(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025101610
(43)【公開日】2025-07-07
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
G03G 21/00 20060101AFI20250630BHJP
G03G 15/00 20060101ALI20250630BHJP
【FI】
G03G21/00 370
G03G15/00 651
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023218573
(22)【出願日】2023-12-25
(71)【出願人】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士フイルムビジネスイノベーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104880
【弁理士】
【氏名又は名称】古部 次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100125346
【弁理士】
【氏名又は名称】尾形 文雄
(72)【発明者】
【氏名】長森 由貴
(72)【発明者】
【氏名】田中 大貴
(72)【発明者】
【氏名】杉本 勉
【テーマコード(参考)】
2H035
2H270
【Fターム(参考)】
2H035CA07
2H035CG01
2H270LA70
2H270LA72
2H270MC13
2H270MC28
2H270MC70
2H270MD02
2H270MD10
2H270MD12
2H270MD15
2H270MD17
2H270ME02
2H270MH16
2H270MH18
2H270MH19
2H270PA56
2H270ZC03
2H270ZC06
(57)【要約】
【課題】本発明は、印刷が開始されるまでに感光体と帯電器および/またはクリーニングユニットとの位置関係が変化しない場合に比べて、異常画像の発生を抑制する。
【解決手段】定着装置は、用紙に転写されるトナー像を保持する感光体と、感光体の表面を帯電する帯電器と、感光体の表面にトナーを供給する現像器と、感光体に付着したトナーを回収するクリーニングユニットと、感光体が停止した後、予め定められた条件にて、感光体と帯電器との位置関係、および/または感光体とクリーニングユニットとの位置関係を変化させる手段と、を備える。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
用紙に転写されるトナー像を保持する感光体と、
前記感光体の表面を帯電する帯電器と、
前記感光体の表面にトナーを供給する現像器と、
前記感光体に付着したトナーを回収するクリーニングユニットと、
前記感光体が停止した後、予め定められた条件にて、当該感光体と前記帯電器との位置関係、および/または当該感光体と前記クリーニングユニットとの位置関係を変化させる手段と、
を備える画像形成装置。
【請求項2】
前記位置関係を変化させる手段は、前記感光体が停止してから予め定められた時間が経過したことを条件として当該感光体を予め定められた距離で移動させることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記位置関係を変化させる手段は、前記感光体を印刷時よりも遅い速度で回転させることを特徴とする請求項2記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記位置関係を変化させる手段は、前記感光体を回転させると共に前記現像器も回転させることを特徴とする請求項2記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記感光体に保持されるトナー像が転写される転写ベルトをさらに備え、
前記感光体を前記予め定められた距離で移動させる際には、前記転写ベルトを当該感光体から離れる位置に移動させることを特徴とする請求項2記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記位置関係を変化させる手段は、前記感光体が停止した後に消費電力を抑えるモードに移行し、予め定められた条件にて、当該感光体と前記帯電器との位置関係および/または前記クリーニングユニットと当該感光体との位置関係を変化させることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記予め定められた条件は、前記帯電器からの放電による前記感光体の変化、および/または前記クリーニングユニットにおける廃トナーからの揮発成分による前記感光体の変化、を抑制するために定められた条件であることを特徴とする請求項6記載の画像形成装置。
【請求項8】
用紙に転写されるトナー像を保持する感光体と、
前記感光体の表面を帯電する帯電器と、
前記感光体の表面にトナーを供給する現像器と、
前記感光体に付着したトナーを回収するクリーニングユニットと、
前記感光体が停止した後の、当該感光体の表面にある残留電位の上昇、または前記帯電器の放電生成物が当該感光体の表面に付着することによる電気抵抗の低下、を抑制する抑制手段と、
を備えたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項9】
