(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025104278
(43)【公開日】2025-07-09
(54)【発明の名称】積層型電子部品
(51)【国際特許分類】
H01G 4/30 20060101AFI20250702BHJP
【FI】
H01G4/30 201C
H01G4/30 513
【審査請求】未請求
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024208994
(22)【出願日】2024-11-29
(31)【優先権主張番号】10-2023-0192144
(32)【優先日】2023-12-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】594023722
【氏名又は名称】サムソン エレクトロ-メカニックス カンパニーリミテッド.
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】フワン、ジュン ウン
(72)【発明者】
【氏名】リー、チャエ ドン
【テーマコード(参考)】
5E001
5E082
【Fターム(参考)】
5E001AB03
5E001AC07
5E001AC08
5E001AC09
5E001AE02
5E001AE03
5E001AF06
5E082AA01
5E082AB03
5E082BC31
5E082EE04
5E082EE17
5E082EE23
5E082EE35
5E082FF05
5E082FG04
5E082FG26
5E082FG46
5E082GG10
5E082GG11
5E082JJ03
5E082JJ12
(57)【要約】
【課題】ダミーパターンを形成する場合に発生し得る曲げクラックを防止し、段差を緩和する。
【解決手段】本発明の一実施形態に係る積層型電子部品は、容量形成部の第1方向の一面及び他面のうち1つ以上の面上に配置される補強部に含まれる補強パターンの形状を調節して積層型電子部品の段差を緩和し、曲げクラックの発生を抑制することができる。本発明の一実施形態に係る積層型電子部品は、格子状に配置された複数の導電パターンを含む複数の補強パターンを含み、上記複数の導電パターンは本体の第3方向に向かい合う面と離隔して配置され、上記複数の導電パターンの少なくとも一部は補強部の第2方向の両端で外部電極と接することができる。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
誘電体層及び前記誘電体層を挟んで第1方向に交互に配置される第1及び第2内部電極、前記第1及び第2内部電極が前記第1方向に重なる領域を容量形成部とするとき、前記容量形成部の前記第1方向の一面及び他面のうち1つ以上の面上に配置される補強部を含む本体と、
前記本体の前記第1方向に垂直な第2方向に向かい合う面上に配置される外部電極と、を含み、
前記第1方向及び前記第2方向に垂直な方向を第3方向とするとき、前記補強部は前記第1方向に交互に配置され、格子状に配置された複数の導電パターンを含む複数の補強パターンを含み、
前記複数の導電パターンは、本体の第3方向に向かい合う面と離隔して配置され、前記複数の導電パターンの少なくとも一部は、前記補強部の第2方向の両端で前記外部電極と接する、積層型電子部品。
【請求項2】
前記本体において、前記容量形成部の前記第2方向の一面及び他面に配置された領域を長さ-マージン部とし、前記長さ-マージン部の前記第2方向の平均長さをLM、前記導電パターンの前記第2方向の平均長さをD1とするとき、
0.35LM≦D1≦0.95LMを満たす、請求項1に記載の積層型電子部品。
【請求項3】
前記導電パターンの前記第2方向の平均長さをD1、前記導電パターンの前記第3方向の平均幅をD2とするとき、
0.35D1≦D2≦D1を満たす、請求項1に記載の積層型電子部品。
【請求項4】
前記任意の導電パターンと、前記任意の導電パターンに隣接する導電パターンが前記第2方向に離隔した長さをD3とするとき、
0.5μm≦D3≦80μmを満たす、請求項1に記載の積層型電子部品。
【請求項5】
前記任意の導電パターンと、前記任意の導電パターンに隣接する導電パターンが前記第3方向に離隔した長さをD4とするとき、
0.05μm≦D4≦80μmを満たす、請求項1に記載の積層型電子部品。
【請求項6】
前記本体の第3方向の最大幅をW、前記補強パターンの第3方向の最大幅をD5とするとき、
0.4W≦D5≦0.97Wを満たす、請求項1に記載の積層型電子部品。
【請求項7】
前記複数の補強パターンは、前記誘電体層を挟んで交互に配置される、請求項1に記載の積層型電子部品。
【請求項8】
誘電体層及び前記誘電体層を挟んで第1方向に交互に配置される第1及び第2内部電極、前記第1及び第2内部電極が前記第1方向に重なる領域を容量形成部とするとき、前記容量形成部の前記第1方向の一面及び他面のうち1つ以上の面上に配置される補強部を含む本体と、
前記本体の前記第1方向に垂直な第2方向に向かい合う面上に配置される外部電極と、を含み、
前記補強部は、第1補強パターン及び前記第1補強パターンと前記第1方向に重ならない第2補強パターンを含み、前記第1方向及び前記第2方向と垂直な方向を第3方向とするとき、
前記第1補強パターンは、互いに前記第2方向及び前記第3方向に離隔して配置される複数の第1-1導電パターン及び前記複数の第1-1導電パターンが前記第2方向に離隔した空間の間に配置され、互いに前記第2方向及び前記第3方向に離隔して配置される複数の第1-2導電パターンを含み、
前記第2補強パターンは、互いに前記第2方向及び前記第3方向に離隔して配置される複数の第2-1導電パターン及び前記複数の第2-1導電パターンが前記第2方向に離隔した空間の間に配置され、互いに前記第2方向及び前記第3方向に離隔して配置される複数の第2-2導電パターンを含む、積層型電子部品。
