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2025-102839レジスト組成物及びレジストパターンの製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025102839
(43)【公開日】2025-07-08
(54)【発明の名称】レジスト組成物及びレジストパターンの製造方法
(51)【国際特許分類】
   G03F 7/004 20060101AFI20250701BHJP
   G03F 7/039 20060101ALI20250701BHJP
   C07C 381/12 20060101ALI20250701BHJP
   C07C 309/17 20060101ALI20250701BHJP
   C09K 3/00 20060101ALI20250701BHJP
   C08F 220/10 20060101ALI20250701BHJP
   G03F 7/20 20060101ALI20250701BHJP
   C07D 307/00 20060101ALN20250701BHJP
【FI】
G03F7/004 503A
G03F7/039 601
C07C381/12
C07C309/17
C09K3/00 K
C08F220/10
G03F7/20 502
G03F7/20 505
G03F7/20 504
G03F7/20 503
G03F7/20 521
C07D307/00
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2025048215
(22)【出願日】2025-03-24
(62)【分割の表示】P 2020190192の分割
【原出願日】2020-11-16
(31)【優先権主張番号】P 2019213287
(32)【優先日】2019-11-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000002093
【氏名又は名称】住友化学株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000202
【氏名又は名称】弁理士法人新樹グローバル・アイピー
(72)【発明者】
【氏名】小室 勝洋
(72)【発明者】
【氏名】市川 幸司
(57)【要約】      (修正有)
【課題】良好なCD均一性(CDU)を有するレジスト組成物を提供する。
【解決手段】式(I)で表される塩を含有する酸発生剤と、酸不安定基を有する樹脂とを含有し、前記酸不安定基を有する樹脂は、式(a2-A)で表される構造単位を含むレジスト組成物。

【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)で表される塩を含有する酸発生剤と、酸不安定基を有する樹脂とを含有し、前記酸不安定基を有する樹脂は、式(a2-A)で表される構造単位を含むレジスト組成物。
[式(I)中、
及びQは、それぞれ独立に、フッ素原子又は炭素数1~6のペルフルオロアルキル基を表す。
及びRは、それぞれ独立に、水素原子、フッ素原子又は炭素数1~6のペルフルオロアルキル基を表す。
zは、0~6のいずれかの整数を表し、zが2以上のとき、複数のR及びRは互いに同一であっても異なってもよい。
1は、*-CO-O-、*-O-CO-、*-O-又は*-O-CO-O-を表し、*は、C(R)(R)又はC(Q)(Q)との結合部位を表す。
1は、*-ノルボルナンラクトン-(C=O)O-を表し、*は、X1との結合部位を表す。
及びRは、それぞれ独立に、水素原子又は炭素数1~6の飽和炭化水素基を表す。
Arは、置換基を有していてもよいフェニル基を表す。
は、式(b2-1)で表される有機カチオンを表す。
(式(b2-1)において、
b4~Rb6は、それぞれ独立に、フェニル基を表し、該フェニル基に含まれる水素原子は、ハロゲン原子、ヒドロキシ基又は炭素数1~12のアルコキシ基で置換されていてもよい。)]
[式(a2-A)中、
a50は、水素原子、ハロゲン原子又はハロゲン原子を有していてもよい炭素数1~6のアルキル基を表す。
a51は、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、炭素数1~6のアルキル基、炭素数1~6のアルコキシ基、炭素数2~12のアルコキシアルキル基、炭素数2~12のアルコキシアルコキシ基、炭素数2~4のアルキルカルボニル基、炭素数2~4のアルキルカルボニルオキシ基、アクリロイルオキシ基又はメタクリロイルオキシ基を表す。
a50は、単結合又は*-Xa51-(Aa52-Xa52nb-を表し、*は-Ra50が結合する炭素原子との結合部位を表す。
a52は、炭素数1~6のアルカンジイル基を表す。
a51及びXa52は、それぞれ独立に、-O-、-CO-O-又は-O-CO-を表す。
nbは、0又は1を表す。
mbは0~4のいずれかの整数を表す。mbが2以上のいずれかの整数である場合、複数のRa51は互いに同一であっても異なってもよい。]
【請求項2】
式(I)のRが、水素原子である請求項1に記載のレジスト組成物。
【請求項3】
式(I)におけるX1が、*-CO-O-又は*-O-CO-O-(但し、*は、C(R)(R)又はC(Q)(Q)との結合部位を表す。)である請求項1又は2に記載のレジスト組成物。
【請求項4】
前記酸不安定基を有する樹脂が、式(a1-1)で表される構造単位及び式(a1-2)で表される構造単位からなる群より選ばれる少なくとも1種を含む請求項1~3のいずれかに記載のレジスト組成物。
[式(a1-1)及び式(a1-2)中、
a1及びLa2は、それぞれ独立に、-O-又は*-O-(CHk1-CO-O-を表し、k1は1~7のいずれかの整数を表し、*は-CO-との結合手を表す。
a4及びRa5は、それぞれ独立に、水素原子又はメチル基を表す。
a6及びRa7は、それぞれ独立に、炭素数1~8のアルキル基、炭素数2~8のアルケニル基、炭素数3~18の脂環式炭化水素基、炭素数6~18の芳香族炭化水素基又はこれらを組合せた基を表す。
m1は、0~14のいずれかの整数を表す。
n1は、0~10のいずれかの整数を表す。
n1’は、0~3のいずれかの整数を表す。]
【請求項5】
酸発生剤から発生する酸よりも酸性度の弱い酸を発生する塩をさらに含有する請求項1~4のいずれかに記載のレジスト組成物。
【請求項6】
(1)請求項1~5のいずれかに記載のレジスト組成物を基板上に塗布する工程、
(2)塗布後の組成物を乾燥させて組成物層を形成する工程、
(3)組成物層に露光する工程、
(4)露光後の組成物層を加熱する工程、及び
(5)加熱後の組成物層を現像する工程、
を含むレジストパターンの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レジスト組成物及びレジストパターンの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、下記式で表される塩を酸発生剤として含有するレジスト組成物が記載
されている。
特許文献2には、下記式で表される塩を酸発生剤として含有するレジスト組成物が記載
されている。
特許文献3には、下記式で表される塩を酸発生剤として含有するレジスト組成物が記載
されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011-016794号公報
【特許文献2】特開2011-046694号公報
【特許文献3】特開2015-107955号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、上記の塩を含有するレジスト組成物から形成されたレジストパターンよりも
、良好なCD均一性(CDU)でレジストパターンを製造することができる塩を提供する
ことを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、以下の発明を含む。
[1]式(I)で表される塩。
[式(I)中、
及びQは、それぞれ独立に、フッ素原子又は炭素数1~6のペルフルオロアルキ
ル基を表す。
及びRは、それぞれ独立に、水素原子、フッ素原子又は炭素数1~6のペルフル
オロアルキル基を表す。
zは、0~6のいずれかの整数を表し、zが2以上のとき、複数のR及びRは互い
に同一であっても異なってもよい。
1は、*-CO-O-、*-O-CO-、*-O-又は*-O-CO-O-を表し、
*は、C(R)(R)又はC(Q)(Q)との結合部位を表す。
1は、単結合又は-L-O-(但し、Lは、置換基を有してもよい炭素数1~
28の炭化水素基を表し、該炭化水素基に含まれる-CH2-は、-O-、-S-、-S
-又は-CO-に置き換わっていてもよい。*は、X1との結合部位を表す。)
及びRは、それぞれ独立に、水素原子又は炭素数1~6の飽和炭化水素基を表す

Arは、置換基を有していてもよい炭素数6~36の芳香族炭化水素基を表す。
は、有機カチオンを表す。]
[2]Rが、水素原子である[1]記載の塩。
[3]Arは、置換基を有していてもよいフェニル基である[1]又は[2]記載の塩

[4]X1が、*-CO-O-又は*-O-CO-O-(但し、*は、C(R)(R
)又はC(Q)(Q)との結合部位を表す。)である[1]~[3]のいずれかに
記載の塩。
[5][1]~[4]のいずれかに記載の塩を含有する酸発生剤。
[6][5]記載の酸発生剤と酸不安定基を有する樹脂とを含有するレジスト組成物。
[7]酸不安定基を有する樹脂が、式(a1-1)で表される構造単位及び式(a1-
2)で表される構造単位からなる群より選ばれる少なくとも1種を含む[6]記載のレジ
スト組成物。
[式(a1-1)及び式(a1-2)中、
a1及びLa2は、それぞれ独立に、-O-又は*-O-(CHk1-CO-O-を表
し、k1は1~7のいずれかの整数を表し、*は-CO-との結合手を表す。
a4及びRa5は、それぞれ独立に、水素原子又はメチル基を表す。
a6及びRa7は、それぞれ独立に、炭素数1~8のアルキル基、炭素数2~8のアルケ
ニル基、炭素数3~18の脂環式炭化水素基、炭素数6~18の芳香族炭化水素基又はこ
れらを組合せた基を表す。
m1は、0~14のいずれかの整数を表す。
n1は、0~10のいずれかの整数を表す。
n1’は、0~3のいずれかの整数を表す。]
[8]酸不安定基を有する樹脂が、式(a2-A)で表される構造単位を含む[6]又
は[7]記載のレジスト組成物。
[式(a2-A)中、
a50は、水素原子、ハロゲン原子又はハロゲン原子を有していてもよい炭素数1~6
のアルキル基を表す。
a51は、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、炭素数1~6のアルキル基、炭素数1~6の
アルコキシ基、炭素数2~12のアルコキシアルキル基、炭素数2~12のアルコキシア
ルコキシ基、炭素数2~4のアルキルカルボニル基、炭素数2~4のアルキルカルボニル
オキシ基、アクリロイルオキシ基又はメタクリロイルオキシ基を表す。
a50は、単結合又は-Xa51-(Aa52-Xa52nb-を表し、*は-Ra50が結合す
る炭素原子との結合部位を表す。
a52は、炭素数1~6のアルカンジイル基を表す。
a51及びXa52は、それぞれ独立に、-O-、-CO-O-又は-O-CO-を表す。
nbは、0又は1を表す。
mbは0~4のいずれかの整数を表す。mbが2以上のいずれかの整数である場合、複
数のRa51は互いに同一であっても異なってもよい。]
[9]酸発生剤から発生する酸よりも酸性度の弱い酸を発生する塩をさらに含有する[
6]~[8]のいずれかに記載のレジスト組成物。
[10](1)[6]~[9]のいずれかに記載のレジスト組成物を基板上に塗布する
工程、
(2)塗布後の組成物を乾燥させて組成物層を形成する工程、
(3)組成物層に露光する工程、
(4)露光後の組成物層を加熱する工程、及び
(5)加熱後の組成物層を現像する工程、を含むレジストパターンの製造方法。
【発明の効果】
【0006】
本発明の塩を含有するレジスト組成物を用いることにより、良好なCD均一性(CDU
)でレジストパターンを製造することができる。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本明細書において、「(メタ)アクリル系モノマー」とは、「CH2=CH-CO-」
の構造を有するモノマー及び「CH2=C(CH3)-CO-」の構造を有するモノマーか
らなる群より選ばれる少なくとも1種を意味する。同様に「(メタ)アクリレート」及び
「(メタ)アクリル酸」とは、それぞれ「アクリレート及びメタクリレートからなる群よ
り選ばれる少なくとも1種」及び「アクリル酸及びメタクリル酸からなる群より選ばれる
少なくとも1種」を意味する。「CH2=C(CH3)-CO-」又は「CH2=CH-C
O-」を有する構造単位が例示されている場合には、双方の基を有する構造単位が同様に
例示されているものとする。また、本明細書中に記載する基において、直鎖構造と分岐構
造の両方をとり得るものについては、そのいずれでもよい。「由来する」又は「誘導され
る」とは、その分子中に含まれる重合性C=C結合が重合により-C-C-基となること
を指す。立体異性体が存在する場合は、全ての立体異性体を含む。また、「組み合わせた
基」とは、例示した基を2種以上、それらの価数を適宜変更して結合させた基を意味する

本明細書において、「レジスト組成物の固形分」とは、レジスト組成物の総量から、後
述する溶剤(E)を除いた成分の合計を意味する。
【0008】
<式(I)で表される塩>
本発明は、式(I)で表される塩(以下「塩(I)」という場合がある)に関する。
塩(I)のうち、負電荷を有する側を「アニオン(I)」、正電荷を有する側を「カチ
オン(I)」と称することがある。
[式中、全ての符号は、それぞれ前記と同じ意味を表す。]
【0009】
式(I)において、Q、Q、R及びRのペルフルオロアルキル基としては、ト
リフルオロメチル基、ペルフルオロエチル基、ペルフルオロプロピル基、ペルフルオロイ
ソプロピル基、ペルフルオロブチル基、ペルフルオロsec-ブチル基、ペルフルオロt
ert-ブチル基、ペルフルオロペンチル基、ペルフルオロヘキシル基などが挙げられる

及びQは、それぞれ独立に、好ましくはトリフルオロメチル基又はフッ素原子で
あり、より好ましくはフッ素原子である。
及びRは、それぞれ独立に、好ましくは水素原子又はフッ素原子であり、より好
ましくは水素原子である。
zは、0又は1であることが好ましい。
は、*-CO-O-、*-O-CO-O-又は*-O-CO-であることが好まし
く、*-CO-O-又は*-O-CO-O-であることがより好ましい(*はC(R
(R)又はC(Q)(Q)との結合位を表す。)。
【0010】
における2価の炭化水素基としては、アルカンジイル基等の2価の鎖式炭化水素基
、単環式又は多環式(スピロ環を含む)の2価の脂環式炭化水素基、2価の芳香族炭化水
素基が挙げられ、これらの基のうち2種以上を組み合わせた基(例えば脂環式炭化水素基
とアルカンジイル基とから形成される2価の炭化水素基)でもよい。
アルカンジイル基としては、メチレン基、エチレン基、プロパン-1,3-ジイル基、
ブタン-1,4-ジイル基、ペンタン-1,5-ジイル基、ヘキサン-1,6-ジイル基
、ヘプタン-1,7-ジイル基、オクタン-1,8-ジイル基、ノナン-1,9-ジイル
基、デカン-1,10-ジイル基、ウンデカン-1,11-ジイル基、ドデカン-1,1
2-ジイル基、トリデカン-1,13-ジイル基、テトラデカン-1,14-ジイル基、
ペンタデカン-1,15-ジイル基、ヘキサデカン-1,16-ジイル基及びヘプタデカ
ン-1,17-ジイル基等の直鎖状アルカンジイル基;及び
エタン-1,1-ジイル基、プロパン-1,1-ジイル基、プロパン-1,2-ジイル
基、プロパン-2,2-ジイル基、ペンタン-2,4-ジイル基、2-メチルプロパン-
1,3-ジイル基、2-メチルプロパン-1,2-ジイル基、ペンタン-1,4-ジイル
基、2-メチルブタン-1,4-ジイル基等の分岐状アルカンジイル基が挙げられる。
鎖式炭化水素基の炭素数は、好ましくは1~18であり、より好ましくは1~12であ
り、さらに好ましくは1~9であり、より一層好ましくは1~6であり、さらに一層好ま
しくは1~4である。
単環式又は多環式の2価の脂環式炭化水素基としては、以下の基等が挙げられる。結合
手は任意の位置とすることができる。
脂環式炭化水素基の炭素数は、好ましくは3~18であり、より好ましくは3~16で
あり、さらに好ましくは3~12である。
具体的には、シクロブタン-1,3-ジイル基、シクロペンタン-1,3-ジイル基、
シクロヘキサン-1,4-ジイル基、シクロオクタン-1,5-ジイル基等のシクロアル
カンジイル基である単環式の2価の脂環式炭化水素基;及び
ノルボルナン-1,4-ジイル基、ノルボルナン-2,5-ジイル基、アダマンタン-
1,5-ジイル基、アダマンタン-2,6-ジイル基等の多環式の2価の脂環式炭化水素
基が挙げられる。

2価の芳香族炭化水素基としては、フェニレン基、ナフチレン基、アントリレン基、ビ
フェニレン基、フェナントリレン基等のアリーレン基等の芳香族炭化水素基が挙げられる
。芳香族炭化水素基の炭素数は、好ましくは6~18であり、より好ましくは6~14で
あり、さらに好ましくは6~10である。
2種以上を組み合わせた基としては、脂環式炭化水素基とアルカンジイル基とを組み合
わせた基、芳香族炭化水素基とアルカンジイル基とを組み合わせた基及び脂環式炭化水素
基と芳香族炭化水素基とを組み合わせた基が挙げられる。組み合わせにおいて、脂環式炭
化水素基、芳香族炭化水素基、鎖式炭化水素基は、それぞれ2種以上を組み合わせてもよ
い。また、いずれの基がXに結合していてもよい。
脂環式炭化水素基とアルカンジイル基とを組み合わせた基としては、例えば、-2価の
脂環式炭化水素基-アルカンジイル基-、-アルカンジイル基-2価の脂環式炭化水素基
-アルカンジイル基-、-アルカンジイル基-2価の脂環式炭化水素基-等が挙げられる

芳香族炭化水素基とアルカンジイル基とを組み合わせた基としては、例えば、-2価の
芳香族炭化水素基-アルカンジイル基-、-アルカンジイル基-2価の芳香族炭化水素基
-アルカンジイル基-、-アルカンジイル基-2価の芳香族炭化水素基-等が挙げられる