前記抑制手段は、前記感光体が停止した後、当該感光体を予め定められた条件にて回転させることを特徴とする請求項8記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記予め定められた条件は、前記感光体を徐々に回転させることであることを特徴とする請求項9記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、ボケ画像やカスレ画像などの異常画像を生じにくくすることを課題としている。この課題を解決するために、前回の印刷動作が終了したときから所定時間を超える時間が経過している場合に、印刷動作が開始される前に、感光体を空駆動する制御モードを実行する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
例えば、画像形成装置に用いられる感光体は、印刷終了後、次の印刷指示があるまで停止状態で待機している。この停止状態では、例えば、感光体の表面に付着したトナーを回収するクリーニングユニットと感光体との位置関係が固定されている。この場合、クリーニングユニットの廃トナーから揮発した成分が感光体の表面に吸収されることがある。この廃トナーから揮発した成分により、感光体の表面にある残留電位が上昇することで、異常画像が生じることがある。また、例えば、帯電器と感光体との位置関係が固定されている場合には、帯電器の放電生成物が感光体の表面に付着し、高湿下で表面の吸着水に放電生成物が溶解し電気抵抗が下がることで、異常画像が生じることがある。
本発明は、印刷が開始されるまでに感光体と帯電器および/またはクリーニングユニットとの位置関係が変化しない場合に比べて、異常画像の発生を抑制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に記載の発明は、用紙に転写されるトナー像を保持する感光体と、前記感光体の表面を帯電する帯電器と、前記感光体の表面にトナーを供給する現像器と、前記感光体に付着したトナーを回収するクリーニングユニットと、前記感光体が停止した後、予め定められた条件にて、当該感光体と前記帯電器との位置関係、および/または当該感光体と前記クリーニングユニットとの位置関係を変化させる手段と、を備える画像形成装置である。
請求項2に記載の発明は、前記位置関係を変化させる手段は、前記感光体が停止してから予め定められた時間が経過したことを条件として当該感光体を予め定められた距離で移動させることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置である。
請求項3に記載の発明は、前記位置関係を変化させる手段は、前記感光体を印刷時よりも遅い速度で回転させることを特徴とする請求項2記載の画像形成装置である。
請求項4に記載の発明は、前記位置関係を変化させる手段は、前記感光体を回転させると共に前記現像器も回転させることを特徴とする請求項2記載の画像形成装置である。
請求項5に記載の発明は、前記感光体に保持されるトナー像が転写される転写ベルトをさらに備え、前記感光体を前記予め定められた距離で移動させる際には、前記転写ベルトを当該感光体から離れる位置に移動させることを特徴とする請求項2記載の画像形成装置である。
請求項6に記載の発明は、前記位置関係を変化させる手段は、前記感光体が停止した後に消費電力を抑えるモードに移行し、予め定められた条件にて、当該感光体と前記帯電器との位置関係および/または前記クリーニングユニットと当該感光体との位置関係を変化させることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置である。
請求項7に記載の発明は、前記予め定められた条件は、前記帯電器からの放電による前記感光体の変化、および/または前記クリーニングユニットにおける廃トナーからの揮発成分による前記感光体の変化、を抑制するために定められた条件であることを特徴とする請求項6記載の画像形成装置である。
請求項8に記載の発明は、用紙に転写されるトナー像を保持する感光体と、前記感光体の表面を帯電する帯電器と、前記感光体の表面にトナーを供給する現像器と、前記感光体に付着したトナーを回収するクリーニングユニットと、前記感光体が停止した後の、当該感光体の表面にある残留電位の上昇、または前記帯電器の放電生成物が当該感光体の表面に付着することによる電気抵抗の低下、を抑制する抑制手段と、を備えたことを特徴とする画像形成装置である。
請求項9に記載の発明は、前記抑制手段は、前記感光体が停止した後、当該感光体を予め定められた条件にて回転させることを特徴とする請求項8の画像形成装置である。
請求項10に記載の発明は、前記予め定められた条件は、前記感光体を徐々に回転させることであることを特徴とする請求項9記載の画像形成装置である。
【発明の効果】
【0006】
請求項1に記載の発明によれば、印刷が開始されるまでに感光体と帯電器および/またはクリーニングユニットとの位置関係が変化しない場合に比べて、異常画像の発生を抑制することができる。
請求項2に記載の発明によれば、異常画像の発生を抑制できる条件下で、位置関係を変化させることができる。
請求項3に記載の発明によれば、感光体を印刷時よりも遅い速度で回転させない場合と比べて、感光体を動かす距離を正確に制御できる。
請求項4に記載の発明によれば、現像器を回転させない場合と比べて、感光体と現像器との摩擦によって生じる感光体の傷を抑制することができる。
