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特開2025-101080管理装置、通信制御方法及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025101080
(43)【公開日】2025-07-07
(54)【発明の名称】管理装置、通信制御方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   H04W 24/02 20090101AFI20250630BHJP
   H04W 88/18 20090101ALI20250630BHJP
   H04W 48/02 20090101ALI20250630BHJP
【FI】
H04W24/02
H04W88/18
H04W48/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023217659
(22)【出願日】2023-12-25
(71)【出願人】
【識別番号】308036402
【氏名又は名称】株式会社JVCケンウッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】浅見 知弘
【テーマコード(参考)】
5K067
【Fターム(参考)】
5K067EE10
5K067EE16
(57)【要約】
【課題】無線通信システムを効率的に運用すること。
【解決手段】管理装置は、通信部と、通信部を介して基地局装置からシステム設定情報と運用情報とを取得する情報取得部と、システム設定情報と運用情報とに基づいて、各々の基地局装置の運用状況である第1の運用効率値を算出する解析部と、システム設定情報、運用情報および優先情報に基づいて、システム設定情報を変化させてシミュレーションを行い、最も運用効率値が高い第2の運用効率値を算出するシミュレーション部と、第1の運用効率値と、第2の運用効率値との差が所定値以上の場合に、第2の運用効率値を算出した際のシステム設定情報を変更後システム設定情報として決定する決定部と、基地局装置のシステム設定情報を変更後システム設定情報に書き換える制御を行う設定制御部と、を備える。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基地局装置と通信する通信部と、
前記通信部を介して前記基地局装置からシステム設定情報と運用情報とを取得する情報取得部と、
前記システム設定情報と前記運用情報とに基づいて、各々の前記基地局装置の運用状況である第1の運用効率値を算出する解析部と、
前記システム設定情報、前記運用情報、前記第1の運用効率値及びシステム運用に関する項目に対する重みづけの情報である優先情報を記憶する記憶部と、
前記システム設定情報、前記運用情報および前記優先情報に基づいて、システム設定情報を変化させてシミュレーションを行い、最も運用効率値が高い第2の運用効率値を算出するシミュレーション部と、
前記第1の運用効率値と、前記第2の運用効率値との差が所定値以上の場合に、前記第2の運用効率値を算出した際の前記システム設定情報を変更後システム設定情報として決定する決定部と、
前記通信部を介して、前記基地局装置の前記システム設定情報を前記決定部で決定された前記変更後システム設定情報に書き換える制御を行う設定制御部と、
を備える、管理装置。
【請求項2】
前記システム設定情報は、通話チャネル数を設定する通話チャネル数設定値、チャネルを占有する時間を設定するチャネル占有タイマ時間設定値及び通話終了からチャネルを解放する時間を設定するチャネル保持タイマ時間設定値を含み、
前記運用情報は、チャネル割当要求時刻、チャネル割当待時刻、チャネル割当時刻、チャネル数増減時刻、チャネル保持タイマ停止時刻、チャネル保持タイマ満了時刻、チャネル占有タイマ停止時刻、及びチャネル占有タイマ満了時刻に関する情報を含み、
前記シミュレーション部は、前記記憶部に記憶してある前記優先情報に基づいて、前記通話チャネル数設定値に対応した、前記チャネル占有タイマ時間設定値と、前記チャネル保持タイマ時間設定値とを変化させ、最も運用効率値が高い前記第2の運用効率値を算出する、
請求項1に記載の管理装置。
【請求項3】
前記管理装置に対し各種の情報の入力操作を受け付ける入力部と、
前記入力部に前記優先情報が入力された場合、前記記憶部に記憶されている前記優先情報を前記入力部に入力された前記優先情報に変更する記憶制御部と、
を備える、請求項1または2に記載の管理装置。
【請求項4】
通信部を制御して基地局装置と通信するステップと、
前記通信部を介して前記基地局装置からシステム設定情報と運用情報とを取得するステップと、
前記システム設定情報と前記運用情報とに基づいて、各々の前記基地局装置の運用状況である第1の運用効率値を算出するステップと、
前記システム設定情報、前記運用情報、前記第1の運用効率値及びシステム運用に関する項目に対する重みづけの情報である優先情報を記憶するステップと、
前記システム設定情報、前記運用情報および前記優先情報に基づいて、システム設定情報を変化させてシミュレーションを行い、最も運用効率値が高い第2の運用効率値を算出するステップと、
前記第1の運用効率値と、前記第2の運用効率値との差が所定値以上の場合に、前記第2の運用効率値を算出した際の前記システム設定情報を変更後システム設定情報として決定する決定部と、
前記通信部を介して、前記基地局装置の前記システム設定情報を決定された前記変更後システム設定情報に書き換える制御を行うステップと、
