(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025103602
(43)【公開日】2025-07-09
(54)【発明の名称】電力変換装置及び回転電機ユニット
(51)【国際特許分類】
H02M 7/48 20070101AFI20250702BHJP
H02P 25/22 20060101ALI20250702BHJP
【FI】
H02M7/48 Z
H02P25/22
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023221096
(22)【出願日】2023-12-27
(71)【出願人】
【識別番号】000004260
【氏名又は名称】株式会社デンソー
(74)【代理人】
【氏名又は名称】矢作 和行
(74)【代理人】
【識別番号】100121991
【弁理士】
【氏名又は名称】野々部 泰平
(74)【代理人】
【識別番号】100145595
【弁理士】
【氏名又は名称】久保 貴則
(72)【発明者】
【氏名】小澤 朋樹
【テーマコード(参考)】
5H505
5H770
【Fターム(参考)】
5H505AA19
5H505CC04
5H505HA05
5H505HA06
5H505HA09
5H505HB01
5H505HB05
5H505JJ03
5H505JJ26
5H505PP02
5H770AA21
5H770BA01
5H770CA06
5H770DA03
5H770DA22
5H770DA41
5H770JA17W
5H770KA01W
5H770PA12
5H770QA01
5H770QA02
5H770QA11
5H770QA22
5H770QA27
(57)【要約】
【課題】インバータの性能が発揮されやすい構成を実現できる電力変換装置及び回転電機ユニットを提供する。
【解決手段】インバータ装置30は、第1インバータモジュール100、第2インバータモジュール110及び出力コネクタ150を有している。第1インバータモジュール100は、第1インバータ回路を有している。第1インバータ回路は、第1出力ラインを介してモータコイルの一端に接続されている。第2インバータモジュール110は、第2インバータ回路を有している。第2インバータ回路は、第2出力ラインを介してモータコイルの他端に接続されている。出力コネクタ150は、第1出力ラインの一部と第2出力ラインの一部とを形成している。出力コネクタ150は、奥行き方向Yにおいて第1インバータモジュール100及び第2インバータモジュール110に並べられている。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転電機(20)に供給される電力を変換する電力変換装置(30)であって、
複数の第1スイッチ(42,43)を含んで形成され、前記回転電機の巻線(22)に接続される第1インバータ(40)を有し、前記巻線に供給される電力を前記第1インバータにより変換する第1インバータ部品(100)と、
複数の第2スイッチ(52,53)を含んで形成され、前記巻線に接続される第2インバータ(50)を有し、前記巻線に供給される電力を前記第2インバータにより変換する第2インバータ部品(110)と、
前記巻線と前記第1インバータとを通電可能に接続する第1巻線経路(12oa)の一部と、前記巻線と前記第2インバータとを通電可能に接続する第2巻線経路(12ob)の一部とを形成し、前記巻線側に着脱可能に接続されるインバータコネクタ(150)と、
を備え、
前記インバータコネクタの少なくとも一部は、前記第1インバータ部品と前記第2インバータ部品との並び方向に直交する直交方向において、前記第1インバータ部品及び第2インバータ部品の少なくとも一方に並ぶ位置に設けられている、電力変換装置。
【請求項2】
前記インバータコネクタは、前記第1インバータ部品及び前記第2インバータ部品のそれぞれに隣り合う位置に設けられている、請求項1に記載の電力変換装置。
【請求項3】
前記インバータコネクタは、前記並び方向に延びたコネクタ板面(151a)を有しており、
前記第1インバータ部品と前記第2インバータ部品とは、前記コネクタ板面に沿って前記並び方向に並べられている、請求項1又は2に記載の電力変換装置。
【請求項4】
前記インバータコネクタは、
前記第1巻線経路の一部を形成する第1コネクタ端子(152a)と、
前記第2巻線経路の一部を形成する第2コネクタ端子(152b)と、
を有しており、
前記第1コネクタ端子と前記第2コネクタ端子とは、前記並び方向に並べられている、請求項1又は2に記載の電力変換装置。
【請求項5】
前記第1インバータ部品は、
前記第1スイッチを保護する第1スイッチ保護部(103)と、
前記第1巻線経路の一部を形成し、前記第1スイッチ保護部から突出するように設けられた第1経路端子(106)と、
を有しており、
前記第2インバータ部品は、
前記第2スイッチを保護する第2スイッチ保護部(113)と、
前記第2巻線経路の一部を形成し、前記第2スイッチ保護部から突出するように設けられた第2経路端子(116)と、
を有しており、
前記第1経路端子は、前記直交方向において前記第1スイッチ保護部と前記インバータコネクタとの間に設けられており、
前記第2経路端子は、前記直交方向において前記第2スイッチ保護部と前記インバータコネクタとの間に設けられている、請求項1又は2に記載の電力変換装置。
【請求項6】
前記インバータコネクタは、前記第1インバータ部品と前記第2インバータ部品とに前記直交方向にかけ渡されるように設けられている、請求項1又は2に記載の電力変換装置。
【請求項7】
前記第1インバータ部品、前記第2インバータ部品及び前記インバータコネクタを収容しているハウジング(70)と、
前記ハウジングの内部空間を第1空間(71a)と第2空間(75a)とに仕切るように設けられ、冷媒が流れる冷媒流路(81)を形成している流路形成部(82)と、
を備え、
前記インバータコネクタは、前記第1インバータ部品及び前記第2インバータ部品に対して前記流路形成部に沿って並べられている、請求項1又は2に記載の電力変換装置。
【請求項8】
前記第1インバータ部品、前記第2インバータ部品及び前記インバータコネクタを収容しているハウジング(70)と、
前記ハウジングの内部空間を第1空間(71a)と第2空間(75a)とに仕切るように設けられ、冷媒が流れる冷媒流路(81)を形成している流路形成部(82)と、
を備え、
前記第1インバータ部品、前記第2インバータ部品及び前記インバータコネクタは、前記第1空間及び前記第2空間のうち一方に設けられている、請求項1又は2に記載の電力変換装置。
【請求項9】
前記第1インバータ部品、前記第2インバータ部品及び前記インバータコネクタを収容しているハウジング(70)と、
前記ハウジングの内部空間を第1空間(71a)と第2空間(75a)とに仕切るように設けられ、冷媒が流れる冷媒流路(81)を形成している流路形成部(82)と、
を備え、
前記第1空間及び前記第2空間のうち一方には前記第1インバータ部品が設けられ、他方には前記第2インバータ部品が設けられ、
前記インバータコネクタは、前記第1空間及び前記第2空間のうち一方に設けられている、請求項1又は2に記載の電力変換装置。
【請求項10】
前記第1インバータ及び前記第2インバータの少なくとも一方に並列に接続された平滑コンデンサ(31,32)を有するコンデンサ部品(120,130)、を備え、
前記インバータコネクタは、前記直交方向において前記第1インバータ部品及び前記第2インバータ部品を介して前記コンデンサ部品とは反対側に設けられている、請求項1又は2に記載の電力変換装置。
【請求項11】
前記第1インバータは、前記巻線の一端(22a)に接続されており、
前記第2インバータは、前記巻線の他端(22b)に接続されている、請求項1又は2に記載の電力変換装置。
【請求項12】
電力の供給により駆動する回転電機(20)と、
前記回転電機に供給される電力を変換する電力変換装置(30)と、
を備えている回転電機ユニット(15)であって、
複数の第1スイッチ(42,43)を含んで形成され、前記回転電機の巻線(22)に接続される第1インバータ(40)を有し、前記巻線に供給される電力を前記第1インバータにより変換する第1インバータ部品(100)と、
複数の第2スイッチ(52,53)を含んで形成され、前記巻線に接続される第2インバータ(50)を有し、前記巻線に供給される電力を前記第2インバータにより変換する第2インバータ部品(110)と、
前記巻線と前記第1インバータとを通電可能に接続する第1巻線経路(12oa)の一部と、前記巻線と前記第2インバータとを通電可能に接続する第2巻線経路(12ob)の一部とを形成し、前記巻線側に着脱可能に接続されるインバータコネクタ(150)と、
を備え、
前記インバータコネクタの少なくとも一部は、前記第1インバータ部品と前記第2インバータ部品との並び方向に直交する直交方向において、前記第1インバータ部品及び第2インバータ部品の少なくとも一方に並ぶ位置に設けられている、回転電機ユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この明細書における開示は、電力変換装置及び回転電機ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、モータを駆動するモータ駆動装置について記載されている。このモータ駆動装置は、第1インバータ及び第2インバータを有している。第1インバータ及び第2インバータは、複数のスイッチ素子を含んで形成されている。第1インバータ及び第2インバータは、1枚の回路基板に搭載されている。第1インバータ及び第2インバータは、回路基板に設けられた導電パターンなどを介してモータの巻線に通電可能に接続されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1では、第1インバータとモータとを接続する通電経路と、第2インバータとモータとを接続する通電経路と、の長さが異なることが考えられる。これら通電経路の長さが異なる場合、第1インバータと第2インバータとでモータまでのインダクタンスが異なりやすい。この場合、インダクタンスが大きい方のインバータなど、第1インバータや第2インバータの性能が発揮されにくくなることが懸念される。
【0005】
本開示の1つの目的は、インバータの性能が発揮されやすい構成を実現できる電力変換装置及び回転電機ユニットを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この明細書に開示された複数の態様は、それぞれの目的を達成するために、互いに異なる技術的手段を採用する。また、特許請求の範囲及びこの項に記載した括弧内の符号は、一つの態様として後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示す一例であって、技術的範囲を限定するものではない。
【0007】
上記目的を達成するため、開示された態様は、
回転電機(20)に供給される電力を変換する電力変換装置(30)であって、
複数の第1スイッチ(42,43)を含んで形成され、回転電機の巻線(22)に接続される第1インバータ(40)を有し、巻線に供給される電力を第1インバータにより変換する第1インバータ部品(100)と、
複数の第2スイッチ(52,53)を含んで形成され、巻線に接続される第2インバータ(50)を有し、巻線に供給される電力を第2インバータにより変換する第2インバータ部品(110)と、
巻線と第1インバータとを通電可能に接続する第1巻線経路(12oa)の一部と、巻線と第2インバータとを通電可能に接続する第2巻線経路(12ob)の一部とを形成し、巻線側に着脱可能に接続されるインバータコネクタ(150)と、
を備え、
インバータコネクタの少なくとも一部は、第1インバータ部品と第2インバータ部品との並び方向に直交する直交方向において、第1インバータ部品及び第2インバータ部品の少なくとも一方に並ぶ位置に設けられている、電力変換装置である。
【0008】
上記電力変換装置によれば、インバータコネクタの少なくとも一部は、直交方向において第1インバータ部品及び第2インバータ部品の少なくとも一方に並ぶ位置に設けられている。この構成では、第1巻線経路の長さと第2巻線経路の長さとの差が極力小さくなるように、インバータコネクタを配置することが可能である。そうすると、第1巻線経路と第2巻線経路とでインダクタンスの差を極力小さくできるため、第1インバータが発揮できる性能と第2インバータが発揮できる性能との差を極力小さくすることができる。したがって、第1インバータ及び第2インバータのそれぞれの性能が発揮されやすい構成を実現できる。
【0009】
開示された態様は、
電力の供給により駆動する回転電機(20)と、
回転電機に供給される電力を変換する電力変換装置(30)と、
を備えている回転電機ユニット(15)であって、
複数の第1スイッチ(42,43)を含んで形成され、回転電機の巻線(22)に接続される第1インバータ(40)を有し、巻線に供給される電力を第1インバータにより変換する第1インバータ部品(100)と、
複数の第2スイッチ(52,53)を含んで形成され、巻線に接続される第2インバータ(50)を有し、巻線に供給される電力を第2インバータにより変換する第2インバータ部品(110)と、
巻線と第1インバータとを通電可能に接続する第1巻線経路(12oa)の一部と、巻線と第2インバータとを通電可能に接続する第2巻線経路(12ob)の一部とを形成し、巻線側に着脱可能に接続されるインバータコネクタ(150)と、
を備え、
インバータコネクタの少なくとも一部は、第1インバータ部品と第2インバータ部品との並び方向に直交する直交方向において、第1インバータ部品及び第2インバータ部品の少なくとも一方に並ぶ位置に設けられている、回転電機ユニットである。
【0010】
上記回転電機ユニットによれば、上記電力変換装置と同様に、インバータの性能が発揮されやすい構成を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】第1実施形態における駆動システムの回路を示す図。
【
図3】
図2のIII-III線断面図であって、第1ハウジング部の横断面図。
【
図4】
図2のIV-IV線断面図であって、第2ハウジング部の横断面図。
【
図5】
図4のV-V線断面図であって、インバータハウジングの縦断面図。
【
図6】第2実施形態における第1ハウジング部の横断面図。
【
図9】第3実施形態における第1ハウジング部の横断面図。
【
図12】第4実施形態における第1ハウジング部の横断面図。
【
図15】第5実施形態における第1ハウジング部の横断面図。
【
図16】第6実施形態における第1ハウジング部の横断面図。
【
図17】第7実施形態における駆動システムの回路を示す図。
【
図19】第8実施形態における駆動システムの回路を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に、図面を参照しながら本開示を実施するための複数の形態を説明する。各形態において先行する形態で説明した事項に対応する部分には同一の参照符号を付して重複する説明を省略する場合がある。各形態において構成の一部のみを説明している場合は、構成の他の部分については先行して説明した他の形態を適用することができる。各実施形態で具体的に組み合わせが可能であることを明示している部分同士の組み合わせばかりではなく、特に組み合わせに支障が生じなければ、明示していなくても実施形態同士を部分的に組み合せることも可能である。
【0013】
<第1実施形態>
図1に示す駆動システム10は、車両や飛行体などの移動体に搭載されている。駆動システム10は、移動体を移動させるために駆動するシステムである。例えば、駆動システム10は、移動体が移動するために回転体を回転させる。回転体としては、車両の車輪や、飛行体のプロペラなどがある。
【0014】
駆動システム10は、バッテリ11、電力ライン12及びモータユニット15を有している。バッテリ11は、電力供給部であり、モータユニット15に電力を供給する。バッテリ11は、直流電源であり、モータユニット15に直流電力を供給する。バッテリ11は、電源部と称されることがある。バッテリ11は、充放電可能な2次電池を有している。2次電池としては、リチウムイオン電池、ニッケル水素電池などがある。バッテリ11は、蓄電装置であり、電力を蓄えることが可能である。バッテリ11は、正極及び負極を有している。バッテリ11では、正極の電位が負極の電位よりも高い。正極は、高電位側の電極である。負極は、低電位側の電極である。なお、電源部としては、燃料電池や発電機などが用いられてもよい。
【0015】
モータユニット15は、移動体を移動させるために駆動する装置である。モータユニット15は、回転電機ユニットに相当する。モータユニット15は、モータ20及びインバータ装置30を有している。電力ライン12は、インバータ装置30を介してバッテリ11とモータ20とを通電可能に接続している。電力ライン12は、インバータ装置30を介してバッテリ11の電力をモータ20に供給する。インバータ装置30は、モータ20に供給される電力を変換する。インバータ装置30は、電力変換装置に相当する。
【0016】
モータ20は、複数相の交流モータである。例えば、モータ20は、3相の交流モータであり、U相、V相、W相を有している。モータ20は、移動体が移動するために駆動する駆動源であり、電動機として機能する。例えば、モータ20は、ブラシレスモータである。モータ20は、モータジェネレータである。モータ20は、発電機として機能することが可能である。モータ20は、回転電機に相当する。
【0017】
モータ20は、モータコイル22を有している。モータコイル22は、複数相のコイルである。モータコイル22は、巻線に相当する。例えば、モータコイル22は、3相のコイルであり、U相、V相、W相のそれぞれに設けられている。モータ20は、オープン巻線式のモータである。複数相のモータコイル22は、互いに独立した状態でモータ20に設けられている。モータコイル22は、第1コイル端22a及び第2コイル端22bを有している。モータコイル22が有する一対の端部のうち、一方が第1コイル端22aであり、他方が第2コイル端22bである。
【0018】
インバータ装置30は、第1インバータ回路40及び第2インバータ回路50を有している。インバータ回路40,50は、電力を変換する電力変換回路である。第1インバータ回路40が第1インバータに相当し、第2インバータ回路50が第2インバータに相当する。例えば、インバータ回路40,50は、3相インバータであり、U相、V相、W相のそれぞれについて電力変換を行う。例えば、インバータ回路40,50は、DC-AD変換回路であり、直流電力を交流電力に変換する。
【0019】
第1インバータ回路40は、第1コイル端22aに接続されている。第1インバータ回路40は、第1インバータに相当する。第2インバータ回路50は、第2コイル端22bに接続されている。第2インバータ回路50は、第2インバータに相当する。
【0020】
駆動システム10では、電力ライン12が複数設けられている。複数の電力ライン12には、Pライン12p、Nライン12n及び出力ライン12oが含まれている。Pライン12p、Nライン12n及び出力ライン12oは、通電可能な通電経路である。Pライン12p及びNライン12nは、バッテリ11とインバータ回路40,50とを通電可能に接続している。Pライン12p及びNライン12nは、電源経路であり、バッテリ11の電力をインバータ回路40,50に供給する。Pライン12pは、バッテリ11の正極に接続されている。Pライン12pは、高電位側の電源線である。Nライン12nは、バッテリ11の負極に接続されている。Nライン12nは、低電位側の電源線である。Nライン12nには、Pライン12pよりも低い電圧が印加される。
【0021】
Pライン12pは、モータコイル22を介さずに、第1インバータ回路40と第2インバータ回路50とを通電可能に接続している。Pライン12pは、第1Pライン12pa、第2Pライン12pb及び切替Pライン12pcを有している。第1Pライン12paは、第1インバータ回路40に含まれている。第2Pライン12pbは、第2インバータ回路50に含まれている。切替Pライン12pcは、モータコイル22を介さずに、第1Pライン12paと第2Pライン12pbとを接続している。切替Pライン12pcは、モータコイル22を介さずに、第1インバータ回路40と第2インバータ回路50とを通電可能に接続している。切替Pライン12pcは、切替経路及び上切替経路に相当する。
【0022】
Nライン12nは、モータコイル22を介さずに、第1インバータ回路40と第2インバータ回路50とを通電可能に接続している。Nライン12nは、第1Nライン12na、第2Nライン12nb及び切替Nライン12ncを有している。第1Nライン12naは、第1インバータ回路40に含まれている。第2Nライン12nbは、第2インバータ回路50に含まれている。切替Nライン12ncは、モータコイル22を介さずに、第1Nライン12naと第2Nライン12nbとを接続している。
【0023】
出力ライン12oは、インバータ回路40,50とモータ20とを通電可能に接続している。出力ライン12oは、複数相の通電経路である。出力ライン12oは、複数相のそれぞれに設けられている。出力ライン12oは、複数相のそれぞれにおいてインバータ回路40,50とモータコイル22とを接続している。出力ライン12oは、複数相のそれぞれにおいて、後述する上下アーム回路41,51に接続されている。
【0024】
出力ライン12oは、モータ20を介して第1インバータ回路40と第2インバータ回路50とを接続している。出力ライン12oは、第1出力ライン12oa及び第2出力ライン12obを有している。第1出力ライン12oaは、第1インバータ回路40とモータコイル22とを通電可能に接続している。第1出力ライン12oaは、第1コイル端22aに接続されている。第1出力ライン12oaは、第1インバータ回路40に含まれた部分と、モータ20に含まれた部分とを有している。第1出力ライン12oaは、第1巻線経路に相当する。
【0025】
第2出力ライン12obは、第2インバータ回路50とモータコイル22とを通電可能に接続している。第2出力ライン12obは、第2コイル端22bに接続されている。第2出力ライン12obは、第2インバータ回路50に含まれた部分と、モータ20に含まれた部分とを有している。第2出力ライン12obは、第2巻線経路に相当する。
【0026】
第1インバータ回路40は、第1上下アーム回路41を有している。第2インバータ回路50は、第2上下アーム回路51を有している。上下アーム回路41,51は、複数相のそれぞれに設けられている。例えば、上下アーム回路41,51は、U相、V相、W相のそれぞれに設けられている。上下アーム回路41,51は、レグやアーム回路と称されることがある。上下アーム回路41,51は、Pライン12p、Nライン12n及び出力ライン12oのそれぞれに接続されている。
【0027】
第1上下アーム回路41は、第1上アームスイッチ42及び第1下アームスイッチ43を有している。第1上アームスイッチ42と第1下アームスイッチ43とは、互いに直列に接続されている。第1上アームスイッチ42は、第1Pライン12paと第1出力ライン12oaとに接続されている。第1下アームスイッチ43は、第1Nライン12naと第1出力ライン12oaとに接続されている。第1上アームスイッチ42及び第1下アームスイッチ43は、第1スイッチに相当する。また、第1上アームスイッチ42が第1上スイッチに相当し、第1下アームスイッチ43が第1下スイッチに相当する。