請求項5に記載の発明によれば、感光体と転写ベルトとの摩擦によって生じる感光体の傷を抑制することができる。
請求項6に記載の発明によれば、消費電力を抑制しつつ、異常画像の発生を抑制することができる。
請求項7に記載の発明によれば、感光体と帯電器および/またはクリーニングユニットとの間に生じる事象に起因する異常画像の発生を抑制することができる。
請求項8に記載の発明によれば、感光体と帯電器および/またはクリーニングユニットとの間に生じる事象に起因する異常画像の発生を抑制した画像形成装置を提供することができる。
請求項9、10に記載の発明によれば、抑制手段による抑制効果を簡易に得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】本実施の形態における画像形成装置を説明する図である。
【
図3】本実施の形態における感光体の回転制御を実施させる場合の各モードにおけるタイミングチャートである。
【
図4】本実施の形態における通常モードにおける感光体の回転制御のフローチャートである。
【
図5】本実施の形態における省電力モードにおける感光体の回転制御のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
〔画像形成装置の説明〕
図1は、本実施の形態における画像形成装置1を説明する図である。
本実施の形態に係る画像形成装置1は、給紙ユニット1Aと、印刷ユニット1Bと、排紙ユニット1Cとを備える。
給紙ユニット1Aは、記録媒体の一例としての用紙Pを収容する第1用紙収容部11~第4用紙収容部14を備える。
また、給紙ユニット1Aには、第1用紙収容部11~第4用紙収容部14の各々に対応して設けられ、各用紙収容部に収容された用紙Pを印刷ユニット1Bに接続された搬送経路に送り出す送り出しロール15~18が設けられている。
【0009】
印刷ユニット1Bは、用紙Pに画像を形成する画像形成部20を備える。また、印刷ユニット1Bには、画像形成装置1の各部を制御する制御部21が設けられている。
また、印刷ユニット1Bは、画像処理部22を備える。画像処理部22は、画像読取装置4やパーソナルコンピュータ(PC)5から送信されてきた画像データに対して画像処理を施す。
また、印刷ユニット1Bには、タッチパネルなどから構成され、ユーザに対する情報の通知を行うとともにユーザからの情報の入力を受け付けるUI(User Interface)23が設けられている。
【0010】
画像形成部20には、一定の間隔を置いて並列的に配置される6つの画像形成ユニット30T,30P,30Y,30M,30C,30K(以下、単に「画像形成ユニット30」と称する場合がある)が設けられている。
各画像形成ユニット30は、用紙Pに転写されるトナー像を保持する感光体31、感光体31の表面を帯電する帯電器32、感光体31上に形成された静電潜像を現像し、感光体31の表面にトナーを供給する現像器33、感光体31の表面のトナー等を除去し、廃トナーとして回収するクリーニングユニット34を備える。感光体31は、後述する回転機構60(
図2参照)により矢印A方向に回転する。なお、
図1では、帯電器32として、いわゆる非接触型方式で用いられるスコロトロンを図示しているが、いわゆる接触型方式で用いられる帯電ローラーを用いてもよい
【0011】
また、画像形成部20には、各画像形成ユニット30のそれぞれの感光体31をレーザ光で露光する露光装置26が設けられている。
なお、露光装置26による感光体31の露光は、レーザ光を用いるのに限られない。例えば、画像形成ユニット30毎に、LED(Light Emitting Diode)などの光源を設け、この光源から出射される光を用いて、感光体31の露光を行ってもよい。
【0012】
各画像形成ユニット30は、現像器33に収納されたトナーを除いて、同様に構成されている。画像形成ユニット30Y,30M,30C,30Kの各々は、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)のトナー像を形成する。
また、画像形成ユニット30T,30Pは、白トナー、コーポレートカラーに対応するトナー、点字用の発泡トナー、蛍光色トナー、光沢を向上させるトナー等を用いて、トナー像を形成する。言い換えると、画像形成ユニット30T,30Pは、特色のトナーを用いて、トナー像を形成する。
【0013】
また、画像形成部20には、各画像形成ユニット30の感光体31にて形成された各色のトナー像が転写される中間転写ベルト41が設けられている。なお、中間転写ベルト41は転写ベルトの一例である。
また、画像形成部20には、各画像形成ユニット30の各色トナー像を一次転写部P1にて中間転写ベルト41に転写させる一次転写ロール42が設けられている。
また、画像形成部20には、中間転写ベルト41上に転写されたトナー像を二次転写部P2にて用紙Pに一括転写させる二次転写ロール40が設けられている。
さらに、画像形成部20には、中間転写ベルト41表面のトナー等を除去するベルトクリーナ45、二次転写された画像を用紙P上に定着させる定着器80が設けられている。
【0014】
画像形成部20は、制御部21からの制御信号に基づき、画像形成動作を行う。
具体的には、画像形成部20では、まず、画像読取装置4やPC5から入力された画像データに対し、画像処理部22による画像処理が施され、画像処理が施された後の画像データが、露光装置26に供給される。
