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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025010125
(43)【公開日】2025-01-20
(54)【発明の名称】汚水漏れ防止具
(51)【国際特許分類】
   A47K 13/24 20060101AFI20250109BHJP
   E03D 11/13 20060101ALI20250109BHJP
【FI】
A47K13/24
E03D11/13
【審査請求】有
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024109272
(22)【出願日】2024-07-05
(31)【優先権主張番号】P 2023111781
(32)【優先日】2023-07-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】310002374
【氏名又は名称】吉岡 かおり
(72)【発明者】
【氏名】吉岡かおり
【テーマコード(参考)】
2D037
2D039
【Fターム(参考)】
2D037BA23
2D037BA24
2D039AA02
2D039AE00
2D039DB04
2D039DB05
(57)【要約】      (修正有)
【課題】腰掛式便器の便器本体と便座との隙間からの汚水の漏れを防止できる汚水漏れ防止具を、製造が容易で、利便性を損なわず、多様な腰掛式便器に対応可能に提供する。
【解決手段】汚水漏れ防止具は、汚水を受ける略帯状の汚水受け部および汚水受け部を便器本体に着脱可能に取り付ける装着部と、装着部の取り付け位置を保持する装着保持部とを有し、汚水受け部と便器本体との間に汚水排出用の間隙部を形成可能とする間隙保持部を少なくともひとつ以上備え、汚水は汚水受け部内側面および汚水排出用の間隙部に流下させることが可能であり、装着部の一部または全部を便器の上面に載置し、装着部の位置を便器上面上において変更可能であり、汚水受け部の略水平方向の位置を変更可能にするとともに、保持部は装着部の位置を保持し、または、装着部を便器上面上の一定範囲内の位置に保持可能とすることを特徴とする。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
腰掛式便器の便器本体と便座との隙間からの汚水の漏れを防止する汚水漏れ防止具であって、前記汚水漏れ防止具は、汚水を受ける略帯状の汚水受け部と、前記汚水受け部を前記便器本体に着脱可能に取り付ける装着部と、前記装着部の取り付け位置を保持する装着保持部とを有し、前記汚水受け部は前記便器の内周縁との間に汚水排出用の間隙部を形成可能とする間隙保持部を少なくともひとつ以上備え、前記汚水受け部の上端を、平面視で前記便器本体外周縁より内側に設置可能で、かつ、側面視で前記便器本体上端の高さより上側に設置可能であり、前記汚水受け部の下端を、平面視で前記便器本体内周縁より内側に設置可能で、かつ、側面視で前記便器本体上端の高さより下側に設置可能であり、前記汚水受け部で受けた汚水は前記汚水受け部内側面に流下させるとともに、前記汚水受け部を超えた汚水は前記汚水排出用の間隙部に流下させることが可能であり、
前記装着部の一部または全部を前記便器の上面に載置し、前記装着部の位置を前記便器上面上において変更可能であり、前記汚水受け部の略水平方向の位置を変更可能にするとともに、前記保持部は前記装着部の位置を保持し、または、前記装着部を前記便器上面上の一定範囲内の位置に保持可能にすることを特徴とする汚水漏れ防止具。
【請求項2】
前記装着部は、前記汚水受け部と連結されたアーム部と、前記アーム部の一部または全部に備えた調整部を有し、前記調整部は可とう性あるいは弾性を有する部材よりなり、下ろした前記便座の底面に、前記汚水受け部の上端部または前記アーム部および前記調整部の上端部を押し当て可能とともに、前記便器の上面に前記アーム部および前記調整部の下面を押し当て可能で、前記汚水受け部の高さ方向の位置を下ろした前記便座の底面と前記便器の上面との間隔に応じて可変可能としたことを特徴とする請求項1に記載の汚水漏れ防止具。
【請求項3】
前記汚水受け部を複数個連結可能とする連結部を設け、前記汚水受け部を連結した長さを調節することを可能とするとともに、前記連結部は前記便器本体の内側縁の形状に応じて、前記連結部を挟んだ両側の汚水受け部の開き角度を調節可能にすることを特徴とする請求項1または2に記載の汚水漏れ防止具。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、腰掛式便器使用に際する、便器本体と便座との隙間からの汚水漏れの予防の利便性向上に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、腰掛式便器は、便器本体と便座とからなり、便座裏面に取り付けられた脚部によって、便器本体と便座との間には隙間がある。この隙間からは、座位での排泄の際の尿や、人体局部洗浄機能の洗浄水が漏れることがある。
ここで、以下、腰掛式便器の前記隙間から漏れる尿や人体局部洗浄水を簡略に汚水と表現する。
【0003】
