(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025102912
(43)【公開日】2025-07-08
(54)【発明の名称】熱酸化システムによる再生可能輸送燃料プロセス
(51)【国際特許分類】
B01D 53/50 20060101AFI20250701BHJP
B01D 53/62 20060101ALI20250701BHJP
B01D 53/68 20060101ALI20250701BHJP
B01D 53/78 20060101ALI20250701BHJP
B01D 53/82 20060101ALI20250701BHJP
B01D 53/96 20060101ALI20250701BHJP
B01D 53/14 20060101ALI20250701BHJP
B01D 53/86 20060101ALI20250701BHJP
【FI】
B01D53/50 220
B01D53/62 ZAB
B01D53/68 120
B01D53/78
B01D53/82
B01D53/96
B01D53/14 200
B01D53/86 222
B01D53/86 270
B01D53/86 280
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2025061014
(22)【出願日】2025-04-02
(62)【分割の表示】P 2023505842の分割
【原出願日】2021-07-30
(31)【優先権主張番号】63/060,031
(32)【優先日】2020-08-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/065,639
(32)【優先日】2020-08-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/155,465
(32)【優先日】2021-03-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】500575824
【氏名又は名称】ハネウェル・インターナショナル・インコーポレーテッド
【氏名又は名称原語表記】Honeywell International Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100133765
【弁理士】
【氏名又は名称】中田 尚志
(72)【発明者】
【氏名】デ レン、ジャン
(72)【発明者】
【氏名】チュー、シン エックス.
(57)【要約】 (修正有)
【課題】プロセスの複雑さを低減し、一方で、特に酸性ガス及びサワー水に関連する流出物ストリームの適切な処理を提供する、再生可能輸送燃料生成プロセスにおいて流出物ストリームを処理するためのプロセスを提供する。
【解決手段】サワー水ストリーム及び酸性ガスストリームのうちの1つ以上が、熱酸化セクションで直接処理される。プロセスは、サワー水ストリッパユニット、廃水処理プラント、及び硫黄回収ユニットの排除又はサイズ低減を可能にする。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
再生可能輸送燃料を生成するためのプロセスにおいて酸性ガス及びサワー水流出物ストリームを処理するためのプロセスであって、
熱酸化システム(555)において、前記再生可能輸送燃料プロセスの低温分離及び分留セクション(205)からのサワー水ストリーム(225)、及び前記再生可能輸送燃料プロセスの酸性ガス処理セクションからのアミン酸性ガスストリーム(385)のうちの少なくとも1つを熱酸化することであって、前記サワー水ストリーム(225)が、前記熱酸化システム(555)において熱酸化される前に、サワー水ストリッパユニットにおいて処理されず、前記アミン酸性ガスストリーム(385)が、前記熱酸化システム(555)において熱酸化される前に、硫黄回収ユニットにおいて処理されず、前記サワー水ストリーム(225)及び前記アミン酸性ガスストリーム(385)のうちの前記少なくとも1つを熱酸化することが、
熱酸化セクション(600)において、前記サワー水ストリーム(225)及び前記アミン酸性ガスストリーム(385)のうちの前記少なくとも1つを熱酸化して、H2O、CO2、N2、O2、SOx、NOx、HCl、Cl2、ダイオキシン、及びフランのうちの少なくとも1つから本質的になる煙道ガスストリーム(645)を形成することと、
任意選択的に、廃熱回収セクション(605)において、前記煙道ガスストリーム(645)から廃熱を回収することと、
SOx除去セクション(615)において、前記煙道ガスストリーム(645)からSOx、HCl、及びCl2のうちの少なくとも1つを除去して、H2O、CO2、N2、O2、NOx、ダイオキシン、及びフランのうちの少なくとも1つから本質的になる脱SOx出口煙道ガスストリーム(690)を形成することであって、前記煙道ガスストリームからSOx、HCl、及びCl2のうちの前記少なくとも1つを除去することが、
クエンチセクション(610)において、前記煙道ガスストリーム(645)をクエンチして、クエンチされた煙道ガスストリーム(675)を形成すること、及び
スクラビングセクションにおいて、苛性溶液又はNH3系溶液(680)を前記クエンチされた煙道ガスストリーム(675)と接触させて、前記脱SOx出口煙道ガスストリーム(690)と、H2O、Na2SO3、Na2SO4、NaHSO3、Na2CO3、NaCl、(NH4)2SO4、及びNH4Clのうちの少なくとも1つを含む液体ストリーム(685)とを形成すること、
又は、
SOx反応セクション(810)において、前記煙道ガスストリーム(845)を、NaHCO3、NaHCO3・Na2CO3・(H2O)、CaCO3、Ca(OH)2、及びMg(OH)2のうちの少なくとも1つを含む反応物質と反応させて、H2O、CO2、N2、O2、NaCl、Na2CO3、Na2SO4、NaNO3、CaCl2、CaSO4、CaCO3、Ca(NO3)2、MgCl2、MgCO3、MgSO4、Mg(NO3)2、Cl2、NOx、ダイオキシン、及びフランのうちの少なくとも1つから本質的になる反応セクション煙道ガスストリーム(880)を形成すること、及び
濾過セクション(815)において、前記反応セクション煙道ガスストリーム(880)を濾過して、NaCl、Na2CO3、Na2SO4、NaNO3、CaCl2、CaSO4、CaCO3、Ca(NO3)2、MgCl2、MgCO3、MgSO4、及びMg(NO3)2を除去して、前記脱SOx出口煙道ガスストリーム(900)を形成することを含む、形成することと、
任意選択的に、NOx除去セクション(620)において、前記脱SOx出口煙道ガスストリーム(690)からNOxを除去して、H2O、CO2、N2、O2、ダイオキシン、及びフランのうちの少なくとも1つから本質的になる脱NOx出口煙道ガスストリーム(700)を形成することと、
任意選択的に、ダイオキシン-フラン除去セクション(625)において、前記脱
SOx出口煙道ガスストリーム(690)又は前記脱NOx出口煙道ガスストリーム(700)からダイオキシン、フラン、又はその両方を除去して、H2O、CO2、N2、及びO2のうちの少なくとも1つから本質的になる処理済み出口煙道ガスストリーム(705)を形成することと、を含む、熱酸化することを含む、プロセス。
【請求項2】
前記サワー水ストリーム(225)が、前記低温分離及び分留セクション(205)内の低温分離器(450)からの低温分離器サワー水ストリーム(460)、前記低温分離及び分留セクション(205)内の脱ブタン化器レシーバ(525)からの脱ブタン化器レシーバサワー水ストリーム(530)、及び前記低温分離及び分留セクション(205)内のストリッパレシーバ(480)からのストリッパレシーバサワー水ストリーム(495)のうちの少なくとも1つを含むか、又は前記アミン酸性ガスストリーム(385)が、共通のアミン再生器塔頂凝縮器及び還流ドラム(375)からの再生器アミン酸性ガスストリーム(385)を含むか、又はその両方である、請求項1に記載のプロセス。
【請求項3】
リサイクルガスアミン接触器(245)において、リーンアミンストリーム(300)の第1の部分(295)を、前記低温分離及び分留セクション(205)内の低温分離器(450)からの酸性リサイクルガスストリーム(210)と接触させて、リッチアミンストリーム(310)の第1の部分(305)を形成すること、又は圧力スイング吸着ユニット(212)において、前記低温分離及び分留セクション(205)内の低温分離器(450)からの酸性リサイクルガスストリーム(210)からのパージストリーム(211)を、リサイクル水素ストリーム(213)及びPSAテールガスストリーム(214)に分離し、前記リサイクル水素ストリーム(213)を前記酸性リサイクルガスストリーム(210)と組み合わせ、かつ前記PSAテールガスストリーム(214)を燃料として前記熱酸化システム(555)に導入すること、
脱ブタン化器レシーバアミン接触器(320)において、リーンアミンストリーム(310)の第2の部分(315)を、前記低温分離及び分留セクション(205)内の脱ブタン化器レシーバ容器(525)からの酸性液化石油ガス(LPG)ストリーム(215)と接触させて、リッチアミンストリーム(310)の第2の部分(325)を形成すること、及び
スポンジ吸収器リーンガス塔頂アミン接触器(345)において、リーンアミンストリーム(300)の第3の部分(335)を、前記低温分離及び分留セクション(205)内のスポンジ吸収器(500)からのリーン酸性ガスストリーム(220)と接触させて、リッチアミンストリーム(310)の第3の部分(350)を形成することのうちの少なくとも1つを行うことと、
前記共通のアミン再生器(365)において、前記リッチアミンストリーム(310)の前記第1の部分(305)、前記第2の部分(325)、及び前記第3の部分(350)のうちの少なくとも1つを再生して、前記リーンアミンストリーム(300)及び塔頂再生器アミン酸性ガスストリーム(370)を形成することと、
アミン再生器塔頂凝縮器(375)において、前記塔頂アミン酸性ガスストリーム(370)を、前記再生器アミン酸性ガスストリーム(385)及び還流液体ストリーム(380)に分離することと、
前記還流液体ストリーム(380)を前記共通のアミン再生器(365)に還流することと、を更に含む、請求項1又は2に記載のプロセス。
【請求項4】
再生可能原料(105)をガード床(140)に導入して、前記再生可能原料(110)からアルカリ金属、酸素化合物、硫黄化合物、及び窒素化合物のうちの1つ以上を含む汚染物質を除去することと、
再生可能原料(105)を処理して、前記再生可能原料(105)から追加的な酸素化合物を除去することと、
水素異性化及び水素化分解セクション(155)において、水素異性化及び水素化分
解条件の下で水素の存在下で、前記再生可能原料(105)を、水素異性化触媒、水素化分解触媒、又はその両方と接触させて、反応流出物(160)を形成することと、
前記低温分離及び分留セクション(205)において、前記反応流出物を分離及び分留して、少なくとも1つの再生可能輸送燃料(235、240)を形成することと、を更に含む、請求項1又は2に記載のプロセス。
【請求項5】
前記反応流出物を分離及び分留することが、
低温分離器(450)において、前記反応器流出物を液体炭化水素ストリーム(455)、低温分離器リサイクル酸性ガスストリーム(210)、及び低温分離器サワー水ストリーム(460)に分離することと、
前記液体炭化水素ストリーム(455)をストリッパ塔頂ストリーム(470)及びストリッパ塔底ストリーム(475)にストリップすることと、
ストリッパレシーバ(480)において、前記ストリッパ塔頂ストリーム(470)を、ストリッパレシーバ液体ストリーム(485)、ストリッパレシーバオフガスストリーム(490)、及びストリッパレシーバサワー水ストリーム(495)に分離することと、
前記ストリッパレシーバオフガスストリーム(490)をスポンジ吸収器(500)と接触させて、スポンジ吸収器液体ストリーム(505)及びリーン酸性ガスストリーム(220)を形成することと、
脱ブタン化器カラム(510)において、前記ストリッパレシーバ液体ストリーム(485)及び任意選択的に前記スポンジ吸収器液体ストリーム(505)を、脱ブタン化器塔頂ストリーム(515)、脱ブタン化器塔底ストリーム(520)に分離することと、
脱ブタン化器レシーバ(525)において、前記脱ブタン化器塔頂ストリーム(515)を、酸性液化石油ガス(LPG)ストリーム(215)、脱ブタン化器レシーバサワー水ストリーム(530)、及び還流(535)に分離することと、
前記ストリッパ塔底ストリーム(475)を、再生可能ジェット燃料ストリーム(235)、再生可能ディーゼル燃料ストリーム(240)、及びナフサストリーム(230)のうちの少なくとも1つに分留することと、を含み、
前記サワー水ストリーム(225)が、前記低温分離器サワー水ストリーム(460)、前記ストリッパレシーバサワー水ストリーム(495)、及び前記脱ブタン化器レシーバサワー水ストリーム(530)のうちの少なくとも1つを含む、請求項4に記載のプロセス。
【請求項6】
リサイクルガスアミン接触器(245)において、リーンアミンストリーム(300)の第1の部分(295)を前記低温分離器酸性リサイクルガスストリーム(210)と接触させて、リッチアミンストリーム(310)の第1の部分(305)を形成すること、又は圧力スイング吸着ユニット(212)において、前記低温分離及び分留セクション(205)内の低温分離器(450)からの酸性リサイクルガスストリーム(210)からのパージストリーム(211)を、リサイクル水素ストリーム(213)及びPSAテールガスストリーム(214)に分離し、前記リサイクル水素ストリーム(213)を前記酸性リサイクルガスストリーム(210)と組み合わせ、かつ前記PSAテールガスストリーム(214)を燃料として前記熱酸化システム(555)に導入すること、
脱ブタン化器レシーバアミン接触器(320)において、前記リーンアミンストリーム(310)の第2の部分(315)を、前記脱ブタン化器レシーバ(525)からの前記酸性LPGストリーム(215)と接触させて、前記リッチアミンストリーム(310)の第2の部分(325)を形成すること、及び
スポンジ吸収器塔頂アミン接触器(345)において、前記リーンアミンストリーム(300)の第3の部分(335)を、前記スポンジ吸収器(500)からの前記リーン酸性ガスストリーム(220)と接触させて、前記リッチアミンストリーム(310)の
第3の部分(350)を形成することのうちの少なくとも1つを行うことと、
共通のアミン再生器(365)において、前記リッチアミンストリーム(310)の前記第1の部分(305)、第2の部分(325)、及び第3の部分(350)のうちの少なくとも1つを再生して、前記リーンアミンストリーム(300)及び前記塔頂アミン酸性ガスストリーム(370)を形成することと、
アミン再生器塔頂凝縮器(375)において、前記塔頂アミン酸性ガスストリーム(370)を前記アミン酸性ガスストリーム(385)及び還流液体ストリーム(380)に分離することと、
前記還流液体ストリーム(380)を前記共通のアミン再生器(365)に還流することと、を更に含む、請求項5に記載のプロセス。
【請求項7】
非圧縮圧力スイング吸着(PSA)テールガスストリーム(430)を、水素生成プラントに接続されたPSAユニット(410)から前記熱酸化システム(555)に燃料供給源として導入すること、及び
