(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025102648
(43)【公開日】2025-07-08
(54)【発明の名称】積層型電子部品
(51)【国際特許分類】
H01G 4/30 20060101AFI20250701BHJP
【FI】
H01G4/30 201C
H01G4/30 513
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024181518
(22)【出願日】2024-10-17
(31)【優先権主張番号】10-2023-0191131
(32)【優先日】2023-12-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】594023722
【氏名又は名称】サムソン エレクトロ-メカニックス カンパニーリミテッド.
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】キム、オク ナム
(72)【発明者】
【氏名】リー、テク ジュン
(72)【発明者】
【氏名】リー、クワン ヨウル
(72)【発明者】
【氏名】ジャン、ユーン エー
【テーマコード(参考)】
5E001
5E082
【Fターム(参考)】
5E001AB03
5E001AC01
5E001AC03
5E082AB03
5E082EE16
(57)【要約】 (修正有)
【課題】電気的特性に優れた積層型電子部品を提供する。
【解決手段】積層型電子部品は、第1方向に互いに向かい合う第1面及び第2面、第1面及び第2面と連結され、第2方向に互いに向かい合う第3面3及び第4面4、第1面~第4面と連結され、第3方向に互いに向かい合う第5面及び第6面を含み、誘電体層111及び誘電体層と第1方向に交互に配置され、第3面及び第4面のいずれか一つの露出面に露出し、第5面及び第6面と離隔した内部電極121、122を含む本体110及び露出面に配置されて内部電極と連結される外部電極131、132を含み、露出面で測定した内部電極の第3方向の中央部の厚さと第3方向への幅をそれぞれT1及びW1とし、本体の第2方向の中央部CP2で測定した内部電極の第3方向の中央部の厚さと第3方向への幅をそれぞれT2及びW2とするとき、T1>T2及び0.6≦W2/W1≦0.9を満たす。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1方向に互いに向かい合う第1面及び第2面、前記第1面及び前記第2面と連結され、第2方向に互いに向かい合う第3面及び第4面、前記第1面、前記第2面、前記第3面及び前記第4面と連結され、第3方向に互いに向かい合う第5面及び第6面を含み、
誘電体層及び前記誘電体層と前記第1方向に交互に配置され、前記第3面及び前記第4面のいずれか一つの露出面に露出し、前記第5面及び前記第6面と離隔した内部電極を含む本体と、
前記露出面に配置されて前記内部電極と連結される外部電極と、を含み、
前記露出面で測定した前記内部電極の第3方向の中央部の厚さと第3方向への幅をそれぞれT1及びW1とし、前記本体の第2方向の中央部で測定した前記内部電極の第3方向の中央部の厚さと第3方向への幅をそれぞれT2及びW2とするとき、T1>T2及び0.6≦W2/W1≦0.9を満たす、積層型電子部品。
【請求項2】
前記T1及びT2は、0.5≦T2/T1<1を満たす、請求項1に記載の積層型電子部品。
【請求項3】
前記内部電極は、前記本体の第2方向の中央部に配置されたメイン部、及び前記メイン部から前記露出面に延びるリード部を含み、
前記リード部は、前記メイン部よりも第3方向への幅が広く、前記メイン部から前記露出面に向かうにつれて前記第3方向への幅が徐々に広くなる、請求項1に記載の積層型電子部品。
【請求項4】
前記本体の第2方向及び第3方向の断面において、前記リード部の第3方向への側端は曲率を有する、請求項3に記載の積層型電子部品。
【請求項5】
前記本体の第2方向及び第3方向の断面において、前記リード部の第3方向への側端の曲率半径は50μm~90μmである、請求項4に記載の積層型電子部品。
【請求項6】
前記本体の第2方向及び第3方向の断面において、前記露出面と離隔した前記内部電極の第2方向の端と前記内部電極の第3方向への側端が接するエッジは曲率を有する、請求項1に記載の積層型電子部品。
【請求項7】
前記本体の第2方向及び第3方向の断面において、前記エッジの曲率半径は10μm~20μmである、請求項6に記載の積層型電子部品。
【請求項8】
前記露出面で測定した前記内部電極の第3方向への側端の厚さをT1'とするとき、T1>T1'を満たす、請求項1に記載の積層型電子部品。
【請求項9】
前記内部電極は、前記露出面で測定した厚さが前記内部電極の第3方向の中央部から前記内部電極の第3方向への側端に向かうにつれて減少する形態を有する、請求項1に記載の積層型電子部品。
【請求項10】
前記内部電極は、前記露出面から前記本体の内部に向かうにつれて第3方向への幅が減少する形態を有する、請求項1に記載の積層型電子部品。
【請求項11】
前記内部電極は、前記露出面から前記本体の内部に向かうにつれて厚さが減少する形態を有する、請求項1に記載の積層型電子部品。
【請求項12】
前記内部電極は前記露出面に突出する、請求項1に記載の積層型電子部品。
【請求項13】
前記積層型電子部品の第1方向への厚さは150μm以下であり、
