、配線層のような伝導層のパターンのように、伝導性物質によって構成されるパターンは、伝導性パターンと称され、単にパターンとも称される。
【0025】
図1は、本開示の例示的実施形態による、入力パルス信号でもって、高電位で動作するスイッチング素子M1を駆動する高圧ゲート駆動回路10を示す図面である。立ち上がりエッジパルス生成器11及び立ち下がりエッジパルス生成器12は、入力パルス信号の立ち上がり/立ち下がりエッジ情報を、2つの高圧MOSFET(metal-oxide-semiconductor field-effect transistor)MA,MBに提供し、2つの高圧MOSFET MA,MBは、高圧回路領域HSDCに信号の情報を伝達しうる。従って、2つの高圧MOSFET MA,MBをレベルシフタ(level shifter)素子として活用している。高圧回路領域HSDCにおいては、パルス入力検出器13が2つの抵抗R1,R2にそれぞれ連結された2つの高圧MOSFET MA,MBによる信号を検出し、検出された信号を基に、SRラッチ14の状態を、設定信号Sまたはリセット信号Rを使用し、ロジックレベル1またはロジックレベル0に決定する。それにより、入力パルス信号を高圧回路領域HSDCで再現することができ、該信号を、ゲートドライバ15を利用し、スイッチング素子M1を駆動するのに適する信号(Vgate)に転換し、スイッチを駆動する。
【0026】
図1の高圧ゲート駆動回路10を、例えば、図6に図示されているように、半導体技術でもって、1枚のウェーハ上で具現が可能である。例えば、低電圧駆動回路は、図6の第1集積回路IC1で具現され、高圧駆動部回路は、図6の第2集積回路IC2で具現されうる。第1集積回路IC1と第2集積回路IC2とのリング(ring)構造は、2領域間において、高圧を維持するための領域になる。そのような方式は、シリコン接合(silicon junction)を利用した分離(isolation)方式と称され、例えば、ウェーハのグラウンド基準でもって、高電圧方向あるいは低電圧方向に駆動信号を生成しうる。
【0027】
それにより、全ての回路が、1枚のウェーハに具現が可能であるので、作製が容易であり、低い費用が達成されうる。しかしながら、非常に大きい大きさのノイズが高圧回路領域HSDCに印加される場合、ノイズにより、SRラッチ14の状態が変わってしまう。SRラッチ14は、入力パルス信号のエッジ情報によって決定されるので、SRラッチ14に誤動作が生じる場合、新たな入力パルスが印加されるまでは、エラーを補正することができなくなる。しかしながら、図2を参照して後述されるガルバニック絶縁装置を使用したゲート駆動回路は、ラッチ回路が必要ないので、そのような誤動作から比較的自由であるために、高い信頼性でもって、スイッチ素子の駆動が可能であり、絶縁駆動により、スイッチ電圧を自由に設定可能しうる。ただし、変調器回路と復調器回路も絶縁されなければならないので、別途のチップに具現され、組み立て過程も、複雑であり、高い費用が生じうる。
【0028】
スイッチ電圧は、入力よりも高く、単方向だけに制御されれば、十分でもある。それにより、接合分離技法を使用するのが有利でもある。それにより、図面を参照して後述されるように、接合分離技法を使用するものの、ガルバニック絶縁器をレベルシフタとして使用し、低価格と高信頼性とを満足する高圧ゲート駆動半導体チップを、1枚のウェーハで具現することができる。
【0029】
図2は、本開示の例示(装置100)を示すブロック図である。図2に図示されているように、装置100は、送信機120、ガルバニック分離器140及び受信機160を含むものでもある。送信機120及び受信機160は、異なる基準電位をそれぞれ有し、ガルバニック分離器140は、送信機120と受信機160との間において、情報を含む信号を伝達しうる。
【0030】
一部実施形態において、装置100は、TV(television)、PC(personal computer)のような電子機器、車両、PM(personal mobility)のような運送手段などでもあり、前述のものなどに含まれる部品でもありうる。一部実施形態において、装置100は、半導体工程によって製造されたチップ(または、ダイ)に対応しうる。例えば、送信機120、ガルバニック分離器140及び受信機160は、ウェーハをダイシング(dicing)することによって製造される1つのチップに含まれ、該チップはパッケージングされうる。図面を参照して後述されるように、1つのチップにおいてガルバニック分離が提供され、それにより、多様なアプリケーションにおいて、ガルバニック分離が容易に採用されうる。
【0031】