リーン酸性ガスストリーム(220)のスリップストリーム570)を、スポンジ吸収器(500)から前記熱酸化システム(555)に燃料供給源として導入することのうちの少なくとも1つを更に含む、請求項1又は2に記載のプロセス。
【請求項8】
前記サワー水ストリーム(225)を一次熱交換器(1015)の第1の側に通すことと、
前記熱酸化システムからの排気蒸気ストリーム(1000)を前記一次熱交換器(1000)の第2の側に通すことであって、前記排気蒸気ストリーム(1000)が、前記処理済みの出口煙道ガスストリーム9705、前記脱NOx出口煙道ガスストリーム(715)、又は前記脱SOX出口煙道ガスストリーム(710)を含む、第2の側に通すことと、
前記排気蒸気ストリーム(1000)から前記サワー水ストリーム(225)に熱を伝達し、前記排気蒸気ストリーム(1000)を冷却して、冷却された排気蒸気ストリーム(1025)を形成し、前記サワー水ストリーム(225)を加熱して、加熱されたサワー水ストリーム(1040)を形成することと、
前記加熱されたサワー水ストリーム(1040)を減圧することと、
前記減圧された加熱されたサワー水ストリーム(1040)を、前記一次熱交換器(1015)の圧力よりも低い圧力を有するフラッシュタンク(1050)に通して蒸気ストリーム(1055)及び液体ストリーム(1060)を形成することと、
前記蒸気ストリーム(1055)及び前記液体ストリーム(1060)を前記熱酸化システム(555)の前記熱酸化セクション(600)に通すことと、
前記冷却された排気ストリーム(1025)を排気スタックに通すことと、を更に含む、請求項1又は2に記載のプロセス。
【請求項9】
プロセスストリームを二次熱交換器(1005)の第1の側に通すことであって、前記プロセスストリームが、燃焼用空気ストリーム(630)及びボイラ供給水又は油ストリーム(650)のうちの少なくとも1つである、第1の側に通すことと、
前記排気蒸気ストリーム(1000)を前記一次熱交換器(1015)に通す前に、前記排気蒸気ストリーム(1000)を前記二次熱交換器(1005)の第2の側に通して、前記排気蒸気ストリーム(1000)の温度を低下させ、前記少なくとも1つのプロセスストリームを加熱し、第2の冷却された排気蒸気ストリーム(1010)、並びに加熱された燃焼用空気ストリーム(630)及び加熱されたボイラ供給水又は油ストリーム(650)のうちの少なくとも1つを形成することと、
前記第2の冷却された排気蒸気ストリーム(1010)を前記一次熱交換器(1015)に通すことであって、前記熱酸化システム(555)からの前記排気蒸気ストリーム(1000)を前記一次熱交換器(1015)の第2の側に通すことが、前記第2の冷却
された排気蒸気ストリーム(1010)を前記一次熱交換器(1015)の前記第2の側に通すことを含む、通すことと、
前記加熱された燃焼用空気ストリーム(630)を前記熱酸化システム(555)の前記熱酸化セクション(600)に通すこと、及び
前記加熱されたボイラ供給水又は油ストリーム(650)を前記廃熱回収セクション(605)に通すことのうちの少なくとも1つと、を更に含む、請求項8に記載のプロセス。
【請求項10】
前記サワー水ストリーム(225)を前記一次熱交換器(1015)に通す前に、前記サワー水ストリーム(225)を前記フラッシュタンク(1050)に導入して、液体及び蒸気を形成することと、
前記液体(1070)の少なくとも一部分を圧縮することと、を更に含み、
前記サワー水ストリーム(225)を前記一次熱交換器(1015)の前記第1の側に通すことが、前記圧縮液体(1070)の前記一部分を前記フラッシュタンク(1050)から前記一次熱交換器(1015)に通すことを含み、
前記加熱されたサワー水ストリーム(1040)を前記減圧することが、前記一次熱交換器(1015)からの前記加熱された圧縮液体を減圧することを含み、
前記減圧された加熱されたサワー水ストリーム(1040)を前記フラッシュタンク(1050)に通すことが、前記減圧された加熱された圧縮液体を前記フラッシュタンク(1050)に通すことを含む、請求項8に記載のプロセス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(優先権の記載)
本出願は、2020年8月1日に出願された米国仮特許出願第63/060,031号、2020年8月14日に出願された同第63/065,639号、及び2021年3月2日に出願された同第63/155,465号の利益を主張するものであり、参照によりそれらの全体が本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
ディーゼル及びジェット沸騰範囲燃料に対する需要が世界的に増加するにつれて、原油以外の原料の供給源に対する関心が高まっている。1つのかかる供給源は、「再生可能」及び「生物学的」原料と称されるものである。これらの再生可能生物学的原料としては、トウモロコシ、ヤトロファ、カメリナ、ナタネ、カノーラ、及びダイズ油などの植物油、藻類油、並びに獣脂及び魚油などの動物性脂肪が挙げられるが、これらに限定されない。これらの供給源に共通する特徴は、それらがグリセリド及び遊離脂肪酸(Free Fatty Acid、FFA)で構成されていることである。これらのクラスの化合物はどちらも、8~
24個の炭素原子を有する直鎖脂肪族炭素鎖を含有する。グリセリド又はFFA中の脂肪族炭素鎖は、完全飽和状態にすること、又は一価、二価、若しくは多価不飽和状態にすることができる。生物学的油及び脂肪中のグリセリド及びFFAの側鎖は、水素化脱酸素及び水素異性化プロセスなどの多数の異なるプロセスを使用して、ディーゼル又はジェット燃料に変換することができる。
【0003】
再生可能な生物学的源から処理された燃料は、様々な理由から望ましいものである。第一に、再生可能な生物学的源の燃料の使用は、化石燃料の抽出及び使用に対する需要を低減する。これは、特にディーゼル及びジェット燃料などの輸送燃料にあてはまる。生物学的源の燃料を使用する環境保護上の利益に加えて、かかる燃料に対する市場の需要が存在する。燃料購入者に対して、生物学的源の燃料の使用は、広報活動を促進することができる。また、特定の政府の政策は、生物学的源の燃料の使用を要求し得るか、又はそれに報酬を与え得る。
【0004】
現在の再生可能輸送燃料生成プロセスは、処理及び処分しなればならない様々な流出物ストリームを生成する。
【0005】
プロセスの複雑さを低減し、一方で、特に酸性ガス及びサワー水に関連する流出物ストリームの適切な処理を提供することが望ましい。また、流出物ストリームを処理する際に使用される化学物質のコストを低減することも望ましい。また、複合施設内の装置の量を低減することも望ましい。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】再生可能輸送燃料生成プロセスのための従来の廃棄物処理プロセスの図である。
【
図2】再生可能輸送燃料を生成するためのプロセスの一部分の図である。
【
図3】低温分離及び分留セクションの一実施形態の図である。
【
図4A】本発明による、再生可能輸送燃料生成プロセスのための廃棄物処理プロセスの一実施形態の図である。
【
図4B】
図4Aの廃棄物処理プロセスの代替の実施形態である。
【
図5】本発明による、再生可能輸送燃料生成プロセスのための廃棄物処理プロセスの別の実施形態の図である。
【
図6】本発明による、熱酸化システムの一実施形態の図である。
【
図7】本発明による、熱酸化システムの別の実施形態の図である。
【
図8】エネルギー回収が向上した
図6の熱酸化システムの一実施形態の図である。
【
図9】エネルギー回収が向上した
図6の熱酸化システムの別の実施形態の図である。
【
図10】エネルギー回収が向上した
図7の熱酸化システムの一実施形態の図である。
【
図11】エネルギー回収が向上した
図7の熱酸化システムの別の実施形態の図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
再生可能輸送燃料生成プロセスは、1つ以上のサワー水ストリームを生成する。サワー水ストリームは、低温分離及び分留セクション内の低温分離器からの低温分離器サワー水ストリームと、低温分離及び分留セクション内の脱ブタン化器(de-butanizer)からの脱ブタン化器レシーバサワー水ストリームと、低温分離及び分留セクション内のストリッパレシーバからのストリッパレシーバサワー水ストリームと、を含む。サワー水ストリームは、サワー水ストリッパユニットに送られる。スイート水の一部分は、再生可能輸送燃料生成プロセスに戻され得るか、又は水素化処理ユニット水洗セクション、原油脱塩装置などの、精製複合施設内の他のユニットに送られ得る。残部は、廃水処理プラントに送られる。サワー水ストリッパユニットからの酸性ガスは、硫黄回収ユニットに送られる。硫黄回収ユニット(sulfur recovery unit、SRU)内の凝縮元素硫黄は、場合によっては、ベルトフィルタで送られ、硫黄含有材料で構成されたケーキが除去される。SRUからのガス状材料は、熱酸化装置に送られ、及び/又は大気中に吐き出される。
【0008】
プロセスは、酸性ガス処理セクションの1つ以上の酸性ガスストリームも生成する。酸性ガス処理セクションは、酸性リサイクルガスアミン接触器と、酸性LPG脱ブタン化器レシーバLPG流出物アミン接触器と、酸性リーンガススポンジ吸収器ガス塔頂アミン接触器と、共通のアミン再生器と、を含む。アミン再生器塔頂凝縮器及び還流ドラムオフガスは、硫黄回収ユニット、belterフィルタ及び熱酸化装置に送られる。
【0009】
酸性ガス処理セクションにおいて、リーンアミンストリームは、リサイクルガスアミン接触器内の低温分離及び分留セクション内の低温分離器からの酸性リサイクルガスストリームと接触する(例えば、向流)。リーンアミンストリームは、脱ブタン化器レシーバアミン接触器内の低温分離及び分留セクションにおいて、脱ブタン化器レシーバ容器からの酸性LPGストリームと接触する。リーンアミンストリームは、スポンジ吸収器リーンガス塔頂アミン接触器内の低温分離及び分留セクションにおいて、スポンジ吸収器からのリーン酸性ガスストリームと接触する。酸性ガスストリームは、CO2及びH2Sを含有し、これらは、リーンアミンストリームに移送されて、リッチアミンストリームに変換される。吸収されるCO2及びH2Sは、共通のアミン再生器において蒸気ストリップすることによってリッチアミンストリームから除去されて、リーンアミンストリーム及び再生器塔頂ストリームを形成する。再生器塔頂ストリームは、アミン再生器塔頂凝縮器及び還流ドラムに送られて、液体還流及びアミン酸性ガスストリームに分離される。液体還流は、共通のアミン再生器に戻される。CO2及びH2Sを含有する酸性ガスは、硫黄回収ユニットに送られる。
【0010】
本発明の1つの態様は、再生可能輸送燃料を生成するためのプロセスにおいて、酸性ガス及びサワー水流出物ストリームを処理するためのプロセスである。一実施形態では、本プロセスは、熱酸化システムにおいて、再生可能輸送燃料プロセスの低温分離及び分留セクションからのサワー水ストリーム、及び再生可能輸送燃料プロセスの酸性ガス処理セクションからのアミン酸性ガスストリームのうちの少なくとも1つを熱酸化することであ
って、サワー水ストリームが、熱酸化システムにおいて熱酸化される前に、サワー水ストリッパユニットにおいて処理されず、アミン酸性ガスストリームが、熱酸化システムにおいて熱酸化される前に硫黄回収ユニットにおいて処理されず、サワー水ストリーム及びアミン酸性ガスストリームのうちの少なくとも1つを熱酸化することが、熱酸化セクションにおいて、サワー水ストリーム及びアミン酸性ガスストリームのうちの少なくとも1つを熱酸化して、H2O、CO2、N2、O2、SOx、NOx、HCl、Cl2、ダイオキシン、及びフランのうちの少なくとも1つから本質的になる煙道ガスストリームを形成することと、任意選択的に、廃熱回収セクションにおいて、煙道ガスストリームから廃熱を回収することと、SOx除去セクションにおいて、煙道ガスストリームからSOx、HCl、及びCl2のうちの少なくとも1つを除去して、H2O、CO2、N2、O2、NOx、ダイオキシン、及びフランのうちの少なくとも1つから本質的になる脱SOx出口煙道ガスストリームを形成することであって、煙道ガスストリームからSOx、HCl、及びCl2のうちの少なくとも1つを除去することが、クエンチセクションにおいて、煙道ガスストリームをクエンチして、クエンチされた煙道ガスストリームを形成すること、及びスクラビングセクションにおいて、苛性溶液又はNH3系溶液をクエンチされた煙道ガスストリームと接触させて、脱SOx出口煙道ガスストリームと、H2O、Na2SO3、Na2SO4、NaHSO3、Na2CO3、NaCl、(NH4)2SO4、及びNH4Clのうちの少なくとも1つを含む液体ストリームとを形成すること、又はSOx反応セクションにおいて、煙道ガスストリームを、NaHCO3、NaHCO3・Na2CO3・2(H2O)、CaCO3、Ca(OH)2、及びMg(OH)2のうちの少なくとも1つを含む反応物質と反応させて、H2O、CO2、N2、O2、NaCl、Na2CO3、Na2SO4、NaNO3、CaCl2、CaSO4、CaCO3、Ca(NO3)2、MgCl2、MgCO3、MgSO4、Mg(NO3)2、Cl2、NOx、ダイオキシン、及びフランのうちの少なくとも1つから本質的になる反応セクション煙道ガスストリームを形成すること、及び濾過セクションにおいて、反応セクション煙道ガスストリームを濾過して、NaCl、Na2CO3、Na2SO4、NaNO3、CaCl2、CaSO4、CaCO3、Ca(NO3)2、MgCl2、MgCO3、MgSO4、及びMg(NO3)2を除去して、脱SOx出口煙道ガスストリームを形成すること、を含む、脱SOx出口煙道ガスストリームを形成することと、任意選択的に、NOx除去セクションにおいて、脱SOx出口煙道ガスストリームからNOxを除去して、H2O、CO2、N2、O2、ダイオキシン、及びフランのうちの少なくとも1つから本質的になる脱NOx出口煙道ガスストリームを形成することと、任意選択的に、ダイオキシン-フラン除去セクションにおいて脱SOx出口煙道ガスストリーム又は脱NOx出口煙道ガスストリームからダイオキシン、フラン、又はその両方を除去して、H2O、CO2、N2、及びO2のうちの少なくとも1つから本質的になる処理済み出口煙道ガスストリームを形成することと、を含む、熱酸化すること、を含む。特定のストリームを熱酸化することは、ストリーム内の熱酸化可能な炭化水素成分が熱酸化されることを意味する。例えば、サワー水ストリームによって、サワー水ストリーム中の熱酸化可能な炭化水素成分及び硫黄及び窒素成分が熱酸化され、水が蒸発される。
【0011】
いくつかの実施形態では、サワー水ストリームは、低温分離及び分留セクション内の低温分離器からの低温分離器サワー水ストリーム、低温分離及び分留セクション内の脱ブタン化器からの脱ブタン化器レシーバサワー水ストリーム、低温分離及び分留セクション内のストリッパレシーバからのストリッパレシーバサワー水ストリームのうちの少なくとも1つを含む。
【0012】
いくつかの実施形態では、アミン酸性ガスストリームは、共通のアミン再生器塔頂凝縮器及び還流ドラムからの再生器アミン酸性ガスストリームを含む。
【0013】
いくつかの実施形態では、本プロセスは、リサイクルガスアミン接触器において、リ
ーンアミンストリームの第1の部分を低温分離及び分留セクション内の低温分離器からの酸性リサイクルガスストリームと接触させて、リッチアミンストリームの第1の部分を形成すること、脱ブタン化器レシーバアミン接触器において、リーンアミンストリームの第1の部分を低温分離及び分留セクション内の脱ブタン化器レシーバ容器からの酸性液化石油ガス(liquefied petroleum gas、LPG)ストリームと接触させて、リッチアミンス
