(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025010366
(43)【公開日】2025-01-20
(54)【発明の名称】電子部品、電子部品の製造方法、フィルタモジュール及び電子機器
(51)【国際特許分類】
H03H 7/01 20060101AFI20250109BHJP
H01F 27/00 20060101ALI20250109BHJP
H01G 4/40 20060101ALI20250109BHJP
【FI】
H03H7/01 A
H01F27/00 S
H01G4/40 321A
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024192557
(22)【出願日】2024-11-01
(62)【分割の表示】P 2022579537の分割
【原出願日】2022-01-31
(31)【優先権主張番号】P 2021017228
(32)【優先日】2021-02-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000006231
【氏名又は名称】株式会社村田製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110000970
【氏名又は名称】弁理士法人 楓国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】樋江井 智慶
(72)【発明者】
【氏名】三川 賢太郎
(57)【要約】
【課題】小型でありながら、キャパシタとともにQ値の高いインダクタを備える電子部品、この電子部品の製造方法、その電子部品を備えるフィルタモジュール、及びそれを備える電子機器を提供する。
【解決手段】電子部品11は、インダクタ形成用の第1導体パターンCL11及びキャパシタ形成用の第1電極パターンEC11が形成された第1絶縁体層S1と、インダクタ形成用の第2導体パターンCL12及びキャパシタ形成用の第2電極パターンEC12が形成された第2絶縁体層S2と、を備える。第1電極パターンEC11と第2電極パターンEC12とが第2絶縁体層S2を介して対向することでキャパシタが構成され、第2導体パターンCL12は第1導体パターンCL11に沿って導通する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
インダクタ形成用の第1導体パターン及びキャパシタ形成用の第1電極パターンが形成された第1絶縁体層と、
前記インダクタ形成用の第2導体パターン及び前記キャパシタ形成用の第2電極パターンが形成された第2絶縁体層と、
を備え、
前記第1電極パターンと前記第2電極パターンとが前記第2絶縁体層を介して対向することでキャパシタが構成され、
前記第2導体パターンは前記第1導体パターンに沿って少なくとも一部が導通し、
前記第2絶縁体層内に形成されている前記第2導体パターンの線幅は、前記第2絶縁体層の上面に形成されている前記第2導体パターンの線幅及び前記第1導体パターンの線幅より細い、
電子部品。
【請求項2】
前記第1導体パターン及び前記第1電極パターンは第1パターン形成工程により同時に形成され、
前記第2導体パターン及び前記第2電極パターンは第2パターン形成工程により同時に形成された、
請求項1に記載の電子部品。
【請求項3】
前記第2絶縁体層において、前記第1導体パターンの直上の少なくとも一部に開口部を備え、前記開口部に前記第2電極パターンが形成されている、
請求項1又は2に記載の電子部品。
【請求項4】
前記第1導体パターン及び前記第2導体パターンはループ形状又はループの一部を形成する形状であり、前記第1導体パターン及び前記第2導体パターンの積層方向から視た平面視での前記ループの内縁は前記第1導体パターン及び前記第2導体パターンとで同一箇所にある、
請求項1から3のいずれかに記載の電子部品。
【請求項5】
第1絶縁体層に、インダクタ形成用の第1導体パターン及びキャパシタ形成用の第1電極パターンを同時に形成する工程と、
前記第1絶縁体層における前記第1導体パターンが形成された面に、前記第1導体パターンの上部を開口させた第2絶縁体層を形成する工程と、
前記開口内及び前記第2絶縁体層上に前記インダクタ形成用の第2導体パターンを形成し、前記第2絶縁体層を介して前記第1電極パターンに対向する位置に前記キャパシタ形成用の第2電極パターンを形成する工程と、
を備え、
前記第2導体パターンは前記第1導体パターンに沿って少なくとも一部が導通し、
前記第2絶縁体層内に形成されている前記第2導体パターンの線幅は、前記第2絶縁体層の上面に形成されている前記第2導体パターンの線幅及び前記第1導体パターンの線幅より細い、
電子部品の製造方法。
【請求項6】
請求項1から4のいずれかに記載の電子部品と、当該電子部品に接続された、インダクタ又はキャパシタとを備えた、
フィルタモジュール。
【請求項7】
