(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025010119
(43)【公開日】2025-01-20
(54)【発明の名称】回転式材料減容化ツール
(51)【国際特許分類】
B02C 13/28 20060101AFI20250109BHJP
B02C 13/06 20060101ALI20250109BHJP
【FI】
B02C13/28
B02C13/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024108694
(22)【出願日】2024-07-05
(31)【優先権主張番号】63/512,197
(32)【優先日】2023-07-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】519428993
【氏名又は名称】ヴァミィヤ マニュファクチャリング カンパニー
【氏名又は名称原語表記】Vermeer Manufacturing Company
【住所又は居所原語表記】1210 Vermeer Road East,Pella,IA 50219,US
(74)【代理人】
【識別番号】100147511
【弁理士】
【氏名又は名称】北来 亘
(72)【発明者】
【氏名】ヴェルジリ,クラウディオ カラフィーロ
(72)【発明者】
【氏名】ローズボーム,キース レオン
【テーマコード(参考)】
4D065
【Fターム(参考)】
4D065AA04
4D065AA09
4D065BB04
4D065BB12
4D065EB20
4D065EC02
4D065ED12
(57)【要約】 (修正有)
【課題】本開示は、グラインダ、シュレッダ、およびチッパなどの材料減容化マシンに関する。
【解決手段】回転式材料減容化ツールは、ドラムと、カラーと、ハンマとを含む。ドラムは、ドラムの回転軸の周りを延びる外面を有する。ドラムは、ドラムの外面内に画定された第1の開口部を有する。カラーは、第1の開口部内に受け入れられる。カラーの第1の部分は、ドラム内に延び、カラーのフランジは、第1の開口部を越えてドラムの外面に沿って延びる。ハンマは、カラーを通ってドラム内に延びる。ハンマは、露出された部分を有する。カラーのフランジおよびドラムの外面は、一緒に溶接される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転式材料減容化ツールを組み立てる方法において、
ドラムの回転軸の周りを延びる外面を有する前記ドラムを提供するステップと、
カラーの一部が前記ドラム内に延び、前記カラーのフランジが第1の開口部を越えて前記ドラムの前記外面に沿って延びるまで、前記カラーを前記ドラムの外側から前記ドラムの前記外面内の前記第1の開口部内に組み付けるステップと、
前記カラーの前記フランジおよび前記ドラムの前記外面を一緒に溶接するステップと、
ハンマを、前記ハンマの一部分が露出されたままであるように前記カラーを通して挿入するステップと、
前記ハンマを前記カラーに固定するステップとを含む、方法。
【請求項2】
前記カラーの前記フランジおよび前記ドラムの前記外面を一緒に溶接するステップが、複数の溶接パスを堆積させることを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
第2のカラーの一部が前記ドラム内に延び、前記第2のカラーのフランジが前記第1の開口部を越えて前記ドラムの前記外面に沿って延びるまで、前記第2のカラーを前記ドラムの前記外面内の第2の開口部に位置させるステップをさらに含み、前記第2の開口部は、前記第1の開口部の反対側にある、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
スリーブを前記カラー内に圧入するステップをさらに含み、前記スリーブは、前記カラーと前記第2のカラーとの間を延びる、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記ハンマが、締結具を前記カラーの一方の側部内に締め付けて、前記ハンマを前記カラー内にくさび留めすることによって、前記カラーに固定される、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
当て板を前記ドラムの前記外面に固定するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記当て板が、溶接によって前記ドラムの前記外面に固定される、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記カラーの前記フランジおよび前記ドラムの前記外面を一緒に溶接する前記ステップが、第1の溶接パスを堆積させることを含み、前記当て板および前記ドラムの前記外面を一緒に溶接する前記ステップが、第2の溶接パスを堆積させることを含み、前記方法が、前記第1の溶接パスと前記第2の溶接パスとの間に少なくとも1つの追加の溶接パスを堆積させるステップをさらに含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記カラーの前記フランジおよび前記ドラムの前記外面を一緒に溶接する前記ステップおよび前記当て板および前記ドラムの前記外面を一緒に溶接する前記ステップが、前記カラーの前記フランジ、前記ドラムの前記外面、および前記当て板の間に単一の溶接パスを加えることを含む、請求項7に記載の方法。
【請求項10】
回転式材料減容化ツールにおいて、
ドラムの回転軸の周りを延びる外面を有するドラムであって、前記ドラムの前記外面内に画定された第1の開口部を有する、ドラムと、
前記第1の開口部内に受け入れられるカラーであって、前記カラーの第1の部分は、前記ドラム内に延び、前記カラーのフランジは、前記第1の開口部を越えて前記ドラムの前記外面に沿って延びる、カラーと、
前記カラーを通って前記ドラム内に延びるハンマであって、露出された部分を有するハンマとを備え、
前記カラーの前記フランジおよび前記ドラムの前記外面が、一緒に溶接される、回転式材料減容化ツール。
【請求項11】
前記ドラムの前記外面内の第2の開口部に結合される第2のカラーをさらに備え、前記第2の開口部は、前記第1の開口部の反対側にあり、前記第2のカラーの第1の部分は、前記ドラム内に延び、前記第2のカラーのフランジは、前記ドラムの外側を延びる、請求項10に記載の回転式材料減容化ツール。
【請求項12】
前記ドラムの前記外面上に固定される当て板をさらに備える、請求項10に記載の回転式材料減容化ツール。
【請求項13】
前記カラー、前記当て板、および前記ドラムの前記外面が、一緒に溶接される、請求項12に記載の回転式材料減容化ツール。
【請求項14】
前記カラーの外側周囲が、湾曲表面を形成する、請求項10に記載の回転式材料減容化ツール。
【請求項15】
前記フランジが、前記第1の開口部の全周囲を越えて延びる、請求項10に記載の回転式材料減容化ツール。
【請求項16】
前記外面内の前記第1の開口部と第2の開口部との間を少なくとも部分的に延びるスリーブをさらに備え、前記第2の開口部は、前記第1の開口部の反対側にあり、前記ハンマは、前記スリーブ内に少なくとも部分的に配置される、請求項10に記載の回転式材料減容化ツール。
