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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025101577
(43)【公開日】2025-07-07
(54)【発明の名称】接地抵抗測定器用コードリール
(51)【国際特許分類】
   B65H 75/40 20060101AFI20250630BHJP
   B65H 75/14 20060101ALI20250630BHJP
【FI】
B65H75/40 A
B65H75/14
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023218520
(22)【出願日】2023-12-25
(71)【出願人】
【識別番号】000211307
【氏名又は名称】中国電力株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110004510
【氏名又は名称】弁理士法人維新国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100111132
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 浩
(72)【発明者】
【氏名】緒形 拡
【テーマコード(参考)】
3F058
3F068
【Fターム(参考)】
3F058AB03
3F058AC07
3F058CA01
3F058HA00
3F058HB02
3F068AA12
3F068BA08
3F068CA01
3F068CA09
3F068DA05
3F068EA02
3F068FA02
3F068HA03
(57)【要約】
【課題】持ち運びや保管が容易であって、測定結果にノイズが混入し難く、しかも測定コードの巻き取りや引き出しなどの作業を効率良く行うことが可能な接地抵抗測定器用コードリールを提供する。
【解決手段】接地抵抗測定器用コードリール1は、それぞれ胴部3とその両端に設置された一対の第1の円板4及び第2の円板5からなる一対の巻き取りドラム2a、2bと、巻き取りドラム2a、2bを回転可能に支持する軸体6と、一対の脚部7a、7aと把持部7bからなり、軸体6を支持する支持フレーム7と、第1の円板4の外周縁4a近くの外面4bに立設されたハンドル8と、第1の円板4の中心に設置されたナット9と、第1の円板4にナット9を用いて固定された軸保持部材12と、第1の円板4の外面4bと第2の円板5の内面5aにそれぞれ設置され、スリット10a、11aを有する直方体状の端子保持具10及びクリップ保持具11を備えている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
円筒状の胴部と、この胴部の両端に互いの中心軸が一致するように設置された第1の円板及び第2の円板からなる一対の巻き取りドラムと、
前記胴部の前記中心軸に軸中心を一致させた状態で一対の前記第2の円板を回転可能に支持する軸体と、
一対の前記巻き取りドラムの間に設置されて前記軸体を支持する支持フレームと、
測定コードを挿通可能な円筒体からなり、前記第1の円板に開口端が固定されるとともに円筒軸が前記軸中心と一致するように前記巻き取りドラム内において前記軸体の端部を回転可能に保持する軸保持部材と、を備え、
前記胴部及び前記軸保持部材の側面には、前記測定コードを挿通可能な第1のコード挿通孔及び第2のコード挿通孔がそれぞれ設けられていることを特徴とする接地抵抗測定器用コードリール。
【請求項2】
前記測定コードを挿通可能な円筒体からなり、前記胴部の半径方向と平行に配置された前記第1のコード挿通孔と前記第2のコード挿通孔を接続するように前記胴部と前記軸保持部材を連結する第1の支持部材を備えていることを特徴とする請求項1に記載の接地抵抗測定器用コードリール。
【請求項3】
前記胴部の半径方向と平行に配置されて前記胴部と前記軸保持部材をそれぞれ連結する棒状の第2の支持部材及び第3の支持部材を備え、
前記第2の支持部材及び前記第3の支持部材は、前記軸体の長手方向と平行に見た場合に前記第1の支持部材とともに前記胴部の半径方向へ均等に配置されていることを特徴とする請求項2に記載の接地抵抗測定器用コードリール。
【請求項4】
前記測定コードに取り付けられた端子を保持する端子保持具を備え、
前記端子保持具は前記第1の円板の外面に設けられていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の接地抵抗測定器用コードリール。
【請求項5】
前記測定コードに取り付けられたクリップを保持するクリップ保持具を備え、
前記クリップ保持具は前記第2の円板の内面に設けられていることを特徴とする請求項4に記載の接地抵抗測定器用コードリール。
【請求項6】
前記第1の円板の外周縁近くの外面に立設された棒状のハンドルを備えていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の接地抵抗測定器用コードリール。
【請求項7】
前記軸保持部材の内部に固設された状態で前記軸体の前記端部に外挿される一対のラジアル軸受けを備えていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の接地抵抗測定器用コードリール。
