(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025104289
(43)【公開日】2025-07-09
(54)【発明の名称】積層型電子部品
(51)【国際特許分類】
H01G 4/30 20060101AFI20250702BHJP
H01C 7/18 20060101ALI20250702BHJP
【FI】
H01G4/30 201K
H01G4/30 512
H01C7/18
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024216447
(22)【出願日】2024-12-11
(31)【優先権主張番号】10-2023-0192889
(32)【優先日】2023-12-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】594023722
【氏名又は名称】サムソン エレクトロ-メカニックス カンパニーリミテッド.
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】キム、ユン
(72)【発明者】
【氏名】チョ、ジョーン イェオブ
(72)【発明者】
【氏名】アン、ヨウン ギュ
(72)【発明者】
【氏名】チョイ、ジェア イェオル
【テーマコード(参考)】
5E001
5E082
【Fターム(参考)】
5E001AB03
5E001AD02
5E001AD03
5E001AE02
5E001AE03
5E001AF06
5E082AA01
5E082AB03
5E082BC19
5E082BC36
5E082EE04
5E082FF05
5E082FG04
5E082FG26
5E082GG10
5E082PP09
(57)【要約】 (修正有)
【課題】信頼性に優れ、実装信頼性が向上し、本体の割れが抑制された積層型電子部品を提供する。
【解決手段】積層型電子部品は、本体の角がラウンド形状を有し、上部カバー部112に位置した角の曲率半径Ruが下部カバー部に位置した角の曲率半径よりも大きい。そして上部カバー部に含まれた誘電体結晶粒の平均大きさが下部カバー部に含まれた誘電体結晶粒の平均大きさより大きい。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
誘電体層、及び前記誘電体層を挟んで、第1方向に交互に配置される第1及び第2内部電極を含む容量形成部、前記容量形成部の第1方向の上部に配置される第1カバー部、及び前記容量形成部の第1方向の下部に配置される第2カバー部を含み、
前記第1方向に向かい合う第1及び第2面、前記第1及び第2面と連結され、第2方向に向かい合う第3及び第4面、前記第1~第4面と連結され、第3方向に向かい合う第5及び第6面を含む本体と、
前記本体に配置されて前記第1及び第2内部電極とそれぞれ連結される第1及び第2外部電極と、を含み、
前記本体の第1及び第2方向の断面で前記本体の角はラウンド形状を有し、前記第1カバー部に位置した角の曲率半径をRu、前記第2カバー部に位置した角の曲率半径をRdとするとき、Rd<Ruを満たし、
前記第1カバー部に含まれた誘電体結晶粒の平均大きさをGs1、前記第2カバー部に含まれた誘電体結晶粒の平均大きさをGs2とするとき、Gs2<Gs1を満たす、積層型電子部品。
【請求項2】
前記Ru及びRdは、0.70<Rd/Ru<1.00を満たす、請求項1に記載の積層型電子部品。
【請求項3】
前記Gs1及びGs2は、0.70<Gs2/Gs1<1.00を満たす、請求項1に記載の積層型電子部品。
【請求項4】
前記第1カバー部の平均厚さをtc1、前記第2カバー部の平均厚さをtc2とするとき、tc2<tc1を満たす、請求項1に記載の積層型電子部品。
【請求項5】
前記tc1及びtc2は、0.50<tc2/tc1<1.00を満たす、請求項4に記載の積層型電子部品。
【請求項6】
前記第1外部電極は、前記第3面に配置され、前記第1面の一部に延びる第1-1バンド部及び前記第2面の一部に延びる第1-2バンド部を含み、
前記第2外部電極は、前記第4面に配置され、前記第1面の一部に延びる第2-1バンド部及び前記第2面の一部に延びる第2-2バンド部を含む、請求項1に記載の積層型電子部品。
【請求項7】
前記第1-1バンド部の平均厚さは、前記第1-2バンド部の平均厚さより薄く、
前記第2-1バンド部の平均厚さは、前記第2-2バンド部の平均厚さより薄い、請求項6に記載の積層型電子部品。
【請求項8】
