(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025101234
(43)【公開日】2025-07-07
(54)【発明の名称】撮像検査装置、撮像検査システム、および、撮像検査方法
(51)【国際特許分類】
G06T 7/00 20170101AFI20250630BHJP
B64U 10/13 20230101ALI20250630BHJP
B64U 20/87 20230101ALI20250630BHJP
G01C 15/00 20060101ALI20250630BHJP
G01C 11/06 20060101ALI20250630BHJP
G06T 7/50 20170101ALI20250630BHJP
B64U 101/26 20230101ALN20250630BHJP
B64U 101/30 20230101ALN20250630BHJP
【FI】
G06T7/00 640
B64U10/13
B64U20/87
G01C15/00 103
G01C11/06
G06T7/50
B64U101:26
B64U101:30
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023217924
(22)【出願日】2023-12-25
(71)【出願人】
【識別番号】308036402
【氏名又は名称】株式会社JVCケンウッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】恩田 正宏
【テーマコード(参考)】
5L096
【Fターム(参考)】
5L096AA06
5L096CA02
5L096CA18
5L096DA02
5L096FA52
5L096FA66
5L096FA69
5L096GA51
5L096JA11
(57)【要約】
【課題】対象物の設置有無を適切に判定すること。
【解決手段】撮像検査装置70は、ドローン10に配置されたカメラ14によって撮像された撮像データから対象物候補の外形を検出する検出部82と、ドローン10に配置されたセンサ13から、対象物候補の設置場所における地表に対して照射された所定波長光の反射を示す測量データを取得するデータ取得部81と、検出部82によって検出された外形と、データ取得部81によって取得された測量データとに基づいて、対象物の設置有無を判定する判定部84と、を備える。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
飛行体に配置されたカメラによって撮像された撮像データから対象物候補の外形を検出する検出部と、
前記飛行体に配置されたセンサから、前記対象物候補の設置場所における地表に対して照射された所定波長光の反射を示す測量データを取得するデータ取得部と、
前記検出部によって検出された前記外形と、前記データ取得部によって取得された前記測量データとに基づいて、対象物の設置有無を判定する判定部と、
を備える撮像検査装置。
【請求項2】
前記判定部は、前記測量データから前記対象物候補の外形領域における前記所定波長光の反射が得られない場合、前記対象物が設置されていると判定する、
請求項1に記載の撮像検査装置。
【請求項3】
前記カメラは、遠赤外カメラであり、
前記判定部は、さらに、前記撮像データから前記対象物候補の外形領域における温度が所定の温度範囲内である場合、前記対象物が設置されていると判定する、
請求項1または2に記載の撮像検査装置。
【請求項4】
請求項1に記載の撮像検査装置と、
前記カメラと前記センサとを備える飛行体と、
を備える撮像検査システム。
【請求項5】
飛行体に配置されたカメラによって撮像された撮像データから対象物候補の外形を検出することと、
前記飛行体に配置されたセンサから、前記対象物候補の設置場所における地表に対して照射された所定波長光の反射を示す測量データを取得することと、
検出された前記外形と、取得された前記測量データとに基づいて、対象物の設置有無を判定することと、
を、撮像検査装置が実行する撮像検査方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮像検査装置、撮像検査システム、および、撮像検査方法に関する。
【背景技術】
【0002】
無人航空機を遠隔操作することにより検査対象物を撮像し、撮像情報に基づく検査対象物の不具合の検査を、迅速かつ低コストで行う技術が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の技術では、無人航空機の航路を設定するために、あらかじめ検査対象物の設置場所を適切に記憶しておく必要がある。検査対象物の大きさおよび形状がすべて同一である場合は問題ないが、実際には設置場所に合わせて大きさおよび形状を変えて設置する場合、すべての検査対象物の設置場所を正確に記憶しておくことは多大な手間を要する。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、対象物の設置有無を適切に判定することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る撮像検査装置は、飛行体に配置されたカメラによって撮像された撮像データから対象物候補の外形を検出する検出部と、前記飛行体に配置されたセンサから、前記対象物候補の設置場所における地表に対して照射された所定波長光の反射を示す測量データを取得するデータ取得部と、前記検出部によって検出された前記外形と、前記データ取得部によって取得された前記測量データとに基づいて、対象物の設置有無を判定する判定部と、を備える。