前記積層型電子部品の第2方向への長さは250μm以下であり、
前記積層型電子部品の第3方向への幅は150μm以下である、請求項1から12のいずれか一項に記載の積層型電子部品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、積層型電子部品に関するものである。
【背景技術】
【0002】
積層型電子部品の一つである積層セラミックキャパシタ(MLCC:Multi-Layered Ceramic Capacitor)は、スマートフォン、スマートウォッチ、ウェアラブルデバイスなど、様々な電子製品のプリント回路基板に装着されて、電気を充電または放電させる役割を果たすチップ形態のコンデンサである。このようなMLCCは、小型でありながら高容量が保証され、実装が容易であるという利点により、様々な電子装置の部品として用いられることができる。
【0003】
最近、様々な電子製品に搭載されるMLCCの小型化が求められており、最近MLCCは基板内部に内蔵されたり、AP(Application Processor)とプリント回路基板との間に実装されることもある。これにより、厚さが薄い超小型MLCCの市場が拡大している。
【0004】
但し、超小型MLCCの場合、内部電極の幅と厚さも一緒に減少することになる。内部電極の幅と厚さが減少すると、内部電極と外部電極との間の接触不良が発生しやすくなり、これによってMLCCの容量が低下したり、容量散布が発生することがある。かかる問題点を解決するために、内部電極の新しい構造を設計する必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の様々な目的の一つは、電気的特性に優れた積層型電子部品を提供することである。
【0006】
但し、本発明の目的は、上述した内容に限定されず、本発明の具体的な実施形態を説明する過程でより容易に理解することができる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一実施形態は、第1方向に互いに向かい合う第1面及び第2面、上記第1面及び第2面と連結され、第2方向に互いに向かい合う第3面及び第4面、上記第1面~第4面と連結され、第3方向に互いに向かい合う第5面及び第6面を含み、誘電体層及び上記誘電体層と上記第1方向に交互に配置され、上記第3面及び第4面のいずれか一つの露出面に露出し、上記第5面及び第6面と離隔した内部電極を含む本体及び上記露出面に配置されて上記内部電極と連結される外部電極を含み、上記露出面で測定した上記内部電極の第3方向の中央部の厚さと第3方向への幅をそれぞれT1及びW1とし、上記本体の第2方向の中央部で測定した上記内部電極の第3方向の中央部の厚さと第3方向への幅をそれぞれT2及びW2とするとき、T1>T2及び0.6≦W2/W1≦0.9を満たす積層型電子部品を提供する。
【発明の効果】
【0008】
本発明の様々な効果の一つとして、電気的特性に優れた積層型電子部品を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の一実施形態による積層型電子部品を概略的に示した斜視図である。
【
図2】
図1のI-I'線に沿った切断断面を概略的に示した断面図である。
【
図3】
図1のII-II'線に沿った切断断面を概略的に示した断面図である。
【
図4】
図1のIII-III'線に沿った切断断面を概略的に示した断面図である。
【
図5】
図2のIV-IV'線に沿った切断断面を概略的に示した断面図である。
【
図6】
図2のV-V'線に沿った切断断面を概略的に示した断面図である。
【
図8】
図2のK1領域の様々な例を概略的に示した拡大図である。
【
図9】
図2のK1領域の様々な例を概略的に示した拡大図である。
【
図10】本発明の一実施形態による積層型電子部品を製造するための内部電極パターンが印刷されたセラミックグリーンシートを概略的に示した平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、具体的な実施形態及び添付の図面を参照して、本発明の実施形態を説明する。しかし、本発明の実施形態は、様々な他の形態に変形することができ、本発明の範囲が以下説明する実施形態に限定されるものではない。また、本発明の実施形態は、通常の技術者に本発明をより完全に説明するために提供されるものである。したがって、図面における要素の形状及び大きさなどはより明確な説明のために拡大縮小表示(または強調表示や簡略化表示)がされることがあり、図面上に同一符号で示される要素は同一要素である。
【0011】
尚、図面において本発明を明確に説明するために説明と関係ない部分は省略し、図示した各構成の大きさ及び厚さは、説明の便宜のために任意で示したものであるため、本発明は必ずしも図示により限定されない。また、同一の思想の範囲内の機能が同一である構成要素は、同一の参照符号を用いて説明する。さらに、明細書全体において、ある部分がある構成要素を「含む」というのは、特に反対される記載がない限り、他の構成要素を除外するのではなく、他の構成要素をさらに含むことができることを意味する。
【0012】
図面において、第1方向は厚さT方向、第2方向は長さL方向、第3方向は幅W方向と定義することができる。
【0013】
積層型電子部品
図1は、本発明の一実施形態による積層型電子部品を概略的に示した斜視図であり、