前記のような汚水漏れの問題を解決する方法として、特許文献1では、帯状の汚水受け部を便器との間に間隙部を形成して取り付け、汚水受け部上端を超えた汚水も間隙部から流れ落ちることができるため、伝い漏れを防ぎ、汚水漏れ防止具自体への汚水の蓄積も防ぐとする。さらに、装着部の一部に線状の金属部材を用いることで、様々な形状の便器や隙間の大きさに対応可能とする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2011-234767号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1は、汚水漏れ防止の効果を発揮するためには、汚水受け部の位置や高さが適切に設置されることが必要であり、腰掛式便器の多様さに対応可能な自由度の高さと、実際の利用における適切な状態を維持することとのバランスをとりにくいという課題があった。例えば、装着部に線状の金属部材を用いた場合は調節の自由度は高いものの、便器と便座の隙間は目視しにくい部分でもあり、利用者が多様な腰掛式便器にあわせて調節して設置するのは困難な場合があった。また、適切に設置できていても、腰掛式便器の利用に伴い、装着部がずれてしまったり、汚水受け部の高さが変わってしまうことにより、汚水漏れを起こす場合があるとの苦情が寄せられていた。さらに、便器内の清掃等で汚水漏れ防止具をとりはずした場合には、調節してあった形状が崩れてしまうことがあり、再調整を要することも不評であった。
【0006】
おって、汚水受け部については、便器前方だけでなく、便器後方におよぶ製品への希望が寄せられているが、便器後方まで含めると形状の多様性が増してより対応が困難になる上、大型となる製品を別に製造することはコストがかかりすぎ、販売においても保管場所や送料等が嵩むため、気軽に購入できない価格となってしまうという課題があった。
さらに、利用状況によっては、要介護者等漏れの頻度が高い方の利用時だけ、汚水受け部が多少目立っても漏れをしっかり防ぐ設定にしたい、その他の場合は清掃を楽にすることを優先して汚水受け部が目立たない設定としたい等、同じ腰掛式便器を利用する上で、人や状況によって異なるニーズに合わせられないことも課題であった。
【0007】
市販されている汚水漏れ対策品についても、大半の商品が設置位置や見た目の問題から、実質、座位利用に限定せざるを得ない状況があり、家庭内等、当事者が了解し得る環境での利用にとどまる傾向がみられていることは残念である。実際、公共の場のトイレで汚水漏れ対策がとられていることは大変少なく、汚水漏れが起こりやすい現状にあり、利用者にとって快適な利用が妨げられているだけでなく、清掃担当者の負担も増し、人手不足の中、本来の業務を圧迫しながらトイレ清掃に手間をとられている状況は社会的にも大きな損失と考えられる。また、近年は座位での排泄が増加傾向にあるとはいえ、便座を上げて利用する機会が無くなるわけではなく、例えば、おむつ内の便だけを流したり、嘔吐時の利用等、立位での排尿以外の利用もあることを考慮する必要があると考えられる。公共の場でも利便性を損なわず、心理的にも受け入れ可能な汚水漏れ防止具があることが望ましい。
【0008】
本発明では、腰掛式便器使用に際する、便器本体と便座との隙間からの汚水の漏れを防止する汚水漏れ防止具を、多様な腰掛式便器に対応し、希望する漏れ防止の程度にあわせて簡便に調整できるとともに適切な設置状態を維持でき、公共のトイレにおいても利便性を向上させるものを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前述の課題を解決するために、次のような汚水漏れ防止具を発明した。
請求項1の汚水漏れ防止具においては、 腰掛式便器の便器本体と便座との隙間からの汚水の漏れを防止する汚水漏れ防止具であって、前記汚水漏れ防止具は、汚水を受ける略帯状の汚水受け部と、前記汚水受け部を前記便器本体に着脱可能に取り付ける装着部と、前記装着部の取り付け位置を保持する保持部とを有し、前記汚水受け部は前記便器の内周縁との間に汚水排出用の間隙部を形成可能とする間隙保持部を少なくともひとつ以上備え、前記汚水受け部の上端を、平面視で前記便器本体外周縁より内側に設置可能で、かつ、側面視で前記便器本体上端の高さより上側に設置可能であり、前記汚水受け部の下端を、平面視で前記便器本体内周縁より内側に設置可能で、かつ、側面視で前記便器本体上端の高さより下側に設置可能であり、前記汚水受け部で受けた汚水は前記汚水受け部内側面に流下させるとともに、前記汚水受け部を超えた汚水は前記汚水排出用の間隙部に流下させることが可能であり、
前記装着部の一部または全部を前記便器の上面に載置し、前記装着部の位置を前記便器上面上において変更可能であり、前記汚水受け部の略水平方向の位置を変更可能にするとともに、前記保持部は前記装着部の位置を保持し、または、前記装着部を前記便器上面上の一定範囲内の位置に保持可能にすることを特徴とする汚水漏れ防止具。
【0010】
請求項2の汚水漏れ防止具においては、前記装着部は、前記汚水受け部と連結されたアーム部と、前記アーム部の一部または全部に備えた調整部を有し、前記調整部は可とう性あるいは弾性を有する部材よりなり、下ろした前記便座の底面に、前記汚水受け部の上端部または前記アーム部および前記調整部の上端部を押し当て可能とともに、前記便器の上面に前記アーム部および前記調整部の下面を押し当て可能で、前記汚水受け部の高さ方向の位置を下ろした前記便座の底面と前記便器の上面との間隔に応じて可変可能としたことを特徴とする請求項1に記載の汚水漏れ防止具。
【0011】
請求項3の汚水漏れ防止具においては、前記汚水受け部を複数個連結可能とする連結部を設け、前記汚水受け部を連結した長さを調節することを可能とするとともに、前記連結部は前記便器本体の内側縁の形状に応じて、前記連結部を挟んだ両側の汚水受け部の開き角度を調節可能にすることを特徴とする請求項1に記載の汚水漏れ防止具。
【発明の効果】
【0012】
請求項1の汚水漏れ防止具においては、 腰掛式便器の便器本体と便座との隙間からの汚水の漏れを防止する汚水漏れ防止具であって、前記汚水漏れ防止具は、汚水を受ける略帯状の汚水受け部と、前記汚水受け部を前記便器本体に着脱可能に取り付ける装着部と、前記装着部の取り付け位置を保持する装着保持部とを有し、前記汚水受け部は前記便器の内周縁との間に汚水排出用の間隙部を形成可能とする間隙保持部を少なくともひとつ以上備え、前記汚水受け部の上端を、平面視で前記便器本体外周縁より内側に設置可能で、かつ、側面視で前記便器本体上端の高さより上側に設置可能であり、前記汚水受け部の下端を、平面視で前記便器本体内周縁より内側に設置可能で、かつ、側面視で前記便器本体上端の高さより下側に設置可能であり、前記汚水受け部で受けた汚水は前記汚水受け部内側面に流下させるとともに、前記汚水受け部を超えた汚水は前記汚水排出用の間隙部に流下させることが可能であり、