送信機120は、変調器122を含むものでもある。変調器122は、入力信号INを受信し、入力信号INを変調することによって変調された信号MODを生成しうる。一部実施形態において、変調器122は、OOK(on/off keying)に基づき、入力信号INから変調された信号MODを生成しうる。入力信号INは、受信機160に提供する情報を含み、送信機120内部で生成されるか、あるいは送信機120の外部から受信されうる。一部実施形態において、ガルバニック分離器140は、インダクタを含み、変調器122は、ガルバニック分離器140に含まれたインダクタに基づく共振周波数を使用し、変調された信号MODを生成しうる。入力信号IN及び変調された信号MODの例示が、図3を参照して後述される。
【0032】
ガルバニック分離器140は、送信機120から変調された信号MODを受信し、変調された信号MODから誘導された信号MOD’を生成しうる。一部実施形態において、誘導された信号MOD’は、変調された信号MODから減衰された信号に対応しうる。図面を参照して後述されるように、ガルバニック分離器140は、少なくとも1つのパターンを含み、少なくとも1つのパターンは、キャパシタ及び/またはインダクタを形成しうる。
【0033】
受信機160は、復調器162を含むものでもある。復調器162は、誘導された信号MOD’を受信し、誘導された信号MOD’を復調することによって出力信号OUTを生成しうる。一部実施形態において、復調器162は、OOK(on/off keying)に基づき、誘導された信号MOD’から出力信号OUTを生成しうる。出力信号OUTは、入力信号INに含まれた情報を含むものでもある。一部実施形態において、出力信号OUTを増幅するドライバが受信機160に含まれるか、あるいは受信機160の外部から、装置100に含まれうる。
【0034】
送信機120及び受信機160は、チップにおいて分離された領域にそれぞれ含まれうる。例えば、送信機120は、集積回路として第1領域に含まれ、受信機160は、集積回路として第2領域に含まれ、該第1領域及び該第2領域は、離隔されうる。一部実施形態において、図6を参照して後述されるように、該第1領域と該第2領域との間の第3領域は、該第1領域と該第2領域との間の高電圧を分離する構造を有しうる。離隔された第1領域及び第2領域の間においてガルバニック分離器140は、ガルバニック分離を提供し、それにより、送信機120及び受信機160が、1つのチップに具現されうる。本明細書において、該第1領域が送信機120を含み、該第2領域が受信機160を含むと仮定されるが、該第1領域が受信機160を含み、該第2領域が送信機120を含みうるという点が留意される。
【0035】
図3は、本開示の例示的実施形態による、図2の信号を示すタイミング図である。図3は、例示に過ぎず、図2の信号が、図3の例示に制限されるものではないという点が留意される。図解の便宜上、図3において、信号間の遅延は、無視される。以下において、図3は、図2を参照して説明される。
【0036】
図3を参照すれば、入力信号INは、活性化状態または非活性化状態を有するパルス信号でもある。例えば、図3に図示されているように、入力信号INは、時間t1及び時間t3で活性化されうる一方、時間t2及び時間t4で非活性化されうる。変調器122は、入力信号INの活性化に応答して振動する変調された信号MODを生成しうる。例えば、図3に図示されているように、変調された信号MODは、時間t1ないし時間t2で振動し、時間t3ないし時間t4で振動しうる。
【0037】
ガルバニック分離器140は、振動した変調された信号MODから、振動する誘導された信号MOD’を生成しうる。例えば、図3に図示されているように、誘導された信号MOD’は、時間t1ないし時間t2で振動し、時間t3ないし時間t4で振動しうる。図3に図示されているように、誘導された信号MOD’の大きさ(すなわち、振幅または波高値)は、変調された信号MODよりも小さい。復調器162は、振動する誘導された信号MOD’に応答して活性化された出力信号OUTを生成しうる。例えば、図3に図示されているように、出力信号OUTは、時間t1ないし時間t2で活性化され、時間t3ないし時間t4で活性化されうる。
【0038】
図4A及び図4Bは、本開示の例示的実施形態によるガルバニック分離器の例示を示す回路図である。例えば、図4A及び図4Bの回路図は、図2のガルバニック分離器140の等価回路を示す。図4A及び図4Bに図示されているように、ガルバニック分離器140は、高い耐圧を有するキャパシタを含むものでもある。以下において、図4A及び図4Bに係わる説明において、相互重複する内容は、省略されるのである。
【0039】