図2は、
図1のI-I'線に沿った切断断面を概略的に示した断面図であり、
図3は、
図1のII-II'線に沿った切断断面を概略的に示した断面図であり、
図4は、
図1のIII-III'線に沿った切断断面を概略的に示した断面図であり、
図5は、
図2のIV-IV'線に沿った切断断面を概略的に示した断面図であり、
図6は、
図2のV-V'線に沿った切断断面を概略的に示した断面図であり、
図7は、
図5と
図6を重ねて示した図面であり、
図8及び
図9は、
図2のK1領域の様々な例を概略的に示した拡大図であり、
図10は、本発明の一実施形態による積層型電子部品を製造するための内部電極パターンが印刷されたセラミックグリーンシートを概略的に示した平面図である。
【0014】
以下、
図1~
図10を参照して、本発明の一実施形態による積層型電子部品100について詳細に説明する。また、積層型電子部品の一例として、積層セラミックキャパシタについて説明するが、本発明がこれに限定されるものではなく、多様な積層型電子部品、例えば、インダクタ、圧電体素子、バリスタ、またはサーミスタなどにも適用されることができる。
【0015】
積層型電子部品100のサイズは特に制限されない。但し、上述したように、本発明は、超小型の積層型電子部品100の内部電極121、122と外部電極131、132との間の接触性を改善するためのものであり、積層型電子部品100の第1方向への厚さToは、例えば150μm以下であることができ、積層型電子部品100の第2方向への長さLoは、例えば、250μm以下であることができ、積層型電子部品100の第3方向への幅Woは、例えば150μm以下であることができる。積層型電子部品100の第1方向への厚さToの下限は特に制限されないが、例えば50μm以上であることができ、積層型電子部品100の第2方向への長さLoの下限は特に制限されないが、例えば100μm以上であることができ、積層型電子部品100の第3方向への幅Woは特に制限されないが、例えば50μm以上であることができる。
【0016】
積層型電子部品100は、誘電体層111及び内部電極121、122を含む本体110と外部電極131、132を含むことができる。
【0017】
本体110の具体的な形状に特に制限はないが、図示のように本体110は、六面体状またはこれと類似した形状からなることができる。焼成過程で本体110に含まれたセラミック粉末の収縮やエッジ部の研磨により、本体110は完全な直線を有する六面体状ではないが、実質的に六面体状を有することができる。
【0018】
本体110は、第1方向に互いに向かい合う第1面1及び第2面2、第1面1及び第2面2と連結され、第2方向に互いに向かい合う第3面3及び第4面4、第1面1、第2面2、第3面3及び第4面4と連結され、第3方向に互いに向かい合う第5面5及び第6面6を有することができる。本体110の第1面1、第2面2、第3面3、第4面4、第5面5及び第6面6のうち少なくとも1つの面の表面粗さは、表面の算術平均粗さ(Ra)が0.2um~1umであることができる。
【0019】
本体110は、誘電体層111及び誘電体層111と第1方向に交互に配置される内部電極121、122を含むことができる。本体110を形成する複数の誘電体層111は焼成された状態であり、隣接する誘電体層111間の境界は走査電子顕微鏡(SEM)を利用せずには確認しにくいほど一体化することができる。
【0020】
誘電体層111は、例えば、ABO3で表されるペロブスカイト型化合物を主成分として含むことができる。ABO3で表されるペロブスカイト型化合物は、例えば、BaTiO3、(Ba1-xCax)TiO3(0<x<1)、Ba(Ti1-yCay)O3(0<y<1)、(Ba1-xCax)(Ti1-yZry)O3(0<x<1、0<y<1)、Ba(Ti1-yZry)O3(0<y<1)、CaZrO3または(Ca1-xSrx)(Zr1-yTiy)O3(0<x≦0.5、0<y≦0.5)であることができる。
【0021】
誘電体層111の厚さは特に制限されない。例えば、本体110の第2方向の中央部で測定した誘電体層111の平均厚さは、0.1μm~0.6μm、0.1μm~0.5μmまたは0.1μm~0.4μmであることができる。
【0022】
ここで、誘電体層111の平均厚さは、誘電体層111の第1方向への平均厚さを意味する。本体110の第2方向の中央部で測定した誘電体層111の平均厚さは、本体110の第1方向及び第2方向の断面のうち、第2方向の中央部を1万倍率の走査電子顕微鏡(SEM)でスキャンして測定することができる。より具体的には、本体110の第2方向の中央部から第2方向に等間隔の10個の地点で誘電体層111の厚さを測定した後、平均値をとることで誘電体層111の平均厚さを測定することができる。一方、このような平均値測定をそれぞれ10個の誘電体層111について実施した後、平均値を測定すると誘電体層111の平均厚さをさらに一般化することができる。
【0023】
内部電極121、122は、例えば、誘電体層111を挟んで第1方向に交互に配置される第1内部電極121及び第2内部電極122を含むことができる。すなわち、互いに異なる極性を有する一対の電極である第1内部電極121と第2内部電極122が誘電体層111を挟んで互いに対向するように配置されることができる。第1内部電極121と第2内部電極122は、その間に配置された誘電体層111によって互いに電気的に分離することができる。
