(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025010168
(43)【公開日】2025-01-20
(54)【発明の名称】送信機会を使用する許可を回復する方法および関連装置
(51)【国際特許分類】
H04W 72/1263 20230101AFI20250109BHJP
H04W 84/12 20090101ALI20250109BHJP
H04W 72/0446 20230101ALI20250109BHJP
【FI】
H04W72/1263
H04W84/12
H04W72/0446
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024180710
(22)【出願日】2024-10-16
(62)【分割の表示】P 2023521035の分割
【原出願日】2021-12-16
(31)【優先権主張番号】202110056633.4
(32)【優先日】2021-01-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202110437428.2
(32)【優先日】2021-04-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】503433420
【氏名又は名称】華為技術有限公司
【氏名又は名称原語表記】HUAWEI TECHNOLOGIES CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】Huawei Administration Building, Bantian, Longgang District, Shenzhen, Guangdong 518129, P.R. China
(74)【代理人】
【識別番号】110004381
【氏名又は名称】弁理士法人ITOH
(72)【発明者】
【氏名】ヤン,マオ
(72)【発明者】
【氏名】リ,ボ
(72)【発明者】
【氏名】リ,ユンボ
(72)【発明者】
【氏名】ガン,ミン
(57)【要約】
【課題】本願は、無線通信の分野に関するものであり、特に、送信機会を使用する許可を回復する方法および関連する装置に関するものである。
【解決手段】この方法は、下記を含む:第1のデバイスが第2のデバイスから第1のフレームを受信する。第1のデバイスは、第1のフレームに基づいて送信機会TXOPを使用する許可を回復する。第1のフレームは、第2のデバイスが第1の時間資源を使用することを停止したことを示す。第1の時間資源は、第1のデバイスによって、シングルユーザー・トリガー・フレームを使用することによって、取得されたTXOPから第2のデバイスに割り当てられる。本願の実施形態によると、第1のフレームは、第2のデバイスが割り当てられた時間資源(第1の時間資源)の使用を停止したことを示すことができ、そのため、第1のデバイスは、第1のフレームの指示に基づいて、事前に、TXOPを使用する許可を撤回/回復する。これにより、チャネル資源の使用率とTXOPを使用する許可の回復の信頼性を改善できる。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
送信機会を使用する許可を回復する方法であって:
第2のデバイスによって、トリガー・フレームを第1のデバイスから受信する段階であって、前記トリガー・フレームは、時間資源が、前記第1のデバイスによって、取得された送信機会(TXOP)から前記第2のデバイスに割り当てられることを示す、段階と;
前記第2のデバイスによって、サービス品質(QoS)データ・フレームを決定する段階であって、前記QoSデータ・フレームは、A制御フィールドを含み、前記A制御フィールドは、前記A制御フィールドがコマンドおよびステータス(CAS)制御フィールドであることを示す制御識別子と、前記第2のデバイスが前記時間資源を使用することを停止したことを示す逆承認(RDG)/さらなるPPDUサブフィールドとを含む、段階と;
前記第2のデバイスによって、前記QoSデータ・フレームを前記第1のデバイスに送信する段階とを含む、
方法。
【請求項2】
前記時間資源は、上りリンクの物理層プロトコル・データ単位(PPDU)の伝送のために使用されるか、またはポイントツーポイント(P2P)通信のために使用され、前記トリガー・フレームは第1のフィールドおよび第2のフィールドを含み、前記第1のフィールドは前記TXOPの残り時間資源を示し、前記第2のフィールドは前記第2のデバイスに割り当てられた前記時間資源を示す、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記QoSデータ・フレームの終了時点が前記時間資源の終了時点よりも遅く、かつ前記QoSデータ・フレームの開始時点が前記時間資源の前記終了時点よりも早い場合、前記第2のデバイスは前記QoSデータ・フレームを前記第1のデバイスに送信することを許容される、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
送信機会を使用する許可を回復する装置であって、当該装置は第2のデバイスであり:
トリガー・フレームを第1のデバイスから受信するように構成されたトランシーバ・ユニットであって、前記トリガー・フレームは、時間資源が、前記第1のデバイスによって、取得された送信機会(TXOP)から前記第2のデバイスに割り当てられることを示す、トランシーバ・ユニットと;
サービス品質(QoS)データ・フレームを決定するように構成された処理ユニットとを有しており、前記QoSデータ・フレームは、A制御フィールドを含み、前記A制御フィールドは、前記A制御フィールドがコマンドおよびステータス(CAS)制御フィールドであることを示す制御識別子と、前記第2のデバイスが前記時間資源を使用することを停止したことを示す逆承認(RDG)/さらなるPPDUサブフィールドとを含み;
前記トランシーバ・ユニットはさらに、前記QoSデータ・フレームを前記第1のデバイスに送信するように構成されている、
装置。
【請求項5】
プロセッサとメモリを有する通信装置であって、
前記メモリはコンピュータ命令を記憶するように構成されており;
前記プロセッサは、前記メモリに記憶された前記コンピュータ命令を実行して、当該装置が、請求項1ないし3のうちいずれか一項に記載の方法を実行できるようにする、
通信装置。
【請求項6】
コンピュータ可読記憶媒体であって、当該コンピュータ可読記憶媒体は、プログラム命令を記憶しており、前記プログラム命令がコンピュータ上で実行されると、前記コンピュータが請求項1ないし3のうちいずれか一項に記載の方法を実行することができるようにされる、コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項7】
プログラム命令を含むコンピュータ・プログラム・プロダクトであって、前記プログラム命令がコンピュータ上で実行されると、前記コンピュータが請求項1ないし3のうちいずれか一項に記載の方法を実行できるようにされる、コンピュータ・プログラム・プロダクト。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2021年1月15日に中国国家知的所有権庁に出願された「送信機会を使用する許可を回復する方法および関連装置」と題された中国特許出願第202110056633.4号、および2021年4月22日に中国国家知的所有権庁に出願された「送信機会を使用する許可を回復する方法および関連装置」と題された中国特許出願第202110437428.2号に対する優先権を主張しており、これらはいずれも全文が参照により本明細書に組み込まれている。
【0002】
技術分野
本願は、無線通信技術の分野、特に送信機会を使用する許可を回復する方法および関連装置に関する。
【背景技術】
【0003】
802.11プロトコルスイートは、米国電気電子学会(institute of electrical and electronics engineers、IEEE)によって無線ローカルエリアネットワーク(wireless local area network、WLAN)のために定義された通信規格である。IEEE802.11a/b/gから始まってIEEE802.11nおよびIEEE802.11acまであり、IEEE802.11axおよびIEEE802.11beが開発中である。
【0004】
一般に、IEEE802.11規格における物理層(physical layer、PHY)フレームは、物理層プロトコル・データ単位(PHY protocol data unit、PPDU)とも呼ばれる。IEEE802.11 ax規格は、高効率シングルユーザーPPDU(high efficiency single-user PPDU、HE SU PPDU)、高効率マルチユーザーPPDU(high efficiency multi-user PPDU、HE MU PPDU)、高効率トリガー・ベースPPDU(high efficiency trigger based PPDU、HE TB PPDU)、高効率拡張範囲PPDU(high efficiency extended range PPDU、HE ER PPDU)の4つのフレーム構造を提案している。IEEE802.11ax規格では、HE SU PPDUは、ステーション(station、STA)が別のSTAにデータを送信するシナリオに適用され、上りリンク伝送および下りリンク伝送に適用されうる。HE TB PPDUは、アクセスポイント(access point、AP)がトリガー・フレーム(Trigger Frame、TF)を送信して、非AP STAを上りリンク伝送のためにスケジュールするシナリオに適用される。
【0005】
現在のIEEE802.11ax規格では、トリガー・フレームはHE TB PPDUだけをトリガーでき、HE SU PPDUはトリガーできない。しかしながら、APは通例、より強力なチャネル・アクセス機能をもつため、次世代のIEEE802.11be規格は、APによってトリガーされるSU PPDUをサポートする必要がある。そのため、APによってトリガーされるSU PPDUを実装するために、APはシングルユーザー・トリガー・フレームを送信して、送信機会(transmission opportunity、TXOP)における残りの時間資源の一部または全部を、関連付けられたSTA(説明を簡単にするため、以下では略して指定STAと呼ばれる)に割り当ててもよい。それにより、指定STAは割り当てられた時間資源において別のSTAまたはAPと通信できる。しかしながら、APによって指定STAに割り当てられた時間資源の継続時間が長く、指定STAが前記時間資源をある時間期間にわたって使用した後に必要な送信を完了した場合(つまり、割り当てられた時間資源に残りの継続時間がある)、または前記時間資源をある時間期間にわたって使用した後に、指定STAが残りの継続時間が完全なSU PPDUを送信するには不十分であることを見出す場合、残りの継続時間はチャネル資源の無駄の原因となり、別のステーションに、競合を通じてチャネルを使用する許可を得ることを許容しうる。しかしながら、前記APは前記TXOPを使用する許可を回復できない。そのため、チャネル使用率とTXOP回復の信頼性をどのように改善するかが、現在解決されるべき緊急の課題となる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本願の実施形態は、チャネル資源使用率およびTXOPを使用する許可の回復の信頼性を向上させるよう、送信機会を使用する許可を回復する方法および関連装置を提供する。
【0007】
以下は、異なる側面から本願について説明する。異なる側面の以下の実装および有益な効果に対して相互参照ができることを理解しておくべきである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
第1の側面によれば、本願は、送信機会を使用する許可を回復する方法を提供する。この方法は下記を含む:第1のデバイスが第2のデバイスから第1のフレームを受信する。第1のデバイスは、第1のフレームに基づいてTXOPを使用する許可を回復する。第1のフレームは、第2のデバイスが第1の時間資源を使用することを停止したことを示す。第1の時間資源は、第1のデバイスによって、シングルユーザー・トリガー・フレームを使用することによって、取得された送信機会TXOPから第2のデバイスに割り当てられる。つまり、第2のデバイスは、第1のデバイスに第1のフレームを送信することによって、TXOPを使用する許可を返してもよい。第1のデバイスはAPであってもよく、第2のデバイスはSTAであってもよく、あるいは第2のデバイスは別のAPであってもよい。
【0009】
本願のこの実施形態では、第1のフレームは、第2のデバイスが割り当てられた時間資源(第1の時間資源)の使用を停止したことを示してもよく、よって、第1のデバイスは、第2のデバイスから受信された第1のフレームに基づいて、事前にTXOPを使用する許可を撤回/回復してもよい。そのため、チャネル資源の使用率が改善される。また、第1のフレームを送信することによってTXOPを使用する許可を返すこの態様では、第1の時間資源に含まれる残り継続時間において、競合を通じて、他のステーションがチャネルを使用する許可を取得できなくてもよい。そのため、TXOPを使用する許可の回復の信頼性が向上する。
【0010】
第1の側面に関して、ある実現可能な実装では、第1の時間資源は、上りリンクのシングルユーザー物理層プロトコル・データ単位PPDUの伝送のために使用されるか、またはポイントツーポイントP2P通信のために使用され、シングルユーザー・トリガー・フレームは第1のフィールドと第2のフィールドを含む。第1のフィールドはTXOPの残り時間資源を示し、第2のフィールドは第1の時間資源を示す。つまり、本願のこの実施形態は、APによってトリガーされるSU PPDUシナリオに適用可能である。したがって、トリガー・ベースのSU PPDUシナリオにおけるチャネル資源使用率とTXOP回復信頼性が改善できる。
【0011】
第1の側面に関して、ある実現可能な実装では、第1のフレームは第1の指示情報を担持する。第1の指示情報は、第2のデバイスが第1の時間資源を使用することを停止したことを示す。具体的には、第1のデバイスは第1のフレームにおいて担持される第1の指示情報をパースし、第1のデバイスは第1の指示情報に基づいて事前にTXOPを使用する許可を撤回/回復する。これにより、チャネル資源使用率を改善できる。
【0012】
第1の側面に関して、ある実現可能な実装では、第1のフレームはさらに第2の指示情報を担持する。第2の指示情報は、第2のデバイスがデータ送信のために時間資源をさらに必要とするかどうかを示す。
【0013】
本願のこの実施形態では、第1のデバイスは、第1のフレームおいて担持される第1の指示情報および第2の指示情報をパースし、それにより、第1のデバイスはTXOPを使用する許可を事前に撤回/回復でき、第2のデバイスが時間資源割り当て要求をさらにもつかどうかを知ることができる。たとえば、第1のデバイスによって第2のデバイスに割り当てられた時間資源(すなわち、第1の時間資源)の継続時間が短い場合、第2のデバイスが前記時間資源をある時間期間にわたって使用した後に必要な送信を完了していないが、第1の時間資源の残りの継続時間が完全なSU PPDUを送信するには不十分であることを見出す場合、第1の指示情報および第2の指示情報を担持する第1のフレームを使用することによって、第1のデバイスは事前にTXOPの使用許可を撤回/回復し、残りの継続時間の無駄を防ぐことができる。さらに、第2のデバイスは時間資源を求めて第1のデバイスに再申請することができ、時間資源を申請するために使用される信号伝達オーバーヘッドを削減することができる。
【0014】
第1の側面に関して、ある実現可能な実装では、第1のフレーム内のA制御フィールドが第1の指示情報を含む、または第1のフレーム内のA制御フィールドが第1の指示情報および第2の指示情報を含む。つまり、本願では、既存のタイプのフレーム(たとえば、QoSデータ・フレームまたはQoSヌル・データ・フレーム)に含まれるA制御フィールドの意味が、第2のデバイスが第1の時間資源を使用することを停止したことを示すよう、向上/修正される。これは、解決策を実装することの複雑さを軽減できる。
【0015】
第1の側面に関して、ある実現可能な実装では、A制御フィールドの制御識別子は第1の値である。第1の値は、A制御フィールドが第1の指示情報を含むことを示す。つまり、本願のこの実施形態では、新しいA制御フィールドは、第2のデバイスが第1の時間資源を使用することを停止したことを示すように設計されている。これは、解決策を実装することの多様性を改善できる。
【0016】
第1の側面に関し、ある実現可能な実装では、A制御フィールドの制御識別子は第2の値である。第2の値は、A制御フィールドがコマンドおよびステータス(command and status)CAS制御フィールドであることを示す。第1の指示情報はCAS制御フィールド内の逆承認RDGサブフィールドにおいて担持され、第2の指示情報はCAS制御フィールド内の第4ビットないし第8ビットにおける少なくとも1ビットにおいて担持される。
【0017】
本願のこの実施形態では、既存のA制御フィールド(すなわち、CAS制御フィールド)が、第2のデバイスが第1の時間資源を使用することを停止したことを示すか、または第2のデバイスが第1の時間資源を使用することを停止したことを示し、かつ、第2のデバイスがデータ送信のためにさらに時間資源を必要とするかどうかを示すよう、向上される。これは、解決策を実装することの複雑さをさらに簡略化できる。
【0018】
第1の側面に関して、ある実現可能な実装では、第1のフレームにおけるフレーム・タイプ・フィールドが、第1のフレームが制御フレームであることを示し、第1のフレームにおけるフレーム・サブタイプ・フィールドが、第1のフレームが時間資源返却フレームであることを示す。時間資源返却フレームは、第2のデバイスが第1の時間資源を使用することを停止したことを示す。つまり、本願のこの実施形態では、第2のデバイスが、TXOPを使用する許可を返すことを特に示すように、新しいタイプのフレームが設計される。これは、解決策を実装することの柔軟性および多様性を改善できる。
【0019】
第2の側面によれば、本願は、送信機会を使用する許可を回復する方法を提供する。この方法には、下記を含む:第2のデバイスが第1のフレームを決定し、第2のデバイスが第1のデバイスに第1のフレームを送信する。第1のフレームは、第2のデバイスが第1の時間資源を使用することを停止したことを示す。第1の時間資源は、第1のデバイスによって、シングルユーザー・トリガー・フレームを使用することによって、取得された送信機会TXOPから第2のデバイスに割り当てられる。
【0020】
第2の側面に関して、ある実現可能な実装では、第1の時間資源は、上りリンクのシングルユーザー物理層プロトコル・データ単位PPDUの伝送のために使用されるか、またはポイントツーポイントP2P通信のために使用され、シングルユーザー・トリガー・フレームは第1のフィールドと第2のフィールドを含む。第1のフィールドはTXOPの残り時間資源を示し、第2のフィールドは第1の時間資源を示す。
【0021】
第2の側面に関し、ある実現可能な実装では、第1のフレームは第1の指示情報を担持する。第1の指示情報は、第2のデバイスが第1の時間資源を使用することを停止したことを示す。
【0022】
第2の側面に関し、ある実現可能な実装では、第1のフレームはさらに第2の指示情報を担持する。第2の指示情報は、第2のデバイスがデータ送信のために時間資源をさらに必要とするかどうかを示す。
【0023】
第2の側面に関し、ある実現可能な実装では、第1のフレーム内のA制御フィールドが第1の指示情報を含む、または第1のフレーム内のA制御フィールドが第1の指示情報および第2の指示情報を含む。
【0024】
第2の側面に関し、ある実現可能な実装では、A制御フィールドの制御識別子が第1の値である。第1の値は、A制御フィールドが第1の指示情報を含むことを示す。
【0025】
第2の側面に関し、ある実現可能な実装では、A制御フィールドの制御識別子が第2の値である。第2の値は、A制御フィールドがコマンドおよびステータスCAS制御フィールドであることを示す。
【0026】
第1の指示情報は、CAS制御フィールド内の逆承認RDGサブフィールドにおいて担持される。
【0027】
あるいはまた、第1の指示情報はCAS制御フィールド内のRDGサブフィールドにおいて担持され、第2の指示情報はCAS制御フィールド内の第4ビットないし第8ビットにおける少なくとも1ビットにおいて担持される。
【0028】
第2の側面に関し、ある実現可能な実装では、第1のフレーム内のフレーム・タイプ・フィールドが、第1のフレームが制御フレームであることを示し、第1のフレーム内のフレーム・サブタイプ・フィールドが、第1のフレームが時間資源返却フレームであることを示す。時間資源返却フレームは、第2のデバイスが第1の時間資源を使用することを停止したことを示す。
【0029】
第2の側面に関し、ある実現可能な実装では、第1のフレームがサービス品質(quality of service)QoSヌル・データ・フレームである場合、または第1のフレームが時間資源返却フレームである場合、第1のフレームの終了時点が第1の時間資源の終了時点よりも後であり、第1のフレームの開始時点が第1の時間資源の終了時点よりも早い場合、第2のデバイスは第1のフレームを第1のデバイスに送信することが許される。
【0030】
本願のこの実施形態では、第1のフレームがサービス品質QoSヌル・データ・フレームである場合、または第1のフレームが特に返却を示す新しいタイプのフレームである場合、第1のフレームは第1の時間資源の終了時点の後に送信することが許される。このように、第1の時間資源において競合を通じて他のステーションがチャネルを使用する許可を取得できないことがあり、TXOPを使用する許可を回復することの信頼性が改善される。
【0031】
第3の側面によれば、本願は送信機会を使用する許可を回復する方法を提供する。この方法には、下記を含む:第1のデバイスが第2のフレームを受信する。第2のフレームの伝送終了時点と第1の時間資源の終了時点の間の継続時間が事前設定された継続時間Tよりも短い場合、第1のデバイスは送信機会TXOPを使用する許可を回復する。第2のフレームの宛先アドレスは、第2のデバイスのアドレスである。あるいはまた、第2のフレームの送信者アドレスは第2のデバイスのアドレスであり、第2のフレームは応答フレームを要求しないフレームである。第1の時間資源は、第1のデバイスによって、取得されたTXOPから第2のデバイスに割り当てられる。つまり、第1のデバイスは、時間閾値(すなわち、事前設定された持続時間T)と、第2のフレーム受信の終了時点と第1の時間資源の終了時点との間の継続時間T'との間の値関係を判別して、TXOPを使用する許可を事前に回復するかどうかを決定してもよい。この解決策では、時間閾値Tが設定される。T'がTより小さい場合にも、チャネル資源の使用率を改善するために、TXOPを使用する許可が事前に回復されうる。
【0032】
第3の側面に関し、ある実現可能な実装では、第2のフレームの終了時点と第1の時間資源の終了時点の間の継続時間がTより大きい場合、第1のデバイスは第2のデバイスから第1のフレームを受信する。第1のフレームは、第2のデバイスが第1の時間資源を使用することを停止したことを示す。
【0033】
本願のこの実施形態では、T'がTより大きい場合、第1のフレームは、第2のデバイスが割り当てられた時間資源(第1の時間資源)の使用を停止したことを示してもよく、そのため、第1のデバイスは、第2のデバイスから受信された第1のフレームに基づいて、事前に、TXOPを使用する許可を撤回/回復できる。そのため、チャネル資源の使用率が改善される。また、第1の時間資源に含まれる残り継続時間において競合を通じて、他のステーションがチャネルを使用する許可を取得できなくてもよく、そのため、TXOPを使用する許可を回復することの信頼性が改善される。
【0034】
第3の側面に関し、ある実現可能な実装では、第1の時間資源は上りリンクのシングルユーザー物理層プロトコル・データ単位PPDUの伝送のために使用されるか、またはポイントツーポイントP2P通信のために使用され、シングルユーザー・トリガー・フレームは第1のフィールドおよび第2のフィールドを含む。第1のフィールドはTXOPの残り時間資源を示し、第2のフィールドは第1の時間資源を示す。つまり、本願のこの実施形態は、APによってトリガーされるSU PPDUシナリオに適用可能である。したがって、トリガー・ベースのSU PPDUシナリオにおけるチャネル資源使用率とTXOP回復信頼性が改善できる。
【0035】
第3の側面に関し、ある実現可能な実装では、第1のフレームが第1の指示情報を担持する。第1の指示情報は、第2のデバイスが第1の時間資源を使用することを停止したことを示す。具体的には、第1のデバイスは第1のフレームにおいて担持される第1の指示情報をパースし、第1のデバイスは第1の指示情報に基づいて事前に、TXOPを使用する許可を撤回/回復する。これは、チャネル資源使用率を改善できる。
【0036】
第3の側面に関し、ある実現可能な実装では、第1のフレームはさらに第2の指示情報を担持する。第2の指示情報は、第2のデバイスがデータ伝送のために時間資源をさらに必要とするかどうかを示す。
【0037】
本願のこの実施形態では、第1のデバイスは、第1のフレームにおいて担持される第1の指示情報および第2の指示情報をパースし、それにより、第1のデバイスは事前に、TXOPを使用する許可を撤回/回復することができ、さらに、第2のデバイスが時間資源割り当て要求をさらにもっているかどうかを知ることができる。たとえば、第1のデバイスによって第2のデバイスに割り当てられた時間資源(すなわち、第1の時間資源)の継続時間が短い場合、第2のデバイスが前記時間資源をある時間期間にわたって使用した後に、必要な送信を完了していないが、第1の時間資源の残りの継続時間が完全なSU PPDUを送信するには不十分であることを見出す場合、第1の指示情報および第2の指示情報を担持する第1のフレームを使用することによって、第1のデバイスは事前に、TXOPを使用する許可を撤回/回復し、残りの継続時間の無駄を防ぐことができる。さらに、第2のデバイスは時間資源を求めて第1のデバイスに再申請してもよく、時間資源を申請するために使用される信号伝達のオーバーヘッドを削減できる。
【0038】
第3の側面に関し、ある実現可能な実装では、第1のフレーム内のA制御フィールドが第1の指示情報を含む、または第1のフレーム内のA制御フィールドが第1の指示情報および第2の指示情報を含む。つまり、本願では、既存のタイプのフレーム(たとえば、QoSデータ・フレームまたはQoSヌル・データ・フレーム)に含まれるA制御フィールドの意味が、第2のデバイスが第1の時間資源を使用することを停止したことを示すよう、向上/修正される。これは、解決策を実装することの複雑さを軽減できる。
【0039】
第3の側面に関し、ある実現可能な実装では、A制御フィールドの制御識別子は第1の値である。第1の値は、A制御フィールドが第1の指示情報を含むことを示す。つまり、本願のこの実施形態では、第2のデバイスが第1の時間資源を使用することを停止したことを示すよう、新しいA制御フィールドが設計される。これは、解決策を実装することの多様性を改善できる。
【0040】