脂環式炭化水素基と芳香族炭化水素基とを組み合わせた基としては、-芳香族炭化水素
基-脂環式炭化水素基-、-脂環式炭化水素基-芳香族炭化水素基-、-脂環式炭化水素
基-芳香族炭化水素基-脂環式炭化水素基-等が挙げられる。
の炭素数1~28の2価の炭化水素基に含まれる-CH2-は、-O-、-S-、
-SO-又は-CO-に置き換わっていてもよい。
の炭素数1~28の炭化水素基に含まれる-CH-が-O-、-S-、-SO
-又は-CO-に置き換わっている場合、置き換わる前の炭素数を該炭化水素基の炭素数
とする。
炭化水素基に含まれる-CH2-が、-O-、-S-、-SO-又は-CO-に置き
換わった基としては、ヒドロキシ基(メチル基中に含まれる-CH2-が、-O-に置き
換わった基)、カルボキシ基(エチル基中に含まれる-CH2-CH2-が、-O-CO-
に置き換わった基)、アルコキシ基(アルキル基中に含まれる任意の位置の-CH2-が
、-O-に置き換わった基)、アルコキシカルボニル基(アルキル基中に含まれる任意の
位置の-CH2-CH2-が、-O-CO-に置き換わった基)、アルキルカルボニル基(
アルキル基中に含まれる任意の位置の-CH2-が、-CO-に置き換わった基)、アル
キルカルボニルオキシ基(アルキル基中に含まれる任意の位置の-CH2-CH2-が、-
CO-O-に置き換わった基)、アルカンジイルオキシ基(アルカンジイル基中に含まれ
る任意の位置の-CH2-が、-O-に置き換わった基)、アルカンジイルオキシカルボ
ニル基(アルカンジイル基中に含まれる任意の位置の-CH2-CH2-が、-O-CO-
に置き換わった基)、アルカンジイルカルボニル基(アルカンジイル基中に含まれる任意
の位置の-CH2-が、-CO-に置き換わった基)、アルカンジイルカルボニルオキシ
基(アルカンジイル基中に含まれる任意の位置の-CH2-CH2-が、-CO-O-に置
き換わった基)、アルキルチオ基(アルキル基中に含まれる任意の位置の-CH2-が、
-S-に置き換わった基)、シクロアルコキシ基、シクロアルキルアルコキシ基、アルコ
キシカルボニルオキシ基、芳香族炭化水素基-カルボニルオキシ基、これらの基うち2種
以上を組み合わせた基等が挙げられる。
アルコキシ基としては、炭素数1~17のアルコキシ基が挙げられ、例えば、メトキシ
基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、オ
クチルオキシ基、2-エチルヘキシルオキシ基、ノニルオキシ基、デシルオキシ基、ウン
デシルオキシ基等が挙げられる。
アルコキシカルボニル基、アルキルカルボニル基及びアルキルカルボニルオキシ基は、
上述したアルキル基又はアルコキシ基にカルボニル基又はカルボニルオキシ基が結合した
基を表す。
アルコキシカルボニル基としては、炭素数2~17のアルコキシカルボニル基が挙げら
れ、例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、ブトキシカルボニル基等が
挙げられる。アルキルカルボニル基としては、炭素数2~18のアルキルカルボニル基が
挙げられ、例えば、アセチル基、プロピオニル基及びブチリル基等が挙げられる。アルキ
ルカルボニルオキシ基としては、炭素数2~17のアルキルカルボニルオキシ基が挙げら
れ、例えば、アセチルオキシ基、プロピオニルオキシ基、ブチリルオキシ基等が挙げられ
る。
アルカンジイルオキシ基としては、炭素数1~17のアルカンジイルオキシ基が挙げら
れ、例えば、メチレンオキシ基、エチレンオキシ基、プロパンジイルオキシ基、ブタンジ
イルオキシ基、ペンタンジイルオキシ基等が挙げられる。
アルカンジイルオキシカルボニル基としては、炭素数2~17のアルカンジイルオキシ
カルボニル基が挙げられ、例えば、メチレンオキシカルボニル基、エチレンオキシカルボ
ニル基、プロパンジイルオキシカルボニル基、ブタンジイルオキシカルボニル基等が挙げ
られる。アルカンジイルカルボニル基としては、炭素数2~18のアルカンジイルカルボ
ニル基が挙げられ、例えば、メチレンカルボニル基、エチレンカルボニル基、プロパンジ
イルカルボニル基、ブタンジイルカルボニル基、ペンタンジイルカルボニル基等が挙げら
れる。アルカンジイルカルボニルオキシ基としては、炭素数2~17のアルカンジイルカ
ルボニルオキシ基が挙げられ、例えば、メチレンカルボニルオキシ基、エチレンカルボニ
ルオキシ基、プロパンジイルカルボニルオキシ基、ブタンジイルカルボニルオキシ基等が
挙げられる。
アルキルチオ基としては、炭素数1~17のアルキルチオ基が挙げられ、例えば、メチ
ルチオ基、エチルチオ基、プロピルチオ基等が挙げられる。
シクロアルコキシ基としては、炭素数3~17のシクロアルコキシ基が挙げられ、例え
ば、シクロヘキシルオキシ基等が挙げられる。シクロアルキルアルコキシ基としては、炭
素数4~17のシクロアルキルアルコキシ基が挙げられ、例えば、シクロヘキシルメトキ
シ基等が挙げられる。アルコキシカルボニルオキシ基としては、炭素数2~16のアルコ
キシカルボニルオキシ基が挙げられ、例えば、ブトキシカルボニルオキシ基等が挙げられ
る。芳香族炭化水素基-カルボニルオキシ基としては、炭素数7~17の芳香族炭化水素
基-カルボニルオキシ基が挙げられ、例えば、ベンゾイルオキシ基等が挙げられる。
また、脂環式炭化水素基に含まれる-CH-が、-O-、-S-、-CO-又は-S
-で置き換わった基としては、以下の基等が挙げられる。結合手は任意の位置とする
ことができる。
【0011】
が有してもよい置換基としては、ヒドロキシ基、カルボキシ基、ハロゲン原子、シ
アノ基、炭素数1~12のアルキル基、炭素数1~12のアルコキシ基、炭素数2~13
のアルコキシカルボニル基、炭素数2~13のアルキルカルボニル基、炭素数2~13の
アルキルカルボニルオキシ基又はこれらを組み合わせた基などが挙げられる。
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子等が挙げられ
る。
炭素数1~12のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピ
ル基、ブチル基、イソブチル基、tert-ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチ
ル基、ノニル基等が挙げられる。
炭素数1~12のアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブ
トキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、オクチルオキシ基、2-エチルヘキシ
ルオキシ基、ノニルオキシ基、デシルオキシ基、ウンデシルオキシ基、ドデシルオキシ基
等が挙げられる。
炭素数2~13のアルコキシカルボニル基、炭素数2~13のアルキルカルボニル基及
び炭素数2~13のアルキルカルボニルオキシ基は、上述したアルキル基又はアルコキシ
基にカルボニル基又はカルボニルオキシ基が結合した基を表す。
炭素数2~13のアルコキシカルボニル基としては、メトキシカルボニル基、エトキシ
カルボニル基、ブトキシカルボニル基等が挙げられ、炭素数2~13のアルキルカルボニ
ル基としては、アセチル基、プロピオニル基及びブチリル基等が挙げられ、炭素数2~1
3のアルキルカルボニルオキシ基としては、アセチルオキシ基、プロピオニルオキシ基、
ブチリルオキシ基等が挙げられる。
置換基は、炭素数1~4のアルキル基、ヒドロキシ基又はハロゲン原子であることが好
ましく、炭素数1~4のアルキル基又はハロゲン原子であることがより好ましく、メチル
基又はフッ素原子であることがさらに好ましい。
は、炭素数1~6のアルカンジイル基(但し、該アルカンジイル基に含まれる-C
2-は、-O-又は-CO-に置き換わっていてもよい。)、炭素数3~18の脂環式
炭化水素基(但し、該脂環式炭化水素基に含まれる-CH2-は、-O-、-S-、-S
-又は-CO-に置き換わっていてもよい。)、置換基を有してもよい炭素数6~1
8の芳香族炭化水素基、炭素数1~6のアルカンジイル基と炭素数3~18の脂環式炭化
水素基とを組み合わせてなる基(但し、該アルカンジイル基に含まれる-CH2-は、-
O-又は-CO-に置き換わっていてもよく、該脂環式炭化水素基に含まれる-CH2
は、-O-、-S-、-SO-又は-CO-に置き換わっていてもよい。)又は炭素数
1~6のアルカンジイル基と置換基を有してもよい炭素数6~18の芳香族炭化水素基と
を組み合わせてなる基(但し、該アルカンジイル基に含まれる-CH2-は、-O-又は
-CO-に置き換わっていてもよい。)であることが好ましく、炭素数1~4のアルカン
ジイル基、炭素数3~18の脂環式炭化水素基(但し、該脂環式炭化水素基に含まれる-
CH2-は、-O-又は-CO-に置き換わっていてもよい。)、置換基を有してもよい
炭素数6~14の芳香族炭化水素基、炭素数1~4のアルカンジイル基と炭素数3~18
の脂環式炭化水素基とを組み合わせてなる基(但し、該アルカンジイル基に含まれる-C
2-は、-O-又は-CO-に置き換わっていてもよく、該脂環式炭化水素基に含まれ
る-CH2-は、-O-又は-CO-に置き換わっていてもよい。)又は炭素数1~4の
アルカンジイル基と置換基を有してもよい炭素数6~14の芳香族炭化水素基とを組み合
わせてなる基(但し、該アルカンジイル基に含まれる-CH2-は、-O-又は-CO-
に置き換わっていてもよい。)であることがより好ましい。
【0012】
1は、単結合、*-炭素数1~6のアルカンジイル基-O-(但し、該アルカンジイ
ル基に含まれる-CH2-は、-O-又は-CO-に置き換わっていてもよい。)、*-
炭素数3~18の脂環式炭化水素基-O-(但し、該脂環式炭化水素基に含まれる-CH
2-は、-O-、-S-、-SO-又は-CO-に置き換わっていてもよい。)、*-
置換基を有してもよい炭素数6~18の芳香族炭化水素基-O-、*-炭素数1~6のア
ルカンジイル基と炭素数3~18の脂環式炭化水素基とを組み合わせてなる基-O-(但
し、該アルカンジイル基に含まれる-CH2-は、-O-又は-CO-に置き換わってい
てもよく、該脂環式炭化水素基に含まれる-CH2-は、-O-、-S-、-SO-又
は-CO-に置き換わっていてもよい。)又は*-炭素数1~6のアルカンジイル基と置
換基を有してもよい炭素数6~18の芳香族炭化水素基とを組み合わせてなる基-O-(
但し、該アルカンジイル基に含まれる-CH2-は、-O-又は-CO-に置き換わって
いてもよい。)であることが好ましく、単結合、*-炭素数1~4のアルカンジイル基-
O-、*-炭素数3~18の脂環式炭化水素基-O-(但し、該脂環式炭化水素基に含ま
れる-CH2-は、-O-又は-CO-に置き換わっていてもよい。)、*-置換基を有
してもよい炭素数6~14の芳香族炭化水素基-O-、*-炭素数1~4のアルカンジイ
ル基と炭素数3~18の脂環式炭化水素基とを組み合わせてなる基-O-(但し、該アル
カンジイル基に含まれる-CH2-は、-O-又は-CO-に置き換わっていてもよく、
該脂環式炭化水素基に含まれる-CH2-は、-O-又は-CO-に置き換わっていても
よい。)又は*-炭素数1~4のアルカンジイル基と置換基を有してもよい炭素数6~1
4の芳香族炭化水素基とを組み合わせてなる基-O-(但し、該アルカンジイル基に含ま
れる-CH2-は、-O-又は-CO-に置き換わっていてもよい。)であることがより
好ましい。なお、ここでのアルカンジイル基と脂環式炭化水素基又は芳香族炭化水素基と
を組み合わせてなる基としては、*-アルカンジイル基-脂環式炭化水素基又は芳香族炭
化水素基-、*-脂環式炭化水素基又は芳香族炭化水素基-アルカンジイル基-、*-ア
ルカンジイル基-脂環式炭化水素基又は芳香族炭化水素基-アルカンジイル基-等が挙げ
られる。*はXとの結合手を表す。
【0013】
及びRの炭素数1~6の飽和炭化水素基としては、アルキル基等の鎖式飽和炭化
水素基、脂環式飽和炭化水素基及びこれらを組み合わせることにより形成される基等が挙
げられる。
アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、イソブチル基、s
ec-ブチル基、tert-ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等が挙げられる。鎖式飽
和炭化水素基の炭素数は、好ましくは1~4であり、より好ましくは1~3である。
脂環式飽和炭化水素基としては、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル
基、シクロヘキシル基等が挙げられる。脂環式飽和炭化水素基の炭素数は、好ましくは3
~5であり、より好ましくは3又は4である。
及びRは、それぞれ独立に、水素原子、メチル基又はエチル基であることが好ま
しく、水素原子又はメチル基であることがより好ましく、一方が水素原子、他方が水素原
子又はメチル基であることがさらに好ましい。
【0014】
Arの芳香族炭化水素基としては、フェニル基、1-ナフチル基、2-ナフチル基、ビ
フェニル基、アントリル基、フェナントリル基、ビナフチル基等のアリール基等が挙げら
れる。芳香族炭化水素基の炭素数は、好ましくは6~24であり、より好ましくは6~1
8であり、さらに好ましくは6~14であり、さらにより好ましくは6~10である。
芳香族炭化水素基の置換基としては、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、シアノ基、炭素数
1~12のアルキル基、炭素数1~6のフッ化アルキル基、炭素数1~12のアルコキシ
基、炭素数2~13のアルコキシカルボニル基、炭素数2~13のアルキルカルボニル基
、炭素数2~13のアルキルカルボニルオキシ基、炭素数3~12の脂環式炭化水素基、
炭素数6~10の芳香族炭化水素基又はこれらを組み合わせた基などが挙げられる。
炭素数1~12のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、
ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基
、ドデシル基等が挙げられる。
炭素数1~6のフッ化アルキル基としては、トリフルオロメチル基、ジフルオロメチル
基、ペルフルオロエチル基、2,2,2-トリフルオロエチル基、1,1,2,2-テト
ラフルオロエチル基、ペルフルオロプロピル基、2,2,3,3,3-ペンタフルオロプ
ロピル基、ペルフルオロブチル基、1,1,2,2,3,3,4,4-オクタフルオロブ
チル基、ペルフルオロペンチル基、2,2,3,3,4,4,5,5,5-ノナフルオロ
ペンチル基、ペルフルオロヘキシル基等のフッ化アルキル基が挙げられる。
炭素数1~12のアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブ
トキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、オクチルオキシ基、2-エチルヘキシ
ルオキシ基、ノニルオキシ基、デシルオキシ基、ウンデシルオキシ基、ドデシルオキシ基
等が挙げられる。
炭素数2~13のアルコキシカルボニル基、炭素数2~13のアルキルカルボニル基及
び炭素数2~13のアルキルカルボニルオキシ基は、上述したアルキル基又はアルコキシ
基にカルボニル基又はカルボニルオキシ基が結合した基を表す。炭素数2~13のアルコ
キシカルボニル基としては、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、ブトキシカ
ルボニル基等が挙げられ、炭素数2~13のアルキルカルボニル基としては、アセチル基
、プロピオニル基及びブチリル基等が挙げられ、炭素数2~13のアルキルカルボニルオ
キシ基としては、アセチルオキシ基、プロピオニルオキシ基、ブチリルオキシ基等が挙げ
られる。
【0015】
炭素数3~12の脂環式炭化水素基としては、下記に示す基が挙げられる。**は芳香
族炭化水素基との結合手である。
炭素数6~10の芳香族炭化水素基としては、フェニル基、ナフチル基、トリル基、キ
シリル基、シクロヘキシルフェニル基等が挙げられる。
芳香族炭化水素基の置換基における組み合わせた基としては、ヒドロキシ基と炭素数1
~12のアルキル基とを組み合わせた基、炭素数1~12のアルコキシ基と炭素数1~1
2のアルコキシ基とを組み合わせた基、炭素数1~12のアルキル基と炭素数6~10の
芳香族炭化水素基とを組み合わせた基等が挙げられる。
ヒドロキシ基と炭素数1~12のアルキル基とを組み合わせた基としては、ヒドロキシ
メチル基、ヒドロキシエチル基等の炭素数1~12のヒドロキシアルキル基等が挙げられ
る。
炭素数1~12のアルコキシ基と炭素数1~12のアルコキシ基とを組み合わせた基と
しては、エトキシエトキシ基等の炭素数2~24のアルコキシアルコキシ基等が挙げられ
る。
炭素数1~12のアルキル基と炭素数1~12のアルコキシ基とを組み合わせた基とし
ては、エトキシエチル基等の炭素数2~24のアルコキシアルキル基等が挙げられる。
炭素数1~12のアルキル基と炭素数6~10の芳香族炭化水素基とを組み合わせた基
としては、ベンジル基等の炭素数7~22のアラルキル基等が挙げられる。
置換基は、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、炭素数1~6のフッ化アルキル基、炭素数1
~12のアルキル基、炭素数1~12のアルコキシ基又はこれらを組み合わせた基である
ことが好ましく、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、炭素数1~4のフッ化アルキル基、炭素
数1~6のアルキル基、炭素数1~6のアルコキシ基又はこれらを組み合わせた基である
ことがより好ましく、ヒドロキシ基、トリフルオロメチル基、フッ素原子又はヨウ素原子
であることがさらに好ましい。
【0016】
Arとしては、置換基を有していてもよいフェニル基であることが好ましく、ヒドロキ
シ基、ハロゲン原子、炭素数1~6のフッ化アルキル基、炭素数1~12のアルキル基、
炭素数1~12のアルコキシ基又はこれらを組み合わせた基を有していてもよいフェニル
基であることがより好ましく、ヒドロキシ基、トリフルオロメチル基、フッ素原子又はヨ
ウ素原子を有していてもよいフェニル基であることがさらに好ましい。
例えば、Arとして、置換基を有するフェニル基である場合、置換基のベンゼン環にお
ける結合位置は、カルボニル基の結合位置に対してо位、m位、p位のいずれでもよい。
なかでも、カルボニル基の結合位置に対して少なくともо位又はp位に結合していること
が好ましく、少なくともp位に結合していることがより好ましい。
【0017】
アニオン(I)としては、例えば、以下の式(Ia-1)~式(Ia-34)で表され
るアニオンが挙げられる。
【0018】
【0019】
の有機カチオンとしては、有機オニウムカチオン、有機スルホニウムカチオン、有
機ヨードニウムカチオン、有機アンモニウムカチオン、ベンゾチアゾリウムカチオン及び
有機ホスホニウムカチオン等が挙げられる。これらの中でも、有機スルホニウムカチオン
及び有機ヨードニウムカチオンが好ましく、アリールスルホニウムカチオンがより好まし
い。具体的には、式(b2-1)~式(b2-4)のいずれかで表されるカチオン(以下
、式番号に応じて「カチオン(b2-1)」等という場合がある。)が挙げられる。
【0020】
式(b2-1)~式(b2-4)において、
b4~Rb6は、それぞれ独立に、炭素数1~30の鎖式炭化水素基、炭素数3~36の
脂環式炭化水素基又は炭素数6~36の芳香族炭化水素基を表し、該鎖式炭化水素基に含
まれる水素原子は、ヒドロキシ基、炭素数1~12のアルコキシ基、炭素数3~12の脂
環式炭化水素基又は炭素数6~18の芳香族炭化水素基で置換されていてもよく、該脂環
式炭化水素基に含まれる水素原子は、ハロゲン原子、炭素数1~18の脂肪族炭化水素基
、炭素数2~4のアルキルカルボニル基又はグリシジルオキシ基で置換されていてもよく
、該芳香族炭化水素基に含まれる水素原子は、ハロゲン原子、ヒドロキシ基又は炭素数1
~12のアルコキシ基で置換されていてもよい。
b4とRb5とは、互いに結合してそれらが結合する硫黄原子と一緒になって環を形成し
てもよく、該環に含まれる-CH2-は、-O-、-S-又は-CO-に置き換わっても
よい。
b7及びRb8は、それぞれ独立に、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、炭素数1~12の脂
肪族炭化水素基又は炭素数1~12のアルコキシ基を表す。
m2及びn2は、それぞれ独立に0~5のいずれかの整数を表す。
m2が2以上のとき、複数のRb7は同一でも異なってもよく、n2が2以上のとき、複
数のRb8は同一でも異なってもよい。
b9及びRb10は、それぞれ独立に、炭素数1~36の鎖式炭化水素基又は炭素数3~
36の脂環式炭化水素基を表す。
b9とRb10とは、互いに結合してそれらが結合する硫黄原子と一緒になって環を形成
してもよく、該環に含まれる-CH2-は、-O-、-S-又は-CO-に置き換わって
もよい。
b11は、水素原子、炭素数1~36の鎖式炭化水素基、炭素数3~36の脂環式炭化
水素基又は炭素数6~18の芳香族炭化水素基を表す。
b12は、炭素数1~12の鎖式炭化水素基、炭素数3~18の脂環式炭化水素基又は
炭素数6~18の芳香族炭化水素基を表し、該鎖式炭化水素基に含まれる水素原子は、炭
素数6~18の芳香族炭化水素基で置換されていてもよく、該芳香族炭化水素基に含まれ
る水素原子は、炭素数1~12のアルコキシ基又は炭素数1~12のアルキルカルボニル
オキシ基で置換されていてもよい。
b11とRb12とは、互いに結合してそれらが結合する-CH-CO-を含めて環を形成
していてもよく、該環に含まれる-CH2-は、-O-、-S-又は-CO-に置き換わ
ってもよい。
b13~Rb18は、それぞれ独立に、ヒドロキシ基、炭素数1~12の脂肪族炭化水素基
又は炭素数1~12のアルコキシ基を表す。
b31は、硫黄原子又は酸素原子を表す。
o2、p2、s2、及びt2は、それぞれ独立に、0~5のいずれかの整数を表す。
q2及びr2は、それぞれ独立に、0~4のいずれかの整数を表す。
u2は0又は1を表す。
o2が2以上のとき、複数のRb13は同一又は相異なり、p2が2以上のとき、複数の
b14は同一又は相異なり、q2が2以上のとき、複数のRb15は同一又は相異なり、r2
が2以上のとき、複数のRb16は同一又は相異なり、s2が2以上のとき、複数のRb17
同一又は相異なり、t2が2以上のとき、複数のRb18は同一又は相異なる。
【0021】
脂肪族炭化水素基とは、鎖式炭化水素基及び脂環式炭化水素基を表す。
鎖式炭化水素基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル
基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基及び
2-エチルヘキシル基のアルキル基が挙げられる。
特に、Rb9~Rb12の鎖式炭化水素基は、好ましくは炭素数1~12である。
脂環式炭化水素基としては、単環式又は多環式のいずれでもよく、単環式の脂環式炭化
水素基としては、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロへキシ
ル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロデシル基等のシクロアルキル基が挙
げられる。多環式の脂環式炭化水素基としては、デカヒドロナフチル基、アダマンチル基
、ノルボルニル基及び下記の基等が挙げられる。
特に、Rb9~Rb12の脂環式炭化水素基は、好ましくは炭素数3~18、より好ましく
は炭素数4~12である。
【0022】
水素原子が脂肪族炭化水素基で置換された脂環式炭化水素基としては、メチルシクロヘ
キシル基、ジメチルシクロへキシル基、2-メチルアダマンタン-2-イル基、2-エチ
ルアダマンタン-2-イル基、2-イソプロピルアダマンタン-2-イル基、メチルノル
ボルニル基、イソボルニル基等が挙げられる。水素原子が脂肪族炭化水素基で置換された
脂環式炭化水素基においては、脂環式炭化水素基と脂肪族炭化水素基との合計炭素数が好
ましくは20以下である。
【0023】
芳香族炭化水素基としては、フェニル基、ビフェニル基、ナフチル基、フェナントリル
基等のアリール基が挙げられる。芳香族炭化水素基は、鎖式炭化水素基又は脂環式炭化水
素基を有していてもよく、鎖式炭化水素基を有する芳香族炭化水素基(トリル基、キシリ
ル基、クメニル基、メシチル基、p-エチルフェニル基、p-tert-ブチルフェニル
基、2,6-ジエチルフェニル基、2-メチル-6-エチルフェニル基等)及び脂環式炭
化水素基を有する芳香族炭化水素基(p-シクロへキシルフェニル基、p-アダマンチル
フェニル基等)等が挙げられる。
なお、芳香族炭化水素基が、鎖式炭化水素基又は脂環式炭化水素基を有する場合は、炭
素数1~18の鎖式炭化水素基及び炭素数3~18の脂環式炭化水素基が好ましい。
水素原子がアルコキシ基で置換された芳香族炭化水素基としては、p-メトキシフェニ
ル基等が挙げられる。
水素原子が芳香族炭化水素基で置換された鎖式炭化水素基としては、ベンジル基、フェ
ネチル基、フェニルプロピル基、トリチル基、ナフチルメチル基、ナフチルエチル基等の
アラルキル基が挙げられる。
【0024】
アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペンチ
ルオキシ基、ヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基、デシルオキシ基
及びドデシルオキシ基等が挙げられる。
アルキルカルボニル基としては、アセチル基、プロピオニル基及びブチリル基等が挙げ
られる。
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子等が挙げられ
る。
アルキルカルボニルオキシ基としては、メチルカルボニルオキシ基、エチルカルボニル
オキシ基、プロピルカルボニルオキシ基、イソプロピルカルボニルオキシ基、ブチルカル
ボニルオキシ基、sec-ブチルカルボニルオキシ基、tert-ブチルカルボニルオキ
シ基、ペンチルカルボニルオキシ基、ヘキシルカルボニルオキシ基、オクチルカルボニル
オキシ基及び2-エチルヘキシルカルボニルオキシ基等が挙げられる。
【0025】
b4とRb5とが互いに結合してそれらが結合する硫黄原子と一緒になって形成する環は
、単環式、多環式、芳香族性、非芳香族性、飽和及び不飽和のいずれの環であってもよい
。この環は、炭素数3~18の環が挙げられ、好ましくは炭素数4~18の環である。ま
た、硫黄原子を含む環は、3員環~12員環が挙げられ、好ましくは3員環~7員環であ
り、例えば下記の環が挙げられる。*は結合手を表す。
【0026】
b9とRb10とが一緒になって形成する環は、単環式、多環式、芳香族性、非芳香族性
、飽和及び不飽和のいずれの環であってもよい。この環は、3員環~12員環が挙げられ
、好ましくは3員環~7員環である。例えば、チオラン-1-イウム環(テトラヒドロチ
オフェニウム環)、チアン-1-イウム環、1,4-オキサチアン-4-イウム環等が挙
げられる。
b11とRb12とが一緒になって形成する環は、単環式、多環式、芳香族性、非芳香族性
、飽和及び不飽和のいずれの環であってもよい。この環は、3員環~12員環が挙げられ
、好ましくは3員環~7員環である。オキソシクロヘプタン環、オキソシクロヘキサン環
、オキソノルボルナン環、オキソアダマンタン環等が挙げられる。
【0027】
カチオン(b2-1)~カチオン(b2-4)の中でも、好ましくは、カチオン(b2
-1)である。
カチオン(b2-1)としては、以下のカチオンが挙げられる。
【0028】
【0029】
カチオン(b2-2)としては、以下のカチオンが挙げられる。
【0030】
カチオン(b2-3)としては、以下のカチオンが挙げられる。
【0031】
カチオン(b2-4)としては、以下のカチオンが挙げられる。
【0032】
塩(I)は、上述のアニオン及び上述の有機カチオンの組合せであり、これらは任意に
組合せることができる。塩(I)としては、好ましくは、式(Ia-3)、式(Ia-4
)、式(Ia-6)~式(Ia-8)、式(Ia-17)~式(Ia-22)、式(Ia
-29)~式(Ia-34)のいずれかで表されるアニオンと、カチオン(b2-1)、
カチオン(b2-2)又はカチオン(b2-3)との組合せが挙げられる。
【0033】
塩(I)としては、表1記載の塩が挙げられる。下記表において、各符号は、上述のア
ニオン及びカチオンを表す構造に付した符号を表す。たとえば、塩(I-1)は、式(I
a-1)で示されるアニオンと式(b2-c-1)で表されるカチオンとからなる塩を意
味し、以下に示す塩を表す。
【表1】








なかでも、塩(I)は、塩(I-3)、塩(I-4)、塩(I-6)~塩(I-8)、
塩(I-17)~塩(I-22)、塩(I-31)、塩(I-32)、塩(I-34)~
塩(I-36)、塩(I-45)~塩(I-50)、塩(I-59)、塩(I-60)、
塩(I-62)~塩(I-64)、塩(I-73)~塩(I-78)、塩(I-87)、
塩(I-88)、塩(I-90)~塩(I-92)、塩(I-101)~塩(I-106
)、塩(I-115)、塩(I-116)、塩(I-118)~塩(I-120)、塩(
I-129)~塩(I-134)、塩(I-143)、塩(I-144)、塩(I-14
46)~塩(I-148)、塩(I-157)~塩(I-162)、塩(I-171)、
塩(I-172)、塩(I-174)~塩(I-176)、塩(I-185)~塩(I-
190)、塩(I-197)~塩(I-238)が好ましい。
【0034】
<塩(I)の製造方法>
塩(I)において、Xが、*-CO-O-である塩(式(I1)で表される塩)は、
例えば、式(I1-a)で表される塩と式(I1-b)で表される化合物とを、塩基の存
在下、溶媒中で反応させることにより製造することができる。
(式中、全ての符号は、それぞれ前記と同じ意味を表す。)
【0035】
塩基としては、炭酸カリウム、ヨウ化カリウム、ピリジン、及びトリエチルアミンなど
が挙げられる。
溶媒としては、クロロホルム及びアセトニトリルなどが挙げられる。
反応温度は通常5℃~80℃であり、反応時間は通常0.5時間~24時間である。
【0036】
式(I1-a)で表される塩としては、以下で表される塩等が挙げられ、特開2007
-197718号公報に記載された方法で製造することができる。
【0037】
式(I1-b)で表される化合物としては、下記式で表される化合物等が挙げられ、市
場より容易に入手することができ、また、公知の製法により容易に製造することができる

【0038】
塩(I)において、Xが、*-O-CO-O-である塩(式(I2)で表される塩)
は、例えば、式(I2-a)で表される塩と式(I2-b)で表される化合物とを、塩基
の存在下、溶媒中で反応させることにより製造することができる。
(式中、全ての符号は、それぞれ前記と同じ意味を表す。)
【0039】
塩基としては、炭酸カリウム、ヨウ化カリウム、ピリジン、及びトリエチルアミンなど
が挙げられる。
溶媒としては、クロロホルム及びアセトニトリルなどが挙げられる。
反応温度は通常5℃~80℃であり、反応時間は通常0.5時間~24時間である。
式(I2-a)で表される塩は、例えば、以下で表される塩などが挙げられ、特開20
12-193170号公報に記載された方法で製造することができる。
【0040】
式(I2-b)で表される化合物としては、下記式で表される化合物等が挙げられ、市
場より容易に入手することができ、また、公知の製法により容易に製造することができる

【0041】
塩(I)において、Xが、*-O-である塩(式(I3)で表される塩)は、例えば
、式(I2-a)で表される塩と式(I3-b)で表される化合物とを、塩基の存在下、
溶媒中で反応させることにより製造することができる。
(式中、全ての符号は、それぞれ前記と同じ意味を表す。)
【0042】
塩基としては、水酸化カリウムなどが挙げられる。
溶媒としては、クロロホルム及びアセトニトリルなどが挙げられる。
反応温度は通常5℃~80℃であり、反応時間は通常0.5時間~24時間である。
【0043】
式(I3-b)で表される化合物としては、下記式で表される化合物等が挙げられ、市
場より容易に入手することができ、また、公知の製法により容易に製造することができる

【0044】
塩(I)において、Xが、*-O-CO-である塩(式(I4)で表される塩)は、
例えば、式(I2-a)で表される塩と式(I4-b)で表される化合物とを、触媒の存
在下、溶媒中で反応させることにより製造することができる。
(式中、全ての符号は、それぞれ前記と同じ意味を表す。)
【0045】
触媒としては、カルボニルジイミダゾール、硫酸及びp-トルエンスルホン酸などが挙
げられる。
溶媒としては、クロロホルム及びアセトニトリルなどが挙げられる。
反応温度は通常5℃~80℃であり、反応時間は通常0.5時間~24時間である。
【0046】
式(I4-b)で表される化合物としては、下記式で表される化合物等が挙げられ、市
場より容易に入手することができ、また、公知の製法により容易に製造することができる