【0024】
内部電極121、122は、第3面及び第4面3、4のいずれか一つの露出面に露出し、第5面及び第6面5、6とは離隔することができる。すなわち、第1内部電極121は第3面に露出し、第5面及び第6面5、6とは離隔することができ、第2内部電極122は第4面に露出し、第5面及び第6面5、6とは離隔することができる。以下、第1内部電極121の端が露出する第3面3を第1露出面と定義することができ、第2内部電極122の端が露出する第4面4を第2露出面と定義することができる。
【0025】
内部電極121、122に含まれる金属は、Ni、Cu、Pd、Ag、Au、Pt、Sn、W、Ti及びこれらの合金のうち1つ以上であることができ、より好ましくはNiを含むことができるが、本発明はこれに限定されない。
【0026】
本体110は、本体110の内部に配置され、誘電体層111を挟んで互いに交互に配置される第1内部電極121及び第2内部電極122を含んで容量が形成される容量形成部と容量形成部の第1方向の一側及び他側にそれぞれ配置される第1カバー部112及び第2カバー部113を含むことができる。カバー部112、113は、基本的に物理的または化学的ストレスによる内部電極の損傷を防止する役割を果たすことができる。カバー部112、113は、内部電極を含まないことを除いては、誘電体層111と類似した構成を有することができる。
【0027】
外部電極131、132は上記露出面に配置されて、内部電極121、122と連結されることができる。例えば、外部電極131は、第3面3に配置されて、第1面1、第2面2、第5面5及び第6面6の一部上に延びる第1外部電極131、及び第4面4に配置されて、第1面1、第2面2、第5面5及び第6面6の一部上に延びる第2外部電極132を含むことができる。第1外部電極131は、第3面3で第1内部電極121と連結されることができ、第2外部電極132は、第4面4で第2内部電極122と連結されることができる。
【0028】
外部電極131、132の種類や形態は特に制限されず、多層構造を有することができる。例えば、外部電極131、132は、内部電極121、122と接触する下地電極層131a、132a及び下地電極層131a、132a上に配置されるめっき層131b、132bを含むことができる。
【0029】
下地電極層131a、132aは、金属及びガラスを含む焼結電極層であることができる。下地電極層131a、132aに含まれる金属は、Cu、Ni、Pd、Pt、Au、Ag、Pb及び/またはこれらを含む合金などを含むことができるが、本発明がこれに限定されるものではない。下地電極層131a、132aに含まれるガラスは、Ba、Ca、Zn、Al、B及びSiのうち1つ以上の酸化物を含むことができるが、本発明がこれに限定されるものではない。
【0030】
一方、下地電極層131a、132aは、金属及びガラスを含む焼結電極層のみで構成されることができるが、本発明がこれに制限されるものではなく、下地電極層131a、132aは多層構造を有することができる。例えば、下地電極層131a、132aは、内部電極121、122と接触する下地めっき層及び上記下地めっき層上に配置される焼結電極層を含むことができる。
【0031】
上記下地めっき層は、上記露出面の一部上にのみ配置されることができ、上記焼結電極層は上記露出面で第1面、第2面、第5面及び第6面1、2、5、6の一部上に延びることができる。上記下地めっき層は、内部電極121、122と外部電極131、132との間の接触性を改善する役割を果たすことができる。上記下地めっき層は、内部電極121、122の端に配置されることができ、上記露出面で不連続に配置されることができる。上記下地めっき層は、Ni、Cu、及びPdのうち1つ以上を含むことができる。
【0032】
めっき層131b、132bは、実装特性を向上させることができる。めっき層131b、132bは、例えば、Ni、Sn、Pd及び/またはこれらを含む合金などを含むことができ、複数の層から形成されることもできる。めっき層131b、132bは、例えば、Niめっき層またはSnめっき層であることができ、Niめっき層及びSnめっき層が順次形成された形態であることもできる。また、めっき層131b、132bは、複数のNiめっき層及び/または複数のSnめっき層を含むこともできる。
【0033】
図面では、積層型電子部品100が2つの外部電極131、132を有する構造を説明しているが、これに限定されるものではなく、外部電極131、132の個数や形状などは内部電極121、122の形態やその他の目的に応じて変わることができる。
【0034】
図3及び
図4を参照すると、上記露出面で測定した内部電極121、122の第3方向の中央部の厚さと第3方向への幅をそれぞれT1及びW1とし、本体110の第2方向の中央部で測定した内部電極121、122の第3方向の中央部の厚さと第3方向への幅をそれぞれT2及びW2とするとき、T1>T2及びW1>W2を満たすことができる。
【0035】
例えば、上記第1露出面で測定した第1内部電極121の第3方向の中央部の厚さは、本体110の第2方向の中央部で測定した第1内部電極121の第3方向の中央部の厚さより厚く、上記第1露出面で測定した第1内部電極121の第3方向への幅は、本体110の第2方向の中央部で測定した第1内部電極121の第3方向への幅より広いことができる。
【0036】