請求項1から4のいずれかに記載の電子部品又は請求項6に記載のフィルタモジュールを備える電子機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インダクタ及びキャパシタを備える電子部品、この電子部品の製造方法、その電子部品を備えるフィルタモジュール、及びそれを備える電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1の電子部品では、インダクタ形成用の導体層とキャパシタ形成用の導体層とが同一層に形成されている。また、特許文献1の電子部品では、それぞれ異なる層に形成されたインダクタ形成用の導体層が並列接続されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の電子部品のように、インダクタを並列接続することによってインダクタのQ値を改善する構造では、インダクタの体積効率が低い。そのため、Q値の高いインダクタを得るためには電子部品が大型化し、また、外形サイズの限られた電子部品においては、インダクタのQ値の改善効果が低い。
【0005】
そこで、本発明の目的は、小型でありながら、キャパシタとともにQ値の高いインダクタを備える電子部品、この電子部品の製造方法、その電子部品を備えるフィルタモジュール、及びそれを備える電子機器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(A)本開示の一例としての電子部品は、インダクタ形成用の第1導体パターン及びキャパシタ形成用の第1電極パターンが形成された第1絶縁体層と、前記インダクタ形成用の第2導体パターン及び前記キャパシタ形成用の第2電極パターンが形成された第2絶縁体層と、を備える。そして、前記第1電極パターンと前記第2電極パターンとが前記第2絶縁体層を介して対向することでキャパシタが構成され、前記第2導体パターンは前記第1導体パターンに沿って導通することを特徴とする。
【0007】
上記構成によれば、第2導体パターンが第1導体パターンに沿って導通するので、単位体積あたりのインダクタ形成用導体の占有率が高い。そのため、Q値の高いインダクタが得られる。また、キャパシタ形成用の第1電極パターンと第2電極パターンとは単一の絶縁体層を介して対向するので、単位体積あたりに得られるキャパシタ形成用電極の占有率を低下させることもない。
【0008】
(B)本発明の一例としての電子部品の製造方法は、第1絶縁体層に、インダクタ形成用の第1導体パターン及びキャパシタ形成用の第1電極パターンを同時に形成する工程と、前記第1絶縁体層における前記第1導体パターンが形成された面に、前記第1導体パターンの上部を開口させた第2絶縁体層を形成する工程と、前記開口内及び前記第2絶縁体層上に前記インダクタ形成用の第2導体パターンを形成し、前記第2絶縁体層を介して前記第1電極パターンに対向する位置に前記キャパシタ形成用の第2電極パターンを形成する工程と、を備えることを特徴とする。
【0009】
上記製造方法によれば、第2絶縁体層上及び開口内に第2電極パターンと共に第2導体パターンを同時に形成できるので、電子部品を少ない工程数で製造できる。
【0010】
(C)本開示の一例としてのフィルタモジュールは、(A)に記載の電子部品と当該電子部品の前記インダクタ又は前記キャパシタに接続されたインダクタ又はキャパシタとを備えて構成される。
【0011】
(D)本開示の一例としての電子機器は、(A)に記載の電子部品又は(C)に記載のフィルタモジュールを備える。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、小型でありながら、キャパシタとともにQ値の高いインダクタを備える電子部品、この電子部品の製造方法、その電子部品を備えるフィルタモジュール、及びそれを備える電子機器が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】
図1は第1の実施形態に係る電子部品11の分解平面図である。
【
図2】
図2(A)は電子部品11の平面図であり、
図2(B)は
図2(A)におけるX-X部分の断面図あり、
図2(C)は
図2(A)におけるY-Y部分の断面図ある。
【
図4】
図4は第1の実施形態に係るフィルタモジュールの回路図である。
【
図5】
図5(A)、
図5(B)、
図5(C)は、第1導体パターン及び第1電極パターン形成工程における各段階での断面図である。
【
図6】
図6(A)、
図6(B)、
図6(C)は、第2絶縁体層S2の形成工程における各段階での断面図である。
【
図7】
図7(A)、
図7(B)、
図7(C)、
図7(D)は、第1導体パターン、第2導体パターン、第1電極パターン、第2電極パターン及び第3絶縁体層の形成工程における各段階での断面図である。
【
図8】
図8(A)、
図8(B)、
図8(C)は、第1導体パターンLC11及び第2導体パターンCL12それぞれの線幅を等しくしたときの電子部品の断面図である。
【
図9】
図9(A)、
図9(B)は、第1導体パターンCL11及び第2導体パターンCL12の位置関係の例を示す断面図である。
【
図10】
図10は第2の実施形態に係る電子部品12Aの分解平面図である。
【
図12】
図12は第2の実施形態に係る別の電子部品12Bの分解平面図である。
【
図14】
図14は第3の実施形態に係るフィルタモジュール13の斜視図である。
【
