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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025101295
(43)【公開日】2025-07-07
(54)【発明の名称】作業機
(51)【国際特許分類】
   B25F 5/00 20060101AFI20250630BHJP
【FI】
B25F5/00 C
B25F5/00 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023218045
(22)【出願日】2023-12-25
(71)【出願人】
【識別番号】000005094
【氏名又は名称】工機ホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100136375
【弁理士】
【氏名又は名称】村井 弘実
(74)【代理人】
【識別番号】100079290
【弁理士】
【氏名又は名称】村井 隆
(72)【発明者】
【氏名】田村 健悟
(72)【発明者】
【氏名】野口 裕太
(72)【発明者】
【氏名】色川 久志
(72)【発明者】
【氏名】金子 裕佑
【テーマコード(参考)】
3C064
【Fターム(参考)】
3C064AA02
3C064AB02
3C064AC02
3C064AC03
3C064BA13
3C064BA14
3C064BA35
3C064BB53
3C064BB54
3C064BB58
3C064BB84
3C064CA03
3C064CA06
3C064CA24
3C064CA27
3C064CA29
3C064CA56
3C064CA80
3C064CA81
3C064CB07
3C064CB08
3C064CB17
3C064CB19
3C064CB24
3C064CB27
3C064CB32
3C064CB62
3C064CB73
3C064CB83
3C064CB84
3C064DA02
3C064DA22
3C064DA23
3C064DA26
3C064DA31
3C064DA73
3C064DA90
(57)【要約】
【課題】暗所においていずれの駆動モードが選択されているかを容易に視認できる作業機を提供する。
【解決手段】操作パネル部85では、パネルシート90において駆動モードを示す複数の記号表示部のうち駆動モード選択ボタン142の操作により選択された駆動モードに対応するものが光る。プリズム88の導光部121が、モード点灯LED106の発する光をパネルシート90の記号表示部に導く。カバー89の隔壁部136が隣り合う導光部121の間を隔てる。透光性のある弾性体であるセパレータ87のボタン部112、113を介して、パネルシート90の駆動モード選択ボタン142及び照明モード選択ボタン143の操作が制御基板35上のタクタイルスイッチ102、103に伝達される。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
動力により作業を行うよう構成された作業部と、
前記作業部を複数の駆動モードのいずれかで制御するよう構成された制御部と、
前記作業部の駆動、停止を切り替えるよう構成された駆動操作部と、
前記複数の駆動モードの選択を切り替えるよう構成された駆動モード選択操作部と、
前記駆動モード選択操作部により選択された駆動モードを示すよう構成された駆動モード表示部と、
を備えた作業機であって、
前記駆動モード表示部は、互いに異なる記号が表された複数の記号表示部であって、各々の記号表示部が前記複数の駆動モードの少なくとも1つに対応する複数の記号表示部を有し、前記複数の記号表示部のうち前記駆動モード選択操作部により選択された駆動モードに対応する記号表示部が光るよう構成された、
ことを特徴とする作業機。
【請求項2】
請求項1に記載の作業機であって、
前記複数の記号表示部の各々は、表示される記号として文字及び/又は図形を有する、
ことを特徴とする作業機。
【請求項3】
請求項1に記載の作業機であって、
前記駆動モード表示部は、前記複数の記号表示部の各々に対応して設けられた複数の発光部と、前記複数の発光部の各々が発する光を対応する前記記号表示部に導く複数の導光部と、を有する、
ことを特徴とする作業機。
【請求項4】
請求項3に記載の作業機であって、
前記複数の導光部は、前記複数の発光部に対向する位置において、互いに一体的に接続されている、
ことを特徴とする作業機。
【請求項5】
請求項3又は4に記載の作業機であって、
前記複数の導光部のうち互いに隣り合う2つの導光部の間を隔てる隔壁部を有する、
ことを特徴とする作業機。
【請求項6】
請求項5に記載の作業機であって、
前記複数の発光部を搭載した基板を備え、
前記複数の発光部の周囲を覆うカバーが前記基板に取り付けられ、
前記カバーが前記隔壁部を有する、
ことを特徴とする作業機。
【請求項7】
動力により作業を行うよう構成された作業部と、
前記作業部を制御するよう構成された制御部と、
前記作業部の駆動、停止を切り替えるよう構成された駆動操作部と、
複数のモードの選択を切り替えるよう構成されたモード選択操作部と、
を備えた作業機であって、
前記モード選択操作部は、
タクタイルスイッチと、
前記タクタイルスイッチの近傍に設けられた発光部と、
前記タクタイルスイッチを押すための操作ボタン部と、
前記操作ボタン部の表面と前記タクタイルスイッチとの間に介在して前記操作ボタン部の操作を前記タクタイルスイッチに伝達する透光性のある弾性体と、を有し、