一部実施形態において、図2の変調された信号MOD、及び誘導された信号MOD’は、差動(differential)信号でもあり、ガルバニック分離器300a,300bそれぞれは、変調された信号MODを受信する端子T11,T12、及び誘導された信号MOD’が出力される端子T21,T22を含むものでもある。一部実施形態において、変調された信号MODが端子T21,T22に印加され、誘導された信号MOD’が端子T11,T12に出力されうる。図4A及び図4Bに図示されているように、ガルバニック分離器300a,300bは、差動信号のためにバランシングされた(balanced)構造を有しうる。
【0040】
図4Aを参照すれば、ガルバニック分離器300aは、第1キャパシタC1及び第2キャパシタC2を含むものでもある。第1キャパシタC1は、端子T11,T21間に連結され、第2キャパシタC2は、端子T12,T22間に連結されうる。送信側及び受信側は、第1キャパシタC1及び第2キャパシタC2によって相互分離され(isolated)、第1キャパシタC1及び第2キャパシタC2それぞれは、要件による絶縁耐圧を有しうる。一部実施形態において、図7Aを参照して後述されるように、第1キャパシタC1及び第2キャパシタC2は、第1領域及び第2領域のうち一つに含まれるパターンによって形成されうる。
【0041】
図4Bを参照すれば、ガルバニック分離器300bは、第1キャパシタC1ないし第4キャパシタC4を含むものでもある。第1キャパシタC1及び第3キャパシタC3は、端子T11,T21間において直列連結され、第2キャパシタC2及び第4キャパシタC4は、端子T12,T22間において直列連結されうる。一部実施形態において、図7Bを参照して後述されるように、第1キャパシタC1及び第2キャパシタC2は、第1領域及び第2領域のうち1つの領域に形成され、第3キャパシタC3及び第4キャパシタC4は、第1領域及び第2領域のうち他の領域に形成されうる。また、第1キャパシタC1及び第3キャパシタC3は、第3領域を横切るパターンによって相互連結され、第2キャパシタC2及び第4キャパシタC4も、第3領域を横切るパターンによって相互連結されうる。図4Aのガルバニック分離器300aと比較するとき、図4Bのガルバニック分離器300bは、第1領域と第2領域との間において、さらに高い耐圧を提供しうる一方、さらに広い面積を占めうる。
【0042】
図5A及び図5Bは、本開示の例示的実施形態によるガルバニック分離器の例示を示す回路図である。例えば、図5A及び図5Bの回路図は、図2のガルバニック分離器140の等価回路を示す。図5A及び図5Bに図示されているように、ガルバニック分離器140は、高い耐圧を有するトランスフォーマを含むものでもある。以下において、図5A及び図5Bに係わる説明において、相互重複する内容は、省略される。
【0043】
一部実施形態において、図2の変調された信号MOD、及び誘導された信号MOD’は、差動信号でもあり、ガルバニック分離器400a,400bそれぞれは、変調された信号MODを受信する端子T11,T12、及び誘導された信号MOD’が出力される端子T21,T22を含むものでもある。一部実施形態において、変調された信号MODが端子T21,T22に印加され、誘導された信号MOD’が端子T11,T12に出力されうる。図5A及び図5Bに図示されているように、ガルバニック分離器400a,400bは、差動信号のためにバランシングされた構造を有しうる。
【0044】
図5Aを参照すれば、ガルバニック分離器400aは、端子T11,T12間に直列連結された第1インダクタL11,L12、及び端子T21,T22間に直列連結された第2インダクタL21,L22を含むものでもある。第1インダクタL11,L12は、第2インダクタL21,L22と、結合係数kでもって誘導結合されうる。送信側及び受信側は、相互絶縁された第1インダクタL11,L12及び第2インダクタL21,L22によって相互分離され、第1インダクタL11,L12及び第2インダクタL21,L22は、要件による絶縁耐圧を有しうる。一部実施形態において、図8Aを参照して後述されるように、第1インダクタL11,L12及び第2インダクタL21,L22は、第1領域及び第2領域のうち一つに含まれるパターンによって形成されうる。
【0045】