【請求項8】
前記軸保持部材の内部に固設された状態で前記軸体の前記端部に外挿される一対のスラスト軸受けを備え、
前記軸体は、両端にフランジ部が設けられており、前記ラジアル軸受けと前記フランジ部の間に前記スラスト軸受けが設置されていることを特徴とする請求項7に記載の接地抵抗測定器用コードリール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、柱上変圧器等の電力設備の接地抵抗を測定する際に、接地極と接地抵抗測定器を接続する測定コードを巻き取るための接地抵抗測定器用コードリールに係り、特に、2種類のコードを同時に引き出したり、個別に巻き取ったりすることが可能な接地抵抗測定器用コードリールに関する。
【背景技術】
【0002】
漏電による事故を防ぐため、電柱上に設置されている変圧器等の電力設備は、電柱の周辺の地中に埋設された接地極と接地線によって接続されるが、電気設備の接地抵抗は種類ごとに法律で定められている。ここで、接地抵抗の測定に用いられる電位降下法について図5を用いて簡単に説明する。なお、図5は接地抵抗測定器を用いて柱上変圧器の接地抵抗を電位降下法によって測定する様子を示した模式図である。
図5に示すように、電柱Pの周辺の地中に埋設されている被測定接地体50aと柱上変圧器50を接続する接地線51には、測定コード54を介して接地抵抗測定器52のE極が接続されるとともに、被測定接地体50aと一直線上に配置され、かつ、被測定接地体50aからそれぞれ10m程度及び20m程度離れた場所の地面に打設されている補助接地棒53a、53bには、測定コード55、56を介して接地抵抗測定器52のP極及びC極がそれぞれ接続される。なお、測定コード54~56には、接地抵抗測定器52に接続される側の端部に端子54a~56aがそれぞれ設けられており、被測定接地体50a及び補助接地棒53a、53bに接続される側の端部に鰐口状のクリップがそれぞれ設けられている。
【0003】
通常、測定コード55、56は端子55a、56aとクリップ以外の部分が2つのコードリール57にそれぞれ巻き取られていることから、作業者58は測定コード55、56を必要な長さだけコードリール57から引き出す必要がある。
このとき、例えば、接地抵抗測定器52に端子55a、56aが接続された状態でコードリール57を持って補助接地棒53a、53bに向かって歩きながら測定コード55、56を引き出すようにすると、接地抵抗測定器52に端子55a、56aが接続された部分が測定コード55、56によって引っ張られることで破損するおそれがある。
一方、補助接地棒53a、53bにクリップが接続された状態でコードリール57を持って接地抵抗測定器52に向かって歩きながらコードリール57から測定コード55、56を引き出そうとすると、クリップが測定コード55、56によって引っ張られることで補助接地棒53a、53bから簡単に外れてしまう可能性が高い。
【0004】
そのため、従来、作業者58は1つ目のコードリール57を接地抵抗測定器52の近くに置いた状態で測定コード55のクリップ側の端部を持って、補助接地棒53aに向かって歩きながら測定コード55を引き出す作業を行った後、2つ目のコードリール57を接地抵抗測定器52の近くに置いた状態で測定コード56のクリップ側の端部を持って、補助接地棒53bに向かって歩きながら測定コード56を引き出す作業を行わなければならず、作業効率が悪いという課題があった。また、端子55a、56aが巻き取りドラム(図示せず)に固定されている訳ではないため、測定コード55、56の全長を引き出すと、測定コード55、56が巻き取りドラムから完全に外れてしまうという課題があった。さらに、コードリール57では測定コード55、56の端子55a、56aに接続される部分が巻き取りドラムの内部に挿入されるのではないため、当該部分は巻き取りドラムの外周面上を這うような状態にされる。そして、当該部分の上に測定コード55、56の残りの部分が巻き取られると、部分的に盛り上がった状態になるため、測定コード55、56を巻き取り難くなるという課題があった。
【0005】
コードの先端が巻き取りドラムの内部に挿入される構造のコードリールに関しては、例えば、特許文献1に「作業機の手元操作型電動コードリール」という名称で、作業機を運転した状態で延長コードの引き出しと巻き取りの操作を行うことができる電動コードリールに関する考案が開示されている。
特許文献1の図面に記載された符号を用いて説明すると、特許文献1には、延長コード4の三相線4a、4b、4cのそれぞれの巻付け基端が巻取ドラム1の内部を通って、回転軸2の一方に装着された三点接触回転接続部5の回転接触面6a、6b、6cに接続されるとともに、電源コード9a、9bの基端に設けられた接触子8a、8bが回転接触面6a、6bと接触することにより、延長コード4と電源コード9a、9bが導通する構造の電動コードリールが記載されている。
このような構造によれば、延長コード4の三相線4a、4b、4cのそれぞれの巻付け基端が巻取ドラム1の内部を通っており、延長コード4が巻取ドラム1に巻き取られる際に三相線4a、4b、4cの巻付け基端が邪魔にならないため、延長コード4の巻き取り作業が容易である。
【0006】
また、特許文献2には「電気用コードリール」という名称で、電気工事や土木工事において、電源と、遠方の電気機器を接続する際に用いられる接続コード及びコンセントを有する電気用コードリールに関する考案が開示されている。
