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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025101795
(43)【公開日】2025-07-08
(54)【発明の名称】車両内装システム
(51)【国際特許分類】
   B60R 16/037 20060101AFI20250701BHJP
   B60N 2/90 20180101ALI20250701BHJP
   A47C 7/62 20060101ALI20250701BHJP
   B60N 2/879 20180101ALI20250701BHJP
   A61B 5/18 20060101ALI20250701BHJP
   A61B 5/16 20060101ALI20250701BHJP
   G08B 21/06 20060101ALI20250701BHJP
   G08B 21/00 20060101ALI20250701BHJP
【FI】
B60R16/037
B60N2/90
A47C7/62 Z
B60N2/879
A61B5/18
A61B5/16 200
G08B21/06
G08B21/00 U
【審査請求】有
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023218816
(22)【出願日】2023-12-26
(71)【出願人】
【識別番号】000220066
【氏名又は名称】テイ・エス テック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100116034
【弁理士】
【氏名又は名称】小川 啓輔
(74)【代理人】
【識別番号】100144624
【弁理士】
【氏名又は名称】稲垣 達也
(72)【発明者】
【氏名】尾崎 拓也
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 生佳
(72)【発明者】
【氏名】吉岡 勇貴
(72)【発明者】
【氏名】富岡 光太郎
(72)【発明者】
【氏名】大矢 美奈子
【テーマコード(参考)】
3B084
3B087
4C038
5C086
【Fターム(参考)】
3B084JA01
3B084JA03
3B084JA06
3B084JC00
3B084JD01
3B087DE08
3B087DE10
4C038PP01
4C038PQ03
5C086AA23
5C086BA22
5C086CA02
5C086CA15
5C086DA08
(57)【要約】
【課題】ユーザの生体情報を周囲の者により分かりやすく報知することを目的とする。
【解決手段】車両内装システム1は、車両C内に配置される内装部材(シート10)と、内装部材に設けられる装飾品20と、装飾品20の形状を変更する電動デバイス(ウインチ23)と、ユーザの生体情報を取得するセンサ(心拍センサ61および呼吸センサ62)と、制御部50を備える。制御部50は、センサから取得した生体情報に基づいて、電動デバイスを作動させ、装飾品20の形状を変更する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両内に配置される内装部材と、
前記内装部材に設けられる装飾品と、
前記装飾品の形状を変更する電動デバイスと、
ユーザの生体情報を取得するセンサと、
制御部と、を備えた車両内装システムであって、
前記制御部は、前記センサから取得した生体情報に基づいて、前記電動デバイスを作動させ、前記装飾品の形状を変更することを特徴とする車両内装システム。
【請求項2】
前記装飾品は、前記内装部材から突出することを特徴とする請求項1に記載の車両内装システム。
【請求項3】
前記装飾品は、一方向に延びた第1形状と、屈曲した第2形状と、に変形可能であり、
前記制御部は、前記センサから取得した生体情報に基づいてユーザが疲れていると判定した場合、前記電動デバイスを作動させて、前記装飾品を前記第1形状から前記第2形状に変形させることを特徴とする請求項2に記載の車両内装システム。
【請求項4】
前記内装部材は、シートのヘッドレストであり、
前記装飾品は、前記ヘッドレストから上に突出することを特徴とする請求項2に記載の車両内装システム。
【請求項5】
表示部をさらに備え、
前記制御部は、前記センサから取得した生体情報に基づいて、ユーザの生体状態を示す画像を前記表示部によって表示することを特徴とする請求項1に記載の車両内装システム。
【請求項6】
前記制御部は、
キャラクタ画像を前記表示部によって表示可能であり、
前記センサから取得した生体情報に基づいて、前記キャラクタ画像を変更することを特徴とする請求項5に記載の車両内装システム。
【請求項7】
前記装飾品は、ユーザが触れることにより信号を出力するタッチセンサを有し、
前記制御部は、前記タッチセンサからの信号に基づいて、前記装飾品を動かすことを特徴とする請求項1に記載の車両内装システム。
【請求項8】
前記制御部は、前記センサから取得した生体情報に基づいて、所定時間当たりの前記装飾品の動作回数を変更することを特徴とする請求項1に記載の車両内装システム。
【請求項9】
前記装飾品は、照明を有し、
前記制御部は、前記センサから取得した生体情報に基づいて、前記照明を点灯させることを特徴とする請求項1に記載の車両内装システム。
【請求項10】
前記装飾品は、動物の身体の一部を模した形状であることを特徴とする請求項1に記載の車両内装システム。
【請求項11】
前記制御部は、車両に設けられた衝突検知部からの情報に基づいて車両の衝突を予測した場合、生体情報に基づいた前記装飾品の形状の変更を禁止し、かつ、車両の衝突の前に前記装飾品を動かすことで車両の衝突を予報することを特徴とする請求項1に記載の車両内装システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内装部材と制御部を備えた車両内装システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、覚醒維持装置と、覚醒維持装置が作動していることを表示する表示ランプとを備えたシートが知られている(特許文献1参照)。覚醒維持装置は、呼吸センサと、制御装置と、振動ユニットを備えている。制御装置は、呼吸センサで検出された着座者の呼吸信号を受信して着座者の覚醒状態を判断し、覚醒状態ではないと判断した場合には、振動ユニットを駆動させる。この技術では、着座者や周囲の者に覚醒維持装置が正常に作動していることを報知することができるので、着座者の居眠りをより確実に防止している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2016-193656号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来技術では、表示ランプを光らせることで覚醒維持装置の作動状態を報知するので、例えばシートの周囲の環境が明るい場合など、表示ランプの光を認識しにくい状況では、周囲の者が覚醒維持装置の作動状態、ひいては着座者の状態を把握しにくくなるおそれがあった。
【0005】
そこで、本発明は、ユーザの生体情報を周囲の者により分かりやすく報知することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するため、本発明に係る車両内装システムは、車両内に配置される内装部材と、内装部材に設けられる装飾品と、装飾品の形状を変更する電動デバイスと、ユーザの生体情報を取得するセンサと、制御部と、を備える。