図5Bを参照すれば、ガルバニック分離器400bは、複数のインダクタを含むものでもある。第1インダクタL11,L12は、端子T11,T12間に直列連結されうる。相互直列連結された第2インダクタL21,L22、及び相互直列連結された第3インダクタL31,L32は、相互並列連結されうる。第4インダクタL41,L42、端子T21,T22間に直列連結されうる。図5Bに図示されているように、第1インダクタL11,L12は、第2インダクタL21,L22と、結合係数kでもって誘導結合され、第4インダクタL41,L42、第3インダクタL31,L32と、結合係数kでもって誘導結合されうる。一部実施形態において、図8Bを参照して後述されるように、第1インダクタL11,L12及び第2インダクタL21,L22は、第1領域及び第2領域のうち1つの領域に形成され、第3インダクタL31,L32及び第4インダクタL41,L42は、第1領域及び第2領域のうち他の領域に形成されうる。また、第2インダクタL21,L22及び第3インダクタL31,L32は、第3領域を横切るパターンによって相互連結されうる。図5Aのガルバニック分離器400aと比較するとき、図5Bのガルバニック分離器400bは、第1領域及び第2領域の間において、さらに高い耐圧を提供しうる一方、さらに広い面積を占めうる。
【0046】
図6は、本開示の例示的実施形態による装置のレイアウト500を示す図面である。例えば、図6の上部は、レイアウト500の平面図を示し、図6の下部は、レイアウト500を、線X1’-X1に沿って切った断面図を示す。図面を参照して説明したように、レイアウト500は、半導体工程によって製造され、1つのチップ(または、ダイ)に含まれうる。図解の便宜上、図6において、一部構成要素だけが図示される。
【0047】
図6を参照すれば、レイアウト500は、第1領域51、第2領域52及び第3領域53を含むものでもある。第1領域51及び第2領域52は、第3領域53によって分離され、第3領域53は、第2領域52を、基板上において取り囲みうる。第1領域51は、第1集積回路IC1を含み、第2領域52は、第2集積回路IC2を含むものでもある。例えば、第1集積回路IC1は、図2の送信機120を含み、第2集積回路IC2は、図2の受信機160を含むものでもある。他方、第1集積回路IC1は、図2の受信機160を含み、第2集積回路IC2は、図2の送信機120を含むものでもある。以下において、第1集積回路IC1は、図2の送信機120を含み、第2集積回路IC2は、図2の受信機160を含むと仮定されるが、本開示の例示的実施形態は、それに制限されるものではないという点が留意される。
【0048】
第3領域53は、第1領域51と第2領域52との間の高耐圧を提供する構造を有しうる。例えば、図6に図示されているように、第3領域53は、基板上において、第2領域52を取り囲む第1ドーピング領域R1、基板上において、第1ドーピング領域R1を取り囲む第2ドーピング領域R2、及び基板上において、第2ドーピング領域R2を取り囲む第3ドーピング領域R3を含むものでもある。一部実施形態において、第1ドーピング領域R1ないし第3ドーピング領域R3は、p型を有しうる。
【0049】
図6に図示されているように、第1ドーピング領域R1は、基板上において、n型領域を分離し、第3ドーピング領域R3も、基板上において、n型領域を分離しうる。第2ドーピング領域R2及び第3ドーピング領域R3は、ビア及び金属パターンによって電気的に連結され、第1電位(例えば、接地電位)にバイアシングされうる。第2ドーピング領域R2は、第1ドーピング領域R1及び第3ドーピング領域R3より広幅を有しうる。第1ドーピング領域R1は、電気的にフローティングされうる。第3領域53は、図6に図示されているところに制限されるものではないという点が留意される。
【0050】
図7A及び図7Bは、本開示の例示的実施形態による装置のレイアウトを示す図面である。例えば、図7Aは、図4Aのガルバニック分離器300aに対応するレイアウト600aの平面図、及び線X2-X2’に沿って切った断面図を示し、図7Bは、図4Bのガルバニック分離器300bに対応するレイアウト600bの平面図、及び線X3-X3’に沿って切った断面図を示す。以下において、図7A及び図7Bは、図4A図4B及び図6を参照して説明される。
【0051】
図7Aを参照すれば、レイアウト600aは、ガルバニック分離器300aを形成するパターンを含むものでもある。導電層Mxの第1パターンP1及び第2パターンP2は、第1キャパシタC1の第1電極、及び第2キャパシタC2の第1電極にそれぞれ対応し、導電層Maの第3パターンP3及び第4パターンP4は、第1キャパシタC1の第2電極、及び第2キャパシタC2の第2電極にそれぞれ対応しうる。図7Aに図示されているように、第1パターンP1及び第3パターンP3は、第1距離D1ほど離隔され、第1距離D1に依存する耐圧を有する第1キャパシタC1を形成しうる。
【0052】
