IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 井関農機株式会社の特許一覧

<>
  • 特開-コンバイン 図1
  • 特開-コンバイン 図2
  • 特開-コンバイン 図3
  • 特開-コンバイン 図4
  • 特開-コンバイン 図5
  • 特開-コンバイン 図6
  • 特開-コンバイン 図7
  • 特開-コンバイン 図8
  • 特開-コンバイン 図9
  • 特開-コンバイン 図10
  • 特開-コンバイン 図11
  • 特開-コンバイン 図12
  • 特開-コンバイン 図13
  • 特開-コンバイン 図14
  • 特開-コンバイン 図15
  • 特開-コンバイン 図16
  • 特開-コンバイン 図17
  • 特開-コンバイン 図18
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025101781
(43)【公開日】2025-07-08
(54)【発明の名称】コンバイン
(51)【国際特許分類】
   A01D 41/12 20060101AFI20250701BHJP
【FI】
A01D41/12 H
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023218782
(22)【出願日】2023-12-26
(71)【出願人】
【識別番号】000000125
【氏名又は名称】井関農機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002321
【氏名又は名称】弁理士法人永井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】古川 博司
(72)【発明者】
【氏名】田口 裕也
(72)【発明者】
【氏名】澤村 亮
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 学
(72)【発明者】
【氏名】玉田 晋太郎
【テーマコード(参考)】
2B074
【Fターム(参考)】
2B074AA05
2B074AB01
2B074AC02
2B074AD05
2B074AD06
2B074AF01
2B074AG02
2B074BA19
2B074CD03
2B074DA01
2B074DA02
2B074DA03
2B074DA04
2B074DA06
2B074DE03
2B074DF03
2B074DF06
2B074DF09
2B074DF10
(57)【要約】
【課題】雨水の溜まりや埃や藁屑等の堆積を抑制することができるテープパイプを備えるコンバインを提案する。
【解決手段】エンジン(E)で燃焼された排ガスの排気音を低減するサイレンサ(36)の後部にテールパイプ(37)を接続し、平面視において、脱穀装置(4)の右壁とホッパ(7)の左壁の間に、テールパイプ(37)を前後方向に直線状に延在させ、側面視において、テールパイプ(37)を、前端部から後上がりに延在する前側部(37A)と、前側部(37A)の後部から後上がりに直線状に延在する中間部(37B)と後側部(37C)で形成し、ホッパ(7)の後壁よりも後側に後側部(37C)の後端部を位置させた。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エンジン(E)を搭載した機体フレーム(1)の左側に脱穀選別処理する脱穀装置(4)を設け、該脱穀装置(4)の右側に操縦部(5)を設け、該操縦部(5)の後側に選別処理された穀粒を貯留するホッパ(7)を設けたコンバインにおいて、
前記エンジン(E)で燃焼された排ガスの排気音を低減するサイレンサ(36)の後部にテールパイプ(37)を接続し、
平面視において、前記脱穀装置(4)の右壁とホッパ(7)の左壁の間に、前記テールパイプ(37)を前後方向に直線状に延在させ、
側面視において、前記テールパイプ(37)を、前端部から後上がりに延在する前側部(37A)と、該前側部(37A)の後部から後上がりに直線状に延在する中間部(37B)と後側部(37C)で形成し、前記ホッパ(7)の後壁よりも後側に後側部(37C)の後端部を位置させたことを特徴とするコンバイン。