【請求項9】
前記第1-1導電パターンと前記第1-2導電パターンは、前記第3方向にオフセットされるように配置され、前記第2-1導電パターンと前記第2-2導電パターンは、前記第3方向にオフセットされるように配置される、請求項8に記載の積層型電子部品。
【請求項10】
前記第1補強パターン及び前記第2補強パターンは、前記本体の前記第3方向に向かい合う面と離隔して配置され、前記複数の第1-1導電パターンの少なくとも一部及び前記複数の第2-1導電パターンの少なくとも一部は、前記補強部の前記第2方向の両端で前記外部電極と接する、請求項8に記載の積層型電子部品。
【請求項11】
前記本体において、前記容量形成部の前記第2方向の一面及び他面に配置された領域を長さ-マージン部とし、前記長さ-マージン部の前記第2方向の平均長さをLM、前記第1-1導電パターン及び前記第1-2導電パターンの前記第2方向の平均長さをD1とするとき、
0.35LM≦D1≦0.95LMを満たす、請求項8に記載の積層型電子部品。
【請求項12】
前記第1-1導電パターン及び前記第1-2導電パターンの前記第2方向の平均長さをD1、前記第1-1導電パターン及び前記第1-2導電パターンの前記第3方向の平均幅をD2とするとき、
0.35D1≦D2≦D1を満たす、請求項8に記載の積層型電子部品。
【請求項13】
前記第1-1導電パターンと、前記第1-1導電パターンに最も隣接する前記第1-2導電パターンが前記第2方向に離隔した長さをD3とするとき、
0.5μm≦D3≦80μmを満たす、請求項8に記載の積層型電子部品。
【請求項14】
前記第1-1導電パターンと、前記第1-1導電パターンに最も隣接する前記第1-2導電パターンが前記第3方向に離隔した長さをD4とするとき、
0.05μm≦D4≦80μmを満たす、請求項8に記載の積層型電子部品。
【請求項15】
前記本体の第3方向の最大幅をW、前記第1及び第2補強パターンの第3方向の最大幅をD5とするとき、
0.4W≦D5≦0.97Wを満たす、請求項8に記載の積層型電子部品。
【請求項16】
前記第1補強パターンと前記第2補強パターンは、前記誘電体層を挟んで配置される、請求項8に記載の積層型電子部品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、積層型電子部品に関するものである。
【背景技術】
【0002】
積層型電子部品の一つである積層セラミックキャパシタ(MLCC:Multilayer Ceramic Capacitor)は、液晶表示装置(LCD:Liquid Crystal Display)及びプラズマ表示装置パネル(PDP:Plasma Display Panel)などの映像機器、コンピュータ、スマートフォン及び携帯電話、電気自動車のオンボードチャージャ(OBC;On Board Charger)、DC-DC converterなどの回路などの様々な電子製品のプリント回路基板に装着されて電気を充電または放電させる役割を果たすチップ形態のコンデンサである。
【0003】
従来の場合、積層セラミックキャパシタの曲げ強度を向上させるための方案として、容量形成部の上面及び下面にダミーパターン等を形成する試みがあった。しかしながら、一般的なダミーパターンは、幅方向のマージン側の端部の形態が一字状であるため、曲げクラックに脆弱である可能性がある。また、強度を十分に向上させるためにダミーパターンを複数の層で形成する場合、ダミーパターン間の積層方向への重なりによって段差が発生する可能性がある。
【0004】
これにより、曲げクラックの発生を防止して段差を緩和することができるようにダミーパターンの構造を改善する必要性がある実情である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、ダミーパターンを形成する場合に発生し得る曲げクラックを防止することである。
【0006】
本発明が解決しようとする課題は、ダミーパターンを形成する場合に発生し得る段差を緩和することである。
【0007】
但し、本発明が解決しようとする課題は、上述した内容に限定されず、本発明の具体的な実施形態を説明する過程でより容易に理解することができる。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一実施形態に係る積層型電子部品は、誘電体層及び上記誘電体層を挟んで第1方向に交互に配置される第1及び第2内部電極、上記第1及び第2内部電極が上記第1方向に重なる領域を容量形成部とするとき、上記容量形成部の上記第1方向の一面及び他面のうち1つ以上の面上に配置される補強部を含む本体と、上記本体の上記第1方向に垂直な第2方向に向かい合う面上に配置される外部電極と、を含み、上記第1方向及び上記第2方向に垂直な方向を第3方向とするとき、上記補強部は、上記第1方向に交互に配置され、格子状に配置された複数の導電パターンを含む複数の補強パターンを含み、上記複数の導電パターンは本体の第3方向に向かい合う面と離隔して配置され、上記複数の導電パターンの少なくとも一部は上記補強部の第2方向の両端で上記外部電極と接することができる。
【0009】
本発明の一実施形態に係る積層型電子部品は、誘電体層及び上記誘電体層を挟んで第1方向に交互に配置される第1及び第2内部電極、上記第1及び第2内部電極が上記第1方向に重なる領域を容量形成部とするとき、上記容量形成部の上記第1方向の一面及び他面上に配置される補強部を含む本体と、上記本体の上記第1方向に垂直な第2方向に向かい合う面上に配置される外部電極と、を含み、上記補強部は、第1補強パターン、上記第1補強パターンと上記第1方向に重ならない第2補強パターンを含み、上記第1方向及び上記第2方向に垂直な方向を第3方向とするとき、上記第1補強パターンは、互いに上記第2方向及び上記第3方向に離隔して配置される複数の第1-1導電パターン及び上記複数の第1-1導電パターンが上記第2方向に離隔した空間の間に配置され、互いに上記第2方向及び上記第3方向に離隔して配置される複数の第1-2導電パターンを含み、上記第2補強パターンは互いに上記第2方向及び上記第3方向に離隔して配置される複数の第2-1導電パターン及び上記複数の第2-1導電パターンが上記第2方向に離隔した空間の間に配置され、互いに上記第2方向及び上記第3方向に離隔して配置される複数の第2-2導電パターンを含むことができる。