前記装着部の一部または全部を前記便器の上面に載置し、前記装着部の位置を前記便器上面上において変更可能であり、前記汚水受け部の略水平方向の位置を変更可能にするとともに、前記装着保持部は前記装着部の位置を保持し、または、前記装着部を前記便器上面上の一定範囲内の位置に保持可能にすることを特徴とするため、
前記汚水漏れ防止具は、前記隙間から汚水が飛び出して漏れることを防ぎ、前記汚水漏れ防止具から前記便器上面および前記便器の外側面への伝い漏れを防ぎ、汚水が前記汚水漏れ防止具自体に蓄積することもなく、さらに、汚水受け部の位置を略水平方向に調整可能となったため、便座に対する汚水受け部の前後の位置を調整しやすくなり、かつ、設置後の位置のずれや落下を防ぐよう保持可能となったため、より多様な腰掛式便器に対応可能になり、効果的に汚水漏れを防止できる。
【0013】
同じく、前記汚水漏れ防止具は、便座に対する汚水受け部の前後の位置を調整しやすくなったため、ひどい漏れへの対応と、外観とのバランスをとりながら軽度の漏れへの対応など、同じ腰掛式便器を利用する人々や状況によって異なるニーズに合わせた汚水漏れ対策が可能になる。
【0014】
請求項2の汚水漏れ防止具においては、前記汚水漏れ防止具は、座位排泄の際に利用者が便座に座ることによって、腰掛式便器の便器本体と便座との隙間に応じて調整部が撓み、あるいは圧縮され、前記汚水受け部の高さ方向の位置を簡便に適切に調整することができるため、より多様な腰掛式便器の多様な隙間に対応可能となるため、さらに効果的に汚水漏れを防止できる。
【0015】
同じく、前記汚水漏れ防止具は、前記汚水受け部の高さ方向の位置を簡便に適切に調整することができるため、前記汚水漏れ防止具を設置したまま清掃できない状況が続いた場合であっても、汚水を効率よく便器内に流し、汚水が前記汚水漏れ防止具に蓄積することもない特徴がさらに効果的に汚水漏れを防ぐため、公共のトイレ等においても利便性が高い。
【0016】
同じく、前記汚水漏れ防止具は、簡便に汚水受け部の位置を調整可能となり、効果的に汚水漏れを防ぎ続けることが可能なため、排泄前後に利用者が設置・廃棄等作業をする必要がなく、消耗品の不足で利用不可能となる心配もなく、利用者が安定して快適にトイレを利用することができるため、公共のトイレ等にも利用できる可能性が高い。
【0017】
同じく、前記汚水漏れ防止具は、汚水を蓄積しない構造であり、多様な腰掛式便器の隙間に応じて簡便に対応可能なため、前記汚水漏れ防止具を設置したままで洗い流す清掃が可能となり、清掃にかかる時間も労力も大幅に短縮可能なため、トイレの清潔を維持するためにかかっている費用を削減できるとともに、より価値の高いことに時間を使うことが可能になり、広く社会に貢献できる。
【0018】
同じく、前記汚水漏れ防止具は、汚水を蓄積しない構造であり、清掃にかかる時間も大幅に短縮可能なため、トイレを利用したい人が清掃中でトイレを待つ時間を短縮でき、公共のトイレでの導入を促進する可能性があり、外出先等でも快適にトイレを利用できる社会に貢献できる。
【0019】
同じく前記汚水漏れ防止具は、汚水を蓄積しない構造であり、かつ、便器にとりつけるため、便座をあげて使用することを妨げず、公共のトイレ等にも利用できる可能性が高い。
【0020】
請求項3の汚水漏れ防止具においては、前記汚水受け部を複数個連結可能とする連結部を設け、前記汚水受け部を連結した長さを調節することを可能としたため、複数の長さの製品を個別に製造することなく、汚水受け部の長さへの要望に応えることができ、製品サイズもコンパクトにできるため、安価に汚水漏れ防止具を提供可能となり、汚水漏れ対策を促進できる。
【0021】
同じく、請求項3の汚水漏れ防止具においては、前記汚水受け部を複数個連結可能とする連結部を設け、前記連結部は前記便器本体の内側縁の形状に応じて、前記連結部を挟んだ両側の汚水受け部の開き角度を調節可能にしたため、多様な腰掛式便器の形状に応じることが容易となり、安価に汚水漏れ防止具を提供可能となるため、汚水漏れ対策を促進できる。
【0022】
同じく、前記汚水受け部を複数個連結可能とする連結部を設け、前記連結部は前記便器本体の内側縁の形状に応じて、前記連結部を挟んだ両側の汚水受け部の開き角度を調節可能にしたため、消費者は腰掛式便器の形状やサイズの違いによる商品選択に悩む必要がなくなり、容易に汚水漏れ防止具を導入できる。
【0023】
請求項3の汚水漏れ防止具においては、前記連結部の形態として、前記汚水受け部を一体的に連結させ、折り曲げ可能な折り曲げ部を有したため、薄めのシート状素材で製造することも可能となり、製品サイズをごくコンパクトにでき、安価に汚水漏れ防止具を提供できる。
【0024】
同じく、請求項3の汚水漏れ防止具においては、複数の前記汚水受け部のそれぞれの両端部に設けた継ぎ手構造が着脱可能な連結手段をもつことを特徴としたため、消費者は、最小サイズから手軽に汚水漏れ防止を導入することができ、汚水漏れの状況に応じて、汚水受け部を追加で連結可能なため、利便性が高い。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】本発明による実施例1の形態を示す斜視図である。
図2図1における平面図である。
図3図1A-A線における矢視断面図である。
図4図1B-B線における矢視断面図である。
図5】本発明による実施例2の形態を示す平面図である。