図15】
図15はフィルタモジュール13の各絶縁体層及びそれらに形成されている導体パターンを示す分解平面図である。
【
図17】
図17は第3の実施形態に係る別のフィルタモジュールの各絶縁体層及びそれらに形成されている導体パターンを示す分解平面図である。
【
図18】
図18は第3の実施形態に係る別のフィルタモジュールの各絶縁体層及びそれらに形成されている導体パターンを示す分解平面図である。
【
図20】
図20は第5の実施形態に係る電子機器201の構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以降、図を参照して幾つかの具体的な例を挙げて、本発明を実施するための複数の形態を示す。各図中には同一箇所に同一符号を付している。要点の説明又は理解の容易性を考慮して、実施形態を説明の便宜上、複数の実施形態に分けて示すが、異なる実施形態で示した構成の部分的な置換又は組み合わせは可能である。第2の実施形態以降では第1の実施形態と共通の事柄についての記述を省略し、異なる点についてのみ説明する。特に、同様の構成による同様の作用効果については実施形態毎には逐次言及しない。
【0015】
《第1の実施形態》
図1は第1の実施形態に係る電子部品11の分解平面図である。
図2(A)は電子部品11の平面図であり、
図2(B)は
図2(A)におけるX-X部分の断面図あり、
図2(C)は
図2(A)におけるY-Y部分の断面図ある。
【0016】
この電子部品11は、第1絶縁体層S1、第2絶縁体層S2及び第3絶縁体層S3を備える。第1絶縁体層S1の下面には端子電極が形成されている。第1絶縁体層S1の上面にはインダクタ形成用の第1導体パターンCL11及びキャパシタ形成用の第1電極パターンEC11が形成されている。第2絶縁体層S2の上面にはインダクタ形成用の第2導体パターンCL12及びキャパシタ形成用の第2電極パターンEC12が形成されている。第2導体パターンCL12は第2絶縁体層S2の内部にも形成されている。つまり、第2導体パターンCL12は、第2絶縁体層S2の上面に形成される部分と第2絶縁体層S2の内部に形成される部分を有している。第2絶縁体層S2の上面には第2絶縁体層S2、第2導体パターンCL12及び第2電極パターンEC12を被覆する第3絶縁体層S3が形成されている。
【0017】
第1電極パターンEC11と第2電極パターンEC12とは第2絶縁体層S2を介して対向している。この構造により、この第1電極パターンEC11、第2電極パターンEC12及び第2絶縁体層S2によってキャパシタが構成されている。
【0018】
第2絶縁体層S2に形成されている第2導体パターンCL12は第1導体パターンCL11に沿って連続する形状である。そして、本実施形態においては、第2導体パターンCL12は、延びる形状の全長に亘って、第2絶縁体層S2の厚み方向において第1導体パターンCL11に導通接続する(
図2(B)、
図2(C)参照)。言い換えれば、第2導体パターンCL12における第2絶縁体層S2の内部に形成されている部分は、第2導体パターンCL12を平面視して延びる形状の全長に亘って、第1導体パターンCL11に接続する。この構造により、第1導体パターンCL11及び第2導体パターンCL12によってインダクタが構成されている。このように、第1導体パターンCL11と第2導体パターンCL12とが、第2絶縁体層S2の厚み方向において導通接続するように形成することで、インダクタを構成する電極の厚みを厚くすることができる。これにより、電極の表面積が大きくなり、インダクタを構成する電極を高周波信号が伝搬する際の表皮効果などによる高周波抵抗の増加を低減でき、インダクタとしてのQ値を高くすることができる。なお、本実施形態においては、第1導体パターンCL11と第2導体パターンCL12とが、各パターンを平面視して延びる形状のほぼ全長に亘って導通接続されているが、少なくとも一部が導通接続されていればよい。
【0019】
図3は電子部品11の回路図である。この電子部品11は上記インダクタL1及び前記キャパシタC1を備える。
【0020】
図4は第1の実施形態に係るフィルタモジュールの回路図である。このフィルタモジュールは、グランドとの間で入出力ポートを構成する端子T1,T2を備える。そしてフィルタ回路部は、インダクタL1,L2及びキャパシタC1,C2,C3で構成されている。
【0021】
このように、
図1~
図3に示した電子部品と、当該電子部品のインダクタL1又はキャパシタC1に接続された、インダクタL2又はキャパシタC2,C3とを備えることでフィルタモジュールを構成できる。インダクタL2及びキャパシタC2,C3は、インダクタL1及びキャパシタC1が形成された複数の絶縁体層に同様に形成できる。
【0022】
次に電子部品11の製造方法について例示する。
図5(A)、
図5(B)、
図5(C)は、第1導体パターン及び第1電極パターン形成工程における各段階での断面図である。
【0023】
まず、
図5(A)に示すように、第1絶縁体層S1の上面に感光性導電ペーストをスクリーン印刷し、乾燥させることによって、感光性導電ペーストの膜PPを形成する。
【0024】
次に、