【請求項17】
前記カラーが、くさび留め側部と支持側部とを含み、前記くさび留め側部は、締結具とくさび留めアセンブリとを含み、前記くさび留めアセンブリは、前記締結具が固定されたときに、前記ハンマを前記カラーに固定する、請求項10に記載の回転式材料減容化ツール。
【請求項18】
前記支持側部が、いかなる開口部も有さない、全体的に中実構造である、請求項17に記載の回転式材料減容化ツール。
【請求項19】
前記カラーが、モノリシック鍛造物である、請求項10に記載の回転式材料減容化ツール。
【請求項20】
前記ハンマが、前記回転軸を横切って延びる、請求項10に記載の回転式材料減容化ツール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2023年7月6日出願の同時係属中の米国仮特許出願第63/512,197号に対する優先権の利益を主張するものであり、その全容は、参照によって本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、グラインダ、シュレッダ、およびチッパなどの材料減容化マシンに関する。
【背景技術】
【0003】
材料減容化マシンは、廃棄材料などの材料のサイズを減少して減容するために使用される。例示的な廃棄材料は、廃棄木材(たとえば木、ブラシ、根株、パレット、線路の枕木など)、草炭、紙、湿潤有機材料、工業廃棄物、廃物、工事廃棄物などを含む。グラインダ、チッパまたはシュレッダなどの典型的な材料減容化マシンは、複数の減容化装置(たとえば歯、カッタ、ブレード、研磨先端、のみなど)が取り付けられたロータを含む。減容化装置は、典型的には、ロータの円周の周りに取り付けられ、ロータが回転されるときにロータの回転軸の周りをロータによって運ばれる。減容化動作中、ロータは回転され、廃棄材料はロータに隣接して送られ、それにより、減容化装置と廃棄材料との間の接触が、廃棄材料に対する減容化または細かに砕いて粉砕する作用をもたらす。
【0004】
グラインダおよびチッパは、典型的には、材料に対する減容化装置の直接的な衝突によって材料を減容化するように構成される。対照的に、シュレッダは、一般的には、減容化装置が、ロータが回転するときに減容化装置と相互に噛み合うコーム構造と共働して動作するように構成される。典型的なシュレッダの動作において、シュレッダに送られた材料は、ロータが回転するときに減容化装置によってコーム構造を通るように強制され、それによって細断作用をもたらす。減容化の動作中、グラインダおよびチッパのロータは、典型的には、シュレッダのロータよりも高速の回転速度で動作することが理解されよう。
【0005】
材料減容化マシンの減容化ロータは、極度の負荷を受ける。異なる速度により負荷作用は異なるが、減容化ロータは、負荷に耐えるように頑強に設計されなければならない。さらに、減容化ロータならびにハンマおよびカッタなどのその取り付けられた構成要素は、特に廃棄材料が研磨性のものである場合、高い摩耗率を被り得る。こうした理由のため、取り付けられた構成要素は、典型的には交換可能である。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
1つの独立的な態様では、回転式の材料減容化ツールを組み立てる方法は、ドラムの回転軸の周りを延びる外面を有するドラムを提供するステップを含む。カラーが、その一部がドラム内に延び、カラーのフランジが第1の開口部を越えてドラムの外面に沿って延びるまで、ドラムの外側から第1の開口部に入れてドラムの外面内に組み付けられる。カラーのフランジおよびドラムの外面は、互いに溶接される。ハンマが、カラーを通って挿入され、したがって一部分が露出されたままになる。ハンマは、カラーに固定される。
【0007】
別の独立的な態様では、回転材料の式減容化ツールは、ドラムと、カラーと、ハンマとを有する。ドラムは、ドラムの回転軸の周りを延びる外面を有する。ドラムは、ドラムの外面内に画定された第1の開口部を有する。カラーは、第1の開口部内に受け入れられる。カラーの第1の部分は、ドラム内に延び、カラーのフランジは、第1の開口部を越えてドラムの外面に沿って延びる。ハンマは、カラーを通ってドラム内に延びる。ハンマは、露出された部分を有する。カラーのフランジおよびドラムの外面は、一緒に溶接される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本開示の1つの実施形態による材料減容化マシンの後方斜視図である。
【
図2】
図1の材料減容化マシンの別の後方斜視図である。
【
図4】本開示の一実施形態による減容化ロータシステムの前方斜視図である。
【
図5】
図4の減容化ロータシステムの後方斜視図である。
【
図6】
図4の減容化ロータシステムの上面図である。
【
図7】端部キャップが取り外されている、
図4の減容化ロータシステムの前方斜視図である。
【
図8】
図7の減容化ロータシステムの端面図である。
【
図9】
図4の減容化ロータシステムのドラムの斜視図である。
【
図10】
図4の減容化ロータシステムの当て板の斜視図である。
【
図12】
図4の減容化ロータシステムのカラーの斜視図である。
【
図19】
図17の線19-19に沿って切り取られたカラーの断面図である。
【
図20】
図4の減容化ロータシステムのロータ溶接物の斜視図である。
【
図22】
図7の減容化ロータシステムの詳細図である。
【
図25】
図7の減容化ロータシステムの分解斜視図である。
【
図26】
図6の線26-26に沿って切り取られた減容化ロータシステムの断面図である。
【
図28】本開示の別の実施形態による、
図26の断面の一部の詳細図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
任意の実施形態、例、態様または特徴を詳細に説明する前に、これらの実施形態、例、態様、および特徴が、その適用において、以下の説明に記載する、または以下の図に示す構造の詳細および構成要素の配置に限定されないことを理解されたい。他の実施形態、例、態様、および特徴が可能であり、さまざまな方法で実践または実施されることが可能である。また、本明細書において使用する表現方法および用語が説明のためであり、限定とみなされてはならないことも理解されたい。
【0010】
図1~
図3は、本開示の原理による減容化ロータを組み込むことができる材料減容化マシンのタイプの1つの例である材料減容化マシン20を示す。回転式材料減容化マシン20は、シュレッダとして示されるが、本開示の態様がグラインダおよびチッパなどの他のタイプの材料減容化マシンにも適用可能であることが理解されよう。1つの任意選択の例では、回転式材料減容化マシン20は、(以下に詳細に説明する)ロータが細断動作中、1分当たり40回転以下の速度で動作される比較的低速のシュレッダとすることができる。動作ロータ速度が遅くなるにつれてロータバランスを維持する重要性が低下し、したがって、種々の減容化ロータ構成要素および構成を選択する上でより高い柔軟性が可能になることが理解されよう。別の任意選択の例では、回転式材料減容化マシン20は、ロータが細断動作中、1分当たり40回転を超える速度で動作される比較的高速のグラインダまたはチッパとすることができる。