を含む、通信制御方法。
【請求項5】
通信部を制御して基地局装置と通信するステップと、
前記通信部を介して前記基地局装置からシステム設定情報と運用情報とを取得するステップと、
前記システム設定情報と前記運用情報とに基づいて、各々の前記基地局装置の運用状況である第1の運用効率値を算出するステップと、
前記システム設定情報、前記運用情報、前記第1の運用効率値及びシステム運用に関する項目に対する重みづけの情報である優先情報を記憶するステップと、
前記システム設定情報、前記運用情報および前記優先情報に基づいて、システム設定情報を変化させてシミュレーションを行い、最も運用効率値が高い第2の運用効率値を算出するステップと、
前記第1の運用効率値と、前記第2の運用効率値との差が所定値以上の場合に、前記第2の運用効率値を算出した際の前記システム設定情報を変更後システム設定情報として決定する決定部と、
前記通信部を介して、前記基地局装置の前記システム設定情報を決定された前記変更後システム設定情報に書き換える制御を行うステップと、
をコンピュータに実行させる、プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、管理装置、通信制御方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
基地局と通信する通信端末の動作状態を、シミュレーションにより試験する技術が知られている。例えば、特許文献1には、通信シーケンスを記録したログ情報に基づいて、シミュレーションを行うことで、通信端末の試験を正確、かつ短期間に行うことができる技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第4064392号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
1つ又は複数の基地局と、複数の移動局とから構成される無線通信システムにおいて運用状況は刻々と変化する。変化する運用状況に応じて、無線通信システムを効率的に運用することが求められている。
【0005】
本開示は、無線通信システムを効率的に運用することのできる管理装置、通信制御方法及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の管理装置は、基地局装置と通信する通信部と、前記通信部を介して前記基地局装置からシステム設定情報と運用情報とを取得する情報取得部と、前記システム設定情報と前記運用情報とに基づいて、各々の前記基地局装置の運用状況である第1の運用効率値を算出する解析部と、前記システム設定情報、前記運用情報、前記第1の運用効率値及びシステム運用に関する項目に対する重みづけの情報である優先情報を記憶する記憶部と、前記システム設定情報、前記運用情報および前記優先情報に基づいて、システム設定情報を変化させてシミュレーションを行い、最も運用効率値が高い第2の運用効率値を算出するシミュレーション部と、前記第1の運用効率値と、前記第2の運用効率値との差が所定値以上の場合に、前記第2の運用効率値を算出した際の前記システム設定情報を変更後システム設定情報として決定する決定部と、前記通信部を介して、前記基地局装置の前記システム設定情報を前記決定部で決定された前記変更後システム設定情報に書き換える制御を行う設定制御部と、を備える。
【0007】
本開示の通信制御方法は、通信部を制御して基地局装置と通信するステップと、前記通信部を介して前記基地局装置からシステム設定情報と運用情報とを取得するステップと、前記システム設定情報と前記運用情報とに基づいて、各々の前記基地局装置の運用状況である第1の運用効率値を算出するステップと、前記システム設定情報、前記運用情報、前記第1の運用効率値及びシステム運用に関する項目に対する重みづけの情報である優先情報を記憶するステップと、前記システム設定情報、前記運用情報および前記優先情報に基づいて、システム設定情報を変化させてシミュレーションを行い、最も運用効率値が高い第2の運用効率値を算出するステップと、前記第1の運用効率値と、前記第2の運用効率値との差が所定値以上の場合に、前記第2の運用効率値を算出した際の前記システム設定情報を変更後システム設定情報として決定する決定部と、前記通信部を介して、前記基地局装置の前記システム設定情報を決定された前記変更後システム設定情報に書き換える制御を行うステップと、を含む。
【0008】
本開示のプログラムは、通信部を制御して基地局装置と通信するステップと、前記通信部を介して前記基地局装置からシステム設定情報と運用情報とを取得するステップと、前記システム設定情報と前記運用情報とに基づいて、各々の前記基地局装置の運用状況である第1の運用効率値を算出するステップと、前記システム設定情報、前記運用情報、前記第1の運用効率値及びシステム運用に関する項目に対する重みづけの情報である優先情報を記憶するステップと、前記システム設定情報、前記運用情報および前記優先情報に基づいて、システム設定情報を変化させてシミュレーションを行い、最も運用効率値が高い第2の運用効率値を算出するステップと、前記第1の運用効率値と、前記第2の運用効率値との差が所定値以上の場合に、前記第2の運用効率値を算出した際の前記システム設定情報を変更後システム設定情報として決定する決定部と、前記通信部を介して、前記基地局装置の前記システム設定情報を決定された前記変更後システム設定情報に書き換える制御を行うステップと、をコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0009】