第3の側面に関し、ある実現可能な実装では、A制御フィールドの制御識別子は第2の値である。第2の値は、A制御フィールドがコマンドおよびステータスCAS制御フィールドであることを示す。第1の指示情報は、CAS制御フィールド内の逆承認RDGサブフィールドにおいて担持される。あるいはまた、第1の指示情報はCAS制御フィールド内のRDGサブフィールドにおいて担持され、第2の指示情報はCAS制御フィールド内の第4ビットないし第8ビットにおける少なくとも1ビットにおいて担持される。
【0041】
本願のこの実施形態では、既存のA制御フィールド(すなわち、CAS制御フィールド)が向上され、第2のデバイスが第1の時間資源を使用することを停止したことを示すか、または第2のデバイスが第1の時間資源を使用することを停止したことを示し、第2のデバイスがデータ送信のためにさらに時間資源を必要とするかどうかを示す。これは、解決策を実装することの複雑さをさらに簡略化できる。
【0042】
第3の側面に関し、ある実現可能な実装では、第1のフレーム内のフレーム・タイプ・フィールドが、第1のフレームが制御フレームであることを示し、第1のフレーム内のフレーム・サブタイプ・フィールドが、第1のフレームが時間資源返却フレームであることを示す。時間資源返却フレームは、第2のデバイスが第1の時間資源を使用することを停止したことを示す。つまり、本願のこの実施形態では、TXOPを使用する許可を返すことを第2のデバイスが特に示すために、新しいタイプのフレームが設計される。これは、解決策を実装することの柔軟性および多様性を改善できる。
【0043】
第4の側面によれば、本願は、送信機会を使用する許可を回復する方法を提供する。この方法は、下記を含む:第2のデバイスが第2のフレームを受信または送信する。第2のフレームは、応答フレームを要求しないフレームである。第2のフレームの終了時点と第1の時間資源の終了時点の間の継続時間が、事前設定された継続時間Tよりも短い場合、第2のデバイスはそれ以上PPDUを送信しない。
【0044】
具体的には、第2のデバイスが、第1の時間資源における任意の時点において、確認応答フレーム(すなわち、第2のフレーム)を受信するか、または第1の時間資源における任意の時点において、応答フレームを要求しないフレーム(すなわち、第2のフレーム)を送信するとき、第2のフレームの終了時点と第1の時間資源の終了時点の間の継続時間T'がTよりも短いと判定される場合、第2のデバイスはデフォルトで、第1のデバイスがTXOPの使用を回復すると見なす。つまり、第2のデバイスは、第1の時間資源の残りの継続時間においてSU PPDUを送信することをもはや許容されず、第2のデバイスによるSU PPDUの送信の失敗を防ぐ。
【0045】
第4の側面に関し、ある実現可能な実装では、第2のフレームの終了時点と第1の時間資源の終了時点の間の継続時間が、事前設定された継続時間Tよりも大きい場合、第2のデバイスは第1のデバイスに第1のフレームを送信する。第1のフレームは、第2のデバイスが第1の時間資源を使用することを停止したことを示す。第1の時間資源は、第1のデバイスによって、取得されたTXOPから第2のデバイスに割り当てられる。
【0046】
つまり、T'がTより大きい場合、第1のフレームは、第2のデバイスが割り当てられた時間資源(第1の時間資源)を使用することを停止したことを示してもよい。そのため、第1のデバイスは、第2のデバイスから受信された第1のフレームに基づいて、事前に、TXOPを使用する許可を撤回/回復できる。したがって、チャネル資源の使用率が改善される。また、第1の時間資源に含まれる残りの継続時間において競合を通じて、他のステーションがチャネルを使用する許可を取得できなくてもよいため、TXOPを使用する許可を回復することの信頼性が改善される。
【0047】
第4の側面に関し、ある実現可能な実装では、第1の時間資源は上りリンクのシングルユーザー物理層プロトコル・データ単位PPDUの伝送のために使用されるか、またはポイントツーポイントP2P通信のために使用され、シングルユーザー・トリガー・フレームは第1のフィールドおよび第2のフィールドを含む。第1のフィールドはTXOPの残り時間資源を示し、第2のフィールドは第1の時間資源を示す。
【0048】
第4の側面に関し、ある実現可能な実装では、第1のフレームは第1の指示情報を担持する。第1の指示情報は、第2のデバイスが第1の時間資源を使用することを停止したことを示す。
【0049】
第4の側面に関し、ある実現可能な実装では、第1のフレームは第2の指示情報をさらに担持する。第2の指示情報は、第2のデバイスがデータ伝送のために時間資源をさらに必要とするかどうかを示す。
【0050】
第4の側面に関し、ある実現可能な実装では、第1のフレーム内のA制御フィールドが第1の指示情報を含む、または第1のフレーム内のA制御フィールドが第1の指示情報および第2の指示情報を含む。
【0051】
第4の側面に関し、ある実現可能な実装では、A制御フィールドの制御識別子は第1の値である。第1の値は、A制御フィールドが第1の指示情報を含むことを示す。
【0052】
第4の側面に関し、ある実現可能な実装では、A制御フィールドの制御識別子は第2の値である。第2の値は、A制御フィールドがコマンドおよびステータスCAS制御フィールドであることを示す。
【0053】
第1の指示情報は、CAS制御フィールド内の逆承認RDGサブフィールドにおいて担持される。
【0054】
あるいはまた、第1の指示情報はCAS制御フィールド内のRDGサブフィールドにおいて担持され、第2の指示情報はCAS制御フィールド内の第4ビットないし第8ビットにおける少なくとも1ビットにおいて担持される。
【0055】
第4の側面に関し、ある実現可能な実装では、第1のフレーム内のフレーム・タイプ・フィールドが第1のフレームが制御フレームであることを示し、第1のフレーム内のフレーム・サブタイプ・フィールドが第1のフレームが時間資源返却フレームであることを示す。時間資源返却フレームは、第2のデバイスが第1の時間資源を使用することを停止したことを示す。
【0056】
第4の側面に関し、ある実現可能な実装では、第1のフレームがサービス品質QoSヌル・データ・フレームである場合、または第1のフレームが時間資源返却フレームである場合、第1のフレームの終了時点が第1の時間資源の終了時点よりも後であり、第1のフレームの開始時点が第1の時間資源の終了時点よりも早い場合、第2のデバイスは第1のフレームを第1のデバイスに送信することを許容される。
【0057】
本願のこの実施形態では、第1のフレームがサービス品質QoSヌル・データ・フレームである場合、または第1のフレームが特に返却を示す新しいタイプのフレームである場合、第1のフレームは第1の時間資源の終了時点の後に送信されることが許容される。このように、第1の時間資源に含まれる残りの継続時間において競合を通じて他のステーションがチャネルを使用する許可を取得しなくてもよく、TXOPを使用する許可を回復することの信頼性が改善される。
【0058】
第5の側面によれば、本願は送信機会を使用する許可を回復する方法を提供する。この方法には下記を含む:第1のデバイスが第2のフレームを送信する。ここで、第2のフレームの宛先アドレスは第2のデバイスのアドレスである。第2のフレームの終了時点と第1の時間資源の終了時点との間の継続時間が事前設定された継続時間Tよりも短い場合、第1のデバイスは送信機会TXOPを使用する許可を回復する。第1の時間資源は、第1のデバイスによって、取得されたTXOPから第2のデバイスに割り当てられる。つまり、ULのシナリオでは、第1のデバイスは、第2のデバイスのアドレスを宛先アドレスとする確認応答フレーム(すなわち、第2のフレーム)を、第1の時間資源における任意の時点において、さらに送信することができる。確認応答フレームの終了時点と第1の時間資源の終了時点の間の継続時間T'が、事前設定された継続時間Tよりも短いと判定した場合、第1のデバイスは、事前に、TXOPを使用する許可を回復してもよく、チャネル資源の使用率を改善する。
【0059】
第5の側面に関し、ある実現可能な実装では、第2のフレームの終了時点と第1の時間資源の終了時点の間の継続時間がTよりも大きい場合、第1のデバイスは第2のデバイスから第1のフレームを受信する。第1のフレームは、第2のデバイスが第1の時間資源を使用することを停止したことを示す。
【0060】
第5の側面に関し、ある実現可能な実装では、第1の時間資源は上りリンクのシングルユーザー物理層プロトコル・データ単位PPDUの伝送のために使用されるか、またはポイントツーポイントP2P通信のために使用され、シングルユーザー・トリガー・フレームは第1のフィールドおよび第2のフィールドを含む。第1のフィールドはTXOPの残り時間資源を示し、第2のフィールドは第1の時間資源を示す。
【0061】
第5の側面に関し、ある実現可能な実装では、第1のフレームは第1の指示情報を担持する。第1の指示情報は、第2のデバイスが第1の時間資源を使用することを停止したことを示す。
【0062】
第5の側面に関し、ある実現可能な実装では、第1のフレームはさらに第2の指示情報を担持する。第2の指示情報は、第2のデバイスがデータ送信のために時間資源をさらに必要とするかどうかを示す。
【0063】
第5の側面に関し、ある実現可能な実装では、第1のフレーム内のA制御フィールドが第1の指示情報を含むか、または第1のフレーム内のA制御フィールドが第1の指示情報および第2の指示情報を含む。
【0064】
第5の側面に関し、ある実現可能な実装では、A制御フィールドの制御識別子は第1の値である。第1の値は、A制御フィールドが第1の指示情報を含むことを示す。
【0065】
第5の側面に関し、ある実現可能な実装では、A制御フィールドの制御識別子は第2の値である。第2の値は、A制御フィールドがコマンドおよびステータスCAS制御フィールドであることを示す。
【0066】
第1の指示情報は、CAS制御フィールド内の逆承認RDGサブフィールドにおいて担持される。
【0067】
あるいはまた、第1の指示情報はCAS制御フィールド内のRDGサブフィールドにおいて担持され、第2の指示情報はCAS制御フィールド内の第4ビットないし第8ビットにおける少なくとも1ビットにおいて担持される。
【0068】
第5の側面に関し、ある実現可能な実装では、第1のフレーム内のフレーム・タイプ・フィールドが、第1のフレームが制御フレームであることを示し、第1のフレーム内のフレーム・サブタイプ・フィールドが、第1のフレームが時間資源返却フレームであることを示す。時間資源返却フレームは、第2のデバイスが第1の時間資源を使用することを停止したことを示す。
【0069】
第6の側面によれば、本願は、送信機会を使用する許可を回復する方法を提供する。この方法は、下記を含む:第2のデバイスが、第1のデバイスから第2のフレームを受信する。第2のフレームの終了時点と第1の時間資源の終了時点の間の継続時間が、事前設定された継続時間Tよりも短い場合、第2のデバイスはそれ以上PPDUを送信しない。
【0070】
第6の側面に関し、ある実現可能な実装では、第2のフレームの終了時点と第1の時間資源の終了時点の間の継続時間が、事前設定された継続時間Tよりも長い場合、第2のデバイスは第1のデバイスに第1のフレームを送信する。第1のフレームは、第2のデバイスが第1の時間資源を使用することを停止したことを示す。第1の時間資源は、第1のデバイスによって、取得されたTXOPから第2のデバイスに割り当てられる。
【0071】
第6の側面に関し、ある実現可能な実装では、第1の時間資源は、上りリンクのシングルユーザー物理層プロトコル・データ単位PPDUの伝送のために使用されるか、またはポイントツーポイントP2P通信のために使用され、シングルユーザー・トリガー・フレームは第1のフィールドおよび第2のフィールドを含む。第1のフィールドはTXOPの残り時間資源を示し、第2のフィールドは第1の時間資源を示す。
【0072】
第6の側面に関し、ある実現可能な実装では、第1のフレームは第1の指示情報を担持する。第1の指示情報は、第2のデバイスが第1の時間資源を使用することを停止したことを示す。
【0073】
第6の側面に関し、ある実現可能な実装では、第1のフレームはさらに第2の指示情報を担持する。第2の指示情報は、第2のデバイスがデータ送信のために時間資源をさらに必要とするかどうかを示す。
【0074】
第6の側面に関し、ある実現可能な実装では、第1のフレーム内のA制御フィールドが第1の指示情報を含むか、または第1のフレーム内のA制御フィールドが第1の指示情報および第2の指示情報を含む。
【0075】
第6の側面に関し、ある実現可能な実装では、A制御フィールドの制御識別子は第1の値である。第1の値は、A制御フィールドが第1の指示情報を含むことを示す。
【0076】
第6の側面に関し、ある実現可能な実装では、A制御フィールドの制御識別子は第2の値である。第2の値は、A制御フィールドがコマンドおよびステータスCAS制御フィールドであることを示す。
【0077】
第1の指示情報は、CAS制御フィールド内の逆承認RDGサブフィールドにおいて担持される。
【0078】
あるいはまた、第1の指示情報は、CAS制御フィールド内のRDGサブフィールドにおいて担持され、第2の指示情報は、CAS制御フィールドにおける第4ビットないし第8ビットにおける少なくとも1ビットにおいて担持される。
【0079】
第6の側面に関し、ある実現可能な実装では、第1のフレーム内のフレーム・タイプ・フィールドは、第1のフレームが制御フレームであることを示し、第1のフレーム内のフレーム・サブタイプ・フィールドは、第1のフレームが時間資源返却フレームであることを示す。時間資源返却フレームは、第2のデバイスが第1の時間資源を使用することを停止したことを示す。
【0080】
第6の側面に関し、ある実現可能な実装では、第1のフレームがサービス品質QoSヌル・データ・フレームである場合、または第1のフレームが時間資源返却フレームである場合、第1のフレームの終了時点が第1の時間資源の終了時点よりも後であり、第1のフレームの開始時点が第1の時間資源の終了時点よりも早い場合、第2のデバイスは第1のフレームを第1のデバイスに送信することを許容される。
【0081】
第7の側面によれば、本願は送信機会を使用する許可を回復する方法を提供する。この方法は下記を含む:第1のデバイスが第3のフレームを決定し、第1のデバイスが第3のフレームを第2のデバイスに送信する。第3のフレームは、第1のデバイスが送信機会TXOPを使用する許可を能動的に回復することを示す。
【0082】
本願のこの実施形態では、APがある理由(たとえば、すぐに送信する緊急のサービスが到着した場合)によりTXOPを使用する許可を撤回する必要がある場合、APは能動回復フレーム(すなわち、本願における第3のフレーム)を送信することによって、TXOPを使用するAPの許可を能動的に回復/撤回することができる。
【0083】
第7の側面に関し、ある実現可能な実装では、第3のフレームは、第2のデバイスから受信されたデータ・フレームに基づいて第1のデバイスによって返されるブロック確認応答(block acknowledgement)BAフレームである。BAフレーム内のBA制御フィールドは、第1のデバイスがTXOPを使用する許可を能動的に回復することを示す。
【0084】
本願のこの実施形態では、BAフレーム内の既存の向上したBA制御フィールドが、第1のデバイスがTXOPを使用する許可を能動的に回復することを示すよう向上され、解決策を実装することの複雑さが軽減できる。
【0085】
第7の側面に関し、ある実現可能な実装では、第3のフレームは集約フレーム(aggregated frame)であり、集約フレームは第4のフレームをBAフレームと集約することによって得られる。第4のフレームは、第1のデバイスがTXOPを使用する許可を能動的に回復することを示す。BAフレームは、第2のデバイスから受信されたデータ・フレームに基づいて、第1のデバイスによって生成される。
【0086】
本願のこの実施形態では、BAフレームと集約することによって送信された別のフレーム(すなわち、第4のフレーム)が、第1のデバイスがTXOPを使用する許可を能動的に回復することを示す。このため、解決策を実装することの多様性が改善される。
【0087】
第7の側面に関し、ある実現可能な実装では、第4のフレーム内のA制御フィールドが第3の指示情報を含む。第3の指示情報は、第1のデバイスがTXOPを使用する許可を能動的に回復することを示す。
【0088】
本願のこの実施形態では、第4のフレーム内のA制御フィールドを含むQoSデータ・フレームまたはQoSヌル・データ・フレームが、第1のデバイスがTXOPを使用する許可を能動的に回復することを示し、それにより解決策を実装することの複雑さが軽減できる。
【0089】
第7の側面に関し、ある実現可能な実装では、A制御フィールドの制御識別子は第3の値である。第3の値は、A制御フィールドが第3の指示情報を含むことを示す。
【0090】
第7の側面に関し、ある実現可能な実装では、第3のフレーム内のフレーム・タイプ・フィールドが、第3のフレームが制御フレームであることを示し、第3のフレーム内のフレーム・サブタイプ・フィールドが、第3フレームが能動回復フレームであることを示す。能動回復フレームは、第1のデバイスが送信機会TXOPを使用する許可を能動的に回復することを示す。
【0091】
本願のこの実施形態では、特に第1のデバイスがTXOPを使用する許可を能動的に回復することを指示するよう、新しいタイプのフレーム、つまり第4のフレームが設計される。そのため、解決策を実装することの多様性が改善される。
【0092】
第8の側面によれば、本願は送信機会を使用する許可を回復する方法を提供する。この方法は下記を含む:第1のデバイスから第3のフレームを受信すると、第2のデバイスはそれ以上データ・フレームを送信しない、またはデータ・フレームをk回再送信する。第3のフレームは、第1のデバイスが送信機会TXOPを使用する許可を能動的に回復することを示す。kは0より大きい整数である。
【0093】
第8の側面に関し、ある実現可能な実装では、第3のフレームは、第2のデバイスから受信されたデータ・フレームに基づいて第1のデバイスによって返されるブロック確認応答BAフレームである。BAフレーム内のBA制御フィールドは、第1のデバイスがTXOPを使用する許可を能動的に回復することを示す。
【0094】
第8の側面に関し、ある実現可能な実装では、第3のフレームは集約フレームであり、集約フレームは第4のフレームをBAフレームと集約することによって得られる。第4のフレームは、第1のデバイスがTXOPを使用する許可を能動的に回復することを示す。BAフレームは、第2のデバイスから受信されたデータ・フレームに基づいて、第1のデバイスによって生成される。
【0095】
第8の側面に関し、ある実現可能な実装では、第4のフレーム内のA制御フィールドが第3の指示情報を含む。第3の指示情報は、第1のデバイスがTXOPを使用する許可を能動的に回復することを指示する。
【0096】
第8の側面に関し、ある実現可能な実装では、A制御フィールドの制御識別子は第3の値である。第3の値は、A制御フィールドが第3の指示情報を含むことを示す。
【0097】
第8の側面に関し、ある実現可能な実装では、第3のフレームのフレーム・タイプ・フィールドが第3のフレームが制御フレームであることを示し、第3のフレームのフレーム・サブタイプ・フィールドが第3のフレームが能動回復フレームであることを示す。能動回復フレームは、第1のデバイスが送信機会TXOPを使用する許可を能動的に回復することを指示する。
【0098】
第9の側面によると、本願は送信機会を使用する許可を回復するための装置を提供する。送信機会を使用する許可を回復するための装置は、第1のデバイスまたは該第1のデバイス内のチップ、たとえばWi-Fiチップであってもよい。送信機会を使用する許可を回復するための装置は、下記を含む:第2のデバイスから第1のフレームを受信するように構成されたトランシーバ・ユニットであって、第1のフレームは、第2のデバイスが第1の時間資源を使用することを停止したことを示し、第1の時間資源は、第1のデバイスによって、取得された送信機会TXOPから第2のデバイスに割り当てられ、第1の時間資源は、シングルユーザー・トリガー・フレームを使用することによって、第1のデバイスによって、第2のデバイスに割り当てられる、トランシーバ・ユニットと;第1のフレームに基づいてTXOPを使用する許可を回復するように構成された処理ユニット。
【0099】
第9の側面に関して、ある実現可能な実装では、第1の時間資源は、上りリンクのシングルユーザー物理層プロトコル・データ単位PPDUの伝送のために使用されるか、またはポイントツーポイントP2P通信のために使用され、シングルユーザー・トリガー・フレームは第1のフィールドと第2のフィールドを含む。第1のフィールドはTXOPの残り時間資源を示し、第2のフィールドは第1の時間資源を示す。
【0100】
第9の側面に関して、ある実現可能な実装では、第1のフレームは第1の指示情報を担持する。第1の指示情報は、第2のデバイスが第1の時間資源を使用することを停止したことを示す。
【0101】
第9の側面に関して、ある実現可能な実装では、第1のフレームはさらに第2の指示情報を担持する。第2の指示情報は、第2のデバイスがデータ送信のために時間資源をさらに必要とするかどうかを示す。
【0102】
第9の側面に関して、ある実現可能な実装では、第1のフレーム内のA制御フィールドが第1の指示情報を含む、または第1のフレーム内のA制御フィールドが第1の指示情報および第2の指示情報を含む。
【0103】
第9の側面に関して、ある実現可能な実装では、A制御フィールドの制御識別子は第1の値である。第1の値は、A制御フィールドが第1の指示情報を含むことを示す。
【0104】
第9の側面に関し、ある実現可能な実装では、A制御フィールドの制御識別子は第2の値である。第2の値は、A制御フィールドがコマンドおよびステータス(command and status)CAS制御フィールドであることを示す。第1の指示情報はCAS制御フィールド内の逆承認RDGサブフィールドにおいて担持される。あるいはまた、第1の指示情報はCAS制御フィールド内のRDGサブフィールドにおいて担持され、第2の指示情報はCAS制御フィールド内の第4ビットないし第8ビットにおける少なくとも1ビットにおいて担持される。
【0105】
第9の側面に関して、ある実現可能な実装では、第1のフレームにおけるフレーム・タイプ・フィールドが、第1のフレームが制御フレームであることを示し、第1のフレームにおけるフレーム・サブタイプ・フィールドが、第1のフレームが時間資源返却フレームであることを示す。時間資源返却フレームは、第2のデバイスが第1の時間資源を使用することを停止したことを示す。
【0106】
第10の側面によれば、本願は、送信機会を使用する許可を回復するための装置を提供する。送信機会を使用する許可を回復するための装置は、第2のデバイスまたは該第2のデバイス内のチップ、たとえばWi-Fiチップであってもよい。送信機会を使用する許可を回復するための装置は、下記を含む:第1のフレームを決定するように構成された処理ユニットであって、第1のフレームは、第2のデバイスが第1の時間資源を使用することを停止したことを示し、第1の時間資源は、第1のデバイスによって、取得された送信機会TXOPから第2のデバイスに割り当てられ、第1の時間資源は、第1のデバイスによって、シングルユーザー・トリガー・フレームを使用することによって、第2のデバイスに割り当てられる、処理ユニットと;第1のフレームを第1のデバイスに送信するように構成されたトランシーバ・ユニット。
【0107】
第10の側面に関して、ある実現可能な実装では、第1の時間資源は、上りリンクのシングルユーザー物理層プロトコル・データ単位PPDUの伝送のために使用されるか、またはポイントツーポイントP2P通信のために使用され、シングルユーザー・トリガー・フレームは第1のフィールドと第2のフィールドを含む。第1のフィールドはTXOPの残り時間資源を示し、第2のフィールドは第1の時間資源を示す。
【0108】
第10の側面に関し、ある実現可能な実装では、第1のフレームは第1の指示情報を担持する。第1の指示情報は、第2のデバイスが第1の時間資源を使用することを停止したことを示す。
【0109】
第10の側面に関し、ある実現可能な実装では、第1のフレームはさらに第2の指示情報を担持する。第2の指示情報は、第2のデバイスがデータ送信のために時間資源をさらに必要とするかどうかを示す。
【0110】
第10の側面に関し、ある実現可能な実装では、第1のフレーム内のA制御フィールドが第1の指示情報を含む、または第1のフレーム内のA制御フィールドが第1の指示情報および第2の指示情報を含む。
【0111】
第10の側面に関し、ある実現可能な実装では、A制御フィールドの制御識別子が第1の値である。第1の値は、A制御フィールドが第1の指示情報を含むことを示す。
【0112】
第10の側面に関し、ある実現可能な実装では、A制御フィールドの制御識別子が第2の値である。第2の値は、A制御フィールドがコマンドおよびステータスCAS制御フィールドであることを示す。第1の指示情報は、CAS制御フィールド内の逆承認RDGサブフィールドにおいて担持される。あるいはまた、第1の指示情報はCAS制御フィールド内のRDGサブフィールドにおいて担持され、第2の指示情報はCAS制御フィールド内の第4ビットないし第8ビットにおける少なくとも1ビットにおいて担持される。
【0113】
第10の側面に関し、ある実現可能な実装では、第1のフレーム内のフレーム・タイプ・フィールドが、第1のフレームが制御フレームであることを示し、第1のフレーム内のフレーム・サブタイプ・フィールドが、第1のフレームが時間資源返却フレームであることを示す。時間資源返却フレームは、第2のデバイスが第1の時間資源を使用することを停止したことを示す。
【0114】
第10の側面に関し、ある実現可能な実装では、第1のフレームがサービス品質(quality of service)QoSヌル・データ・フレームである場合、または第1のフレームが時間資源返却フレームである場合、第1のフレームの終了時点が第1の時間資源の終了時点よりも後であり、第1のフレームの開始時点が第1の時間資源の終了時点よりも早い場合、第2のデバイスは第1のフレームを第1のデバイスに送信することが許される。
【0115】
第11の側面によれば、本願は送信機会を使用する許可を回復するための装置を提供する。送信機会を使用する許可を回復するための装置は、第1のデバイスまたは該第1のデバイス内のチップ、たとえばWi-Fiチップであってもよい。送信機会を使用する許可を回復するための装置は、下記を含む:第2のフレームを受信するように構成されたトランシーバ・ユニットと;第2のフレームの伝送終了時点と第1の時間資源の終了時点の間の継続時間が事前設定された継続時間Tよりも短い場合、送信機会TXOPを使用する許可を回復するように構成された処理ユニット。第2のフレームの宛先アドレスは、第2のデバイスのアドレスである。あるいはまた、第2のフレームの送信者アドレスは第2のデバイスのアドレスであり、第2のフレームは応答フレームを要求しないフレームである。第1の時間資源は、第1のデバイスによって、取得されたTXOPから第2のデバイスに割り当てられる。
【0116】
第11の側面に関し、ある実現可能な実装では、トランシーバ・ユニットはさらに:第2のフレームの終了時点と第1の時間資源の終了時点の間の継続時間がTより大きい場合、第2のデバイスから第1のフレームを受信するように構成される。第1のフレームは、第2のデバイスが第1の時間資源を使用することを停止したことを示す。