図6】本発明による実施例3の形態を示す平面図である。
図7】同実施例における斜視図である。
図8】本発明による実施例4の形態を示す平面図である。
図9図8C-C線における矢視断面図である。
図10】本発明による実施例5の形態を示す平面図である。
図11】同実施例における斜視図である。
図12】本発明による実施例6の形態を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本発明の実施の形態を図で説明する。
【実施例0027】
本発明の第1の実施例の形態を図1図4により説明する。図1は、本発明の実施の形態を示す斜視図、図2は、図1における平面図、図3は、図1A-A線における矢視断面図、図4は、図1B-B線における矢視断面図である。
【0028】
腰掛式便器500は、便器本体30および便座40とからなり、便座40は略O型をなす開口部41を設けている。また、便座裏面44は内周縁42と外周縁43との間で平面をなしており、前記便座裏面44には脚部45が適当数固定されており、便器本体30と便座40との間には、隙間50が存在している。
【0029】
なお、図示した腰掛式便器5は例示したものであり、便器本体30の形状が異なっていてもよいし、便座40の形状がU型など異なっていてもよく、人体局部洗浄機能等を有する腰掛式便器であってもよく、介護用ポータブルトイレであってもよい。
【0030】
汚水漏れ防止具1は、汚水を受ける帯状の汚水受け部10および装着部20よりなる。なお、図示した装着部20の個数は例示したものであり、この個数に限定するものではない。
【0031】
汚水受け部10は帯状の部材を円弧状に形成してなり、前記汚水受け部10は前記便器30の内周縁32との間に汚水排出用の間隙部6を形成可能とする間隙保持部22を備え、前記汚水受け部10の上端11は、断面が半円となるよう形成するとともに、平面視で前記便器本体30の外周縁33より内側に設置可能で、側面視で前記便器本体30上端34の高さより上側に設置可能であり、汚水受け部10の下端12は、便器本体30内周縁32より内側に設置可能で、かつ、側面視で前記便器本体30の上端34の高さより下側に設置可能である。
【0032】
装着部20は便器本体30の前方51に連結するアーム部24、および、便器本体30の側方52に連結するアーム部21、および前記アーム部24とアーム部21を汚水受け部10の下端12の一部に連結する間隙保持部22よりなる。
【0033】
前記アーム部24は細い棒状の部材を略長方形に形成して便器上面35に接して載置し、便器本体30の上面35上に沿って位置を変更可能に形成している。前記アーム部24の両端部25は間隙保持部22にそれぞれ連結し、前記汚水受け部10の下端12の一部に間隔をおいて連結しており、前記汚水受け部10と前記便器本体30の内側面37との間は、汚水排出用の間隙部90を形成している。
また、前記アーム部24の先端部26には装着保持部80として、チューブ状の長軸方向にスリットを入れた形状をなすすべりどめ27を嵌めている。
【0034】
前記アーム部21は略コの字型をなす幅広の部材からなり、便器本体30の上面35および外側面36に接し、前記間隙保持部22は細い幅の部材2本からなり、前記アーム部21の内側面の角部23にそれぞれ連結し、前期汚水受け部10の下端12の一部を保持して連結しており、前記汚水受け部10と前記便器本体30の内側面37との間に、汚水排出用の間隙部90を形成している。
【0035】
なお、汚水受け部10の形状は前記に限定するものではなく、例えば、汚水受け部10が便器本体内周縁32の全周に及ぶ円形をなしていてもよいし、汚水受け部10の上端11の断面が半円をなしていなくてもよい。
【0036】
装着部20の形状および構造について、アーム部24と22の形状から、汚水受け部10の位置の調節は、略水平面において便座40の前後方向に可能となっており、この例に限定するものではないが、前記装着部20の位置を前記便器30上面35上において変更可能とするには、少なくとも便器本体30前方51中央に取り付けるアーム部については、本実施例のように便器本体30に接する面が便器30本体上面35に限定し、便器本体30外側面36には接していないことが、トイレ介助等においても支障が出ず、実用上も望ましいと考えられ、その他は便器本体30上面35上に載置する部分の形状や、便器本体30前方51中央以外に取り付けるアーム部については便器本体30に接する部分も含め、形状や数が異なっていてもよいし、汚水漏れ防止具1を便器本体30に取り付ける方法が、別の方法でもよく、例えば、前記便器本体30上面35上に載置する部分が広めのシート状をなすアーム部であってもよいし、前記アーム部24の裏面に軽度の粘着性を有する素材を用いてもよい。
【0037】
すべりどめ27の形状や仕様も本実施例に限定するものではなく、アーム部24およびアーム部22の全体または一部にすべりどめがあってもよいし、複数個のアーム部それぞれに異なるすべりどめを設けてもよく、すべりどめを無しとする場合は、後述する図5のように、装着保持部80を別に設け、例えば、アーム部に限らず、前記便器本体30上面35に前記装着保持部80を取り付け、アーム部の便器本体30上面35上での位置がずれることを規制するストッパーとして設けてもよい。
【0038】
また、装着部21の位置について、便座40底面44の脚部45と干渉しにくいよう平面視で便器上面35の前後方向の中央付近としたが、この例に限定するものではなく、例えば、便座底面44脚部45の下にアーム部21が位置するように、便器上面の後方寄りまたは前方寄りの位置にしてもよい。
さらに、汚水漏れ防止具1は撥水加工および抗菌加工および防汚加工等、別の加工を施すことも特に限定しない。
【0039】