【発明の効果】
【0010】
本発明の様々な効果の一つは、容量形成部の第1方向の一面及び他面のうち一つ以上の面上に配置される補強部に含まれる補強パターンの形状を調節して積層型電子部品の段差を緩和し、曲げクラックの発生を抑制することである。
【0011】
但し、本発明の多様でありながらも有意義な利点及び効果は、上述した内容に限定されず、本発明の具体的な実施形態を説明する過程で、より容易に理解することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】一実施形態に係る積層型電子部品の斜視図を概略的に示したものである。
【
図3】
図1のII-II'線に沿った断面図である。
【
図4】一実施形態に係る積層型電子部品において、
図1のI-I'線に沿った断面に対応する断面を示したものである。
【
図5】一実施形態に係る積層型電子部品において、
図1のII-II'線に沿った断面に対応する断面を示したものである。
【
図6】一実施形態に係る内部電極の形状を示した平面図である。
【
図7】一実施形態に係る補強部の形状を示した平面図である。
【
図8】一実施形態に係る第1補強部の形状を示した平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、具体的な実施形態及び添付の図面を参照して、本発明の実施形態を説明する。しかし、本発明の実施形態は、いくつかの他の形態に変形することができ、本発明の範囲が以下説明する実施形態に限定されるものではない。また、本発明の実施形態は、通常の技術者に本発明をより完全に説明するために提供されるものである。したがって、図面における要素の形状及び大きさなどはより明確な説明のために拡大縮小表示(又は強調表示や簡略化表示)がされることがあり、図面上に同一符号で示される要素は同一要素である。
【0014】
尚、図面において本発明を明確に説明するために説明と関係ない部分は省略し、図示した各構成の大きさ及び厚さは、説明の便宜のために任意で示したものであるため、本発明は必ずしも図示により限定されない。また、同一の思想の範囲内の機能が同一である構成要素は、同一の参照符号を用いて説明することができる。さらに、明細書全体において、ある部分がある構成要素を「含む」というのは、特に反対される記載がない限り、他の構成要素を除外するのではなく、他の構成要素をさらに含むことができることを意味する。
【0015】
図面において、第1方向は積層方向または厚さ(T)方向、第2方向は長さ(L)方向、第3方向は幅(W)方向と定義することができる。
【0016】
図1は、一実施形態に係る積層型電子部品の斜視図を概略的に示したものであり、
図2は、
図1のI-I'線に沿った断面図であり、
図3は、
図1のII-II'線に沿った断面図であり、
図4は、一実施形態に係る積層型電子部品において、
図1のI-I'線に沿った断面に対応する断面を示したものであり、
図5は、一実施形態に係る積層型電子部品において、
図1のII-II'線に沿った断面に対応する断面を示したものであり、
図6は、一実施形態に係る内部電極の形状を示した平面図であり、
図7は、一実施形態に係る補強部の形状を示した平面図であり、
図8は、一実施形態に係る第1補強部の形状を示した平面図である。
【0017】
以下、
図1~
図5、
図7及び
図8を参照して、本発明の一実施形態に係る積層型電子部品100、100'について詳細に説明する。また、積層型電子部品の一例として、積層セラミックキャパシタ(Multi-layered Ceramic Capacitor、以下「MLCC」という)について説明するが、本発明がこれに限定されるものではなく、セラミック材料を用いる様々な積層型電子部品、例えば、インダクタ、圧電体素子、バリスタ、またはサーミスタなどにも適用され得る。
【0018】
本発明の一実施形態に係る積層型電子部品100、100'は、誘電体層111及び上記誘電体層を挟んで第1方向に交互に配置される第1及び第2内部電極121、122、上記第1及び第2内部電極が上記第1方向に重なる領域を容量形成部RCとするとき、上記容量形成部の上記第1方向の一面及び他面のうち1つ以上の面上に配置される補強部RPを含む本体110、及び上記本体の上記第1方向に垂直な第2方向に向かい合う面上に配置される外部電極130、140と、を含み、上記第1方向及び上記第2方向に垂直な方向を第3方向とするとき、上記補強部は、上記第1方向に交互に配置され、格子状に配置された複数の導電パターン123a、123b、124a、124bを含む複数の補強パターン123、124を含み、上記複数の導電パターンは、本体の第3方向に向かい合う面と離隔して配置され、上記複数の導電パターンの少なくとも一部は、上記補強部の第2方向の両端で上記外部電極と接することができる。
【0019】
本発明の一実施形態に係る積層型電子部品100、100'は、誘電体層111及び上記誘電体層を挟んで第1方向に交互に配置される第1及び第2内部電極121、122、上記第1及び第2内部電極が上記第1方向に重なる領域を容量形成部RCとするとき、上記容量形成部の上記第1方向の一面及び他面のうち1つ以上の面上に配置される補強部RPを含む本体、及び上記本体の上記第1方向に垂直な第2方向に向かい合う面上に配置される外部電極130、140を含み、上記補強部は、第1補強パターン123、上記第1補強パターンと上記第1方向に重ならない第2補強パターン124を含み、上記第1方向及び上記第2方向と垂直な方向を第3方向とするとき、上記第1補強パターンは、互いに上記第2方向及び上記第3方向に離隔して配置される複数の第1-1導電パターン123a及び上記複数の第1-1導電パターンが上記第2方向に離隔した空間の間に配置され、互いに上記第2方向及び上記第3方向に離隔して配置される複数の第1-2導電パターン123bを含み、上記第2補強パターンは互いに上記第2方向及び上記第3方向に離隔して配置される複数の第2-1導電パターン124a及び上記複数の第2-1導電パターンが上記第2方向に離隔した空間の間に配置され、互いに上記第2方向及び上記第3方向に離隔して配置される複数の第2-2導電パターン124bを含むことができる。