【0011】
回転式材料減容化マシン20は、減容化ロータ24が内部に配置される減容化ボックス22を画定する主要フレームワークを含む。減容化ロータ24は、中央軸26の周りを減容化ボックス22内で回転するように取り付けられる。減容化ロータ24は、軸受を介して、減容化ボックス22に回転式に取り付けられてもよい。複数の減容化装置28が、減容化ロータ24の外部に取り付けられる。減容化ロータ24が中央軸26の周りで回転されるとき、減容化装置28は、中央軸26を取り囲む円形減容化経路に沿って、減容化ロータ24によって運ばれる。回転式材料減容化マシン20は、減容化対象の材料が減容化ボックス22内に送られるのを可能にするために、減容化ロータ24の上方にホッパ30を含む。ホッパ30は、任意選択により、減容化ボックス22から出力された、減容化された製品のサイズを制御するために、減容化ロータ24の下方に取り付けられたスクリーン(図示せず)を含む。回転式材料減容化マシン20は、減容化ボックス22内に取り付けられた細断コーム32をさらに含んでもよい。細断コーム32は、複数のコーム歯を含み、細断コーム32は、減容化ロータ24が中央軸26の周りで回転されるときに、減容化ロータ24の減容化装置28が細断コーム32のコーム歯と相互に噛み合うように、減容化ロータ24に対して相対的に配置される。換言すれば、減容化ロータ24が回転するとき、減容化装置28は、細断コーム32の対応するコーム歯間を通過する。回転式材料減容化マシン20はまた、中央軸26の周りで減容化ロータ24の回転を駆動するためのパワートレイン(図示せず)を含む。パワートレインは、減容化ロータ24の回転を駆動するために必要とされる動力を提供する原動機(たとえばエンジン)を含むことができる。パワートレインはまた、原動機から減容化ロータ24まで動力を伝達するためのトランスミッションを含むことができる。動力は、トルクの形態で伝達することができる。回転式材料減容化マシン20はまた、減容化ボックス22から排出された、減容化された製品を減容化ボックス22から離すように移送するための1つまたは複数のコンベヤ34を含んでもよい。
【0012】
回転式材料減容化マシン20の動作において、減容化が望まれる材料が、ホッパ30を通って減容化ボックス22内に送られる。減容化ボックス22内では、減容化ロータ24は、パワートレインによって中央軸26の周りで回転される。減容化ボックス22内に送られた材料に、減容化ロータ24の減容化装置28が衝突し、材料は、減容化装置28によって細断コーム32を通るように強制され、それによって材料のサイズを細断によって減容化する。細断コーム32を通るように強制された、細断された材料をコンベヤ34上に堆積させることができ、コンベヤ34によって、トラックの荷台または地面の堆積山などの収集場所まで移送することができる。ホッパ30が減容化ロータ24の下方にサイジングスクリーンを含む場合、スクリーンを通過するのに十分小さいサイズに減容化された材料は、コンベヤ34上に堆積され、その一方で材料の残りは、スクリーンを通過するのに十分小さくなるまでさらに処理するために、減容化ロータ24によって再循環されて減容化ボックス22内に戻される。
【0013】
図4~
図8は、回転式材料減容化マシン20などの材料減容化マシン内に一体化することができるドラム52(たとえば、
図9に別個に示す減容化ロータ)を有する減容化ロータシステム50を示す。したがって、減容化ロータシステム50は、回転式材料減容化ツールとして構成される。減容化ロータシステム50は、中央回転軸54の周りを回転可能である。減容化ロータシステム50は、材料減容化マシン内(たとえば、回転式材料減容化マシン20の減容化ボックス22内)に取り付け可能であり、回転式材料減容化マシン20内に取り付けられたとき、減容化ロータシステム50の回転軸54は、回転式材料減容化マシン20の中央軸26と一致する。減容化ロータシステム50の回転軸54はまた、ドラムの回転軸を形成するためにドラム52の中心を通って延びる。
【0014】
減容化ロータシステム50は、ロータ溶接物56(
図20)の一部であるドラム52(
図9)と、ロータ溶接物56に取り外し可能に結合されるハンマ58と、ハンマ58に取り外し可能に取り付けられる減容化装置62(たとえば歯、カッタ、ブレードなど)とを含む。減容化ロータシステム50は、第1の端部キャップ53と、第1の端部キャップ53の反対側の第2の端部キャップ55とを含み、それらの部分は、ロータ溶接物56の端部に取り外し可能に結合され得る。使用において、減容化ロータシステム50は、回転軸54の周りを回転するようにトルク源(たとえばパワートレイン)によって回転式に駆動させることができる。減容化ロータシステム50の第1の端部キャップ53は、これがトルク源(たとえばパワートレイン)に接続され、トルク源からトルクを受け入れるような被駆動端部である。減容化ロータシステム50の第2の端部キャップ55は、材料減容化マシン内(たとえば減容化ボックス22内)で減容化ロータシステム50を支持するように構成された取り付け端部である。
【0015】
減容化ロータシステム50は、回転方向70に回転軸54の周りで回転される。図示する実施形態では、減容化ロータシステム50を(たとえば、
図4に示す)第1の端部キャップ53から見たとき、回転方向70は時計回りである。ハンマ58は、第1の端部キャップ53と第2の端部キャップ55との間に、減容化ロータシステム50に沿って軸方向に配置される。より詳細には、ハンマ58の各々は、ドラム52の長さに沿って所定の軸方向位置に位置付けられる。減容化ロータシステム50が回転軸54の周りを回転するとき、減容化装置62は、回転軸54を取り囲む円形減容化経路に沿って進行する。いくつかの実施形態では、減容化装置62は、ハンマ58と一体的に形成されてもよい。
【0016】
図9は、ドラム52を示す。ドラム52は、外面74と内側空洞78とを有する細長い円筒状構造である。外面74は、ドラム52の第1の端部からドラム52の第2の端部まで延びる。ドラム52の第1の端部は、第1の端部キャップ53に隣接し、ドラム52の第2の端部は、第2の端部キャップ55に隣接する。外面74もまた、回転軸54の周りを延びる。
【0017】
ドラム52は、ハンマ58および(以下で詳細に説明する)追加の支持構造を受け入れるように構成された複数の開口部82(たとえばカラー場所)をさらに含む。開口部82は、外面74から内側空洞78まで延びる。図示する実施形態では、開口部82は、楕円形状を有するが、他の実施形態では、開口部82は、異なる細長い形状(たとえば長方形)を有してもよい。
【0018】