【0117】
第11の側面に関し、ある実現可能な実装では、第1の時間資源は上りリンクのシングルユーザー物理層プロトコル・データ単位PPDUの伝送のために使用されるか、またはポイントツーポイントP2P通信のために使用され、シングルユーザー・トリガー・フレームは第1のフィールドおよび第2のフィールドを含む。第1のフィールドはTXOPの残り時間資源を示し、第2のフィールドは第1の時間資源を示す。
【0118】
第11の側面に関し、ある実現可能な実装では、第1のフレームが第1の指示情報を担持する。第1の指示情報は、第2のデバイスが第1の時間資源を使用することを停止したことを示す。
【0119】
第11の側面に関し、ある実現可能な実装では、第1のフレームはさらに第2の指示情報を担持する。第2の指示情報は、第2のデバイスがデータ伝送のために時間資源をさらに必要とするかどうかを示す。
【0120】
第11の側面に関し、ある実現可能な実装では、第1のフレーム内のA制御フィールドが第1の指示情報を含む、または第1のフレーム内のA制御フィールドが第1の指示情報および第2の指示情報を含む。
【0121】
第11の側面に関し、ある実現可能な実装では、A制御フィールドの制御識別子は第1の値である。第1の値は、A制御フィールドが第1の指示情報を含むことを示す。
【0122】
第11の側面に関し、ある実現可能な実装では、A制御フィールドの制御識別子は第2の値である。第2の値は、A制御フィールドがコマンドおよびステータスCAS制御フィールドであることを示す。第1の指示情報は、CAS制御フィールド内の逆承認RDGサブフィールドにおいて担持される。あるいはまた、第1の指示情報はCAS制御フィールド内のRDGサブフィールドにおいて担持され、第2の指示情報はCAS制御フィールド内の第4ビットないし第8ビットにおける少なくとも1ビットにおいて担持される。
【0123】
第11の側面に関し、ある実現可能な実装では、第1のフレーム内のフレーム・タイプ・フィールドが、第1のフレームが制御フレームであることを示し、第1のフレーム内のフレーム・サブタイプ・フィールドが、第1のフレームが時間資源返却フレームであることを示す。時間資源返却フレームは、第2のデバイスが第1の時間資源を使用することを停止したことを示す。
【0124】
第12の側面によれば、本願は、送信機会を使用する許可を回復するための装置を提供する。送信機会を使用する許可を回復するための装置は、第2のデバイスまたは該第2のデバイス内のチップ、たとえばWi-Fiチップであってもよい。送信機会を使用する許可を回復するための装置は、下記を含む:第2のフレームを受信または送信するように構成されたトランシーバ・ユニット。第2のフレームは、応答フレームを要求しないフレームである。第2のフレームの終了時点と第1の時間資源の終了時点の間の継続時間が、事前設定された継続時間Tよりも短い場合、第2のデバイスはそれ以上PPDUを送信しない。
【0125】
第12の側面に関し、ある実現可能な実装では、第2のデバイスはさらに処理ユニットを含む。処理ユニットは:第2のフレームの終了時点と第1の時間資源の終了時点の間の継続時間が、事前設定された継続時間Tよりも大きい場合、トランシーバ・ユニットを使って、第1のデバイスに第1のフレームを送信することを決定するように構成される。第1のフレームは、第2のデバイスが第1の時間資源を使用することを停止したことを示す。第1の時間資源は、第1のデバイスによって、取得されたTXOPから第2のデバイスに割り当てられる。
【0126】
第12の側面に関し、ある実現可能な実装では、第1の時間資源は上りリンクのシングルユーザー物理層プロトコル・データ単位PPDUの伝送のために使用されるか、またはポイントツーポイントP2P通信のために使用され、シングルユーザー・トリガー・フレームは第1のフィールドおよび第2のフィールドを含む。第1のフィールドはTXOPの残り時間資源を示し、第2のフィールドは第1の時間資源を示す。
【0127】
第12の側面に関し、ある実現可能な実装では、第1のフレームは第1の指示情報を担持する。第1の指示情報は、第2のデバイスが第1の時間資源を使用することを停止したことを示す。
【0128】
第12の側面に関し、ある実現可能な実装では、第1のフレームは第2の指示情報をさらに担持する。第2の指示情報は、第2のデバイスがデータ伝送のために時間資源をさらに必要とするかどうかを示す。
【0129】
第12の側面に関し、ある実現可能な実装では、第1のフレーム内のA制御フィールドが第1の指示情報を含む、または第1のフレーム内のA制御フィールドが第1の指示情報および第2の指示情報を含む。
【0130】
第12の側面に関し、ある実現可能な実装では、A制御フィールドの制御識別子は第1の値である。第1の値は、A制御フィールドが第1の指示情報を含むことを示す。
【0131】
第12の側面に関し、ある実現可能な実装では、A制御フィールドの制御識別子は第2の値である。第2の値は、A制御フィールドがコマンドおよびステータスCAS制御フィールドであることを示す。
【0132】
第1の指示情報は、CAS制御フィールド内の逆承認RDGサブフィールドにおいて担持される。
【0133】
あるいはまた、第1の指示情報はCAS制御フィールド内のRDGサブフィールドにおいて担持され、第2の指示情報はCAS制御フィールド内の第4ビットないし第8ビットにおける少なくとも1ビットにおいて担持される。
【0134】
第12の側面に関し、ある実現可能な実装では、第1のフレーム内のフレーム・タイプ・フィールドが第1のフレームが制御フレームであることを示し、第1のフレーム内のフレーム・サブタイプ・フィールドが第1のフレームが時間資源返却フレームであることを示す。時間資源返却フレームは、第2のデバイスが第1の時間資源を使用することを停止したことを示す。
【0135】
第12の側面に関し、ある実現可能な実装では、第1のフレームがサービス品質QoSヌル・データ・フレームである場合、または第1のフレームが時間資源返却フレームである場合、第1のフレームの終了時点が第1の時間資源の終了時点よりも後であり、第1のフレームの開始時点が第1の時間資源の終了時点よりも早い場合、第2のデバイスは第1のフレームを第1のデバイスに送信することを許容される。
【0136】
第13の側面によれば、本願は送信機会を使用する許可を回復するための装置を提供する。送信機会を使用する許可を回復するための装置は、第1のデバイスまたは該第1のデバイス内のチップ、たとえばWi-Fiチップであってもよい。送信機会を使用する許可を回復するための装置は、下記を含む:第2のフレームを送信するように構成されたトランシーバ・ユニットであって、第2のフレームの宛先アドレスは第2のデバイスのアドレスである、トランシーバ・ユニットと;第2のフレームの終了時点と第1の時間資源の終了時点との間の継続時間が事前設定された継続時間Tよりも短い場合、送信機会TXOPを使用する許可を回復するように構成された処理ユニット。第1の時間資源は、第1のデバイスによって、取得されたTXOPから第2のデバイスに割り当てられる。
【0137】
第13の側面に関し、ある実現可能な実装では、処理ユニットは:第2のフレームの終了時点と第1の時間資源の終了時点の間の継続時間がTよりも大きい場合、トランシーバ・ユニットを使って、第2のデバイスから第1のフレームを受信することを決定するように構成される。第1のフレームは、第2のデバイスが第1の時間資源を使用することを停止したことを示す。
【0138】
第13の側面に関し、ある実現可能な実装では、第1の時間資源は上りリンクのシングルユーザー物理層プロトコル・データ単位PPDUの伝送のために使用されるか、またはポイントツーポイントP2P通信のために使用され、シングルユーザー・トリガー・フレームは第1のフィールドおよび第2のフィールドを含む。第1のフィールドはTXOPの残り時間資源を示し、第2のフィールドは第1の時間資源を示す。
【0139】
第13の側面に関し、ある実現可能な実装では、第1のフレームは第1の指示情報を担持する。第1の指示情報は、第2のデバイスが第1の時間資源を使用することを停止したことを示す。
【0140】
第13の側面に関し、ある実現可能な実装では、第1のフレームはさらに第2の指示情報を担持する。第2の指示情報は、第2のデバイスがデータ送信のために時間資源をさらに必要とするかどうかを示す。
【0141】
第13の側面に関し、ある実現可能な実装では、第1のフレーム内のA制御フィールドが第1の指示情報を含むか、または第1のフレーム内のA制御フィールドが第1の指示情報および第2の指示情報を含む。
【0142】
第13の側面に関し、ある実現可能な実装では、A制御フィールドの制御識別子は第1の値である。第1の値は、A制御フィールドが第1の指示情報を含むことを示す。
【0143】
第13の側面に関し、ある実現可能な実装では、A制御フィールドの制御識別子は第2の値である。第2の値は、A制御フィールドがコマンドおよびステータスCAS制御フィールドであることを示す。
【0144】
第1の指示情報は、CAS制御フィールド内の逆承認RDGサブフィールドにおいて担持される。
【0145】
あるいはまた、第1の指示情報はCAS制御フィールド内のRDGサブフィールドにおいて担持され、第2の指示情報はCAS制御フィールド内の第4ビットないし第8ビットにおける少なくとも1ビットにおいて担持される。
【0146】
第13の側面に関し、ある実現可能な実装では、第1のフレーム内のフレーム・タイプ・フィールドが、第1のフレームが制御フレームであることを示し、第1のフレーム内のフレーム・サブタイプ・フィールドが、第1のフレームが時間資源返却フレームであることを示す。時間資源返却フレームは、第2のデバイスが第1の時間資源を使用することを停止したことを示す。
【0147】
第14の側面によれば、本願は、送信機会を使用する許可を回復するための装置を提供する。送信機会を使用する許可を回復するための装置は、第2のデバイスまたは該第2のデバイス内のチップ、たとえばWi-Fiチップであってもよい。送信機会を使用する許可を回復するための装置は、下記を含む:第1のデバイスから第2のフレームを受信するように構成されたトランシーバ・ユニットと;第2のフレームの終了時点と第1の時間資源の終了時点の間の継続時間が、事前設定された継続時間Tよりも短い場合、第2のデバイスはそれ以上PPDUを送信しないと判定するように構成された処理ユニット。
【0148】
第14の側面に関し、ある実現可能な実装では、処理ユニットはさらに:第2のフレームの終了時点と第1の時間資源の終了時点の間の継続時間が、事前設定された継続時間Tよりも長い場合、トランシーバ・ユニットを使って、第1のデバイスに第1のフレームを送信するように構成される。第1のフレームは、第2のデバイスが第1の時間資源を使用することを停止したことを示す。第1の時間資源は、第1のデバイスによって、取得されたTXOPから第2のデバイスに割り当てられる。
【0149】
第14の側面に関し、ある実現可能な実装では、第1の時間資源は、上りリンクのシングルユーザー物理層プロトコル・データ単位PPDUの伝送のために使用されるか、またはポイントツーポイントP2P通信のために使用され、シングルユーザー・トリガー・フレームは第1のフィールドおよび第2のフィールドを含む。第1のフィールドはTXOPの残り時間資源を示し、第2のフィールドは第1の時間資源を示す。
【0150】
第14の側面に関し、ある実現可能な実装では、第1のフレームは第1の指示情報を担持する。第1の指示情報は、第2のデバイスが第1の時間資源を使用することを停止したことを示す。
【0151】
第14の側面に関し、ある実現可能な実装では、第1のフレームはさらに第2の指示情報を担持する。第2の指示情報は、第2のデバイスがデータ送信のために時間資源をさらに必要とするかどうかを示す。
【0152】
第14の側面に関し、ある実現可能な実装では、第1のフレーム内のA制御フィールドが第1の指示情報を含むか、または第1のフレーム内のA制御フィールドが第1の指示情報および第2の指示情報を含む。
【0153】
第14の側面に関し、ある実現可能な実装では、A制御フィールドの制御識別子は第1の値である。第1の値は、A制御フィールドが第1の指示情報を含むことを示す。
【0154】
第14の側面に関し、ある実現可能な実装では、A制御フィールドの制御識別子は第2の値である。第2の値は、A制御フィールドがコマンドおよびステータスCAS制御フィールドであることを示す。
【0155】
第1の指示情報は、CAS制御フィールド内の逆承認RDGサブフィールドにおいて担持される。
【0156】
あるいはまた、第1の指示情報は、CAS制御フィールド内のRDGサブフィールドにおいて担持され、第2の指示情報は、CAS制御フィールドにおける第4ビットないし第8ビットにおける少なくとも1ビットにおいて担持される。
【0157】
第14の側面に関し、ある実現可能な実装では、第1のフレーム内のフレーム・タイプ・フィールドは、第1のフレームが制御フレームであることを示し、第1のフレーム内のフレーム・サブタイプ・フィールドは、第1のフレームが時間資源返却フレームであることを示す。時間資源返却フレームは、第2のデバイスが第1の時間資源を使用することを停止したことを示す。
【0158】
第14の側面に関し、ある実現可能な実装では、第1のフレームがサービス品質QoSヌル・データ・フレームである場合、または第1のフレームが時間資源返却フレームである場合、第1のフレームの終了時点が第1の時間資源の終了時点よりも後であり、第1のフレームの開始時点が第1の時間資源の終了時点よりも早い場合、第2のデバイスは第1のフレームを第1のデバイスに送信することを許容される。
【0159】
第15の側面によれば、本願は送信機会を使用する許可を回復するための装置を提供する。送信機会を使用する許可を回復するための装置は、第1のデバイスまたは該第1のデバイス内のチップ、たとえばWi-Fiチップであってもよい。送信機会を使用する許可を回復するための装置は、下記を含む:第3のフレームを決定するように構成された処理ユニットと;第3のフレームを第2のデバイスに送信するように構成されたトランシーバ・ユニット。第3のフレームは、第1のデバイスが送信機会TXOPを使用する許可を能動的に回復することを指示する。
【0160】
第15の側面に関し、ある実現可能な実装では、第3のフレームは、第2のデバイスから受信されたデータ・フレームに基づいて第1のデバイスによって返されるブロック確認応答(block acknowledgement)BAフレームである。BAフレーム内のBA制御フィールドは、第1のデバイスがTXOPを使用する許可を能動的に回復することを指示する。
【0161】
第15の側面に関し、ある実現可能な実装では、第3のフレームは集約フレーム(aggregated frame)であり、集約フレームは第4のフレームをBAフレームと集約することによって得られる。第4のフレームは、第1のデバイスがTXOPを使用する許可を能動的に回復することを指示する。BAフレームは、第2のデバイスから受信されたデータ・フレームに基づいて、第1のデバイスによって生成される。
【0162】
第15の側面に関し、ある実現可能な実装では、第4のフレーム内のA制御フィールドが第3の指示情報を含む。第3の指示情報は、第1のデバイスがTXOPを使用する許可を能動的に回復することを指示する。
【0163】
第15の側面に関し、ある実現可能な実装では、A制御フィールドの制御識別子は第3の値である。第3の値は、A制御フィールドが第3の指示情報を含むことを示す。
【0164】
第15の側面に関し、ある実現可能な実装では、第3のフレーム内のフレーム・タイプ・フィールドが、第3のフレームが制御フレームであることを示し、第3のフレーム内のフレーム・サブタイプ・フィールドが、第3フレームが能動回復フレームであることを示す。能動回復フレームは、第1のデバイスが送信機会TXOPを使用する許可を能動的に回復することを指示する。
【0165】
第16の側面によれば、本願は送信機会を使用する許可を回復するための装置を提供する。送信機会を使用する許可を回復するための装置は、第2のデバイスまたは該第2のデバイス内のチップ、たとえばWi-Fiチップであってもよい。送信機会を使用する許可を回復するための装置は、下記を含む:第2のデバイスが第1のデバイスから第3のフレームを受信すると、第2のデバイスはトランシーバ・ユニットを使ってそれ以上データ・フレームを送信しない、またはトランシーバ・ユニットを使って、データ・フレームをk回再送信すると判定するように構成された処理ユニット。第3のフレームは、第1のデバイスが送信機会TXOPを使用する許可を能動的に回復することを示す。kは0より大きい整数である。
【0166】
第16の側面に関し、ある実現可能な実装では、第3のフレームは、第2のデバイスから受信されたデータ・フレームに基づいて第1のデバイスによって返されるブロック確認応答BAフレームである。BAフレーム内のBA制御フィールドは、第1のデバイスがTXOPを使用する許可を能動的に回復することを示す。
【0167】
第16の側面に関し、ある実現可能な実装では、第3のフレームは集約フレームであり、集約フレームは第4のフレームをBAフレームと集約することによって得られる。第4のフレームは、第1のデバイスがTXOPを使用する許可を能動的に回復することを指示する。BAフレームは、第2のデバイスから受信されたデータ・フレームに基づいて、第1のデバイスによって生成される。
【0168】
第16の側面に関し、ある実現可能な実装では、第4のフレーム内のA制御フィールドが第3の指示情報を含む。第3の指示情報は、第1のデバイスがTXOPを使用する許可を能動的に回復することを示す。
【0169】
第16の側面に関し、ある実現可能な実装では、A制御フィールドの制御識別子は第3の値である。第3の値は、A制御フィールドが第3の指示情報を含むことを示す。
【0170】
第16の側面に関し、ある実現可能な実装では、第3のフレームのフレーム・タイプ・フィールドが第3のフレームが制御フレームであることを示し、第3のフレームのフレーム・サブタイプ・フィールドが第3のフレームが能動回復フレームであることを示す。能動回復フレームは、第1のデバイスが送信機会TXOPを使用する許可を能動的に回復することを示す。
【0171】
第17の側面によると、本願は通信装置を提供する。通信装置は、具体的には第1の側面、第3の側面、第5の側面、または第7の側面における第1のデバイスであり、プロセッサおよびトランシーバを含む。プロセッサは、上記の方法における対応する機能を実行するよう第1のデバイスをサポートするように構成される。トランシーバは、上記の方法において情報、フレーム、または命令を受信または送信するよう、第1のデバイスの通信をサポートするように構成される。第1のデバイスはさらにメモリを含んでいてもよい。メモリはプロセッサに結合されるように構成され、第1のデバイスのために必要なプログラム命令およびデータを記憶する。
【0172】
第18の側面によると、本願は通信装置を提供する。通信装置は、具体的には第2の側面、第4の側面、第6の側面、または第8の側面における第2のデバイスであり、プロセッサおよびトランシーバを含む。プロセッサは、上記の方法における対応する機能を実行するよう第2のデバイスをサポートするように構成される。トランシーバは、上記の方法において情報、フレーム、または命令を受信または送信するよう、第2のデバイスの通信をサポートするように構成される。第2のデバイスはさらにメモリを含んでいてもよい。メモリはプロセッサに結合されるように構成され、第2のデバイスのために必要なプログラム命令およびデータを記憶する。
【0173】
第19の側面によると、本願は装置を提供する。この装置はチップ製品の形で実装され、入出力インターフェースと処理回路を含む。この装置は、第1の側面、第3の側面、第5の側面、または第7の側面における第1のデバイス内のチップである。入出力インターフェースは、前述の方法において情報、フレーム、または命令を受信または送信するように構成されている。処理回路は、前述の方法における対応する機能を実行するよう第1のデバイスをサポートするように構成されている。
【0174】
第20の側面によると、本願は装置を提供する。この装置はチップ製品の形で実装され、入出力インターフェースと処理回路を含む。この装置は、第2の側面、第4の側面、第6の側面、または第8の側面における第2のデバイス内のチップである。入出力インターフェースは、前述の方法において情報、フレーム、または命令を受信または送信するように構成されている。処理回路は、前述の方法における対応する機能を実行するよう第2のデバイスをサポートするように構成されている。
【0175】
第21の側面によると、本願はコンピュータ読み取り可能な記憶媒体を提供する。コンピュータ読み取り可能な記憶媒体はプログラム命令を記憶しており、プログラム命令がコンピュータ上で実行されると、コンピュータは第1の側面、第3の側面、第5の側面、または第7の側面による、送信機会を使用する許可を回復する方法を実行できるようにされる。あるいはまた、プログラム命令がコンピュータ上で実行されると、コンピュータは第2の側面、第4の側面、第6の側面、または第8の側面による、送信機会を使用する許可を回復する方法を実行できるようにされる。
【0176】
第22の側面によると、本願はプログラム命令を含むコンピュータ・プログラム・プロダクトを提供する。コンピュータ・プログラム・プロダクトがコンピュータ上で動作する場合、コンピュータは、第1の側面、第3の側面、第5の側面、または第7の側面による、送信機会を使用する許可を回復する方法を実行できるようにされる。あるいはまた、コンピュータ・プログラム・プロダクトがコンピュータ上で動作する場合、コンピュータは、第2の側面、第4の側面、第6の側面、または第8の側面による、送信機会を使用する許可を回復する方法を実行する。
【0177】
第23の側面によると、本願のある実施形態は無線通信システムを提供する。システムは、第9の側面、第11の側面、第13の側面、または第15の側面による第1のデバイスと、第10の側面、第12の側面、第14の側面、または第16の側面による第2のデバイスとを含む。
【0178】
本願の実施形態によれば、第1のフレームは、第2のデバイスが割り当てられた時間資源(第1の時間資源)を使用することを停止したことを示しうる。そのため、第1のデバイスは、第1のフレームの指示に基づいて、事前にTXOPを使用する許可を撤回/回復する。これは、チャネル資源使用率と、TXOPを使用する許可の回復の信頼性を改善できる。
【図面の簡単な説明】
【0179】
【
図1a】本願による通信システムのアーキテクチャーの概略図である。
【0180】
【
図1b】本願のある実施形態によるアクセスポイントの構造の概略図である。
【0181】
【
図1c】単一のアンテナ/無線周波数をもつSTAの構造の概略図である。
【0182】
【
図2a】P2Pシナリオにシングルユーザー・トリガー・フレームを適用することの概略図である。
【0183】
【
図2b】UL送信シナリオにシングルユーザー・トリガー・フレームを適用することの概略図である。
【0184】
【0185】
【
図3】本願のある実施形態による、送信機会の使用許可回復方法の概略フローチャートである。
【0186】
【
図4】本願のある実施形態による第1のフレームの構造の概略図である。
【0187】
【
図5】本願のある実施形態による、ULシナリオにおいてTXOPを使用する許可を回復する適用シナリオの概略図である。
【0188】
【
図6】本願のある実施形態によるP2PシナリオにおいてTXOPを使用する許可を回復する適用シナリオの概略図である。
【0189】
【
図7】本願のある実施形態による第1のフレームの構造の別の概略図である。
【0190】
【
図8】本願のある実施形態による第1のフレームの構造の別の概略図である。
【0191】
【
図9】本願のある実施形態によるULシナリオにおいてTXOPを使用する許可を回復する別の適用シナリオの概略図である。
【0192】
【
図10】本願のある実施形態によるP2PシナリオにおいてTXOPを使用する許可を回復する別の適用シナリオの概略図である。
【0193】
【
図11a】本願のある実施形態による第1のフレームの構造の別の概略図である。
【0194】
【
図11b】本願のある実施形態による第1のフレームの構造の別の概略図である。
【0195】
【
図12】本願のある実施形態によるフレーム制御(Frame Control)フィールドの構造の概略図である。
【0196】
【
図13】本願のある実施形態によるULシナリオにおいて、SU ENDフレームの境界横断伝送が許容されるシナリオの概略図である。
【0197】
【
図14】本願のある実施形態によるP2Pシナリオにおいて、SU ENDフレームの境界横断伝送が許容されるシナリオの概略図である。
【0198】
【
図15】本願のある実施形態によるP2Pシナリオにおいて、TXOPを使用する許可を回復する別の適用シナリオの概略図である。
【0199】
【
図16】本願のある実施形態による、送信機会を使用する許可を回復する方法の別の概略フローチャートである。
【0200】
【
図17】本願によるP2Pシナリオにおける、事前設定された継続時間Tに基づく、TXOPを使用する許可を回復するシナリオの概略図である。
【0201】
【
図18】本願のある実施形態による、送信機会を使用する許可を回復する方法の別の概略フローチャートである。
【0202】
【
図19】本願によるULシナリオにおける、事前設定された継続時間Tに基づく、TXOPを使用する許可を回復するシナリオの概略図である。
【0203】
【
図20】本願のある実施形態による、送信機会を使用する許可を回復する方法の別の概略フローチャートである。
【0204】
【
図21】本願のある実施形態による向上BAフレームの構造の概略図である。
【0205】
【
図22】本願による、第1のデバイスがTXOPを使用する許可を能動的に回復する適用シナリオの概略図である。
【0206】
【
図23】本願による、第1のデバイスがTXOPを使用する許可を能動的に回復する適用シナリオの別の概略図である。
【0207】
【
図24】本願による、第1のデバイスがTXOPを使用する許可を能動的に回復する適用シナリオの別の概略図である。
【0208】
【
図25】本願のある実施形態による、送信機会を使用する許可を回復するための装置1の構造の概略図である。
【0209】
【
図26】本願のある実施形態による通信装置1000の構造の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0210】
以下は、本願の実施形態における添付の図面を参照して、本願の実施形態における技術的解決策を明確に説明する。
【0211】
本願の説明において、特に断りのない限り、「/」は「または」を意味する。たとえば、A/BはAまたはBを表しうる。本明細書における用語「および/または」は、関連するオブジェクト間の関連関係を記述するだけであり、3つの関係がありうることを示している。たとえば、Aおよび/またはBは、次の3つのケースを表しうる:Aのみが存在、AとBの両方が存在、Bのみが存在。また、「少なくとも1つ」は一つまたは複数を意味し、「複数」は2つ以上を意味する。「第一」「第二」などの用語は数量や実行順序を限定せず、「第一」「第二」などの用語は明確な差異を示すものではない。
【0212】
