(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025101802
(43)【公開日】2025-07-08
(54)【発明の名称】画像形成装置、画像形成方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
B41J 29/393 20060101AFI20250701BHJP
G03G 21/00 20060101ALI20250701BHJP
B41J 29/38 20060101ALI20250701BHJP
H04N 1/00 20060101ALI20250701BHJP
【FI】
B41J29/393 103
G03G21/00 510
B41J29/38 350
H04N1/00 E
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023218826
(22)【出願日】2023-12-26
(71)【出願人】
【識別番号】000001270
【氏名又は名称】コニカミノルタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001254
【氏名又は名称】弁理士法人光陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】渡辺 渉
(72)【発明者】
【氏名】北田 朋
(72)【発明者】
【氏名】勝又 啓揮
(72)【発明者】
【氏名】岡村 憩
(72)【発明者】
【氏名】三上 智弘
(72)【発明者】
【氏名】加藤 みゆき
【テーマコード(参考)】
2C061
2H270
5C062
【Fターム(参考)】
2C061AP01
2C061AP03
2C061AP07
2C061AQ06
2C061AR01
2C061AR03
2C061AS02
2C061AS06
2C061AS13
2C061BB08
2C061BB10
2C061BB11
2C061CK08
2C061CQ04
2C061CQ24
2C061HH03
2C061HJ10
2C061HK07
2C061HK11
2C061KK04
2C061KK12
2C061KK15
2C061KK22
2C061KK24
2H270LA20
2H270LA22
2H270LC02
2H270LC04
2H270LD03
2H270MB16
2H270MB17
2H270MB18
2H270MB19
2H270MD05
5C062AA05
5C062AB17
5C062AB22
5C062AB38
5C062AB40
5C062AB42
5C062AC02
5C062AC04
5C062AC22
5C062AC24
5C062AC34
5C062AC65
(57)【要約】
【課題】凹凸を有する記録媒体であってもより高精度なパターン測定が可能な画像形成装置、画像形成方法及びプログラムを提供する。
【解決手段】画像形成装置1は、表面に凹凸を有する用紙Sに画像を形成する画像形成部40と、画像形成部40によって用紙Sに形成されたパターン画像を読み取る読取部として機能するイメージスキャナー55と、用紙Sへのパターン画像の形成前に、用紙Sの画像形成面における凹凸の量及び位置を含む凹凸情報を取得する取得部と、凹凸情報に基づいて、予め定められた条件に当てはまるパターン画像形成箇所を設定して、パターン画像の形成動作を調整する調整部と、を備える。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面に凹凸を有する記録媒体に画像を形成する画像形成部と、
前記画像形成部によって前記記録媒体に形成されたパターン画像を読み取る読取部と、
前記記録媒体へのパターン画像の形成前に、前記記録媒体の画像形成面における凹凸の量に関する凹凸情報を取得する取得部と、
前記凹凸情報に基づいて、予め定められた条件に当てはまるパターン画像形成箇所を設定して、前記画像形成部による前記パターン画像の形成動作を調整する調整部と、を備える画像形成装置。
【請求項2】
前記読取部による前記パターン画像の読み取り結果に応じて画像形成条件を制御する制御部を備える請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記凹凸を測定する測定部を備え、
前記取得部は、前記測定部から前記凹凸情報を取得する請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項4】
他の装置と通信可能な通信部及び/又は前記凹凸情報が記憶された記憶部を備え、
前記取得部は、前記通信部又は前記記憶部から前記凹凸情報を取得する請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記調整部は、前記記録媒体の所定の箇所が前記予め定められた条件に当てはまるか否かを判定する請求項1から4のいずれか一項に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記調整部は、前記パターン画像の大きさに応じて前記画像形成部による前記パターン画像の形成動作を調整する請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記調整部は、前記凹凸情報に応じて前記画像形成部が形成する前記パターン画像の大きさを変更するよう調整する請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記測定部は、前記画像形成部が前記パターン画像を形成する動作に前記調整部が前記凹凸情報を反映可能な位置に設けられる請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記記録媒体は、表面にエンボス加工が施された連続紙であり、