前記発光部の発する光により前記操作ボタン部の表面が光るよう構成された、
ことを特徴とする作業機。
【請求項8】
請求項7に記載の作業機であって、
前記基板に対する前記タクタイルスイッチの高さが、前記基板に対する前記発光部の高さの2倍以内である、
ことを特徴とする作業機。
【請求項9】
請求項7又は8に記載の作業機であって、
前記操作ボタン部の表面に記号が表示される、
ことを特徴とする作業機。
【請求項10】
請求項7又は8に記載の作業機であって、
前記基板を収容したケースと、
前記ケースに充填されて前記基板を覆う封止材と、を備え、
前記弾性体は、前記タクタイルスイッチと前記発光部の周辺に前記封止材が入り込むことを防止する、
ことを特徴とする作業機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の駆動モードを備えた作業機に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、複数の駆動モードを備えた作業機の例として、複数の駆動モードのうちいずれの駆動モードで作業を行うかを選択するための駆動モード選択スイッチを備えた電動工具が開示されている。
【0003】
特許文献2には、複数の駆動モードを備えた作業機の例として、複数の駆動モードのうちいずれの駆動モードで作業を行うか選択するための駆動モード選択スイッチを備え、駆動モード選択スイッチが発光するよう構成された電動工具が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】国際公開第2020/071275号
【特許文献2】特開2018-008322号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、下記の課題1、2の少なくとも1つの解決を目的とする。
・課題1…暗所においていずれの駆動モードが選択されているかを容易に視認できる作業機を提供すること。
・課題2…暗所においてモードを選択するためのボタンの視認性を高めることの可能な作業機を提供すること。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のある態様は、作業機である。この作業機は、
動力により作業を行うよう構成された作業部と、
前記作業部を複数の駆動モードのいずれかで制御するよう構成された制御部と、
前記作業部の駆動、停止を切り替えるよう構成された駆動操作部と、
前記複数の駆動モードの選択を切り替えるよう構成された駆動モード選択操作部と、
前記駆動モード選択操作部により選択された駆動モードを示すよう構成された駆動モード表示部と、
を備えた作業機であって、
前記駆動モード表示部は、互いに異なる記号が表された複数の記号表示部であって、各々の記号表示部が前記複数の駆動モードの少なくとも1つに対応する複数の記号表示部を有し、前記複数の記号表示部のうち前記駆動モード選択操作部により選択された駆動モードに対応する記号表示部が光るよう構成された、ことを特徴とする。
【0007】
本発明の別の態様は、作業機である。この作業機は、
動力により作業を行うよう構成された作業部と、
前記作業部を制御するよう構成された制御部と、
前記作業部の駆動、停止を切り替えるよう構成された駆動操作部と、
複数のモードの選択を切り替えるよう構成されたモード選択操作部と、
を備えた作業機であって、
前記モード選択操作部は、
タクタイルスイッチと、
前記タクタイルスイッチの近傍に設けられた発光部と、
前記タクタイルスイッチを押すための操作ボタン部と、
前記操作ボタン部の表面と前記タクタイルスイッチとの間に介在して前記操作ボタン部の操作を前記タクタイルスイッチに伝達する透光性のある弾性体と、を有し、
前記発光部の発する光により前記操作ボタン部の表面が光るよう構成された、ことを特徴とする。
【0008】
本発明は「電動作業機」や「電動工具」、「電気機器」等と表現されてもよく、そのように表現されたものも本発明の態様として有効である。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、上記の課題1、2の少なくとも1つを解決できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の実施形態に係る作業機1の側断面図。
図2】作業機1における操作パネル部85の分解斜視図。
図3図2に示すセパレータ87及びカバー89を下方から見た分解斜視図。
図4】操作パネル部85の斜視図。
図5】操作パネル部85の平面図。
図6】操作パネル部85の側面図。
図7図6のB-B断面図。
図8図5のA-A断面図。
図9】作業機1のパネルシート90の外観図。
図10】作業機1の回路ブロック図。
図11】作業機1の照明LED19の照明モード及び照度の切替に係る第1制御例のフローチャート。
図12】作業機1の照明LED19の照明モード及び照度の切替に係る第2制御例のフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0011】
(全体構成)
本実施形態は、作業機1に関する。作業機1は、電池パック17の電力で動作するコードレスタイプのインパクトドライバである。図1及び図2等により、作業機1における互いに直交する前後、上下、左右方向を定義する。
【0012】
