(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025101410
(43)【公開日】2025-07-07
(54)【発明の名称】画像形成装置、廃材タンクの満杯通知方法、及び廃材タンク満杯通知プログラム
(51)【国際特許分類】
B41J 2/17 20060101AFI20250630BHJP
B41J 2/01 20060101ALI20250630BHJP
B41J 29/38 20060101ALI20250630BHJP
B41J 29/42 20060101ALI20250630BHJP
G03G 21/12 20060101ALI20250630BHJP
G03G 21/00 20060101ALI20250630BHJP
【FI】
B41J2/17 203
B41J2/01 451
B41J29/38 204
B41J29/42 F
G03G21/12
G03G21/00 512
G03G21/00 386
【審査請求】未請求
【請求項の数】21
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023218242
(22)【出願日】2023-12-25
(71)【出願人】
【識別番号】000001270
【氏名又は名称】コニカミノルタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001807
【氏名又は名称】弁理士法人磯野国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 大生
【テーマコード(参考)】
2C056
2C061
2H134
2H270
【Fターム(参考)】
2C056EA20
2C056EB06
2C056EB50
2C056EB59
2C056EC26
2C056FA14
2C056HA44
2C056JC13
2C061AQ05
2C061CQ04
2C061CQ24
2C061CQ34
2C061CQ40
2C061HJ07
2C061HK11
2C061HV14
2C061HV32
2H134JB01
2H134KA25
2H134KB12
2H134KB15
2H134KH16
2H270KA59
2H270KA61
2H270LA71
2H270LA88
2H270LA97
2H270LD04
2H270MB32
2H270NC12
2H270NC22
2H270ND18
2H270ND33
2H270ND36
2H270QA30
2H270QA36
2H270QB02
2H270RA09
2H270RC05
2H270ZC03
2H270ZC04
(57)【要約】
【課題】廃材タンクの交換予測時期の精度を向上させて、想定していないダウンタイムを回避すること。
【解決手段】インクジェットプリンタ100は、画像形成に使われなかったインクを格納する廃インクタンク170の廃インク量を検出する廃インク量検出部171と、廃インク量検出部171が検出した廃インク量の履歴に基づいて、廃インクタンク170が満杯となる時期を予測する予測部106と、予測部106が予測した満杯となる時期に基づいて、廃インクタンク170が満杯となる時期に関する通知を、ユーザに対して行う通知部107と、を備える。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成に使われなかった廃材を格納する廃材タンクの廃材量を検出する廃材量検出手段と、
前記廃材量検出手段が検出した廃材量の履歴に基づいて、前記廃材タンクが満杯となる時期を予測する予測部と、
前記予測部が予測した満杯となる時期に基づいて、前記廃材タンクが満杯となる時期に関する通知を、ユーザに対して行う通知部と、
を備えた画像形成装置。
【請求項2】
前記廃材量検出手段は、液面センサである、
請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記廃材量検出手段は、重量センサである、
請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記廃材量の履歴とは、単位期間あたりの廃材量の増加のことである、
請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記予測部は、
前記廃材タンクが満杯となる時期を予測する際、過去の廃材量のデータを参考にする期間を、調整可能に受け付ける、
請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記予測部は、
前記廃材量のデータを参考にする範囲を、調整可能に受け付ける、
請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記予測部は、
非稼働日を考慮して、前記廃材タンクが満杯となる時期を予測し、
前記通知部は、
稼働する営業日数により何日後に前記廃材タンクが満杯となるかを表示する、
請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記通知部は、
前記廃材タンクの交換予想日が近づくにつれて、警告表示を変化させる、
請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記警告表示は、
ポップアップ式及びダイアログ式を含み、選択可能である、
請求項8に記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記通知部は、
アラームを含み、聴覚的に認識可能に通知する、
請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項11】
前記通知部は、
前記廃材タンクが満杯となる所定の日前に前記ユーザに対して通知するための時期の設定を受け付ける、