前記凹凸情報は、前記記録媒体の搬送方向におけるエンボス加工周期を含む請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記取得部は、前記エンボス加工周期を取得した時点で、前記凹凸情報の取得を終了する請求項9に記載の画像形成装置。
【請求項11】
表面に凹凸を有する記録媒体に画像を形成する画像形成部と、
前記画像形成部によって前記記録媒体に形成されたパターン画像を読み取る読取部と、を備える画像形成装置による画像形成方法であって、
前記記録媒体へのパターン画像の形成前に、前記記録媒体の画像形成面における凹凸の量及び位置を含む凹凸情報を取得する取得ステップと、
前記凹凸情報に基づいて、予め定められた条件に当てはまるパターン画像形成箇所を設定して、前記画像形成部による前記パターン画像の形成動作を調整する調整ステップと、を備える画像形成方法。
【請求項12】
表面に凹凸を有する記録媒体に画像を形成する画像形成部と、
前記画像形成部によって前記記録媒体に形成されたパターン画像を読み取る読取部と、を備える画像形成装置のコンピューターを、
前記記録媒体へのパターン画像の形成前に、前記記録媒体の画像形成面における凹凸の量及び位置を含む凹凸情報を取得する取得部、
前記凹凸情報に基づいて、予め定められた条件に当てはまるパターン画像形成箇所を設定して、前記画像形成部による前記パターン画像の形成動作を調整する調整部、として機能させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置、画像形成方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電子写真プロセス技術を利用した画像形成装置が知られている。当該画像形成装置においては、帯電した感光体に対して、画像データに基づくレーザー光を照射することで静電潜像を形成する。そして、静電潜像が形成された感光体ドラムに現像装置からトナーを供給することで、静電潜像を可視化してトナー像を形成する。そして、形成したトナー像を用紙に転写した後に、当該トナー像を加熱及び加圧させることで記録媒体に定着させ、画像を形成する。
【0003】
このような画像形成装置においては、記録媒体に画質安定用のパターン画像を形成し、当該パターン画像をセンサーで読み取ることで装置の状態を取得して、画像形成条件を調整する。しかしながら、例えば記録媒体がエンボス紙である場合など、記録媒体が凹凸を有して高さが不均一であると、当該凹凸の影響で、装置の状態を正確に取得できないことがあった。
【0004】
具体例を
図9A及び
図9Cに示す。
図9Aは、平滑紙にパターン画像を形成した際のセンサーによる読み取り結果を示すグラフである。また、
図9Cは、
図9Bに示すエンボス紙の位置に、
図9Aと同様のパターン画像を形成した際のセンサーによる読み取り結果を示すグラフである。なお、
図9A及び
図9Cにおいて、横軸は搬送時間、縦軸はパターン画像を読み取ったセンサーの出力値(すなわち画像濃度)を示す。また、
図9Bにおいて、横軸は記録媒体の搬送方向の長さ、縦軸は記録媒体の高さ(すなわちエンボス量)を示す。
図9Aと
図9Cの比較から、エンボス等の高さの異なる箇所に亘ってパターン画像を形成すると、センサーの読み取り結果にバラつきが生じることが分かる。
【0005】
そこで、例えば特許文献1には、エンボスを有する記録媒体の厚みと当該エンボスの深さに基づいて、画像の乱れが生じる領域及びその発生レベルを特定し、当該乱れを補正する画像形成装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1の発明は、あくまで測定結果に規定の補正テーブルの値を掛けることで推定値を算出する発明であり、高精度な測定結果を担保するものではない。
【0008】
本発明はかかる事情に鑑みてなされたものである。その目的は、凹凸を有する記録媒体であってもより高精度なパターン測定が可能な画像形成装置、画像形成方法及びプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
以上の課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、画像形成装置であって、
表面に凹凸を有する記録媒体に画像を形成する画像形成部と、
前記画像形成部によって前記記録媒体に形成されたパターン画像を読み取る読取部と、
前記記録媒体へのパターン画像の形成前に、前記記録媒体の画像形成面における凹凸の量に関する凹凸情報を取得する取得部と、
前記凹凸情報に基づいて、予め定められた条件に当てはまるパターン画像形成箇所を設定して、前記画像形成部による前記パターン画像の形成動作を調整する調整部と、を備える。
【0010】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の画像形成装置であって、