【0047】
塩(I)において、Lが、炭素数1~4のアルカンジイル基と炭素数3~18の脂環
式炭化水素基とを組み合わせてなる基(但し、該アルカンジイル基に含まれる-CH2
は、-O-又は-CO-に置き換わっていてもよく、該脂環式炭化水素基に含まれる-C
2-は、-O-、-S-、-SO-又は-CO-に置き換わっていてもよい。)であ
る塩は、式(I1)、式(I2)、式(I3)、式(I4)で表される塩を合成する際の
式(I1-a)で表される塩又は式(I2-a)で表される塩を下記で表される塩に置き
換えることにより製造することもできる。
【0048】
<酸発生剤>
本発明の酸発生剤は、塩(I)を含有する酸発生剤である。塩(I)を1種含んでいて
もよいし、塩(I)を2種以上含んでいてもよい。
本発明の酸発生剤は、塩(I)に加えて、レジスト分野で公知の酸発生剤(以下「酸発
生剤(B)」という場合がある)を含有していてもよい。酸発生剤(B)は、単独で用い
てもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0049】
酸発生剤(B)は、非イオン系又はイオン系のいずれを用いてもよい。非イオン系酸発
生剤としては、スルホネートエステル類(例えば2-ニトロベンジルエステル、芳香族ス
ルホネート、オキシムスルホネート、N-スルホニルオキシイミド、スルホニルオキシケ
トン、ジアゾナフトキノン 4-スルホネート)、スルホン類(例えばジスルホン、ケト
スルホン、スルホニルジアゾメタン)等が挙げられる。イオン系酸発生剤としては、オニ
ウムカチオンを含むオニウム塩(例えばジアゾニウム塩、ホスホニウム塩、スルホニウム
塩、ヨードニウム塩)が代表的である。オニウム塩のアニオンとしては、スルホン酸アニ
オン、スルホニルイミドアニオン、スルホニルメチドアニオン等が挙げられる。
【0050】
酸発生剤(B)としては、特開昭63-26653号、特開昭55-164824号、
特開昭62-69263号、特開昭63-146038号、特開昭63-163452号
、特開昭62-153853号、特開昭63-146029号、米国特許第3,779,
778号、米国特許第3,849,137号、独国特許第3914407号、欧州特許第
126,712号等に記載の放射線によって酸を発生する化合物を使用することができる
。また、公知の方法で製造した化合物を使用してもよい。酸発生剤(B)は、2種以上を
組み合わせて用いてもよい。
【0051】
酸発生剤(B)は、好ましくはフッ素含有酸発生剤であり、より好ましくは式(B1)
で表される塩(以下「酸発生剤(B1)」という場合がある。但し、塩(I)を除く。)
である。
[式(B1)中、
b1及びQb2は、それぞれ独立に、フッ素原子又は炭素数1~6のペルフルオロアルキ
ル基を表す。
b1は、炭素数1~24の2価の飽和炭化水素基を表し、該2価の飽和炭化水素基に含
まれる-CH-は、-O-又は-CO-に置き換わっていてもよく、該2価の飽和炭化
水素基に含まれる水素原子は、フッ素原子又はヒドロキシ基で置換されていてもよい。
Yは、置換基を有していてもよいメチル基又は置換基を有していてもよい炭素数3~2
4の脂環式炭化水素基を表し、該脂環式炭化水素基に含まれる-CH-は、-O-、-
S(O)-又は-CO-に置き換わっていてもよい。
Z1は、有機カチオンを表す。]
【0052】
b1及びQb2の表すペルフルオロアルキル基としては、トリフルオロメチル基、ペルフ
ルオロエチル基、ペルフルオロプロピル基、ペルフルオロイソプロピル基、ペルフルオロ
ブチル基、ペルフルオロsec-ブチル基、ペルフルオロtert-ブチル基、ペルフル
オロペンチル基及びペルフルオロヘキシル基等が挙げられる。
b1及びQb2は、それぞれ独立に、フッ素原子又はトリフルオロメチル基であることが
好ましく、ともにフッ素原子であることがより好ましい。
【0053】
b1における2価の飽和炭化水素基としては、直鎖状アルカンジイル基、分岐状アルカ
ンジイル基、単環式又は多環式の2価の脂環式飽和炭化水素基が挙げられ、これらの基の
うち2種以上を組合せることにより形成される基でもよい。
具体的には、メチレン基、エチレン基、プロパン-1,3-ジイル基、ブタン-1,4
-ジイル基、ペンタン-1,5-ジイル基、ヘキサン-1,6-ジイル基、ヘプタン-1
,7-ジイル基、オクタン-1,8-ジイル基、ノナン-1,9-ジイル基、デカン-1
,10-ジイル基、ウンデカン-1,11-ジイル基、ドデカン-1,12-ジイル基、
トリデカン-1,13-ジイル基、テトラデカン-1,14-ジイル基、ペンタデカン-
1,15-ジイル基、ヘキサデカン-1,16-ジイル基及びヘプタデカン-1,17-
ジイル基等の直鎖状アルカンジイル基;
エタン-1,1-ジイル基、プロパン-1,1-ジイル基、プロパン-1,2-ジイル
基、プロパン-2,2-ジイル基、ペンタン-2,4-ジイル基、2-メチルプロパン-
1,3-ジイル基、2-メチルプロパン-1,2-ジイル基、ペンタン-1,4-ジイル
基、2-メチルブタン-1,4-ジイル基等の分岐状アルカンジイル基;
シクロブタン-1,3-ジイル基、シクロペンタン-1,3-ジイル基、シクロヘキサ
ン-1,4-ジイル基、シクロオクタン-1,5-ジイル基等のシクロアルカンジイル基
である単環式の2価の脂環式飽和炭化水素基;
ノルボルナン-1,4-ジイル基、ノルボルナン-2,5-ジイル基、アダマンタン-
1,5-ジイル基、アダマンタン-2,6-ジイル基等の多環式の2価の脂環式飽和炭化
水素基等が挙げられる。
【0054】
b1で表される2価の飽和炭化水素基に含まれる-CH-が-O-又は-CO-で置
き換わった基としては、例えば、式(b1-1)~式(b1-3)のいずれかで表される
基が挙げられる。なお、式(b1-1)~式(b1-3)で表される基及びそれらの具体
例である式(b1-4)~式(b1-11)で表される基において、*は-Yとの結合手
を表す。
【0055】
[式(b1-1)中、
b2は、単結合又は炭素数1~22の2価の飽和炭化水素基を表し、該飽和炭化水素基
に含まれる水素原子は、フッ素原子に置換されていてもよい。
b3は、単結合又は炭素数1~22の2価の飽和炭化水素基を表し、該飽和炭化水素基
に含まれる水素原子は、フッ素原子又はヒドロキシ基に置換されていてもよく、該飽和炭
化水素基に含まれる-CH-は、-O-又は-CO-に置き換わっていてもよい。
ただし、Lb2とLb3との炭素数合計は、22以下である。
式(b1-2)中、
b4は、単結合又は炭素数1~22の2価の飽和炭化水素基を表し、該飽和炭化水素基
に含まれる水素原子は、フッ素原子に置換されていてもよい。
b5は、単結合又は炭素数1~22の2価の飽和炭化水素基を表し、該飽和炭化水素基
に含まれる水素原子は、フッ素原子又はヒドロキシ基に置換されていてもよく、該飽和炭
化水素基に含まれる-CH-は、-O-又は-CO-に置き換わっていてもよい。
ただし、Lb4とLb5との炭素数合計は、22以下である。
式(b1-3)中、
b6は、単結合又は炭素数1~23の2価の飽和炭化水素基を表し、該飽和炭化水素基
に含まれる水素原子は、フッ素原子又はヒドロキシ基に置換されていてもよい。
b7は、単結合又は炭素数1~23の2価の飽和炭化水素基を表し、該飽和炭化水素基
に含まれる水素原子は、フッ素原子又はヒドロキシ基に置換されていてもよく、該飽和炭
化水素基に含まれる-CH-は、-O-又は-CO-に置き換わっていてもよい。
ただし、Lb6とLb7との炭素数合計は、23以下である。
*及び**は結合手を表し、*はYとの結合手を表す。]
【0056】
式(b1-1)~式(b1-3)で表される基においては、飽和炭化水素基に含まれる
-CH-が-O-又は-CO-に置き換わっている場合、置き換わる前の炭素数を該飽
和炭化水素基の炭素数とする。
2価の飽和炭化水素基としては、Lb1の2価の飽和炭化水素基と同様のものが挙げられ
る。
b2は、好ましくは単結合である。
b3は、好ましくは炭素数1~4の2価の飽和炭化水素基である。
b4は、好ましくは炭素数1~8の2価の飽和炭化水素基であり、該2価の飽和炭化水
素基に含まれる水素原子はフッ素原子に置換されていてもよい。
b5は、好ましくは単結合又は炭素数1~8の2価の飽和炭化水素基である。
b6は、好ましくは単結合又は炭素数1~4の2価の飽和炭化水素基であり、該飽和炭
化水素基に含まれる水素原子はフッ素原子に置換されていてもよい。
b7は、好ましくは単結合又は炭素数1~18の2価の飽和炭化水素基であり、該飽和
炭化水素基に含まれる水素原子はフッ素原子又はヒドロキシ基に置換されていてもよく、
該2価の飽和炭化水素基に含まれる-CH-は-O-又は-CO-に置き換わっていて
もよい。
【0057】
b1で表される2価の飽和炭化水素基に含まれる-CH-が-O-又は-CO-で置
き換わった基としては、式(b1-1)又は式(b1-3)で表される基が好ましい。
式(b1-1)で表される基としては、式(b1-4)~式(b1-8)でそれぞれ表
される基が挙げられる。
[式(b1-4)中、
b8は、単結合又は炭素数1~22の2価の飽和炭化水素基を表し、該飽和炭化水素基
に含まれる水素原子は、フッ素原子又はヒドロキシ基に置換されていてもよい。
式(b1-5)中、
b9は、炭素数1~20の2価の飽和炭化水素基を表し、該2価の飽和炭化水素基に含
まれる-CH-は-O-又は-CO-に置き換わっていてもよい。
b10は、単結合又は炭素数1~19の2価の飽和炭化水素基を表し、該2価の飽和炭
化水素基に含まれる水素原子は、フッ素原子又はヒドロキシ基に置換されていてもよい。
ただし、Lb9及びLb10の合計炭素数は20以下である。
式(b1-6)中、
b11は、炭素数1~21の2価の飽和炭化水素基を表す。
b12は、単結合又は炭素数1~20の2価の飽和炭化水素基を表し、該2価の飽和炭
化水素基に含まれる水素原子は、フッ素原子又はヒドロキシ基に置換されていてもよい。
ただし、Lb11及びLb12の合計炭素数は21以下である。
式(b1-7)中、
b13は、炭素数1~19の2価の飽和炭化水素基を表す。
b14は、単結合又は炭素数1~18の2価の飽和炭化水素基を表し、該2価の飽和炭
化水素基に含まれる-CH-は-O-又は-CO-に置き換わっていてもよい。
b15は、単結合又は炭素数1~18の2価の飽和炭化水素基を表し、該2価の飽和炭
化水素基に含まれる水素原子は、フッ素原子又はヒドロキシ基に置換されていてもよい。
ただし、Lb13~Lb15の合計炭素数は19以下である。
式(b1-8)中、
b16は、炭素数1~18の2価の飽和炭化水素基を表し、該2価の飽和炭化水素基に
含まれる-CH-は-O-又は-CO-に置き換わっていてもよい。
b17は、炭素数1~18の2価の飽和炭化水素基を表す。
b18は、単結合又は炭素数1~17の2価の飽和炭化水素基を表し、該2価の飽和炭
化水素基に含まれる水素原子は、フッ素原子又はヒドロキシ基に置換されていてもよい。
ただし、Lb16~Lb18の合計炭素数は19以下である。
*及び**は結合手を表し、*はYとの結合手を表す。]
b8は、好ましくは炭素数1~4の2価の飽和炭化水素基である。
b9は、好ましくは炭素数1~8の2価の飽和炭化水素基である。
b10は、好ましくは単結合又は炭素数1~19の2価の飽和炭化水素基であり、より
好ましくは単結合又は炭素数1~8の2価の飽和炭化水素基である。
b11は、好ましくは炭素数1~8の2価の飽和炭化水素基である。
b12は、好ましくは単結合又は炭素数1~8の2価の飽和炭化水素基である。
b13は、好ましくは炭素数1~12の2価の飽和炭化水素基である。
b14は、好ましくは単結合又は炭素数1~6の2価の飽和炭化水素基である。
b15は、好ましくは単結合又は炭素数1~18の2価の飽和炭化水素基であり、より
好ましくは単結合又は炭素数1~8の2価の飽和炭化水素基である。
b16は、好ましくは炭素数1~12の2価の飽和炭化水素基である。
b17は、好ましくは炭素数1~6の2価の飽和炭化水素基である。
b18は、好ましくは単結合又は炭素数1~17の2価の飽和炭化水素基であり、より
好ましくは単結合又は炭素数1~4の2価の飽和炭化水素基である。
【0058】
式(b1-3)で表される基としては、式(b1-9)~式(b1-11)でそれぞれ
表される基が挙げられる。
[式(b1-9)中、
b19は、単結合又は炭素数1~23の2価の飽和炭化水素基を表し、該飽和炭化水素
基に含まれる水素原子は、フッ素原子に置換されていてもよい。
b20は、単結合又は炭素数1~23の2価の飽和炭化水素基を表し、該飽和炭化水素
基に含まれる水素原子は、フッ素原子、ヒドロキシ基又はアルキルカルボニルオキシ基に
置換されていてもよい。該アルキルカルボニルオキシ基に含まれる-CH2-は、-O-
又は-CO-に置き換わっていてもよく、該アルキルカルボニルオキシ基に含まれる水素
原子は、ヒドロキシ基に置換されていてもよい。
ただし、Lb19及びLb20の合計炭素数は23以下である。
式(b1-10)中、
b21は、単結合又は炭素数1~21の2価の飽和炭化水素基を表し、該飽和炭化水素
基に含まれる水素原子は、フッ素原子に置換されていてもよい。
b22は、単結合又は炭素数1~21の2価の飽和炭化水素基を表す。
b23は、単結合又は炭素数1~21の2価の飽和炭化水素基を表し、該飽和炭化水素
基に含まれる水素原子は、フッ素原子、ヒドロキシ基又はアルキルカルボニルオキシ基に
置換されていてもよい。該アルキルカルボニルオキシ基に含まれる-CH2-は、-O-
又は-CO-に置き換わっていてもよく、該アルキルカルボニルオキシ基に含まれる水素
原子は、ヒドロキシ基に置換されていてもよい。
ただし、Lb21、Lb22及びLb23の合計炭素数は21以下である。
式(b1-11)中、
b24は、単結合又は炭素数1~20の2価の飽和炭化水素基を表し、該飽和炭化水素
基に含まれる水素原子は、フッ素原子に置換されていてもよい。
b25は、炭素数1~21の2価の飽和炭化水素基を表す。
b26は、単結合又は炭素数1~20の2価の飽和炭化水素基を表し、該飽和炭化水素
基に含まれる水素原子は、フッ素原子、ヒドロキシ基又はアルキルカルボニルオキシ基に
置換されていてもよい。該アルキルカルボニルオキシ基に含まれる-CH2-は、-O-
又は-CO-に置き換わっていてもよく、該アルキルカルボニルオキシ基に含まれる水素
原子は、ヒドロキシ基に置換されていてもよい。
ただし、Lb24、Lb25及びLb26の合計炭素数は21以下である。
*及び**は結合手を表し、*はYとの結合手を表す。]
【0059】
なお、式(b1-9)で表される基から式(b1-11)で表される基においては、飽
和炭化水素基に含まれる水素原子がアルキルカルボニルオキシ基に置換されている場合、
置き換わる前の炭素数を該飽和炭化水素基の炭素数とする。
アルキルカルボニルオキシ基としては、アセチルオキシ基、プロピオニルオキシ基、ブ
チリルオキシ基、シクロヘキシルカルボニルオキシ基、アダマンチルカルボニルオキシ基
等が挙げられる。
【0060】
式(b1-4)で表される基としては、以下のものが挙げられる。
(*及び**は結合手を表し、*はYとの結合手を表す。)
【0061】
式(b1-5)で表される基としては、以下のものが挙げられる。
(*及び**は結合手を表し、*はYとの結合手を表す。)
【0062】
式(b1-6)で表される基としては、以下のものが挙げられる。
(*及び**は結合手を表し、*はYとの結合手を表す。)
【0063】
式(b1-7)で表される基としては、以下のものが挙げられる。
(*及び**は結合手を表し、*はYとの結合手を表す。)
【0064】
式(b1-8)で表される基としては、以下のものが挙げられる。
(*及び**は結合手を表し、*はYとの結合手を表す。)
【0065】
式(b1-2)で表される基としては、以下のものが挙げられる。
(*及び**は結合手を表し、*はYとの結合手を表す。)
【0066】
式(b1-9)で表される基としては、以下のものが挙げられる。
(*及び**は結合手を表し、*はYとの結合手を表す。)
【0067】
式(b1-10)で表される基としては、以下のものが挙げられる。
(*及び**は結合手を表し、*はYとの結合手を表す。)
【0068】
式(b1-11)で表される基としては、以下のものが挙げられる。
(*及び**は結合手を表し、*はYとの結合手を表す。)
【0069】
Yで表される脂環式炭化水素基としては、式(Y1)~式(Y11)、式(Y36)~
式(Y38)で表される基が挙げられる。
Yで表される脂環式炭化水素基に含まれる-CH-が-O-、-S(O)-又は-
CO-で置き換わる場合、その数は1つでもよいし、2以上でもよい。そのような基とし
ては、式(Y12)~式(Y35)、式(Y39)~式(Y43)で表される基が挙げら
れる。*はLb1との結合手を表す。
Yで表される脂環式炭化水素基としては、好ましくは式(Y1)~式(Y20)、式(
Y26)、式(Y27)、式(Y30)、式(Y31)、式(Y39)~式(Y43)の
いずれかで表される基であり、より好ましくは式(Y11)、式(Y15)、式(Y16
)、式(Y20)、式(Y26)、式(Y27)、式(Y30)、式(Y31)、式(Y
39)、式(Y40)、式(Y42)又は式(Y43)で表される基であり、さらに好ま
しくは式(Y11)、式(Y15)、式(Y20)、式(Y26)、式(Y27)、式(
Y30)、式(Y31)、式(Y39)、式(Y40)、式(Y42)又は式(Y43)
で表される基である。
Yで表される脂環式炭化水素基が式(Y28)~式(Y35)、式(Y39)~式(Y
40)、式(Y42)又は式(Y43)等の酸素原子を有するスピロ環である場合には、
2つの酸素原子間のアルカンジイル基は、1以上のフッ素原子を有することが好ましい。
また、ケタール構造に含まれるアルカンジイル基のうち、酸素原子に隣接するメチレン基
には、フッ素原子が置換されていないのが好ましい。
【0070】
Yで表されるメチル基の置換基としては、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、炭素数3~1
6の脂環式炭化水素基、炭素数6~18の芳香族炭化水素基、グリシジルオキシ基、-(
CHja-CO-O-Rb1基又は-(CHja-O-CO-Rb1基(式中、Rb1は、
炭素数1~16のアルキル基、炭素数3~16の脂環式炭化水素基、炭素数6~18の芳
香族炭化水素基又はこれらを組み合わせた基を表し、該アルキル基及び該脂環式炭化水素
基に含まれる-CH-は、-O-、-SO-又は-CO-に置き換わっていてもよく
、該アルキル基、該脂環式炭化水素基及び該芳香族炭化水素基に含まれる水素原子は、ヒ
ドロキシ基又はフッ素原子に置き換わっていてもよい。jaは、0~4のいずれかの整数
を表す。)等が挙げられる。
Yで表される脂環式炭化水素基の置換基としては、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、ヒド
ロキシ基で置換されていてもよい炭素数1~16のアルキル基(該アルキル基に含まれる
-CH-は、-O-又は-CO-で置き換わっていてもよい。)、炭素数3~16の脂
環式炭化水素基、炭素数6~18の芳香族炭化水素基、炭素数7~21のアラルキル基、
グリシジルオキシ基、-(CHja-CO-O-Rb1基又は-(CHja-O-CO
-Rb1基(式中、Rb1は、炭素数1~16のアルキル基、炭素数3~16の脂環式炭化水
素基、炭素数6~18の芳香族炭化水素基又はこれらを組み合わせた基を表し、該アルキ
ル基及び該脂環式炭化水素基に含まれる-CH-は、-O-、-SO-又は-CO-
に置き換わっていてもよく、該アルキル基、該脂環式炭化水素基及び該芳香族炭化水素基
に含まれる水素原子は、ヒドロキシ基又はフッ素原子に置き換わっていてもよい。jaは
、0~4のいずれかの整数を表す。)等が挙げられる。
【0071】
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子等が挙げられ
る。
脂環式炭化水素基としては、例えば、シクロペンチル基、シクロへキシル基、メチルシ
クロヘキシル基、ジメチルシクロへキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、ノ
ルボルニル基、アダマンチル基等が挙げられる。脂環式炭化水素基は鎖式炭化水素基を有
していてもよく、メチルシクロヘキシル基、ジメチルシクロへキシル基等が挙げられる。
脂環式炭化水素基の炭素数は、好ましくは3~12であり、より好ましくは3~10であ
る。
芳香族炭化水素基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基、アントリル基、ビフェ
ニル基、フェナントリル基等のアリール基等が挙げられる。芳香族炭化水素基は、鎖式炭
化水素基又は脂環式炭化水素基を有していてもよく、炭素数1~18の鎖式炭化水素基を
有する芳香族炭化水素基(トリル基、キシリル基、クメニル基、メシチル基、p-メチル
フェニル基、p-エチルフェニル基、p-tert-ブチルフェニル基、2,6-ジエチ
ルフェニル基、2-メチル-6-エチルフェニル基等)、及び炭素数3~18の脂環式炭
化水素基を有する芳香族炭化水素基(p-アダマンチルフェニル基、p-シクロへキシル
フェニル基等)等が挙げられる。芳香族炭化水素基の炭素数は、好ましくは6~14であ
り、より好ましくは6~10である。
アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブ
チル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基
、2-エチルヘキシル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基
等が挙げられる。アルキル基の炭素数は、好ましくは1~12であり、より好ましくは1
~6であり、さらに好ましくは1~4である。
ヒドロキシ基で置換されているアルキル基としては、ヒドロキシメチル基、ヒドロキシ
エチル基等のヒドロキシアルキル基が挙げられる。
アラルキル基としては、ベンジル基、フェネチル基、フェニルプロピル基、ナフチルメ
チル基及びナフチルエチル基等が挙げられる。
アルキル基に含まれる-CH-が-O-、-S(O)-又は-CO-等で置き換わ
った基としては、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アルキルカルボニル基、アル
キルカルボニルオキシ基又はこれらを組み合わせた基などが挙げられる。
アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペンチ
ルオキシ基、ヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基、デシルオキシ基
及びドデシルオキシ基等が挙げられる。アルコキシ基の炭素数は、好ましくは1~12で
あり、より好ましくは1~6であり、さらに好ましくは1~4である。
アルコキシカルボニル基としては、例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニ
ル基、ブトキシカルボニル基等が挙げられる。アルコキシカルボニル基の炭素数は、好ま
しくは2~12であり、より好ましくは2~6であり、さらに好ましくは2~4である。
アルキルカルボニル基としては、例えば、アセチル基、プロピオニル基及びブチリル基
等が挙げられる。アルキルカルボニル基の炭素数は、好ましくは2~12であり、より好
ましくは2~6であり、さらに好ましくは2~4である。
アルキルカルボニルオキシ基としては、例えば、アセチルオキシ基、プロピオニルオキ
シ基、ブチリルオキシ基等が挙げられる。アルキルカルボニルオキシ基の炭素数は、好ま
しくは2~12であり、より好ましくは2~6であり、さらに好ましくは2~4である。
組み合わせた基としては、例えば、アルコキシ基とアルキル基とを組み合わせた基、ア
ルコキシ基とアルコキシ基とを組み合わせた基、アルコキシ基とアルキルカルボニル基と
を組み合わせた基、アルコキシ基とアルキルカルボニルオキシ基とを組み合わせた基等が
挙げられる。
アルコキシ基とアルキル基とを組み合わせた基としては、例えば、メトキシメチル基、
メトキシエチル基、エトキシエチル基、エトキシメチル基等のアルコキシアルキル基等が
挙げられる。アルコキシアルキル基の炭素数は、好ましくは2~12であり、より好まし
くは2~6であり、さらに好ましくは2~4である。
アルコキシ基とアルコキシ基とを組み合わせた基としては、メトキシメトキシ基、メト
キシエトキシ基、エトキシメトキシ基、エトキシエトキシ基等のアルコキシアルコキシ基
等が挙げられる。アルコキシアルコキシ基の炭素数は、好ましくは2~12であり、より
好ましくは2~6であり、さらに好ましくは2~4である。
アルコキシ基とアルキルカルボニル基とを組み合わせた基としては、メトキシアセチル
基、メトキシプロピオニル基、エトキシアセチル基、エトキシプロピオニル基等のアルコ
キシアルキルカルボニル基等が挙げられる。アルコキシアルキルカルボニル基の炭素数は
、好ましくは3~13であり、より好ましくは3~7であり、さらに好ましくは3~5で
ある。
アルコキシ基とアルキルカルボニルオキシ基とを組み合わせた基としては、メトキシア
セチルオキシ基、メトキシプロピオニルオキシ基、エトキシアセチルオキシ基、エトキシ
プロピオニルオキシ基等のアルコキシアルキルカルボニルオキシ基等が挙げられる。アル
コキシアルキルカルボニルオキシ基の炭素数は、好ましくは3~13であり、より好まし
くは3~7であり、さらに好ましくは3~5である。
脂環式炭化水素基に含まれる-CH-が-O-、-S(O)-又は-CO-等で置
き換わった基としては、式(Y12)~式(Y35)、式(Y39)~式(Y43)で表
される基等が挙げられる。
【0072】
Yとしては、以下のものが挙げられる。
【0073】
【0074】
Yは、好ましくは置換基を有していてもよい炭素数3~24の脂環式炭化水素基であり
、より好ましくは置換基を有していてもよい炭素数3~20の脂環式炭化水素基であり、
さらに好ましくは置換基を有していてもよい炭素数3~18の脂環式炭化水素基であり、
さらにより好ましくは置換基を有していてもよいアダマンチル基であり、該脂環式炭化水
素基又はアダマンチル基を構成する-CH-は-CO-、-S(O)-又は-CO-
に置き換わっていてもよい。Yは、具体的に好ましくはアダマンチル基、ヒドロキシアダ
マンチル基、オキソアダマンチル基又は式(Y42)、式(Y100)~式(Y114)
で表される基である。
【0075】
式(B1)で表される塩におけるアニオンとしては、式(B1-A-1)~式(B1-
A-59)で表されるアニオン〔以下、式番号に応じて「アニオン(B1-A-1)」等
という場合がある。〕が好ましく、式(B1-A-1)~式(B1-A-4)、式(B1
-A-9)、式(B1-A-10)、式(B1-A-24)~式(B1-A-33)、式
(B1-A-36)~式(B1-A-40)、式(B1-A-47)~式(B1-A-5
9)のいずれかで表されるアニオンがより好ましい。
【0076】
【0077】
【0078】
【0079】
【0080】
【0081】
ここでRi2~Ri7は、互いに独立に、例えば、炭素数1~4のアルキル基、好まし
くはメチル基又はエチル基である。Ri8は、例えば、炭素数1~12の鎖式炭化水素基
、好ましくは炭素数1~4のアルキル基、炭素数5~12の脂環式炭化水素基又はこれら
を組合せることにより形成される基、より好ましくはメチル基、エチル基、シクロヘキシ
ル基又はアダマンチル基である。LA41は、単結合又は炭素数1~4のアルカンジイル
基である。Qb1及びQb2は、上記と同じ意味を表す。
式(B1)で表される塩におけるアニオンとしては、具体的には、特開2010-20
4646号公報に記載されたアニオンが挙げられる。
【0082】
式(B1)で表される塩におけるアニオンとして好ましくは、式(B1a-1)~式(
B1a-38)でそれぞれ表されるアニオンが挙げられる。
【0083】
【0084】
【0085】
なかでも、式(B1a-1)~式(B1a-3)、式(B1a-7)~式(B1a-1
6)、式(B1a-18)、式(B1a-19)、式(B1a-22)~式(B1a-3
8)のいずれかで表されるアニオンが好ましい。
【0086】
Z1の有機カチオンとしては、有機オニウムカチオン、有機スルホニウムカチオン、
有機ヨードニウムカチオン、有機アンモニウムカチオン、ベンゾチアゾリウムカチオン及
び有機ホスホニウムカチオン等が挙げられる。これらの中でも、有機スルホニウムカチオ
ン及び有機ヨードニウムカチオンが好ましく、アリールスルホニウムカチオンがより好ま
しい。アリールスルホニウムカチオンとしては、式(I)におけるZのカチオンと同様
のものが挙げられる。
【0087】
酸発生剤(B)は、上述のアニオン及び上述の有機カチオンの組合せであり、これらは
任意に組合せることができる。酸発生剤(B)としては、好ましくは式(B1a-1)~
式(B1a-3)、式(B1a-7)~式(B1a-16)、式(B1a-18)、式(
B1a-19)、式(B1a-22)~式(B1a-38)のいずれかで表されるアニオ
ンと、カチオン(b2-1)又はカチオン(b2-3)との組合せが挙げられる。
【0088】
酸発生剤(B)としては、好ましくは式(B1-1)~式(B1-56)でそれぞれ表
されるものが挙げられる、中でもアリールスルホニウムカチオンを含むものが好ましく、
式(B1-1)~式(B1-3)、式(B1-5)~式(B1-7)、式(B1-11)
~式(B1-14)、式(B1-20)~式(B1-26)、式(B1-29)、式(B
1-31)~式(B1-56)で表されるものがとりわけ好ましい。
【0089】
【0090】
【0091】
【0092】
【0093】
【0094】
【0095】
【0096】
酸発生剤として塩(I)及び酸発生剤(B)を含有する場合、塩(I)と酸発生剤(B
)との含有量の比(質量比;塩(I):酸発生剤(B))は、通常、1:99~99:1
であり、好ましくは2:98~98:2であり、より好ましくは5:95~95:5であ
り、さらに好ましくは10:90~90:10であり、特に好ましくは15:85~85
:15である。
本発明のレジスト組成物においては、酸発生剤の合計の含有率は、後述の樹脂(A)1
00質量部に対して、好ましくは1質量部以上45質量部以下、より好ましくは1質量部
以上40質量部以下、さらに好ましくは3質量部以上35質量部以下である。
【0097】
<レジスト組成物>
本発明のレジスト組成物は、塩(I)を含む酸発生剤と、酸不安定基を有する樹脂(以
下「樹脂(A)」という場合がある)とを含有する。ここで、「酸不安定基」とは、脱離
基を有し、酸との接触により脱離基が脱離して、構成単位が親水性基(例えば、ヒドロキ
シ基又はカルボキシ基)を有する構成単位に変換する基を意味する。
本発明のレジスト組成物は、酸発生剤から発生する酸よりも酸性度の弱い酸を発生する
塩等のクエンチャー(以下「クエンチャー(C)」という場合がある)を含有することが
好ましく、溶剤(以下「溶剤(E)」という場合がある)を含有することが好ましい。
【0098】
<樹脂(A)>
樹脂(A)は、酸不安定基を有する構造単位(以下「構造単位(a1)」という場合が
ある)を有する。樹脂(A)は、さらに、構造単位(a1)以外の構造単位を含むことが
好ましい。構造単位(a1)以外の構造単位としては、酸不安定基を有さない構造単位(
以下「構造単位(s)」という場合がある)、構造単位(a1)及び構造単位(s)以外
の構造単位(例えば、後述するハロゲン原子を有する構造単位(以下「構造単位(a4)
」という場合がある)、後述する非脱離炭化水素基を有する構造単位(以下「構造単位(
a5)」という場合がある)及びその他の当該分野で公知のモノマーに由来する構造単位
等が挙げられる。
【0099】
〈構造単位(a1)〉
構造単位(a1)は、酸不安定基を有するモノマー(以下「モノマー(a1)」という
場合がある)から導かれる。
樹脂(A)に含まれる酸不安定基は、式(1)で表される基(以下、基(1)とも記す
)及び/又は式(2)で表される基(以下、基(2)とも記す)が好ましい。
[式(1)中、Ra1、Ra2及びRa3は、それぞれ独立に、炭素数1~8のアルキ
ル基、炭素数2~8のアルケニル基、炭素数3~20の脂環式炭化水素基、炭素数6~1
8の芳香族炭化水素基又はこれらを組み合わせた基を表すか、Ra1及びRa2は互いに結合
してそれらが結合する炭素原子とともに炭素数3~20の非芳香族炭化水素環を形成する