本願では、「例」や「たとえば」などの単語は、例、例解、または説明を与えることを表す。本願で「例」または「たとえば」として記述されているすべての実施形態または設計スキームは、別の実施形態または設計スキームよりも優先される、またはより多くの利点をもつとして説明されるべきではない。正確には、「例」または「たとえば」という単語の使用は、具体的な仕方で関連する概念を提示することを意図している。
【0213】
本願で提供される技術的解決策は、さまざまな通信システム、たとえばIEEE802.11規格を使用するシステムに適用されうる。たとえば、IEEE802.11規格は、802.11ax規格、802.11be規格、または次世代802.11規格を含むが、これらに限定されない。本願の技術的解決策が適用されるシナリオは、APと一つまたは複数のSTAの間の通信、AP間の通信、STA間の通信などを含む。たとえば、
図1aは、本願に従った通信システムのアーキテクチャーの概略図である。
図1aに示されるように、通信システムは1つのAPと2つのSTA(たとえば、
図1aのSTA1とSTA2)を含んでいてもよい。APはSTA1と通信してもよく、またはAPはさらにSTA2と通信してもよい。
【0214】
本願におけるアクセスポイント(AP)は、無線通信機能をもつ装置であり、無線ローカルエリアネットワーク(wireless local area network、WLAN)プロトコルに基づく通信をサポートしている。アクセスポイントは、WLANネットワーク内の別のデバイス(たとえば、ステーションまたは他のアクセスポイント)と通信する機能を有していてもよい。むろん、アクセスポイントはさらに別のデバイスと通信する機能を有していてもよい。WLANシステムでは、アクセスポイントはアクセスポイントステーション(access point station、AP STA)と称されてもよい。無線通信機能をもつ装置は、デバイス全体であってもよく、あるいはデバイス全体に搭載されたチップまたは処理システムであってもよい。チップまたは処理システムが配置されたデバイスは、該チップまたは処理システムの制御下で、本願の実施形態における方法および機能を実装することができる。本願の実施形態におけるAPは、STAのためのサービスを提供する装置であり、802.11シリーズのプロトコルをサポートすることができる。たとえば、APは、通信エンティティ、たとえば通信サーバー、ルーター、スイッチ、またはブリッジであってもよい。APは、マクロ基地局、マイクロ基地局、中継局などをさまざまな形で含みうる。むろん、APは、代替的に、本願の実施形態における方法および機能を実装するために、さまざまな形のこれらのデバイス内でチップまたは処理システムであってもよい。
【0215】
本願におけるステーション(STA)は、無線通信機能をもつ装置であり、WLANプロトコルに基づく通信をサポートしており、WLANネットワーク内の別のステーションまたはアクセスポイントと通信する機能を有する。WLANシステムでは、ステーションは非アクセスポイントステーション(non-access point station、non-AP STA)と称されてもよい。たとえば、STAは、ユーザーがAPと通信し、さらにWLANと通信することを許容する任意のユーザー通信デバイスである。無線通信機能をもつデバイスは、デバイス全体であってもよく、あるいはデバイス全体に搭載されたチップまたは処理システムであってもよい。チップまたは処理システムが配置されたデバイスは、該チップまたは処理システムの制御下で、本願の実施形態における方法および機能を実装することができる。たとえば、STAは、タブレットコンピュータ、デスクトップコンピュータ、ラップトップコンピュータ、ノートブックコンピュータ、ウルトラモバイルパーソナルコンピュータ(ultra-mobile personal computer、UMPC)、ハンドヘルドコンピュータ、ネットブック、携帯情報端末(personal digital assistant、PDA)、携帯電話など、インターネットに接続できるユーザー装置であってもよい。あるいはまた、STAは、モノのインターネットにおけるモノのインターネット・ノード、車両のインターネットにおける車内通信装置、エンターテインメント装置、ゲーム装置またはシステム、全地球測位システム装置などであってもよい。あるいはまた、STAは、前述の端末におけるチップおよび処理システムであってもよい。
【0216】
WLANシステムは、高速かつ低遅延の伝送を提供できる。WLAN適用シナリオの継続的な進化とともに、WLANシステムは、モノのインターネット業界、車両のインターネット業界、銀行業界、企業オフィス、スタジアムの展示ホール、コンサートホール、ホテルの部屋、寮、病棟、教室、スーパーマーケット、広場、通り、生産作業場、倉庫など、より多くのシナリオや業界に適用されていく。むろん、WLAN通信をサポートするデバイス(たとえば、アクセスポイントまたはステーション)は、スマートシティにおけるセンサーノード(たとえば、スマート水道メーター、スマート電気メーター、またはスマート空気検出ノード)、スマートホームにおけるスマートデバイス(たとえば、スマートカメラ、プロジェクター、ディスプレイ、テレビ、ステレオ、冷蔵庫、洗濯機など)、モノのインターネットにおけるノード、エンターテイメント端末(たとえば、拡張現実(augmented reality、AR)、仮想現実(virtual reality、VR)、またはその他のウェアラブルデバイス)、スマートオフィスにおけるスマートデバイス(たとえば、プリンター、プロジェクター、スピーカー、またはステレオ)、車両のインターネットにおける車両のインターネットデバイス、日常生活のシナリオにおけるインフラ(たとえば、自動販売機、スーパーマーケットのセルフサービスのナビゲーションステーション、セルフサービスのレジ装置、またはセルフサービスの注文機)、大規模なスポーツおよび音楽会場におけるデバイスなどであってもよい。STAとAPの特定の形は、本願の実施形態において限定されず、単にここでの記述のための例である。
【0217】
802.11規格は、物理層(physical layer、PHY)部分と媒体アクセス制御(media access control、MAC)層部分に焦点を当てていることを理解すべきである。たとえば、
図1bは、本願のある実施形態によるアクセスポイントの構造の概略図である。APは、複数のアンテナ/無線周波数を有していてもよく、あるいは単一のアンテナ/無線周波数を有していてもよい。アンテナ/無線周波数は、データパケットの送受信に使用される。ある実装では、APのアンテナまたは無線周波数部分は分離されてもよい、つまり、APの本体からリモートに配置されてもよい。
図1bでは、APは物理層処理回路と媒体アクセス制御処理回路を含みうる。物理層処理回路は物理層信号を処理するように構成されてもよく、MAC層処理回路はMAC層信号を処理するように構成されてもよい。別の例として、
図1cは、本願のある実施形態によるステーションの構造の概略図である。
図1cは、単一のアンテナ/無線周波数をもつSTAの構造の概略図である。実際のシナリオでは、STAは代替的に、複数のアンテナ/無線周波数をもつこともあり、2つより多くのアンテナをもつデバイスであってもよい。アンテナ/無線周波数は、データパケットの送受信に使用される。ある実装では、STAのアンテナまたは無線周波数部分が分離されてもよい、言い換えれば、STAの本体からリモートに配置されてもよい。
図1cでは、STAはPHY処理回路とMAC処理回路を含んでいてもよい。物理層処理回路は、物理層信号を処理するように構成されてもよく、MAC層処理回路はMAC層信号を処理するように構成されてもよい。
【0218】
本願で提供される技術的な解決策をよりよく理解するために、以下は、本願のこの実施形態において提供される送信機会を使用するための許可を回復する方法の適用シナリオについて簡単に説明する。
【0219】
本願のこの実施形態において提供される送信機会を使用するための許可を回復する方法は、ポイントツーポイント(point-to-pointまたはpeer-to-peer、P2P)通信シナリオ、上りリンク(uplink、UL)伝送シナリオなどに適用されうる。これは、ここでは制限されない。本願のこの実施形態におけるP2PシナリオおよびULシナリオにおいて使用されるデータ伝送フォーマットは、SU PPDUなどである。ここではこれに限定されない。
【0220】
現在のIEEE802.11ax規格におけるトリガー・フレームは、複数のユーザーが上りリンクTB PPDUを同時に送信するために設計されていることを理解しておくべきである。したがって、現在のトリガー・フレームは、変調および符号化方式(Modulation and Coding Scheme、MCS)、資源ユニット(Resource unit、RU)、送信電力などの情報を示す必要がある。APは通例、より強力なチャネル・アクセス機能を有するので、次世代のIEEE802.11be規格は、APによってトリガーされるSU PPDUをサポートする必要がある。現在、APによってトリガーされるSU PPDUを実装するために、APはシングルユーザー・トリガー・フレームを送信して、TXOP内の時間資源の一部を、関連付けられたSTA(説明を簡単にするために、以下では手短に指定STAまたはターゲットSTAと称される)に割り当ててもよい。それにより、指定STAが割り当てられた時間資源において別のSTAまたはAPと通信する。指定STAと別のSTAの間の通信はP2P通信またはP2P伝送として理解されてもよく、指定STAとAPの間の通信はUL通信またはUL伝送として理解されてもよい。
【0221】
たとえば、
図2aは、P2Pシナリオにシングルユーザー・トリガー・フレームを適用することの概略図である。
図2aに示されるように、TXOPを取得した後、APは、シングルユーザー・トリガー・フレーム(たとえば、
図2aにおける修正されたマルチユーザー送信許可要求(modified multi-user request to send、mMU-RTS)フレーム)を使用して、TXOP内の残りの時間資源(たとえば、
図2aにおける第1の時間資源)の一部または全部を、指定STA(たとえば、
図2aにおけるSTA1)に割り当ててもよい。本願の以下の諸実施形態では、第1の時間資源はシングルユーザーサービス期間(single-user service period、SU SP)と称されてもよい。これはここでは限定されない。mMU-RTSフレームは、STA1に関する情報、TXOPの残り時間資源、STA1に割り当てられた第1の時間資源の継続時間などの情報を担持してもよい。したがって、割り当てられた第1の時間資源において、STA1はSU PPDUをSTA2に送信してもよく、STA2はSU PPDUのブロック確認応答(block acknowledgement、BA)フレームをSTA1に送信してもよい。本願のこの実施形態では、第1の時間資源の開始時点はTXOPの開始時点よりも早くなく、第1の時間資源の終了時点はTXOPの終了時点よりも遅くないことは容易に理解される。つまり、第1の時間資源の開始時点はTXOPの開始時点以上であり、第1の時間資源の終了時点はTXOPの終了時点以下である。
【0222】
任意的に、mMU-RTSフレームは、指定STAが送信許可(Clear to Send、CTS)フレームに応答する必要があるかどうかなどの情報をさらに担持してもよい。たとえば、
図2aを参照されたい。STA1がAPによって送信されたmMU-RTSフレームを受信した後、STA1がmMU-RTSフレームをパースすることによって、APがSTA1に第1の時間資源を割り当て、STA1に、SU PPDUを送信する前にCTSフレームに応答することを要求していると判断した場合。STA1は、まず、割り当てられた第1の時間資源においてCTSフレームを送信し、SU PPDUをSTA2に送信し、次いで、STA2によってSTA1に返される、SU PPDUのBAフレームを受信することができる。P2Pシナリオでは、APは第1の時間資源の終了時点の後にのみTXOPを使用する許可を取り戻すことができることを理解しておくべきである。APがTXOPを使用する許可を回復することは、APが、第1の時間資源の終了時点からTXOPの終了時点までの時間期間(
図2aにおけるTs)において、PPDU(
図2aに示されるPPDU)を送信する、別のSTAにPPDUを割り当る、などしうることと理解されてもよい。これは、実際の適用シナリオに基づいて具体的に決定され、ここでは限定されない。
【0223】
たとえば、
図2bは、UL伝送シナリオにシングルユーザー・トリガー・フレームを適用することの概略図である。
図2bに示されるように、TXOPを取得した後、APは、シングルユーザー・トリガー・フレーム(たとえば、
図2bにおけるmMU-RTSフレーム)を使用して、TXOP内の残りの時間資源(たとえば、
図2bにおける第1の時間資源)の一部または全部を指定STA(たとえば、
図2bにおけるSTA1)に割り当てることができる。mMU-RTSフレームは、STA1に関する情報、TXOPの残りの時間資源、STA1に割り当てられた第1の時間資源の継続時間などの情報を担持してもよい。したがって、割り当てられた第1の時間資源では、STA1はSU PPDUをAPに送信してもよく、APはSU PPDUのBAフレームをSTA1に送信してもよい。任意的に、指定STAがCTSフレームに応答する必要があるという情報をmMU-RTSフレームがさらに担持する場合、MU-RTSフレームを受信した後、STA1はまず1つのCTSフレームを送信し、次いでSU PPDUをAPに送信する必要がある。UL伝送シナリオでは、APは第1の時間資源の終了時点の後にのみTXOPを使用する許可を回復できることを理解しておくべきである。たとえば、
図2bを参照されたい。APは、第1の時間資源の終了時点においてPPDUを送信する。
【0224】
APによって指定STAに割り当てた第1の時間資源の継続時間が長く、指定STAが第1の時間資源をある時間期間にわたって使用した後に、必要な送信を完了した場合、指定STAは残りの時間期間においては第1の時間資源を使用しないことを理解しておくべきである。たとえば、
図2cは残りの継続時間の概略図である。
図2cに示されるように、APによって指定STAに割り当てた第1の時間資源(たとえば、
図2cにおけるSTA1)の継続時間が長く、
図2cにおける時点t1においてSTA1がすべての送信を終了する場合、指定STAは残りの時間期間(たとえば、
図2cにおけるt1からt2までの時間期間)においては第1の時間資源を使用しない。任意的に、APによって指定STAに割り当てた第1の時間資源の継続時間が短く、指定STAは第1の時間資源をある時間期間にわたって使用した後、必要な送信を完了していないが、第1の時間資源の残りの継続時間は完全なSU PPDUを送信するのに十分でない場合、指定STAは残りの継続時間において第1の時間資源を使用しない。第1の時間資源が残りの継続時間をもつ任意の場合において、残りの継続時間はチャネル資源の無駄を引き起こし、残りの継続時間において競合を通じて別のSTAが、チャネルを使用する許可を取得することを許容してもよいことが理解されうる。ただし、APはTXOPを使用する許可を回復できない。したがって、本願のある実施形態は、送信機会を使用する許可を回復する方法を提供する。この方法では、送信機会を使用する許可が事前に回復されることができ、チャネル資源の使用率とTXOPを使用する許可を回復することの信頼性を改善する。
【0225】
以下は、本願で提供される技術的解決策について、さらなる付属の図面を参照して詳細に説明する。
【0226】
なお、本願では、第1のデバイスはAPであってもよく、第2のデバイスは非アクセスポイント・ステーション(つまり、非AP STA)であってもよく、またはアクセスポイントAPであってもよい。説明を簡単にするため、以下は第1のデバイスおよび第2のデバイスを、本願における説明のための例として使用する。
【0227】
さらに、本願における第1のデバイスおよび第2のデバイスの両方が802.11beプロトコル(またはWi-Fi7、EHTプロトコルと呼ばれる)をサポートしており、さらに別のWLAN通信プロトコル、たとえば802.11axおよび802.11acプロトコルをサポートしうることが理解されうる。本願における第1のデバイスおよび第2のデバイスは、802.11beプロトコルの次世代プロトコルをさらにサポートしていうることを理解しておくべきである。つまり、本願において提供される方法は、802.11beプロトコルと802.11beプロトコルの次世代プロトコルに適用可能である。
【0228】
本願のある実施形態は、送信機会を使用する許可を回復する方法を提供する。第1のデバイスは、第2のデバイスによって送信され、TXOPを返すことを示す第1のフレームを受信することによって、TXOPを使用する許可を回復/撤回することができる。
【0229】
具体的には、
図3は、本願のある実施形態による、送信機会を使用する許可を回復する方法の概略フローチャートである。
図3に示されるように、送信機会を使用する許可を回復する方法は、以下のステップを含む。
【0230】
S101: 第1のデバイスが第2のデバイスから第1のフレームを受信する。
【0231】
いくつかの実現可能な実装では、第1のデバイスが第2のデバイスから第1のフレームを受信してもよい。第1のフレームは、第2のデバイスが第1の時間資源を使用することを停止したことを示す。第1の時間資源は、第1のデバイスによって、シングルユーザー・トリガー・フレームを使用して、取得されたTXOPから第2のデバイスに割り当てられてもよいことを理解しておくべきである。具体的には、TXOPを取得した後、第1のデバイスはすぐに、シングルユーザー・トリガー・フレームを使用して、TXOP内の時間資源の一部または全部を第2のデバイスに割り当ててもよい。あるいはまた、TXOPを取得した後、第1のデバイスは時間資源の一部を使用し、その後、1つのシングルユーザー・トリガー・フレームを使用して、TXOP内の残りの時間資源の一部または全部を第2のデバイスに割り当ててもよい。
【0232】
一般に、第1の時間資源が第2のデバイスに割り当てられた後、第2のデバイスは第1の時間資源を使用して、上りリンクのシングルユーザーPPDU伝送またはP2P通信を実行できる。シングルユーザー・トリガー・フレームは、第1のフィールドおよび第2のフィールドを含みうる。第1のフィールドは、TXOPの残りの時間資源を示す。具体的には、第1のフィールドは継続時間フィールドであり、第2のフィールドは第1の時間資源を示す。つまり、シングルユーザー・トリガー・フレームは、TXOPの残りの継続時間を示す情報を担持し、第1の時間資源を示す情報を担持してもよい。本願のこの実施形態におけるシングルユーザー・トリガー・フレームは、マルチユーザー(multi-user、MU)送信要求(request to send、RTS)フレームに基づいて、またはそれを使用して設計されてもよい(説明を簡単にするために、本願では下記では、シングルユーザー・トリガー・フレームは、修正されたまたは改善されたMU-RTSフレームまたはmMU-RTSフレームと呼ばれる)。あるいはまた、シングルユーザー・トリガー・フレームは、新しいタイプのトリガー・フレームであってもよい。これは具体的には、実際の適用シナリオに基づいて決定され、本願では限定されない。
【0233】
いくつかの実現可能な実装では、第2のデバイスから第1のデバイスによって受信される第1のフレームは、第1の指示情報を担持してもよい。第1の指示情報は、第2のデバイスが第1の時間資源を使用することを停止したことを示す。ULシナリオでは、第1のフレームはサービス品質データ(quality of service data、QoSデータ)フレームであってもよく、またはサービス品質ヌル・データ(quality of service null data、QoSヌル・データ)フレームであってもよい。P2Pシナリオでは、第1のフレームはQoSヌル・データ・フレームであってもよい。QoSデータ・フレームとQoSヌル・データ・フレームはどちらもMAC層のフレーム(すなわち、MACフレーム)である。物理層でカプセル化されるとき、QoSデータ・フレームとQoSヌル・データ・フレームはどちらも、伝送のためにSU PPDUにカプセル化される必要がある。QoSヌル・データ・フレームは特殊なQoSデータ・フレームであると理解されてもよい。つまり、QoSヌル・データ・フレームはサービス・データを搬送しないQoSデータ・フレームである。サービス・データは、音声データ、ビデオデータ、ファイルデータなどであってもよく、これは本願では限定されない。QoSデータ・フレームとQoSヌル・データ・フレームの両方がA制御フィールドを含むことが理解されるべきである。A制御フィールド内の制御IDフィールドは、A制御フィールドの制御フィールド・タイプを示す。たとえば、A制御フィールドの制御識別子が6(すなわち、本願における第2の値)の場合、そのことは、A制御フィールドが具体的にはCAS制御フィールドであることを示す。
【0234】
いくつかの実現可能な実装では、A制御フィールドがCAS制御フィールドであるとき(つまり、A制御フィールド内の制御IDフィールド=6のとき)の場合、向上CAS制御フィールド内の逆承認(reverse grant、RDG)/さらなるPPDU(RDG/More PPDU)サブフィールドの値の意味は、第2のデバイスが第1の時間資源を使用することを停止したことを示してもよい。つまり、A制御フィールドがCAS制御フィールドである場合、第1の指示情報はCAS制御フィールド内のRDG/さらなるPPDUサブフィールドである。本願における「向上」とは、RDG/さらなるPPDUサブフィールドが第2のデバイスが第1の時間資源を使用することを止めたことを示しうるように、もとの標準プロトコル(すなわち、IEEE802.11ax標準プロトコル)におけるRDG/さらなるPPDUの値の意味が修正/調整されていることとして理解されうる。本願のこの実施形態では、「RDG/さらなるPPDUサブフィールド」は代替的に、手短に「RDGサブフィールド」として記述されることがある。
【0235】
わかりやすくするために、
図4は、本願のある実施形態による第1のフレームの構造の概略図を示す。第1のフレームは、向上CAS制御フィールド内のQoSデータ・フレームである。
図4に示されるように、QoSデータ・フレームは、フレーム制御(Frame Control)フィールド、継続時間(Duration)フィールド、アドレス1(Address 1)フィールド、アドレス2(Address 2)フィールド、アドレス3(Address 3)フィールド、シーケンス制御(Sequence Control)フィールド、アドレス4(Address 4)フィールド、サービス品質制御(QoS Control)フィールド、A制御(A-Control)フィールド、フレーム本体(Frame Body)フィールド、フレーム・チェック・シーケンス(frame check sequence、FCS)フィールドを含んでいてもよい。A制御フィールドは30ビットを含み、一つまたは複数の制御フィールド・タイプを担持しうる。各制御フィールド・タイプは、4ビットの制御ID(Control ID)フィールドと、特定の長さの制御情報(control information)フィールドを含む。つまり、1つの制御IDが1つの制御フィールド・タイプを示してもよく、各制御IDに対応する制御情報フィールドのフィールド長は固定であるが、異なる制御IDに対応する制御情報フィールドは異なる長さを有していてもよい。たとえば、
図4に示されるように、制御識別子=6の場合、そのことは、A制御フィールドがCAS制御フィールドであることを示す。具体的には、CAS制御フィールドでは、制御情報フィールドのフィールド長は8ビットである。CAS制御フィールド内の制御情報フィールドでは、第1ビットはアクセス・タイプ制約条件(AC Constraint)サブフィールドを示し、第2ビットは逆承認/さらなるPPDU(RDG/More PPDU)サブフィールドを示し、第3ビットはパラメータ・ベースの空間的再利用伝送(PSRT PPDU)サブフィールドを示し、第4ビットないし第8ビットはリザーブされた(Reserved)フィールドを示す。
【0236】
IEEE802.11ax規格では、CAS制御フィールド内のRDG/さらなるPPDUサブフィールドの値と関連する意味は次の表1に示される。
【表1】
【0237】
表1に示されるように、第1列はRDG/さらなるPPDUサブフィールドの値を表し、第2列はRGB/さらなるPPDUサブフィールドを含むPPDUを送信するSTAのアイデンティティ/役割(すなわち、送信するSTAの役割)を表し、第3列はそれらの値の具体的な意味を表す。表1に示されるように、送信するSTAの役割がRD応答者でない場合、RGB/さらなるPPDUサブフィールドの値が0に設定されていれば、それは逆承認がないことを示す。送信するSTAの役割がRD応答者である場合、RGB/さらなるPPDUサブフィールドの値が0に設定されていれば、それはフレームを搬送するPPDUがRD応答者による最後の送信であることを示す。対応して、送信するSTAの役割がRD開始者である場合、RGB/さらなるPPDUサブフィールドの値が1に設定されていれば、それは逆承認が存在することを示す。送信するSTAの役割がRD応答者である場合、RGB/さらなるPPDUサブフィールドの値が1に設定されていれば、それはフレームを搬送するPPDUの後に別のPPDUが続くことを示す。
【0238】
本願では、向上されたCAS制御フィールド内のRGB/さらなるPPDUサブフィールドが第1の時間資源を使用することを停止することを第2のデバイスに指示することを許容するために、もとのCAS制御フィールド内のRGB/さらなるPPDUサブフィールドの値の意味が表1に基づいて修正/向上される必要があることが理解されうる。向上されたCAS制御フィールド内のRGB/さらなるPPDUサブフィールドの値および関連する意味は次の表2に示される。
【表2】
【0239】
表2に示されるように、第1はRGB/さらなるPPDUサブフィールドの値を表し、第2はRGB/さらなるPPDUサブフィールドを含むPPDUを送信するSTAのアイデンティティ/役割(すなわち、送信するSTAの役割)を表し、第3列はそれらの値の具体的な意味を表す。表2に示されるように、向上CAS制御フィールド内のRGB/さらなるPPDUサブフィールドの値の意味は次のとおりである:送信するSTAの役割がRD応答者でも1つのSU SP内のターゲットSTAでもない場合、RGB/さらなるPPDUサブフィールドの値が0に設定されていれば、それは逆承認がないことを示す。送信するSTAの役割がRD応答者である場合、RGB/さらなるPPDUサブフィールドの値が0に設定されていれば、それは、フレームを搬送するPPDUがRD応答者による最後の送信であることを示す。送信するSTAの役割が1つのSU SPにおけるターゲットSTAである場合、RGB/さらなるPPDUサブフィールドの値が0に設定されていれば、それは、フレームを搬送するPPDUがSU SPにおけるターゲットSTAによる最後の送信であることを示す。対応して、送信するSTAの役割がRD開始者である場合、RGB/さらなるPPDUサブフィールドの値が1に設定されていれば、それは、逆承認が存在することを示す。送信するSTAの役割がRD応答者または1つのSU SPにおけるターゲットSTAである場合、RGB/さらなるPPDUサブフィールドの値が1に設定されていれば、それは、フレームを搬送するPPDUの後に別のPPDUが続くことを示す。
【0240】