【0007】
本発明に係る撮像検査システムは、上記の撮像検査装置と、前記カメラと前記センサとを備える飛行体と、を備える。
【0008】
本発明に係る撮像検査方法は、飛行体に配置されたカメラによって撮像された撮像データから対象物候補の外形を検出することと、前記飛行体に配置されたセンサから、前記対象物候補の設置場所における地表に対して照射された所定波長光の反射を示す測量データを取得することと、検出された前記外形と、取得された前記測量データとに基づいて、対象物の設置有無を判定することと、を、撮像検査装置が実行する。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、対象物の設置有無を適切に判定することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は、実施形態に係る撮像検査システムの概略図である。
【
図2】
図2は、実施形態に係るドローンの構成例を示すブロック図である。
【
図3】
図3は、実施形態に係る端末装置の構成例を示すブロック図である。
【
図4】
図4は、実施形態に係る基準局の構成例を示すブロック図である。
【
図5】
図5は、実施形態に係る撮像検査装置の構成例を示すブロック図である。
【
図6】
図6は、実施形態に係る撮像検査システムのドローンにおける処理の流れの一例を示す図である。
【
図7】
図7は、実施形態に係る撮像検査システムの撮像検査装置における処理の流れの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に添付図面を参照して、本発明に係るドローンを用いた撮像検査システムの実施形態を詳細に説明する。なお、以下の実施形態により本発明が限定されるものではない。
【0012】
[実施形態]
(撮像検査システム)
図1は、実施形態に係る撮像検査システムの概略図である。撮像検査システム1は、ドローン10を使用して対象物に関する検査を行うシステムである。本実施形態では、撮像検査システム1は、ドローン10を使用して太陽光パネルの設置有無を判定する。より詳しくは、撮像検査システム1は、ドローン10から撮像した撮像データに基づいて対象物の形状から対象物候補を検出し、検出した対象物候補の領域が、地表の測量データから無限遠となっている箇所と合致するかに基づき対象物である太陽光パネルか否かを判定する。撮像検査システム1は、太陽光パネルの検出結果に基づいて、飛行経路を設定する。
【0013】
太陽光パネルは、複数のセルを組み合わせて、フレームで囲まれたモジュールが形成される。さらに複数のモジュールを直列に組み合わせてストリング、ストリングを並列に組み合わせてアレイがそれぞれ形成される。ストリングまたはアレイは、複数のモジュールが架台にまとまって設置されたものである。モジュール、ストリングおよびアレイは、設置場所に応じて様々な形状および大きさに形成される。
【0014】
発電効率を上げるため、太陽光パネルにおいて所定波長光は、表面の強化ガラスを透過しセル表面の反射防止膜により反射が抑えられている。透過した所定波長光は、セル本体の半導体に吸収される。また一部吸収されなかった光はセルを透過するため、所定波長光は太陽光パネルで反射しにくい性質を持つ。
【0015】
本実施形態では、対象物の一例として、上記の性質を有する太陽光パネルの検査に適用する。対象物はこれに限定されず、同様の性質を有する物体であれば適用可能である。
【0016】
撮像検査システム1は、ドローン10と、端末装置30と、基準局50と、撮像検査装置70とを備える。ドローン10と、端末装置30と、基準局50と、撮像検査装置70とは、ネットワークを介して情報を通信可能である。
【0017】
(ドローン)
図2は、実施形態に係るドローンの構成例を示すブロック図である。ドローン10は、飛行するための駆動部11を備える。ドローン10は、自律飛行が可能であってもよい。ドローン10は、操縦者がリモートコントローラである端末装置30を介して操縦することにより飛行可能であってもよい。ドローン10は、自律飛行と操縦者による操縦とを組み合わせて目的地まで飛行可能であってもよい。本実施形態では、ドローン10は、端末装置30から送信された飛行経路に基づいて、飛行経路に沿って自律飛行するものとして説明する。
【0018】
ドローン10は、検査の対象物の上空を飛行して、対象物を撮像する。
【0019】
対象物は、少なくとも外周面の一部に測量データが無限遠となる鏡面あるいは吸収面を備えた物体である。対象物は、例えば、太陽光パネルである。
【0020】
ドローン10は、駆動部11と、GNSS(Global Navigation Satellite System)受信部12と、センサ13と、カメラ14と、通信部18と、制御部20とを備える。ドローン10は、通信制御部28が制御する通信部18を用い、ネットワークを介して端末装置30と情報を通信可能である。
【0021】
駆動部11は、ドローン10を飛行させるモータである。駆動部11は、例えば、ドローン10のプロペラの回転を制御するモータである。駆動部11は、制御部20の駆動制御部21からの制御信号によって回転が制御される。駆動部11の回転が制御されることによって、ドローン10が離着陸、前進、旋回、上昇、下降およびホバリングなどの各種飛行動作を行う。
【0022】