ma及びnaは、それぞれ独立して、0又は1を表し、ma及びnaの少なくとも一方
は1を表す。
*は結合部位を表す。]
[式(2)中、Ra1’及びRa2’は、それぞれ独立に、水素原子又は炭素数1~1
2の炭化水素基を表し、Ra3’は、炭素数1~20の炭化水素基を表すか、Ra2’
びRa3’は互いに結合してそれらが結合する炭素原子及びXとともに炭素数3~20の
複素環を形成し、該炭化水素基及び該複素環に含まれる-CH-は、-O-又は-S-
で置き換わってもよい。
Xは、酸素原子又は硫黄原子を表す。
na’は、0又は1を表す。
*は結合部位を表す。]
【0100】
a1、Ra2及びRa3におけるアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピ
ル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基等が挙げられる。
a1、Ra2及びRa3におけるアルケニル基としては、エテニル基、プロペニル基
、イソプロペニル基、ブテニル基、イソブテニル基、tert-ブテニル基、ペンテニル
基、ヘキセニル基、ヘプテニル基、オクチニル基、イソオクチニル基、ノネニル基が挙げ
られる。
a1、Ra2及びRa3における脂環式炭化水素基は、単環式及び多環式のいずれで
もよい。単環式の脂環式炭化水素基としては、シクロペンチル基、シクロへキシル基、シ
クロヘプチル基、シクロオクチル基等のシクロアルキル基が挙げられる。多環式の脂環式
炭化水素基としては、デカヒドロナフチル基、アダマンチル基、ノルボルニル基及び下記
の基(*は結合部位を表す。)等が挙げられる。Ra1、Ra2及びRa3の脂環式炭化
水素基の炭素数は、好ましくは3~16である。
a1、Ra2及びRa3における芳香族炭化水素基としては、フェニル基、ナフチル
基、アントリル基、ビフェニル基、フェナントリル基等のアリール基が挙げられる。
組み合わせた基としては、上述したアルキル基と脂環式炭化水素基とを組み合わせた基
(例えば、メチルシクロヘキシル基、ジメチルシクロへキシル基、メチルノルボルニル基
、シクロヘキシルメチル基、アダマンチルメチル基、アダマンチルジメチル基、ノルボル
ニルエチル基等のアルキルシクロアルキル基又はシクロアルキルアルキル基)、ベンジル
基等のアラルキル基、アルキル基を有する芳香族炭化水素基(p-メチルフェニル基、p
-tert-ブチルフェニル基、トリル基、キシリル基、クメニル基、メシチル基、2,
6-ジエチルフェニル基、2-メチル-6-エチルフェニル基等)、脂環式炭化水素基を
有する芳香族炭化水素基(p-シクロヘキシルフェニル基、p-アダマンチルフェニル基
等)、フェニルシクロヘキシル基等のアリール-シクロアルキル基等が挙げられる。
好ましくは、maは0であり、naは1である。
a1及びRa2が互いに結合して非芳香族炭化水素環を形成する場合の-C(Ra1)(R
a2)(Ra3)としては、下記の環が挙げられる。非芳香族炭化水素環は、好ましくは炭素
数3~12である。*は-O-との結合部位を表す。
【0101】
a1’、Ra2’及びRa3’における炭化水素基としては、アルキル基、脂環式炭
化水素基、芳香族炭化水素基及びこれらを組み合わせることにより形成される基等が挙げ
られる。
アルキル基及び脂環式炭化水素基は、Ra1、Ra2及びRa3で挙げた基と同様のも
のが挙げられる。
芳香族炭化水素基としては、フェニル基、ナフチル基、アントリル基、ビフェニル基、
フェナントリル基等のアリール基が挙げられる。
組み合わせた基としては、上述したアルキル基と脂環式炭化水素基とを組み合わせた基
(例えば、メチルシクロヘキシル基、ジメチルシクロへキシル基、メチルノルボルニル基
、シクロヘキシルメチル基、アダマンチルメチル基、アダマンチルジメチル基、ノルボル
ニルエチル基等のアルキルシクロアルキル基又はシクロアルキルアルキル基)、ベンジル
基等のアラルキル基、アルキル基を有する芳香族炭化水素基(p-メチルフェニル基、p
-tert-ブチルフェニル基、トリル基、キシリル基、クメニル基、メシチル基、2,
6-ジエチルフェニル基、2-メチル-6-エチルフェニル基等)、脂環式炭化水素基を
有する芳香族炭化水素基(p-シクロヘキシルフェニル基、p-アダマンチルフェニル基
等)、フェニルシクロヘキシル基等のアリール-シクロアルキル基等が挙げられる。
a2’及びRa3’が互いに結合してそれらが結合する炭素原子及びXとともに複素
環を形成する場合、-C(Ra1’)(Ra2’)-X-Ra3’としては、下記の環が挙げら
れる。*は、結合部位を表す。
a1’及びRa2’のうち、少なくとも1つは水素原子であることが好ましい。
na’は、好ましくは0である。
【0102】
基(1)としては、以下の基が挙げられる。
式(1)においてRa1、Ra2及びRa3がアルキル基であり、ma=0であり、n
a=1である基。当該基としては、tert-ブトキシカルボニル基が好ましい。
式(1)において、Ra1、Ra2が、これらが結合する炭素原子と一緒になってアダマン
チル基を形成し、Ra3がアルキル基であり、ma=0であり、na=1である基。
式(1)において、Ra1及びRa2がそれぞれ独立してアルキル基であり、Ra3がアダマ
ンチル基であり、ma=0であり、na=1である基。
基(1)としては、具体的には以下の基が挙げられる。*は結合部位を表す。
【0103】
基(2)の具体例としては、以下の基が挙げられる。*は結合部位を表す。
【0104】
モノマー(a1)は、好ましくは、酸不安定基とエチレン性不飽和結合とを有するモノ
マー、より好ましくは酸不安定基を有する(メタ)アクリル系モノマーである。
【0105】
酸不安定基を有する(メタ)アクリル系モノマーのうち、好ましくは、炭素数5~20
の脂環式炭化水素基を有するものが挙げられる。脂環式炭化水素基のような嵩高い構造を
有するモノマー(a1)に由来する構造単位を有する樹脂(A)をレジスト組成物に使用
すれば、レジストパターンの解像度を向上させることができる。
【0106】
基(1)を有する(メタ)アクリル系モノマーに由来する構造単位として、式(a1-
0)で表される構造単位(以下、構造単位(a1-0)という場合がある。)、式(a1
-1)で表される構造単位(以下、構造単位(a1-1)という場合がある。)又は式(
a1-2)で表される構造単位(以下、構造単位(a1-2)という場合がある。)が挙
げられる。好ましくは、構造単位(a1-1)及び構造単位(a1-2)からなる群から
選ばれる少なくとも1種の構造単位である。これらは単独で使用してもよく、2種以上を
併用してもよい。
[式(a1-0)、式(a1-1)及び式(a1-2)中、
a01、La1及びLa2は、それぞれ独立に、-O-又は*-O-(CHk1
CO-O-を表し、k1は1~7のいずれかの整数を表し、*は-CO-との結合部位を
表す。
a01、Ra4及びRa5は、それぞれ独立に、水素原子又はメチル基を表す。
a02、Ra03及びRa04は、それぞれ独立に、炭素数1~8のアルキル基、炭素数3~
18の脂環式炭化水素基、炭素数6~18の芳香族炭化水素基又はこれらを組み合わせた
基を表す。
a6及びRa7は、それぞれ独立に、炭素数1~8のアルキル基、炭素数2~8のア
ルケニル基、炭素数3~18の脂環式炭化水素基、炭素数6~18の芳香族炭化水素基又
はこれらを組合せることにより形成される基を表す。
m1は0~14のいずれかの整数を表す。
n1は0~10のいずれかの整数を表す。
n1’は0~3のいずれかの整数を表す。]
【0107】
a01、Ra4及びRa5は、好ましくはメチル基である。
a01、La1及びLa2は、好ましくは酸素原子又は*-O-(CHk01-C
O-O-であり(但し、k01は、好ましくは1~4のいずれかの整数、より好ましくは
1である。)、より好ましくは酸素原子である。
a02、Ra03、Ra04、Ra6及びRa7におけるアルキル基、アルケニル基、脂環式
炭化水素基、芳香族炭化水素基及びこれらを組合せた基としては、基(1)のRa1、R
a2及びRa3で挙げた基と同様の基が挙げられる。
a02、Ra03、及びRa04におけるアルキル基は、好ましくは炭素数1~6のアルキル
基であり、より好ましくはメチル基又はエチル基であり、さらに好ましくはメチル基であ
る。
a6及びRa7におけるアルキル基は、好ましくは炭素数1~6のアルキル基であり
、より好ましくはメチル基、エチル基、イソプロピル基又はt-ブチル基であり、さらに
好ましくはエチル基、イソプロピル基又はt-ブチル基である。
a6及びRa7におけるアルケニル基は、好ましくは炭素数2~6のアルケニル基で
あり、より好ましくはエテニル基、プロペニル基、イソプロペニル基又はブテニル基であ
る。
a02、Ra03、Ra04、Ra6及びRa7の脂環式炭化水素基の炭素数は、好ましくは
5~12であり、より好ましくは5~10である。
a02、Ra03、Ra04、Ra6及びRa7の芳香族炭化水素基の炭素数は、好ましくは
6~12であり、より好ましくは6~10である。
アルキル基と脂環式炭化水素基とを組合せた基は、これらアルキル基と脂環式炭化水素
基とを組合せた合計炭素数が、18以下であることが好ましい。
アルキル基と芳香族炭化水素基とを組合せた基は、これらアルキル基と芳香族炭化水素
基とを組合せた合計炭素数が、18以下であることが好ましい。
a02及びRa03は、好ましくは炭素数1~6のアルキル基又は炭素数6~12の芳香族
炭化水素基であり、より好ましくはメチル基、エチル基、フェニル基又はナフチル基であ
る。
a04は、好ましくは炭素数1~6のアルキル基又は炭素数5~12の脂環式炭化水素
基であり、より好ましくはメチル基、エチル基、シクロヘキシル基又はアダマンチル基で
ある。
a6及びRa7は、それぞれ独立に、好ましくは炭素数1~6のアルキル基、炭素数
2~6のアルケニル基又は炭素数6~12の芳香族炭化水素基であり、より好ましくはメ
チル基、エチル基、イソプロピル基、t-ブチル基、エテニル基、フェニル基又はナフチ
ル基であり、さらに好ましくはエチル基、イソプロピル基、t-ブチル基、エテニル基又
はフェニル基である。
m1は、好ましくは0~3のいずれかの整数であり、より好ましくは0又は1である。
n1は、好ましくは0~3のいずれかの整数であり、より好ましくは0又は1である。
n1’は好ましくは0又は1である。
【0108】
構造単位(a1-0)としては、例えば、式(a1-0-1)~式(a1-0-18)
のいずれかで表される構造単位及び構造単位(a1-0)におけるRa01に相当するメ
チル基が水素原子に置き換わった構造単位が挙げられ、式(a1-0-1)~式(a1-
0-10)、式(a1-0-13)、式(a1-0-14)のいずれかで表される構造単
位が好ましい。
【0109】
構造単位(a1-1)としては、例えば、特開2010-204646号公報に記載さ
れたモノマーに由来する構造単位が挙げられる。中でも、式(a1-1-1)~式(a1
-1-7)のいずれかで表される構造単位及び構造単位(a1-1)におけるRa4に相
当するメチル基が水素原子に置き換わった構造単位が好ましく、式(a1-1-1)~式
(a1-1-4)のいずれかで表される構造単位がより好ましい。
【0110】
構造単位(a1-2)としては、式(a1-2-1)~式(a1-2-12)のいずれ
かで表される構造単位及び構造単位(a1-2)におけるRa5に相当するメチル基が水
素原子に置き換わった構造単位が挙げられ、式(a1-2-2)、式(a1-2-5)、
式(a1-2-6)及び式(a1-2-10)~式(a1-2-12)のいずれかで表さ
れる構造単位が好ましい。
【0111】
樹脂(A)が構造単位(a1-0)を含む場合、その含有率は、樹脂(A)の全構造単
位に対して、通常5~80モル%であり、好ましくは5~75モル%であり、より好まし
くは10~70モル%である。
樹脂(A)が構造単位(a1-1)及び/又は構造単位(a1-2)を含む場合、これ
らの合計含有率は、樹脂(A)の全構造単位に対して、通常10~90モル%であり、好
ましくは15~85モル%であり、より好ましくは20~80モル%であり、さらに好ま
しくは20~75モル%であり、さらにより好ましくは20~70モル%である。
【0112】
構造単位(a1)において基(2)を有する構造単位としては、式(a1-4)で表さ
れる構造単位(以下、「構造単位(a1-4)」という場合がある。)が挙げられる。
[式(a1-4)中、
a32は、水素原子、ハロゲン原子、又は、ハロゲン原子を有していてもよい炭素数1
~6のアルキル基を表す。
a33は、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、炭素数1~6のアルキル基、炭素数1~6の
アルコキシ基、炭素数2~12のアルコキシアルキル基、炭素数2~12のアルコキシア
ルコキシ基、炭素数2~4のアルキルカルボニル基、炭素数2~4のアルキルカルボニル
オキシ基、アクリロイルオキシ基又はメタクリロイルオキシ基を表す。
a30は、単結合又は-Xa31-(Aa32-Xa32nc-を表し、*は-Ra32が結合す
る炭素原子との結合部位を表す。
a32は、炭素数1~6のアルカンジイル基を表す。
a31及びXa32は、それぞれ独立に、-O-、-CO-O-又は-O-CO-を表す。
ncは、0又は1を表す。
laは0~4のいずれかの整数を表す。laが2以上のいずれかの整数である場合、複
数のRa33は互いに同一でも異なっていてもよい。
a34及びRa35はそれぞれ独立に、水素原子又は炭素数1~12の炭化水素基を表し、
a36は、炭素数1~20の炭化水素基を表すか、Ra35及びRa36は互いに結合してそれ
らが結合する-C-O-とともに炭素数2~20の2価の炭化水素基を形成し、該炭化水
素基及び該2価の炭化水素基に含まれる-CH2-は、-O-又は-S-で置き換わって
もよい。]
【0113】
a32及びRa33におけるハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子及び臭素原子等
が挙げられる。
a32におけるハロゲン原子を有していてもよい炭素数1~6のアルキル基としては、
トリフルオロメチル基、ジフルオロメチル基、メチル基、ペルフルオロエチル基、2,2
,2-トリフルオロエチル基、1,1,2,2-テトラフルオロエチル基、エチル基、ペ
ルフルオロプロピル基、2,2,3,3,3-ペンタフルオロプロピル基、プロピル基、
ペルフルオロブチル基、1,1,2,2,3,3,4,4-オクタフルオロブチル基、ブ
チル基、ペルフルオロペンチル基、2,2,3,3,4,4,5,5,5-ノナフルオロ
ペンチル基、ペンチル基、ヘキシル基及びペルフルオロヘキシル基が挙げられる。
a32は、水素原子又は炭素数1~4のアルキル基が好ましく、水素原子、メチル基又
はエチル基がより好ましく、水素原子又はメチル基がさらに好ましい。
a33におけるアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル
基、ブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基が挙げ
られる。
a33におけるアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソ
プロポキシ基、ブトキシ基、sec-ブトキシ基、tert-ブトキシ基、ペンチルオキ
シ基、ヘキシルオキシ基が挙げられる。アルコキシ基は、炭素数1~4のアルコキシ基が
好ましく、メトキシ基又はエトキシ基がより好ましく、メトキシ基がさらに好ましい。
a33におけるアルコキシアルキル基としては、メトキシメチル基、エトキシエチル基
、プロポキシメチル基、イソプロポキシメチル基、ブトキシメチル基、sec-ブトキシ
メチル基、tert-ブトキシメチル基が挙げられる。アルコキシアルキル基は、炭素数
2~8のアルコキシアルキル基が好ましく、メトキシメチル基又はエトキシエチル基がよ
り好ましく、メトキシメチル基がさらに好ましい。
a33におけるアルコキシアルコキシ基としては、メトキシメトキシ基、メトキシエト
キシ基、エトキシメトキシ基、エトキシエトキシ基、プロポキシメトキシ基、イソプロポ
キシメトキシ基、ブトキシメトキシ基、sec-ブトキシメトキシ基、tert-ブトキ
シメトキシ基が挙げられる。アルコキシアルコキシ基は、炭素数2~8のアルコキシアル
コキシ基が好ましく、メトキシエトキシ基又はエトキシエトキシ基がより好ましい。
a33におけるアルキルカルボニル基としては、アセチル基、プロピオニル基及びブチ
リル基等が挙げられる。アルキルカルボニル基は、炭素数2~3のアルキルカルボニル基
が好ましく、アセチル基がより好ましい。
a33におけるアルキルカルボニルオキシ基としては、アセチルオキシ基、プロピオニ
ルオキシ基及びブチリルオキシ基が挙げられる。アルキルカルボニルオキシ基は、炭素数
2~3のアルキルカルボニルオキシ基が好ましく、アセチルオキシ基がより好ましい。
a33は、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、炭素数1~4のアルキル基、炭素数1~4の
アルコキシ基又は炭素数2~8のアルコキシアルコキシ基が好ましく、フッ素原子、ヨウ
素原子、ヒドロキシ基、メチル基、メトキシ基、エトキシ基、エトキシエトキシ基又はエ
トキシメトキシ基がより好ましく、フッ素原子、ヨウ素原子、ヒドロキシ基、メチル基、
メトキシ基又はエトキシエトキシ基がさらに好ましい。
【0114】
*-Xa31-(Aa32-Xa32nc-としては、*-O-、*-CO-O-、*-O-C
O-、*-CO-O-Aa32-CO-O-、*-O-CO-Aa32-O-、*-O-Aa32
-CO-O-、*-CO-O-Aa32-O-CO-、*-O-CO-Aa32-O-CO-、
が挙げられる。なかでも、*-CO-O-、*-CO-O-Aa32-CO-O-又は*-
O-Aa32-CO-O-が好ましい。
【0115】
a32におけるアルカンジイル基としては、メチレン基、エチレン基、プロパン-1,
3-ジイル基、プロパン-1,2-ジイル基、ブタン-1,4-ジイル基、ペンタン-1
,5-ジイル基、ヘキサン-1,6-ジイル基、ブタン-1,3-ジイル基、2-メチル
プロパン-1,3-ジイル基、2-メチルプロパン-1,2-ジイル基、ペンタン-1,
4-ジイル基及び2-メチルブタン-1,4-ジイル基等が挙げられる。
a32は、メチレン基又はエチレン基であることが好ましい。
【0116】
a30は、単結合、*-CO-O-又は*-CO-O-Aa32-CO-O-であることが
好ましく、単結合、*-CO-O-又は*-CO-O-CH2-CO-O-であることが
より好ましく、単結合又は*-CO-O-であることがさらに好ましい。
【0117】
laは0、1又は2が好ましく、0又は1がより好ましく、0がさらに好ましい。
a34、Ra35及びRa36における炭化水素基としては、アルキル基、脂環式炭化水素基
、芳香族炭化水素基、及びこれらを組み合わせた基が挙げられる。
アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキ
シル基、ヘプチル基、オクチル基等が挙げられる。
脂環式炭化水素基は、単環式及び多環式のいずれでもよい。単環式の脂環式炭化水素基
としては、シクロペンチル基、シクロへキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基
等のシクロアルキル基が挙げられる。多環式の脂環式炭化水素基としては、デカヒドロナ
フチル基、アダマンチル基、ノルボルニル基及び下記の基(*は結合部位を表す。)等が
挙げられる。
芳香族炭化水素基としては、フェニル基、ナフチル基、アントリル基、ビフェニル基、
フェナントリル基等のアリール基が挙げられる。
組み合わせた基としては、上述したアルキル基と脂環式炭化水素基とを組み合わせた基
(例えば、メチルシクロヘキシル基、ジメチルシクロへキシル基、メチルノルボルニル基
、シクロヘキシルメチル基、アダマンチルメチル基、アダマンチルジメチル基、ノルボル
ニルエチル基等のアルキルシクロアルキル基又はシクロアルキルアルキル基)、ベンジル
基等のアラルキル基、アルキル基を有する芳香族炭化水素基(p-メチルフェニル基、p
-tert-ブチルフェニル基、トリル基、キシリル基、クメニル基、メシチル基、2,
6-ジエチルフェニル基、2-メチル-6-エチルフェニル基等)、脂環式炭化水素基を
有する芳香族炭化水素基(p-シクロヘキシルフェニル基、p-アダマンチルフェニル基
等)、フェニルシクロヘキシル基等のアリール-シクロアルキル基等が挙げられる。特に
、Ra36としては、炭素数1~18のアルキル基、炭素数3~18の脂環式炭化水素基、
炭素数6~18の芳香族炭化水素基又はこれらを組み合わせることにより形成される基が
挙げられる。
【0118】
a34は、好ましくは、水素原子である。
a35は、好ましくは、水素原子、炭素数1~12のアルキル基又は炭素数3~12の
脂環式炭化水素基であり、より好ましくはメチル基又はエチル基である。
a36の炭化水素基は、好ましくは、炭素数1~18のアルキル基、炭素数3~18の
脂環式炭化水素基、炭素数6~18の芳香族炭化水素基又はこれらを組み合わせることに
より形成される基であり、より好ましくは、炭素数1~18のアルキル基、炭素数3~1
8の脂環式炭化水素基又は炭素数7~18のアラルキル基である。Ra36におけるアルキ
ル基及び脂環式炭化水素基は、無置換であることが好ましい。Ra36における芳香族炭化
水素基は、炭素数6~10のアリールオキシ基を有する芳香環が好ましい。
構造単位(a1-4)における-OC(Ra34)(Ra35)-O-Ra36は、酸(例えば
p-トルエンスルホン酸)と接触して脱離し、ヒドロキシ基を形成する。
-OC(Ra34)(Ra35)-O-Ra36は、ベンゼン環のo-位又はp-位に結合する
ことが好ましく、p-位に結合することがより好ましい。
【0119】
構造単位(a1-4)としては、例えば、特開2010-204646号公報に記載さ
れたモノマー由来の構造単位が挙げられる。好ましくは、式(a1-4-1)~式(a1
-4-18)でそれぞれ表される構造単位及びRa32に相当する水素原子がメチル基に
置き換わった構造単位が挙げられ、より好ましくは、式(a1-4-1)~式(a1-4
-5)、式(a1-4-10)、式(a1-4-13)、式(a1-4-14)でそれぞ
れ表される構造単位が挙げられる。
【0120】
樹脂(A)が、構造単位(a1-4)を含む場合、その含有率は、樹脂(A)の全構造
単位の合計に対して、3~80モル%であることが好ましく、5~75モル%であること
がより好ましく、7~70モル%であることがさらに好ましく、7~65モル%であるこ
とがさらにより好ましく、10~60モル%であることが特に好ましい。
【0121】
基(2)を有する(メタ)アクリル系モノマーに由来する構造単位としては、式(a1
-5)で表される構造単位(以下「構造単位(a1-5)」という場合がある)も挙げら
れる。
式(a1-5)中、
a8は、ハロゲン原子を有していてもよい炭素数1~6のアルキル基、水素原子又はハ
ロゲン原子を表す。
a1は、単結合又は*-(CH2h3-CO-L54-を表し、h3は1~4のいずれか
の整数を表し、*は、L51との結合部位を表す。
51、L52、L53及びL54は、それぞれ独立に、-O-又は-S-を表す。
s1は、1~3のいずれかの整数を表す。
s1’は、0~3のいずれかの整数を表す。
【0122】
ハロゲン原子としては、フッ素原子及び塩素原子が挙げられ、フッ素原子が好ましい。
ハロゲン原子を有していてもよい炭素数1~6のアルキル基としては、メチル基、エチル
基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、フルオ
ロメチル基及びトリフルオロメチル基が挙げられる。
式(a1-5)においては、Ra8は、水素原子、メチル基又はトリフルオロメチル基が
好ましい。
51は、酸素原子が好ましい。
52及びL53のうち、一方が-O-であり、他方が-S-であることが好ましい。
s1は、1が好ましい。
s1’は、0~2のいずれかの整数が好ましい。
a1は、単結合又は*-CH2-CO-O-が好ましい。
【0123】
構造単位(a1-5)としては、例えば、特開2010-61117号公報に記載され
たモノマー由来の構造単位が挙げられる。中でも、式(a1-5-1)~式(a1-5-
4)でそれぞれ表される構造単位が好ましく、式(a1-5-1)又は式(a1-5-2
)で表される構造単位がより好ましい。
【0124】
樹脂(A)が、構造単位(a1-5)を含む場合、その含有率は、樹脂(A)の全構造
単位に対して、1~50モル%が好ましく、3~45モル%がより好ましく、5~40モ
ル%がさらに好ましく、5~30モル%がさらにより好ましい。
【0125】
また、構造単位(a1)としては、以下の構造単位も挙げられる。
【0126】
樹脂(A)が上記、(a1-3-1)~(a1-3-7)のような構造単位を含む場合
、その含有率は、樹脂(A)の全構造単位に対して、10~95モル%が好ましく、15
~90モル%がより好ましく、20~85モル%がさらに好ましく、20~70モル%が
さらにより好ましく、20~60モル%が特に好ましい。
【0127】
また、構造単位(a1)としては、以下の構造単位も挙げられる。
樹脂(A)が上記、(a1-6-1)~(a1-6-3)のような構造単位を含む場合
、その含有率は、樹脂(A)の全構造単位に対して、10~60モル%が好ましく、15
~55モル%がより好ましく、20~50モル%がさらに好ましく、20~45モル%が
さらにより好ましく、20~40モル%が特に好ましい。
【0128】
〈構造単位(s)〉
構造単位(s)は、酸不安定基を有さないモノマー(以下「モノマー(s)」という場
合がある)から導かれる。構造単位(s)を導くモノマーは、レジスト分野で公知の酸不
安定基を有さないモノマーを使用できる。
構造単位(s)としては、ヒドロキシ基又はラクトン環を有するのが好ましい。ヒドロ
キシ基を有し、かつ酸不安定基を有さない構造単位(以下「構造単位(a2)」という場
合がある)及び/又はラクトン環を有し、かつ酸不安定基を有さない構造単位(以下「構
造単位(a3)」という場合がある)を有する樹脂を本発明のレジスト組成物に使用すれ
ば、レジストパターンの解像度及び基板との密着性を向上させることができる。
【0129】
〈構造単位(a2)〉
構造単位(a2)が有するヒドロキシ基は、アルコール性ヒドロキシ基でも、フェノー
ル性ヒドロキシ基でもよい。
本発明のレジスト組成物からレジストパターンを製造するとき、露光光源としてKrF
エキシマレーザ(248nm)、電子線又はEUV(超紫外光)等の高エネルギー線を用
いる場合には、構造単位(a2)として、フェノール性ヒドロキシ基を有する構造単位(
a2)が好ましく、後述する構造単位(a2-A)を用いることがより好ましい。また、
ArFエキシマレーザ(193nm)等を用いる場合には、構造単位(a2)として、ア
ルコール性ヒドロキシ基を有する構造単位(a2)が好ましく、後述する構造単位(a2
-1)を用いることがより好ましい。構造単位(a2)としては、1種を単独で含んでい
てもよく、2種以上を含んでいてもよい。
【0130】
構造単位(a2)においてフェノール性ヒドロキシ基を有する構造単位としては式(a
2-A)で表される構造単位(以下「構造単位(a2-A)」という場合がある)が挙げ
られる。
[式(a2-A)中、
a50は、水素原子、ハロゲン原子又はハロゲン原子を有していてもよい炭素数1~6
のアルキル基を表す。
a51は、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、炭素数1~6のアルキル基、炭素数1~6の
アルコキシ基、炭素数2~12のアルコキシアルキル基、炭素数2~12のアルコキシア
ルコキシ基、炭素数2~4のアルキルカルボニル基、炭素数2~4のアルキルカルボニル
オキシ基、アクリロイルオキシ基又はメタクリロイルオキシ基を表す。
a50は、単結合又は*-Xa51-(Aa52-Xa52nb-を表し、*は-Ra50が結合す
る炭素原子との結合位を表す。
a52は、炭素数1~6のアルカンジイル基を表す。
a51及びXa52は、それぞれ独立に、-O-、-CO-O-又は-O-CO-を表す。
nbは、0又は1を表す。
mbは0~4のいずれかの整数を表す。mbが2以上のいずれかの整数である場合、複
数のRa51は互いに同一でも異なっていてもよい。]
【0131】
a50及びRa51におけるハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子及び臭素原子等
が挙げられる。
a50におけるハロゲン原子を有していてもよい炭素数1~6のアルキル基としては、
トリフルオロメチル基、ジフルオロメチル基、メチル基、ペルフルオロエチル基、2,2
,2-トリフルオロエチル基、1,1,2,2-テトラフルオロエチル基、エチル基、ペ
ルフルオロプロピル基、2,2,3,3,3-ペンタフルオロプロピル基、プロピル基、
ペルフルオロブチル基、1,1,2,2,3,3,4,4-オクタフルオロブチル基、ブ
チル基、ペルフルオロペンチル基、2,2,3,3,4,4,5,5,5-ノナフルオロ
ペンチル基、ペンチル基、ヘキシル基及びペルフルオロヘキシル基が挙げられる。
a50は、水素原子又は炭素数1~4のアルキル基が好ましく、水素原子、メチル基又
はエチル基がより好ましく、水素原子又はメチル基がさらに好ましい。
a51におけるアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル
基、ブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基が挙げ
られる。アルキル基は、炭素数1~4のアルキル基が好ましく、メチル基又はエチル基が
より好ましく、メチル基がさらに好ましい。
a51におけるアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソ
プロポキシ基、ブトキシ基、sec-ブトキシ基、tert-ブトキシ基が挙げられる。
アルコキシ基は、炭素数1~4のアルコキシ基が好ましく、メトキシ基又はエトキシ基が
より好ましく、メトキシ基がさらに好ましい。
a51におけるアルコキシアルキル基としては、メトキシメチル基、エトキシエチル基
、プロポキシメチル基、イソプロポキシメチル基、ブトキシメチル基、sec-ブトキシ
メチル基、tert-ブトキシメチル基が挙げられる。アルコキシアルキル基は、炭素数
2~8のアルコキシアルキル基が好ましく、メトキシメチル基又はエトキシエチル基がよ
り好ましく、メトキシメチル基がさらに好ましい。
a51におけるアルコキシアルコキシ基としては、メトキシメトキシ基、メトキシエト
キシ基、エトキシメトキシ基、エトキシエトキシ基、プロポキシメトキシ基、イソプロポ
キシメトキシ基、ブトキシメトキシ基、sec-ブトキシメトキシ基、tert-ブトキ
シメトキシ基が挙げられる。アルコキシアルコキシ基は、炭素数2~8のアルコキシアル
コキシ基が好ましく、メトキシエトキシ基又はエトキシエトキシ基がより好ましい。
a51におけるアルキルカルボニル基としては、アセチル基、プロピオニル基及びブチ
リル基等が挙げられる。アルキルカルボニル基は、炭素数2~3のアルキルカルボニル基
が好ましく、アセチル基がより好ましい。
a51におけるアルキルカルボニルオキシ基としては、アセチルオキシ基、プロピオニ
ルオキシ基及びブチリルオキシ基が挙げられる。アルキルカルボニルオキシ基は、炭素数
2~3のアルキルカルボニルオキシ基が好ましく、アセチルオキシ基がより好ましい。
a51は、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、炭素数1~4のアルキル基、炭素数1~4の