作業機1は、ハウジング10、テールカバー14、第1操作部としてのトリガスイッチ15、正逆切替スイッチ16、ハンマケース18、ライトとしての照明LED19、モータ20、減速機構28、スピンドル29、ハンマスプリング31、ハンマ32、アンビル33、ファン34、制御基板35、センサ・インバータ基板36、ガイドスリーブ40、及び操作パネル部85を備える。
【0013】
ハウジング10は、例えば左右二分割の樹脂成形体をネジ止め等により互いに固定、一体化したものである。ハウジング10は、モータ収容部11、ハンドル部12、及び電池パック装着部13を含む。
【0014】
モータ収容部11は、中心軸が前後方向と略平行な筒状部である。ハンドル部12は、上端がモータ収容部11の前後方向の中間部に接続されて当該中間部から下方に延びる。電池パック装着部13は、ハンドル部12の下端に設けられ、電池パック17を着脱可能に装着する。テールカバー14は、例えば樹脂成形体である。テールカバー14は、モータ収容部11の後端部にネジ止め等により接続、固定され、モータ収容部11の後部開口を覆う。
【0015】
トリガスイッチ15は、ハンドル部12の上端前部に支持される。トリガスイッチ15は、ユーザがモータ40の駆動、停止を切り替えるためのモータ駆動操作部(メイン操作部)である。トリガスイッチ15の操作量を大きくするほどモータ40の回転数が高くなる。
【0016】
正逆切替スイッチ16は、トリガスイッチ15の近傍上側においてハウジング10に支持される。正逆切替スイッチ16は、ユーザがモータ20の正転、逆転を切り替えるための回転方向切替操作部である。正転は、後方から見て右回り(時計回り)となる方向の回転である。逆転は、後方から見て左回り(反時計回り)となる方向の回転である。
【0017】
ハンマケース18は、例えばアルミ等の金属製であり、モータ収容部11に保持され、モータ収容部11から前方に延びる。照明LED19は、ハンマケース18の前端部の周囲に例えば等角度間隔で複数設けられ、作業機1の作業領域を照らす。
【0018】
モータ20は、モータ収容部11に収容保持される。モータ20は、インナーロータ型のブラシレスモータであり、前後方向と平行なモータ軸21を有する。減速機構28、スピンドル29、ハンマスプリング31、ハンマ32、及びアンビル33は、ハンマケース18に収容保持される。
【0019】
減速機構28は、モータ20の回転を減速してスピンドル29に伝達する。スピンドル29はハンマ32を駆動する。ハンマスプリング31は、ハンマ32を前方に付勢する。ハンマ32は、スピンドル29とカム係合し、スピンドル29に駆動されてアンビル33を回転打撃する。ハンマスプリング31、ハンマ32、及びアンビル33は、回転打撃機構であり、作業機1の出力部を構成する。モータ20、減速機構28、スピンドル29、及び回転打撃機構は、動力により作業を行う作業部に対応する。
【0020】
アンビル33は、前方に開口するにビット挿入穴37を有する。ビット挿入穴37は、ビット等の先端工具を保持する。ガイドスリーブ40は、ビット70等の先端工具をビット挿入穴37から取り外す際にユーザが操作する部材である。ガイドスリーブ40を前方に引っ張ることでビット等の先端工具をビット挿入穴37から前方に取り外すことができる。
【0021】
ファン34は、モータ収容部11内に設けられる。ファン34は、モータ20のうちモータ軸21を除く部分(以下「モータ本体」)の後方においてモータ軸21に取り付けられ、モータ軸21と一体に回転し、モータ20等を冷却する冷却風を発生する。
【0022】
制御基板35は、電池パック装着部13内に設けられる。制御基板35は、モータ20の駆動を制御する制御部157(図10)等を搭載する。制御基板35は、基板ケース80に収容保持される。基板ケース80内には、制御基板35を保護する封止材81が充填される。
【0023】
センサ・インバータ基板36は、モータ収容部11内においてモータ本体の前方に設けられる。センサ・インバータ基板36は、モータ20の回転位置を検出するためのホールIC等の磁気センサ156(図10)や、モータ20に駆動電流を供給するためのスイッチング素子(図10のインバータ回路155)を搭載する。インバータ回路155は制御基板35に搭載されてもよい。
【0024】
操作パネル部85は、電池パック装着部13の前部上面に臨む。詳細は後述するが、ユーザは操作パネル部85により作業機1の駆動モード(運転モード)や照明モードを切り替えることができる。操作パネル部85は、駆動モード選択操作部としての機能、駆動モード表示部としての機能、及び照明モード選択操作部としての機能を有する。
【0025】
(操作パネル部)
作業機1は、操作パネル部85の構成に特徴を有する。図2図9は、操作パネル部85の詳細構成を示す。図2に示すように、操作パネル部85は、制御基板35、基板ケース80、セパレータ87、プリズム88、カバー89、及びパネルシート90を有する。
【0026】
制御基板35には、カバー89を係止するための係止孔101が前部の左右2箇所に設けられる。制御基板35は、タクタイルスイッチ102、103、ボタン用発光部としてのボタン点灯LED104、105、及びモード用発光部としてのモード点灯LED106を搭載する。
【0027】
タクタイルスイッチ102、103は、係止孔101の間において左右2箇所に位置する。タクタイルスイッチ102の前後にそれぞれボタン点灯LED104が位置する。タクタイルスイッチ103の前後にそれぞれボタン点灯LED105が位置する。タクタイルスイッチ102、103の間に4個のモード点灯LED106が前後に並ぶ。図8に示すように、制御基板35に対するタクタイルスイッチ102、103の高さは、制御基板35に対するボタン点灯LED104、105の高さの2倍以内、図示の例では同等である。