そして、例えば、マゼンタ(M)の画像形成ユニット30Mでは、帯電器32により感光体31の表面が帯電された後、露光装置26により、画像処理部22から得られた画像データで変調されたレーザ光が感光体31に照射され、感光体31上に静電潜像が形成される。
【0015】
形成された静電潜像は、現像器33により現像され、感光体31上にはマゼンタのトナー像が形成される。
同様に、画像形成ユニット30Y,30C,30Kにおいて、イエロー、シアン、黒のトナー像が形成され、画像形成ユニット30T,30Pにおいて、特色のトナー像が形成される。
【0016】
各画像形成ユニット30にて形成された各色トナー像は、
図1の矢印C方向に回転する中間転写ベルト41上に、一次転写ロール42により順次静電転写され、中間転写ベルト41上に重畳されたトナー像が形成される。
中間転写ベルト41上に形成された重畳トナー像は、中間転写ベルト41の移動に伴って二次転写ロール40とバックアップロール49とにより構成された二次転写部P2へ搬送される。
【0017】
一方、用紙Pは、例えば、送り出しロール15により、第1用紙収容部11から取り出され、その後、搬送経路を経由してレジストロール74の位置まで搬送される。
重畳トナー像が二次転写部P2に搬送されると、そのタイミングに合わせてレジストロール74から二次転写部P2に用紙Pが供給される。
そして、二次転写部P2にて、二次転写ロール40とバックアップロール49との間に形成された転写電界の作用により、重畳トナー像は、用紙P上に一括して静電転写される。
【0018】
その後、重畳トナー像が静電転写された用紙Pは、定着器80へ搬送される。
定着器80では、制御部21による制御によって、未定着トナー像が形成された用紙Pの加圧および加熱が行われ、用紙Pへのトナー像の定着処理が行われる。
そして、定着処理が行われた用紙Pは、排紙ユニット1Cに設けられたカール補正部81を経由した後、不図示の用紙積載部へ搬送される。
【0019】
〔制御部21により制御される各機構の説明〕
図2は、画像形成ユニット30の拡大図である。
図2を用いて、本実施の形態における回転機構60および離隔機構61について説明する。なお、回転機構60および離隔機構61は、
図1で説明した制御部21によって制御されている。
【0020】
まず、回転機構60について説明する。画像形成装置1は、感光体31を回転させる回転機構60を有している。回転機構60が感光体31を図のA方向に回転させる場合としては、
図1で説明した画像形成装置1が画像形成動作を行う場合や、感光体31の回転停止後に、予め定められた条件にて行う場合がある。予め定められた条件としては、例えば、感光体が停止してから予め定められた時間が経過したことが挙げられる。ここで予め定められた時間とは、例えばクリーニングユニット34における廃トナーからの揮発成分による感光体31の変化を抑制するために定められた時間であり、例えば、2時間等である。また、予め定められた時間の他の例としては、例えば帯電器32からの放電による感光体31の変化を抑制するために定められた時間であり、例えば、5時間等である。
【0021】
ただし、予め定められた時間は、感光体31、クリーニングユニット34、および帯電器32などの状況に応じて変わるものである。回転機構60は、クリーニングユニット34における廃トナーからの揮発成分による感光体31の変化を抑制するために、または、帯電器32からの放電による感光体31の変化を抑制するために、感光体31を回転させる。また、場合によっては、変化を抑制する両者の条件から、予め定められた時間に感光体31を回転させる。すなわち、感光体31が停止した後、予め定められた条件にて、感光体31と帯電器32との位置関係、および/または感光体31とクリーニングユニット34との位置関係を変化させる。
【0022】
なおクリーニングユニット34における廃トナーからの揮発成分による感光体31の変化を、クリーニングユニット起因欠陥と称することがある。また帯電器32からの放電による感光体31の変化を、帯電器起因欠陥と称することがある。
【0023】
回転機構60は、画像形成装置1が画像形成動作を行う場合には、感光体31をA方向に周回転させる。一方、回転機構60は、感光体31が停止してから予め定められた時間を経過した場合には、感光体31を予め定められた距離以上で回転させる。感光体31を予め定められた距離以上で回転させることにより、感光体31とクリーニングユニット34との位置関係および感光体31と帯電器32との位置関係を変化させる。予め定められた距離とは、例えば、感光体31の表面の領域のうち、クリーニングユニット34に囲まれている領域a1の弧の距離である。また、予め定められた距離とは、例えば、感光体31の表面の領域のうち、帯電器32に囲まれている領域a2の弧の距離である。つまり、回転機構60は、領域a1の弧の距離以上、または、領域a2の弧の距離以上の距離で、感光体31を回転させる。
【0024】
このとき、移動後の領域a1は、移動前の領域a1と重ならない領域に移動している。さらに、クリーニングユニット34に囲まれている領域は領域a1とは異なる領域に変化している。
また、このとき、移動後の領域a2は移動前の領域a2と重ならない領域に移動している。さらに、帯電器32に囲まれている領域は領域a2とは異なる領域に変化している。