【0028】
第2上下アーム回路51は、第2上アームスイッチ52及び第2下アームスイッチ53を有している。第2上アームスイッチ52と第2下アームスイッチ53とは、互いに直列に接続されている。第2上アームスイッチ52は、第2Pライン12pbと第2出力ライン12obとに接続されている。第2下アームスイッチ53は、第2Nライン12nbと第2出力ライン12obとに接続されている。第2上アームスイッチ52及び第2下アームスイッチ53は、第2スイッチに相当する。
【0029】
アームスイッチ42,43,52,53は、スイッチング素子により形成されている。スイッチング素子は、半導体スイッチ等の半導体素子である。スイッチング素子は、機械的な接点を有していないスイッチである。スイッチング素子は、MOSFETやIGBT等のトランジスタである。MOSFETは、Metal-Oxide-Semiconductor Field-Effect Transistorの略称である。IGBTは、Insulated Gate Bipolar Transistorの略称である。インバータ回路40,50では、アームスイッチ42,43,52,53のスイッチングにより電力変換が行われる。アームスイッチ42,43,52,53は、電流を流す通電状態と電流を遮断する遮断状態とに移行可能である。
【0030】
上下アーム回路41,51は、アームダイオード42a,43a,52a,53aを有している。アームダイオード42a,43a,52a,53aは、還流用のダイオードである。アームダイオード42a,43a,52a,53aは、アームスイッチ42,43,52,53に逆並列に接続されている。アームダイオード42a,43a,52a,53aは、アームスイッチ42,43,52,53の寄生ダイオードでもよく、寄生ダイオードとは別に設けられたダイオードでもよい。
【0031】
インバータ装置30は、切替回路60を有している。切替回路60は、モータコイル22の通電状態を切替可能な回路である。切替回路60は、Pライン12p及びNライン12nの少なくとも一方の通電状態を切り替えることで、出力ライン12oの通電状態を切り替えることが可能である。例えば、切替回路60は、Pライン12pの通電状態を切り替えることが可能である。
【0032】
切替回路60は、Pスイッチ61を有している。Pスイッチ61は、切替Pライン12pcに設けられている。Pスイッチ61は、第1インバータ回路40と第2インバータ回路50との間に設けられている。Pスイッチ61は、切替Pライン12pcの通電を遮断可能である。Pスイッチ61は、切替スイッチに相当する。
【0033】
Pスイッチ61は、アームスイッチ42,43,52,53と同様に、スイッチング素子により形成されている。Pスイッチ61は、電流を流す通電状態と電流を遮断する遮断状態とに移行可能である。Pスイッチ61は、開閉器と称されることがある。なお、Pスイッチ61は、メカニカルスイッチにより形成されていてもよい。メカニカルスイッチは、機械的な接点を有するスイッチである。
【0034】
インバータ装置30は、第1平滑コンデンサ31及び第2平滑コンデンサ32を有している。平滑コンデンサ31,32は、バッテリ11から供給される直流電圧を平滑化することが可能である。平滑コンデンサ31,32は、フィルムコンデンサ等のコンデンサ素子により形成されている。平滑コンデンサ31,32は、Pライン12pとNライン12nとに接続されている。
【0035】
第1平滑コンデンサ31は、第1インバータ回路40に並列に接続されている。例えば、第1平滑コンデンサ31は、バッテリ11と第1インバータ回路40との間において、第1Pライン12paと第1Nライン12naとに接続されている。第2平滑コンデンサ32は、第2インバータ回路50に並列に接続されている。例えば、第2平滑コンデンサ32は、第2インバータ回路50を介してバッテリ11とは反対側において、第2Pライン12pbと第2Nライン12nbとに接続されている。
【0036】
インバータ装置30は、フィルタ回路33を有している。フィルタ回路33は、電磁ノイズ等のノイズを低減するための回路である。フィルタ回路33としては、EMIフィルタなどがある。フィルタ回路33は、インバータ回路40,50や平滑コンデンサ31,32に対して並列に接続されている。フィルタ回路33は、バッテリ11と第1平滑コンデンサ31との間に設けられている。フィルタ回路33は、フィルタコイルやフィルタコンデンサなどを有している。フィルタコイルは、コイル素子により形成されている。フィルタコイルとしては、チョークコイルなどがある。フィルタコンデンサは、コンデンサ素子により形成されている。フィルタコンデンサとしては、XコンデンサやYコンデンサなどがある。
【0037】
インバータ装置30は、インバータ制御部35を有している。インバータ制御部35は、インバータ回路40,50や切替回路60を介してモータ20の制御を行う。インバータ制御部35は、各種センサの検出結果などを用いて指令信号を生成し、この指令信号を出力することでインバータ回路40,50や切替回路60の駆動を制御する。インバータ制御部35は、モータ制御部と称されることがある。
【0038】
インバータ制御部35は、ECU等の制御装置である。ECUは、Electronic Control Unitの略称である。インバータ制御部35は、プロセッサ、メモリ及びプログラムを有している。インバータ制御部35は、コンピュータを主体として構成されている。このコンピュータは、プロセッサ、メモリ、入出力インターフェース、これらを接続するバス等を有している。メモリには、プログラムが記憶されている。プログラムは、飛行制御を行うためのプログラムである。
【0039】
プロセッサは、メモリに結合された演算処理のためのハードウェアである。プロセッサは、メモリへのアクセスにより飛行制御処理等の各種処理を実行する。メモリは、制御プログラム等を記憶した記憶媒体である。例えば、メモリは、コンピュータによって読み取り可能なプログラム及びデータを非一時的に格納する非遷移的実体的記憶媒体である。非遷移的実体的記憶媒体は、non-transitory tangible storage mediumであり、半導体メモリ又は磁気ディスクなどによって実現される。プログラムは、プロセッサに様々な機能を実行させるコンピュータ可読命令を含んでいる。プロセッサは、プログラムに含まれる命令を実行することで、所定の処理を実行する処理部である。
【0040】
インバータ制御部35は、制御回路36、第1駆動回路37a、第2駆動回路37b及び切替駆動回路37cを有している。制御回路36は、インバータ回路40,50や切替回路60を制御する。制御回路36は、インバータ回路40,50や切替回路60を駆動させるための駆動指令を生成する。駆動指令としては、アームスイッチ42,43,52,53やPスイッチ61をスイッチングさせるためのスイッチング指令などがある。
図1では、インバータ制御部35がECU、制御回路36がMGECU、第1駆動回路37aがGDB1、第2駆動回路37bがGDB2、切替駆動回路37cがGDB3、と図示されている。
【0041】
駆動回路37a,37b,37cは、駆動指令に応じて複数のスイッチを独立してスイッチングさせることが可能である。駆動回路37a,37b,37cは、駆動指令に応じて駆動信号を生成し、この駆動信号をインバータ回路40,50や切替回路60に対して出力する。第1駆動回路37aは、第1上アームスイッチ42及び第1下アームスイッチ43を駆動させるための駆動信号を生成し、この駆動信号を第1インバータ回路40に対して出力する。第2駆動回路37bは、第2上アームスイッチ52及び第2下アームスイッチ53を駆動させるための駆動信号を生成し、この駆動信号を第2インバータ回路50に対して出力する。切替駆動回路37cは、Pスイッチ61を駆動させるための駆動信号を生成し、この駆動信号を切替回路60に対して出力する。駆動回路37a,37b,37cは、ドライバやドライバ回路と称されることがある。
【0042】
モータ20の駆動態様としては、スター結線駆動及びオープン結線駆動がある。インバータ制御部35では、モータ20を制御する制御モードとして、スター結線駆動モード及びオープン結線駆動モードがある。モータ20の駆動態様を示す駆動領域としては、スター結線駆動領域及びオープン結線駆動領域がある。例えば、駆動領域では、横軸がモータ回転数とされ、縦軸がモータトルクとされる。スター結線駆動領域は、常用領域である。オープン結線駆動領域は、スター結線駆動領域よりもモータ回転数及びモータトルクの少なくとも一方が高い領域である。スター結線駆動は、Y駆動と称されることがある。オープン結線駆動は、H駆動と称されることがある。
【0043】
モータ20の駆動態様がスター結線駆動である場合、インバータ装置30では、第2インバータ回路50によりモータコイル22の中性点が形成されるように、インバータ回路40,50及び切替回路60が駆動される。この場合、切替回路60では、切替Pライン12pcの通電を遮断するようにPスイッチ61が駆動される。例えば、Pスイッチ61が遮断状態とされる。また、第2インバータ回路50では、3相のモータコイル22がスター結線されるように、3相の全てについて第2上アームスイッチ52及び第2下アームスイッチ53のうち一方が通電状態とされ、他方が遮断状態とされる。そして、モータ20が駆動するように第1インバータ回路40にてアームスイッチ42,43のスイッチングが行われる。
【0044】
モータ20の駆動態様がオープン結線駆動である場合、インバータ装置30では、モータコイル22の中性点が形成されないように、第2インバータ回路50が駆動される。この場合、モータコイル22の中性点が開放された状態になることで、第1インバータ回路40及び第2インバータ回路50により複数相のそれぞれでオープン結線回路が形成される。また、この場合、切替回路60では、切替Pライン12pcが通電可能になるようにPスイッチ61が駆動される。例えば、Pスイッチ61が通電状態とされる。
【0045】
図2に示すように、モータ20は、モータ部21及びモータハウジング24を有している。モータ部21は、ステータやロータ、シャフトを有している。ステータは、固定子であり、モータハウジング24に対して固定されている。ロータは、回転子であり、ステータに対して相対的に回転する。シャフトは、ロータと共に回転する。モータ部21は、電機子及び界磁子を有している。例えば、ステータが電機子であり、ロータが界磁子である。モータコイル22は、モータ部21に含まれている。モータコイル22は、電機子に含まれている。例えば、モータコイル22は、ステータに含まれている。
【0046】
モータハウジング24は、モータ部21を収容している。モータハウジング24は、金属材料等により形成されている。モータハウジング24は、後述するインバータハウジング70に固定されている。モータハウジング24の内部空間は、インバータハウジング70に向けて開放されている。
【0047】
モータ20は、モータコネクタ25を有している。モータコネクタ25は、モータハウジング24に収容されている。モータコネクタ25は、モータコイル22をインバータ回路40,50などに通電可能に接続するためのコネクタ部材である。モータコネクタ25は、後述する出力コネクタ150に着脱可能に接続されている。なお、モータコネクタ25は、モータハウジング24の外側に設けられていてもよい。
【0048】
モータコネクタ25は、モータコネクタ端子26を有している。モータコネクタ端子26は、導電部材であり、銅等の導電材料により形成されている。モータコネクタ端子26は、モータコイル22をインバータ回路40,50などに通電可能に接続するための端子部材である。モータコネクタ端子26は、モータ20において出力ライン12oの一部を形成している。モータコネクタ端子26は、モータコネクタ25に複数設けられている。複数のモータコネクタ端子26には、第1出力ライン12oaの一部を形成したモータコネクタ端子26と、第2出力ライン12obの一部を形成したモータコネクタ端子26と、が含まれている。モータコネクタ25からは、バスバやケーブル等の配線部材が延びている。この配線部材は、モータコネクタ端子26とモータコイル22とを通電可能に接続するための部材である。
【0049】
図3~
図5に示すように、インバータ装置30は、インバータハウジング70、切替モジュール90、第1インバータモジュール100、第2インバータモジュール110、第1コンデンサモジュール120及び第2コンデンサモジュール130を有している。モジュール90,100,110,120,130は、電気部品や電子部品である。モジュール90,100,110,120,130は、互いに独立した部品である。モジュール90,100,110,120,130は、インバータハウジング70に収容されている。モジュール90,100,110,120,130は、インバータハウジング70の内部空間に設けられている。
【0050】
インバータ装置30は、バスバやケーブル等の配線部材を複数有している。複数の配線部材には、モジュール90,100,110,120,130を互いに通電可能に接続する配線部材が含まれている。また、複数の配線部材には、Pライン12pを形成する配線部材や、Nライン12nを形成する配線部材、出力ライン12oを形成する配線部材などが含まれている。例えば、Pライン12pを形成する配線部材としては、第1Pライン12paを形成する配線部材や、第2Pライン12pbを形成する配線部材などがある。Nライン12nを形成する配線部材としては、第1Nライン12naを形成する配線部材や、第2Nライン12nbを形成する配線部材などがある。出力ライン12oを形成する配線部材としては、第1出力ライン12oaを形成する配線部材や、第2出力ライン12obを形成する配線部材などがある。なお、配線部材が複数の部品を通電可能に接続することは、単に、配線部材が複数の部材を接続すると称されることがある。
【0051】
インバータ装置30では、インバータ装置30の駆動に伴ってモジュール90,100,110,120,130が発熱することがある。モジュール90,100,110,120,130は、発熱部品と称されることがある。例えば、切替モジュール90は、切替回路60の通電や駆動に伴って発熱しやすい。第1インバータモジュール100は、第1インバータ回路40の通電や駆動に伴って発熱しやすい。第2インバータモジュール110は、第2インバータ回路50の通電や駆動に伴って発熱しやすい。第1コンデンサモジュール120は、第1平滑コンデンサ31の通電に伴って発熱しやすい。第2コンデンサモジュール130は、第2平滑コンデンサ32への通電に伴って発熱しやすい。
【0052】
インバータ装置30では、モータ20の駆動態様に応じて、インバータ回路40,50の駆動状態が異なる。例えば、モータ20の駆動態様がスター結線駆動である場合、第2インバータ回路50では、アームスイッチ52,53のスイッチングがほとんど行われない。その一方で、第1インバータ回路40では、アームスイッチ42,43のスイッチングが繰り返し行われる。この場合、第1インバータモジュール100では、第2インバータモジュール110に比べて熱が発生しやすい。モータ20の駆動態様がオープン結線駆動である場合、第1インバータ回路40と第2インバータ回路50とでスイッチングが同じように行われる。この場合、第1インバータモジュール100と第2インバータモジュール110とでは、熱の発生しやすさが同じ程度である。
【0053】
インバータ装置30では、モータ20の駆動態様に応じて、コンデンサモジュール120,130での熱の発生状態が異なる。インバータモジュール100,110にて熱が発生しやすい場合に、コンデンサモジュール120,130でも熱が発生しやすいことがある。例えば、第1インバータモジュール100が第2インバータモジュール110に比べて熱が発生しやすい場合、第1コンデンサモジュール120が第2コンデンサモジュール130に比べて熱が発生しやすい。
【0054】
インバータハウジング70は、金属材料等により形成されている。インバータハウジング70は、熱伝導性を有している。例えば、インバータハウジング70は、全体として平面視矩形状に形成されている。インバータハウジング70がハウジングに相当する。インバータハウジング70の内部空間は、第1空間71a及び第2空間75aを有している。インバータハウジング70の内部空間は、2つの空間に仕切られた状態になっている。2つの空間のうち一方が第1空間71aであり、他方が第2空間75aである。モジュール90,100,110,120,130は、第1空間71a及び第2空間75aのうち一方に収容されている。
【0055】
インバータハウジング70は、インバータケース部701及びインバータ蓋部702を有している。インバータケース部701は、ケース外壁701a及びケース仕切壁701bを有している。ケース外壁701a及びインバータ蓋部702は、インバータハウジング70の外面を形成している。ケース仕切壁701bは、ケース外壁701aの内周側に設けられている。
【0056】
ケース仕切壁701bは、インバータハウジング70の内部空間を第1空間71aと第2空間75aとに仕切っている。第1空間71aと第2空間75aとは、高さ方向Zに並べられている。モータユニット15については、幅方向X、奥行き方向Y及び高さ方向Zが互いに直交している。モータユニット15では、モータハウジング24とインバータハウジング70とが高さ方向Zに並べられている。高さ方向Zでは、第1空間71aがモータハウジング24と第2空間75aとの間にある。第1空間71aは、モータハウジング24により覆われた状態になっている。インバータハウジング70は、モータハウジング24の内部空間を覆った状態になっている。例えば、第1空間71aとモータハウジング24の内部空間とは、互いに連続した空間になっている。
【0057】
インバータハウジング70は、ケース外壁701aの一部が内側に凹んだ形状になっている。その凹んだ部分により、インバータハウジング70の外面には段差部分が形成されている。インバータハウジング70では、幅方向Xにおいて第2空間75aの幅寸法が第2空間75aの幅寸法よりも小さい。奥行き方向Yでは、第2空間75aの幅寸法と第1空間71aの幅寸法とがほぼ同じになっている。
【0058】
インバータ蓋部702は、インバータケース部701を介してモータハウジング24とは反対側に設けられている。インバータ蓋部702は、第2空間75aを第1空間71aとは反対側から覆った状態になっている。
【0059】
インバータハウジング70は、第1ハウジング部71及び第2ハウジング部75を有している。第1ハウジング部71は、インバータハウジング70のうち第1空間71aを形成する部位である。第2ハウジング部75は、インバータハウジング70のうち第2空間75aを形成する部位である。第1ハウジング部71と第2ハウジング部75とは、高さ方向Zに並べられている。ケース仕切壁701bには、第1ハウジング部71と第2ハウジング部75との境界が含まれている。
【0060】
第1ハウジング部71は、第1外周壁72及び第1底部73を有している。第1外周壁72は、インバータハウジング70の外周面を形成している。第1空間71aは、第1外周壁72の内側空間である。第1底部73は、高さ方向Zに直交する方向に延びている。第1外周壁72は、第1底部73から高さ方向Zに延びている。第1外周壁72は、第1幅壁72x及び第1奥行き壁72yを有している。第1幅壁72xは、第1空間71aを介して奥行き方向Yに一対並べられている。第1幅壁72xは、全体として幅方向Xに延びている。第1奥行き壁72yは、第1空間71aを介して幅方向Xに一対並べられている。第1奥行き壁72yは、全体として奥行き方向Yに延びている。
【0061】
第2ハウジング部75は、第2外周壁76、第2底部77及び第2天井部78を有している。第2外周壁76は、インバータハウジング70の外周面を形成している。第2空間75aは、第2外周壁76の内側空間である。第2底部77及び第2天井部78は、高さ方向Zに直交する方向に延びている。第2底部77と第2天井部78とは、第2空間75aを介して高さ方向Zに並べられている。第2外周壁76は、第2底部77と第2天井部78とにかけ渡されるように高さ方向Zに延びている。第2外周壁76は、第2幅壁76x及び第2奥行き壁76yを有している。第2幅壁76xは、全体として幅方向Xに延びている。第2奥行き壁76yは、第2空間75aを介して幅方向Xに一対並べられている。第2奥行き壁76yは、全体として奥行き方向Yに延びている。
【0062】
インバータハウジング70では、一方の第2幅壁76xが一方の第1幅壁72xから高さ方向Zに延び、他方の第2幅壁76xが他方の第1幅壁72xから高さ方向Zに延びている。また、一方の第2奥行き壁76yが一方の第1奥行き壁72yから高さ方向Zに延びているに対して、他方の第2奥行き壁76yは、他方の第1奥行き壁72yから一方の第2奥行き壁76y側に離れた位置に設けられている。他方の第2奥行き壁76yは、一対の第1奥行き壁72yの間に設けられている。
【0063】
インバータケース部701は、第1ハウジング部71と第2ハウジング部75の一部とを含んで形成されている。第2ハウジング部75では、第2外周壁76の一部と第2底部77とがインバータケース部701に含まれている。インバータ蓋部702は、第2ハウジング部75の一部を含んで形成されている。第2ハウジング部75では、第2外周壁76の一部と第2天井部78とがインバータ蓋部702に含まれている。
【0064】
図3において、第1インバータモジュール100は、第1インバータ回路40を有している。第1インバータモジュール100は、モータコイル22に供給される電力を第1インバータ回路40により変換する部品である。第1インバータモジュール100は、第1インバータ部品に相当する。
【0065】
第1インバータモジュール100は、第1上スイッチ部101、第1下スイッチ部102及び第1スイッチ保護部103を有している。第1上スイッチ部101は、第1上アームスイッチ42を有する部品である。第1下スイッチ部102は、第1下アームスイッチ43を有する部品である。スイッチ部101,102は、アームスイッチ42,43を形成している。スイッチ部101,102は、半導体チップなどにより形成されている。第1スイッチ保護部103は、スイッチ部101,102を保護している。第1スイッチ保護部103は、回路基板や封止樹脂などを含んで形成されている。例えば、第1インバータモジュール100では、回路基板に実装されたスイッチ部101,102が封止樹脂により封止されている。
【0066】
第1インバータモジュール100は、複数相のそれぞれについてスイッチ部101,102を有している。第1インバータモジュール100は、全体として矩形板状に形成されている。スイッチ部101,102は、第1インバータモジュール100の板面に沿って複数ずつ並べられている。例えば、スイッチ部101,102は、第1インバータモジュール100の長辺方向に複数ずつ並べられている。
【0067】
第1インバータモジュール100は、第1P端子104、第1N端子105及び第1出力端子106を有している。端子104~106は、導電部材であり、銅等の導電材料により形成されている。端子104~106のそれぞれには、配線部材が通電可能に接続されている。第1P端子104は、第1上アームスイッチ42を第1Pライン12paに接続するための端子部材である。例えば、第1P端子104は、第1Pライン12paの一部を形成している。第1N端子105は、第1下アームスイッチ43を第1Nライン12naに接続するための端子部材である。例えば、第1N端子105は、第1Nライン12naの一部を形成している。
【0068】