例えば、上記第2露出面で測定した第2内部電極122の第3方向の中央部の厚さは、本体110の第2方向の中央部で測定した第2内部電極122の第3方向の中央部の厚さより厚く、上記第2露出面で測定した第2内部電極122の第3方向への幅は、本体110の第2方向の中央部で測定した第2内部電極122の第3方向への幅より広いことができる。
【0037】
内部電極121、122は、本体110の第2方向の中央部よりも上記露出面で第1方向への厚さが厚く、第3方向への幅が広いため、内部電極121、122と外部電極131、132との間の接触面積を増加させることができ、結果的に積層型電子部品100の容量散布を抑制するなど、積層型電子部品100の電気的特性を改善することができる。
【0038】
一方、内部電極121、122と外部電極131、132との間の接触面積を増加させるために、内部電極121、122の第1方向への厚さを全体的に増加させると、超小型の積層型電子部品100の容量が過度に低下することがあり、内部電極121、122の第3方向への幅を全体的に増加させると、本体110にクラックが発生したり、積層型電子部品100の耐湿信頼性が低下するおそれがある。したがって、T1>T2及びW1>W2を満たすことが好ましいことができる。
【0039】
本発明の一実施形態によると、0.6≦W2/W1≦0.9を満たすことができる。W2/W1が上記条件を満たすとき、内部電極121、122と外部電極131、132との間の接触性を改善しながらも積層型電子部品100の信頼性を確保することができる。
【0040】
W1が大きすぎてW2/W1が0.6未満である場合、積層型電子部品100の耐湿信頼性が低下したり、本体110にクラックが発生するおそれがある。W2が小さすぎてW2/W1が0.6未満の場合、積層型電子部品100の容量が低下するおそれがある。W1が小さすぎてW2/W1が0.9超過である場合、本発明の内部電極121、122と外部電極131、132との間の接触性の改善効果が僅かであり、W2が大きすぎてW2/W1が0.9超過の場合、積層型電子部品100の耐湿信頼性が低下したり、本体110にクラックが発生するおそれがある。
【0041】
一方、W1は特に制限されるものではないが、本体110の第3方向への幅をWbとするとき、Wbに対するW1の割合(W1/Wb)は、0.2以上0.8以下であることができる。上記W1/Wbが0.2未満の場合、本発明の内部電極121、122と外部電極131、132との間の接触性の改善効果が僅かであり、上記W1/Wbが0.8超過である場合、積層型電子部品100の耐湿信頼性が低下したり、本体110にクラックが発生するおそれがある。
【0042】
本発明の一実施形態によると、0.5≦T2/T1<1を満たすことができる。T2/T1が上記条件を満たすとき、内部電極121、122と外部電極131、132との間の接触性を改善しながらも積層型電子部品100の信頼性を確保することができる。
【0043】
T1が大きすぎてT2/T1が0.5未満の場合、内部電極121、122のデラミネーションが発生したり、本体110にクラックが発生して積層型電子部品100の耐湿信頼性が低下するおそれがある。T2が小さすぎてT2/T1が0.5未満の場合、絶縁破壊電圧の特性が低下するおそれがある。一方、T2/T1の上限は特に制限されず、T2/T1は1未満であることができる。
【0044】
一方、上記T1は特に制限されるものではないが、例えば0.2μm以上2.0μm以下であることができる。
【0045】
上記T1及びW1は、上記露出面まで積層型電子部品100を第2方向に研磨して、上記露出面を露出させた後(例えば、
図3に示された断面)、上記露出面を走査電子顕微鏡(SEM)で観察したイメージで測定されることができる。但し、本明細書において、上記T1及びW1を上記露出面で測定するということは、通常の知識を有する者が上記T1及びW1を上記露出面で測定したものであると納得できる程度に、上記露出面の近傍で上記T1及びW1を測定したことを意味することができる。したがって、測定のための研磨工程の誤差を考慮すると、上記T1及びW1は、正確に露出面で測定されることができるだけでなく、上記露出面から第2方向への距離が5μm以内である本体110の第1方向及び第3方向の断面で測定されることもできる。一方、上記T1は本体110の第3方向の真ん中CP3で測定されることができる。
【0046】
上記T2及びW2は、本体110の第2方向の中央部まで積層型電子部品100を第2方向に研磨して、本体110の第2方向の中央部を露出させた後(例えば、
図4に示された断面)、上記露出した断面を走査電子顕微鏡(SEM)で観察したイメージで測定されることができる。一方、上記T2及びW2は、本体110の第2方向の真ん中CP2で測定されることができるだけでなく、測定のための研磨工程の誤差を考慮して本体110の第2方向の真ん中CP2から第2方向への距離が5μm以内の第1方向及び第3方向の断面で測定されることもできる。一方、上記T2は、本体110の第3方向の真ん中CP3で測定されることができる。
【0047】