なお、クリーニングユニット34および帯電器32と、領域a1および領域a2との位置関係を変化させるために、A方向とは逆方向に感光体31を回転させてもよい。また、感光体31を移動させるのではなく、クリーニングユニット34を移動させてもよい。
【0025】
本実施の形態では、クリーニングユニット34、帯電器32、および感光体31の種類や構造の違い、関係性の違いなどの各種状況に応じて、予め定められた時間および予め定められた距離を変化させることで、クリーニングユニット起因欠陥および/または帯電器起因欠陥を解消する。クリーニングユニット起因欠陥および帯電器起因欠陥の何れか一方を解消する場合、感光体31が停止した後、それぞれの欠陥を解消するために予め定められた条件を設定する。この予め定められた条件としては、例えば、それぞれの欠陥を解消するために定められた時間を予め定められた時間として設定し、それぞれに囲まれている領域の弧の長さの距離以上の距離を予め定められた距離として設定する。例えば、クリーニングユニット起因欠陥を解消する場合、クリーニングユニット起因欠陥を解消するために定められた時間を、予め定められた時間として設定し、クリーニングユニット34に囲まれている領域a1の弧の距離以上の距離を、予め定められた距離として設定する。また、例えば、帯電器起因欠陥を解消する場合には、帯電器起因欠陥を解消するために定められた時間を、予め定められた時間として設定し、帯電器32に囲まれている領域a2の弧の距離以上の距離を、予め定められた距離として設定する。
【0026】
クリーニングユニット起因欠陥および帯電器起因欠陥の両者の欠陥を解消する場合、予め定められた時間の設定および予め定められた距離は、それぞれの起因欠陥を抑制するために定められた時間の長短や、それぞれに囲まれている領域の弧の長さの長短を比較して、設定される。例えば、クリーニングユニット起因欠陥を抑制する時間よりも、帯電器起因欠陥を抑制する時間の方が短く、クリーニングユニット34に囲まれている領域a1の弧の長さよりも、帯電器32に囲まれている領域a2の弧の長さの方が長い場合を想定する。すなわち、
クリーニングユニット起因欠陥を抑制する時間 > 帯電器起因欠陥を抑制する時間
領域a1の弧の長さ < 領域a2の弧の長さ
の場合、クリーニングユニット起因欠陥と帯電器起因欠陥との両方を解消するために、帯電器起因欠陥を抑制するために定められた時間を予め定められた時間として設定し、帯電器32に囲まれている領域a2の弧の距離以上の距離を、予め定められた距離として設定する。
【0027】
また、例えば、クリーニングユニット起因欠陥を抑制する時間よりも、帯電器起因欠陥を抑制する時間の方が長く、クリーニングユニット34に囲まれている領域a1よりも、帯電器32に囲まれている領域a2の弧の長さの方が長い場合を想定する。すなわち
クリーニングユニット起因欠陥を抑制する時間 < 帯電器起因欠陥を抑制する時間
領域a1の弧の長さ < 領域a2の弧の長さ
の場合である。さらに、領域a1の弧の長さのn回の移動によって、移動後の領域a2が移動前の領域a2と重ならない領域に移動するとする。すなわち、領域a1の弧の長さのn回の移動によって、帯電器32に囲まれている領域a2の弧の長さを超える場合である。この場合、クリーニングユニット起因欠陥と帯電器起因欠陥との両方を解消するために、1回分の移動にかかる時間がクリーニングユニット起因欠陥を抑制するために定められた時間以下であり、かつ、n回分の移動までにかかる時間が、帯電器起因欠陥を抑制するために定められた時間以下であることを条件として、予め定められた時間を設定する。さらに、クリーニングユニット34に囲まれている領域a1の弧の距離以上の距離を条件として、予め定められた距離を設定する。
なお、領域a1の弧の長さのn回の移動を考えず、クリーニングユニット起因欠陥を抑制するために定められた時間を条件として予め定められた時間を設定し、帯電器32に囲まれている領域a2の弧の距離以上の距離を条件として予め定められた距離を設定することもできる。
【0028】
なお、感光体31と、クリーニングユニット34および/または帯電器32との関係について説明したが、感光体31と現像器33との位置関係を変化させることで、異常画像の発生を抑制させる場合がある。
より具体的には、感光体31の停止後から予め定められた時間が経過したことにより、回転機構60が感光体31を予め定められた距離で回転させることによって、感光体31と現像器33との位置関係を変化させる。この場合、予め定められた時間とは、現像器33におけるトナーからの揮発成分による感光体の変化を抑制するために定められた時間である。また、予め定められた距離とは、感光体31の表面の領域のうち、現像器33に囲まれている領域である。また、先述した予め定められた時間および予め定められた距離を設定する際に、現像器33を追加して考慮してもよい。なお、現像器33は、感光体31に接触する現像ロール33aを備えており、回転機構60が、感光体31を回転させる際には、この現像ロール33aも矢印B方向に回転させる。これにより現像器33と感光体31との摩擦を軽減することができる。
【0029】
次に、離隔機構61について説明する。画像形成装置1は、中間転写ベルト41と感光体31との接触状態を調整する離隔機構61を備えている。この離隔機構61は、例えば、一次転写ロール42を押し出して中間転写ベルト41を感光体31に接触させ、一次転写ロール42を引いて中間転写ベルト41と感光体31との接触を解除する。つまり、離隔機構61は、中間転写ベルト41を感光体31から離れる位置に移動させる。なお、離隔機構61は、モーターやソレノイド、ばね構造等を組み合わせることで構成される。