前記読取部による前記パターン画像の読み取り結果に応じて画像形成条件を制御する制御部を備える。
【0011】
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の画像形成装置であって、
前記凹凸を測定する測定部を備え、
前記取得部は、前記測定部から前記凹凸情報を取得する。
【0012】
請求項4に記載の発明は、請求項1に記載の画像形成装置であって、
他の装置と通信可能な通信部及び/又は前記凹凸情報が記憶された記憶部を備え、
前記取得部は、前記通信部又は前記記憶部から前記凹凸情報を取得する。
【0013】
請求項5に記載の発明は、請求項1から4のいずれか一項に記載の画像形成装置であって、
前記調整部は、前記記録媒体の所定の箇所が前記予め定められた条件に当てはまるか否かを判定する。
【0014】
請求項6に記載の発明は、請求項1に記載の画像形成装置であって、
前記調整部は、前記パターン画像の大きさに応じて前記画像形成部による前記パターン画像の形成動作を調整する。
【0015】
請求項7に記載の発明は、請求項1に記載の画像形成装置であって、
前記調整部は、前記凹凸情報に応じて前記画像形成部が形成する前記パターン画像の大きさを変更するよう調整する。
【0016】
請求項8に記載の発明は、請求項3に記載の画像形成装置であって、
前記測定部は、前記画像形成部が前記パターン画像を形成する動作に前記調整部が前記凹凸情報を反映可能な位置に設けられる。
【0017】
請求項9に記載の発明は、請求項1に記載の画像形成装置であって、
前記記録媒体は、表面にエンボス加工が施された連続紙であり、
前記凹凸情報は、前記記録媒体の搬送方向におけるエンボス加工周期を含む。
【0018】
請求項10に記載の発明は、請求項9に記載の画像形成装置であって、
前記取得部は、前記エンボス加工周期を取得した時点で、前記凹凸情報の取得を終了する。
【0019】
請求項11に記載の発明は、
表面に凹凸を有する記録媒体に画像を形成する画像形成部と、
前記画像形成部によって前記記録媒体に形成されたパターン画像を読み取る読取部と、を備える画像形成装置による画像形成方法であって、
前記記録媒体へのパターン画像の形成前に、前記記録媒体の画像形成面における凹凸の量及び位置を含む凹凸情報を取得する取得ステップと、
前記凹凸情報に基づいて、予め定められた条件に当てはまるパターン画像形成箇所を設定して、前記画像形成部による前記パターン画像の形成動作を調整する調整ステップと、を備える。
【0020】
請求項12に記載の発明は、プログラムであって、
表面に凹凸を有する記録媒体に画像を形成する画像形成部と、
前記画像形成部によって前記記録媒体に形成されたパターン画像を読み取る読取部と、を備える画像形成装置のコンピューターを、
前記記録媒体へのパターン画像の形成前に、前記記録媒体の画像形成面における凹凸の量及び位置を含む凹凸情報を取得する取得部、
前記凹凸情報に基づいて、予め定められた条件に当てはまるパターン画像形成箇所を設定して、前記画像形成部による前記パターン画像の形成動作を調整する調整部、として機能させる。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、凹凸を有する記録媒体であってもより高精度なパターン測定が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図3A】プロファイルセンサーの構成例を示す図である。
【
図5A】プロファイルセンサーの出力値に係るグラフである。
【
図6】
図5Bの二点鎖線部に形成されたパターン画像を読み取ったイメージスキャナーの出力値に係るグラフである。
【
図7】ロール状の凹凸を有する用紙におけるプロファイルセンサーの出力値に係るグラフである。
【
図8】パターン画像が収まらない用紙におけるプロファイルセンサーの出力値に係るグラフである。
【
図9A】平滑紙にパターン画像を形成した場合のプロファイルセンサーの出力値に係るグラフである。
【
図9B】エンボス紙の断面高さを示すグラフである。
【
図9C】エンボス紙のエンボス部分にパターン画像を形成した場合のプロファイルセンサーの出力値に係るグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の実施の形態に係る画像形成装置について、図面を用いて詳細に説明する。ただし、発明の範囲は図示例に限定されない。なお、以下の説明において、同一の機能及び構成を有するものについては、同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0024】
[画像形成装置の全体構成]
図1は、画像形成装置1の全体構成を示す概略図である。
図2は、画像形成装置1の主要な機能的構成を示すブロック図である。画像形成装置1は、画像読取部10、操作表示部20、画像処理部30、画像形成部40、用紙搬送部50、定着部60、記憶部70、通信部80及び制御部100を備える。
【0025】
なお、以下においてはX方向、Y方向及びZ方向は、
図1に示す方向を言うものとする。また、以下においてはX方向、Y方向及びZ方向をそれぞれ幅方向、搬送方向及び高さ方向と称して説明する。
【0026】