「フレームを搬送するPPDUは、SU SPにおけるターゲットSTAによる最後の送信である」とは、ターゲットSTA(すなわち、本願における第2のデバイス)が第1の時間資源を使用することを停止することとして理解されるべきである。第1のデバイスはSU SP(つまり、本願における第1の時間資源)の割り当て者であり、具体的には、第1のデバイスは、シングルユーザー・トリガー・フレームを使用して、取得された送信機会TXOPから第1の時間資源を第2のデバイスに割り当ててもよい。そのため、第1のデバイスは、第1の時間資源を使用できる特定のデバイスを知っている。第1のデバイスが第1の時間資源において第1のフレームを受信するとき、第1のデバイスが第1のフレームの送信者アドレスが第2のデバイスであることを判別し、第1のデバイスが第2のデバイスが第1の時間資源の割り当て先の第2のデバイスである(つまり、第2のデバイスが指定STA/ターゲットSTAである)ことを判別した場合、第1のデバイスは第1のフレームをパースすることが理解されうる。第1のデバイスがパースを通じて、第1のフレーム内のCAS制御フィールド内のRDGサブフィールドの値が0であることを知る場合、それは、フレームを搬送するPPDUがSU SPにおけるターゲットSTAによる最後の送信であることを示す。つまり、第1のデバイスは、第2のデバイスが第1の時間資源を使用することを止めたことを判別しうる。
【0241】
任意的に、向上されたCAS制御フィールドにおけるRGB/さらなるPPDUサブフィールドが、第2のデバイスが第1の時間資源を使用することを停止したことを示すことを許容するために、向上CAS制御フィールドにおけるRGB/さらなるPPDUサブフィールドの値と関連する意味は次の表3に示される。
【表3】
【0242】
表3に示されるように、第1列はRGB/さらなるPPDUサブフィールドの値を表し、第2列はRGB/さらなるPPDUサブフィールドを含むPPDUを送信するSTAのアイデンティティ/役割(すなわち、送信するSTAの役割)を表し、第3列は値の具体的な意味を表す。表3に示されるように、向上CAS制御フィールド内のRGB/さらなるPPDUサブフィールドの値の意味は次のとおりである:送信するSTAの役割がRD応答者でも1つのSU SP内のターゲットSTAでもない場合、RGB/さらなるPPDUサブフィールドの値が0に設定されていれば、それは逆承認がないことを示す。送信するSTAの役割がRD応答者である場合、RGB/さらなるPPDUサブフィールドの値が0に設定されていれば、それはフレームを搬送するPPDUがRD応答者による最後の送信であることを示す。送信するSTAの役割が1つのSU SPにおけるターゲットSTAである場合、RGB/さらなるPPDUサブフィールドの値が0に設定されていれば、それはフレームを搬送するPPDUの後に別のPPDUが続くことを示す。対応して、送信するSTAの役割がRD開始者である場合、RGB/さらなるPPDUサブフィールドの値が1に設定されていれば、それは逆承認が存在することを示す。送信するSTAの役割がRD応答者である場合、RGB/さらなるPPDUサブフィールドの値が1に設定されていれば、それはフレームを搬送するPPDUの後に別のPPDUが続くことを示す。送信するSTAの役割が1つのSU SP内のターゲットSTAである場合、RGB/さらなるPPDUサブフィールドの値が1に設定されていれば、それは、フレームを搬送するPPDUがSU SP内のターゲットSTAによる最後の送信であることを示す。
【0243】
「フレームを搬送するPPDUは、SU SPにおけるターゲットSTAによる最後の送信である」とは、ターゲットSTA(すなわち、本願における第2のデバイス)が第1の時間資源を使用することを停止することとして理解されるべきである。具体的には、第2のデバイスが第1のデバイスから第1のフレームを受信したときに、第2のデバイスが第1のデバイスがターゲットSTAであることを判別する場合、第2のデバイスは第1のフレームをパースする。第1のデバイスがパースを通じて、第1のフレーム内のCAS制御フィールド内のRDGサブフィールドの値が1であることを知る場合、それは、フレームを搬送しているPPDUがSU SPにおけるターゲットSTAによる最後の送信であることを示す。つまり、第1のデバイスは、第2のデバイスが第1の時間資源を使用することを停止したことを判別しうる。したがって、第1のデバイスはTXOPを使用する許可を回復してもよい。
【0244】
わかりやすくするために、
図5は、本願のある実施形態によるULシナリオにおけるTXOPを使用する許可を回復する適用シナリオの概略図を示している。
図5に示されるように、ULシナリオでは、第1のデバイス(たとえば、
図5におけるAP)がmMU-RTSフレームを送信する時点から、第2のデバイス(たとえば、
図5におけるSTA1)が第1の時間資源(たとえば、
図5におけるSU SP)においてSU PPDUをSU PPDU受信機(たとえば、
図5におけるAP)に送信する時点までのプロセスについては、
図2bに記載されるプロセスを参照されたい。詳細は、ここでは再度説明しない。STA1が最後のSU PPDUをSU SPにおいてAPに送信し、向上CAS制御フィールドがSU PPDUにおいて搬送されるとき、SU PPDU内のCAS制御フィールド内のRDGサブフィールド(すなわち、RGB/さらなるPPDUサブフィールド)が、現在のSU PPDUがSU SPにおいて送信される最後のSU PPDUであることをAPに対して示してもよい。したがって、向上CAS制御フィールドを搬送するSU PPDUを受信した後、APは、短いフレーム間スペース(Short Inter-frame Space、SIFS)が経過したときまたは経過した後に、BAフレームをSTA1に応答し、次いで、SIFSが経過したときにTXOPを使用する許可を回復してもよい。向上CAS制御フィールドを搬送するSU PPDUがBAフレームに応答することをAPに要求しない場合、APは、向上CAS制御フィールドを搬送するSU PPDUを受信した後にSIFSが経過したとき、TXOPを使用する許可を回復してもよい(たとえば、APは
図5のPPDUを送信する)ことが理解されうる。最後のSU PPDUは、QoSデータ・フレームとカプセル化されたSU PPDUである。
【0245】
わかりやすくするために、
図6は、本願のある実施形態によるP2PシナリオにおいてTXOPを使用する許可を回復する適用シナリオの概略図を示している。
図6に示されるように、P2Pシナリオでは、第1のデバイス(たとえば、
図6におけるAP)がmMU-RTSフレームを送信する時点から、第2のデバイス(たとえば、
図6におけるSTA1)が第1の資源(たとえば、
図6におけるSU SP)においてSU PPDUをSU PPDU受信機(たとえば、
図6におけるSTA2)に送信する時点までのプロセスについては、
図2aに記載されるプロセスを参照されたい。詳細については、ここでは再度説明しない。STA1が最後のSU PPDUをSU SPにおいてSTA2に送信するとき、STA1がSTA2によって送信されたBAフレームを成功裏に受信する場合、STA1は、BAフレームを受信した後SIFSが経過したときに、向上CAS制御フィールドを搬送するQoSヌル・データ・フレームをAPに送信して、STA1がSU SPの使用を停止することをAPに対して示すことができる。QoSヌル・データ・フレームもSU PPDUフォーマットで伝送されることを理解しておくべきである。したがって、向上CAS制御フィールドにおいてQoSヌル・データ・フレームとカプセル化されたSU PPDUを受信した後、APはSIFSが経過するとすぐにTXOPを使用する許可を回復してもよい(たとえば、APは
図6のPPDUを送信する。)。
【0246】
任意的に、いくつかの実現可能な実装では、第1のフレームがQoSデータ・フレームである場合、または第1のフレームがQoSヌル・データ・フレームである場合、第2のデバイスが第1の時間資源を使用することを停止したことを示すために、新しいA制御フィールドをさらに設計されてもよい。たとえば、
図7は、本願のある実施形態による第1のフレームの構造の概略図を示す。
図7に示されるように、QoSデータ・フレームは、フレーム制御(Frame Control)フィールド、継続時間(Duration)フィールド、アドレス1(Address 1)フィールド、アドレス2(Address 2)フィールド、アドレス3(Address 3)フィールド、シーケンス制御(Sequence Control)フィールド、アドレス4(Address 4)フィールド、サービス品質制御(QoS Control)フィールド、A制御(A-Control)フィールド、フレーム本体(Frame Body)フィールド、フレーム・チェック・シーケンス(FCS)フィールドを含んでいてもよい。A制御フィールドは30ビットを含み、一つまたは複数の制御フィールド・タイプを担持しうる。各制御フィールド・タイプは、4ビットの制御ID(Control ID)フィールドと、特定の長さの制御情報(control information)フィールドを含む。つまり、1つの制御IDが1つの制御フィールド・タイプを示してもよく、各制御IDに対応する制御情報フィールドのフィールド長は固定であるが、異なる制御IDに対応する制御情報フィールドは異なる長さを有していてもよい。本願のこの実施形態では、新しいA制御フィールドが設計される場合、新しいA制御フィールド内の制御情報フィールドの長さは8ビットであるように設計されうることが理解されうる。制御情報フィールドに含まれる8ビットにおいて、少なくとも1つのビットが、シングル・ユーザー・エンド(single-user end、SU END)サブフィールドを示すためにセットされてもよく、該シングル・ユーザー・エンド・サブフィールドとは異なる別のビットがリザーブされる(reserved)サブフィールドを示す。
図7に示されるように、制御情報フィールドに含まれる8ビットにおいて、第1ビットはシングル・ユーザー・エンド(single-user end、SU END)サブフィールドを示すために、第2ビットないし第8ビットはリザーブされたサブフィールドを示すために使用されてもよい。制御識別子の値が第1の値である場合(たとえば、制御識別子=7の場合)、第1の値はA制御フィールドが第1の指示情報を含むことを示す。新しいA制御フィールド内の制御識別子は、標準プロトコルにおいて使用されていない別の識別子として設定されてもよいことが理解されうる。たとえば、新しいA制御フィールド内の制御識別子は、制御フィールドが新しいタイプのA制御フィールドであることを示すために、さらに8に設定されてもよい。これは具体的には実際の適用シナリオに基づいて決定され、ここでは限定されない。任意的に、新しいA制御フィールドが設計されるときに、新しいA制御フィールド内の制御情報フィールドの長さが0ビットであるように設計されてもよい。つまり、新しいA制御フィールドは制御情報フィールドを含まない。これはここでは限定されない。
【0247】
新しいA制御フィールドが第1の時間資源を使用することを停止することを第2のデバイスに示す場合、第1の指示情報はA制御フィールド内の制御IDフィールドであってもよいことが理解されうる(つまり、新しいA制御フィールド内の制御情報フィールドが0ビットであるように設計されている場合、そのことは、新しいA制御フィールドが制御情報フィールドを含まないことを示す。したがって、制御IDを担持すること自体が、第1の指示情報を担持することを意味する)。あるいはまた、第1の指示情報は、A制御フィールドにおける制御IDフィールドおよび制御情報フィールドであってもよい(つまり、新しいA制御フィールドにおける制御情報フィールドがゼロでないビットであるように設計されている場合、そのことは、新しいA制御フィールドにおける制御情報フィールドを含むことを示す。したがって、制御IDフィールドと制御情報フィールドは、合同で、新しい制御フィールドの機能を示す)。具体的には、第1のデバイスが第2のデバイスから第1のフレームを受信したときに、第1のデバイスが第1のフレームをパースし、第1のフレームのA制御フィールド内の制御IDフィールドの値が第1の値であることをパースを通じて得た場合、第2のデバイスは第1の値に基づいて、第1の時間資源を使用することを停止することを決定してもよい。あるいはまた、第1のデバイスが第2のデバイスから第1のフレームを受信したときに、第1のデバイスが第1のフレームをパースし、第1のフレームのA制御フィールド内の制御IDフィールドの値が第1の値であり、A制御フィールドの制御情報が第1のフレームが返却フレームであることを示す情報(つまり、シングルユーザーエンドサブフィールド)を含むことをパースを通じて得る場合、第2のデバイスは、第1の値と制御情報におけるシングル・ユーザー・エンド・サブフィールドの値に基づいて、第1の時間資源を使用することを停止することを決定してもよい。
【0248】
任意的に、いくつかの実現可能な実装では、既存のタイプのフレーム(たとえば、QoSデータ・フレームやQoSヌル・データ・フレーム)のA制御フィールド内の第1の指示情報が、第2のデバイスが第1の時間資源を使用することを停止したことを示すために、使用される。さらに、TXOPが回復される(つまり、第2のデバイスは第1の時間資源を使用することを停止する)ことを示すために専用の制御フレームが設計されてもよい。本願では、専用の制御フレームは、シングル・ユーザー・エンド(SU END)フレーム、時間資源返却フレームなどと呼ばれることがある。これは本願において限定されない。つまり、本願における第1のフレームは、代替的に、新しいタイプのフレームであってもよく、該新しいタイプのフレームは、TXOPを使用する許可を返すことを第2のデバイスに示す。具体的には、第1のフレーム内のフレーム・タイプ・フィールドは第1のフレームが制御フレームであることを示し、第1のフレーム内のフレーム・サブタイプ・フィールドは第1のフレームが時間資源返却フレームであることを示す。時間資源返却フレームは、第2のデバイスが第1の時間資源を使用することを停止したことを示す。
【0249】
たとえば、
図8は、本願のある実施形態による第1のフレームの構造の別の概略図である。
図8に示されるように、第1のフレーム(すなわち、
図8におけるSU ENDフレーム)は、フレーム制御(Frame Control)フィールド、継続時間(Duration)フィールド、受信者アドレス(receiver address、RA)フィールド、送信者アドレス(transmitter address、TA)フィールド、フレーム・チェック・シーケンス(frame check sequence、FCS)フィールドなどを含みうる。フレーム制御フィールドは、プロトコル・バージョン(Protocol Version)フィールド、フレーム・タイプ(Type)フィールド、フレーム・サブタイプ(Subtype)フィールドを含む。フレーム・タイプ(Type)フィールドの値が01である場合、それは、そのフレームが制御フレームであることを示し、フレーム・サブタイプ・フィールドは第1のフレームが時間資源返却フレームであることを示す。
図8に示されるように、フレーム・サブタイプ(Subtype)フィールドの値は、そのフレームがSU ENDフレームまたは時間資源返却フレームであることを示す1111に設定されてもよい。本願では、フレーム・サブタイプ・フィールドの具体的な値は限定されないことが理解されうる。たとえば、フレーム・サブタイプ・フィールドの値は、代替的に、0000、0001、0010、または1111であってもよい。これは本願において限定されない。
【0250】
わかりやすくするために、
図9は、本願のある実施形態によるULシナリオにおいてTXOPを使用する許可を回復する別の適用シナリオの概略図を示している。
図9に示されるように、ULシナリオでは、第1のデバイス(たとえば、
図9におけるAP)がmMU-RTSフレームを送信する時点から、第2のデバイス(たとえば、
図9におけるSTA1)が第1の時間資源(たとえば、
図9におけるSU SP)においてSU PPDUをSU PPDU受信者(たとえば、
図9におけるAP)に送信する時点までのプロセスについては、
図2bに記載されるプロセスを参照されたい。詳細については、ここでは再度説明しない。STA1が最後の送信されるべきSU PPDUの送信を完了し、SU PPDUのBAフレームの受信を完了する時点が
図9において示される時点t1であり、SU SPの終了時が
図9に示される時点t2であり、STAによってSU ENDフレームを送信することの継続時間がTsu_endであるとする。したがって、STA1がt1+SIFS+Tsu_end≦t2と判断した場合、STA1はt1+SIFSの時点においてSU ENDフレームをAPに送信しうる。SU ENDフレームを受信した後SIFSが経過したとき、APはTXOPを使用する許可を回復する。Tsu_endの具体的な値は、一般に、変調および符号化方式、空間的ストリーム、帯域幅、およびPPDUフォーマットにおいてSU ENDフレームを送信することの対応する継続時間に基づいて決定されうる。これはここでは限定されない。
【0251】
わかりやすくするために、
図10は、本願のある実施形態による、P2PシナリオにおいてTXOPを使用する許可を回復する別の適用シナリオの概略図を示している。
図10に示されるように、P2Pシナリオでは、第1のデバイス(たとえば、
図10におけるAP)がmMU-RTSフレームを送信する時点から、第2のデバイス(たとえば、
図10におけるSTA1)が第1の時間資源(たとえば、
図10におけるSU SP)においてSU PPDUをSU PPDU受信者(たとえば、
図10におけるSTA2)に送信する時点までのプロセスについては、
図2aに記載されるプロセスを参照されたい。詳細はここでは再度説明しない。STA1によって使用されるSU PPDUの終了時点がt1であり、SU SPの終了時点がt2であり、STAによってSU ENDフレームを送信することの継続時間がTsu_endであるとする。したがって、STA1がt1+SIFS+Tu_end≦t2であると判断した場合、STA1はt1+SIFSの時点においてSU ENDフレームをAPに送信してもよい。SU ENDフレームを受信した後SIFSが経過したとき、APはTXOPを使用する許可を回復する。Tsu_endの具体的な値は、一般に、変調および符号化方式、空間的ストリーム、帯域幅、およびPPDUフォーマットにおいてSU ENDフレームを送信することの継続時間に基づいて決定されうる。これはここでは限定されない。
【0252】
任意的に、いくつかの実現可能な実装では、第1の指示情報に加えて、第1のフレームがさらに第2の指示情報を担持してもよい。第2の指示情報は、第2のデバイスがデータ伝送のために時間資源をさらに必要とするかどうかを示す。第1のフレームがQoSデータ・フレームまたはQoSヌル・データ・フレームであり、QoSデータ・フレームまたはQoSヌル・データ・フレームにおけるA制御フィールドがCAS制御フィールドである場合、第1の指示情報はCAS制御フィールド内のRDGサブフィールドであり、第2の指示情報はCAS制御フィールド内の第4ビットないし第8ビットにおける少なくとも1ビットでありうる。第1のフレームがQoSデータ・フレームまたはQoSヌル・データ・フレームであり、QoSデータ・フレームまたはQoSヌル・データ・フレームのA制御フィールドが新しいA制御フィールドである場合、第1の指示情報は新しいA制御フィールドの制御識別子であってもよく、第2の指示情報は新しいA制御フィールドにおける制御情報フィールド内の第2ビットないし第8ビットにおける少なくとも1ビットでありうる。第1のフレームがSU ENDフレームである(つまり、第1のフレームはが用の制御フレームである)場合、第1の指示情報はフレーム制御フィールド内のフレーム・サブタイプ・フィールドであってもよく、第2の指示情報はフレーム制御フィールド内のリザーブされたフィールドから選択された少なくとも1つのリザーブされたフィールドなどでありうる。これはここに限定されない。
【0253】
わかりやすくするために、以下は、第1のフレームをQoSデータ・フレームであり、QoSデータ・フレーム内のA制御フィールドがCAS制御フィールドである例を使って、第1の指示情報と第2の指示情報について説明する。
図11(a)は、本願のある実施形態による第1のフレームの構造の別の概略図である。
図11(a)に示されるように、制御識別子=6である場合、それは、A制御フィールドがCAS制御フィールドであることを示す。具体的には、CAS制御フィールド内の制御情報フィールドにおいて、第1ビットはアクセス・タイプ制約条件(AC Constraint)サブフィールドを示し、第2ビットは逆承認/さらなるPPDU(RDG/More PPDU)サブフィールドを示し、第3ビットはパラメータ・ベースの空間的再利用伝送(PSRT PPDU)サブフィールドを示し、第4ビットないし第8ビットはリザーブされた(Reserved)フィールドを示す。したがって、本願のこの実施形態では、第4ビットないし第8ビットにおける少なくとも1ビットは、第2のデバイスがデータ伝送のために使用される時間資源をさらに必要とするかどうかを示す。つまり、本願では、少なくとも1ビットのリザーブされたフィールドが、時間資源を再度要求するための要求フィールドとして使用されうる。たとえば、1ビットのリザーブされたフィールド(たとえば、
図11(a)における第4ビット)が要求フィールドとして使用される。要求フィールドが1に設定されている場合、それは、第2のデバイスがさらにSU SPを必要としていることを示しうるので、APに、その後、時間資源を第2のデバイスに割り当てることを続けるように要求する。要求フィールドが0に設定されている場合は、それは、第2のデバイスがもはやSU SPを必要としないことを示している。任意的に、要求フィールドが0に設定されている場合、それが第2のデバイスがSU SPをさらに必要としているため、その後、前記時間資源を第2のデバイスに割り当てることを続けることをAPに要求することを示すことがさらに規定されてもよい。要求フィールドが1に設定されている場合、それは、第2のデバイスがもはやSU SPを必要としないことを示す。これは具体的には、実際の適用シナリオに基づいて決定され、ここでは限定されない。なお、前記1ビットのリザーブされたフィールドが前記要求フィールドとして使用される場合、要求フィールドは代替的に、CAS制御フィールド内の第4ビットないし第8ビットにおける任意の1ビットでありうることが理解されるべきである。これは具体的には、実際の適用シナリオに基づいて決定され、ここでは限定されない。
【0254】
別の例として、
図11(b)は、本願のある実施形態による第1のフレームの構造の別の概略図である。
図11(b)に示されるように、A制御フィールドがCAS制御フィールドである場合、CAS制御フィールド内の制御情報フィールドにおいて、第1ビットはアクセス・タイプ制約条件(AC Constraint)サブフィールドを示し、第2ビットはが逆承認/さらなるPPDU(RDG/More PPDU)サブフィールドを示し、第3ビットはパラメータ・ベースの空間的再利用伝送(PSRT PPDU)サブフィールドを示し、第4ビットないし第8ビットはリザーブされた(Reserved)フィールドを示す。2ビットのリザーブされたフィールド(たとえば、
図11(b)における第4ビットと第5ビット)が要求フィールドとして使用される場合、要求フィールドの値が00(つまり、第4ビットの値が0で、第5のビットの値が0)の場合、それは、STAがSU SPを必要としない(つまり、STAはUL伝送のためにSU SPを必要とせず、P2P伝送のためにSU SPを必要としない)ことを示してもよい。要求フィールドの値が01(つまり、第4ビットの値が0で、第5ビットの値が1)の場合、要求フィールドはSTAによるUL伝送のためのSU SPを示しうる(つまり、STAはUL伝送のためにはSU SPを必要とし、P2P伝送のためにはSU SPを必要としない)。要求フィールドの値が10(つまり、第4ビットの値が1であり、第5ビットの値が0)の場合、要求フィールドは、STAはP2P伝送のためにSU SPを必要としていることを示しうる(つまり、STAはP2P伝送のためにSU SPを必要とし、UL伝送のためにSU SPは必要としない)。要求フィールドの値が11(つまり、第4ビットの値が1で、第5ビットの値が1)の場合、要求フィールドは、STAがUL伝送とP2P伝送の両方のためにSU SPを必要としていることを示しうる(つまり、STAはUL伝送とP2P伝送の両方のためにSU SPを必要とする)。異なる値によって示される具体的な意味は、実際の適用シナリオに基づいて決定されうることが理解されうる。これはここに限定されない。
【0255】
任意的に、2ビットのリザーブされたフィールドが要求フィールドとして使用される場合、要求フィールドは、代替的に、CAS制御フィールド内の第4ビットないし第8ビットにおける任意の2つの連続したビット(たとえば、第4ビットと第5ビット、第5ビットと第6ビット、第6ビットと第7ビット、第7ビットと第8ビット)でありうる。任意的に、2ビットのリザーブされたフィールドが要求フィールドとして使用する場合、要求フィールドは代替的に、CAS制御フィールドにおける第4ビットないし第8ビットのうちの任意の2つの連続しないビットであってもよい。任意の2つの連続しないビットは、1ビットによって分離された2つのビットであってもよく、たとえば、第4ビットと第6ビット、または第5ビットと第7ビット、または第6ビットと第8ビットであってもよい。任意的に、任意の2つの連続しないビットは、代替的に、2ビットによって分離された2つのビットであってもよく、たとえば、第4ビットと第7ビット、または第5ビットと第8ビットであってもよい。任意的に、任意の2つの連続しないビットは、3ビットによって分離された2つのビットであってもよく、たとえば、第4ビットと第8ビットであってもよい。これはここでは限定されない。
【0256】
任意的に、くつかの実現可能な実装では、P2PシナリオかULシナリオに関係なく、802.11規格のプロトコルは、第2のデバイスが第1の時間資源の継続時間範囲内でのみサービス・データを搬送するSU PPDUを送信できることを指定する。ここで、第1の時間資源の継続時間範囲内でのみサービス・データを搬送するSU PPDUを送信することは:第1の時間資源の終了時点の前にSU PPDUの送信を完了し、応答を必要とするBAフレームを送信することを含む。したがって、ULシナリオについては、第1のフレームがQoSデータ・フレーム(QoSデータ・フレームは、向上CAS制御フィールドを担持するQoSデータ・フレーム、または新しいA制御フィールドを担持するQoSデータ・フレームである)である場合、QoSデータ・フレームはいまだ、第1の時間資源の終了時点の前に送信を完了する必要がある。第1のフレームがサービス・データを担持しないフレームである(つまり、第1のフレームはQoSデータ・フレームではない)場合、第1のフレームが第1の時間資源の終了時点を超えることが許容されうる、つまり、境界横断伝送が許容されることが規定されてもよい。たとえば、P2PシナリオまたはULシナリオにおいて、第1のフレームがSU ENDフレームである場合、SU ENDフレームの伝送が第1の時間資源の終了時点を超えることが許容されてもよい。つまり、SU ENDフレームの終了時点が第1の時間資源の終了時点よりも遅いことが許容され、SU ENDフレームの開始時点が第1の時間資源の終了時点よりも早い。別の例として、P2Pシナリオでは、第1のフレームがQoSヌル・データ・フレームである場合、QoSヌル・データ・フレームの伝送も第1の時間資源の終了時点を超えることが許容されてもよい。つまり、QoSヌル・データ・フレームの終了時点は第1の時間資源の終了時点よりも遅いことが許容され、QoSヌル・データ・フレームの開始時点は第1の時間資源の終了時点よりも早い。