制御部は、センサから取得した生体情報に基づいて、電動デバイスを作動させ、装飾品の形状を変更する。
【0007】
この構成によれば、ユーザの生体情報に応じて装飾品の形状が変更されるので、仮にユーザの周囲の環境が明るい場合であっても、ユーザの生体状態を周囲の者により分かりやすく報知することができる。
【0008】
また、装飾品は、内装部材から突出していてもよい。
【0009】
装飾品が内装部材から突出することで、装飾品を目立たせることができるので、ユーザの生体状態を周囲の者により分かりやすく報知することができる。
【0010】
また、装飾品は、一方向に延びた第1形状と、屈曲した第2形状と、に変形可能であり、制御部は、センサから取得した生体情報に基づいてユーザが疲れていると判定した場合、電動デバイスを作動させて、装飾品を第1形状から第2形状に変形させてもよい。
【0011】
真っ直ぐの状態のものが屈曲する場合には、例えば元気な状態の植物が枯れるなど、元気な状態であったものが疲弊した状態になったことを連想しやすいので、ユーザが疲れた場合に装飾品を屈曲させることで、ユーザが疲れたことを周囲の者が認識しやすい。
【0012】
また、内装部材は、シートのヘッドレストであり、装飾品は、ヘッドレストから上に突出していてもよい。
【0013】
装飾品がヘッドレストから上に突出することで、装飾品を目立たせることができるので、ユーザの生体状態を周囲の者により分かりやすく報知することができる。
【0014】
また、車両内装システムは、表示部をさらに備え、制御部は、センサから取得した生体情報に基づいて、ユーザの生体状態を示す画像を表示部によって表示してもよい。
【0015】
これによれば、表示部による画像と装飾品とでユーザの生体状態が表現されるので、ユーザの生体状態を周囲の者により分かりやすく報知することができる。
【0016】
また、制御部は、キャラクタ画像を表示部によって表示可能であり、センサから取得した生体情報に基づいて、キャラクタ画像を変更してもよい。
【0017】
これによれば、例えばキャラクタ画像の顔の表情を生体情報に応じて変更することで、ユーザの生体状態を周囲の者により分かりやすく報知することができる。
【0018】
また、装飾品は、ユーザが触れることにより信号を出力するタッチセンサを有し、制御部は、タッチセンサからの信号に基づいて、装飾品を動かしてもよい。
【0019】
この構成によれば、ユーザが装飾品に触れると装飾品が動くので、娯楽性を高めることができる。
【0020】
また、制御部は、センサから取得した生体情報に基づいて、所定時間当たりの装飾品の動作回数を変更してもよい。
【0021】
これによれば、装飾品の動作回数を変更することで、ユーザの疲労度を複数段階で表現することができる。
【0022】
また、装飾品は、照明を有し、制御部は、センサから取得した生体情報に基づいて、照明を点灯させてもよい。
【0023】
これによれば、照明と装飾品の形状変化とで、ユーザの生体状態が表現されるので、ユーザの生体状態を周囲の者により分かりやすく報知することができる。
【0024】
また、装飾品は、動物の身体の一部を模した形状であってもよい。
【0025】
これによれば、例えば装飾品を動物の耳を模した形状とした場合、ユーザが疲れた場合に装飾品を屈曲させることで、ユーザが疲れたことを周囲の者が認識しやすい。
【0026】
また、制御部は、車両に設けられた衝突検知部からの情報に基づいて車両の衝突を予測した場合、生体情報に基づいた装飾品の形状の変更を禁止し、かつ、車両の衝突の前に装飾品を動かすことで車両の衝突を予報してもよい。
【0027】
これによれば、車両が衝突しそうになった場合には、装飾品の動きで周囲の者に車両の衝突を予報することができる。
【発明の効果】
【0028】
本発明によれば、ユーザの生体状態を周囲の者により分かりやすく報知することができる。
【0029】
また、装飾品が内装部材から突出することで、装飾品を目立たせることができるので、ユーザの生体状態を周囲の者により分かりやすく報知することができる。
【0030】
また、ユーザが疲れた場合に装飾品を屈曲させることで、ユーザが疲れたことを周囲の者が認識しやすい。
【0031】
また、装飾品がヘッドレストから上に突出する構成とすることで、装飾品を目立たせることができるので、ユーザの生体状態を周囲の者により分かりやすく報知することができる。
【0032】
また、表示部による画像と装飾品とでユーザの生体状態を表現することで、ユーザの生体状態を周囲の者により分かりやすく報知することができる。
【0033】
また、生体情報に基づいてキャラクタ画像が変更される構成とすることで、ユーザの生体状態を周囲の者により分かりやすく報知することができる。
【0034】
また、制御部が、タッチセンサからの信号に基づいて、装飾品を動かす構成とすることで、ユーザが装飾品に触れると装飾品が動くので、娯楽性を高めることができる。
【0035】
また、生体情報に基づいて所定時間当たりの装飾品の動作回数が変更されることで、ユーザの疲労度を複数段階で表現することができる。
【0036】
また、照明と装飾品の形状変化とで、ユーザの生体状態を表現することで、ユーザの生体状態を周囲の者により分かりやすく報知することができる。
【0037】
また、装飾品を、動物の身体の一部を模した形状とすることで、ユーザが疲れたことを周囲の者が認識しやすい。
【0038】
また、制御部が、車両の衝突の前に装飾品を動かすことで車両の衝突を予報する構成とすることで、装飾品の動きによって周囲の者に車両の衝突を予報することができる。
【図面の簡単な説明】
【0039】
図1】第1実施形態に係る車両内装システムを示す図である。
図2】センサ、装飾品、モニタおよび制御部の関係を示す図である。
図3】装飾品の構造を示す断面図であり、第1形状であるときの装飾品を示す図(a)と、第2形状であるときの装飾品を示す図(b)である。
図4】制御部の動作を示すフローチャートである。
図5】装飾品の状態とモニタの表示を示す図であり、ユーザが疲れていないときの状態を示す図(a)と、ユーザが少し疲れたときの状態を示す図(b)と、ユーザがかなり疲れたときの状態を示す図(c)である。
図6】第2実施形態に係る制御部の動作を示すフローチャートである。
図7】第3実施形態に係る制御部の動作を示すフローチャートである。
図8】第4実施形態に係る装飾品を示す断面図である。
図9】第4実施形態に係る制御部の動作を示すフローチャートである。
図10】第5実施形態に係る装飾品を示す断面図であり、装飾品の可動部が下に位置するときの状態を示す図(a)と、可動部が上に位置するときの状態を示す図(b)である。
図11】装飾品を設ける位置の変形例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0040】
[第1実施形態]
以下、図面を参照しながら、本発明の第1実施形態について説明する。
図1に示すように、車両内装システム1は、内装部材の一例としてのシート10と、シート10に設けられる装飾品20と、衝突検知部の一例としてのカメラ30と、表示部の一例としてのモニタ40と、制御部50とを備えている。シート10、カメラ30およびモニタ40は、車両C内、詳しくは車室に臨む位置に配置されている。本実施形態では、シート10を、運転席とする。