アルコキシ基又は炭素数2~8のアルコキシアルコキシ基が好ましく、フッ素原子、ヨウ
素原子、ヒドロキシ基、メチル基、メトキシ基、エトキシ基、エトキシエトキシ基又はエ
トキシメトキシ基がより好ましく、フッ素原子、ヨウ素原子、ヒドロキシ基、メチル基、
メトキシ基又はエトキシエトキシ基がさらに好ましい。
【0132】
*-Xa51-(Aa52-Xa52nb-としては、*-O-、*-CO-O-、*-O-C
O-、*-CO-O-Aa52-CO-O-、*-O-CO-Aa52-O-、*-O-Aa52
-CO-O-、*-CO-O-Aa52-O-CO-、*-O-CO-Aa52-O-CO-、
が挙げられる。なかでも、*-CO-O-、*-CO-O-Aa52-CO-O-又は*-
O-Aa52-CO-O-が好ましい。
【0133】
a52におけるアルカンジイル基としては、メチレン基、エチレン基、プロパン-1,
3-ジイル基、プロパン-1,2-ジイル基、ブタン-1,4-ジイル基、ペンタン-1
,5-ジイル基、ヘキサン-1,6-ジイル基、ブタン-1,3-ジイル基、2-メチル
プロパン-1,3-ジイル基、2-メチルプロパン-1,2-ジイル基、ペンタン-1,
4-ジイル基及び2-メチルブタン-1,4-ジイル基等が挙げられる。
a52は、メチレン基又はエチレン基であることが好ましい。
【0134】
a50は、単結合、*-CO-O-又は*-CO-O-Aa52-CO-O-であることが
好ましく、単結合、*-CO-O-又は*-CO-O-CH2-CO-O-であることが
より好ましく、単結合又は*-CO-O-であることがさらに好ましい。
【0135】
mbは0、1又は2が好ましく、0又は1がより好ましく、0がさらに好ましい。
ヒドロキシ基は、ベンゼン環のo-位又はp-位に結合することが好ましく、p-位に
結合することがより好ましい。
【0136】
構造単位(a2-A)としては、特開2010-204634号公報、特開2012-
12577号公報に記載されているモノマー由来の構造単位が挙げられる。
【0137】
構造単位(a2-A)としては、式(a2-2-1)~式(a2-2-16)で表され
る構造単位及び式(a2-2-1)~式(a2-2-16)で表される構造単位において
構造単位(a2-A)におけるRa50に相当するメチル基が水素原子に置き換わった構造
単位が挙げられる。構造単位(a2-A)は、式(a2-2-1)で表される構造単位、
式(a2-2-3)で表される構造単位、式(a2-2-6)で表される構造単位、式(
a2-2-8)で表される構造単位及び式(a2-2-12)~式(a2-2-14)で
表される構造単位ならびにこれらの構造単位において、構造単位(a2-A)におけるR
a50に相当するメチル基が水素原子に置き換わった構造単位であることが好ましい。
【0138】
樹脂(A)中に構造単位(a2-A)が含まれる場合の構造単位(a2-A)の含有率
は、全構造単位に対して、好ましくは5~80モル%であり、より好ましくは10~70
モル%であり、さらに好ましくは15~65モル%であり、さらにより好ましくは20~
65モル%である。
構造単位(a2-A)は、例えば構造単位(a1-4)を用いて重合した後、p-トル
エンスルホン酸等の酸で処理することにより、樹脂(A)に含ませることができる。また
、アセトキシスチレン等を用いて重合した後、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド等
のアルカリで処理することにより、構造単位(a2-A)を樹脂(A)に含ませることが
できる。
【0139】
構造単位(a2)においてアルコール性ヒドロキシ基を有する構造単位としては、式(
a2-1)で表される構造単位(以下「構造単位(a2-1)」という場合がある。)が
挙げられる。
式(a2-1)中、
a3は、-O-又は*-O-(CH2k2-CO-O-を表し、
k2は1~7のいずれかの整数を表す。*は-CO-との結合位を表す。
a14は、水素原子又はメチル基を表す。
a15及びRa16は、それぞれ独立に、水素原子、メチル基又はヒドロキシ基を表す。
o1は、0~10のいずれかの整数を表す。
【0140】
式(a2-1)では、La3は、好ましくは、-O-、-O-(CH2f1-CO-O-
であり(前記f1は、1~4のいずれかの整数を表す)、より好ましくは-O-である。
a14は、好ましくはメチル基である。
a15は、好ましくは水素原子である。
a16は、好ましくは水素原子又はヒドロキシ基である。
o1は、好ましくは0~3のいずれかの整数、より好ましくは0又は1である。
【0141】
構造単位(a2-1)としては、例えば、特開2010-204646号公報に記載さ
れたモノマーに由来する構造単位が挙げられる。式(a2-1-1)~式(a2-1-6
)のいずれかで表される構造単位が好ましく、式(a2-1-1)~式(a2-1-4)
のいずれかで表される構造単位がより好ましく、式(a2-1-1)又は式(a2-1-
3)で表される構造単位がさらに好ましい。
【0142】
樹脂(A)が構造単位(a2-1)を含む場合、その含有率は、樹脂(A)の全構造単
位に対して、通常1~45モル%であり、好ましくは1~40モル%であり、より好まし
くは1~35モル%であり、さらに好ましくは1~20モル%であり、さらにより好まし
くは1~10モル%である。
【0143】
〈構造単位(a3)〉
構造単位(a3)が有するラクトン環は、β-プロピオラクトン環、γ-ブチロラクト
ン環、δ-バレロラクトン環のような単環でもよく、単環式のラクトン環と他の環との縮
合環でもよい。好ましくは、γ-ブチロラクトン環、アダマンタンラクトン環、又は、γ
-ブチロラクトン環構造を含む橋かけ環(例えば下式(a3-2)で表される構造単位)
が挙げられる。
【0144】
構造単位(a3)は、好ましくは、式(a3-1)、式(a3-2)、式(a3-3)
又は式(a3-4)で表される構造単位である。これらの1種を単独で含有してもよく、
2種以上を含有していてもよい。
[式(a3-1)、式(a3-2)、式(a3-3)及び式(a3-4)中、
a4、La5及びLa6は、それぞれ独立に、-O-又は*-O-(CHk3-C
O-O-(k3は1~7のいずれかの整数を表す。)で表される基を表す。
a7は、-O-、*-O-La8-O-、*-O-La8-CO-O-、*-O-L
a8-CO-O-La9-CO-O-又は*-O-La8-O-CO-La9-O-を表
す。
a8及びLa9は、それぞれ独立に、炭素数1~6のアルカンジイル基を表す。
*はカルボニル基との結合位を表す。
a18、Ra19及びRa20は、それぞれ独立に、水素原子又はメチル基を表す。
a24は、ハロゲン原子を有していてもよい炭素数1~6のアルキル基、水素原子又
はハロゲン原子を表す。
a3は、-CH-又は酸素原子を表す。
a21は炭素数1~4の脂肪族炭化水素基を表す。
a22、Ra23及びRa25は、それぞれ独立に、カルボキシ基、シアノ基又は炭
素数1~4の脂肪族炭化水素基を表す。
p1は0~5のいずれかの整数を表す。
q1は、0~3のいずれかの整数を表す。
r1は、0~3のいずれかの整数を表す。
w1は、0~8のいずれかの整数を表す。
p1、q1、r1及び/又はw1が2以上のとき、複数のRa21、Ra22、Ra2
及び/又はRa25は互いに同一でも異なっていてもよい。]
【0145】
a21、Ra22、Ra23及びRa25における脂肪族炭化水素基としては、メチ
ル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、sec-ブチル基及びter
t-ブチル基等のアルキル基が挙げられる。
a24におけるハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素
原子が挙げられる。
a24におけるアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピ
ル基、ブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、ペンチル基及びヘキシル基等
が挙げられ、好ましくは炭素数1~4のアルキル基が挙げられ、より好ましくはメチル基
又はエチル基が挙げられる。
a24におけるハロゲン原子を有するアルキル基としては、トリフルオロメチル基、
ペルフルオロエチル基、ペルフルオロプロピル基、ペルフルオロイソプロピル基、ペルフ
ルオロブチル基、ペルフルオロsec-ブチル基、ペルフルオロtert-ブチル基、ペ
ルフルオロペンチル基、ペルフルオロヘキシル基、トリクロロメチル基、トリブロモメチ
ル基、トリヨードメチル基等が挙げられる。
【0146】
a8及びLa9におけるアルカンジイル基としては、メチレン基、エチレン基、プロ
パン-1,3-ジイル基、プロパン-1,2-ジイル基、ブタン-1,4-ジイル基、ペ
ンタン-1,5-ジイル基、ヘキサン-1,6-ジイル基、ブタン-1,3-ジイル基、
2-メチルプロパン-1,3-ジイル基、2-メチルプロパン-1,2-ジイル基、ペン
タン-1,4-ジイル基及び2-メチルブタン-1,4-ジイル基等が挙げられる。
【0147】
式(a3-1)~式(a3-3)において、La4~La6は、それぞれ独立に、好ま
しくは-O-又は、*-O-(CHk3-CO-O-において、k3が1~4のいずれ
かの整数である基、より好ましくは-O-及び、*-O-CH-CO-O-、さらに好
ましくは酸素原子である。
a18~Ra21は、好ましくはメチル基である。
a22及びRa23は、それぞれ独立に、好ましくはカルボキシ基、シアノ基又はメ
チル基である。
p1、q1及びr1は、それぞれ独立に、好ましくは0~2のいずれかの整数であり、
より好ましくは0又は1である。
【0148】
式(a3-4)において、Ra24は、好ましくは水素原子又は炭素数1~4のアルキ
ル基であり、より好ましくは水素原子、メチル基又はエチル基であり、さらに好ましくは
水素原子又はメチル基である。
a25は、好ましくはカルボキシ基、シアノ基又はメチル基である。
a7は、好ましくは-O-又は*-O-La8-CO-O-であり、より好ましくは
-O-、-O-CH-CO-O-又は-O-C-CO-O-である。
w1は、好ましくは0~2のいずれかの整数であり、より好ましくは0又は1である。
特に、式(a3-4)は、式(a3-4)’が好ましい。
(式中、Ra24、La7は、上記と同じ意味を表す。)
【0149】
構造単位(a3)としては、特開2010-204646号公報に記載されたモノマー
、特開2000-122294号公報に記載されたモノマー、特開2012-41274
号公報に記載されたモノマーに由来の構造単位が挙げられる。構造単位(a3)としては
、式(a3-1-1)、式(a3-1-2)、式(a3-2-1)、式(a3-2-2)
、式(a3-3-1)、式(a3-3-2)及び式(a3-4-1)~式(a3-4-1
2)のいずれかで表される構造単位及び、前記構造単位において、式(a3-1)~式(
a3-4)におけるRa18、Ra19、Ra20及びRa24に相当するメチル基が水
素原子に置き換わった構造単位が好ましい。
【0150】
【0151】
樹脂(A)が構造単位(a3)を含む場合、その合計含有率は、樹脂(A)の全構造単
位に対して、通常5~70モル%であり、好ましくは10~65モル%であり、より好ま
しくは10~60モル%である。
また、構造単位(a3-1)、構造単位(a3-2)、構造単位(a3-3)又は構造
単位(a3-4)の含有率は、それぞれ、樹脂(A)の全構造単位に対して、5~60モ
ル%が好ましく、5~50モル%がより好ましく、10~50モル%がさらに好ましい。
【0152】
〈構造単位(a4)〉
構造単位(a4)としては、以下の構造単位が挙げられる。
[式(a4)中、
41は、水素原子又はメチル基を表す。
42は、炭素数1~24のハロゲン原子を有する飽和炭化水素基を表し、該飽和炭化水
素基に含まれる-CH2-は、-O-又は-CO-に置き換わっていてもよい。]
42で表される飽和炭化水素基は、鎖式飽和炭化水素基及び単環又は多環の脂環式飽和
炭化水素基、並びに、これらを組み合わせることにより形成される基等が挙げられる。
【0153】
鎖式飽和炭化水素基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル
基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基、ペンタデシル基、ヘ
キサデシル基、ヘプタデシル基及びオクタデシル基が挙げられる。
単環又は多環の脂環式飽和炭化水素基としては、シクロペンチル基、シクロへキシル基
、シクロヘプチル基、シクロオクチル基等のシクロアルキル基;デカヒドロナフチル基、
アダマンチル基、ノルボルニル基及び下記の基(*は結合部位を表す。)等の多環式の脂
環式飽和炭化水素基が挙げられる。
組み合わせにより形成される基としては、1以上のアルキル基又は1以上のアルカンジ
イル基と、1以上の脂環式飽和炭化水素基とを組み合わせることにより形成される基が挙
げられ、-アルカンジイル基-脂環式飽和炭化水素基、-脂環式飽和炭化水素基-アルキ
ル基、-アルカンジイル基-脂環式飽和炭化水素基-アルキル基等が挙げられる。
【0154】
構造単位(a4)としては、式(a4-0)で表される構造単位、式(a4-1)で表
される構造単位、及び式(a4-4)で表される構造単位が挙げられる。
[式(a4-0)中、
54は、水素原子又はメチル基を表す。
4aは、単結合又は炭素数1~4のアルカンジイル基を表す。
3aは、炭素数1~8のペルフルオロアルカンジイル基又は炭素数3~12のペルフ
ルオロシクロアルカンジイル基を表す。
64は、水素原子又はフッ素原子を表す。]
【0155】
4aにおけるアルカンジイル基としては、メチレン基、エチレン基、プロパン-1,
3-ジイル基、ブタン-1,4-ジイル基等の直鎖状アルカンジイル基、エタン-1,1
-ジイル基、プロパン-1,2-ジイル基、ブタン-1,3-ジイル基、2-メチルプロ
パン-1,3-ジイル基及び2-メチルプロパン-1,2-ジイル基等の分岐状アルカン
ジイル基が挙げられる。
【0156】
3aにおけるペルフルオロアルカンジイル基としては、ジフルオロメチレン基、ペル
フルオロエチレン基、ペルフルオロエチルフルオロメチレン基、ペルフルオロプロパン-
1,3-ジイル基、ペルフルオロプロパン-1,2-ジイル基、ペルフルオロプロパン-
2,2-ジイル基、ペルフルオロブタン-1,4-ジイル基、ペルフルオロブタン-2,
2-ジイル基、ペルフルオロブタン-1,2-ジイル基、ペルフルオロペンタン-1,5
-ジイル基、ペルフルオロペンタン-2,2-ジイル基、ペルフルオロペンタン-3,3
-ジイル基、ペルフルオロヘキサン-1,6-ジイル基、ペルフルオロヘキサン-2,2
-ジイル基、ペルフルオロヘキサン-3,3-ジイル基、ペルフルオロヘプタン-1,7
-ジイル基、ペルフルオロヘプタン-2,2-ジイル基、ペルフルオロヘプタン-3,4
-ジイル基、ペルフルオロヘプタン-4,4-ジイル基、ペルフルオロオクタン-1,8
-ジイル基、ペルフルオロオクタン-2,2-ジイル基、ペルフルオロオクタン-3,3
-ジイル基、ペルフルオロオクタン-4,4-ジイル基等が挙げられる。
3aにおけるペルフルオロシクロアルカンジイル基としては、ペルフルオロシクロヘ
キサンジイル基、ペルフルオロシクロペンタンジイル基、ペルフルオロシクロヘプタンジ
イル基、ペルフルオロアダマンタンジイル基等が挙げられる。
【0157】
4aは、好ましくは単結合、メチレン基又はエチレン基であり、より好ましくは、単
結合、メチレン基である。
3aは、好ましくは炭素数1~6のペルフルオロアルカンジイル基であり、より好ま
しくは炭素数1~3のペルフルオロアルカンジイル基である。
【0158】
構造単位(a4-0)としては、以下に示す構造単位及び下記構造単位中の構造単位(
a4-0)におけるR54に相当するメチル基が水素原子に置き換わった構造単位が挙げら
れる。
【0159】
[式(a4-1)中、
a41は、水素原子又はメチル基を表す。
a42は、置換基を有していてもよい炭素数1~20の飽和炭化水素基を表し、該飽和
炭化水素基に含まれる-CH-は、-O-又は-CO-に置き換わっていてもよい。
a41は、置換基を有していてもよい炭素数1~6のアルカンジイル基又は式(a-g
1)で表される基を表す。ただし、Aa41及びRa42のうち少なくとも1つは、置換
基としてハロゲン原子(好ましくはフッ素原子)を有する。
〔式(a-g1)中、
sは0又は1を表す。
a42及びAa44は、それぞれ独立に、置換基を有していてもよい炭素数1~5の2価の
飽和炭化水素基を表す。
a43は、単結合又は置換基を有していてもよい炭素数1~5の2価の飽和炭化水素基
を表す。
a41及びXa42は、それぞれ独立に、-O-、-CO-、-CO-O-又は-O-CO
-を表す。
ただし、Aa42、Aa43、Aa44、Xa41及びXa42の炭素数の合計は7以下である。〕
*は結合部位であり、右側の*が-O-CO-Ra42との結合部位である。]
【0160】
a42における飽和炭化水素基としては、鎖式炭化水素基及び単環又は多環の飽和脂環
式炭化水素基、並びに、これらを組み合わせることにより形成される基等が挙げられる。
【0161】
鎖式炭化水素基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、
ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基、ペンタデシル基、ヘキサ
デシル基、ヘプタデシル基及びオクタデシル基等が挙げられる。
単環又は多環の飽和脂環式炭化水素基としては、シクロペンチル基、シクロへキシル基
、シクロヘプチル基、シクロオクチル基等のシクロアルキル基;デカヒドロナフチル基、
アダマンチル基、ノルボルニル基及び下記の基(*は結合部位を表す。)等の多環式の脂
環式炭化水素基が挙げられる。
組み合わせにより形成される基としては、1以上のアルキル基又は1以上のアルカンジ
イル基と、1以上の飽和脂環式炭化水素基とを組み合わせることにより形成される基が挙
げられ、-アルカンジイル基-飽和脂環式炭化水素基、-飽和脂環式炭化水素基-アルキ
ル基、-アルカンジイル基-飽和脂環式炭化水素基-アルキル基等が挙げられる。
【0162】
a42が有する置換基として、ハロゲン原子及び式(a-g3)で表される基からなる
群からなる群より選択される少なくとも1種が挙げられる。ハロゲン原子としては、フッ
素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子が挙げられ、好ましくはフッ素原子である。
[式(a-g3)中、
a43は、酸素原子、カルボニル基、*-O-CO-又は*-CO-O-を表す。
a45は、ハロゲン原子を有していてもよい炭素数1~17の飽和炭化水素基を表す。
*はRa42との結合部位を表す。]
ただし、Ra42-Xa43-Aa45において、Ra42がハロゲン原子を有しない場合は、Aa4
5は、少なくとも1つのハロゲン原子を有する炭素数1~17の飽和炭化水素基を表す。
【0163】
a45における飽和炭化水素基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基
、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基、ペンタデ
シル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基及びオクタデシル基等のアルキル基;
シクロペンチル基、シクロへキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基等の単環式
の脂環式炭化水素基;並びにデカヒドロナフチル基、アダマンチル基、ノルボルニル基及
び下記の基(*は結合部位を表す。)等の多環式の脂環式炭化水素基が挙げられる。
組み合わせにより形成される基としては、1以上のアルキル基又は1以上のアルカンジ
イル基と、1以上の脂環式炭化水素基とを組み合わせることにより形成される基が挙げら
れ、-アルカンジイル基-脂環式炭化水素基、-脂環式炭化水素基-アルキル基、-アル
カンジイル基-脂環式炭化水素基-アルキル基等が挙げられる。
【0164】
a42は、ハロゲン原子を有していてもよい飽和炭化水素基が好ましく、ハロゲン原子
を有するアルキル基及び/又は式(a-g3)で表される基を有する飽和炭化水素基がよ
り好ましい。
a42がハロゲン原子を有する飽和炭化水素基である場合、好ましくはフッ素原子を有
する飽和炭化水素基であり、より好ましくはペルフルオロアルキル基又はペルフルオロシ
クロアルキル基であり、さらに好ましくは炭素数が1~6のペルフルオロアルキル基であ
り、特に好ましくは炭素数1~3のペルフルオロアルキル基である。ペルフルオロアルキ
ル基としては、ペルフルオロメチル基、ペルフルオロエチル基、ペルフルオロプロピル基
、ペルフルオロブチル基、ペルフルオロペンチル基、ペルフルオロヘキシル基、ペルフル
オロヘプチル基及びペルフルオロオクチル基等が挙げられる。ペルフルオロシクロアルキ
ル基としては、ペルフルオロシクロヘキシル基等が挙げられる。
a42が、式(a-g3)で表される基を有する飽和炭化水素基である場合、式(a-
g3)で表される基に含まれる炭素数を含めて、Ra42の総炭素数は、15以下が好まし
く、12以下がより好ましい。式(a-g3)で表される基を置換基として有する場合、
その数は1個が好ましい。
【0165】
a42が式(a-g3)で表される基を有する飽和炭化水素基である場合、Ra42は、さ
らに好ましくは式(a-g2)で表される基である。
[式(a-g2)中、
a46は、ハロゲン原子を有していてもよい炭素数1~17の2価の飽和炭化水素基を
表す。
a44は、**-O-CO-又は**-CO-O-を表す(**はAa46との結合部位を
表す。)。
a47は、ハロゲン原子を有していてもよい炭素数1~17の飽和炭化水素基を表す。
ただし、Aa46、Aa47及びXa44の炭素数の合計は18以下であり、Aa46及びAa47
うち、少なくとも一方は、少なくとも1つのハロゲン原子を有する。
*はカルボニル基との結合部位を表す。]
【0166】
a46の飽和炭化水素基の炭素数は1~6が好ましく、1~3がより好ましい。
a47の飽和炭化水素基の炭素数は4~15が好ましく、5~12がより好ましく、Aa
47は、シクロヘキシル基又はアダマンチル基がさらに好ましい。
【0167】
式(a-g2)で表される基の好ましい構造は、以下の構造である(*はカルボニル基
との結合部位である)。
【0168】
a41におけるアルカンジイル基としては、メチレン基、エチレン基、プロパン-1,
3-ジイル基、ブタン-1,4-ジイル基、ペンタン-1,5-ジイル基、ヘキサン-1
,6-ジイル基等の直鎖状アルカンジイル基;プロパン-1,2-ジイル基、ブタン-1
,3-ジイル基、2-メチルプロパン-1,2-ジイル基、1-メチルブタン-1,4-
ジイル基、2-メチルブタン-1,4-ジイル基等の分岐状アルカンジイル基が挙げられ
る。
a41の表すアルカンジイル基における置換基としては、ヒドロキシ基及び炭素数1~
6のアルコキシ基等が挙げられる。
a41は、好ましくは炭素数1~4のアルカンジイル基であり、より好ましくは炭素数
2~4のアルカンジイル基であり、さらに好ましくはエチレン基である。
【0169】
式(a-g1)で表される基におけるAa42、Aa43及びAa44の表す2価の飽和炭化水
素基としては、直鎖又は分岐のアルカンジイル基及び単環の2価の脂環式飽和炭化水素基
、並びに、アルカンジイル基及び2価の脂環式飽和炭化水素基を組合せることにより形成
される2価の飽和炭化水素基等が挙げられる。具体的には、メチレン基、エチレン基、プ
ロパン-1,3-ジイル基、プロパン-1,2-ジイル基、ブタン-1,4-ジイル基、
1-メチルプロパン-1,3-ジイル基、2-メチルプロパン-1,3-ジイル基、2-
メチルプロパン-1,2-ジイル基等が挙げられる。
a42、Aa43及びAa44の表す2価の飽和炭化水素基の置換基としては、ヒドロキシ基
及び炭素数1~6のアルコキシ基等が挙げられる。
sは、0であることが好ましい。
【0170】
式(a-g1)で表される基において、Xa42が-O-、-CO-、-CO-O-又は
-O-CO-である基としては、以下の基等が挙げられる。以下の例示において、*及び
**はそれぞれ結合部位を表わし、**が-O-CO-Ra42との結合部位である。
【0171】
式(a4-1)で表される構造単位としては、以下に示す構造単位及び下記構造単位中
の式(a4-1)で表される構造単位におけるRa41に相当するメチル基が水素原子に置
き換わった構造単位が挙げられる。
【0172】
【0173】
式(a4-1)で表される構造単位としては、式(a4-2)で表される構造単位及び
式(a4-3)で表される構造単位が挙げられる。
[式(a4-2)中、
f5は、水素原子又はメチル基を表す。
44は、炭素数1~6のアルカンジイル基を表し、該アルカンジイル基に含まれる-C
2-は、-O-又は-CO-に置き換わっていてもよい。
f6は、炭素数1~20のフッ素原子を有する飽和炭化水素基を表す。
ただし、L44及びRf6の合計炭素数の上限は21である。]
【0174】
44の炭素数1~6のアルカンジイル基は、Aa41で例示したものと同様の基が挙げら
れる。
f6の飽和炭化水素基は、R42で例示したものと同様の基が挙げられる。
44におけるアルカンジイル基としては、炭素数2~4のアルカンジイル基が好ましく
、エチレン基がより好ましい。
【0175】
式(a4-2)で表される構造単位としては、例えば、式(a4-1-1)~式(a4
-1-11)でそれぞれ表される構造単位が挙げられる。構造単位(a4-2)における
f5に相当するメチル基が水素原子に置き換わった構造単位も式(a4-2)で表され
る構造単位として挙げられる。
【0176】
[式(a4-3)中、
f7は、水素原子又はメチル基を表す。
5は、炭素数1~6のアルカンジイル基を表す。
f13は、フッ素原子を有していてもよい炭素数1~18の2価の飽和炭化水素基を表
す。
f12は、*-O-CO-又は*-CO-O-を表す(*はAf13との結合部位を表す。
)。
f14は、フッ素原子を有していてもよい炭素数1~17の飽和炭化水素基を表す。
但し、Af13及びAf14の少なくとも1つは、フッ素原子を有し、L5、Af13及びAf14
の合計炭素数の上限は20である。]
【0177】
5におけるアルカンジイル基としては、Aa41のアルカンジイル基で例示したものと同
様の基が挙げられる。
【0178】
f13におけるフッ素原子を有していてもよい2価の飽和炭化水素基としては、好まし
くはフッ素原子を有していてもよい2価の鎖式飽和炭化水素基及びフッ素原子を有してい
てもよい2価の脂環式飽和炭化水素基であり、より好ましくはペルフルオロアルカンジイ
ル基である。
フッ素原子を有していてもよい2価の鎖式飽和炭化水素基としては、メチレン基、エチ
レン基、プロパンジイル基、ブタンジイル基及びペンタンジイル基等のアルカンジイル基
;ジフルオロメチレン基、ペルフルオロエチレン基、ペルフルオロプロパンジイル基、ペ
ルフルオロブタンジイル基及びペルフルオロペンタンジイル基等のペルフルオロアルカン
ジイル基等が挙げられる。
フッ素原子を有していてもよい2価の脂環式飽和炭化水素基は、単環式及び多環式のい
ずれでもよい。単環式の基としては、シクロヘキサンジイル基及びペルフルオロシクロヘ
キサンジイル基等が挙げられる。多環式の基としては、アダマンタンジイル基、ノルボル
ナンジイル基、ペルフルオロアダマンタンジイル基等が挙げられる。
【0179】
f14の飽和炭化水素基及びフッ素原子を有していてもよい飽和炭化水素基は、Ra42
例示したものと同様の基が挙げられる。なかでも、トリフルオロメチル基、ジフルオロメ
チル基、メチル基、ペルフルオロエチル基、2,2,2-トリフルオロエチル基、1,1
,2,2-テトラフルオロエチル基、エチル基、ペルフルオロプロピル基、2,2,3,
3,3-ペンタフルオロプロピル基、プロピル基、ペルフルオロブチル基、1,1,2,
2,3,3,4,4-オクタフルオロブチル基、ブチル基、ペルフルオロペンチル基、2
,2,3,3,4,4,5,5,5-ノナフルオロペンチル基、ペンチル基、ヘキシル基
、ペルフルオロヘキシル基、ヘプチル基、ペルフルオロヘプチル基、オクチル基及びペル
フルオロオクチル基等のフッ化アルキル基、シクロプロピルメチル基、シクロプロピル基
、シクロブチルメチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、ペルフルオロシクロヘ
キシル基、アダマンチル基、アダマンチルメチル基、アダマンチルジメチル基、ノルボル
ニル基、ノルボルニルメチル基、ペルフルオロアダマンチル基、ペルフルオロアダマンチ
ルメチル基等が好ましい。
【0180】
式(a4-3)において、L5は、エチレン基が好ましい。
f13の2価の飽和炭化水素基は、炭素数1~6の2価の鎖式飽和炭化水素基及び炭素
数3~12の2価の脂環式飽和炭化水素基を含む基が好ましく、炭素数2~3の2価の鎖
式飽和炭化水素基がさらに好ましい。
f14の飽和炭化水素基は、炭素数3~12の鎖式飽和炭化水素基及び炭素数3~12
の脂環式飽和炭化水素基を含む基が好ましく、炭素数3~10の鎖式飽和炭化水素基及び
炭素数3~10の脂環式飽和炭化水素基を含む基がさらに好ましい。なかでも、Af14
、好ましくは炭素数3~12の脂環式飽和炭化水素基を含む基であり、より好ましくは、
シクロプロピルメチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、ノルボルニル基及びア
ダマンチル基である。
【0181】
式(a4-3)で表される構造単位としては、例えば、式(a4-1’-1)~式(a
4-1’-11)でそれぞれ表される構造単位が挙げられる。構造単位(a4-3)にお
けるRf7に相当するメチル基が水素原子に置き換わった構造単位も式(a4-3)で表
される構造単位として挙げられる。
【0182】
構造単位(a4)としては、式(a4-4)で表される構造単位も挙げられる。
[式(a4-4)中、
f21は、水素原子又はメチル基を表す。
f21は、-(CH2j1-、-(CH2j2-O-(CH2j3-又は-(CH2j4
CO-O-(CH2j5-を表す。
j1~j5は、それぞれ独立に、1~6のいずれかの整数を表す。
f22は、フッ素原子を有する炭素数1~10の飽和炭化水素基を表す。]
【0183】
f22の飽和炭化水素基は、Ra42で表される飽和炭化水素基と同様のものが挙げられる
。Rf22は、フッ素原子を有する炭素数1~10のアルキル基又はフッ素原子を有する炭
素数1~10の脂環式飽和炭化水素基が好ましく、フッ素原子を有する炭素数1~10の
アルキル基がより好ましく、フッ素原子を有する炭素数1~6のアルキル基がさらに好ま
しい。
【0184】
式(a4-4)においては、Af21としては、-(CH2j1-が好ましく、エチレン
基又はメチレン基がより好ましく、メチレン基がさらに好ましい。
【0185】
式(a4-4)で表される構造単位としては、例えば、以下の構造単位及び以下の式で
表される構造単位において、構造単位(a4-4)におけるRf21に相当するメチル基が
水素原子に置き換わった構造単位が挙げられる。
【0186】
樹脂(A)が、構造単位(a4)を有する場合、その含有率は、樹脂(A)の全構造単
位に対して、1~20モル%が好ましく、2~15モル%がより好ましく、3~10モル
%がさらに好ましい。
【0187】
〈構造単位(a5)〉
構造単位(a5)が有する非脱離炭化水素基としては、直鎖、分岐又は環状の炭化水素
基を有する基が挙げられる。なかでも、構造単位(a5)は、脂環式炭化水素基を有する
基が好ましい。
構造単位(a5)としては、例えば、式(a5-1)で表される構造単位が挙げられる