トリームの第2の部分を形成すること、及びスポンジ吸収器リーンガス塔頂アミン接触器において、リーンアミンストリームの第3の部分を低温分離及び分留セクションのスポンジ吸収器からのリーン酸性ガスストリームと接触させて、リッチアミンストリームの第3の部分を形成することのうちの少なくとも1つを行うことと、共通のアミン再生器において、リッチアミンストリームの第1の部分、第2の部分、及び第3の部分のうちの少なくとも1つを再生して、リーンアミンストリーム及び塔頂再生器アミン酸性ガスストリームを形成することと、アミン再生器塔頂凝縮器において、塔頂アミン酸性ガスストリームを再生器アミン酸性ガスストリーム及び還流液体ストリームに分離することと、還流液体ストリームを共通のアミン再生器に還流することと、を更に含む。
【0014】
いくつかの実施形態では、本プロセスは、圧力スイング吸着ユニットにおいて、低温分離及び分留セクション内の低温分離器からの酸性リサイクルガスストリームからのパージストリームを、リサイクル水素ストリーム及びPSAテールガスストリームに分離し、リサイクル水素ストリームを酸性リサイクルガスストリームと組み合わせ、かつPSAテールガスストリームを燃料として熱酸化システム内に導入することと、脱ブタン化器レシーバアミン接触器内の低温分離及び分留セクションにおいて、リーンアミンストリームの第2の部分を酸性液化石油ガス(LPG)ストリームと接触させて、リッチアミンストリームの第2の部分を形成することと、スポンジ吸収器リーンガス塔頂アミン接触器内の低温分離及び分留セクションにおいて、リーンアミンストリームの第3の部分をスポンジ吸収器からのリーン酸性ガスストリームと接触させて、リッチアミンストリームの第3の部分を形成することと、共通のアミン再生器において、リッチアミンストリームの第2及び第3の部分のうちの少なくとも1つを再生して、リーンアミンストリーム及び塔頂再生器アミン酸性ガスストリームを形成することと、アミン再生器塔頂凝縮器において、塔頂アミン酸性ガスストリームを再生器アミン酸性ガスストリーム及び還流液体ストリームに分離することと、還流液体ストリームを共通のアミン再生器に還流することと、を更に含む。
【0015】
いくつかの実施形態では、本プロセスは、サワー水ストリームを熱酸化する前に、再生可能輸送燃料を生成するためのプロセスによる、又は廃熱回収セクションから回収された熱による蒸気を使用して、サワー水ストリームを予熱することを更に含む。
【0016】
いくつかの実施形態では、本プロセスは、再生可能原料をガード床に導入して、再生可能原料からアルカリ金属、酸素化合物、硫黄化合物、及び窒素化合物のうちの1つ以上を含む汚染物質を除去することと、再生可能原料を処理して、再生可能原料から追加的な酸素化合物を除去することと、水素異性化及び水素化分解セクションにおいて、水素異性化及び水素化分解条件の下で水素の存在下で、再生可能原料を、水素異性化触媒、水素化分解触媒、又はその両方と接触させて、反応流出物を形成することと、低温分離及び分留セクションにおいて、反応流出物を分離及び分留して、少なくとも1つの再生可能輸送燃料を形成することと、を更に含む。
【0017】
いくつかの実施形態では、反応流出物を分離及び分留することは、低温分離器において、反応器流出物を液体炭化水素ストリーム、低温分離器リサイクル酸性ガスストリーム、及び低温分離器サワー水ストリームに分離することと、液体炭化水素ストリームをストリッパ塔頂ストリーム及びストリッパ塔底ストリームにストリップすることと、ストリッパレシーバにおいて、ストリッパ塔頂ストリームを、ストリッパレシーバ液体ストリーム
、ストリッパレシーバオフガスストリーム、及びストリッパレシーバサワー水ストリームに分離することと、ストリッパレシーバオフガスストリームをスポンジ吸収器と接触させて、スポンジ吸収器液体ストリーム及びリーン酸性ガスストリームを形成することと、脱ブタン化器カラムにおいて、ストリッパレシーバ液体ストリーム及び任意選択的にスポンジ吸収器液体ストリームを、脱ブタン化器塔頂ストリーム、脱ブタン化器塔底ストリームに分離することと、脱ブタン化器レシーバにおいて、脱ブタン化器塔頂ストリームを、酸性液化石油ガス(LPG)ストリーム、脱ブタン化器レシーバサワー水ストリーム、及び還流に分離することと、ストリッパ塔底ストリームを、再生可能ジェット燃料ストリーム、再生可能ディーゼル燃料ストリーム、及びナフサストリームのうちの少なくとも1つに分留することと、を含む。
【0018】
いくつかの実施形態では、サワー水ストリームは、低温分離器サワー水ストリーム、ストリッパレシーバサワー水ストリーム、及び脱ブタン化器レシーバサワー水ストリームのうちの少なくとも1つを含む。
【0019】
いくつかの実施形態では、本プロセスは、リサイクルガスアミン接触器において、リーンアミンストリームの第1の部分を低温分離器酸性リサイクルガスストリームと接触させて、リッチアミンストリームの第1の部分を形成すること、脱ブタン化器レシーバアミン接触器において、リーンアミンストリームの第2の部分を脱ブタン化器レシーバからの酸性LPGストリームと接触させて、リッチアミンストリームの第2の部分を形成すること、及びスポンジ吸収器塔頂アミン接触器において、リーンアミンストリームの第3の部分をスポンジ吸収器からのリーン酸性ガスストリームと接触させて、リッチアミンストリームの第3の部分を形成することのうちの少なくとも1つを行うことと、共通のアミン再生器において、リッチアミンストリームの第1、第2、及び第3の部分のうちの少なくとも1つを再生して、リーンアミンストリーム及び塔頂アミン酸性ガスストリームを形成することと、アミン再生器塔頂凝縮器において、塔頂アミン酸性ガスストリームをアミン酸性ガスストリーム及び還流液体ストリームに分離することと、還流液体ストリームを共通のアミン再生器に還流することと、を更に含む。
【0020】
いくつかの実施形態では、煙道ガスストリームをクエンチすることは、空気、クエンチされた煙道ガスストリーム、脱SOx出口煙道ガスストリーム、脱NOx出口煙道ガスストリーム、処理済みの出口煙道ガスストリーム、及び水のうちの少なくとも1つによって煙道ガスストリームをクエンチすることを含む。
【0021】
いくつかの実施形態では、本プロセスは、非圧縮圧力スイング吸着(pressure swing
adsorption、PSA)テールガスストリームを、水素生成プラントに接続されたPSA
ユニットから熱酸化システムに燃料供給源として導入することを更に含む。
【0022】
いくつかの実施形態では、本プロセスは、リーン酸性ガスストリームのスリップストリームを、スポンジ吸収器から熱酸化システムに燃料供給源として導入することを更に含む。
【0023】
本発明の別の態様は、再生可能輸送燃料を生成するためのプロセスにおいて、酸性ガス及びサワー水流出物ストリームを処理するためのプロセスである。一実施形態では、本プロセスは、再生可能原料をガード床に導入して、再生可能原料からアルカリ金属、酸素化合物、硫黄化合物、及び窒素化合物のうちの1つ以上を含む汚染物質を除去することと、再生可能原料を処理して、再生可能原料から追加的な酸素化合物を除去することと、再生可能原料を水素化異性化及び水素化分解して、反応流出物を形成することと、低温分離器において、反応器流出物を液体炭化水素ストリーム、低温分離器リサイクル酸性ガスストリーム、及び低温分離器サワー水ストリームに分離することと、液体炭化水素ストリー
ムをストリッパ塔頂ストリーム及びストリッパ塔底ストリームにストリップすることと、ストリッパレシーバにおいて、ストリッパ塔頂ストリームを、ストリッパレシーバ液体ストリーム、ストリッパレシーバオフガスストリーム、及びストリッパレシーバサワー水ストリームに分離することと、ストリッパレシーバオフガスストリームをスポンジ吸収器と接触させて、スポンジ吸収器液体ストリーム及びリーン酸性ガスストリームを形成することと、脱ブタン化器カラムにおいて、ストリッパレシーバ液体ストリーム及び任意選択的にスポンジ吸収器液体ストリームを、脱ブタン化器塔頂ストリーム、脱ブタン化器塔底ストリームに分離することと、脱ブタン化器レシーバにおいて、脱ブタン化器塔頂ストリームを、酸性液化石油ガス(LPG)ストリーム、脱ブタン化器レシーバサワー水ストリーム、及び還流に分離することと、ストリッパ塔底ストリームを、再生可能ジェット燃料ストリーム、再生可能ディーゼル燃料ストリーム、及びナフサストリームのうちの少なくとも1つに分留することと、リサイクルガスアミン接触器において、リーンアミンストリームの第1の部分を低温分離器酸性リサイクルガスストリームと接触させて、リッチアミンストリームの第1の部分を形成すること、脱ブタン化器レシーバアミン接触器において、リーンアミンストリームの第2の部分を脱ブタン化器レシーバからの酸性LPGストリームと接触させて、リッチアミンストリームの第2の部分を形成すること、及びスポンジ吸収器塔頂アミン接触器において、リーンアミンストリームの第3の部分をスポンジ吸収器からのリーン酸性ガスストリームと接触させて、リッチアミンストリームの第3の部分を形成することのうちの少なくとも1つを行うことと、共通のアミン再生器において、リッチアミンストリームの第1、第2、及び第3の部分のうちの少なくとも1つを再生して、リーンアミンストリーム及び塔頂アミン酸性ガスストリームを形成することと、還流液体ストリームを共通のアミン再生器に還流することと、アミン再生器塔頂凝縮器において、塔頂アミン酸性ガスストリームをアミン酸性ガスストリーム及び還流液体ストリームに分離することと、熱酸化システムにおいて、低温分離及び分留セクションからのサワー水ストリーム、及びアミン酸性ガスストリームのうちの少なくとも1つを熱酸化することであって、サワー水ストリームが、熱酸化システムにおいて熱酸化される前に、サワー水ストリッパユニットにおいて処理されず、アミン酸性ガスストリームが、熱酸化システムにおいて熱酸化される前に硫黄回収ユニットにおいて処理されず、サワー水ストリームが、低温分離及び分留セクション内の低温分離器からの低温分離器サワー水ストリーム、低温分離及び分留セクション内の脱ブタン化器からの脱ブタン化器レシーバサワー水ストリーム、及び低温分離及び分留セクション内のストリッパレシーバからのストリッパレシーバサワー水ストリームのうちの少なくとも1つを含み、サワー水ストリーム及びアミン酸性ガスストリームのうちの少なくとも1つを熱酸化することが、熱酸化セクションにおいて、サワー水ストリーム及びアミン酸性ガスストリームのうちの少なくとも1つを熱酸化して、H2O、CO2、N2、O2、SOx、NOx、HCl、Cl2、ダイオキシン、及びフランのうちの少なくとも1つから本質的になる煙道ガスストリームを形成することと、任意選択的に、廃熱回収セクションにおいて、煙道ガスストリームから廃熱を回収することと、SOx除去セクションにおいて、煙道ガスストリームからSOx、HCl、及びCl2のうちの少なくとも1つを除去して、H2O、CO2、N2、O2、NOx、ダイオキシン、及びフランのうちの少なくとも1つから本質的になる脱SOx出口煙道ガスストリームを形成することであって、煙道ガスストリームからSOx、HCl、及びCl2のうちの少なくとも1つを除去することが、クエンチセクションにおいて、煙道ガスストリームをクエンチして、クエンチされた煙道ガスストリームを形成すること、及びスクラビングセクションにおいて、苛性溶液又はNH3系溶液をクエンチされた煙道ガスストリームと接触させて、脱SOx出口煙道ガスストリームと、H2O、Na2SO3、Na2SO4、NaHSO3、Na2CO3、NaCl、(NH4)2SO4、及びNH4Clのうちの少なくとも1つを含む液体ストリームとを形成すること、又はSOx反応セクションにおいて、煙道ガスストリームを、NaHCO3、NaHCO3・Na2CO3・2(H2O)、CaCO3、Ca(OH)2、及びMg(OH)2のうちの少なくとも1つを含む反応物質と反応させて、H2O、CO2、N2、O2、NaCl、Na2CO3、N
a2SO4、NaNO3、CaCl2、CaSO4、CaCO3、Ca(NO3)2、MgCl2、MgCO3、MgSO4、Mg(NO3)2、Cl2、NOx、ダイオキシン、及びフランのうちの少なくとも1つから本質的になる反応セクション煙道ガスストリームを形成すること、及び濾過セクションにおいて、反応セクション煙道ガスストリームを濾過して、NaCl、Na2CO3、Na2SO4、NaNO3、CaCl2、CaSO4、CaCO3、Ca(NO3)2、MgCl2、MgCO3、MgSO4、及びMg(NO3)2を除去して、脱SOx出口煙道ガスストリームを形成すること、を含む、脱SOx出口煙道ガスストリームを形成することと、任意選択的に、NOx除去セクションにおいて、脱SOx出口煙道ガスストリームからNOxを除去して、H2O、CO2、N2、O2、ダイオキシン、及びフランのうちの少なくとも1つから本質的になる脱NOx出口煙道ガスストリームを形成することと、任意選択的に、ダイオキシン-フラン除去セクションにおいて脱SOx出口煙道ガスストリーム又は脱NOx出口煙道ガスストリームからダイオキシン、フラン、又はその両方を除去して、H2O、CO2、N2、及びO2のうちの少なくとも1つから本質的になる処理済み出口煙道ガスストリームを形成することと、を含む、熱酸化することと、を含む。
【0024】
いくつかの実施形態では、本プロセスは、サワー水ストリームを熱酸化する前に、再生可能輸送燃料を生成するためのプロセスによる、又は廃熱回収セクションから回収された熱による蒸気を使用して、サワー水ストリームを予熱することを更に含む。
【0025】
いくつかの実施形態では、煙道ガスストリームをクエンチすることは、空気、クエンチされた煙道ガスストリーム、脱SOx出口煙道ガスストリーム、脱NOx出口煙道ガスストリーム、処理済みの出口煙道ガスストリーム、及び水のうちの少なくとも1つによって煙道ガスストリームをクエンチすることを含む。
【0026】
いくつかの実施形態では、本プロセスは、非圧縮圧力スイング吸着(PSA)テールガスストリームを、水素生成プラントに接続されたPSAユニットから熱酸化システムに燃料供給源として導入することを更に含む。
【0027】
いくつかの実施形態では、本プロセスは、リーン酸性ガスストリームのスリップストリームを、スポンジ吸収器から熱酸化システムに燃料供給源として導入することを更に含む。
【0028】
図1は、再生可能輸送燃料を生成するためのプロセスにおいてガス及びサワー水流出物ストリームを処理するための従来のプロセス100の一実施形態の概要を例示する。当業者によって理解されるとおり、他の配置が可能であり、装置の全ての部品がどのプロセスにも提示されるわけではない。再生可能原料105及び任意選択的に石油原料110は、再生可能輸送燃料を作製するための単段又は二段の再生可能輸送燃料生成ユニット115において導入される。
【0029】
図2は、
図1の従来の再生可能輸送燃料生成ユニット115の一実施形態の詳細を提供する。当業者によって理解されるとおり、他の配置が可能であり、装置の全ての部品がどのプロセスにも提示されるわけではない。当該技術分野において知られているように、再生可能輸送燃料生成プロセスは、単段又は二段プロセスとすることができる。
【0030】
再生可能原料105としては、グリセリド、脂肪酸性アルキルエステル(fatty acid
alkyl ester、FAAE)、及び遊離脂肪酸(free fatty acid、FFA)が挙げられる
が、これらに限定されない。グリセリドのほとんどはトリグリセリドであるが、モノグリセリド及びジグリセリドが存在し得、同様に処理され得る。再生可能原料の例としては、カノーラ油、コーン油、ダイズ油、ナタネ油、ダイズ油、ナタネ油、トール油、ヒマワリ