請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項12】
前記通知部は、
警告灯との連携により、視覚的に認識可能に通知する、
請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項13】
前記予測部は、
交換した前記廃材タンク毎に、重量又は/及び容量の設定の調整を受け付ける、
請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項14】
前記廃材量検出手段は、
前記廃材タンクの容量または重量を取得する周期の設定を受け付ける、
請求項2または3に記載の画像形成装置。
【請求項15】
前記廃材量のデータ又は/及び前記廃材タンクの重量のデータを、外部に出力する出力部を、
さらに備える請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項16】
前記通知部は、
操作表示部の画面に認識可能に表示することを含み、さらにメールでも通知する、
請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項17】
前記通知部は、
前記廃材タンクの予備が無い場合、カスタマーサポートに交換用廃材タンクを手配する旨の情報を通知する、
請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項18】
前記廃材は、画像形成に使われなかった廃インクである、
請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項19】
前記廃材は、画像形成に使われなかった廃トナーである、
請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項20】
画像形成に使われなかった廃材を格納する廃材タンクの廃材量を検出するステップと、
前記検出した廃材量の履歴に基づいて、前記廃材タンクが満杯となる時期を予測するステップと、
前記予測した満杯となる時期に基づいて、前記廃材タンクが満杯となる時期に関する通知を、ユーザに対して行うステップと、
を実行する廃材タンクの満杯通知方法。
【請求項21】
画像形成に使われなかった廃材を格納する廃材タンクの廃材量を検出する廃材量検出手段を備えるコンピュータに、
前記廃材量検出手段が検出した廃材量の履歴に基づいて、前記廃材タンクが満杯となる時期を予測する手順、
前記予測した満杯となる時期に基づいて、前記廃材タンクが満杯となる時期に関する通知を、ユーザに対して行う手順、
を実行させる廃材タンク満杯通知プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置、廃材タンクの満杯通知方法、及び廃材タンク満杯通知プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、画像形成装置に関する装置として、例えば、インクジェットプリンタやレーザープリンタなどの印刷装置が知られている。例えば、インクジェットプリンタは、画像形成ヘッドに設けられた複数のノズルから、記録媒体に対して液体のインクを吐出することで、記録媒体に画像を形成する。一方、レーザープリンタは、樹脂の粉(トナーパウダー)を熱で溶かすことで、記録媒体に画像を形成する。
【0003】
ここで、例えば、インクジェットプリンタでは、液体のインクを使用するためノズルに異物が混入し、目詰まりを生じることがある。そのため、インクジェットプリンタでは、ノズルからインクを吐出するフラッシングやノズルからインクを吸引するクリーニングが行われる。
【0004】
フラッシングまたはクリーニングによりノズルから吐出または吸引されたインクは、廃インクとして廃桶で受けられる。そして、廃桶で受けられた廃インクは、廃インクタンクに排出される。廃インクタンクが排出された廃インクで満杯になった場合(充足すると)、インクジェットプリンタは、フラッシングやクリーニングを行うことができなくなり、印刷することができなくなる。この場合、インクジェットプリンタは、廃インクタンクを交換するまで、印刷することができなくなる。
【0005】
ここで、廃インクタンクの交換時期を予測する発明として、特許文献1に、印刷装置が開示されている。特許文献1の要約には、「印刷装置は、廃インクが発生するメンテナンス動作を行う毎に廃インクの発生量を積算し、積算量Qが上限量の80%を越えると廃インクタンク交換時期を予測する。印刷装置ではメンテナンス動作としてフラッシング、クリーニング、気泡除去動作の3種類を行うため、メンテナンス動作の種類毎に廃インク量の積算量の増加パターンを求め、これら3種類のメンテナンス動作のそれぞれに起因する廃インク量が、メンテナンス動作毎に個別に求めた最も高い増加率で増加することを想定した場合の廃インクタンク交換時期T1を予測する。従って、廃インクタンク内の廃インク量が最も早く上限値に達する時期を精度良く予測できる。よって、廃インクタンクの交換が間に合わずに印刷装置が印刷不能になるおそれが少ない。」旨が、開示されている(特許文献1の要約書参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1の発明では、メンテナンス動作として、フラッシング、クリーニング、及び気泡除去動作の3種類それぞれについて廃インク量の積算量の増加パターンを求めている。これにより、特許文献1の発明は、メンテナンス動作毎に個別に求めた最も高い増加率により廃インク量が増加することを想定することで、廃インクタンクの交換時期を予測している。
【0008】
しかしながら、特許文献1の発明では、3種類のメンテナンス動作以外の処理に起因して廃インク量に変化が生じた場合、廃インク量を適切に予測することができない、という問題がある。この場合、特許文献1の発明は、廃インク量を正確に予測することができず、廃インクタンクの交換予測時期の精度が低下して、想定していないダウンタイムが発生することがある。