第1出力端子106は、第1上アームスイッチ42及び第1下アームスイッチ43をモータコイル22に接続するための端子部材である。例えば、第1出力端子106は、第1出力ライン12oaの一部を形成している。第1出力端子106は、第1経路端子に相当する。
【0069】
端子104~106は、第1インバータモジュール100の外周端に沿って並べられている。端子104~106は、第1スイッチ保護部103から外側に突出するように設けられている。例えば、端子104~106は、第1インバータモジュール100の長辺に沿って複数ずつ並べられている。第1出力端子106は、第1スイッチ保護部103を介して第1P端子104及び第1N端子105とは反対側に設けられている。
【0070】
第2インバータモジュール110は、第2インバータ回路50を有している。第2インバータモジュール110は、モータコイル22に供給される電力を第2インバータ回路50により変換する部品である。第2インバータモジュール110は、第2インバータ部品に相当する。
【0071】
第2インバータモジュール110は、第2上スイッチ部111、第2下スイッチ部112及び第2スイッチ保護部113を有している。第2上スイッチ部111は、第2上アームスイッチ52を有する部品である。第2下スイッチ部112は、第2下アームスイッチ53を有する部品である。スイッチ部111,112は、半導体チップなどにより形成されている。第2スイッチ保護部113は、スイッチ部111,112を保護している。第2スイッチ保護部113は、回路基板や封止樹脂などを含んで形成されている。例えば、第2インバータモジュール110では、回路基板に実装されたスイッチ部111,112が封止樹脂により封止されている。
【0072】
第2インバータモジュール110は、複数相のそれぞれについてスイッチ部111,112を有している。第2インバータモジュール110は、全体として矩形板状に形成されている。第2インバータモジュール110の板面は、高さ方向Zに直交する方向に延びている。スイッチ部111,112は、第2インバータモジュール110の板面に沿って複数ずつ並べられている。例えば、スイッチ部111,112は、第2インバータモジュール110の長辺方向に複数ずつ並べられている。
【0073】
第2インバータモジュール110は、第2P端子114、第2N端子115及び第2出力端子116を有している。端子204~206は、導電部材であり、銅等の導電材料により形成されている。端子204~206のそれぞれには、配線部材が通電可能に接続されている。第2P端子114は、第2上アームスイッチ52を第2Pライン12pbに接続するための端子部材である。例えば、第2P端子114は、第2Pライン12pbの一部を形成している。第2N端子115は、第2下アームスイッチ53を第2Nライン12nbに接続するための端子部材である。例えば、第2N端子115は、第2Nライン12nbの一部を形成している。
【0074】
第2出力端子116は、第2上アームスイッチ52及び第2下アームスイッチ53をモータコイル22に接続するための端子部材である。例えば、第2出力端子116は、第2出力ライン12obの一部を形成している。第2出力端子116は、第2経路端子に相当する。
【0075】
端子204~206は、第2インバータモジュール110の外周端に沿って並べられている。端子204~206は、第2スイッチ保護部113から外側に突出するように設けられている。例えば、端子204~206は、第2インバータモジュール110の長辺に沿って複数ずつ並べられている。第2出力端子116は、第2スイッチ保護部113を介して第2P端子114及び第2N端子115とは反対側に設けられている。
【0076】
第1インバータモジュール100と第2インバータモジュール110とは、同一のインバータ部品である。インバータハウジング70には、同一部品であるインバータ部品が2つ収容されている。そして、2つのインバータ部品のうち、一方が第1インバータモジュール100として用いられ、他方が第2インバータモジュール110として用いられている。例えば、第1インバータモジュール100と第2インバータモジュール110とでは、第1上スイッチ部101と第1下スイッチ部102との位置関係が、第2上スイッチ部111と第2下スイッチ部112との位置関係と同じである。
【0077】
第1インバータモジュール100と第2インバータモジュール110とが同一のインバータ部品である場合としては、製品に付与される型番などが第1インバータモジュール100と第2インバータモジュール110とで同じ番号であることなどがある。第1インバータモジュール100と第2インバータモジュール110とは、型番などが同じであれば、スイッチ部101,102,111,112やスイッチ保護部103,113の形状や大きさなどが多少異なっていても、同一の部品である。
【0078】
インバータ部品は、複数のスイッチング素子を含んで形成されたインバータ回路を有している。第1インバータモジュール100として用いられるインバータ部品では、複数のスイッチング素子のうち1つが第1上アームスイッチ42として用いられ、他の1つが第1下アームスイッチ43として用いられる。また、インバータ部品は、複数のスイッチ部及びスイッチ保護部を有している。第1インバータモジュール100として用いられるインバータ部品では、いくつかのスイッチ部が第1上スイッチ部101として用いられ、他のいくつかのスイッチ部が第1下スイッチ部102として用いられる。また、このインバータ部品では、スイッチ保護部が第1スイッチ保護部103として用いられる。
【0079】
第2インバータモジュール110として用いられるインバータ部品では、複数のスイッチング素子のうち1つが第2上アームスイッチ52として用いられ、他の1つのが第2下アームスイッチ53として用いられる。また、第2インバータモジュール110として用いられるインバータ部品では、いくつかのスイッチ部が第2上スイッチ部111として用いられ、他のいくつかのスイッチ部が第2下スイッチ部112として用いられる。また、このインバータ部品では、スイッチ保護部が第2スイッチ保護部113として用いられる。
【0080】
第1コンデンサモジュール120は、第1平滑コンデンサ31を形成している。第1コンデンサモジュール120は、全体として直方体状に形成されている。第1コンデンサモジュール120は、第1コンデンサ部品及びコンデンサ部品に相当する。第1コンデンサモジュール120は、第1コンデンサ部121及び第1コンデンサ保護部122を有している。第1コンデンサ部121は、第1平滑コンデンサ31を有する部品である。第1コンデンサ保護部122は、第1コンデンサ部121を保護している。第1コンデンサ保護部122は、ケースや封止樹脂などを含んで形成されている。
【0081】
第2コンデンサモジュール130は、第2平滑コンデンサ32を形成している。第2コンデンサモジュール130は、全体として直方体状に形成されている。第2コンデンサモジュール130は、第2コンデンサ部品及びコンデンサ部品に相当する。第2コンデンサモジュール130は、第2コンデンサ部131及び第2コンデンサ保護部132を有している。第2コンデンサ部131は、第2平滑コンデンサ32を有する部品である。第2コンデンサ保護部132は、第2コンデンサ部131を保護している。第2コンデンサ保護部132は、ケースや封止樹脂などを含んで形成されている。
【0082】
インバータ装置30は、第1コンデンサ配線145及び第2コンデンサ配線146を有している。コンデンサ配線145,146は、コンデンサモジュール120,130から延びている。コンデンサ配線145,146は、インバータモジュール100,110や後述するフィルタ部品180などに電気的に接続されている。第1コンデンサ配線145としては、Pライン12pの少なくとも一部を形成する配線部材と、Nライン12nの少なくとも一部を形成する配線部材とがある。第1コンデンサ配線145は、第1コンデンサ部121に通電可能に接続されている。第2コンデンサ配線146としては、Pライン12pの少なくとも一部を形成する配線部材と、Nライン12nの少なくとも一部を形成する配線部材とがある。第2コンデンサ配線146は、第2コンデンサ部131に通電可能に接続されている。
【0083】
切替モジュール90は、切替回路60を形成している。切替モジュール90は、Pスイッチ61により切替Pライン12pcの通電を遮断可能な部品である。切替モジュール90は、切替部品に相当する。切替モジュール90は、Pスイッチ部91及び切替スイッチ保護部93を有している。Pスイッチ部91は、Pスイッチ61を有する部品である。Pスイッチ部91は、Pスイッチ61を形成している。Pスイッチ部91は、半導体チップなどにより形成されている。切替スイッチ保護部93は、Pスイッチ部91を保護している。切替スイッチ保護部93は、回路基板や封止樹脂などを含んで形成されている。例えば、切替モジュール90では、回路基板に実装されたPスイッチ部91が封止樹脂により封止されている。
【0084】
切替モジュール90は、第1切替P端子94及び第2切替P端子95を有している。切替P端子94,95は、導電部材であり、銅等の導電材料により形成されている。切替P端子94,95のそれぞれには、配線部材が通電可能に接続されている。第1切替P端子94は、Pスイッチ61を第1Pライン12paに接続するための端子部材である。例えば、第1切替P端子94は、切替Pライン12pcの一部を形成している。第2切替P端子95は、Pスイッチ61を第2Pライン12pbに接続するための端子部材である。例えば、第2切替P端子95は、切替Pライン12pの一部を形成している。
【0085】
切替P端子94,95は、切替モジュール90の外周端に沿って並べられている。切替P端子94,95は、切替スイッチ保護部93から外側に突出するように設けられている。例えば、第1切替P端子94は、切替スイッチ保護部93を介して第2切替P端子95とは反対側に設けられている。
【0086】
インバータ装置30は、出力コネクタ150を有している。出力コネクタ150は、インバータハウジング70に収容されている。出力コネクタ150は、インバータ回路40,50をモータコイル22などに通電可能に接続するためのコネクタ部材である。出力コネクタ150は、モータコネクタ25に着脱可能に接続されている。出力コネクタ150は、モータコイル22側に着脱可能に接続される。出力コネクタ150は、インバータコネクタに相当する。なお、出力コネクタ150の少なくとも一部は、インバータハウジング70の外側に設けられていてもよい。
【0087】
出力コネクタ150は、出力コネクタケース151及び出力コネクタ端子152を有している。出力コネクタ端子152は、導電部材であり、銅等の導電材料により形成されている。出力コネクタ端子152は、インバータ回路40,50をモータコイル22などに通電可能に接続するための端子部材である。出力コネクタ端子152は、インバータ装置30において出力ライン12oの一部を形成している。
【0088】
出力コネクタ150とモータコネクタ25とが互いに接続された状態では、出力コネクタ端子152とモータコネクタ端子26とが電気的に接続された状態になっている。モータユニット15では、インバータハウジング70がモータハウジング24に組み付けられることで、出力コネクタ150がモータコネクタ25に接続されるようになっている。
【0089】
出力コネクタ端子152は、出力コネクタ150に複数設けられている。複数の出力コネクタ端子152には、第1コネクタ端子152a及び第2コネクタ端子152bが含まれている。第1コネクタ端子152aは、第1出力ライン12oaの一部を形成している。第1コネクタ端子152aは、複数相のそれぞれに対して設けられている。第2コネクタ端子152bは、第2出力ライン12obの一部を形成している。第2コネクタ端子152bは、複数相のそれぞれに対して設けられている。
【0090】
出力コネクタケース151は、出力コネクタ端子152を収容している。出力コネクタケース151は、全体として板状に形成されている。出力コネクタケース151は、出力板面151a及び出力対向面151bを有している。出力板面151aは、出力コネクタケース151の板面であり、出力コネクタケース151の厚さ方向に一対並べられている。出力板面151aは、コネクタ板面に相当する。出力対向面151bは、出力コネクタケース151が有する一対の端面のうち一方の端面である。出力対向面151bは、出力コネクタ150とモータコネクタ25とが接続された状態で、モータコネクタ25に対向する面である。出力対向面151bは、出力コネクタ端子152の少なくとも一部を露出させた状態になっている。出力コネクタ端子152では、出力対向面151bにて露出した部分がモータコネクタ端子26に電気的に接続される。
【0091】
出力コネクタ端子152は、出力コネクタケース151において出力板面151a及び出力対向面151bに沿って複数並べられている。例えば、出力コネクタ端子152は、出力対向面151bに直交する方向に延びている。第1コネクタ端子152aと第2コネクタ端子152bとは、出力対向面151bに沿って並べられている。第1コネクタ端子152a及び第2コネクタ端子152bは、出力対向面151bに沿って複数ずつ並べられている。
【0092】
インバータ装置30は、第1出力配線143及び第2出力配線144を有している。出力配線143,144は、出力コネクタ150から延びている。出力配線143、144は、インバータモジュール100,110などに電気的に接続されている。第1出力配線143は、第1出力ライン12oaの少なくとも一部を形成する配線部材である。第1出力配線143は、第1コネクタ端子152aと第1出力端子106とにかけ渡されるように配線されている。第1出力配線143は、第1コネクタ端子152a及び第1出力端子106のそれぞれに通電可能に接続されている。第2出力配線144は、第2出力ライン12obの少なくとも一部を形成する配線部材である。第2出力配線144は、第2コネクタ端子152bと第2出力端子116とにかけ渡されるように配線されている。第2出力配線144は、第2コネクタ端子152b及び第2出力端子116のそれぞれに通電可能に接続されている。
【0093】
インバータ装置30は、第1駆動基板171、第2駆動基板172、切替駆動基板173及び制御基板174を有している。駆動基板171~173及び制御基板174は、プリント基板等の回路基板により形成されている。駆動基板171~173及び制御基板174は、全体として矩形板状に形成されている。第1駆動基板171は、第1駆動回路37aの少なくとも一部を形成している。第2駆動基板172は、第2駆動回路37bの少なくとも一部を形成している。切替駆動基板173は、切替駆動回路37cの少なくとも一部を形成している。制御基板174は、制御回路36の少なくとも一部を形成している。基板171~174は、通信線などの配線部材により互いに通信可能に接続されている。例えば、制御基板174は、第1駆動基板171、第2駆動基板172及び切替駆動基板173のそれぞれに通信可能に接続されている。
【0094】
図4に示すように、インバータ装置30は、フィルタ部品180を有している。フィルタ部品180は、インバータハウジング70に収容されている。フィルタ部品180は、電気部品や電子部品である。フィルタ部品180は、フィルタ回路33の少なくとも一部を形成している。フィルタ部品180は、フィルタ回路33を形成するための部品である。フィルタ部品180は、インバータハウジング70の内部空間に複数設けられている。複数のフィルタ部品180には、フィルタコイル部品181及びフィルタコンデンサ部品182が含まれている。フィルタコイル部品181は、フィルタコイルなどのコイル素子を形成している。コイル素子は、リアクトル素子と称されることがある。フィルタコンデンサ部品182は、フィルタコンデンサなどのコンデンサ素子を形成している。
【0095】
インバータ装置30は、フィルタ部品群180Gを有している。フィルタ部品群180Gは、インバータハウジング70に収容されている。フィルタ部品群180Gは、少なくとも2つのフィルタ部品180により形成されている。フィルタ部品群180Gでは、複数のフィルタ部品180が集合するようにまとめて配置されている。フィルタ部品群180G出は、隣り合う2つのフィルタ部品180が互いに接近した状態になっている。フィルタ部品群180Gでは、隣り合うフィルタ部品180の間に後述する電流センサは配線141~146が設けられていてもよい。フィルタ部品群180Gでは、隣り合う2つのフィルタ部品180の間にモジュール90,100,110,120,130などが設けられていない。
【0096】
なお、フィルタ部品群180Gには、インバータハウジング70に収容された全てのフィルタ部品180が含まれていなくてもよい。例えば、インバータハウジング70に収容された複数のフィルタ部品180のうち、少なくとも2つのフィルタ部品180がフィルタ部品群180Gに含まれていればよい。
【0097】
インバータ装置30は、入力コネクタ160を有している。入力コネクタ160は、インバータハウジング70に収容されている。入力コネクタ160は、インバータ回路40,50などをバッテリ11に通電可能に接続するためのコネクタ部材である。入力コネクタ160には、バッテリ11側の給電コネクタが着脱可能に接続されている。給電コネクタは、バッテリ11からモータユニット15に電力を供給するためのコネクタ部材である。なお、入力コネクタ160の少なくとも一部は、インバータハウジング70の外側に設けられていてもよい。
【0098】
入力コネクタ160は、入力コネクタケース161及び入力コネクタ端子162を有している。入力コネクタ端子162は、導電部材であり、銅等の導電材料により形成されている。入力コネクタ端子162は、インバータ回路40,50などをバッテリ11に通電可能に接続するための端子部材である。入力コネクタ端子162は、Pライン12pの一部やNライン12nの一部を形成している。
【0099】
入力コネクタ端子162は、入力コネクタ160に複数設けられている。複数の入力コネクタ端子162には、Pコネクタ端子162a及びNコネクタ端子162bが含まれている。Pコネクタ端子162aは、Pライン12pの一部を形成している。Nコネクタ端子162bは、Nライン12nの一部を形成している。
【0100】
入力コネクタケース161は、入力コネクタ端子162を収容している。入力コネクタケース161は、全体として板状に形成されている。入力コネクタケース161は、入力板面161a及び入力対向面161bを有している。入力板面161aは、入力コネクタケース161の板面であり、入力コネクタケース161の厚さ方向に一対並べられている。入力対向面161bは、入力コネクタケース161が有する一対の端面のうち一方の端面である。入力対向面161bは、入力コネクタ160と給電コネクタとが接続された状態で、給電コネクタに対向する面である。入力対向面161bは、入力コネクタ端子162の少なくとも一部を露出させた状態になっている。
【0101】
入力コネクタ端子162は、入力コネクタケース161において入力板面161a及び入力対向面161bに沿って複数並べられている。例えば、入力コネクタ端子162は、入力対向面161bに直交する方向に延びている。Pコネクタ端子162aとNコネクタ端子162bとは、入力対向面161bに沿って並べられている。例えば、Pコネクタ端子162a及びNコネクタ端子162bは、複数の入力コネクタ端子162に1つずつ含まれている。
【0102】
インバータ装置30は、P入力配線141及びN入力配線142を有している。入力配線141,142は、入力コネクタ160から延びている。入力配線141,142は、フィルタ部品180などに電気的に接続されている。P入力配線141は、Pライン12pの少なくとも一部を形成する配線部材である。P入力配線141は、Pコネクタ端子162aに通電可能に接続されている。N入力配線142は、Nライン12nの少なくとも一部を形成する配線部材である。N入力配線142は、Nコネクタ端子162bに通電可能に接続されている。
【0103】
図3~
図5に示すように、インバータ装置30は、冷却器80を有している。冷却器80は、インバータ装置30を冷却することが可能である。冷却器80は、冷媒を用いてインバータ装置30を冷却する。冷媒は、水などの液体である。冷媒は、空気などの気体でもよい。冷媒は、流体であればよい。冷却器80では、冷却器80の内部を冷媒が流れるようになっている。冷却器80は、冷却装置に含まれている。冷却装置は、駆動システム10と共に移動体に搭載されている。冷却装置は、冷媒を冷却器80に流すためのポンプを有している。冷却装置では、ポンプが駆動することで、冷却器80に冷媒が流れる。冷却装置は、ポンプと冷却器80とを接続するための接続配管を有している。冷却装置では、冷媒が冷却器80及び接続配管の両方を流れるようになっている。
【0104】
冷却器80は、水路81、水路壁82、第1水路コネクタ83及び第2水路コネクタ84を有している。水路81は、冷媒を流すための冷媒流路である。インバータハウジング70は、水路81の少なくとも一部を形成している。冷却器80は、水路81を形成している水路形成部を有している。水路形成部には、水路壁82や水路コネクタ83,84が含まれている。水路壁82、水路コネクタ83,84は、水路81の少なくとも一部を形成している。水路壁82は、流路形成部に相当する。なお、水路形成部には、配管部材などが含まれていてもよい。
【0105】
水路81及び水路壁82は、少なくとも第1空間71aと第2空間75aとの間に設けられている。水路81及び水路壁82は、第1底部73に沿って延びている。水路壁82には、第1外周壁72の一部と、第1底部73と、第2外周壁76の一部と、第2底部77と、が含まれている。水路壁82には、ケース外壁701aの一部と、ケース仕切壁701bと、が含まれている。インバータハウジング70の段差部分では、水路81及び水路壁82がインバータハウジング70の外面に沿って延びている。
【0106】
水路壁82は、高さ方向Zに直交する方向に延びた壁部である。水路壁82は、第1水路壁面82a及び第2水路壁面82bを有している。水路壁82が有する一対の壁面のうち、一方が第1水路壁面82aであり、他方が第2水路壁面82bである。第1水路壁面82a及び第2水路壁面82bは、高さ方向Zに直交する方向に延びている。水路壁82の少なくとも一部は、第1空間71aと第2空間75aとを仕切っている。水路壁82は、空間仕切部に相当する。水路壁82は、空間仕切壁と称されることがある。第1水路壁面82aは、第1空間71aを区画している。第2水路壁面82bは、第2空間75aを区画している。
【0107】
水路81は、水路壁82の内部に設けられている。水路81は、水路壁82において第1水路壁面82aと第2水路壁面82bとの間に設けられている。水路81は、水路壁面82a,82bに沿って延びている。水路81は、第1水路口811及び第2水路口812を有している。水路81が有する一対の端部のうち、一方が第1水路口811であり、他方が第2水路口812である。水路81は、水路壁面82a,82bに沿って延びる1本の流路になっている。水路81では、第1水路口811及び第2水路口812のうち、一方から冷媒が流入し、他方から冷媒が流出する。すなわち、第1水路口811及び第2水路口812の内、一方が流入口であり、他方が流出口である。
【0108】
水路コネクタ83,84は、水路81に冷却装置の接続配管を接続するためのコネクタ部材である。水路コネクタ83,84は、インバータハウジング70の外面に設けられている。水路コネクタ83,84は、ケース外壁701aから外側に向けて延びている。例えば、水路コネクタ83,84は、第1外周壁72と第2外周壁76との境界部を高さ方向Zに跨ぐ位置に設けられている。第1水路コネクタ83は、第1水路口811を形成している。第2水路コネクタ84は、第2水路口812を形成している。