【0257】
わかりやすくするために、
図13に、本願のある実施形態によるULシナリオにおいて、SU ENDフレームの境界横断伝送が許容されるシナリオの概略図を示す。
図13に示されるように、ULシナリオにおいて、第1のデバイス(たとえば、
図13におけるAP)がmMU-RTSフレームを送信する時点から、第2のデバイス(たとえば、
図13におけるSTA1)が第1の時間資源(たとえば、
図13におけるSU SP)においてSU PPDUをSU PPDU受信者(たとえば、
図13におけるAP)に送信する時点までのプロセスについては、
図2bに記載されるプロセスを参照されたい。詳細については、ここでは再度説明しない。STA1が第1の時間資源における最後のSU PPDUの送信を完了し、APによって送信されたBAフレームを成功裏に受信した後、STA1がBAフレームを受信した後、SIFSが経過したときに第1の時間資源の終了時点を超えていない場合、STA1はすぐに1つのSU ENDフレームをAPに送信し、STA1が第1の時間資源を使用することを停止することをAPに示す。第1のデバイス(たとえば、
図13におけるAP)は、SU ENDフレームを受信した後SIFSが経過したとき、すぐにTXOPを使用する許可を回復する。
【0258】
任意的に、
図14は、本願のある実施形態によるP2Pシナリオにおいて、SU ENDフレームの境界横断伝送が許容されるシナリオの概略図である。
図14に示されるように、P2Pシナリオにおいて、第1のデバイス(たとえば、
図14におけるAP)がmMU-RTSフレームを送信する時点から、第2のデバイス(たとえば、
図14におけるSTA1)が第1の資源(たとえば、
図14におけるSU SP)においてSU PPDUをSU PPDU受信者(たとえば、
図14におけるSTA2)に送信する時点までのプロセスについては、
図2aに記載されるプロセスを参照されたい。詳細については、ここでは再度説明しない。STA1が第1の時間資源における最後のSU PPDUの送信を完了し、STA2によって送信されたBAフレームを成功裏に受信した後、STA1がBAフレームを受信した後SIFSが経過したときに第1の時間資源の終了時点を超えていない場合、STA1はすぐに1つのSU ENDフレームをAPに送信し、STA1が第1の時間資源を使用することを停止することをAPに示す。SU ENDフレームを受信した後SIFSが経過したとき、APはすぐにTXOPを使用する許可を回復する。
【0259】
任意的に、
図15は、本願のある実施形態による、P2PシナリオにおいてTXOPを使用する許可を回復する別の適用シナリオの概略図を示している。
図15に示されるように、P2Pシナリオでは、第1のデバイス(たとえば、
図15におけるAP)がmMU-RTSフレームを送信する時点から、第2のデバイス(たとえば、
図15におけるSTA1)が第1の時間資源(たとえば、
図15におけるSU SP)においてSU PPDUをSU PPDU受信者(たとえば、
図15におけるSTA2)に送信する時点までのプロセスについては、
図2aに記載されるプロセスを参照されたい。詳細については、ここでは再度説明しない。STA1がSU SPにおいて最後のSU PPDUの送信を完了し、STA2によって送信されたBAフレームを成功裏に受信した後、STA1がBAフレームを受信した後SIFSが経過したときにSU SPの終了時点を超えていない場合、STA1はすぐに1つのQoSヌル・データ・フレームをAPに送信し、SU SPの使用終了をAPに示す。APは、QoSヌル・データ・フレームを受信した後SIFSが経過すると、すぐにTXOPを使用する許可を回復する。
【0260】
本願のこの実施形態では、第1のフレームはフレーム制御フィールドを担持するフレームであってもよく、第2のデバイスは、フレーム制御におけるさらなるデータ・サブフィールドを使用することによって、第1の時間資源を使用することを停止するかどうかを示す。さらなるデータ・サブフィールドが1に設定されている場合は、それは、第1の時間資源を使用することを停止することを示し、さらなるデータ・サブフィールドが0に設定されている場合は、それは第1の時間資源を使用することを停止しないことを示す。別の例では、さらなるデータ・サブフィールドが0に設定されている場合、それは、第1の時間資源を使用することを停止することを示し、さらなるデータ・サブフィールドが1に設定されている場合、それは第1の時間資源を使用することを停止しないことを示す。
【0261】
フレーム制御フィールドの構造が
図12に示されている。APによって、省電力をサポートするステーションに送信されるフレームに、現在、前記さらなるデータ・サブフィールドがあり、APがターゲットSTAのためにさらなるデータをバッファするかどうかを示す。前記さらなるデータ・サブフィールドが1に設定されている場合は、それは、前記さらなるバッファされたデータが存在することを示す。前記さらなるデータ・サブフィールドが0に設定されている場合は、それは、それ以上のバッファされたデータが存在しないことを示す。同様に、TDLSステーションは、前記さらなるデータ・サブフィールドを使用して、TDLSステーションが省電力モードのTDLS受信ステーションのためのさらなるバッファされたデータをもっているかどうかを示してもよい。従来の技術では、前記さらなるデータ・サブフィールドは、非AP STAが関連付けられたAPに送信するシナリオでは使用されず、前記さらなるデータ・サブフィールドは0に設定される。
【0262】
具体的には、ある可能な実装では、第1のデバイスがAPであり、第2のデバイスは2つの場合を含みうる:一方は第1のデバイスに関連付けられた非AP STAであり、他方は重複する基本サービスセット(Overlapping Basic Service Set、OBSS)APである。
【0263】
第2のデバイスが第1のデバイスに関連付けられた非AP STAである場合、本願のこの実施形態における技術的解決策では、前記さらなるデータ・サブフィールドは、非AP STAによって関連付けられたAPに送信されるフレームにおいて使用され、第1の時間資源を使用することを停止するかどうかを示す。この場合、前記さらなるデータ・サブフィールドが0に設定されている場合、それは、非AP STAが前記さらなるデータ・サブフィールドを使用しないことを示すのではなく、第1の時間資源を使用することを停止しないことを示す。非AP STAが、関連付けられたAPとは異なるステーションに送信する場合、前記さらなるデータ・サブフィールドの値は、第1の時間資源を使用することを停止するかどうかを示す情報を示さない。このシナリオでは、前記さらなるデータ・サブフィールドの値の具体的な意味が、既存のプロトコルにおける、バッファされたデータがあるかどうかを示す機能に準拠していてもよく、あるいは再定義されてもよい。これは、本願では限定されない。関連付けられたAPとは異なるステーションは、非AP STAであってもよく、または前記APであってもよい。これは、本願ではここで限定されない。
【0264】
第2のデバイスがOBSS APである場合、本願のこの実施形態における技術的解決策では、前記さらなるデータ・サブフィールドは、OBSS APによって第1のデバイスに送信されるフレームにおいて使用され、第1の時間資源を使用することを停止するかどうかを示す。たとえば、さらなるデータ・サブフィールドが0に設定されている場合、それは、第1の時間資源を使用することを停止しないことを示す。OBSS APが第1のデバイスとは異なるステーションに送信する場合、さらなるデータ・サブフィールドの値は、第1の時間資源を使用することを停止するかどうかを示す情報を示さない。このシナリオでは、さらなるデータ・サブフィールドの値の具体的な意味は、既存のプロトコルにおけるバッファされたデータがあるかどうかを示す機能に準拠していてもよく、あるいは再定義されてもよい。これは、本願では限定されない。第1のデバイスと異なるステーションは、非AP STAであってもよく、あるいはAPであってもよい。これは、本願では限定されない。
【0265】
なお、さらなるデータ・サブフィールドは、第1の時間資源を使用することを停止するかどうかを示してもよく、そのような機能はさらなるデータ・サブフィールドのもとの機能とは異なるため、さらなるデータ・サブフィールドは、たとえば、さらなるデータ/送信機会共有終了(More Data/TXOP Sharing Termination)など、別の名称を有していてもよい。名前が修正されるかどうかは、さらなるデータ・サブフィールドの機能の使用には影響しないことに注意するべきである。
【0266】
この技術的解決策では、既存のさらなるデータ・サブフィールドは、第1の時間資源を使用することを停止するかどうかを示し、それにより、さらなるデータ・サブフィールド内の既存のフィールドを最大限に使用でき、新しいフィールドが追加的に加えられることはない。これは、指示のオーバーヘッドを削減し、製品の実装を助けることができる。
【0267】
S102: 第1のデバイスが、第1のフレームに基づいてTXOPを使用する許可を回復する。
【0268】
いくつかの実現可能な実装では、第2のデバイスから第1のフレームを受信すると、第1のデバイスは、第1のフレームをパースすることによって、第1のフレームにおいて担持される第1の指示情報を取得し、さらに第1の指示情報に基づいてTXOPを使用する許可を回復することができる。任意的に、第1のデバイスが第2のデバイスから第1のフレームを受信するとき、第1のデバイスが、第1のフレームをパースすることによって、第1のフレームにおいて担持される第1の指示情報および第2の指示情報を取得するなら、第1のデバイスは、第1の指示情報に基づいてTXOPを使用する許可を回復し、第2の指示情報に基づいてTXOPの残りの継続時間から第2のデバイスに新しい時間資源を割り当てることを続けてもよい。
【0269】
本願のこの実施形態では、第1のフレームは、第2のデバイスが割り当てられた時間資源(第1の時間資源)の使用を停止したことを示し、そのため、第1のデバイスは、第1のフレームの指示に基づいて、事前にTXOPを使用する許可を撤回または回復する。これは、チャネル資源の使用率とTXOPを使用する許可の回復の信頼性を改善できる。
【0270】
さらに、本願のある実施形態は、送信機会を使用する許可を回復する方法をさらに提供する。本願のこの実施形態は、主に、標準プロトコルにおいて、任意のフレームの送受信が第1の時間資源の終了時点を超えることを許されていない場合、第1のデバイスは、事前設定された継続時間T(すなわち、時間閾値T)を設定することによって、TXOPを使用する許可を回復または撤回しうることを説明する。
【0271】
具体的には、
図16は、本願のある実施形態による送信機会を使用する許可を回復する方法の別の概略フローチャートである。
図16に示されるように、送信機会を使用する許可を回復する方法は、以下のステップを含む。
【0272】
S201: 第1のデバイスが第2のフレームを受信する。
【0273】
いくつかの実現可能な実装では、第1の時間資源における任意の時点で第2のフレームを受信するとき、第1のデバイスは、事前設定された継続時間Tと、第2のフレームの終了時点と第1の時間資源の終了時点との間の継続時間との間の値関係に基づいて、TXOPを使用する許可を事前に回復するかどうかをさらに決定してもよい。つまり、第1のデバイスは、受信された第2のフレームがTXOPを使用する許可を回復するための条件を満たしているかどうかをリアルタイムで判断する必要がある。第2のフレームは、宛先アドレス(受信者アドレスとも呼ばれる)が第2のデバイスのアドレスであるフレームであってもよく、あるいは第2のフレームは、送信者アドレスが第2のデバイスのアドレスであり、確認応答フレームを要求しないフレームであってもよい。
【0274】
たとえば、P2Pシナリオでは、第1のデバイスによって受信され、宛先アドレスが第2のデバイスのアドレスである第2のフレームは、SU PPDU受信機(すなわち、別のステーションSTA)によって第2のデバイスに送信されるBAフレームであってもよい。
図17に示されるように、STA1はSU PPDUをSTA2に送信し、STA2はBAフレームをもってSTA1に応答する。つまり、BAフレームの宛先アドレスはSTA1(本願のこの実施形態では対応して第2のデバイスとして理解される)であり、BAフレームも本願のこの実施形態では対応して第2のフレームとして理解されうる。WLANシステムでは、デバイス間の通信態様がブロードキャストなので、第1のデバイス(たとえば、
図17におけるAP)はSU PPDU受信者(たとえば、
図17におけるSTA2)によって第2のデバイスに送信されたBAフレームを受信する場合がある。任意的に、P2Pシナリオでは、第1のデバイスによって受信される、送信者アドレスが第2のデバイスのアドレスである第2のフレームは、第2のデバイスによってSU PPDU受信機に送信される、BAフレームを要求しないSU PPDUであってもよい。あるいはまた、第2のフレームは、第2のデバイスによって送信される管理フレームなどであってもよい。これは、具体的には、実際の適用シナリオに基づいて具体的に決定され、ここでは限定されない。
【0275】
たとえば、ULシナリオでは、第1のデバイスは、送信者アドレスが第2のデバイスのアドレスである第2のフレームを受信し、第2のフレームは応答フレームを要求しない。たとえば、第2のフレームは、第2のデバイスによって第1のデバイスに送信される、BAフレームを要求しないSU PPDUであってもよい。あるいはまた、第2のフレームは、第2のデバイスによって送信された管理フレームなどであってもよい。これはここでは限定されない。任意的に、ULシナリオでは、第1のデバイスがSU PPDUの受信者であるため、第1のデバイスは、SU PPDUを送信するBAフレームの終了時点と第1の時間資源の終了時点の間の継続時間を使用することによって、TXOPを使用する許可を撤回するかどうかをさらに決定してもよい。
【0276】
S202: 第1のデバイスは、第2のフレームの終了時点と第1の時間資源の終了時点の間の継続時間が、事前設定された継続時間Tよりも短い場合に、TXOPを使用する許可を回復する。
【0277】
いくつかの実現可能な実装では、第1のデバイスが第2のフレームを受信した後、第1のデバイスが第2のフレームの終了時点と第1の時間資源の終了時点の間の継続時間が、事前設定された継続時間Tよりも短いと判断した場合、第1のデバイスはTXOPを使用する許可を回復する。逆に、第1のデバイスが第2のフレームの終了時点と第1の時間資源の終了時点の間の継続時間が、事前設定された継続時間Tよりも長いと判断した場合、第1のデバイスはTXOPを使用する許可を回復しない。
【0278】
具体的には、P2Pシナリオでは、第1のデバイスが第1の時間資源における任意の時点で1つの確認応答フレームを受信したときに、第1のデバイスが確認応答フレームの宛先アドレスが第1の時間資源の指定STAのアドレス(すなわち、第2のデバイスのアドレス)であると判断した場合、第1のデバイスは、確認応答フレームの終了時点と第1の時間資源の終了時点の間の継続時間がT未満であるかどうかを判断しうる。継続時間がT未満である場合、第1のデバイスは、SIFS後にすぐ、TXOPを使用する許可を回復する。逆に、継続時間がTより大きい場合、第1のデバイスはTXOPを使用する許可を回復しない。あるいはまた、第1のデバイスが第1の時間資源における任意の時点における応答フレームを要求しない1つのフレームを受信したときに、応答フレームを要求しないフレームの送信者アドレスが第1の時間資源の指定STAのアドレス(すなわち、第2のデバイスのアドレス)である場合、第1のデバイスは、フレームの終了時点と第1の時間資源の終了時点の間の継続時間がT未満であるかどうかを判断する。継続時間がT未満である場合、第1のデバイスはSIFS後にすぐ、TXOPを使用する許可を回復できる。逆に、継続時間がTより長い場合、第1のデバイスはTXOPを使用する許可を回復しない。
【0279】
具体的には、ULのシナリオでは、第1のデバイスが第1の時間資源における任意の時点における応答フレームを要求しない1つのフレームを受信したときに、応答フレームを要求しないフレームの送信者アドレスが第1の時間資源の指定STAのアドレス(すなわち、第2のデバイスのアドレス)である場合、第1のデバイスは、フレームの終了時点と第1の時間資源の終了時点の間の継続時間がT未満であるかどうかを判断する。継続時間がT未満である場合、第1のデバイスはSIFS後にすぐ、TXOPを使用する許可を回復できる。逆に、継続時間がTより大きい場合、第1のデバイスはTXOPを使用する許可を回復しない。
【0280】
わかりやすくするために、
図17は、本願による、P2Pシナリオにおける、事前設定された継続時間Tに基づいてTXOPを使用する許可を回復するシナリオの概略図を示している。
図17に示されるように、P2Pシナリオでは、第1のデバイス(たとえば、
図17におけるAP)がmMU-RTSフレームを送信する時点から、第2のデバイス(たとえば、
図17におけるSTA1)が第1の時間資源(たとえば、
図17におけるSU SP)においてSU PPDUをSU PPDU受信者(たとえば、
図17におけるSTA2)に送信する時点までのプロセスについては、
図2aに記載されるプロセスを参照されたい。詳細については、ここでは再度説明しない。APが第1の時間資源における任意の時点において1つのBAフレームを受信し、BAフレームの宛先アドレスがSTA1のアドレスである場合、APが、BAフレームの終了時点とSU SPの終了時点の間の継続時間(たとえば、
図17におけるT')が事前設定された継続時間Tよりも短いと判断した場合、APはSIFS後にすぐ、TXOPを使用する許可を回復できる。逆に、T'がTよりも大きい場合、APはTXOPを使用する許可を回復しない。対応して、STA1が第1の時間資源における任意の時点においてBAフレームを受信し、BAフレームの終了時点とSU SPの終了時点の間の継続時間T'がT未満であると判断した場合、STA1はデフォルトで、APがTXOPを使用する許可を回復する、つまり、STAはSU SPの残りの継続時間においてSU PPDUを送信することはもはや許容されないと見なす。逆に、STA1が継続時間T'がTより大きいと判断した場合、STAはSU SPを使用し続けることができる。
【0281】
任意的に、いくつかの実現可能な実装では、第1のデバイスが、第2のフレームの終了時点と第1の時間資源の終了時点の間の継続時間が事前設定された継続時間Tと等しいと判断した後、第1のデバイスは、TXOPを使用する許可を回復することを選択してもよい。あるいはまた、第1のデバイスはTXOPを使用する許可を回復しないことを選択してもよい。これは具体的には、実際の適用シナリオに基づいて決定され、ここでは限定されない。
【0282】
対応して、第2のデバイスが第2のフレームを受信する終了時点から第1の時間資源の終了時点までの継続時間が事前設定された継続時間Tよりも短い、または第2のデバイスが第2のフレームを送信する終了時点から第1時間資源の終了時点までの継続時間が事前設定された継続時間Tよりも短い場合、第2デバイスはもはやPPDUを送信しない。逆に、第2のデバイスが第2のフレームを受信する終了時点から第1の時間資源の終了時点までの継続時間が事前設定された継続時間Tよりも長い、または第2のデバイスが第2のフレームを送信する終了時点から第1時間資源の終了時点までの継続時間が事前設定された継続時間Tよりも長い場合、第2のデバイスは第1の時間資源を使用することを継続しうる。
【0283】
具体的には、ULシナリオまたはP2Pシナリオで、第1の時間資源における任意の時点において第2のデバイスが1つの確認応答フレームを受信するとき、第2のデバイスは、確認応答フレームの終了時点と第1の時間資源の終了時点の間の継続時間がT未満であるかどうかを判断できる。継続時間がT未満である場合、第2のデバイスはデフォルトで、第1のデバイスがTXOPを使用する許可を回復する、つまり、第2のデバイスはもはや第1の時間資源の残りの継続時間においてSU PPDUを送信することが許容されないと見なす。逆に、継続時間がTよりも長い場合、STAはSU SPを使用し続けてもよい。あるいはまた、第2のデバイスが第1の時間資源における任意の時点において応答フレームを要求しない1つのフレームを送信する場合、第2のデバイスは、応答フレームの終了時点と第1の時間資源の終了時点の間の継続時間がTよりも短いかどうかを判断する。継続時間がTよりも短い場合、第2のデバイスはデフォルトで、第1のデバイスがTXOPを使用する許可を回復すると見なす。つまり、第2のデバイスは、第1の時間資源の残りの継続時間においてもはやSU PPDUを送信しない。逆に、継続時間がTより大きい場合、第2のデバイスは第1の時間資源を使用することを継続しうる。
【0284】
第2のデバイスが第2のフレームを受信する終了時点と第1の時間資源の終了時点との間の継続時間が事前設定された継続時間Tに等しい、または第2のデバイスが第2のフレームを送信する終了時点と第1の時間資源の終了時点との間の継続時間が事前設定された継続時間Tに等しい場合、第2のデバイスが第1の時間資源の使用を継続することを選択するかどうかは、第1のデバイスがTXOPの使用許可を回復することを選択するかどうかと整合するべきであることが理解されうる。たとえば、第1のデバイスが、第2のフレームの終了時点と第1の時間資源の終了時点との間の継続時間が、事前設定された継続時間Tに等しいと判断するときに、第1のデバイスがTXOPの使用許可を回復することを選択することが指定されている場合、第2のデバイスは、第2のフレームの終了時点と第1の時間資源の終了時点との間の継続時間が、事前設定された継続時間Tに等しい場合、PPDUフレームを送信しないことを選択する必要がある。対応して、第1のデバイスが、第2のフレームの終了時点と第1の時間資源の終了時点との間の継続時間が、事前設定された継続時間Tに等しいと判断するときに、第1のデバイスがTXOPの使用許可を回復しないことを選択することが指定されている場合、第2のデバイスは、第2のフレームの終了時点と第1の時間資源の終了時点との間の継続時間が、事前設定された継続時間Tに等しい場合、第1の時間資源を使用することを継続することを選択することが指定されてもよい。
【0285】
任意的に、いくつかの実現可能な実装では、第2のフレームが、第2のデバイスが第1の時間資源を使用するときに第2のデバイスによって送信される最後のSU PPDUである場合、または、第2のフレームが、第2のデバイスが第1の時間資源を使用するときに第2のデバイスによって送信される最後のSU PPDUのBAフレームである場合、第2のデバイスが、第2のフレームの終了時点と第1の時間資源の終了時点の間の継続時間が、事前設定された継続時間Tよりも長いと判断した場合、チャネル資源の浪費を防ぐために、第2のデバイスはさらに第1のデバイスに第1のフレームを送信して、第2のデバイスが第1の時間資源を使用することを停止したことを示してもよい。対応して、第1のデバイスは第2のデバイスから第1のフレームを受信し、第1のフレームに関する情報をパースして、それにより、第1のデバイスは、第1のフレームに基づいてTXOPを使用する許可を回復しうる。本願のこの実施形態では、第2のデバイスが第1のフレームを送信して、第2のデバイスが第1の時間資源を使用することを停止したことを示す解決策については、実施形態1において記載されているプロセスを参照されたい。詳細については、ここでは再度説明しない。
【0286】
本願のこの実施形態では、P2PおよびULのシナリオにおいて、第1のデバイスは、時間閾値(すなわち、本願における事前設定された継続時間T)と、任意の時点で第2のフレームが受信される終了時点と第1の時間資源の終了時点との間の継続時間T'の間の値関係を判別して、TXOPを使用する第1のデバイスの許可を回復または撤回するかどうかを決定することができる。本願のこの実施形態における解決策によると、T'がT未満の場合、TXOPを使用する許可が回復され、TXOPを使用する許可は事前に回復されることもできる。これは、チャネル資源の使用率と、TXOPを使用する許可を回復することの信頼性を改善できる。
【0287】
さらに、ULシナリオでは、第1のデバイスが代替的に第2のフレームを送信し、時間閾値(すなわち、本願における事前設定された継続時間T)と、第2のフレームの終了時点と第1の時間資源の終了時点の間の継続時間T'の間の値関係に基づいて、第1のデバイスのTXOPを使用する許可を回復または撤回するかどうかを決定してもよい。
【0288】
具体的には、
図18は、本願のある実施形態による、送信機会を使用する許可を回復する方法の別の概略フローチャートである。
図18に示されるように、送信機会を使用する許可を回復する方法は、以下のステップを含む。
【0289】
S301: 第1のデバイスが第2のフレームを送信する。
【0290】
いくつかの実現可能な実装では、ULのシナリオにおいて、第1のデバイスは代替的に、第2のデバイスに第2のフレームを送信し、事前設定された継続時間Tと、第2のフレームの終了時点と第1の時間資源の終了時点との間の継続時間との間の値関係に基づいて、TXOPを使用する許可を回復するかどうかを決定しうる。一般に、ULシナリオにおいて第1のデバイスによって送信される第2のフレームは、第2のデバイスから受信されたSU PPDUに基づいて、第1のデバイスによって第2のデバイスに返されるBAフレームである。さらに、ULのシナリオでは、第2のデバイスは、第1のデバイスによって送信されたBAフレームを受信し、事前設定された継続時間Tと、第2のフレームの終了時点と第1の時間資源の終了時点との間の継続時間との値関係に基づいて、第1の時間資源を使用することを継続かどうかを決定する。
【0291】
S302: 第1のデバイスは、第2のフレームの終了時点と第1の時間資源の終了時点との間の継続時間が、事前設定された継続時間Tよりも短い場合に、送信機会TXOPの使用許可を回復する。
【0292】
いくつかの実現可能な実装では、第1のデバイスは、第2のフレームの終了時点と第1の時間資源の終了時点との間の継続時間が、事前設定された継続時間Tよりも短い場合に、送信機会TXOPを使用する許可を回復する。第1の時間資源は、第1のデバイスによって、得られたTXOPから、第2のデバイスに割り当てられる。逆に、第2のデバイスが、第2のフレームの終了時点と第1の時間資源の終了時点との間の継続時間が、事前設定された継続時間Tよりも短いと判断した場合、第2のデバイスは、デフォルトで、第1のデバイスがTXOPの使用を回復するとみなす。つまり、第2のデバイスは、SU SPの残りの継続時間においてもはやSU PPDUを送信することを許容されない。
【0293】
任意的に、いくつかの実現可能な実装では、第2のデバイスが、第2のフレームの終了時点と第1の時間資源の終了時点との間の継続時間がTよりも大きいと判断した場合、無駄を防ぐために、第2のデバイスは第1のデバイスに第1のフレームを送信し、第2のデバイスが第1の時間資源を使用することを停止したことを示すことができる。対応して、第1のデバイスは第2のデバイスから第1のフレームを受信し、第1のフレームをパースし、それにより、第1のデバイスは第1のフレームに基づいてTXOPを使用する許可を回復できる。本願のこの実施形態では、第2のデバイスが第1のフレームを送信して第2のデバイスが第1の時間資源を使用することを停止したことを示す解決策については、実施形態1において記載されたプロセスを参照されたい。詳細はここでは説明しない。