開口部82は、ドラム52の外面74内に画定された、第1の開口部82a、第2の開口部82b、第3の開口部82c、および第4の開口部82dを含む。開口部82は、ドラム52の長さに沿って離間された軸方向セット内にグループ化される。開口部の第1のセットは、第1の開口部82aと第2の開口部82bとを含む。第1および第2の開口部82a、82bは、ドラム52に沿って同じ軸方向位置に配置される。第1および第2の開口部82a、82bは、第1および第2の開口部82a、82bが180度離間されるように径方向に互いの反対側に配置される。別の言い方をすれば、第1および第2の開口部82a、82bは、ドラム52上で正反対にある。図示する実施形態では、開口部の軸方向セットの各々は、2つの開口部82(たとえば、第1の開口部82aおよび第2の開口部82b)を含むが、他の実施形態では、開口部のセットは、ドラム52の円周に沿って等しく離間されたより多くの開口部82を含んでもよい。いくつかの実施形態では、開口部のセットは、1つだけの開口部を含んでもよい。
【0019】
第3の開口部82cおよび第4の開口部82dは、開口部の第2のセットを形成し、この第2のセットは、開口部の第1のセット(たとえば第1および第2の開口部82a、82b)と同様であり、開口部の第1のセットから軸方向に離間される。図示する実施形態では、開口部の第2のセットはまた、開口部の第1のセットから角度方向にずらされる。図示する実施形態では、開口部のセットは、60度ずらされているが、いくつかの実施形態では、角度ずれ量は、これより大きくても小さくてもよい。
【0020】
図4~
図8および
図20~
図22を参照すると、ハンマ58は、カラー(たとえば取付体または支持体)によってドラム52に取り外し可能に結合される。減容化ロータシステム50は、複数のカラー106を含んでもよく、これらのカラーは、ハンマ58をドラム52に取り外し可能に結合させ、ハンマ58に対する支持を提供する。複数のカラー106のカラーの各々は、開口部82の1つ内に少なくとも部分的に受け入れられる。
【0021】
複数のカラー106は、第1のカラー106aと第2のカラー106b(
図21、
図22)とを含む。第1のカラー106aは、第1の開口部82a内に少なくとも部分的に受け入れられ、第2のカラー106bは、第2の開口部82b内に少なくとも部分的に受け入れられる。図示する実施形態では、第1のカラー106aは、ハンマの一方の端部に結合され、これを支持し、その一方で第2のカラー106bは、ハンマの他方の端部に結合され、これを支持する。図示する実施形態では、第2のカラー106bは第1のカラー106aと同様であり、そのため、第1のカラー106aのみが詳細に説明される。いくつかの実施形態では、第2のカラー106bは、第1のカラー106aと異なっていてもよい。
【0022】
図12~
図19を参照すると、第1のカラー106aは、モノリシック本体であってもよい。第1のカラー106aは、鍛造本体であってもよい。第1のカラー106aは、内側部分118(たとえば第1の部分)と、外側部分122(たとえば第2の部分)と、内側部分118と外側部分122との間を延びるハンマ空洞126とを有する。第1のカラー106aが開口部82a内に受け入れられた(たとえばその内部に配置された、またはこれに結合された)とき、内側部分118は、ドラム52内に延び、外側部分122は、ドラム52の外面74に沿って延びる。図示する実施形態では、内側部分118は、開口部82aより小さく、それにより、第1のカラー106aが開口部82a内に位置したとき、内側部分118と開口部82aとの間にすき間空隙が存在する。いくつかの実施形態では、内側部分118は、開口部82aと同じサイズであり、それにより、第1のカラー106aが開口部82a内に位置したとき、内側部分118は開口部82aにぴったりと接する。
【0023】
外側部分122は、フランジ150(たとえば、張り出し部)を含む。フランジ150は、第1のカラー106aの外側周囲を画定するような、第1のカラー106aの最も広い部分である。外側周囲は、開口部82aの周囲より大きい。図示する実施形態では、フランジ150は、第1のカラー106aの全周囲に沿って連続的に延びる。いくつかの実施形態では、フランジ150は、第1のカラー106aの一セクションに沿ってのみ延びてもよい。たとえば、フランジ150は、第1のカラー106aの端部に沿ってのみ延びてもよく、またはフランジ150は、カラー106aの周囲に沿って広がる断続的セクションから形成されてもよい。
【0024】
フランジ150、および第1のカラー106aの外側外周は、湾曲表面を形成する。湾曲表面は、ドラム52の外面74と同様の(たとえば合致する)曲率を有し、それにより、第1のカラー106aが開口部82a内に受け入れられたとき、フランジ150は、開口部82を越えて延びる。フランジ150は、ドラム52の外面74に沿って延びる。図示する実施形態では、フランジ150とドラム52の外面74との間には、すき間空隙が存在する。いくつかの実施形態では、フランジ150は、ドラム52の外面74とぴったり接する。
【0025】
いくつかの実施形態(図示せず)では、フランジ150は、接触点のセット(たとえば、ボス、ノブ、または突起)を含み、それにより、第1のカラー106aが開口部82aに挿入されたとき、フランジ150は、ドラム52の外面74と接触点でのみ接触する。フランジ150は、フランジ150に沿って離間された3つ以上の接触点を含んでもよい。接触点は、第1のカラー106aと一体的に形成されてもよい。
【0026】
ハンマ空洞126は、ハンマ58の1つを少なくとも部分的に受け入れるように構成される。ハンマ空洞126は、(
図13に見られるような)略長方形の断面を有する。図示する実施形態では、ハンマ空洞126は、丸められた縁を有する。ハンマ空洞126は、ハンマ58の1つを嵌合させるように寸法設定される。ハンマ空洞126は、ハンマ58の1つよりもわずかだけ大きく設定されてもよい。ハンマ空洞126は、その中心が第1のカラー106aの中心と位置合わせされるように、第1のカラー106a上で中心に置かれてもよい。ハンマ空洞126は、第1のカラー106aの鍛造プロセス中に形成されてもよく、またはハンマ空洞126は、第1のカラー106aが鍛造された後に機械加工によって形成(たとえば、切断または穿孔)されてもよい。いくつかの実施形態では、ハンマ空洞126は、第1のカラー106a上に中心をずらして置かれてもよい。
【0027】
ハンマ空洞126は、ハンマ空洞126の周囲に沿って配設された内側プロファイル142(
図19)を含んでもよい。内側プロファイル142は、スリーブ(以下で詳細に論じる)を受け入れるように構成される。内側プロファイル142は、内側部分118の遠位端部(たとえば、フランジ150の反対側の第1のカラー106aの端部)上に配置される。内側プロファイル142は、第1のカラー106aの遠位端部からフランジ150に向かって部分的に延びる。内側プロファイル142は、内側部分118の長さの5分の1だけ延びてもよい。いくつかの実施形態では、内側プロファイル142は、内側部分118の長さの3分の1だけ延びてもよい。いくつかの実施形態では、内側プロファイル142は、内側部分118の長さを延びてもよい。いくつかの実施形態では、内側プロファイル142は、第1のカラー106aの全長を延びてもよい。
【0028】