【0020】
以下、積層型電子部品100、100'の各構成について詳細に説明する。
【0021】
本体110は、誘電体層111及び上記誘電体層を挟んで第1方向に交互に配置される第1及び第2内部電極121、122を含むことができる。
【0022】
本体110の具体的な形状に特に制限はないが、図示のように本体110は六面体状やこれと類似した形状からなることができる。焼成過程で本体110に含まれたセラミック粉末の収縮により、本体110は完全な直線を有する六面体状ではないが、実質的に六面体状を有することができる。
【0023】
本体110は、後述する第1及び第2内部電極121、122が積層される方向を第1方向、第1方向に垂直な方向を第2方向、第1方向及び第2方向に垂直な方向を第3方向とするとき、第1方向に向かい合う第1及び第2面1、2、上記第1及び第2面1、2と連結され、第2方向に向かい合う第3及び第4面3、4、第1及び第2面1、2と連結され、第3及び第4面3、4と連結され、第3方向に向かい合う第5及び第6面5、6を有することができる。
【0024】
誘電体層111上に内部電極121、122が配置されていないマージン領域が重なることによって、内部電極121、122の厚さによる段差が発生して、第1面と第3~第5面を連結するコーナー及び/または第2面と第3~第5面を連結するコーナーは、第1面または第2面を基準として見るとき、本体110の第1方向の中央側に向かって収縮した形状を有することができる。または、本体の焼結過程での収縮挙動によって、第1面1と第3~第6面3、4、5、6を連結するコーナー及び/又は第2面2と第3~第6面3、4、5、6を連結するコーナーは、第1面または第2面を基準として見るとき、本体110の第1方向の中央側に向かって収縮した形態を有することができる。または、チッピング不良などを防止するために本体110の各面を連結するエッジを別途の工程を行ってラウンド処理することによって第1面と第3~第6面を連結するコーナー及び/又は第2面と第3~第6面を連結するコーナーは、ラウンド状を有することができる。
【0025】
一方、内部電極121、122による段差を抑制するために、積層後に内部電極が本体の第5及び第6面5、6に露出するように切断した後、単一誘電体層又は2つ以上の誘電体層を容量形成部RCの両側面に第3方向(幅方向)に積層してマージン部114、115を形成する場合には、第1面と第5及び第6面を連結する部分及び第2面と第5及び第6面を連結する部分が収縮した形態を有さないことができる。
【0026】
本体110を形成する複数の誘電体層111は焼成された状態であり、隣接する誘電体層111間の境界は走査電子顕微鏡(SEM:Scanning Electron Microscope)を利用せずには確認しにくいほど一体化することができる。誘電体層の積層数は特に制限する必要はなく、積層型電子部品のサイズを考慮して決定することができる。例えば、誘電体層を400層以上積層して本体を形成することができる。
【0027】
誘電体層111は、セラミック粉末、有機溶剤及びバインダーを含むセラミックスラリーを製造し、上記スラリーをキャリアフィルム(carrier film)上に塗布及び乾燥してセラミックグリーンシートを設けた後、上記セラミックグリーンシートを焼成することで形成することができる。セラミック粉末は、十分な静電容量が得られる限り特に制限されないが、例えば、セラミック粉末としてチタン酸バリウム(BaTiO3)系粉末を用いることができる。より具体的な例を挙げると、セラミック粉末は、BaTiO3、(Ba1-xCax)TiO3(0≦x≦1)、Ba(Ti1-yCay)O3(0≦y≦1)、(Ba1-xCax)(Ti1-yZry)O3(0≦x≦1、0≦y≦1)及びBa(Ti1-yZry)O3(0≦y≦1)のうち1つ以上であることができる。
【0028】
本発明によると、複数の誘電体層111の厚さが薄い場合にも高温負荷の寿命が低下することを防止することができ、誘電体層の厚さが厚い場合には高温負荷の寿命をより向上させることができるため、誘電体層111の平均厚さは特に限定する必要はなく、誘電体層111の平均厚さは所望の特性や用途に応じて任意に設定することができる。具体的な例を挙げると、誘電体層111の平均厚さは、300nm以上10μm以下であることができる。また、複数の誘電体層111のうち少なくとも1つ以上の平均厚さが300nm以上10μm以下であることができる。
【0029】
ここで、誘電体層111の平均厚さは、内部電極121、122の間に配置される誘電体層111の第1方向の平均大きさを意味することができる。誘電体層111の平均厚さは、本体110の第1方向及び第2方向の断面を1万倍率の走査電子顕微鏡(SEM)でスキャンして測定することができる。より具体的には、1つの誘電体層111の多数の地点、例えば第2方向に等間隔の30個の地点でその厚さを測定して平均値を測定することができる。上記等間隔の30個の地点は、後述する容量形成部RCで指定されることができる。また、このような平均値測定を10個の誘電体層111に拡張して平均値を測定すると、誘電体層111の平均厚さをさらに一般化することができる。
【0030】
内部電極121、122は、誘電体層111と第1方向に交互に配置されることができる。
【0031】