【0109】
水路壁82には、水路壁孔85が設けられている。水路壁孔85は、水路壁82を高さ方向Zに貫通する孔である。水路壁孔85は、水路壁82に少なくとも1つ設けられている。水路壁孔85と水路81とは、高さ方向Zに直交する方向に並べられている。水路壁孔85は、高さ方向Zに直交する方向において水路81から離れた位置に設けられている。水路壁孔85は、第1空間71aと第2空間75aとを連通した状態になっている。
【0110】
インバータ装置30は、電流センサを有している。電流センサは、ホール素子等のセンサ素子を有している。電流センサは、電流検出部であり、出力ライン12oに流れる電流を検出する。電流センサは、Pライン12pやNライン12nに流れる電流を検出してもよい。
【0111】
本実施形態では、モジュール90,100,110,120,130が第1空間71a及び第2空間75aのうち一方に収容されている。
図3、
図5に示すように、モジュール90,100,110,120,130は、第1空間71a及び第2空間75aのうち第1空間71aだけに収容されている。モジュール90,100,110,120,130は、第1水路壁面82aに沿って並べられている。モジュール90,100,110,120,130は、高さ方向Zに直交する方向に並べられている。
【0112】
第1インバータモジュール100は、第1コンデンサモジュール120及び第2インバータモジュール110のそれぞれに隣り合う位置に設けられている。第2コンデンサモジュール130は、第1コンデンサモジュール120及び第2インバータモジュール110のそれぞれに隣り合う位置に設けられている。例えば、第1インバータモジュール100と第2インバータモジュール110とは、互いに隣り合うように幅方向Xに並べられている。第1コンデンサモジュール120と第2コンデンサモジュール130とは、互いに隣り合うように幅方向Xに並べられている。第1インバータモジュール100と第1コンデンサモジュール120とは、互いに隣り合うように奥行き方向Yに並べられている。第2インバータモジュール110と第2コンデンサモジュール130とは、互いに隣り合うように奥行き方向Yに並べられている。
【0113】
切替モジュール90は、第1コンデンサモジュール120及び第2コンデンサモジュール130の少なくとも一方に隣り合う位置に設けられている。例えば、第1コンデンサモジュール120及び第2コンデンサモジュール130のうち一方と、切替モジュール90とは、互いに隣り合うように奥行き方向Yに並べられている。本実施形態では、切替モジュール90と第2コンデンサモジュール130とが隣り合う位置に設けられている。切替モジュール90は、コンデンサモジュール120,130を介してインバータモジュール100,110とは反対側に設けられている。例えば、切替モジュール90は、第2コンデンサモジュール130を第2インバータモジュール110とは反対側に設けられている。
【0114】
なお、モジュール90,100,110,120,130のうち、隣り合う位置に設けられた2つのモジュールの間には、電流センサや配線141~146などがあってもよい。
【0115】
出力コネクタ150は、第1空間71aに収容されている。出力コネクタ150は、インバータモジュール100,110に隣り合う位置に設けられている。出力コネクタ150の少なくとも一部は、インバータモジュール100,110の並び方向に直交する直交方向において、第1インバータモジュール100及び第2インバータモジュール110の少なくとも一方に並ぶ位置に設けられている。例えば、出力コネクタ150は、第1インバータモジュール100及び第2インバータモジュール110の両方に対して奥行き方向Yに並べられている。出力コネクタ150は、幅方向Xにおいて第1インバータモジュール100と第2インバータモジュール110とにかけ渡されるように設けられている。出力コネクタ150は、第1インバータモジュール100及び第2インバータモジュール110のそれぞれに隣り合う位置に設けられている。なお、出力コネクタ150とインバータモジュール100,110との間には、配線部材や電流センサなどが設けられていてもよい。本実施形態では、幅方向Xがインバータモジュール100,110の並び方向に相当し、奥行き方向Yが直交方向に相当する。
【0116】
出力コネクタ150は、インバータモジュール100,110を介してコンデンサモジュール120,130とは反対側に設けられている。奥行き方向Yでは、一対の第1幅壁72xのうち一方とコンデンサモジュール120,130との間に切替モジュール90が設けられている。他方とインバータモジュール100,110との間には、出力コネクタ150が設けられている。奥行き方向Yでは、出力コネクタ150とスイッチ保護部103,113との間に出力端子106,116が設けられている。
【0117】
出力コネクタ150は、高さ方向Zに延びる向きで設けられている。出力コネクタ150では、出力板面151aが奥行き方向Yに直交する方向に延びている。出力コネクタ150では、出力対向面151bが高さ方向Zに直交する向きに延びている。出力対向面151bは、高さ方向Zのうちモータコネクタ25側を向いている。出力コネクタ150は、一方の第1幅壁72xに重ねられた状態になっている。出力コネクタ150では、複数のコネクタ端子26が第1幅壁72xに沿って幅方向Xに並べられている。
【0118】
インバータモジュール100,110は、高さ方向Zに直交する方向に延びている。駆動基板171,172は、高さ方向Zに直交する方向に延びている。第1インバータモジュール100と第1駆動基板171とは、高さ方向Zに並べられている。第1駆動基板171は、第1インバータモジュール100に重ねられた状態になっている。第1インバータモジュール100は、高さ方向Zにおいて水路壁82と第1駆動基板171との間に設けられている。第2インバータモジュール110と第2駆動基板172とは、高さ方向Zに並べられている。第2駆動基板172は、第2インバータモジュール110に重ねられた状態になっている。第2インバータモジュール110は、高さ方向Zにおいて水路壁82と第2駆動基板172との間に設けられている。
【0119】
インバータモジュール100,110は、P端子104,114及びN端子105,115と出力端子106,116とが奥行き方向Yに並ぶ向きで設けられている。インバータモジュール100,110では、P端子104,114及びN端子105,115がコンデンサモジュール120,130側にある。P端子104,114及びN端子105,115は、奥行き方向Yにおいて、スイッチ保護部103,113とコンデンサモジュール120,130との間にある。インバータモジュール100,110では、出力端子106,116が出力コネクタ150側にある。出力端子106,116は、奥行き方向Yにおいて、スイッチ保護部103,113と出力コネクタ150との間にある。
【0120】
制御基板174は、高さ方向Zに直交する方向に延びている。制御基板174の少なくとも一部は、第1駆動基板171及び第2駆動基板172の少なくとも一方に高さ方向Zに並ぶ位置に設けられている。制御基板174は、第1駆動基板171及び第2駆動基板172のうち一方に重ねられた状態になっている。例えば、制御基板174と第2駆動基板172とは高さ方向Zに並べられている。制御基板174は、高さ方向Zにおいて第2インバータモジュール110及び第2駆動基板172を介して水路壁82とは反対側に設けられている。
【0121】
切替モジュール90は、高さ方向Zに直交する方向に延びている。切替駆動基板173は、高さ方向Zに直交する方向に延びている。切替モジュール90と切替駆動基板173とは、高さ方向Zに並べられている。切替駆動基板173は、切替モジュール90に重ねられた状態になっている。切替モジュール90は、高さ方向Zにおいて水路壁82と切替駆動基板173との間に設けられている。切替モジュール90は、第1切替P端子94と第2切替P端子95とが幅方向Xに並ぶ向きで設けられている。
【0122】
水路壁82には、水路壁孔85として第1配線孔85aが設けられている。第1配線孔85aは、配線部材を挿通するための孔である。第1配線孔85aには、Pライン12pを形成する配線部材や、Nライン12nを形成する配線部材などが挿通されている。第1配線孔85aに挿通された配線部材は、切替モジュール90やコンデンサモジュール120に接続されている。第1配線孔85aは、第1切替P端子94及び第2切替P端子95のうち第1切替P端子94に近い位置に設けられている。
【0123】
水路81は、冷媒による冷却効果を第1空間71aに付与する。第1空間71aでは、冷媒による冷却効果がモジュール90,100,110,120,130や出力コネクタ150、配線143~146などに付与される。モジュール90,100,110,120,130の少なくとも1つは、水路81に対して高さ方向Zに並ぶ位置に設けられている。例えば、切替モジュール90及びインバータモジュール100,110が、水路81に対して高さ方向Zに重なる位置にある。
【0124】
水路81は、第1インバータ路81a、第2インバータ路81b及び切替路81cを有している。第1インバータ路81aは、水路81のうち第1インバータモジュール100に重なった部分である。第1インバータ路81aは、少なくとも第1上スイッチ部101及び第1下スイッチ部102に重なる位置にある。第2インバータ路81bは、水路81のうち第2インバータモジュール110に重なった部分である。第2インバータ路81bは、少なくとも第2上スイッチ部111及び第2下スイッチ部112に重なる位置にある。切替路81cは、水路81のうち切替モジュール90に重なった部位である。切替路81cは、少なくともPスイッチ61に重なる位置にある。水路81では、第1インバータ路81aと第2インバータ路81bと切替路81cとが冷媒の流れ方向に並べられている。冷媒の流れ方向は、水路81において第1水路口811と第2水路口812とが並んだ方向である。
【0125】
水路81を流れる冷媒は、第1インバータ路81a及び第2インバータ路81bのうち一方を通過した後に他方を通過する。すなわち、水路81を流れる冷媒は、第1インバータモジュール100及び第2インバータモジュール110のうち一方に到達した後に他方に到達する。例えば、第1水路口811が流入口になるように水路81に冷媒が流れる構成では、冷媒は、水路81において第2インバータモジュール110に到達した後に第1インバータモジュール100に到達する。また、第2水路口812が流入口になるように水路81に冷媒が流れる構成では、冷媒は、水路81において第1インバータモジュール100に到達した後に第2インバータモジュール110に到達する。
【0126】
また、水路81を流れる冷媒は、第1インバータ路81a、第2インバータ路81b及び切替路81cのうち1つずつ順番に通過する。すなわち、水路81を流れる冷媒は、第1インバータモジュール100、第2インバータモジュール110及び切替モジュール90のうち1つずつ順番に到達する。例えば、第1水路口811が流入口になるように水路81に冷媒が流れる構成では、冷媒は、水路81において切替モジュール90に到達した後、第2インバータモジュール110に到達し、その後、第1インバータモジュール100に到達する。また、第2水路口812が流入口になるように水路81に冷媒が流れる構成では、冷媒は、水路81において第1インバータモジュール100に到達した後、第2インバータモジュール110に到達し、その後、切替モジュール90に到達する。
【0127】
図4、
図5に示すように、フィルタ部品180は、第2空間75aに収容されている。フィルタ部品180は、第2水路壁面82bに沿って複数並べられている。例えば、複数のフィルタ部品180は、全体として第2奥行き壁76yに沿って奥行き方向Yに並べられている。
【0128】
入力コネクタ160は、第2空間75aに収容されている。入力コネクタ160は、高さ方向Zに直交する向きで設けられている。入力コネクタ160では、入力対向面161bがインバータハウジング70の外側に露出するように、入力コネクタケース161が第2外周壁76を貫通している。例えば、入力コネクタケース161は、第2幅壁76xを奥行き方向Yに貫通している。入力対向面161bは、奥行き方向Yに直交する方向に延びている。入力コネクタ160は、フィルタ部品群180Gを介して第1配線孔85aとは反対側に設けられている。入力コネクタ160は、奥行き方向Yにおいて、一対の第2幅壁76xのうち一方とフィルタ部品群180Gとの間に設けられている。
【0129】
フィルタ部品群180Gの少なくとも一部は、切替モジュール90、第2インバータモジュール110及び第2コンデンサモジュール130に対して高さ方向Zに並ぶ位置に設けられている。複数のフィルタ部品180には、高さ方向Zにおいて切替モジュール90に並ぶフィルタ部品180と、第2インバータモジュール110に並ぶフィルタ部品180と、第2コンデンサモジュール130に並ぶフィルタ部品180と、が含まれている。高さ方向Zにおいて切替モジュール90に並ぶフィルタ部品180としては、フィルタコイル部品181がある。高さ方向Zにおいて第2インバータモジュール110に並ぶフィルタ部品180としては、フィルタコンデンサ部品182がある。
【0130】
水路81は、冷媒による冷却効果を第2空間75aに付与する。第2空間75aでは、冷媒による冷却効果がフィルタ部品180などに付与される。複数のフィルタ部品180の少なくとも1つは、水路81に対して高さ方向Zに並ぶ位置に設けられている。例えば、フィルタコイル部品181及びフィルタコンデンサ部品182が、水路81に対して高さ方向Zに重なる位置にある。
【0131】
水路81は、フィルタ路81eを有している。フィルタ路81eは、水路81のうちフィルタ部品180に重なった部分である。例えば、水路81は、フィルタ路81eを複数有している。複数のフィルタ路81eには、フィルタコイル路81e1及びフィルタコンデンサ路81e2が含まれている。フィルタコイル路81e1は、フィルタコイル部品181に重なった部分である。フィルタコンデンサ路81e2は、フィルタコンデンサ部品182に重なった部分である。水路81では、複数のフィルタ路81eが冷媒の流れ方向に並べられている。例えば、フィルタコイル路81e1とフィルタコンデンサ路81e2とは、水路81において冷媒の流れ方向に並べられている。
【0132】
水路81を流れる冷媒は、フィルタコイル路81e1及びフィルタコンデンサ路81e2のうち一方を通過した後に他方を通過する。すなわち、冷媒は、水路81においてフィルタコイル部品181及びフィルタコンデンサ部品182のうち一方に到達した後に他方に到達する。
【0133】
水路81では、第1水路口811と第2水路口812とが奥行き方向Yに並べられている。一対の第1幅壁72xのうち一方側に第1水路口811が設けられ、他方側に第2水路口812が設けられている。例えば、一対の幅壁72x,76xのうち一方に第1水路コネクタ83が設けられ、他方に第2水路コネクタ84が設けられている。なお、水路81では、第1水路口811と第2水路口812とが幅方向Xに並べられていてもよい。また、一対の奥行き壁72y,76yのうち一方に第1水路コネクタ83が設けられ、他方に第2水路コネクタ84が設けられていてもよい。さらに、幅壁72x,76x及び奥行き壁72y,76yのうち一方に第1水路コネクタ83が設けられ、他方に第2水路コネクタ84が設けられていてもよい。
【0134】
図3~
図5に示すように、インバータハウジング70に収容された複数の部品には、水路81を介して高さ方向Zに並ぶ2つの部品が含まれている。例えば、フィルタコイル部品181の少なくとも一部は、水路81を介して切替モジュール90に並ぶ位置に設けられている。水路81では、フィルタコイル路81e1の少なくとも一部が切替路81cに重複している。フィルタコンデンサ部品182の少なくとも一部は、水路81を介して第2インバータモジュール110に並ぶ位置に設けられている。水路81では、フィルタコンデンサ路81e2の少なくとも一部が第2インバータモジュール110に重複している。
【0135】
<構成群A>
ここまで説明した本実施形態によれば、第1インバータモジュール100、第2インバータモジュール110及び切替モジュール90は、互いに独立した部品として、それぞれインバータハウジング70に収容されている。この構成では、インバータハウジング70の内部において、第1インバータモジュール100と第2インバータモジュール110と切替モジュール90との相対的な位置関係に関する自由度を高めることができる。このため、第1インバータモジュール100や第2インバータモジュール110、切替モジュール90の仕様などに合わせて、インバータハウジング70として専用ハウジングを用いるという必要が生じにくい。したがって、モータユニット15やインバータ装置30において、インバータハウジング70の汎用性を高めることができる。
【0136】
第1インバータ回路40及び第2インバータ回路50のうち一方において、複数相のうち1つの相が短絡相になった場合を想定する。短絡相は、複数相のうち上アームスイッチ及び下アームスイッチの両方が通電状態になった相である。例えば、第2インバータ回路50で短絡相が発生した場合を想定する。この場合、第2インバータ回路50側では、第2平滑コンデンサ32に蓄えられた電力により第2循環電流Ic2(
図1参照)が流れることがある。第2循環電流Ic2は、第2平滑コンデンサ32から短絡相の第2上下アーム回路51を通って第2平滑コンデンサ32に戻ってくるように循環して流れる。なお、
図1では、左端の第2上下アーム回路51が短絡相になった場合を図示している。
【0137】
インバータ装置30では、第2循環電流Ic2が流れる第2循環経路が長いほど第2循環インダクタンスが増加しやすい。第2循環インダクタンスは、第2循環経路に寄生する寄生インダクタンス等のインダクタンスである。第2循環経路では、第2循環インダクタンスが大きいほど、短絡相の短絡に伴って発生するサージ電圧が大きくなりやすい。そして、第2循環電流Ic2による大きなサージ電圧が短絡相のアームスイッチ52,53に印加されると、そのアームスイッチ52,53に異常が発生することが懸念される。
【0138】
第2インバータ回路50で短絡相が発生した場合、第1インバータ回路40側でも、第1平滑コンデンサ31に蓄えられた電力により第1循環電流Ic1(
図1参照)が流れることがある。第1循環電流Ic1は、第1平滑コンデンサ31から短絡相の第2上下アーム回路51を通って第1平滑コンデンサ31に戻ってくるように循環して流れる。第1循環電流Ic1は、オープン結線駆動時などPスイッチ61が通電状態にある場合に生じる。
【0139】
インバータ装置30では、第1循環電流Ic1が流れる第1循環経路が長いほど第1循環インダクタンスが増加しやすい。第1循環インダクタンスは、第1循環経路に寄生する寄生インダクタンス等のインダクタンスである。第1循環経路では、第1循環インダクタンスが大きいほど、短絡相の短絡に伴って発生するサージ電圧が大きくなりやすい。そして、第1循環電流Ic1による大きなサージ電圧が短絡相のアームスイッチ52,53に印加されると、そのアームスイッチ52,53に異常が発生することが懸念される。
【0140】
第1循環電流Ic1が流れる第1循環経路には、切替Pライン12pc及び切替Nライン12ncが含まれる。このため、切替Pライン12pcや切替Nライン12ncが長いほど、第1循環インダクタンスが増加しやすく、サージ電圧による第2上アームスイッチ52や第2下アームスイッチ53の異常が発生しやすくなることが懸念される。
【0141】
また、第1インバータ回路40で短絡相が発生した場合には、第2循環電流Ic2が流れる第2循環経路に切替Pライン12pc及び切替Nライン12ncが含まれる。このため、切替Pライン12pcや切替Nライン12ncが長いほど、第2循環インダクタンスが増加しやすく、サージ電圧による第1上アームスイッチ42や第1下アームスイッチ43の異常が発生しやすくなることが懸念される。
【0142】
これら懸念に対して、本実施形態によれば、切替モジュール90の少なくとも一部は、インバータモジュール100,110が並ぶ幅方向Xに直交する奥行き方向Yにおいて、インバータモジュール100,110の少なくとも一方に並べられている。この構成では、第1インバータモジュール100、第2インバータモジュール110及び切替モジュール90という3つのモジュールが互いに集合した状態で配置されている。このため、第1インバータモジュール100や第2インバータモジュール110、切替モジュール90を通電可能に接続する経路が極力短くなるように配線部材を配線することが可能である。すなわち、インバータハウジング70において、切替Pライン12pcや切替Nライン12ncが極力短くなるように配線しやすい。
【0143】
このように切替Pライン12pcや切替Nライン12ncが極力短くなっていれば、仮に第1インバータ回路40や第2インバータ回路50にて短絡相が発生したとしても、第1循環経路や第2循環経路を極力短くできる。これにより、第1循環インダクタンスや第2循環インダクタンスを極力小さくすることができ、サージ電圧により短絡相のアームスイッチ42,43,52,53に異常が発生するということを抑制できる。したがって、第1インバータモジュール100と第2インバータモジュール110と切替モジュール90との相対的な位置関係に関する自由度を高めることで、インバータ装置30の異常が発生することを抑制できる。
【0144】
本実施形態によれば、切替モジュール90は、第1インバータモジュール100と第2インバータモジュール110とに幅方向Xにかけ渡されるように設けられている。この構成では、切替モジュール90を第1インバータモジュール100及び第2インバータモジュール110の両方に極力近い位置に配置できる。また、インバータモジュール100,110では、P端子104,114及びN端子105,115が切替モジュール90側に設けられている。P端子104,114及びN端子105,115は、切替Pライン12pcや切替Nライン12ncを形成する配線部材が接続される端子である。このため、P端子104,114及びN端子105,115の位置により、切替Pライン12pcや切替Nライン12ncを極力短くすることが可能である。
【0145】
本実施形態によれば、水路壁82は、第1空間71aと第2空間75aとを仕切るように設けられ、且つ水路81を形成している。この構成では、水路81を流れる冷媒により第1空間71aや第2空間75aの冷却や放熱を行うことができる。すなわち、冷媒による冷却効果をインバータモジュール100,110や切替モジュール90に付与できる。
【0146】
また、インバータモジュール100,110及び切替モジュール90はいずれも、第1空間71aに設けられている。この構成では、第1インバータモジュール100や第2インバータモジュール110、切替モジュール90を接続する配線部材を第1空間71aだけに配線することが可能である。このため、切替Pライン12pcや切替Nライン12ncを形成する配線部材が水路壁82を貫通しないように配線することが可能である。例えば、この配線部材を水路81を避けた位置で水路壁82を貫通するように迂回させる必要がない。したがって、第1空間71aにおいて、切替Pライン12pcや切替Nライン12ncが極力短くなるように配線部材を配線できる。
【0147】