GNSS受信部12は、GNSS衛星からのGNSS信号を受信する。GNSS受信部12は、受信したGNSS信号を制御部20の位置情報取得部23に出力する。GNSS受信部12は、例えば、GNSS信号を受信可能なGNSS受信回路およびアンテナなどで構成されている。
【0023】
センサ13は、ドローン10の下方の地表を測量するセンサである。センサ13は、例えば、ドローン10の周辺に向けて配置された超音波センサ、ミリ波レーダー、LiDAR(Light Detection And Randing)などのセンサである。センサ13は、地表に対して照射された所定波長光の反射を示す測量データを取得する。センサ13は、検出した測量データを測量データ取得部24へ出力する。
【0024】
センサ13は、対象物の設置有無を判定するための測量データを取得する。本実施形態では、センサ13は、例えば、対象物の設置場所の上空において、対象物の設置場所に対応する地表に向けて、所定波長光を照射する。センサ13は、所定波長光を照射した対象物からの反射光を受光して測量データを取得し距離画像を生成する。
【0025】
カメラ14は、対象物の外形を検出するための画像を撮影するカメラである。カメラ14は、対象物の異常の有無を検出するための画像を撮影するカメラである。カメラ14は、例えば、ドローン10の周辺に向けて配置された遠赤外カメラである。カメラ14は、例えば、対象物の設置場所の上空において、対象物の設置場所を撮像する。カメラ14は、撮像した撮像データを撮像データ取得部25へ出力する。
【0026】
センサ13は、測量精度を向上させるために、対象物の設置場所の全域の複数のポイントで測量を行ってもよい。大規模な設置場所の場合、測量精度を向上させるために、設置場所において複数のポイントで測量して、設置場所全体を測量するよう測量を繰り返してもよい。センサ13の測量ポイントは、後述する飛行経路設定部86によって飛行経路とともに設定される。
【0027】
カメラ14は、測量精度を向上させるために、対象物の設置場所の全域の複数のポイントで撮像を行ってもよい。大規模な設置場所の場合、対象物の形状の検出精度を向上させるために、設置場所において複数のポイントで撮像して、設置場所全体を撮像するよう撮像を繰り返してもよい。カメラ14の撮影ポイントは、後述する飛行経路設定部86によって飛行経路とともに設定される。
【0028】
設置場所の大まかな範囲、言い換えると、センサ13による測量範囲およびカメラ14の撮像範囲は、ドローン10の飛行開始時に、例えば、発着地点を中心に半径何メートル、または、東西何メートル、南北何メートルと、後述する端末装置30に入力され設定されている。ドローン10が設置場所の上空を飛行するときに、センサ13による測量と、カメラ14による撮像が行われる。
【0029】
センサ13およびカメラ14は、ドローン10の位置情報に基づいて、対象物の座標位置が算出可能なように、ドローン10における設置位置、向きが調整(校正)されている。
【0030】
通信部18は、広域の無線通信を行う通信部である。通信部18は、例えば、ネットワークを介して、端末装置30と情報の通信を行う。ネットワークは、例えば、インターネット網であるが、これに限定されない。通信部18は、例えば、携帯電話網用の広域無線通信モジュールで構成されている。通信部18は、Wi-Fi(登録商標)などの通信モジュールで構成され、任意のアクセスポイントや他のスマートフォンなどと接続して広域の無線通信を実現してもよい。本実施形態では、通信部18は、飛行経路を示す情報を受信する端末装置30から受信する。本実施形態では、通信部18は、測量データ取得部24によって取得された測量データおよび撮像データ取得部25によって取得された撮像データを端末装置30へ送信する。
【0031】
(制御部)
制御部20は、例えば、CPU(Central Processing Unit)などで構成された演算処理装置(制御装置)である。制御部20は、記憶されているプログラムをメモリにロードして、プログラムに含まれる命令を実行する。制御部20には図示しない内部メモリが含まれ、内部メモリは制御部20におけるデータの一時記憶などに用いられる。制御部20は、ドローン10を制御する。制御部20は、駆動制御部21と、飛行制御部22と、位置情報取得部23と、測量データ取得部24と、撮像データ取得部25と、通信制御部28と、記憶部29とを有する。
【0032】
駆動制御部21は、駆動部11を制御する制御信号を出力する。より詳しくは、駆動制御部21は、ドローン10のプロペラの回転を制御する制御信号を出力する。駆動制御部21は、飛行制御部22からの制御信号に基づいて、対象物の撮像地を目的地として自律飛行が行われるように駆動部11を制御する。
【0033】
本実施形態では、駆動制御部21は、ドローン10を目的地まで飛行させる。より詳しくは、駆動制御部21は、飛行制御部22からの制御信号に基づいて、駆動部11に対して、ドローン10を目的地まで飛行させる制御信号を出力する。駆動制御部21は、飛行制御部22からの制御信号に基づいて、駆動部11に対して、ドローン10を旋回、上昇または下降させるように制御する制御信号を出力する。
【0034】
または、本実施形態では、駆動制御部21は、飛行制御部22からの制御信号に基づいて、目的地の周囲において、ドローン10を旋回しながら飛行させてもよい。より詳しくは、駆動制御部21は、飛行制御部22からの制御信号に基づいて、駆動部11に対して、目的地の周囲を、ドローン10が旋回しながら飛行するよう制御する制御信号を出力する。このとき、駆動制御部21は、センサ13による測量およびカメラ14による撮像を高精度に行うために、目的地の周囲においては、発着地点から目的地までの飛行時より速度を落としてもよい。
