(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025101158
(43)【公開日】2025-07-07
(54)【発明の名称】移植機
(51)【国際特許分類】
A01C 11/02 20060101AFI20250630BHJP
【FI】
A01C11/02 350M
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023217801
(22)【出願日】2023-12-25
(71)【出願人】
【識別番号】000001052
【氏名又は名称】株式会社クボタ
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】弁理士法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】中井 貴之
(72)【発明者】
【氏名】奥井(原野) 朱莉
(72)【発明者】
【氏名】吉水 健悟
【テーマコード(参考)】
2B064
【Fターム(参考)】
2B064AA05
2B064AA07
2B064AB01
2B064AC01
2B064DB03
2B064DB06
(57)【要約】
【課題】苗載台に載置された苗マットの移動量を精度良く計測する移植機の提供。
【解決手段】苗マットを載置する苗載台と、苗マットから苗を取り出して圃場に苗を移植する植付機構と、植付機構に向けて縦方向に移動する苗マットの移動量を計測する計測装置40と、が備えられている。計測装置40は、苗載台において、第一位置と、第一位置よりも植付機構側に位置する第二位置と、の間で植付機構に向けて縦方向に移動する苗マットの移動量を計測する。
【選択図】
図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
苗マットを載置する苗載台と、
前記苗マットから苗を取り出して圃場に苗を移植する植付機構と、
前記植付機構に向けて前記苗載台上を縦方向に移動する前記苗マットの移動量を、第一位置と、前記第一位置よりも前記植付機構側に位置する第二位置と、の間で計測する計測装置と、が備えられている移植機。
【請求項2】
前記計測装置は、前記縦方向において、前記第一位置よりも前記第二位置と反対側の第三位置と、前記第二位置と、に亘って移動可能に構成され、かつ、前記第一位置と前記第二位置との間で前記移動量を計測するように構成されている請求項1に記載の移植機。
【請求項3】
前記計測装置は前記苗載台の上部に支持されている請求項1に記載の移植機。
【請求項4】
前記計測装置は、前記苗マットに当接する当接部と、前記当接部を支持するとともに前記苗マットの移動に追従して前記当接部と一体的にスライドするスライド部と、前記スライド部のスライド量を計測する計測部と、を有する請求項1に記載の移植機。
【請求項5】
前記当接部は、前記苗載台の載置面を挟んで、前記苗マットの位置する側と反対側に収納される収納位置と前記苗マットの位置する側に立ち上がる起立位置とに亘って上下に揺動するように構成されている請求項4に記載の移植機。
【請求項6】
前記苗載台に、前記起立位置に位置する状態の前記当接部が前記載置面と交差するように前記苗載台を貫通するための孔部が形成されている請求項5に記載の移植機。
【請求項7】
前記スライド部を前記第一位置または前記第一位置よりも前記第二位置と反対側の第三位置へ移動させて前記スライド部を拘束する第一動作と、前記スライド部の拘束を解除する第二動作と、を実行可能な駆動機構が備えられている請求項4に記載の移植機。
【請求項8】
前記第二位置と前記第三位置との間に設けられ、前記苗載台に残された前記苗マットの前記縦方向の長さが予め設定された長さ以下になった状態を苗通知状態として検知する第一苗センサと、
前記駆動機構の駆動を制御する制御装置と、が備えられ、
前記制御装置は、前記スライド部が前記第二位置に到達したことに応じて前記駆動機構に前記第一動作を実行させ、かつ、前記第一苗センサが前記苗通知状態を検知したことに応じて前記駆動機構に前記第二動作を実行させるように構成されている請求項7に記載の移植機。
【請求項9】
前記第二位置よりも前記植付機構側と反対側に設けられ、前記苗載台に残された前記苗マットの前記縦方向の長さが予め設定された第一長さ以下になった状態を苗通知状態として検知する第一苗センサと、
前記第二位置よりも前記植付機構側に設けられ、前記苗載台に残された前記苗マットの前記縦方向の長さが前記第一長さよりも前記苗マット一枚分短い第二長さ以下になった状態を苗通知状態として検知する第二苗センサが備えられている請求項1から8の何れか一項に記載の移植機。
【請求項10】
前記第二位置よりも前記植付機構側と反対側に設けられ、前記苗載台に残された前記苗マットの前記縦方向の長さが予め設定された長さ以下になった状態を苗通知状態として検知する第一苗センサが備えられ、
前記計測装置と前記第一苗センサとは、機体左右方向視において重複するように配置されている請求項1から8の何れか一項に記載の移植機。
【請求項11】
前記第二位置よりも前記植付機構側と反対側に設けられ、前記苗載台に残された前記苗マットの前記縦方向の長さが予め設定された第一長さ以下になった状態を苗通知状態として検知する第一苗センサと、
前記第二位置よりも前記植付機構側に設けられ、前記苗載台に残された前記苗マットの前記縦方向の長さが前記第一長さよりも短い第二長さ以下になった状態を苗通知状態として検知する第二苗センサと、
前記第一苗センサと前記第二苗センサとの両方が前記苗通知状態を検知したことに応じて前記苗載台に前記苗マットを補給することを促すように報知する報知部と、
が備えられている請求項1から8の何れか一項に記載の移植機。
【請求項12】
走行装置及び前記植付機構の駆動を制御する制御装置が備えられ、
前記第一苗センサのみが前記苗通知状態を検知した場合、前記報知部は前記第一苗センサが前記苗通知状態を検知したことを報知する予告報知を行うように構成され、
前記第一苗センサと前記第二苗センサとの両方が前記苗通知状態を検知した場合、前記制御装置は前記走行装置と前記植付機構との少なくとも一方を少なくとも一時的に停止させる制御を行うように構成されている請求項11に記載の移植機。
【請求項13】
前記植付機構が前記苗マットから苗を取り出す量である苗取量を変更する苗取量変更機構と、
前記計測装置の計測結果に基づいて前記苗取量変更機構を制御する制御装置と、が備えられている請求項1から8の何れか一項に記載の移植機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、移植機に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば特開2023-15792号公報(特許文献1)に開示された移植機においては、苗載台に載置された苗マットの下方への移動量を検出可能な計測装置(文献では『移動量検出部(80)』)が備えられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特開2023-15792号公報(特許文献1)に開示された計測装置の構成では、苗載台の載置面に配置された回転体が備えられている。回転体が苗マットの底部に引っ掛かりながら回転し、回転体の回転量を検出することによって苗マットの移動量を検出するように、計測装置は構成されている。しかし、苗マットが途中で浮いたり崩れたりしていると、回転体が苗マットの底部に十分に咬み込まずに正常に回転せず、苗マットの移動量を精度良く検出できない可能性も考えられる。この点で、苗マットの移動量を精度よく検出するために改善する余地がある。