【0030】
〔各モードにおける感光体31の回転制御〕
続いて、
図3~
図5を用いて、本実施の形態における、各モードにおける感光体31の回転制御の流れについて説明する。
図3は、感光体31の回転制御を示すタイミングチャートである。ここでは、2つのモードが示されており、
図3の上段は「通常モード」における感光体31の回転制御、下段は「省電力モード」における感光体31の回転制御を示している。この
図3に示すT0~T9は、説明のための時点を示している。また、
図4は、本実施の形態における通常モードにおける感光体31の回転制御のフローチャートであり、
図5は、本実施の形態における省電力モードにおける感光体31の回転制御のフローチャートである。ここで、省電力モードは、画像形成装置1の消費電力を通常の待機時よりも抑えるモードであり、例えばタイマー機能以外の画像形成装置1への電源をOFFにした状態が挙げられる。通常モードは、例えば、通常の待機時などを含む、画像形成装置1の電源をONにした状態である。
【0031】
なお、
図3から
図5においては、クリーニングユニット起因欠陥を抑制する手段としての感光体31の回転制御について説明する。そのため、予め定められた時間Tは、クリーニングユニット起因欠陥を抑制するために定められた時間であり、予め定められた距離は、クリーニングユニット34に囲まれている領域a1である。ただし、前述したように、予め定められた時間および予め定められた距離は、クリーニングユニット34、帯電器32、および感光体31の状況に応じて設定される。なお、予め定められた時間Tは単にTと称することもある。
【0032】
〔通常モードにおける感光体31の回転制御〕
まず、異常画像の発生を抑制するための、通常モードにおける感光体31の回転制御について、
図3および
図4を用いて説明する。
初めに、
図3の上段に示す<通常モード>で説明する。まず、T0において、電源がOFFになっている画像形成装置1は、T1にて電源がONされることにより、通常モードに移行する。電源がONされることによりインターロックの検出が可能となる。このインターロックは、画像形成装置1のフロントカバー(図示せず)が閉じている状態がONである。電源がONされることにより、画像形成装置1はウォームアップ時に移行する。ウォームアップ時とは、画像形成装置1が印刷のための準備を行っている期間である。
【0033】
次に、
図3のT2において、画像形成装置1がウォームアップ時から待機時に移行する。待機時とは、例えば外部装置からの指示により画像形成装置1が画像形成を開始する前の、印刷を待機する期間である。次に、
図3のT3では、例えば外部装置からの指示により画像形成装置1における印刷が開始され、画像形成装置1は待機時から印刷時に移行する。印刷時とは画像形成装置1が印刷を行っている期間であり、この期間内にて感光体31が周回転する。次に、
図3のT4では、画像形成装置1の印刷が終了する。ここでは便宜上、画像形成装置1の印刷の終了に合わせて感光体31の周回転が停止するものとする。このT4にて、画像形成装置1は印刷時から再び待機時に移行する。このT4から、感光体31の停止時間が計測される。
【0034】
図3のT4から感光体31の停止時間が計測され、予め定められた時間Tが経過すると(
図3のT5)、感光体31が回転する。予め定められた距離だけ感光体31が回転すると、感光体31は停止する(
図3のT6)。同様に、
図3のT6から感光体31の停止時間が計測され、予め定められた時間Tが経過すると(
図3のT7)、感光体31が回転する。予め定められた距離だけ感光体31が回転すると、感光体31は停止する(
図3のT8)。このような、異常画像の発生を抑制するための感光体31の回転制御は、画像形成装置1の印刷が開始されるまでの待機時に、繰り返し行われる。例えば外部装置からの指示により画像形成装置1における印刷が開始されると(
図3のT9)、画像形成装置1は待機時から印刷時に移行する。
【0035】
次に、
図4に示すフローチャートを用いて、異常画像の発生を抑制するための、通常モードにおける感光体31の回転制御を説明する。通常モードにおける感光体31の回転制御では、感光体31の停止時間が、感光体31の停止から予め定められた時間Tを経過した場合は(S110でYES)、
図2で説明した離隔機構61により、感光体31と中間転写ベルト41との接触が解除される(S120)。感光体31の停止から予め定められた時間Tが経過していない場合は(S110でNO)、感光体31の停止時間の測定を再度行う。感光体31と中間転写ベルト41との接触が解除されると、
図2で説明した回転機構60により感光体31が領域a1以上での距離で回転する(S130)。感光体31の回転が停止すると(S140)、感光体31の停止時間が再び計測される(S150)。その後、感光体31の停止から予め定められた時間Tが経過するまでに印刷を実行しない場合(S160でNO)、S130~S150までのステップが再び実行される。そして、感光体31の停止から予め定められた時間Tが経過するまでに印刷を実行する場合(S160でYES)、
図2で説明した離隔機構61により、感光体31と中間転写ベルト41とが接触し(S170)、異常画像の発生を抑制するための、感光体31の回転制御は終了する。
