(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025103874
(43)【公開日】2025-07-09
(54)【発明の名称】電子機器装置
(51)【国際特許分類】
H05K 7/14 20060101AFI20250702BHJP
E02F 9/16 20060101ALI20250702BHJP
E02F 9/00 20060101ALI20250702BHJP
【FI】
H05K7/14 A
E02F9/16 K
E02F9/00 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023221566
(22)【出願日】2023-12-27
(71)【出願人】
【識別番号】000005522
【氏名又は名称】日立建機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002457
【氏名又は名称】弁理士法人広和特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】横田 隼人
(72)【発明者】
【氏名】小室 豊一
(72)【発明者】
【氏名】北井 直樹
【テーマコード(参考)】
2D015
5E348
【Fターム(参考)】
2D015EB01
5E348AA03
5E348AA11
5E348AA32
5E348AA40
(57)【要約】
【課題】 異なる寸法の回路基板を共通のケースに収容可能にすると共に、耐振性を高める。
【解決手段】 電子機器装置11は、回路基板12、ケース16、第1カバー23、第2カバー26および固定具29を備えている。回路基板12は、固定具29を介してケース16へと収容されるための挿通孔13,14(固定部)を有する。ケース16は、上面16Aと下面16Bが開口した枠形状の内壁17と、内壁17に接合されて回路基板12の平面方向に延伸したフレーム21と、を有する。フレーム21は、所定の間隙をもってケース16の内部に複数配置される。固定具29は、フレーム21間の間隙に挿通して固定される。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
回路基板と、
前記回路基板を収容するケースと、
前記ケースの上側を覆う第1カバーと、
前記ケースの下側を覆う第2カバーと、
前記回路基板を前記ケースへ固定するための固定具と、を備え、
前記回路基板は、前記固定具を介して前記ケースへと収容されるための固定部を有する電子機器装置において、
前記ケースは、上面と下面が開口した枠形状の内壁と、前記内壁に接合されて前記回路基板の平面方向に延伸したフレームと、を有し、
前記フレームは、所定の間隙をもって前記ケースの内部に複数配置され、
前記固定具は、前記フレーム間の間隙に挿通して固定されることを特徴とする電子機器装置。
【請求項2】
前記フレームは、前記回路基板の平面方向に放射状に延びた構造であることを特徴とする請求項1に記載の電子機器装置。
【請求項3】
前記ケースは、上下方向に複数積み重ねた状態で互いに接合されることを特徴とする請求項1または2に記載の電子機器装置。
【請求項4】
前記固定部は、前記回路基板の外側部分および内側部分に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の電子機器装置。
【請求項5】
前記回路基板は、コネクタを有することを特徴とする請求項1または2に記載の電子機器装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回路基板を収容するケースを備えた電子機器装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ショベルに代表される建設機械には、車体を制御するための電子機器装置が搭載されている。電子機器装置は、搭載する建設機械の用途毎に幅広い品種が開発されている。これに加え、近年は、さらなる高付加価値化や電子部品の高性能化に伴い、電子機器装置の小型化や部品変更などのバージョンアップが頻繁に行われる。こうして設計される電子機器装置内部の回路基板および回路基板を収容するケースの寸法は、建設機械の品種および仕様により様々である。しかしながら、建設機械は、基本的に少量多品種で生産される。このため、このように、形状等が異なる電子機器装置の増加は、設計および製造の面でのコスト上昇の原因となっている。そのため、ケースなどの部品の共通化によるコストの低減が求められている。
【0003】
以上の電子機器装置に関する課題を解決するための技術が、特許文献1に開示されている。特許文献1に記載された技術によると、コネクタと基板をフレキシブルプリント配線板で結合し、ケース内の基板支持部を複数箇所に設けることで、異なる寸法の回路基板を共通のケースに固定することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に開示された構成では、基板支持部を複数箇所に設けることで異なる寸法の回路基板を固定することができる。しかしながら、固定箇所は回路基板の外側部分となる端部に限られているため、回路基板の内側部分などを固定することができない。建設機械は振動が激しい環境下で使用されることから、大型の回路基板の場合には、回路基板は耐振性向上のために、回路基板の外側部分だけでなく内側部分などがケースに固定される必要がある。