【0041】
カメラ30は、車両Cの前方を撮影するカメラである。カメラ30で撮影された画像情報は、制御部50に出力される。
【0042】
モニタ40は、画像を表示する画面を有する。モニタ40に表示される画像は、制御部50によって変更可能となっている。モニタ40は、例えば、ルームミラーの下に位置するように、ダッシュボードに配置することができる。
【0043】
図2に示すように、シート10は、シート本体10Aと、センサの一例としての心拍センサ61および呼吸センサ62とを有している。
【0044】
シート本体10Aは、ユーザを支持する座面を有する部材である。シート本体10Aは、シートクッション11と、シートバック12と、ヘッドレスト13とを備えている。シートクッション11、シートバック12およびヘッドレスト13は、それぞれ、骨格を構成する金属製のフレームと、フレームを覆うパッドと、パッドを覆う表皮とを有している。パッドは、ウレタンフォームなどからなる。表皮は、合成皮革や布地などからなる。シートクッション11の上面は、座面となっている。シートバック12およびヘッドレスト13の各前面は、座面となっている。
【0045】
心拍センサ61および呼吸センサ62は、シート10に着座したユーザの生体情報を取得するセンサである。以下の説明において、シート10に着座したユーザを、「着座者」ともいう。
【0046】
心拍センサ61は、容量結合型電極により着座者の心電信号を非接触により計測するセンシングデバイスである。ここで、心電信号とは、着座者の心臓の拍動に伴って生じる活動電位信号のことをいう。
心拍センサ61は、シートバック12に設けられている。心拍センサ61により検出された心電信号は、制御部50に出力される。
【0047】
呼吸センサ62は、シートクッション11に設けられている。呼吸センサ62は、上下に電極を有する。呼吸センサ62は、着座者の呼吸に応じて変化する電気抵抗に流れる電流を検出する抵抗感圧式のセンサ(圧力センサ)である。
【0048】
ここで、呼吸センサ62の上面の電極に加えられる圧力によって、上面の電極が下方に変形することで接触抵抗が大きくなると電極間の電気抵抗値が小さくなる。この電気抵抗値に係る電気信号が呼吸センサ62から制御部50に出力される。制御部50は、電気抵抗値に係る電気信号に基づいて圧力を演算し、演算した圧力に基づいて呼吸データを得る。
【0049】
なお、心拍センサ61をシートクッション11に設け、呼吸センサ62をシートバック12に設けてもよい。
【0050】
制御部50は、図示しないCPU、ROM、RAM、書換可能な不揮発性メモリ等を有し、予め記憶されたプログラムを実行する。制御部50は、心拍センサ61および呼吸センサ62の少なくとも1つから取得した生体情報に基づいて、着座者の疲労度を推定する機能を有する。
【0051】
一例としては、制御部50は、心拍センサ61から取得した心拍の情報に基づいて、着座者の交感神経の活性度を測定する。具体的には、制御部50は、心拍変動における低周波の変動波(LF)と、高周波の変動波(HF)との比(LF/HF)を上記の交感神経の活性度として得る。そして、制御部50は、上記の交感神経の活性度(LF/HF)を疲労度とする。
すなわち、上記の指標によれば、交感神経の活動が、副交感神経の活動よりも活発である程、着座者の疲労度が高いものと推定される。
【0052】
なお、着座者の疲労度の推定方法は上記の例に限られるものではない。例えば、制御部50は、呼吸センサ62から取得した情報に基づいて、呼吸の間隔や、呼吸に基づいて判定される覚醒レベル(少なくとも覚醒状態か低覚醒状態かを示すレベル)に基づいて着座者の疲労度を判定してもよい。具体的には、着座者の呼吸の間隔が短いほど、疲労度を高く判定したり、また、着座者の覚醒レベルが低覚醒状態にある場合に、疲労度を高く判定してもよい。
【0053】
また、制御部50は、心拍に基づく交感神経の活性度、呼吸の間隔、覚醒レベルに基づいて判定されるそれぞれの個々の疲労度の合計を、着座者の疲労度として用いてもよい。
【0054】
装飾品20は、ヘッドレスト13から上に突出するように、ヘッドレスト13に2つ設けられている。2つの装飾品20は、左右に間隔を空けて並んでいる。
【0055】
装飾品20は、動物の身体の一部を模した形状となっている。本実施形態では、装飾品20は、猫の耳を模した形状となっている。詳しくは、装飾品20は、左右方向の幅が下から上に向かうにつれて徐々に小さくなるような正面視三角形状となっている。
【0056】
図3に示すように、装飾品20は、第1リンク21と、第2リンク22と、電動デバイスの一例としてのウインチ23と、ワイヤ24と、パッド25と、表皮26とを有する。なお、左右の装飾品20は、同じ構造となっている。
【0057】
第1リンク21は、ウインチ23から上に延びるように、ウインチ23の上面に固定されている。
【0058】
第2リンク22は、第1リンク21の上端部に回動可能に連結されている。第2リンク22は、図3(a)に示す起立位置と、図3(b)に示す傾倒位置との間で回動可能となっている。
【0059】
第2リンク22は、起立位置に位置するとき、上端が下端よりも少し前に位置するような姿勢となっている。第2リンク22は、傾倒位置に位置するとき、上端が下端よりも下に位置するような姿勢となっている。第1リンク21の前面と第2リンク22の前面とのなす角(以下、「リンク角」ともいう。)は、第2リンク22が起立位置に位置するときよりも傾倒位置に位置するときの方が小さい。
【0060】
第2リンク22が起立位置に位置するときのリンク角は、90°よりも大きい。第2リンク22が傾倒位置に位置するときのリンク角は、90°よりも小さい。
【0061】
第2リンク22は、図示せぬバネにより、起立位置から傾倒位置に向けて付勢されている。第2リンク22の上端には、ワイヤ24の一端が固定されている。
【0062】
ウインチ23は、ワイヤ24を巻き取ったり、ワイヤ24の張力を緩めたりすることで、第2リンク22を起立位置と傾倒位置の間で回動させる機能を有する。詳しくは、第2リンク22が傾倒位置に位置する状態で、ウインチ23を正回転させてワイヤ24を巻き取ると、バネの付勢力に抗して第2リンク22が傾倒位置から起立位置に回動する。第2リンク22が起立位置に位置する状態で、ウインチ23を逆回転させてワイヤ24の張力を緩めると、バネの付勢力によって第2リンク22が起立位置から傾倒位置に回動する。
【0063】
なお、バネを設けずに、第2リンク22が自重によって、起立位置から傾倒位置に回動するように構成されていてもよい。また、本実施形態とは逆に、バネが、第2リンク22を傾倒位置から起立位置に向けて付勢してもよい。この場合、ウインチ23によってワイヤ24を巻き取ることで第2リンク22を起立位置から傾倒位置に回動させてもよい。
【0064】
パッド25は、ウレタンフォームなどからなり、第1リンク21、第2リンク22およびウインチ23を覆っている。パッド25の外形は、猫の耳を模した形状となっている。
表皮26は、合成皮革や布地などからなり、パッド25を覆っている。
パッド25および表皮26は、第2リンク22の回動に伴って変形可能である。
【0065】