【0035】
本実施形態では、駆動制御部21は、飛行制御部22からの制御信号に基づいて、目的地において、ドローン10をホバリングさせる。より詳しくは、駆動制御部21は、飛行制御部22からの制御信号に基づいて、駆動部11に対して、ドローン10を対象物の上空でホバリングさせる制御信号または下降させる制御信号を出力する。
【0036】
飛行制御部22は、ドローン10の飛行を制御する。本実施形態では、飛行制御部22は、対象物の撮像地を目的地として自律飛行するように制御する。より詳しくは、飛行制御部22は、例えば、端末装置30から通信制御部28を介して飛行経路を示す情報を取得する。飛行制御部22は、飛行経路に沿って、ドローン10が目的地まで自律飛行するように駆動制御部21に対して制御信号を出力する。飛行制御部22は、例えば、飛行経路および飛行高度を含む制御信号を駆動制御部21に対して出力する。
【0037】
本実施形態では、飛行制御部22は、対象物の撮像地である目的地の周囲において、ドローン10を旋回しながら飛行するよう制御する制御信号を出力してもよい。
【0038】
本実施形態では、飛行制御部22は、対象物の撮像地である目的地において、ドローン10をホバリングさせる制御信号を出力してもよい。
【0039】
位置情報取得部23は、GNSS受信部12が受信した電波に基づいて、ドローン10の現在の位置情報(以下、「ドローン位置情報」という。)を公知の方法によって算出する。
【0040】
測量データ取得部24は、センサ13から測量データを取得する。測量データ取得部24は、例えば、対象物を検出可能な測量データを測量データとして取得する。
【0041】
撮像データ取得部25は、カメラ14が撮像した撮像データを取得する。
【0042】
通信制御部28は、通信部18を制御して、端末装置30との通信を制御する。通信制御部28は、端末装置30へ撮像データ、測量データおよびドローン位置情報を送信する。通信制御部28は、端末装置30から飛行経路を示す情報を受信する。
【0043】
記憶部29は、制御部20で使用するプログラムおよびデータなどを記憶する記憶装置である。記憶部29は、例えば、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)等の不揮発性または揮発性の半導体メモリのうち少なくとも1つが用いられる。
【0044】
(端末装置)
図3は、実施形態に係る端末装置の構成例を示すブロック図である。端末装置30は、ドローン10を操作するコントローラとしての機能を実装する装置である。端末装置30は、スマートフォンなどのアプリケーションとして実装されていてもよい。端末装置30は、ネットワークを介してドローン10、基準局50および撮像検査装置70と情報を通信可能である。端末装置30は、操作部31と、表示部37と、通信部38と、制御部40とを備える。
【0045】
操作部31は、ドローン10に対する各種操作を受付可能である。操作部31は、ドローン10を上下、前後、左右、旋回などに動かす操作を受付可能である。操作部31の形状は限定されない。操作部31は、操作情報を制御部40のドローン制御部45に出力する。
【0046】
操作部31は、例えば、ドローン10の飛行開始時に、対象物の設置場所の大まかな範囲、言い換えると、撮像範囲を入力する操作を受付可能である。操作部31は、例えば、撮像範囲として、発着地点を中心に半径何メートル、または、東西何メートル、南北何メートルといった範囲を入力する操作を受付可能である。
【0047】
表示部37は、例えば、液晶ディスプレイまたは有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイなどを含むディスプレイである。表示部37は、制御部40の表示制御部47から出力された映像信号に基づいて、映像を表示する。
【0048】
通信部38は、広域の無線通信を行う通信部である。通信部38は、例えば、ネットワークを介して、ドローン10および撮像検査装置70と情報の通信を行う。ネットワークは、例えば、インターネット網であるが、これに限定されない。通信部38は、例えば、携帯電話網用の広域無線通信モジュールで構成されている。通信部38は、Wi-Fiなどの通信モジュールで構成され、任意のアクセスポイントや他のスマートフォンなどと接続して広域の無線通信を実現してもよい。
【0049】
(制御部)
制御部40は、例えば、CPUなどで構成された演算処理装置(制御装置)である。制御部40は、記憶されているプログラムをメモリにロードして、プログラムに含まれる命令を実行する。制御部40には図示しない内部メモリが含まれ、内部メモリは制御部40におけるデータの一時記憶などに用いられる。制御部40は、端末装置30を制御する。制御部40は、データ取得部41と、飛行経路取得部42と、ドローン制御部45と、表示制御部47と、通信制御部48と、記憶部49と、を有する。
【0050】
データ取得部41は、ドローン10から、撮像データ、測量データおよびドローン位置情報を取得する。データ取得部41は、基準局50から、基準局位置情報を取得する。
【0051】
飛行経路取得部42は、撮像検査装置70から飛行経路を示す情報を取得する。
【0052】
ドローン制御部45は、操作部31を介して受け付けられた操作情報を、ドローンを制御する制御信号として出力する。
【0053】
ドローン制御部45は、例えば、対象物の設置有無を判定するための飛行開始時に、操作部31を介して受け付けられた撮像範囲を飛行範囲とする制御信号をドローン10に出力する。