図5(B)に示すように、フォトマスクPMを介して感光性導電ペーストの膜PPにUV光を照射する。
【0025】
その後、感光性導電ペーストの膜PPを現像し、焼結させることによって、
図5(C)に示すように、第1導体パターンCL11及び第1電極パターンEC11を形成する。
【0026】
図6(A)、
図6(B)、
図6(C)は、第2絶縁体層S2の形成工程における各段階での断面図である。
【0027】
まず、
図6(A)に示すように、第1絶縁体層S1の上面に感光性絶縁ペーストをスクリーン印刷し、乾燥させることによって、感光性絶縁ペーストの膜S2Pを形成する。
【0028】
次に、
図6(B)に示すように、フォトマスクPMを介して感光性絶縁ペーストの膜S2PにUV光を照射する。
【0029】
その後、感光性絶縁ペーストの膜S2Pを現像し、焼結させることによって、
図6(C)に示すように、開口APを有する第2絶縁体層S2を形成する。
【0030】
図7(A)、
図7(B)、
図7(C)、
図7(D)は、第1導体パターン、第2導体パターン、第1電極パターン、第2電極パターン及び第3絶縁体層の形成工程における各段階での断面図である。
【0031】
まず、
図7(A)に示すように、第2絶縁体層S2の上面に感光性導電ペーストをスクリーン印刷し、乾燥させることによって、感光性導電ペーストの膜PPを形成する。
【0032】
次に、
図7(B)に示すように、フォトマスクPMを介して感光性導電ペーストの膜PPにUV光を照射する。
【0033】
その後、感光性導電ペーストの膜PPを現像し、焼結させることによって、
図7(C)に示すように、第2導体パターンCL12及び第2電極パターンEC12を形成する。
【0034】
最後に、
図7(D)に示すように、第2絶縁体層S2の上面に第3絶縁体層S3を形成する。
【0035】
以上に示した電子部品の製造方法によれば、第2絶縁体層S2上及び開口AP内に第2電極パターンEC12と共に第2導体パターンCL12を同時に形成できるので、電子部品を少ない工程数で製造することができる。
【0036】
以上では、フォトマスクを使用した製造方法を示したが、本発明の電子部品はこの製造方法に限らない。例えば、スクリーン印刷による電極パターンを形成する工程や、絶縁層にレーザーで孔をあけビア電極を充填する工程を用いて、絶縁シートを積層する工法で製造してもよい。
【0037】
次に、第1導体パターンCL11及び第2導体パターンCL12の重なり具合についての幾つかの変形例を示す。
【0038】
図8(A)、
図8(B)、
図8(C)は、第1導体パターンLC11及び第2導体パターンCL12それぞれの線幅を等しくしたときの電子部品の断面図である。これらの断面位置は、
図2(C)に示した断面位置と同じである。
図8(A)に示すように、第1導体パターンCL11及び第2導体パターンCL12それぞれの線幅が等しく且つ平面視で全体が重なっていることが好ましい。しかし、各層の導体パターンの形成精度に応じて、
図8(B)、
図8(C)に示すように、第2導体パターンCL12が第1導体パターンCL11の線幅より外側にはみ出す。このように、ループの内縁及び外縁において導体パターンの凹凸があると、電流密度が不均一となって、電流密度の高い箇所での導体損失が増大する。
【0039】
一方、
図2(B)、
図2(C)に示した例では、第1導体パターンCL11及び第2導体パターンCL12はループ形状又はループの一部を形成する形状であり、第1導体パターンCL11及び第2導体パターンCL12の積層方向から視た平面視で、第2導体パターンCL12のうち、第2絶縁体層S2内に形成されている導体パターンは、第2導体パターンCL12のうち、第2絶縁体層S2の上面に形成されている導体パターンの線幅(幅方向の両端)及び第1導体パターンCL11の線幅(幅方向の両端)より内側に位置する。このように、第2導体パターンCL12のうち、第2絶縁体層S2内に形成されている導体パターンの線幅を第2導体パターンCL12のうち、第2絶縁体層S2の上面に形成されている導体パターンの線幅及び第1導体パターンCL11の線幅より細く定めておく。これにより、第2導体パターンCL12のうち、第2絶縁体層S2内に形成されている導体パターンがループの開口方向へ突出する状態を避けることができる。
【0040】
図9(A)、
図9(B)は、第1導体パターンCL11及び第2導体パターンCL12の位置関係の例を示す断面図である。これらの断面位置は、
図2(C)に示した断面位置と同じである。
【0041】
図9(A)、
図9(B)に示すいずれの電子部品においても、第2導体パターンCL12のうち、第2絶縁体層S2内に形成されている導体パターンの線幅は、第2導体パターンCL12のうち、第2絶縁体層S2の上面に形成されている導体パターンの線幅及び第1導体パターンCL11の線幅より細い。
図9(A)に示す例では、第1導体パターンCL11及び第2導体パターンCL12の積層方向から視た平面視でのループの内縁が第1導体パターンCL11及び第2導体パターンCL12で同一箇所にある。つまり、第1導体パターンCL11及び第2導体パターンCL12の内周は揃っている。