本開示によれば、無線通信システムを効率的に運用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、第1実施形態に係る通信システムの構成例を示す図である。
図2図2は、第1実施形態に係る管理装置の構成例を示すブロック図である。
図3図3は、第1実施形態に係る管理装置の処理の流れを示すフローチャートである。
図4図4は、第1実施形態に係るシステム設定情報の一例を示す図である。
図5図5は、第1実施形態に係る第1の運用効率値を算出する方法を説明するための図である。
図6図6は、第1実施形態に係る素点を算出する方法を説明するための図である。
図7図7は、第1実施形態に係る重みづけを説明するための図である。
図8図8は、第1実施形態に係る第2の運用効率値を算出する方法を説明するための図である。
図9図9は、第1実施形態に係る第2の運用効率値を算出する方法を説明するための図である。
図10図10は、第1実施形態に係る第2の運用効率値を算出する方法を説明するための図である。
図11図11は、第1実施形態に係る第2の運用効率値を算出する際にシステム設定情報が解析項目に与える影響を示す図である。
図12図12は、第1実施形態に係る複数のシステム設定情報を変更して算出した第2の運用効率値の算出結果を示す図である。
図13図13は、第1実施形態の変形例に係る管理装置の処理の流れを示すフローチャートである。
図14図14は、第2実施形態に係る管理装置の構成例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、添付図面を参照して、本開示に係る実施形態を詳細に説明する。なお、この実施形態により本開示が限定されるものではなく、また、以下の実施形態において、同一の部位には同一の符号を付することにより重複する説明を省略する。
【0012】
[第1実施形態]
(通信システム)
図1を用いて、第1実施形態に係る通信システムの構成例について説明する。図1は、第1実施形態に係る通信システムの構成例を示す図である。
【0013】
図1に示すように、通信システム1は、管理装置10、1つ又は複数の基地局装置12、複数の中継局14及び複数の移動局16を含む。
【0014】
管理装置10は、有線または無線のネットワークを介して、1つ又は複数の基地局装置12と、通信可能に接続されている。管理装置10は、1つ又は複数の基地局装置12を制御する。管理装置10に接続される基地局装置12の数に制限はない。
【0015】
1つ又は複数の基地局装置12には、それぞれ、複数の中継局14が接続されている。基地局装置12に接続される中継局の数に、制限はない。複数の中継局14には、それぞれ、移動局16が接続(登録)することで、移動局16間で通信が行われる。中継局14に接続される移動局16の数に制限はない。
【0016】
管理装置10は、基地局装置12に対して各種のパラメータを設定することで、通信システム1を運用する。この際、基地局装置12に設定されるパラメータの条件によっては、非効率な運用になってしまうことがある。本開示では、管理装置10は、基地局装置12に対して適切にパラメータを設定することで、通信システム1を効率的に運用する。
【0017】
(管理装置)
図2を用いて、第1実施形態に係る管理装置の構成例について説明する。図2は、第1実施形態に係る管理装置の構成例を示すブロック図である。
【0018】
図2に示すように、管理装置10は、通信部20、記憶部22及び制御部24を備える。管理装置10は、コンピュータなどの情報処理装置で実現される。
【0019】
通信部20は、外部の無線通信装置と通信するための通信インタフェースである。通信部20は、例えば、通信システム1に含まれる各基地局装置12と通信する。
【0020】
記憶部22は、各種の情報を記憶している。具体的には後述するが、記憶部22は、基地局装置12のシステム設定情報、運用情報、運用効率値及び優先する項目の情報である優先情報を記憶している。記憶部22は、制御部24の演算内容、及びプログラム等の情報を記憶する。記憶部22は、例えば、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)のような主記憶装置及びHDD(Hard Disk Drive)等の外部記憶装置のうち、少なくとも1つを含む。
【0021】
制御部24は、管理装置10の各部を制御する。制御部24は、例えば、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)などの情報処理装置と、RAM又はROMなどの記憶装置とを有する。制御部24は、本発明に係る管理装置10の動作を制御するプログラムを実行する。制御部24は、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路により実現されてもよい。制御部24は、ハードウェアと、ソフトウェアとの組み合わせで実現されてもよい。
【0022】
制御部24は、情報取得部30、解析部32、シミュレーション部34、決定部36及び設定制御部38を備える。
【0023】
情報取得部30は、通信部20を介して、各種の情報を取得する。情報取得部30は、例えば、通信部20を介して、各基地局装置12のそれぞれから基地局装置12のシステム設定情報と運用情報とを取得する。
【0024】