内部電極121、122は、第1及び第2内部電極121、122を含むことができる。第1及び第2内部電極121、122は、本体110を構成する誘電体層111を挟んで互いに対向するように交互に配置され、本体110の第3及び第4面3、4にそれぞれ連結されることができる。具体的には、第1内部電極121の一端は第3面に連結され、第2内部電極122の一端は第4面に連結されることができる。すなわち、一実施形態において、内部電極121、122は、第3面3または第4面4と接することができる。
【0032】
図6に示されたように、第1内部電極121は第3面3に連結され、第4面4と離隔し、第2内部電極122は第4面4に連結され、第3面3と離隔することができる。これにより、第1内部電極121は第2外部電極140とは連結されず、第1外部電極130と連結され、第2内部電極122は第1外部電極130とは連結されず、第2外部電極140と連結されることができる。
【0033】
内部電極121、122を形成する材料は特に制限されず、電気導電性に優れた材料を用いることができる。例えば、内部電極121、122は、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、パラジウム(Pd)、銀(Ag)、金(Au)、白金(Pt)、スズ(Sn)、タングステン(W)、チタン(Ti)及びこれらの合金のうち1つ以上を含むことができる。
【0034】
また、内部電極121、122は、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、パラジウム(Pd)、銀(Ag)、金(Au)、白金(Pt)、スズ(Sn)、タングステン(W)、チタン(Ti)及びこれらの合金のうち1つ以上を含む内部電極用導電性ペーストをセラミックグリーンシートに印刷して形成することができる。上記内部電極用導電性ペーストの印刷方法としては、スクリーン印刷法またはグラビア印刷法などを用いることができるが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0035】
内部電極121、122の平均厚さは特に制限されず、所望の特性や用途に応じて任意に設定することができる。具体的な例を挙げると、内部電極121、122の平均厚さは、300nm以上10μm以下であることができる。また、複数の内部電極121、122のうち少なくとも1つ以上の平均厚さが300nm以上10μm以下であることができる。
【0036】
内部電極121、122の平均厚さは、上記本体110の幅方向の中央部で切断した長さ及び厚さ方向(L-T)の断面を走査電子顕微鏡(SEM、Scanning Electron Microscope)でスキャンしたイメージから抽出された内部電極層のうち本体の長さ方向の中央線と厚さ方向の中央線が接する地点の内部電極層の1層を基準として上部に2層と下部に2層の合計5層の内部電極層について、上記本体の長さ方向の中央線と厚さ方向の中央線が接する地点を基準として、上記基準点1つを中心に左側に2つ及び右側に2つの5つの地点を等間隔に定めた後、各地点の厚さを測定して平均値を測定することができる。
【0037】
図2及び
図4を参照すると、本体110は、第1及び第2内部電極121、122が第1方向に重なる領域である容量形成部RCを含むことができる。また、上記容量形成部RCは、キャパシタの容量形成に寄与する部分であり、誘電体層111を挟んで複数の第1及び第2内部電極121、122を繰り返し積層して形成されることができる。
【0038】
図3及び
図5を参照すると、本体110における容量形成部RCの第2方向の断面と本体110の第2方向に向かい合う面との間の領域を長さ-マージン部とすることができる。長さ-マージン部は、内部電極121、122のいずれか一つを含む領域であることができる。
【0039】
図2~
図5を参照すると、容量形成部RCの第1方向の一面及び他面のうち一つ以上の面上に補強部RPが配置されることができる。補強部RPは、容量形成部Acの第1方向の一面及び他面上に配置された本体110の領域であるカバー部112、113に含まれる領域であることができ、補強パターン123、124を含むことができる。
【0040】
補強部RPにおいて、補強パターン123、124は第1方向に交互に配置されることができ、補強パターン123、124の間には誘電体層111が配置されることができる。すなわち、補強パターン123、124は、誘電体層111を挟んで第1方向に交互に配置されることができる。補強パターン123、124の具体的な構造については後述する。
【0041】
カバー部112、113は、単一誘電体層または2つ以上の誘電体層を容量形成部RCの上面または下面に第1方向に積層して形成することができ、本発明の一実施形態によってカバー部112、113の内部に補強部RPが形成されることができる。すなわち、カバー部112、113は内部電極121、122を含まず、補強部RPを含むことができる。
【0042】
一方、カバー部112、113の厚さは特に限定する必要はない。但し、積層型電子部品の小型化及び高容量化をより容易に達成するために、カバー部112、113の厚さは15μm以下であることができる。
【0043】
カバー部112、113の平均厚さは第1方向の大きさを意味することができ、容量形成部RCの上部または下部で等間隔の5個の地点で測定したカバー部112、113の第1方向の大きさを平均した値であることができる。
【0044】
図3及び
図5を参照すると、容量形成部RCの第3方向の一面及び他面には、マージン部114、115が配置されることができる。
【0045】
マージン部114、115は、本体110の第5面5に配置された第1マージン部114と第6面6に配置された第2マージン部115を含むことができる。すなわち、マージン部114、115は、上記セラミック本体110の幅方向の両端面に配置されることができる。
【0046】
マージン部114、115は、