第1のカラー106aは、くさび留め側部110(たとえば、第1の側部)と支持側部114(たとえば、第2の側部)とをさらに含んでもよい。ハンマ空洞126は、くさび留め側部110と支持側部114との間にある。図示する実施形態では、第1のカラー106aが開口部82a内に配置されたとき、くさび留め側部110は、回転方向70に対して前方向にあり、支持側部114は、回転方向70に対して後方向にある。いくつかの実施形態では、支持側部114は、回転方向70に対して前方向にあってもよい。いくつかの実施形態では、第1のカラー106aは、2つのくさび留め側部110(たとえば、前方くさび留め側部および後方くさび留め側部)を含んで、支持側部を含まなくてもよい。いくつかの実施形態では、第1のカラー106aは、2つの支持側部114(たとえば、前方支持側部および後方支持側部)を含んで、くさび留め側部を含まなくてもよい。
【0029】
くさび留め側部110は、第1のカラー106aの長さ内に延びるくさび留め空洞130を含む。くさび留め空洞130およびハンマ空洞126は、直接的にまたは間接的に互いに対して開いていてもよい。くさび留め空洞130およびハンマ空洞126は、互いに直に隣接し、互いに対して直接的に開いていてもよい。図示する実施形態では、くさび留め空洞130は、ハンマ空洞126と連続する(たとえば、これに流体的に接続される)。くさび留め空洞130は、第1のカラー106aの鍛造プロセス中に形成されてもよく、またはくさび留め空洞130は、第1のカラー106aが鍛造された後に機械加工によって形成(たとえば、切断または穿孔)されてもよい。いくつかの実施形態では、くさび留め空洞130は、第1のカラー106aの長さを部分的にのみ延びてもよい。
【0030】
図24および
図27を参照すれば、くさび留めアセンブリ204が、くさび留め空洞130内に配設される。くさび留めアセンブリ204は、ハンマ58を第1のカラー106aに取り外し可能に固定する。くさび留めアセンブリ204が動作することにより、ハンマ58を第1のカラー106aに挟む、またはくさび留めするために、ハンマ58の長さに垂直である力がハンマ58上に加えられる。くさび留めアセンブリ204は、第1のくさび部208と、第2のくさび部212と、締結具214(たとえばボルト)とを含んでもよい。締結具214は、第1のくさび208および第2のくさび212を通って延びる。締結具214は、ハンマ58または減容化装置62を通って延びない。
【0031】
第1のくさび部208は、凹部218と、傾斜接触面221と、くさび表面223とを含む。凹部は、締結具214の一部を受け入れるように構成される。くさび表面223は、傾斜接触面221の反対側にある。くさび表面223は、カラー106に隣接する。
【0032】
第2のくさび部212は、L字形状を有する。第2のくさび部212は、ベース228と、傾斜接触面232と、くさび表面234とを含む。ベース228は、締結具214の一部を受け入れる凹部225を含む。ベース228は、第1のくさび部208の下方に配置される。傾斜接触面232は、第1のくさび部208の傾斜接触面221とハンマ58との間に配置される。第2のくさび部212の傾斜接触面232は、第1のくさび部208の傾斜接触面232と係合するように構成される。くさび表面234は、傾斜接触面232の反対側にある。くさび表面234は、ハンマ58に隣接し、ハンマ58に力を加える。力は、ハンマ58の長さに垂直である。
【0033】
締結具214は、第1のくさび部208と第2のくさび部212の両方の内部に受け入れられ、ナット235によってねじ留め式に受け入れられる。いくつかの構造では、ナット235は、T字形状にされる。ナット235は、第1のくさび部208と第2のくさび212の両方の下方に配置される。くさび留め空洞130は、突出部236を有してもよく、この突出部は、ナット235からくさび部208、212を分離し、ナット235の軸方向移動を限定する。他の実施形態では、ナット235は、六角ナットまたは正方形ナットであってもよい。
【0034】
締結具214は、ナット235内に締め付けられるとき、第1のくさび部208を第2のくさび部212に係合させる。より詳細には、締結具214を締め付けることにより、第1のくさび部208は下方向に(たとえば内側空洞78に向かって)押し出され、第1のくさび部208の傾斜接触面232を第2のくさび部212の傾斜接触面232に係合させる。第1のくさび部208は、第2のくさび部212のくさび表面234を横方向にハンマ58に押し付け、それにより、ハンマは、第1のカラー106a内に固定され(くさび留めされ、または挟まれ)、取り出すことはできなくなる。締結具214が緩められたとき、これは、第1のくさび部208と第2のくさび部212を係合解除することを可能にする。第1のくさび部208は弛緩され、それにより、第1のくさび部208が第2のくさび212に及ぼす力は、小さくなり得る。ハンマ58は、もはや固定されておらず、それにより、第1のカラー106aからハンマを取り外すことができる。
【0035】
くさび留め側部110はまた、延長部134を含んでもよい。延長部134は、支持側部114を通り過ぎて延びる。延長部134は、くさび留め空洞130の長さを延びるキャップ238およびスペーサ242を含む。キャップ238は、くさび留め空洞130を覆うように構成され、ナット235がドラム52の内側空洞78内に落下することを防止する。スペーサ242は、締結具214およびナット235をくさび留め空洞130内に配置することを可能にし、締結具214が下方向に移動するための余地を可能にする。
【0036】
スペーサ242は、溶接点246によってくさび留め側部110の遠位端部に溶接される。キャップ238は、溶接点250によってスペーサ242に溶接される。いくつかの実施形態では、スペーサ242およびキャップ238は、一体品である。いくつかの実施形態では、スペーサ242およびキャップ238は、第1のカラー106aのモノリシック鍛造物内に含まれる。
【0037】
支持側部114は、第1のカラー106aに強度を提供する。支持側部114は、全体的に中実構造であり、いかなる開口部も有さない。支持側部114は、いかなる取り外し可能な部分または要素も有さない。
【0038】
図20~
図27を参照すると、減容化ロータシステム50は、第1のカラー106aおよび第2のカラー106bに結合されたスリーブ174を含んでもよい。より詳細には、スリーブ174は、第1のカラー106aおよび第2のカラー106bの内側プロファイル142内に圧入されてもよい。スリーブ174は、ハンマを受け入れるように構成された長方形延長部である。スリーブ174は、一定の長方形断面を有する。スリーブ174は、ドラムの内側空洞78を通って、第1の開口部82aと第2の開口部82bとの間を少なくとも部分的に延びる。より詳細には、スリーブ174は、第1のカラー106aと第2のカラー106bとの間を延びる。スリーブ174は、物体(たとえば、ハンマ、汚れ、切断された材料など)が、材料減容化マシン内に組み付けられるとアクセス不能になり得るドラム52の内側空洞78内に偶発的に落下することを防止する。
【0039】