【0005】
本発明の目的は、苗載台に載置された苗マットの移動量を精度良く計測する移植機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明による移植機には、苗マットを載置する苗載台と、前記苗マットから苗を取り出して圃場に苗を移植する植付機構と、前記植付機構に向けて縦方向に移動する前記苗マットの移動量を、第一位置と、前記第一位置よりも前記植付機構側に位置する第二位置と、の間で計測する計測装置と、が備えられていることを特徴とする。
【0007】
本発明によると、計測装置が第一位置と第二位置とに亘って苗マットの移動量を計測する。この構成であると、苗マットが途中で浮いたり崩れたりしている場合であっても、計測装置が第一位置と第二位置とに亘って苗マットの移動に追従して、苗マットの移動量を計測する構成が可能となる。これにより、苗載台に載置された苗マットの移動量を精度良く計測する移植機が実現される。
【0008】
本発明において、前記計測装置は、前記縦方向において、前記第一位置よりも前記第二位置と反対側の第三位置と、前記第二位置と、に亘って移動可能に構成され、かつ、前記第一位置と前記第二位置との間で前記移動量を計測するように構成されていると好適である。
【0009】
本構成によって、計測装置の構成がコンパクトになり、苗マットの移動量の計測精度を容易に向上させ易くなる。
【0010】
本発明において、前記計測装置は前記苗載台の上部に支持されていると好適である。
【0011】
苗載台に載置された苗マットのうちの下側に位置する苗マットは、上側の苗マットに押されて潰れがちとなる。本構成であれば、計測装置は、苗載台に載置された苗マットのうちの上側に位置する苗マットの移動量を検出する。これにより、計測装置は、苗マットの潰れの影響を受けることなく、苗マットの移動量を精度良く検出できる。
【0012】
本発明において、前記計測装置は、前記苗マットに当接する当接部と、前記当接部を支持するとともに前記苗マットの移動に追従して前記当接部と一体的にスライドするスライド部と、前記スライド部のスライド量を計測する計測部と、を有すると好適である。
【0013】
本構成であれば、当接部及びスライド部が苗マットの移動に追従してスライドする。つまり、スライド部のスライド量に基づいて苗マットの移動量の計測が可能となる。このため、苗マットの移動量の検出精度が向上する。
【0014】
本発明において、前記当接部は、前記苗載台の載置面を挟んで、前記苗マットの位置する側と反対側に収納される収納位置と前記苗マットの位置する側に立ち上がる起立位置とに亘って上下に揺動するように構成されていると好適である。
【0015】
本構成によって、作業者が苗載台に苗マットを補給する際に、苗マットが当接部に引っ掛かる虞を回避できる。
【0016】
本発明において、前記苗載台に、前記起立位置に位置する状態の前記当接部が前記載置面と交差するように前記苗載台を貫通するための孔部が形成されていると好適である。
【0017】
本構成によって、当接部が、苗載台の載置面を挟んで下側に位置する収納位置(非作業位置)と上側に突出する起立位置(作業位置)との夫々に、容易に位置を変更可能となる。
【0018】
本発明において、前記スライド部を前記第一位置または前記第一位置よりも前記第二位置と反対側の第三位置へ移動させて前記スライド部を拘束する第一動作と、前記スライド部の拘束を解除する第二動作と、を実行可能な駆動機構が備えられていると好適である。
【0019】
本構成によると、駆動機構は、第一動作としてスライド部を第一位置または第三位置まで移動させてスライド部を拘束する。このため、駆動機構は、スライド部を検出開始位置へ移動させることが可能となる。これにより、作業者がスライド部を第一位置または第三位置へ手動でスライドさせなくても、スライド部を検出開始位置まで移動させる構成が可能となる。また、駆動機構は、第二動作としてスライド部の拘束を解除する。これにより、計測装置は、適切なタイミングにおいてマット苗の移動量を検出できる。
【0020】
本発明において、前記第二位置と前記第三位置との間に設けられ、前記苗載台に残された前記苗マットの前記縦方向の長さが予め設定された長さ以下になった苗通知状態を検知する第一苗センサと、前記駆動機構の駆動を制御する制御装置と、が備えられ、前記制御装置は、前記スライド部が前記第二位置に到達したことに応じて前記駆動機構に前記第一動作を実行させ、かつ、前記第一苗センサが前記苗通知状態を検知したことに応じて前記駆動機構に前記第二動作を実行させるように構成されていると好適である。
【0021】
本構成であれば、制御装置が駆動機構に第一動作と第二動作とを自動的に実行させることが可能となる。これにより、苗マットの移動量が自動的に検出される。なお、苗通知状態に、いわゆる苗切れの状態と、苗マットの残量に注意するように作業者に通知する状態と、縦方向に少なくとも一枚分の苗マットを補充するように催促することを作業者に通知する状態と、が含まれる。以下の記載においても同様である。
【0022】
本発明において、前記第二位置よりも前記植付機構側と反対側に設けられ、前記苗載台に残された前記苗マットの前記縦方向の長さが予め設定された第一長さ以下になった状態を苗通知状態として検知する第一苗センサと、前記第二位置よりも前記植付機構側に設けられ、前記苗載台に残された前記苗マットの前記縦方向の長さが前記第一長さよりも前記苗マット一枚分短い第二長さ以下になった状態を苗通知状態として検知する第二苗センサが備えられていると好適である。
【0023】
本構成によると、第一苗センサと第二苗センサとが苗マット一枚分だけ離れて配置されている。この構成によって、苗マット一枚分が消費されたことの検知が容易に可能となる。
【0024】
本発明において、前記第二位置よりも前記植付機構側と反対側に設けられ、前記苗載台に残された前記苗マットの前記縦方向の長さが予め設定された長さ以下になった状態を苗通知状態として検知する第一苗センサが備えられ、前記計測装置と前記第一苗センサとは、機体左右方向視において重複するように配置されていると好適である。
【0025】
本構成であれば、第一苗センサが苗通知状態を検知したことに応じて、計測装置が移動量の計測を開始できる。
【0026】
本発明において、前記第二位置よりも前記植付機構側と反対側に設けられ、前記苗載台に残された前記苗マットの前記縦方向の長さが予め設定された第一長さ以下になった苗通知状態を検知する第一苗センサと、前記第二位置よりも前記植付機構側に設けられ、前記苗載台に残された前記苗マットの前記縦方向の長さが前記第一長さよりも短い第二長さ以下になった苗通知状態を検知する第二苗センサと、前記第一苗センサと前記第二苗センサとの両方が前記苗通知状態を検知したことに応じて前記苗載台に前記苗マットを補給することを促すように報知する報知部と、が備えられていると好適である。
【0027】
本構成によって、作業者等は、苗載台における苗通知状態に素早く気付き、適切に苗マットを補給できる。
【0028】
本発明において、走行装置及び前記植付機構の駆動を制御する制御装置が備えられ、前記第一苗センサのみが前記苗通知状態を検知した場合、前記報知部は前記第一苗センサが前記苗通知状態を検知したことを報知する予告報知を行うように構成され、前記第一苗センサと前記第二苗センサとの両方が前記苗通知状態を検知した場合、前記制御装置は前記走行装置と前記植付機構との少なくとも一方を少なくとも一時的に停止させる制御を行うように構成されていると好適である。