図5に示されたように、上記本体110を幅-厚さ(W-T)の方向に切断した断面(cross-section)で第1及び第2内部電極121、122の両端と本体110の境界面との間の領域を意味することができる。
【0047】
マージン部114、115は、基本的に物理的または化学的ストレスによる内部電極の損傷を防止する役割を果たすことができる。
【0048】
マージン部114、115は、セラミックグリーンシート上にマージン部が形成されるところを除いて、導電性ペーストを塗布して内部電極を形成することで形成されたものであることができる。
【0049】
また、内部電極121、122による段差を抑制するために、積層後に内部電極が本体の第5及び第6面5、6に露出するように切断した後、単一誘電体層又は2つ以上の誘電体層を容量形成部RCの両側面に第3方向(幅方向)に積層してマージン部114、115を形成することもできる。
【0050】
一方、マージン部114、115の幅は特に限定する必要はない。例えば、マージン部114、115の幅は5~300μmであることができる。但し、積層型電子部品の小型化及び高容量化をより容易に達成するために、マージン部114、115の平均幅は15μm以下であることができる。
【0051】
マージン部114、115の平均幅は、内部電極が第5面と離隔した領域の第3方向の平均大きさ及び内部電極が第6面と離隔した領域の第3方向の平均大きさを意味することができ、容量形成部RCの側面で等間隔の5個の地点で測定したマージン部114、115の第3方向の大きさを平均した値であることができる。
【0052】
したがって、一実施形態において、内部電極121、122が第5及び第6面と離隔した領域の第3方向の平均大きさはそれぞれ15μm以下であることができる。
【0053】
外部電極130、140は本体110上に配置されることができる。具体的には、外部電極130、140は、本体110の第3及び第4面3、4にそれぞれ配置されて、第1及び第2内部電極121、122とそれぞれ連結された第1及び第2外部電極130、140を含むことができる。
【0054】
本実施形態では、積層型電子部品100が2つの外部電極130、140を有する構造について説明しているが、外部電極130、140の個数や形状などは内部電極121、122の形態やその他の目的に応じて変更することができる。
【0055】
一方、外部電極130、140は、金属などのように電気導電性を有するものであれば、どのような物質を用いても形成されることができ、電気的特性、構造的安定性などを考慮して具体的な物質が決定されることができ、さらに多層構造を有することができる。
【0056】
例えば、外部電極130、140は、本体110に配置される電極層及び電極層上に形成されためっき層を含むことができる。
【0057】
電極層に対するより具体的な例を挙げると、電極層は、導電性金属及びガラスを含む焼成(firing)電極であるか、導電性金属及び樹脂を含む樹脂系電極であることができる。
【0058】
また、電極層は、本体上に焼成電極及び樹脂系電極が順次形成された形態であることができる。また、電極層は、本体上に導電性金属を含むシートを転写する方式で形成されるか、焼成電極上に導電性金属を含むシートを転写する方式で形成されたものであることができる。また、電極層はめっき層で形成されるか、スパッタリング工法、ALD(Atomic layer deposition)などの蒸着方式を用いて形成された層であることもできる。
【0059】
電極層に含まれる導電性金属として、電気導電性に優れた材料を用いることができるが、特に限定しない。例えば、導電性金属は、ニッケル(Ni)、銅(Cu)及びそれらの合金のうち一つ以上であることができる。
【0060】
めっき層は、実装特性を向上させる役割を果たす。めっき層の種類は特に限定せず、Ni、Sn、Pd及びこれらの合金のうち一つ以上を含むめっき層であることができ、複数の層から形成されることができる。
【0061】
めっき層に対するより具体的な例を挙げると、めっき層は、Niめっき層またはSnめっき層であることができ、電極層上にNiめっき層及びSnめっき層が順次形成された形態であることができ、Snめっき層、Niめっき層及びSnめっき層が順次形成された形態であることができる。また、めっき層は、複数のNiめっき層及び/または複数のSnめっき層を含むこともできる。また、めっき層は、電極層上にNiめっき層及びPdめっき層が順次形成された形態であることができる。
【0062】
従来の場合、積層セラミックキャパシタなどの積層型電子部品の曲げ強度を向上させるための方案として、容量形成部の上面及び下面にダミーパターンなどを形成する試みがあった。しかしながら、一般的なダミーパターンは、幅方向のマージン側の端部の形態が一字状であるため、曲げクラックに脆弱である可能性がある。また、強度を十分に向上させるためにダミーパターンを複数の層で形成する場合、ダミーパターン間の積層方向への重なりによって段差が発生する可能性がある。
【0063】
そこで、本発明の一実施形態に係る積層型電子部品100、100'では、容量形成部Acの第1方向の一面及び他面のうち1つ以上の面に補強部RPを配置し、補強部RPは、第1方向に交互に配置され、格子状に配置された複数の導電パターン123a、123b、124a、124bを含む複数の補強パターン123、124を含み、複数の導電パターン123a、123b、124a、124bは、本体110の第3方向に向かい合う面5、6と離隔して配置され、複数の導電パターン123a、123b、124a、124bの少なくとも一部は補強部RPの第2方向の両端で外部電極130、140と接するようにすることで、積層型電子部品100、100'の曲げクラックを防止し、段差を緩和することができる。
【0064】