【0006】
本発明の目的は、異なる寸法の回路基板を共通のケースに収容可能にすると共に、耐振性も考慮した電子機器装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、回路基板と、前記回路基板を収容するケースと、前記ケースの上側を覆う第1カバーと、前記ケースの下側を覆う第2カバーと、前記回路基板を前記ケースへ固定するための固定具と、を備え、前記回路基板は、前記固定具を介して前記ケースへと収容されるための固定部を有する電子機器装置において、前記ケースは、上面と下面が開口した枠形状の内壁と、前記内壁に接合されて前記回路基板の平面方向に延伸したフレームと、を有し、前記フレームは、所定の間隙をもって前記ケースの内部に複数配置され、前記固定具は、前記フレーム間の間隙に挿通して固定されることを特徴としている。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、異なる寸法の回路基板を共通のケースに収容可能にすると共に、耐振性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の実施形態による電子機器装置が適用された油圧ショベルを示す左側面図である。
【
図3】本発明の第1の実施形態による電子機器装置を示す斜視図である。
【
図4】
図3中の電子機器装置を裏返した状態で示す斜視図である。
【
図5】
図3中の電子機器装置を示す分解斜視図である。
【
図7】
図6中のケースを裏返した状態で示す斜視図である。
【
図8】
図5中のケースに回路基板を取り付けた状態を示す斜視図である。
【
図9】
図8中のケース等を裏返した状態で示す斜視図である。
【
図10】
図8中のケース等を矢示X-X方向からみた断面図である。
【
図11】
図5中のケースに小型の回路基板を取り付けた状態を示す斜視図である。
【
図12】
図11中のケース等を裏返した状態で示す斜視図である。
【
図13】本発明の第2の実施形態による電子機器装置を示す分解斜視図である。
【
図17】本発明の第3の実施形態による電子機器装置を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態による電子機器装置について、油圧ショベルに適用した場合を例に挙げ、添付図面に従って詳細に説明する。
【0011】
図1に示すように、油圧ショベル1は、前後方向に自走可能なクローラ式の下部走行体2と、下部走行体2上に旋回可能に搭載された上部旋回体3と、上部旋回体3の前側に設けられた作業装置4とを含んで構成されている。下部走行体2と上部旋回体3とは、油圧ショベル1の本体(車体)を構成している。油圧ショベル1は、下部走行体2によって作業現場を走行し、上部旋回体3を旋回させつつ作業装置4を用いて土砂の掘削作業等を行う。
【0012】
上部旋回体3は、車体フレームとしての旋回フレーム5を有している。旋回フレーム5は、上部旋回体3のベースを構成し、下部走行体2上に旋回可能に搭載されている。旋回フレーム5には、カウンタウエイト6、建屋カバー7、キャブ8が設けられている。
【0013】
カウンタウエイト6は、旋回フレーム5の後部に設けられている。このカウンタウエイト6は、作業装置4との重量バランスをとる重量物である。
【0014】
建屋カバー7は、カウンタウエイト6の前側に位置して旋回フレーム5上に設けられている。建屋カバー7の内部には、機械室が形成されている。建屋カバー7内の機械室には、エンジン、油圧ポンプ等の搭載機器(図示せず)が収容されている。
【0015】
キャブ8は、旋回フレーム5の左前側に設けられている。キャブ8は、オペレータが搭乗する運転室を画成している。
図2に示すように、キャブ8の内部には、例えばオペレータが座る運転席9、走行用の操作レバー、作業用の操作レバー(いずれも図示せず)が配設されている。また、キャブ8の内部には、電子機器装置11が配置されている。電子機器装置11は、例えば、運転席9の下側に位置してキャブ8の床面に固定されている。本発明はこれに限らず、例えば
図2中に破線で示すように、電子機器装置11は、運転席9の後方に位置して、キャブ8の内壁(後方壁面)に固定されてもよい。また、電子機器装置11は、キャブ8の内部(運転室)に限らず、例えば建屋カバー7の内部(機械室)に配置されるものでもよい。さらに、電子機器装置11は、上部旋回体3に限らず、下部走行体2に配置されるものでもよい。
【0016】
次に、第1の実施形態による電子機器装置11の構成について、
図3ないし
図10を参照して説明する。
【0017】
図3ないし
図5に示すように、電子機器装置11は、回路基板12と、回路基板12を収容するケース16と、ケース16の上側を覆う第1カバー23と、ケース16の下側を覆う第2カバー26と、回路基板12をケース16へ固定するための固定具29と、を備えている。
【0018】