【0009】
このような課題に関し、本発明では、廃材タンクの交換予測時期の精度を向上させて、想定していないダウンタイムを回避できる、画像形成装置、廃材タンクの満杯通知方法、及び廃材タンク満杯通知プログラムを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
すなわち、本発明の上記課題は、下記の構成により解決される。
(1) 画像形成に使われなかった廃材を格納する廃材タンクの廃材量を検出する廃材量検出手段と、
前記廃材量検出手段が検出した廃材量の履歴に基づいて、前記廃材タンクが満杯となる時期を予測する予測部と、
前記予測部が予測した満杯となる時期に基づいて、前記廃材タンクが満杯となる時期に関する通知を、ユーザに対して行う通知部と、
を備えた画像形成装置。
(2) 前記廃材量検出手段は、液面センサである、
(1)に記載の画像形成装置。
(3) 前記廃材量検出手段は、重量センサである、
(1)に記載の画像形成装置。
(4) 前記廃材量の履歴とは、単位期間あたりの廃材量の増加のことである、
(1)に記載の画像形成装置。
(5) 前記予測部は、
前記廃材タンクが満杯となる時期を予測する際、過去の廃材量のデータを参考にする期間を、調整可能に受け付ける、
(1)に記載の画像形成装置。
(6) 前記予測部は、
前記廃材量のデータを参考にする範囲を、調整可能に受け付ける、
請求項1に記載の画像形成装置。
(7) 前記予測部は、
非稼働日を考慮して、前記廃材タンクが満杯となる時期を予測し、
前記通知部は、
稼働する営業日数により何日後に前記廃材タンクが満杯となるかを表示する、
(1)に記載の画像形成装置。
(8) 前記通知部は、
前記廃材タンクの交換予想日が近づくにつれて、警告表示を変化させる、
(1)に記載の画像形成装置。
(9) 前記警告表示は、
ポップアップ式及びダイアログ式を含み、選択可能である、
(8)に記載の画像形成装置。
(10) 前記通知部は、
アラームを含み、聴覚的に認識可能に通知する、
(1)に記載の画像形成装置。
(11) 前記通知部は、
前記廃材タンクが満杯となる所定の日前に前記ユーザに対して通知するための時期の設定を受け付ける、
(1)に記載の画像形成装置。
(12) 前記通知部は、
警告灯との連携により、視覚的に認識可能に通知する、
(1)に記載の画像形成装置。
(13) 前記予測部は、
交換した前記廃材タンク毎に、重量又は/及び容量の設定の調整を受け付ける、
(1)に記載の画像形成装置。
(14) 前記廃材量検出手段は、
前記廃材タンクの容量または重量を取得する周期の設定を受け付ける、
(2)または(3)に記載の画像形成装置。
(15) 前記廃材量のデータ又は/及び前記廃材タンクの重量のデータを、外部に出力する出力部を、
さらに備える(1)に記載の画像形成装置。
(16) 前記通知部は、
操作表示部の画面に認識可能に表示することを含み、さらにメールでも通知する、
(1)に記載の画像形成装置。
(17) 前記通知部は、
前記廃材タンクの予備が無い場合、カスタマーサポートに交換用廃材タンクを手配する旨の情報を通知する、
(1)に記載の画像形成装置。
(18) 前記廃材は、画像形成に使われなかった廃インクである、
(1)に記載の画像形成装置。
(19) 前記廃材は、画像形成に使われなかった廃トナーである、
(1)に記載の画像形成装置。
(20) 画像形成に使われなかった廃材を格納する廃材タンクの廃材量を検出するステップと、
前記検出した廃材量の履歴に基づいて、前記廃材タンクが満杯となる時期を予測するステップと、
前記予測した満杯となる時期に基づいて、前記廃材タンクが満杯となる時期に関する通知を、ユーザに対して行うステップと、
を実行する廃材タンクの満杯通知方法。
(21) 画像形成に使われなかった廃材を格納する廃材タンクの廃材量を検出する廃材量検出手段を備えるコンピュータに、
前記廃材量検出手段が検出した廃材量の履歴に基づいて、前記廃材タンクが満杯となる時期を予測する手順、
前記予測した満杯となる時期に基づいて、前記廃材タンクが満杯となる時期に関する通知を、ユーザに対して行う手順、
を実行させる廃材タンク満杯通知プログラム。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、廃材タンクの交換予測時期の精度を向上させて、想定していないダウンタイムを回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本実施形態に係るインクジェットプリンタの主な構成例を示したブロック図である。
【
図2】インクジェットプリンタの主要な機能構成を示すブロック図である。
【
図3A】第1実施形態に係るインクジェットプリンタが、廃インクタンクの交換時期をユーザに通知する処理を示したフローチャートである(その1)。
【
図3B】第1実施形態に係るインクジェットプリンタが、廃インクタンクの交換時期をユーザに通知する処理を示したフローチャートである(その2)。
【
図4】インクジェットプリンタの操作表示部に表示される表示画面を示した説明図である(その1)。
【
図5】インクジェットプリンタの操作表示部に表示される表示画面を示した説明図である(その2)。
【
図6A】第2実施形態に係るインクジェットプリンタが、廃インクタンクの交換時期を通知する処理を示したフローチャートである(その1)。
【
図6B】第2実施形態に係るインクジェットプリンタが、廃インクタンクの交換時期を通知する処理を示したフローチャートである(その2)。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に、本発明を実施するための形態について詳細に説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、本発明を実現するための一例である。よって、本発明が適用される装置の構成や各種条件によって適宜修正又は変更されるべきものであり、本発明は、以下の実施の形態に限定されるものではない。また、同一の部材には同一の符号を付し、説明を適宜、省略する。