本実施形態によれば、インバータハウジング70には、同一部品であるインバータ部品が2つ収容されている。そして、2つのインバータ部品のうち一方が第1インバータモジュール100として用いられ、他方が第2インバータモジュール110として用いられる。この構成では、第1インバータモジュール100及び第2インバータモジュール110のそれぞれについて個別に仕様や大きさ、形状を設定する必要がない。このようにインバータモジュール100,110の汎用性を高めることで、インバータ装置30の汎用性を高めることができる。
【0148】
本実施形態によれば、インバータハウジング70に収容されたフィルタ部品群180Gでは、複数のフィルタ部品180が集合するように設けられている。この構成では、複数のフィルタ部品180を通電可能に接続するための配線部材を極力短くすることができる。このため、フィルタ回路33に接続されたPライン12pやNライン12nが長くなることに起因してフィルタ回路33のフィルタ効果が低下する、ということを抑制できる。また、この構成では、フィルタ回路33に対するPライン12pの長さとNライン12nの長さとがばらつきにくい。このため、フィルタ回路33に対するPライン12pの長さとNライン12nの長さとがばらつくことに起因して電磁ノイズ等のノイズがフィルタ回路33で悪化する、ということを抑制できる。
【0149】
本実施形態によれば、第1空間71aには、インバータモジュール100,110が設けられている一方で、第2空間75aには、フィルタ部品群180Gが設けられている。この構成では、第2空間75aにおいて複数のフィルタ部品180の配置に関する自由度がインバータモジュール100,110の存在によって低下する、ということを回避できる。例えば、フィルタ部品群180Gにおいて、フィルタ部品180を配置するべき位置にインバータモジュール100,110が存在していて、その位置にフィルタ部品180を配置することができない、ということを抑制できる。したがって、フィルタ部品群180Gでは、フィルタ回路33のフィルタ機能が発揮されやすいように複数のフィルタ部品180を配置することができる。すなわち、フィルタ部品180の配置によりフィルタ回路33のフィルタ機能を高めることができる。
【0150】
本実施形態によれば、第1インバータ回路40は第1コイル端22aに接続されており、第2インバータ回路50は第2コイル端22bに接続されている。この構成では、インバータ回路40,50や切替回路60の駆動により、複数の駆動態様でモータ20を駆動させることができる。このようにモータ20の駆動態様を複数選択可能にすることで、複数相のモータコイル22が発揮できる性能を高めることができる。
【0151】
<構成群B>
本実施形態によれば、水路81を流れる冷媒により、インバータモジュール100,110や切替モジュール90を冷却することができる。また、インバータモジュール100,110及びコンデンサモジュール120,130は、第1空間71aに設けられている。この構成では、インバータモジュール100,110とコンデンサモジュール120,130とを通電可能に接続するコンデンサ配線145、146等の配線部材が水路壁82を貫通しないように配線することが可能になる。換言すれば、この配線部材を水路81を避けた位置で水路壁82を貫通させて迂回するように配線する、という必要がない。このため、インバータモジュール100,110とコンデンサモジュール120,130とを接続する配線部材が長くなってインダクタンスが増加する、ということを抑制できる。
【0152】
以上のように、インバータモジュール100,110やコンデンサモジュール120,130について、温度上昇やインダクタンス増加が生じることでインバータ回路40,50の性能が低下する、ということを抑制できる。したがって、モータユニット15やインバータ装置30において、インバータ回路40,50の性能が発揮されやすい構成を実現できる。
【0153】
本実施形態によれば、第1インバータモジュール100と第1コンデンサモジュール120とは、互いに隣り合うように水路壁82に沿って奥行き方向Yに並べられている。この構成では、第1インバータモジュール100と第1コンデンサモジュール120とが水路壁82を介さずに極力近い位置に配置されている。このため、第1インバータモジュール100と第1コンデンサモジュール120とを通電可能に接続する第1コンデンサ配線145等の配線部材を極力短くできる。したがって、仮にインバータ回路40,50にて短絡相が発生したとしても、第1循環経路を極力短くすることや、第1循環インダクタンスを低減することが可能である。
【0154】
また、第2インバータモジュール110と第2コンデンサモジュール130とは、互いに隣り合うように水路壁82に沿って並べられている。この構成では、第2インバータモジュール110と第2コンデンサモジュール130とが水路壁82を介さずに極力近い位置に配置されている。このため、第2インバータモジュール110と第2コンデンサモジュール130とを通電可能に接続する第2コンデンサ配線146等の配線部材を極力短くできる。したがって、仮にインバータ回路40,50にて短絡相が発生したとしても、第2循環経路を極力短くすることや、第2循環インダクタンスを低減することが可能である。
【0155】
インバータ装置30では、第1インバータ回路40でのスイッチングによりサージ電圧が発生したとしても、このサージ電圧が第1平滑コンデンサ31により低減される。ただ、第1インバータ回路40と第1平滑コンデンサ31とを接続する通電経路が長いと、この通電経路のインダクタンスが増加し、第1平滑コンデンサ31がサージ電圧を低減する効果が低下しやすい。これに対して、本実施形態によれば、第1インバータモジュール100と第1コンデンサモジュール120とが隣り合う位置にあるため、第1インバータ回路40と第1平滑コンデンサ31とを接続する通電経路を極力短くできる。そうすると、通電経路のインダクタンスが低減されるため、第1平滑コンデンサ31によるサージ電圧の低減効果が高くなりやすい。したがって、第1インバータ回路40の性能がサージ電圧によって低下するということを抑制できる。
【0156】
また、インバータ装置30では、第2インバータ回路50でのスイッチングによりサージ電圧が発生したとしても、このサージ電圧が第2平滑コンデンサ32により低減される。ただ、第2インバータ回路50と第2平滑コンデンサ32とを接続する通電経路が長いと、この通電経路のインダクタンスが増加し、第2平滑コンデンサ32がサージ電圧を低減する効果が低下しやすい。これに対して、本実施形態によれば、第2インバータモジュール110と第2コンデンサモジュール130とが隣り合う位置にあるため、第2インバータ回路50と第2平滑コンデンサ32とを接続する通電経路を極力短くできる。そうすると、通電経路のインダクタンスが低減されるため、第2平滑コンデンサ32によるサージ電圧の低減効果が高くなりやすい。したがって、第2インバータ回路50の性能がサージ電圧によって低下するということを抑制できる。
【0157】
インバータ装置30では、第1インバータ回路40と第1平滑コンデンサ31とを接続する通電経路と、第2インバータ回路50と第2平滑コンデンサ32とを接続する通電経路と、の長さが異なると、これら通電経路でインダクタンスに差が生じやすい。インダクタンスに差が生じた場合、サージ電圧の低減効果に差が生じ、第1インバータ回路40が発揮できる性能と第2インバータ回路50が発揮できる性能とに差が生じやすい。この場合、第1インバータ回路40及び第2インバータ回路50のうち発揮できる性能が低い方のインバータ回路が、モータ20の性能を引き下げたような状態になることがある。例えば、第1インバータ回路40が発揮できる性能が第2インバータ回路50が発揮できる性能に比べて低い場合、モータ20が第1インバータ回路40の性能に合わせて駆動するという状態になることがある。
【0158】
これに対して、本実施形態によれば、第1インバータモジュール100と第1コンデンサモジュール120とが隣り合うように設けられ、且つ第2インバータモジュール110と第2コンデンサモジュール130とが隣り合うように設けられている。この構成では、第1インバータ回路40と第1平滑コンデンサ31とを接続する通電経路の長さと、第2インバータ回路50と第2平滑コンデンサ32とを接続する通電経路の長さと、の差が極力小さくなるように配線部材を配線することができる。このため、第1インバータ回路40と第2インバータ回路50とでサージ電圧の低減効果に差が生じ、発揮できる性能が低くなった方のインバータ回路がモータ20の性能を引き下げたような状態になる、ということを抑制できる。
【0159】
本実施形態によれば、第1インバータモジュール100と第2インバータモジュール110は、互いに隣り合うように水路壁82に沿って並べられている。この構成では、第1インバータモジュール100と第2インバータモジュール110とが水路壁82を介さずに極力近い位置に配置されている。このため、第1インバータモジュール100と第2インバータモジュール110とを接続する配線部材を極力短くできる。すなわち、切替Pライン12pcや切替Nライン12ncを形成する配線部材を極力短くできる。したがって、仮にインバータ回路40,50いて短絡相が発生したとしても、切替Pライン12pcや切替Nライン12ncが短いことで、第1循環インダクタンスや第2循環インダクタンスを低減することができる。
【0160】
駆動システム10では、第1平滑コンデンサ31と第2平滑コンデンサ32とがインバータ回路40,50を介して通電可能に接続されている。この構成では、第1平滑コンデンサ31及び第2平滑コンデンサ32のそれぞれに流れる電流が、リプル電流などにより脈動することがある。第1平滑コンデンサ31に流れる電流と、第2平滑コンデンサ32に流れる電流とが共振すると、平滑コンデンサ31,32に流れる電流が大きくなりすぎることが懸念される。平滑コンデンサ31,32に流れる電流が大きくなりすぎる場合としては、この電流が平滑コンデンサ31,32の定格電流値を超える場合などがある。平滑コンデンサ31,32に流れる電流が大きくなりすぎると、平滑コンデンサ31,32に異常が発生しやすくなることが考えられる。
【0161】
そして、駆動システム10では、第1平滑コンデンサ31と第2平滑コンデンサ32とを通電可能に接続するコンデンサ経路が長いと、コンデンサ経路のインダクタンスが大きくなりやすい。コンデンサ経路のインダクタンスは、コンデンサ経路に寄生する寄生インダクタンスなどである。そして、コンデンサ経路のインダクタンスが大きいと、第1平滑コンデンサ31に流れる電流と第2平滑コンデンサ32に流れる電流とが共振しやすい。
【0162】
これに対して、本実施形態によれば、第1コンデンサモジュール120と第2コンデンサモジュール130とは、互いに隣り合うように水路壁82に沿って並べられている。この構成では、第1コンデンサモジュール120と第2コンデンサモジュール130とが水路壁82を介さずに極力近い位置に配置されている。このため、第1コンデンサモジュール120と第2コンデンサモジュール130とを接続する配線部材を極力短くできる。すなわち、コンデンサ経路を極力短くできる。このようにコンデンサ経路を極力短くすることでコンデンサ経路のインダクタンスが低減されるため、第1平滑コンデンサ31に流れる電流と第2平滑コンデンサ32に流れる電流とが共振するということを抑制できる。したがって、平滑コンデンサ31,32に流れる電流が電流の共振によって大きくなりすぎるということを抑制できる。
【0163】
また、インバータモジュール100,110を接続する配線部材や、コンデンサモジュール120,130を接続する配線部材が短くなることで、これら配線部材で発生する熱を低減できる。このため、配線部材により発生する熱でインバータ回路40,50の性能が低下するということを抑制できる。
【0164】
本実施形態によれば、水路81は、冷媒が第1インバータモジュール100及び第2インバータモジュール110のうち一方に到達した後に他方に到達するように設けられている。この構成では、冷媒によりインバータモジュール100,110を冷却する上で、冷媒が分岐する分岐部分や冷媒が交流する合流部分を水路81に形成する必要がない。このため、冷媒が水路81を流れにくくなって冷媒によるインバータモジュール100,110の冷却効果が低下する、ということを抑制できる。
【0165】
本実施形態によれば、切替モジュール90は、インバータモジュール100,110やコンデンサモジュール120,130と共に第1空間71aに設けられている。この構成では、切替Pライン12pcが極力短くなるように、切替モジュール90とインバータモジュール100,110との位置関係を設定できる。このため、インバータモジュール100,110を接続する配線部材や、コンデンサモジュール120,130を接続する配線部材を極力短くできる。したがって、短絡相が発生した際の循環インダクタンスを低減することや、平滑コンデンサ31,32の電流共振を抑制することが可能である。
【0166】
また、この構成では、切替モジュール90とインバータモジュール100,110やコンデンサモジュール120,130とを接続する配線部材が水路壁82を貫通しないように配線することが可能である。例えば、切替モジュール90から延びる配線部材などを水路81を避けた位置で水路壁82を貫通するように迂回させる必要がない。したがって、切替モジュール90とインバータモジュール100,110やコンデンサモジュール120,130とを接続する配線部材を極力短くできる。
【0167】
本実施形態によれば、水路81は、冷媒が第1インバータモジュール100、第2インバータモジュール110及び切替モジュール90のうち1つずつ順番に到達するように設けられている。この構成では、冷媒によりインバータモジュール100,110及び切替モジュール90を冷却する上で、冷媒が分岐する分岐部分や冷媒が合流する合流部分を水路81に形成する必要がない。このため、冷媒が水路81を流れにくくなって冷媒によるインバータモジュール100,110及び切替モジュール90の冷却効果が低下する、ということを抑制できる。
【0168】
本実施形態によれば、第1空間71aには、インバータモジュール100,110及びコンデンサモジュール120,130が設けられている一方で、第2空間75aには、フィルタ部品群180Gが設けられている。この構成では、第2空間75aにおいて複数のフィルタ部品180の配置に関する自由度がインバータモジュール100,110及びコンデンサモジュール120,130の存在によって低下する、ということを回避できる。例えば、フィルタ部品群180Gにおいて、フィルタ部品180を配置するべき位置にコンデンサモジュール120,130が存在していて、その位置にフィルタ部品180を配置することができない、ということを抑制できる。
【0169】
本実施形態によれば、フィルタコイル部品181及びフィルタコンデンサ部品182の少なくとも一方は、水路81に重なる位置に設けられている。この構成では、冷媒による冷却効果をフィルタコイル部品181やフィルタコンデンサ部品182に付与できる。このため、フィルタコイル部品181やフィルタコンデンサ部品182の温度が上昇してフィルタ回路33のフィルタ機能が低下する、ということを抑制できる。
【0170】
<構成群D>
本実施形態によれば、出力コネクタ150の少なくとも一部は、奥行き方向Yにおいて第1インバータモジュール100及び第2インバータモジュール110の少なくとも一方に並ぶ位置に設けられている。この構成では、第1出力ライン12oaの長さと第2出力ライン12obの長さとの差が極力小さくなるように、出力コネクタ150を配置することが可能である。例えば、出力コネクタ150と第1インバータモジュール100とを接続する配線部材の長さと、出力コネクタ150と第2インバータモジュール110とを接続する配線部材の長さと、の差を極力小さくできる。このため、第1出力ライン12oaの長さと第2出力ライン12obの長さとの差が大きくなって、第1インバータ回路40に対するインダクタンスと第2インバータ回路50に対するインダクタンスとの差が大きくなる、ということを抑制できる。したがって、第1インバータ回路40及び第2インバータ回路50のうちインダクタンスが大きい方の性能が適正に発揮されない、ということを抑制できる。これにより、第1インバータ回路40及び第2インバータ回路50のそれぞれの性能が発揮されやすい構成を実現できる。
【0171】
第1インバータ回路40に対するインダクタンスとしては、第1出力ライン12oaのインダクタンスなどがある。第1出力ライン12oaのインダクタンスとしては、第1出力ライン12oaに寄生する寄生インダクタンスなどがある。インバータ装置30では、第1出力ライン12oaのインダクタンスが大きいほど、第1インバータ回路40が発揮できる性能が低下しやすい。すなわち、第1出力ライン12oaを形成する配線部材が長いほど、第1インバータ回路40が発揮できる性能が低下しやすい。第2出力ライン12obのインダクタンスとしては、第2出力ライン12obに寄生する寄生インダクタンスなどがある。インバータ装置30では、第2出力ライン12obのインダクタンスが大きいほど、第2インバータ回路50が発揮できる性能が低下しやすい。すなわち、第2出力ライン12obを形成する配線部材が長いほど、第2インバータ回路50が発揮できる性能が低下しやすい。
【0172】
本実施形態では、出力コネクタ150の少なくとも一部が奥行き方向Yにおいてインバータモジュール100,110の少なくとも一方に並ぶ位置にあることで、出力ライン12oa,12obが極力短くなるように配線部材を配線することが可能である。この構成では、インバータ回路40,50に対するインダクタンスが低減しやすいため、インバータ回路40,50が発揮できる性能を高めることができる。
【0173】
本実施形態によれば、出力コネクタ150は、第1インバータモジュール100及び第2インバータモジュール110のそれぞれに隣り合う位置に設けられている。この構成では、出力コネクタ150を第1インバータモジュール100及び第2インバータモジュール110の両方に極力近い位置に配置できる。このため、出力コネクタ150と第1インバータモジュール100とを接続する配線部材の長さ、及び出力コネクタ150と第2インバータモジュール110とを接続する配線部材の長さ、のそれぞれを極力短くできる。したがって、第1出力ライン12oa及び第2出力ライン12obのそれぞれを極力短くすることができる。
【0174】
本実施形態によれば、第1インバータモジュール100と第2インバータモジュール110とは、出力板面151aに沿って並べられている。この構成では、出力コネクタ150が有する複数の出力コネクタ端子152が、出力板面151aに沿って並べられることで、インバータモジュール100,110の並び方向である幅方向Xに並べられる。このため、出力コネクタ端子152とインバータモジュール100,110との距離が複数の出力コネクタ端子152のそれぞれで大きく異なる、ということを抑制できる。したがって、出力コネクタ150と第1インバータモジュール100とを接続する配線部材の長さと、出力コネクタ150と第2インバータモジュール110とを接続する配線部材の長さと、の差を極力小さくできる。
【0175】
本実施形態によれば、第1コネクタ端子152aと第2コネクタ端子152bとは、第1インバータモジュール100と第2インバータモジュール110とが並ぶ幅方向Xに並べられている。この構成では、出力コネクタ150において、第1インバータモジュール100に接続される第1コネクタ端子152aを、第1インバータモジュール100に近い位置に配置しやすい。また、第2インバータモジュール110に接続される第2コネクタ端子152bを、第2インバータモジュール110に近い位置に配置しやすい。このため、第1コネクタ端子152aと第1インバータモジュール100とを接続する配線部材の長さと、第2コネクタ端子152bと第2インバータモジュール110とを接続する配線部材の長さと、の差を極力小さくすることができる。したがって、第1コネクタ端子152a及び第2コネクタ端子152bの位置関係により、第1出力ライン12oaの長さと第2出力ライン12obの長さとの差を極力小さくすることができる。
【0176】
本実施形態によれば、インバータモジュール100,110では、出力端子106,116が奥行き方向Yにおいてスイッチ保護部103,113と出力コネクタ150との間に設けられている。この構成では、出力端子106,116を出力コネクタ150に極力近い位置に配置できる。このため、出力端子106,116と出力コネクタ150とを接続する配線部材を極力短くできる。また、この構成では、第1出力端子106及び第2出力端子116の両方を出力コネクタ150に極力近い位置に配置できる。このため、第1出力端子106と出力コネクタ150とを接続する配線部材の長さと、第2出力端子116と出力コネクタ150とを接続する配線部材の長さとの差を極力小さくすることができる。
【0177】
本実施形態によれば、出力コネクタ150は、第1インバータモジュール100と第2インバータモジュール110とに幅方向Xにかけ渡されるように設けられている。この構成では、第1コネクタ端子152aを第1インバータモジュール100に極力近い位置に配置すること、第2コネクタ端子152bを第2インバータモジュール110に極力近い位置に配置すること、の両方を実現できる。
【0178】
本実施形態によれば、出力コネクタ150とインバータモジュール100,110とが水路壁82に沿って並べられている。この構成では、水路81を流れる冷媒の冷却効果が出力コネクタ150やインバータモジュール100,110に付与されやすい構成を実現できる。また、この構成では、出力コネクタ150とインバータモジュール100,110とを接続する配線部材にも冷媒の冷却効果が付与されやすい構成を実現できる。
【0179】
本実施形態によれば、出力コネクタ150は、インバータモジュール100,110と共に第1空間71aに設けられている。この構成では、出力コネクタ150とインバータモジュール100,110とを接続する配線部材が水路壁82を貫通しないように配線することが可能である。したがって、第1出力ライン12oaや第2出力ライン12obが極力短くなるように配線部材を配線できる。
【0180】
本実施形態によれば、出力コネクタ150は、奥行き方向Yにおいてインバータモジュール100,110を介してコンデンサモジュール120,130とは反対側に設けられている。この構成では、出力コネクタ150とインバータモジュール100,110とを接続する配線部材がコンデンサモジュール120,130を避けて迂回するように配線する必要がない。このため、出力コネクタ150とコンデンサモジュール120,130との位置関係により、第1出力ライン12oaや第2出力ライン12obが極力短くなるように配線部材を配線できる。
【0181】
<第2実施形態>
上記第1実施形態では、第1インバータモジュール100と第2インバータモジュール110とが幅方向Xに並べられている。これに対して、第2実施形態では、第1インバータモジュール100と第2インバータモジュール110とが奥行き方向Yに並べられている。第2実施形態で特に説明しない構成、作用、効果については上記第1実施形態と同様である。第2本実施形態では、上記第1実施形態と異なる点を中心に説明する。
【0182】
図6、
図8に示すように、第1インバータモジュール100と第2インバータモジュール110とは、互いに隣り合うように奥行き方向Yに並べられている。第1コンデンサモジュール120と第2コンデンサモジュール130とは、互いに隣り合うように奥行き方向Yに並べられている。第1インバータモジュール100と第1コンデンサモジュール120とは、互いに隣り合うように幅方向Xに並べられている。第2インバータモジュール110と第2コンデンサモジュール130とは、互いに隣り合うように幅方向Xに並べられている。