油、麻の実油、オリーブ油、亜麻仁油、ココヤシ油、ヒマシ油、落花生油、パーム油、からし油、綿実油、ヤトロファ油、ratanjoy油、野生のヒマシ油、jangli油、エランディ油、mohuwa油、karanji honge油、ニーム油、非食用の獣脂、黄色及び茶色のグリース、ラード、鯨油、乳中の脂肪、魚油、藻類油、下水スラッジ、クフェア油、カメリナ油、クルカス油、ババス油、パームナッツ油、ハマナ油、脂肪酸メチルエステル、ラード、など、又は天然源由来若しくは微生物活動によって生成された任意の油が挙げられるが、これらに限定されない。典型的な植物油又は動物性脂肪のグリセリド、FAAE、及びFFAは、それらの構造内に、8~24個の炭素原子を有する脂肪族炭化水素鎖を含み、脂肪及び油の大部分は、16個及び18個の炭素原子を有する高濃度の脂肪酸を含む。
【0031】
場合によっては、再生可能原料105は、窒素リッチであり得、これは、100ppmを超える窒素、又はいくつかの実施形態では、60ppmを超える窒素を有することを意味する。
【0032】
再生可能原料は、様々な不純物を含有し得る。例えば、トール油は、FFAに加えて、エステル及びロジン酸を含有する。ロジン酸は、環状カルボン酸である。再生可能原料は、アルカリ金属(例えば、ナトリウム及びカリウム)、アルカリ土類金属(例えば、カルシウム及びマグネシウム)、リン、タンパク質、窒素、及び硫黄、並びに固形物、水、及び洗剤などの、汚染物質も含有し得る。これらの汚染物質は、できる限り多く除去することが望ましい。
【0033】
再生可能原料105及び任意選択的にバージン石油原料110は、サージドラム125に送られ得る。汚染物質を除去するために、サージドラム125から、再生可能原料130が、リサイクル水素ストリーム135と組み合わせられて、1つ以上のガード床140及び/又は処理ユニット145に送られ得る。ガード床140及び処理ユニット145の両方が存在する場合、ガード床140からの流出物142は、処理ユニット145に送られる。
【0034】
再生可能原料130から金属汚染物質を除去するためのガード床140の使用は、当技術分野でよく知られている。これらは、ニッケル又はコバルトなどの脱金属触媒を有する又は有しないアルミナガード床を含むことができる。濾過及び溶剤抽出技術は、採用され得る他の選択肢である。
【0035】
可能な処理ユニット145としては、トリグリセリド分子の脱酸素化、オレフィンの飽和、窒素の除去、硫黄の除去、金属の除去、及びハロゲン化物の除去のためのものが挙げられるが、これらに限定されない。トリグリセリド分子の脱酸素化は、再生可能原料から酸素を除去するために、脱炭酸及び/又は脱カルボニル及び/又は水素化脱酸素を伴う。オレフィンの飽和は、水素による、炭化水素鎖内のオレフィン又は不飽和部分の飽和を伴う。オレフィンの飽和は、発熱反応であり、水素を消費する。オレフィンの量は、原料の供給源によって変化する。窒素の除去は、(トレースアミノ酸などからの)原料中の有機窒素のアンモニアへの変換を伴う。窒素は、異性化触媒に有害であるので、処理ユニット145からの流出物の窒素含有量は、50ppbよりも少なくなければならない。硫黄の除去は、原料中の天然硫黄をH2Sに変換することを伴う。触媒の活性状態が硫化形態であるので、追加的な硫黄(典型的にはジメチルジスルフィド(dimethyl disulfide、DMDS))が、同じくH2Sに変換する供給物に加えられる。次に、H2Sが、水素化処理環境においてH2O及びH2に曝露された活性ガード及び処理触媒金属の酸化及び還元を阻止する。金属の除去に関しては、リン及び他の金属は、吸着及び化学反応の組み合わせによって触媒に保持される。触媒は、金属を保持するための特定の最大許容量を有する。ガード及び処理触媒の有用な寿命は、大部分は、動作中蓄積される金属の量によって決
定される。金属(Na、Ca、K、Mg、Al、及びFe)は、再生可能原料に由来するものであり、自然に発生し、再生可能原料の供給物中に存在するリン脂質化合物に関連付けられる。シリコンは、供給油の処理からの汚染物質であり得、一方で、鉄もまた、酸性供給物の処理及び貯蔵から取り出され得る。
【0036】
ガード床140及び処理ユニット145は、別個の容器であり得、又は単一の容器内の2つ以上の床とすることができる。
【0037】
一段プロセスでは、処理済みストリーム150は、水素異性化及び水素化分解反応セクション155に送られる。リサイクル水素ストリーム135もまた、水素異性化及び水素化分解反応セクション155に導入される。水素異性化及び水素化分解反応セクション155からの流出物ストリーム160は、蒸気発生器185において熱エネルギーを除去することによって冷却される。冷却されたストリーム190は、分離セクション165に送られる。分離セクション165は、異性化/分解流出物分離器を含む。分離セクション165からの流出物ストリーム200は、低温分離及び分留セクション205に送られる。
【0038】
二段プロセスでは、処理済みのストリーム150’は、蒸気発生器170において熱エネルギーを除去することによって冷却される。冷却されたストリーム175は、高温分離器に続いて、分離セクション165の拡張高温分離器に送られる。分離セクション165はまた、異性化/分解流出物分離器も含む。分離セクション165の拡張高温分離器からの液体ストリーム180は、水素異性化及び水素化分解反応セクション155に送られる。流出物ストリーム160’は、分離セクション165内の異性化/分解流出物分離器に送られる。異性化/分解流出物分離器からの液体は、高温分離器に送られ、ガス状流出物は、拡張高温分離器に送られる。高温分離器及び拡張高温分離器からの蒸気ストリームは、分離セクション165から流出物ストリーム200’を形成して、低温分離及び分留セクション205に送られる。
【0039】
水素異性化及び水素化分解反応セクション155は、1つ以上の反応器を備え得、反応器の各々は、少なくとも1つの水素異性化触媒、少なくとも1つの水素化分解触媒、又はその両方を含む、1つ以上の床を含み得る。いくつかの実施形態は、外部熱入力を必要とし得る。全ての反応が、1つの反応器又は1つの床において同時に生じることが想到される。しかしながら、典型的な動作は、多数の床及び可能であれば多数の反応器を利用する可能性が最も高く、異なる反応が、異なる床及び/又は反応器において生じる。
【0040】
パラフィン製品の水素異性化及び選択的な水素化分解は、当技術分野で知られている任意の様態で、又は当技術分野で知られている任意の好適な触媒を使用することによって達成することができる。触媒の1つ以上の床が使用され得る。異性化は、並流動作モードで動作されることが好ましい。固定床トリクル床下降流モード又は固定床液体充填上昇流モードの両方が適している。
【0041】
主要な異性化製品は、概して、単分岐炭化水素である。異性化とともに、炭化水素の水素化分解が生じる。水素異性化及び水素化分解反応セクション155の条件がより厳しくなるにつれて、炭化水素の水素化分解の量が多くなる。水素化分解レベルの上昇は、航空燃料の沸騰範囲における炭化水素のより高い収率をもたらす。
【0042】
水素異性化及び水素化分解反応セクション155でのパラフィン炭化水素の水素異性化及び水素化分解は、当技術分野で知られている任意の様態で、又は当技術分野で知られている任意の好適な触媒を使用することによって達成することができる。好適な触媒は、周期表の第VIII族(IUPACの8~10)の金属及び担持材料を含む。好適な第V
III族の金属としては、プラチナ及びパラジウムが挙げられ、それぞれが単独で又は組み合わせて使用され得る。担持材料は、非晶質又は結晶質であり得る。好適な担持材料としては、アルミナ、非晶質アルミナ、非晶質シリカ-アルミナ、などが挙げられる。異性化触媒はまた、ランタン、セリウム、プラセオジミウム、ネオジム、サマリウム、ガドリニウム、テルビウム、及びそれらの混合物からなる群から選択される改質剤も含み得る。
【0043】
一般に、水素異性化及び水素化分解反応セクション155の異性化条件は、150℃~450℃(302°F~842°F)、又は300℃~400℃(572°F~752°F)、又は300℃~360℃(572°F~680°Fを含む。典型的な異性化圧力は、2760~6890kPa(400~1000psig)、又はいくつかの実施形態では、2760~4820kPa(400~700psig)であり得る。異性化ゾーンの他の動作状態は、当技術分野でよく知られており、使用される特定の動作状態は、予め決定されており、所望の製品仕様及び製品の相対収率に依存する。
【0044】
水素異性化及び水素化分解セクション155のプロセスの厳密性は、航空燃料の製品の潜在的収率、ディーゼル燃料又は航空燃料に有用でない軽質製品の量、及び航空及びディーゼルの両方の範囲の燃料の異性化/通常の比率を制御する。水素化分解は、水素化分解の程度を制限するために、触媒選択及び反応条件を通して制御される。理想的には、各パラフィン分子は、単一の水素化分解事象のみを受け、理想的には、単一の水素化分解事象は、C9~C15の炭素数範囲の少なくとも1つのパラフィンをもたらす。水素異性化及び水素化分解反応セクション155における触媒の慎重な選択並びにプロセス条件の制御は、航空燃料範囲においてパラフィン製品を最大にし得、一方で、軽質パラフィン、すなわち、ディーゼル燃料又は航空燃料用途に有用でない3個以下の炭素鎖を有するパラフィンの生成を最小にする。
【0045】
燃料の仕様は、典型的には、炭素数の範囲に基づいていないことに留意されたい。代わりに、異なるタイプの燃料の仕様は、しばしば、燃料の化学的及び物理的要件の許容可能な範囲を通して示される。例えば、しばしば、10パーセント回収から最終沸点までの蒸留範囲が、異なるタイプの燃料を定義する主要なパラメータとして使用される。蒸留範囲は、典型的には、ASTM試験法D86又はD2887によって測定される。異なる仕様及び要件を満たすために、異なる成分をブレンドすることが非常に一般的である。
【0046】
流出物ストリーム200/200’は、低温分離及び分留セクション205に送られる。低温分離及び分留セクション205において、流出物ストリーム200/200’が、酸性リサイクルガスストリーム210、酸性液化石油ガス(LPG)ストリーム215、リーン酸性ガスストリーム220、サワー水ストリーム225、ナフサストリーム230、再生可能ジェット燃料ストリーム235、及び再生可能ディーゼルストリーム240に分離される。低温分離及び分留セクション205は、以下で更に詳細に説明される。
【0047】
水素、一酸化炭素、硫化水素、二酸化炭素、及びプロパンを含む酸性リサイクルガスストリーム210は、リサイクルガスアミン接触器245に送られて、一酸化炭素、硫化水素、並びに一部の二酸化炭素及びプロパンを除去する。リサイクル水素ストリーム135は、再生可能原料130と組み合わせて、処理ユニット145に送ること、又は水素異性化及び水素化分解反応セクション155に送ることができる。
【0048】
図3は、低温分離及び分留セクション205の一実施形態を例示する。当業者によって理解されるとおり、他の配置が可能であり、装置の全ての部品がどのプロセスにも提示されるわけではない。低温分離及び分留セクション205において、高温分離器からの蒸気、拡張高温分離器からの蒸気、及び異性化/分解流出物分離器からの液体のうちの1つ以上の組み合わせを含む流出物ストリーム200/200’が、低温分離及び分留セクシ
ョン205の凝縮器440に送られる。凝縮されたストリーム445は、低温分離器450に送られ、液体炭化水素ストリーム455、低温分離器サワー水ストリーム460、及び酸性リサイクルガスストリーム210に分離される。高温分離セクション165及び低温分離及び分留セクション205の詳細は、当業者によく知られている。
【0049】
低温分離器450からの液体炭化水素ストリーム455は、蒸気ストリッパ465に送られる。酸性リサイクルガスストリーム210は、CO2及びH2Sを除去するために、リサイクルガスアミン接触器245に送られる。
【0050】
液体炭化水素ストリーム455は、蒸気ストリッパ465において、ストリッパ塔頂ストリーム470及びストリッパ塔底ストリーム475に分離される。ストリッパ塔頂ストリーム470は、ストリッパレシーバ480に送られ、ストリッパレシーバ液体ストリーム485、ストリッパレシーバオフガスストリーム490、及びストリッパレシーバサワー水ストリーム495に分離される。
【0051】
ストリッパレシーバオフガスストリーム490は、スポンジ吸収器500と接触して、スポンジ吸収器液体ストリーム505及びリーン酸性ガスストリーム220を形成する。
【0052】
ストリッパレシーバ液体ストリーム485及び任意選択的にスポンジ吸収器液体ストリーム505は、脱ブタン化器カラム510に送られ、脱ブタン化器塔頂ストリーム515及び脱ブタン化器塔底ストリーム520に分離される。ナフサを含有する脱ブタン化器塔底ストリーム520は、ナフサストリーム230と組み合わせられ得る。
【0053】
脱ブタン化器塔頂ストリーム515は、脱ブタン化器レシーバ525において、酸性LPGストリーム215、脱ブタン化器レシーバサワー水ストリーム530、及び還流535に分離される。酸性LPGストリーム215は、脱ブタン化器レシーバアミン接触器320に送られる。還流535は、脱ブタン化器カラム510に戻される。
【0054】
ストリッパ塔底ストリーム475は、分留器477に送られ、ナフサストリーム230、並びに再生可能ジェット燃料ストリーム235及び再生可能ディーゼルストリーム240のうちの少なくとも1つに分留される。
【0055】
低温分離器450からの低温分離器サワー水ストリーム460、脱ブタン化器レシーバ525からの脱ブタン化器レシーバサワー水ストリーム530、及びストリッパレシーバ480からのストリッパレシーバサワー水ストリーム495のうちの1つ以上は、サワー水ストリッパ(sour water stripper、SWS)ユニット250に送られたサワー水ス
トリーム225にコーミングすることができる。
【0056】
図1に戻ると、サワー水ストリーム225は、SWSユニット250に送られ、蒸気を使用して、SWS酸性ガスストリーム255及びSWS塔底ストリーム260に分離される。SWS塔底ストリームは、廃水処理プラント265に送ることができる。SWS塔底ストリーム260の一部分270は、再生可能輸送燃料生成ユニット115に戻すか、又は精製複合施設内の他のユニットに送ることができる。
【0057】
SWS酸性ガスストリーム255は、硫黄回収ユニット(SRU)275に送られる。クラウスプロセス、及び液体酸化還元硫黄ユニット、又は生物学的プロセスが挙げられるが、これらに限定されない、好適なSRUが当技術分野で知られている。除去された硫黄は、濾過セクション280に送られ、硫黄が、硫黄フィルタケーキ282として除去される。SRU275からのガスストリーム285は、熱酸化セクション290に送られ、
煙道ガス292は、大気中に吐き出される。
【0058】
酸性リサイクルガスストリーム210は、リサイクルガスアミン接触器245において、リーンアミンストリーム300の第1の部分295と接触して、酸性リサイクルガスストリーム210から除去された硫化水素を含有する、リッチアミンストリーム310の第1の部分305を形成する。リサイクル水素ストリーム135は、
図2に関して上で論じたように、再生可能輸送燃料生成ユニット115に戻される。
【0059】
酸性LPGストリーム215は、脱ブタン化器レシーバアミン接触器320において、リーンアミンストリーム300の第2の部分315と接触して、酸性LPGストリーム215からの硫化水素を含有する、リッチアミンストリーム310の第2の部分325を形成する。スイートLPG330は、貯蔵所に送ることができ、又は水素改質器の原料として使用することができる。