【0029】
本構成であれば、作業者等に移植機の田植え作業を中断させ、移植機を畦際等へ移動させて苗マットの補給をさせるように促すことが可能となる。
【0030】
本発明において、前記植付機構が前記苗マットから苗を取り出す量である苗取量を変更する苗取量変更機構と、前記計測装置の計測結果に基づいて前記苗取量変更機構を制御する制御装置と、が備えられていると好適である。
【0031】
本構成によって、制御装置は植付機構における苗取量を適切に調節できる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【
図2】縦送り機構及び横送り機構の構成を示す図である。
【
図3】苗切れセンサ及び苗消費量計測装置等の構成を示す背面図である。
【
図4】第一苗切れセンサの構成を機体側面視で示す縦断面図である。
【
図5】苗載台の裏面に設けられた苗消費量計測装置等の構成を示す図である。
【
図6】実苗取量の算出、及び、苗取量変更制御の構成を示すブロック図である。
【
図7】実苗取量の算出、及び、苗取量変更制御の構成を示すフローチャート図である。
【
図8】苗消費量計測装置の動作を示す側面図である。
【
図9】苗消費量計測装置の動作を示す側面図である。
【
図10】苗消費量計測装置の動作を示す側面図である。
【
図11】苗消費量計測装置の動作を、別の実施形態の一例として示す側面図である。
【
図12】苗消費量計測装置の動作を、別の実施形態の一例として示す側面図である。
【
図13】苗消費量計測装置の動作を、別の実施形態の一例として示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
本発明の移植機を例示する実施形態を
図1~
図13に示す乗用型田植機(移植機の一例)に基づいて説明する。なお、図中に示す矢印「F」の方向を「機体の前方」、図中に示す矢印「B」の方向を「機体の後方」、図中に示す矢印「L」の方向を「機体の左方」、図中に示す矢印「R」の方向を「機体の右方」、図中に示す矢印「U」の方向を「機体の上方」、図中に示す矢印「D」の方向を「機体の下方」とする。
【0034】
〔乗用型田植機の全体構造〕
図1,
図2に示すように、田植機は、乗用型の機体1を備える。機体1は、四輪駆動形式の車輪2と、予備苗収納台3と、運転部4と、を備える。運転部4は機体1の後部領域に設けられ、作業者が搭乗する。なお、作業者の意味は運転者の意味も含む。予備苗収納台3の上方に、GNSS(グローバル・ナビゲーション・サテライト・システム、GPS、GLONASS、Galileo、BeiDou等)の受信装置5が備えられている。受信装置5が受信した測位信号に基づいて、自動走行と自動操舵との少なくとも一方が可能である。
【0035】
機体1の後部に、苗植付装置10がリンク機構9を介して上下昇降可能なように支持されている。苗植付装置10は苗を圃場に植え付ける。また、苗植付装置10は、ローリングすることによって、機体1に対して左右揺動可能なように構成されている。
【0036】
詳述はしないが、機体1には不図示のエンジンが搭載されている。エンジンの動力が、車輪2と苗植付装置10との夫々に伝達される。
【0037】
図1及び
図2に示すように、苗植付装置10に、複数(本実施形態では四個)の伝動ケース11と、複数(本実施形態では八個)の回転ケース12と、整地フロート13と、苗載台14と、が備えられている。回転ケース12は、各伝動ケース11の後部の左側部及び右側部の夫々に回転可能に支持されている。夫々の回転ケース12の両端部に、一対のロータリ式の植付アーム15が備えられている。苗植付装置10に複数の整地フロート13が備えられ、整地フロート13は圃場の田面を整地する。苗載台14に苗マットが載置される。苗マットは植え付け用のマット状の苗である。なお、苗植付装置10に苗取量変更機構26(
図6参照)が備えられている。苗取量変更機構26は、植付アーム15が苗載台14から取り出す苗取量を変更する機構である。植付アーム15は、『植付機構』の一例である。
【0038】
図3に示すように、苗載台14は、機体左右方向に並ぶ複数(本実施形態では八個)の載置面区画14aを有する。各載置面区画14aの左右幅は、苗マットの左右幅に対応している。各載置面区画14aは、一条分の苗マットを載置可能に構成されている。これにより、苗載台14に八条分の苗マットが載置可能である。なお、載置面区画14aの個数は、七個以下でも良いし、九個以上でも良い。
【0039】
後述の横送り機構22が苗載台14を左右に往復横送り駆動するとともに、各回転ケース12が伝動ケース11から伝達される動力によって回転駆動し、各植付アーム15が苗載台14の下部から交互に苗を取り出して圃場の田面に植え付ける。即ち、苗植付装置10は、複数の回転ケース12の植付アーム15で苗を植え付けるように構成されている。
【0040】
〔縦送り機構及び横送り機構の構成〕
図2に示すように、苗植付装置10は、縦送り機構21及び横送り機構22を有する。苗植付装置10に伝動機構16が備えられている。また、機体1に、不図示のエンジンからの動力を苗植付装置10へ伝達するための不図示のPTO軸が備えられている。伝動機構16は、エンジンの動力を、ユニバーサルジョイントを介してPTO軸から受け取る。
【0041】
横送り機構22は、植付アーム15の駆動と連動して苗載台14を左右方向に往復駆動する。横送り機構22は、横送り軸22a及び横送り部材22bを有する。横送り軸22aは、伝動機構16からの動力によって回転する。
【0042】
横送り部材22bは、横送り軸22aに対して相対回転可能な状態で、且つ、横送り軸22aに対してスライド可能な状態で、横送り軸22aに取り付けられている。また、横送り部材22bは、苗載台14に連結されている。
【0043】
そして、横送り軸22aが回転すると、横送り部材22bは、横送り軸22aに形成された螺旋送り溝によって、横送り軸22aの延びる方向に往復移送される。これにより、苗載台14は、左右に往復移送される。この構成によって、苗植付装置10は、植付アーム15で苗植付動作を行いながら、苗載台14を左右に往復移送する。
【0044】
即ち、苗植付装置10は、苗植付動作を行いながら苗載台14を左右に往復移送するように構成されている。苗載台14が左右に往復移送されることによって、機体1に対する苗載台14の位置が、左右方向に変化する。
【0045】
また、
図2に示すように、縦送り機構21は、縦送り軸21a、第一伝動アーム21b、第二伝動アーム21c、受動アーム21d、ワンウェイクラッチ21e、駆動軸21f、縦送りベルト21gを有する。
【0046】
本実施形態においては、田植機は八条植えであるため、八個の縦送りベルト21gが備えられている。なお、縦送りベルト21gの個数は、載置面区画14aの個数と同じであれば、七個以下でも良いし、九個以上でも良い。
【0047】
縦送り軸21aは、伝動機構16からの動力によって回転する。また、第一伝動アーム21b及び第二伝動アーム21cは、縦送り軸21aに対して相対回転不能な状態で、縦送り軸21aに固定されている。第一伝動アーム21bは、第二伝動アーム21cよりも左側に位置している。
【0048】