追加的に、スリーブ174は、ロータ溶接物56の組み立て中、カラー106a、106bとドラム58の外面74との間にすき間空隙を作り出すために使用されてもよい。より詳細には、スリーブ174の長さは、カラー106a、106bと外面74との間に空隙を作り出し、その空隙のサイズを制御するように選択することができる。スリーブ174の第1の端部は、第1のカラー106aの内側プロファイル142内に受け入れられ、スリーブ174の第2の端部は、第2のカラー106bの内側プロファイル142内に受け入れられる。スリーブ174の長さは、第1のカラー106aおよび第2のカラー106bを互いに分離する。第1のカラー106aと第2のカラー106bとの間に増大した距離を設定するために、スリーブ174は、長さが増大されてもよい。第1のカラー106aと第2のカラー106bとの間に低減した距離を設定するために、スリーブ174は、長さが低減されてもよい。スリーブ174の長さは、第1のカラー106aと外面72との間に所望の空隙を、第2のカラー106bと外面72との間に所望の空隙を達成するように選択される。所望の空隙は、より制御された、一貫した(以下で詳細に論じる)溶接点を可能にする。
【0040】
図6、
図10、
図11、および
図20を参照すると、ロータ溶接物56は、ドラム52の外面74に沿って延びる複数の当て板90(たとえば、プレーティングまたはシェル)を含んでもよい。複数の当て板90が、ドラム52の外面74に固定される。より詳細には、複数の当て板90は、ドラム52の外面74に溶接される。複数の当て板90は、外面74より硬い材料から形成されてもよい。当て板90の材料は、Hardox(登録商標)500耐摩耗性鋼であってもよい。代替的には、当て板90は、別の適切な耐摩耗性鋼で構築されてもよい。複数の当て板90は、ドラム52単独と比較して、ロータ溶接物56の強度および耐摩耗性を増大させる。
【0041】
図示する実施形態では、複数の当て板90は、第1の当て板90aと、第2の当て板90bと、第3の当て板90cと、第4の当て板90dとを含む。第1の当て板90aは、第2の当て板90cに円周方向に隣接し、第3の当て板90cは、第4の当て板90dに円周方向に隣接する。第1の当て板90aは、第3の当て板90cに軸方向に隣接し、第2の当て板90dは、第4の当て板90dに軸方向に隣接する。図示する実施形態では、当て板90a~90dはすべて同様であり、そのため、第1の当て板90aのみが詳細に説明される。
【0042】
第1の当て板90aは、内面94と、外面98と、少なくとも1つの湾曲縁102とを含む。第1の当て板90aがドラム52上に配置されたとき、第1の当て板90aの内面94は、ドラム52の外面74と当接し、外面74にぴったり接する。第1の当て板90aは、湾曲した内面94を画定する。図示する実施形態では、内面94は、半円形形状を有する。第2の当て板90bは、ドラム52の円周を覆うために、第1の当て板90aに円周方向に隣接して配置される。円周方向に隣接する当て板(たとえば、第1の当て板90aおよび第2の当て板90b)は、互いに当接してもよく、または当て板90a、90b間に画定された空隙が存在してもよい。他の実施形態では、当て板は、ドラム52の円周を覆うために3つ以上の当て板を使用し得るように、より小さくてもよい。開口部82と同様に、第1および第2の当て板90a、90bは、
図20に示すように、第3および第4の当て板90c、90dから角度的にずらされる。図示する実施形態では、当て板のセットは、60度ずらされる。いくつかの実施形態では、角度ずれ量は、これより大きくても小さくてもよい。
【0043】
第1の当て板90aは、2つの湾曲した縁102を有する。第1の当て板90aがドラム52上に配置されたとき、湾曲した縁102は、ドラム52の開口部82の対応する部分に隣接して配置される。別の言い方をすれば、縁102は、開口部82の一部の輪郭をたどる。図示する実施形態では、縁102は、半楕円形状を有し、それにより、2つの当て板は、開口部82の1つの輪郭をたどるか、またはカラー106の1つの輪郭をたどる楕円形開口部を形成する。たとえば、
図6を参照すると、縁102aを有する第1の当て板90aと、縁102dを有する第4の当て板90dとの間に、楕円形開口部が形成される。いくつかの実施形態では、第1の当て板90aは、楕円形状にされた開口部を有し、それにより、開口部82に対応する開口部を作り出すために、1つのみの当て板(たとえば、第1の当て板90a)が必要とされる。いくつかの実施形態では、当て板90は、溶接タブを有してもよく、溶接タブは、当て板90から延び、タブ上での溶接を可能にする。
【0044】
当て板90は、当て板90とカラー106との間に溶接するためのすき間を可能にしながら、カラー106に隣接して配置されてもよい。たとえば、図示する実施形態では、第1の当て板90aは、第1のカラー106aに隣接して配置される。より詳細には、第1の当て板90aの縁102は、第1のカラー106aの外側部分122に隣接する。縁102は、縁102と外側部分122との間に溶接空隙152(
図27)が画定されるように、外側部分122からずらされてもよい。溶接空隙152において、ドラム52の外面74は、露出される。溶接空隙152は、外側部分122の全周囲に沿って延びてもよく、または溶接空隙152は、外側部分122の周囲に沿って部分的にのみ延びてもよい。いくつかの実施形態では、第1の当て板90aは、第1のカラー106aに直に隣接し、第1の当て板90aと第1のカラー106aとの間に画定された溶接空隙は存在しない。
【0045】
図27を参照すると、溶接空隙152において、第1の当て板90a、第1のカラー106a、およびドラム52の外面74は、ロータ溶接物56を形成するように一緒に溶接されてもよい。溶接は、溶接空隙152に広がるように少なくとも1つの溶接点によってなされてもよい。図示する実施形態では、溶接空隙152には、複数の溶接点154が充填される。複数の溶接点154は、第1の溶接ビーム158と、第2の溶接ビード162と、第3の溶接ビード166とを含んでもよい。第1の溶接ビード158は、第1のカラー106aを外面74に固定するために、第1のカラー106aの外側部分122と外面74との間に加えられる。第2の溶接ビード162は、第1の当て板90を外面74に固定するために、第1の当て板90aと外面74との間に加えられる。第3の溶接ビード166は、第1のカラー106a、第1の当て板90aおよび外面74を一緒に固定するために、第1の溶接ビード158と第2の溶接ビード162との間に加えられる。第1の溶接ビード158および第2の溶接ビード162はそれぞれ、複数の溶接パス(たとえば溶接層)から形成されてもよい。たとえば、第1の溶接ビード158および第2の溶接ビード162はそれぞれ、3つの溶接パスから形成されてもよい。溶接パスは、第1のカラー106aの全外側周囲および第1の当て板90aの縁102に沿って延びる連続的な溶接点であってもよい。いくつかの実施形態では、溶接パスは、第1のカラー106aの外側周囲および第1の当て板90aの縁102に沿って延びる非連続のパスであってもよい。いくつかの実施形態では、溶接ビード158、162、166は、異なる順序で加えられてもよい。いくつかの実施形態では、複数の溶接点154は、より多くの溶接点を含んでもよい。いくつかの実施形態では、当て板90は、当て板90をドラム52の外面74に接続する溶接点を最小限にして、またはその溶接点を有さずに、カラー106に直接溶接されてもよい。
【0046】