【0054】
表示制御部47は、映像の表示部37への表示を制御する。表示制御部47は、映像を表示部37に出力させる映像信号を出力する。
【0055】
通信制御部48は、通信部38を制御して、撮像検査装置70との通信を制御する。本実施形態では、通信制御部48は、飛行経路情報を撮像検査装置70から受信する。通信制御部48は、データ取得部41によって取得された、撮像データ、測量データ、ドローン位置情報、および、基準局位置情報を撮像検査装置70へ送信する。
【0056】
記憶部49は、制御部40で使用するプログラムおよびデータなどを記憶する記憶装置である。記憶部49は、例えば、RAM、ROM、フラッシュメモリ、EPROM、EEPROM等の不揮発性または揮発性の半導体メモリのうち少なくとも1つが用いられる。
【0057】
(基準局)
図4は、実施形態に係る基準局の構成例を示すブロック図である。基準局50は、対象物の近くの地上に設置される、位置測量の基準局である。基準局50は、端末装置30と情報を通信可能である。基準局50は、通信部59と、制御部60とを備える。
【0058】
GNSS受信部51は、GNSS衛星からのGNSS信号を受信する。GNSS受信部51は、受信したGNSS信号を制御部60の位置情報取得部61に出力する。GNSS受信部51は、例えば、GNSS信号を受信可能なGNSS受信回路およびアンテナなどで構成されている。
【0059】
通信部59は、広域の無線通信を行う通信部である。通信部59は、例えば、ネットワークを介して、端末装置30と情報の通信を行う。ネットワークは、例えば、インターネット網であるが、これに限定されない。通信部59は、例えば、携帯電話網用の広域無線通信モジュールで構成されている。
【0060】
(制御部)
制御部60は、例えば、CPUなどで構成された演算処理装置(制御装置)である。制御部60は、記憶されているプログラムをメモリにロードして、プログラムに含まれる命令を実行する。制御部60には図示しない内部メモリが含まれ、内部メモリは制御部60におけるデータの一時記憶などに用いられる。制御部60は、基準局50を制御する。制御部60は、位置情報取得部61と、通信制御部69とを有する。
【0061】
位置情報取得部61は、GNSS受信部51が受信した電波に基づいて、基準局50の現在の位置情報(以下、「基準局位置情報」という。)を公知の方法によって算出する。
【0062】
通信制御部69は、通信部59を制御して、撮像検査装置70との通信を制御する。通信制御部69は、基準局位置情報を撮像検査装置70へ送信する。
【0063】
(撮像検査装置)
図5は、実施形態に係る撮像検査装置の構成例を示すブロック図である。撮像検査装置70は、分散型を含む汎用のサーバ装置、または、パーソナルコンピュータなどのコンピュータで実現される。撮像検査装置70は、ネットワークを介して端末装置30および基準局50と情報を通信可能である。撮像検査装置70は、通信部71と、制御部80とを有する。
【0064】
撮像検査装置70は、対象物を検査する装置である。
【0065】
通信部71は、広域の無線通信を行う通信部である。通信部71は、例えば、ネットワークを介して、端末装置30と情報の通信を行う。ネットワークは、例えば、インターネット網であるが、これに限定されない。通信部71は、例えば、携帯電話網用の広域無線通信モジュールで構成されている。通信部71は、Wi-Fiなどの通信モジュールで構成され、任意のアクセスポイントや他のスマートフォンなどと接続して広域の無線通信を実現してもよい。
【0066】
(制御部)
制御部80は、例えば、CPUなどで構成された演算処理装置(制御装置)である。制御部80は、記憶されているプログラムをメモリにロードして、プログラムに含まれる命令を実行する。制御部80には図示しない内部メモリが含まれ、内部メモリは制御部80におけるデータの一時記憶などに用いられる。制御部80は、撮像検査装置70を制御する。制御部80は、データ取得部81と、検出部82と、判定部84と、飛行経路設定部86と、通信制御部88と、記憶部89とを有する。制御部80は、ドローン10を用いた撮像検査方法を実行する制御装置であり、撮像検査プログラムを実行するコンピュータである。
【0067】
データ取得部81は、端末装置30から撮像データ、測量データ、ドローン位置情報、および、基準局位置情報を受信する。
【0068】
検出部82は、データ取得部81によって取得された撮像データから、対象物候補の外形を検出する。検出部82は、撮像データから、対象物の形状を撮像画像上で認識して、対象物候補として抽出する。
【0069】
具体例として、太陽光パネルのモジュールを囲むフレームを検出する場合について説明する。撮像データから、対象物の形状を検出する方法はこれに限定されない。検出部82は、例えば、撮像データから、太陽光パネルのモジュール候補の外形として、閉じられた領域を形成するエッジを検出する。例えば、検出部82は、撮像データから、多角形の閉じられた領域を形成するエッジを検出する。検出部82は、エッジ検出した形状と、後述する記憶部89に記憶したパラメータから、撮像時のドローンの高度に対応する、パラメータのフレームの形状とを比較して、一致すると判定されたものをモジュール候補として抽出する。または、検出部82は、太陽光パネルのモジュールを囲んだフレームと同様の外形・サイズの、閉じられた領域を形成するエッジを検出してもよい。具体的には、検出部82は、撮像データから、所定サイズの多角形の領域を形成するエッジを検出してもよい。なお、太陽光パネルのモジュール候補の外形は様々な形状が想定される。多角形は一態様であり、閉じられた領域であれば曲線が含まれた形状であってもよい。