具体的には、補強部RPは、第1方向に交互に配置され、格子状に配置された複数の導電パターン123a、123b、124a、124bを含む複数の補強パターン123、124を含むため、従来のダミーパターンに対して第3方向の端部に凹凸が形成されることができる。これにより、積層型電子部品100にダミーパターンの第3方向の端部に曲げクラックが発生することを抑制することができる。また、第1方向に交互に配置される複数の導電パターン123a、123b、124a、124bは格子状に配置されるため、複数の補強パターン123、124の第1方向の重なりによる段差を緩和することができる。
【0065】
また、複数の導電パターンを本体110の第3方向に向かい合う面5、6と離隔して配置されるようにすることで耐湿信頼性を確保することができ、複数の導電パターン123a、123b、124a、124bの少なくとも一部は、補強部RPの第2方向の両端で外部電極130、140と接するようにすることで、外部電極130、140と本体110の接合力を向上させることができる。
【0066】
複数の導電パターン123a、123b、124a、124bの成分は特に制限されず、内部電極121、122に含まれる導電性金属と同じ成分を含むことができる。例えば、複数の導電パターン123a、123b、124a、124bは、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、パラジウム(Pd)、銀(Ag)、金(Au)、白金(Pt)、スズ(Sn)、タングステン(W)、チタン(Ti)及びこれらの合金のうち1つ以上を含むことができる。
【0067】
一実施形態において、補強部RPは、第1補強パターン123及び第1補強パターン123と第1方向に重ならない第2補強パターン124を含むことができる。この場合、第1補強パターン123と第2補強パターン124が第1方向に重なることを防止することができるため、本発明による段差緩和の効果はさらに向上することができる。
【0068】
図7を参照すると、第1補強パターン123は第1-1導電パターン123a及び第1-2導電パターン124bを含むことができ、第2補強パターン124は第2-1導電パターン124a及び第2-2導電パターン124bを含むことができ、第1-1導電パターン123a及び第1-2導電パターン124bは格子パターンを形成し、第2-1導電パターン124a及び第2-2導電パターン124bは格子パターンを形成することができる。
【0069】
具体的には、一実施形態において、第1補強パターン123は、互いに第2方向及び第3方向に離隔して配置される複数の第1-1導電パターン123a及び複数の第1-1導電パターン123aが第2方向に離隔した空間の間に配置され、互いに第2方向及び第3方向に離隔して配置される複数の第1-2導電パターン123bを含むことができ、第2補強パターン124は、互いに第2方向及び第3方向に離隔して配置される複数の第2-1導電パターン124a及び複数の第2-1導電パターン124aが第2方向に離隔した空間の間に配置され、互いに第2方向及び第3方向に離隔して配置される複数の第2-2導電パターン124bを含むことができる。
【0070】
一方、第1-1導電パターン123a及び第1-2導電パターン123bの格子パターンと第2-1導電パターン124a及び第2-2導電パターン124bの格子パターンの形状は、上述したように、第1補強パターン123と第2補強パターン124が第1方向に重ならないように形成されることができる。具体的には、第1-1導電パターン123aは、第2-1導電パターン124a及び第2-2導電パターン124bと第1方向に重ならないように配置され、第1-2導電パターン123bは、第2-1導電パターン124a及び第2-2導電パターン124bと第1方向に重ならないように配置されることができる。
【0071】
一実施形態において、第1-1導電パターン123a及び第1-2導電パターン123bは、第3方向にオフセットされるように配置されることができ、第2-1導電パターン124a及び第2-2導電パターン124bは、第3方向にオフセットされるように配置されることができる。このとき、第3方向へのオフセット距離は、導電パターン123a、123b、124a、124bの第3方向の平均幅と同じであるか大きいことができる。これにより、補強パターン123、124の第3方向の端部に凹凸が形成されることで、積層型電子部品100、100'の曲げクラックの発生を抑制することができる。
【0072】
図6及び
図8を参照すると、本体における容量形成部RCの第2方向の一面及び他面に配置された領域を長さ-マージン部とすると、長さ-マージン部の第2方向の平均長さをLM、第1-1導電パターン123a及び第1-2導電パターン123bの第2方向の平均長さをD1、第1-1導電パターン123a及び第1-2導電パターン123bの第3方向の平均幅をD2、第1-1導電パターン123aと第1-1導電パターンに最も隣接する第1-2導電パターン123bが第2方向に離隔した長さをD3、第1-1導電パターン123aと、第1-1導電パターン123aに最も隣接する第1-2導電パターン123bが第3方向に離隔した長さをD4、本体110の第3方向の最大幅をW、第1補強パターン123の第3方向の最大幅をD5で表すことができる。
【0073】
図8では、第1補強パターン123、第1-1導電パターン123a、及び第1-2導電パターン123bの特徴について説明しているが、これは第2補強パターン124、第2-1導電パターン124a及び第2-2導電パターン124bにも同様に適用され得る。
【0074】
一実施形態において、D1及びLMは、0.35LM≦D1≦0.95LMを満たすことができる。
【0075】
D1が0.35LM未満の場合、外部電極と連結された補強パターン123の長さが短くなって、曲げクラック発生の防止効果が多少不足することがある。一方、D1が0.95LMを超過する場合、補強パターン123の積層工程の圧力及び温度条件によって歪みが発生すると、第3面3又は第4面4に接する導電パターン123aが容量形成部RCと第1方向に重なることができる。