【請求項2】
前記テールパイプ(37)の上側に第1カバー(38)を設け、
側面視において、前記後側部(37C)よりも後側に第1カバー(38)の後端部を位置させた請求項1記載のコンバイン。
【請求項3】
前記エンジン(E)とサイレンサ(36)を排気管(35)を介して接続し、
側面視において、前記排気管(35)を後上がりに延在させ、前記サイレンサ(36)の後部を前部よりも上側に位置させる後上がり傾斜姿勢に設けた請求項1又は2記載のコンバイン。
【請求項4】
前記後側部(37C)の後部から左方向に湾曲した後に、前記脱穀装置(4)の後側を左方向に延在する第1延長テールパイプ(50)を設け、
前記脱穀装置(4)の左壁の延長線上に、前記第1延長テールパイプ(50)の左端部を臨ませた請求項3記載のコンバイン。
【請求項5】
前記第1延長テールパイプ(50)の上側に第2カバー(51)を設け、
背面視において、前記第1延長テールパイプ(50)よりも左側に第2カバー(51)の左端部を位置させた請求項4記載のコンバイン。
【請求項6】
前記後側部(37C)の後部から右方向に湾曲した後に、前記ホッパ(7)の後側を右方向に延在する第2延長テールパイプ(60)を設け、
前記ホッパ(7)の右壁の延長線上に、前記第2延長テールパイプ(60)の右端部を臨ませた請求項3記載のコンバイン。
【請求項7】
背面視において、前記第2延長テールパイプ(60)の上側に第3カバー(61)を設け、前記第2延長テールパイプ(60)よりも右側に第3カバー(61)の右端部を位置させた請求項6記載のコンバイン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エンジンで燃焼された排ガスを流動するテールパイプを備えたコンバインに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、脱穀装置とホッパの間に形成された空間に、後方に延在するテールパイプを設けて、脱穀装置の右壁から右方に延出する支持部材にテールパイプを固定する技術が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2019-208386号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1の技術では、側面視においてテールパイプを水平に設けているために、テールパイプの上部に雨水が溜まったり、埃、藁屑等が堆積する恐れがあった。また、排ガスにより加熱されたテールパイプの熱によって堆積した藁屑等が発火する恐れがあることが指摘されていた。
【0005】
そこで、本発明の課題は、雨水の溜まりや埃や藁屑等の堆積を抑制することができるテープパイプを備えるコンバインを提案することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決した本発明は次のとおりである。
すなわち、請求項1記載の発明は、エンジン(E)を搭載した機体フレーム(1)の左側に脱穀選別処理する脱穀装置(4)を設け、該脱穀装置(4)の右側に操縦部(5)を設け、該操縦部(5)の後側に選別処理された穀粒を貯留するホッパ(7)を設けたコンバインにおいて、
前記エンジン(E)で燃焼された排ガスの排気音を低減するサイレンサ(36)の後部にテールパイプ(37)を接続し、平面視において、前記脱穀装置(4)の右壁とホッパ(7)の左壁の間に、前記テールパイプ(37)を前後方向に直線状に延在させ、側面視において、前記テールパイプ(37)を、前端部から後上がりに延在する前側部(37A)と、該前側部(37A)の後部から後上がりに直線状に延在する中間部(37B)と後側部(37C)で形成し、前記ホッパ(7)の後壁よりも後側に後側部(37C)の後端部を位置させたことを特徴とするコンバインである。
【0007】
請求項2記載の発明は、前記テールパイプ(37)の上側に第1カバー(38)を設け、側面視において、前記後側部(37C)よりも後側に第1カバー(38)の後端部を位置させた請求項1記載のコンバインである。
【0008】