【0070】
判定部84は、検出部82によって抽出された対象物候補の外形と、測量データとに基づき対象物の設置有無を判定する。より詳しくは、判定部84は、対象物候補の外形が抽出された領域と、測量データにおける対応する領域が、無限遠となる吸収面であるか否かを判定する。
【0071】
本実施形態では、判定部84は、測量データから対象物候補の外形領域における所定波長光の反射が得られない場合、対象物が設置されていると判定する。
【0072】
具体例として、太陽光パネルの設置有無を判定する場合について説明する。判定部84は、モジュール候補の外形が抽出された領域と、測量データにおける対応する領域が、吸収面であるか否かを判定する。より詳しくは、判定部84は、各モジュール候補の位置に相当する領域の点群データである測量データに所定距離以内のデータが存在しない場合、吸収面であると判定して、モジュール候補をモジュールと確定する。判定部84は、各モジュール候補の位置に相当する領域の点群データである測量データに所定距離以内のデータが存在する場合、吸収面でないと判定して、モジュール候補から除外する。これらの処理を、すべてのモジュール候補について行う。
【0073】
さらに、判定部84は、各領域の撮像データから確定されたモジュールの数および配置が一致する場合、隣接するモジュールの集合体をストリングまたはアレイと判定し、パネル傾斜角測定の対象のパネル傾斜角測定ポイントとする。
【0074】
判定部84は、各領域の撮像データから確定されたモジュールの数または位置が一致しない場合、再確認が必要なモジュール候補として抽出する。より詳しくは、判定部84は、一致しない箇所の周辺のストリングまたはアレイと同じセンサ13の照射角で反射が得られるか否かでモジュールの有無を判定する。判定部84は、周辺のストリングまたはアレイと同じセンサ13の照射角で反射が得られない場合、モジュールがあると判定し、反射が得られる場合、モジュールがないと判定する。
【0075】
本実施形態では、判定部84は、さらに温度に基づいて対象物の設置有無を判定してもよい。判定部84は、撮像データから対象物候補の外形領域における温度が所定の温度範囲内である場合、対象物が設置されていると判定してもよい。判定部84は、例えば、撮像データにおけるモジュール候補の外形が抽出された領域の温度が、基準温度から所定の温度範囲外の表面温度であるか否かを判定する。判定部84は、例えば、撮像データにおけるモジュール候補の外形が抽出された領域の温度が、基準温度から所定の温度範囲外の表面温度箇所をモジュール候補から除外する。
【0076】
基準温度は、例えば、モジュール候補の表面温度の平均値としてもよい。基準温度は、例えば、ドローンの発着位置に隣接する領域に設置されたモジュールの表面温度としてもよい。
【0077】
判定部84において基準温度から所定の温度範囲と比較することにより、モジュールの故障により温度上昇したモジュールについても適切に判定される。所定の温度範囲は、基準温度より高温側は幅を持たせ、低温側は高温側より幅を狭めてもよい。
【0078】
飛行経路設定部86は、ドローン10の発着場所と、検査の対象物の設置場所の大まかな範囲と、図示しない地図情報とに基づいて、ドローン10の飛行経路を設定する。飛行経路設定部86は、例えば、設置場所が1軒の住宅である場合、設置範囲の中心部を飛行する飛行経路を設定する。
【0079】
飛行経路設定部86は、飛行経路とともにドローン10のカメラ14が撮像を行う撮像ポイントを設定する。飛行経路設定部86は、小規模な設置場所の場合、設置場所全体を撮像可能な、1つの撮像ポイントを設定してもよい。1つの撮像ポイントからの撮像範囲が設置場所全体をカバーできる場合であっても、撮像データからモジュールの外形の検出精度を向上するために、飛行経路設定部86は、複数の撮像ポイントを設定してもよい。飛行経路設定部86は、大規模な設置場所の場合、撮像データからモジュールの外形が検出できるよう解像度を上げるため、設置場所を複数のエリアに分割して、分割したエリア毎に複数の撮像ポイントで撮像することにより、設置場所全体をカバーしてもよい。
【0080】
飛行経路設定部86は、ドローン10の測量ポイントについても撮像ポイントと同様に設定する。
【0081】
通信制御部88は、通信部71を制御して、端末装置30との通信を制御する。より詳しくは、本実施形態では、通信制御部88は、端末装置30から、撮像データ、測量データ、ドローン位置情報、および、基準局位置情報を取得する。
【0082】
通信制御部88は、端末装置30へ、飛行経路設定部86によって設定されたドローン10の飛行経路を示す情報を送信する。通信制御部88は、端末装置30へ、判定部84によって判定された、パネル傾斜角測定ポイントを示す情報を送信する。
【0083】
記憶部89は、制御部80で使用するプログラムおよびデータなどを記憶する記憶装置である。記憶部89は、例えば、RAM、ROM、フラッシュメモリ、EPROM、EEPROM等の不揮発性または揮発性の半導体メモリ、磁気ディスクのうち少なくとも1つが用いられる。
【0084】
記憶部89は、ドローン10の発着場所と、検査の対象物の設置場所の大まかな範囲とを示す情報をあらかじめ記憶する。記憶部89は、検出部82の処理において用いるパラメータとして、ドローンの高度を変化させたときの、太陽光パネルのモジュールのフレームの種々のサイズ・形状を記憶する。