図9(B)に示す例では、平面視でのループの外縁が第1導体パターンCL11及び第2導体パターンCL12で同一箇所にある。つまり、第1導体パターンCL11及び第2導体パターンCL12の外周は揃っている。
【0042】
インダクタを構成する第1導体パターンCL11及び第2導体パターンCL12の内周部は、近接効果により電流密度がより高い。したがって、
図9(A)に示すように、ループの開口方向への各導体パターンCL11,CL12の突出が少ない方が好ましい。
【0043】
《第2の実施形態》
第2の実施形態では、複数の第1導体パターン、複数の第2導体パターン及び3つ以上の第1電極パターン又は第2電極パターンを備える電子部品について例示する。
【0044】
図10は第2の実施形態に係る電子部品12Aの分解平面図である。
図11(A)は電子部品12Aの平面図であり、
図11(B)は
図11(A)におけるX-X部分の断面図ある。
【0045】
この電子部品12Aは、絶縁体層Sa,Sb,Sc,Sdを備える。絶縁体層Saの下面には端子電極が形成されている。絶縁体層Saの上面には導体パターンCL1a及び電極パターンEC1aが形成されている。絶縁体層Sbの上面には導体パターンCL1b及び電極パターンEC1bが形成されている。絶縁体層Sbの内部にも導体パターンCL1bが形成されている。つまり、導体パターンCL1bは、絶縁体層Sbの上面に形成される部分と絶縁体層Sbの内部に形成される部分を有している。絶縁体層Scの上面には導体パターンCL1c及び電極パターンEC1cが形成されている。絶縁体層Scの内部にも導体パターンCL1cが形成されている。つまり、導体パターンCL1cは、絶縁体層Scの上面に形成される部分と絶縁体層Scの内部に形成される部分を有している。絶縁体層Scの上面には絶縁体層Sc、導体パターンCL1c及び電極パターンEC1cを被覆する絶縁体層Sdが形成されている。
【0046】
この電子部品12Aは、絶縁体層Sa,Sb,Sc,Sdを備える。絶縁体層Saの下面には端子電極が形成されている。絶縁体層Saの上面には導体パターンCL1a及び電極パターンEC1aが形成されている。絶縁体層Sbの上面には導体パターンCL1b及び電極パターンEC1bが形成されている。絶縁体層Sbの内部には導体パターンCL1cが形成されている。絶縁体層Scの上面には導体パターンCL1c及び電極パターンEC1cが形成されている。絶縁体層Scの内部には導体パターンCL1cが形成されている。絶縁体層Scの上面には絶縁体層Sc、導体パターンCL1c及び電極パターンEC1cを被覆する絶縁体層Sdが形成されている。
【0047】
導体パターンCL1a,CL1bの組において、導体パターンCL1aは第1導体パターン、導体パターンCL1bは第2導体パターン、絶縁体層Saは第1絶縁体層、絶縁体層Sbは第2絶縁体層、絶縁体層Scは第3絶縁体層、にそれぞれ相当する。また、導体パターンCL1b,CL1cの組において、導体パターンCL1bは第1導体パターン、導体パターンCL1cは第2導体パターン、絶縁体層Sbは第1絶縁体層、絶縁体層Scは第2絶縁体層、絶縁体層Sdは第3絶縁体層、にそれぞれ相当する。
【0048】
電極パターンEC1a,EC1bの組において、電極パターンEC1aは第1電極パターン、電極パターンEC1bは第2電極パターンにそれぞれ相当する。また、電極パターンEC1b,EC1cの組において、電極パターンEC1bは第1電極パターン、電極パターンEC1cは第2電極パターンにそれぞれ相当する。
【0049】
導体パターンCL1bは導体パターンCL1aに沿って連続し、導体パターンCL1cは導体パターンCL1bに沿って連続する。導体パターンCL1bにおける絶縁体層Sbの内部に形成されている部分は、導体パターンCL1bを平面視して延びる形状の全長に亘って、導体パターンCL1aに接続する。導体パターンCL1cにおける絶縁体層Scの内部に形成されている部分は、導体パターンCL1cを平面視して延びる形状の全長に亘って、導体パターンCL1bに接続する。そして、導体パターンCL1a,CL1b,CL1cによってインダクタが構成されている。また、電極パターンEC1a,EC1b,EC1c及び絶縁体層Sb,Scによってキャパシタが構成されている。
【0050】
図12は第2の実施形態に係る別の電子部品12Bの分解平面図である。
図13(A)は電子部品12Bの平面図であり、
図13(B)は
図13(A)におけるX-X部分の断面図ある。
【0051】
この電子部品12Bは、絶縁体層Sa,Sb,Sc,Sd,Seを備える。絶縁体層Saの下面には端子電極が形成されている。絶縁体層Saの上面には導体パターンCL1a及び電極パターンEC1aが形成されている。絶縁体層Sbの上面には電極パターンEC1bが形成されている。絶縁体層Sbの上面及び絶縁体層Sbの内部には導体パターンCL1bが形成されている。絶縁体層Scの上面には導体パターンCL1c及び電極パターンEC1cが形成されている。絶縁体層Scの内部には、導体パターンCL1bの端部と導体パターンCL1cの端部とを導通させるビア導体Vが形成されている。絶縁体層Sdの上面には電極パターンEC1dが形成されている。絶縁体層Sdの上面及び絶縁体層Sdの内部には導体パターンCL1dが形成されている。絶縁体層Sdの上面には絶縁体層Sd、導体パターンCL1d及び電極パターンEC1dを被覆する絶縁体層Seが形成されている。
