(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025102082
(43)【公開日】2025-07-08
(54)【発明の名称】結像光学系
(51)【国際特許分類】
G02B 13/02 20060101AFI20250701BHJP
G03B 5/00 20210101ALI20250701BHJP
【FI】
G02B13/02
G03B5/00 J
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023219296
(22)【出願日】2023-12-26
(71)【出願人】
【識別番号】000131326
【氏名又は名称】株式会社シグマ
(72)【発明者】
【氏名】山本 幸広
(72)【発明者】
【氏名】朝倉 健
(72)【発明者】
【氏名】小笠原 典行
【テーマコード(参考)】
2H087
2K005
【Fターム(参考)】
2H087KA01
2H087LA02
2H087MA07
2H087MA09
2H087NA17
2H087PA13
2H087PA14
2H087PA16
2H087PB18
2H087PB20
2H087QA02
2H087QA07
2H087QA12
2H087QA21
2H087QA26
2H087QA37
2H087QA41
2H087QA46
2H087RA32
2H087RA44
2H087UA06
2K005CA02
(57)【要約】
【課題】結像光学系自身が小型軽量であり且つ小型軽量なフォーカシングユニットを有することで小型軽量な望遠レンズに適した結像光学系を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明の結像光学系は、物体側から像側に向かって順に、全体として正のパワーを有する第1群G1と、フォーカシング時に光軸上を移動するレンズからなる第2群G2と、パワーを有する第3群G3とからなり、所定の条件式を満足することを特徴とする。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
物体側から像側に向かって順に、全体として正のパワーを有する第1群G1と、フォーカシング時に光軸上を移動するレンズからなる第2群G2と、パワーを有する第3群G3とからなり、
前記第1群G1は物体側から像側に向かって順に、第1a群G1a、複数のレンズ、第1b群G1bとからなり、
前記第1a群G1aは最も物体側から順に少なくとも2枚の正レンズ、最も像側に物体側に凸面を向けたメニスカス形状の負レンズを有し、
前記第1b群G1bは、前記第1群G1の最も像側の正レンズ乃至正レンズを含むレンズ成分を最も物体側に有し、
前記第1a群G1aと前記第1b群G1bの間には前記第1群G1内において最も長い空気間隔D_A11を有し、
以下の条件式を満足することを特徴とする結像光学系。
(1) 0.05 < D_A11/D_G1 < 0.44
但し、
D_A11は第1群G1内の最も長い空気間隔、
D_G1は第1群G1の最も物体側に配置されたレンズの物体側レンズ面から最も像側に配置されたレンズの像側レンズ面までの光軸上の距離である。
【請求項2】
以下の条件式を満足することを特徴とする請求項1に記載の結像光学系。
(2) 0.10 < (D_A11+D_A12)/D_G1 < 0.70
但し、
D_A11は第1群G1内の最も長い空気間隔、
D_A12は第1a群G1aと第1b群G1b間で2番目に長い空気間隔である。
【請求項3】
以下の条件式を満足することを特徴とする請求項1に記載の結像光学系。
(3) 0.05 < D_G1a/D_G1 < 0.45
但し、
D_G1aは第1a群G1aの光軸上の長さ、
D_G1は第1群G1の最も物体側に配置されたレンズの物体側レンズ面から最も像側に配置されたレンズの像側レンズ面までの光軸上の距離である。
【請求項4】
以下の条件式を満足することを特徴とする請求項1に記載の結像光学系。
(4) 0.15 < D_A1all/D_G1 < 0.75
但し、
D_A1allは第1群G1内の全ての空気間隔の合計、
D_G1は第1群G1の最も物体側に配置されたレンズの物体側レンズ面から最も像側に配置されたレンズの像側レンズ面までの光軸上の距離である。
【請求項5】
以下の条件式を満足することを特徴とする請求項1に記載の結像光学系。
(5) atan(H_Img/f)< 7.00°
但し、
H_Imgは最大像高、
fは無限遠合焦時の結像光学系の焦点距離である。
【請求項6】
以下の条件式を満足することを特徴とする請求項1に記載の結像光学系。
(6) 0.10 < LT/f < 1.00
但し、
LTは結像光学系の無限遠合焦時の最も物体側の面から像面までの光軸上の距離、
fは無限遠合焦時の結像光学系の焦点距離である。
【請求項7】
前記第1b群G1bは負レンズと正レンズ、又は正レンズと負レンズからなることを特徴とする請求項1に記載の結像光学系。
【請求項8】
以下の条件式を満足することを特徴とする請求項1に記載の結像光学系。
(7) ―60.00 < Φ_G2G3/Φ < -3.00
但し、
_G2G3は第2群G2と第3群G3の無限遠合焦時の合成パワー、
Φは結像光学系の無限遠合焦時のパワーΦである。
【請求項9】
以下の条件式を満足することを特徴とする請求項1に記載の結像光学系。
(8) 1.00 < D_EXP/ H_Img < 11.00
但し、
D_EXPは結像光学系の無限遠合焦時の射出瞳から像面までの光軸上の距離、
H_Imgは最大像高である。
【請求項10】