【0060】
リーン酸性ガスストリーム220は、スポンジ吸収器ガス塔頂アミン接触器345において、リーンアミンストリーム300の第3の部分335と接触して、リーン酸性ガスストリーム220からの硫化水素を含有するリッチアミンストリーム310の第3の部分350を形成する。スイートリーンガス355は、燃料ガスネットワークに送ることができる。
【0061】
リッチアミンストリーム310は、熱交換器360に送られ、リーンアミンストリーム300と熱を交換する。リッチアミンストリーム310は、共通のアミン再生器365に送られ、蒸気ストリップされて、リーンアミンストリーム300及び塔頂アミン酸性ガスストリーム370を形成する。塔頂アミン酸性ガスストリーム370は、アミン再生器塔頂凝縮器375に送られ、液体還流380及びアミン酸性ガスストリーム385に分離される。液体還流380は、共通のアミン再生器365に戻される。アミン酸性ガスストリーム385は、SRU275に送られる。
【0062】
いくつかの実施形態では、関連する蒸気改質ゾーン390を存在させることができる。スイートナフサストリーム395及び/又はスイートLPGストリーム400は、蒸気改質ゾーン390に送られる。天然ガス、メタン、メタノール、などが挙げられるが、これらに限定されない、他の燃料も可能である。改質ゾーン流出物405(例えば、CO2に加えて、主に水素、並びに少量のCH4、CO、及びN2を含有し、水で飽和されている)は、圧力スイング吸着(PSA)ユニット410に送られ、水素ストリーム415及びPSAテールガスストリーム420に分離される。水素ストリーム415は、圧縮して、再生可能輸送燃料生成ユニット115に送ることができる。PSAテールガスストリームは、蒸気改質ゾーン390に送られるPSAテールガスリサイクルストリーム425、及び燃料ガスネットワークに送ることができる余剰PSAテールガスストリーム430に分けることができる。
【0063】
図4Aに示されるプロセス550では、サワー水ストリッパユニット、廃水処理プラント、及び硫黄回収ユニットが排除されている。サワー水ストリーム225は、サワー水ストリッパユニットにおいて処理されることなく熱酸化システム555に直接送られ、SWS酸性ガスストリームは存在しない。代替的に、いくつかの配置では、硫黄回収ユニットのみが排除される。この場合、SWS酸性ガスストリーム255は、熱酸化システム(図示せず)に直接送られる。アミン酸性ガスストリーム385は、硫黄回収ユニットにおいて処理することを必要とせずに、熱酸化システム555に直接送られる。煙道ガス557は、大気中に吐き出される。
【0064】
いくつかの実施形態では、以下で説明するように、サワー水ストリーム225は、再
生可能輸送燃料生成ユニット115からの蒸気、又は熱酸化システム555から回収された廃熱を使用して予熱される。
【0065】
いくつかの実施形態では、燃料ガスストリーム560は、燃料のための蒸気改質ゾーン390に送られる。非圧縮の余剰PSAテールガスストリーム430は、熱酸化システム555に燃料として送られる。
【0066】
場合によっては、水素生成プラントと関連付けられたPSAユニット410からの非圧縮の余剰PSAテールガスストリーム430は、燃料供給源として使用される熱酸化システム555に送られ得る。余剰PSAテールガスストリーム430は、典型的には、5psi(g)の圧力で水素プラント内の燃焼ヒータへリサイクルされる。余剰PSAテールガスストリーム430を2~4.9psi(g)の範囲のより低い圧力で熱酸化システム555に送ることによって、PSAユニット410での水素回収収率を高めることができる。
【0067】
改質器の燃焼ヒータに必要とされる燃料要件は、LP燃料ガスネットワークからの燃料ガスストリーム560によって提供される。
【0068】
図4Bは、代替の実施形態を示す。このプロセスでは、リサイクルガスアミン接触器245、並びにその結果として、リーンアミンストリーム300の第1の部分295及びリッチアミンストリーム310の第1の部分305は存在しない。酸性リサイクルガスストリーム210は圧縮され、リサイクル水素ストリーム135はプロセスに戻される。パージストリーム211は、PSAユニット212に送られ、水素ストリーム213及びPSAテールガスストリーム214に分離される。水素ストリームは、酸性リサイクルガスストリーム210の残部と組み合わせられる。PSAテールガスストリームは、熱酸化システム555に送られる。
【0069】
図5のプロセス565では、スポンジ吸収器500からのリーン酸性ガスストリーム220のスリップストリーム570は、熱酸化システム555の燃料供給源として熱酸化システム555に送られる。この配置では、スポンジ吸収器ガス塔頂アミン接触器345のサイズが低減される。その結果、共通のアミン再生器365のサイズもまた低減され得る。代替の実施形態では、リサイクルガスアミン接触器245を除去することができ、
図4Bに記載されたPSAユニット212及び付随する変更が存在し得る。
【0070】
熱酸化システム555の一実施形態は、
図6に例示されている。熱酸化システム555は、熱酸化セクション600と、任意選択の廃熱回収セクション605と、クエンチセクション610と、SOx除去セクション615と、任意選択のNOx除去462と、任意選択のダイオキシン-フラン除去セクション625と、を備えている。
【0071】
サワー水ストリーム225及びアミン酸性ガスストリーム385のうちの少なくとも1つは、燃焼用空気ストリーム630、天然ガス/燃料ガスストリーム635、及び任意選択的にクエンチ空気ストリーム640とともに、熱酸化セクション600に送られる。任意選択的に、余剰PSAテールガスストリーム430及び/又はリーン酸性ガススリップストリーム570もまた、熱酸化セクション600に送ることができる。熱酸化セクション600の入口温度は、典型的には、-1kPa(g)~3000kPa(g)の圧力で-30~500℃の範囲である。出口温度は、典型的には、-1kPa(g)~50kPa(g)の圧力で650~1300℃の範囲である。熱酸化セクション600内の滞留時間は、0.5~2秒である。断熱熱酸化装置チャンバーが挙げられるが、これに限定されない、任意の好適な熱酸化セクション600を使用することができる。熱酸化セクション600は、強制通風、誘引通風、又はその両方の組み合わせとすることができる。場合
によっては、任意選択の選択的非触媒還元(selective non-catalytic reduction、SN
CR)セクションが存在し得る。SNCRセクションの入口温度は、典型的には、-1kPa(g)~50kPa(g)の圧力で650~1300℃の範囲である。出口温度は、典型的には、-1kPa(g)~50kPa(g)の圧力で650~1040℃の範囲である。SNCRセクション内の滞留時間は、0.2~1秒である。熱酸化ステップは、容器内のチョーク壁を介してSNCRステップから分離される。炭化水素は、H2O及びCO2に変換される。原材料中に存在する硫黄種からの硫化物(例えば、H2S)は、SO2及びSO3及びH2Oが挙げられるが、これらに限定されない、酸化硫黄粒子状物質SOxに変換される。原材料中に存在する窒素結合分子(例えば、NH3)からの窒素は、NO、NO2が挙げられるが、これらに限定されない、窒素(N2)及びNOxに変換される。HCl及びCl2(存在する場合)は、残留する。
【0072】
熱酸化セクション600からの煙道ガスストリーム645は、H2O、CO2、N2、O2、SOx(すなわち、SO2及びSO3)、NOx(すなわち、NO及びNO2)、HCl、Cl2、ダイオキシン、及びフランのうちの1つ以上から本質的になる。「~から本質的になる」とは、ガス又は蒸気の1つ以上が存在し、かつ大気中に放出される前に処理を必要とする他のいかなるガスも蒸気も存在しないことを意味する。煙道ガスストリーム645は、任意選択の廃熱回収セクション605に送られる。任意選択の廃熱回収セクション605の入口温度は、典型的には、-2kPa(g)~50kPa(g)の圧力で650~1300℃の範囲である。出口温度は、典型的には、-2kPa(g)~50kPa(g)の圧力で200~400℃の範囲である。好適な廃熱回収装置及び方法としては、炎管ボイラ又は水管ボイラが挙げられるが、これらに限定されない、廃熱回収ボイラが挙げられるが、これに限定されない。ボイラ供給水又は油ストリーム650は、廃熱回収セクション605に入り、一部分が蒸気又は高温油ストリーム655に変換され、残部は、放出水又は油ストリーム660として出る。場合によっては、蒸気は、例えば、所望に応じて蒸気タービンを使用して、電気に変換することができる。
【0073】
蒸気又は高温油ストリーム655中の回収された廃熱は、低圧(例えば、350kPa未満(g))、中圧(例えば、350kPa(g)~1750kPa(g))、又は高圧(例えば、1750kPa(g)超)の飽和蒸気若しくは過熱蒸気、高温油、及び/又は電力の形態とすることができる。回収された熱は、再生可能輸送燃料を生成するためのプロセスにおける装置若しくはプロセスストリームの1つ以上の部分に、又はプラントの他の部分に熱を提供するために使用することができる。例えば、蒸気又は高温油ストリーム655中の回収された廃熱は、アミン処理ユニット内の再沸騰器、分留カラムに、及びストリッパカラム若しくはプラント内の他の場所のための蒸気、又は他の熱要件に熱を供給するために使用することができる。
【0074】
任意選択の廃熱回収セクション605からの煙道ガスストリーム665は、クエンチセクション610に流れ、煙道ガスの温度は、クエンチストリーム670を使用して、飽和温度まで低下される。クエンチセクション610の入口温度は、典型的には、-3kPa(g)~50kPa(g)の圧力で200~400℃の範囲である。廃熱再沸騰器が存在しない場合、入口温度は、最高1300℃になり得る。出口温度は、典型的には、-3kPa(g)~50kPa(g)の圧力で45~150℃の範囲である。クエンチストリーム670としては、水、空気、リサイクル煙道ガス、又はこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。
【0075】
クエンチセクション610からのクエンチされた煙道ガスストリーム675は、SOx、HCl、及びCl2のうちの少なくとも1つを除去するためのSOx除去セクション615に送られる。SOx除去セクション615の入口温度は、典型的には、-4kPa(g)~50kPa(g)の圧力で45~150℃の範囲である。出口温度は、典型的に
は、-4kPa(g)~50kPa(g)の圧力で45~150℃の範囲である。例えば、SOx除去セクション615は、水性NaOHを含むストリーム680がスクラビングセクションに導入され、煙道ガス中のSOx、HCl、及びCl2のうちの少なくとも1つと反応する、スクラビングセクションであり得る。水性Na2SO3、Na2SO4、及びNaClを含有する水性ストリーム685は、スクラビングセクションから出る。所望に応じて、Cl2と反応させてHClを形成し、これが反応してNaClを形成するように、NaHSO3又はH2O2などの還元剤を含むことができる。代替的に、ストリーム680は、NH3系溶液とすることができる。NH3は、SOxと反応して、(NH4)2SO4を形成する。NH3は、Cl2と反応してN2及びHClを形成し、続いて、HClとNH3と反応してNH4Clを形成する。NH3が使用される場合、別個の還元剤は不要である。この場合、水性ストリーム685は、H2O、NaCl、(NH4)2SO4、及びNH4Clを含む。
【0076】
SOx除去セクション615からの脱SOx出口煙道ガスストリーム690は、入来するクエンチされた煙道ガスストリーム675と比較して、減少したレベルのSOx、NOx、及びCl2のうちの少なくとも1つを有する。脱SOx出口煙道ガスストリーム690は、H2O、CO2、N2、O2、NOx、ダイオキシン、及びフランのうちの1つを含む。
【0077】
NOxが脱SOx出口煙道ガスストリーム690中に存在する場合、脱SOx出口煙道ガスストリーム690は、NOxを除去するために、任意選択のNOx除去セクション620に送られる。NOx除去セクション620の入口温度は、典型的には、-5kPa(g)~50kPa(g)の圧力で150~300℃の範囲である。出口温度は、典型的には、-5kPa(g)~50kPa(g)の圧力で200~350℃の範囲である。脱SOx出口煙道ガスストリーム690は、NOx除去セクション620の所望の入口温度を得るために加熱することが必要であり得る。例えば、NOx除去セクション620は、選択触媒還元(selective catalytic reduction、SCR)セクションとすることができ
、アンモニア及び/又は尿素ストリーム695がSCRセクションに導入されて、NOxと反応してN2及びH2Oを形成する。TiO2、WO3、及びV2O5を含む卑金属の酸化物などの活性触媒成分を有する酸化チタンなどのセラミック担体材料、又は活性炭系の触媒が挙げられるが、これらに限定されない、任意の好適なSCR触媒を使用することができる。脱NOx出口煙道ガスストリーム700は、H2O、CO2、N2、O2、ダイオキシン、及びフランのうちの少なくとも1つを含む。
【0078】
任意のハロゲンが原材料中に存在する場合、これは、ダイオキシン及び/又はフランの形成をもたらし得る。これらの化合物は、ガスが大気中に吐き出され得る前に除去しなければならない。脱SOx出口煙道ガスストリーム690又は脱NOx出口煙道ガスストリーム700中にダイオキシン及び/又はフランが存在する場合、脱SOx出口煙道ガスストリーム690又は脱NOx出口煙道ガスストリーム700は、ダイオキシン及び/又はフランを除去するための任意選択のダイオキシン-フラン除去セクション625に送られる。ダイオキシン及びフランは、触媒を使用して除去することができる。ダイオキシン-フラン除去セクション625の入口温度は、典型的には、-6kPa(g)~50kPa(g)の圧力で150~250℃の範囲である。出口温度は、典型的には、-6kPa(g)~50kPa(g)の圧力で150~250℃の範囲である。H2O、CO2、N2、及びO2のうちの1つ以上から本質的になる、処理済みの出口煙道ガスストリーム705は、大気中に吐き出され得る。
【0079】
脱SOx出口煙道ガスストリーム690中のNOx並びにダイオキシン及び/又はフランのレベルが環境規制を超えた場合、システムは、おそらくは、NOx除去セクション620及びダイオキシン-フラン除去セクション625の両方を含むことになる。この場
合、脱SOx出口煙道ガスストリーム690は、脱NOx出口煙道ガスストリーム700よりもわずかに高い温度を有する。脱NOx出口煙道ガスストリーム700は、ダイオキシン-フラン除去セクション625に入る前にクエンチすることが必要であり得る。
【0080】
脱SOx出口煙道ガスストリーム690がNOx、ダイオキシン、又はフランを含有していない場合、任意選択のNOx除去セクション620及び任意選択のダイオキシン-フラン除去セクション625は存在しない。H2O、CO2、N2、及びO2のうちの1つ以上から本質的になる、脱SOx出口煙道ガスストリーム710は、大気中に吐き出され得る。
【0081】
脱SOx出口煙道ガスストリーム690が、NOxを含有しているが、ダイオキシン又はフランを含有していない場合、任意選択のダイオキシン-フラン除去セクション625は存在しない。H2O、CO2、N2、及びO2のうちの1つ以上から本質的になる、脱SOx出口煙道ガスストリーム715は、大気中に吐き出され得る。
【0082】