システム設定情報は、例えば、通話チャネル数設定値、チャネル占有タイマ設定値及びチャネル保持タイマ設定値に関する情報を含む。通話チャネル数設定値は、中継局14の数である通話チャネル数を設定するための設定値である。チャネル占有タイマ設定値は、チャネルを占有する時間を設定するための設定値である。チャネル保持タイマ時間設定値は、通話終了からチャネルを解放する時間を設定するための設定値である。
【0025】
運用情報は、例えば、チャネル割当要求時刻、チャネル割当待時刻、チャネル割当時刻、チャネル数増減時刻、チャネル保持タイマ停止時刻、チャネル保持タイマ満了時刻、チャネル占有タイマ停止時刻及びチャネル占有タイマ満了時刻に関する情報を含む。
【0026】
チャネル割当要求時刻は、管理装置10が基地局装置12からチャネルの割り当て要求信号を受信した時刻である。
【0027】
チャネル割当待時刻は、管理装置10が基地局装置12に対して、チャネル割当待信号を送信した時刻である。
【0028】
チャネル割当時刻は、管理装置10が基地局装置12に対して、チャネルを割り当てた時刻であり、割り当てられたチャネル数を含んでもよい。
【0029】
チャネル数増減時刻は、管理装置10が基地局装置12に対して割り当てる、チャネル数を増減した時刻である。
【0030】
チャネル保持タイマ停止時刻は、通話終了後のチャネル保持タイマの時間内に、次の通話が開始され、チャネル保持タイマが停止した時刻である。
【0031】
チャネル保持タイマ満了時刻は、話終了後のチャネル保持タイマの時間内に、次の通話が開始されず、チャネル保持タイマが満了した時刻である。
【0032】
チャネル占有タイマ停止時刻は、チャネル占有タイマの時間内に、切断要求があり、チャネル占有タイマが停止した時刻である。
【0033】
チャネル占有タイマ満了時刻は、チャネル占有タイマの時間内に、切断要求がなく、チャネル占有タイマが満了した時刻である。
【0034】
解析部32は、各種の演算を実行する。解析部32は、情報取得部30が取得したシステム設定情報と運用情報とに基づいて、各々の基地局装置12の実際の運用効率を表す第1の運用効率値を算出する。
【0035】
本開示では、運用効率値は、チャネル割当待割合、チャネル割当待平均時間割合、チャネル平均稼働割合、チャネル保持タイマ満了割合及びチャネル占有タイマ満了割合の5つの項目から算出される。運用効率値は、数字(点数)で表され、大きいほど運用効率が良く、小さいほど運用効率が悪い。
【0036】
解析部32は、実際の運用情報に基づいて、チャネル割当待割合、チャネル割当待平均時間割合、チャネル平均稼働割合、チャネル保持タイマ満了割合及びチャネル占有タイマ満了割合を算出する。解析部32は、算出したチャネル割当待割合、チャネル割当待平均時間割合、チャネル平均稼働割合、チャネル保持タイマ満了割合及びチャネル占有タイマ満了割合に基づいて、第1の運用効率値を算出する。
【0037】
(チャネル割当待割合)
解析部32は、チャネル割当要求時刻と、チャネル割当待時刻とに基づいて、チャネル割当待割合を算出する。解析部32は、チャネル割当要求時刻からチャネル割当要求回数をカウントする。解析部32は、チャネル割当待時刻からチャネル割当待回数をカウントする。解析部32は、チャネル割当要求回数がA回、チャネル割当待回数がB回である場合、B/A(%)、をチャネル割当待割合として算出する。チャネル割当待割合は、大きいほど待つ回数が多く悪い状態で、小さいほど待つ回数が少なく良い状態である。
【0038】
(チャネル待平均時間割合)
解析部32は、チャネル割当待時刻と、チャネル割当時刻とに基づいて、チャネル待平均時間割合を算出する。解析部32は、チャネル割当待時刻からチャネル割当時刻までの時間を計算し、計算結果を記憶部22に記憶させる。解析部32は、記憶部22に記憶された時間の平均時間を算出する。解析部32は、あらかじめ想定している想定時間と、算出した平均時間との割合、平均時間/想定時間(%)、をチャネル待平均時間割合として算出する。チャネル待平均時間割合は、大きいほど待つ時間が長く悪い状態で、小さいほど待つ時間が短く良い状態である。
【0039】
(平均稼働割合)
解析部32は、チャネル割当時刻と、チャネル数増減時刻とに基づいて、チャネル平均稼働割合を算出する。解析部32は、チャネル割当時刻から使用チャネル数をカウントする。解析部32は、チャネル数増減時刻に基づいて、あるチャネルの割当継続時間を算出する。解析部32は、割当継続時間ごとに、使用チャネル数との積を計算し、記憶部22に記憶させる。解析部32は、割当継続時間ごとの使用チャネル数の積の総和/割当継続時間の総和、をチャネル平均稼働割合として算出する。具体的には、解析部32は、割当継続時間が1時間であり使用チャネル数が4つ、割当継続時間が2時間であり使用チャネル数が3つ、及び割当継続時間が4時間であり使用チャネル数が4つの3つの情報が記憶に記憶されているとする。この場合、解析部32は、割当継続時間ごとの使用チャネル数の積の総和を、4×1+3×2+4×4=26、と算出する。解析部32は、割当継続時間の総和を、1+2+4=7、と算出する。この場合、解析部32は、チャネル平均稼働割合を、26/7≒3.71、と算出する。チャネル平均稼働割合は、大きいほどチャネルが混んでおり悪い状態で、小さい程チャネルが空いており良い状態である。
【0040】
(チャネル保持タイマ満了割合)