画像形成装置1は、電子写真プロセス技術を利用したカラー画像形成装置である。すなわち、画像形成装置1は、感光体ドラム413上に形成されたY(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)、K(ブラック)の各色トナー画像を中間転写ベルト421に一次転写する。そして、画像形成装置1は、中間転写ベルト421上で4色のトナー画像を重ね合わせた後、用紙Sに二次転写することにより、画像を形成する。
【0027】
また、画像形成装置1には、タンデム方式が採用されている。詳細には、画像形成装置1には、YMCKの4色に対応する感光体ドラム413が中間転写ベルト421の走行方向に直列配置されている。そして、画像形成装置1は、中間転写ベルト421に各色トナー画像を順次転写させる。
【0028】
(制御部)
制御部100は、CPU(Central Processing Unit)101、ROM(Read Only Memory)102及びRAM(Random Access Memory)103等を備える。CPU101は、ROM102から処理内容に応じたプログラムを読み出してRAM103に展開する。そして、CPU101は、展開したプログラムと協働して画像形成装置1の各部の動作を集中制御する。
【0029】
(画像読取部)
画像読取部10は、自動原稿給紙装置11及び原稿画像走査装置12等を備えて構成される。
【0030】
{自動原稿給紙装置}
自動原稿給紙装置11は、ADF(Auto Document Feeder)と称される。自動原稿給紙装置11は、原稿トレイに載置された原稿Dを搬送機構により搬送して原稿画像走査装置12へ送り出す。自動原稿給紙装置11は、原稿トレイに載置された多数枚の原稿Dの両面の画像を連続して一挙に読み取ることができる。
【0031】
{原稿画像走査装置}
原稿画像走査装置12は、例えばスキャナーである。原稿画像走査装置12は、自動原稿給紙装置11からコンタクトガラス上に搬送された原稿又はコンタクトガラス上に載置された原稿を光学的に走査する。そして、原稿画像走査装置12は、原稿からの反射光をCCD(Charge Coupled Device)センサー12aの受光面上に結像させ、原稿画像を読み取る。画像読取部10は、原稿画像走査装置12による読取結果に基づいて入力画像データを生成する。この入力画像データには、画像処理部30において所定の画像処理が施される。
【0032】
(操作表示部)
操作表示部20は、例えばタッチパネル付の液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)で構成される。操作表示部20は、表示部21及び操作部22として機能する。
【0033】
{表示部}
表示部21は、制御部100から入力される表示制御信号に従って、各種操作画面、画像の状態表示あるいは各機能の動作状況等を表示する。
【0034】
{操作部}
操作部22は、テンキー、スタートキー等の各種操作キーを備える。操作部22は、ユーザーによる各種入力操作を受け付けて、操作信号を制御部100に出力する。
【0035】
(画像処理部)
画像処理部30は、入力された画像データに対して、初期設定又はユーザー設定に応じたデジタル画像処理を行う回路等を備える。例えば、画像処理部30は、制御部100の制御下で、階調補正データ(階調補正テーブル)に基づいて階調補正を行う。また、画像処理部30は、画像データに対して、色補正、シェーディング補正等の各種補正処理や、圧縮処理等を施す。これらの処理が施された画像データは、画像形成部40に入力される。
【0036】
(画像形成部)
画像形成部40は、画像形成ユニット41Y、41M、41C、41K及び中間転写ユニット42等を備える。
【0037】
{画像形成ユニット}
画像形成ユニット41Y、41M、41C、41Kは、入力された画像データに基づいて、Y成分、M成分、C成分、K成分の各有色トナーによる画像を形成する。画像形成ユニット41Y、41M、41C、41Kは、同様の構成を有する。そのため、図示及び説明の便宜上、共通する構成要素は同一の符号で示し、それぞれを区別する場合には符号にY、M、C、又はKを添えて示す。
図1では、Y成分用の画像形成ユニット41Yの構成要素についてのみ符号が付され、その他の画像形成ユニット41M、41C、41Kの構成要素については符号が省略されている。
【0038】
画像形成ユニット41は、露光装置411、現像装置412、感光体ドラム413、帯電装置414及びドラムクリーニング装置415等を備える。画像形成ユニット41を構成する各装置は、幅方向を軸方向としている。
【0039】
〔露光装置〕
露光装置411は、例えば半導体レーザーで構成される。露光装置411は、帯電された感光体ドラム413を走査露光して潜像を形成する。
【0040】
〔現像装置〕
現像装置412は、二成分現像方式の現像装置である。現像装置412は、感光体ドラム413の表面に各色成分のトナーを付着させることにより静電潜像を可視化してトナー画像を形成する。現像装置412が有する現像ローラー412Aは、回転しながら現像剤を担持し、現像剤に含まれるトナーを感光体ドラム413に供給することで、感光体ドラム413の表面にトナー像を形成する。
【0041】
〔感光体ドラム〕
感光体ドラム413は、例えばドラム径が80mmのアルミニウム製の導電性円筒体(アルミ素管)である。感光体ドラム413は、負帯電型の有機感光体(OPC:Organic Photo-conductor)である。感光体ドラム413は、当該円筒体の周面に、アンダーコート層(UCL:Under Coat Layer)、電荷発生層(CGL:Charge Generation Layer)、電荷輸送層(CTL:Charge Transport Layer)を順次積層している。