請求項3記載の発明は、前記エンジン(E)とサイレンサ(36)を排気管(35)を介して接続し、側面視において、前記排気管(35)を後上がりに延在させ、前記サイレンサ(36)の後部を前部よりも上側に位置させる後上がり傾斜姿勢に設けた請求項1又は2記載のコンバインである。
【0009】
請求項4記載の発明は、前記後側部(37C)の後部から左方向に湾曲した後に、前記脱穀装置(4)の後側を左方向に延在する第1延長テールパイプ(50)を設け、前記脱穀装置(4)の左壁の延長線上に、前記第1延長テールパイプ(50)の左端部を臨ませた請求項3記載のコンバインである。
【0010】
請求項5記載の発明は、前記第1延長テールパイプ(50)の上側に第2カバー(51)を設け、背面視において、前記第1延長テールパイプ(50)よりも左側に第2カバー(51)の左端部を位置させた請求項4記載のコンバインである。
【0011】
請求項6記載の発明は、前記後側部(37C)の後部から右方向に湾曲した後に、前記ホッパ(7)の後側を右方向に延在する第2延長テールパイプ(60)を設け、
前記ホッパ(7)の右壁の延長線上に、前記第2延長テールパイプ(60)の右端部を臨ませた請求項3記載のコンバインである。
【0012】
請求項7記載の発明は、背面視において、前記第2延長テールパイプ(60)の上側に第3カバー(61)を設け、前記第2延長テールパイプ(60)よりも右側に第3カバー(61)の右端部を位置させた請求項6記載のコンバインである。
【発明の効果】
【0013】
請求項1記載の発明によれば、エンジン(E)で燃焼された排ガスの排気音を低減するサイレンサ(36)の後部にテールパイプ(37)を接続し、平面視において、脱穀装置(4)の右壁とホッパ(7)の左壁の間に、テールパイプ(37)を前後方向に直線状に延在させ、側面視において、テールパイプ(37)を、前端部から後上がりに延在する前側部(37A)と、前側部(37A)の後部から後上がりに直線状に延在する中間部(37B)と後側部(37C)で形成し、ホッパ(7)の後壁よりも後側に後側部(37C)の後端部を位置させたので、テールパイプ(37)の上部に雨水が溜まったり、埃、藁屑等が堆積するのを抑制することができる。また、後側部(37C)から排気された排ガスが操縦部(5)の作業者の周辺に戻るのを抑制することができる。
【0014】
請求項2記載の発明によれば、請求項1記載の発明による効果に加えて、テールパイプ(37)の上側に第1カバー(38)を設け、側面視において、後側部(37C)よりも後側に第1カバー(38)の後端部を位置させたので、テールパイプ(37)の上部に雨水が溜まったり、埃、藁屑等が堆積するのをより抑制することができる。また、テールパイプ(37)内に雨水が侵入するのを防止することができる。
【0015】
請求項3記載の発明によれば、請求項1又は2記載の発明による効果に加えて、エンジン(E)とサイレンサ(36)を排気管(35)を介して接続し、側面視において、排気管(35)を後上がりに延在させ、サイレンサ(36)の後部を前部よりも上側に位置させる後上がり傾斜姿勢に設けたので、排気管(35)とサイレンサ(36)の上部に雨水が溜まったり、埃、藁屑等が堆積するのを抑制することができる。
【0016】
請求項4記載の発明によれば、請求項3記載の発明による効果に加えて、後側部(37C)の後部から左方向に湾曲した後に、脱穀装置(4)の後側を左方向に延在する第1延長テールパイプ(50)を設け、脱穀装置(4)の左壁の延長線上に、第1延長テールパイプ(50)の左端部を臨ませたので、第1延長テールパイプ(50)から排気された排ガスが操縦部(5)の作業者の周辺に戻るのをより抑制することができる。
【0017】
請求項5記載の発明によれば、請求項4記載の発明による効果に加えて、第1延長テールパイプ(50)の上側に第2カバー(51)を設け、背面視において、第1延長テールパイプ(50)よりも左側に第2カバー(51)の左端部を位置させたので、第1延長テールパイプ(50)内に雨水が侵入するのを防止することができる。
【0018】