特許文献2の図面に記載された符号を用いて説明すると、特許文献2には、側板5に設けられたコンセント6に、円筒体8に巻き取られる接続コード7の端部が円筒体8の内部においてコンセント6に接続されるとともに、円筒体8を回転させる際に用いられるハンドル12が側板5に設けられた構造の電気用コードリール1が記載されている。
このような構造によれば、接続コード7の端部が円筒8の内部においてコンセント6に接続されているため、接続コード7を円筒体8に巻き取る際にその端部が邪魔になるおそれがない。
【0007】
さらに、特許文献3には「コードリール」という名称で、コードリール自体を移動させなくても電動機械や家電等の装置に電力を供給できるコードリールに関する考案が開示されている。
特許文献3の図面に記載された符号を用いて説明すると、特許文献3には、電気コード50を巻き取って収納するドラム10と、電気コード55を巻き取って収納するドラム12と、ドラム10及びドラム12のそれぞれを回転自在に支持する脚35と、ドラム10 及びドラム12の中心軸を貫通し、ドラム10及びドラム12を回転可能に保持する回転軸72を備えており、電気コード50と電気コード55が回転軸72の内部において電気的に接続された構造のコードリールが記載されている。
このような構造によれば、電気コード50と電気コード55の端部同士が回転軸72の内部において電気的に接続されていることから、電気コード50と電気コード55をドラム10とドラム12にそれぞれ巻き取る際に、それらの端部が邪魔になるおそれがない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】登録実用新案第3002335号公報
【特許文献2】実開昭59-133564号公報
【特許文献3】登録実用新案第3184109号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
特許文献1に開示された考案では、延長コード4の三相線4a、4b、4cのそれぞれの巻付け基端が巻取ドラム1の内部に挿通されていることから、延長コード4が巻取ドラム1に巻き取られる際に三相線4a、4b、4cの巻付け基端が邪魔にならないものの、三相線4a、4b、4cの巻付け基端が三転接触回転接続部5の回転接触面6a、6b、6cにそれぞれ接続されているため、この構造を接地抵抗測定器用コードリールに適用すると、測定結果にノイズが混入するという課題があった。加えて、2本の測定コードをそれぞれ巻き取るために2つのコードリールを準備しなければならいため、測定コードの巻き取りやコードリールの持ち運びに手間がかかるという課題もあった。
特許文献2に開示された考案では、接続コード7の端部が円筒8の内部に挿通されているため、接続コード7を円筒体8に巻き取る際に接続コード7の端部が邪魔になるおそれがないものの、コンセント6が側板5に設置されているため、この構造を接地抵抗測定器用コードリールに適用した場合、接地抵抗測定器とコンセント6を接続する測定コードを別に用意する必要がある。また、この測定コードによって接地抵抗測定器とコードリールの距離が決まってしまうため、コードリールの設置場所が限定されてしまうという課題があった。さらに、特許文献1に開示された考案の場合と同様に、2本の測定コードをそれぞれ巻き取るためのコードリールを2個準備する必要があるため、作業性が悪く、持ち運びも容易でないという課題があった。
さらに、特許文献3に開示された考案では、電気コード50の端部がドラム10の胴部に設けられた貫通孔に挿通される構造となっていることから、電気コード50の端部がドラム1の胴部に電気コード50を巻き取る作業の支障となることはないというメリットはあるが、電気コード50と電気コード55の端部同士が回転軸72の内部において電気的に接続されていることから、この構造を接地抵抗測定器用コードリールに適用すると、測定結果にノイズが混じるおそれがある。また、図3には2つのドラム10とドラム12が回転軸72によって回転可能に保持される構造が示されているが、これらのドラムは、両端に端子とクリップがそれぞれ取り付けられた2本の測定コードを個別に巻き取ることができる構造ではないため、特許文献3に開示された考案を接地抵抗測定器用コードリールとして用いることは困難である。
【0010】
本発明は、このような従来の事情に対処してなされたものであり、持ち運びや保管が容易であって、測定結果にノイズが混入し難く、しかも測定コードの巻き取りや引き出しなどの作業を効率良く行うことが可能な接地抵抗測定器用コードリールを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するため、第1の発明は円筒状の胴部と、この胴部の両端に互いの中心軸が一致するように設置された第1の円板及び第2の円板からなる一対の巻き取りドラムと、胴部の中心軸に軸中心を一致させた状態で一対の第2の円板を回転可能に支持する軸体と、一対の巻き取りドラムの間に設置されて軸体を支持する支持フレームと、測定コードを挿通可能な円筒体からなり、第1の円板に開口端が固定されるとともに円筒軸が軸中心と一致するように巻き取りドラム内において軸体の端部を回転可能に保持する軸保持部材と、を備え、胴部及び軸保持部材の側面には、測定コードを挿通可能な第1のコード挿通孔及び第2のコード挿通孔がそれぞれ設けられていることを特徴とする。