素材について、すべりどめ27は柔軟性とすべりどめ機能を有するシリコン樹脂としたが、この他、エラストマー樹脂等、特に限定しない。すべりどめを除いた汚水漏れ防止具1全体は可とう性を有するポリプロピレン樹脂としたが、この例に限定するものではなく、例えば、可とう性を有し、柔軟性を有するシリコン樹脂、エラストマー樹脂等の樹脂材料や、防水加工等を施した紙、布等の繊維素材であってもよい。また、汚水受け部10と装着部20の素材は異なっていてもよく、例えば、装着部20の一部にステンレス等の金属材料を用いることも特に限定しないが、汚水受け部10については、多様な腰掛式便器に対応しやすく、身体に触れた場合の安全面への配慮から、可とう性または弾性をを有する樹脂等が望ましい。
【0040】
サイズは、汚水受け部10は 高さ3.5cm~5cm程度、長さ30cm~50cm程度、厚さ1mm~2mm程度としたが、この例に限定するものではない。装着部20の保持部22は幅5mm~1cm程度、長さ5mm~2cm程度、装着部21は、幅4cm~5cm程度、便器本体内側面32に接する部分の長さ1cm~2cm程度、便器本体外側面36に接する部分の長さ2cm~4cm程度としたが、この例に限定するものではない。
【0041】
装着部20のアーム部24は棒状部材の直径3mm~6mm程度、便器本体上面35に接する長方形をなす部分は幅2cm~4cm、長さ3cm~4cm程度としたが、この例に限定するものではない。すべりどめ27は厚さ0.5mm~1mm程度、長さは前記アーム部24の幅に準じて1~3cm程度としたが、この例に限定するものではなく、例えば、アーム部24の大部分をすべりどめ機能を有する素材で被覆してもよい。
【0042】
以上の構成よりなる汚水漏れ防止具1は、汚水排出用の間隙部6を形成可能とする間隙保持部22を備えるため、前記汚水受け部10と前記便器40との間の前記隙間50から汚水が飛び出して漏れることを防ぎ、前記汚水漏れ防止具1から前記便器40上面35および前記便器40の外側面への伝い漏れを防ぎ、汚水が前記汚水漏れ防止具自体に蓄積することもなく、
さらに、汚水受け部の位置を略水平方向に調整可能となったため、便座に対する汚水受け部の前後の位置を調整しやすくなり、かつ、設置後の位置のずれや落下を防ぐよう保持可能となったため、より多様な腰掛式便器に対応可能になり、効果的に汚水漏れを防止できる。
【0043】
同じく、前記汚水漏れ防止具1は、便座40に対する汚水受け部10の前後の位置を調整しやすくなったため、ひどい漏れへの対応と、外観とのバランスをとりながら軽度の漏れへの対応など、同じ腰掛式便器を利用する人々や状況によって異なるニーズに合わせた汚水漏れ対策が可能になる。
【0044】
アーム部24が前記便器本体30の上面35に載置し、前記便器40上面35上において、前記アーム部24の位置を調整可能であることにより、前記汚水受け部10の略水平方向の位置を変更可能としたため、より多様な腰掛式便器に対応可能になり、従来、対策が困難であった、便座内周縁より便器内周縁が内側に位置する場合等、便座と便器の位置関係の多様さに対しても簡便に対応可能となり、効果的に汚水漏れを防止できる。
【0045】
同じく、前記アーム部24は前記便器30の前方51の中央に設けたことによって、便座底面44の脚部45と干渉することがなく、かつ、前記便器本体30の外側面36には前記アーム部24が出ていないため、トイレ介助等の際にアーム部24がひっかかることがなく、多様な腰掛式便器に対応しやすい。
【0046】
同じく、前記汚水漏れ防止具1は、前記汚水受け部10をかとう性を有する部材で形成したことにより、汚水受け部10の円弧の開き具合をある程度調節可能であり、かつ、便器本体30の側方52に取り付ける装着部20のアーム部21をコの字型にしたことによって、前記便器本体30上面35に嵌って固定しやすく、多様な便器の形状やサイズに対応可能である。
【0047】
同じく、前記汚水漏れ防止具1は、前述の効果があり、かつ、便器に設置する仕様であるため、公共の場のトイレに設置した場合も、便座をあげる使用方法が可能であり、利便性を損なわずに汚水漏れ対策が可能である。
【0048】
同じく、前記汚水漏れ防止具1は、簡便に汚水受け部の位置を調整可能となり、効果的に汚水漏れを防ぎ続けることが可能なため、排泄前後に利用者が設置・廃棄等作業をする必要がなく、消耗品の不足で利用不可能となる心配もなく、常時、汚れ過ぎないトイレを維持できるため、利用者が安心して快適にトイレを利用することができるため、公共のトイレ等にも利用できる可能性が高い。
【0049】
同じく、前記汚水漏れ防止具1は、汚水を蓄積しない構造であり、多様な腰掛式便器の隙間に応じて簡便に対応可能なため、前記汚水漏れ防止具を設置したままで洗い流す清掃が可能となり、清掃にかかる時間も労力も大幅に短縮可能なため、より価値の高いことに時間を使うことが可能になり、トイレを維持管理する側のコストも大幅に削減できるため、広く社会に貢献できる。
【0050】
同じく、前記汚水漏れ防止具は、汚水を蓄積しない構造であり、清掃にかかる時間も大幅に短縮可能なため、トイレを利用したい人が清掃中でトイレを待つ時間を短縮でき、公共のトイレでの汚水漏れ対策の導入を促進する可能性があり、外出先等でも快適にトイレを利用できる社会に貢献できる。
【実施例0051】
本発明の実施の形態を図5により説明する。なお、実施例1と共通する構成要素については同一符号を付し、その説明は省略する。 図5は、本発明による実施例2の形態を示す平面図である。
【0052】
図5は、実施例1における装着保持部80を直方体をなすストッパー81とし、便器本体30の上面35に粘着テープで固定した例である。
ストッパー81の位置は、便器本体30上面35の前方38において、外周縁43から内周縁32までの範囲内であって、アーム部24が安定して載置可能な位置に対応するストッパー81の位置を確認した上で、ストッパー81を粘着テープで貼付、固定したものである。