【0028】
セパレータ87は、パネルシート90とタイルスイッチ102、103との間に介在する透光性のある弾性体である。セパレータ87は、パネルシート90の駆動モード選択ボタン部142及び照明モード選択ボタン部143の操作(押圧操作)をタクタイルスイッチ102、103に伝達する。
【0029】
セパレータ87は、枠状部111及びボタン部112、113を有する。
【0030】
枠状部111は、タクタイルスイッチ102、103、ボタン点灯LED104、105、及びモード点灯LED106を全周に渡って囲む。枠状部111がカバー89と制御基板35に挟持されることで、枠状部111より内側に封止材81が滲入すること、すなわちタクタイルスイッチ102、103、ボタン点灯LED104、105、及びモード点灯LED106の周囲に封止材81が入り込むことが防止される。
【0031】
ボタン部112、113は、それぞれ枠状部111の前後を渡すように設けられてタクタイルスイッチ102、103の上方に位置する。ボタン部112、113の下面には、タクタイルスイッチ102、103を押すための突起部114、115が設けられる。ボタン部112、113が上方から押されると、セパレータ87は、ボタン部112、113が枠状部111に対して下方に移動するように弾性変形し、突起部114、115がタクタイルスイッチ102、103を押す。
【0032】
プリズム88は、4個の導光部121を有する。4個の導光部121は、前後方向と垂直な平板状であり、前後方向に並ぶ。各々の導光部121は、各々のモード点灯LED106の上方に位置し、各々のモード点灯LED106が発する光をパネルシート90の駆動モード表示部91~94(図9)の各々に導く。4個の導光部121は、ボタン点灯LED104に対向する位置、すなわち下部において、互いに一体的に接続される。
【0033】
カバー89は、例えば樹脂成形体であり、セパレータ87を覆うように制御基板35に対して取り付けられる。カバー89は、上面部131、ボタンガイド孔132、133、スナップフィット134、4個の導光部ガイド孔135、3個の隔壁部136、2個の隔壁部137を有する。
【0034】
上面部131は、セパレータ87の枠状部111の上面に接して枠状部111を覆う。ボタンガイド孔132、133は、それぞれボタン部112、113をガイドすると共にボタン部112、113をカバー89から上方に露出させる。スナップフィット134は、カバー89の左部と右部にそれぞれ設けられ、制御基板35の係止孔101に引っ掛かることでカバー89を制御基板35に対して係止する。4個の導光部ガイド孔135は、それぞれプリズム88の導光部121をカバー89から上方に露出させる。3個の隔壁部136は、隣り合う導光部121の間を隔てる。2個の隔壁部137は、プリズム88の左右にそれぞれ設けられ、プリズム88とセパレータ87のボタン部112、113との間をそれぞれ隔てる。
【0035】
パネルシート90は、カバー89の上面部131、及びセパレータ87のボタン部112、113の上面に跨がって接着される。図9に示すように、パネルシート90は、駆動モード表示部91~94、第2操作部及び操作ボタン部としての駆動モード選択ボタン部142、及び第3操作部としての照明モード選択ボタン部143を有する。パネルシート90において、図9中の黒塗りの部分は遮光部であり、白い部分が透光部である。
【0036】
駆動モード表示部91~94は、互いに異なる記号が表された4個の記号表示部として構成され、それぞれ複数の駆動モードの少なくとも1つに対応する。図示の例では駆動モード表示部91~94は、表示される記号として図形のみを有するが、表示される記号として図形に替えて又は加えて文字を有してもよい。駆動モード表示部91~94は、それぞれプリズム88の4個の導光部121の上方に位置する。前述の4個のモード点灯LED106は、駆動モード表示部91~94の各々に対応して設けられる。
【0037】
駆動モード選択ボタン142及び照明モード選択ボタン143は、裏面がセパレータ87のボタン部112、113の上面に接触する。駆動モード選択ボタン142及び照明モード選択ボタン143の表面にはそれぞれ記号が表示される。図示の例では駆動モード選択ボタン142及び照明モード選択ボタン143は、表示される記号として図形のみを有するが、表示される記号として図形に替えて又は加えて文字を有してもよい。
【0038】
駆動モード選択ボタン142は、モータ20の駆動モード(作業部の駆動モード)の選択を切り替えるためにユーザが操作する(押す)部分である。照明モード選択ボタン143は、照明LED19の点灯に関する照明モード(点灯モード)を切り替えるためにユーザが操作する(押す)部分である。ユーザが駆動モード選択ボタン142を押すと、セパレータ87のボタン部112を介してタクタイルスイッチ102が押され、駆動モードの選択が切り替わる。ユーザが照明モード選択ボタン143を押すと、セパレータ87のボタン部113を介してタクタイルスイッチ103が押され、照明モードの選択が切り替わる。
【0039】
図10は、作業機1の回路ブロック図である。
【0040】