脱SOx出口煙道ガスストリーム690が、ダイオキシン又はフランを含有しているが、NOxを含有していない場合、任意選択のNOx除去セクション620は存在しない。脱SOx出口煙道ガスストリーム690は、任意選択のダイオキシン-フラン除去セクション625に送られる。H2O、CO2、N2、及びO2のうちの1つ以上から本質的になる、処理済みの出口煙道ガスストリーム705は、大気中に吐き出され得る。
【0083】
煙道ガスストリーム645がSOx、NOxを含有していない場合、SOx除去セクション615、任意選択のNOx除去セクション620、及び任意選択のダイオキシン-フラン除去セクション625は存在しない。H2O、CO2、N2、及びO2のうちの1つ以上から本質的になる、廃熱回収セクション605からの煙道ガスストリーム720は、大気中に吐き出され得る。
【0084】
熱酸化システム555’の別の実施形態は、
図7に例示されている。熱酸化システム555’は、熱酸化セクション800と、任意選択の廃熱回収セクション805と、反応セクション810及び濾過セクション815を備えているSOx除去セクションと、任意選択のNOx除去セクション820と、任意選択のダイオキシン-フラン除去セクション825と、を備えている。
【0085】
サワー水ストリーム225及びアミン酸性ガスストリーム385のうちの少なくとも1つは、上で説明したように、熱酸化セクション800に導入される。燃焼用空気ストリーム830、補給天然ガス又は燃料ガスストリーム835、及び任意選択的にクエンチストリーム840のうちの1つ以上もまた、熱酸化セクション800に導入される。任意選択的に、水素生成プラント及び/又はリーン酸性ガススリップストリーム570と関連付けられたPSAユニット410からの余剰PSAテールガスストリーム430もまた、熱酸化セクション800に導入することができる。
【0086】
熱酸化セクション800の入口温度は、典型的には、-1kPa(g)~3000kPa(g)の圧力で-30~500℃の範囲である。出口温度は、典型的には、-1kPa(g)~50kPa(g)の圧力で650~1300℃の範囲である。熱酸化セクション800内の滞留時間は、0.5~2秒である。断熱熱酸化装置チャンバーが挙げられるが、これに限定されない、任意の好適な熱酸化セクション800を使用することができる。熱酸化セクション800は、強制通風、誘引通風、又は両方の組み合わせとすることができる。任意選択のSNCRセクションの入口温度は、典型的には、-1kPa(g)~50kPa(g)の圧力で650~1300℃の範囲である。出口温度は、典型的には、-1kPa(g)~50kPa(g)の圧力で650~1040℃の範囲である。SNC
Rセクション内の滞留時間は、0.2~1秒である。熱酸化ステップは、容器内のチョーク壁を介してSNCRステップから分離される。
【0087】
熱酸化セクション800からの煙道ガスストリーム845は、H2O、CO2、N2、O2、SOx、NOx、HCl、Cl2、ダイオキシン、及びフランのうちの1つ以上を含む。煙道ガスストリーム845は、任意選択の廃熱回収セクション805に送られる。ボイラ供給水又は油ストリーム850は、任意選択の廃熱回収セクション805に入り、一部分が蒸気又は高温油ストリーム855に変換され、残部は、放出水又は油860として出る。任意選択の廃熱回収セクション805の入口温度は、典型的には、-2kPa(g)~50kPa(g)の圧力で650~1300℃の範囲である。出口温度は、典型的には、-2kPa(g)~50kPa(g)の圧力で200~400℃の範囲である。好適な廃熱回収装置及び方法は、上で説明している。蒸気又は高温油ストリーム855中の回収された廃熱は、低圧、中圧、又は高圧の飽和蒸気若しくは過熱蒸気、高温油、及び/又は電力の形態とすることができる。蒸気又は高温油ストリーム855中の回収された廃熱は、アミン処理ユニット内の再沸騰器、分留カラムに、及びストリッパカラム若しくはプラント内の他の場所のための蒸気、又は他の熱要件に熱を供給するために使用することができる。
【0088】
任意選択の廃熱回収セクション805からの煙道ガスストリーム865は、反応セクション810及び濾過セクション815を備え得るSOx除去セクションに送られて、SOx、HCl、及びCl2のうちの少なくとも1つを変換する。反応セクション810の入口温度は、典型的には、-3kPa(g)~50kPa(g)の圧力で200~400℃の範囲である。出口温度は、典型的には、-3kPa(g)~50kPa(g)の圧力で200~400℃の範囲である。新しい吸着剤870及び任意選択的に再生吸着剤875(以下で論じるように、使用される反応物質中に使用されている化合物に応じて、NaCl、Na2CO3、Na2SO4、CaCl2、CaSO4、CaCO3、MgCl2、MgCO3、MgSO4、及びMgCO3のうちの1つ以上の混合物を含む)を、煙道ガスストリーム865に加えることができる。例えば、SOx除去セクション810は、NaHCO3、NaHCO3・Na2CO3・2(H2O)、CaCO3、Ca(OH)2、及びMg(OH)2などの反応物質を含有し得、SOx、NOx、及びHClと反応して、NaCl、Na2CO3、Na2SO4、NaNO3、CaCl2、CaSO4、CaCO3、MgCl2、MgCO3、MgSO4、及びMg(NO3)2、ダイオキシン、及びフランを形成する。反応セクション煙道ガスストリーム880は、入来する煙道ガスストリーム865と比較して、より少ないHCl、SOx及びNOxを有する。反応セクション煙道ガスストリーム880は、H2O、CO2、N2、O2、NaCl、Na2CO3、Na2SO4、NaNO3、CaCl2、CaSO4、CaCO3、Ca(NO3)2、MgCl2、MgCO3、MgSO4、Mg(NO3)2、Cl2、NOx、ダイオキシン、及びフランのうちの1つ以上を含む。
【0089】
反応セクション煙道ガスストリーム880は、空気、及び/又は水、及び/又はクエンチされた煙道ガスを含むクエンチストリーム885と組み合わせられる。反応セクション煙道ガスストリーム880の温度は、典型的には、-4kPa(g)~50kPa(g)の圧力で200~400℃から、-4kPa(g)~50kPa(g)の圧力で150~250℃に低下される。クエンチされた反応セクション煙道ガスストリーム880は、Na2CO3、Na2SO4、及びNaClを除去するための濾過セクション815に送られる。濾過セクション815の入口温度は、典型的には、-5kPa(g)~50kPa(g)の圧力で150~350℃の範囲である。出口温度は、典型的には、-5kPa(g)~50kPa(g)の圧力で150~350℃の範囲である。濾過セクション815は、バッグフィルタ、及び/又はセラミックフィルタ、及び/又は静電集塵器(electrostatic precipitator、ESP)を備えている。計器用空気パージ又は高電圧DC890
は、濾過セクション815内に導入される。計器用空気パージの場合は、フィルタから残留材料をパージする。高電圧ストリームの場合は、ESPのカソードを帯電させる。粒子状物質は、振動によってESPから除去される。NaCl、Na2CO3、Na2SO4、NaNO3、CaCl2、CaSO4、Ca2CO3、Ca(NO3)2、MgCl2、MgCO3、MgSO4、及びMg(NO3)2のうちの1つ以上を含む乾燥残渣ストリーム895は、濾過セクション815から出る。濾過された煙道ガスストリーム900は、H2O、CO2、N2、O2、NOx、ダイオキシン、及びフランのうちの1つ以上を含む。
【0090】
濾過された煙道ガスストリーム900中にNOxが存在する場合、濾過された煙道ガスストリーム900は、上で論じたように、NOxを除去するために任意選択のNOx除去セクション820に送られる。NOx除去セクション820の入口温度は、典型的には、-6kPa(g)~50kPa(g)の圧力で150~300℃の範囲である。出口温度は、典型的には、-6kPa(g)~50kPa(g)の圧力で200~350℃の範囲である。例えば、NOx除去セクション820は、選択触媒還元(SCR)セクションとすることができ、アンモニア及び/又は尿素ストリーム905がSCRセクションに導入され、それがNOxと反応して、N2及びH2Oを形成する。TiO2、WO3、及びV2O5を含む卑金属の酸化物などの活性触媒成分を有する酸化チタンなどのセラミック担体材料、又は活性炭系の触媒が挙げられるが、これらに限定されない、任意の好適なSCR触媒を使用することができる。脱NOx出口煙道ガスストリーム910は、H2O、CO2、N2、O2、ダイオキシン、及びフランのうちの1つ以上から本質的になる。
【0091】
任意のハロゲンが原材料中に存在する場合、これは、ダイオキシン及び/又はフランの形成をもたらし得る。これらの化合物は、ガスが大気中に吐き出され得る前に除去しなければならない。濾過された煙道ガスストリーム900又は脱NOx出口煙道ガスストリーム910中にダイオキシン及び/又はフランが存在する場合、濾過された煙道ガスストリーム900又は脱NOx出口煙道ガスストリーム910は、ダイオキシン及び/又はフランを除去するための任意選択のダイオキシン-フラン除去セクション825に送られる。ダイオキシン及びフランは、触媒を使用して、又は活性炭を同時注入することによって除去することができる。例えば、TiO2、WO3、及びV2O5を含有する触媒などの触媒によって、ダイオキシン及びフランが触媒と反応して、微量のCO2、H2O、及びHClを形成する。活性炭の場合は、乾燥吸着剤871とともに、SOx除去セクション810の上流に同時注入される。ダイオキシン及び/又はフランは、炭素に吸着されて、乾燥残渣ストリーム895を介して除去される。ダイオキシン-フラン除去セクション825の入口温度は、典型的には、-7kPa(g)~50kPa(g)の圧力で150~250℃の範囲である。出口温度は、典型的には、-7kPa(g)~50kPa(g)の圧力で150~250℃の範囲である。H2O、CO2、N2、及びO2のうちの1つ以上から本質的になる、処理済みの出口煙道ガスストリーム915は、大気中に吐き出され得る。
【0092】
濾過された煙道ガスストリーム900がNOx、ダイオキシン、又はフランを含有していない場合、任意選択のNOx除去セクション820及び任意選択のダイオキシン-フラン除去セクション825は存在しない。H2O、CO2、N2、及びO2のうちの1つ以上から本質的になる、濾過された煙道ガスストリーム920は、大気中に吐き出され得る。
【0093】
濾過された煙道ガスストリーム900が、NOxを含有しているが、ダイオキシン又はフランを含有していない場合、任意選択のダイオキシン-フラン除去セクション825は存在しない。H2O、CO2、N2、及びO2のうちの1つ以上から本質的になる、脱NOx出口煙道ガスストリーム925は、大気中に吐き出され得る。
【0094】
濾過された煙道ガスストリーム900が、ダイオキシン又はフランを含有しているが、NOxを含有していない場合、任意選択のNOx除去セクション820は存在しない。濾過された煙道ガスストリーム900は、任意選択のダイオキシン-フラン除去セクション825に送られる。H2O、CO2、N2、及びO2のうちの1つ以上から本質的になる、処理済みの出口煙道ガスストリーム915は、大気中に吐き出され得る。
【0095】
煙道ガスストリーム845がSOx、NOx、ダイオキシン、又はフランを含有していない場合、任意選択の反応セクション810、任意選択の濾過セクション815、任意選択のNOx除去セクション820、及び任意選択のダイオキシン-フラン除去セクション825は存在しない。H2O、CO2、N2、及びO2のうちの1つ以上から本質的になる、廃熱回収セクション805からの煙道ガスストリーム930は、大気中に吐き出され得る。
【0096】
図8は、エネルギー回収が向上した
図6の熱酸化システム555の一実施形態を例示する。この実施形態では、エネルギーは、排気蒸気ストリーム1000の水を凝縮させることによって、排気蒸気ストリーム1000から回収することができる。凝縮ストリームは、場合によっては中和及び/又は脱気及び/又は濾過のような処理の後に、プロセスの他の部分のためのプロセス水として使用することができる。
【0097】
排気蒸気ストリーム1000は、任意選択の二次熱交換器1005に送られ得る。排気蒸気ストリーム1000は、処理済みの出口煙道ガスストリーム705、脱NOx出口煙道ガスストリーム715、又は脱SOX出口煙道ガスストリーム710であり得る。排気蒸気ストリーム1000は、二次熱交換器1005の第2の側に送られる。
【0098】
プロセスストリームは、二次熱交換器1005の第1の側に送られる。排気蒸気ストリーム1000の温度及び加熱されるプロセスストリームの数に応じて、1つ以上の二次熱交換器1005を存在させることができる。
【0099】
プロセスストリームは、燃焼用空気ストリーム630の全部若しくは一部分、及び/又はボイラ供給水若しくは油ストリーム650の全部若しくは一部分であり得る。
【0100】
プロセスストリームは、排気蒸気ストリーム1000との熱交換によって加熱され、その結果として排気蒸気ストリーム1000が冷却されて、第1の冷却された排気蒸気ストリーム1010を形成する。
【0101】
加熱された燃焼用空気ストリーム630は、熱酸化セクション600に送られ、一方で、加熱されたボイラ供給水又は油ストリーム650は、廃熱回収セクション605に送られ、それによって、蒸気生成又は高温油の生成効率を高める。
【0102】
二次熱交換器1005からの第1の冷却された排気蒸気ストリーム1010は、一次熱交換器1015に送られる。
【0103】
サワー水ストリーム225は、一次熱交換器1015の第1の側に通される。排気蒸気ストリーム1000又は第1の冷却された排気蒸気ストリーム1010の温度に応じて、1つ以上の一次熱交換器1015を存在させることができる。
【0104】
サワー水ストリーム225は、一次熱交換器1015においてフラッシング及び/又は沸騰することを回避するために、一次熱交換器1015に導入される前に、任意選択的にポンプ及び/又は圧縮機1020において0~75psigの圧力から100~400
psigの圧力で圧縮することができる。
【0105】
第1の冷却された排気蒸気ストリーム1010は、一次熱交換器1015に送られ、一次熱交換器1015の第2の側に通される。代替的に、二次熱交換器1005の不存在下では、排気蒸気ストリーム1000は、一次熱交換器1015に直接送られる。
【0106】
一次熱交換器1015に入る第1の冷却された排気蒸気ストリーム1010は、露点よりも高い温度を有する。サワー水ストリーム225との熱交換は、第1の冷却された排気蒸気ストリーム1010の温度を低下させる。場合によっては、温度は、露点以下の温度まで低下され、第1の冷却された排気蒸気ストリーム1010からの水の凝縮をもたらす。結果として生じる第2の冷却された排気蒸気ストリーム1025は、排気スタックに送り、大気中に放出することができる。
【0107】
他の場合では、温度は、第1の冷却された排気蒸気ストリーム1010からの水(の一部、大部分、又は全て)を凝縮させるように十分に低下されない。この場合、任意選択の三次熱交換器1030を使用して、第2の冷却された排気蒸気ストリーム1025の温度を、凝縮水の形成に至る露点以下の温度に低下させることができる。三次熱交換器の冷却媒体は、例えば、冷気/周囲空気又は冷水とすることができる。
【0108】
凝縮水は、回収されて、凝縮ストリーム1035として一次熱交換器1015及び/又は三次熱交換器から出る。凝縮ストリーム1035は、クエンチストリーム670としてクエンチセクション610に送るか、又は他のプロセスで使用することができる。
【0109】