前記本体の第1及び第2方向の断面において、前記第3面の延長線から前記第1-1バンド部の端までの中央地点で測定した第1-1バンド部の厚さをTbd、前記第3面の延長線から前記第1-2バンド部の端までの中央地点で測定した第1-2バンド部の厚さをTbuとするとき、Tbd<Tbuを満たす、請求項6に記載の積層型電子部品。
【請求項9】
前記Tbd及びTbuは、0.5<Tdb/Tbu<1.0を満たす、請求項8に記載の積層型電子部品。
【請求項10】
前記第1方向の最上部に配置された第1内部電極で測定した第1外部電極の厚さをTau、前記第1方向の最下部に配置された第1内部電極上で測定した第1外部電極の厚さをTad、前記本体の第1方向の中央部で測定した第1外部電極の厚さをTacとするとき、Tad<Tau<Tacを満たす、請求項1に記載の積層型電子部品。
【請求項11】
前記第1方向の最上部に配置された第1内部電極で測定した第1外部電極の厚さをTau、前記第1方向の最下部に配置された第1内部電極上で測定した第1外部電極の厚さをTad、前記本体の第1方向の中央部で測定した第1外部電極の厚さをTacとするとき、Tbd<Tbu<Tad<Tau<Tacを満たす、請求項8に記載の積層型電子部品。
【請求項12】
前記本体の第1及び第3方向の断面で前記本体の角はラウンド形状を有し、前記第1カバー部に位置した角の曲率半径をRuw、前記第2カバー部に位置した角の曲率半径をRdwとするとき、Ruw>Rdwを満たす、請求項1に記載の積層型電子部品。
【請求項13】
前記Ru、Rd、Ruw、及びRudは、Ruw>Ru>Rdw>Rdを満たす、請求項12に記載の積層型電子部品。
【請求項14】
前記第1カバー部の気孔率をPs1、前記第2カバー部の気孔率をPs2とするとき、
Ps2<Ps1を満たす、請求項1に記載の積層型電子部品。
【請求項15】
前記Ps1及びPs2は、0.7≦Ps2/Ps1<1.0を満たす、請求項14に記載の積層型電子部品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、積層型電子部品に関するものである。
【背景技術】
【0002】
積層型電子部品の一つである積層セラミックキャパシタ(MLCC:Multi-Layer Ceramic Capacitor)は、液晶表示装置(LCD:Liquid Crystal Display)及びプラズマ表示装置パネル(PDP:Plasma Display Panel)などの映像機器、コンピュータ、スマートフォン及び携帯電話などの様々な電子製品のプリント回路基板に装着されて電気を充電または放電させる役割を果たすチップ形態のコンデンサである。
【0003】
積層セラミックキャパシタは、小型でありながらも高容量が保障され、実装が容易であるという利点により、様々な電子装置の部品として用いられることができ、コンピュータ、モバイル機器などの各種電子機器が小型化、高出力化されながら積層セラミックキャパシタに対する小型化及び高容量化の要求が増大している。
【0004】
また、自動車用電装部品などへの適用が増加するにつれて、様々な環境での高信頼性が求められている。
【0005】
積層セラミックキャパシタは、一般的に基板に実装されて使用される。したがって、実装信頼性は積層セラミックキャパシタ製品において非常に重要な要素の一つである。実装信頼性を確保するためには、実装強度を向上させなければならない。
【0006】
また、積層セラミックキャパシタの本体の割れは、耐湿信頼性低下、絶縁抵抗低下などの様々な信頼性低下を引き起こす可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の様々な目的の一つは、信頼性に優れた積層型電子部品を提供することである。
【0008】
本発明の様々な目的の一つは、実装信頼性が向上した積層型電子部品を提供することである。
【0009】
本発明の様々な目的の一つは、本体の割れが抑制された積層型電子部品を提供することである。
【0010】
但し、本発明の目的は、上述した内容に限定されず、本発明の具体的な実施形態を説明する過程でより容易に理解することができる。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の一実施形態に係る積層型電子部品は、誘電体層及び上記誘電体層を挟んで第1方向に交互に配置される第1及び第2内部電極を含む容量形成部、上記容量形成部の第1方向の上部に配置される第1カバー部、及び上記容量形成部の第1方向の下部に配置される第2カバー部を含み、上記第1方向に向かい合う第1及び第2面、上記第1及び第2面と連結され、第2方向に向かい合う第3及び第4面、上記第1~第4面と連結され、第3方向に向かい合う第5及び第6面を含む本体と、上記本体に配置されて、上記第1及び第2内部電極とそれぞれ連結される第1及び第2外部電極と、を含み、上記本体の第1及び第2方向の断面で上記本体の角はラウンド形状を有し、上記第1カバー部に位置した角の曲率半径をRu、上記第2カバー部に位置した角の曲率半径をRdとするとき、Rd<Ruを満たし、上記第1カバー部に含まれた誘電体結晶粒の平均大きさをGs1、上記第2カバー部に含まれた誘電体結晶粒の平均大きさをGs2とするとき、Gs2<Gs1を満たすことができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明の様々な効果の一効果として、積層型電子部品の信頼性を向上させることができる。