【0042】
制御部100は、感光体ドラム413を回転させる不図示の駆動モーターに供給される駆動電流を制御することにより、感光体ドラム413を一定の周速度で回転させる。
【0043】
〔帯電装置〕
帯電装置414は、光導電性を有する感光体ドラム413の表面を一様に負極性に帯電させる。
【0044】
〔ドラムクリーニング装置〕
ドラムクリーニング装置415は、ドラムクリーニングブレード及び滑剤塗布ブラシ415A等を有する。ドラムクリーニング装置415は、一次転写後に感光体ドラム413の表面に残存する転写残トナーを除去する。ドラムクリーニングブレードは、感光体ドラム413の表面に摺接される。滑剤塗布ブラシ415Aは、感光体ドラム413とトナーの離型性を高め、かつ、感光体膜厚の減耗を抑える目的で、感光体ドラム413に潤滑剤を塗布する。
【0045】
(中間転写ユニット)
中間転写ユニット42は、中間転写ベルト421、一次転写ローラー422、複数の支持ローラー423、二次転写ローラー424及びベルトクリーニング装置426等を備える。
【0046】
〔中間転写ベルト〕
中間転写ベルト421は、無端状ベルトで構成され、複数の支持ローラー423にループ状に張架される。複数の支持ローラー423のうちの少なくとも1つは駆動ローラーで構成され、その他は従動ローラーで構成される。特に、K成分用の一次転写ローラー422よりもベルト走行方向下流側に配置されるローラー423Aが駆動ローラーであることが好ましい。これにより、一次転写部におけるベルトの走行速度を一定に保持しやすくなる。駆動ローラー423Aが回転することにより、中間転写ベルト421は矢印A方向に一定速度で走行する。
【0047】
〔一次転写ローラー〕
一次転写ローラー422は、各色成分の感光体ドラム413に対向して、中間転写ベルト421の内周面側に配置される。中間転写ベルト421を挟んで、一次転写ローラー422が感光体ドラム413に圧接されることで、感光体ドラム413から中間転写ベルト421へトナー画像を転写するための一次転写ニップが形成される。
【0048】
〔二次転写ローラー〕
二次転写ローラー424は、駆動ローラー423Aのベルト走行方向下流側に配置されるバックアップローラー423Bに対向して、中間転写ベルト421の外周面側に配置される。中間転写ベルト421を挟んで、二次転写ローラー424がバックアップローラー423Bに圧接されることで、中間転写ベルト421から用紙Sへトナー画像を転写するための二次転写ニップが形成される。
【0049】
一次転写ニップを中間転写ベルト421が通過する際、感光体ドラム413上のトナー画像が中間転写ベルト421に順次重ねて一次転写される。具体的には、一次転写ローラー422に一次転写バイアスを印加し、中間転写ベルト421の裏面側にトナーと逆極性の電荷を付与する。当該動作により、トナー画像は中間転写ベルト421に静電的に転写される。
【0050】
その後、用紙Sが二次転写ニップを通過する際、中間転写ベルト421上のトナー画像が用紙Sに二次転写される。具体的には、二次転写ローラー424に二次転写バイアスを印加し、用紙Sの裏面側にトナーと逆極性の電荷を付与することで、トナー画像は用紙Sに静電的に転写される。トナー画像が転写された用紙Sは定着部60に向けて搬送される。
【0051】
〔ベルトクリーニング装置〕
ベルトクリーニング装置426は、中間転写ベルト421の表面に摺接するベルトクリーニングブレード等を有し、二次転写後に中間転写ベルト421の表面に残留する転写残トナーを除去する。なお、二次転写ローラー424に代えて、二次転写ローラーを含む複数の支持ローラーに、二次転写ベルトがループ状に張架された構成、いわゆるベルト式の二次転写ユニットを採用しても良い。
【0052】
(用紙搬送部)
用紙搬送部50は、給紙部51、排紙部52及び搬送経路部53、プロファイルセンサー54等を備える。給紙部51を構成する3つの給紙トレイユニット51a~51cには、坪量やサイズ等に基づいて識別された用紙S(規格用紙や特殊用紙等)があらかじめ設定された種類毎に収容される。搬送経路部53は、レジストローラー対53a等の複数の搬送ローラー対を有する。
【0053】
給紙トレイユニット51a~51cに収容されている用紙Sは、最上部から一枚ずつ送出され、搬送経路部53により画像形成部40に搬送される。このとき、レジストローラー対53aが配設されたレジストローラー部により、給紙された用紙Sの傾きが補正されるとともに搬送タイミングが調整される。そして、画像形成部40において、中間転写ベルト421のトナー画像が用紙Sの一方の面に一括して二次転写され、定着部60において定着工程が施される。画像形成された用紙Sは、排紙ローラー52aを備えた排紙部52により機外に排紙される。
【0054】
なお、本実子形態において用いられる用紙Sは、その表面に凹凸を有して位置によって高さが不均一な枚葉紙である。用紙Sは、具体的には例えばエンボス紙である。
【0055】
{プロファイルセンサー}
プロファイルセンサー54は、搬送経路部53上を搬送される用紙Sの表面の凹凸を測定する測定部として機能する。
【0056】