【0294】
わかりやすくするために、
図19は、本願による、ULシナリオにおいて、事前設定された継続時間Tに基づいてTXOPを使用する許可を回復するシナリオの概略図を示す。
図19に示されるように、ULシナリオにおいて、第1のデバイス(たとえば、
図19におけるAP)がmMU-RTSフレームを送信する時点から、第2のデバイス(たとえば、
図19におけるSTA1)が第1の資源(たとえば、
図19におけるSU SP)においてSU PPDUをSU PPDU受信機(たとえば、
図19におけるAP)に送信する時点までのプロセスについては、
図2aに記載されるプロセスを参照されたい。詳細については、ここでは再度説明しない。APが第1の時間資源における任意の時点において1つのBAフレームをSTA1に送信するとき、APが、BAフレームの終了時点とSU SPの終了時点の間の継続時間(たとえば、
図19におけるT')が事前設定された継続時間Tよりも短いと判断した場合、APはSIFS後にすぐ、TXOPを使用する許可をすぐに回復できる。逆に、T'がTよりも大きい場合、APはTXOPを使用する許可を回復しない。対応して、STA1が第1の時間資源における任意の時点においてBAフレームを受信し、BAフレームの終了時点とSU SPの終了時点の間の継続時間T'がT未満であると判断した場合、STA1はデフォルトで、APがTXOPを使用する許可を回復すると見なす。つまり、STA1はSU SPの残りの継続時間においてSU PPDUを送信することをもはや許容されない。逆に、STA1が継続時間T'がTより大きいと判断した場合、STAはSU SPを使用することを続けてもよい。
【0295】
本願のこの実施形態では、ULシナリオにおいて、第1のデバイスが第2のフレームを送信し、時間閾値(すなわち、本願における事前設定された継続時間T)と第2のフレームの終了時点と第1の時間資源の終了時点の間の継続時間T'の間の値関係に基づいて、第1のデバイスのTXOPを使用する許可を回復/撤回するかどうかを決定することができる。本願のこの実施形態における解決策によると、T'がT未満である場合、TXOPを使用する許可が回復され、TXOPを使用する許可は事前に回復されることもできる。これは、チャネル資源の使用率と、TXOPを使用する許可を回復することの信頼性を改善できる。
【0296】
さらに、本願の別の実施形態では、APがある理由(たとえば、すぐに送信されるべき緊急サービスが到着する)のためTXOPを使用する許可を撤回する必要がある場合、APは能動回復フレーム(すなわち、本願における第3のフレーム)を送信することによって、TXOPを使用するAPの許可を能動的に回復/撤回することができる。以下は、記述のために、この実施形態がULシナリオに適用される例を使用する。この実施形態は、別のシナリオにも適用されうることが理解されうる。これは本願において限定されない。
【0297】
具体的には、
図20は、本願のある実施形態による、送信機会を使用する許可を回復する方法の別の概略フローチャートである。
図20に示されるように、送信機会を使用する許可を回復する方法は、以下のステップを含む。
【0298】
S401: 第1のデバイスが第3のフレームを決定する。
【0299】
いくつかの実現可能な実装では、APがある理由のためTXOPを使用する許可を撤回する必要がある場合(たとえば、すぐに送信されるべき緊急サービスが到着する場合)、APは第3のフレームを送信して、第2のデバイスに対して、第1のデバイスがTXOPを使用する許可をただちに撤回する、または撤回する予定であることを示すことができる。そのため、第3のフレームを受信した後は、第2のデバイスは、もはや第1の時間資源の残り継続時間においてSU PPDUを送信しない。
【0300】
第3のフレームは、向上BAフレームであってもよい。つまり、本願では、第1のデバイスによって第2のデバイスにフィードバックされるBAフレームのフレーム構造が修正されてもよい。それにより、向上BAフレームは、BAフレームが第2のデバイスから受信されたSU PPDUに基づく第1のデバイスの応答フレームであることを示してもよく、かつ、第1のデバイスがTXOPを使用する許可を能動的に回復することを示してもよい。本願では、BA制御(BA Control)フィールドが修正されてもよく、それによりBA制御フィールドが、第1のデバイスがTXOPを使用する許可を能動的に回復することを示してもよいと理解されうる。具体的には、BA制御フィールドにおけるリザーブされたフィールドに含まれる少なくとも1ビットが、TXOP回復指示(TXOP Recovery Indication)フィールドとして設定されてもよい。たとえば、BA制御フィールドにおけるリザーブされたフィールドに含まれる前記1ビットをTXOP回復指示フィールドとして設定されるとすると、TXOP回復指示フィールドが1に設定されているときは、そのことは第1のデバイスがTXOPを使用する許可をすぐに回復することを示し;該フィールドを0に設定されているときは、そのことは、第1のデバイスがTXOPを使用する許可を回復しないことを示す、と規定されてもよい。あるいはまた、TXOP回復指示フィールドが0に設定されるとき、そのことは、第1のデバイスがTXOPを使用する許可をすぐに回復することを示し;該フィールドが1に設定されるとき、そのことは第1のデバイスがTXOPを使用する許可を回復しないことを示す。これはここでは限定されない。
【0301】
わかりやすくするために、
図21は本願のある実施形態による、向上BAフレームの構造の概略図を示す。
図21に示されるように、BAフレームは、フレーム制御(Frame Control)フィールド、継続時間(Duration)フィールド、受信者アドレス(RA)フィールド、送信者アドレス(TA)フィールド、BA制御(BA Control)フィールド、BA情報(BA Information)フィールド、フレーム・チェック・シーケンス(FCS)フィールドなどを含みうる。既存の標準プロトコル(つまり、802.11ax)は、BA制御フィールドが16ビットを含みうることを規定している。第1ビットはブロック確認応答ポリシー(Block Ack Policy)フィールドを示し、第2ビットないし第5ビットはブロック確認応答タイプ(Block Type)フィールドを示し、第6ビットないし第12ビットはリザーブされた(Reserved)フィールドを示し、第13ビットないし第16ビットはサービス識別子情報(TID_INFO)フィールドを示す。BA制御フィールドを向上させるために、BA制御フィールドにおける第6ビットないし第12のビットにおける少なくとも1ビットがTXOP回復指示フィールドを示しうる。たとえば、BA制御フィールドにおけるリザーブされたフィールドに含まれる前記1ビットがTXOP回復指示フィールドを示すとすると、第6ビットないし第12ビットの任意の1ビットがTXOP回復指示フィールドとして設定されうる。たとえば、
図21におけるBA制御フィールドにおける第6ビットがTXOP回復指示フィールドとして設定される。
【0302】
さらに、
図22は、本願による、第1のデバイスがTXOPを使用する許可を能動的に回復する適用シナリオの概略図を示している。
図22に示されるように、ULシナリオでは、第1のデバイス(たとえば、
図22におけるAP)がmMU-RTSフレームを送信する時点から、第2のデバイス(たとえば、
図22におけるSTA1)が第1の時間資源(たとえば、
図22におけるSU SP)においてSU PPDU受信者(たとえば、
図22におけるAP)にSU PPDUを送信する時点までのプロセスについては、
図2aに記載されるプロセスを参照されたい。詳細については、ここでは再度説明しない。APがTXOPを使用する許可を能動的に回復/撤回する必要がある場合、APは、任意のBAフレームを使用して、STA1に対して、APがTXOPを使用する許可を撤回しようとしていることを示すことができる。
図22に示されるように、APは1つの向上されたBAフレーム(すなわち、本願における第3のフレーム)をSTA1に送信し、向上されたBAフレームを送信した後にSIFSが経過したとき、TXOPを使用する許可を回復する(たとえば、APは
図22におけるPPDUを送信する)。
【0303】
任意的に、BAフレームのフレーム構造が修正/向上されなくてもよく、別のフレーム(つまり、本願における第4のフレーム)がBAフレームと集約される。該別のフレームは、第1のデバイスがTXOPを使用する許可を能動的に回復することを示す。つまり、第3のフレームは集約フレームであり、集約フレームはBAフレームを別のフレーム(すなわち、第4のフレーム)と集約することによって得られる。本願では、そのような機能をもつすべての第4のフレームが集約されることが許容されることを理解しておくべきである。たとえば、第4のフレームにおけるA制御フィールドは第3の指示情報を含む。第3の指示情報は、第1のデバイスが送信機会TXOPを使用する許可を能動的に回復することを示す。具体的には、第4のフレームはQoSデータ・フレームまたはQoSヌル・データ・フレームであってもよく、第4のフレームのA制御フィールドは新しいタイプのA制御フィールド(たとえば、制御識別子の値は7)を担持する。第4のフレームのフレーム構造については、
図7を参照されたい。詳細については、ここでは再度説明しない。任意的に、第3のフレームにおけるフレーム・タイプ・フィールドは、第3のフレームが制御フレームであることを示し、第3のフレームにおけるフレーム・サブタイプ・フィールドは、第3のフレームが能動回復フレームであることを示す。能動回復フレームは、第1のデバイスが送信機会TXOPを使用する許可を能動的に回復することを示す。つまり、第1のデバイスが送信機会TXOPを使用する許可を能動的に回復することを示すために、別の新しい制御フレーム(たとえば、フレーム・タイプ・フィールドがバイナリーの01であり、フレーム・サブタイプ・フィールドがバイナリーの1111)がさらに設計されてもよい。説明を簡単にするために、新しい制御フレームは能動回復フレームと呼ばれることがある。能動回復フレームのフレーム構造については、
図8を参照されたい。詳細については、ここでは再度説明しない。
【0304】
わかりやすくするために、
図23は、本願による、第1のデバイスがTXOPを使用する許可を能動的に回復する適用シナリオの別の概略図を示している。
図23に示されるように、ULシナリオでは、第1のデバイス(たとえば、
図23におけるAP)がmMU-RTSフレームを送信する時点から、第2のデバイス(たとえば、
図23におけるSTA1)が第1の時間資源(たとえば、
図23におけるSU SP)においてSU PPDUをSU PPDU受信機(たとえば、
図23におけるAP)に送信する時点までのプロセスについては、
図2aに記載されるプロセスを参照されたい。詳細については、ここでは再度説明しない。APがTXOPを使用する許可を能動的に回復/撤回する必要がある場合、APは任意のBAフレームを別のフレーム(つまり、本願における第4のフレーム)と集約しうる。集約される別のフレームは、STA1に対して、APがTXOPを使用する許可を回復することを示す。
図23に示されるように、BAフレームと別のフレームを第3のフレームに集約した後、APは第3のフレームをSTA1に送信し、STA1に対して、APがTXOPを使用する許可を回復することを示す。APは、第3のフレームを送信した後にSIFSが経過したとき、TXOPを使用する許可を撤回しうる(たとえば、APは
図23におけるPPDUを送信する)。
【0305】
S402: 第1のデバイスが第3のフレームを第2のデバイスに送信する。
【0306】
いくつかの実現可能な実装では、第3のフレームを決定した後、第1のデバイスは第3のフレームを第2のデバイスに送信してもよい。第1のデバイスは、第3のフレームを送信した後、SIFSが経過したときに、TXOPを使用する許可を撤回しうることが理解されうる。あるいはまた、第3のフレームを送信した後、第1のデバイスは第2のデバイスがデータ・フレームをk回再送信するのを待って、その後、TXOPを使用する許可を撤回してもよい。つまり、第1のデバイスは、第3のフレームを送信した後、事前設定された継続時間T0が経過したときに、TXOPを使用する許可を撤回しうる。これは、第1のデバイスによって第2のデバイスに提供されるバッファ時間であり、または別の準備のために十分な時間がリザーブされる。説明を簡単にするために、「第1のデバイスは、第3のフレームを送信した後にSIFSが経過したときに、TXOPを使用する許可を撤回してもよい」は手短に、「第1のデバイスは、TXOPを使用する許可をすぐに撤回する」と記述されることがあり、「第3のフレームを送信した後、第1のデバイスは第2のデバイスがデータ・フレームをk回再送信するのを待って、その後、TXOPを使用する許可を撤回してもよい」は手短に「第1のデバイスは、TXOPを使用する許可を撤回することを遅延させる」と記述されることがある。kは0より大きい整数である(たとえば、k=1)。
【0307】
第2のデバイスが第1のデバイスから第3のフレームを受信したとき、第2のデバイスはもはやデータ・フレームを送信しない(つまり、第1のデバイスがTXOPの使用許可をすぐに撤回するときは、第2のデバイスはデータ・フレームを再送信することがまったく許容されない)ことが理解されうる。あるいはまた、第2のデバイスはk回データ・フレームを再送信することが許容される(つまり、第1のデバイスはTXOPの使用許可を撤回することを遅延させ、第2のデバイスはさらにk回、データ・フレームを再送信することを許容されうる)。第3のフレームは、向上されたBAフレームであってもよく、または集約フレームであってもよい。
【0308】
わかりやすくするために、
図22または
図23を参照されたい。APがTXOPを使用する許可をすぐに能動的に回復/撤回する必要がある場合、APは、任意のBAフレームを使用してSTA1に対して、APがTXOPを使用する許可をすぐに撤回することを示してもよい。つまり、APは1つの向上されたBAフレームをSTA1に送信し、BAフレームを送信した後にSIFSが経過したとき、TXOPを使用する許可を回復する(たとえば、APは
図22におけるPPDUを送信する)。
【0309】
わかりやすくするために、
図24は、本願による、第1のデバイスがTXOPを使用する許可を能動的に回復する適用シナリオの別の概略図を示している。
図24に示されるように、ULシナリオでは、第1のデバイス(たとえば、
図24におけるAP)がmMU-RTSフレームを送信する時点から、第2のデバイス(たとえば、
図24におけるSTA1)が第1の時間資源(たとえば、
図24におけるSU SP)においてSU PPDUをSU PPDU受信機(たとえば、
図24におけるAP)に送信する時点までのプロセスについては、
図2aに記載されたプロセスを参照されたい。詳細については、ここでは再度説明しない。APがTXOPの使用許可を能動的に撤回する必要がある場合、APがTXOPの使用許可を撤回することをSTA1に対して示すために、APは、向上されたBAフレームをSTA1に送信してもよい。
図24に示されるシナリオでは、APは、STA1が向上されたBAフレームを受信した後に、SU PPDUを1回再送信することをSTA1に許容してもよい(すなわち、k=1)。そのため、APが向上されたBAフレームをSTA1に送信した後、APは、BAフレームの送信を完了した後、継続時間T0が経過したときに、TXOPを使用する許可を正式に撤回/回復しうる(たとえば、APは
図24におけるPPDUを送信する)。T0=3SIFS+SU PPDU+BAである。
【0310】
本願のこの実施形態では、APがある理由(たとえば、すぐに送信されるべき緊急サービスが到着する)のためTXOPを使用する許可を撤回する必要がある場合、APは能動回復フレーム(すなわち、本願における第3のフレーム)を送信することによって、TXOPを使用するAPの許可を能動的に回復/撤回できる。そのような能動的な撤回態様は、APが必要に応じてTXOPを使用する許可を回復することを許容する。
【0311】
前述の方法実施形態間の関連する特徴は組み合わされてもよい。これは、本願ではここに限定されない。
【0312】
上記の内容は、本願で提供される方法を詳細に説明している。本願の実施形態において前述の解決策を実装するために、本願の実施形態は、対応する装置またはデバイスをさらに提供する。
【0313】
本願の実施形態では、前述の方法例に基づいて、第1のデバイスおよび第2のデバイスは機能モジュールに分割されうる。たとえば、機能モジュールは対応する機能に基づく分割を通じて得られてもよく、あるいは2つ以上の機能が1つの処理モジュールに統合されてもよい。統合されたモジュールは、ハードウェアの形で実装されてもよく、あるいはソフトウェア機能モジュールの形で実装されてもよい。なお、本願のこの実施形態では、モジュール分割は例示的なものであり、単なる論理的な機能分割である。実際の実装では、別の分割態様が使用されてもよい。下記は、本願のある実施形態による、送信機会を使用する許可を回復する装置について、
図25および
図26を参照して詳細に説明する。
【0314】
統合ユニットが使用される場合、
図25は、本願のある実施形態による、送信機会を使用する許可を回復する装置1の構造の概略図である。送信機会を使用する許可を回復する装置は、第1のデバイスまたは該第1のデバイス内のチップ、たとえばWi-Fiチップであってもよい。
図25に示されるように、送信機会を使用する許可を回復する装置は、処理ユニット11とトランシーバ・ユニット12を含む。
【0315】
ある設計では、トランシーバ・ユニット12は第2のデバイスから第1のフレームを受信するように構成される。第1のフレームは、第2のデバイスが第1の時間資源を使用することを停止したことを示す。第1の時間資源は、第1のデバイスによって、取得された送信機会TXOPから第2のデバイスに割り当てられる。第1の時間資源は、第1のデバイスによって、シングルユーザー・トリガー・フレームを使用することによって、第2のデバイスに割り当てられる。処理ユニット11は、第1のフレームに基づいてTXOPを使用する許可を回復するように構成される。
【0316】
任意的に、第1の時間資源は、上りリンクのシングルユーザー物理層プロトコル・データ単位PPDUの伝送のために使用されるか、またはポイントツーポイントP2P通信のために使用される。シングルユーザー・トリガー・フレームは第1のフィールドと第2のフィールドを含む。第1のフィールドはTXOPの残り時間資源を示し、第2のフィールドは第1の時間資源を示す。
【0317】
任意的に、第1のフレームは第1の指示情報を担持する。第1の指示情報は、第2のデバイスが第1の時間資源を使用することを停止したことを示す。
【0318】
任意的に、第1のフレームはさらに第2の指示情報を担持する。第2の指示情報は、第2のデバイスがデータ送信のために時間資源をさらに必要とするかどうかを示す。
【0319】
任意的に、第1のフレーム内のA制御フィールドが第1の指示情報を含む。あるいはまた、第1のフレーム内のA制御フィールドが第1の指示情報および第2の指示情報を含む。
【0320】
任意的に、A制御フィールドの制御識別子が第1の値である。第1の値は、A制御フィールドが第1の指示情報を含むことを示す。
【0321】
任意的に、A制御フィールドの制御識別子が第2の値である。第2の値は、A制御フィールドがコマンドおよびステータスCAS制御フィールドであることを示す。第1の指示情報は、CAS制御フィールド内の逆承認RDGサブフィールドにおいて担持される。あるいはまた、第1の指示情報はCAS制御フィールド内のRDGサブフィールドにおいて担持され、第2の指示情報はCAS制御フィールド内の第4ビットないし第8ビットにおける少なくとも1ビットにおいて担持される。
【0322】
任意的に、第1のフレーム内のフレーム・タイプ・フィールドが、第1のフレームが制御フレームであることを示し、第1のフレーム内のフレーム・サブタイプ・フィールドが、第1のフレームが時間資源返却フレームであることを示す。時間資源返却フレームは、第2のデバイスが第1の時間資源を使用することを停止したことを示す。
【0323】
別の設計では、トランシーバ・ユニット12は、第2のフレームを受信するように構成される。処理ユニット12は:第2のフレームの終了時点と第1の時間資源の終了時点の間の継続時間が事前設定された継続時間Tよりも短い場合、送信機会TXOPを使用する許可を回復するように構成される。第2のフレームの宛先アドレスは、第2のデバイスのアドレスである。あるいはまた、第2のフレームの送信者アドレスは第2のデバイスのアドレスであり、第2のフレームは応答フレームを要求しないフレームである。第1の時間資源は、第1のデバイスによって、取得されたTXOPから第2のデバイスに割り当てられる。
【0324】
任意的に、トランシーバ・ユニット12はさらに:第2のフレームの終了時点と第1の時間資源の終了時点の間の継続時間がTより大きい場合、第2のデバイスから第1のフレームを受信するように構成される。第1のフレームは、第2のデバイスが第1の時間資源を使用することを停止したことを示す。
【0325】
任意的に、第1の時間資源は上りリンクのシングルユーザー物理層プロトコル・データ単位PPDUの伝送のために使用されるか、またはポイントツーポイントP2P通信のために使用される。シングルユーザー・トリガー・フレームは第1のフィールドおよび第2のフィールドを含む。第1のフィールドはTXOPの残り時間資源を示し、第2のフィールドは第1の時間資源を示す。
【0326】
任意的に、第1のフレームが第1の指示情報を担持する。第1の指示情報は、第2のデバイスが第1の時間資源を使用することを停止したことを示す。
【0327】
任意的に、第1のフレームはさらに第2の指示情報を担持する。第2の指示情報は、第2のデバイスがデータ伝送のために時間資源をさらに必要とするかどうかを示す。
【0328】
任意的に、第1のフレーム内のA制御フィールドが第1の指示情報を含む。あるいはまた、第1のフレーム内のA制御フィールドが第1の指示情報および第2の指示情報を含む。
【0329】
任意的に、A制御フィールドの制御識別子は第1の値である。第1の値は、A制御フィールドが第1の指示情報を含むことを示す。
【0330】
任意的に、A制御フィールドの制御識別子は第2の値である。第2の値は、A制御フィールドがコマンドおよびステータスCAS制御フィールドであることを示す。第1の指示情報は、CAS制御フィールド内の逆承認RDGサブフィールドにおいて担持される。あるいはまた、第1の指示情報はCAS制御フィールド内のRDGサブフィールドにおいて担持され、第2の指示情報はCAS制御フィールド内の第4ビットないし第8ビットにおける少なくとも1ビットにおいて担持される。
【0331】
任意的に、第1のフレーム内のフレーム・タイプ・フィールドが、第1のフレームが制御フレームであることを示し、第1のフレーム内のフレーム・サブタイプ・フィールドが、第1のフレームが時間資源返却フレームであることを示す。時間資源返却フレームは、第2のデバイスが第1の時間資源を使用することを停止したことを示す。
【0332】
別の設計では、トランシーバ/ユニット12は、第2のフレームを送信するように構成される。ここで、第2のフレームの宛先アドレスは第2のデバイスのアドレスである。処理ユニット11は:第2のフレームの終了時点と第1の時間資源の終了時点の間の継続時間が、事前設定された継続時間Tよりも短い場合、送信機会TXOPを使用する許可を回復することを決定するように構成される。第1の時間資源は、第1のデバイスによって、得られたTXOPから第2のデバイスに割り当てられる。
【0333】
任意的に、処理ユニット11はさらに:第2のフレームの終了時点と第1の時間資源の終了時点の間の継続時間がTよりも大きい場合、第2のデバイスから第1のフレームを受信するように構成される。第1のフレームは、第2のデバイスが第1の時間資源を使用することを停止したことを示す。
【0334】
任意的に、第1の時間資源は上りリンクのシングルユーザー物理層プロトコル・データ単位PPDUの伝送のために使用されるか、またはポイントツーポイントP2P通信のために使用される。シングルユーザー・トリガー・フレームは第1のフィールドおよび第2のフィールドを含む。第1のフィールドはTXOPの残り時間資源を示し、第2のフィールドは第1の時間資源を示す。
【0335】
任意的に、第1のフレームは第1の指示情報を担持する。第1の指示情報は、第2のデバイスが第1の時間資源を使用することを停止したことを示す。
【0336】
任意的に、第1のフレームは第2の指示情報をさらに担持する。第2の指示情報は、第2のデバイスがデータ伝送のために時間資源をさらに必要とするかどうかを示す。
【0337】
任意的に、第1のフレーム内のA制御フィールドが第1の指示情報を含む。あるいはまた、第1のフレーム内のA制御フィールドが第1の指示情報および第2の指示情報を含む。
【0338】
任意的に、A制御フィールドの制御識別子は第1の値である。第1の値は、A制御フィールドが第1の指示情報を含むことを示す。
【0339】
任意的に、A制御フィールドの制御識別子は第2の値である。第2の値は、A制御フィールドがコマンドおよびステータスCAS制御フィールドであることを示す。
【0340】
第1の指示情報は、CAS制御フィールド内の逆承認RDGサブフィールドにおいて担持される。
【0341】
あるいはまた、第1の指示情報はCAS制御フィールド内のRDGサブフィールドにおいて担持され、第2の指示情報はCAS制御フィールド内の第4ビットないし第8ビットにおける少なくとも1ビットにおいて担持される。
【0342】
任意的に、第1のフレーム内のフレーム・タイプ・フィールドが第1のフレームが制御フレームであることを示し、第1のフレーム内のフレーム・サブタイプ・フィールドが第1のフレームが時間資源返却フレームであることを示す。時間資源返却フレームは、第2のデバイスが第1の時間資源を使用することを停止したことを示す。
【0343】
別の設計では、処理ユニット11は、第3のフレームを決定するように構成される。トランシーバ・ユニットは、第3のフレームを第2のデバイスに送信するように構成される。第3のフレームは、第1のデバイスが送信機会TXOPを使用する許可を能動的に回復することを示す。
【0344】
任意的に、第3のフレームは、第2のデバイスから受信されたデータ・フレームに基づいて第1のデバイスによって返されるブロック確認応答BAフレームである。BAフレーム内のBA制御フィールドは、第1のデバイスがTXOPを使用する許可を能動的に回復することを示す。
【0345】
任意的に、第3のフレームは集約フレーム(aggregated frame)であり、集約フレームは第4のフレームをBAフレームと集約することによって得られる。第4のフレームは、第1のデバイスがTXOPを使用する許可を能動的に回復することを示す。BAフレームは、第2のデバイスから受信されたデータ・フレームに基づいて、第1のデバイスによって生成される。
【0346】
任意的に、第4のフレーム内のA制御フィールドが第3の指示情報を含む。第3の指示情報は、第1のデバイスがTXOPを使用する許可を能動的に回復することを示す。