【0013】
本発明の様々な効果の一効果として、積層型電子部品の実装信頼性を向上させることができる。
【0014】
本発明の様々な効果の一効果として、積層型電子部品の本体の割れを抑制することができる。
【0015】
但し、本発明の多様でありながらも有意義な利点及び効果は、上述した内容に限定されず、本発明の具体的な実施形態を説明する過程で、より容易に理解することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本発明の一実施形態に係る積層型電子部品の斜視図を概略的に示したものである。
【
図2】
図1のI-I'線に沿った断面図を概略的に示したものである。
【
図3】
図1のII-II'線に沿った断面図を概略的に示したものである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、具体的な実施形態及び添付の図面を参照して、本発明の実施形態を説明する。しかし、本発明の実施形態は、様々な他の形態に変形することができ、本発明の範囲が以下説明する実施形態に限定されるものではない。また、本発明の実施形態は、通常の技術者に本発明をより完全に説明するために提供されるものである。したがって、図面における要素の形状及び大きさなどはより明確な説明のために拡大縮小表示(または強調表示や簡略化表示)がされることがあり、図面上に同一符号で示される要素は同一要素である。
【0018】
尚、図面において本発明を明確に説明するために説明と関係ない部分は省略し、図示した各構成の大きさ及び厚さは、説明の便宜のために任意で示したものであるため、本発明は必ずしも図示により限定されない。また、同一の思想の範囲内の機能が同一である構成要素は、同一の参照符号を用いて説明する。さらに、明細書全体において、ある部分がある構成要素を「含む」というのは、特に反対される記載がない限り、他の構成要素を除外するのではなく、他の構成要素をさらに含むことができることを意味する。
【0019】
図面において、第1方向は積層方向または厚さ(T)方向、第2方向は長さ(L)方向、第3方向は幅(W)方向と定義することができる。
【0020】
積層型電子部品
図1は、本発明の一実施形態に係る積層型電子部品の斜視図を概略的に示したものであり、
図2は、
図1のI-I'線に沿った断面図を概略的に示したものであり、
図3は、
図1のII-II'線に沿った断面図を概略的に示したものであり、
図4は、
図2のK1領域を拡大した図面であり、
図5は、
図2のK2領域を拡大した図面であり、
図6は、
図2のK3領域を拡大した図面であり、
図7は、
図2のK4領域を拡大した図面であり、
図8は、
図2のK5領域を拡大した図面であり、
図9は、
図3のK6領域を拡大した図面であり、
図10は、
図3のK7領域を拡大した図面である。
【0021】
以下、
図1~
図10を参照して、本発明の一実施形態による積層型電子部品100について詳細に説明する。また、積層型電子部品の一例として、積層セラミックキャパシタ(Multi-layered Ceramic Capacitor、以下「MLCC」という)について説明するが、本発明がこれに限定されるものではなく、セラミック材料を用いる多様な積層型電子部品、例えば、インダクタ、圧電体素子、バリスタ、またはサーミスタなどにも適用されることができる。
【0022】
本発明の一実施形態に係る積層型電子部品100は、誘電体層111及び上記誘電体層を挟んで第1方向に交互に配置される第1及び第2内部電極121、122を含む容量形成部Ac、上記容量形成部の第1方向の上部に配置される第1カバー部112、及び上記容量形成部の第1方向の下部に配置される第2カバー部113を含み、上記第1方向に向かい合う第1及び第2面1、2、上記第1及び第2面と連結され、第2方向に向かい合う第3及び第4面3、4、上記第1~第4面と連結され、第3方向に向かい合う第5及び第6面5、6を含む本体110と、上記本体に配置されて上記第1及び第2内部電極とそれぞれ連結される第1及び第2外部電極131、132と、を含み、上記本体の第1及び第2方向の断面で上記本体の角はラウンド形状を有し、上記第1カバー部に位置した角の曲率半径をRu、上記第2カバー部に位置した角の曲率半径をRdとするとき、Rd<Ruを満たし、上記第1カバー部に含まれた誘電体結晶粒の平均大きさをGs1、上記第2カバー部に含まれた誘電体結晶粒の平均大きさをGs2とするとき、Gs2<Gs1を満たすことができる。