受動アーム21dは、ワンウェイクラッチ21eを介して、駆動軸21fに連結されている。そして、縦送りベルト21gは、駆動軸21fの回転と連動して回動するように構成されている。
【0049】
苗載台14が左のストロークエンドに到達すると、受動アーム21dが、第一伝動アーム21bの回転域に入る。これにより、第一伝動アーム21bが受動アーム21dに接当する。そして、縦送り軸21aの動力が、第一伝動アーム21b、受動アーム21d、ワンウェイクラッチ21eを介して、駆動軸21fに伝達される。
【0050】
その結果、駆動軸21fが設定回転角だけ回転するとともに、縦送りベルト21gが回動する。このときの縦送りベルト21gの回動量は、所定の送り距離に相当する回動量である。
【0051】
また、苗載台14が右のストロークエンドに到達すると、受動アーム21dが、第二伝動アーム21cの回転域に入る。これにより、第二伝動アーム21cが受動アーム21dに接当する。そして、縦送り軸21aの動力が、第二伝動アーム21c、受動アーム21d、ワンウェイクラッチ21eを介して、駆動軸21fに伝達される。
【0052】
その結果、駆動軸21fが設定回転角だけ回転するとともに、縦送りベルト21gが回動する。このときの縦送りベルト21gの回動量は、所定の送り距離に相当する回動量である。
【0053】
縦送りベルト21gは、苗載台14に載置されている苗マットに接当するように構成されている。そのため、縦送りベルト21gが回動することによって、苗載台14に載置されている苗マットは、予め設定された送り距離だけ下側へ移動する。縦送りベルト21gが回動する際の送り距離は、縦送り機構21における一回当たりの縦送り量である。
【0054】
〔苗切れセンサについて〕
図3に示すように、本実施形態の田植機は苗切れセンサ23を備えている。苗切れセンサ23は苗載台14に設けられている。
【0055】
苗切れセンサ23は、苗載台14に残された苗マットの縦方向の長さが予め設定された長さ以下になった苗通知状態を検出するように構成されている。換言すると、苗切れセンサ23は、苗載台14に載置されている苗マットの苗の縦方向の長さに基づいて、苗残量が予め設定された量以下になった状態を検出するように構成されている。なお、苗通知状態に、いわゆる苗切れの状態と、苗マットの残量に注意するように作業者に通知する状態と、苗マットを補充するように催促することを作業者に通知する状態と、が含まれる。
【0056】
図3に示すように、苗切れセンサ23は、第一苗切れセンサ23a、及び、複数の第二苗切れセンサ23bを有する。第一苗切れセンサ23aは、機体右端から二列目の載置面区画14aに設けられている。第二苗切れセンサ23bは各載置面区画14aに設けられている。なお、第一苗切れセンサ23aは、機体右端から二列目の載置面区画14aに限定されず、任意の載置面区画14aに設けられて良い。また、二個以上の第一苗切れセンサ23aが、八個の載置面区画14aにおいて任意に設けられても良い。第一苗切れセンサ23aは『第一苗センサ』に相当する。第二苗切れセンサ23bは『第二苗センサ』に相当する。
【0057】
図3に示すように、第一苗切れセンサ23aは、機体上下方向における苗載台14の上部に設けられている。各第二苗切れセンサ23bは、機体上下方向における苗載台14の下部に設けられている。即ち、第一苗切れセンサ23aは、第二苗切れセンサ23bよりも高い位置に設けられている。第一苗切れセンサ23aと第二苗切れセンサ23bとは、苗マット一枚分だけ離れて位置する。また、苗消費量計測装置40と第一苗切れセンサ23aとは、機体左右方向視において重複するように配置されている。
【0058】
図4に示すように、第一苗切れセンサ23aは、支持部23αと揺動部23βとセンサ部23γとを有する。揺動部23βは、揺動軸芯P21まわりに揺動可能なように、支持部23αに支持されている。なお、揺動部23βの揺動基端部にトーションバネが巻き回されている。これにより、揺動部23βは上向きに揺動するように付勢されている。揺動部23βは、側面視で山型形状の部分を有する。この山型形状の部分として、基端傾斜部23oと、頂上部23pと、先鋭端部23qと、が形成されている。
【0059】
苗マットが第一苗切れセンサ23aを踏むと、第一苗切れセンサ23aが下側へ変位する。これにより、第一苗切れセンサ23aは苗切れを検出しない状態、即ち非検出状態となる。このとき、先鋭端部23qがセンサ部23γと近接する。また、苗マットが第一苗切れセンサ23aを踏んでいない場合、第一苗切れセンサ23aはトーションバネの付勢力によって上向きに揺動する。これにより、第一苗切れセンサ23aは苗通知状態を検出する検出状態となる。このとき、先鋭端部23qがセンサ部23γから離れる。
【0060】
第一苗切れセンサ23aが苗切れ状態を検出する検出状態であるときの先鋭端部23qの延び方向Qは、載置面区画14aの延び方向に対して直角に近い角度となっている。換言すると、載置面区画14aの延び方向に対する先鋭端部23qの延び方向Qの交差角は、載置面区画14aの延び方向に対する基端傾斜部23oの延び方向Rの交差角よりも直角側に立っている。
【0061】
この構成であれば、苗載台14に苗マットが補給される際に、苗マットが苗載台14の上端部から載置面区画14aに沿って下方へスライドすると、基端傾斜部23oが苗マットの底部と当接することに応じて揺動部23βが円滑に下向きに揺動する。これにより、第一苗切れセンサ23aは、苗マットの下方へのスライドを妨げることなく苗切れの非検出状態から検出状態へ切り替わる。また、基端傾斜部23oは先鋭端部23qよりもなだらかな傾斜となっているため、揺動部23βのうちの出来るだけ多くの面積で苗マットの検知が可能となる。
【0062】
苗上端位置が第一高さ位置H1から第一高さ位置H1以下となったタイミングで、苗マットの苗上縁部分は頂上部23pを超えて搬送方向下手側へ搬送される。先鋭端部23qは、頂上部23pから直角に近い形状に屈曲しており、苗マットの苗上縁部分は頂上部23pを超えてから直ぐに先鋭端部23qと当接しなくなる。このときに、揺動部23βはトーションバネの付勢力によって上向きにしっかりと揺動する。これにより、苗上端位置が第一高さ位置H1から第一高さ位置H1以下となったタイミングで、第一苗切れセンサ23aは苗通知状態を直ぐに検出できる。また、先鋭端部23qが揺動部23βの遊端部に位置するため、先鋭端部23qは揺動軸芯P21まわりに大きく揺動する。これにより、センサ部23γは先鋭端部23qの有無をしっかりと検出でき、第一苗切れセンサ23aは苗マットの有無をしっかりと検出できる。
【0063】
苗マットが第二苗切れセンサ23bを踏むと、第二苗切れセンサ23bが下側へ変位する。これにより、第一苗切れセンサ23aは苗切れを検出しない状態、即ち非検出状態となる。また、苗マットが第二苗切れセンサ23bを踏んでいない場合、第二苗切れセンサ23bは付勢部材の付勢力によって元の位置へ戻る。これにより、第二苗切れセンサ23bは苗通知状態を検出する検出状態となる。
【0064】
図3には、第一高さ位置H1が示されている。載置面区画14aにおいて、苗上端位置が第一高さ位置H1よりも高い場合、その載置面区画14aに位置する第一苗切れセンサ23aは非検出状態となる。なお、苗上端位置とは、載置面区画14aに載置されている苗マットの上端の位置である。第一苗切れセンサ23aが配置されている載置面区画14aにおいて、苗上端位置が第一高さ位置H1以下である場合、第一苗切れセンサ23aは苗通知状態を検出する。