図5に示すように、回路基板12は、例えば四角形の板状に形成されている。回路基板12の上面(第1主面)および下面(第2主面)には、各種の電子部品(図示せず)が取り付けられている。これにより、回路基板12には、例えば空調装置、通信装置、表示装置、音響装置、照明装置等のような各種の電気機器を制御する制御回路が形成されている。なお、制御回路は、コントロールバルブ等の油圧機器を制御するものでもよく、インバータを制御するものでもよい。
【0019】
回路基板12には、固定部としての複数の挿通孔13,14が形成されている。挿通孔13は、回路基板12の外側部分となる端部12Aに配置されている。このため、複数(例えば6個)の挿通孔13は、回路基板12の前後方向の後側と左右方向の両端側に位置して、回路基板12の外周縁に沿って配置されている。一方、挿通孔14は、回路基板12の内側部分となる中央部12Bに配置されている。複数(例えば2個)の挿通孔14は、回路基板12の前後方向の中間部分に位置すると共に、左右方向の中間部分に配置されている。
【0020】
回路基板12の前側には、コネクタ15が取り付けられている。コネクタ15は、例えば回路基板12の前端に位置して回路基板12の下面に取り付けられている。コネクタ15は、コネクタケース15A、端子ピン15B、接続端子15Cを備えている。コネクタケース15Aは、例えば、四角形状の有底筒状に形成され、前端部分が開口している。端子ピン15Bは、コネクタケース15Aの内部に複数配置され、コネクタケース15Aの底部(後側奥部)から前方に向けて延びている。端子ピン15Bは、コネクタ15が外部コネクタ(図示せず)に接続されたときに、外部の電気機器に電気的に接続される。接続端子15Cの一端側は、端子ピン15Bに接続されている。接続端子15Cの他端側は、例えば半田付け等によって回路基板12に接合されている。これにより、端子ピン15Bおよび接続端子15Cは、外部の電気機器と回路基板12の制御回路との間を電気的に接続する。
【0021】
図5ないし
図7に示すように、ケース16は、上面16A(第1主面)と下面16B(第1主面)が開口した枠形状の内壁17と、内壁17に接合されて回路基板12の平面方向に延伸したフレーム21と、を有している。内壁17は、例えば四角形の枠形状に形成されている。ケース16は、例えば金属材料、樹脂材料等を用いて四角形の箱状に形成されている。
【0022】
このとき、内壁17は、前後方向の両端に配置された前壁部17A、後壁部17Bと、左右方向の両端に配置された左壁部17C、右壁部17Dと、を有している。左壁部17Cは、前壁部17A、後壁部17Bの左端に配置され、これらを連結している。右壁部17Dは、前壁部17A、後壁部17Bの右端に配置され、これらを連結している。内壁17の角隅部分(四隅部分)には、上面16Aに位置してネジ穴17Eが形成されると共に、下面16Bに位置してネジ穴17Fが形成されている。ネジ穴17E,17Fは、第1カバー23および第2カバー26とケース16との組立状態を維持するものである。また、内壁17の内部には、内壁17の下側に位置して回路基板12を支持する基板支持部18が設けられている。基板支持部57は、隙間をもった平面状に形成されており、横置きの梯子状(格子状)となっている。
【0023】
内壁17の前後方向の前側には、コネクタ15が嵌合されるコネクタ嵌合部19が形成されている。コネクタ嵌合部19は、例えば前壁部17Aの左右方向の中間部分に位置して、前壁部17Aの上側を部分的に切欠いた形成となっている。このため、コネクタ嵌合部19は、コネクタケース15Aの外形に沿った形状として、四角形の形状となっている。これにより、コネクタ嵌合部19は、電子機器装置11の組立時に、上側からコネクタ15が挿入され、回路基板12の位置決めを容易にしている。
【0024】
フレーム21は、内壁17に接合されて回路基板12の平面方向に延伸している。フレーム21は、例えばケース16の前後方向に直線状に延びている。フレーム21は、ケース16の内部に複数設けられている。これら複数のフレーム21は、ケース16の左右方向に等間隔に配置されている。このとき、フレーム21は、所定の間隙となるスリット22をもってケース16の内部に複数配置されている。これにより、複数のフレーム21は、略平面形状に配置され、ケース16の底面部分となる基板支持部18を形成している。
【0025】
スリット22は、隣り合う2つのフレーム21の間に位置して、所定の幅寸法をもって前後方向に延びている。スリット22は、フレーム21の上下方向に貫通し、フレーム21に沿って延びる細長い間隙である。スリット22の幅寸法は、例えばボルト30の軸部が挿通可能で、ボルト30の頭部は挿通不能な値に設定されている。また、スリット22の幅寸法は、筒状をなすスペーサ32の外径寸法よりも小さい値に設定されている。
【0026】
なお、
図5ないし
図7では、フレーム21は、全て同じ幅寸法、厚さ寸法を有する場合を例示したが、本発明はこれに限らない。必要な数(例えば2つ以上)のスリット22が形成可能であれば、フレーム21の幅寸法等を含めたフレーム21の形状は、互いに異なるものでもよい。
【0027】