導電層Mxの第5パターンP5は、第1パターンP1に連結され、第3領域63を横切って延長されうる。また、導電層Mxの第6パターンP6は、第2パターンP2に連結され、第3領域63を横切って延長されうる。第1パターンP1ないし第4パターンP4が第1領域に形成される場合、第3パターンP3及び第4パターンP4は、第1領域の第1集積回路に電気的に連結され、第5パターンP5及び第6パターンP6は、第2領域の第2集積回路に電気的に連結されうる。他方、第1パターンP1ないし第4パターンP4が第2領域に形成される場合、第3パターンP3及び第4パターンP4は、第2領域の第2集積回路に電気的に連結され、第5パターンP5及び第6パターンP6は、第1領域の第1集積回路に電気的に連結されうる。一部実施形態において、導電層Mxは、最上位(top)配線層に対応しうる。
【0053】
図7Bを参照すれば、レイアウト600bは、ガルバニック分離器300bを形成するパターンを含むものでもある。導電層Mxの第1パターンP1及び第2パターンP2は、第1キャパシタC1の第1電極、及び第2キャパシタC2の第1電極にそれぞれ対応し、導電層Maの第3パターンP3及び第4パターンP4は、第1キャパシタC1の第2電極、及び第2キャパシタC2の第2電極にそれぞれ対応しうる。また、導電層Mxの第5パターンP5及び第6パターンP6は、第3キャパシタC3の第1電極、及び第4キャパシタC4の第1電極にそれぞれ対応し、導電層Maの第7パターンP7及び第8パターンP8は、第3キャパシタC3の第2電極、及び第4キャパシタC4の第2電極にそれぞれ対応しうる。図7Bに図示されているように、第1パターンP1及び第3パターンP3は、第1距離D1ほど離隔され、第1距離D1に依存する耐圧を有する第1キャパシタC1を形成しうる。第5パターンP5及び第7パターンP7は、第1距離D1ほど離隔され、第1距離D1に依存する耐圧を有する第3キャパシタC3を形成しうる。
【0054】
導電層Mxの第9パターンP9は、第1パターンP1及び第5パターンP5に連結され、第3領域63を横切って延長されうる。また、導電層Mxの第10パターンP10は、第2パターンP2及び第6パターンP6に連結され、第3領域63を横切って延長されうる。第1パターンP1ないし第4パターンP4が第1領域に形成され、第5パターンP5ないし第8パターンP8が第2領域に形成される場合、第3パターンP3及び第4パターンP4は、第1領域の第1集積回路に電気的に連結され、第7パターンP7及び第8パターンP8は、第2領域の第2集積回路に電気的に連結されうる。他方、第1パターンP1ないし第4パターンP4が第2領域に形成され、第5パターンP5ないし第8パターンP8が第1領域に形成される場合、第3パターンP3及び第4パターンP4は、第2領域の第2集積回路に電気的に連結され、第7パターンP7及び第8パターンP8は、第1領域の第1集積回路に電気的に連結されうる。一部実施形態において、導電層Mxは、最上位配線層に対応しうる。
【0055】
図8A及び図8Bは、本開示の例示的実施形態による装置のレイアウトを示す図面である。例えば、図8Aは、図5Aのガルバニック分離器400aに対応するレイアウト700aの平面図、及び線X4-X4’に沿って切った断面図を示し、図8Bは、図5Bのガルバニック分離器400bに対応するレイアウト700bの平面図、及び線X5-X5’に沿って切った断面図を示す。以下において、図8A及び図8Bは、図5A図5B及び図6を参照して説明される。
【0056】
図8Aを参照すれば、レイアウト700aは、ガルバニック分離器400aを形成するパターンを含むものでもある。導電層Mxの第1パターンP1及び第2パターンP2は、相互直列連結された第1インダクタL11,L12にそれぞれ対応し、導電層Maの第3パターンP3及び第4パターンP4は、相互直列連結された第2インダクタL21,L22にそれぞれ対応しうる。図8Aに図示されているように、第1パターンP1及び第3パターンP3は、垂直方向に重畳され、それにより、第1インダクタL11及び第2インダクタL21が誘導結合されうる。第1パターンP1及び第7パターンP7は、第2距離D2ほど離隔され、第1インダクタL11及び第2インダクタL21は、第2距離D2に依存する耐圧を有しうる。
【0057】
導電層Myの第5パターンP5は、ビアを介して第1パターンP1に連結され、第3領域73を横切って延長されうる。導電層Myの第6パターンP6は、ビアを介して第2パターンP2に連結され、第3領域73を横切って延長されうる。導電層Mbの第7パターンP7は、ビアを介して第3パターンP3に連結され、導電層Mbの第8パターンP8は、ビアを介して第4パターンP4に連結されうる。第1パターンP1ないし第4パターンP4が第1領域に形成される場合、第7パターンP7及び第8パターンP8は、第1領域の第1集積回路に電気的に連結され、第5パターンP5及び第6パターンP6は、第2領域の第2集積回路に電気的に連結されうる。他方、第1パターンP1ないし第4パターンP4が第2領域に形成される場合、第7パターンP7及び第8パターンP8は、第2領域の第2集積回路に電気的に連結され、第5パターンP5及び第6パターンP6は、第1領域の第1集積回路に電気的に連結されうる。