【0014】
<本実施形態>
[インクジェットプリンタの全体構成]
図1は、本実施形態に係るインクジェットプリンタ100の主な構成例を示したブロック図である。インクジェットプリンタ100は、画像形成装置の一例である。そのため、本実施形態に係るインクジェットプリンタ100の構成は、例えば、レーザープリンタにも適用することができる。
【0015】
図1に示すように、インクジェットプリンタ100は、給紙部110と、画像形成部120と、排紙部130とを備えて構成されている。給紙部110、画像形成部120、及び排紙部130は、記録媒体9を搬送する際、搬送経路の上流側から下流側に、この順で連結されている。記録媒体9は、例えば、用紙で構成される。なお、記録媒体9は、用紙に限定されない。例えば、記録媒体9は、規格長尺シート、または、OHP(Over Head Projector)シート等のシートでもよい。
【0016】
給紙部110は、媒体給紙部108と、給紙トレイ109とを備えて構成されている。給紙トレイ109は、記録媒体9を格納する。
【0017】
媒体給紙部108は、給紙トレイ109から画像形成部120に記録媒体9を搬送して供給する。媒体給紙部108は、2本のローラにより支持された輪状のベルトを、内側に備えている。媒体給紙部108は、輪状のベルト上に記録媒体9を載置した状態でローラを回転させることで、記録媒体9を給紙部110から画像形成部120に供給する。
【0018】
画像形成部120は、搬送部121と、受渡しユニット122と、加熱部123と、ヘッドユニット124と、定着部125と、デリバリー部126と、を備えて構成されている。
【0019】
搬送部121は、円筒状の搬送ドラム112の搬送面111(載置面)上に載置された記録媒体9を保持する。搬送部121は、搬送ドラム112が回転軸(円筒軸)を中心に回転して周回移動することで、搬送ドラム112上の記録媒体9を搬送方向に搬送する。記録媒体9は、搬送ドラム112において爪部(図示せず)により端部が押さえられるとともに、吸気部(図示せず)により搬送面111に吸い寄せられることで、搬送面111に保持される。また、搬送部121は、搬送ドラム112を回転させるための搬送ドラムモータ(図示せず)に接続されている。
【0020】
受渡しユニット122は、給紙部110の媒体給紙部108により搬送された記録媒体9を搬送部121に引き渡す。受渡しユニット122は、給紙部110の媒体給紙部108と搬送部121との間に設けられる。受渡しユニット122は、スイングアーム部131と、受渡しドラム132を備えて構成されている。受渡しユニット122は、媒体給紙部108から搬送された記録媒体9の一端をスイングアーム部131で持ち上げ、受渡しドラム132を介して、搬送部121に引き渡す。
【0021】
加熱部123は、搬送部121により搬送される記録媒体9が所定の温度範囲内の温度となるように、記録媒体9を加熱する。加熱部123は、受渡しドラム132の配置位置と、ヘッドユニット124の配置位置との間に設けられる。加熱部123は、例えば、赤外線ヒーター(図示せず)を有し、後述する制御部10(
図2を参照)から供給される制御信号に基づいて、赤外線ヒーターに通電して当該赤外線ヒーターを発熱させる。
【0022】
ヘッドユニット124は、4つのヘッドユニット124Y,124M,124C,124Kを備えて構成されている。各ヘッドユニット124Y,124M,124C,124Kは、搬送ドラム112の回転に応じた適切なタイミングで、インク吐出面(図示せず)に設けられたノズル開口部(図示せず)から、それぞれ搬送面111上の記録媒体9に、インクを吐出して画像を形成する。各ヘッドユニット124Y,124M,124C,124Kは、インク吐出面と、搬送面111とがそれぞれ所定の距離だけ離隔された状態で対向して配置される。ヘッドユニット124Y,124M,124C,124Kは、記録媒体9の搬送方向上流側から、イエロー(Y),マゼンタ(M),シアン(C),ブラック(K)の色の順に、所定の間隔で並ぶように配列される。つまり、ヘッドユニット124Yは、イエロー(Y)に対応し、ヘッドユニット124Mは、マゼンタ(M)に対応する。また、ヘッドユニット124Cは、シアン(C)に対応し、ヘッドユニット124Kは、ブラック(K)に対応する。なお、ヘッドユニット124Y,124M,124C,124Kのいずれかを特定する必要がない場合、単にヘッドユニット124と記載する。
【0023】
定着部125は、発光部(図示せず)を備えて構成されている。定着部125は、搬送部121の搬送方向の幅に亘って、配置される。定着部125は、搬送部121の搬送面111上に載置された記録媒体9に対し、発光部から紫外線等のエネルギー線を照射して、記録媒体9上に吐出されたインクを硬化させ、記録媒体9に定着させる。定着部125の発光部は、ヘッドユニット24の配置位置からデリバリー部126の受渡しドラム141の配置位置までの間に、搬送面111と対向して配置される。
【0024】
デリバリー部126は、受渡しドラム141と、ベルトループ142とを備えて構成されている。受渡しドラム141は、搬送部121からベルトループ142に記録媒体9を受け渡す。ベルトループ142は、2本のローラにより支持された輪状のベルトを、内側に有する。デリバリー部126は、受渡しドラム141によって搬送部121からベルトループ142上に受け渡された記録媒体9を、ベルトループ142により搬送して排紙部130に送出する。
【0025】