図5に示すように、第1カバー23は、ケース16の上側を覆う。第1カバー23は、例えばケース16と同じ外形形状として四角形状に形成されている。第1カバー23の角隅部分(四隅部分)には、厚さ方向に貫通した挿通孔24が形成されている。ボルト25は、第1カバー23の挿通孔24に挿通された状態で、その先端部分がケース16のネジ穴17Eに螺着されている。これにより、第1カバー23は、ケース16の上側に固定され、ケース16の上側開口部分を閉塞している。
【0028】
図5に示すように、第2カバー26は、ケース16の下側を覆う。第2カバー26は、例えばケース16と同じ外形形状として四角形状に形成されている。第2カバー26の角隅部分(四隅部分)には、厚さ方向に貫通した挿通孔27が形成されている。ボルト28は、第2カバー26の挿通孔27に挿通された状態で、その先端部分がケース16のネジ穴17Fに螺着されている。これにより、第2カバー26は、ケース16の下側に固定され、ケース16の下側開口部分を閉塞している。
【0029】
固定具29は、回路基板12をケース16に固定する。
図5、
図8ないし
図10に示すように、固定具29は、例えばボルト30およびナット31によって構成されている。ボルト30は、回路基板12の挿通孔13に挿通されると共に、スペーサ32を介して、スリット22に挿通されている。また、ボルト30は、回路基板12の挿通孔14に挿通されると共に、スペーサ32を介して、スリット22に挿通されている。
【0030】
このとき、スペーサ32は、上下方向に延びる筒状(円筒状)に形成され、回路基板12の下面とフレーム21の上面との間に介挿される。ボルト30の先端には、フレーム21の下面に配置されたナット31が螺着される。これにより、回路基板12は、内壁17の内側に位置して、複数のフレーム21と略平行な状態で、ケース16に取り付けられる。
【0031】
本実施形態による電子機器装置11は上述の如き構成を有するもので、次に、電子機器装置11の組立手順について、
図3、
図4、
図5、
図8ないし
図12を参照して説明する。
【0032】
図8ないし
図10に示すように、ケース16の内部に回路基板12を配置する。このとき、ケース16のコネクタ嵌合部19にコネクタ15を挿入する。これにより、組立時には、ケース16に対して、回路基板12を容易に位置決めすることができる。この状態で、回路基板12の挿通孔13にボルト30を挿入すると共に、挿通孔14にボルト30を挿入する(
図5、
図10参照)。このとき、ボルト30の軸部は、回路基板12の挿通孔13に挿通されると共に、スペーサ32を介して、スリット22に挿通される。同様に、ボルト30の軸部は、回路基板12の挿通孔14に挿通されると共に、スペーサ32を介して、スリット22に挿通される。ボルト30の軸部先端には、フレーム21の下面側からナット31が螺着される。これにより、回路基板12は、ケース16の内部に固定される。
【0033】
図11および
図12は、回路基板12とは異なる大きさの回路基板41をケース16の内部に収容した場合を示している。具体的に説明すると、回路基板41は、回路基板12と同様に例えば四角形の板状に形成されている。回路基板41の前側には、コネクタ15が取り付けられている。
【0034】
但し、回路基板41は、回路基板12よりも小さい。即ち、回路基板41の前後方向の長さ寸法は、回路基板12の前後方向の長さ寸法よりも小さい値に設定されている。これに加え、回路基板41の左右方向の長さ寸法は、回路基板12の左右方向の長さ寸法よりも小さい値に設定されている。
【0035】
回路基板41には、固定部としての複数の挿通孔42が形成されている。挿通孔42は、回路基板41の外側部分となる端部41Aに配置されている。このため、複数(例えば5個)の挿通孔42は、回路基板41の前後方向の後側と左右方向の両端側に位置して、回路基板41の外周縁に沿ってコ字状に配置されている。一方、回路基板41の内側部分となる中央部41Bには、固定部としての挿通孔は形成されていない。この点で、回路基板41は、回路基板12と異なる。この理由は、回路基板41は回路基板12よりも小さいため、端部41Aを固定することによって、中央部41Bの振動等を抑制できるためである。
【0036】
回路基板41をケース16に取り付ける場合、ケース16のコネクタ嵌合部19にコネクタ15を挿入し、ケース16に対して回路基板41を位置決めする。この状態で、回路基板41の挿通孔42にボルト30を挿入する。このとき、ボルト30の軸部は、回路基板12の挿通孔13に挿通されると共に、スペーサ32を介して、スリット22に挿通される。ボルト30の軸部先端には、フレーム21の下面側からナット31が螺着される。これにより、回路基板41は、ケース16の内部に固定される。なお、小型の回路基板41であっても、中央部41Bにボルト30を挿通するための貫通孔を有してもよい。この場合には、回路基板41の振動抑制効果が大きくなる。
【0037】
図8ないし
図10に示すように、挿通孔13,14とスリット22に対して、同一のボルト30が挿通可能となるように、回路基板12は設計されている。また、
図11および
図12に示すように、回路基板12とは異なる回路基板41についても、その挿通孔42に対して、同一のボルト30が挿通可能となっている。このため、ケース16は、異なる寸法の回路基板41を収容することができる。