解析部32は、チャネル保持タイマ停止時刻と、チャネル保持タイマ満了時刻とに基づいて、チャネル保持タイマ満了割合を算出する。解析部32は、チャネル保持タイマ停止時刻からチャネル保持タイマ停止回数をカウントする。解析部32は、チャネル保持タイマ満了時刻からチャネル保持タイマ満了回数をカウントする。解析部32は、チャネル保持タイマ停止回数をD回、チャネル保持タイマ満了回数をE回とすると、D+Eを算出する。解析部32は、チャネル保持タイマ停止回数+チャネル保持タイマ満了回数に対するチャネル保持タイマ満了回数の割合、E/(D+E)、をチャネル保持タイマ満了割合として算出する。チャネル保持タイマ満了割合は、大きいほどチャネル保持の満了が多く悪い状態で、小さいほどチャネル占有の満了が少なく良い状態である。
【0041】
(チャネル占有タイマ満了割合)
解析部32は、チャネル占有タイマ停止時刻と、チャネル保持タイマ満了時刻とに基づいて、チャネル占有タイマ満了割合を算出する。解析部32は、チャネル占有タイマ停止時刻からチャネル占有タイマ停止回数をカウントする。チャネル占有タイマ満了時刻からチャネル占有タイマ満了回数をカウントする。解析部32は、チャネル占有タイマ停止回数をF回、チャネル占有タイマ満了回数をG回とすると、F+Gを算出する。解析部32は、チャネル占有タイマ停止回数+チャネル占有タイマ満了回数に対するチャネル占有タイマ満了回数の割合、G/(F+G)、をチャネル占有タイマ満了割合として算出する。チャネル占有タイマ満了割合は、大きいほどチャネル占有の満了が多く悪い状態で、小さいほどチャネル占有の満了が少なく良い状態である。
【0042】
解析部32は、チャネル割当待割合、チャネル割当待平均時間割合、チャネル平均稼働割合、チャネル保持タイマ満了割合及びチャネル占有タイマ満了割合の算出結果に応じて、それぞれに点数を付けることで、第1の運用効率値を算出する。解析部32は、システム情報、運用情報、及び第1の運用効率値を記憶部22に記憶させる。第1の運用効率値を算出する方法の詳細は、後述する。
【0043】
シミュレーション部34は、各種シミュレーションを実行する。シミュレーション部34は、優先情報に基づいて、重み付けを行い、運用効率値を算出する。シミュレーション部34は、設定対象の基地局装置12のシステム設定情報、運用情報及び優先情報に基づいて、システム設定情報を変化させてシミュレーションを行い複数の運用効率値を算出し、最も運用効率値が高い運用効率値を第2の運用効率値とする。シミュレーション部34は、算出した第2の運用効率値を記憶部22に記憶させる。第2の運用効率値を算出する方法の詳細は、後述する。
【0044】
決定部36は、解析部32が算出した第1の運用効率値と、シミュレーション部34が算出した第2の運用効率値との差を算出する。決定部36は、第1の運用効率値と、第2の運用効率値との差が所定値以上の場合に、シミュレーション部34が第2の運用効率値を算出する際に設定したシステム設定情報を、設定対象の基地局装置12に設定する変更後システム設定情報として決定する。変更後システム設定情報を決定する方法の詳細は、後述する。
【0045】
設定制御部38は、通信部20を介して、各基地局装置12に対してシステム設定情報を設定する制御を行う。設定制御部38は、通信部20を介して、設定対象である少なくとも1つの基地局装置12のシステム設定情報を、決定部36で決定された変更後システム設定情報に書き換える制御を行う。
【0046】
(管理装置の処理内容)
図3を用いて、第1実施形態に係る管理装置の処理内容について説明する。図3は、第1実施形態に係る管理装置の処理の流れを示すフローチャートである。
【0047】
管理装置10は、例えば、図3に示す処理を常時行ってもよいし、所定間隔ごとに行ってもよい。
【0048】
情報取得部30は、通信部20を介して、設定対象の基地局装置12からシステム設定情報と運用情報とを取得する(ステップS10)。図4は、第1実施形態に係るシステム設定情報の一例を示す図である。図4に示すテーブルT1は、設定対象の基地局装置12に現在設定されている、通話チャネル数設定値、チャネル占有タイマ設定値及びチャネル保持タイマ設定値に関する情報を含む。テーブルT1に示す例では、通話チャネル数設定値は3、チャネル占有タイマ設定値は120秒、チャネル保持タイマ設定値は30秒である。そして、ステップS12に進む。
【0049】
解析部32は、情報取得部30が取得したシステム設定情報と、運用情報とに基づいて、設定対象の基地局装置12の第1の運用効率値を算出する(ステップS12)。図5は、第1実施形態に係る第1の運用効率値を算出する方法を説明するための図である。図5に示すテーブルT2は、第1の運用効率値の算出結果を表す。図5に示す例では、解析部32は、チャネル割当待割合を30%、チャネル割当待平均時間割合を30%、チャネル平均稼働割合を70%、チャネル保持タイマ満了割合を60%及びチャネル占有タイマ満了割合を70%と算出する。次に、解析部32は、算出した割合に基づいて、各項目に素点を付ける。図6は、第1実施形態に係る素点を算出する方法を説明するための図である。図6に示すテーブルT3は、各項目の算出結果と、素点との割合との対応関係を表す。テーブルT3の一例を説明すると、解析部32は、各項目の算出結果が0%から20%である場合には、素点を5点と算出する。図5に示すように、解析部32は、図6に示すテーブルT3に基づいて、チャネル割当待割合の素点を4点、チャネル割当待平均時間割合の素点を4点、チャネル平均稼働割合の素点を2点、チャネル保持タイマ満了割合の素点を3点及びチャネル占有タイマ満了割合の素点を2点と算出する。
【0050】