作業機1は、電圧検出回路151、ロータ位置検出回路152、温度検出回路153、電流検出回路154、インバータ回路155、磁気センサ156、及び制御部157を有する。
【0041】
電圧検出回路151は、電池パック17の出力電圧(以下「電池電圧」)を検出し、制御部157に送信する。ロータ位置検出回路152は、磁気センサ156の出力信号によりモータ20のロータ回転位置を検出し、制御部157に送信する。温度検出回路153は、インバータ回路155の近傍に設けられたサーミスタ等の温度検出素子を含み、インバータ回路155の温度(以下「インバータ温度」)を検出し、制御部157に送信する。電流検出回路154は、モータ20に流れる電流(以下「モータ電流」)の経路に設けられた抵抗を含み、当該抵抗の電圧によりモータ電流を検出し、制御部157に送信する。インバータ回路155は、三相ブリッジ接続された6個のFET等のスイッチング素子を含む。インバータ回路155は、制御部157の制御に従い、電池パック20の出力する直流を交流に変換してモータ20に供給する。磁気センサ156は、例えばホールICであり、モータ20のロータ回転位置に応じた信号を出力する。
【0042】
制御部157は、マイクロコンピュータ等を含み、作業機1の全体の動作を制御する。制御部157は、電池電圧、ロータ回転位置、インバータ温度、及びモータ電流を監視しながら、トリガスイッチ15の操作に応じてインバータ回路155を駆動し、モータ20の駆動を制御する。制御部157は、正逆切替スイッチ16によって選択された方向にモータ20を駆動する。
【0043】
制御部157は、パネルLED(ボタン点灯LED104、ボタン点灯LED105、及びモード点灯LED106)及び照明LED19の点灯を制御する。制御部157は、ボタン点灯LED104を点灯することで、駆動モード選択ボタン142を光らせる。制御部157は、ボタン点灯LED105を点灯することで、照明モード選択ボタン143を光らせる。
【0044】
制御部157は、駆動モード選択ボタン142の操作(タクタイルスイッチ102のオンオフ)によって選択された駆動モードに応じてモード点灯LED106を択一的に点灯することで、駆動モード表示部91~94のうち選択された駆動モードに対応する1つを択一的に光らせる。制御部157は、選択された駆動モードでモータ20の駆動を制御する。
【0045】
制御部157は、照明モード選択ボタン143の操作(タクタイルスイッチ103のオンオフ)によって選択された照明モード、及び設定された照度で照明LED19の点灯を制御する。照度の設定については後述する。
【0046】
制御部157は、最後に選択された駆動モード、照明モード、及び設定照度を記憶する不揮発性メモリを内蔵する。不揮発性メモリは制御部157と別体であってもよい。制御部157は、起動すると、最後に選択された駆動モード、照明モード、及び設定照度を読み込んで自動選択する。
【0047】
作業機1の駆動モードは以下のとおりである。駆動モードごとの違いは主に、モータ20の無負荷回転数(トリガスイッチ15の引き量が最大のときの回転数、以下「無負荷回転数」)、トリガスイッチ15の引き代(トリガスイッチ15の引き量に応じたモータ回転数の上がり方)、有負荷時や打撃開始後のモータ回転数及びパワーとなる。なお、無負荷とは先端工具保持部(アンビル33)に取り付けられた先端工具又はモータ20に外部から負荷がかかっていない状態を示す。作業者がトリガスイッチ15を操作すると、選択された駆動モードでモータ20を起動及び駆動する。
【0048】
・駆動モード0(ソフトモード)…無負荷回転数が低く、打撃開始後のモータ回転数及びパワーも低く設定されるモードであり、デリケートな作業向けのモードである。駆動モード0では、図9に示すパネルシート90の駆動モード表示部91が赤色に点灯する。
【0049】
・駆動モード1(パワーモード)…無負荷回転数が高く、打撃開始後のモータ回転数及びパワーも高く設定されるモードであり、一般作業から高負荷作業まで幅広く使えるモードである。無負荷時はトリガスイッチ15の引き方で回転数が細かく変化する。駆動モード1では、図9に示すパネルシート90の駆動モード表示部92が赤色に点灯する。
【0050】
・駆動モード2(Appモード)(Optional)…図示しないスマートフォンやタブレット端末等の携帯端末にインストールされた管理アプリケーション(以下「管理アプリ」)で追加できるモードの一つであり、無負荷時のトリガスイッチ15の操作フィーリングを、パワーモードをベースに任意に設定できる。変更できるパラメータは、トリガスイッチ15の遊び量(モータ20が回転を始めるまでの引き量)、最低回転数(モータ20の回転が始まったときの回転数)、最高回転数(モータ20の最大回転数)、ソフトスタート(トリガスイッチ15を引いたときのモータ回転数の上がり方)、低速域の幅(トリガスイッチ15の引き量に対応するモータ回転数)である。駆動モード2では、図9に示すパネルシート90の駆動モード表示部92が青色に点灯する。
【0051】
・駆動モード3(細ビスモード)(Optional)…管理アプリで追加できるモードの一つであり、細ビスなど、カムアウトしやすいビスを締める作業向けのモードである。打撃が始まるまでは、正転・逆転を交互に繰り返す電子パルス動作を実行する。駆動モード3では、トリガスイッチ15の引き量によらず、特定の動作を行う。駆動モード3では、図9に示すパネルシート90の駆動モード表示部92が青色に点滅する。
【0052】