【0012】
第1の発明では、測定コードの端部が第1のコード挿通孔から巻き取りドラム内に挿通される構造であり、端子に接続される部分の測定コードが巻き取りドラムの内部に挿入されずに胴部の側面上を這うような状態にはならない。したがって、胴部に巻き取られた測定コードの一部が盛り上がってしまい、測定コードの残りの部分を巻き取り難くなるという不具合は生じない。
また、測定コードは、第1のコード挿通孔から巻き取りドラムの胴部内に挿通された後、第2のコード挿通孔から軸保持部材の内部を通って、軸保持部材の開口端から巻き取りドラムの外側へ引き出された一端に接地抵抗測定器に接続するための端子が取り付けられるとともに、補助接地棒に接続するためのクリップが他端に取り付けられる。すなわち、測定コードには、電源コード用のコードリールとは異なり、途中にスリップリングが設置されていないため、測定結果にノイズが混入し難い。さらに、第1の発明では、軸保持部材の開口端から引き出される部分の測定コードの長さを調節できるため、特許文献2に開示された考案の場合とは異なり、設置場所が限定されないという作用を有する。
【0013】
また、第1の発明では、巻き取りドラムと軸保持部材が軸体に対して回転可能な構造であることから、接地抵抗測定器に接続される端子が端部に取り付けられた測定コードの一部が軸保持部材の開口端から巻き取りドラムの外側へ引き出された状態で、測定コードの残りの部分を巻き取りドラムの胴部に巻き取る際に、巻き取りドラムの内部において測定コードが軸体に絡み付くおそれがない。さらに、第1の発明では、測定コードの途中部分が単に巻き取りドラムの胴部に巻き取られている状態ではなく、測定コードの端部が巻き取りドラムの内部に差し込まれた状態となることから、胴部に巻き取られた部分の測定コードが全て引き出された場合でも測定コードの端部に端子が取り付けられた部分は巻き取りドラムの内部から簡単には抜き出されないため、測定コードの全体が巻き取りドラムから外れてしまうおそれはない。
加えて、第1の発明では、一対の巻き取りドラムが軸体を介して連結されており、2本の測定コードがそれぞれ巻き取られた2個のコードリールを個別に運んだり、保管したりする必要がないため、作業性が良い。
【0014】
第2の発明は、第1の発明において、測定コードを挿通可能な円筒体からなり、胴部の半径方向と平行に配置された第1のコード挿通孔と第2のコード挿通孔を接続するように胴部と軸保持部材を連結する第1の支持部材を備えていることを特徴とする。
第2の発明では、第1の発明の作用に加え、第1のコード挿通孔から巻き取りドラムの内部に挿通された測定コードが第1の支持部材によって、第2のコード挿通孔へ向かって弛むことなく真直ぐに案内されるという作用を有する。また、第2の発明においては、胴部と軸保持部材が第1の支持部材を介して連結されることにより、巻き取りドラムの強度が高まるという作用を有する。
【0015】
第3の発明は、第2の発明において、胴部の半径方向と平行に配置されて胴部と軸保持部材をそれぞれ連結する棒状の第2の支持部材及び第3の支持部材を備え、第2の支持部材及び第3の支持部材は、軸体の長手方向と平行に見た場合に前記第1の支持部材とともに前記胴部の半径方向へ均等に配置されていることを特徴とする。
第3の発明においては、胴部と軸保持部材が第1の支持部材だけでなく、第2の支持部材及び第3の支持部材を介して連結されることにより、巻き取りドラムの強度が高まるという第2の発明の作用がより一層発揮される。
【0016】
第4の発明は、第1の発明乃至第3の発明のいずれかの発明において、測定コードに取り付けられた端子を保持する端子保持具を備え、端子保持具は第1の円板の外面に設けられていることを特徴とする。なお、第4の発明において、第1の円板の外面とは、胴部に接触していない側の面のことをいうものとする。
第4の発明においては、端子を端子保持具に装着すると、端子が端部に取り付けられた部分の測定コードが端子保持具を介して第1の円板の外面に固定され、軸保持部材の開口端から巻き取りドラムの外へ引き出された部分の測定コードが垂れ下がった状態にならないため、第1の発明乃至第3の発明のいずれかの発明の作用に加え、持ち運ぶ際や測定コードを巻き取る際に当該部分が邪魔にならないという作用を有する。
【0017】
第5の発明は、第4の発明において、測定コードに取り付けられたクリップを保持するクリップ保持具を備え、クリップ保持具は第2の円板の内面に設けられていることを特徴とする。なお、第5の発明において、第2の円板の内面とは、胴部に接触している側の面のことをいうものとする。
第5の発明においては、クリップをクリップ保持具に装着すると、クリップが端部に取り付けられた部分の測定コードがクリップ保持具を介して第2の円板の内面に固定されるため、第4の発明の作用に加え、巻き取りドラムの胴部に巻き取られている部分の測定コードが不用意に胴部から外れることがないという作用を有する。
【0018】
第6の発明は、第1の発明乃至第3の発明のいずれかの発明において、第1の円板の外周縁近くの外面に立設された棒状のハンドルを備えていることを特徴とする。
第6の発明においては、第1の発明乃至第3の発明のいずれかの発明の作用に加え、ハンドルを持って第1の円板を胴部の中心軸の周りに回転させると、巻き取りドラムが軸体を中心として回転するという作用を有する。
【0019】