【0052】
導体パターンCL1a,CL1bの組において、導体パターンCL1aは第1導体パターン、導体パターンCL1bは第2導体パターン、絶縁体層Saは第1絶縁体層、絶縁体層Sbは第2絶縁体層、絶縁体層Scは第3絶縁体層、にそれぞれ相当する。また、導体パターンCL1c,CL1dの組において、導体パターンCL1cは第1導体パターン、導体パターンCL1dは第2導体パターン、絶縁体層Scは第1絶縁体層、絶縁体層Sdは第2絶縁体層、絶縁体層Seは第3絶縁体層、にそれぞれ相当する。
【0053】
電極パターンEC1a,EC1bの組において、電極パターンEC1aは第1電極パターン、電極パターンEC1bは第2電極パターンにそれぞれ相当する。また、電極パターンEC1c,EC1dの組において、電極パターンEC1cは第1電極パターン、電極パターンEC1dは第2電極パターンにそれぞれ相当する。
【0054】
導体パターンCL1bは導体パターンCL1aに沿って連続し、導体パターンCL1dは導体パターンCL1cに沿って連続する。導体パターンCL1bにおける絶縁体層Sbの内部に形成されている部分は、導体パターンCL1bを平面視して延びる形状の全長に亘って、導体パターンCL1aに接続する。導体パターンCL1dにおける絶縁体層Sdの内部に形成されている部分は、導体パターンCL1dを平面視して延びる形状の全長に亘って、導体パターンCL1cに接続する。そして、導体パターンCL1a,CL1b,CL1c,CL1dによってインダクタが構成されている。また、電極パターンEC1a,EC1b,EC1c,EC1d及び絶縁体層Sb,Sc,Sdによってキャパシタが構成されている。
【0055】
《第3実施形態》
第3の実施形態では、フィルタモジュールについて例示する。
【0056】
図14は第3の実施形態に係るフィルタモジュール13の斜視図である。
図15はフィルタモジュール13の各絶縁体層及びそれらに形成されている導体パターンを示す分解平面図である。
図16はフィルタモジュール13の回路図である。
【0057】
図16に示すように、フィルタモジュール13は、キャパシタC1,C2及びインダクタL2,Lgで構成されている。各素子の値は例えば次のとおりである。
【0058】
C1:0.56pF
C2:0.75pF
Lg:0.9nH
L2:1.2nH
インダクタLg-L2間の結合係数:0.32
図14、
図15に示すように、フィルタモジュール13は、それぞれ矩形の複数の絶縁体層S1~S17が積層されて構成される直方体形状の積層体1を備える。この積層体1の外面に、例えばめっきで構成された第1端子電極ET1、第2端子電極ET2、グランド端子電極(
図14では後方に隠れている端子)、内部電極の層間接続のための浮き端子電極ENCが形成されている。
【0059】
インダクタL2は、複数の絶縁体層の積層体1に形成された導体パターンCL2で構成されていて、インダクタLgは、複数の絶縁体層の積層体1に形成された導体パターンCLgで構成されている。
【0060】
キャパシタC1は、複数の絶縁体層の積層方向に互いに対向する電極パターンEC1及びこれら電極パターンEC1で挟まれる絶縁体層で構成されている。また、キャパシタC2は、複数の絶縁体層の積層方向に互いに対向する電極パターンEC2及びこれら電極パターンで挟まれる絶縁体層で構成されている。
【0061】
上記導体パターンCL2は、
図15に示す導体パターンCL2a,CL2b,CL2c,CL2dで構成されている。また、上記導体パターンCLgは、
図15に示す導体パターンCLga,CLgb,CLgc,CLgdで構成されている。また、上記電極パターンEC1は
図15に示す電極パターンEC1a,EC1b,EC1c,EC1d,EC1eで構成されている。さらに、上記電極パターンEC2は
図15に示す電極パターンEC2a,EC2b,EC2c,EC2d,EC2e,EC2fで構成されている。第1絶縁体層S1の下面には端子T1,T2,GND,NCの各電極が形成されている。ここで、端子T1,T2,GND,NCの各電極は絶縁体層S1に予め形成されていてもよいし、複数の絶縁体層が積層された後に形成されてもよい。また、本実施形態では絶縁体層S1から絶縁体層S17までを順に積層する例を示したが、逆の順で、端子T1,T2,GND,NCの形成されない絶縁体層S17からはじめ、絶縁体層S1までを順に積層してもよい。
【0062】
インダクタ形成用の導体パターンCL2bは導体パターンCL2aに沿って連続する形状である。導体パターンCL2bにおける絶縁体層S5の内部に形成されている部分は、導体パターンCL2bを平面視して延びる形状の全長に亘って、導体パターンCL2aに接続する。同様に、導体パターンCL2dは導体パターンCL2cに沿って連続する形状である。導体パターンCL2dにおける絶縁体層S7の内部に形成されている部分は、導体パターンCL2dを平面視して延びる形状の全長に亘って、導体パターンCL2cに接続する。導体パターンCLgdは導体パターンCLgcに沿って連続する形状である。導体パターンCLgdにおける絶縁体層S17の内部に形成されている部分は、導体パターンCLgdを平面視して延びる形状の全長に亘って、導体パターンCLgcに接続する。導体パターンCLgbは導体パターンCLgaに沿って連続する形状である。導体パターンCLgbにおける絶縁体層S14の内部に形成されている部分は、導体パターンCLgbを平面視して延びる形状の全長に亘って、導体パターンCLgaに接続する。