【0058】
図8Bを参照すれば、レイアウト700bは、ガルバニック分離器400bを形成するパターンを含むものでもある。導電層Mxの第1パターンP1及び第2パターンP2は、相互直列連結された第1インダクタL11,L12にそれぞれ対応し、導電層Maの第3パターンP3及び第4パターンP4は、相互直列連結された第2インダクタL21,L22にそれぞれ対応しうる。また、導電層Mxの第5パターンP5及び第6パターンP6は、相互直列連結された第3インダクタL31,L32にそれぞれ対応し、導電層Maの第7パターンP7及び第8パターンP8は、相互直列連結された第4インダクタL41,L42にそれぞれ対応しうる。図8Bに図示されているように、第1パターンP1及び第3パターンP3は、垂直方向に重畳され、それにより、第1インダクタL11及び第2インダクタL21が誘導結合されうる。また、第5パターンP5及び第7パターンP7は、垂直方向に重畳され、それにより、第3インダクタL31及び第4インダクタL41が誘導結合されうる。第1パターンP1及び第11パターンP11は、第2距離D2ほど離隔され、第1インダクタL11及び第2インダクタL12は、第2距離D2に依存する耐圧を有しうる。また、第5パターンP5及び第7パターンP7は、第2距離D2ほど離隔され、第3インダクタL31及び第4インダクタL41は、第2距離D2に依存する耐圧を有しうる。
【0059】
導電層Myの第9パターンP9は、ビアを介して第1パターンP1及び第5パターンP5に連結され、第3領域73を横切って延長されうる。導電層Myの第10パターンP10は、ビアを介して第2パターンP2及び第6パターンP6に連結され、第3領域73を横切って延長されうる。導電層Mbの第11パターンP11は、ビアを介して第3パターンP3に連結され、導電層Mbの第12パターンP12は、ビアを介して第4パターンP4に連結されうる。導電層Mbの第13パターンP13は、ビアを介して第7パターンP7に連結され、導電層Mbの第14パターンP14は、ビアを介して第8パターンP8に連結されうる。第1パターンP1ないし第4パターンP4が第1領域に形成され、第5パターンP5ないし第8パターンP8が第2領域に形成される場合、第11パターンP11及び第12パターンP12は、第1領域の第1集積回路に電気的に連結され、第13パターンP13及び第14パターンP14は、第2領域の第2集積回路に電気的に連結されうる。他方、第1パターンP1ないし第4パターンP4が第2領域に形成され、第5パターンP5ないし第8パターンP8が第1領域に形成される場合、第11パターンP11及び第12パターンP12は、第2領域の第2集積回路に電気的に連結され、第13パターンP13及び第14パターンP14は、第1領域の第1集積回路に電気的に連結されうる。
【0060】
図9Aないし図9Cは、本開示の例示的実施形態によるガルバニック分離器の例示を示す回路図である。例えば、図9Aないし図9Cの回路図は、図2のガルバニック分離器140の等価回路を示す。図9Aないし図9Cに図示されているように、ガルバニック分離器800a,800b,800cそれぞれは、高い耐圧を有する第1キャパシタC1及び第2キャパシタC2を含むものでもある。以下において、図9Aないし図9Cに係わる説明において、相互重複する内容は、省略される。
【0061】
信号の伝達特性を高めるために、第1キャパシタC1及び第2キャパシタC2が高いキャパシタンスを有する場合、第1キャパシタC1及び第2キャパシタC2による誤動作が生じうる。例えば、図2の受信機160及び受信機160の出力に基づいて動作するドライバにおいて、大きい電圧変化(すなわち、高いdv/dt)が生じる場合、第1キャパシタC1及び/または第2キャパシタC2を介し、図2の送信機120に大きい電流が伝達し、それにより、送信機120に含まれた回路が誤動作するか、あるいは甚だしくは破壊されうる。
【0062】
図9Aを参照すれば、ガルバニック分離器800aは、端子T11,T12間に直列連結された第1インダクタL11,L12及び端子T21,T22間に直列連結された第2インダクタL21,L22を含むものでもある。また、第1インダクタL11,L12が連結されたノードは、端子T13に連結され、第2インダクタL21,L22が連結されたノードは、端子T23に連結されうる。端子T13,T23は、センタータップ端子と称されうる。端子T13及び端子T23は、低いインピーダンスノードにそれぞれ連結されうる。例えば、端子T13は、第1電圧にバイアシングされ、端子T23は、第2電圧にバイアシングされうる。それにより、第2電圧の大きい変化に起因し、端子T23を介して流入された電流は、端子T13を介して出力され、送信機120に過度な電流が流入されることが防止されうる。