プロファイルセンサー54の概略図を
図3Aに示す。プロファイルセンサー54は、例えば光学センサーが用いられる。プロファイルセンサー54は、発光部541から発せられた光Laを搬送中の用紙Sに照射し、用紙Sからの反射光Lbを偏光板544、545でP波とS波に分ける。そしてプロファイルセンサー54は、それぞれの光をP波用の受光部542とS波用の受光部543で受光して、その受光量に応じた信号を出力する。
【0057】
例えば用紙Sが、表面が平滑な円滑紙であって凹凸量が小さい場合は、正反射成分が多くなり、乱反射成分が少なくなる。そのため、用紙Sの平滑な部分においては、P波の発生が多くなり、S波の発生は少なくなる。他方で、
図3Bに示すように、用紙Sがエンボス紙等で、表面に凹凸がある場合は、正反射成分が少なくなり、乱反射成分が多くなる。そのため、用紙Sが凹凸を有する部分においては、P波の発生が少なくなり、S波の発生が多くなる。
【0058】
そこで、予め記憶部70に、実験などに基づいてP波とS波の受光量の割合と用紙Sの凹凸量との対応付けを記憶しておく。すると、制御部100は、プロファイルセンサー54から受信したP波とS波の受光量の割合と上記対応付けに基づいて、用紙Sの画像形成面における凹凸量及び位置を含む凹凸情報を取得できる。このように、制御部100は、凹凸情報を取得する取得部として機能する。
【0059】
また、プロファイルセンサー54は、用紙搬送部50のうち、バックアップローラー423B及び二次転写ローラー424よりも上流側に設けられる。
【0060】
より詳細には、
図1に示すように、プロファイルセンサー54による用紙Sへの照射箇所から、画像形成部40の二次転写ニップまでの長さをL1とする。また、露光装置411による感光体ドラム413の露光部から、画像形成部40の二次転写ニップまでの長さをL2とする。この時、プロファイルセンサー54は、少なくともL1>L2となる位置に設けられる。当該位置にプロファイルセンサー54を設けることで、後述する画像不良検出処理において、プロファイルセンサー54の測定結果を画像形成部40によるパターン画像の形成箇所の設定に反映させられる。
【0061】
{イメージスキャナー}
また、用紙搬送部50のうち、定着部60よりも下流側には、イメージスキャナー55が設けられる。イメージスキャナー55は、例えば、カラースキャナー等により構成され、用紙Sの搬送中に画像を読み取る構成となっている。そして、イメージスキャナー55は、画像を読み取ることで得た読取画像データ(読取画像)を制御部100に出力する。
【0062】
特に、後述する画像不良検出処理において、イメージスキャナー55は、用紙Sに形成されたパターン画像を読み取る読取部として機能する。イメージスキャナー55は、パターン画像を読み取って得た読取画像を制御部100に送信する。そして、制御部100は、当該読取画像から読取階調値(出力値)を算出する。そして、制御部100は、算出した読取階調値と予め記憶部70に記憶された階調値とを比較することで、色ずれ等の有無を検出する。
【0063】
(定着部)
定着部60は、トナー画像が二次転写され、搬送されてきた用紙Sを定着ニップで加熱、加圧する。定着部60は、当該処理により、用紙Sにトナー画像を定着させる。
【0064】
(記憶部)
記憶部70は、例えば、いわゆるフラッシュメモリー等の不揮発性の半導体メモリーやハードディスクドライブ等により構成される。記憶部70には、画像形成装置1に係る各種設定情報を始めとする各種データが記憶されている。
【0065】
例えば、記憶部70には、パターン画像情報が記憶されている。パターン画像情報は、後述する画像不良検出処理で画像不良の原因の特定に用いられるパターン画像を形成するための情報である。パターン画像情報には、感光体ドラム413へのパターン画像の画像形成開始からの経過時間が含まれる。また、パターン画像情報には、所定の経過時間にパターン(パターン画像のトナーが載る画像部分)が形成される感光体ドラム413の幅方向の位置及び形成されるパターンの画像濃度の対応関係を示す情報が含まれる。
【0066】
(通信部)
通信部80は、例えばLAN(Local Area Network)カード等の通信制御カードで構成される。通信部80は、LAN、WAN(Wide Area Network)等の通信ネットワークに接続された、例えばパーソナルコンピューター等の外部の装置との間で各種データの送受信を行う。
【0067】
[画像不良検出処理]
画像形成装置1の制御部100は、例えば、ジョブにより所定枚数の画像形成が行われたタイミング等の所定のタイミングで、画像不良検出処理を実行する。
【0068】
図1に示すように、露光装置411、現像装置412及び帯電装置414は、感光体ドラム413の周囲に、感光体ドラム413と平行に配置されている。そして、上述したように、帯電装置414、露光装置411及び現像装置412は、感光体ドラム413に対して帯電、露光及び現像をそれぞれ行う。そのため、露光装置411、現像装置412及び帯電装置414に異常があった場合、感光体ドラム413に形成されるトナー画像の異常箇所に対応する部分に、主に感光体ドラム413の搬送方向に延びるスジ、いわゆる縦スジ等の画像不良が現れる。なお、当該異常とは、例えば、露光装置411や帯電装置414の汚れ、現像装置412の穂詰まり、感光体ドラム413の滑剤塗布ムラ等である。画像不良検出処理は、このような縦スジ等の画像不良を検出する処理である。