・駆動モード4(ボルト連発モード)…ボルトを締める作業向けのモードである。パワーモードと同様の制御だが、無負荷回転数がパワーモードよりは低く設定され、またトリガスイッチ15の引き代が短い(引き量が少なくても最高回転数に達する)。駆動モード4では、図9に示すパネルシート90の駆動モード表示部93が赤色に点灯する。
【0053】
・駆動モード5(ボルト単発モード)…ボルトの追い締めやボルト締めのデリケートな作業向けのモードである。無負荷時はボルト連発モードと同じだが、打撃を行った際、すぐに停止する。また、駆動モード5で逆転作業を行うと、ボルトが外れたと検知したときに回転速度を低くする逆転オートスロー機能が有効になる。駆動モード5では、図9に示すパネルシート90の駆動モード表示部93が赤色に点滅する。
【0054】
・駆動モード6(テクスモード)…テクスねじ締め用のモードであり、無負荷回転数は最も高く設定されているが、打撃を開始すると回転数・パワーを低くして、ねじの破断を防止する。駆動モード6では、図9に示すパネルシート90の駆動モード表示部94が緑色に点灯する。
【0055】
駆動モード0~6のうち、駆動モード2、3は、初期状態(工場出荷時の状態)では有効化されていない駆動モードであり、管理アプリによりユーザが任意に有効化できる駆動モード(以下「アプリモード」とも表記)である。アプリモードのうち、駆動モード2のパラメータはユーザが管理アプリにより任意に設定でき、駆動モード3のパラメータは変更できない。駆動モード0、1、4~6は、初期状態(工場出荷時の状態)から有効化されている駆動モード(以下「固有モード」とも表記)であり、パラメータの変更ができない駆動モードである。
【0056】
ユーザは、駆動モード選択ボタン142を操作する(押す)ことで、作業機1の駆動モードを順番に切り替えることができる。一例として、作業機1が初期状態(工場出荷時の状態)の場合、駆動モード選択ボタン142を操作する毎に、作業機1の駆動モードと駆動モード表示部91~94の表示が以下のように切り替わる。
駆動モード0(ソフトモード、駆動モード表示部91が赤色に点灯)
→駆動モード1(パワーモード、駆動モード表示部92が赤色に点灯)
→駆動モード4(ボルト連発モード、駆動モード表示部93が赤色に点灯)
→駆動モード5(ボルト単発モード、駆動モード表示部93が赤色に点滅)
→駆動モード6(テクスモード、駆動モード表示部94が緑色に点灯)
→駆動モード0(同上)
→(以下、同様のモード遷移の繰り返し)
【0057】
作業機1の照明モードは以下のとおりである。
・消灯モード…トリガスイッチ15の操作にかかわらず照明LED19を点灯しないモード。
・常灯モード…トリガスイッチ15の操作にかかわらず照明LED19を所定時間(例えば2分間)点灯するモード。
・連動モード…トリガスイッチ15のオン操作に連動して照明LED19を点灯し、トリガスイッチ15がオフになると所定時間(例えば10秒)後に照明LED19を消灯するモード。
【0058】
ユーザは、照明モード選択ボタン143を操作する(押す)ことで、作業機1の照明モードを順番に切り替えることができる。
【0059】
制御部157は、照明LED19の点灯と同様にボタン点灯LED104、105、及びモード点灯LED106の点灯を制御することができる。あるいは制御部157は、消灯モードにおいても、ボタン点灯LED104、105、及びモード点灯LED106については連動モードに準じて制御してもよい。
【0060】
(照明LEDの照度切替)
作業機1は、照明LED19の照度切替に特徴を有する。
【0061】
図11は、作業機1の照明LED19の照明モード及び照度の切替に係る第1制御例のフローチャートである。
【0062】
制御部157は、トリガスイッチ15の操作等により起動すると、初期設定を行う(S1)。初期設定では、最後に選択された駆動モード、照明モード、及び設定照度を読み込んで自動選択する。制御部157は、照明LED19を選択された照明モード(点灯モード)と設定照度で制御する(S3)。
【0063】
制御部157は、照明モード選択ボタン143の短押し操作、すなわちタクタイルスイッチ103の50ミリ秒以上1.5秒未満のオンを検出すると(S5のYes、S7のNo、S9のYes)、照明モードを切り替え(S11)、S3に戻る。
【0064】
制御部157は、照明モード選択ボタン143の長押し操作、すなわちタクタイルスイッチ103の1.5秒以上のオンを検出した場合(S5のYes、S7のYes)において、現在の照明モードが消灯モードでない場合(S13のNo)、照明LED19を現在の設定照度で3回点滅させ(S15)、照度切替モードへ移行し(S17)、現在の設定照度で照明LED19を点灯する(S19)。S15の動作は、照度切替モードになったことをユーザに報知する報知動作の例示である。
【0065】
制御部157は、照度切替モードにおいて照明モード選択ボタン143が押され続けている場合、すなわち照明モード選択ボタン143に対応するタクタイルスイッチ103がオンを継続している場合(S21のNo)に、駆動モード選択ボタン142の操作、すなわちタクタイルスイッチ102の50ミリ秒以上のオンを検出すると(S23)、設定照度を1段階切り替え(S25、S27、又はS29)、S19に戻る。具体的には、現在の設定照度が1であれば設定照度を2に切り替え(S25)、現在の設定照度が2であれば設定照度を3に切り替え(S27)、現在の設定照度が3であれば設定照度を1に切り替える(S29)。
【0066】