【0085】
(撮像検査システムにおける情報処理)
撮像検査システム1における処理の流れについて説明する。対象物として、太陽光パネルの設置有無を検出する場合について説明する。ドローン10を太陽光パネルの設置場所の上空に飛行させて、ドローン10に搭載されたカメラ14によって太陽光パネルの設置場所を撮像するとともに、センサ13によって地表に対して照射された所定波長光の反射を示す測量データを取得する。
【0086】
図6を用いて、ドローン10における処理を説明する。
図6は、実施形態に係る撮像検査システムのドローンにおける処理の流れの一例を示す図である。
【0087】
端末装置30において、飛行経路取得部42によって、飛行経路データを受信する(ステップS101)。端末装置30は、ドローン制御部45によって、取得した飛行経路データに基づいて、ドローン10を飛行経路に沿って飛行させるように制御信号を送信する。ドローン10は、駆動制御部21および飛行制御部22によって、飛行経路に沿って飛行する。
【0088】
ドローン10は、撮像データ及び測量データを取得する(ステップS102)。より詳しくは、ドローン10は、撮像データ取得部25によって、カメラ14が撮像した撮像データを取得する。ドローン10は、測量データ取得部24によって、センサ13から測量データを取得する。ドローン10は、通信制御部28によって、取得した撮像データ及び測量データを端末装置30へ送信する。
【0089】
端末装置30は、ドローン10から取得した撮像データ及び測量データを撮像検査装置70へ送信する(ステップS103)。
【0090】
図7を用いて、撮像検査装置70における処理を説明する。
図7は、実施形態に係る撮像検査システムの撮像検査装置における処理の流れの一例を示す図である。
図7に示す処理は、
図6に示す処理を実行した後に実行される。
【0091】
撮像検査装置70において、制御部80は、検出部82によって、形状・サイズからモジュール候補を抽出する(ステップS201)。より詳しくは、制御部80は、検出部82によって、撮像データから、太陽光パネルのモジュール候補の外形として、太陽光パネルのモジュールを囲んだフレームと同様の外形・サイズの、閉じられた領域を形成するエッジを検出する。例えば、制御部80は、検出部82によって、撮像データから、所定サイズの多角形の領域を形成するエッジを検出する。制御部80は、検出部82によって、エッジ検出した形状と、記憶部89に記憶したパラメータから、撮像時のドローンの高度に対応する、パラメータのフレームの形状とを比較して、一致すると判定されたものをモジュール候補として抽出する。
【0092】
制御部80は、判定部84によって、モジュール候補の温度を比較する(ステップS202)。より詳しくは、制御部80は、判定部84によって、判定部84は、例えば、撮像データにおけるモジュール候補の外形として抽出された領域の温度と、基準温度から所定の温度範囲とを比較する。制御部80は、判定部84によって、例えば、撮像データにおけるモジュール候補の外形として抽出された領域の温度が、基準温度から所定の温度範囲外の表面温度箇所をモジュール候補から除外する。
【0093】
制御部80は、判定部84によって、モジュール候補が吸収面であるか否かを判定する(ステップS203)。より詳しくは、制御部80は、判定部84によって、各モジュール候補の位置に相当する領域の点群データである測量データに所定距離以内のデータが存在しない場合、吸収面であると判定する。制御部80は、判定部84によって、モジュール候補が吸収面であると判定する場合(ステップS203でYes)、ステップS204へ進む。制御部80は、判定部84によって、モジュール候補が吸収面であると判定しない場合(ステップS203でNo)、ステップS203の処理を再度実行する。
【0094】
モジュール候補が吸収面であると判定する場合(ステップS203でYes)、制御部80は、判定部84によって、モジュール候補をモジュールと確定する(ステップS204)。制御部80は、ステップS205へ進む。
【0095】
制御部80は、判定部84によって、モジュールの数および位置が一致するか否かを判定する(ステップS205)。より詳しくは、制御部80は、判定部84によって、各領域の撮像データから確定されたモジュールの数および位置が一致するか否かを判定する。制御部80は、判定部84によって、モジュールの数および位置が一致すると判定する場合(ステップS205でYes)、ステップS206へ進む。制御部80は、判定部84によって、モジュールの数および位置が一致すると判定しない場合(ステップS205でNo)、ステップS207へ進む。
【0096】
モジュールの数および位置が一致すると判定する場合(ステップS205でYes)、制御部80は、判定部84によって、隣接するモジュールの集合体をストリングまたはアレイと確定し、パネル傾斜角測定ポイントとして確定する(ステップS206)。制御部80は、ステップS208へ進む。
【0097】
モジュールの数および位置が一致すると判定しない場合(ステップS205でNo)、制御部80は、判定部84によって、再確認モジュール候補として抽出する(ステップS207)。再確認モジュール候補として抽出された、モジュールの数および位置が一致しない箇所については、ストリングまたはアレイのパネル傾斜角の測定時に、周辺のストリングまたはアレイと同じパネル傾斜角で反射が得られるか否かにより、太陽光パネルのモジュールの設置有無を判定するものとする。制御部80は、ステップS206へ進む。
【0098】