【0183】
切替モジュール90と第1コンデンサモジュール120とは、互いに隣り合うように幅方向Xに並べられている。切替モジュール90は、幅方向Xにおいてコンデンサモジュール120,130を介してインバータモジュール100,110とは反対側に設けられている。切替モジュール90は、第1コンデンサモジュール120に隣り合う位置に設けられている。第1コンデンサモジュール120は、第1インバータモジュール100と切替モジュール90との間に設けられている。
【0184】
出力コネクタ150は、奥行き方向Yにおいて第1インバータモジュール100及び第2インバータモジュール110のうち一方を介して他方とは反対側に設けられている。例えば、出力コネクタ150は、第1インバータモジュール100を介して第2インバータモジュール110とは反対側に設けられている。本実施形態では、奥行き方向Yがインバータモジュール100,110の並び方向に相当し、幅方向Xが直交方向に相当する。
【0185】
出力コネクタ150の少なくとも一部は、第1インバータモジュール100及び第2インバータモジュール110の両方に奥行き方向Yに並ぶ位置に設けられている。出力コネクタ150は、インバータモジュール100,110から幅方向Xのうち一方側にはみ出た状態になっている。例えば、出力コネクタ150は、インバータモジュール100,110から第1奥行き壁72y側にはみ出した状態になっている。出力コネクタ150は、コンデンサモジュール120,130から幅方向Xに離れた位置に設けられている。また、出力コネクタ150は、切替モジュール90から幅方向Xに離れた位置に設けられている。
【0186】
インバータモジュール100,110は、P端子104,114及びN端子105,115と出力端子106,116とが幅方向Xに並ぶ向きで設けられている。P端子104,114及びN端子105,115は、幅方向Xにおいて、スイッチ保護部103,113とコンデンサモジュール120,130との間にある。出力端子106,116は、幅方向Xにおいて、スイッチ保護部103,113と第1奥行き壁72yとの間にある。出力端子106,116は、第1奥行き壁72yに沿って奥行き方向Yに並べられている。出力コネクタ150は、出力端子106,116に奥行き方向Yに並ぶ位置に設けられている。
【0187】
切替モジュール90は、第1切替P端子94と第2切替P端子95とが奥行き方向Yに並ぶ向きで設けられている。
【0188】
図7、
図8に示すように、フィルタ部品群180Gは、第1インバータモジュール100と第2インバータモジュール110とに奥行き方向Yにかけ渡されるように設けられている。複数のフィルタ部品180は、第1インバータモジュール100と第2インバータモジュール110とが並ぶ奥行き方向Yに並べられている。複数のフィルタ部品180には、高さ方向Zにおいて第1インバータモジュール100に並ぶフィルタ部品180と、第2インバータモジュール110に並ぶフィルタ部品180と、が含まれている。高さ方向Zにおいて第1インバータモジュール100に並ぶフィルタ部品180としては、フィルタコンデンサ部品182がある。高さ方向Zにおいて第2インバータモジュール110に並ぶフィルタ部品180としては、フィルタコイル部品181がある。
【0189】
水路81は、インバータ路81a,81b及び切替路81cに加えて、第1コンデンサ路81f及び出力配線路81hを有している。第1コンデンサ路81fは、水路81のうち第1コンデンサモジュール120に重なった部分である。第1コンデンサ路81fでは、冷媒による冷却効果が第1コンデンサモジュール120に付与されやすい。出力配線路81hは、水路81のうち出力配線143,144に重なった部分である。出力配線路81hでは、冷媒による冷却効果が出力配線143,144に付与されやすい。
【0190】
<構成群A>
本実施形態によれば、フィルタ部品群180Gは、第1インバータモジュール100と第2インバータモジュール110とに奥行き方向Yにかけ渡されるように設けられている。この構成では、フィルタ部品群180Gを設置するスペースとして、第1インバータモジュール100と第2インバータモジュール110とが並ぶほどに広いスペースを確保できる。このため、フィルタ部品群180Gの設置スペースが不足して、複数のフィルタ部品180をフィルタ回路33のフィルタ機能が発揮されるように配置することができない、ということを抑制できる。
【0191】
<構成群E>
本実施形態によれば、出力コネクタ150は、奥行き方向Yにおいて第1インバータモジュール100及び第2インバータモジュール110のうち一方を介して他方とは反対側に設けられている。この構成では、第1インバータモジュール100及び第2インバータモジュール110のうち発熱などにより性能が低下しやすい方のインバータモジュールについてモータコイル22までの経路が短くなるように、出力コネクタ150を配置することが可能である。このため、インバータモジュール100,110のうち性能が低下しやすい方のインバータモジュールについて、モータコイル22に対するインダクタンスや発熱が増加するなどして発揮できる性能が更に低下する、ということを抑制できる。したがって、第1インバータモジュール100及び第2インバータモジュール110の性能が発揮されやすい構成を実現できる。
【0192】
モータコイル22に対するインダクタンスとしては、出力ライン12oのインダクタンスなどがある。出力ライン12oのインダクタンスが大きいほど、モータコイル22に対するインダクタンスが大きくなりやすい。
【0193】
モータコイル22に対する発熱としては、出力ライン12oにて発生する熱などがある。インバータ装置30では、第1出力ライン12oaにて発生する熱が大きいほど、第1インバータ回路40がモータ20に対して発揮できる性能が低下しやすい。第1出力ライン12oaを形成する配線部材が長いほど、第1出力ライン12oaの熱が発生しやすい。また、第2出力ライン12obにて発生する熱が大きいほど、第2インバータ回路50がモータ20に対して発揮できる性能が低下しやすい。第2出力ライン12obを形成する配線部材が長いほど、第2出力ライン12obの熱が発生しやすい。
【0194】
本実施形態では、出力コネクタ150は、第1インバータモジュール100を介して第2インバータモジュール110とは反対側に設けられている。この構成では、出力コネクタ150と第1インバータモジュール100とを接続する配線部材を極力短くできるため、その配線部材のインダクタンスにより第1インバータ回路40の性能が低下するということを抑制できる。したがって、第1インバータ回路40が発揮できる性能と第2インバータ回路50が発揮できる性能との差が増加するということを抑制できる。
【0195】
インバータ装置30では、モータ20の駆動状態などに応じて、第1インバータ回路40と第2インバータ回路50とで発揮できる性能に差が生じることが考えられる。例えば、モータ20の駆動状態がスター結線駆動である場合、第1インバータモジュール100の発熱等によって第1インバータ回路40の性能が低下し、第1インバータ回路40がモータ20の性能を引き下げたような状態になることが考えられる。
【0196】
これに対して、本実施形態によれば、出力コネクタ150は、第1インバータモジュール100に近い位置に設けられている。この構成では、出力コネクタ150と第1インバータモジュール100とを接続する配線部材のインダクタンスによって第1インバータ回路40の性能が低下する、ということを配線部材を極力短くすることで抑制できる。このため、仮にスター結線駆動などで第1インバータ回路40が発揮できる性能が低下したとしても、第1インバータ回路40がモータ20の性能を引き下げたような状態を改善できる。
【0197】
本実施形態によれば、出力コネクタ150の少なくとも一部は、第1インバータモジュール100及び第2インバータモジュール110の両方に奥行き方向Yに並ぶ位置に設けられている。この構成では、出力コネクタ150をインバータモジュール100,110のうち一方に極力近い位置に配置できる。このため、出力コネクタ150をインバータモジュール100,110のうち性能が低下しやすい方のインバータモジュール側に配置することで、そのインバータモジュールと出力コネクタ150とを接続する配線部材を極力短くできる。
【0198】
本実施形態によれば、出力コネクタ150では、出力板面151aが奥行き方向Yに直交する方向に延びている。この構成では、出力板面151aの向きにより、出力コネクタ150及びインバータモジュール100,110が設置されたスペースを奥行き方向Yに極力小さくできる。このため、奥行き方向Yについてインバータハウジング70の寸法を低減できる。
【0199】
本実施形態によれば、出力コネクタ150では、第1コネクタ端子152aと第2コネクタ端子152bとが幅方向Xに並べられている。この構成では、第1コネクタ端子152aと第2コネクタ端子152bとの並び向きにより、出力コネクタ150及びインバータモジュール100,110が設置されたスペースを奥行き方向Yに極力小さくできる。
【0200】
本実施形態によれば、第1インバータモジュール100では、第1出力端子106が奥行き方向Yに複数並べられている。第2インバータモジュール110では、第2出力端子116が奥行き方向Yに複数並べられている。この構成では、奥行き方向Yにおいて、複数の第1出力端子106と複数の第2出力端子116とを互いに離れた位置に配置できる。このため、第1出力端子106や第2出力端子116から熱が発生したとしても、第1出力端子106や第2出力端子116が設置されたスペースに熱がこもるということが生じにくい。したがって、インバータモジュール100,110が発揮できる性能が第1出力端子106や第2出力端子116の熱によって低下する、ということを抑制できる。
【0201】
<第3実施形態>
上記第1実施形態では、第1空間71a及び第2空間75aのうち一方にインバータモジュール100,110及びコンデンサモジュール120,130が設けられている。これに対して、第3実施形態では、第1空間71a及び第2空間75aのうち、一方に第1インバータモジュール100が設けられ、他方に第2コンデンサモジュール130が設けられている。第3実施形態で特に説明しない構成、作用、効果については上記第1実施形態と同様である。第3本実施形態では、上記第1実施形態と異なる点を中心に説明する。
【0202】
図9、
図10に示すように、第1空間71aには第1インバータモジュール100が設けられ、第2空間75aには第2コンデンサモジュール130が設けられている。
図9に示すように、第1空間71aには、第1インバータモジュール100及び第1コンデンサモジュール120が設けられている。第1インバータモジュール100と第1コンデンサモジュール120とは、互いに隣り合うように第1水路壁面82aに沿って並べられている。第1インバータモジュール100及び第1コンデンサモジュール120は、一対の第1奥行き壁72yのうち一方よりも他方に近い位置に設けられている。第1インバータモジュール100と第1コンデンサモジュール120とは、一方の第1奥行き壁72yに沿って並べられている。
【0203】
切替モジュール90は、幅方向Xにおいて第1インバータモジュール100に並べられている。切替モジュール90と第1インバータモジュール100とは、互いに隣り合うように第1幅壁72xに沿って並べられている。切替モジュール90は、一対の第1奥行き壁72yのうち、第1インバータモジュール100とは反対側の第1奥行き壁72yに近い位置に設けられている。切替モジュール90は、上記第2実施形態と同様に、第1切替P端子94と第2切替P端子95とが奥行き方向Yに並ぶ向きで設けられている。
【0204】
図9、
図11に示すように、制御基板174は、切替駆動基板173に重ねられた状態になっている。制御基板174の少なくとも一部は、高さ方向Zにおいて切替駆動基板173に並べられている。例えば、制御基板174は、高さ方向Zにおいて水路壁82とは反対側から切替駆動基板173の全体を覆った状態になっている。制御基板174は、高さ方向Zにおいて切替モジュール90及び切替駆動基板173を介して水路壁82とは反対側に設けられている。
【0205】
出力コネクタ150は、奥行き方向Yにおいて第1インバータモジュール100及び第1コンデンサモジュール120に並べられている。出力コネクタ150は、第1インバータモジュール100を介して第1コンデンサモジュール120とは反対側に設けられている。出力コネクタ150と第1インバータモジュール100と第1コンデンサモジュール120とは、第1奥行き壁72yに沿って並べられている。
【0206】
図10に示すように、第2空間75aには、第2インバータモジュール110及び第2コンデンサモジュール130が設けられている。第2インバータモジュール110と第2コンデンサモジュール130とは、互いに隣り合うように第2水路壁面82bに沿って奥行き方向Yに並べられている。第2インバータモジュール110及び第2コンデンサモジュール130は、第2奥行き壁76yに沿って並べられている。
【0207】
図9,
図10、
図11に示すように、第1インバータモジュール100と第2インバータモジュール110とは、水路壁82を介して高さ方向Zに並べられている。第1インバータモジュール100と第2インバータモジュール110とは、水路壁82を介して互いに重なった状態になっている。第1コンデンサモジュール120と第2コンデンサモジュール130とは、水路壁82を介して高さ方向Zに並べられている。第1コンデンサモジュール120と第2コンデンサモジュール130とは、水路壁82を介して互いに重なった状態になっている。
【0208】
第1インバータモジュール100と第2インバータモジュール110とでは、P端子104,114及びN端子105,115と出力端子106,116とが並ぶ方向が同じになっている。例えば、P端子104,114及びN端子105,115と出力端子106,116とが奥行き方向Yに並べられている。第1インバータモジュール100において第1P端子104及び第1N端子105がある領域と、第2インバータモジュール110において第2P端子114及び第2N端子115がある領域とは、水路壁82を介して高さ方向Zに並べられている。また、第1インバータモジュール100において複数の第1出力端子106がある領域と、第2インバータモジュール110において複数の第2出力端子116がある領域とは、水路壁82を介して高さ方向Zに並べられている。
【0209】
出力コネクタ150は、第1インバータモジュール100と第2インバータモジュール110とが並ぶ高さ方向Zに延びた状態になっている。出力コネクタ150の少なくとも一部は、第1インバータモジュール100に並べられている。出力コネクタ150は、高さ方向Zにおいて第2インバータモジュール110から第1インバータモジュール100側にずれた位置に設けられている。本実施形態では、高さ方向Zがインバータモジュール100,110の並び方向に相当し、奥行き方向Yが直交方向に相当する。
【0210】
図9、
図10に示すように、水路壁82には、水路壁孔85として、第2配線孔85b、第3配線孔85c及び第4配線孔85dが設けられている。配線孔85b~85dは、配線部材を挿通するための孔である。第2配線孔85bには、出力ライン12oを形成する配線部材などが挿通されている。例えば、第2配線孔85bには、第2出力配線144が挿通されている。第2出力配線144は、第2配線孔85bに挿通されることで第2コネクタ端子152bと第2出力端子116とにかけ渡されるように配線されている。
【0211】
第3配線孔85cには、Pライン12pを形成する配線部材や、Nライン12nを形成する配線部材、出力ライン12oを形成する配線部材などが挿通されている。例えば、第3配線孔85cには、切替モジュール90を介して第1インバータモジュール100と第2インバータモジュール110とを接続する配線部材が挿通されている。第3配線孔85cに挿通された配線部材には、第1コンデンサモジュール120と第2コンデンサモジュール130緒を接続する配線部材が含まれている。第3配線孔85cは、第1インバータモジュール100と第2インバータモジュール110とを接続する配線部材や、第1コンデンサモジュール120と第2コンデンサモジュール130とを接続する配線部材が、極力短くできる位置に設けられている。
【0212】
第4配線孔85dには、通信に用いられる配線部材などが挿通されている。例えば、第4配線孔85dには、制御基板174と第2駆動基板172とを通信可能に接続する配線部材が挿通されている。
【0213】
図9、
図11に示すように、フィルタ部品180は、第1空間71aに収容されている。フィルタ部品180は、第1水路壁面82aに沿って複数並べられている。例えば、複数のフィルタ部品180は、全体として第1幅壁72xや第1奥行き壁72yに沿って幅方向Xや奥行き方向Yに並べられている。フィルタ部品群180Gは、全体として第1外周壁72に沿って延びた状態になっている。
【0214】
入力コネクタ160は、第1空間71aに収容されている。入力コネクタ160は、奥行き方向Yにおいて第1インバータモジュール100及び第1コンデンサモジュール120を介して出力コネクタ150とは反対側に設けられている。入力コネクタ160は、幅方向Xにおいてフィルタ部品群180Gに並べられた状態になっている。入力コネクタ160は、第1奥行き壁72yを幅方向Xに貫通した状態になっている。
【0215】
水路81では、第1インバータ路81aの少なくとも一部が第2インバータ路81bに重複している。水路81では、高さ方向Zにおいて第1インバータモジュール100と第2インバータモジュール110との間にある部位が、第1インバータ路81a及び第2インバータ路81bの両方に含まれる。
【0216】
<構成群A>
本実施形態によれば、第1インバータモジュール100及び切替モジュール90が第1空間71aに設けられ、第2インバータモジュール110が第2空間75aに設けられている。この構成では、インバータモジュール100,110及び切替モジュール90という3つの部品の熱が、第1空間71a及び第2空間75aの一方だけに放出されるという状況にならない。このため、第1空間71a及び第2空間75aのうち一方において冷媒による冷却効果が不足する、ということを抑制できる。
【0217】
<構成群C>
本実施形態によれば、第1空間71aと第2空間75aとの間に水路81があるため、第1空間71aにある第1インバータモジュール100と、第2空間75aにある第2インバータモジュール110との両方に対して冷媒の冷却効果を付与できる。
【0218】
しかも、第1空間71aには、第1インバータモジュール100及び第1コンデンサモジュール120が設けられている。このため、第1空間71aでは、第1インバータモジュール100と第1コンデンサモジュール120とを接続する配線部材が極力短くなるように、第1インバータモジュール100と第1コンデンサモジュール120とを配置することが可能である。また、第2空間75aでは、第2インバータモジュール110と第2コンデンサモジュール130とを接続する配線部材が極力短くなるように、第2インバータモジュール110と第2コンデンサモジュール130とを配置することが可能である。したがって、第1インバータ回路40及び第2インバータ回路50の両方について、配線部材が長くなってインダクタンスが増加する、ということを抑制できる。
【0219】
以上のように、第1インバータ回路40及び第2インバータ回路50の両方について、発揮できる性能が温度上昇やインダクタンス増加により低下する、ということを抑制できる。
【0220】
本実施形態では、インバータモジュール100,110及びコンデンサモジュール120,130という比較的重量が大きい4つの部品が、第1空間71aと第2空間75aとに2つずつ設けられている。この構成では、第1空間71a及び第2空間75aのそれぞれにおいて、2つの部品の両方をインバータハウジング70の比較的強度が高い部位に配置することができる。インバータハウジング70において比較的強度が高い部位としては、平面視で第1外周壁72や第2外周壁76に近い位置などがある。
【0221】
例えば、インバータハウジング70が高さ方向Zに振動した場合、外周壁72,76は水路壁82に比べて高さ方向Zに振動しにくい。水路壁82では、外周壁72,76に近い部位ほど高さ方向Zに振動しにくい。このため、第1空間71a及び第2空間75aのそれぞれにおいて、2つの部品が外周壁72,76に近い位置に配置されていることで、これら部品が高さ方向Zに振動しにくい構成を実現できる。しかも、2つの部品であれば、これら部品を接続する配線部材が極力短くなるように、これら部品を平面視で極力近い位置に配置することが比較的容易である。
【0222】
例えば本実施形態とは異なり、4つの部品が第1空間71aだけに設けられた構成を想定する。この構成では、第1空間71aにおいて4つの部品をインバータハウジング70の比較的強度が高い部位に配置するには、例えば4つの部品のそれぞれを平面視で第1外周壁72に近い位置に配置すればよい。ところが、4つの部品のそれぞれを第1外周壁72に近い位置に配置すると、4つの部品の間の距離が大きくなりやすい。この場合、4つの部品を接続する配線部材が長くなることで、インバータモジュール100,110が発揮できる性能がインダクタンス増加などにより低下することが懸念される。
【0223】
これに対して、本実施形態では、比較的重量が大きい部品が第1空間71a及び第2空間75aに2つずつ設けられているため、2つの部品を接続する配線部材を短くしやすい。そうすると、配線部材のインダクタンスが低減されることなどにより、インバータモジュール100,110が発揮できる性能を高めることができる。
【0224】
本実施形態によれば、第1インバータモジュール100及び第2インバータモジュール110は、水路81に重なる位置に設けられている。この構成では、水路81を流れる冷媒の冷却効果を第1インバータモジュール100及び第2インバータモジュール110の両方に付与しやすい。
【0225】
本実施形態によれば、第1コンデンサモジュール120は、第1空間71aにおいて水路壁82に沿って第1インバータモジュール100に並べられている。この構成では、第1インバータモジュール100と第1コンデンサモジュール120とを接続する配線部材が水路壁82を貫通しないように配線できる。そうすると、この配線部材のインダクタンスを極力小さくできるため、第1インバータモジュール100に対する第1コンデンサモジュール120のサージ電圧低減効果がインダクタンスによって低減するということを抑制できる。
【0226】
第2インバータモジュール110は、第2空間75aにおいて水路壁82に沿って第2コンデンサモジュール130に並べられている。この構成では、第2インバータモジュール110と第2コンデンサモジュール130とを接続する配線部材が水路壁82を貫通しないように配線できる。そうすると、この配線部材のインダクタンスを極力小さくできるため、第2インバータモジュール110に対する第2コンデンサモジュール130のサージ電圧低減効果がインダクタンスによって低減するということを抑制できる。
【0227】
本実施形態によれば、第1コンデンサモジュール120は、水路壁82を介して第2コンデンサモジュール130に並べられている。この構成では、第1コンデンサモジュール120及び第2コンデンサモジュール130という2つの部品を、インバータハウジング70の比較的強度が高い部位にまとめて固定できる。このため、コンデンサモジュール120,130という2つの部品のそれぞれが振動しにくい構成の実現を容易化できる。