請求項6記載の発明によれば、請求項3記載の発明による効果に加えて、後側部(37C)の後部から右方向に湾曲した後に、ホッパ(7)の後側を右方向に延在する第2延長テールパイプ(60)を設け、ホッパ(7)の右壁の延長線上に、第2延長テールパイプ(60)の右端部を臨ませたので、第2延長テールパイプ(60)から排気された排ガスが操縦部(5)の作業者の周辺に戻るのをより抑制することができる。
【0019】
請求項7記載の発明によれば、請求項6記載の発明による効果に加えて、背面視において、第2延長テールパイプ(60)の上側に第3カバー(61)を設け、第2延長テールパイプ(60)よりも右側に第3カバー(61)の右端部を位置させたので、第2延長テールパイプ(60)内に雨水が侵入するのを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】第1実施形態のコンバインの正面図である。
図2】同コンバインの右側面図である。
図3】同コンバインの要部の左側面図である。
図4】同コンバインの要部の右側面図である。
図5】同コンバインの要部の平面図である。
図6】同コンバインの背面図である。
図7】同コンバインのテールパイプにおける前側部の左側面図である。
図8】同コンバインのテールパイプにおける後側部の左側面図である。
図9】同コンバインのテールパイプの斜視図である。
図10】第2実施形態のコンバインの要部の平面図である。
図11】同コンバインの背面図である。
図12】同コンバインのテープパイプの左側面図である。
図13】同コンバインの他のテープパイプの左側面図である。
図14】第3実施形態のコンバインの要部の平面図である。
図15】同コンバインの背面図である。
図16】同コンバインのテープパイプの右側面図である。
図17】同コンバインの他のテープパイプの右側面図である。
図18】同コンバインのさらに他のテープパイプの右側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
<第1実施形態のコンバイン>
図1,2に示すように、汎用コンバインは、機体フレーム1の下側に土壌面を走行する左右一対のクローラからなる走行装置2が設けられ、機体フレーム1の前側に圃場の穀稈を収穫する刈取前処理装置3が設けられ、刈取前処理装置3の後方左側に収穫された穀稈を脱穀・選別処理する脱穀装置4が設けられ、刈取前処理装置3の後方右側に作業者が搭乗する操縦部5が設けられている。
【0022】
操縦部5の下側にエンジンを内装するエンジンルーム6が設けられ、操縦部5の後側に脱穀・選別処理された菜種油等の穀粒を貯留するホッパ7が設けられている。
【0023】
刈取前処理装置3は、圃場の穀稈を起立させながら後側に搬送する掻込装置3Aと、掻込装置3Aの後方下部に搬送された穀稈の株元を切断する刈刃装置3Bと、掻込装置3Aの後側に搬送された穀稈を左側に寄せ集めるオーガ装置3Cと、寄せ集められた穀稈を脱穀装置4に搬送するフィーダハウス3Dから構成されている。
【0024】
ホッパ7は、直方体状に形成されたタンク部10と、タンク部10の下側の逆角錐状に形成された漏斗部11から形成されている。なお、漏斗部11は、タンク部10の下側に前後方向に2個並設されている。
【0025】
漏斗部11の下部には、左右方向に摺動可能に支持された板状の閉塞部材12が設けられ、漏斗部11の下側には穀粒袋を吊下げる袋支持体13が設けられている。これにより、ホッパ7に穀粒を貯留する場合には、閉塞部材12を左側に移動させて漏斗部11の漏下口を閉塞して穀粒を貯留し、ホッパ7に貯留された穀粒を外部に排出する場合には、袋支持体13に穀粒袋を吊下げた後に、閉塞部材12を右側に移動させて漏下口を開放させて穀粒を穀粒袋に排出することができる。
【0026】
図3~8に示すように、タンク部10の前壁は、操縦部5の後部に設けられた機体フレーム1から上方に延在する左右一対の縦フレーム20の上部を左右方向に連結する横フレーム21にステー22を介して固定されている。また、タンク部10の後壁は、機体フレーム1から上方に延在する縦フレーム23の上部に設けられた左右方向に延在する横フレーム24にステー25を介して固定されている。さらに、タンク部10の左壁は、脱穀装置4で脱穀・選別処理された穀粒をホッパ7のタンク部10の揚穀する揚穀筒26に支持されている。これにより、タンク部10を所定の位置に強固に固定することができる。