【0065】
苗載台14に載置される苗マットの縦方向において、載置面区画14aの下端部と、第一高さ位置H1と、に亘る長さは、『第一長さ』に相当する。つまり、第一苗切れセンサ23aは、苗載台14に残された苗マットの縦方向の長さが予め設定された第一長さ以下になった状態を苗通知状態として検知する。
【0066】
また、
図3には、第二高さ位置H2が示されている。載置面区画14aにおいて、苗上端位置が第二高さ位置H2よりも高い場合、その載置面区画14aに位置する第二苗切れセンサ23bは非検出状態となる。また、載置面区画14aにおいて、苗上端位置が第二高さ位置H2以下である場合、その載置面区画14aに位置する第二苗切れセンサ23bは苗通知状態を検出する。
【0067】
苗載台14に載置される苗マットの縦方向において、載置面区画14aの下端部と、第二高さ位置H2と、に亘る長さは、『第二長さ』に相当する。つまり、第二苗切れセンサ23bは、苗載台14に残された苗マットの縦方向の長さが第一長さよりも苗マット一枚分短い第二長さ以下になった状態を苗通知状態として検知する。このことから、苗通知状態に、縦方向に少なくとも一枚分の苗マットを補充するように催促することを作業者に通知する状態も含まれる。
【0068】
なお、第一苗切れセンサ23aと第二苗切れセンサ23bとは、同じ形状であっても良いし、異なる形状であっても良い。
【0069】
〔苗消費量計測装置について〕
図5に示すように、本実施形態の田植機は苗消費量計測装置40を備えている。苗消費量計測装置40は苗載台14の上部における裏面部分に設けられている。
図3に示すように、苗載台14のうち、第一苗切れセンサ23aが配置された載置面区画14aに長孔14hが形成されている。苗消費量計測装置40は、
図3に示す長孔14hの裏側に設けられている。苗消費量計測装置40は、『計測装置』の一例である。長孔14hは、『孔部』の一例である。
【0070】
苗消費量計測装置40は、植付アーム15に向けて縦方向に移動する苗マットの実際の移動量を計測することによって、苗の実際の消費量を計測するように構成されている。
【0071】
苗消費量計測装置40は、第一苗切れセンサ23aが配置された載置面区画14aに配置されている。第一苗切れセンサ23aと苗消費量計測装置40とは左右に並んで配置されている。
【0072】
図5に示すように、苗消費量計測装置40は苗載台14の上部に支持されている。また、苗消費量計測装置40は、苗が載置される載置面と反対側の裏面において、苗載台14のフレームに支持されている。苗消費量計測装置40は、計測用電動モータ41と、ポテンショメータ42と、当接部43と、スライド部44と、リンクアーム45と、ガイドレール46と、を有する。計測用電動モータ41は、『駆動機構』の一例である。
【0073】
当接部43は、苗マットの苗上縁部分に当接可能に構成されている。
図8~
図10に示すように、当接部43は、苗載台14の載置面を挟んで、苗マットの位置する側と反対側に収納される収納位置(非作業位置、以下同じ)と、載置面と交差するように苗載台14の長孔14hを貫通して苗マットの位置する側に立ち上がる起立位置(作業位置、以下同じ)と、に亘って揺動軸芯P2まわりに上下に揺動するように構成されている。
【0074】
スライド部44は、ガイドレール46に沿ってスライドする。ガイドレール46は載置面区画14aの傾斜方向に沿って傾斜する。スライド部44は、当接部43を揺動軸芯P2まわりに揺動可能なように支持するとともに苗マットの移動に追従して当接部43と一体的にスライドする。
【0075】
リンクアーム45の一端部に長孔45hが穿孔され、長孔45hにスライド部44がスライド可能に連結されている。リンクアーム45の他端部にポテンショメータ42が連結されている。リンクアーム45は、
図5に示す揺動範囲θ1で揺動可能である。
【0076】
スライド部44は、長孔45hと摺接しながらガイドレール46に沿ってスライドする。リンクアーム45は、スライド部44のスライドと連動して揺動軸芯P1まわりに揺動し、リンクアーム45の揺動角度がポテンショメータ42によって計測される。この構成によって、ポテンショメータ42はスライド部44のスライド量を計測する。ポテンショメータ42は、『計測部』の一例である。
【0077】
リンクアーム45が揺動範囲θ1の下端に位置するときのスライド部44の位置が、『第二位置』に相当する。なお、第二位置は、揺動範囲θ1の下端に位置するときのスライド部44の位置よりも、例えば1~30ミリメートル上側に位置しても良い。また、リンクアーム45が揺動範囲θ1の上端に位置するときのスライド部44の位置が、『第三位置』に相当する。第一苗切れセンサ23aは、第二位置に対して植付アーム15側と反対側に設けられている。また、第二苗切れセンサ23bは、第二位置に対して植付アーム15側に設けられている。
【0078】
計測用電動モータ41は、当接部43及びスライド部44を上方に移動させるように駆動可能である。計測用電動モータ41の出力軸部に揺動部材41aが連結されている。
図5に示すように、揺動部材41aは、計測用電動モータ41の出力軸部の回動軸芯P3まわりに揺動範囲θ2に亘って揺動可能である。揺動部材41aはリンクアーム45と当接可能である。
【0079】
本実施形態では、計測用電動モータ41が揺動部材41aを揺動範囲θ2の下端から上端へ動かす動作を、『第一動作』と称する。揺動部材41aが上向きに揺動すると、揺動部材41aの遊端部はリンクアーム45と当接する。そして、揺動部材41aがそのまま揺動範囲θ2の上端まで揺動すると、リンクアーム45は、揺動部材41aと連動して、揺動範囲θ1の上端まで上向きに揺動する。また、スライド部44は、リンクアーム45と連動してガイドレール46に沿って上端部へスライドする。このとき、揺動部材41aは揺動範囲θ2の上端で位置保持されるため、リンクアーム45は揺動範囲θ1の上端で位置保持され、かつ、スライド部44はスライド範囲の上端で位置保持される。つまり、第一動作とは、スライド部44をスライド範囲の上端へ移動させてスライド部44を拘束することを意味する。
【0080】
本実施形態では、計測用電動モータ41が揺動部材41aを揺動範囲θ2の上端から下端へ動かす動作を、『第二動作』と称する。揺動部材41aが下向きに揺動すると、リンクアーム45は自重で下向きに揺動可能となり、スライド部44は自重でガイドレール46に沿って下方へスライド可能となる。つまり、第二動作とは、スライド部44の拘束を解除することを意味する。
【0081】
〔実苗取量の算出、及び、苗取量変更制御の構成〕
図6に示すように、本実施形態では制御装置30が備えられている。苗取量変更機構26に、例えば電動モータ等のアクチュエータが備えられている。制御装置30は苗取量変更機構26のアクチュエータに制御信号を出力可能である。苗取量変更機構26のアクチュエータが作動すると、植付アーム15が苗マットから苗を取り出す苗取量が変更される。また、制御装置30は報知部27に信号を出力可能である。
【0082】