以上のように構成される装飾品20は、図3(a)に示す第1形状と、図3(b)に示す第2形状とに変形可能となっている。装飾品20は、第1形状であるとき、ヘッドレスト13から一方向、詳しくは上に延びている。装飾品20は、第2形状であるとき、先端が前斜め下を向くように屈曲する。装飾品20は、前述したウインチ23の作動とバネによって、形状が変更される。
【0066】
ヘッドレスト13は、装飾品20が嵌まる凹部13Aを有する。装飾品20は、ヘッドレスト13に着脱可能となっている。装飾品20とヘッドレスト13は、それぞれコネクタを有する。各コネクタが接続されると、ウインチ23と制御部50が電気的に接続される。
なお、装飾品20は、ヘッドレスト13に着脱不能に固定されていてもよい。
【0067】
図2に戻って、制御部50は、心拍センサ61および呼吸センサ62の少なくとも1つから取得した生体情報に基づいて、左右のうち少なくとも1つのウインチ23を作動させ、装飾品20の形状を変更する機能を有する。具体的に、制御部50は、心拍センサ61および呼吸センサ62の少なくとも1つから取得した生体情報に基づいてユーザが疲れていると判定した場合、ウインチ23を作動させて、装飾品20を第1形状から第2形状に変形させる。本実施形態では、制御部50は、生体情報から推定した疲労度に応じて、片側の装飾品20のみを屈曲させたり、左右の装飾品20の両方を屈曲させたりする(図5参照)。
【0068】
制御部50は、心拍センサ61および呼吸センサ62の少なくとも1つから取得した生体情報に基づいて、ユーザの生体状態を示すキャラクタ画像をモニタ40に表示する機能を有する。詳しくは、制御部50は、生体情報から推定した疲労度に応じて、モニタ40に表示したキャラクタ画像の顔の表情を変更する(図5参照)。
【0069】
また、制御部50は、車両Cに設けられたカメラ30からの情報に基づいて、車両Cが衝突しそうか否かを予測する機能を有する。制御部50は、車両Cの衝突を予測した場合、生体情報に基づいた装飾品20の形状の変更を禁止し、かつ、車両Cの衝突の前に装飾品20を動かすことで車両Cの衝突を予報する。
【0070】
詳しくは、制御部50は、車両Cの衝突を予測した場合、生体情報に基づいた装飾品20の動きとは異なる動きで、装飾品20を動かす。本実施形態では、制御部50は、車両Cの衝突を予測した場合、装飾品20を屈曲させたり伸ばしたりする屈伸動作を、左右の装飾品20で交互に複数回行う。
【0071】
次に、制御部50の動作について詳細に説明する。なお、以下の説明では、装飾品20を、単に「猫耳」とも称する。また、以下の説明では、疲労度の推定を、心拍センサ61で検出した心拍情報と、呼吸センサ62で検出した呼吸情報の両方を用いて行うこととする。
【0072】
制御部50は、図4に示す処理を繰り返し実行する。
図4に示す処理において、制御部50は、まず、心拍センサ61から心拍情報を取得するとともに、呼吸センサ62から呼吸情報を取得する(S1)。
【0073】
ステップS1の後、制御部50は、心拍情報と呼吸情報に基づいて疲労度を推定する(S2)。ステップS2の後、制御部50は、疲労度が第1閾値TH1以上であるか否かを判定する(S3)。
【0074】
ステップS3において疲労度が第1閾値TH1以上でないと判定した場合には(No)、制御部50は、モニタ40の画面上のキャラクタの顔の表情を、図5(a)に示すような通常状態にする(S13)。
【0075】
ステップS3において疲労度が第1閾値TH1以上であると判定した場合には(Yes)、制御部50は、疲労度が、第1閾値TH1より大きい第2閾値TH2以上であるか否かを判定する(S4)。ステップS4において疲労度が第2閾値TH2以上でないと判定した場合には(No)、制御部50は、片側のウインチ23のみを作動して、片側の猫耳のみを屈曲させる(S11)。
【0076】
ステップS11の後、制御部50は、モニタ40の画面上のキャラクタの顔の表情を、図5(b)に示すような第1疲労状態にする(S12)。なお、第1疲労状態の表情は、通常状態よりも若干疲れた表情であれば、どのような表情であってもよい。
【0077】
ステップS4において疲労度が第2閾値TH2以上であると判定した場合には(Yes)、制御部50は、左右のウインチ23を作動して、左右の猫耳を屈曲させる(S5)。なお、ステップS5において、既に片側の猫耳が屈曲している場合には、制御部50は、屈曲していない猫耳に対応したウインチ23のみを作動することで、左右の猫耳を屈曲させる。
【0078】
ステップS5の後、制御部50は、モニタ40の画面上のキャラクタの顔の表情を、図5(c)に示すような第2疲労状態にする(S6)。なお、第2疲労状態の表情は、第1疲労状態よりも疲れた表情であれば、どのような表情であってもよい。
【0079】
ステップS6、ステップS12またはステップS13の後、制御部50は、カメラ30から情報を取得する(S7)。ステップS7の後、制御部50は、カメラ30から取得した情報に基づいて、車両Cが衝突する可能性があるか否かを判定する(S8)。
【0080】
ステップS8において衝突の可能性がないと判定した場合には(No)、制御部50は、そのまま本処理を終了する。ステップS8において衝突の可能性ありと判定した場合には(Yes)、制御部50は、左右のウインチ23を交互に複数回作動させることで、左右の猫耳を交互に複数回屈伸させる(S9)。
【0081】
ステップS9の後、制御部50は、モニタ40の画面上に衝突予報を表示して(S10)、本処理を終了する。なお、衝突予報としては、例えば、「衝突のおそれがあるので、ご注意ください。」というような文字の画像であってもよいし、車同士が衝突する絵の画像であってもよい。
【0082】
なお、屈曲した猫耳を、元の起立した状態に戻す条件は、どのような条件であってもよい。例えば、ユーザがシート10から離れたことを条件として、制御部50が、屈曲した猫耳を起立した状態に戻すようにウインチ23を作動させてもよい。ユーザがシート10から離れたか否かの判定は、例えば、心拍センサ61および呼吸センサ62の少なくとも1つからの情報に基づいて行ってもよいし、ユーザの着座を検知する着座センサからの信号に基づいて行ってもよい。
【0083】
次に、制御部50の動作の具体例について説明する。
元気な状態のユーザがシート10に着座した場合、制御部50は、心拍センサ61および呼吸センサ62からの情報に基づいて疲労度が第1閾値TH1未満であると判定して、図5(a)に示すように、左右の猫耳を立てた状態に維持するとともに、画面上のキャラクタの表情を通常状態にする(S1~S3:No→S13)。
【0084】
車両Cの運転によりユーザの疲労度が第1閾値TH1以上、第2閾値TH2未満になると、制御部50は、図5(b)に示すように、片側の猫耳を屈曲させるとともに、画面上のキャラクタの表情を第1疲労状態にする(S1~S3:Yes→S4:No→S11,S12)。このように片側の猫耳が屈曲することで、例えば、後部座席に座っていてモニタ40の画面が見にくい人であっても、ユーザの異変に気付くことができ、ユーザに休憩を促すことができる。また、ユーザや助手席に座った人は、モニタ40に表示されたキャラクタの表情を見ることで、ユーザの疲れ度合いを知ることができる。
【0085】