排紙部130は、排紙トレイ135を備えて構成されている。排紙トレイ135は、デリバリー部126によって画像形成部120から送り出された記録媒体9を載置する。
【0026】
図2は、インクジェットプリンタ100の主要な機能構成を示すブロック図である。
図2に示すように、インクジェットプリンタ100は、搬送駆動部101と、操作表示部102と、入出力インターフェース103と、外部装置104と、制御部10と、加熱部123と、ヘッドユニット124とを備えて構成されている。インクジェットプリンタ100は、廃桶160と、廃インクタンク170と、予測部106と、通知部107とを備えて構成されている。
【0027】
搬送駆動部101は、制御部10から供給される制御信号に基づいて、搬送ドラム112の搬送ドラムモータに駆動信号を供給することで、搬送ドラム112を、所定の速度及びタイミングで回転させる。また、搬送駆動部101は、制御部10から供給される制御信号に基づいて、媒体給紙部108、受渡しユニット122、及びデリバリー部126を動作させるための各モータ(図示せず)に駆動信号を供給する。搬送駆動部101は、各モータに、搬送部121への記録媒体9の供給と、搬送部121からの記録媒体9の排出を行わせている。
【0028】
操作表示部102は、表示装置(図示せず)と、入力装置(図示せず)とを備えて構成されている。表示装置は、例えば、液晶ディスプレイや有機EL(electro-luminescence)ディスプレイで構成されている。入力装置は、操作キーや表示装置の画面に重ねられて配置されたタッチパネルで構成されている。操作表示部102は、表示装置に各種情報を表示させる。また、操作表示部102は、入力装置に対するユーザの入力操作を操作信号に変換し、制御部10に入力する。
【0029】
入出力インターフェース103は、外部装置104と、制御部10との間のデータの送受信を媒介する。入出力インターフェース103は、例えば、各種シリアルインターフェース、各種パラレルインターフェースの何れか、又はこれらの組み合わせで構成される。入出力インターフェース103は、例えば、廃インク量(廃材量)のデータ、又は/及び廃インクタンク170(廃材タンク)の重量のデータを外部装置104に出力する。
【0030】
外部装置104は、例えば、パーソナルコンピュータで構成される。外部装置104は、入出力インターフェース103を介して、ジョブや画像データなどを制御部10に供給する。また、外部装置104は、入出力インターフェース103を介して、廃インク量のデータ、又は/及び廃インクタンク170の重量のデータを取得する。
【0031】
ヘッドユニット124は、ヘッド駆動部151と、画像形成ヘッド152とを備えて構成されている。ヘッドユニット124は、4つの各色にそれぞれ対応した画像形成ヘッド152を備えて構成されている。各画像形成ヘッド152は、複数の画像形成素子(図示せず)を備えて構成されている。各画像形成素子は、インクを貯留する圧力室(図示せず)と、圧力室の壁面に設けられた圧電素子(図示せず)と、ノズル(図示せず)とを有している。各画像形成素子は、圧電素子を変形動作させる駆動信号が制御部10から入力されると、圧電素子の変形により圧力室が変形して圧力室内の圧力が変化する。これにより、画像形成ヘッド152の複数の画像形成素子のそれぞれは、圧力室に連通するノズルから、各色に対応するインクを吐出する。
【0032】
ヘッド駆動部151は、4つの各色にそれぞれ対応した画像形成ヘッド152の複数の画像形成素子に対して、適切なタイミングで画像データに応じた圧電素子を変形動作させる駆動信号を供給する。これにより、ヘッド駆動部151は、各画像形成ヘッド152が有する複数の画像形成素子の各ノズルから、画像データの画素値に応じた量のインクを吐出させる。
【0033】
廃桶160は、加熱部161と、温度検出部162とを備えて構成されている。本実施形態に係るインクジェットプリンタ100は、メンテナンス時においてノズル内のインクを交換するため、ノズルからインクを強制的に吐出させるパージ処理が実行される。廃桶160は、パージ処理によりノズルから吐出されるインク(廃インク)を受け取る。廃桶160は、受け取った廃インクを廃インクタンク170に排出する。
【0034】
加熱部161は、廃桶160を加熱することで、廃インクを加熱する。廃インクは、廃インクタンク170に排出される際、廃桶160において、常時に加熱されている。廃桶160における廃インクは、常温では、ゲル状(または固る)になってしまうため、廃桶160は、加熱部161により廃インクに加熱することで、廃インクに流動性を持たせている。
【0035】
温度検出部162は、廃桶160において受け取った廃インクの温度を検出する。温度検出部162は、例えば、サーミスタで構成され、廃桶160の所定の位置に配置されることで、廃インクの温度を間接的に検出する。温度検出部162は、検出した廃インクの温度を示す検出信号を制御部10に出力する。制御部10は、温度検出部162の検出結果に基づいて、廃インクの温度が所定の温度となるように、加熱部161を制御する。
【0036】
廃インクタンク170は、廃インク量検出部171を備えて構成されている。廃インクタンク170は、廃桶160から排出された廃インクを所定の容量になるまで収容(貯蔵)する。廃インクが収容された廃インクタンク170は、例えば、サービスマンによって回収される。なお、廃インクタンク170は、画像形成に使われなかった廃インクを収容するが、本実施形態がレーザープリンタに適用される場合、画像形成に使われなかった廃トナーを収容する。
【0037】
廃インク量検出部171(廃材量検出手段)は、画像形成に使われなかった廃インク(廃材)を格納する廃インクタンク170(廃材タンク)の廃材量を検出する。廃インク量検出部171は、液面センサ又は重量センサで構成される。廃インク量検出部171は、例えば、廃インクタンク170の容量または重量を取得する周期の設定を受け付けてもよい。この場合、廃インク量検出部171は、設定された周期により廃インクタンク170の容量または重量を取得する。