また、制御装置30は、苗切れセンサ23と縦送りセンサ24と目標苗取量取得部25と苗消費量計測装置40との夫々からの信号を受信し、当該信号に基づいて苗取量変更機構26を制御するように構成されている。更に、制御装置30は、苗消費量計測装置40の計測用電動モータ41に制御信号を出力可能である。なお、縦送りセンサ24は、縦送り機構21の受動アーム21d、駆動軸21f、及び、縦送りベルト21gが作動したことを検出するスイッチ式のセンサである。目標苗取量取得部25は、予め設定された目標の苗取量である目標苗取量の入力を受け付ける。目標苗取量取得部25は、例えば圃場における使用予定の苗マットの枚数に基づいて、運転部4の操作パネルで設定されるものであっても良いし、遠隔地の管理コンピュータや携帯端末から無線通信ネットワークを介して受信するものであっても良い。携帯端末とは、例えばスマートフォンやタブレットコンピュータ等である。
【0083】
制御装置30に、計測用モータ制御部31と、実苗取量算出部32と、苗取量変更制御部33と、報知制御部34と、が備えられている。計測用モータ制御部31は、第一苗切れセンサ23aとポテンショメータ42との夫々からの信号に基づいて計測用電動モータ41に制御信号を出力するように構成されている。実苗取量算出部32は、第一苗切れセンサ23aとポテンショメータ42と縦送りセンサ24との夫々からの信号に基づいて、植付アーム15における実際の苗取量(実苗取量)を算出する。苗取量変更制御部33は、目標苗取量取得部25によって取得された目標苗取量と、実苗取量算出部32によって算出された実苗取量と、に基づいて、実苗取量が目標苗取量に近付くように苗取量変更機構26を制御する。報知制御部34は、第一苗切れセンサ23aと第二苗切れセンサ23bとの両方が苗通知状態を検出したときに報知部27に報知情報を出力する。報知制御部34は、『報知部』の構成に含まれる。
【0084】
また、制御装置30は、実苗取量算出部32によって算出された実苗取量に基づいて、圃場における苗マットの必要枚数を算出可能である。制御装置30が実苗取量に基づいて苗マットの必要枚数を算出する際には、報知制御部34は、報知部27に、必要な苗マットの枚数に関する報知情報を出力する。このため、例えば作業者が自発的に目標苗取量を変更した場合に、制御装置30は、変更後の目標苗取量に基づいて苗マットの必要枚数を算出可能である。あるいは、制御装置30は、目標苗取量が変更された後に実苗取量算出部32によって算出された実苗取量に基づいて、苗マットの必要枚数を算出可能である。これにより、作業者が当初に見込んでいた苗マットの使用予定枚数に対して実際の必要枚数にズレが生じた場合であっても、作業者は実際の必要枚数を早期に把握可能となる。なお、制御装置30が実苗取量等に基づいて苗マットの必要枚数を算出する際には、苗取量変更制御部33による苗取量変更機構26の制御が行われない構成であっても良い。
【0085】
図7のフローチャートと、
図8~
図10に示す苗消費量計測装置40の動作と、に基づいて実苗取量の算出、及び、苗取量の変更制御について説明する。苗取量の変更制御機能がスタートすると、制御装置30は、第一苗切れセンサ23aの状態が苗通知状態を検出していない状態(非検出状態)であるか否かを判定する(ステップ#01)。
【0086】
第一苗切れセンサ23aが苗通知状態を検出している状態であれば(ステップ#01:No)、制御装置30は、第二苗切れセンサ23bが苗通知状態を検出しているか否かを判定する(ステップ#02)。つまり、ステップ#02において制御装置30は、第一苗切れセンサ23aと、第二苗切れセンサ23bと、の両方が苗通知状態を検出しているか否かを判定する。
【0087】
第二苗切れセンサ23bが苗通知状態を検出していない状態であれば(ステップ#02:No)、ステップ#01の判定が繰り返される。
【0088】
第一苗切れセンサ23aと、第二苗切れセンサ23bと、の両方が苗通知状態を検出している状態であれば(ステップ#02:Yes)、苗載台14の載置面区画14aにおいて、苗マットが載置されていない、または、苗マットが枯渇している状態である。この場合、制御装置30の報知制御部34が、苗マットを補給するように促す報知情報を出力する(ステップ#03)。つまり、報知制御部34は、第一苗切れセンサ23aと第二苗切れセンサ23bとの両方が苗通知状態を検知したことに応じて苗載台14に苗マットを補給することを促すように報知する。ステップ#03の処理が実行されると、ステップ#01の判定が繰り返される。
【0089】
第一苗切れセンサ23aの状態が苗通知状態を検出していない状態であれば(ステップ#01:Yes)、ステップ#04において制御装置30は、第一苗切れセンサ23aが苗通知状態を検出したか否かを判定する。このとき、田植機の田植え作業が行われる。ステップ#01でYesの判定となった直後であればステップ#04の判定はNoとなるが、田植機の田植え作業が継続されると、苗載台14に載置された苗の残量が減少し続ける。そして、第一苗切れセンサ23aが配置されている載置面区画14aにおいて、苗上端位置が、
図3に示す第一高さ位置H1以下になると、第一苗切れセンサ23aは苗通知状態を検出する(ステップ#04:Yes)。
【0090】
第一苗切れセンサ23aは苗通知状態を検出すると、計測用モータ制御部31は、計測用電動モータ41に上述の第二動作を実行させ、スライド部44の拘束が解除される(ステップ#05)。
図8では、揺動部材41aによって拘束された状態のスライド部44及び当接部43が破線で示されている。この状態で当接部43は突起部材47に当接し、苗載台14の載置面を挟んで、苗マットの位置する側と反対側に収納される収納位置に位置する。なお、突起部材47は苗載台14のフレームに支持されている。
【0091】
揺動部材41aが、
図5の破線で示すように揺動範囲θ2の下端に移動し、スライド部44の拘束が解除されると、スライド部44は自重でガイドレール46に沿って下方へスライドする。つまり、制御装置30の計測用モータ制御部31は、第一苗切れセンサ23aが苗通知状態を検知したことに応じて計測用電動モータ41に第二動作を実行させる。このとき、当接部43と突起部材47とが当接しなくなり、当接部43は、トーションバネの付勢力によって、苗載台14の載置面を挟んで、苗マットの位置する側に立ち上がる起立位置に揺動軸芯P2まわりに揺動する。当接部43が突起部材47による収納状態(非作業状態)から解放されて起立状態(作業状態)に切り替わる位置は、『第一位置』に相当する。
【0092】
図8では、起立位置に揺動した状態の当接部43と、起立位置に揺動した状態の当接部43に対応する位置に位置するスライド部44と、が実線で示されている。そして、スライド部44が下方にスライドして、苗載台14に載置された苗の上端部に当接部43が接触すると、スライド部44のスライド位置が初期位置として記憶される(ステップ#06)。
【0093】
そして制御装置30は、スライド部44が下限位置までスライドしたか否かを判定する(ステップ#07)。スライド部44の下限位置はポテンショメータ42によって検出される。下限位置は、『第二位置』に相当する。
【0094】
スライド部44の拘束が解除された直後であれば、当接部43が苗の上端部に接触しているため、スライド部44は下限位置までスライドできずにステップ#07の判定はNoとなる。このとき、制御装置30は、スライド部44の初期位置からのスライド量を計測し、縦送りセンサ24によって検出された縦送り機構21の動きに基づいて縦送り機構21の縦送り回数をカウントする(ステップ#08)。田植機の田植え作業が継続されると、苗載台14に載置された苗の残量が減少し続ける。そして、
図9に示すように、当接部43及びスライド部44は、