上記露出面で測定した内部電極121、122の第3方向への側端の厚さをT1'とするとき、T1>T1'を満たすことができる。一実施形態において、上記露出面で測定した内部電極121、122の厚さは、内部電極121、122の第3方向の中央部から内部電極121、122の第3方向への側端に向かうにつれて減少する形態を有することができる。すなわち、上記第1露出面で測定した第1内部電極121の厚さは、第1内部電極121の第3方向の中央部から第1内部電極121の第3方向への側端に向かうにつれて減少する形態を有し、上記第2露出面で測定した第2内部電極122の厚さは、第2内部電極122の第3方向の中央部から第2内部電極122の第3方向への側端に向かうにつれて減少する形態を有することができる。
【0048】
ここで、内部電極121、122の厚さが内部電極121、122の第3方向の中央部から内部電極121、122の第3方向への側端に向かうにつれて減少する形態を有するということは、一部の区間における内部電極121、122の厚さが一定であるか、一部の区間で内部電極121、122の厚さが内部電極121、122の第3方向の中央部から内部電極121、122の第3方向への側端に向かうにつれて増加しても、内部電極121、122の第3方向の中央部から内部電極121、122の第3方向への側端に向かうにつれて内部電極121、122の厚さが全体的に減少する傾向を有することを意味することができる。
【0049】
また、
図2を参照すると、内部電極121、122は、上記露出面から本体110の内部に向かうにつれて厚さが減少する形態を有することができる。すなわち、第1内部電極121は、上記第1露出面から本体110の内部に向かうにつれて厚さが減少する形態を有することができ、第2内部電極122は、上記第2露出面で本体110の内部に向かうにつれて厚さが減少する形態を有することができる。
【0050】
ここで、内部電極121、122の厚さが上記露出面から本体110の内部に向かうにつれて減少する形態を有するということは、一部の区間における内部電極121、122の厚さが一定であるか、一部の区間における内部電極121、122の厚さが上記露出面から本体110の内部に向かうにつれて増加しても、上記露出面から本体110の内部に向かうにつれて内部電極121、122の厚さが全体的に減少する傾向を有することを意味する。
【0051】
図5~
図7を参照すると、内部電極121、122は、本体110の第2方向の中央部に配置されたメイン部121a、122a、及びメイン部121a、122aから上記露出面に延びるリード部121b、122bを含むことができる。
【0052】
第1内部電極121は、本体110の第2方向の中央部に配置された第1メイン部121a、及び第1メイン部121aから上記第1露出面に延びる第1リード部121bを含むことができる。
【0053】
第2内部電極122は、本体110の第2方向の中央部に配置された第2メイン部122a、及び第2メイン部122aから上記第2露出面に延びる第2リード部122bを含むことができる。第1メイン部121aは、第2メイン部122aと第1方向に重なることで積層型電子部品100の容量を形成することができる。
【0054】
リード部121b、122bは、メイン部121a、122aよりも第3方向への幅が広く、メイン部121a、122aから上記露出面に向かうにつれて第3方向への幅が徐々に広くなることができる。第1メイン部121aの一部は、第2リード部122bと第1方向に重なることができ、第2メイン部122aの一部は第1リード部121bと第1方向に重なることができるが、本発明はこれに限定されない。
【0055】
本体110の第2方向及び第3方向の断面において、リード部の第3方向への側端SE1、SE2は曲率を有することができる。一実施形態において、本体110の第2方向及び第3方向の断面において、リード部の第3方向への側端SE1、SE2の曲率半径は50μm~90μmであることができる。一方、本体110の第2方向及び第3方向の断面においてメイン部121a、122aの第3方向への側端は、実質的に直線であることができるが、本発明はこれに限定されない。メイン部121a、122aとリード部121b、122bとの間の境界は、内部電極121、122の第3方向への側端の傾きが不連続に変化する地点として定義されることができる。
【0056】
本体110の第2方向及び第3方向の断面において、上記露出面と離隔した内部電極121、122の第2方向の端と内部電極121、122の第3方向への側端が接するエッジEG1、EG2は曲率を有することができる。これにより、積層型電子部品100の耐電圧特性を改善することができる。エッジEG1、EG2の曲率半径は、リード部の第3方向への側端SE1、SE2の曲率半径よりも小さいことができる。
【0057】
一実施形態において、本体110の第2方向及び第3方向の断面において、上記エッジEG1、EG2の曲率半径は10μm~20μmであることができる。上記エッジEG1、EG2の曲率半径が10μm未満であると、エッジEG1、EG2に電流が集中して積層型電子部品100の耐電圧特性が低下することがある。エッジEG1、EG2の曲率半径が20μm超過であると、積層型電子部品100の容量が低下するおそれがある。
【0058】
図5~
図7を参照すると、内部電極121、122は、露出面から本体110の内部に向かうにつれて第3方向への幅が減少する形態を有することができる。ここで、内部電極121、122の第3方向への幅が上記露出面から本体110の内部に向かうにつれて減少する形態を有するということは、一部の区間で内部電極121、122の第3方向への幅が一定であるか、一部の区間で内部電極121、122の第3方向への幅が上記露出面から本体110の内部に向かうにつれて増加しても、上記露出面で本体110の内部に向かうにつれて内部電極121、122の第3方向への幅が全体的に減少する傾向を有することを意味する。