以下の条件式を満足することを特徴とする請求項1に記載の結像光学系。
(9) -35.00 < Φ_G3/Φ < -1.00
但し、
Φ_G3は第3群G3のパワー、
Φは結像光学系の無限遠合焦時のパワーである。
【請求項11】
前記第3群G3は像ブレ補正ユニットIUを有し、
前記像ブレ補正ユニットIUの像側にリアユニットRUを有し、
前記像ブレ補正ユニットIUと前記リアユニットRUのパワーの符号が異なり、
前記像ブレ補正ユニットIUは少なくとも1枚の正レンズと少なくとも1枚の負レンズを有し、
以下の条件式を満足することを特徴とする請求項1に記載の結像光学系。
(10) 3.00 < |Φ_OS/Φ| < 35.00
但し、
Φ_OSは像ブレ補正ユニットのパワー、
Φは結像光学系の無限遠合焦時のパワーである。
【請求項12】
以下の条件式を満足することを特徴とする請求項1に記載の結像光学系。
(11) -20.00 <Φ_G2/Φ < -0.13
但し、
Φ_G2は第2群G2のパワー、
Φは結像光学系の無限遠合焦時のパワーである。
【請求項13】
前記結像光学系は開口絞りSを有し、前記開口絞りSよりも像側に以下の条件式を満たす負レンズを有することを特徴とする請求項1に記載の結像光学系。
(12) 10.00 < ν_d < 30.00
(13) 0.020 < P_gF+0.0018*ν_d-0.6483 < 0.080
但し、
ν_dは開口絞りSよりも像側に配置された負レンズのd線に対するアッベ数、
P_gFは開口絞りSよりも像側に配置された負レンズのg線とF線に対する部分分散比である。
P_gF=(ng-nF)/(nF-nC)と部分分散比を定義する。
ng:g線(波長λ=435.84nm)に対する屈折率。
nF:F線(波長λ=486.13nm)に対する屈折率。
nC:C線(波長λ=656.27nm)に対する屈折率。
【請求項14】
すべてのレンズの物体側面と像側面は球面又は平面からなることを特徴とする請求項1に記載の結像光学系。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はスチルカメラ、ビデオカメラなどに用いられる撮影レンズに好適な結像光学系に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から長焦点距離の撮影レンズ(以下望遠レンズ)に好適な結像光学系として、物体側から像側に向かって順に正のパワーのレンズ群、負のパワーのレンズ群を配置したテレフォトタイプの結像光学系が知られている。テレフォトタイプのパワー配置を採用することで長く重くなりがちな望遠レンズの光学全長を短くすることが可能になる。
【0003】
また望遠レンズはスポーツや動物などの撮影で使用されることが多く、高速なオートフォーカスが求められている。望遠レンズは結像光学系全体を移動させてフォーカシングする全体繰り出し方式を採用するとフォーカシング時に移動するレンズの重量が大きくなり高速なオートフォーカスを実現することが難しいためインナーフォーカス方式を採用することが多い。
【0004】
さらに近年、動画撮影で望遠レンズが使用される場合が増えてきた。動画撮影で使用される場合、オートフォーカスはコントラスト検出方式を用いられることが多い。コントラスト検出方式ではコントラストを検出するためにフォーカシングユニットにウォブリングという動作をさせることが一般的であるため従来よりも軽量なフォーカシングユニットを搭載した望遠レンズが望まれている。
【0005】
加えて近年、小型に設計されたミラーレスカメラの普及に伴い望遠レンズにおいても小型軽量が求められている。望遠レンズを小型軽量化する場合その結像光学系を小型化することに加え可動部を小型軽量化することが重要となる。アクチュエーターの大きさや配置は可動部の大きさや重量に左右されるからである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1に記載の結像光学系はインナーフォーカスを採用しながら高性能を実現しているもののフォーカシングユニットの小型軽量化が不十分である。また焦点距離に対する光学全長が十分に小さいとは言えない。
【0008】
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、結像光学系自身が小型軽量であり且つ小型軽量なフォーカシングユニットを有することで小型軽量な望遠レンズに適した結像光学系を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本発明を実施の結像光学系は、物体側から像側に向かって順に、全体として正のパワーを有する第1群G1と、フォーカシング時に光軸上を移動するレンズからなる第2群G2と、パワーを有する第3群G3とからなり、前記第1群G1は物体側から像側に向かって順に、第1a群G1a、複数のレンズ、第1b群G1bとからなり、前記第1a群G1aは最も物体側から順に少なくとも2枚の正レンズ、最も像側に物体側に凸面を向けたメニスカス形状の負レンズを有し、前記第1b群G1bは、前記第1群G1の最も像側の正レンズ乃至正レンズを含むレンズ成分を最も物体側に有し、前記第1a群G1aと前記第1b群G1bの間には前記第1群G1内において最も長い空気間隔D_A11を有し、
以下の条件式を満足することを特徴とする結像光学系。
(1) 0.05 < D_A11/D_G1 < 0.44
但し、
D_A11は第1群G1内の最も長い空気間隔、
D_G1は第1群G1の最も物体側に配置されたレンズの物体側レンズ面から最も像側に配置されたレンズの像側レンズ面までの光軸上の距離である。