一次熱交換器1015からの加熱されたサワー水ストリーム1040は、弁1045(例えば、絞り弁又は降下弁)を通して、一次熱交換器1015よりも低い圧力(例えば、1~20psigの圧力)に圧力を低下させて、フラッシュタンク1050に送られる。より高い圧力の加熱されたサワー水ストリーム1040は、より低い圧力のフラッシュタンク1050に入ると、蒸気ストリーム1055及び液体ストリーム1060内にフラッシングされる。蒸気ストリーム1055及び液体ストリーム1060は、熱酸化システム555の熱酸化セクション600に送られる。任意選択のポンプ及び/又は圧縮機1065は、液体ストリーム1060のライン上に存在させることができる。
【0110】
図9は、
図6の熱酸化システム555の代替のエネルギー回収システムを例示する。この配置では、サワー水ストリーム225(ポンプ及び/又は圧縮機1020での任意選択の圧縮を伴う)は、初期フラッシュ分離のためのフラッシュタンク1050に送られる。フラッシュタンク1050からの液体の一部分1070は、任意選択のポンプ又は圧縮機1075で圧縮されて、一次熱交換器1015の第1の側に送られ得る。次いで、加熱されたサワー水ストリーム1040を、弁1045に通して圧力を低下させ、フラッシュタンク1050に戻して、更なる分離を行う。
【0111】
水は、フラッシュタンク1050から一次熱交換器1015にリサイクルされて戻る。フラッシュタンクに対するサワー水の供給量とリサイクル率(すなわち、フラッシュタンクから一次熱交換器への、及び戻る流量)との比率は、1:2~1:10である。
【0112】
このプロセスは、一次熱交換器1015での蒸気の形成を回避するためにサワー水ストリーム225が一次熱交換器1015において費やす時間を最短にするように設計されている。
【0113】
図10は、
図7の熱酸化システムの同様のエネルギー回収システムを示す。この実施形態では、排気蒸気ストリーム1000は、処理済みの出口煙道ガスストリーム915、
脱NOx出口煙道ガスストリーム925、又は濾過された煙道ガスストリーム920とすることができる。
【0114】
排気蒸気ストリーム1000は、任意選択の二次熱交換器1005の第2の側に送られ得る。プロセスストリームは、二次熱交換器1005の第1の側に送られる。排気蒸気ストリームの温度及び加熱されるプロセスストリームの数に応じて、1つ以上の二次熱交換器1005を存在させることができる。
【0115】
プロセスストリームは、燃焼用空気ストリーム830及び/又はボイラ供給水若しくは油ストリーム850の全部又は一部分とすることができる。
【0116】
プロセスストリームは、排気蒸気ストリーム1000との熱交換によって加熱され、その結果として排気蒸気ストリーム1000が冷却される。加熱された燃焼用空気ストリーム830は、熱酸化セクション800に送られ、一方で、加熱されたボイラ供給水又は油ストリーム850は、廃熱回収セクション805に送られ、それによって、蒸気生成又は高温油の生成効率を高める。
【0117】
サワー水ストリーム225は、一次熱交換器1015の第1の側に通される。1つ以上の一次熱交換器1015を存在させることができる。サワー水ストリーム225は、一次熱交換器1015に導入される前に、ポンプ及び/又は圧縮機1020において任意選択的に圧縮することができる。
【0118】
第1の冷却された排気蒸気ストリーム1010は、一次熱交換器1015の第2の側に通される。代替的に、二次熱交換器1005の不存在下では、排気蒸気ストリーム1000は、一次熱交換器1015に送られる。
【0119】
一次熱交換器1015に入る第1の冷却された排気蒸気ストリーム1010は、露点よりも高い温度を有する。サワー水ストリーム225との熱交換は、第1の冷却された排気蒸気ストリーム1010の温度を低下させる。場合によっては、温度は、露点以下の温度まで低下され、第1の冷却された排気蒸気ストリーム1010からの水の凝縮をもたらす。結果として生じる第2の冷却された排気蒸気ストリーム1025は、排気スタックに送り、大気中に放出することができる。
【0120】
他の場合では、温度は、第1の冷却された排気蒸気ストリーム1010からの水(の一部、大部分、又は全て)を凝縮させるように十分に低下されない。この場合、任意選択の三次熱交換器1030を使用して、第2の冷却された排気蒸気ストリーム1025の温度を、凝縮物の形成に至る露点以下の温度に低下させることができる。三次熱交換器1030の冷却媒体は、例えば、冷気/周囲空気又は冷水とすることができる。
【0121】
凝縮物は、回収されて、凝縮ストリーム1035として一次熱交換器1015及び/又は三次熱交換器1030から出る。凝縮ストリーム1035は、クエンチストリーム885として使用するか、又は他のプロセスで使用することができる。
【0122】
加熱されたサワー水ストリーム1040は、弁1045を通して、一次熱交換器1015よりも低い圧力(例えば、1~20psigの圧力)に圧力を低下させて、フラッシュタンク1050送られる。より高い圧力の加熱されたサワー水ストリーム1040は、より低い圧力のフラッシュタンク1050に入ると、蒸気ストリーム1055及び液体ストリーム1060内にフラッシングされる。蒸気ストリーム1055及び液体ストリーム1060は、熱酸化システム555’の熱酸化セクション800に送られる。任意選択のポンプ及び/又は圧縮機1065は、液体ストリーム1060のライン上に存在させるこ
とができる。
【0123】
図11は、サワー水ストリーム225が最初にフラッシュタンク1050に送られる、代替の配置を例示する。
【0124】
本明細書で使用される場合、「ユニット」、「ゾーン」、及び「セクション」という用語は、ユニット、ゾーン、又はセクション、及び/又は1つ以上のサブゾーン若しくはサブセクションのタイプに応じて、1つ以上の設備機器を含む領域を指すことができる。設備機器として、1つ以上の反応器又は反応容器、分離容器、吸着剤チャンバー、蒸留塔、加熱器、交換器、パイプ、ポンプ、圧縮機、及びコントローラを挙げることができるが、それらに限定されない。加えて、反応器、乾燥機、吸着剤チャンバー、又は容器などの設備機器は、1つ以上のセクション、サブセクション、ゾーン、又はサブゾーンを更に含むことができる。
【0125】
特定の実施形態
以下を特定の実施形態と併せて説明するが、本明細書は、前述の説明及び添付の特許請求の範囲の範囲を例解するものであり、限定することを意図するものではないことが理解されよう。
【0126】
本発明の第1の実施形態は、再生可能輸送燃料を生成するためのプロセスにおいて、酸性ガス及びサワー水流出物ストリームを処理するためのプロセスであり、本プロセスは、熱酸化システムにおいて、再生可能輸送燃料プロセスの低温分離及び分留セクションからのサワー水ストリーム、及び再生可能輸送燃料プロセスの酸性ガス処理セクションからのアミン酸性ガスストリームのうちの少なくとも1つを熱酸化することであって、サワー水ストリームが、熱酸化システムにおいて熱酸化される前に、サワー水ストリッパユニットにおいて処理されず、アミン酸性ガスストリームが、熱酸化システムにおいて熱酸化される前に硫黄回収ユニットにおいて処理されず、サワー水ストリーム及びアミン酸性ガスストリームのうちの少なくとも1つを熱酸化することが、熱酸化セクションにおいて、サワー水ストリーム及びアミン酸性ガスストリームのうちの少なくとも1つを熱酸化して、H2O、CO2、N2、O2、SOx、NOx、HCl、Cl2、ダイオキシン、及びフランのうちの少なくとも1つから本質的になる煙道ガスストリームを形成することと、任意選択的に、廃熱回収セクションにおいて、煙道ガスストリームから廃熱を回収することと、SOx除去セクションにおいて、煙道ガスストリームからSOx、HCl、及びCl2のうちの少なくとも1つを除去して、H2O、CO2、N2、O2、NOx、ダイオキシン、及びフランのうちの少なくとも1つから本質的になる脱SOx出口煙道ガスストリームを形成することであって、煙道ガスストリームからSOx、HCl、及びCl2のうちの少なくとも1つを除去することが、クエンチセクションにおいて、煙道ガスストリームをクエンチして、クエンチされた煙道ガスストリームを形成すること、並びにスクラビングセクションにおいて、苛性溶液又はNH3系溶液をクエンチされた煙道ガスストリームと接触させて、脱SOx出口煙道ガスストリームと、H2O、Na2SO3、Na2SO4、NaHSO3、Na2CO3、NaCl、(NH4)2SO4、及びNH4Clのうちの少なくとも1つを含む液体ストリームとを形成すること、又はSOx反応セクションにおいて、煙道ガスストリームを、NaHCO3、NaHCO3・Na2CO3・2(H2O)、CaCO3、Ca(OH)2、及びMg(OH)2のうちの少なくとも1つを含む反応物質と反応させて、H2O、CO2、N2、O2、NaCl、Na2CO3、Na2SO4、NaNO3、CaCl2、CaSO4、CaCO3、Ca(NO3)2、MgCl2、MgCO3、MgSO4、Mg(NO3)2、Cl2、NOx、ダイオキシン、及びフランのうちの少なくとも1つから本質的になる反応セクション煙道ガスストリームを形成すること、及び濾過セクションにおいて、反応セクション煙道ガスストリームを濾過して、NaCl、Na2CO3、Na2SO4、NaNO3、CaCl2、CaSO
4、CaCO3、Ca(NO3)2、MgCl2、MgCO3、MgSO4、及びMg(NO3)2を除去して、脱SOx出口煙道ガスストリームを形成すること、を含む、脱SOx出口煙道ガスストリームを形成することと、任意選択的に、NOx除去セクションにおいて、脱SOx出口煙道ガスストリームからNOxを除去して、H2O、CO2、N2、O2、ダイオキシン、及びフランのうちの少なくとも1つから本質的になる脱NOx出口煙道ガスストリームを形成することと、任意選択的に、ダイオキシン-フラン除去セクションにおいて脱SOx出口煙道ガスストリーム又は脱NOx出口煙道ガスストリームからダイオキシン、フラン、又はその両方を除去して、H2O、CO2、N2、及びO2のうちの少なくとも1つから本質的になる処理済み出口煙道ガスストリームを形成することと、を含む、熱酸化すること、を含む。本発明の一実施形態は、本段落の先の実施形態から本段落の第1の実施形態までのうちの1つ、いずれか、又は全てであり、サワー水ストリームは、低温分離及び分留セクション内の低温分離器からの低温分離器サワー水ストリーム、低温分離及び分留セクション内の脱ブタン化器からの脱ブタン化器レシーバサワー水ストリーム、低温分離及び分留セクション内のストリッパレシーバからのストリッパレシーバサワー水ストリームのうちの少なくとも1つを含む。本発明の一実施形態は、本段落の先の実施形態から本段落の第1の実施形態までのうちの1つ、いずれか、又は全てであり、アミン酸性ガスストリームは、共通のアミン再生器塔頂凝縮器及び還流ドラムからの再生器アミン酸性ガスストリームを含む。本発明の一実施形態は、本段落の先の実施形態から本段落の第1の実施形態までのうちの1つ、いずれか、又は全てであり、リサイクルガスアミン接触器において、リーンアミンストリームの第1の部分を低温分離及び分留セクション内の低温分離器からの低温分離器サワー水ストリームと接触させて、リッチアミンストリームの第1の部分を形成すること、脱ブタン化器レシーバアミン接触器において、リーンアミンストリームの第1の部分を低温分離及び分留セクション内の脱ブタン化器レシーバ容器からの酸性液化石油ガス(LPG)ストリームと接触させて、リッチアミンストリームの第2の部分を形成すること、及びスポンジ吸収器リーンガス塔頂アミン接触器において、リーンアミンストリームの第3の部分を低温分離及び分留セクションのスポンジ吸収器からのリーン酸性ガスストリームと接触させて、リッチアミンストリームの第3の部分を形成することのうちの少なくとも1つを行うことと、共通のアミン再生器において、リッチアミンストリームの第1の部分、第2の部分、及び第3の部分のうちの少なくとも1つを再生して、リーンアミンストリーム及び塔頂再生器アミン酸性ガスストリームを形成することと、アミン再生器塔頂凝縮器において、塔頂アミン酸性ガスストリームを再生器アミン酸性ガスストリーム及び還流液体ストリームに分離することと、還流液体ストリームを共通のアミン再生器に還流することと、を更に含む。本発明の一実施形態は、本段落の先の実施形態から本段落の第1の実施形態までのうちの1つ、いずれか、又は全てであり、圧力スイング吸着ユニットにおいて、低温分離及び分留セクション内の低温分離器からの酸性リサイクルガスストリームからのパージストリームを、リサイクル水素ストリーム及びPSAテールガスストリームに分離し、リサイクル水素ストリームを酸性リサイクルガスストリームと組み合わせ、かつPSAテールガスストリームを燃料として熱酸化システム内に導入することと、脱ブタン化器レシーバアミン接触器内の低温分離及び分留セクションにおいて、リーンアミンストリームの第2の部分を酸性液化石油ガス(LPG)ストリームと接触させて、リッチアミンストリームの第2の部分を形成することと、スポンジ吸収器リーンガス塔頂アミン接触器内の低温分離及び分留セクションにおいて、リーンアミンストリームの第3の部分をスポンジ吸収器からのリーン酸性ガスストリームと接触させて、リッチアミンストリームの第3の部分を形成することと、共通のアミン再生器において、リッチアミンストリームの第2及び第3の部分のうちの少なくとも1つを再生して、リーンアミンストリーム及び塔頂再生器アミン酸性ガスストリームを形成することと、アミン再生器塔頂凝縮器において、塔頂アミン酸性ガスストリームを再生器アミン酸性ガスストリーム及び還流液体ストリームに分離することと、還流液体ストリームを共通のアミン再生器に還流することと、を更に含む。本発明の一実施形態は、本段落の先の実施形態から本段落の第1の実施形態までのうちの1つ、いずれか、又は全てで
あり、サワー水ストリームを熱酸化する前に、再生可能輸送燃料を生成するためのプロセスからの、又は廃熱回収セクションから回収された熱からの蒸気を使用して、サワー水ストリームを予熱することを更に含む。本発明の一実施形態は、本段落の先の実施形態から本段落の第1の実施形態までのうちの1つ、いずれか、又は全てであり、再生可能原料をガード床に導入して、再生可能原料からアルカリ金属、酸素化合物、硫黄化合物、及び窒素化合物のうちの1つ以上を含む汚染物質を除去することと、再生可能原料を処理して、再生可能原料から追加的な酸素化合物を除去することと、水素異性化及び水素化分解セクションにおいて、水素異性化及び水素化分解条件の下で水素の存在下で、再生可能原料を、水素異性化触媒、水素化分解触媒、又はその両方と接触させて、反応流出物を形成することと、低温分離及び分留セクションにおいて、反応流出物を分離及び分留して、少なくとも1つの再生可能輸送燃料を形成することと、を更に含む。本発明の一実施形態は、本段落の先の実施形態から本段落の第1の実施形態までのうちの1つ、いずれか、又は全てであり、反応流出物を分離及び分留することは、低温分離器において、反応器流出物を液体炭化水素ストリーム、低温分離器リサイクル酸性ガスストリーム、及び低温分離器サワー水ストリームに分離することと、液体炭化水素ストリームをストリッパ塔頂ストリーム及びストリッパ塔底ストリームにストリップすることと、ストリッパレシーバにおいて、ストリッパ塔頂ストリームを、ストリッパレシーバ液体ストリーム、ストリッパレシーバオフガスストリーム、及びストリッパレシーバサワー水ストリームに分離することと、ストリッパレシーバオフガスストリームをスポンジ吸収器と接触させて、スポンジ吸収器液体ストリーム及びリーン酸性ガスストリームを形成することと、脱ブタン化器カラムにおいて、ストリッパレシーバ液体ストリーム及び任意選択的にスポンジ吸収器液体ストリームを、脱ブタン化器塔頂ストリーム、脱ブタン化器塔底ストリームに分離することと、脱ブタン化器レシーバにおいて、脱ブタン化器塔頂ストリームを、酸性液化石油ガス(LPG)ストリーム、脱ブタン化器レシーバサワー水ストリーム、及び還流に分離することと、ストリッパ塔底ストリームを、再生可能ジェット燃料ストリーム、再生可能ディーゼル燃料ストリーム、及びナフサストリームのうちの少なくとも1つに分留することと、を含む。本発明の一実施形態は、本段落の先の実施形態から本段落の第1の実施形態までのうちの1つ、いずれか、又は全てであり、サワー水ストリームは、低温分離器サワー水ストリーム、ストリッパレシーバサワー水ストリーム、及び脱ブタン化器レシーバサワー水ストリームのうちの少なくとも1つを含む。本発明の一実施形態は、本段落の先の実施形態から本段落の第1の実施形態までのうちの1つ、いずれか、又は全てであり、リサイクルガスアミン接触器において、リーンアミンストリームの第1の部分を低温分離器酸性リサイクルガスストリームと接触させて、リッチアミンストリームの第1の部分を形成すること、脱ブタン化器レシーバアミン接触器において、リーンアミンストリームの第2の部分を脱ブタン化器レシーバからの酸性LPGストリームと接触させて、リッチアミンストリームの第2の部分を形成すること、及びスポンジ吸収器塔頂アミン接触器において、リーンアミンストリームの第3の部分をスポンジ吸収器からのリー