【0027】
横フレーム24の左部は、脱穀装置4の右壁に固定するのが好ましい。これにより、横フレーム24の変形を抑制して、タンク部10を所定の位置により強固に固定することができる。
【0028】
揚穀筒26の上部には、エンジンEに吸気される空気中の浮遊物を除去するプレクリーナ30を支持するステー27が設けられ、揚穀筒26の上下方向の中間部には、後述するテールパイプ37を支持するステー28が設けられている。
【0029】
プレクリーナ30を通過した空気は、操縦部5の後部に設けられたクリーナ31で不純物を除去された後にエンジンEに吸気されて軽油と混合される。
【0030】
エンジンEで燃焼した排ガスは、排気管35と、排気管35の後部に接続された排気音を軽減するサイレンサ36と、サイレンサ36の後部に接続されたテールパイプ37を介して、テールパイプ37の後部から外部に排気される。
【0031】
側面視において、排気管35は前端部から後上がりに延在している。これにより、排気管35の上部に埃や藁屑等が堆積するのを防止することができる。
【0032】
サイレンサ36には、前部から前方に延出する接続管36Aと後部から後方に延出する接続管36Bが形成されている。これにより、排気管35の後部と接続管36Aの前部の接続と、接続管36Bの後部とテールパイプ37の前部の接続を容易に行うことができる。
【0033】
側面視において、サイレンサ36は前部よりも後部を上側に位置させる後上がり傾斜姿勢に設けられ、接続管36Aは前端部から後上がりに延在し、接続管36Bは前端部から後上がりに延在している。これにより、サイレンサ36や接続管36A、接続管36Bの上部に埃や藁屑等が堆積するのを防止することができる。
【0034】
排気管35の後部の外径は接続管36Aの前部の内径よりも小さく形成し、排気管35の後部の一部と接続管36Aの前部の一部が重なる構成としている。これにより、エジェクタ効果によって排気管35から接続管36Aを介してサイレンサ36に排気される排ガスの温度を下げることができる。また、接続管36Bの後部の外径はテールパイプ37の前部の内径よりも小さく形成し、排気管36Bの後部の一部とテールパイプ37の前部の一部が重なる構成としている。これにより、エジェクタ効果によってサイレンサ36から接続管36Bを介してテールパイプ37に排気される排ガスの温度を下げることができる。また、テールパイプ37内に入り込んだ水や小石などの比重の大きいものは、テールパイプ37の前部から放出される。
【0035】
側面視において、接続管36Bの後部とテールパイプ37の前部の接続部は、ホッパ7の前側の漏斗部11の前側に配置している。これにより、漏斗部11の下側に形成された空間を利用して接続管36Bからテールパイプ37を容易に取外してメンテナンスすることができる。
【0036】
側面視において、テールパイプ37は、前端部から後上がりに延在する前側部37Aと、前側部37Aの後部から前側部37Aよりも緩やかに後上がりに延在する中間部37Bと後側部37Cから形成されている。これにより、テールパイプ37の上部に雨水が付着したり、埃や藁屑等が堆積するのを防止することができる。
【0037】
側面視において、後側部37Cの後部は、ホッパ7の後壁よりも後側に延出している。これにより、後側部37Cから排気された排ガスが操縦部5の作業者の周辺に戻るのを抑制することができる。
【0038】
中間部37Bと後側部37Cの上側には、中間部37Bと後側部37Cの左部と、上部と、右部を覆う遮熱カバー(請求項の「第1カバー」)38が設けられている。これにより、埃や藁屑等が中間部37Bと後側部37Cに付着するのを防止することができる。また、脱穀装置4の上壁に積載される穀粒袋の焦付きを抑制することができる。また、遮熱カバー38の後端部はテールパイプ37の後側部37Cの後端部よりも後側に延在している。これにより、テールパイプ37内に雨水が侵入するのを防止することができる。
【0039】
側面視において、中間部37Bは、脱穀装置4の上壁よりも下側に配置されている。これにより、脱穀装置4の上壁に積載される穀粒袋の焦付きをより抑制することができる。
【0040】