【0053】
なお、ストッパー81の形状および構造、便器本体30上面35に取り付ける方法はこの例に限るものではなく、例えば、ストッパー31が吸盤で便器本体上面35に固定したフック状をなし、装着部20にひっかける形式でもよいし、弾性を有するゴム等を組み合わせてもよく、特に限定しない。
【0054】
素材はストッパー81の本体は薬品や汚れにも強いポリプロピレン樹脂とし、粘着テープはアクリル系樹脂としたが、この例に限定するものではなく、吸盤の他、折りたたみできる部材の片面を固定し、必要時だけ立てて使用する形式でもよく、特に限定しない。
【実施例0055】
本発明の実施の形態を図6図7により説明する。なお、実施例1、2と共通する構成要素については同一符号を付し、その説明は省略する。 なお、図6は、本発明による実施例3の形態を示す平面図、図7は同実施例における斜視図である。
【0056】
汚水漏れ防止具3は、汚水漏れ防止具1において、間隙保持部22を調整部80も兼ねるよう可とう性を有する素材でゆるやかな曲線をなす棒状とし、曲線調節部83を形成している。前記曲線調節部83は、汚水受け部10下端12の左右方向の中心よりもやや外側の一部15に連結しており、曲線調整部83は汚水受け部10に対して平面視においてやや鈍角をなし、曲線調節部83にかかる負荷を分散させ、調節幅をとれるよう形成している。
【0057】
素材は、すべりどめ27は柔軟性とすべりどめ機能を有するシリコン樹脂とし、その他の汚水漏れ防止具3全体は可とう性のあるポリプロピレン樹脂としており、この例に限るものではないが、曲線調節部83が汚水受け部10の高さ方向の位置を調節可能で、かつ、略水平方向の位置も調節可能とするため、汚水漏れ防止具3の自重で便器本体40開口部内41に下がっていかないよう、可とう性に加えて軽量である素材が望ましく、樹脂の他、竹、木材、防水加工を施した紙など、特に限定しない。
【0058】
また、曲線調整部83の形状について、本実施例ではゆるやかな曲線を含む形状としたが、これに限定するものではなく、曲線調整部83の棒状部材の断面が円の他、多角形でもよいし、可とう性や弾力性を有するよう、らせん形状や凹凸を有する形状であってもよく、特に限定しない。
【0059】
さらに、曲線調整部83に汚水受け部やアーム部よりも弾性や可とう性にすぐれる別素材を用いてもよく、樹脂や金属、ゴム等でもよいし、間隙保持部22と調整部80の機能を別々の部材で形成してもよく、特に限定しない。
サイズは、曲線調整部83の棒状部材の直径3mm~6mm程度、長さ2cm~6cm程度としたが、この例に限るものではない。
【0060】
以上の構成よりなる汚水漏れ防止具3は、座位排泄の際に利用者が便座40に座ることによって、腰掛式便器の便器本体30と便座40との隙間90に応じて曲線調整部が撓み、前記汚水受け部10の高さ方向の位置を簡便に適切に調整することができるため、より多様な腰掛式便器の多様な隙間に対応可能となり、効果的に汚水漏れを防止できる。
【0061】
同じく、前記汚水漏れ防止具3は、効果的に汚水漏れを防止できるため、前記汚水漏れ防止具3を設置したまま清掃できない状況が続いた場合であっても、汚水を効率よく便器内に流すことができ、さらに、汚水が前記汚水漏れ防止具に蓄積することもないため、公共のトイレ等においても利便性が高い。本実施例においては、シンプルな構造で洗浄が容易であるだけでなく、外観も損なわないため、好ましい。
【0062】
同じく、前記汚水漏れ防止具3は、簡便に汚水受け部の位置を調整可能となり、効果的に汚水漏れを防ぎ続けることが可能なため、使い捨ての製品とは異なり、排泄前後に利用者が設置・廃棄等作業をする必要がなく、消耗品の不足で利用不可能となる心配もなく、利用者が安定して快適にトイレを利用することができるため、公共のトイレ等にも利用できる可能性が高い。
【0063】
同じく、前記汚水漏れ防止具は、汚水を蓄積しない構造であり、多様な腰掛式便器の隙間に応じて簡便に対応可能なため、前記汚水漏れ防止具を設置したままで洗い流す清掃が可能となり、清掃にかかる時間も労力も大幅に短縮可能なため、トイレの清潔を維持するためにかかっている費用を削減できるとともに、より価値の高いことに時間を使うことが可能になり、広く社会に貢献できる。
【0064】
同じく、前記汚水漏れ防止具3は、汚水を蓄積しない構造であり、清掃にかかる時間も大幅に短縮可能なため、トイレを利用したい人が清掃中でトイレを待つ時間を短縮でき、公共のトイレでの導入を促進する可能性があり、外出先等でも快適にトイレを利用できる社会に貢献できる。
【0065】
同じく前記汚水漏れ防止具3は、汚水を蓄積しない構造であり、かつ、便器にとりつけるため、便座をあげて使用することを妨げず、公共のトイレ等にも利用できる可能性が高い。
【実施例0066】
本発明の実施の形態を図8図9により説明する。なお、実施例1、2、3と共通する構成要素については同一符号を付し、その説明は省略する。 なお、図8は、本発明による実施例4の形態を示す平面図、図9は、図8C-C線における矢視断面図である。
【0067】
汚水漏れ防止具4は、汚水漏れ防止具1において、アーム部24に調節部60を連結した例である。前記調節部60は弾性を有するバネ部61および略扇形をなす底面62および天面63からなり、天面63の一部にバネ部61の一方の端部65を挿し込み、もう一方の端部64を底面63の一部に挿し込んで連結し、底面63は前記便器本体30の上面35の上に載置されている。
なお、図示したアーム部および調整部は例示したものであり、数や形状もこの例に限るものではない。アーム部および調整部が複数あってもよいし、例えば、アーム部24の形状が広めのシート状であってもよいし、凹凸上部を設けたり、平面でなく、枠や網等で形成していてもよい。
【0068】