S5、S23においてタクタイルスイッチ103、102の50ミリ秒以上のオンを条件とするのは、ノイズによる誤動作を抑制するためである。
【0067】
制御部157は、照度切替モードにおいて照明モード選択ボタン143の操作解除、すなわちタクタイルスイッチ103のオフを検出すると(S21のYes)、照度切替モードを終了し(S31)、S3に戻る。
【0068】
制御部157は、S13において現在の照明モードが消灯モードの場合(S13のYes)、照度切替モードには移行せずにS3に戻る。
【0069】
図12は、作業機1の照明LED19の照明モード及び照度の切替に係る第2制御例のフローチャートである。以下、図11との相違部分を中心に説明する。
【0070】
制御部157は、S13において現在の照明モードが消灯モードでない場合(S13のNo)、照明LED19を現在の設定照度で点滅させる(S15a)。制御部157は、照明モード選択ボタン143の操作解除、すなわちタクタイルスイッチ103のオフを検出すると(S16のYes)、照度切替モードへ移行し(S17)、照度切替タイマを開始し(S18)、現在の設定照度で照明LED19を点灯する(S19)。
【0071】
制御部157は、照度切替モードにおいて照度切替タイマにより所定時間(例えば10秒)の経過を確認する前に(S21aのNo)、駆動モード選択ボタン142の操作、すなわちタクタイルスイッチ102の50ミリ秒以上のオンを検出すると(S23)、設定照度を1段階切り替え(S25、S27、又はS29)、S19に戻る。
【0072】
制御部157は、照度切替モードにおいて照度切替タイマにより所定時間(例えば10秒)の経過を確認すると(S21aのYes)、照度切替タイマを終了し(S30)、照度切替モードを終了し(S31)、照度切替タイマをリセットし(S32)、S3に戻る。
【0073】
図11及び図12において、駆動モード選択ボタン142及び照明モード選択ボタン143の役割を交換してもよい。すなわち、制御部157は、駆動モード選択ボタン142の長押しを条件に照度切替モードへ移行し、照度切替モードにおいて照明モード選択ボタン143が短押しされると設定照度を切り替えてもよい。
【0074】
本実施の形態は、下記の作用効果を奏する。
【0075】
(1) 操作パネル部85では、それぞれ記号表示部として構成された駆動モード表示部91~94のうち駆動モード選択ボタン142の操作により選択された駆動モードに対応するものが光る。このため、暗所での使用に際しても駆動モードの確認が容易となり、使い勝手が良い。
【0076】
(2) プリズム88の導光部121が、モード点灯LED106の発する光を駆動モード表示部91~94に導く。このため、駆動モード表示部91~94を明るく光らせることができ、視認性が高められる。
【0077】
(3) カバー89の隔壁部136が隣り合う導光部121の間を隔てる。このため、隣り合う導光部121間で光が漏れることが抑制され、駆動モード表示部91~94のうち選択された駆動モードに対応しないものが不要に光ることが抑制される。また、隔壁部136をカバー89が有することで、隔壁部136が別体である場合と比較して組立性が良い。
【0078】
(4) プリズム88において、4個の導光部121が、ボタン点灯LED104に対向する位置、すなわち下部において、互いに一体的に接続される。このため、4個の導光部121が別体の部品である場合と比較して組立性が良い。
【0079】
(5) 操作パネル部85では、透光性のある弾性体であるセパレータ87のボタン部112、113を介して、パネルシート90の駆動モード選択ボタン142及び照明モード選択ボタン143の操作を制御基板35上のタクタイルスイッチ102、103に伝達する。このため、駆動モード選択ボタン142及び照明モード選択ボタン143と、タクタイルスイッチ102、103との間に距離がある場合でも、駆動モード選択ボタン142及び照明モード選択ボタン143の操作によりタクタイルスイッチ102、103を押すことができる。そしてボタン点灯LED104、105の発する光は、セパレータ87のボタン部112、113を透過して、駆動モード選択ボタン142及び照明モード選択ボタン143の表面を光らせる。よって、暗所での使用に際しても駆動モード選択ボタン142及び照明モード選択ボタン143の操作が容易となり、使い勝手が良い。
【0080】
(6) タクタイルスイッチ102、103、ボタン点灯LED104、105、及びモード点灯LED106の周囲に封止材81が入り込むことを防止するセパレータ87がボタン部112、113を有するため、セパレータ87とは別体のボタン部112、113を設ける場合と比較して組立性が良い。
【0081】
(7) 制御基板35に対するタクタイルスイッチ102、103の高さが、制御基板35に対するボタン点灯LED104、105の高さの2倍以内である。よって、ボタン点灯LED104、105の発する光を駆動モード選択ボタン142及び照明モード選択ボタン143に好適に到達させることができる。すなわち、タクタイルスイッチ102、103の陰になって駆動モード選択ボタン142及び照明モード選択ボタン143が暗くなることが抑制され、視認性が高められる。
【0082】
(8) 駆動モード選択ボタン142及び照明モード選択ボタン143の表面には互いに異なる記号が表示されるため、暗所でも各ボタンの機能を容易に認識でき、使い勝手が良い。
【0083】