第7の発明は、第1の発明乃至第3の発明のいずれかの発明において、軸保持部材の内部に固設された状態で軸体の端部に外挿される一対のラジアル軸受けを備えていることを特徴とする。
第7の発明においては、第1の発明乃至第3の発明のいずれかの発明の作用に加え、巻き取りドラムが回転する際に、軸保持部材と軸体の間に大きな摩擦力が生じ難いという作用を有する。
【0020】
第8の発明は、第7の発明において、軸保持部材の内部に固設された状態で軸体の端部に外挿される一対のスラスト軸受けを備え、軸体は、両端にフランジ部が設けられており、ラジアル軸受けとフランジ部の間にスラスト軸受けが設置されていることを特徴とする。
第8の発明においては、第7の発明の作用に加え、巻き取りドラムが回転する際に、スラスト軸受けが軸保持部材と軸体のフランジ部の間に大きな摩擦力が生じることを防ぐという作用を有する。また、第8の発明では、フランジ部がスラスト軸受けに係止することにより、軸体の軸保持部材からの抜けが防止されるという作用を有する。
【発明の効果】
【0021】
第1の発明では、胴部に巻き取られた測定コードの一部が盛り上がってしまい、測定コードの残りの部分の巻き取りが困難になるという事態は生じないため、測定コードの巻き取り作業を効率良く行うことができる。また、第1の発明によれば、測定コードの途中にスリップリングが設置されておらず、測定結果にノイズが混入し難いため、接地抵抗の高い精度での測定が可能である。さらに、第1の発明では、軸保持部材の開口端から引き出される部分の測定コードの長さを変えることにより、設置場所を容易に変更することができる。
そして、第1の発明によれば、測定コードを巻き取る際に、測定コードが軸体に絡み付くおそれがなく、しかも、測定コードの胴部に巻き取られた部分が全て引き出された場合でも、測定コード全体が巻き取りドラムから外れてしまうことがないため、測定コードの巻き取り作業と引き出し作業を効率良く行うことができる。そして、第1の発明では、2本の測定コードがそれぞれ巻き取られた一対の巻き取りドラムを備えているため、接地抵抗を測定する際の作業効率が良いことに加え、2本の測定コードを同時に持ち運ぶことや保管スペースを節約することが可能である。
【0022】
第1のコード挿通孔から挿通された測定コードに巻き取りドラムの内部で弛みが生じ、その一部が胴部の半径方向から外れてしまうと、巻き取りドラムを回転させた際にその部分が軸体へ巻き付く可能性がある。しかしながら、第2の発明では、第1のコード挿通孔から巻き取りドラムの内部に挿通された測定コードが第1の支持部材によって、第2のコード挿通孔へ向かって弛みが生じないよう真直ぐに案内されるため、巻き取りドラムの内部で測定コードが軸体に巻き付いて巻き取りドラムが回転不能な状態に陥ることはない。したがって、第2の発明によれば、第1の発明の効果に加え、測定コードの巻き取り作業を安定した状態で行うことができる。また、第2の発明では、第1の支持部材によって巻き取りドラムの強度が高まり、巻き取りドラムが故障し難くなるため、長期間使用することが可能である。
【0023】
第3の発明によれば、第1の支持部材に加え、第2の支持部材と第3の支持部材によっても巻き取りドラムの強度がさらに高められるため、巻き取りドラムが故障し難くなり、長期間使用できるという第2の発明の効果がより一層発揮される。
【0024】
第4の発明によれば、端子を端子保持具に装着すると、端子が端部に取り付けられた部分の測定コードが第1の円板に固定され、持ち運ぶ際や測定コードを巻き取る際に軸保持部材の開口端から巻き取りドラムの外側へ引き出された部分の測定コードが邪魔にならないため、第1の発明乃至第3の発明のいずれかの発明の効果に加え、安全に持ち運ぶことが可能になるとともに、測定コードの巻き取り作業を効率良く行うことができるという効果を奏する。
【0025】
第5の発明によれば、クリップをクリップ保持具に装着すると、クリップが端部に取り付けられた部分の測定コードが第2の円板の内面に固定され、巻き取りドラムの胴部に巻き取られている部分の測定コードが不用意に胴部から外れることが無くなるため、第4の発明の効果に加え、安全に持ち運ぶことが可能になるとともに、保管の際にも測定コードが邪魔になることがないという効果を奏する。
【0026】
第6の発明では、ハンドルを持って第1の円板を中心軸の周りに回転させることにより、巻き取りドラムが軸体を中心として回転するため、巻き取りドラムを回転させる作業が容易である。したがって、第6の発明によれば、第1の発明乃至第3の発明のいずれかの発明の効果に加え、測定コードの巻き取り作業を効率良く行うことができるという効果を奏する。
【0027】
第7の発明では、巻き取りドラムが回転する際に、軸保持部材と軸体の間に大きな摩擦力が生じ難いため、第1の発明乃至第3の発明のいずれかの発明の効果に加え、軸保持部材や軸体の破損を防ぐことにより、長期間使用することができるという効果を奏する。
【0028】
第8の発明では、軸体の軸保持部材から抜けてしまうおそれがないため、第7の発明の効果に加え、作業時の安全性が高いという効果を奏する。また、第8の発明では、巻き取りドラムが回転する際に、軸保持部材と軸体のフランジ部の間に大きな摩擦力が生じ難いため、軸保持部材や軸体の破損を防ぐことにより、長期間使用することができるという第7の発明の効果がより一層発揮される。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1】(a)及び(b)はそれぞれ本発明の実施の形態に係る接地抵抗測定器用コードリールの外観を示した正面図及び左側面図である。