【0347】
任意的に、A制御フィールドの制御識別子は第3の値である。第3の値は、A制御フィールドが第3の指示情報を含むことを示す。
【0348】
任意的に、第3のフレーム内のフレーム・タイプ・フィールドが、第3のフレームが制御フレームであることを示し、第3のフレーム内のフレーム・サブタイプ・フィールドが、第3フレームが能動回復フレームであることを示す。能動回復フレームは、第1のデバイスが送信機会TXOPを使用する許可を能動的に回復することを示す。
【0349】
送信機会を使用する許可を回復するための装置1は、対応して、上記の方法実施形態におけるステップを実行してもよく、送信機会を使用する許可を回復するための装置1におけるユニットの上記の動作または機能は、上記の方法実施形態において第1のデバイスによって実行される対応する動作を実装するために別個に使用されることが理解されるべきである。対応する有益な効果については、方法実施形態を参照されたい。簡潔のため、詳細はここでは再度説明しない。
【0350】
図25を参照されたい。送信機会を使用する許可を回復する装置は、代替的に、第2のデバイスまたは該第2のデバイス内のチップ、たとえばWi-Fiチップであってもよい。
図25に示されるように、送信機会を使用する許可を回復する装置は、処理ユニット11とトランシーバ・ユニット12を含む。
【0351】
ある設計では、処理ユニット11は、第1のフレームを決定するように構成される。第1のフレームは、第2のデバイスが第1の時間資源を使用することを停止したことを示す。第1の時間資源は、第1のデバイスによって、取得された送信機会TXOPから第2のデバイスに割り当てられる。第1の時間資源は、第1のデバイスによって、シングルユーザー・トリガー・フレームを使用することによって、第2のデバイスに割り当てられる。
【0352】
任意的に、第1の時間資源は、上りリンクのシングルユーザー物理層プロトコル・データ単位PPDUの伝送のために使用されるか、またはポイントツーポイントP2P通信のために使用される。シングルユーザー・トリガー・フレームは第1のフィールドと第2のフィールドを含む。第1のフィールドはTXOPの残り時間資源を示し、第2のフィールドは第1の時間資源を示す。
【0353】
任意的に、第1のフレームは第1の指示情報を担持する。第1の指示情報は、第2のデバイスが第1の時間資源を使用することを停止したことを示す。
【0354】
任意的に、第1のフレームはさらに第2の指示情報を担持する。第2の指示情報は、第2のデバイスがデータ送信のために時間資源をさらに必要とするかどうかを示す。
【0355】
任意的に、第1のフレーム内のA制御フィールドが第1の指示情報を含む。あるいはまた、第1のフレーム内のA制御フィールドが第1の指示情報および第2の指示情報を含む。
【0356】
任意的に、A制御フィールドの制御識別子が第1の値である。第1の値は、A制御フィールドが第1の指示情報を含むことを示す。
【0357】
任意的に、A制御フィールドの制御識別子が第2の値である。第2の値は、A制御フィールドがコマンドおよびステータスCAS制御フィールドであることを示す。第1の指示情報は、CAS制御フィールド内の逆承認RDGサブフィールドにおいて担持される。あるいはまた、第1の指示情報はCAS制御フィールド内のRDGサブフィールドにおいて担持され、第2の指示情報はCAS制御フィールド内の第4ビットないし第8ビットにおける少なくとも1ビットにおいて担持される。
【0358】
任意的に、第1のフレーム内のフレーム・タイプ・フィールドが、第1のフレームが制御フレームであることを示し、第1のフレーム内のフレーム・サブタイプ・フィールドが、第1のフレームが時間資源返却フレームであることを示す。時間資源返却フレームは、第2のデバイスが第1の時間資源を使用することを停止したことを示す。
【0359】
任意的に、第1のフレームがサービス品質(quality of service)QoSヌル・データ・フレームである場合、または第1のフレームが時間資源返却フレームである場合、第1のフレームの終了時点が第1の時間資源の終了時点よりも後であり、第1のフレームの開始時点が第1の時間資源の終了時点よりも早い場合、第2のデバイスは第1のフレームを第1のデバイスに送信する。
【0360】
別の設計では、トランシーバ・ユニット12は第2のフレームを受信または送信するように構成される。第2のフレームは、応答フレームを要求しないフレームである。第2のフレームの終了時点と第1の時間資源の終了時点の間の継続時間が、事前設定された継続時間Tよりも短い場合、第2のデバイスはそれ以上PPDUを送信しない。
【0361】
任意的に、第2のデバイスは処理ユニット11をさらに含む。処理ユニット11は:第2のフレームの終了時点と第1の時間資源の終了時点の間の継続時間が、事前設定された継続時間Tよりも大きい場合、トランシーバ・ユニット12を使用して、第1のデバイスに第1のフレームを送信するように構成される。第1のフレームは、第2のデバイスが第1の時間資源を使用することを停止したことを示す。第1の時間資源は、第1のデバイスによって、取得されたTXOPから第2のデバイスに割り当てられる。
【0362】
任意的に、第1の時間資源は上りリンクのシングルユーザー物理層プロトコル・データ単位PPDUの伝送のために使用されるか、またはポイントツーポイントP2P通信のために使用される。シングルユーザー・トリガー・フレームは第1のフィールドおよび第2のフィールドを含む。第1のフィールドはTXOPの残り時間資源を示し、第2のフィールドは第1の時間資源を示す。
【0363】
任意的に、第1のフレームは第1の指示情報を担持する。第1の指示情報は、第2のデバイスが第1の時間資源を使用することを停止したことを示す。
【0364】
任意的に、第1のフレームは第2の指示情報をさらに担持する。第2の指示情報は、第2のデバイスがデータ伝送のために時間資源をさらに必要とするかどうかを示す。
【0365】
任意的に、第1のフレーム内のA制御フィールドが第1の指示情報を含む。あるいはまた、第1のフレーム内のA制御フィールドが第1の指示情報および第2の指示情報を含む。
【0366】
任意的に、A制御フィールドの制御識別子は第1の値である。第1の値は、A制御フィールドが第1の指示情報を含むことを示す。
【0367】
任意的に、A制御フィールドの制御識別子は第2の値である。第2の値は、A制御フィールドがコマンドおよびステータスCAS制御フィールドであることを示す。
【0368】
第1の指示情報は、CAS制御フィールド内の逆承認RDGサブフィールドにおいて担持される。
【0369】
あるいはまた、第1の指示情報はCAS制御フィールド内のRDGサブフィールドにおいて担持され、第2の指示情報はCAS制御フィールド内の第4ビットないし第8ビットにおける少なくとも1ビットにおいて担持される。
【0370】
任意的に、第1のフレーム内のフレーム・タイプ・フィールドが第1のフレームが制御フレームであることを示し、第1のフレーム内のフレーム・サブタイプ・フィールドが第1のフレームが時間資源返却フレームであることを示す。時間資源返却フレームは、第2のデバイスが第1の時間資源を使用することを停止したことを示す。
【0371】
任意的に、第1のフレームがサービス品質QoSヌル・データ・フレームである場合、または第1のフレームが時間資源返却フレームである場合、第1のフレームの終了時点が第1の時間資源の終了時点よりも後であり、第1のフレームの開始時点が第1の時間資源の終了時点よりも早い場合、第2のデバイスは第1のフレームを第1のデバイスに送信することを許容される。
【0372】
別の設計では、トランシーバ・ユニット12は、第1のデバイスから第2のフレームを受信するように構成される。処理ユニット11は:第2のフレームの終了時点と第1の時間資源の終了時点の間の継続時間が、事前設定された継続時間Tよりも短い場合、第2のデバイスがそれ以上PPDUを送信しないことを決定するように構成される。
【0373】
任意的に、処理ユニット11はさらに:第2のフレームの終了時点と第1の時間資源の終了時点の間の継続時間が、事前設定された継続時間Tよりも長い場合、トランシーバ・ユニット12を使って第1のデバイスに第1のフレームを送信することを決定するように構成される。第1のフレームは、第2のデバイスが第1の時間資源を使用することを停止したことを示す。第1の時間資源は、第1のデバイスによって、取得されたTXOPから第2のデバイスに割り当てられる。
【0374】
任意的に、第1の時間資源は、上りリンクのシングルユーザー物理層プロトコル・データ単位PPDUの伝送のために使用されるか、またはポイントツーポイントP2P通信のために使用される。シングルユーザー・トリガー・フレームは第1のフィールドおよび第2のフィールドを含む。第1のフィールドはTXOPの残り時間資源を示し、第2のフィールドは第1の時間資源を示す。
【0375】
任意的に、第1のフレームは第1の指示情報を担持する。第1の指示情報は、第2のデバイスが第1の時間資源を使用することを停止したことを示す。
【0376】
任意的に、第1のフレームはさらに第2の指示情報を担持する。第2の指示情報は、第2のデバイスがデータ送信のために時間資源をさらに必要とするかどうかを示す。
【0377】
任意的に、第1のフレーム内のA制御フィールドが第1の指示情報を含む。あるいはまた、第1のフレーム内のA制御フィールドが第1の指示情報および第2の指示情報を含む。
【0378】
任意的に、A制御フィールドの制御識別子は第1の値である。第1の値は、A制御フィールドが第1の指示情報を含むことを示す。
【0379】
任意的に、A制御フィールドの制御識別子は第2の値である。第2の値は、A制御フィールドがコマンドおよびステータスCAS制御フィールドであることを示す。
【0380】
第1の指示情報は、CAS制御フィールド内の逆承認RDGサブフィールドにおいて担持される。
【0381】
あるいはまた、第1の指示情報は、CAS制御フィールド内のRDGサブフィールドにおいて担持され、第2の指示情報は、CAS制御フィールドにおける第4ビットないし第8ビットにおける少なくとも1ビットにおいて担持される。
【0382】
任意的に、第1のフレーム内のフレーム・タイプ・フィールドは、第1のフレームが制御フレームであることを示し、第1のフレーム内のフレーム・サブタイプ・フィールドは、第1のフレームが時間資源返却フレームであることを示す。時間資源返却フレームは、第2のデバイスが第1の時間資源を使用することを停止したことを示す。
【0383】
任意的に、第1のフレームがサービス品質QoSヌル・データ・フレームである場合、または第1のフレームが時間資源返却フレームである場合、第1のフレームの終了時点が第1の時間資源の終了時点よりも後であり、第1のフレームの開始時点が第1の時間資源の終了時点よりも早い場合、第2のデバイスは第1のフレームを第1のデバイスに送信することを許容される。
【0384】
別の設計では、処理ユニット11は:第2のデバイスが第1のデバイスから第3のフレームを受信するとき、第2のデバイスがトランシーバ・ユニット12を使ってデータ・フレームを送信しない、トランシーバ・ユニット12を使ってデータ・フレームをk回再送信することを決定するように構成される。第3のフレームは、第1のデバイスが送信機会TXOPを使用する許可を能動的に回復することを示す。kは0より大きい整数である。
【0385】
任意的に、第3のフレームは、第2のデバイスから受信されたデータ・フレームに基づいて第1のデバイスによって返されるブロック確認応答BAフレームである。BAフレーム内のBA制御フィールドは、第1のデバイスがTXOPを使用する許可を能動的に回復することを示す。
【0386】
任意的に、第3のフレームは集約フレームであり、集約フレームは第4のフレームをBAフレームと集約することによって得られる。第4のフレームは、第1のデバイスがTXOPを使用する許可を能動的に回復することを示す。BAフレームは、第2のデバイスから受信されたデータ・フレームに基づいて、第1のデバイスによって生成される。
【0387】
任意的に、第4のフレーム内のA制御フィールドが第3の指示情報を含む。第3の指示情報は、第1のデバイスがTXOPを使用する許可を能動的に回復することを示す。
【0388】
任意的に、A制御フィールドの制御識別子は第3の値である。第3の値は、A制御フィールドが第3の指示情報を含むことを示す。
【0389】
任意的に、第3のフレーム内のフレーム・タイプ・フィールドが第3のフレームが制御フレームであることを示し、第3のフレーム内のフレーム・サブタイプ・フィールドが第3のフレームが能動回復フレームであることを示す。能動回復フレームは、第1のデバイスが送信機会TXOPを使用する許可を能動的に回復することを示す。
【0390】
送信機会を使用する許可を回復するための装置1は、さらに対応して、上記の方法実施形態におけるステップを実行してもよく、送信機会を使用する許可を回復するための装置1におけるユニットの上記の動作または機能は、上記の方法実施形態において第2のデバイスによって実行される対応する動作を実装するために別個に使用されることが理解されるべきである。対応する有益な効果については、方法実施形態を参照されたい。簡潔のため、詳細はここでは再度説明しない。
【0391】
上記は、本願の実施形態における第1のデバイスと第2のデバイスについて説明している。以下は、第1デバイスと第2デバイスの可能な製品形態について説明する。
図25における第1のデバイスの機能を有する製品の任意の形態、または
図25における第2のデバイスの機能を有する製品の任意の形態、またはその両方が、本願の実施形態の保護範囲にはいることを理解しておくべきである。なお、以下の説明は単に例であり、本願の実施形態における第1のデバイスおよび第2のデバイスの製品形態はこれに限定されないことをさらに理解しておくべきである。
【0392】
ある可能な製品形態では、本願の実施形態における第1のデバイスおよび第2のデバイスは、一般的なバスアーキテクチャーを使用して実装されうる。
【0393】
説明を容易にするため、
図26は、本願のある実施形態による通信装置1000の構造の概略図を示す。通信装置1000は、第1のデバイス、第2のデバイス、または第1のデバイスもしくは第2のデバイス内のチップであってもよい。
図26は、通信装置1000の主要な構成要素のみを示している。プロセッサ1001とトランシーバ1002に加えて、通信装置は、メモリ1003と入出力装置(図示せず)をさらに含んでいてもよい。
【0394】
プロセッサ1001は、主に、通信プロトコルと通信データを処理し、通信装置を制御し、ソフトウェア・プログラムを実行し、該ソフトウェア・プログラムのデータを処理するように構成されている。メモリ1003は、主にソフトウェア・プログラムとデータを記憶するように構成されている。トランシーバ1002は、制御回路とアンテナを含んでいてもよい。制御回路は、主にベースバンド信号と無線周波数信号との変換を行い、無線周波数信号を処理するように構成されている。アンテナは、主に電磁波の形で無線周波数信号を送受信するように構成されている。タッチスクリーン、ディスプレイ、キーボードなどの入出力装置は、主にユーザーによって入力されたデータを受信し、ユーザーにデータを出力するように構成されている。
【0395】
通信装置の電源が投入された後、プロセッサ1001は、メモリ1003内のソフトウェア・プログラムを読み取り、ソフトウェア・プログラムの命令を解釈して実行し、ソフトウェア・プログラムのデータを処理することができる。データを無線で送信する必要がある場合、送信されるデータに対してベースバンド処理を行った後、プロセッサ1001は、ベースバンド信号を無線周波数回路に出力する。ベースバンド信号に対して無線周波数処理を行った後、無線周波数回路は、アンテナを通じて電磁波の形で無線周波数信号を送信する。通信装置にデータが送信されるときは、無線周波数回路はアンテナを通じて無線周波数信号を受信し、無線周波数信号をベースバンド信号に変換し、ベースバンド信号をプロセッサ1001に出力する。プロセッサ1001はベースバンド信号をデータに変換して、該データを処理する。
【0396】
別の実装では、無線周波数回路とアンテナはベースバンド処理を行うプロセッサとは独立して配置されてもよい。たとえば、分散シナリオでは、無線周波数回路とアンテナは通信装置から独立して別々に配置されてもよい。
【0397】
プロセッサ1001、トランシーバ1002、メモリ1003は、通信バスを通じて接続されてもよい。
【0398】
ある設計では、通信装置1000は、前述の方法実施形態における第1のデバイスの機能を実行するように構成されてもよい。プロセッサ1001は、
図3のステップS102、および/または
図16のステップS202、および/または
図18のステップS302、および/または
図20のステップS401、および/またはこの明細書に記載されている技術の別のプロセスを実行するように構成されてもよい。トランシーバ1002は、
図3のステップS101、および/または
図16のステップS201、および/または
図18のステップS301、および/または
図20のステップS402、および/またはこの明細書に記載されている技術の別のプロセスを実行するように構成されてもよい。
【0399】
別の設計では、通信装置1000は、前述の方法の実施形態における第2のデバイスの機能を実行するように構成されてもよい。プロセッサ1001は、
図3のステップS101、および/または
図16のステップS202、および/または
図18のステップS302、および/または
図20のステップS402、および/またはこの明細書に記載されている技術の別のプロセスにおける第1のフレームを決定するように構成されてもよい。トランシーバ1002は、
図3のステップS101、および/または
図16のステップS201、および/または
図18のステップS301、および/または
図20のステップS401、および/またはこの明細書に記載されている技術の別のプロセスにおける第1のフレームを送信するように構成することができる。
【0400】
上記の設計のいずれかにおいて、プロセッサ1001は、受信および送信機能を実装するように構成されたトランシーバを含みうる。たとえば、トランシーバは、トランシーバ回路、インターフェース、またはインターフェース回路でありうる。送受信機能を実装するように構成されたトランシーバ回路、インターフェース、またはインターフェース回路は、分離されてもよく、あるいは一緒に統合されてもよい。トランシーバ回路、インターフェース、またはインターフェース回路は、コード/データを読み書きするように構成されてもよい。あるいはまた、トランシーバ回路、インターフェース、またはインターフェース回路は、信号を送信または転送するように構成されていてもよい。
【0401】
前述の設計のいずれかにおいて、プロセッサ1001は命令を記憶してもよい。命令はコンピュータ・プログラムであってもよい。コンピュータ・プログラムはプロセッサ1001上で実行され、それにより、通信装置1000は上記の方法実施形態のいずれかで説明した方法を実行できる。コンピュータ・プログラムはプロセッサ1001において固定されていてもよく、この場合、プロセッサ1001はハードウェアによって実装されていてもよい。
【0402】
ある実装では、通信装置1000は回路を含んでいてもよく、その回路は前述の方法実施形態における送信、受信、または通信機能を実装していてもよい。本願で記載されるプロセッサおよびトランシーバは、集積回路(integrated circuit、IC)、アナログIC、無線周波数集積回路(radio frequency integrated circuit、RFIC)、混合信号IC、特定用途向け集積回路(application specific integrated circuit、ASIC)、プリント基板(printed circuit board、PCB)、電子デバイスなどに実装されていてもよい。プロセッサおよびトランシーバは、さまざまなIC技術、たとえば、相補型金属酸化物半導体(complementary metal oxide semiconductor、CMOS)、N型金属酸化物半導体(nMetal-oxide-semiconductor、NMOS)、P型金属酸化物半導体(positive channel metal oxide semiconductor、PMOS)、バイポーラ接合トランジスタ(Bipolar Junction Transistor、BJT)、バイポーラCMOS(BiCMOS)、シリコンゲルマニウム(SiGe)、およびガリウムヒ素(GaAs)を使用して代替的に製造されてもよい。
【0403】
本願で説明される通信装置の範囲はこれに限定されず、通信装置の構造は
図26によって限定されなくてもよい。通信装置は、独立した装置であってもよいし、あるいは、より大きな装置の一部であってもよい。たとえば、通信装置は:
(1)独立した集積回路IC、チップ、またはチップシステムまたはサブシステム;
(2)一つまたは複数のICを含むセット(任意的に、ICセットはさらに、データおよびコンピュータ・プログラムを記憶するように構成されたストレージ・コンポーネントを含みうる);
(3)ASIC、たとえばモデム(Modem);
(4)他のデバイスに組み込むことができるモジュール;
(5)受信機、端末、インテリジェント端末、携帯電話、無線デバイス、ハンドヘルドデバイス、モバイルユニット、車載デバイス、ネットワークデバイス、クラウドデバイス、人工知能デバイスなど;または
(6)別のデバイスなど。
【0404】
ある可能な製品形態では、本願の実施形態における第1のデバイスと第2のデバイスは、汎用プロセッサによって実装されてもよい。
【0405】
第1のデバイスを実装する汎用プロセッサは、処理回路と、処理回路に内部接続されて処理回路と通信する入出力インターフェースとを含む。
【0406】
ある設計では、汎用プロセッサは、前述の方法実施形態における第1のデバイスの機能を実行するように構成されてもよい。具体的には、処理回路は、
図3のステップS102、および/または
図16のステップS202、および/または
図18のステップS302、および/または
図20のステップS401、および/またはこの明細書に記載されている技術の別のプロセスを実行するように構成される。入出力インターフェースは、
図3のステップS101、および/または
図16のステップS201、および/または
図18のステップS301、および/または
図20のステップS402、および/またはこの明細書に記載されている技術の別のプロセスを実行するように構成される。
【0407】
第2のデバイスを実装するための汎用プロセッサは、処理回路と、処理回路に内部接続され、処理回路と通信する入出力インターフェースとを含む。
【0408】
ある設計では、汎用プロセッサは、前述の方法の実施形態における第2のデバイスの機能を実行するように構成されてもよい。具体的には、処理回路は、
図3のステップS101、および/または
図16のステップS202、および/または
図18のステップS302、および/または
図20のステップS40、および/またはこの明細書に記載されている技術の別のプロセスにおける第1のフレームを決定するように構成される。入出力インターフェースは、
図3のステップS101、および/または
図16のステップS201、および/または
図18のステップS301、および/または
図20のステップS402、および/またはこの明細書に記載されている技術の別のプロセスの第1のフレームを送信するように構成される。
【0409】
上記のさまざまな製品形態における通信装置は、上記の方法実施形態における第1のデバイスまたは第2のデバイスのいずれかの機能を有し、対応して上記の方法実施形態におけるステップを実行し、対応する技術的効果を達成することができることを理解すべきである。簡潔のため、ここでは詳細については再度説明しない。
【0410】
本願のある実施形態は、さらにコンピュータ可読記憶媒体を提供する。コンピュータ可読記憶媒体は、コンピュータ・プログラム・コードを記憶する。プロセッサがコンピュータ・プログラム・コードを実行するとき、電子装置が、上記の実施形態のいずれかの方法を実行する。
【0411】
本願のある実施形態は、コンピュータ・プログラム・プロダクトをさらに提供する。コンピュータ・プログラム・プロダクトがコンピュータ上で実行されると、コンピュータは上記の実施形態のいずれかの方法を実行できるようにされる。
【0412】
本願のある実施形態は、さらに通信装置を提供する。この装置はチップの製品形態で存在してもよい。装置の構造はプロセッサとインターフェース回路を含む。プロセッサはインターフェース回路を通じて他の装置と通信するように構成され、装置が上記の実施形でのいずれかの方法を実行できるようにする。
【0413】
本願のある実施形態は、第1のデバイスと第2のデバイスを含む無線通信システムをさらに提供する。第1のデバイスと第2のデバイスは、上記の実施形態のいずれかの方法を実行することができる。
【0414】
本願で開示された内容と組み合わせて記述された方法またはアルゴリズム・ステップは、ハードウェアを使用して実装されてもよく、あるいはソフトウェア命令を実行してプロセッサを使用して実装されてもよい。ソフトウェア命令は、対応するソフトウェアモジュールを含みうる。ソフトウェアモジュールは、ランダムアクセスメモリ(Random Access Memory、RAM)、フラッシュメモリ、消去可能なプログラマブルリードオンリーメモリ(Erasable Programmable ROM、EPROM)、電気的に消去可能なプログラマブルリードオンリーメモリ(Electrically EPROM、EEPROM)、レジスタ、ハードディスク、リムーバブルハードディスク、コンパクトディスクリードオンリーメモリ(CD-ROM)、または当該技術分野でよく知られているその他の形式の記憶媒体に記憶されてもよい。たとえば、記憶媒体はプロセッサに結合され、プロセッサは記憶媒体から情報を読み、あるいは記憶媒体に情報を書き込むことができる。むろん、記憶媒体はプロセッサの構成要素であってもよい。プロセッサと記憶媒体はASIC内に位置していてもよい。さらに、ASICはコア・ネットワークのインターフェース・デバイス内に位置していてもよい。むろん、プロセッサと記憶媒体は離散的なコンポーネントとしてコア・ネットワークのインターフェース・デバイスに存在してもよい。
【0415】
当業者は、上記の例の一つまたは複数において、本願に記載されている機能が、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、またはそれらの任意の組み合わせを使用して実装されうることを認識するはずである。機能がソフトウェアによって実装される場合、機能はコンピュータ可読媒体に記憶されてもよく、あるいはコンピュータ可読媒体内の一つまたは複数の命令またはコードとして伝送される。コンピュータ可読媒体は、コンピュータ可読記憶媒体と通信媒体を含む。通信媒体には、ある場所から別の場所へのコンピュータ・プログラムの伝送を容易にする媒体を含む。記憶媒体は、汎用または特殊用途のコンピュータにとってアクセス可能な任意の利用可能な媒体であってもよい。
【0416】
前述の個別的な実装では、本願の目的、技術的解決策、および有益な効果がさらに詳細に説明されている。上記の説明は、本願の特定の実装にすぎないが、本願の保護範囲を制限することを意図していないことを理解するべきである。本願の技術的解決策に基づいてなされる任意の修正、等価な置換、改善などは、本願の保護範囲内にはいるべきである。
【外国語明細書】