[式(a5-1)中、
51は、水素原子又はメチル基を表す。
52は、炭素数3~18の脂環式炭化水素基を表し、該脂環式炭化水素基に含まれる水
素原子は炭素数1~8の脂肪族炭化水素基で置換されていてもよい。
55は、単結合又は炭素数1~18の2価の飽和炭化水素基を表し、該飽和炭化水素基
に含まれる-CH-は、-O-又は-CO-に置き換わっていてもよい。]
【0188】
52における脂環式炭化水素基としては、単環式及び多環式のいずれでもよい。単環式
の脂環式炭化水素基としては、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペン
チル基及びシクロヘキシル基が挙げられる。多環式の脂環式炭化水素基としては、例えば
、アダマンチル基及びノルボルニル基等が挙げられる。
炭素数1~8の脂肪族炭化水素基は、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソ
プロピル基、ブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、ペンチル基、ヘキシル
基、オクチル基及び2-エチルヘキシル基等のアルキル基が挙げられる。
置換基を有する脂環式炭化水素基としては、3-メチルアダマンチル基などが挙げられ
る。
52は、好ましくは、無置換の炭素数3~18の脂環式炭化水素基であり、より好まし
くは、アダマンチル基、ノルボルニル基又はシクロヘキシル基である。
【0189】
55における2価の飽和炭化水素基としては、2価の鎖式飽和炭化水素基及び2価の脂
環式飽和炭化水素基が挙げられ、好ましくは2価の鎖式飽和炭化水素基である。
2価の鎖式飽和炭化水素基としては、例えば、メチレン基、エチレン基、プロパンジイ
ル基、ブタンジイル基及びペンタンジイル基等のアルカンジイル基が挙げられる。
2価の脂環式飽和炭化水素基は、単環式及び多環式のいずれでもよい。単環式の脂環式
飽和炭化水素基としては、シクロペンタンジイル基及びシクロヘキサンジイル基等のシク
ロアルカンジイル基が挙げられる。多環式の2価の脂環式飽和炭化水素基としては、アダ
マンタンジイル基及びノルボルナンジイル基等が挙げられる。
【0190】
55の表す2価の飽和炭化水素基に含まれる-CH-が、-O-又は-CO-で置き
換わった基としては、例えば、式(L1-1)~式(L1-4)で表される基が挙げられ
る。下記式中、*及び**は各々結合部位を表し、*は酸素原子との結合部位を表す。
式(L1-1)中、
x1は、*-O-CO-又は*-CO-O-を表す(*はLx1との結合部位を表す。)