【発明の効果】
【0010】
本発明を実施の結像光学系によれば、光学系自身が小型軽量であり且つ小型軽量なフォーカシングユニットを有することで小型軽量な望遠レンズに適した結像光学系を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の実施例1の無限遠におけるレンズ構成図である。
【
図2】本発明の実施例1の無限遠における縦収差図である。
【
図3】本発明の実施例1の撮影距離3.2mにおける縦収差図である。
【
図4】本発明の実施例1の無限遠における横収差図である。
【
図5】本発明の実施例1の撮影距離3.2mにおける横収差図である。
【
図6】本発明の実施例1の無限遠における0.3°防振時の横収差図である。
【
図7】本発明の実施例2の無限遠におけるレンズ構成図である。
【
図8】本発明の実施例2の無限遠における縦収差図である。
【
図9】本発明の実施例2の撮影距離3.3mにおける縦収差図である。
【
図10】本発明の実施例2の無限遠における横収差図である。
【
図11】本発明の実施例2の撮影距離3.3mにおける横収差図である。
【
図12】本発明の実施例2の無限遠における0.3°防振時の横収差図である。
【
図13】本発明の実施例3の無限遠におけるレンズ構成図である。
【
図14】本発明の実施例3の無限遠における縦収差図である。
【
図15】本発明の実施例3の撮影距離3.1mにおける縦収差図である。
【
図16】本発明の実施例3の無限遠における横収差図である。
【
図17】本発明の実施例3の撮影距離3.1mにおける横収差図である。
【
図18】本発明の実施例3の無限遠における0.3°防振時の横収差図である。
【
図19】本発明の実施例4の無限遠におけるレンズ構成図である。
【
図20】本発明の実施例4の無限遠における縦収差図である。
【
図21】本発明の実施例4の撮影距離3.2mにおける縦収差図である。
【
図22】本発明の実施例4の無限遠における横収差図である。
【
図23】本発明の実施例4の撮影距離3.2mにおける横収差図である。
【
図24】本発明の実施例4の無限遠における0.3°防振時の横収差図である。
【
図25】本発明の実施例5の無限遠におけるレンズ構成図である。
【
図26】本発明の実施例5の無限遠における縦収差図である。
【
図27】本発明の実施例5の撮影距離3.3mにおける縦収差図である。
【
図28】本発明の実施例5の無限遠における横収差図である。
【
図29】本発明の実施例5の撮影距離3.3mにおける横収差図である。
【
図30】本発明の実施例5の無限遠における0.3°防振時の横収差図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の結像光学系について説明する。本発明の結像光学系は
図1、
図7、
図13、
図19、
図25に示すレンズ構成図から分かるように、物体側から像側に向かって順に、全体として正のパワーを有する第1群G1と、フォーカシング時に光軸上を移動するレンズからなる第2群G2と、パワーを有する第3群G3とからなることを特徴としている。
【0013】
このような群の構成とすることで、全体として正のパワーを有する第1群G1による光束の収斂効果によりフォーカシングユニットである第2群G2と第3群G3を小径化することができる。可動部であるフォーカシングユニットを小径化することにより軽量化も容易になるため、アクチュエーターも小型軽量化可能である。第2群G2、第3群G3を小径化しつつアクチュエーターも小型軽量化できるため望遠レンズとして小型軽量にすることが可能となる。
【0014】
また物体側に正パワーを有する第1群G1、像側に負パワーを有する第2群G2及び第3群G3を配置することでテレフォトタイプのパワー配置を構成することができ、結像光学系の全長短縮効果がある。また防塵防滴機構を付与しやすくするために結像光学系の最も物体側に配置された第1群G1と最も像側に配置されたレンズが像面に対し常時固定であることが望ましい。また使用者が交換レンズをカメラに着脱する際に結像光学系の最も像側に配置されたレンズに触れてしまうことが考えられるため結像光学系の最も像側には像面に対し常時固定のユニットが配置されることが望ましい。
【0015】
また第1群G1は物体側から像側に向かって順に、第1a群G1a、複数のレンズ、第1b群G1bとからなり、第1a群G1aは最も物体側から順に少なくとも2枚の正レンズ、最も像側に物体側に凸面を向けたメニスカス形状の負レンズを有し、第1b群G1bは、第1群G1の最も像側の正レンズ乃至正レンズを含むレンズ成分を最も物体側に有し、第1a群G1aと第1b群G1bの間には第1群G1内において最も長い空気間隔D_A11を有することで、第1群G1の軽量化と収差補正の両立することが可能となる。
【0016】
なお、本願発明のレンズ成分とは、単レンズ、接合レンズとする。また、正レンズを含むレンズ成分とは、正レンズ1枚の単レンズはもちろん、正レンズを有する接合レンズとする。
【0017】
さらに本発明の結像光学系は、以下の条件式を満足することを特徴とする。
(1) 0.05 < D_A11 / D_G1 < 0.44
但し、
D_A11は第1群G1内の最も長い空気間隔、
D_G1は第1群G1の最も物体側に配置されたレンズの物体側レンズ面から最も像側に配置されたレンズの像側レンズ面までの光軸上の距離である。
【0018】
条件式(1)は結像光学系の無限遠合焦時の第1群G1内の最も長い空気間隔と第1群G1の光軸上の長さの比を規定している。
【0019】