【0038】
また、大型の回路基板12は、端部12Aだけでなく、中央部12Bも固定具29によって固定可能となっている。このため、振動による回路基板12の破損を防止することができる。このとき、回路基板12と基板支持部18を構成するフレーム21との間には、スペーサ32が介装される。これにより、回路基板12と基板支持部18との間には、スペーサ32の高さ寸法に応じた隙間が形成される。このため、回路基板12の上面に限らず、回路基板12のうち基板支持部18と対面した下面にも、コンデンサ等の電子部品等を実装することができる。この結果、回路基板12の設計の自由度を向上させることができる。
【0039】
次に、第1カバー23をケース16の上面16Aに接触した状態で、ボルト25の軸部を挿通孔24に挿通されて、ケース16のネジ穴17Eに螺着する(
図3ないし
図5参照)。これにより、第1カバー23は、ケース16の上面16Aに固定される。
【0040】
同様に、第2カバー26をケース16の下面16Bに接触した状態で、ボルト28の軸部を挿通孔27に挿通されて、ケース16のネジ穴17Fに螺着する。これにより、第2カバー26は、ケース16の下面16Bに固定される。この結果、ケース16は、その内部に回路基板12を収容した状態で、第1カバー23によって上側の開口が閉塞され、第2カバー26によって下側の開口が閉塞され、電子機器装置11が完成する。
【0041】
かくして、本実施形態の電子機器装置11は、回路基板12と、回路基板12を収容するケース16と、ケース16の上側を覆う第1カバー23と、ケース16の下側を覆う第2カバー26と、回路基板12をケース16へ固定するための固定具29と、を備え、回路基板12は、固定具29を介してケース16へと収容されるための固定部としての挿通孔13,14を有する。このとき、ケース16は、上面16Aと下面16Bが開口した枠形状の内壁17と、内壁17に接合されて回路基板12の平面方向に延伸したフレーム21と、を有し、フレーム21は、所定の間隙(スリット22)をもってケース16の内部に複数配置され、固定具29は、フレーム21間の間隙となるスリット22に挿通して固定される。
【0042】
このため、ケース16の前後方向に延びるスリット22のいずれの位置でも、固定具29を取り付けることできる。また、フレーム21は、ケース16の左右方向に複数配置されている。これにより、スリット22も、ケース16の左右方向に複数配置されている。このため、固定具29は、左右方向に並んだ複数のスリット22のいずれにも取り付けることができる。従って、共通のケース16は、異なる寸法の回路基板12,41を収容して、ケース16に回路基板12,41を固定することができる。このように、ケース16の共通化によって、設計コストや管理コストを削減することができる。
【0043】
また、回路基板12の固定部(挿通孔13,14)は、回路基板12の外側部分(端部12A)および内側部分(中央部12B)に配置されている。このため、回路基板12は、端部12Aだけでなく、中央部12Bも固定具29によって固定することができる。従って、油圧ショベル1の駆動に伴ってケース16が振動するときでも、回路基板12の端部12Aが固定された状態で、中央部12Bはケース16の基板支持部18と一緒に変位する。このため、例えば回路基板12の中央部12Bだけが基板支持部18に対して接近と離間を繰り返すようなことがなく、このような中央部12Bの振動や回路基板12の変形を抑制することができる。これにより、振動による回路基板12の破損を防止することができる。
【0044】
回路基板12は、コネクタ15を有している。このとき、スリット22は、コネクタ15の差し込み方向に延びている。このため、回路基板12をケース16に固定するときに、コネクタ15の差し込み方向に対して回路基板12の位置を調整することができる。
【0045】
第1の実施形態では、コネクタ15の位置を回路基板12の長辺部分(例えば前側部分)とした。本発明はこれに限らず、例えばコネクタ15の位置を回路基板20の短辺部分(例えば左側部分)としてもよい。このとき、スリット22は、コネクタ15の差し込み方向に延びているのが好ましい。このため、コネクタ15の位置を回路基板20の短辺部分(例えば左側部分)とした場合には、スリットは左右方向に延びるのが好ましい。
【0046】
第1の実施形態では、固定具29はボルト30およびナット31によって構成された場合を例示したが、本発明はこれに限らない。固定具は、例えばリベットやタッピングネジなどでもよい。即ち、固定具は、回路基板12,41をケース16に固定できる構造を有するものであればよい。
【0047】
次に、
図13ないし
図16を用いて、本発明の第2の実施形態について説明する。第2の実施形態の特徴は、フレームは、回路基板の平面方向に放射状に延びた構造であることにある。なお、第2の実施形態において、第1の実施形態と同一の構成要素は同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0048】
図13に示すように、第2の実施形態による電子機器装置51は、回路基板52と、回路基板52を収容するケース55と、ケース55の上側を覆う第1カバー61と、ケース55の下側を覆う第2カバー64と、回路基板52をケース55へ固定するための固定具29と、を備えている。