図2】(a)は図1(a)におけるA方向矢視図であり、(b)は図1(a)におけるB-B線矢視断面図である。
図3】(a)は図2(a)におけるC-C線矢視断面図であり、(b)は図1(a)におけるD-D線矢視断面図である。
図4図3(a)に示した巻き取りドラムの内部の拡大図である。
図5】接地抵抗測定器を用いて柱上変圧器の接地抵抗を電位降下法によって測定する様子を示した模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
本発明の実施の形態に係る接地抵抗測定器用コードリールについて、図1図4を用いて説明する。なお、本発明の接地抵抗測定器用コードリールは、以下に示した構造に限定されるものではない。例えば、軸保持部材は段付き構造ではなく、単一の内径と外径を有する円筒体であっても良い。また、軸保持部材の内部にスラスト軸受けやラジアル軸受けを設置する代わりに、軸体と軸保持部材がポリアセタールなどの高い摺動性と摩耗性を有するプラスチックによって成形された構造とすることもできる。さらに、端子保持具10とクリップ保持具11はスリット10a及びスリット11aをそれぞれ備えた構造となっているが、少なくとも端子55aやクリップ55bを係止可能な構造であれば良く、スリット10aやスリット11aは必須ではない。
【実施例0031】
図1(a)及び図1(b)はそれぞれ本発明の実施の形態に係る接地抵抗測定器用コードリール1の外観を示した正面図及び左側面図である。また、図2(a)は図1(a)におけるA方向矢視図であり、図2(b)は図1(a)におけるB-B線矢視断面図である。さらに、図3(a)は図2(a)におけるC-C線矢視断面図であり、図3(b)は図1(a)におけるD-D線矢視断面図である。そして、図4図3(a)に示した巻き取りドラム2a、2bの内部の拡大図である。
なお、図1(a)、図2(a)、図2(b)、図3(a)及び図4では、図5に示した測定コード55、56の図示を省略している。また、図1(b)は図1(a)における接地抵抗測定器用コードリール1の左側面図であるが、右側面図も端子保持具10が第1の円板4に対して左右が逆になるように設置されている点を除けば、図1(b)と同じである。さらに、図5を用いて既に説明した構成要素については同一の符号を付すことにより、適宜その説明を省略する。
【0032】
図1(a)及び図1(b)並びに図2(a)に示すように、本発明の接地抵抗測定器用コードリール1は、測定コード55、56を挿通可能な第1のコード挿通孔3bが側面3aに設けられた円筒状の胴部3と、この胴部3の両端に互いの中心軸が一致するよう設置された第1の円板4及び第2の円板5からなる一対の巻き取りドラム2a、2bと、胴部3の中心軸3dに軸中心6cを一致させた状態で巻き取りドラム2a、2bを回転可能に支持する軸体6と、この軸体6を支持する支持フレーム7と、第1の円板4の外周縁4a近くの外面4bに立設された棒状のハンドル8と、第1の円板4の中心に設置されたナット9と、第1の円板4の外面4bと第2の円板5の内面5aにそれぞれ設置された直方体状の端子保持具10及びクリップ保持具11を備えている。
支持フレーム7は側面視L字状をなす一対の脚部7a、7aと、軸体6と平行をなし、かつ、巻き取りドラム2a、2bの方へ両端がそれぞれ突出するように設置されて、一対の脚部7a、7a同士を連結する棒状体からなる把持部7bによって構成されている。また、端子保持具10及びクリップ保持具11には、側面視した場合に中心角が180度以上の円弧によって内周面の外形線が形成されるスリット10a、11aが長手方向と平行にそれぞれ設けられている。
【0033】
測定コード55、56を挿通可能な円筒体からなり、円筒軸12bが軸中心6cと一致するように巻き取りドラム2a、2bの内部に設置される軸保持部材12は開口端12aがナット9を用いて第1の円板4に固定されており図1(b)に示すように測定コード55は軸保持部材12の内部を通って開口端12aから巻き取りドラム2aの外側へ引き出し可能となっている。また、測定コード55の端部に取り付けられている端子55aは、スリット10aの内部に配置された状態で端子保持具10によって第1の円板4に固定される構造となっている。
なお、図示していないが、巻き取りドラム2bの第1の円板4にも軸保持部材12がナット9を用いて固定されており、測定コード56も軸保持部材12の内部を通って開口端12aから巻き取りドラム2bの外側へ引き出し可能となっている。そして、測定コード56の端部に取り付けられている端子56aも測定コード55について図1(b)に示した場合と同様に、スリット10aの内部に配置された状態で端子保持具10によって第1の円板4に固定される構造となっている。
また、曲折されたパイプによって構成される脚部7aは、図2(b)に示すようにU字状をなす部分を有しており、この部分には、軸挿通孔13aに挿通された軸体6を回転不能に支持する軸支持具13が固着されている。なお、U字状をなす部分は両端が八の字状に拡開した後、直角に曲折された形状をなしている。
【0034】