【0038】
制御部10は、CPU11(Central Processing Unit)と、RAM12(Random Access Memory)と、ROM13(Read Only Memory)と、記憶部14とを備えて構成されている。
【0039】
CPU11は、ROM13に記憶された各種制御用のプログラムや設定データを読み出してRAM12に記憶させ、当該プログラムを実行して各種演算処理を行う。また、CPU11は、インクジェットプリンタ100の全体動作を統括制御する。例えば、CPU11は、記憶部14に格納された廃インク満杯通知プログラム15を実行することにより、予測部106と、通知部107を具現化する。
【0040】
RAM12は、CPU11に作業用のメモリ空間を提供し、一時データを記憶する。RAM12は、例えば、不揮発性メモリを含んでもよい。
【0041】
ROM13は、CPU11により実行される各種制御用のプログラムや設定データ等を格納する。なお、制御部10は、ROM13に代えてEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)やフラッシュメモリ等の書き換え可能な不揮発性メモリが用いられてもよい。
【0042】
記憶部14は、入出力インターフェース103を介して、外部装置104から入力されたプリントジョブ(画像形成命令)および当該プリントジョブに係る画像データなどを、記憶する。なお、プリントジョブには、形成する画像に係る画像データを指定する情報の他、画像を形成する記録媒体9の種別に係る情報(例えば、記録媒体9の大きさ、及び厚さ)が含まれる。記憶部14は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)が用いられ、また、DRAM(Dynamic Random Access Memory)などが併用されてもよい。
【0043】
予測部106は、廃インク量検出部171(廃材量検出手段)が検出した廃インク(廃材)量の履歴に基づいて、廃インクタンク170(廃材タンク)が満杯となる時期を予測する。廃インク量の履歴とは、例えば、単位期間あたりの廃インク量の増加のこととすることができる。予測部106は、廃インクタンク170が満杯となる時期を予測する際、過去の廃インク量のデータを参考にする期間を、調整可能に受け付けてもよい。また、予測部106は、廃インク量のデータを参考にする範囲を、調整可能に受け付けてもよい。また、予測部106は、非稼働日を考慮して、廃インクタンク170が満杯となる時期を予測してもよい。また、予測部106は、交換した廃インクタンク170毎に、重量又は/及び容量の設定の調整を受け付けてもよい。
【0044】
通知部107は、予測部106が予測した満杯となる時期に基づいて、廃インクタンク170が満杯となる時期に関する通知を、ユーザに対して行う。また、通知部107は、稼働する営業日数により何日後に廃インクタンク170が満杯となるかを表示してもよい。また、通知部107は、廃インクタンク170の交換予想日が近づくにつれて、警告表示を変化させてもよい。なお、警告表示は、ポップアップ式及びダイアログ式を含み、選択可能としてもよい。また、通知部107は、アラームを含み、聴覚的に認識可能に通知してもよい。また、通知部107は、廃インクタンク170が満杯となる所定の日前にユーザに対して通知するための時期の設定を受け付けてもよい。また、通知部107は、警告灯との連携により、視覚的に認識可能に通知してもよい。また、通知部107は、操作表示部102の画面に認識可能に表示することを含み、さらにメールでも通知してもよい。また、通知部107は、廃インクタンク170の予備が無い場合、カスタマーサポートに交換用廃材タンクを手配する旨の情報を通知してもよい。
【0045】
<第1実施形態>
[インクジェットプリンタの動作]
次に、第1実施形態に係るインクジェットプリンタ100の動作について説明する。
図3A,3Bは、第1実施形態に係るインクジェットプリンタ100が、廃インクタンク170の交換時期をユーザに通知する処理を示したフローチャートである。
【0046】
まず、インクジェットプリンタ100は、ユーザにより廃インクタンク170がセットされる(ステップS01)。図中では、インクジェットプリンタ100のことを、印刷機を表記し、廃インクタンク170のことを、廃液タンクと表記する。よって、本実施形態をレーザープリンタに適用しても、同様の動作を行わせることができる。
【0047】
次に、インクジェットプリンタ100は、空の廃インクタンク170の重量を検知し、その重量を記憶する(ステップS03)。
【0048】
そして、ユーザは、廃インクタンク170の許容量をインクジェットプリンタ100に入力する(ステップS05)。また、ユーザは、廃インクタンク170が満杯となる警告を示すポップアップの設定や警告の表示時期を設定する(ステップS07)。
【0049】
ステップS07においてユーザが各種の設定を行うことで、ユーザは、インクジェットプリンタ100を通常通り使用可能となる(ステップS09)。例えば、ユーザがプリントジョブを指示することで、インクジェットプリンタ100は、プリントジョブを実行し、廃インクタンク170に廃インクを排出する。
【0050】
インクジェットプリンタ100は、例えば、廃インク量検出部171が液面センサで構成され、1日毎にインクの廃液量を記憶する。予測部106は、廃インクタンク170の残りの容量を算出する(ステップS11)。
【0051】
この場合、予測部106は、セットされた廃インクタンク170の許容量と、廃インク量検出部171で検出した値とを比較することで、残りの容量を算出する。すなわち、廃インクタンク170の残りの容量は、廃インクタンク170の許容量から廃インク量検出部171が検出した容量を引くことで算出される。廃インク量検出部171は、1日毎にインクの廃液量を記憶するとともに、タイムスタンプとして廃液量を記憶する日時も記録する。