【0063】
図9Bを参照すれば、ガルバニック分離器800bは、第1キャパシタC1、第2キャパシタC2、第1インダクタL11,L12、第2インダクタL21,L22、第3インダクタL31,L32及び第4インダクタL41,L42を含むものでもある。第1インダクタL11,L12は、端子T11,T12間に直列連結され、第2インダクタL21,L22と、結合係数kでもって誘導結合されうる。第2インダクタL21,L22は、第1キャパシタC1及び第2キャパシタC2間に直列連結され、第2インダクタL21,L22が連結されたノードは、端子T13に連結されうる。第3インダクタL31,L32は、第1キャパシタC1及び第2キャパシタC2間に直列連結され、第2インダクタL31,L32が連結されたノードは、端子T23に連結されうる。第4インダクタL41,L42は、端子T21,T22間に直列連結され、第3インダクタL31,L32と、結合係数kでもって誘導結合されうる。端子T13及び端子T23は、低いインピーダンスノードにそれぞれ連結されうる。例えば、端子T13は、第1電圧にバイアシングされ、端子T23は、第2電圧にバイアシングされうる。それにより、第2電圧の大きい変化に起因し、端子T23を介して流入された電流は、端子T13を介して出力され、送信機120に過度な電流が流入されることが防止されうる。
【0064】
図9Cを参照すれば、ガルバニック分離器800cは、第1キャパシタC1、第2キャパシタC2、第1インダクタL11,L12、第2インダクタL21,L22及び第3インダクタL31,L32を含むものでもある。第1インダクタL11,L12は、端子T11,T12間に直列連結され、第1インダクタL11,L12が連結されたノードは、端子T13に連結されうる。第2インダクタL21,L22は、第3インダクタL31,L32と、結合係数kでもって誘導結合され、第2インダクタL21,L22が連結されたノードは、端子T23に連結されうる。第3インダクタL31,L32は、端子T21,T22間に直列連結されうる。端子T13及び端子T23は、低いインピーダンスノードにそれぞれ連結されうる。例えば、端子T13は、第1電圧にバイアシングされ、端子T23は、第2電圧にバイアシングされうる。それにより、第2電圧の大きい変化に起因し、端子T23を介して流入された電流は、端子T13を介して出力され、送信機120に過度な電流が流入されることが防止されうる。一部実施形態において、端子T21,T22に送信機120が連結され、端子T11,T12に受信機160が連結されうる。
【0065】
図10A及び図10Bは、本開示の例示的実施形態によるガルバニック分離器の例示を示す回路図である。例えば、図10A及び図10Bの回路図は、図2のガルバニック分離器140の等価回路を示す。図10A及び図10Bに図示されているように、ガルバニック分離器900a,900bそれぞれは、相互誘導結合されたインダクタを含むものでもある。以下において、図10A及び図10Bに係わる説明において、相互重複する内容は、省略される。
【0066】
図10Aを参照すれば、ガルバニック分離器900aは、端子T11,T12間に直列連結された第1インダクタL11,L12、及び端子T21,T22間に直列連結された第2インダクタL21,L22を含むものでもある。第1インダクタL11,L12は、結合係数kでもって、第2インダクタL21,L22と誘導結合されうる。図10Aに図示されているように、第1インダクタL11,L12が連結されたノードは、端子T13に連結され、第2インダクタL21,L22が連結されたノードは、端子T23に連結されうる。端子T13及び端子T23は、低いインピーダンスノードにそれぞれ連結されうる。例えば、端子T13は、第1電圧にバイアシングされ、端子T23は、第2電圧にバイアシングされうる。それにより、第2電圧の大きい変化に起因し、端子T23を介して流入された電流は、端子T13を介して出力され、送信機120に過度な電流が流入されることが防止されうる。
【0067】
図10Bを参照すれば、ガルバニック分離器900bは、第1インダクタL11,L12、第2インダクタL21,L22、第3インダクタL31,L32及び第4インダクタL41,L42を含むものでもある。第1インダクタL11,L12は、端子T11,T12間に直列連結され、第2インダクタL21,L22と、結合係数kでもって誘導結合されうる。第2インダクタL21,L22は、第3インダクタL31,L32と並列連結され、第3インダクタL31,L32は、第4インダクタL41,L42と、結合係数kでもって誘導結合されうる。第4インダクタL41,L42は、端子T21,T22間に直列連結されうる。図10Bに図示されているように、第1インダクタL11,L12が連結されたノードは、端子T13に連結され、第4インダクタL41,L42が連結されたノードは、端子T23に連結されうる。端子T13及び端子T23は、低いインピーダンスノードにそれぞれ連結されうる。例えば、端子T13は、第1電圧にバイアシングされ、端子T23は、第2電圧にバイアシングされうる。それにより、第2電圧の大きい変化に起因し、端子T23を介して流入された電流は、端子T13を介して出力され、送信機120に過度な電流が流入されることが防止されうる。