図3(a)及び図3(b)並びに図4に示すように、軸体6は長尺の円柱体からなる本体部6aの両端にそれぞれフランジ部6bが設けられた構造となっており、軸保持部材12は、測定コード55、56を挿通可能な第2のコード挿通孔14aが側面14bに設けられるとともに軸体6のフランジ部6bが内部に配置される大径部14と、第1の円板4の中心に設けられた貫通孔4cに挿通されて巻き取りドラム2a、2bの外方へ突出する開口端12aにナット9が螺着された小径部15からなる段付き構造をなしており、中心軸が軸体6の軸中心と一致するように巻き取りドラム2a、2bの内部に設置されている。
フランジ部6bに近い側から順に軸体6の本体部6aに外挿されたスラスト軸受け16aとラジアル軸受け17aが大径部14の開口端14cの内部に嵌着されている。また、第2の円板5と軸支持具13の間において軸体6の本体部6aに外挿されるスラスト軸受け16bが軸支持具13に固設されており、第2の円板5の中心に設けられた軸挿通孔5bには、軸体6の本体部6aに外挿されたラジアル軸受け17bが嵌着されている。
【0035】
巻き取りドラム2a、2bの胴部3の内周面3cは、軸体6を中心として胴部3の円周方向へ均等に配置されるとともに胴部3の半径方向と平行に設置された棒状の第1の支持部材18a、第2の支持部材18b及び第3の支持部材18cを介して軸保持部材12の大径部14の側面14bに連結されている。なお、第1の支持部材18aは測定コード55、56を挿通可能な円筒体からなり、胴部3の第1のコード挿通孔3bに挿通された測定コード55、56が、その内部を通って軸保持部材12の大径部14の第2のコード挿通孔14aへ連通可能となるように、胴部3の半径方向と平行に配置された第1のコード挿通孔3bと第2のコード挿通孔14aを接続している。
また、巻き取りドラム2aの胴部3に巻き取られた測定コード55の端部に取り付けられているクリップ55bは、図3(b)に示すようにスリット11aの内部に配置された状態でクリップ保持具11によって第2の円板5に固定される構造となっている。なお、図示していないが、測定コード56の端部に取り付けられているクリップも測定コード55について図3(b)に示した場合と同様に、スリット11aの内部に配置された状態でクリップ保持具11によって第2の円板5に固定される構造となっている。
【0036】
このような構造の接地抵抗測定器用コードリール1では、測定コード55、56の端部が胴部3に設けられた第1のコード挿通孔3bから巻き取りドラム2a、2bの内部に挿通されるため、測定コード55、56の端子55a、56aに接続される部分の測定コード55、56が胴部3の側面3a上を這うような状態にはならない。したがって、胴部3に巻き取られた測定コード55、56の一部が盛り上がってしまい、測定コード55、56の残りの部分を巻き取り難くなるという不具合は生じない。そのため、測定コード55、56の巻き取り作業を効率良く行うことができる。
【0037】
また、測定コード55、56は、第1のコード挿通孔3bから巻き取りドラム2a、2bの内部に挿通された後、第2のコード挿通孔14aから軸保持部材12の内部を通って、開口端12aから巻き取りドラム2a、2bの外側へ引き出された一端に接地抵抗測定器52に接続するための端子55a、56aが取り付けられるとともに、補助接地棒53a、53bに接続するためのクリップが他端に取り付けられる。すなわち、測定コード55、56には、電源コード用のコードリールとは異なり、途中にスリップリングなどが設置されておらず、測定結果にノイズが混入し難いため、接地抵抗測定器用コードリール1を用いることによれば、接地抵抗を高い精度で測定することが可能である。
【0038】
さらに、接地抵抗測定器用コードリール1では、軸保持部材12の開口端12aから引き出される部分の測定コード55、56の長さを調節できるため、特許文献2に開示された考案の場合とは異なり、設置場所が限定されない。すなわち、接地抵抗測定器用コードリール1では、軸保持部材12の開口端12aから引き出される部分の測定コード55、56の長さを変えることにより、設置場所を容易に変更することが可能である。
【0039】
また、接地抵抗測定器用コードリール1では、巻き取りドラム2a、2bと軸保持部材12が軸体6に対して回転可能な構造であることから、接地抵抗測定器52に接続される端子55a、56aが端部に取り付けられた測定コード55、56の一部が軸保持部材12の開口端12aから巻き取りドラム2a、2bの外側へ引き出された状態で、測定コード55、56の残りの部分を巻き取りドラム2a、2bの胴部3に巻き取る際に、巻き取りドラム2a、2bの内部において測定コード55、56が軸体6に絡み付くおそれがない。
さらに、接地抵抗測定器用コードリール1では、測定コード55、56の途中部分が単に巻き取りドラム2a、2bの胴部3に巻き取られる状態ではなく、測定コード55、56の端部が巻き取りドラム2a、2bの内部に差し込まれた状態となることから、胴部3に巻き取られた部分の測定コード55、56が全て引き出された場合でも測定コード55、56の端部に端子55a、56aが取り付けられた部分は巻き取りドラム2a、2bの内部から簡単には抜き出されないため、測定コード55、56の全体が巻き取りドラム2a、2bから外れてしまうおそれはない。したがって、接地抵抗測定器用コードリール1では、測定コード55、56の巻き取り作業と引き出し作業を効率良く行うことができる。
【0040】