側面視において、中間部37Bは、漏斗部11と重さなる位置、すなわち、タンク部10よりも下側で、袋支持体13よりも上側に配置されている。脱穀装置4の上壁よりも下側に配置されている。これにより、穀粒の排出時に穀粒袋からこぼれ落ちた穀粒が中間部37Bに付着するのを防止することができる。
【0041】
平面視において、中間部37Bと後側部37Cは、脱穀装置4とホッパ7の間に形成された空間において脱穀装置4に偏移した位置に前後方向に直線状に延在して配置されている。また、前側部37Aも同様に前後方向に直線状に延在して配置されている。
【0042】
図7に示すように、中間部37Bの前部に設けられた連結部材40は、ステー28の下部にボルト等の締結部材によって着脱自在に固定されている。これにより、中間部37Bをステー28から容易に取外すことができる。
【0043】
図8に示すように、後側部37Cの後部に設けられた連結部材41は、横フレーム24の左部にボルト等の締結部材によって着脱自在に固定されている。これにより、後側部37Cを横フレーム24から容易に取外すことができる。また、排ガスで加熱された後側部37Cの多くの熱は、横フレーム24を介して大気中に放出されるので脱穀装置4やホッパ7への熱の影響は少ない。
【0044】
図9に示すように、ステー28は、左部には前後方向に延在するリブ28Aと、揚穀筒26とリブ28Aの中間部を連結する左右方向に延在するリブ28Bが形成されている。これにより、ステー28の変形を防止して中間部37Bの前部を強固に固定することができる。また、排ガスで高熱となっている中間部37Bの多くの熱は、揚穀筒26から大気中に放出されるので、脱穀装置4やホッパ7への熱の影響はない。また、揚穀筒26内を通過する穀粒は、極めて短い時間で通過するので、穀粒への熱の影響はない。
【0045】
<第2実施形態のコンバイン>
図10~12は、第2実施形態のコンバインを図示している。第1実施形態のコンバインと同一部材には同一符号を付して説明を省略する。
【0046】
第2実施形態のコンバインのテールパイプ37の後側部37Cの後部には、延長テールパイプ(請求項の「第1延長テールパイプ」)50が接続されている。延長テールパイプ50は、後側部37Cの後端部から後側に延在した後に左側に略90度湾曲する湾曲部と、湾曲部の左部から左側に延在する延在部から形成され、延在部の左部は脱穀装置4の左壁の近傍に位置している。これにより、操縦部5の作業者と延長テールパイプ50の延在部の排気口を大きく離間して、延在部から排気された排ガスが操縦部5の作業者の周辺に戻るのを防止することができる。なお、図10~12には、操縦部5の後側に、ホッパ7に替えて、穀粒を貯留するグレンタンク8と、グレンタンク8に貯留された穀粒を排出する排出オーガ9を設けたコンバインを図示している。
【0047】
テールパイプ37の後側部37Cの後部の外径は、延長テールパイプ50の湾曲部の前部の内径よりも小さく形成し、テールパイプ37の後側部37Cの後部の一部と延長テールパイプ50の湾曲部の前部の一部が重なる構成としている。これにより、エジェクタ効果によって後側部37Cから延長テールパイプ50の湾曲部に排気される排ガスの温度を下げることができる。
【0048】
延長テールパイプ50の外側には、延長テールパイプ50の外周部を覆う遮熱カバー(請求項の「第2カバー」)51が設けられ、遮熱カバー51の左端部は延長テールパイプ50の左端部よりも左側に延在している。これにより、埃や藁屑等が延長テールパイプ50に付着するのを防止することができ、また、延長テールパイプ50内に雨水が侵入するのを防止することができる。なお、遮熱カバー51の前後方向の縦断面は6角形形状に形成されている。
【0049】
遮熱カバー51の下部は、左右方向に所定の間隔を隔てて設けられた左右一対の脱穀装置4の後壁から後方に延在する支持部材52に固定されている。なお、遮熱カバー51と支持部材52はボルト等の締結部材によって着脱自在に固定されている。これにより、延長テールパイプ50の外周部に遮熱カバー51を容易に着脱することができる。
【0050】