【0076】
したがって、一実施形態では、D1及びLMが0.35LM≦D1≦0.95LMを満たすようにすることで十分な曲げクラック発生の防止効果を確保し、第3面3又は第4面4に接する導電パターン123aが容量形成部RCと第1方向に重なる現象を防止することができる。
【0077】
一実施形態において、D1及びD2は、0.35D1≦D2≦D1を満たすことができる。
【0078】
D2が0.35D1未満の場合、第3方向の導電パターンの長さが短くなって、印刷途切れまたは滲みによる曲げ強度の向上効果が不足することがあり、D2がD1を超過する場合、導電パターン123a、123bが補強パターン123に均一に分布しにくくなって、積層型電子部品100、100'の曲げ強度の向上効果が不足する可能性がある。
【0079】
したがって、一実施形態では、D1及びD2が0.35D1≦D2≦D1を満たすようにして補強パターン123の全体に導電パターン123a、123bを均一に形成することで、積層型電子部品100、100'の曲げ強度を向上させることができる。
【0080】
一実施形態において、D3は0.5μm≦D3≦80μmを満たすことができる。
【0081】
D3が0.5μm未満の場合、補強パターン123の印刷解像度に応じて導電パターン123a、123bが第2方向に離隔するように形成され難いことがある。D3が80μmを超過する場合、導電パターン123a、123b間の離隔距離が過度であって、導電パターン123a、123bの面積が減少することがあり、これにより積層型電子部品100、100'の曲げ強度の向上効果が多少不足することがある。
【0082】
したがって、一実施形態では、D3が0.5μm≦D3≦80μmを満たすようにして導電パターン123a、123bの第2方向への重なりを防止し、十分な導電パターン123a、123bの面積を確保することで積層型電子部品100、100'の段差を緩和し、曲げ強度の低下を防止することができる。
【0083】
同様に、一実施形態において、D4は0.05μm≦D4≦80μmを満たすことができ、これによって積層型電子部品100、100'の段差を緩和し、曲げ強度の低下を防止することができる。
【0084】
一方、積層型電子部品100、100'の曲げ強度を向上させ、段差を緩和させるために、補強パターン123の第3方向の最大幅は、容量形成部Acの第3方向の最大幅と同じであるか大きいことができる。但し、積層型電子部品100、100'の切断過程での誤差を勘案して、補強パターン123の第3方向の最大幅の上限値が定められることができる。例えば、一実施形態において、D5及びWは、0.4W≦D5≦0.97Wを満たすことができる。
【0085】
上記LM、D1、D2、D3、D4、D5、Wを測定する方法は特に制限されない。
【0086】
説明の便宜のために、第1方向から見た平面図である
図6にLMを示したが、LMは、積層型電子部品100、100'の第3方向の中心部まで研磨した第1方向及び第2方向の断面で第1内部電極121が第4面と離隔した第2方向の長さまたは第2内部電極122が第3面と離隔した長さで測定されることができる。また、LMは、長さ-マージン部を第1方向に3等分した領域で測定された第2方向の長さの平均値を取ることでさらに一般化することができる。
【0087】
D1、D2、D3、D4、D5、Wは、積層型電子部品100、100'を第1方向に研磨して、補強パターン123を露出させた第2方向及び第3方向の断面で測定されることができる。
【0088】
具体的には、D1は、任意の5つ以上の導電パターン123a、123b、124a、124bで測定された第2方向の長さの平均値であることができ、D2は、任意の5つ以上の導電パターン123a、123b、124a、124bで測定された第3方向の幅の平均値であることができる。
【0089】
また、D3及びD4は、任意の導電パターンと任意の導電パターンに隣接する導電パターンが第2方向または第3方向に離隔した長さで測定されることができ、5個以上の任意の導電パターンについて測定した値の平均値であることができる。
【0090】
また、D5は補強パターン123において、第3方向に最外側に位置した両端部間の第3方向の幅を意味することができ、Wは本体110の第3方向に最外側に位置した両端部間の第3方向の幅を意味することができる。
【0091】
以上、本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明は、上述の実施形態及び添付の図面によって限定されるものではなく、添付の特許請求の範囲によって限定される。したがって、特許請求の範囲に記載された本発明の技術的思想から外れない範囲内で、当技術分野における通常の知識を有する者によって多様な形態の置換、変形、及び変更が可能であり、これも本発明の範囲に属するといえる。
【0092】
また、本開示において用いられた「一実施形態」という表現は、互いに同一の実施形態を意味するものではなく、それぞれ互いに異なる固有の特徴を強調して説明するために提供されたものである。しかしながら、上記提示された一実施形態は、他の一実施形態の特徴と組み合わせて実現されることを排除しない。例えば、特定の一実施形態において説明された事項が他の一実施形態に説明されていなくても、他の一実施形態においてその事項と反対または矛盾する説明がない限り、他の一実施形態に関連する説明として理解することができる。
【0093】
本開示で用いられた用語は、単に一実施形態を説明するために用いられたものであり、本開示を限定する意図ではない。このとき、単数の表現は、文脈上明らかに異なるものを意味しない限り、複数の表現を含む。
【符号の説明】
【0094】
100、100' 積層型電子部品
110 本体
111 誘電体層
121、122 内部電極
130、140 外部電極
123、124 補強パターン
123a、123b、124a、124b 導電パターン