【0228】
また、第2インバータモジュール110は、水路壁82を介して第1インバータモジュール100に並べられている。この構成では、第1インバータモジュール100及び第2インバータモジュール110という2つの部品を、インバータハウジング70の比較的強度が高い部位にまとめて固定できる。このため、インバータモジュール100,110という2つの部品のそれぞれが振動しにくい構成の実現を容易化できる。
【0229】
本実施形態によれば、水路81の少なくとも一部は、第1インバータモジュール100と第2インバータモジュール110との間に設けられている。この構成では、第1インバータモジュール100と第2インバータモジュール110とが高さ方向Zに並べられていても、水路81を流れる冷媒の冷却効果をインバータモジュール100,110の両方に付与しやすい。また、この構成では、冷媒の冷却効果が第1インバータモジュール100及び第2インバータモジュール110の両方に同時に付与されやすい。このため、第1インバータモジュール100と第2インバータモジュール110とで冷媒の冷却効果に差が生じるということを抑制できる。
【0230】
本実施形態によれば、出力コネクタ150及び第1インバータモジュール100は、第1空間71aに設けられている。この構成では、出力コネクタ150の少なくとも一部が奥行き方向Yにおいて第1インバータモジュール100及び第2モジュール少なくとも一方に並ぶ位置に設けられている、という構成を実現できる。このため、上述したように第1出力ライン12oaの長さと第2出力ライン12obとの長さとの差が極力小さくできるため、第1インバータ回路40及び第2インバータ回路50のそれぞれの性能が発揮されやすい構成を実現できる。
【0231】
<第4実施形態>
上記第1実施形態では、インバータモジュール100,110及びコンデンサモジュール120,130の両方が、第1空間71a及び第2空間75aのうち一方に設けられている。これに対して、第4実施形態では、インバータモジュール100,110及びコンデンサモジュール120,130のうち一方の部品が、第1空間71a及び第2空間75aのうち一方の空間に設けられ、他方の部品が他方の空間に設けられている。第4実施形態で特に説明しない構成、作用、効果については上記第1実施形態と同様である。第4本実施形態では、上記第1実施形態と異なる点を中心に説明する。
【0232】
図12、
図14に示すように、第1空間71aには、インバータモジュール100,110、出力コネクタ150、入力コネクタ160及びフィルタ部品群180Gが設けられている。第1インバータモジュール100と第2インバータモジュール110とは、上記第2実施形態と同様に、奥行き方向Yに並べられている。その一方で、インバータモジュール100,110は、上記第1実施形態と同様に、P端子104,114及びN端子105,115と出力端子106,116とが奥行き方向Yに並ぶ向きで設けられている。本実施形態では、上記第2実施形態と同様に、奥行き方向Yがインバータモジュール100,110の並び方向に相当し、幅方向Xが直交方向に相当する。
【0233】
第1出力端子106及び第2出力端子116はいずれも、第1スイッチ保護部103と第2スイッチ保護部113との間に設けられている。第1P端子104及び第1N端子105は、第1スイッチ保護部103を介して第2インバータモジュール110とは反対側に設けられている。第2P端子114及び第2N端子115は、第2スイッチ保護部113を介して第1インバータモジュール100とは反対側に設けられている。
【0234】
出力コネクタ150は、幅方向Xにおいてインバータモジュール100,110に並べられている。出力コネクタ150は、一方の第1幅壁72xとインバータモジュール100,110との間に設けられている。出力コネクタ150は、第1インバータモジュール100及び第2インバータモジュール110の両方に隣り合う位置に設けられている。出力コネクタ150は、奥行き方向Yにおいて第1インバータモジュール100と第2インバータモジュール110とにかけ渡されるように設けられている。出力コネクタ150は、幅方向Xにおいて第1出力端子106及び第2出力端子116のそれぞれに並べられている。
【0235】
出力コネクタ150では、出力板面151aが幅方向Xに直交する方向に延びている。出力コネクタ150は、一方の第1奥行き壁72yに重ねられた状態になっている。出力コネクタ150では、複数のコネクタ端子26が第1奥行き壁72yに沿って奥行き方向Yに並べられている。
【0236】
出力配線143,144の少なくとも一部は、奥行き方向Yにおいて第1インバータモジュール100と第2インバータモジュール110との間に設けられている。第1出力配線143は、全体として、出力コネクタ150から第1出力端子106に向けて幅方向Xに延びている。第2出力配線144は、全体として、出力コネクタ150から第2出力端子116に向けて幅方向Xに延びている。
【0237】
フィルタ部品群180Gは、インバータモジュール100,110に幅方向Xに並べられている。フィルタ部品群180Gは、インバータモジュール100,110と他方の第1奥行き壁72yとの間に設けられている。フィルタ部品群180Gは、インバータモジュール100,110を介して出力コネクタ150とは反対側に設けられている。フィルタ部品群180Gでは、複数のフィルタ部品180が第1奥行き壁72yに沿って奥行き方向Yに並べられている。
【0238】
入力コネクタ160は、奥行き方向Yにおいてフィルタ部品群180Gに並べられている。入力コネクタ160は、第1幅壁72xを奥行き方向Yに貫通した状態で設けられている。入力コネクタ160は、インバータモジュール100,110から幅方向Xに離れた位置に設けられている。
【0239】
制御基板174は、第1駆動基板171及び第2駆動基板172の両方に重ねられた状態になっている。制御基板174は、第1駆動基板171と第2駆動基板172とにかけ渡されるように設けられている。制御基板174は、駆動基板171,172を介して水路壁82とは反対側に設けられている。制御基板174と水路壁82との間には、第1出力配線143や第2出力配線144が配線されている。
【0240】
図13、
図14に示すように、第2空間75aには、切替モジュール90及びコンデンサモジュール120,130が設けられている。切替モジュール90とコンデンサモジュール120,130とは奥行き方向Yに並べられている。第1コンデンサモジュール120と第2コンデンサモジュール130とは、切替モジュール90を介して奥行き方向Yに並べられている。切替モジュール90は、上記第3実施形態と同様に、第1切替P端子94と第2切替P端子95とが奥行き方向Yに並ぶ向きで設けられている。
【0241】
図12、
図13、
図14に示すように、第1インバータモジュール100と第1コンデンサモジュール120とは、水路壁82を介して高さ方向Zに並べられている。第1インバータモジュール100は、高さ方向Zにおいて第1コンデンサモジュール120に重なった部位を有している。第2インバータモジュール110と第2コンデンサモジュール130とは、水路壁82を介して高さ方向Zに並べられている。第2インバータモジュール110は、高さ方向Zにおいて第2コンデンサモジュール130に重なった部位を有している。
【0242】
インバータモジュール100,110と切替モジュール90とは、水路壁82を介して高さ方向Zに並べられている。第1インバータモジュール100は、高さ方向Zにおいて切替モジュール90に重なった部位を有している。第2インバータモジュール110は、高さ方向Zにおいて切替モジュール90に重なった部位を有している。
【0243】
図12、
図13に示すように、水路壁82には、上記第3実施形態と同様に、第3配線孔85cが設けられている。第3配線孔85cは、水路壁82に複数設けられている。第3配線孔85cとしては、第1インバータモジュール100と第1コンデンサモジュール120とを接続する配線部材が挿通された孔と、第2インバータモジュール110と第2コンデンサモジュール130とを接続する配線部材が挿通された孔とがある。
【0244】
水路壁82には、水路壁孔85として、第5配線孔85eが設けられている。第5配線孔85eは、配線部材を挿通するための孔である。第5配線孔85eには、切替Pライン12pcを形成する配線部材や、切替Nライン12ncを形成する配線部材などが挿通されている。例えば、第5配線孔85eには、インバータモジュール100,110と切替モジュール90とを接続するための配線部材が挿通されている。
【0245】
水路81は、第1インバータ路81a、第2インバータ路81b、切替路81c及び第1コンデンサ路81fなどに加えて、第2コンデンサ路81gを有している。第2コンデンサ路81gは、水路81のうち第2コンデンサモジュール130に重なった部分である。第2コンデンサ路81gでは、冷媒による冷却効果が第2コンデンサモジュール130に付与されやすい。
【0246】
水路81では、第1インバータ路81aの少なくとも一部が第1コンデンサ路81f及び切替路81cに重複している。水路81では、高さ方向Zにおいて第1インバータモジュール100と第1コンデンサモジュール120との間にある部位が、第1インバータ路81a及び第1コンデンサ路81fの両方に含まれる。また、水路81では、高さ方向Zにおいて第1インバータモジュール100と切替モジュール90との間にある部位が、第1インバータ路81a及び切替路81cの両方に含まれる。
【0247】
水路81では、第2インバータ路81bの少なくとも一部が第2コンデンサ路81g及び切替路81cに重複している。水路81では、高さ方向Zにおいて第2インバータモジュール110と第2コンデンサモジュール130との間にある部位が、第2インバータ路81b及び第2コンデンサ路81gの両方に含まれる。また、水路81では、高さ方向Zにおいて第2インバータモジュール110と切替モジュール90との間にある部位が、第2インバータ路81b及び切替路81cの両方に含まれる。
【0248】
<構成群C>
本実施形態によれば、第1コンデンサモジュール120は、第2空間75aにおいて水路壁82に沿って第2コンデンサモジュール130に並べられている。この構成では、第1コンデンサモジュール120と第2コンデンサモジュール130とを接続する配線部材が水路壁82を貫通しないように配線できる。そうすると、この配線部材のインダクタンスを極力小さくできるため、第1コンデンサモジュール120に流れる電流と第2コンデンサモジュール130に流れる電流とが共振するということを抑制できる。
【0249】
第2インバータモジュール110は、第1空間71aにおいて水路壁82に沿って第1インバータモジュール100に並べられている。この構成では、第2インバータモジュール110と第1インバータモジュール100とを接続する配線部材が水路壁82を貫通しないように配線できる。そうすると、この配線部材のインダクタンスを極力小さくできるため、短絡相発生時の第1循環経路や第2循環経路を短くすることや、この配線部材にて発生する熱を低減することなどが可能になる。
【0250】
本実施形態によれば、第1コンデンサモジュール120は、水路壁82を介して第1インバータモジュール100に並べられている。この構成では、第1コンデンサモジュール120及び第1インバータモジュール100という2つの部品を、インバータハウジング70の比較的強度が高い部位にまとめて固定できる。このため、第1コンデンサモジュール120及び第1インバータモジュール100という2つの部品のそれぞれが振動しにくい構成の実現を容易化できる。
【0251】
また、第2インバータモジュール110は、水路壁82を介して第2コンデンサモジュール130に並べられている。この構成では、第2インバータモジュール110及び第2コンデンサモジュール130という2つの部品を、インバータハウジング70の比較的強度が高い部位にまとめて固定できる。このため、第2インバータモジュール110及び第2コンデンサモジュール130という2つの部品のそれぞれが振動しにくい構成の実現を容易化できる。
【0252】
本実施形態によれば、水路81の少なくとも一部は、第1インバータモジュール100と第1コンデンサモジュール120との間に設けられている。この構成では、水路81を流れる冷媒の冷却効果を第1インバータモジュール100及び第1コンデンサモジュール120の両方に付与しやすい。また、水路81の少なくとも一部は、第2インバータモジュール110と第2コンデンサモジュール130との間に設けられている。この構成では、水路81を流れる冷媒の冷却効果を第2インバータモジュール110及び第2コンデンサモジュール130の両方に付与しやすい。
【0253】
<第5実施形態>
上記第4実施形態では、第1インバータモジュール100と第2インバータモジュール110とが高さ方向Zに並べられた構成において、第1出力端子106と第2出力端子116とが互いに対向する位置に設けられている。これに対して、第5実施形態では、第1出力端子106と第2出力端子116とが対向しないように設けられている。第5実施形態で特に説明しない構成、作用、効果については上記第4実施形態と同様である。第5本実施形態では、上記第4実施形態と異なる点を中心に説明する。
【0254】
図15に示すように、インバータモジュール100,110は、上記第4実施形態と同様に、P端子104,114及びN端子105,115と出力端子106,116とが奥行き方向Yに並ぶ向きで設けられている。第1出力端子106及び第2出力端子116のうち一方が、第1スイッチ保護部103と第2スイッチ保護部113との間に設けられている。
【0255】
例えば、第2出力端子116が第1スイッチ保護部103と第2スイッチ保護部113との間に設けられている。第1出力端子106は、第1スイッチ保護部103を介して第2P端子114及び第2N端子115とは反対側に設けられている。第1スイッチ保護部103と第2スイッチ保護部113との間には、第2出力端子116に加えて、第1P端子104及び第1N端子105が設けられている。第1出力端子106は、第1スイッチ保護部103を介して第2出力端子116とは反対側に設けられている。第2P端子114及び第2N端子115は、第2スイッチ保護部113を介して第1P端子104及び第1N端子105とは反対側に設けられている。
【0256】
出力コネクタ150は、上記第2実施形態と同様に、奥行き方向Yにおいて第1インバータモジュール100を介して第2インバータモジュール110とは反対側に設けられている。第1出力端子106は、上記第1実施形態と同様に、第1スイッチ保護部103と出力コネクタ150との間に設けられている。この構成では、第1出力端子106と出力コネクタ150とが極力近い位置に配置されているため、第1出力配線143が極力短くなるように配線することが可能である。
【0257】
出力コネクタ150は、第1インバータモジュール100を介して第2出力端子116とは反対側にある。第2出力配線144は、第1インバータモジュール100を幅方向Xに避けるように迂回した状態で、第2出力端子116と第2コネクタ端子152bとに接続されている。
【0258】
第1インバータモジュール100と第2インバータモジュール110との間には、第3配線孔85cが設けられている。この第3配線孔85cには、第1インバータモジュール100と第1コンデンサモジュール120とを接続する配線部材などが挿通されている。
【0259】
<構成群E>
本実施形態によれば、第1出力端子106は、第1スイッチ保護部103において第2インバータモジュール110とは反対側に設けられている。また、第2出力端子116は、第2スイッチ保護部113において第1インバータモジュール100とは反対側に設けられている。これら構成では、第1出力端子106と第2出力端子116とをスイッチ保護部103,113を介して奥行き方向Yに離れた位置に配置できる。このため、第1出力端子106や第2出力端子116から熱が発生したとしても、この熱が第1スイッチ保護部103と第2スイッチ保護部113との間のスペースにこもるということを回避できる。
【0260】
<第6実施形態>
上記第4実施形態では、第1インバータモジュール100と第2インバータモジュール110とが高さ方向Zに並べられた構成において、第1出力端子106及び第2出力端子116が第1スイッチ保護部103と第2スイッチ保護部113との間に設けられている。これに対して、第6実施形態では、第1出力端子106及び第2出力端子116のいずれも第1スイッチ保護部103と第2スイッチ保護部113との間に設けられていない。第6実施形態で特に説明しない構成、作用、効果については上記第4実施形態と同様である。第6本実施形態では、上記第4実施形態と異なる点を中心に説明する。
【0261】
図16に示すように、インバータモジュール100,110は、上記第4実施形態と同様に、P端子104,114及びN端子105,115と出力端子106,116とが奥行き方向Yに並ぶ向きで設けられている。第1スイッチ保護部103と第2スイッチ保護部113との間には、P端子104,114及びN端子105,115が設けられている。第1出力端子106は、第1スイッチ保護部103を介して第2インバータモジュール110とは反対側に設けられている。第2出力端子116は、第2スイッチ保護部113を介して第1インバータモジュール100とは反対側に設けられている。
【0262】
出力コネクタ150は、上記第4実施形態と同様に、幅方向Xにおいてインバータモジュール100,110に並べられている。出力コネクタ150は、幅方向XにおいてP端子104,114及びN端子105,115に並べられている。出力コネクタ150は、奥行き方向Yにおいて第1出力端子106と第2出力端子116とのほぼ真ん中の位置に設けられている。
【0263】
第1出力配線143は、第1インバータモジュール100を幅方向Xや奥行き方向Yに避けるように迂回した状態で、第1出力端子106と第1コネクタ端子152aとに接続されている。第2出力配線144は、第2インバータモジュール110を幅方向Xや奥行き方向Yに避けるように迂回した状態で、第2出力端子116と第2コネクタ端子152bとに接続されている。
【0264】
第3配線孔85cは、上記第5実施形態と同様に、第1インバータモジュール100と第2インバータモジュール110との間に設けられている。この第3配線孔85cには、第1インバータモジュール100と第1コンデンサモジュール120とを接続する配線部材や、第2インバータモジュール110と第2コンデンサモジュール130とを接続する配線部材などが挿通されている。
【0265】
<第7実施形態>
上記第1実施形態では、切替回路60がPライン12pの通電状態を切り替えることが可能である。これに対して、第7実施形態では、切替回路60がPライン12p及びNライン12nのそれぞれの通電状態を切り替えることが可能である。第7実施形態で特に説明しない構成、作用、効果については上記第1実施形態と同様である。第7本実施形態では、上記第1実施形態と異なる点を中心に説明する。
【0266】
図17に示すように、切替回路60は、Pスイッチ61に加えてNスイッチ63を有している。Nスイッチ63は、切替Nライン12ncに設けられている。Nスイッチ63は、第1インバータ回路40と第2インバータ回路50との間に設けられている。Nスイッチ63は、切替Nライン12ncの通電を遮断可能である。Nスイッチ63は、切替スイッチに相当する。
【0267】
Nスイッチ63は、Pスイッチ61と同様に、スイッチング素子により形成されている。Nスイッチ63は、電流を流す通電状態と電流を遮断する遮断状態とに移行可能である。Nスイッチ63は、開閉器と称されることがある。なお、Nスイッチ63は、メカニカルスイッチにより形成されていてもよい。
【0268】
Nスイッチ63は、制御回路36の駆動指令などに応じてスイッチングする。Nスイッチ63を駆動させるための駆動信号は、切替駆動回路37cにて生成される。モータ20の駆動態様がスター結線駆動である場合、Pスイッチ61及びNスイッチ63の両方が遮断状態になってもよい。モータ20の駆動態様がオープン結線駆動である場合、Pスイッチ61及びNスイッチ63の両方が通電状態になる。
【0269】
図18に示すように、切替モジュール90は、Pスイッチ部91及び切替スイッチ保護部93に加えて、Nスイッチ部97を有している。Nスイッチ部97は、Nスイッチ63を有する部品である。Nスイッチ部97は、Nスイッチ63を形成している。Nスイッチ部97は、半導体チップなどにより形成されている。Nスイッチ部97は、切替スイッチ保護部93により保護されている。
【0270】
切替モジュール90は、第1切替N端子98及び第2切替N端子99を有している。切替N端子98,99は、導電部材であり、銅等の導電材料により形成されている。切替N端子98,99のそれぞれには、配線部材が通電可能に接続されている。第1切替N端子98は、Nスイッチ63を第1Nライン12naに接続するための端子部材である。例えば、第1切替N端子98は、切替Nライン12ncの一部を形成している。第2切替N端子99は、Nスイッチ63を第2Nライン12nbに接続するための端子部材である。例えば、第2切替N端子99は、切替Nライン12ncの一部を形成している。
【0271】
切替N端子98,99は、切替モジュール90の外周端に沿って並べられている。切替N端子98,99は、切替スイッチ保護部93から外側に突出するように設けられている。例えば、第1切替N端子98は、切替スイッチ保護部93を介して第2切替N端子99とは反対側に設けられている。
【0272】
<第8実施形態>
上記第1実施形態では、モータコイル22の一端に第1インバータ回路40が接続され、他端に第2インバータ回路50が接続されている。これに対して、第8実施形態では、モータコイル22の一端に第1インバータ回路40及び第2インバータ回路50の両方が接続されている。第8実施形態で特に説明しない構成、作用、効果については上記第1実施形態と同様である。第8本実施形態では、上記第1実施形態と異なる点を中心に説明する。
【0273】
図19に示すように、第1インバータ回路40と第2インバータ回路50とは、モータ20に対して並列に接続されている。例えば、第1インバータ回路40及び第2インバータ回路50の両方が、モータコイル22に対して第1コイル端22aに接続されている。複数相の第2コイル端22bは、モータコイル22の中性点を形成するように互いに接続されていてもよい。
【0274】
第1インバータ回路40と第2インバータ回路50とは、バッテリ11に対しても並列に接続されている。切替Pライン12pc及び切替Nライン12ncは、第1インバータ回路40と第2インバータ回路50とをバッテリ11に対して並列に接続するための電力ライン12である。切替Pライン12pc及び切替Nライン12ncは、第1インバータ回路40及び第2インバータ回路50の少なくとも一方に対して設けられている。例えば、切替Pライン12pc及び切替Nライン12ncは、第2インバータ回路50に対して設けられている。この構成では、切替Pライン12pc及び切替Nライン12ncは、バッテリ11と第2インバータ回路50とを接続している。切替回路60は、バッテリ11から第2インバータ回路50への電力供給を遮断可能である。
【0275】