ン酸性ガスストリームと接触させて、リッチアミンストリームの第3の部分を形成することのうちの少なくとも1つを行うことと、共通のアミン再生器において、リッチアミンストリームの第1、第2、及び第3の部分のうちの少なくとも1つを再生して、リーンアミンストリーム及び塔頂アミン酸性ガスストリームを形成することと、アミン再生器塔頂凝縮器において、塔頂アミン酸性ガスストリームをアミン酸性ガスストリーム及び還流液体ストリームに分離することと、還流液体ストリームを共通のアミン再生器に還流することと、を更に含む。本発明の一実施形態は、本段落の先の実施形態から本段落の第1の実施形態までのうちの1つ、いずれか、又は全てであり、煙道ガスストリームをクエンチすることは、空気、クエンチされた煙道ガスストリーム、脱SOx出口煙道ガスストリーム、脱NOx出口煙道ガスストリーム、処理済みの出口煙道ガスストリーム、及び水のうちの少なくとも1つによって煙道ガスストリームをクエンチすることを含む。本発明の一実施形態は、本段落の先の実施形態から本段落の第1の実施形態までのうちの1つ、いずれか、又は全てであり、非圧縮圧力スイング吸着(PSA)テールガスストリームを、水素生
成プラントに接続されたPSAユニットから熱酸化システムに燃料供給源として導入することを更に含む。本発明の一実施形態は、本段落の先の実施形態から本段落の第1の実施形態までのうちの1つ、いずれか、又は全てであり、リーン酸性ガスストリームのスリップストリームを、スポンジ吸収器から熱酸化システムに燃料供給源として導入することを更に含む。本発明の一実施形態は、本段落の先の実施形態から本段落の第1の実施形態までのうちの1つ、いずれか、又は全てであり、サワー水ストリームを一次熱交換器の第1の側に通すことと、熱酸化システムからの排気蒸気ストリームを一次熱交換器の第2の側に通すことであって、排気蒸気ストリームが、処理済みの出口煙道ガスストリーム、脱NOx出口煙道ガスストリーム、又は脱SOX出口煙道ガスストリームを含む、第2の側に通すことと、排気蒸気ストリームからサワー水ストリームに熱を伝達し、排気蒸気ストリームを冷却して冷却された排気蒸気ストリームを形成し、サワー水ストリームを加熱して加熱されたサワー水ストリームを形成することと、加熱されたサワー水ストリームを減圧することと、減圧された加熱されたサワー水ストリームを、一次熱交換器の圧力よりも低い圧力を有するフラッシュタンクに通して蒸気ストリーム及び液体ストリームを形成することと、蒸気ストリーム及び液体ストリームを熱酸化システムの熱酸化セクションに通すことと、冷却された排気ストリームを排気スタックに通すことと、を更に含む。本発明の一実施形態は、本段落の先の実施形態から本段落の第1の実施形態までのうちの1つ、いずれか、又は全てであり、プロセスストリームを二次熱交換器の第1の側に通すことであって、プロセスストリームが、燃焼用空気ストリーム及びボイラ供給水又は油ストリームのうちの少なくとも1つである、第1の側に通すことと、排気蒸気ストリームを一次熱交換器に通す前に、排気蒸気ストリームを二次熱交換器の第2の側に通して、排気蒸気ストリームの温度を低下させ、少なくとも1つのプロセスストリームを加熱し、第2の冷却された排気蒸気ストリーム、並びに加熱された燃焼用空気ストリーム及び加熱されたボイラ供給水又は油ストリームのうちの少なくとも1つを形成することと、第2の冷却された排気蒸気ストリームを一次熱交換器に通すことであって、熱酸化システムからの排気蒸気ストリームを一次熱交換器の第2の側に通すことが、第2の冷却された排気蒸気ストリームを一次熱交換器の第2の側に通すことを含む、通すことと、加熱された燃焼用空気ストリームを熱酸化システムの熱酸化セクションに通すこと、及び加熱されたボイラ供給水又は油ストリームを廃熱回収セクションに通すことのうちの少なくとも1つを行うことと、を更に含む。本発明の一実施形態は、本段落の先の実施形態から本段落の第1の実施形態までのうちの1つ、いずれか、又は全てであり、サワー水ストリームを一次熱交換器に通す前に、サワー水ストリームをフラッシュタンクに導入して、液体及び蒸気を形成することと、液体の少なくとも一部分を圧縮することと、を更に含み、サワー水ストリームを一次熱交換器の第1の側に通すことが、圧縮液体の一部分をフラッシュタンクから一次熱交換器に通すことを含み、加熱されたサワー水ストリームを減圧することが、一次熱交換器からの加熱された圧縮液体を減圧することを含み、減圧された加熱されたサワー水ストリームをフラッシュタンクに通すことが、減圧された加熱された圧縮液体をフラッシュタンクに通すことを含む。本発明の一実施形態は、本段落の先の実施形態から本段落の第1の実施形態までのうちの1つ、いずれか、又は全てであり、排気蒸気ストリームは、一次熱交換器において、排気蒸気ストリームの水を凝縮させるために、露点以下温度に冷却されて、第1の凝縮ストリームを形成する。本発明の一実施形態は、本段落の先の実施形態から本段落の第1の実施形態までのうちの1つ、いずれか、又は全てであり、第1の凝縮ストリームをクエンチセクションに通すことを更に含む。本発明の一実施形態は、本段落の先の実施形態から本段落の第1の実施形態までのうちの1つ、いずれか、又は全てであり、冷却された排気蒸気ストリームは、排気スタックに通される前に、三次熱交換器に通され、冷却された排気蒸気ストリームは、三次熱交換器において、冷却された排気蒸気ストリームの水を凝縮させるために、露点以下の温度に更に冷却されて、第2の凝縮ストリームを形成する。本発明の一実施形態は、本段落の先の実施形態から本段落の第1の実施形態までのうちの1つ、いずれか、又は全てであり、第2の凝縮ストリームをクエンチセクションに通すことを更に含む。本発明の一実施形態は、本段落の先の実施形態から本段落の
第1の実施形態までのうちの1つ、いずれか、又は全てであり、サワー水ストリームを一次熱交換器に通す前に、サワー水ストリームを圧縮することを更に含む。
【0127】
本発明の第2の実施形態は、再生可能輸送燃料を生成するためのプロセスにおいて、酸性ガス及びサワー水流出物ストリームを処理するためのプロセスであり、本プロセスは、再生可能原料をガード床に導入して、再生可能原料からアルカリ金属、酸素化合物、硫黄化合物、及び窒素化合物のうちの1つ以上を含む汚染物質を除去することと、再生可能原料を処理して、再生可能原料から追加的な酸素化合物を除去することと、再生可能原料を水素化異性化及び水素化分解して、反応流出物を形成することと、低温分離器において、反応器流出物を液体炭化水素ストリーム、低温分離器リサイクル酸性ガスストリーム、及び低温分離器サワー水ストリームに分離することと、液体炭化水素ストリームをストリッパ塔頂ストリーム及びストリッパ塔底ストリームにストリップすることと、ストリッパレシーバにおいて、ストリッパ塔頂ストリームを、ストリッパレシーバ液体ストリーム、ストリッパレシーバオフガスストリーム、及びストリッパレシーバサワー水ストリームに分離することと、ストリッパレシーバオフガスストリームをスポンジ吸収器と接触させて、スポンジ吸収器液体ストリーム及びリーン酸性ガスストリームを形成することと、脱ブタン化器カラムにおいて、ストリッパレシーバ液体ストリーム及び任意選択的にスポンジ吸収器液体ストリームを、脱ブタン化器塔頂ストリーム、脱ブタン化器塔底ストリームに分離することと、脱ブタン化器レシーバにおいて、脱ブタン化器塔頂ストリームを、酸性液化石油ガス(LPG)ストリーム、脱ブタン化器レシーバサワー水ストリーム、及び還流に分離することと、ストリッパ塔底ストリームを、再生可能ジェット燃料ストリーム、再生可能ディーゼル燃料ストリーム、及びナフサストリームのうちの少なくとも1つに分留することと、リサイクルガスアミン接触器において、リーンアミンストリームの第1の部分を低温分離器酸性リサイクルガスストリームと接触させて、リッチアミンストリームの第1の部分を形成すること、脱ブタン化器レシーバアミン接触器において、リーンアミンストリームの第2の部分を脱ブタン化器レシーバからの酸性LPGストリームと接触させて、リッチアミンストリームの第2の部分を形成すること、及びスポンジ吸収器塔頂アミン接触器において、リーンアミンストリームの第3の部分をスポンジ吸収器からのリーン酸性ガスストリームと接触させて、リッチアミンストリームの第3の部分を形成することのうちの少なくとも1つを行うことと、共通のアミン再生器において、リッチアミンストリームの第1、第2、及び第3の部分のうちの少なくとも1つを再生して、リーンアミンストリーム及び塔頂アミン酸性ガスストリームを形成することと、アミン再生器塔頂凝縮器において、塔頂アミン酸性ガスストリームをアミン酸性ガスストリーム及び還流液体ストリームに分離することと、還流液体ストリームを共通のアミン再生器に還流することと、熱酸化システムにおいて、低温分離及び分留セクションからのサワー水ストリーム、並びにアミン酸性ガスストリームのうちの少なくとも1つを熱酸化することであって、サワー水ストリームが、熱酸化システムにおいて熱酸化される前に、サワー水ストリッパユニットにおいて処理されず、アミン酸性ガスストリームが、熱酸化システムにおいて熱酸化される前に硫黄回収ユニットにおいて処理されず、サワー水ストリームが、低温分離及び分留セクション内の低温分離器からの低温分離器サワー水ストリーム、低温分離及び分留セクション内の脱ブタン化器からの脱ブタン化器レシーバサワー水ストリーム、及び低温分離及び分留セクション内のストリッパレシーバからのストリッパレシーバサワー水ストリームのうちの少なくとも1つを含み、サワー水ストリーム及びアミン酸性ガスストリームのうちの少なくとも1つを熱酸化することが、熱酸化セクションにおいて、サワー水ストリーム及びアミン酸性ガスストリームのうちの少なくとも1つを熱酸化して、H2O、CO2、N2、O2、SOx、NOx、HCl、Cl2、ダイオキシン、及びフランのうちの少なくとも1つから本質的になる煙道ガスストリームを形成することと、任意選択的に、廃熱回収セクションにおいて、煙道ガスストリームから廃熱を回収することと、SOx除去セクションにおいて、煙道ガスストリームからSOx、HCl、及びCl2のうちの少なくとも1つを除去して、H2O、CO2、N2、O2、NOx、ダイオキシン、
及びフランのうちの少なくとも1つから本質的になる脱SOx出口煙道ガスストリームを形成することであって、煙道ガスストリームからSOx、HCl、及びCl2のうちの少なくとも1つを除去することが、クエンチセクションにおいて、煙道ガスストリームをクエンチして、クエンチされた煙道ガスストリームを形成すること、並びにスクラビングセクションにおいて、苛性溶液又はNH3系溶液をクエンチされた煙道ガスストリームと接触させて、脱SOx出口煙道ガスストリームと、H2O、Na2SO3、Na2SO4、NaHSO3、Na2CO3、NaCl、(NH4)2SO4、及びNH4Clのうちの少なくとも1つを含む液体ストリームとを形成すること、又はSOx反応セクションにおいて、煙道ガスストリームを、NaHCO3、NaHCO3・Na2CO3・2(H2O)、CaCO3、Ca(OH)2、及びMg(OH)2のうちの少なくとも1つを含む反応物質と反応させて、H2O、CO2、N2、O2、NaCl、Na2CO3、Na2SO4、NaNO3、CaCl2、CaSO4、CaCO3、Ca(NO3)2、MgCl2、MgCO3、MgSO4、Mg(NO3)2、Cl2、NOx、ダイオキシン、及びフランのうちの少なくとも1つから本質的になる反応セクション煙道ガスストリームを形成すること、及び濾過セクションにおいて、反応セクション煙道ガスストリームを濾過して、NaCl、Na2CO3、Na2SO4、NaNO3、CaCl2、CaSO4、CaCO3、Ca(NO3)2、MgCl2、MgCO3、MgSO4、及びMg(NO3)2を除去して、脱SOx出口煙道ガスストリームを形成すること、を含む、脱SOx出口煙道ガスストリームを形成することと、任意選択的に、NOx除去セクションにおいて、脱SOx出口煙道ガスストリームからNOxを除去して、H2O、CO2、N2、O2、ダイオキシン、及びフランのうちの少なくとも1つから本質的になる脱NOx出口煙道ガスストリームを形成することと、任意選択的に、ダイオキシン-フラン除去セクションにおいて脱SOx出口煙道ガスストリーム又は脱NOx出口煙道ガスストリームからダイオキシン、フラン、又は両方を除去して、H2O、CO2、N2、及びO2のうちの少なくとも1つから本質的になる処理済み出口煙道ガスストリームを形成することと、を含む、熱酸化することと、を含む。本発明の一実施形態は、本段落の先の実施形態から本段落の第2の実施形態までのうちの1つ、いずれか、又は全てであり、サワー水ストリームを熱酸化する前に、再生可能輸送燃料を生成するためのプロセスからの、又は廃熱回収セクションから回収された熱からの蒸気を使用して、サワー水ストリームを予熱することを更に含む。本発明の一実施形態は、本段落の先の実施形態から本段落の第2の実施形態までのうちの1つ、いずれか、又は全てであり、煙道ガスストリームをクエンチすることは、空気、クエンチされた煙道ガスストリーム、脱SOx出口煙道ガスストリーム、脱NOx出口煙道ガスストリーム、処理済みの出口煙道ガスストリーム、及び水のうちの少なくとも1つによって煙道ガスストリームをクエンチすることを含む。本発明の一実施形態は、本段落の先の実施形態から本段落の第2の実施形態までのうちの1つ、いずれか、又は全てであり、非圧縮圧力スイング吸着(PSA)テールガスストリームを、水素生成プラントに接続されたPSAユニットから熱酸化システムに燃料供給源として導入することを更に含む。本発明の一実施形態は、本段落の先の実施形態から本段落の第2の実施形態までのうちの1つ、いずれか、又は全てであり、リーン酸性ガスストリームのスリップストリームを、スポンジ吸収器から熱酸化システムに燃料供給源として導入することを更に含む。
【0128】
更に詳述することなく、前述の説明を使用して、当業者が、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく本発明を最大限まで利用し、かつ本発明の本質的な特性を容易に確認することができ、本発明の様々な変更及び修正を行い、様々な使用及び条件に適合させることができると考えられる。したがって、先行する好ましい特定の実施形態は、単なる例示として解釈されるべきであり、いかなるようにも本開示の残りを限定するものではなく、添付の特許請求の範囲の範囲内に含まれる様々な修正及び同等の構成を網羅することを意図するものである。
【0129】
上記では、全ての温度は摂氏度で記載され、全ての部及び百分率は、別途記載のない限り、重量基準である。