休憩を促されたユーザは、自身の感覚ではまだ元気であると考えて、さらに運転を継続する場合がある。この場合、長時間の運転によりユーザの疲労度が第2閾値TH2以上になると、制御部50は、図5(c)に示すように、左右の猫耳を両方とも屈曲させるとともに、画面上のキャラクタの表情を第2疲労状態にする(S1~S3:Yes→S4:Yes→S5,S6)。これにより、後部座席に座った人は、左右の猫耳が両方とも屈曲したことによって、ユーザの疲労度がピークに達していると理解することができ、ユーザに休憩を強く勧めることができる。また、ユーザは、モニタ40に表示されたキャラクタの表情がかなり疲れた表情であることを知ることで、同乗者の安全を考慮して、休憩に入らざるを得なくなるので、ユーザの過信による事故を抑制することができる。
【0086】
また、制御部50は、車両Cの衝突を予測した場合、猫耳を交互に屈伸させる。後部座席に座った人は、猫耳の異常な動作によって、不穏な空気を察知するので、姿勢を自然に正すことができ、衝突に備えることができる。
【0087】
以上、本実施形態によれば以下のような効果を得ることができる。
ユーザの生体情報に応じて装飾品20の形状が変更されるので、仮にユーザの周囲の環境が明るい場合であっても、ユーザの生体状態を周囲の者により分かりやすく報知することができる。
【0088】
装飾品20がヘッドレスト13から上に突出することで、装飾品20を目立たせることができるので、ユーザの生体状態を周囲の者により分かりやすく報知することができる。
【0089】
真っ直ぐの状態のものが屈曲する場合には、例えば元気な状態の植物が枯れるなど、元気な状態であったものが疲弊した状態になったことを連想しやすいので、ユーザが疲れた場合に装飾品20を屈曲させることで、ユーザが疲れたことを周囲の者が認識しやすい。特に本実施形態では、装飾品20を猫耳にしたので、真っ直ぐの状態の猫耳が折れることで、猫が疲弊した状態になったことを連想しやすいので、ユーザが疲れたことを周囲の者が認識しやすい。
【0090】
装飾品20の変形と画面上のキャラクタの表情とでユーザの生体状態が表現されるので、ユーザの生体状態を周囲の者により分かりやすく報知することができる。
【0091】
車両Cが衝突しそうになった場合には、装飾品20の動きで周囲の者に車両Cの衝突を予報することができる。
【0092】
第1リンク21、第2リンク22、ウインチ23およびワイヤ24といった簡易な構造で装飾品を屈伸させる構造にすることで、装飾品をコンパクトに構成でき、かつ、軽量化することができる。
【0093】
[第2実施形態]
次に、本発明に係る車両内装システムの第2実施形態について説明する。なお、本実施形態は、第1実施形態に係る装飾品20の構造と制御部50の処理を少し変更したものであるため、第1実施形態と略同様の構成要素や処理については、同一符号を付し、その説明を省略することとする。
【0094】
第2実施形態に係る装飾品20は、図示は省略するが、照明を有する。照明は、例えば、表皮26の内側に配置された照明装置であってもよいし、表皮26を電子ペーパで構成して表皮26自体を照明としてもよい。照明は、光の色を変更可能となっている。
【0095】
制御部50は、心拍センサ61および呼吸センサ62の少なくとも1つから取得した生体情報に基づいて、照明を点灯させる機能を有する。本実施形態では、制御部50は、第1実施形態と同様に心拍情報および呼吸情報に基づいて疲労度を推定し、疲労度に応じて照明の光の色を変更する。
【0096】
詳しくは、第2実施形態に係る制御部50は、図6に示す処理を実行する。図6に示す処理は、図4に示す処理に、新たなステップS31,S32を加えたものである。
【0097】
制御部50は、ステップS4にて疲労度が第2閾値TH2以上であると判定すると(Yes)、左右の猫耳を屈曲させるとともにキャラクタの表情を第2疲労状態にし(S5,S6)、その後、照明から赤色の光を出射させることで、猫耳を赤色に光らせる(S31)。ステップS31の後、制御部50は、ステップS7の処理を実行する。
【0098】
制御部50は、ステップS4にて疲労度が第2閾値TH2以上でないと判定すると(No)、片側の猫耳を屈曲させるとともにキャラクタの表情を第1疲労状態にし(S11,S12)、その後、照明から青色の光を出射させることで、猫耳を青色に光らせる(S32)。ステップS32の後、制御部50は、ステップS7の処理を実行する。
【0099】
第2実施形態によれば、照明と装飾品20の形状変化とで、ユーザの疲労度が表現されるので、ユーザの疲労度を周囲の者により分かりやすく報知することができる。
【0100】
[第3実施形態]
次に、本発明に係る車両内装システムの第3実施形態について説明する。なお、本実施形態は、第1実施形態に係る制御部50の処理を少し変更したものであるため、第1実施形態と略同様の構成要素や処理については、同一符号を付し、その説明を省略することとする。
【0101】
第3実施形態に係る制御部50は、心拍センサ61および呼吸センサ62の少なくとも1つから取得した生体情報に基づいて、所定時間当たりの装飾品20の動作回数を変更する機能を有する。本実施形態では、制御部50は、第1実施形態と同様に心拍情報および呼吸情報に基づいて疲労度を推定し、疲労度に応じて所定時間当たりの装飾品20の動作回数を変更する。
【0102】
詳しくは、第3実施形態に係る制御部50は、図7に示す処理を実行する。図7に示す処理は、図4に示す処理におけるステップS5,S11の代わりに新たなステップS51,S52を加えたものである。
【0103】
制御部50は、ステップS4にて疲労度が第2閾値TH2以上であると判定すると(Yes)、ウインチ23を作動して所定時間内に猫耳を3回屈伸させ(S51)、ステップS6の処理に移行する。制御部50は、ステップS4にて疲労度が第2閾値TH2以上でないと判定した場合には(No)、ウインチ23を作動して所定時間内に猫耳を1回屈曲させ(S52)、ステップS12の処理に移行する。
【0104】
なお、ステップS51,S52で動かす猫耳は、左右のうちいずれか一方のみであってもよいし、左右の両方であってもよい。
第3実施形態によれば、装飾品20の動作回数を変更することで、ユーザの疲労度を複数段階で表現することができる。
【0105】
[第3実施形態]
次に、本発明に係る車両内装システムの第3実施形態について説明する。なお、本実施形態は、第1実施形態に係る装飾品20の構造と制御部50の処理を少し変更したものであるため、第1実施形態と略同様の構成要素や処理については、同一符号を付し、その説明を省略することとする。
【0106】
図8に示すように、第3実施形態に係る装飾品320は、可動部320Aと、台座部320Bとを有する。可動部320Aは、上下方向に沿った軸を中心として、台座部320Bに回転可能に支持されている。
【0107】
可動部320Aは、第1実施形態と同様の第1リンク21、第2リンク22、ウインチ23、ワイヤ24、パッド25および表皮26を有する他、タッチセンサ321をさらに有する。タッチセンサ321は、ユーザが直接または間接的に触れることにより信号を出力するセンサである。タッチセンサ321としては、例えば、圧力センサや静電容量方式のセンサなどを採用できる。
【0108】
台座部320Bは、モータ322と、パッド323と、表皮324とを有する。
モータ322は、可動部320Aを回転させるためのモータである。モータ322の出力軸は、ウインチ23に固定される。
【0109】
パッド323は、ウレタンフォームなどからなり、モータ322を覆っている。
表皮324は、合成皮革や布地などからなり、パッド323を覆っている。
台座部320Bは、ヘッドレスト13の凹部13Aに嵌まっている。
【0110】