図13に示すように、遮熱カバー51に替えて、延長テールパイプ50の外周部の上部と、後部と、下部を覆い、脱穀装置4の後壁に対向する前部を開放した遮熱カバー51Aを設けることができる。これにより、遮熱カバー51Aの軽量化が図られて延長テールパイプ50の外周部に遮熱カバー51Aをより容易に着脱することができる。
【0051】
<第3実施形態のコンバイン>
図14~16は、第3実施形態のコンバインを図示している。第1実施形態のコンバインと同一部材には同一符号を付して説明を省略する。
【0052】
第3実施形態のコンバインのテールパイプ37の後側部37Cの後部には、延長テールパイプ(請求項の「第2延長テールパイプ」)60が接続されている。延長テールパイプ60は、後側部37Cの後端部から後側に延在した後に右側に略90度湾曲する湾曲部と、湾曲部の右部から右側に延在する延在部から形成され、延在部の右部はホッパ7の右壁を後側に延長した延長線上の近傍に位置している。これにより、操縦部5の作業者と延長テールパイプ60の延在部の排気口を大きく離間して、延在部から排気された排ガスが操縦部5の作業者の周辺に戻るのを防止することができる。
【0053】
図14~16には、操縦部5の後側に、ホッパ7に替えて、穀粒を貯留するグレンタンク8と、グレンタンク8に貯留された穀粒を排出する排出オーガ9を設けたコンバインを図示している。この場合には、延長テールパイプ60の延在部は、排出オーガ9の縦排出部9Aの後方を延在させて、延長テールパイプ60の延在部の右部をグレンタンク8の右壁を後側に延長した延長線上の近傍に位置させている。
【0054】
テールパイプ37の後側部37Cの後部の外径は、延長テールパイプ60の湾曲部の前部の内径よりも小さく形成し、テールパイプ37の後側部37Cの後部の一部と延長テールパイプ60の湾曲部の前部の一部が重なる構成としている。これにより、エジェクタ効果によって後側部37Cから延長テールパイプ60の湾曲部に排気される排ガスの温度を下げることができる。
【0055】
延長テールパイプ60の外側には、延長テールパイプ60の外周部を覆う遮熱カバー(請求項の「第3カバー」)61が設けられ、遮熱カバー61の右端部は延長テールパイプ60の右端部よりも右側に延在している。これにより、埃や藁屑等が延長テールパイプ60に付着するのを防止することができ、また、延長テールパイプ60内に雨水が侵入するのを防止することができる。なお、遮熱カバー61の前後方向の縦断面は6角形形状に形成されている。
【0056】
遮熱カバー61の前部は、縦排出部9Aから後方に延在して設けられた支持部材62に固定されている。なお、遮熱カバー61と支持部材62はボルト等の締結部材によって着脱自在に固定されている。これにより、延長テールパイプ60の外周部に遮熱カバー61を容易に着脱することができる。
【0057】
図17に示すように、遮熱カバー61に替えて、延長テールパイプ60の外周部の上部と、前部と、後部を覆い、下部を開放した遮熱カバー61Aを設けることができる。また、遮熱カバー61の前部が縦排出部9Aから後方に延在して設けられた支持部材62に固定されている。これにより、遮熱カバー61Aの軽量化が図られて延長テールパイプ60の外周部に遮熱カバー61Aをより容易に着脱することができる。
【0058】
図18に示すように、遮熱カバー61に替えて、延長テールパイプ60の外周部の上部と、前部と、後部を覆い、下部を開放した遮熱カバー61Aを設けることができる。また、遮熱カバー61の後部が縦排出部9Aから後方に延在して設けられた支持部材62に固定されている。これにより、遮熱カバー61Aの軽量化が図られて延長テールパイプ60の外周部に遮熱カバー61Aをより容易に着脱することができる。
【符号の説明】
【0059】
1 機体フレーム
4 脱穀装置
5 操縦部
7 ホッパ
35 排気管
36 サイレンサ
37 テールパイプ
37A 前側部
37B 中間部
37C 後側部
38 遮熱カバー(第1カバー)
50 延長テールパイプ(第1延長テールパイプ)
51 遮熱カバー(第2カバー)
60 延長テールパイプ(第2延長テールパイプ)
61 遮熱カバー(第3カバー)
E エンジン
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18