【0068】
図11は、本開示の例示的実施形態による装置のレイアウト1000を示す図面である。例えば、図11は、図9A及び図9Cの第1インダクタL11,L12、または図9Aの第2インダクタL21,L22に対応するレイアウト1000の平面図を示す。以下において、図11は、図9Aを参照して説明される。
【0069】
図11を参照すれば、レイアウト1000は、ガルバニック分離器800aの第1インダクタL11,L12または第2インダクタL21,L22を形成するパターンを含むものでもある。導電層Mxの第1パターンP1及び第2パターンP2は、相互直列連結された第1インダクタL11,L12、または相互直列連結された第2インダクタL21,L22にそれぞれ対応しうる。導電層Mxの第3パターンP3は、第1パターンP1及び第2パターンP2に連結され、端子T13または端子T23に対応しうる。導電層Mbの第4パターンP4は、導電層Mxの第1パターンP1に連結され、第1キャパシタC1及び端子T11に連結されうる。導電層Mbの第5パターンP5は、導電層Mxの第2パターンP2に連結され、第2キャパシタC2及び端子T12に連結されうる。
【0070】
図12は、本開示の例示的実施形態による装置のレイアウト1100を示す図面である。例えば、図12は、図9B図10A及び図10Bの第1インダクタL11,L12及び第2インダクタL21,L22、図9B及び図10Bの第3インダクタL31,L32及び第4インダクタL41,L42、または図9Cの第2インダクタL21,L22及び第3インダクタL31,L32に対応するレイアウト1100の平面図を示す。以下において、図12は、図10Aを参照して説明される。
【0071】
図12を参照すれば、レイアウト1100は、ガルバニック分離器900aの第1インダクタL11,L12及び第2インダクタL21,L22を形成するパターンを含むものでもある。導電層Mxの第1パターンP1及び第2パターンP2は、相互直列連結された第1インダクタL11,L12にそれぞれ対応しうる。導電層Maの第3パターンP3及び第4パターンP4は、相互直列連結された第2インダクタL21,L22にそれぞれ対応しうる。導電層Mxの第5パターンP5は、第1パターンP1及び第2パターンP2に連結され、端子T13に対応しうる。導電層Maの第6パターンP6は、第3パターンP3及び第4パターンP4に連結され、端子T23に対応しうる。導電層Myの第7パターンP7は、第1パターンP1に連結され、端子T11に対応しうる。導電層Myの第8パターンP8は、第2パターンP2に連結され、端子T12に対応しうる。導電層Mbの第9パターンP9は、第3パターンP3に連結され、端子T21に対応しうる。導電層Mbの第10パターンP10は、第4パターンP4に連結され、端子T22に対応しうる。
【0072】
以上のように、図面と明細書とでもって、例示的な実施形態が開示された。本明細書において、特定の用語を使用し、本実施形態について説明されたが、それらは、単に本開示の技術的思想について説明するための目的で使用されたものであり、意味限定や、特許請求の範囲に記載された本開示の範囲を制限するために使用されたものではない。従って、本技術分野の通常の知識を有する者であるならば、それらから、多様な変形、及び均等な他の実施形態が可能であるという点を理解するであろう。従って、本開示の真の技術的保護範囲は、特許請求の範囲の技術的思想によって定められるものである。
【符号の説明】
【0073】
10 高圧ゲート駆動回路
11 立ち上がりエッジパルス生成器
12 立ち下がりエッジパルス生成器
13 パルス入力検出器
14 SRラッチ
15 ゲートドライバ
51 第1領域
52 第2領域
53 第3領域
100 装置
120 送信機
122 変調器
140 ガルバニック分離器
160 受信機
162 復調器
図1
図2
図3
図4A
図4B
図5A
図5B
図6
図7A
図7B
図8A
図8B
図9A
図9B
図9C
図10A
図10B
図11
図12
【手続補正書】
【提出日】2024-07-29
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図6
【補正方法】変更
【補正の内容】
図6