制御部50は、タッチセンサ321からの信号に基づいて、装飾品320を動かす機能を有する。本実施形態では、制御部50は、タッチセンサ321からの信号に基づいて、モータ322を作動することで可動部320Aを回転させる。
【0111】
詳しくは、制御部50は、図9に示す処理を実行する。図9に示す処理は、図4に示す処理に、新たなステップS71,S72を加えたものである。
【0112】
図9に示す処理において、制御部50は、まず、タッチセンサ321からの信号に基づいて、ユーザが猫耳に触れたか否かを判定する(S71)。ステップS71においてユーザが猫耳に触れていないと判定した場合には(No)、制御部50は、ステップS1の処理に移行する。
【0113】
ステップS71においてユーザが猫耳に触れたと判定した場合には(Yes)、制御部50は、モータ322を作動して、猫耳の可動部320Aを回転させる(S72)。ステップS72の後、制御部50は、ステップS7の処理に移行する。
【0114】
第3実施形態によれば、ユーザが装飾品320に触れると装飾品320の可動部320Aが動くので、娯楽性を高めることができる。
【0115】
[第4実施形態]
次に、本発明に係る車両内装システムの第4実施形態について説明する。なお、本実施形態は、第3実施形態に係る装飾品320の構造を少し変更したものであるため、第1実施形態と略同様の構成要素については、同一符号を付し、その説明を省略することとする。
【0116】
図10に示すように、第4実施形態に係る装飾品420は、第3実施形態と同様の可動部320Aを有する他、第3実施形態とは異なる台座部420Bを有する。
台座部420Bは、第3実施形態の台座部320Bのモータ322の代わりに電動シリンダ422を設けたものである。電動シリンダ422は、可動部320Aを上下動させる。
【0117】
第4実施形態に係る制御部50は、タッチセンサ321からの信号に基づいて、電動シリンダ422を作動することで可動部320Aを上下動させる。具体的には、図9に示す処理におけるステップS72の処理を、猫耳の可動部320Aを上下動させる処理に置き換えればよい。
【0118】
なお、第3実施形態と第4実施形態の構造を組み合わせて、装飾品の可動部が、回転、かつ、上下動する構造としてもよい。
【0119】
装飾品が設けられる内装部材は、運転席のヘッドレストに限らない。例えば、図11に示すように、内装部材は、一列目のシート101、二列目のシート102または三列目シート103の少なくとも1つを構成する部材(シートクッション、シートバック、ヘッドレスト)であってもよい。なお、図示は省略するが、シートが、アームレストやオットマンを有する場合、内装部材は、アームレストまたはオットマンであってもよい。
【0120】
また、内装部材の他の例としては、運転席と助手席の間に位置するセンターコンソールボックス71、ダッシュボード72、ドアや車両側壁などのインナーパネル73、ルーフ74、サンルーフを開閉する蓋75などが挙げられる。装飾品20は、例えば、シートバック背面の上部、シートクッションの座面から上に膨出する左右の膨出部、ヘッドレストの側部、ダッシュボード72の上面やメータフードの上方、センターコンソールボックス71などに設けられていてもよい。
【0121】
装飾品は、猫耳に限らない。例えば、装飾品の他の例としては、犬や猫などの動物の身体の一部(手足、ひげ、しっぽ)を模した模型、人・動物の身体全体を模したぬいぐるみ、物や生物などを擬人化したキャラクタを模した模型、花や木などの植物を模した模型、城などの建物の模型などが挙げられる。
【0122】
装飾品の形状の変更は、真っ直ぐな状態と屈曲した状態とに変更することに限らず、装飾品の外形が変化すれば、どのような変更であってもよい。例えば、装飾品が空気により膨張収縮可能なエアセルで構成される場合には、装飾品の形状が、通常状態と、通常状態よりも萎んだ状態とに変更されてもよい。この場合、装飾品の形状を変更する電動デバイスは、装飾品への空気の供給・排出を切り替えるポンプであってもよい。
【0123】
また、装飾品は、積層された複数のエアセルを有していてもよい。この場合、空気を入れるエアセルを選択することで、装飾品の形状を、多段階で変更できる。
【0124】
また、装飾品は、形状記憶合金を有していてもよい。この場合、装飾品または装飾品の周囲に、ヒータを設ける。形状記憶合金は、例えば、形状記憶合金の温度が所定温度以下のときに真っ直ぐに延びた第1形状になり、所定温度より大きいときに屈曲した第2形状になる構成とすることができる。制御部は、ヒータを制御することで、形状記憶合金の形状を変更してもよい。
【0125】
生体情報を取得するセンサとしては、脳波、顔の表情、目線、呼吸、心拍、脈拍、音声などのうち少なくとも1つを検知するセンサを採用できる。顔の表情や目線を検知するセンサとしては、カメラなどを採用できる。カメラは、シートに着座したユーザの顔を撮影可能な位置に配置すればよい。
【0126】
装飾品を変形させる条件は、疲労度に限らず、生体情報または生体情報から推定される情報であればよい。例えば、制御部は、脈拍などに基づいてユーザの体調を推定し、体調が悪いと判定した場合に、装飾品を変形させてもよい。
【0127】
制御部は、心拍、呼吸、顔の表情、脈波などに基づいて、ユーザの感情を推定し、感情に応じて装飾品を変形させてもよい。また、装飾品が照明を有する場合には、制御部は、感情に応じて、装飾品の色を変更してもよい。例えば、制御部は、ユーザの感情が怒りであると判定した場合には、装飾品の色を赤色とし、ユーザの感情が落ち着いていると判定した場合には、装飾品の色を青色としてもよい。この場合、画面に表示する、ユーザの生体状態を示す画像は、ユーザの喜怒哀楽を示すキャラクタの表情の画像や文字の画像などとすることができる。
【0128】
また、制御部は、脈波・心拍等に基づいて体調に異変があると判定したとき、照明を点滅させて異常を通知させてもよいし、装飾品の動作を通常よりも早くしてもよい。また、この際、制御部は、異常検知を知らせる表示・音声・照明出力を行ってもよい。
【0129】
また、制御部は、疲労度が第1閾値以上であって、 かつ、第1閾値より大きい第2の閾値以下である場合に、第1の処理(例えば、照明色の変更)を実行し、疲労度が第2閾値以上である場合に第2処理(装飾品の動作)を実行してもよい。
【0130】
また、制御部は、疲労度が第1閾値未満の場合、つまりユーザが元気な場合に、猫耳を上下に移動させたり、回転させたりしてもよい。
【0131】
表示部による疲労度の表示は、キャラクタの表情に限らず、疲労度を示す数値やゲージなどであってもよいし、キャラクタの色や動作、装飾品を模した画像の色や動作などであってもよい。例えば、制御部は、ユーザのアバターキャラクターの顔に猫耳(装飾品を模した画像)をつけた画像を画面に表示し、猫耳の部分の色を、装飾品の照明の色に対応した色で表示してもよい。つまり、装飾品の照明色の状態を表示部によって表示してもよい。
【0132】
制御部は、キャラクタとして猫を画面に表示してもよい。なお、キャラクタは、猫以外の動物であってもよいし、物や生物などを擬人化したキャラクタであってもよい。
【0133】
キャラクタを猫とした場合、制御部は、ユーザの疲労度が第1閾値未満の場合に、猫が飛び跳ねる動画を画面に表示し、装飾品の可動部を上下動させてもよい。また、制御部は、ユーザの疲労度が第1閾値以上の場合に、猫が寝ている画像を画面に表示し、装飾品の可動部を所定角度だけ回動させてもよい。