条件式(1)の上限値を超えて第1群G1内の最も長い空気間隔が長くなると小型化に必要な強いパワーのレンズとそこで発生する収差を補正するのに必要なレンズの配置が困難になる。条件式(1)の下限値を超えて第1群G1内の最も長い空気間隔が短くなると径の大きいレンズが密に並ぶことになり軽量化が困難になる。
【0020】
条件式(1)の上限値を0.40に限定することで前述の効果をより確実なものとすることができ好ましい。条件式(1)の下限値を0.10に限定することで前述の効果をより確実なものとすることができ好ましい。
【0021】
さらに望ましくは、条件式(1)の上限値を0.35に限定することで前述の効果をより確実なものとすることができ好ましい。条件式(1)の下限値を0.15に限定することで前述の効果をより確実なものとすることができ好ましい。
【0022】
さらに本発明の結像光学系は、以下の条件式を満足することを特徴とする。
(2) 0.10 < (D_A11+D_A12) / D_G1 < 0.70
但し、
D_A11は第1群G1内の最も長い空気間隔、
D_A12は第1a群G1aと第1b群G1b間で2番目に長い空気間隔である。
【0023】
条件式(2)は結像光学系の無限遠合焦時の第1群G1内の最も長い空気間隔と第1a群G1aと第1b群G1b間で2番目に長い空気間隔の和と第1群G1の光軸上の長さの比を規定している。
【0024】
条件式(2)の上限値を超えて第1群G1の光軸上の長さが短くなると小型化に必要な強いパワーのレンズとそこで発生する収差を補正するのに必要なレンズの配置が更に困難になる。条件式(2)の下限値を超えてその2つの空気間隔の和が短くなると径の大きいレンズが密に並ぶことになり軽量化が更に困難になる。
【0025】
条件式(2)の上限値を0.60に限定することで前述の効果をより確実なものとすることができ好ましい。条件式(2)の下限値を0.20に限定することで前述の効果をより確実なものとすることができ好ましい。
【0026】
さらに望ましくは、条件式(2)の上限値を0.52に限定することで前述の効果をより確実なものとすることができ好ましい。条件式(2)の下限値を0.30に限定することで前述の効果をより確実なものとすることができ好ましい。
【0027】
さらに本発明の結像光学系は、以下の条件式を満足することを特徴とする。
(3) 0.05 < D_G1a / D_G1 < 0.45
但し、
D_G1aは第1a群G1aの光軸上の長さ、
D_G1は第1群G1の最も物体側に配置されたレンズの物体側レンズ面から最も像側に配置されたレンズの像側レンズ面までの光軸上の距離である。
【0028】
条件式(3)は結像光学系の第1a群G1a内の光軸上の長さと第1群G1の光軸上の長さの比を規定している。
【0029】
条件式(3)の上限値を超えて第1a群G1a内の光軸上の長さが長くなると径の大きいレンズの体積が大きくなるため軽量化が困難になる。条件式(3)の下限値を超えて第1群G1の光軸上の長さが長くなるとレンズ全系の小型化が困難になる。
【0030】
条件式(3)の上限値を0.40に限定することで前述の効果をより確実なものとすることができ好ましい。条件式(3)の下限値を0.10に限定することで前述の効果をより確実なものとすることができ好ましい。
【0031】
さらに望ましくは、条件式(3)の上限値を0.35に限定することで前述の効果をより確実なものとすることができ好ましい。条件式(3)の下限値を0.15に限定することで前述の効果をより確実なものとすることができ好ましい。
【0032】
さらに本発明の結像光学系は、以下の条件式を満足することを特徴とする。
(4) 0.15 < D_A1all / D_G1 < 0.75
但し、
D_A1allは第1群G1内の全ての空気間隔の合計、
D_G1は第1群G1の最も物体側に配置されたレンズの物体側レンズ面から最も像側に配置されたレンズの像側レンズ面までの光軸上の距離である。
【0033】
条件式(4)は結像光学系の第1群G1内の全ての空気間隔の合計と第1群G1の光軸上の長さの比を規定している。
【0034】
条件式(4)の上限値を超えて第1群G1の光軸上の長さが短くなると小型化に必要な強いパワーのレンズとそこで発生する収差を補正するのに必要なレンズの配置が更に困難になる。条件式(4)の下限値を超えて第1群G1内の全ての空気間隔の合計が小さくなると径の大きいレンズが密に並ぶことになり軽量化が更に困難になる。
【0035】
条件式(4)の上限値を0.70に限定することで前述の効果をより確実なものとすることができ好ましい。条件式(4)の下限値を0.25に限定することで前述の効果をより確実なものとすることができ好ましい。
【0036】
さらに望ましくは、条件式(4)の上限値を0.65に限定することで前述の効果をより確実なものとすることができ好ましい。条件式(4)の下限値を0.40に限定することで前述の効果をより確実なものとすることができ好ましい。
【0037】
さらに本発明の結像光学系は、以下の条件式を満足することを特徴とする。
(5) atan(H_Img / f)< 7.00°
但し、
H_Imgは最大像高、
fは無限遠合焦時の結像光学系の焦点距離である。
【0038】
条件式(5)は結像光学系の最大像高と無限遠合焦時の結像光学系の焦点距離から結像光学系のおおよその画角を規定している。
【0039】
条件式(5)の上限値を超えて画角が大きくなると周辺画角の収差補正に適したレンズの配置が困難となるため好ましくない。
条件式(5)の値が小さくなり画角が小さくなると第1群G1のレンズ枚数が収差補正に必要な数量としては多すぎるため発明の目的である小型軽量に適さない光学系となる。