【0023】
本発明の一実施形態によると、本体110の角がラウンド形状を有し、第1カバー部112に位置した角の曲率半径Ruが第2カバー部113に位置した角の曲率半径Rdより大きく、第1カバー部112に含まれた誘電体結晶粒の平均大きさGs1が第2カバー部113に含まれた誘電体結晶粒の平均大きさGs2より大きくすることで、実装信頼性を向上させることができ、本体の割れを抑制することができる。
【0024】
以下、本発明の一実施形態に係る積層型電子部品100に含まれる各構成について説明する。
【0025】
本体110は、誘電体層111及び内部電極121、122が交互に積層されていることができる。
【0026】
本体110の具体的な形状に特に制限はないが、図示のように本体110は、六面体状またはこれと類似した形状からなることができる。焼成過程で本体110に含まれたセラミック粉末の収縮により、本体110は完全な直線を有する六面体状ではないことができる。または、本体110の各面を連結する角を別途の工程を行い、ラウンド処理することによって、第1面と第3~第6面を連結するコーナー及び/又は第2面と第3~第6面を連結するコーナーはラウンド形態を有することができる。
【0027】
本体110は、第1方向に向かい合う第1及び第2面1、2、上記第1及び第2面1、2と連結され、第2方向に向かい合う第3及び第4面3、4、第1及び第2面1、2と連結され、第3及び第4面3、4と連結され、第3方向に向かい合う第5及び第6面5、6を有することができる。第1面1は、基板に実装時に基板と向かい合うように配置される実装面であることができる。
【0028】
本体110を形成する複数の誘電体層111は焼成された状態であり、隣接する誘電体層111間の境界は、走査電子顕微鏡(SEM:Scanning Electron Microscope)を利用せずには確認しにくいほど一体化することができる。誘電体層の積層数は特に制限する必要はなく、積層型電子部品のサイズを考慮して決定することができる。例えば、誘電体層を400層以上積層して本体を形成することができる。
【0029】
誘電体層111は、セラミック粉末、有機溶剤及びバインダーを含むセラミックスラリーを製造し、上記スラリーをキャリアフィルム(carrier film)上に塗布及び乾燥してセラミックグリーンシートを設けた後、上記セラミックグリーンシートを焼成することで形成することができる。セラミック粉末は、十分な静電容量を得ることができる限り、特に制限されないが、例えば、セラミック粉末としてチタン酸バリウム(BaTiO3)系粉末、CaZrO3基盤の常誘電性粉末などを用いることができる。より具体的な例を挙げると、チタン酸バリウム(BaTiO3)系粉末は、BaTiO3、(Ba1-xCax)TiO3(0<x<1)、Ba(Ti1-yCay)O3(0<y<1)、(Ba1-xCax)(Ti1-yZry)O3(0<x<1、0<y<1)及びBa(Ti1-yZry)O3(0<y<1)のうち一つ以上であることができ、CaZrO3基盤の常誘電性粉末は、(Ca1-xSrx)(Zr1-yTiy)O3(0<x<1、0<y<1)であることができる。
【0030】
したがって、誘電体層111は、BaTiO3、(Ba1-xCax)TiO3(0<x<1)、Ba(Ti1-yCay)O3(0<y<1)、(Ba1-xCax)(Ti1-yZry)O3(0<x<1、0<y<1)、Ba(Ti1-yZry)O3(0<y<1)及び(Ca1-xSrx)(Zr1-yTiy)O3(0<x<1、0<y<1)のうち一つ以上を含むことができる。
【0031】
本体110は本体110の内部に配置され、誘電体層111を挟んで互いに対向するように配置される第1内部電極121及び第2内部電極122を含んで容量が形成される容量形成部Acと上記容量形成部Acの第1方向の上部及び下部に形成されたカバー部112、113を含むことができる。
【0032】
また、上記容量形成部Acは、キャパシタの容量形成に寄与する部分であり、誘電体層111を挟んで複数の第1及び第2内部電極121、122を繰り返し積層して形成されることができる。
【0033】
カバー部112、113は、上記容量形成部Acの第1方向の上部に配置される第1カバー部112及び上記容量形成部Acの第1方向の下部に配置される第2カバー部113を含むことができる。第1カバー部112を上部カバー部、第2カバー部113を下部カバー部と称することができる。