【0134】
制御部は、ユーザの感情が喜んでいる感情である場合、画面の猫の表情を笑顔にし、所定時間の間、装飾品である猫耳を上下に動作させてもよい。制御部は、ユーザの感情が哀しんでいる感情である場合、画面の猫の表情を落ち込んでいる表情にし、装飾品である猫耳を屈曲させてもよい。
【0135】
制御部は、心拍等に基づいて、ユーザが驚いたか否かを判定してもよい。この場合、例えば、制御部は、ユーザが驚いていないと判定した場合、装飾品である猫耳を少し折り曲げた形状にする。また、制御部は、ユーザが驚いたと判定した場合、装飾品である猫耳を、ユーザが驚いていない場合に比べて立たせる。
【0136】
また、制御部は、ユーザの疲労度が第1閾値未満の場合に、装飾品の照明色を暖色とし、装飾品の可動部を一定の時間間隔で回転・停止させてもよい。また、制御部は、ユーザの疲労度が第1閾値以上の場合に、装飾品の可動部を、疲労度が第1閾値未満と判定した場合よりも小さい速度で回転させてもよい。
【0137】
制御部は、生体情報として取得した音声情報に基づいて、表示部や装飾品を制御してもよい。例えば、制御部は、音声情報に基づいて、会話が盛り上がっていると判定した場合に、笑った表情のキャラクタを画面に表示し、装飾品の可動部を回転させてもよい。
【0138】
表示部は、画像を投影する投影装置でもよい。表示部は、画像を表示可能なルームミラーであってもよい。
【0139】
タッチセンサからの信号に基づく装飾品の動きは、回転や上下動に限らず、屈曲したり真っ直ぐになったりする屈伸動作であってもよいし、上下方向以外の方向に移動する動作であってもよい。
【0140】
装飾品は、表示部、通信部、スピーカなどを有していてもよい。
装飾品は、シートやドア、ナビ等の操作入力部によって操作可能であってもよい
【0141】
制御部は、装飾品の照明を点滅させることで、生体情報を通知してもよい。例えば、制御部は、ユーザの疲労度が高いほど(または、体調が悪いほど)、照明の点滅の間隔を小さくしてもよい。
【0142】
制御部は、照明の光の強弱によって、生体情報を通知してもよい。例えば、制御部は、ユーザの疲労度が高いほど(または、体調が悪いほど)、照明の光を強くしてもよい。
【0143】
衝突予報は、音声や照明により行ってもよい。例えば、制御部は、衝突を予測した場合、照明の色を赤色にし、衝突を予知しましたというメッセージを音声と画面への表示によって行ってもよい。また、制御部は、衝突を予測した場合に、赤色に発光させた装飾品を回転させてもよい。この場合、装飾品の動作がより目立つため、ユーザが気づきやすくなる。
【0144】
装飾品をヘッドレストから上に突出させる場合には、制御部は、シートバックの角度によって、装飾品の可動部を上下動させる動作を制限してもよい。例えば、制御部は、シートクッションの座面とシートバックの座面のなす角であるリクライニング角度が所定角度以下である場合、つまりシートバックが起立している場合には、装飾品の可動部を上下動させる動作を制限しない。制御部は、リクライニング角度が所定角度より大きい場合、つまりシートバックが寝かされた場合には、装飾品の可動部を上下動させる条件が満たされても、可動部を上下動させない。これにより、装飾品の可動部の上下動によって、可動部が、後部座席に座った人に当たるのを抑制することができる。なお、リクライニング角度が所定角度より大きい場合には、制御部は、画面のキャラクタの表情を、焦る表情にしてもよい。
【0145】
車両は、自動車に限らず、その他の車両、例えば、二輪車、電車などであってもよい。
【0146】
車両内装システムの製造方法としては、例えば以下の方法が挙げられる。
車両内に配置される内装部材と、前記内装部材に設けられる装飾品と、前記装飾品の形状を変更する電動デバイスと、ユーザの生体情報を取得するセンサと、制御部と、を備え、前記制御部は、前記センサから取得した生体情報に基づいて、前記電動デバイスを作動させ、前記装飾品の形状を変更する車両内装システムの製造方法であって、前記内装部材に前記装飾品を取り付ける工程と、ユーザの生体情報を検知可能な位置に前記センサを取り付ける工程と、前記電動デバイスと前記センサを前記制御部に接続させる工程と、を有する車両内装システムの製造方法。
【0147】
前記した実施形態および変形例で説明した各要素を、任意に組み合わせて実施してもよい。
【符号の説明】
【0148】
1 車両内装システム
10 シート
20 装飾品
23 ウインチ
50 制御部
61 心拍センサ
62 呼吸センサ
C 車両
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
【手続補正書】
【提出日】2025-01-28
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両内に配置されるシートであって、シートクッション、シートバックおよびヘッドレストを備えるシートと、
前記シートから突出する装飾品であって、前記シートバックまたは前記ヘッドレストに設けられる装飾品と、
前記装飾品の形状を変更する電動デバイスと、
ユーザの生体情報を取得するセンサと、
制御部と、を備えた車両内装システムであって、
前記制御部は、
前記センサから取得した生体情報に基づいて、前記電動デバイスを作動させ、前記装飾品の形状を変更し、
前記シートバックの角度によって前記装飾品の動作を制限することを特徴とする車両内装システム。
【請求項2】
前記ヘッドレストは、前記装飾品が嵌まる凹部を有し、
前記装飾品は、前記ヘッドレストに着脱可能であることを特徴とする請求項1に記載の車両内装システム。
【請求項3】
前記装飾品は、前記シートに2つ設けられ、
2つの前記装飾品は、左右に間隔を空けて並び、それぞれ、一方向に延びた第1形状と、屈曲した第2形状と、に変形可能であり、
前記制御部は、
前記センサから取得した生体情報から疲労度を推定し、
前記疲労度が第1閾値以上、かつ、第2閾値未満の場合、片側の前記装飾品を前記第1形状から前記第2形状に変形させ
前記疲労度が前記第2閾値以上の場合、左右の前記装飾品を前記第1形状から前記第2形状に変形させることを特徴とする請求項2に記載の車両内装システム。
【請求項4】
前記装飾品は、
前記ヘッドレストに設けられ、前記ヘッドレストから上に突出し、
変形可能な可動部と、
前記可動部を上下動させる電動部材と、を備え、
前記制御部は、前記シートクッションの座面と前記シートバックの座面のなす角であるリクライニング角度が所定角度より大きい場合、前記可動部を上下動させないことを特徴とする請求項に記載の車両内装システム。
【請求項5】
表示部をさらに備え、
前記制御部は、前記センサから取得した生体情報に基づいて、ユーザの生体状態を示す画像を前記表示部によって表示することを特徴とする請求項1に記載の車両内装システム。
【請求項6】
前記制御部は、
キャラクタ画像を前記表示部によって表示可能であり、
前記センサから取得した生体情報に基づいて、前記キャラクタ画像を変更し、かつ、前記シートクッションの座面と前記シートバックの座面のなす角であるリクライニング角度が所定角度より大きい場合にも、前記キャラクタ画像を変更することを特徴とする請求項5に記載の車両内装システム。
【請求項7】
前記装飾品は、ユーザが触れることにより信号を出力するタッチセンサを有し、
前記制御部は、前記タッチセンサからの信号に基づいて、前記装飾品を動かすことを特徴とする請求項1に記載の車両内装システム。