(9) カバー89の隔壁部137が、プリズム88とセパレータ87のボタン部112、113との間をそれぞれ隔てる。このため、ボタン点灯LED104、105の発した光がボタン部112、113を透過してプリズム88側に漏れることが抑制され、駆動モード表示部91~94のうち選択された駆動モードに対応しないものが不要に光ることが抑制される。また、隔壁部137をカバー89が有することで、隔壁部137が別体である場合と比較して組立性が良い。
【0084】
(10) 制御部157は、駆動モード選択ボタン142と照明モード選択ボタン143が操作された場合に、照明LED19の設定照度を切り替える。このため、設定照度の切替にトリガスイッチ15の操作を要する場合と比較して、設定照度を切り替える際の誤操作、例えば、モータ20を駆動しようとしてトリガスイッチ15を引いたにもかかわらず設定照度が切り替わる誤操作、あるいは設定照度を切り替えようとしてトリガスイッチ15を引いたにもかかわらずモータ20が回転する誤操作のリスクを抑制できる。また、駆動モード選択ボタン142と照明モード選択ボタン143の一方のみの操作で照明LED19の設定照度を切り替える構成と比較して、誤操作による意図しない設定照度の切替が抑制される。また、設定照度の切替に照明モード選択ボタン143以外のボタンの操作も必要とするものの、当該ボタンを駆動モード選択ボタン142とすることで、追加のボタンが不要となり、部品点数の増大が抑制される。
【0085】
(11) 制御部157は、図11に示す第1制御例では、駆動モード選択ボタン142の操作が維持された状態(駆動モード選択ボタン142の長押し状態)で照明モード選択ボタン143が操作されると、照明LED19の照度を切り替える。このため、設定照度の切替には駆動モード選択ボタン142と照明モード選択ボタン143の同時操作が必要となり、誤操作による意図しない設定照度の切替が抑制される。
【0086】
(12) 制御部157は、図12に示す第2制御例では、駆動モード選択ボタン142の長押しの後に照明モード選択ボタン143が操作されると、照明LED19の照度を切り替える。このため、駆動モード選択ボタン142と照明モード選択ボタン143の同時操作と比較して設定照度の切替操作が容易となる。
【0087】
(13) 制御部157は、照度切替モードになるとき、作業者に対する報知動作(例えば照明LED19の点滅)を行う。このため、意図しない設定照度の切替が抑制される。報知動作は、照明LED19の点滅に替えて又は加えて、例えばボタン点灯LED104、105及びモード点灯LED106の少なくとも1つの点滅としてもよい。
【0088】
(14) 設定照度の切替の操作(駆動モード選択ボタン142と照明モード選択ボタン143の複合操作)は、照明モード(消灯モード、常灯モード、連動モード)の切替の操作(照明モード選択ボタン143の単独操作)とは別である。このため、設定照度の段階数が増えても照明モードの変更に要する操作の回数が増えず、使い勝手が良い。例えば、照明モード選択ボタン143を押す度に、連動モード(照度1)、連動モード(照度2)、連動モード(照度3)、常灯モード、消灯モード、連動モード(照度1)、・・・という順で切り替わる構成では、所望の照明モードにするために最大4回の操作が必要となり、煩わしい。本実施形態ではそうした煩わしさを低減できる。
【0089】
以上、実施の形態を例に本発明を説明したが、本発明は実施の形態に限定されない。実施の形態で具体的に説明した各事項には請求項に記載の範囲で種々の変形が可能である。
【0090】
実施の形態で具体的な数値として例示した照明LED19、ボタン点灯LED105、点灯LED106、駆動モード表示部、導光部121の各個数や、設定照度の段階数、駆動モードの数等は、発明の範囲を何ら限定するものではなく、要求される仕様に合わせて任意に変更できる。
【0091】
本発明は、インパクトドライバに限定されず、任意の作業機に適用できる。本発明は、コードレスタイプの作業機に限定されず、外部交流電源から電源コード経由で供給される電力で動作するコード付きタイプの作業機であってもよい。
【符号の説明】
【0092】
1…作業機、10…ハウジング、11…モータ収容部、12…ハンドル部、13…電池パック装着部、14…テールカバー、15…トリガスイッチ、16…正逆切替スイッチ、17…電池パック、18…ハンマケース、19…照明LED、20…モータ、21…モータ軸、28…減速機構、29…スピンドル、31…ハンマスプリング、32…ハンマ、33…アンビル(ツールホルダ)、34…ファン、35…制御基板、36…センサ・インバータ基板、37…ビット挿入穴、40…ガイドスリーブ、80…基板ケース、81…封止材、85…操作パネル部、87…セパレータ、88…プリズム、89…カバー、90…パネルシート、91~94…駆動モード表示部、101…係止孔、102、103…タクタイルスイッチ、104、105…ボタン点灯LED、106…モード点灯LED、111…枠状部、112、113…ボタン部、114、115…突起部、121…導光部、131…上面部、132、133…ボタンガイド孔、134…スナップフィット、135…導光部ガイド孔、136、137…隔壁部、142…駆動モード選択ボタン部、143…照明モード選択ボタン部、151…電圧検出回路、152…ロータ位置検出回路、153…温度検出回路、154…電流検出回路、155…インバータ回路、156…磁気センサ、157…制御部。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12