【0036】
なお、感光体31と中間転写ベルト41との接触(S170)は、S150とS160との間のタイミングで行われてもよい。この場合、予め定められた時間Tが経過するまでに印刷を実行しない際(S160でNO)には、S120~S150までのステップとS170とが再び実行される。なお、予め定められた時間Tが経過するまでに印刷を実行する際(S160でYES)には、既に感光体31と中間転写ベルト41との接触が行われているため、そのまま感光体31の回転制御が終了する。
【0037】
また、異常画像の発生を抑制するための感光体31の回転制御にて、感光体31の回転速度は、印刷時と同等か、または任意とすることができるが、印刷時に行われる感光体31の回転速度よりも遅くすることもできる。印刷時に行われる感光体31の回転速度よりも遅くすることで、感光体31の回転速度を速くすることによる弊害を抑制する。例えば、印刷時に比べ、異常画像の発生を抑制するための回転制御の実施時では1/6の速度とする。
【0038】
このように、異常画像の発生を抑制するための感光体31の回転制御は、予め定められた条件にて、クリーニングユニット34と感光体31との位置関係、または帯電器32と感光体31との位置関係を変化させる。ゆえに、感光体31の回転制御は、感光体31が停止した後の、感光体31の表面にある残留電位の上昇、または帯電器32の放電生成物が感光体31の表面に付着することによる電気抵抗の低下を抑制する抑制手段の一つとして機能する。
【0039】
〔省電力モードにおける感光体31の回転制御〕
続いて、異常画像の発生を抑制するための、省電力モードにおける感光体31の回転制御について、
図3の下段に示す<省電力モード>で説明する。
まず、T0において、電源がOFFになっている画像形成装置1は、T1にて電源がONされる。電源がONされることにより、画像形成装置1はウォームアップ時に移行する。ウォームアップ時とは、画像形成装置1が印刷のための準備を行っている期間である。
【0040】
次に、
図3のT2において、画像形成装置1がウォームアップ時から待機時に移行する。
図3のT3では、例えば外部装置からの指示により画像形成装置1における印刷が開始され、画像形成装置1は待機時から印刷時に移行する。
図3のT4では、画像形成装置1の印刷が終了する。このT4にて、画像形成装置1は印刷時から再び待機時に移行する。このT4から、感光体31の停止時間が計測される。
【0041】
次に、省電力モードがONになると、画像形成装置1が省電力モードに移行する(
図3のT4')。省電力モードは、例えば、
図1に示すUI23からのユーザの選択などでONとなる。省電力モードへの移行に伴い、画像形成装置1の電源がタイマー機能を除いてOFFになる。そして、
図3のT4から感光体31の停止時間が計測され、予め定められた時間Tが経過すると(
図3のT5)、電源がONになり、感光体31が回転する。予め定められた距離だけ感光体31が回転すると、感光体31は停止し、電源がOFFになる(
図3のT6)。同様に、
図3のT6から感光体31の停止時間が計測され、予め定められた時間Tが経過すると(
図3のT7)、電源がONになり、感光体31が回転する。予め定められた距離だけ感光体31が回転すると、感光体31は停止し、電源がOFFになる(
図3のT8)。このような、異常画像の発生を抑制するための感光体31の回転制御は、画像形成装置1の省電力モードが解除されるまで、繰り返し行われる。省電力モードは、印刷の開始により解除されるが、例えば、
図1に示すUI23からのユーザの選択などでOFFとすることができる。ここでは、画像形成装置1の省電力モードが解除され(
図3のT8')た後、印刷指示を受けて、画像形成装置1における印刷が開始される(
図3のT9)。
【0042】
次に、
図5に示すフローチャートを用いて、異常画像の発生を抑制するための、省電力モードにおける感光体31の回転制御を説明する。まず、省電力モードがONになる(S210)と、画像形成装置1の電源がタイマー機能を除いてOFFになる(S220)。そして、感光体31の停止時間が、感光体31の停止から予め定められた時間Tを経過した場合は(S230でYES)、画像形成装置1の電源がONになる(S240)。感光体31の停止から予め定められた時間Tが経過していない場合は(S230でNO)、感光体31の停止時間の測定を再度行う。画像形成装置1の電源がONになった後は、制御部による感光体31の回転動作を行う(S250)。具体的には、
図4で示したS120~S150のステップを行う。なおS120~S150のステップの後にS170のステップを行ってもよい。
【0043】
そして、制御部による感光体31の回転動作が終了すると、画像形成装置1のタイマー機能を除く電源がOFFになる(
図5のS260)。次に、感光体31の停止から予め定められた時間Tが経過するまでに、省電力モードが解除されない場合(S270でNO)、
図5のS240~S260のステップが再び実行される。次に、感光体31の停止から予め定められた時間Tが経過するまでに省電力モードが解除された場合(S270でYES)、省電力モードがOFFになる(S280)。そして、省電力モードがOFFになることに伴い、画像形成装置1の電源がONになる(S290)。このとき、感光体31の停止時間の計測は継続している。
【0044】