【0069】
図4は、画像不良検出処理の流れを示すフローチャートである。画像不良検出処理は、制御部100と、記憶部70に記憶されたプログラムとの協働により実行される。
【0070】
初めに、制御部100は、用紙Sの凹凸情報を取得する(ステップS101)。上記したように、制御部100は、測定部であるプロファイルセンサー54による用紙Sの測定結果から、用紙Sの凹凸情報を取得する。
【0071】
制御部100は、用紙Sの凹凸情報から、イメージスキャナー55の読み取りに影響を及ぼす所定値以上の凹凸量の凹凸が用紙Sにあるか否かを判定する(ステップS102)。当該所定値は、例えば0.03mmである。
【0072】
所定値以上の凹凸量の凹凸が用紙Sに無い場合(ステップS102;No)、制御部100は、用紙Sの任意の箇所にパターン画像を形成する(ステップS103)。
【0073】
他方で、所定値以上の凹凸量の凹凸が用紙Sにある場合(ステップS102;Yes)、制御部100は、イメージスキャナー55の読み取りに影響を及ぼさないパターン画像の形成箇所を設定する(ステップS104)。
【0074】
図5Aに、用紙Sの凹凸情報に係るグラフの一例を示す。
図5Aにおいて、横軸は用紙Sの搬送時間、縦軸は用紙Sの凹凸量を示す。ここで、用紙Sにおいて、凹凸量の最も大きい値が約0.1mmであったとする。この時、制御部100は、
図5Bに示すように、プロファイルセンサー54の出力値を高さ方向に4分割する。すると、各分割領域の高さは0.025mmとなり、各分割領域内でパターン画像を形成できれば、イメージスキャナー55による読み取りの許容範囲内となる。
【0075】
なお、
図5Bにおいて、両矢印を挟むように設けられた各線種の範囲は、各分割領域における、一の分割領域でパターン画像を形成可能な領域を示す。
図5Bにおいては、総和が最も長いのは、二点鎖線の領域であるため、制御部100は、二点鎖線の領域の所定の箇所にパターン画像を形成するよう設定する。
【0076】
制御部100は、用紙Sのうち、ステップS104で設定した箇所にパターン画像を形成するよう、画像形成部40のパターン画像形成動作を調整して、パターン画像を形成させる。(ステップS105)。このように、制御部100は、凹凸情報に基づいて、予め定められた条件に当てはまるパターン画像形成箇所を設定して、画像形成部40によるパターン画像の形成動作を調整する調整部として機能する。
【0077】
ステップS103又はステップS105でのパターン画像の形成後、イメージスキャナー55は当該パターン画像を読み取って、読取画像を制御部100に送信する。そして、制御部100は、読取画像から得た出力値から画質の乱れの有無を判定して、画像不良の有無を検出する(ステップS106)。
【0078】
図6にステップS102;Yesの場合に得られた、イメージスキャナー55の出力値に係るグラフの一例を示す。なお、
図6において、横軸は搬送時間、縦軸は出力値をそれぞれ示す。
図6と
図9A及び
図9Cの比較からわかるように、当該構成によれば、用紙Sの表面に、イメージスキャナー55による読み取りに影響を及ぼすような凹凸量の凹凸があっても、平滑紙である場合と略同様の高精度な出力値が得られる。
【0079】
画像不良検出処理で画像不良が検出された場合、制御部100は、当該画像不良に基づいて、例えば読取画像データを補正することで、当該画像不良を補正する。このように、制御部100は、画像形成部40の画像形成条件を制御して、画像不良を解消する。
【0080】
[実施形態の効果]
以上に示すように、本実施形態に係る画像形成装置1は、表面に凹凸を有する用紙Sに画像を形成する画像形成部40を備える。また、画像形成装置1は、用紙Sに形成されたパターン画像を読み取る読取部として機能するイメージスキャナー55を備える。また、画像形成装置1の制御部100は、用紙Sへのパターン画像の形成前に、用紙Sの凹凸の量に関する凹凸情報を取得する取得部として機能する。また、画像形成装置1の制御部100は、凹凸情報に基づいて、予め定められた条件に当てはまるパターン画像形成箇所を設定して、パターン画像の形成動作を調整する調整部として機能する。当該成によれば、用紙Sが凹凸を有していても、読取部による読み取り結果にバラつきが生じにくい箇所にパターン画像を形成できるため、より高精度なパターン測定が可能になる。
【0081】
また、従来の画像形成装置においては、エンボスに起因する定着等の不具合により、パターン画像に乱れが生じることでも、読取部による読み取り結果にバラつきが生じることがあった。しかしながら、本実施形態に係る画像形成装置1によれば、エンボスによる高さのズレの少ない箇所にパターン画像を形成できる。そのため、パターン画像の乱れに伴うパターン測定の不具合も抑制できる。
【0082】
[その他の構成]
以上、本発明に係る実施の形態に基づいて具体的に説明を行ったが、本発明が上述の実施の形態に限定されるものではない。特許請求の範囲に記載された発明の範囲とその均等の範囲を含む様々な変更が可能であるのはもちろんである。
【0083】