【0040】
条件式(5)の上限値を5.00°に限定することで前述の効果をより確実なものとすることができ好ましい。条件式(5)に0.40°の下限値を設定することで前述の効果をより確実なものとすることができ好ましい。
【0041】
さらに望ましくは、条件式(5)の上限値を3.50°に限定することで前述の効果をより確実なものとすることができ好ましい。条件式(5)の下限値を1.00°に限定することで前述の効果をより確実なものとすることができ好ましい。
【0042】
さらに本発明の結像光学系は、以下の条件式を満足することを特徴とする。
(6) 0.10 < LT/f < 1.00
但し、
LTは結像光学系の無限遠合焦時の最も物体側の面から像面までの光軸上の距離、
fは無限遠合焦時の結像光学系の焦点距離である。
【0043】
条件式(6)は結像光学系の無限遠合焦時の光学全長と焦点距離の比を規定している。
【0044】
条件式(6)の上限を超えて光学全長が長くなると望遠レンズとして小型軽量化することが困難となる。条件式(6)の下限を超えて光学全長が短くなるとフォーカシングユニットの移動量を大きく取ることができず実用的な最短撮影距離を達成しようとするとフォーカシングユニットのパワーを大きくしなければならないためフォーカシングユニットで発生する収差が大きくなり広い撮影距離範囲で良好な性能を得ることが困難となる。
【0045】
条件式(6)の上限値を0.64に限定することで前述の効果をより確実なものとすることができ好ましい。条件式(6)の下限値を0.15に限定することで前述の効果をより確実なものとすることができ好ましい。
【0046】
さらに望ましくは、条件式(6)の上限値を0.56に限定することで前述の効果をより確実なものとすることができ好ましい。条件式(6)の下限値を0.30に限定することで前述の効果をより確実なものとすることができ好ましい。
【0047】
さらに本発明の結像光学系は、第1b群G1bは負レンズと正レンズ、又は正レンズと負レンズからなることを特徴とする。
【0048】
第1b群G1bは色収差補正と軽量化のために負レンズと正レンズを1枚ずつ利用することが望ましい。またレンズ構成の簡略化のために接合レンズであることがより望ましい。
【0049】
さらに本発明の結像光学系は、以下の条件式を満足することを特徴とする。
(7) ―60.00 < Φ_G2G3/Φ < -3.00
但し、
Φは結像光学系の無限遠合焦時のパワー、
Φ_G2G3は第2群G2と第3群G3の無限遠合焦時の合成パワーである。
【0050】
条件式(7)は結像光学系の無限遠合焦時の第2群G2と第3群G3の合成パワーと全系のパワーの比を規定している。
【0051】
条件式(7)の上限値を超えて第2群G2と第3群G3の負の合成パワーが小さくなるとテレフォトタイプの効果が弱くなり結像光学系の小型化が困難になる。条件式(7)の下限値を超えて第2群G2と第3群G3の負の合成パワーが大きくなると収差の拡大作用が大きくなるため良好な性能を得ることが困難になる。
【0052】
条件式(7)の上限値を-5.00に限定することで前述の効果をより確実なものとすることができ好ましい。条件式(7)の下限値を-50.00に限定することで前述の効果をより確実なものとすることができ好ましい。
【0053】
さらに望ましくは、条件式(7)の上限値を-8.30に限定することで前述の効果をより確実なものとすることができ好ましい。条件式(7)の下限値を-25.00に限定することで前述の効果をより確実なものとすることができ好ましい。
【0054】
(8) 1.00 < D_EXP/H_Img < 11.00
但し、
D_EXPは結像光学系の無限遠合焦時の射出瞳から像面までの距離、
H_Imgは最大像高である。
【0055】
条件式(8)は結像光学系の無限遠合焦時の射出瞳から像面までの距離と最大像高の比を規定している。
【0056】
条件式(8)の上限値を超えて射出瞳が像面から物体側に遠ざかると像面近傍の光線高が高くなる。しかし像面近傍にはカメラに取り付けるためのパーツがあり光線がケラレるため周辺光量の確保が困難になる。条件式(8)の下限値を超えて射出瞳が像面に近くなると最も像側に配置されたレンズの主光線射出角が大きくなる。デジタルカメラ等に使用される撮像素子を利用した場合にその撮像素子は一般に撮像素子への入射角の大きな光に対して感度が低下するという特性持つ。そのため光線の入射角が大きいと周辺光量の確保が困難になる。
【0057】
条件式(8)の上限値を8.00に限定することで前述の効果をより確実なものとすることができ好ましい。条件式(8)の下限値を2.00に限定することで前述の効果をより確実なものとすることができ好ましい。
【0058】
さらに望ましくは、条件式(8)の上限値を4.30に限定することで前述の効果をより確実なものとすることができ好ましい。条件式(8)の下限値を2.70に限定することで前述の効果をより確実なものとすることができ好ましい。
【0059】
さらに本発明の結像光学系は、以下の条件式を満足することを特徴とする。
(9) -35.00 < Φ_G3/Φ < -1.00
但し、
Φ_G3は第3群G3のパワー、
Φは結像光学系の無限遠合焦時のパワーである。
【0060】
条件式(9)は第3群G3と全系のパワーの比を規定している。
【0061】