【0052】
予測部106は、廃インクタンク170をインクジェットプリンタ100にセットしてから現在までの1日当たりの平均廃インク量を算出する(ステップS13)。なお、予測部106は、例えば、3カ月間または1年間などの算出期間がユーザに設定されることで、過去のデータに基づいて、平均廃インク量を算出する。
【0053】
予測部106は、廃インクタンク170の充足予定日(満杯となる時期)が、警告等の表示を行う表示時期以内かどうか判定する(ステップS15)。廃インクタンク170が満杯となる時期が、警告等の表示を行う表示時期以内に該当する場合(ステップS15のYes)、通知部107は、廃インクタンク170が満杯となる時期に関する通知を、ポップアップなどで表示する(ステップS17)。
【0054】
一方、廃インクタンク170が満杯となる時期が、警告等の表示を行う表示時期に該当しない場合(ステップS15のNo)、予測部106は、ステップS11に戻り、処理を継続する。
【0055】
図4は、インクジェットプリンタ100の操作表示部102に表示される表示画面200を示した説明図である。
【0056】
図4に示すように、表示画面200には、「廃液タンクの充足予想日は、〇月○日です」、「残り容量:△%」と表示されている。このように、表示画面200は、廃インクタンク170の交換をユーザに警告する。
【0057】
図3Bに戻り、説明を続ける。
通知部107は、次の廃インクタンク170を手配したか否かを判定する(ステップS19)。次の廃インクタンク170が手配されている場合(ステップS19のYes)、通知部107は、ステップS21に進む。一方、次の廃インクタンク170が手配されていない場合(ステップS19のNo)、通知部107は、ポップアップ経由で交換用廃インクタンクの発注を受け付ける(ステップS23)。発注を受け付けると、通知部107は、ステップS21に進む。
【0058】
ステップS21では、通知部107は、廃液タンク回収業者に連絡が必要か否かを判定する(ステップS21)。廃液タンク回収業者に連絡が必要な場合(ステップS21のYes)、通知部107は、ポップアップ経由で廃液回収業者に回収の依頼を行う(ステップS25)。そして、通知部107は、ステップS27に進む。
【0059】
一方、廃液タンク回収業者に連絡が必要でない場合(ステップS21のNo)、インクジェットプリンタ100は、廃インクタンク170の交換を受け付ける(ステップS27)。この場合、例えば、サービスマンまたはユーザが、インクジェットプリンタ100の廃インクタンク170を交換する。
【0060】
図5は、インクジェットプリンタ100の操作表示部102に表示される表示画面210を示した説明図である。
【0061】
図5に示すように、表示画面210には、警告を示すコメントとして、「- 警告 - 廃液タンク充足予定日が近づいています。充足予定日:○月○日」と記載されている。また、表示画面210には、ボタン211~213が設けられている。
【0062】
ボタン211は、押下されると表示画面を閉じるためのボタンである。ボタン212は、ステップS23に対応する処理であり、ユーザが交換用廃液タンク(交換用の廃インクタンク170)の発注を行うためのボタンである。ボタン213は、ステップS25に対応する処理であり、ユーザが廃液回収業者に、廃インクタンク170の回収の依頼を行うためのボタンである。
【0063】
図3Bに戻り、説明を続ける。
ステップS27において、インクジェットプリンタ100の廃インクタンク170が、サービスマンまたはユーザによって交換されると、
図3A,3Bの処理を終了する。
【0064】
以上説明したように、第1実施形態に係るインクジェットプリンタ100は、廃インク量検出部171と、予測部106と、通知部107とを備えている。廃インク量検出部171は、画像形成に使われなかった廃インクを格納する廃インクタンク170の廃インク量を検出する。予測部106は、廃インク量検出部171が検出した廃インク量の履歴に基づいて、廃インクタンク170が満杯となる時期を予測する。通知部107は、予測部106が予測した満杯となる時期に基づいて、廃インクタンク170が満杯となる時期に関する通知を、ユーザに対して行う。
【0065】
第1実施形態によれば、本実施形態に係るインクジェットプリンタ100は、廃インク量検出部171が検出した廃インクタンク170の廃インク量に基づいて、廃インクタンク170が満杯となる時期を予測する。
【0066】
これにより、第1実施形態に係るインクジェットプリンタ100は、廃インクタンク170の交換予測時期の精度を向上させることができるので、廃インクタンク170が満杯となってしまい、想定していないダウンタイムが発生することを回避することができる。
【0067】
<第2実施形態>
[画像処理装置の処理]
次に、第2実施形態に係るインクジェットプリンタ100の動作について説明する。
図6A,6Bは、第2実施形態に係るインクジェットプリンタ100が、廃インクタンク170の交換時期をユーザに通知する処理を示したフローチャートである。
【0068】
第2実施形態に係るインクジェットプリンタ100の動作が、第1実施形態に係るインクジェットプリンタ100の動作と異なる点は、ステップS113において、予測部106が、直近1週間の平均廃インク量を算出する点である。
【0069】
すなわち、第2実施形態の
図6AのステップS101からステップS111までの処理は、第1実施形態の
図3Aのステップ01からステップS11までに処理と同一である。また、第2実施形態の
図6AのステップS115から
図6BのステップS127までの処理は、第1実施形態の
図3AのステップS15から