【0063】
導体パターンCL2a,CL2bの一端と導体パターンCL2c,CL2dの一端とはビア導体Vを介して接続されている。また、導体パターンCLga,CLgbの一端と導体パターンCLgc,CLgdの一端とはビア導体Vを介して接続されている。
【0064】
図17、
図18それぞれは第3の実施形態に係る別のフィルタモジュールの各絶縁体層及びそれらに形成されている導体パターンを示す分解平面図である。
【0065】
図17に示すフィルタモジュールは、
図15に比べて、絶縁体層S4,S5に形成されている導体パターンCL2a,CL2bの形状、絶縁体層S17に形成されている導体パターンCLgdの形状、絶縁体層S13に形成されている電極パターンEC1dの形状が異なる。
【0066】
図17に示す例では、導体パターンCL2a、導体パターンCL2bがその順に次第に長くなっている。この構造により、導体パターンCL2a,CL2bの積層方向における導体膜厚の変化が滑らかになって、インダクタL2に流れる電流の集中が緩和される。
【0067】
また、
図17に示す例では、絶縁体層S17に形成されている導体パターンCLgdの端部は端子GNDに導通する角部の導体部にまで繋がっている。この構造により、導体パターンCLgc,CLgd全体の導体膜厚が端部まで均等になって、インダクタLgに流れる電流の集中が緩和される。
【0068】
また、
図17に示す例では、電極パターンEC1dの端部が、電極パターンEC1cと同様に、端子NCに導通する角部の導体部にまで繋がっている。この構造により、キャパシタC1を構成する電極パターンEC1c,EC1dの積層方向における導体膜厚の変化が緩やかになり、局所的な電流集中が緩和され、インダクタのQ値が効果的に改善できる。
【0069】
図18に示すフィルタモジュールは、
図17に比べて、絶縁体層S6に形成されているビア導体Vの形状、絶縁体層S6,S7に形成されている導体パターンCL2c,CL2dの形状、絶縁体層S13,S14に形成されている導体パターンCLga,CLgbの形状、絶縁体層S15に形成されているビア導体Vの形状、絶縁体層S16,S17に形成されている導体パターンCLgc,CLgdの形状がそれぞれ異なる。
【0070】
図18に示す例では、導体パターンCL2c、導体パターンCL2dがその順に次第に長くなっている。さらに、導体パターンCL2bと導体パターンCL2cとを接続するビア導体Vが、導体パターンCL2bと導体パターンCL2cとを層に沿って繋ぐように延びている。この構造により、導体パターンCL2b,CL2c,CL2dの積層方向における導体膜厚の変化が滑らかになって、インダクタL2に流れる電流の集中がより緩和される。
【0071】
また、
図18に示す例では、導体パターンCLga、導体パターンCLgbがその順に次第に長くなっている。同様に、導体パターンCLgc、導体パターンCLgdがその順に次第に短くなっている。さらに、導体パターンCLgbと導体パターンCLgcとを接続するビア導体Vが、導体パターンCLgbと導体パターンCLgcとを層に沿って繋ぐように延びている。この構造により、導体パターンCLga,CLgb,CLgc,CLgdの積層方向における導体膜厚の変化が滑らかになって、インダクタLgに流れる電流の集中が緩和される。
【0072】
《第4の実施形態》
第4の実施形態では、複数の導体パターンの積層方向での接合構造について例示する。
【0073】
図19(A)はインダクタ形成用の導体パターンCLga,CLgb,CLgc,CLgd及びビア導体Vの接合構造を模式的に示す図であり、積層方向に対する垂直方向から視た図である。絶縁体層については図示を省略している。これら導体パターンおよびビア導体は、
図15における導体パターンCLga,CLgb、導体パターンCLgc,CLgd及びビア導体Vの接合構造に対応する。
【0074】
この
図19(A)に示すように、導体パターンを積層方向に部分的に接続しない構造であれば、その非接続部の長さによってインダクタのインダクタンスを容易に微調整できる。
【0075】
図19(B)はインダクタ形成用の導体パターンCLga,CLgb,CLgc,CLgd及びビア導体Vの断面図である。絶縁体層については図示を省略している。これら導体パターンおよびビア導体は、
図17における導体パターンCLga,CLgb、導体パターンCLgc,CLgd及びビア導体Vの接合構造に対応する。
【0076】
この
図19(B)に示すように、導体パターンCLgaの略全体に導体パターンCLgbが導通することにより、また、導体パターンCLgcの略全体に導体パターンCLgdが導通することにより、インダクタの等価直列抵抗を低減でき、Q値の高いインダクタが得られる。
【0077】
図19(C)はインダクタ形成用の導体パターンCL2a,CL2b,CL2c,CL2d及びビア導体Vの断面図である。絶縁体層については図示を省略している。これら導体パターンおよびビア導体は、