図9において破線で示す位置から実線で示す位置へ向けてスライドする。この間にステップ#07の判定とステップ#08の処理とが繰り返される。そしてスライド部44が下限位置までスライドすると、ステップ#07でYesの判定となる。
【0095】
このように、苗消費量計測装置40は、縦方向において第一位置よりも第二位置と反対側の第三位置と、第二位置と、に亘って移動可能に構成されている、そして苗消費量計測装置40は、植付アーム15に向けて縦方向に移動する苗マットの移動量を、第一位置と、第一位置よりも植付アーム15側に位置する第二位置と、の間で計測する。
【0096】
ステップ#07でYesの判定となると、実苗取量算出部32は、スライド部44の初期位置から下限位置までのスライド量と、スライド部44が初期位置から下限位置へスライドする間の縦送り機構21の縦送り回数と、に基づいて植付アーム15における実際の苗取量(実苗取量)を算出する(ステップ#09)。縦送り機構21における一回当たりの縦送り量は予め設定されているため、一回当たりの縦送り量に縦送り回数を掛け算することによって、苗マットの計算上の総縦送り量を算出できる。
【0097】
縦送り機構21の縦送り回数がスライド部44のスライド量に対して少ない場合、苗マットの計算上の総縦送り量がスライド部44のスライド量よりも少なくなる。苗マットの計算上の総縦送り量がスライド部44のスライド量よりも少ない場合、苗マットが柔らかくて崩れ易い等の要因によって、植付アーム15が目標苗取量よりも多くの苗を取り出している。
【0098】
縦送り機構21の縦送り回数がスライド部44のスライド量に対して多い場合、苗マットの計算上の総縦送り量がスライド部44のスライド量よりも多くなる。苗マットの計算上の総縦送り量がスライド部44のスライド量よりも多い場合、苗マットが硬い等の要因によって、植付アーム15が目標苗取量よりも少なめの苗を取り出している。
【0099】
実苗取量が算出されると、苗取量変更制御部33は、植付アーム15の実際の苗取量が目標苗取量に近づくように苗取量変更機構26を制御する(ステップ#10)。植付アーム15は苗載台14の下端部から苗を取り出すため、植付アーム15の実際の苗取量は、植付アーム15が苗を取り出す際の植付アーム15と苗載台14の下端部との距離が関係する。このため、実苗取量が目標苗取量よりも少ない場合、苗取量変更制御部33は、植付アーム15が苗を取り出す際の植付アーム15と苗載台14の下端部との距離が短くなるように、苗取量変更機構26を制御する。また、実苗取量が目標苗取量よりも多い場合、苗取量変更制御部33は、植付アーム15が苗を取り出す際の植付アーム15と苗載台14の下端部との距離が長くなるように、苗取量変更機構26を制御する。
【0100】
このように、制御装置30の苗取量変更制御部33は、苗消費量計測装置40の計測結果に基づいて苗取量変更機構26を制御する。
【0101】
ステップ#10の処理の後、またはステップ#10の処理と並行して、計測用モータ制御部31は、計測用電動モータ41に上述の第一動作を実行させる(ステップ#11)。そして当接部43及びスライド部44は、
図10の破線で示す位置から実線で示す位置へスライドする。このとき、当接部43が、突起部材47と当接して、トーションバネの付勢力に抗して起立位置から収納位置へ揺動軸芯P2まわりに揺動する。そして、計測用電動モータ41の揺動部材41aは揺動範囲θ2の範囲のうちの上端で位置保持され、スライド部44が上限位置に拘束される。つまり、制御装置30の計測用モータ制御部31は、スライド部44が下限位置に到達したことに応じて計測用電動モータ41に第一動作を実行させる。この処理が完了すると、再度ステップ#01からの処理が繰り返される。
【0102】
〔別実施形態〕
本発明は、上述の実施形態に例示された構成に限定されるものではなく、以下、本発明の代表的な別実施形態を例示する。
【0103】
(1)上述の苗消費量計測装置40は一例であって、
図11~
図13に示すような苗消費量計測装置50であっても良い。苗消費量計測装置50に、計測用電動モータ51と、ポテンショメータ52と、当接部53と、スライド部54と、関節部55Bを有するリンクアーム55と、ガイドレール56と、が備えられている。
【0104】
スライド部54は、当接部53を、
図11~
図13に示す揺動軸芯P12まわりに揺動可能なように支持するとともに苗マットの移動に追従して当接部53と一体的にスライドする。当接部53は、苗マットの苗上端位置に当接可能に構成されている。当接部53は、苗載台14の載置面を挟んで、苗マットの位置する側と反対側に収納される収納位置と、苗載台14の長孔14hを貫通して苗マットの位置する側に立ち上がる起立位置と、に亘って上下に揺動するように構成されている。
【0105】
リンクアーム55の一端部にポテンショメータ52が連結され、リンクアーム55の他端部にスライド部54が枢支連結されている。リンクアーム55は中間部分に関節部55Bがあり、この関節部55Bを介して山型に折れることによって、スライド部54のスライドを許容する。リンクアーム55の一端部がポテンショメータ52とともに回動軸芯P11まわりに回動し、スライド部54のスライド量はポテンショメータ52によって検出される。
【0106】
回転ギア51bは計測用電動モータ51の出力軸のギアと係合する。このため、計測用電動モータ51の出力軸の回転と連動して回転ギア51bが回転軸芯P13まわりに回転する。回転ギア51bのうち、回転軸芯P13に対して外周側に偏倚した箇所に揺動部材51aが備えられている。
【0107】
回転ギア51bは、
図11~
図13の紙面において時計回りに回転する。リンクアーム55に、揺動部材51aと当接可能なカム部55aがある。揺動部材51aとカム部55aとが当接することによって、リンクアーム55の揺動基端部(ポテンショメータ52と連結されている部分)は
図11~
図13の紙面において反時計回りに揺動できなくなる。これにより、スライド部54のスライドも拘束される。
【0108】
図7に示すステップ#05の処理では、計測用モータ制御部31は、計測用電動モータ51に上述の第二動作を実行させる。このとき、回転ギア51bが
図11の紙面における時計回りに回転して揺動部材51aがカム部55aから離れる。これにより、リンクアーム55が揺動自在になり、スライド部54の拘束が解除される。
図13では、揺動部材51aによって拘束された状態のスライド部54及び当接部53が実線で示されている。この状態で当接部53は突起部材57に当接し、苗載台14の載置面を挟んで、苗マットの位置する側と反対側に収納される収納位置に位置する。なお、突起部材57は苗載台14のフレームに支持されている。
【0109】
スライド部54の拘束が解除されると、スライド部54は自重でガイドレール56に沿って下方へスライドする。このとき、
図11に示すように、当接部53と突起部材57とが当接しなくなり、当接部53は、トーションバネの付勢力によって、苗載台14の載置面を挟んで、苗マットの位置する側に立ち上がる起立位置に揺動軸芯P12まわりに揺動する。
【0110】
田植機の田植え作業が継続されると、ステップ#07の判定とステップ#08の処理とが繰り返される間に、苗載台14に載置された苗の残量が減少し続ける。そして、
図12に示すように、当接部53及びスライド部54は、
図12において破線で示す位置から実線で示す位置へ向けてスライドする。
【0111】
図7に示すステップ#11の処理では、計測用モータ制御部31は、計測用電動モータ51に上述の第一動作を実行させる。そして回転ギア51bが