x1は、炭素数1~16の2価の脂肪族飽和炭化水素基を表す。
x2は、単結合又は炭素数1~15の2価の脂肪族飽和炭化水素基を表す。
ただし、Lx1及びLx2の合計炭素数は、16以下である。
式(L1-2)中、
x3は、炭素数1~17の2価の脂肪族飽和炭化水素基を表す。
x4は、単結合又は炭素数1~16の2価の脂肪族飽和炭化水素基を表す。
ただし、Lx3及びLx4の合計炭素数は、17以下である。
式(L1-3)中、
x5は、炭素数1~15の2価の脂肪族飽和炭化水素基を表す。
x6及びLx7は、それぞれ独立に、単結合又は炭素数1~14の2価の脂肪族飽和炭化
水素基を表す。
ただし、Lx5、Lx6及びLx7の合計炭素数は、15以下である。
式(L1-4)中、
x8及びLx9は、単結合又は炭素数1~12の2価の脂肪族飽和炭化水素基を表す。
x1は、炭素数3~15の2価の脂環式飽和炭化水素基を表す。
ただし、Lx8、Lx9及びWx1の合計炭素数は、15以下である。
【0191】
x1は、好ましくは、炭素数1~8の2価の脂肪族飽和炭化水素基、より好ましくは、
メチレン基又はエチレン基である。
x2は、好ましくは、単結合又は炭素数1~8の2価の脂肪族飽和炭化水素基、より好
ましくは、単結合である。
x3は、好ましくは、炭素数1~8の2価の脂肪族飽和炭化水素基である。
x4は、好ましくは、単結合又は炭素数1~8の2価の脂肪族飽和炭化水素基である。
x5は、好ましくは、炭素数1~8の2価の脂肪族飽和炭化水素基、より好ましくは、
メチレン基又はエチレン基である。
x6は、好ましくは、単結合又は炭素数1~8の2価の脂肪族飽和炭化水素基、より好
ましくは、メチレン基又はエチレン基である。
x7は、好ましくは、単結合又は炭素数1~8の2価の脂肪族飽和炭化水素基である。
x8は、好ましくは、単結合又は炭素数1~8の2価の脂肪族飽和炭化水素基、より好
ましくは、単結合又はメチレン基である。
x9は、好ましくは、単結合又は炭素数1~8の2価の脂肪族飽和炭化水素基、より好
ましくは、単結合又はメチレン基である。
x1は、好ましくは、炭素数3~10の2価の脂環式飽和炭化水素基、より好ましくは
、シクロヘキサンジイル基又はアダマンタンジイル基である。
【0192】
式(L1-1)で表される基としては、例えば、以下に示す2価の基が挙げられる。
【0193】
式(L1-2)で表される基としては、例えば、以下に示す2価の基が挙げられる。
【0194】
式(L1-3)で表される基としては、例えば、以下に示す2価の基が挙げられる。
【0195】
式(L1-4)で表される基としては、例えば、以下に示す2価の基が挙げられる。
【0196】
55は、好ましくは、単結合又は式(L1-1)で表される基である。
【0197】
構造単位(a5-1)としては、以下に示す構造単位及び下記構造単位中の構造単位(
a5-1)におけるR51に相当するメチル基が水素原子に置き換わった構造単位が挙げら
れる。
【0198】
樹脂(A)が、構造単位(a5)を有する場合、その含有率は、樹脂(A)の全構造単
位に対して、1~30モル%が好ましく、2~20モル%がより好ましく、3~15モル
%がさらに好ましい。
【0199】
<構造単位(II)>
樹脂(A)は、さらに、露光により分解して酸を発生する構造単位(以下、「構造単位
(II)」という場合がある)を含有していてもよい。構造単位(II)としては、具体
的には特開2016-79235号公報に記載の構造単位が挙げられ、側鎖にスルホナー
ト基若しくはカルボキシレート基と有機カチオンとを有する構造単位又は側鎖にスルホニ
オ基と有機アニオンとを有する構造単位であることが好ましい。
【0200】
側鎖にスルホナート基若しくはカルボキシレート基と有機カチオンとを有する構造単位
は、式(II-2-A’)で表される構造単位であることが好ましい。
[式(II-2-A’)中、
III3は、炭素数1~18の2価の飽和炭化水素基を表し、該飽和炭化水素基に含
まれる-CH-は、-O-、-S-又は-CO-に置き換わっていてもよく、該飽和炭
化水素基に含まれる水素原子は、ハロゲン原子、ハロゲン原子を有していてもよい炭素数
1~6のアルキル基又はヒドロキシ基で置き換わっていてもよい。
x1は、炭素数1~8のアルカンジイル基を表し、該アルカンジイル基に含まれる水
素原子は、フッ素原子又は炭素数1~6のペルフルオロアルキル基で置換されていてもよ
い。
RAは、スルホナート基又はカルボキシレート基を表す。
III3は、水素原子、ハロゲン原子又はハロゲン原子を有していてもよい炭素数1
~6のアルキル基を表す。
ZAは、有機カチオンを表す。]
【0201】
III3で表されるハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨ
ウ素原子等が挙げられる。
III3で表されるハロゲン原子を有していてもよい炭素数1~6のアルキル基とし
ては、Ra8で表されるハロゲン原子を有していてもよい炭素数1~6のアルキル基と同
じものが挙げられる。
x1で表される炭素数1~8のアルカンジイル基としては、メチレン基、エチレン基
、プロパン-1,3-ジイル基、ブタン-1,4-ジイル基、ペンタン-1,5-ジイル
基、ヘキサン-1,6-ジイル基、エタン-1,1-ジイル基、プロパン-1,1-ジイ
ル基、プロパン-1,2-ジイル基、プロパン-2,2-ジイル基、ペンタン-2,4-
ジイル基、2-メチルプロパン-1,3-ジイル基、2-メチルプロパン-1,2-ジイ
ル基、ペンタン-1,4-ジイル基、2-メチルブタン-1,4-ジイル基等が挙げられ
る。
x1に置換されていてもよい炭素数1~6のペルフルオロアルキル基としては、トリ
フルオロメチル基、ペルフルオロエチル基、ペルフルオロプロピル基、ペルフルオロイソ
プロピル基、ペルフルオロブチル基、ペルフルオロsec-ブチル基、ペルフルオロtert-ブ
チル基、ペルフルオロペンチル基、ペルフルオロヘキシル基等が挙げられる。
【0202】
III3で表される炭素数1~18の2価の飽和炭化水素基としては、直鎖又は分岐
状アルカンジイル基、単環式又は多環式の2価の脂環飽和炭化水素基が挙げられ、これら
の組み合わせてあってもよい。
具体的には、メチレン基、エチレン基、プロパン-1,3-ジイル基、プロパン-1,
2-ジイル基、ブタン-1,4-ジイル基、ペンタン-1,5-ジイル基、ヘキサン-1
,6-ジイル基、ヘプタン-1,7-ジイル基、オクタン-1,8-ジイル基、ノナン-
1,9-ジイル基、デカン-1,10-ジイル基、ウンデカン-1,11-ジイル基、ド
デカン-1,12-ジイル基等の直鎖状アルカンジイル基;ブタン-1,3-ジイル基、
2-メチルプロパン-1,3-ジイル基、2-メチルプロパン-1,2-ジイル基、ペン
タン-1,4-ジイル基、2-メチルブタン-1,4-ジイル基等の分岐状アルカンジイ
ル基;
シクロブタン-1,3-ジイル基、シクロペンタン-1,3-ジイル基、シクロヘキサン
-1,4-ジイル基、シクロオクタン-1,5-ジイル基等のシクロアルカンジイル基等
の2価の単環式脂環式飽和炭化水素基;
ノルボルナン-1,4-ジイル基、ノルボルナン-2,5-ジイル基、アダマンタン-1
,5-ジイル基、アダマンタン-2,6-ジイル基等の2価の多環式脂環式飽和炭化水素
基等が挙げられる。
【0203】
飽和炭化水素基に含まれる-CH-が、-O-、-S-又は-CO-で置き換わった
ものとしては、例えば式(X1)~式(X53)で表される2価の基が挙げられる。ただ
し、飽和炭化水素基に含まれる-CH-が、-O-、-S-又は-CO-で置き換わる
前の炭素数はそれぞれ17以下である。下記式において、*及び**は結合部位を表し、
*はAx1との結合部位を表す。
【0204】
3は、炭素数1~16の2価の飽和炭化水素基を表す。
4は、炭素数1~15の2価の飽和炭化水素基を表す。
5は、炭素数1~13の2価の飽和炭化水素基を表す。
6は、炭素数1~14の2価の飽和炭化水素基を表す。
7は、炭素数1~14の3価の飽和炭化水素基を表す。
8は、炭素数1~13の2価の飽和炭化水素基を表す。
【0205】
ZA+で表される有機カチオンとしては、有機オニウムカチオン、有機スルホニウムカ
チオン、有機ヨードニウムカチオン、有機アンモニウムカチオン、ベンゾチアゾリウムカ
チオン及び有機ホスホニウムカチオン等が挙げられる。これらの中でも、有機スルホニウ
ムカチオン及び有機ヨードニウムカチオンが好ましく、アリールスルホニウムカチオンが
より好ましい。具体的には、上述した式(b2-1)~式(b2-4)のいずれかで表さ
れるカチオン(以下、式番号に応じて「カチオン(b2-1)」等という場合がある。)
が挙げられる。
【0206】
式(II-2-A’)で表される構造単位は、式(II-2-A)で表される構造単位
であることが好ましい。
[式(II-2-A)中、
III3、XIII3及びZAは、上記と同じ意味を表す。
zは、0~6のいずれかの整数を表す。
III2及びRIII4は、それぞれ独立して、水素原子、フッ素原子又は炭素数1
~6のペルフルオロアルキル基を表し、zが2以上のとき、複数のRIII2及びRII
I4は互いに同一でも、異なっていてもよい。
及びQは、それぞれ独立して、フッ素原子又は炭素数1~6のペルフルオロアル
キル基を表す。]
【0207】
III2、RIII4、Q及びQで表される炭素数1~6のペルフルオロアルキ
ル基としては、前述のQb1で表される炭素数1~6のペルフルオロアルキル基と同じも
のが挙げられる。
【0208】
式(II-2-A)で表される構造単位は、式(II-2-A-1)で表される構造単
位であることが好ましい。
[式(II-2-A-1)中、
III2、RIII3、RIII4、Qa、Qb、z及びZAは、上記と同じ意味を
表す。
III5は、炭素数1~12の飽和炭化水素基を表す。
I2は、炭素数1~11の2価の飽和炭化水素基を表し、該飽和炭化水素基に含まれ
る-CH-は、-O-、-S-又は-CO-に置き換わっていてもよく、該飽和炭化水
素基に含まれる水素原子は、ハロゲン原子又はヒドロキシ基で置換されていてもよい。]
【0209】
III5で表される炭素数1~12の飽和炭化水素基としては、メチル基、エチル基
、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、ペ
ンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基及
びドデシル基等の直鎖又は分岐のアルキル基が挙げられる。
I2で表される2価の飽和炭化水素基としては、XIII3で表される2価の飽和炭
化水素基と同様のものが挙げられる。
【0210】
式(II-2-A-1)で表される構造単位としては、式(II-2-A-2)で表さ
れる構造単位が好ましい。
[式(II-2-A-2)中、
III3、RIII5及びZAは、上記と同じ意味を表す。
m及びnは、それぞれ独立に、1又は2を表す。]
【0211】
式(II-2-A’)で表される構造単位としては、例えば、以下の構造単位、RIII3
のメチル基に相当する基が、水素原子、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子)又はハロゲ
ン原子を有していてもよい炭素数1~6のアルキル基(例えば、トリフルオロメチル基等
)等に置き換わった構造単位及び国際公開第2012/050015号記載の構造単位が
挙げられる。ZAは、有機カチオンを表す。
【0212】
側鎖にスルホニオ基と有機アニオンとを有する構造単位は、式(II-1-1)で表さ
れる構造単位であることが好ましい。
[式(II-1-1)中、
II1は、単結合又は2価の連結基を表す。
II1は、炭素数6~18の2価の芳香族炭化水素基を表す。
II2及びRII3は、それぞれ独立して、炭素数1~18の炭化水素基を表し、R
II2及びRII3は互いに結合してそれらが結合する硫黄原子とともに環を形成してい
てもよい。
II4は、水素原子、ハロゲン原子又はハロゲン原子を有していてもよい炭素数1~
6のアルキル基を表す。
は、有機アニオンを表す。]
II1で表される炭素数6~18の2価の芳香族炭化水素基としては、フェニレン基
及びナフチレン基等が挙げられる。
II2及びRII3で表される炭化水素基としては、アルキル基、脂環式炭化水素基
、芳香族炭化水素基及びこれらを組み合わせることにより形成される基等が挙げられる。
アルキル基及び脂環式炭化水素基は、上記と同様のものが挙げられる。
芳香族炭化水素基としては、フェニル基、ナフチル基、アントリル基、ビフェニル基、
フェナントリル基等のアリール基が挙げられる。
組み合わせた基としては、上述したアルキル基と脂環式炭化水素基とを組み合わせた基
、ベンジル基等のアラルキル基、アルキル基を有する芳香族炭化水素基(p-メチルフェ
ニル基、p-tert-ブチルフェニル基、トリル基、キシリル基、クメニル基、メシチ
ル基、2,6-ジエチルフェニル基、2-メチル-6-エチルフェニル基等)、脂環式炭
化水素基を有する芳香族炭化水素基(p-シクロヘキシルフェニル基、p-アダマンチル
フェニル基等)、フェニルシクロヘキシル基等のアリール-シクロアルキル基等が挙げら
れる。
II4で表されるハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ
素原子等が挙げられる。
II4で表されるハロゲン原子を有していてもよい炭素数1~6のアルキル基として
は、Ra8で表されるハロゲン原子を有していてもよい炭素数1~6のアルキル基と同じ
ものが挙げられる。
II1で表される2価の連結基としては、例えば、炭素数1~18の2価の飽和炭化
水素基が挙げられ、該2価の飽和炭化水素基に含まれる-CH-は、-O-、-S-又
は-CO-で置き換わっていてもよい。具体的には、XIII3で表される炭素数1~1
8の2価の飽和炭化水素基と同じものが挙げられる。
【0213】
式(II-1-1)中のカチオンを含む構造単位としては、以下で表される構造単位、
、RII4のメチル基に相当する基が、水素原子、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子)又
はハロゲン原子を有していてもよい炭素数1~6のアルキル基(例えば、トリフルオロメ
チル基等)等に置き換わった構造単位などが挙げられる。
【0214】
で表される有機アニオンとしては、スルホン酸アニオン、スルホニルイミドアニオ
ン、スルホニルメチドアニオン及びカルボン酸アニオン等が挙げられる。Aで表される
有機アニオンは、スルホン酸アニオンが好ましく、スルホン酸アニオン、としては、前述
の式(B1)で表されるアニオンと同様のものが挙げられる。
【0215】
で表されるスルホニルイミドアニオンとしては、以下のものが挙げられる。
【0216】
スルホニルメチドアニオンとしては、以下のものが挙げられる。
【0217】
カルボン酸アニオンとしては、以下のものが挙げられる。
【0218】
式(II-1-1)で表される構造単位としては、以下で表される構造単位などが挙げ
られる。
【0219】
樹脂(A)中に、構造単位(II)を含有する場合の構造単位(II)の含有率は、樹
脂(A)の全構造単位に対して、好ましくは1~20モル%であり、より好ましくは2~
15モル%であり、さらに好ましくは3~10モル%である。
【0220】
樹脂(A)は、上述の構造単位以外の構造単位を有していてもよく、このような構造単
位としては、当技術分野で周知の構造単位が挙げられる。
【0221】
樹脂(A)は、好ましくは、構造単位(a1)と構造単位(s)とからなる樹脂、すな
わち、モノマー(a1)とモノマー(s)との共重合体である。
構造単位(a1)は、好ましくは構造単位(a1-0)、構造単位(a1-1)及び構
造単位(a1-2)(好ましくはシクロヘキシル基、及びシクロペンチル基を有する該構
造単位)からなる群から選ばれる少なくとも一種であり、より好ましくは少なくとも二種
であり、さらに好ましくは、構造単位(a1-1)及び構造単位(a1-2)からなる群
から選ばれる少なくとも二種である。
構造単位(s)は、好ましくは構造単位(a2)及び構造単位(a3)からなる群から
選ばれる少なくとも一種である。構造単位(a2)は、好ましくは式(a2-1)で表さ
れる構造単位又は式(a2-A)で表される構造単位である。構造単位(a3)は、好ま
しくは式(a3-1)で表される構造単位、式(a3-2)で表される構造単位及び式(
a3-4)で表される構造単位からなる群から選ばれる少なくとも一種である。
【0222】
樹脂(A)を構成する各構造単位は、1種のみ又は2種以上を組み合わせて用いてもよ
く、これら構造単位を導くモノマーを用いて、公知の重合法(例えばラジカル重合法)に
よって製造することができる。樹脂(A)が有する各構造単位の含有率は、重合に用いる
モノマーの使用量で調整できる。
樹脂(A)の重量平均分子量は、好ましくは、2,000以上(より好ましくは2,5
00以上、さらに好ましくは3,000以上)、50,000以下(より好ましくは30
,000以下、さらに好ましくは15,000以下)である。本明細書では、重量平均分
子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーで実施例に記載の条件により求めた値
である。
【0223】
<樹脂(A)以外の樹脂>
本発明のレジスト組成物は、樹脂(A)以外の樹脂を含んでいてもよい。
樹脂(A)以外の樹脂としては、例えば、構造単位(a4)又は構造単位(a5)を含
有する樹脂(以下、樹脂(X)という場合がある)等が挙げられる。
【0224】
樹脂(X)としては、なかでも、構造単位(a4)を含む樹脂が好ましい。
樹脂(X)において、構造単位(a4)の含有率は、樹脂(X)の全構造単位の合計に
対して、30モル%以上であることが好ましく、40モル%以上であることがより好まし
く、45モル%以上であることがさらに好ましい。
樹脂(X)がさらに有していてもよい構造単位としては、構造単位(a2)、構造単位
(a3)及びその他の公知のモノマーに由来する構造単位が挙げられる。中でも、樹脂(
X)は、構造単位(a4)及び/又は構造単位(a5)のみからなる樹脂であることが好
ましく、構造単位(a4)のみからなる樹脂であることがより好ましい。
樹脂(X)を構成する各構造単位は、1種のみ又は2種以上を組合せて用いてもよく、
これら構造単位を誘導するモノマーを用いて、公知の重合法(例えばラジカル重合法)に
よって製造することができる。樹脂(X)が有する各構造単位の含有率は、重合に用いる
モノマーの使用量で調整できる。
樹脂(X)の重量平均分子量は、好ましくは6,000以上(より好ましくは7,00
0以上)、80,000以下(より好ましくは60,000以下)である。樹脂(X)の
重量平均分子量の測定手段は、樹脂(A)の場合と同様である。
レジスト組成物が樹脂(X)を含む場合、その含有量は、樹脂(A)100質量部に対
して、好ましくは1~60質量部であり、より好ましくは1~50質量部であり、さらに
好ましくは1~40質量部であり、より一層好ましくは1~30質量部であり、さらに一
層好ましくは1~8質量部である。
【0225】
レジスト組成物における樹脂(A)の含有率は、レジスト組成物の固形分に対して、8
0質量%以上99質量%以下であることが好ましく、90質量%以上99質量%以下がよ
り好ましい。また、樹脂(A)以外の樹脂を含む場合は、樹脂(A)と樹脂(A)以外の
樹脂との合計含有率は、レジスト組成物の固形分に対して、80質量%以上99質量%以
下であることが好ましく、90質量%以上99質量%以下がより好ましい。レジスト組成
物の固形分及びこれに対する樹脂の含有率は、液体クロマトグラフィー又はガスクロマト
グラフィー等の公知の分析手段で測定することができる。
【0226】
<溶剤(E)>
溶剤(E)の含有率は、レジスト組成物中、通常90質量%以上99.9質量%以下で
あり、好ましくは92質量%以上99質量%以下であり、より好ましくは94質量%以上
99質量%以下である。溶剤(E)の含有率は、例えば液体クロマトグラフィー又はガス
クロマトグラフィー等の公知の分析手段で測定できる。
溶剤(E)としては、エチルセロソルブアセテート、メチルセロソルブアセテート及び
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のグリコールエーテルエステル類
;プロピレングリコールモノメチルエーテル等のグリコールエーテル類;乳酸エチル、酢
酸ブチル、酢酸アミル及びピルビン酸エチル等のエステル類;アセトン、メチルイソブチ
ルケトン、2-ヘプタノン及びシクロヘキサノン等のケトン類;γ-ブチロラクトン等の
環状エステル類;等を挙げることができる。溶剤(E)の1種を単独で使用してもよく、
2種以上を使用してもよい。
【0227】
<クエンチャー(C)>
クエンチャー(C)としては、塩基性の含窒素有機化合物及び酸発生剤(B)から発生
する酸よりも酸性度の弱い酸を発生する塩が挙げられる。レジスト組成物がクエンチャー
(C)を含有する場合、クエンチャー(C)の含有量は、レジスト組成物の固形分量を基
準に、0.01~15質量%程度であることが好ましく、0.01~10質量%程度であ
ることがより好ましく、0.01~7質量%程度であることがさらに好ましく、0.1~
3質量%程度であることがより好ましい。
塩基性の含窒素有機化合物としては、アミン及びアンモニウム塩が挙げられる。アミン
としては、脂肪族アミン及び芳香族アミンが挙げられる。脂肪族アミンとしては、第一級
アミン、第二級アミン及び第三級アミンが挙げられる。
アミンとしては、1-ナフチルアミン、2-ナフチルアミン、アニリン、ジイソプロピ
ルアニリン、2-,3-又は4-メチルアニリン、4-ニトロアニリン、N-メチルアニ
リン、N,N-ジメチルアニリン、ジフェニルアミン、ヘキシルアミン、ヘプチルアミン
、オクチルアミン、ノニルアミン、デシルアミン、ジブチルアミン、ジペンチルアミン、
ジヘキシルアミン、ジヘプチルアミン、ジオクチルアミン、ジノニルアミン、ジデシルア
ミン、トリエチルアミン、トリメチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、
トリペンチルアミン、トリヘキシルアミン、トリヘプチルアミン、トリオクチルアミン、
トリノニルアミン、トリデシルアミン、メチルジブチルアミン、メチルジペンチルアミン
、メチルジヘキシルアミン、メチルジシクロヘキシルアミン、メチルジヘプチルアミン、
メチルジオクチルアミン、メチルジノニルアミン、メチルジデシルアミン、エチルジブチ
ルアミン、エチルジペンチルアミン、エチルジヘキシルアミン、エチルジヘプチルアミン
、エチルジオクチルアミン、エチルジノニルアミン、エチルジデシルアミン、ジシクロヘ
キシルメチルアミン、トリス〔2-(2-メトキシエトキシ)エチル〕アミン、トリイソ
プロパノールアミン、エチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジア
ミン、4,4’-ジアミノ-1,2-ジフェニルエタン、4,4’-ジアミノ-3,3’
-ジメチルジフェニルメタン、4,4’-ジアミノ-3,3’-ジエチルジフェニルメタ
ン、2,2’-メチレンビスアニリン、イミダゾール、4-メチルイミダゾール、ピリジ
ン、4-メチルピリジン、1,2-ジ(2-ピリジル)エタン、1,2-ジ(4-ピリジ
ル)エタン、1,2-ジ(2-ピリジル)エテン、1,2-ジ(4-ピリジル)エテン、
1,3-ジ(4-ピリジル)プロパン、1,2-ジ(4-ピリジルオキシ)エタン、ジ(
2-ピリジル)ケトン、4,4’-ジピリジルスルフィド、4,4’-ジピリジルジスル
フィド、2,2’-ジピリジルアミン、2,2’-ジピコリルアミン、ビピリジン等が挙
げられ、好ましくはジイソプロピルアニリンが挙げられ、より好ましくは2,6-ジイソ
プロピルアニリンが挙げられる。
アンモニウム塩としては、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトライソプロピ
ルアンモニウムヒドロキシド、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド、テトラヘキシル
アンモニウムヒドロキシド、テトラオクチルアンモニウムヒドロキシド、フェニルトリメ
チルアンモニウムヒドロキシド、3-(トリフルオロメチル)フェニルトリメチルアンモ
ニウムヒドロキシド、テトラ-n-ブチルアンモニウムサリチラート及びコリン等が挙げ
られる。
【0228】
酸発生剤(B)から発生する酸よりも酸性度の弱い酸を発生する塩における酸性度は、
酸解離定数(pKa)で示される。酸発生剤(B)から発生する酸よりも酸性度の弱い酸
を発生する塩は、該塩から発生する酸の酸解離定数が、通常-3<pKaの塩であり、好
ましくは-1<pKa<7の塩であり、より好ましくは0<pKa<5の塩である。
酸発生剤(B)から発生する酸よりも酸性度の弱い酸を発生する塩としては、下記式で
表される塩、特開2015-147926号公報記載の式(D)で表される塩(以下、「
弱酸分子内塩(D)という場合がある。」)、並びに特開2012-229206号公報
、特開2012-6908号公報、特開2012-72109号公報、特開2011-3
9502号公報及び特開2011-191745号公報記載の塩が挙げられる。好ましく
は、酸発生剤(B)から発生する酸よりも酸性度の弱いカルボン酸を発生する塩(カルボ
ン酸アニオンを有する塩)であり、より好ましくは、弱酸分子内塩(D)である。
【0229】
弱酸分子内塩(D)としては、以下の塩が挙げられる。
【0230】
〈その他の成分〉
本発明のレジスト組成物は、必要に応じて、上述の成分以外の成分(以下「その他の成
分(F)」という場合がある。)を含有していてもよい。その他の成分(F)に特に限定
はなく、レジスト分野で公知の添加剤、例えば、増感剤、溶解抑止剤、界面活性剤、安定
剤、染料等を利用できる。
【0231】
〈レジスト組成物の調製〉
本発明のレジスト組成物は、塩(I)、樹脂(A)及び酸発生剤(B)、並びに、必要
に応じて、用いられる樹脂(A)以外の樹脂、溶剤(E)、クエンチャー(C)及びその
他の成分(F)を混合することにより調製することができる。混合順は任意であり、特に
限定されるものではない。混合する際の温度は、10~40℃から、樹脂等の種類や樹脂
等の溶剤(E)に対する溶解度等に応じて適切な温度を選ぶことができる。混合時間は、
混合温度に応じて、0.5~24時間の中から適切な時間を選ぶことができる。なお、混
合手段も特に制限はなく、攪拌混合等を用いることができる。
各成分を混合した後は、孔径0.003~0.2μm程度のフィルターを用いてろ過す
ることが好ましい。
【0232】
〈レジストパターンの製造方法〉
本発明のレジストパターンの製造方法は、
(1)本発明のレジスト組成物を基板上に塗布する工程、
(2)塗布後の組成物を乾燥させて組成物層を形成する工程、
(3)組成物層に露光する工程、
(4)露光後の組成物層を加熱する工程、及び
(5)加熱後の組成物層を現像する工程を含む。
レジスト組成物を基板上に塗布するには、スピンコーター等、通常、用いられる装置に
よって行うことができる。基板としては、シリコンウェハ等の無機基板が挙げられる。レ
ジスト組成物を塗布する前に、基板を洗浄してもよく、基板上に反射防止膜等が形成され
ていてもよい。
塗布後の組成物を乾燥することにより、溶剤を除去し、組成物層を形成する。乾燥は、
例えば、ホットプレート等の加熱装置を用いて溶剤を蒸発させること(いわゆるプリベー
ク)により行うか、あるいは減圧装置を用いて行う。加熱温度は、50~200℃である
ことが好ましく、加熱時間は、10~180秒間であることが好ましい。また、減圧乾燥
する際の圧力は、1~1.0×105Pa程度であることが好ましい。
得られた組成物層に、通常、露光機を用いて露光する。露光機は、液浸露光機であって
もよい。露光光源としては、KrFエキシマレーザ(波長248nm)、ArFエキシマ
レーザ(波長193nm)、F2エキシマレーザ(波長157nm)のような紫外域のレ
ーザ光を放射するもの、固体レーザ光源(YAG又は半導体レーザ等)からのレーザ光を
波長変換して遠紫外域または真空紫外域の高調波レーザ光を放射するもの、電子線や、超
紫外光(EUV)を照射するもの等、種々のものを用いることができる。尚、本明細書に
おいて、これらの放射線を照射することを総称して「露光」という場合がある。露光の際
、通常、求められるパターンに相当するマスクを介して露光が行われる。露光光源が電子
線の場合は、マスクを用いずに直接描画により露光してもよい。
露光後の組成物層を、酸不安定基における脱保護反応を促進するために加熱処理(いわ
ゆるポストエキスポジャーベーク)を行う。加熱温度は、通常50~200℃程度、好ま
しくは70~150℃程度である。
加熱後の組成物層を、通常、現像装置を用いて、現像液を利用して現像する。現像方法
としては、ディップ法、パドル法、スプレー法、ダイナミックディスペンス法等が挙げら
れる。現像温度は、例えば、5~60℃であることが好ましく、現像時間は、例えば、5
~300秒間であることが好ましい。現像液の種類を以下のとおりに選択することにより
、ポジ型レジストパターン又はネガ型レジストパターンを製造できる。
本発明のレジスト組成物からポジ型レジストパターンを製造する場合は、現像液として
アルカリ現像液を用いる。アルカリ現像液は、この分野で用いられる各種のアルカリ性水
溶液であればよい。例えば、テトラメチルアンモニウムヒドロキシドや(2-ヒドロキシ
エチル)トリメチルアンモニウムヒドロキシド(通称コリン)の水溶液等が挙げられる。
アルカリ現像液には、界面活性剤が含まれていてもよい。
現像後レジストパターンを超純水で洗浄し、次いで、基板及びパターン上に残った水を
除去することが好ましい。
本発明のレジスト組成物からネガ型レジストパターンを製造する場合は、現像液として
有機溶剤を含む現像液(以下「有機系現像液」という場合がある)を用いる。
有機系現像液に含まれる有機溶剤としては、2-ヘキサノン、2-ヘプタノン等のケト
ン溶剤;プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のグリコールエーテルエ
ステル溶剤;酢酸ブチル等のエステル溶剤;プロピレングリコールモノメチルエーテル等
のグリコールエーテル溶剤;N,N-ジメチルアセトアミド等のアミド溶剤;アニソール
等の芳香族炭化水素溶剤等が挙げられる。
有機系現像液中、有機溶剤の含有率は、90質量%以上100質量%以下が好ましく、
95質量%以上100質量%以下がより好ましく、実質的に有機溶剤のみであることがさ
らに好ましい。
中でも、有機系現像液としては、酢酸ブチル及び/又は2-ヘプタノンを含む現像液が
好ましい。有機系現像液中、酢酸ブチル及び2-ヘプタノンの合計含有率は、50質量%
以上100質量%以下が好ましく、90質量%以上100質量%以下がより好ましく、実
質的に酢酸ブチル及び/又は2-ヘプタノンのみであることがさらに好ましい。
有機系現像液には、界面活性剤が含まれていてもよい。また、有機系現像液には、微量
の水分が含まれていてもよい。
現像の際、有機系現像液とは異なる種類の溶剤に置換することにより、現像を停止して
もよい。
現像後のレジストパターンをリンス液で洗浄することが好ましい。リンス液としては、
レジストパターンを溶解しないものであれば特に制限はなく、一般的な有機溶剤を含む溶
液を使用することができ、好ましくはアルコール溶剤又はエステル溶剤である。
洗浄後は、基板及びパターン上に残ったリンス液を除去することが好ましい。
【0233】
〈用途〉
本発明のレジスト組成物は、KrFエキシマレーザ露光用のレジスト組成物、ArFエ
キシマレーザ露光用のレジスト組成物、電子線(EB)露光用のレジスト組成物又はEU
V露光用のレジスト組成物、特に電子線(EB)露光用のレジスト組成物又はEUV露光
用のレジスト組成物として好適であり、半導体の微細加工に有用である。
【実施例0234】
実施例を挙げて、本発明をさらに具体的に説明する。例中、含有量ないし使用量を表す
「%」及び「部」は、特記しないかぎり質量基準である。
重量平均分子量は、ゲルパーミュエーションクロマトグラフィーにより求めた値である
。なお、ゲルパーミュエーションクロマトグラフィーの分析条件は下記のとおりである。
カラム:TSKgel Multipore HXL-M x 3+guardcolumn(東ソー社製)
溶離液:テトラヒドロフラン
流量:1.0mL/min
検出器:RI検出器
カラム温度:40℃
注入量:100μl
分子量標準:標準ポリスチレン(東ソー社製)
化合物の構造は、質量分析(LCはAgilent製1100型、MASSはAgil
ent製LC/MSD型)を用い、分子イオンピークを測定することで確認した。以下の
実施例ではこの分子イオンピークの値を「MASS」で示す。
【0235】
実施例1:式(I-1)で表される塩の合成
式(I-1-a)で表される塩4.38部、アセトニトリル30部、トリエチルアミン
1.11部を混合し、23℃で30分間攪拌した。得られた混合溶液に、式(I-1-b
)で表される化合物1.88部を添加した後、さらに、50℃で2時間攪拌した。得られ
た反応混合物を23℃まで冷却した後、クロロホルム100部及び5%シュウ酸水溶液5
0部を加えて23℃で30分間攪拌した後、分液して有機層を取り出した。得られた有機
層にイオン交換水50部を加えて23℃で30分間攪拌した後、分液して有機層を取り出
した。この水洗操作を4回繰り返した。得られた有機層を濃縮した後、濃縮残渣に、te
rt-ブチルメチルエーテル30部を加えて、23℃で30分間攪拌した後、上澄み液を
除去し、濃縮することにより、式(I-1)で表される塩1.12部を得た。
【0236】
MASS(ESI(+)Spectrum):M 263.1
MASS(ESI(-)Spectrum):M 309.0
【0237】
実施例2:式(I-4)で表される塩の合成
式(I-1-a)で表される塩4.38部、アセトニトリル30部、トリエチルアミン
1.11部を混合し、23℃で30分間攪拌した。得られた混合溶液に、式(I-4-b
)で表される化合物2.63部を添加した後、さらに、50℃で2時間攪拌した。得られ
た反応混合物を23℃まで冷却した後、クロロホルム100部及び5%シュウ酸水溶液5
0部を加えて23℃で30分間攪拌した後、分液して有機層を取り出した。得られた有機
層にイオン交換水50部を加えて23℃で30分間攪拌した後、分液して有機層を取り出
した。この水洗操作を4回繰り返した。得られた有機層を濃縮した後、濃縮残渣に、te
rt-ブチルメチルエーテル30部を加えて、23℃で30分間攪拌した後、上澄み液を
除去し、濃縮することにより、式(I-4)で表される塩1.28部を得た。
【0238】
MASS(ESI(+)Spectrum):M 263.1
MASS(ESI(-)Spectrum):M 377.0
【0239】
実施例3:式(I-17)で表される塩の合成
式(I-17-a)で表される塩6.03部、アセトニトリル30部、トリエチルアミ
ン1.11部を混合し、23℃で30分間攪拌した。得られた混合溶液に、式(I-4-
b)で表される化合物2.63部を添加した後、さらに、50℃で2時間攪拌した。得ら
れた反応混合物を23℃まで冷却した後、クロロホルム100部及び5%シュウ酸水溶液
50部を加えて23℃で30分間攪拌した後、分液して有機層を取り出した。得られた有
機層にイオン交換水50部を加えて23℃で30分間攪拌した後、分液して有機層を取り
出した。この水洗操作を4回繰り返した。得られた有機層を濃縮した後、濃縮残渣に、t
ert-ブチルメチルエーテル30部を加えて、23℃で30分間攪拌した後、上澄み液
を除去し、濃縮することにより、式(I-17)で表される塩4.66部を得た。
【0240】
MASS(ESI(+)Spectrum):M 263.1
MASS(ESI(-)Spectrum):M 541.1
【0241】
実施例4:式(I-18)で表される塩の合成
式(I-17-a)で表される塩6.03部、アセトニトリル30部、トリエチルアミ
ン1.11部を混合し、23℃で30分間攪拌した。得られた混合溶液に、式(I-18
-b)で表される化合物2.81部を添加した後、さらに、50℃で2時間攪拌した。得
られた反応混合物を23℃まで冷却した後、クロロホルム100部及び5%シュウ酸水溶
液50部を加えて23℃で30分間攪拌した後、分液して有機層を取り出した。得られた
有機層にイオン交換水50部を加えて23℃で30分間攪拌した後、分液して有機層を取
り出した。この水洗操作を4回繰り返した。得られた有機層を濃縮した後、濃縮残渣に、
tert-ブチルメチルエーテル30部を加えて、23℃で30分間攪拌した後、上澄み
液を除去し、濃縮することにより、式(I-18)で表される塩4.38部を得た。
【0242】
MASS(ESI(+)Spectrum):M 263.1
MASS(ESI(-)Spectrum):M 557.1
【0243】
実施例5:式(I-22)で表される塩の合成
式(I-22-a)で表される塩6.19部、アセトニトリル30部、トリエチルアミ
ン1.11部を混合し、23℃で30分間攪拌した。得られた混合溶液に、式(I-4-
b)で表される化合物2.63部を添加した後、さらに、50℃で2時間攪拌した。得ら
れた反応混合物を23℃まで冷却した後、クロロホルム100部及び5%シュウ酸水溶液
50部を加えて23℃で30分間攪拌した後、分液して有機層を取り出した。得られた有
機層にイオン交換水50部を加えて23℃で30分間攪拌した後、分液して有機層を取り
出した。この水洗操作を4回繰り返した。得られた有機層を濃縮した後、濃縮残渣に、t
ert-ブチルメチルエーテル30部を加えて、23℃で30分間攪拌した後、上澄み液
を除去し、濃縮することにより、式(I-22)で表される塩3.69部を得た。
【0244】
MASS(ESI(+)Spectrum):M 263.1
MASS(ESI(-)Spectrum):M 557.0
【0245】
実施例6:式(I-197)で表される塩の合成
式(I-1-a)で表される塩4.38部、アセトニトリル30部、トリエチルアミン
1.11部を混合し、23℃で30分間攪拌した。得られた混合溶液に、式(I-197
-b)で表される化合物3.27部を添加した後、さらに、50℃で2時間攪拌した。得
られた反応混合物を23℃まで冷却した後、クロロホルム100部及び5%シュウ酸水溶
液50部を加えて23℃で30分間攪拌した後、分液して有機層を取り出した。得られた
有機層にイオン交換水50部を加えて23℃で30分間攪拌した後、分液して有機層を取
り出した。この水洗操作を4回繰り返した。得られた有機層を濃縮した後、濃縮残渣に、
tert-ブチルメチルエーテル30部を加えて、23℃で30分間攪拌した後、上澄み
液を除去し、濃縮することにより、式(I-197)で表される塩1.44部を得た。
【0246】
MASS(ESI(+)Spectrum):M 263.1
MASS(ESI(-)Spectrum):M 434.9
【0247】
実施例7:式(I-199)で表される塩の合成
式(I-17-a)で表される塩6.03部、アセトニトリル30部、トリエチルアミ
ン1.11部を混合し、23℃で30分間攪拌した。得られた混合溶液に、式(I-19
7-b)で表される化合物3.27部を添加した後、さらに、50℃で2時間攪拌した。
得られた反応混合物を23℃まで冷却した後、クロロホルム100部及び5%シュウ酸水
溶液50部を加えて23℃で30分間攪拌した後、分液して有機層を取り出した。得られ
た有機層にイオン交換水50部を加えて23℃で30分間攪拌した後、分液して有機層を
取り出した。この水洗操作を4回繰り返した。得られた有機層を濃縮した後、濃縮残渣に
、tert-ブチルメチルエーテル30部を加えて、23℃で30分間攪拌した後、上澄
み液を除去し、濃縮することにより、式(I-199)で表される塩4.96部を得た。
【0248】
MASS(ESI(+)Spectrum):M 263.1
MASS(ESI(-)Spectrum):M 599.0
【0249】
実施例8:式(I-202)で表される塩の合成
式(I-22-a)で表される塩6.19部、アセトニトリル30部、トリエチルアミ
ン1.11部を混合し、23℃で30分間攪拌した。得られた混合溶液に、式(I-19
7-b)で表される化合物3.27部を添加した後、さらに、50℃で2時間攪拌した。
得られた反応混合物を23℃まで冷却した後、クロロホルム100部及び5%シュウ酸水
溶液50部を加えて23℃で30分間攪拌した後、分液して有機層を取り出した。得られ
た有機層にイオン交換水50部を加えて23℃で30分間攪拌した後、分液して有機層を
取り出した。この水洗操作を4回繰り返した。得られた有機層を濃縮した後、濃縮残渣に
、tert-ブチルメチルエーテル30部を加えて、23℃で30分間攪拌した後、上澄
み液を除去し、濃縮することにより、式(I-202)で表される塩4.06部を得た。
【0250】
MASS(ESI(+)Spectrum):M 263.1
MASS(ESI(-)Spectrum):M 614.9
【0251】
実施例9:式(I-106)で表される塩の合成
式(I-106-a)で表される塩6.72部、アセトニトリル30部、トリエチルア
ミン1.11部を混合し、23℃で30分間攪拌した。得られた混合溶液に、式(I-4
-b)で表される化合物2.63部を添加した後、さらに、50℃で2時間攪拌した。得
られた反応混合物を23℃まで冷却した後、クロロホルム100部及び5%シュウ酸水溶
液50部を加えて23℃で30分間攪拌した後、分液して有機層を取り出した。得られた
有機層にイオン交換水50部を加えて23℃で30分間攪拌した後、分液して有機層を取
り出した。この水洗操作を4回繰り返した。得られた有機層を濃縮した後、濃縮残渣に、
tert-ブチルメチルエーテル30部を加えて、23℃で30分間攪拌した後、上澄み
液を除去し、濃縮することにより、式(I-106)で表される塩3.97部を得た。
【0252】
MASS(ESI(+)Spectrum):M 317.1
MASS(ESI(-)Spectrum):M 557.0
【0253】
実施例10:式(I-220)で表される塩の合成
式(I-106-a)で表される塩6.72部、アセトニトリル30部、トリエチルア
ミン1.11部を混合し、23℃で30分間攪拌した。得られた混合溶液に、式(I-1
97-b)で表される化合物3.27部を添加した後、さらに、50℃で2時間攪拌した
。得られた反応混合物を23℃まで冷却した後、クロロホルム100部及び5%シュウ酸
水溶液50部を加えて23℃で30分間攪拌した後、分液して有機層を取り出した。得ら
れた有機層にイオン交換水50部を加えて23℃で30分間攪拌した後、分液して有機層
を取り出した。この水洗操作を4回繰り返した。得られた有機層を濃縮した後、濃縮残渣
に、tert-ブチルメチルエーテル30部を加えて、23℃で30分間攪拌した後、上
澄み液を除去し、濃縮することにより、式(I-220)で表される塩4.49部を得た
【0254】
MASS(ESI(+)Spectrum):M 317.1
MASS(ESI(-)Spectrum):M 614.9
【0255】
樹脂の合成
樹脂(A)の合成に使用した化合物(モノマー)を下記に示す。以下、これらの化合物
をその式番号に応じて、「モノマー(a1-1-3)」等という。
【0256】
合成例1〔樹脂A1の合成〕
モノマーとして、モノマー(a1-4-2)、モノマー(a1-1-3)及びモノマー
(a1-2-6)を用い、そのモル比〔モノマー(a1-4-2):モノマー(a1-1
-3):モノマー(a1-2-6)〕が、38:24:38の割合となるように混合し、
さらに、このモノマー混合物に、全モノマーの合計質量に対して、1.5質量倍のメチル
イソブチルケトンを混合した。得られた混合物に、開始剤としてアゾビスイソブチロニト
リルを全モノマーの合計モル数に対して、7mol%となるように添加し、これを85℃
で約5時間加熱することで重合を行った。その後、重合反応液に、p-トルエンスルホン
酸水溶液を加え、6時間攪拌した後、分液した。得られた有機層を、大量のn-ヘプタン
に注ぎ樹脂を析出させ、ろ過・回収することにより、重量平均分子量が約5.3×10
である樹脂A1(共重合体)を収率78%で得た。この樹脂A1は、以下の構造単位を有
するものである。
【0257】
合成例2〔樹脂A2の合成〕
モノマーとして、モノマー(a1-4-2)及びモノマー(a1-2-6)を用い、そ
のモル比〔モノマー(a1-4-2):モノマー(a1-2-6)〕が、38:62の割
合となるように混合し、さらに、このモノマー混合物に、全モノマーの合計質量に対して
、1.5質量倍のメチルイソブチルケトンを混合した。得られた混合物に、開始剤として
アゾビスイソブチロニトリルを全モノマーの合計モル数に対して、7mol%となるよう
に添加し、これを85℃で約5時間加熱することで重合を行った。その後、重合反応液に
、p-トルエンスルホン酸水溶液を加え、6時間攪拌した後、分液した。得られた有機層
を、大量のn-ヘプタンに注ぎ樹脂を析出させ、ろ過・回収することにより、重量平均分
子量が約5.4×10である樹脂A2(共重合体)を収率89%で得た。この樹脂A2
は、以下の構造単位を有するものである。
【0258】
合成例3〔樹脂A3の合成〕
モノマーとして、モノマー(a1-2-6)、モノマー(a2-1-3)、モノマー(
a3-4-2)及びモノマー(a1-4-2)を用い、そのモル比〔モノマー(a1-2
-6):モノマー(a2-1-3):モノマー(a3-4-2):モノマー(a1-4-
2)〕が、53:3:12:32の割合となるように混合し、さらに、このモノマー混合
物に、全モノマーの合計質量に対して、1.5質量倍のメチルイソブチルケトンを混合し
た。得られた混合物に、開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル及びアゾビス(2,4
-ジメチルバレロニトリル)を全モノマー量に対して各々、1.2mol%及び3.6m
ol%添加し、これらを73℃で約5時間加熱した。その後、重合反応液に、p-トルエ
ンスルホン酸水溶液を加え、12時間攪拌した後、分液した。回収された有機層を、大量
のn-ヘプタンに注ぎ樹脂を析出させ、ろ過・回収することにより、重量平均分子量が約
5.3×10である樹脂A3を収率88%で得た。この樹脂A3は、以下の構造単位を
有するものである。
【0259】
合成例4〔樹脂A4の合成〕
モノマーとして、モノマー(a1-2-6)、モノマー(a2-1-3)、モノマー(
a3-4-2)及びモノマー(a2-2-x)を用い、そのモル比〔モノマー(a1-2
-6):モノマー(a2-1-3):モノマー(a3-4-2):モノマー(a2-2-
x)〕が、53:3:12:32の割合となるように混合し、さらに、このモノマー混合
物に、全モノマーの合計質量に対して、1.5質量倍のメチルイソブチルケトンを混合し
た。得られた混合物に、開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル及びアゾビス(2,4
-ジメチルバレロニトリル)を全モノマー量に対して各々、1.2mol%及び3.6m
ol%添加し、これらを73℃で約5時間加熱した。その後、重合反応液を、大量のn-
ヘプタンに注ぎ樹脂を析出させ、ろ過・回収することにより、重量平均分子量が約5.1
×10である樹脂A4を収率79%で得た。この樹脂A4は、以下の構造単位を有する
ものである。
【0260】
<レジスト組成物の調製>
表2に示すように、以下の各成分を混合し、得られた混合物を孔径0.2μmのフッ素
樹脂製フィルターで濾過することにより、レジスト組成物を調製した。
【表2】
【0261】
<樹脂>
A1~A4:樹脂A1~樹脂A4
<塩(I)>
I-1:式(I-1)で表される塩
I-4:式(I-4)で表される塩
I-17:式(I-17)で表される塩
I-18:式(I-18)で表される塩
I-22:式(I-22)で表される塩
I-106:式(I-106)で表される塩
I-197:式(I-197)で表される塩
I-199:式(I-199)で表される塩
I-202:式(I-202)で表される塩
I-220:式(I-220)で表される塩
<酸発生剤>
B1-X1:
B1-X2:
B1-X3:
<クエンチャー(C)>
C1:特開2011-39502号公報記載の方法で合成
<溶剤>
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 400部
プロピレングリコールモノメチルエーテル 100部
γ-ブチロラクトン 5部
【0262】
(レジスト組成物の電子線露光評価)
6インチのシリコンウェハを、ダイレクトホットプレート上で、ヘキサメチルジシラザ
ンを用いて90℃で60秒処理した。このシリコンウェハに、レジスト組成物を、組成物
層の膜厚が0.04μmとなるようにスピンコートした。その後、ダイレクトホットプレ
ート上で、表2の「PB」欄に示す温度で60秒間プリベークして組成物層を形成した。ウ
ェハ上に形成された組成物層に、電子線描画機〔(株)エリオニクス製の「ELS-F1
25 125keV」〕を用い、露光量を段階的に変化させてコンタクトホールパターン
(ホールピッチ40nm/ホール径17nm)を直接描画した。
露光後、ホットプレート上にて表2の「PEB」欄に示す温度で60秒間ポストエキスポ
ジャーベークを行い、さらに2.38質量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶
液で60秒間のパドル現像を行うことにより、レジストパターンを得た。
【0263】
現像後に得られたレジストパターンにおいて、形成したホール径が17nmとなる露光
量を実効感度とした。
【0264】
<CD均一性(CDU)評価>
実効感度において、ホール径17nmで形成したパターンのホール径を、一つのホール
につき24回測定し、その平均値を一つのホールの平均ホール径とした。同一ウェハ内の
、ホール径17nmで形成したパターンの平均ホール径を400箇所測定したものを母集
団として標準偏差を求めた。
その結果を表3に示す。表内の数値は標準偏差(nm)を示す。
【表3】