【0049】
回路基板52は、例えば四角形の板状に形成されている。
図14に示すように、回路基板52の上面(第1主面)および下面(第2主面)には、各種の電子部品(図示せず)が取り付けられている。これにより、回路基板52には、第1の実施形態による回路基板12と同様に、各種の電気機器を制御する制御回路が形成されている。
【0050】
回路基板52には、固定部としての複数の挿通孔53が形成されている。挿通孔53は、回路基板52の外側部分となる端部52Aに配置されている。このため、複数(例えば8個)の挿通孔53は、回路基板52の前後方向の両端側と左右方向の両端側にそれぞれ位置して、回路基板52の外周縁部分を取り囲んだ状態で配置されている。
【0051】
回路基板52の内側部分となる中央部52Bには、コネクタ54が取り付けられている。コネクタ54は、例えば回路基板52の中央部52Bに位置して、回路基板52の上面に取り付けられている。コネクタ54は、コネクタケース54A、端子ピン54B、接続端子(図示せず)を備えている。コネクタケース54Aは、例えば、四角形状の有底筒状に形成され、上端部分が開口している。端子ピン54Bは、コネクタケース54Aの内部に複数配置され、コネクタケース54Aの底部(下側奥部)から上方に向けて延びている。端子ピン54Bは、コネクタ54が外部コネクタ(図示せず)に接続されたときに、外部の電気機器に電気的に接続される。接続端子は、端子ピン54Bと同じ上下方向に延びると共に、端子ピン54Bと連続して直線状に延びている。接続端子は、回路基板12の下面から下側に向けて突出している。接続端子の一端側は、端子ピン54Bに接続されている。接続端子の他端側は、回路基板52の下面から下方に向けて突出し、例えば半田付け等によって回路基板52に接合されている。
【0052】
ケース55は、上面55A(第1主面)と下面55B(第2主面)が開口した枠形状の内壁56と、内壁56に接合されて回路基板52の平面方向に延伸したフレーム59と、を有している。
図13および
図15に示すように、内壁56は、例えば四角形の枠形状に形成されている。ケース55は、例えば金属材料、樹脂材料等を用いて四角形の箱状に形成されている。
【0053】
このとき、内壁56は、前後方向の両端に配置された前壁部56A、後壁部56Bと、左右方向の両端に配置された左壁部56C、右壁部56Dと、を有している。左壁部56Cは、前壁部56A、後壁部56Bの左端に配置され、これらを連結している。右壁部56Dは、前壁部56A、後壁部56Bの右端に配置され、これらを連結している。内壁56の角隅部分(四隅部分)には、上面55Aに位置してネジ穴56Eが形成されると共に、下面55Bに位置してネジ穴56Fが形成されている。内壁56の内部には、内壁56の上下方向の中間部分に位置して回路基板52を支持する基板支持部57が設けられている。
【0054】
基板支持部57は、隙間をもった平面状に形成されている。基板支持部57の中央部分には、コネクタ54が嵌合されるコネクタ嵌合部58が形成されている。コネクタ嵌合部58は、例えば基板支持部57を上下方向に貫通する貫通孔によって形成されている。コネクタ嵌合部58は、例えばコネクタケース54Aの外形形状に応じて、四角形の形状となっている。電子機器装置51の組立時に、ケース55の基板支持部57の上面に回路基板52を載置したときに、コネクタ54の接続端子がコネクタ嵌合部58に挿入される。これにより、コネクタ嵌合部58は、コネクタ54の接続端子が基板支持部57に干渉するのを防止している。
【0055】
フレーム59は、内壁56に接合されて回路基板52の平面方向に延伸している。フレーム59は、例えばケース55の中央部分(コネクタ嵌合部58)から外周縁部分に向けて放射状に延びている。フレーム59は、ケース55の内部に複数設けられている。フレーム59は、2本で1対となっている。ケース55の内部には、例えば8対のフレーム59が設けられている。このうち、4対のフレーム59は、コネクタ嵌合部58からケース55の4つの角隅に向けてそれぞれ延びている。残余の4対のフレーム59は、コネクタ嵌合部58からケース55の前後方向と左右方向にそれぞれ延びている。これら複数のフレーム59は、略平面形状に配置され、ケース55の底面部分となる基板支持部57を形成している。
【0056】
一対のフレーム59の間には、所定の幅寸法をもったスリット60が形成されている。スリット60は、フレーム59の上下方向に貫通し、1対のフレーム59に沿って延びる細長い間隙である。スリット60の幅寸法は、例えばボルト30の軸部が挿通可能で、ボルト30の頭部は挿通不能な値に設定されている。
【0057】
なお、
図15では、フレーム59は、全て同じ幅寸法、厚さ寸法を有する場合を例示したが、本発明はこれに限らない。必要な数(例えば2つ以上)のスリット60が形成可能であれば、フレーム59の幅寸法等を含めたフレーム59の形状は、互いに異なるものでもよい。
【0058】
第1カバー61は、ケース55の上側を覆う。
図13および