前記調節部60によって汚水受け部10の高さ方向の位置を調節する方法は、便座40を便器30に下ろした際や、座位での排尿時に前記便座40に利用者が座った際に、下ろした前記便座40の底面44に、前記汚水受け部10の上端部11または前記アーム部24および前記調整部60の上端部67である天面62が押し当てられ、または、および、前記便器30の上面35に前記アーム部24および前記調整部60の底面63が押し当てられることによって、前記便座40の底面44と前記便器30の上面35との間隔に応じた高さに前記汚水受け部10が調節されるように形成している。
【0069】
素材について、調節部60のバネ61は伸長方向に付勢力を有するポリカーボネート樹脂のうず巻きばねとしたが、この例に限るものではなく、弾性または可とう性を有する素材や形状が望ましく、例えば、他の樹脂やステンレス、鉄等の金属の巻きばね、板ばね、その他のばね類でもよいし、弾力性と防水性を有するシリコンやクロロプレンゴム等のスポンジゴムでもよく、さらに、楔形のスポンジゴムをさしこむ等形状の工夫を併用することで高さの調節幅を増すこともよいし、特に限定しない。
【0070】
底面63はシリコン樹脂としたが、この他、エラストマー樹脂、ABS樹脂等の樹脂材料や、木、竹等繊維材料、ステンレス等の金属材料等、特に限定しないが、前記便器本体40上面35に安定して設置できることが望ましく、すべりどめ機能や粘着性等を有しない場合は、前述の実施例2におけるストッパーを設ける等、装着保持部80を設けることが望ましい。
【0071】
サイズは、調節部60の天面62および底面63は幅4~8cm程度、長さ3~4cm低度、厚さ1mm程度、バネ部61は外径8~15mm程度、長さ1~3cm程度としたが、この例に限るものではない。天面62および底面63は、例えば、便器本体40上面35上に広く載置する形状であってもよいし、複数ヵ所に設けてもよい。
【0072】
以上の構成よりなる汚水漏れ防止具4は、座位排泄の際に利用者が便座40に座ることによって、腰掛式便器の便器本体30と便座40との隙間90に応じた高さにバネ部61が伸縮するため、前記汚水受け部10の高さ方向の位置を簡便に適切に調整することができ、多様な腰掛式便器の多様な隙間に対応可能となり、前記汚水漏れ防止具3と同様、効果的に汚水漏れを防止できる。汚水漏れ防止具4は、汚水漏れ防止具3に比べて、部材が多い点で、洗浄のしやすさでは及ばない可能性があるものの、素材や部材によってより安価な製造方法で同様の汚水漏れ防止の効果を提供できる可能性がある。
【実施例0073】
本発明の実施の形態を図10図11により説明する。なお、実施例1~4と共通する構成要素については同一符号を付し、その説明は省略する。 図10は、本発明による実施例5の形態を示す平面図である。図11は、同実施例の汚水漏れ防止具を示す斜視図である。
【0074】
汚水漏れ防止具5は、汚水漏れ防止具1において、汚水受け部10の長軸方向の両端部付近に連結部200を設け、前記連結部200は汚水受け部210を複数個着脱可能に連結可能とする継ぎ手構造をもつよう形成されている。
前記汚水受け部10に設けた前記連結部200は、縦方向に細長い穴を形成する穴部201を有し、前記穴部201には、連結用の汚水受け部210の一方の端部に設けた連結部200が有する挿入部211を挿し通し、着脱可能に連結するよう形成されている。
【0075】
また、前記汚水受け部210のもう一方の端部に設けた連結部210は前述の汚水受け部10の穴部201と同様、縦方向に細長い穴を形成する穴部201を設けており、汚水受け部210は複数個を連結した長さを調節可能に形成している。
さらに、前記連結部200は前記便器本体40の内周縁32の形状に応じて、前記連結部200を挟んだ両側の汚水受け部210の開き角度を調節可能に形成している。
【0076】
なお、図示した汚水受け部10および汚水受け部210の個数や形状は例示したものであり、この例に限るものではない。汚水受け部の長さや形状が異なっていてもよいし、形状の異なる汚水受け部を複数組み合わせてもよい。
汚水受け部210に装着部を設けない例を図示したが、装着部を設ける汚水受け部と装着部を設けない汚水受け部があってもよく、連結した汚水受け部の状態や設置する腰掛式便器の便座の脚部の位置や便器の形状など、状況にあわせて組み合わせてもよい。
【0077】
連結部に挿し通す向きについても図示は例示したものであり、例えば、平面視で汚水受け部上端が山と谷をなすように連結されていてもよいし、連結部200の両側の汚水受け部210の開き角度についても、便器の形状や利用状況にあわせて調整すればよく、特に限定しない。
【0078】
サイズは、汚水受け部210は 高さ3.5cm~5cm程度、長さ10cm~30cm程度、厚さ1mm~2mm程度としたが、この例に限定するものではない。連結部200の穴部201は1mm~2mm程度、長さ1.5~2cm程度としたが、この例に限定するものではない。
汚水受け部210の素材はポリプロピレンとしたが、この例に限るものではなく、シリコンやエラストマー等の樹脂、ステンレス等金属、木や竹、防水加工等を施した布や紙など、特に限定しない。
連結部200について、穴にさしとおす例を図示したが、この例に限るものではなく、例えば、それぞれの両端部にピンを挿し通して連結し、連結部の両側の汚水受け部の開き角度の自由度を高めてもよいし、凸部を設けてはめ込む方法や、貼付してもよく、特に限定しない。
【0079】
以上からなる汚水漏れ防止具5は、汚水受け部を複数個連結可能とする連結部200を設け、前記汚水受け部210を連結した長さを調節することを可能としたため、複数の長さの製品を個別に製造することなく、汚水受け部の長さが長い商品に対する要望に応えることができ、製品サイズもコンパクトにできるため、安価に汚水漏れ防止具を提供可能となり、汚水漏れ対策を促進できる。
【0080】