【請求項8】
前記制御部は、前記センサから取得した生体情報に基づいて、所定時間当たりの前記装飾品の動作回数を変更することを特徴とする請求項1に記載の車両内装システム。
【請求項9】
前記装飾品は、照明を有し、
前記制御部は、前記センサから取得した生体情報に基づいて、前記照明を点灯させることを特徴とする請求項1に記載の車両内装システム。
【請求項10】
前記装飾品は、動物の身体の一部を模した形状であることを特徴とする請求項1に記載の車両内装システム。
【請求項11】
前記制御部は、車両に設けられた衝突検知部からの情報に基づいて車両の衝突を予測した場合、生体情報に基づいた前記装飾品の形状の変更を禁止し、かつ、車両の衝突の前に前記装飾品を動かすことで車両の衝突を予報することを特徴とする請求項1に記載の車両内装システム。
【請求項12】
車両内に配置されるシートであって、シートクッション、シートバックおよびヘッドレストを備えるシートと、
前記シートから突出する装飾品であって、前記シートバックまたは前記ヘッドレストに設けられる装飾品と、
前記装飾品の形状を変更する電動デバイスと、
ユーザの生体情報を取得するセンサと、を備えた車両内装システムを制御する制御装置であって、
前記センサから取得した生体情報に基づいて、前記電動デバイスを作動させ、前記装飾品の形状を変更し、
前記シートバックの角度によって前記装飾品の動作を制限することを特徴とする制御装置。
【手続補正書】
【提出日】2025-04-23
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両内に配置されるシートであって、シートクッション、シートバックおよびヘッドレストを備えるシートと、
前記シートから突出する装飾品であって、前記シートバックまたは前記ヘッドレストに設けられる装飾品と、
前記装飾品の形状を変更する電動デバイスと、
ユーザの生体情報を取得するセンサと、
制御部と、を備えた車両内装システムであって、
前記制御部は、
前記センサから取得した生体情報に基づいて、前記電動デバイスを作動させ、前記装飾品の形状を変更し、
前記シートクッションの座面と前記シートバックの座面のなす角であるリクライニング角度が所定角度より大きい場合、前記装飾品の動作を制限することを特徴とする車両内装システム。
【請求項2】
表示部をさらに備え、
前記制御部は、前記センサから取得した生体情報に基づいて、ユーザの生体状態を示す画像を前記表示部によって表示することを特徴とする請求項1に記載の車両内装システム。
【請求項3】
前記制御部は、
キャラクタ画像を前記表示部によって表示可能であり、
前記センサから取得した生体情報に基づいて、前記キャラクタ画像を変更し、かつ、前記シートクッションの座面と前記シートバックの座面のなす角であるリクライニング角度が所定角度より大きい場合にも、前記キャラクタ画像を変更することを特徴とする請求項に記載の車両内装システム。
【請求項4】
前記装飾品は、ユーザが触れることにより信号を出力するタッチセンサを有し、
前記制御部は、前記タッチセンサからの信号に基づいて、前記装飾品を動かすことを特徴とする請求項1に記載の車両内装システム。
【請求項5】
前記制御部は、前記センサから取得した生体情報に基づいて、所定時間当たりの前記装飾品の動作回数を変更することを特徴とする請求項1に記載の車両内装システム。
【請求項6】
前記装飾品は、照明を有し、
前記制御部は、前記センサから取得した生体情報に基づいて、前記照明を点灯させることを特徴とする請求項1に記載の車両内装システム。
【請求項7】
前記装飾品は、動物の身体の一部を模した形状であることを特徴とする請求項1に記載の車両内装システム。
【請求項8】
車両内に配置されるシートであって、シートクッション、シートバックおよびヘッドレストを備えるシートと、
前記シートから突出する装飾品であって、前記シートバックまたは前記ヘッドレストに設けられる装飾品と、
前記装飾品の形状を変更する電動デバイスと、
ユーザの生体情報を取得するセンサと、を備えた車両内装システムを制御する制御装置であって、
前記センサから取得した生体情報に基づいて、前記電動デバイスを作動させ、前記装飾品の形状を変更し、
前記シートクッションの座面と前記シートバックの座面のなす角であるリクライニング角度が所定角度より大きい場合、前記装飾品の動作を制限することを特徴とする制御装置。
【請求項9】
車両内に配置されるシートであって、シートクッション、シートバックおよびヘッドレストを備えるシートと、
前記シートから突出する装飾品であって、前記シートバックまたは前記ヘッドレストに設けられる装飾品と、
前記装飾品の形状を変更する電動デバイスと、
ユーザの生体情報を取得するセンサと、
制御部と、を備えた車両内装システムであって、
前記制御部は、
前記センサから取得した生体情報に基づいて、前記電動デバイスを作動させ、前記装飾品の形状を変更し、
前記シートバックの角度によって前記装飾品の動作を制限し、
前記ヘッドレストは、前記装飾品が嵌まる凹部を有し、
前記装飾品は、前記ヘッドレストに着脱可能であり、前記シートに2つ設けられ、
2つの前記装飾品は、左右に間隔を空けて並び、それぞれ、一方向に延びた第1形状と、屈曲した第2形状と、に変形可能であり、
前記制御部は、
前記センサから取得した生体情報から疲労度を推定し、
前記疲労度が第1閾値以上、かつ、第2閾値未満の場合、片側の前記装飾品を前記第1形状から前記第2形状に変形させ、
前記疲労度が前記第2閾値以上の場合、左右の前記装飾品を前記第1形状から前記第2形状に変形させることを特徴とする車両内装システム。
【請求項10】
車両内に配置されるシートであって、シートクッション、シートバックおよびヘッドレストを備えるシートと、
前記シートから突出する装飾品であって、前記シートバックまたは前記ヘッドレストに設けられる装飾品と、
前記装飾品の形状を変更する電動デバイスと、
ユーザの生体情報を取得するセンサと、
制御部と、を備えた車両内装システムであって、
前記制御部は、
前記センサから取得した生体情報に基づいて、前記電動デバイスを作動させ、前記装飾品の形状を変更し、
前記シートバックの角度によって前記装飾品の動作を制限し、
前記装飾品は、
前記ヘッドレストに設けられ、前記ヘッドレストから上に突出し、
変形可能な可動部と、
前記可動部を上下動させる電動部材と、を備え、
前記制御部は、前記シートクッションの座面と前記シートバックの座面のなす角であるリクライニング角度が所定角度より大きい場合、前記可動部を上下動させないことを特徴とする車両内装システム。
【請求項11】
車両内に配置されるシートであって、シートクッション、シートバックおよびヘッドレストを備えるシートと、
前記シートから突出する装飾品であって、前記シートバックまたは前記ヘッドレストに設けられる装飾品と、
前記装飾品の形状を変更する電動デバイスと、
ユーザの生体情報を取得するセンサと、
制御部と、を備えた車両内装システムであって、
前記制御部は、
前記センサから取得した生体情報に基づいて、前記電動デバイスを作動させ、前記装飾品の形状を変更し、
前記シートバックの角度によって前記装飾品の動作を制限し、
両に設けられた衝突検知部からの情報に基づいて車両の衝突を予測した場合、生体情報に基づいた前記装飾品の形状の変更を禁止し、かつ、車両の衝突の前に前記装飾品を動かすことで車両の衝突を予報することを特徴とする車両内装システム。