図16に示すように、第1カバー61は、例えばケース55と同じ外形形状として四角形状に形成されている。第1カバー61の中央部分には、コネクタ54と対応した位置に、コネクタ54が挿通可能な開口部62が形成されている。開口部62は、第1カバー61の上下方向(厚さ方向)に貫通した貫通孔であり、例えばコネクタ54と同様に四角形状に形成されている。
【0059】
第1カバー61の角隅部分(四隅部分)には、厚さ方向に貫通した挿通孔24が形成されている。ボルト25は、第1カバー61の挿通孔24に挿通された状態で、その先端部分がケース55のネジ穴56Eに螺着されている。これにより、第1カバー61は、ケース55の上側に固定され、ケース55の上側開口部分を閉塞している。
【0060】
第2カバー63は、ケース55の下側を覆う。
図13に示すように、第2カバー63は、例えばケース55と同じ外形形状として四角形状に形成されている。第2カバー63の角隅部分(四隅部分)には、厚さ方向に貫通した挿通孔27が形成されている。ボルト28は、第2カバー63の挿通孔27に挿通された状態で、その先端部分がケース55のネジ穴56Fに螺着されている。これにより、第2カバー63は、ケース55の下側に固定され、ケース55の下側開口部分を閉塞している。
【0061】
固定具29は、回路基板52をケース55に固定する。固定具29は、例えばボルト30およびナット31によって構成されている。ボルト30は、回路基板52の挿通孔53に挿通されると共に、スペーサ32を介して、スリット60に挿通されている。このとき、スペーサ32は、上下方向に延びる筒状(円筒状)に形成され、回路基板52の下面とフレーム59の上面との間に介挿される。ボルト30の先端には、フレーム59の下面側からナット31が螺着される。これにより、回路基板52は、内壁56の内側に位置して、複数のフレーム59と略平行な状態で、ケース55に取り付けられる。
【0062】
本実施形態による電子機器装置51は上述の如き構成を有するもので、次に、電子機器装置51の組立手順について、
図13を参照して説明する。
【0063】
まず、ケース55の内部に回路基板52を配置する。このとき、基板支持部57の上側に回路基板52を配置した後、ケース55のコネクタ嵌合部58にコネクタ54の接続端子を挿入する。この状態で、回路基板52の挿通孔53にボルト30を挿入する。このとき、ボルト30の軸部は、回路基板52の挿通孔53に挿通されると共に、スペーサ32を介して、スリット60に挿通される。ボルト30の軸部先端には、ナット31が螺着される。これにより、回路基板52は、ケース55の内部に固定される。
【0064】
次に、第1カバー61をケース55の上面55Aに接触した状態で、ボルト25を用いて第1カバー61をケース55の上面55Aに固定する。同様に、第2カバー63をケース55の下面55Bに接触した状態で、ボルト28を用いて第2カバー26をケース55の下面55Bに固定する。この結果、ケース55は、その内部に回路基板52を収容した状態で、第1カバー61によって上側の開口が閉塞され、第2カバー63によって下側の開口が閉塞され、電子機器装置51が完成する。
【0065】
かくして、このように構成された第2の実施形態においても、第1の実施形態とほぼ同様の作用効果を得ることができる。第2の実施形態では、フレーム59は、回路基板52の平面方向に放射状に延びた構造とした。このとき、スリット60は、フレーム59に沿って、放射状に延びている。このため、ケース55内で放射状に延びるスリット60のいずれの位置でも、固定具29を取り付けることできる。従って、共通のケース55は、異なる寸法の回路基板52を収容することができる。
【0066】
また、第2の実施形態では、回路基板52の中央部52Bにはコネクタ54が設けられると共に、コネクタ54の下側部分はコネクタ嵌合部58に嵌合され、コネクタ54の上側部分は第1カバー61の挿通孔24に挿入される。このため、回路基板52の中央部52Bは、コネクタ54を通じて位置決め固定されており、その振動が抑制される。このため、第2の実施形態でも、第1の実施形態と同様に耐振性を有する。これに加え、第2の実施形態では、ケース55の内壁56の寸法を上限として、回路基板52の寸法を無段階で設計することができ、回路基板52の設計の自由度を向上させることができる。
【0067】
なお、第2の実施形態では、回路基板52の上側にコネクタ54を設けると共に、ケース55の上側を覆う第1カバー61にコネクタ54を外部へ露出させるための開口部62を設けているが、本発明はこれに限らない。例えば回路基板52の下側にコネクタ54を設けると共に、ケース55の下側を覆う第2カバー26にコネクタ54を外部へ露出させるための開口部を設けてもよい。
【0068】
第2の実施形態では、回路基板52の端部52Aだけに固定部としての貫通孔53を設けるものとしたが、本発明はこれに限らない。回路基板52の端部52Aに限らず、回路基板52の中央部52Bにも、ボルト30を挿通するための貫通孔を有してもよい。この場合には、回路基板52の振動抑制効果が大きくなる。
【0069】
次に、
図17および