解析部32は、算出した各項目の素点に対して、優先情報に基づいて重み付けを行って素点を変換し、変換後点を算出する。優先情報は、ユーザによって任意に設定され得る情報である。優先情報は、例えば、新規接続性と、接続後の継続性といった項目が例示される。新規接続性は、チャネル使用終了後の保持する時間を短くする設定とすることで、直ぐにチャネルを解放し新しく接続する際に待つ頻度を下げることを優先する場合に選択され得る。接続後の継続性は、チャネル使用終了後の保持する時間を長くする設定とすることで、チャネルを解放せずに接続後のチャネルを保持することを優先する場合に選択され得る。図7は、第1実施形態に係る重みづけを説明するための図である。図7に示すテーブルT4は、各項目において、優先情報が新規接続性及び接続後の継続性である場合の重みを表す。テーブルT4の一例を説明すると、解析部32は、項目がチャネル割当待割合については、優先情報が新規接続性である場合には重みを8、優先情報が接続後の継続性である場合には重みを1と算出する。図5に示す例では、優先情報として新規接続性が設定されている。解析部32は、各項目の素点と重みとの積を演算することで、各項目の変換後点を算出する。解析部32は、チャネル割当待割合の変換後点を32点、チャネル割当待平均時間割合の変換後点を32点、チャネル平均稼働割合の変換後点を8点、チャネル保持タイマ満了割合の変換後点を3点及びチャネル占有タイマ満了割合の変換後点を2点、と算出する。解析部32は、各項目の変換後点の総和を第1の運用効率値として算出する。図5に示す例では、解析部32は、第1の運用効率値を77点と算出する。
【0051】
図3に戻る。解析部32は、システム情報と、運用情報と、第1の運用効率値とを記憶部22に記憶させる(ステップS14)。そして、ステップS16に進む。
【0052】
シミュレーション部34は、システム設定情報を変更させて、第2の運用効率値を算出する(ステップS16)。シミュレーション部34が第2の運用効率値を算出する方法は、システム設定情報を変更させる点を除き、解析部32が第1の運用効率値を算出する方法と同じなので、説明を省略する。図8図9及び図10を用いて、第1実施形態に係る第2の運用効率値を算出する方法を説明するための図である。図8から図10は、第1実施形態に係る第2の運用効率値を算出する方法を説明するための図である。
【0053】
図8には、通話チャネル数を増減させるシミュレーションを行い、第2の運用効率値を算出した結果を表すテーブルT5が示されている。テーブルT5は、「通話チャネル数」、「通話チャネル数 減」、「通話チャネル数 変更なし」及び「通話チャネル数 増」といった項目を含む。「通話チャネル数」は、通話チャネルの増減の仕方を表す。「通話チャネル数 減」は、通話チャネル数を減らした場合の、第2の運用効率値を表す。「通話チャネル数 変更なし」は、通話チャネル数を変更しない場合の、第2の運用効率値を表す。「通話チャネル数 増」は、通話チャネル数を増やした場合の第2の運用効率値を表す。すなわち、テーブルT5には、通話チャネル数を増減する場合の、各項目の運用状況、素点、変換後点及び第2の運用効率値が示されている。図8に示すように、シミュレーション部34は、通話チャネル数を変更しない場合には、第2の運用効率値を75点と算出する。シミュレーション部34は、通話チャネル数を減少させる場合には、第2の運用効率値を54点と算出する。シミュレーション部34は、通信チャネル数を増加させる場合には、第2の運用効率値を96点と算出する。
【0054】
図9には、チャネル占有タイマ時間を短くしたり長くしたりして、シミュレーションを行い、第2の運用効率値を算出した結果を表すテーブルT6が示されている。テーブルT6は、「チャネル占有タイマ時間」、「チャネル占有タイマ時間 短」、「チャネル占有タイマ時間 変更なし」及び「チャネル占有タイマ時間 長」といった項目を含む。「チャネル占有タイマ時間」は、チャネル占有タイマ時間の変更の仕方を表す。「チャネル占有タイマ時間 短」は、チャネル占有タイマ時間を短くした場合の、第2の運用効率値を表す。「チャネル占有タイマ時間 変更なし」は、チャネル占有タイマ時間を変更しない場合の、第2の運用効率値を表す。「チャネル占有タイマ時間 長」は、チャネル占有タイマ時間を長くした場合の第2の運用効率値を表す。すなわち、テーブルT6には、チャネル占有タイマ時間を短くしたり長くしたりする場合の、各項目の運用状況、素点、変換後点及び第2の運用効率値が示されている。図9に示すように、シミュレーション部34は、チャネル占有タイマ時間を変更しない場合には、第2の運用効率値を75点と算出する。シミュレーション部34は、チャネル占有タイマ時間を短くする場合には、第2の運用効率値を93点と算出する。シミュレーション部34は、チャネル占有タイマ時間を長くする場合には、第2の運用効率値を67点と算出する。
【0055】
図10には、チャネル保持タイマ時間を短くしたり長くしたりして、シミュレーションを行い、第2の運用効率値を算出した結果を表すテーブル7が示されている。テーブルT7は、「チャネル保持タイマ時間」、「チャネル保持タイマ時間 短」、「チャネル保持タイマ時間 変更なし」及び「チャネル保持タイマ時間 長」といった項目を含む。「チャネル保持タイマ時間」は、チャネル保持タイマ時間の変更の仕方を表す。「チャネル保持タイマ時間 短」は、チャネル保持タイマ時間を短くした場合の、第2の運用効率値を表す。「チャネル保持タイマ時間 変更なし」は、チャネル保持タイマ時間を変更しない場合の、第2の運用効率値を表す。「チャネル保持タイマ時間 長」は、チャネル保持タイマ時間を長くした場合の第2の運用効率値を表す。すなわち、テーブルT7には、チャネル保持タイマ時間を短くしたり長くしたりする場合の、各項目の運用状況、素点、変換後点及び第2の運用効率値が示されている。図10に示すように、シミュレーション部34は、チャネル保持タイマ時間を変更しない場合には、第2の運用効率値を75点と算出する。シミュレーション部34は、チャネル保持タイマ時間を短くする場合には、第2の運用効率値を94点と算出する。シミュレーション部34は、チャネル保持タイマ時間を長くする場合には、第2の運用効率値を60点と算出する。