加えて、接地抵抗測定器用コードリール1では、一対の巻き取りドラム2a、2bが軸体6を介して連結されており、2本の測定コードがそれぞれ巻き取られた2個のコードリールを個別に運んだり、保管したりする必要がないため、作業性が良い。したがって、接地抵抗測定器用コードリール1は、接地抵抗を測定する際の作業効率が良いことに加え、2本の測定コード55、56を同時に持ち運ぶことや保管スペースを節約することが可能であるという効果を有している。
【0041】
第1のコード挿通孔3bから挿通された測定コード55、56に巻き取りドラム2a、2bの内部で弛みが生じ、その一部が胴部3の半径方向から外れてしまうと、巻き取りドラム2a、2bを回転させた際にその部分が軸体6へ巻き付く可能性があるおそれがある。しかしながら、接地抵抗測定器用コードリール1では、第1のコード挿通孔3bから巻き取りドラム2a、2bの内部に挿通された測定コード55、56が第1の支持部材18aによって、第2のコード挿通孔14aへ向かって弛みが生じないよう真直ぐに案内されるため、巻き取りドラム2a、2bの内部で測定コード55、56が軸体6に巻き付いて巻き取りドラム2a、2bが回転不能な状態に陥ることはない。したがって、接地抵抗測定器用コードリール1では、測定コード55、56の巻き取り作業を安定した状態で行うことができる。
また、接地抵抗測定器用コードリール1では、第1の支持部材18a~第3の支持部材18cを介して胴部3と軸保持部材12が連結されることによって巻き取りドラム2a、2bの強度が高められる結果、巻き取りドラム2a、2bが故障し難くなるため、長期間の使用が可能となる。
【0042】
接地抵抗測定器用コードリール1では、端子55a、56aを端子保持具10に装着すると、端子55a、56aが端部に取り付けられた部分の測定コード55、56が端子保持具10を介して第1の円板4の外面4bに固定され、軸保持部材12の開口端12aから巻き取りドラム2a、2bの外側へ引き出された部分の測定コード55、56が垂れ下がった状態にならないため、邪魔にならず、安全に持ち運ぶことが可能になるとともに、測定コードの巻き取り作業を効率良く行うことができる。
クリップ55bをクリップ保持具11に装着すると、クリップ55bが端部に取り付けられた部分の測定コード55がクリップ保持具11を介して第2の円板5の内面5aに固定されるため、巻き取りドラム2aの胴部3に巻き取られている部分の測定コード55が不用意に胴部3から外れることが無くなるため、安全に持ち運ぶことが可能になるとともに、保管の際にも測定コード55が邪魔になるおそれがない。なお、この測定コード55についての効果は、測定コード56のクリップを端子保持具10に装着した場合にも同様に発揮される。
【0043】
そして、接地抵抗測定器用コードリール1では、ハンドル8を持って第1の円板4を胴部3の中心軸3dの周りに回転させると、巻き取りドラム2a、2bが軸体6を中心として回転するため、巻き取りドラム2a、2bを回転させる作業が容易である。これにより、測定コード55、56の巻き取り作業の効率がさらに高まる。
また、接地抵抗測定器用コードリール1では、ラジアル軸受け17a、17bの作用により、巻き取りドラム2a、2bが回転する際に軸保持部材12及び第2の円板5と軸体6の間に大きな摩擦力が生じ難い。これにより、軸保持部材12、第2の円板5及び軸体6の破損が防止されるため、接地抵抗測定器用コードリール1を長期間使用することが可能になる。
【0044】
さらに、接地抵抗測定器用コードリール1では、スラスト軸受け16a、16bの作用により、巻き取りドラム2a、2bが回転する際に、軸体6のフランジ部6bとラジアル軸受け17aの間及びラジアル軸受け17bと軸支持具13の間に大きな摩擦力が生じ難い。これにより、軸体6、軸支持具13及びラジアル軸受け17a、17bの破損が防止されるため、接地抵抗測定器用コードリール1を長期間使用することが可能になる。加えて、軸体6のフランジ部6bがスラスト軸受け16aに係止することにより、軸体6の軸保持部材12からの抜けが防止されるため、接地抵抗測定器用コードリール1は作業時の安全性が高いという効果を有している。
【産業上の利用可能性】
【0045】
本発明は、接地抵抗測定器を用いて柱上変圧器などの電気設備の接地抵抗を測定する際に利用可能である。
【符号の説明】
【0046】
1…接地抵抗測定器用コードリール 2a、2b…巻き取りドラム 3…胴部 3a…側面 3b…第1のコード挿通孔 3c…内周面 3d…中心軸 4…第1の円板 4a…外周縁 4b…外面 4c…貫通孔 5…第2の円板 5a…内面 5b…軸挿通孔 6…軸体 6a…本体部 6b…フランジ部 6c…軸中心 7…支持フレーム 7a…脚部 7b…把持部 8…ハンドル 9…ナット 10…端子保持具 10a…スリット 11…クリップ保持具 11a…スリット 12…軸保持部材 12a…開口端 12b…円筒軸 13…軸支持具 13a…軸挿通孔 14…大径部 14a…第2のコード挿通孔 14b…側面 14c…開口端 15…小径部 16a、16b…スラスト軸受け 17a、17b…ラジアル軸受け 18a…第1の支持部材 18b…第2の支持部材 18c…第3の支持部材 50…柱上変圧器 50a…被測定接地体 51…接地線 52…接地抵抗測定器 53a、53b…補助接地棒 54~56…測定コード 54a~56a…端子 55b…クリップ 57…コードリール 58…作業者 P…電柱
図1
図2
図3
図4
図5