条件式(9)の上限値を超えて第3群G3の負のパワーが小さくなると、全系の焦点距離を維持したままテレフォトタイプのパワー配置を維持するために第2群G2の負のパワーを大きくする必要がある。フォーカシングユニットである第2群G2の負のパワーが大きくなりすぎるとフォーカシング時の非点収差の変動が大きくなり、広い撮影距離範囲で良好な性能を得ることが困難となる。条件式(9)の下限値を超えて第3群G3の負のパワーが大きくなると十分なバックフォーカスを確保することが困難になる。また収差の拡大作用が大きくなるため良好な性能を得ることが困難となる。
【0062】
条件式(9)の上限値を-1.50に限定することで前述の効果をより確実なものとすることができ好ましい。条件式(9)の下限値を-26.00に限定することで前述の効果をより確実なものとすることができ好ましい。
【0063】
さらに望ましくは、条件式(9)の上限値を-4.00に限定することで前述の効果をより確実なものとすることができ好ましい。条件式(9)の下限値を-11.00に限定することで前述の効果をより確実なものとすることができ好ましい。
【0064】
さらに本発明の結像光学系は、第3群G3が像ブレ補正ユニットIUを有し、像ブレ補正ユニットIUの像側にリアユニットRUを有し、像ブレ補正ユニットIUとリアユニットRUのパワーの符号が異なり、像ブレ補正ユニットIUは少なくとも1枚の正レンズと少なくとも1枚の負レンズを有し、以下の条件式を満足することを特徴とする。
(10) 3.00 < |Φ_OS/Φ| < 35.00
但し、
Φ_OSは像ブレ補正ユニットIUのパワー、
Φは結像光学系の無限遠合焦時のパワーである。
【0065】
像ブレ補正ユニットIUのパワーとは異なる符号のリアユニットRUを配置することで第3群G3のパワーを維持したまま像ブレ補正ユニットIUのパワーを大きくすることができ、像ブレ補正ユニットIUの移動量に対する像ブレ補正の量(以下、防振係数)を大きくすることを可能にしている。防振係数を大きくすると像ブレ補正ユニットIUの移動量を小さくすることができるのでアクチュエーターのサイズを小さくすることが可能になり、望遠レンズの小型軽量化に有利になる。
【0066】
また像ブレ補正ユニットIUが少なくとも1枚の正レンズと少なくとも1枚の負レンズを有することで、像ブレ補正ユニットIU内での色収差の補正が可能となり像ブレ補正時に良好な性能を得ることができる。
【0067】
条件式(10)は像ブレ補正ユニットIUのパワーと結像光学系のパワーの比を規定している。
【0068】
条件式(10)の下限値を超えて像ブレ補正ユニットIUのパワーが小さくなると防振係数が小さくなるため、像ブレ補正ユニットIUの駆動量を大きく取る必要が生じてしまいアクチュエーター、ひいては望遠レンズを小型化することが困難になる。条件式(10)の上限値を超えて像ブレ補正ユニットIUのパワーが大きくなると防振係数は稼げるものの像ブレ補正ユニットIUにおいて発生する収差が大きくなり、光軸と垂直な方向に駆動した際のコマ収差や非点収差の変動が大きくなるため像ブレ補正時に良好な性能を得ることが困難になる。
【0069】
条件式(10)の上限値を26.00に限定することで前述の効果をより確実なものとすることができ好ましい。条件式(10)の下限値を5.00に限定することで前述の効果をより確実なものとすることができ好ましい。
【0070】
さらに望ましくは、条件式(10)の上限値を22.00に限定することで前述の効果をより確実なものとすることができ好ましい。条件式(10)の下限値を7.00に限定することで前述の効果をより確実なものとすることができ好ましい。
【0071】
さらに本発明の結像光学系は、以下の条件式を満足することを特徴とする。
(11) -20.00 <Φ_G2/Φ < -0.13
但し、
Φ_G2は第2群G2のパワー、
Φは結像光学系の無限遠合焦時のパワーである。
【0072】
条件式(11)は第2群G2と結像光学系のパワーの比について好ましい範囲を規定している。
【0073】
条件式(11)の上限値を超えて第2群G2の負のパワーが小さくなるとテレフォトタイプの像側に配置される負のパワーの役割を第3群G3に負担させることになり第3群G3の負のパワーが大きくなる。第3群G3での収差の拡大作用が大きくなるため良好な性能を得ることが困難になる。条件式(11)の下限値を超えて第2群G2の負のパワーが大きくなるとフォーカシングユニットである第2群G2で収差、特に非点収差が発生しやすくなるため広い撮影距離範囲において良好な性能を得ることが困難になる。
【0074】
条件式(11)の上限値を-0.20に限定することで前述の効果をより確実なものとすることができ好ましい。条件式(11)の下限値を-12.00に限定することで前述の効果をより確実なものとすることができ好ましい。
【0075】
さらに望ましくは、条件式(11)の下限値を-6.00に限定することで前述の効果をより確実なものとすることができ好ましい。
【0076】
さらに本発明の結像光学系は、開口絞りよりも像側に以下の条件式を満たす負レンズを有することを特徴とする。
(12) 10.00 < ν_d < 30.00
(13) 0.020 < P_gF+0.0018*ν_d-0.6483 < 0.080
但し、
ν_dは負レンズのd線に対するアッベ数、
P_gFは負レンズのg線とF線に対する部分分散比である。
P_gF=(ng-nF)/(nF-nC)と部分分散比を定義する。
ng:g線(波長λ=435.84nm)に対する屈折率。
nF:F線(波長λ=486.13nm)に対する屈折率。
nC:C線(波長λ=656.27nm)に対する屈折率。
【0077】
開口絞りSよりも像側に条件式(12)、(13)を満たす負レンズを有することで良好な色収差補正を得ることができる。
【0078】
条件式(12)は負レンズのd線に対するアッベ数について好ましい範囲を規定している。