【0056】
図11は、第1実施形態に係る第2の運用効率値を算出際にシステム設定情報が解析項目に与える影響を示す図である。テーブルT8は、「通話チャネル数」、「チャネル占有タイマ時間」及び「チャネル保持タイマ時間」といった項目を含む。テーブルT8は、解析項目として、チャネル割当待割合、チャネル割合待平均時間割合、チャネル平均稼働割合、チャネル保持タイマ満了割合及びチャネル占有タイマ満了割合を含む。テーブルT8は、「通話チャネル数」、「チャネル数占有タイマ時間」及び「チャネル保持タイマ時間」がそれぞれ変化したときに、各解析項目が良化したか又は悪化したかの関係を示す。例えば、テーブルT8の一例を説明すると、チャネル割当待割合は、通話チャネル数を減らすと悪化し、通話チャネル数を増やすと良化する。チャネル割当待割合は、チャネル占有タイマ時間を短くすると良化し、チャネル占有タイマ時間を長くすると悪化する。チャネル割当待割合は、チャネル保持タイマ時間を短くすると良化し、チャネル保持タイマ時間を長くすると悪化する。
【0057】
シミュレーション部34は、通信チャネル数、チャネル占有タイマ時間及びチャネル保持タイマ時間のうちの、2つ以上を変更してシミュレーションを行い第2の運用効率を算出してもよい。図12は、第1実施形態に係る複数のシステム設定情報を変更して算出した第2の運用効率値の算出結果を示す図である。図12に示すテーブルT9は、「通話チャネル数」、「チャネル占有タイマ時間」及び「チャネル保持タイマ時間」といった項目を含む。テーブルT9は、シミュレーション部34が第2の運用効率値を算出する際に、通話チャネル数、チャネル占有タイマ時間及びチャネル保持タイマ時間のうち、2つの項目を変更して、第2の運用効率を算出した算出結果を示す。例えば、テーブルT9の一例を説明すると、シミュレーション部34は、通話チャネル数を減らし、かつチャネル占有タイマ時間を短くする場合には第2の運用効率値を73.5点と算出する。シミュレーション部34は、通話チャネル数を増やし、かつチャネル占有タイマ時間を長くする場合には第2の運用効率値を94.5点と算出する。テーブルT9に示す例では、通話チャネル数を増やし、かつチャネル保持タイマ時間を短くする場合に第2の運用効率値は最も高い95点になる。
【0058】
図3に戻る。決定部36は、第2の運用効率値は第1の運用効率値よりも所定値以上高いか否かを判定する(ステップS18)。具体的には、決定部36は、第1の運用効率値と、第2の運用効率値との差を算出し、第2の運用効率値は第1の運用効率値よりも所定値以上高いか否かを判定する。所定値に特に制限はないが、例えば、通信システム1の運用のし易さの観点からは、10点以上であることが好ましい。第2の運用効率値は第1の運用効率値よりも所定値以上高いと判定された場合(ステップS18;Yes)、ステップS20にすすむ。第2の運用効率値は第1の運用効率値の所定値未満であると判定された場合(ステップS18;No)、ステップS24に進む。
【0059】
ステップS18でYesと判定された場合、決定部36は、第2の運用効率値を設定対象の基地局装置12に設定するシステム設定情報に決定する(ステップS20)。具体的には、決定部36は、例えば、シミュレーション部34が算出した複数の第2の運用効率値のうち、最も高い第2の運用効率値を基地局装置12に設定するシステム設定情報に決定する。決定部36が決定したシステム設定情報は、変更後システム設定情報と呼ばれることもある。そして、ステップS22に進む。
【0060】
設定制御部38は、通信部20を介して、少なくとも1つの設定対象の基地局装置12のシステム設定情報を決定部36で決定されたシステム設定情報に書き換える制御を行う(ステップS22)。そして、ステップS26に進む。
【0061】
ステップS18でNoと判定された場合、決定部36は、設定対象の基地局装置12の設定されているシステム設定情報を変更せずに、維持すると決定する(ステップS24)。そして、ステップS26に進む。
【0062】
制御部24は、処理を終了するか否かを判定する(ステップS26)。例えば、制御部24は、管理装置10の電源がオフになり、動作が停止した場合などに、処理を終了すると判定する。処理を終了すると判定された場合(ステップS26;Yes)、図3の処理を終了する。処理を終了すると判定されない場合(ステップS26;No)、ステップS10に進む。
【0063】
上述のとおり、第1実施形態では、基地局装置の現状の運用効率値と、シミュレーションで算出した運用効率値を比較して、シミュレーションで算出した運用効率値が高い場合には、基地局装置のシステム設定情報を変更する。これにより、第1実施形態は、無線通信システムを効率的に運用することができる。
【0064】
[第1施形態の変形例]
(管理装置の処理内容)
図13を用いて、第1実施形態の変形例に係る管理装置の処理内容について説明する。図13は、第1実施形態の変形例に係る管理装置の処理の流れを示すフローチャートである。
【0065】
第1実施形態の変形例の処理は、設定される通話チャネル数を変更してシミュレーション行い、第2の運用効率値を算出する点で、図3に示す第1実施形態の処理と異なる。