図17における導体パターンCL2a,CL2b、導体パターンCL2c,CL2d及びビア導体Vの接合構造に対応する。
【0078】
この
図19(C)に示すように、導体パターンの積層方向に層数の変化が緩やかになり、局所的な電流集中が緩和され、インダクタのQ値が効果的に改善できる。
【0079】
図19(D)はインダクタ形成用の導体パターンCLga,CLgb,CLgc,CLgd及びビア導体Vの断面図である。絶縁体層については図示を省略している。これら導体パターンおよびビア導体は、
図18における導体パターンCLga,CLgb、導体パターンCLgc,CLgd及びビア導体Vの接合構造に対応する。
【0080】
この
図19(D)に示すように、導体パターンCLga,CLgbと導体パターンCLgc,CLgdとを長い距離に亘ってビア導体Vを介して接続することにより、インダクタLgのインダクタンスを容易に微調整できる。
【0081】
図19(E)はインダクタ形成用の導体パターンCL2a,CL2b,CL2c,CL2d及びビア導体Vの断面図である。絶縁体層については図示を省略している。
図19(C)に比べて、導体パターンCL2b,CL2c及びビア導体Vの接合長さが短く、導体パターンが3層以上重ならないように構成されている。
【0082】
この
図19(E)に示すように、導体パターンの積層数が局所的に多くなる箇所を避けることにより、焼成時に絶縁体と導体パターンとの焼成収縮の仕方により発生するクラックなどの構造欠陥を抑制できる。
【0083】
《第5の実施形態》
第5の実施形態では、以上に示したフィルタモジュールを備える電子機器について例示する。
【0084】
図20は第5の実施形態に係る電子機器201の構成を示すブロック図である。この電子機器201は、例えばいわゆるスマートフォンや携帯電話器である。この電子機器201は、デュプレクサ53、アンテナ54、制御回路50、インターフェイス及びメモリ51、周波数シンセサイザ52を備える。送信系は、送話器61、送信信号処理回路62、送信ミキサ63、送信フィルタ64及びパワーアンプ65で構成されている。受信系は、ローノイズアンプ71、受信フィルタ72、受信ミキサ73、受信信号処理回路74及び受話器75で構成されている。パワーアンプ65から出力される送信信号はデュプレクサ53を介してアンテナ54へ出力される。また、アンテナ54で受信された信号はデュプレクサ53を介してローノイズアンプ71で増幅される。なお、通話ではなくデータ通信などの場合には、制御回路50は受信信号を処理する。
【0085】
送信フィルタ64や受信フィルタ72には、本発明のフィルタモジュールを適用できる。また、デュプレクサ53の高周波数側のフィルタに本発明のフィルタモジュールを適用できる。
【0086】
また、パワーアンプ65の前後、ローノイズアンプ71の前後、送信ミキサ63の前後、受信ミキサ73等の前後にフィルタを設ける場合に、それらのフィルタに、本発明のフィルタモジュールを適用できる。
【0087】
最後に、本発明は上述した実施形態に限られるものではない。当業者によって適宜変形及び変更が可能である。本発明の範囲は、上述の実施形態ではなく、特許請求の範囲によって示される。さらに、本発明の範囲には、特許請求の範囲内と均等の範囲内での実施形態からの変形及び変更が含まれる。
【0088】
例えば、
図1では、絶縁体層S2に、当該絶縁体層S2を貫通して第1導体パターンCL11に沿って連続的に導通する第2導体パターンCL12が形成された例を示したが、第2導体パターンCL12は第1導体パターンCL11に沿った複数箇所に非連続的に形成されてもよい。
【符号の説明】
【0089】
AP:開口
C1,C2,C3…キャパシタ
CL11…第1導体パターン
CL12…第2導体パターン
CL1a,CL1b,CL1c,CL1d…導体パターン
CL2,CL2a,CL2b,CL2c,CL2d…導体パターン
CLg,CLga,CLgb,CLgc,CLgd…導体パターン
EC11…第1電極パターン
EC12…第2電極パターン
EC1,EC1a,EC1b,EC1c,EC1d,EC1e…電極パターン
EC2,EC2a,EC2b,EC2c,EC2d,EC2e,EC2f…電極パターン
ENC…浮き端子電極
ET1…第1端子電極
ET2…第2端子電極
L1,L2,Lg…インダクタ
LC11…第1導体パターン
PM…フォトマスク
PP…感光性導電ペーストの膜
S1…第1絶縁体層
S14,S15,S16,S17…絶縁体層
S2…第2絶縁体層
S2P…感光性絶縁ペーストの膜
S3…第3絶縁体層
S4,S5,S6,S7…絶縁体層
Sa,Sb,Sc,Sd,Se…絶縁体層
T1,T2,GND,NC…端子
V…ビア導体
1…積層体
11…電子部品
12A,12B…電子部品
13…フィルタモジュール
50…制御回路
51…メモリ
52…周波数シンセサイザ
53…デュプレクサ
54…アンテナ
61…送話器
62…送信信号処理回路
63…送信ミキサ
64…送信フィルタ
65…パワーアンプ
71…ローノイズアンプ
72…受信フィルタ
73…受信ミキサ
74…受信信号処理回路
75…受話器
201…電子機器