図28は、別の実施形態によるロータ溶接物56’を示す。ロータ溶接物56’は、ロータ溶接物56と同様であるが、ロータ溶接物56’は、異なる溶接パターンを含む。第1のカラー106aのフランジ、ドラム52の外面74、およびロータ溶接物56’の当て板90は、単一の溶接点154’によって一緒に固定または融合される。単一の溶接点154’は、溶接空隙152全体を充填する、単一の溶接パス内に形成された単一の溶接ビードである。単一の溶接点154’は、サブマージアーク溶接によって、ドラム52の外面74、第1のカラー106aのフランジ、および当て板90上に単一の溶接ビードを加えることによって達成されてもよい。
【0047】
図27および
図28は、ドラム52、52’の表面、第1のカラー106、106’、および当て板90、90’に沿って延びるものとして溶接点154、154’を示す。しかし、溶接点154、154’は、ドラム52、52’のベース材料、第1のカラー106、106’、および当て板90、90’内に貫通して、これらと融合することを溶接の当業者は認識するであろう。
【0048】
図20および
図21を参照すると、ドラム52、カラー106、当て板90、および溶接点154は、ロータ溶接物56を形成する。溶接点154は、ロータ溶接物56を形成するようにドラム52、カラー106、および当て板90を融合させる。ロータ溶接物56は、恒久的に一緒に結合されている。ハンマ58は、ロータ溶接物56に取り外し可能に結合される。
【0049】
カラー106および溶接点154、154’は、ドラム52の強度を増大させる。より詳細には、カラー106および溶接点154、154’は、ドラム52の外面74に沿って、開口部82の周囲における応力の量を低減する。カラー106は、減容化装置62が材料に繰り返し衝突するときに開口部82の後縁(たとえば、カラー106の支持側部114に隣接する縁)に過剰な応力がかかることを防止する。ロータ溶接物56は、減容化装置62およびハンマ58から減容化中に被る負荷(たとえば応力)のいくらかまたは大部分を、カラー106を通して(フランジ150を介して)、ドラム52および/または当て板90に伝達する負荷経路を作り出す。負荷経路は、開口部82の周囲に負荷を集中させるのではなく、ロータ溶接物56に負荷を分配する。
【0050】
図24を参照すると、ハンマ58は、第1の端部182と、第1の端部182の反対側の第2の端部186とを含む。図示する実施形態では、ハンマ58は、略長方形の形状を有する。より詳細には、端部182、186は、ハンマ58の中心部分より広くてもよい。
【0051】
組み立て中、ハンマ58は、スリーブ174内に配置され、スリーブは、ドラム52の内側空洞78内に延び、第1のカラー106aおよび第2のカラー106bに取り外し可能に結合される。より詳細には、ハンマ58の第1の端部182は、第1のカラー106a内に受け入れられ、ハンマ58は、ハンマ58の第2の端部186が第2のカラー106b内に受け入れられるように、回転軸54を横切って長さ方向に第2のカラー106bまで延びる。ハンマが第1の端部182および/または第2の端部186上に減容化装置を有する構成では、ハンマ58の一部は、露出されてもよい(たとえば、ドラム52およびカラー106a、106bの外側にある)。露出された部分は、切断形状を有してもよく、または減容化装置62用の支持体または取付体の役割を果たしてもよい。いくつかの実施形態では、ハンマ58は、第1のハンマが第1のカラー106a内に受け入れられ、第2のハンマが第2のカラー106b内に受け入れられるように、より短い長さを有し、回転軸54を横切って延びない。
【0052】
ハンマ58の第1の端部182は、減容化装置62に取り外し可能に結合されるように構成された切断端部であってもよい。減容化装置62は、締結具194(たとえばボルトまたはねじ)によって第1の端部182に取り外し可能に結合されてもよい。図示する実施形態では、減容化装置62は、2つの締結具194によって第1の端部182に結合される。締結具194は、ハンマ58の長さ方向に垂直な方向に、減容化装置62を通ってハンマ58に挿入される。減容化装置62は、鋭敏なツール面66を含む。ツール面66は、回転方向70に対して前方向を向くように、第1のカラー106aのくさび留め側部110の上方にある。減容化装置62は、締結具194を緩めることによって、交換することができ、またはハンマ58から取り外すことができる。減容化装置62は、カラー106およびロータ溶接物56からハンマ58を取り外す必要なく、取り外すことができる。
【0053】
図23、
図25、および
図26を参照すると、ハンマ58の第2の端部186は、減容化装置62に結合されない空白端部であってもよい。第2の端部186は、第2の端部186を覆うキャップ198に取り外し可能に結合される。キャップ198は、締結具202(たとえばボルトまたはねじ)によって第2の端部186に結合される。図示する実施形態では、キャップ198は、2つの締結具202によって第2の端部186に結合される。締結具202は、ハンマ58に平行な方向にキャップ198を通ってハンマ58に挿入される。
【0054】
いくつかの実施形態では、第1の端部182と第2の端部186の両方は、切断端部であってもよい。いくつかの実施形態では、第1の端部182と第2の端部186の両方は、空白端部であってもよい。
【0055】
追加的に、ハンマ58と同様となり得るハンマの詳細な説明は、参照によってその全容が本明細書に組み込まれる、Vermeer Mfg.Co.の米国特許第11,338,298号に提供されている。
【0056】
減容化ロータシステム50は、最初にドラム52を提供することによって組み立てられる。ドラム52は、少なくとも、ドラム52の外面74内に配設された第1の開口部82aおよび第2の開口部82bを含む。
【0057】
次いで、第1のカラー106aは、内側部分118がドラム52内に延び、外側部分122、より詳細には外側部分122のフランジ150が第1の開口部82aを越えてドラム52の外面74に沿って延びるまで、ドラム52の外側から第1の開口部82aに挿入される(たとえば、組み付けられる、位置する、または配置される)。スリーブ174は、これが第1のカラー106aに圧入され、第1の開口部82aと第2の開口部82bとの間を延びるように、第2の開口部82bを通って第1のカラー106aの内側プロファイル142に挿入される。いくつかの実施形態では、スリーブ174は、第1のカラー106aが第1の開口部82aに挿入される前に第1のカラー106aに圧入されてもよく、それにより、スリーブ174は、第1のカラー106aがドラム52に挿入されたときにドラム52に挿入される。
【0058】
次に、第2のカラー106bは、内側部分118がドラム52内に延び、外側部分122、より詳細には外側部分122のフランジ150がドラム52の外面74と当接するまで、第2の開口部82bに挿入される(たとえば位置する)。第2のカラー106bは、これがスリーブ174に結合されるように、第1のカラー106aおよびスリーブ174と位置合わせされる。より詳細には、第2のカラー106bが第2の開口部82bに挿入されている間、スリーブ174は、第2のカラー106bの内側プロファイル142と位置合わせされ、それにより、第2のカラー106bが開口部82bに完全に挿入されたとき、スリーブ174は、内側プロファイル142内に圧入され得る。第2のカラー106bは、第2のカラー106bのくさび留め側部110が、意図する回転方向70を基準にして方向的に第1のカラー106aのくさび留め側部110と位置合わせされるように、第2の開口部82bに挿入される。