なお、切替Pライン12pc及び切替Nライン12ncは、第1インバータ回路40及び第2インバータ回路50のそれぞれに対して設けられていてもよい。この構成では、切替Pライン12pc及び切替Nライン12ncとして、バッテリ11と第1インバータ回路40とを接続するライン12pc,12ncと、バッテリ11と第2インバータ回路50とを接続するライン12pc,12ncと、が設けられている。バッテリ11と第1インバータ回路40とを接続するライン12pc,12ncに設けられた切替回路60は、バッテリ11から第1インバータ回路40への電力供給を遮断可能である。バッテリ11と第2インバータ回路50とを接続するライン12pc,12ncに設けられた切替回路60は、バッテリ11から第2インバータ回路50への電力供給を遮断可能である。
【0276】
<他の実施形態>
この明細書の開示は、例示された実施形態に制限されない。開示は、例示された実施形態と、それらに基づく当業者による変形態様を包含する。例えば、開示は、実施形態において示された部品、要素の組み合わせに限定されず、種々変形して実施することが可能である。開示は、多様な組み合わせによって実施可能である。開示は、実施形態に追加可能な追加的な部分をもつことができる。開示は、実施形態の部品、要素が省略されたものを包含する。開示は、一つの実施形態と他の実施形態との間における部品、要素の置き換え、又は組み合わせを包含する。開示される技術的範囲は、実施形態の記載に限定されない。開示される技術的範囲は、特許請求の範囲の記載によって示され、さらに特許請求の範囲の記載と均等の意味及び範囲内での全ての変更を含むものと解されるべきである。
【0277】
<構成群A>
上記各実施形態において、第1インバータモジュール100、第2インバータモジュール110及び切替モジュール90は、インバータハウジング70に収容されていれば、どのように配置されていてもよい。例えば、第1空間71a及び第2空間75aのうち一方の空間に、第1インバータモジュール100が設けられ、他方の空間に、第2インバータモジュール110及び切替モジュール90が設けられていてもよい。また、第1インバータモジュール100及び第2インバータモジュール110の少なくとも一方が、水路壁82を介して切替モジュール90に並べられていてもよい。
【0278】
上記各実施形態において、水路81は、第1インバータモジュール100や第2インバータモジュール110、切替モジュール90に重ならないように設けられていてもよい。例えば、水路81は、第1インバータ路81aや第2インバータ路81b、切替路81cを有していなくてもよい。
【0279】
上記各実施形態において、第1インバータモジュール100と第2インバータモジュール110とは、同一のインバータ部品でなくてもよい。例えば、第1インバータモジュール100と第2インバータモジュール110とで、スイッチ部101,102,111,112の位置関係が異なっていてもよい。また、第1インバータモジュール100と第2インバータモジュール110とで、型番などが異なっていてもよい。
【0280】
上記各実施形態において、インバータモジュール100,110及び切替モジュール90は、コンデンサモジュール120,130やフィルタ部品群180G、出力コネクタ150、入力コネクタ160に対してどのような位置に設けられていてもよい。例えば上記第1実施形態において、第1空間71aには、インバータモジュール100,110及び切替モジュール90に加えて、フィルタ部品群180Gや入力コネクタ160が設けられていてもよい。
【0281】
<構成群B>
上記各実施形態において、インバータモジュール100,110及びコンデンサモジュール120,130という4つの部品は、第1空間71aの第2空間75aのうち一方に設けられていれば、どのように配置されていてもよい。例えば、4つの部品は、第1空間71a及び第2空間75aのうち一方の空間において、第1インバータモジュール100と第2コンデンサモジュール130とが隣り合うように設けられていてもよい。また、4つの部品において、第1インバータモジュール100と第2インバータモジュール110との間に、第1コンデンサモジュール120や第2コンデンサモジュール130が設けられていてもよい。
【0282】
上記各実施形態において、4つの部品は、第1空間71a及び第2空間75aのうち一方の空間において、水路81に対してどのように設けられていてもよい。例えば、4つの部品のそれぞれが水路81に重なる位置に設けられていてもよい。すなわち、4つの部品が第1空間71a及び第2空間75aのうち一方に設けられた構成において、水路81がインバータ路81a,81b及びコンデンサ路81f,81gを有していてもよい。
【0283】
上記各実施形態において、第1空間71a及び第2空間75aのうち一方には、4つの部品に加えて、どのような部品が設けられていてもよい。例えば、第1空間71a及び第2空間75aのうち一方には、4つの部品に加えて、フィルタ部品群180Gや入力コネクタ160が設けられていてもよい。
【0284】
<構成群C>
上記各実施形態において、インバータモジュール100,110及びコンデンサモジュール120,130という4つの部品は、第1空間71a及び第2空間75aに2つずつ設けられるのであれば、どのように配置されていてもよい。例えば、上記第3実施形態や上記第4実施形態では、第1インバータモジュール100が第2空間75aに設けられ、第2コンデンサモジュール130が第1空間71aに設けられていてもよい。上記第3実施形態では、第1インバータモジュール100と第2インバータモジュール110とが、幅方向Xや奥行き方向Yにずれた位置や離れた位置に設けられていてもよい。また、上記第4実施形態では、第1インバータモジュール100と第2コンデンサモジュール130とが水路壁82を介して高さ方向Zに並べられていてもよい。
【0285】
上記各実施形態において、第1空間71a及び第2空間75aのそれぞれにおいて、2つの部品が水路81に対してどのように設けられていてもよい。例えば、2つの部品の少なくとも一方が水路81に重なるように設けられていてもよく、2つの部品のいずれも水路81に重ならない位置に設けられていてもよい。例えば、上記第3実施形態では、水路壁82において第1コンデンサモジュール120と第2コンデンサモジュール130との間に、第1コンデンサ路81f及び第2コンデンサ路81gが設けられていてもよい。
【0286】
上記各実施形態において、第1空間71a及び第2空間75aのそれぞれには、2つの部品に加えて、どのような部品が設けられていてもよい。例えば、上記第4実施形態では、第1空間71aに、インバータモジュール100,110という2つの部品や、フィルタ部品群180Gなどに加えて、切替モジュール90が設けられていてもよい。
【0287】
<構成群D>
上記各実施形態において、出力コネクタ150の少なくとも一部は、インバータモジュール100,110の並び方向に直交する直交方向で、インバータモジュール100,110の少なくとも一方に並べられていれば、どのような位置に設けられていてもよい。出力コネクタ150とインバータモジュール100,110との位置関係としては、上記第1実施形態や上記第3実施形態、上記第4実施形態、上記第6実施形態などがある。
【0288】
上記各実施形態において、出力コネクタ150とインバータモジュール100,110とが直交方向に並べられた構成では、出力コネクタ150の向きやインバータモジュール100,110の向きがどのようになっていてもよい。例えば、出力コネクタ150は、インバータモジュール100,110の並び方向に直交する方向に延びる向きで設けられていてもよい。例えば上記第1実施形態では、出力コネクタ150が幅方向Xに直交する方向に延びる向きで設けられていてもよい。
【0289】
上記各実施形態において、出力コネクタ150とインバータモジュール100,110とが直交方向に並べられていれば、出力コネクタ150とインバータモジュール100,110との位置関係はどのようになっていてもよい。例えば上記第1実施形態では、奥行き方向Yにおいて、出力コネクタ150とインバータモジュール100,110との間にコンデンサモジュール120,130や切替モジュール90などが設けられていてもよい。また、出力コネクタ150は、インバータモジュール100,110から高さ方向Zにずれた位置や離れた位置に設けられていてもよい。
【0290】
<構成群E>
上記各実施形態において、出力コネクタ150は、第1インバータモジュール100及び第2インバータモジュール110のうち一方を介して他方とは反対側に設けられていれば、どのような位置に設けられていてもよい。例えば、出力コネクタ150は、高さ方向Zや幅方向Xにおいて第1インバータモジュール100及び第2インバータモジュール110のうち一方を介して他方とは反対側に設けられていてもよい。
【0291】
上記各実施形態において、出力コネクタ150がインバータモジュール100,110のうち一方を介して他方とは反対側に設けられた構成では、出力コネクタ150の向きやインバータモジュール100,110の向きがどのようになっていてもよい。例えば、出力コネクタ150は、インバータモジュール100,110の並び方向に沿って延びるように設けられていてもよい。例えば、上記第1実施形態では、出力コネクタ150が高さ方向Zに直交する方向に延びる向きで設けられていてもよい。
【0292】
上記各実施形態において、出力コネクタ150がインバータモジュール100,110のうち一方を介して他方とは反対側に設けられていれば、出力コネクタ150とインバータモジュール100,110との位置関係はどのようになっていてもよい。例えば、上記第2実施形態では、奥行き方向Yにおいて、出力コネクタ150とインバータモジュール100,110との間にコンデンサモジュール120,130や切替モジュール90などが設けられていてもよい。また、上記第2実施形態では、出力コネクタ150は、インバータモジュール100,110から高さ方向Zや幅方向Xにずれた位置に設けられていてもよい。
【0293】
<共通>
上記各実施形態において、インバータモジュール100,110やコンデンサモジュール120,130、切替モジュール90などの部品は、どのような向きで設けられていてもよい。例えば、インバータモジュール100,110や駆動基板171,172は、幅方向Xや奥行き方向Yに直交する方向に延びるように設けられていてもよい。第1インバータモジュール100と第2インバータモジュール110とで向きが異なっていてもよい。例えば、第1P端子104及び第1N端子105と第1出力端子106とが並ぶ方向と、第2P端子114及び第2N端子115と第2出力端子116とが並ぶ方向と、が異なっていてもよい。
【0294】
出力コネクタ150では、出力対向面151bがモータ20側を向いていなくてもよい。この構成でも、モータコネクタ25がモータハウジング24に対して相対的に変位可能な状態で設けられていれば、モータコネクタ25を出力コネクタ150に接続することが可能である。
【0295】
上記各実施形態において、出力コネクタ150は、どのような形状や構造になっていてもよい。例えば、出力コネクタ150では、複数の出力コネクタ端子152が一列に並べられていなくてもよい。例えば、第1コネクタ端子152aと第2コネクタ端子152bとが複数ずつ2列に並べられていてもよい。また、出力コネクタ150は、どのような向きで設けられていてもよい。例えば、出力コネクタ150は、幅壁72x,76xや奥行き壁72y,76yに直交する方向に延びる向きで設けられていてもよい。
【0296】
上記各実施形態において、インバータモジュール100,110やコンデンサモジュール120,130、切替モジュール90などの部品は、どのような位置関係で設けられていてもよい。例えば、インバータモジュール100,110と駆動基板171,172とは、互いに重ねられた状態になっていなくてもよい。例えば、インバータモジュール100,110と駆動基板171,172とは、幅方向Xや奥行き方向Yに離れた位置に設けられていてもよい。
【0297】
上記各実施形態において、インバータハウジング70の内部空間は、水路壁82等の空間仕切部によりどのように仕切られていてもよい。例えば、第1空間71aと第2空間75aとが幅方向Xや奥行き方向Yに並ぶように仕切られていてもよい。また、インバータハウジング70の内部空間は、仕切られていなくてもよい。すなわち、インバータハウジング70は、空間仕切部を有していなくてもよい。
【0298】
上記各実施形態において、水路81は、出力コネクタ150に重なる位置に設けられていてもよい。例えば上記第1実施形態では、水路81の一部と出力コネクタ150とが高さ方向Zに並べられていてもよい。この構成では、水路81において出力コネクタ150に重なる部位が出力コネクタ路と称されてもよい。この構成では、冷媒の冷却効果が出力コネクタ路から出力コネクタ150に付与されやすい。
【0299】
上記各実施形態において、水路81は、分岐する分岐部分や合流する合流部分を有していてもよい。例えば、水路81は、2つの分岐路に分岐していてもよい。2つの分岐路のうち一方が第1インバータモジュール100に重なる位置に設けられ、他方が第2インバータモジュール110に重なる位置に設けられていてもよい。そして、2つの分岐路が合流した合流後が、切替モジュール90やコンデンサモジュール120,130に重なる位置に設けられていてもよい。
【0300】
上記各実施形態において、水路81は、インバータハウジング70にどのように設けられていてもよい。例えば、水路81は、平面視で第1空間71aや第2空間75aの全体に広がるように延びていてもよい。また、水路81は、ケース外壁701aや第1外周壁72、第2外周壁76などに設けられていてもよい。水路81は、第1空間71aや第2空間75aに設けられていてもよい。例えば、第1空間71aや第2空間75aに設けられた配管等により水路81が形成されていてもよい。さらに、水路81は、インバータハウジング70に設けられていなくてもよい。例えば、空間仕切部は、水路81を形成していなくてもよい。
【0301】
上記各実施形態において、モータユニット15では、モータハウジング24とインバータハウジング70とが一体的に形成されていてもよい。例えば、モータユニット15は、ユニットハウジングを有していてもよい。ユニットハウジングは、モータハウジング24及びインバータハウジング70の両方を形成している。ユニットハウジングは、モジュール100,110やコンデンサモジュール120,130などを収容している。この構成では、ユニットハウジングがハウジングに相当する。
【0302】
上記各実施形態において、モータユニット15が搭載される移動体は、回転体の回転により移動可能であれば、飛行体でなくてもよい。例えば、移動体は、車両や船舶、建設機械、農業機械であってもよい。例えば、移動体が車両や建設機械などである場合、回転体は移動用の車輪などであり、出力軸部は車軸などである。移動体が船舶である場合、回転体は推進用のスクリュープロペラなどであり、出力軸部はプロペラ軸などである。
【0303】
(技術的思想の開示)
この明細書は、以下に列挙する複数の項に記載された複数の技術的思想を開示している。いくつかの項は、後続の項において先行する項を択一的に引用する多項従属形式(a multiple dependent form)により記載されている場合がある。さらに、いくつかの項は、他の多項従属形式の項を引用する多項従属形式(a multiple dependent form referring to another multiple dependent form)により記載されている場合がある。これらの多項従属形式で記載された項は、複数の技術的思想を定義している。
【0304】
(技術的思想1)
回転電機(20)に供給される電力を変換する電力変換装置(30)であって、
複数の第1スイッチ(42,43)を含んで形成され、前記回転電機の巻線(22)に接続される第1インバータ(40)を有し、前記巻線に供給される電力を前記第1インバータにより変換する第1インバータ部品(100)と、
複数の第2スイッチ(52,53)を含んで形成され、前記巻線に接続される第2インバータ(50)を有し、前記巻線に供給される電力を前記第2インバータにより変換する第2インバータ部品(110)と、
前記巻線と前記第1インバータとを通電可能に接続する第1巻線経路(12oa)の一部と、前記巻線と前記第2インバータとを通電可能に接続する第2巻線経路(12ob)の一部とを形成し、前記巻線側に着脱可能に接続されるインバータコネクタ(150)と、
を備え、
前記インバータコネクタの少なくとも一部は、前記第1インバータ部品と前記第2インバータ部品との並び方向に直交する直交方向において、前記第1インバータ部品及び第2インバータ部品の少なくとも一方に並ぶ位置に設けられている、電力変換装置。
【0305】
(技術的思想2)
前記インバータコネクタは、前記第1インバータ部品及び前記第2インバータ部品のそれぞれに隣り合う位置に設けられている、技術的思想1に記載の電力変換装置。
【0306】
(技術的思想3)
前記インバータコネクタは、前記並び方向に延びたコネクタ板面(151a)を有しており、
前記第1インバータ部品と前記第2インバータ部品とは、前記コネクタ板面に沿って前記並び方向に並べられている、技術的思想1又は2に記載の電力変換装置。
【0307】
(技術的思想4)
前記インバータコネクタは、
前記第1巻線経路の一部を形成する第1コネクタ端子(152a)と、
前記第2巻線経路の一部を形成する第2コネクタ端子(152b)と、
を有しており、
前記第1コネクタ端子と前記第2コネクタ端子とは、前記並び方向に並べられている、技術的思想1~3のいずれか1つに記載の電力変換装置。
【0308】
(技術的思想5)
前記第1インバータ部品は、
前記第1スイッチを保護する第1スイッチ保護部(103)と、
前記第1巻線経路の一部を形成し、前記第1スイッチ保護部から突出するように設けられた第1経路端子(106)と、
を有しており、
前記第2インバータ部品は、
前記第2スイッチを保護する第2スイッチ保護部(113)と、
前記第2巻線経路の一部を形成し、前記第2スイッチ保護部から突出するように設けられた第2経路端子(116)と、
を有しており、
前記第1経路端子は、前記直交方向において前記第1スイッチ保護部と前記インバータコネクタとの間に設けられており、
前記第2経路端子は、前記直交方向において前記第2スイッチ保護部と前記インバータコネクタとの間に設けられている、技術的思想1~4のいずれか1つに記載の電力変換装置。
【0309】
(技術的思想6)
前記インバータコネクタは、前記第1インバータ部品と前記第2インバータ部品とに前記直交方向にかけ渡されるように設けられている、技術的思想1~5のいずれか1つに記載の電力変換装置。
【0310】
(技術的思想7)
前記第1インバータ部品、前記第2インバータ部品及び前記インバータコネクタを収容しているハウジング(70)と、
前記ハウジングの内部空間を第1空間(71a)と第2空間(75a)とに仕切るように設けられ、冷媒が流れる冷媒流路(水路81)を形成している流路形成部(82)と、
を備え、
前記インバータコネクタは、前記第1インバータ部品及び前記第2インバータ部品に対して前記流路形成部に沿って並べられている、技術的思想1~6のいずれか1つに記載の電力変換装置。
【0311】
(技術的思想8)
前記第1インバータ部品、前記第2インバータ部品及び前記インバータコネクタを収容しているハウジング(70)と、
前記ハウジングの内部空間を第1空間(71a)と第2空間(75a)とに仕切るように設けられ、冷媒が流れる冷媒流路(水路81)を形成している流路形成部(82)と、
を備え、
前記第1インバータ部品、前記第2インバータ部品及び前記インバータコネクタは、前記第1空間及び前記第2空間のうち一方に設けられている、技術的思想1~7のいずれか1つに記載の電力変換装置。
【0312】
(技術的思想9)
前記第1インバータ部品、前記第2インバータ部品及び前記インバータコネクタを収容しているハウジング(70)と、
前記ハウジングの内部空間を第1空間(71a)と第2空間(75a)とに仕切るように設けられ、冷媒が流れる冷媒流路(水路81)を形成している流路形成部(82)と、
を備え、
前記第1空間及び前記第2空間のうち一方には前記第1インバータ部品が設けられ、他方には前記第2インバータ部品が設けられ、
前記インバータコネクタは、前記第1空間及び前記第2空間のうち一方に設けられている、技術的思想1~8のいずれか1つに記載の電力変換装置。
【0313】
(技術的思想10)
前記第1インバータ及び前記第2インバータの少なくとも一方に並列に接続された平滑コンデンサ(31,32)を有するコンデンサ部品(120,130)、を備え、
前記インバータコネクタは、前記直交方向において前記第1インバータ部品及び前記第2インバータ部品を介して前記コンデンサ部品とは反対側に設けられている、技術的思想1~9のいずれか1つに記載の電力変換装置。
【0314】
(技術的思想11)
前記第1インバータは、前記巻線の一端(22a)に接続されており、
前記第2インバータは、前記巻線の他端(22b)に接続されている、技術的思想1~10のいずれか1つに記載の電力変換装置。
【0315】
(技術的思想12)
電力の供給により駆動する回転電機(20)と、
前記回転電機に供給される電力を変換する電力変換装置(30)と、
を備えている回転電機ユニット(15)であって、
複数の第1スイッチ(42,43)を含んで形成され、前記回転電機の巻線(22)に接続される第1インバータ(40)を有し、前記巻線に供給される電力を前記第1インバータにより変換する第1インバータ部品(100)と、
複数の第2スイッチ(52,53)を含んで形成され、前記巻線に接続される第2インバータ(50)を有し、前記巻線に供給される電力を前記第2インバータにより変換する第2インバータ部品(110)と、
前記巻線と前記第1インバータとを通電可能に接続する第1巻線経路(12oa)の一部と、前記巻線と前記第2インバータとを通電可能に接続する第2巻線経路(12ob)の一部とを形成し、前記巻線側に着脱可能に接続されるインバータコネクタ(150)と、
を備え、
前記インバータコネクタの少なくとも一部は、前記第1インバータ部品と前記第2インバータ部品との並び方向に直交する直交方向において、前記第1インバータ部品及び第2インバータ部品の少なくとも一方に並ぶ位置に設けられている、回転電機ユニット。
【符号の説明】
【0316】
12pc…切替経路としての切替Pライン、15…回転電機ユニットとしてのモータユニット、20…回転電機としてのモータ、22…巻線としてのモータコイル、22a…一端としての第1コイル端、22b…他端としての第2コイル端、30…電力変換装置としてのインバータ装置、31…第1平滑コンデンサ、32…第2平滑コンデンサ、33…フィルタ回路、40…第1インバータとしての第1インバータ回路、42…第1スイッチとしての第1上アームスイッチ、43…第1スイッチとしての第1下アームスイッチ、50…第2インバータとしての第2インバータ回路、52…第2スイッチとしての第2上アームスイッチ、53…第2スイッチとしての第2下アームスイッチ、61…切替スイッチとしてのPスイッチ、63…切替スイッチとしてのNスイッチ、70…ハウジングとしてのインバータハウジング、71a…第1空間、75a…第2空間、81…冷媒流路としての水路、82…流路形成部としての水路壁、90…切替部品としての切替モジュール、100…第1インバータ部品としての第1モジュール、110…第2インバータ部品としての第2モジュール、120…第1コンデンサ部品としての第1コンデンサモジュール、130…第2コンデンサ部品としての第2コンデンサモジュール、180…フィルタ部品、180G…フィルタ部品群、181…フィルタコイル部品、182…フィルタコンデンサ部品。