【0059】
図9を参照すると、一実施形態において、内部電極は上記露出面に突出することができる。例えば、第1内部電極121は第1露出面に突出することができる。図示されてはいないが、第2内部電極122は第2露出面に突出することができる。内部電極121、122が上記露出面に突出すると、内部電極121、122と外部電極131、132との間の接触性を改善することができる。第1内部電極121が第1露出面から突出した長さLpは特に制限されないが、例えば0.1μm~1.0μmであることができる。第1内部電極121が上記第1露出面から突出した長さLpが0.1μm未満であると、内部電極121、122と外部電極131、132との間の接触性の改善効果が僅かであることがあり、1.0μm超過であると、内部電極121、122の突出長さが過度であって本体110にクラックが発生するおそれがある。
【0060】
以下、
図10を参照して、本発明の一実施形態による積層型電子部品100を形成する方法の一例について説明する。
【0061】
まず、セラミックグリーンシート211a、211bを形成するためのセラミック粉末を用意する。セラミック粉末は、例えば、BaTiO3、BaTiO3にCa(カルシウム)、Zr(ジルコニウム)等が一部固溶された(Ba1-xCax)TiO3(0<x<1)、Ba(Ti1-yCay)O3(0<y<1)、(Ba1-xCax)(Ti1-yZry)O3(0<x<1、0<y<1)、Ba(Ti1-yZry)O3(0<y<1)、CaZrO3、または(Ca1-xSrx)(Zr1-yTiy)O3(0<x≦0.5、0<y≦0.5)であることができる。次に、用意されたセラミック粉末を乾燥及び粉砕した後、エタノール等の有機溶剤及びポリビニルブチラール等のバインダーを混合してセラミックスラリーを製造した後、上記セラミックスラリーをキャリアフィルム(carrier film)上に塗布及び乾燥してセラミックグリーンシート211a、211bを設ける。
【0062】
次に、セラミックグリーンシート211a、211b上に所定の厚さで金属粉末、バインダー、有機溶剤などを含む内部電極用導電性ペーストをスクリーン印刷法またはグラビア印刷法などを用いて印刷することで内部電極パターン221、222を形成する。より具体的には、第1セラミックグリーンシート211a上に複数の第1内部電極パターン221を形成し、第2セラミックグリーンシート211b上に複数の第2内部電極パターン222を形成する。
【0063】
一方、第1内部電極パターン221は、第1凸部221a、及び第1凸部221aから延びる第1延長部221b及び第2延長部221cを含むことができる。第1凸部221aは、第1延長部221b及び第2延長部221cより厚さが厚く、第3方向への幅が広いことができる。また、第2内部電極パターン222は、第2凸部222a、及び第2凸部222aから延びる第3延長部222b及び第4延長部222cを含むことができる。第2凸部222aは、第3延長部222b及び第4延長部222cより厚さが厚く、第3方向への幅が広いことができる。凸部221a、222aは焼成によって内部電極121、122のリード部121b、122bを形成することができ、延長部221b、221c、222b、222cは焼成によって内部電極121、122のメイン部121a、122aを形成することができる。
【0064】
凸部221a、222aを形成する方法は、特に制限されない。例えば、内部電極パターン221、222をグラビア印刷法で形成する場合、グラビアローラのパターンセルや上記パターンセルに含まれた微細セルのサイズを調節して凸部221a、222aを形成することができる。例えば、凸部221a、222aと対応する微細セルのサイズを減らすと、凸部221a、222aの厚さを増加させることができる。
【0065】
この後、内部電極パターン221、222が印刷されたセラミックグリーンシート211a、211bをキャリアフィルムから剥離する。次に、第1内部電極パターン221が形成された第1セラミックグリーンシート211aと第2内部電極パターンが形成された第2セラミックグリーンシート211bを所定の層数だけ交互に積層した後、圧着してセラミック積層体を形成する。上記セラミック積層体の上下部には、焼成後にカバー部112、113を形成するために内部電極パターンが形成されていないセラミックグリーンシートを所定の層数だけ積層することができる。
【0066】
この後、上記セラミック積層体を所定のチップサイズを有するように複数の第1切断ラインC1及び複数の第2切断ラインC2に沿って切断する。凸部221a、222aは、第1切断ラインC1上に位置することができる。この後、切断されたチップを例えば1000℃以上1400℃以下の温度で焼成すると本体110を形成することができる。
【0067】
この後、本体110を金属粉末、ガラスフリット、バインダー及び有機溶剤等を含む導電性ペーストにディッピング(dipping)した後、上記導電性ペーストを例えば500℃~900℃の温度で焼成することで下地電極層131a、132aを形成することができる。
【0068】