図13の紙面における時計回りに回転してカム部55aと当接し、リンクアーム55が
図13の紙面における時計回りに回動する。そして、当接部53及びスライド部54は、
図13の破線で示す位置から実線で示す位置へスライドする。このとき、当接部53が突起部材57と当接して、トーションバネの付勢力に抗して起立位置から収納位置へ揺動軸芯P12まわりに揺動する。そして、揺動部材51aは
図13で示す位置で位置保持され、スライド部54が上限位置に拘束される。
【0112】
(2)上述の実施形態では、計測部の一例としてポテンショメータ42を記載した。この実施形態に限定されず、例えば計測部は、磁気式や光学式等のリニアゲージセンサであっても良い。この場合、リニアゲージセンサはスライド部44の位置を計測する。
【0113】
(3)上述の実施形態では、駆動機構の一例として計測用電動モータ41を記載した。この実施形態に限定されず、例えば駆動機構は、苗植付装置10が不図示のエンジンから受け取った動力を、クラッチを介して受け取るものであっても良い。また、駆動機構は直動モータやリニアモータ、油圧モータ等であっても良い。
【0114】
(4)長孔14hの形状は、丸孔であっても良いし、三角形や四角形、五角形等の孔であっても良いし、C字形状、U字形状、V字形状、T字形状等の孔であっても良い。
【0115】
(5)上述の第二苗切れセンサ23bが備えられない構成であっても良い。
【0116】
(6)上述の実施形態において当接部43は、苗載台14の載置面を挟んで、収納位置と起立位置とに亘って上下に揺動するように構成されている。この実施形態に限定されず、例えば当接部43は、苗載台14の載置面を挟んで上側と下側との夫々にスライドする構成であっても良い。例えば当接部43において突起部材47と当接する縁部分が、苗マットの搬送方向下流側ほど上側に位置するように後上がりの傾斜縁部分として形成されても良い。この構成であれば、当接部43が上側にスライドすることに応じて、突起部材47と当接しながら苗載台14の載置面を挟んで下側にスライドする構成であっても良い。また、当接部43が突起部材47と当接しなければ、当接部43はバネの付勢力によって上側へスライドする構成であっても良い。
【0117】
(7)上述の実施形態に限定されず、例えば同一の載置面区画14aにおいて上下位置の異なる二カ所に第一苗切れセンサ23aが備えられる構成であっても良い。具体的には、第一位置と第二位置との夫々に第一苗切れセンサ23aが配置される構成であっても良い。そして、苗消費量計測装置40に代えて、『計測装置』が、上下二カ所の第一苗切れセンサ23aで構成されても良い。上下二カ所の第一苗切れセンサ23aの位置ずれ距離は既知である。縦送り機構21の縦送り回数が少なくなると、苗マットの計算上の総縦送り量が上下二カ所の第一苗切れセンサ23aの位置ずれ距離よりも短くなる。また、縦送り機構21の縦送り回数が多くなると、苗マットの計算上の総縦送り量が上下二カ所の第一苗切れセンサ23aの位置ずれ距離よりも長くなる。このため、実苗取量算出部32は、上側の第一苗切れセンサ23aが苗通知状態を検出してから下側の第一苗切れセンサ23aが苗通知状態を検出するまでの縦送り機構21の縦送り回数(苗マットの計算上の総縦送り量)に基づいて実苗取量を算出する構成であっても良い。
【0118】
(8)上述の実施形態では、第一苗切れセンサ23aと第二苗切れセンサ23bとは、苗マット一枚分だけ離れて位置するが、離れている距離は苗マット一枚分に限定されない。第一苗切れセンサ23aと第二苗切れセンサ23bとは、任意の距離だけ離れる構成であっても良い。
【0119】
(9)上述の実施形態では、苗消費量計測装置40と第一苗切れセンサ23aとは、機体左右方向視において重複するように配置されている。この実施形態に限定されず、苗消費量計測装置40と第一苗切れセンサ23aとは、機体左右方向視において重複しない構成であっても良い。
【0120】
(10)
図7のステップ#03において報知制御部34は、第一苗切れセンサ23aと第二苗切れセンサ23bとの両方が苗通知状態を検知したことに応じて苗載台14に苗マットを補給することを促すように報知する。この実施形態に限定されず、第一苗切れセンサ23aのみが苗通知状態を検知した場合(ステップ#01:No、または、ステップ#04:Yes)、報知制御部34は第一苗切れセンサ23aが苗通知状態を検知したことを報知する予告報知を行うように構成されても良い。第一苗切れセンサ23aと第二苗切れセンサ23bとの両方が苗通知状態を検知した場合(ステップ#01:No、かつ、ステップ#02:Yes)、車輪2が少なくとも一時的に停止したり、植付アーム15が少なくとも一時的に停止したりする構成であっても良い。この場合、制御装置30は、車輪2(走行装置)及び植付アーム15の駆動を制御するように構成されている。そして制御装置30は、第一苗切れセンサ23aと第二苗切れセンサ23bとの両方が苗通知状態を検知した場合、車輪2(走行装置)と植付アーム15との少なくとも一方を少なくとも一時的に停止させる制御を行うように構成されても良い。制御装置30による一時停止制御後に、作業者は停止状態の解除操作を行って、田植機を苗マットの補給位置(圃場の畦際)へ移動させても良い。作業者が運転することによって田植機が補給位置へ移動する構成であっても良いし、自動走行によって田植機が補給位置へ移動する構成であっても良い。
【0121】
(11)上述の第一苗切れセンサ23aと第二苗切れセンサ23bとの夫々は、スイッチ式のセンサに限定されない。例えば、第一苗切れセンサ23aと第二苗切れセンサ23bとの夫々は、例えば、いわゆるLidarのような光学測距方式によって苗マットの長さを測定するものであっても良い。つまり、本発明の第一苗センサは、苗載台14に残された苗マットの縦方向の長さが予め設定された第一長さ以下になった状態を苗通知状態として検知する。本発明の第二苗センサは、苗載台14に残された苗マットの縦方向の長さが予め設定された第二長さ以下になった状態を苗通知状態として検知する。
【0122】
(12)上述の実施形態では、移植機の一例として乗用型田植機を例示した。この実施形態に限定されず、例えば移植機は、野菜移植機であっても良いし、ポット苗移植機であっても良いし、歩行型田植機であっても良い。
【0123】
なお、上述の実施形態(別実施形態を含む、以下同じ)で開示される構成は、矛盾が生じない限り、他の実施形態で開示される構成と組み合わせて適用することが可能である。また、本明細書において開示された実施形態は例示であって、本発明の実施形態はこれに限定されず、本発明の目的を逸脱しない範囲内で適宜改変することが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0124】
本発明は、移植機に適用可能である。
【符号の説明】
【0125】
14 :苗載台
14h :長孔(孔部)
23 :苗切れセンサ
23a :第一苗切れセンサ(第一苗センサ)
23b :第二苗切れセンサ(第二苗センサ)
26 :苗取量変更機構
27 :報知部
30 :制御装置
34 :報知制御部(報知部)
40 :苗消費量計測装置(計測装置)
41 :計測用電動モータ(駆動機構)
42 :ポテンショメータ(計測部)
43 :当接部
44 :スライド部
50 :苗消費量計測装置(計測装置)
51 :計測用電動モータ(駆動機構)
52 :ポテンショメータ(計測部)
53 :当接部
54 :スライド部