比較組成物1~3と比較して、組成物1~11での標準偏差が小さく、CD均一性(C
DU)評価が良好であった。
【0265】
(レジスト組成物の電子線露光評価)
6インチのシリコンウェハを、ダイレクトホットプレート上で、ヘキサメチルジシラザ
ンを用いて90℃で60秒処理した。このシリコンウェハに、レジスト組成物を、組成物
層の膜厚が0.04μmとなるようにスピンコートした。その後、ダイレクトホットプレ
ート上で、表2の「PB」欄に示す温度で60秒間プリベークして組成物層を形成した。ウ
ェハ上に形成された組成物層に、電子線描画機〔(株)エリオニクス製の「ELS-F1
25 125keV」〕を用い、露光量を段階的に変化させてコンタクトホールパターン
(ホールピッチ40nm/ホール径17nm)を直接描画した。
露光後、ホットプレート上にて表2の「PEB」欄に示す温度で60秒間ポストエキスポ
ジャーベークを行った。次いで、このシリコンウェハ上の組成物層を、現像液として酢酸
ブチル(東京化成工業(株)製)を用いて、23℃で20秒間ダイナミックディスペンス
法によって現像を行うことにより、レジストパターンを得た。
【0266】
現像後に得られたレジストパターンにおいて、形成したホール径が17nmとなる露光
量を実効感度とした。
【0267】
<CD均一性(CDU)評価>
実効感度において、ホール径17nmで形成したパターンのホール径を、一つのホール
につき24回測定し、その平均値を一つのホールの平均ホール径とした。同一ウェハ内の
、ホール径17nmで形成したパターンの平均ホール径を400箇所測定したものを母集
団として標準偏差を求めた。
その結果を表4に示す。表内の数値は標準偏差(nm)を示す。
【表4】

比較組成物4~6と比較して、組成物12~15での標準偏差が小さく、CD均一性(
CDU)評価が良好であった。
【産業上の利用可能性】
【0268】
本発明の塩を含有するレジスト組成物は、良好なCD均一性(CDU)を有するレジス
トパターンを得られるため、半導体の微細加工に好適であり、産業上極めて有用である。