【0066】
ステップS30からステップS34の処理は、それぞれ、図3に示すステップS10からステップS14の処理と同じなので、説明を省略する。
【0067】
シミュレーション部34は、チャネル平均稼働割合に基づいて、通話チャネル数を決定する(ステップS36)。そして、ステップS38に進む。
【0068】
シミュレーション部34は、チャネル平均稼働割合は下限値以下であるか否かを判定する(ステップS38)。下限値は、例えば、10%であるがこれに限定されない。平均稼働割合は下限値以下であると判定された場合(ステップS38;Yes)、ステップS40に進む。平均稼働割合は下限値を超えていると判定された場合(ステップS38;No)、ステップS42に進む。
【0069】
ステップS38でYesと判定された場合、シミュレーション部34は、通話チャネル数を減らす処理を実行する(ステップS40)。通話チャネル数を減らす数は、チャネル平均稼働割合に応じて、変更してよい。例えば、シミュレーション部34は、チャネル平均稼働割合が小さいほど、通話チャネル数を減らす数を多くしてよい。そして、ステップS48に進む。
【0070】
ステップS38でNoと判定された場合、シミュレーション部34は、チャネル平均稼働割合は上限値以上であるか否かを判定する(ステップS42)。上限値は、例えば、90%以上であるが、これに限定されない。チャネル平均稼働割合は上限値未満であると判定された場合(ステップS42;No)、ステップS44に進む。チャネル平均稼働割合は上限値以上であると判定された場合(ステップS42;Yes)、ステップS46に進む。
【0071】
ステップS42でNoと判定された場合、シミュレーション部34は、通話チャネル数を変更せずに、ステップS36で決定した通話チャネル数を維持する(ステップS44)。そして、ステップS48に進む。
【0072】
ステップS42でYesと判定された場合、シミュレーション部34は、通話チャネル数を増やす処理を実行する(ステップS46)。通話チャネル数を増やす数は、チャネル平均稼働割合に応じて、変更してよい。例えば、シミュレーション部34は、チャネル平均割合が大きいほど、通話チャネル数を増やす数を多くしてよい。そして、ステップS48に進む。
【0073】
ステップS48からステップS58の処理は、それぞれ、図3に示すステップS16からステップS26の処理と同じなので、説明を省略する。
【0074】
第1実施形態の変形例では、第2の運用効率値を算出する際に、チャネル平均稼働割合に基づいて通話チャネル数を設定することで、シミュレーションの精度が向上し、より適切に第2の運用効率を算出することができる。
【0075】
[第2実施形態]
(管理装置)
図14を用いて、第2実施形態に係る管理装置の構成例について説明する。図14は、第2実施形態に係る管理装置の構成例を示すブロック図である。
【0076】
図14に示すように、管理装置10Aは、入力部26を備える点と、制御部24Aが記憶制御部40を備える点とで、図2に示す管理装置10と異なる。
【0077】
入力部26は、管理装置10Aに対する各種の入力操作を受け付ける。入力部26は、例えば、優先情報を入力するための入力操作を受け付ける。ユーザは、所望の優先情報を入力部26に入力することができる。入力部26は、例えば、キーボード、マウス、ボタン、スイッチ及びタッチパネルなどの各種の入力操作を受け付ける。入力部26は、受け付けた入力操作に関する入力情報を記憶制御部40に出力する。
【0078】
記憶制御部40は、記憶部22に各種の情報を記憶する。記憶制御部40は、記憶部22に記憶されている各種の情報を更新する。記憶制御部40は、入力部26に入力された入力情報に基づいて、記憶部22に記憶されている情報を更新する。記憶制御部40は、入力部26に優先情報が入力された場合、記憶部22に記憶されている優先情報を入力部26に入力された優先情報に変更する。
【0079】
シミュレーション部34は、記憶制御部40によって、優先情報が変更された場合には、変更された優先情報を用いて、第2の運用効率値を算出する。
【0080】
第2実施形態では、記憶制御部により記憶部に記憶されている優先情報が変更された場合には、変更された優先情報を用いて、第2の運用効率値を算出する。これにより、第2実施形態は、ユーザの意見を反映しつつ、第2の運用効率値を算出することができる。
【0081】
図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。なお、この分散・統合による構成は動的に行われてもよい。
【0082】
以上、本開示の実施形態を説明したが、これら実施形態の内容により本開示が限定されるものではない。また、前述した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。さらに、前述した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。さらに、前述した実施形態の要旨を逸脱しない範囲で構成要素の種々の省略、置換又は変更を行うことができる。
【符号の説明】
【0083】
1 通信システム
10 管理装置
12 基地局装置
14 中継局
16 移動局
20 通信部
22 記憶部
24 制御部
30 情報取得部
32 解析部
34 シミュレーション部
36 決定部
38 設定制御部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14