例えば上記においては、画像不良の検出にあたってパターン画像を形成する場合を例示したが、これに限られない。画像形成処理を実行する中で、画像形成部40の状態は、逐次変化する。変化する画像形成部40の状態としては、例えば温度及び湿度といった環境や、現像装置412における現像剤の帯電量、感光体ドラム413の感度等である。そして、このような画像形成部40の状態変化に応じて、濃度特性は変化する。そのため、制御部100は、用紙Sに濃度測定用のパターン画像を形成して測定することで、形成画像の濃度調整にフィードバックする制御を所定の頻度で行う。本発明は、このような濃度測定にあたってパターン画像を形成する場合においても適用可能である。
【0084】
また、上記においては、所定値以上の凹凸量の凹凸が用紙Sに無い場合は、用紙Sの任意の箇所にパターン画像を形成するとしたが、これに限られない。すなわち、プロファイルセンサー54の測定結果に基づいて、より凹凸量の少ない領域にパターン画像を形成してもよい。
【0085】
また、上記においては、プロファイルセンサー54の出力値を4分割する構成を例示したが、これに限られない。例えば、用紙Sにおける凹凸量の最大値が0.15mmであった場合は、プロファイルセンサー54の出力値を5分割することで、各分割領域の高さは、所定値(0.03mm)以下となる。このように、プロファイルセンサー54の出力値の分割数は、用紙Sの凹凸量やイメージスキャナー55の読み取りの許容範囲等に応じて適宜設定すればよい。なお、分割数を多くすると、それだけ各分割領域の高さは小さくなるため、よりイメージスキャナー55の読み取り結果は安定するようになる。他方で、分割数を多くすると、その分各分割領域の搬送方向の長さは相対的に狭くなるため、パターン画像を形成可能な領域は少なくなる。
【0086】
また、上記においては、用紙Sが枚葉紙である場合を例示したが、これに限られない。用紙Sは、長尺紙やロール紙であってもよい。この場合、用紙Sは、例えば画像形成装置1と接続された給紙装置に収容されている。そして、給紙装置が保有する用紙Sは、当該給紙装置から、所定の用紙給紙口を介して画像形成装置1へと供給され、搬送経路部53へと送り出される。
【0087】
図7にロール状の用紙Sにおけるプロファイルセンサー54の出力値に係るグラフの一例を示す。
図7において、横軸は搬送時間、縦軸は凹凸量をそれぞれ示す。
図7中の点線部に示すように、ロール状の用紙Sにおいては、所定のパターンのエンボスが周期的に設けられる。そのため、制御部100は、用紙Sがロール状である場合は、その周期性が確認できれば、いずれかの位置でプロファイルセンサー54による出力値を得てもよい。したがって、用紙Sがロール状である場合は、L1<L2となる位置にプロファイルセンサー54を設けてもよく、当該構成とすることで画像形成装置1の搬送方向の幅長を小型化できる。また、制御部100は、用紙Sがロール状である場合は、エンボスの周期性が確認できた時点でプロファイルセンサー54による測定を終了することで、制御負荷を低減させてもよい。
【0088】
また、用紙Sがロール状である場合は、複数の周期の同じタイミングでパターンを形成しても、安定した読み取り結果を得ることができる。ただし、実際には製造誤差等により、対応するエンボス同士でも凹凸量や形状等にバラつきを有することがある。そのため、このような用紙Sにおいても、上記と同様に、イメージスキャナー55の読み取りが安定する箇所にパターンを形成する方が好ましい。
【0089】
また、
図5Bにおいては、一の分割領域にパターン画像が形成可能な場合を例示したが、
図8に示すように、一の分割領域にパターン画像を形成できない場合もある。このような場合はパターン画像の階調を、例えば64階調から32階調に落として幅長を狭めることで、一の分割領域にパターン画像を形成できるようにしてもよい。
図8に示すように、凹凸が非常に多い用紙Sには、高品質な画像を形成すること自体が困難であり、高階調のパターン画像の形成は不要であるからである。
【0090】
また、上記においては、測定部としてプロファイルセンサー54を用いる構成を例示したが、これに限られない。測定部は、用紙Sの表面の凹凸を測定できる構成であればよく、プロファイルセンサー54に限られず、他の透過型の光学センサー等も用いることもできる。
【0091】
また、上記においては、画像形成装置1に設けられたプロファイルセンサー54で用紙Sの凹凸を測定することで、制御部100が凹凸情報を取得する構成を例示したが、これに限られない。例えば、画像形成装置1とは別体の装置で用紙Sを搬送させて、当該装置に設けられた測定部で用紙Sの凹凸を測定してもよい。この場合は、通信部80を介して当該別体の装置から凹凸情報が入力されることで、制御部100が凹凸情報を取得する。
【0092】
また、取得したロール状の用紙Sの凹凸情報を記憶部70に記憶してもよい。そして、同様の凹凸を有する用紙Sを再度使用する場合等は、操作表示部20の操作により当該凹凸情報を選択して、制御部100が取得する構成としてもよい。
【0093】
また、本発明に係るプログラムのコンピューター読み取り可能な媒体としてハードディスクや半導体の不揮発性メモリー等を使用する例を開示したが、これに限定されない。その他のコンピューター読み取り可能な媒体として、CD-ROM等の可搬型記録媒体を適用できる。また、本発明に係るプログラムのデータを、通信回線を介して提供する媒体として、キャリアウエーブ(搬送波)も適用される。
【符号の説明】
【0094】
1 画像形成装置
40 画像形成部
54 プロファイルセンサー(測定部)
55 イメージスキャナー(読取部)
100 制御部(取得部、調整部)
S 用紙(記録媒体)