同じく、汚水漏れ防止具5は、前記汚水受け部210を複数個連結可能とする連結部200を設け、前記連結部200は前記便器本体30の内側縁の形状に応じて、前記連結部200を挟んだ両側の汚水受け部210の開き角度を調節可能にしたため、多様な腰掛式便器の形状に応じることが容易となり、安価に汚水漏れ防止具を提供可能となるため、汚水漏れ対策を促進できる。
【0081】
同じく、前記汚水受け部210を複数個連結可能とする連結部を設け、前記連結部は前記便器本体の内側縁の形状に応じて、前記連結部を挟んだ両側の汚水受け部の開き角度を調節可能にしたため、消費者は腰掛式便器の形状やサイズの違いによる商品選択に悩む必要がなくなり、容易に汚水漏れ防止具を導入でき、汚水漏れ対策を始めることができる。
【0082】
同じく、前記汚水漏れ防止具5は、複数個連結可能とする連結部を設け、長さ調節可能に形成したため、消費者は、最小サイズから手軽に汚水漏れ防止を導入することができ、汚水漏れの状況に応じて、汚水受け部を追加で連結可能なため、利便性が高い。
【実施例0083】
本発明の実施の形態を図12により説明する。なお、実施例1~5と共通する構成要素については同一符号を付し、その説明は省略する。 図12は、本発明による実施例6の形態を示す平面図である。
【0084】
汚水漏れ防止具6は、前記汚水漏れ防止具5における、継ぎ手構造をもった連結部200について、汚水受け部を一体的に連結させ、折り曲げ可能な折り曲げ部を有する連結部とした例である。
汚水漏れ防止具6は前記汚水受け部110と装着部120と装着保持部180とからなり、装着保持部180は、装着部120は便器本体上面35上において、便器の前後方向であって略水平方向に位置を変更可能にするとともに、変更可能な範囲を、装着部120の端部に設けた凸部121までに規定するよう形成している。
【0085】
汚水受け部110は連結部115を前記汚水受け部110の短軸方向に折り目をなし、折り曲げ可能な折り曲げ部をなしており、前記連結部115を山折り谷折りと交互になし、前記115を挟んだ両側の汚水受け部210の開き角度を調節することによって、便器本体の内周縁37の形状に応じて、汚水受け部110を設置できている。
また、前記連結部115の両側の汚水受け部110の開き角度を調整することによって、汚水受け部の長さも調節可能となっている。
【0086】
なお、汚水受け部110の形状は前記に限定するものではなく、例えば、汚水受け部110全体が便器本体30内周縁35の全周に及ぶ円形をなしていてもよいし、汚水受け部10の連結部115の数は増減してもよく、山折りと谷折りの交互でなくてもよい。
【0087】
装着部120の形状および構造は前記に限定するものではなく、凸部121の形状や装着保持部180の構造や形状が異なっていてもよい。
また、汚水漏れ防止具6は撥水加工および抗菌加工、防汚加工等の別の加工を施すことも特に限定しない。
【0088】
素材について、汚水漏れ防止具6の全体をポリプロピレン樹脂したが、この例に限定するものではなく、シリコン等の樹脂材料や、防水加工等を施した紙、布等の繊維素材であってもよく、木や竹、ステンレス等金属を用いたものであってもよい。
【0089】
サイズは、汚水受け部110は 高さ3.5cm~5cm程度、長さ20cm~80cm程度、厚さ0.5mm~1mm程度としたが、この例に限定するものではない。装着部120は、厚さ0.5mm~1mm程度、幅1.0cm~2.0cm程度としたが、この例に限定するものではない。
【0090】
以上の構成からなる汚水漏れ防止具6は、前記連結部115の形態として、前記汚水受け部110を一体的に連結させ、折り曲げ可能な折り曲げ部を有したため、薄めのシート状素材で製造することも可能となり、製品サイズをコンパクトにでき、安価に汚水漏れ防止具を提供できる可能性がある。
【0091】
同じく、汚水漏れ防止具6は、複数の前記汚水受け部110のそれぞれの両端部に設けた継ぎ手構造が着脱可能な連結手段をもつことを特徴としたため、消費者は、最小サイズから手軽に汚水漏れ防止を導入することができ、汚水漏れの状況に応じて、汚水受け部を追加で連結可能なため、利便性が高い。
【産業上の利用可能性】
【0092】
本発明による汚水漏れ防止具は、製造についてはトイレ用品産業、販売についてはトイレ用品および介護用品等を扱う産業において利用可能性がある。
【符号の説明】
【0093】
1…汚水漏れ防止具、2…汚水漏れ防止具、3…汚水漏れ防止具、4…汚水漏れ防止具、5…汚水漏れ防止具、6…汚水漏れ防止具、…、10…汚水受け部、11…上端、12…下端、13…内側面、14…外側面、20…装着部、21…アーム部、22…間隙保持部、23…角部、24…アーム部、25…両端部、26…先端部、27…すべりどめ、28…調節部、30…便器本体、31…開口部、32…内周縁、33…外周縁、34…上端、35…上面、36…外側面、37…内側面、40…座部、41…開口部、42…内周縁、43…外周縁、44…底面、45…脚部、50…隙間、51…前方、52…側方、60…調整部、61…バネ部、62…底面、63…天面、64…裏面、65…端部、66…端部、80…装着保持部、81…ストッパー、83…曲線調節部、90…間隙部、110…汚水受け部、111…上端、112…下端、113…外側面、114…内側面、115…連結部、120…装着部、121…凸部、180装着保持部、181…ストッパー、200…連結部、201…穴部、210…汚水受け部、211…挿入部、500…腰掛式便器
図1
図2
図3
図4
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図7
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図10
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図12