図3Bのステップ27までの処理と同一である。
【0070】
図6AのステップS113において、予測部106は、直近1週間の1日当たりの平均廃インク量を算出する(ステップS113)。予測部106は、例えば、直近1週間の期間がユーザに設定されることで、直近1週間の期間のデータに基づいて、平均廃インク量を算出する。
【0071】
これにより、予測部106は、直近1週間の平均廃インク量に基づいて、廃インクタンク170の充足予定日が、警告等の表示を行う表示時期以内か否かを判定する(ステップS115)。したがって、予測部106は、直近のインクジェットプリンタ100の使用状況を反映し、廃インクタンク170が満杯となるより正確な時期に関する通知を、ポップアップなどで表示することができる。
【0072】
以上説明したように、第2実施形態に係るインクジェットプリンタ100は、予測部106により、直近1週間の平均廃インク量を算出することで、廃インクタンク170が、満杯となる時期を予測する。
【0073】
第2実施形態によれば、第2実施形態に係るインクジェットプリンタ100は、実際のインクジェットプリンタ100の直近の使用状況を反映して予測することができるので、廃インクタンク170の交換予測時期の精度を向上させることができる。
【0074】
(変形例)
本発明は、上記実施形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、変更実施が可能であり、例えば、次の(a)~(h)のようなものがある。
【0075】
(a)廃インク量検出部171は、液面センサでもよい。また、廃インク量検出部171は、重量センサでもよい。廃インク量検出部171が重量センサで構成される場合、廃インク量検出部171は、容積換算重量を適用する。廃インク量検出部171は、廃インクタンク170の重量を測定することで、廃インクタンク170の廃インク量を換算する。また、廃インク量検出部171は、廃インクタンク170の容量または重量を取得する周期の設定を受け付けてもよい。
【0076】
(b)廃インク量の履歴とは、単位期間あたりの廃インク量の増加のことであってもよい。また、予測部106は、廃インクタンク170が満杯となる時期を予測する際、過去の廃インク量のデータを参考にする期間を、調整可能に受け付けてもよい。また、予測部106は、廃インク量のデータを参考にする範囲を、調整可能に受け付けてもよい。
【0077】
(c)予測部106は、非稼働日を考慮して、廃インクタンク170が満杯となる時期を予測し、通知部107は、稼働する営業日数により何日後に廃インクタンク170が満杯となるかを表示してもよい。
【0078】
(d)通知部107は、廃インクタンク170の交換予想日が近づくにつれて、警告表示を変化させてもよい。例えば、通知部107は、交換予想日の1週間前に青色で警告表示し、交換予想日の3日前に黄色で警告表示し、交換予想日の前日に赤色で警告表示する。なお、廃インクタンク170の交換予想日とは、例えば、廃インクタンク170において、廃インクが満杯となる日(充足する日)を、廃インクタンク170の交換予想日とすることができる。
【0079】
(d)警告表示は、ポップアップ式及びダイアログ式を含み、選択可能であってもよい。通知部107は、アラームを含み、聴覚的に認識可能に通知してもよい。通知部107は、廃インクタンク170が満杯となる所定の日前にユーザに対して通知するための時期の設定を受け付けてもよい。通知部107は、警告灯との連携により、視覚的に認識可能に通知してもよい。例えば、通知部107は、廃インクタンク170の満杯となる時期が近づくにつれ、音声により警告を出力するとともに、点滅表示により警告を出力することができる。
(e)予測部106は、交換した廃インクタンク170毎に、重量又は/及び容量の設定の調整を受け付けてもよい。廃インクタンク170は、同一の容量に限定されず、例えば、収容容量の大きい廃インクタンク170を使用することもでき、この場合、収容容量が大きい分だけ重量も重くなるためである。
(f)インクジェットプリンタ100は、廃インク量のデータ又は/及び廃インクタンク170の重量のデータを、外部に出力する入出力インターフェース103を、さらに備えていてもよい。
【0080】
(g)通知部107は、操作表示部102の画面に認識可能に表示することを含み、さらにメールでも通知してもよい。また、通知部107は、廃インクタンク170の予備が無い場合、カスタマーサポートに交換用の廃インクタンク170を手配する旨の情報を通知してもよい。
(h)廃インクは、画像形成に使われなかった廃材の一例である。そのため、例えば、廃材は、画像形成に使われなかった廃トナーであってもよい。また、本実施形態をレーザープリンタに適用した場合、廃材量検出手段は、廃インク量検出部171の代わりに、廃トナー量検出部で構成される。また、廃材タンクは、廃インクタンク170の代わりに、廃トナータンクで構成される。
【符号の説明】
【0081】
9 記録媒体
10 制御部
11 CPU
12 RAM
13 ROM
14 記憶部
15 廃インク満杯通知プログラム
100 インクジェットプリンタ
101 搬送駆動部
102 操作表示部
103 入出力インターフェース
104 外部装置
106 予測部
107 通知部
108 媒体給紙部
109 給紙トレイ
110 給紙部
111 搬送面
112 搬送ドラム
120 画像形成部
121 搬送部
122 受渡しユニット
123 加熱部
124 ヘッドユニット
124Y,124M,124C,124K ヘッドユニット
125 定着部
126 デリバリー部
131 スイングアーム部
132 受渡しドラム
141 受渡しドラム
142 ベルトループ
151 ヘッド駆動部
152 画像形成ヘッド
160 廃桶
161 加熱部
162 温度検出部
170 廃インクタンク(廃材タンク)
171 廃インク量検出部(廃材量検出手段)