下地電極層131a、132aが下地めっき層及び上記下地めっき層上に配置される焼結電極層を含む場合、本体110に電解めっき法及び/又は無電解めっき法を介して下地めっき層を形成した後、下地めっき層が形成された本体110を上記導電性ペーストにディッピングした後に焼成することで下地電極層131a、132aを形成することもできる。
【0069】
次に、電解めっき法及び/または無電解めっき法を用いてめっき層131b、132bを形成することで、積層型電子部品100を製造することができる。但し、上述した製造方法は一例であり、積層型電子部品100の製造方法が上述した製造方法に限定されるものではない。
【0070】
(実験例)
上述した方法で、0201サイズ(Lo:約2.0mm、Wo:約1.0mm、To:約1.0mm)のサンプルチップを製作した。この後、上記露出面が外部に露出するようにサンプルチップを研磨し、上記露出面(第1方向及び第3方向の断面)を走査電子顕微鏡(SEM)で観察して上記T1及びW1を測定した。上記T1は、サンプルチップの本体の第3方向の真ん中で測定した。次に、本体の第2方向の中央部までサンプルチップを研磨した後、露出した断面(第1方向及び第3方向の断面)を走査電子顕微鏡(SEM)で観察して上記T2及びW2を測定した。上記T2は、サンプルチップの本体の第3方向の真ん中で測定した。一方、下記表1において、各試料番号のW2は50μm、T2は1.0μmに固定し、各試料番号別にT1及びW1のみを調節するが、T1はT2よりも大きくなるように調節した。
【0071】
この後、W2/W1及びT2/T1による接触性評価及びクラック不良有無の評価を行った。具体的には、接触性は、容量測定器(Capacitance meter)で評価した。目標容量である100pFを基準に、容量が90pF以上である場合を接触性が良好(○)、容量が80pF以上である場合を接触性が普通(△)とし、容量が80pF未満である場合を接触性が不良(×)と判断して、下記表1に記載した。また、クラック不良評価は、各試料番号別に100個のサンプルチップのうち、クラックが発生したサンプルチップが1つでも存在する場合を不良(NG)、1つも発生しない場合を良好(OK)と判断して、下記表1に記載した。
【0072】
【0073】
上記表1を参照すると、試料番号1-1、2-1、3-1、4-1を除いた残りの試料番号は、接触性が良好であるか、または普通であった。これは、試料番号1-1、2-1、3-1、4-1は、W2/W1が0.95であり、W2に対してW1が十分に大きくないため、内部電極と外部電極との間の接触性改善が十分でなかったためであると見られる。
【0074】
試料番号1-6、2-6、3-6、4-6の場合、接触性は良好または普通であったが、クラック不良が発生することが確認できる。これは、試料番号1-6、2-6、3-6、4-6はW2/W1が0.5であり、W2に対してW1が大きすぎてクラック不良が発生したためと見られる。
【0075】
試料番号4-1~4-6の場合、試料番号4-1を除いて接触性は良好であったが、クラック不良が全てにおいて発生した。これは、試料番号4-1~4-6はT2/T1が0.4であり、T2に対してT1が大きすぎて内部電極のデラミネーションによるクラック不良が発生したためと見られる。
【0076】
一方、試料番号1-2~1-5、試料番号2-2~2-5、試料番号3-2~3-5は、0.6≦W2/W1≦0.9及び0.5≦T2/T1<1を満たすことで、接触性も良好であり、クラック不良も発生しないことが確認できる。
【0077】
本発明は、上述の実施形態及び添付の図面によって限定されるものではなく、添付の特許請求の範囲によって限定される。したがって、特許請求の範囲に記載された本発明の技術的思想から外れない範囲内で、当技術分野における通常の知識を有する者によって多様な形態の置換、変形、及び変更が可能であり、これも本発明の範囲に属するといえる。
【0078】
また、「一実施形態」という表現は、互いに同一の実施形態を意味するものではなく、それぞれ互いに異なる固有の特徴を強調して説明するために提供されたものである。しかしながら、上記提示された一実施形態は、他の一実施形態の特徴と組み合わせて実現されることを排除しない。例えば、特定の一実施形態において説明された事項が他の一実施形態に説明されていなくても、他の一実施形態においてその事項と反対または矛盾する説明がない限り、他の一実施形態に関連する説明として理解することができる。
【0079】
本開示において、連結されるという意味は、直接連結された場合だけでなく、接着剤層などを介して間接的に連結された場合も含む概念である。また、電気的に連結されるという意味は、物理的に連結された場合及び連結されない場合をともに含む概念である。さらに、第1、第2などの表現は、ある構成要素と他の構成要素を区分するために用いられるものであって、該当構成要素の順序及び/又は重要度などを限定しない。場合によっては、権利範囲から逸脱せずに、第1構成要素は第2構成要素と命名されることもでき、同様に第2構成要素を第1構成要素と命名されることもできる。
【符号の説明】
【0080】
100 積層型電子部品
110 本体
111 誘電体層
112、113 カバー部
121、122 内部電極
121a、122a メイン部 121b、122b リード部
131、132 外部電極
131a、132a 下地電極層 131b、132b めっき層
211a、211b セラミックグリーンシート
221、222 内部電極パターン
221a、222a 凸部
221b、221c、222b、222c 延長部