図18を用いて、本発明の第3の実施形態について説明する。第3の実施形態の特徴は、ケースは、上下方向に複数積み重ねた状態で互いに接合されることにある。なお、第3の実施形態において、第1の実施形態と同一の構成要素は同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0070】
第3の実施形態による電子機器装置71は、回路基板12と、回路基板12を収容するケース16,72と、ケース72の上側を覆う第1カバー23と、ケース16の下側を覆う第2カバー26と、回路基板12をケース16,72へ固定するための固定具29と、を備えている。
【0071】
ケース72は、ケース16とほぼ同様に形成されている。このため、ケース72は、上面72A(第1主面)と下面72B(第1主面)が開口した枠形状の内壁17と、内壁17に接合されて回路基板12の平面方向に延伸したフレーム21と、を有している。ケース72は、例えば金属材料、樹脂材料等を用いて四角形の箱状に形成されている。内壁17の内部には、内壁17の下側に位置して回路基板12を支持する平板状の基板支持部18が設けられている。基板支持部18は、複数のフレーム21によって構成されている。隣り合う2つのフレーム21の間には、スリット22が形成されている。内壁17の前後方向の前側には、コネクタ15が嵌合されるコネクタ嵌合部19が形成されている。ケース72の内部には、固定具29を用いて回路基板12が取り付けられている。
【0072】
但し、内壁17の角隅部分(四隅部分)には、上下方向に貫通した挿通孔73が形成されている。この点で、ケース72は、ケース16と異なっている。ケース72は、ケース16の上側が積み重ねた状態で、ケース16に固定されている。
【0073】
電子機器装置71の組立時には、回路基板12を収容したケース16の上側に、回路基板12を収容したケース72を積み重ねる。この状態で、ケース72の上側に第1カバー23を載置する。第1カバー23をケース72の上面72Aに接触した状態で、ボルト74の軸部を挿通孔24、挿通孔73に挿通する。このとき、ボルト74は、ケース72の上下方向の高さ寸法よりも長尺な軸部を有する。このため、挿通孔24、挿通孔73に挿通されたボルト74の先端は、ケース72の下面72Bから下側に突出し、ケース16のネジ穴17Eに螺着する。これにより、ケース16とケース72が積み重なった状態で接合されると共に、第1カバー23がケース72の上面72Aに固定される。
【0074】
一方、第2カバー26をケース16の下面16Bに接触した状態で、ボルト28の軸部を挿通孔27に挿通された状態、ケース16のネジ穴17Fに螺着する。これにより、第2カバー26は、ケース16の下面16Bに固定される。この結果、ケース16,72は、その内部に回路基板12を収容した状態で、第1カバー23によって上側の開口が閉塞され、第2カバー26によって下側の開口が閉塞される。
【0075】
かくして、このように構成された第3の実施形態においても、第1の実施形態とほぼ同様の作用効果を得ることができる。第3の実施形態では、ケース16,72は、上下方向に複数積み重ねた状態で互いに接合されている。これにより、複数のケース16,72で別個に電子機器装置を構成した場合に比べて、第1カバー23、第2カバー26の枚数を削減して、製造コストを低減することができる。
【0076】
なお、第3の実施形態では、ケース16,72のいずれも前側にコネクタ15が配置された場合を例示した。本発明はこれに限らず、ケース16,72で互いに異なる位置にコネクタ15を配置してもよい。例えばケース16の前側にコネクタ15が配置されるのに対し、ケース72の後側にコネクタ15を配置してもよく、ケース72の左側または右側にコネクタ15を配置してもよい。
【0077】
第1の実施形態では、回路基板12、ケース16、第1カバー23、第2カバー26は、いずれも四角形状に形成した場合を例に挙げて説明した。本発明はこれに限らず、例えば、回路基板、ケース、第1カバー、第2カバーは、三角形状でもよく、五角形状、六角形状等のような多角形状でもよく、円形状、楕円形状等でもよい。即ち、ケース等の形状は、適用場所に応じて任意の形状が採用可能である。この点は、第2,第3の実施形態についても同様である。
【0078】
第1の実施形態では、クローラ式の下部走行体2を備えた油圧ショベル1に電子機器装置11を搭載した場合を例に挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限らず、ホイール式の下部走行体を備えた油圧ショベルに適用してもよく、ホイールローダ、油圧クレーン等の建設機械に適用してもよい。この点は、第2,第3の実施形態についても同様である。
【符号の説明】
【0079】
11,51,71 電子機器装置
12,41,52 回路基板
12A,41A,52A 端部(外側部分)
12B,41B,52B 中央部(内側部分)
13,14,42,53 挿通孔(固定部)
15,54 コネクタ
16,55,72 ケース
16A,55A,72A 上面
16B,55B,72B 下面
17,56 内壁
18,57 基板支持部
19,58 コネクタ嵌合部
21,59 フレーム
22,60 スリット(間隙)
23,61 第1カバー
26,63 第2カバー
29 固定具
30 ボルト
31 ナット
32 スペーサ