【0079】
条件式(12)の上限値を超えてd線に対するアッベ数が大きくなると、色収差を打ち消す作用が弱くなりレンズ全系での色収差の補正が困難となる。また条件式(13)を満たす材質を選ぶことが困難となる。条件式(12)の下限値を超えてd線に対するアッベ数が小さくなると、色収差の拡大作用が大きくなりレンズ全系での色収差の補正が困難となる。
【0080】
条件式(12)の上限値を24.00に限定することで前述の効果をより確実なものとすることができ好ましい。条件式(12)の下限値を15.00に限定することで前述の効果をより確実なものとすることができ好ましい。
【0081】
さらに望ましくは、条件式(12)の上限値を21.00に限定することで前述の効果をより確実なものとすることができ好ましい。条件式(12)の下限値を16.00に限定することで前述の効果をより確実なものとすることができ好ましい。
【0082】
条件式(13)は負レンズのg線とF線に対する部分分散比について好ましい範囲を規定している。
【0083】
条件式(13)の上限値を超えてg線とF線に対する部分分散比が大きくなると、特にg線の色収差がプラス方向に大きくなりレンズ全系での色収差の補正が困難となる。条件式(13)の下限値を超えてg線とF線に対する部分分散比が小さくなると、特にg線の色収差がマイナス方向に大きくなりレンズ全系での色収差の補正が困難となる。
【0084】
条件式(13)の上限値を0.048に限定することで前述の効果をより確実なものとすることができ好ましい。条件式(13)の下限値を0.024に限定することで前述の効果をより確実なものとすることができ好ましい。
【0085】
さらに望ましくは、条件式(13)の上限値を0.041に限定することで前述の効果をより確実なものとすることができ好ましい。条件式(13)の下限値を0.027に限定することで前述の効果をより確実なものとすることができ好ましい。
【0086】
さらに本発明の結像光学系は、すべてのレンズの物体側面と像側面が球面又は平面からなることを特徴とする。球面レンズは加工の際に球心を回転中心とする回転が発生しても等価に加工できることから球面でないレンズと比較して作成が容易である。望遠レンズの結像光学系を構成するレンズは大口径になりやすいため安価な加工コストで加工精度の良いレンズを得ることができることは望ましい。
【0087】
次に、本発明の結像光学系に係る実施例のレンズ構成について説明する。なお、以下の説明ではレンズ構成を物体側から像側の順番で記載する。
【0088】
本発明の結像光学系の各実施例の具体的な数値データを示す。
【0089】
[面データ]において、面番号は物体側から数えたレンズ面又は開口絞りの番号、rは各面の曲率半径、dは各面の間隔、ndはd線(波長587.56nm)に対する屈折率、vdはd線に対するアッベ数、P_gFはg線とF線に対する部分分散比を示している。
【0090】
BFはバックフォーカスを表している。
【0091】
面番号に付した(絞り)は、その位置に開口絞りSが位置していることを示している。平面又は開口絞りSに対する曲率半径には∞(無限大)を記入している。
【0092】
[各種データ]には、撮影距離がINFと20mと3.2mのときの焦点距離等の値を示している。
【0093】
[可変間隔データ]には、撮影距離がINFと20mと3.2mにおける可変間隔及びBFの値を示している。
【0094】
[レンズ群データ]には、各レンズ群を構成する最も物体側の面番号及び群全体の合成焦点距離を示している。
【0095】
なお、以下のすべての諸元の値において、記載している焦点距離f、曲率半径r、レンズ面間隔d、その他の長さの単位は特記のない限りミリ(mm)を使用するが、光学系では比例拡大と比例縮小とにおいても同等の光学性能が得られるので、これに限られるものではない。
【0096】
また、各実施例のレンズ構成図において、矢印は広角端から望遠端への変倍に際してのレンズ群の軌跡、Iは像面、中心を通る一点鎖線は光軸である。
【0097】
各実施例に対応する収差図において、d、g、Cはそれぞれd線、g線、C線を表しており、ΔS、ΔMはそれぞれサジタル像面、メリジオナル像面を表している。
【実施例0098】
図1は、本発明の実施例1の結像光学系のレンズ構成図である。第1群G1は物体側に凸面を向けたメニスカス形状の正レンズL1と、物体側に凸面を向けたメニスカス形状の正レンズL2と、物体側に凸面を向けたメニスカス形状の負レンズL3と、物体側に凸面を向けたメニスカス形状の正レンズL4と、両凹形状の負レンズL5と、両凸形状の正レンズL6と、物体側に凸面を向けたメニスカス形状の負レンズL7と物体側に凸面を向けたメニスカス形状の正レンズL8とからなる接合レンズと、から構成されており、全体として正のパワーを有する。また第1群G1は像面に対して常時固定されている。ここで第1a群G1aはL1,L2,L3から構成され、第1b群G1bはL7,L8から構成される。
【0099】
第2群G2は物体側に凸面を向けたメニスカス形状の正レンズL9と物体側に凸面を向けたメニスカス形状の負レンズL10とからなる接合レンズで構成されており、全体として負のパワーを有する。また第2群G2は無限遠物体から近距離物体へのフォーカシング時に光軸上を物体側から像側に向かって移動する。
【0100】
第3群G3は像ブレ補正ユニットIUとリアユニットRUから構成され、全体として負のパワーを有する。また第3群G3はフォーカシング時に像面に対して固定されている。
【0101】