【0059】
第1のカラー106aおよび第2のカラー106bがそのそれぞれの開口部82a、82b内に位置すると、当て板90a~90dは、ドラム52の外面74上に位置する。当て板90a~90dは、それらの内面94がドラム52の外面74と当接し、縁102がカラー106a、106bの外側部分122に、より詳細には外側部分122のフランジ150に隣接するように位置する。当て板90a~90bはまた、カラー106a、106bと当て板90a~90dとの間に溶接空隙152が形成されるように、カラー106a、106bの外側部分122からずらされるように配置される。
【0060】
次いで、第1のカラー106a、第2のカラー106b、および当て板90a~90dは、ロータ溶接物56を形成するために、ドラム52の外面74に固定される。より詳細には、第1のカラー106a、第2のカラー106b、および当て板90a~90dは、ドラム52の外面74に溶接される。さらにより詳細には、第1のカラー106aのフランジ150、第2のカラー106bのフランジ150、および当て板90a~90dの外面98は、ドラム52の外面74に溶接される。第1のカラー106a、第2のカラー106b、および当て板90a~90dを溶接することは、溶接空隙152内に複数のパスを堆積させることを含んでもよい。より詳細には、第1のカラー106aのフランジ150は、第1の溶接パスを堆積させて、第1のカラー106aと外面74との間の溶接空隙152において第1の溶接ビード158を形成することによって、ドラム52の外面74に溶接される。次いで、当て板90aの外面98は、第2の溶接パスを堆積させて、当て板90aと外面74との間の溶接空隙152において第2の溶接ビード162を形成することによって、ドラム52の外面74に溶接される。最後に、第1のカラー106a、当て板90a、および外面74は、第3の溶接パスを堆積させて、溶接空隙152において第1の溶接ビード158と第2の溶接ビード162との間に第3の溶接ビード166を形成することによって、一緒に溶接される。第2のカラー106bおよび第2の当て板90bをドラム52の外面74に固定するために、同様の溶接プロセスが、ドラム52の他方の側部で繰り返されてもよい。上記で留意されたように、異なる溶接構成が、ロータ溶接物56を形成することに使用されてもよい。
【0061】
ロータ溶接物56が形成されると、ハンマ58は、第1のカラー106aを介してドラム52に挿入される。ハンマ58は、第1のカラー106aを通って、スリーブ174に挿入される。ハンマ58は、ハンマ58の第2の端部186が第2のカラー106b内に受け入れられ、ハンマ58の一部が露出されたままになるまで、挿入される。
【0062】
ハンマ58は、次いで、第1のカラー106aおよび第2のカラー106bに固定される。ハンマ58は、締結具214を締め付けて、第1のくさび部208を押し、第2のくさび部212のくさび表面234をハンマ58のくさび留め側部110に押し付けることによって、第1のカラー106aに固定される。締結具214が締め付けられていくにつれて、締結具214は、下方向に(たとえば内側空洞78に向かって)移動し、第1のくさび部208を下方向に押し出す。第1のくさび208の傾斜接触面221は、第2のくさび部212の傾斜接触面232を押し付けてくさび留めし、それによってハンマ58を第1のカラー106aに固定し、挟む。ハンマ58を第2のカラー106bおよびドラム52に固定するために、同様の溶接プロセスが、ドラム52の他方の側部で繰り返されてもよい。
【0063】
ハンマ58が第1のカラー106aおよび第2のカラー106bに固定されると、減容化装置62は、第1の端部182に結合され、キャップ198は、第2の端部186に結合される。減容化装置62は、そのツール面66が回転方向70を向くように、ハンマ58と位置合わせされる。減容化装置62は、締結具194を減容化装置62を通してハンマ58に挿入し、締結具194を締め付けて減容化装置62を固定することによって、ハンマ58に結合される。締結具194は、ハンマ58に対して垂直方向に挿入される。第2の端部186上では、キャップ198は、締結具202をキャップ198を通してハンマ58に挿入し、締結具202を締め付けてキャップ198を固定することによって、ハンマ58に結合される。締結具202は、ハンマ58に対して平行な方向に挿入される。
【0064】
減容化装置62およびキャップ198がハンマ58に固定されると、第1の端部キャップ53および第2の端部キャップ55をロータ溶接物56の端部に固定することができる。端部キャップ53、55がロータ溶接物56に固定されると、減容化ロータシステム50を回転式材料減容化マシン20などの材料減容化マシン内に置くことができ、それにより、ドラムロータ溶接物56および減容化ロータシステム50を回転軸54および中央軸26の周りで回転するように駆動させることができる。いくつかの実施形態では、ハンマ58は、減容化装置62およびキャップ198と共に、ロータ溶接物56が材料減容化マシンに取り付けられた後にロータ溶接物56に固定される。
【0065】
減容化装置62の1つが壊れるか、またはすり減った場合、締結具194を緩めて減容化装置62をハンマ58から結合解除することによって、減容化装置62の1つを容易に交換することができる。古い減容化装置62が結合解除されると、新しい減容化装置62を締結具194によってハンマ58に結合させることができる。減容化装置62の交換中、ハンマ58およびカラー106は、ドラム52内に固定されたままである。
【0066】
ハンマ58がすり減り、壊れ、または検査される必要がある場合、そのハンマ58に結合されたすべての減容化装置62またはキャップ198を最初に取り外し、次いで、第1のカラー106aおよび第2のカラー106b内で締結具214を緩めることによって、ハンマ58を容易に交換することができる。締結具214を緩めることにより、ハンマ58は外れ、それにより、その後ハンマ58をカラー106a、106bおよびドラム52の外に容易に摺動させることができる。
【0067】
減容化ロータシステム50の組み立て方法は、順序立てたステップで説明されているが、ステップのいくつかは異なる順番で完了されてもよく、ステップのいくつかは同時に完了されてもよく、ステップのいくつかは省略されてもよいことが理解されよう。
【0068】
加えて、冠詞「1つ(a)」および「1つ(an)」は、その使用の文脈が別途はっきりと示していない限り、「1つ」または「1つだけ」を意味するものとして解釈されてはならない。そうではなく、これらの冠詞は、「少なくとも1つ」または「1つまたは複数」を意味するものとして解釈されなければならない。
【0069】
特定の実施形態、例、特徴、および態様を説明し、図示してきたが、変形形態および改変形態が、説明し、図示する主題の範囲および趣旨内で存在する。
【外国語明細書】