次に、感光体31の停止から予め定められた時間Tが経過するまでに印刷を実行する(S300でYES)と、
図2で説明した離隔機構61により、感光体31と中間転写ベルト41とが接触し(S310)異常画像の発生を抑制するための、感光体31の回転制御が終了する。なお、省電力モードを解除したものの、予め定められた時間Tが経過するまでに印刷を実行しない場合は(S300でNO)、異常画像の発生を抑制するための通常モードの感光体31の回転制御が行われる。具体的には、
図4のS120~S170のステップが行われる。
【0045】
このように、本実施の形態では、感光体31を予め定められた時間Tの経過後に回転させていたが、予め定められた時間Tに限らず感光体31を徐々に回転させてもよい。例えば、短い時間間隔で、少しずつ感光体31を回転させる態様がある。この短い時間間隔で、少しずつ動かす距離の総和が、上述したクリーニングユニット起因欠陥や帯電器起因欠陥を抑制する「予め定められた条件」を満たすように設計される。
【0046】
<付記>
(((1)))
用紙に転写されるトナー像を保持する感光体と、
前記感光体の表面を帯電する帯電器と、
前記感光体の表面にトナーを供給する現像器と、
前記感光体に付着したトナーを回収するクリーニングユニットと、
前記感光体が停止した後、予め定められた条件にて、当該感光体と前記帯電器との位置関係、および/または当該感光体と前記クリーニングユニットとの位置関係を変化させる手段と、
を備える画像形成装置。
(((2)))
前記位置関係を変化させる手段は、前記感光体が停止してから予め定められた時間が経過したことを条件として当該感光体を予め定められた距離で移動させることを特徴とする(((1)))記載の画像形成装置。
(((3)))
前記位置関係を変化させる手段は、前記感光体を印刷時よりも遅い速度で回転させることを特徴とする(((1)))または(((2)))記載の画像形成装置。
(((4)))
前記位置関係を変化させる手段は、前記感光体を回転させると共に前記現像器も回転させることを特徴とする(((1)))乃至(((3)))記載の画像形成装置。
(((5)))
前記感光体に保持されるトナー像が転写される転写ベルトをさらに備え、
前記感光体を前記予め定められた距離で移動させる際には、前記転写ベルトを当該感光体から離れる位置に移動させることを特徴とする(((1)))乃至(((4)))記載の画像形成装置。
(((6)))
前記位置関係を変化させる手段は、前記感光体が停止した後に消費電力を抑えるモードに移行し、予め定められた条件にて当該感光体と前記帯電器との位置関係および/または前記クリーニングユニットと当該感光体との位置関係を変化させることを特徴とする(((1)))記載の画像形成装置。
(((7)))
前記予め定められた条件は、前記帯電器からの放電による前記感光体の変化、および/または前記クリーニングユニットにおける廃トナーからの揮発成分による前記感光体の変化、を抑制するために定められた条件であることを特徴とする(((6)))記載の画像形成装置。
(((8)))
用紙に転写されるトナー像を保持する感光体と、
前記感光体の表面を帯電する帯電器と、
前記感光体の表面にトナーを供給する現像器と、
前記感光体に付着したトナーを回収するクリーニングユニットと、
前記感光体が停止した後の、当該感光体の表面にある残留電位の上昇、または前記帯電器の放電生成物が当該感光体の表面に付着することによる電気抵抗の低下、を抑制する抑制手段と、
を備えたことを特徴とする画像形成装置。
(((9)))
前記抑制手段は、前記感光体が停止した後、当該感光体を予め定められた条件にて回転させることを特徴とする(((8)))の画像形成装置。
(((10)))
前記予め定められた条件は、前記感光体を徐々に回転させることであることを特徴とする(((9)))記載の画像形成装置。
【0047】
(((1)))に係る画像形成装置によれば、印刷が開始されるまでに感光体と帯電器および/またはクリーニングユニットとの位置関係が変化しない場合に比べて、異常画像の発生を抑制することができる。
(((2)))に係る画像形成装置によれば、異常画像の発生を抑制できる条件下で、位置関係を変化させることができる。
(((3)))に係る画像形成装置によれば、感光体を印刷時よりも遅い速度で回転させない場合と比べて、感光体を動かす距離を正確に制御できる。
(((4)))に係る画像形成装置によれば、現像器を回転させない場合と比べて、感光体と現像器との摩擦によって生じる感光体の傷を抑制することができる。
(((5)))に係る画像形成装置によれば、感光体と転写ベルトとの摩擦によって生じる感光体の傷を抑制することができる。
(((6)))に係る画像形成装置によれば、消費電力を抑制しつつ、異常画像の発生を抑制することができる。
(((7)))に係る画像形成装置によれば、感光体と帯電器および/またはクリーニングユニットとの間に生じる事象に起因する異常画像の発生を抑制することができる。
(((8)))に係る画像形成装置によれば、感光体と帯電器および/またはクリーニングユニットとの間に生じる事象に起因する異常画像の発生を抑制した画像形成装置を提供することができる。
(((9)))、(((10)))に係る画像形成装置によれば、抑制手段による抑制効果を簡易に得ることができる。
【符号の説明】
【0048】
32…帯電器、34…クリーニングユニット、41…中間転写ベルト、60…回転機構、61…離隔機構