像ブレ補正ユニットIUは両凸形状の正レンズL11と両凹形状の負レンズL12の接合レンズと、両凹形状の負レンズL13と、から構成され、全体として負のパワーを有する。また像ブレ補正ユニットIUは結像光学系のブレによる像のブレを軽減するように光軸と略垂直な方向に移動する。
【0102】
リアユニットRUは両凸形状の正レンズL14と、両凹形状の負レンズL15と物体側に凸面を向けたメニスカス形状の正レンズL16とからなる接合レンズと、両凸形状の正レンズL17と両凹形状の負レンズL18と両凸形状の正レンズL19とからなる3枚接合レンズと、物体側に凹面を向けたメニスカス形状の負レンズL20と、から構成され、全体として負のパワーを有する。またリアユニットRUは像面に対して常時固定されている。
【0103】
開口絞りSは第2群G2と第3群G3の間に配置されている。結像光学系の中で最も像側に配置されたレンズ成分Lnは負レンズL20である。
【0104】
続いて以下に実施例1に係る結像光学系の諸元値を示す。
数値実施例1
単位:mm
[面データ]
面番号 r d nd vd P_gF
物面 ∞ (d0)
1 128.6213 8.5472 1.49700 81.61 0.5389
2 1855.0184 0.2257
3 82.1712 9.8467 1.43700 95.10 0.5336
4 291.1918 3.7000
5 86.2308 2.5000 1.77250 49.63 0.5504
6 57.9504 3.3543
7 61.4411 9.6400 1.43700 95.10 0.5336
8 197.3978 18.5622
9 -333.8043 2.0000 1.77250 49.63 0.5504
10 93.3984 0.3617
11 73.6505 9.0058 1.43700 95.10 0.5336
12 -256.0975 29.8177
13 126.7983 1.5000 1.77250 49.63 0.5504
14 32.4202 6.7928 1.56732 42.84 0.5744
15 614.6770 (d15)
16 91.7650 2.6326 1.67270 32.17 0.5963
17 5455.7778 1.5000 1.77250 49.63 0.5504
18 49.7976 (d18)
19(絞り) ∞ 14.3265
20 115.6881 3.1058 1.67270 32.17 0.5963
21 -37.9788 1.0000 1.59282 68.62 0.5440
22 70.0614 2.1219
23 -243.6318 0.9000 1.88300 40.81 0.5656
24 47.2089 5.8618
25 28.0943 5.4009 1.68960 31.14 0.6031
26 -1449.5194 5.0141
27 -357.0678 1.0000 1.94594 17.98 0.6546
28 21.1709 5.9068 1.69895 30.05 0.6028
29 149.0456 2.9324
30 41.7292 10.1981 1.75520 27.53 0.6098
31 -22.5524 1.0000 1.88300 40.81 0.5656
32 31.9918 7.5209 1.77047 29.74 0.5951
33 -92.9755 3.7907
34 -34.1613 1.0000 1.90043 37.37 0.5767
35 -86.9114 (BF)
像面 ∞
[各種データ]
INF 20m 3.2m
焦点距離 485.00 429.90 258.32
Fナンバー 5.80 5.80 5.95
全画角2ω 5.06 4.88 3.95
像高Y 21.63 21.63 21.63
レンズ全長 252.34 252.34 252.34
[可変間隔データ]
INF 20m 3.2m
d0 ∞ 19410.1882 2898.0257
d15 5.1467 7.4232 21.9757
d18 28.9503 26.6738 12.1213
BF 37.1732 37.1732 37.1732
[レンズ群データ]
群 開始面 焦点距離
G1 1 171.54
G2 16 -126.77
G3 20 -78.05
IU 20 -44.51
RU 25 65.16
Ln 34 -63.07
第2群G2は物体側に凸面を向けたメニスカス形状の正レンズL9と物体側に凸面を向けたメニスカス形状の負レンズL10とからなる接合レンズで構成されており、全体として負のパワーを有する。また第2群G2は無限遠物体から近距離物体へのフォーカシング時に光軸上を物体側から像側に向かって移動する。
第3群G3は像ブレ補正ユニットIUとリアユニットRUから構成され、全体として負のパワーを有する。また第3群G3はフォーカシング時に像面に対して固定されている。
像ブレ補正ユニットIUは両凸形状の正レンズL11と両凹形状の負レンズL12の接合レンズと、両凹形状の負レンズL13と、から構成され、全体として負のパワーを有する。また像ブレ補正ユニットIUは結像光学系のブレによる像のブレを軽減するように光軸と略垂直な方向に移動する。
リアユニットRUは両凸形状の正レンズL14と、両凹形状の負レンズL15と物体側に凸面を向けたメニスカス形状の正レンズL16とからなる接合レンズ、両凸形状の正レンズL17と両凹形状の負レンズL18と両凸形状の正レンズL19とからなる3枚接合レンズ、物体側に凹面を向けたメニスカス形状の負レンズL20と、から構成され、全体として負のパワーを有する。またリアユニットRUは像面に対して常時固定されている。