制御部80は、パネル傾斜角測定ポイントを端末装置30へ送信する(ステップS208)。
【0099】
端末装置30は、受信したパネル傾斜角測定ポイントに基づいて、ドローン10を用いてパネル傾斜角を測定する。パネル傾斜角は、カメラ14の鉛直方向の角度を変化させながらストリングまたはアレイを撮像した場合、画像上ストリングまたはアレイの垂直方向の長さが最大になるときの鉛直方向に対するカメラ14の角度がパネル傾斜角となることから求められる。カメラ14の鉛直方向の角度を変化させることで同一パネルの撮像を続けるためには、ドローン10を水平移動させる必要がある。このため、カメラ14とドローン10間の距離が変化する。ストリングまたはアレイの垂直方向の長さが最大となるカメラ14の角度として、ストリングまたはアレイの水平方向の長さ比で算出した垂直方向の長さが最大となる角度を求める。
【0100】
上記のパネル傾斜角の測定時、ステップS207において再確認モジュール候補として抽出された、モジュールの数および位置が一致しない箇所について、太陽光パネルのモジュールの設置有無を改めて判定する。
【0101】
また、制御部80は、ステップS206またはステップS208において確定されたストリングまたはアレイの設置位置・方位角およびパネル傾斜角の情報に基づいて、ドローン10に搭載されたカメラ14が撮像した撮像データを用いてモジュールの異常の有無を検査するための飛行経路を設定する。各モジュールを撮像しながら飛行する際に太陽光の反射による影響を排除するため、飛行時の太陽位置およびパネルの方位角・傾斜角から算出される太陽光の反射が生じるエリアを避けて飛行経路が設定される。太陽光の反射が生じるエリアの検出や、遠赤外カメラが撮像した撮像データから異常の有無を検出する方法は、公知の方法を使用可能であり限定されない。
【0102】
(効果)
上述したように、本実施形態では、ドローン10から撮像された撮像データから検出された外形と、ドローン10から測量データとに基づいて、対象物の設置有無を判定することができる。
【0103】
本実施形態では、検査対象の対象物の形状・サイズ・位置をあらかじめ記憶部に記憶しておく必要がない。本実施形態では、記憶部89に記憶した、太陽光パネルのモジュールとして想定される形状・サイズから逸脱するものでなければ検出することができる。本実施形態によれば、例えば、住宅の屋根に設置されるような三角形や台形などの種々の形状・サイズが混在するモジュールであっても適切に検出することができる。
【0104】
本実施形態では、撮像データからモジュールとして抽出できた箇所を基にストリング・アレイの形状・位置を検出する。本実施形態によれば、太陽光パネルのストリング・アレイの形状・サイズ・位置をあらかじめ記憶部に記憶しておく必要がない。
【0105】
本実施形態では、ストリング・アレイごとにパネル傾斜角を測定する。実施形態によれば、ストリング・アレイのパネル傾斜角が同一でなくても、それぞれ測定できる。
【0106】
本実施形態では、測量データから対象物候補の外形領域における所定波長光の反射が得られない場合、対象物が設置されていると判定することができる。本実施形態によれば、太陽光パネルのモジュールにおいて、光を吸収することを用いて、太陽光パネルのモジュールの設置有無を適切に判定することができる。
【0107】
本実施形態では、撮像データから対象物候補の外形領域における温度が所定の温度範囲内である場合、対象物が設置されていると判定することができる。本実施形態によれば、太陽光パネルのモジュールの設置有無を適切に判定することができる。
【0108】
図示した撮像検査システムの各構成要素は、機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていなくてもよい。すなわち、各装置の具体的形態は、図示のものに限られず、各装置の処理負担や使用状況などに応じて、その全部または一部を任意の単位で機能的または物理的に分散または統合してもよい。
【0109】
撮像検査システムの構成は、例えば、ソフトウェアとして、メモリにロードされたプログラムなどによって実現される。上記実施形態では、これらのハードウェアまたはソフトウェアの連携によって実現される機能ブロックとして説明した。すなわち、これらの機能ブロックについては、ハードウェアのみ、ソフトウェアのみ、または、それらの組み合わせによって種々の形で実現できる。
【0110】
上記に記載した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のものを含む。さらに、上記に記載した構成は適宜組み合わせが可能である。また、本発明の要旨を逸脱しない範囲において構成の種々の省略、置換または変更が可能である。
【符号の説明】
【0111】
1 撮像検査システム
10 ドローン
11 駆動部
12 GNSS受信部
13 センサ
14 カメラ
18 通信部
20 制御部
21 駆動制御部
22 飛行制御部
23 位置情報取得部
24 測量データ取得部
25 撮像データ取得部
28 通信制御部
29 記憶部
30 端末装置
31 操作部
37 表示部
38 通信部
40 制御部
41 データ取得部
42 飛行経路取得部
45 ドローン制御部
47 表示制御部
48 通信制御部
49 記憶部
50 基準局
51 GNSS受信部
59 通信部
60 制御部
61 位置情報取得部
69 通信制御部
70 撮像検査装置
71 通信部
80 制御部
81 データ取得部
82 検出部
84 判定部
86 飛行経路設定部
88 通信制御部
89 記憶部