【0034】
第1上部カバー部112及び第2カバー部113は、単一誘電体層又は2つ以上の誘電体層を容量形成部Acの上下面にそれぞれ厚さ方向に積層して形成することができ、基本的に物理的又は化学的ストレスによる内部電極の損傷を防止する役割を果たすことができる。
【0035】
第1カバー部112及び第2カバー部113は、内部電極を含まないことができる。また、第1カバー部112及び第2カバー部113は、誘電体層111と同じ材料を含むことができる。すなわち、第1カバー部112及び第2カバー部113はセラミック材料を含むことができ、例えば、チタン酸バリウム(BaTiO3)系セラミック材料を含むことができる。
【0036】
図4及び
図5を参照すると、本体110の第1及び第2方向の断面で本体110の角はラウンド形状を有し、上記第1カバー部112に位置した角の曲率半径をRu、上記第2カバー部113に位置した角の曲率半径をRdとするとき、Rd<Ruを満たすことができる。第1カバー部112に位置した角の曲率半径Ruを第2カバー部113に位置した角の曲率半径Rdより大きくして本体の割れを抑制し、実装信頼性を向上させることができる。
【0037】
第2カバー部113に位置した角の曲率半径Rdが小さいため、基板に実装時に基板と本体との間の距離を最小化して実装強度を向上させることができる。一般的に、本体の角の曲率半径が大きくなるほど、外部電極の厚さは厚くなり、逆に本体の角の曲率半径が小さくなるほど、外部電極の厚さは薄くなることができる。したがって、第2カバー部113に位置した角の曲率半径Rdが小さいため、第1-1バンド部131b1の厚さが薄くなるにつれて、基板に実装時に基板と本体との間の距離を最小化して実装強度を向上させることができる。
【0038】
ただし、本体の角の曲率半径が大きくなるほど本体の割れを容易に抑制することができ、逆に本体の角の曲率半径が小さくなるほど本体の割れを抑制することが難しくなる。したがって、第2カバー部113に位置した角の曲率半径Rdが小さい場合、実装強度は向上させることができるが、本体の割れが発生するおそれがある。しかしながら、本発明の一実施形態によると、第1カバー部112に含まれた誘電体結晶粒G1の平均大きさをGs1、上記第2カバー部113に含まれた誘電体結晶粒G2の平均大きさをGs2とするとき、Gs2<Gs1を満たすことができ、これにより、第2カバー部113に位置した角の曲率半径Rdが小さくても第2カバー部113の緻密度が高いため、本体の割れを抑制することができる。したがって、本発明の一実施形態によると、本体の割れを抑制しながらも実装信頼性を確保することができる。
【0039】
また、本体110の角のラウンド形態を研磨工程によって形成する場合、Gs2<Gs1を満たすにつれて、第1カバー部112の緻密度が第2カバー部113の緻密度よりも低いため、同じ研磨工程を適用しても、第1カバー部112に位置した角の曲率半径Ruが第2カバー部113に位置した角の曲率半径Rdより大きくなることができる。
【0040】
一実施形態において、Ru及びRdは、0.70<Rd/Ru<1.00を満たすことができる。これにより、より容易に本体の割れを抑制しながらも実装信頼性を確保することができる。Rd/Ruが0.70以下の場合には、本体の割れの抑制効果及び実装信頼性を同時に確保することが難しい場合がある。
【0041】
より好ましくは、Ru及びRdは0.70<Rd/Ru<0.95を満たすことができるが、これに制限されない。
【0042】
一方、Ru及びRdのそれぞれの数値を特に限定する必要はなく、積層型電子部品のサイズを考慮して適宜選択することができる。例えば、1005サイズ(長さ:1.00mm、幅:0.5mm)の積層型電子部品の場合、Ruは15mm以上30mm以下であることができ、Rdは14mm以上30mm未満であることができる。
【0043】
一実施形態において、Gs1及びGs2は、0.80<Gs2/Gs1<1.00を満たすことができる。これにより、より容易に本体の割れを抑制しながらも実装信頼性を確保することができる。
【0044】
Gs2/Gs1が0.80以下の場合には、本体の割れの抑制効果及び実装信頼性を同時に確保することが難しい場合がある。
【0045】
より好ましくは、Ru及びRdは0.80<Gs2/Gs1<0.95を満たすことができるが、これに制限されない。
【0046】
一方、Gs1及びGs2のそれぞれの数値を特に限定する必要はなく、積層型電子部品のサイズを考慮して適宜選択することができる。例えば、1005サイズ(長さ:1.00mm、幅:0.5mm)の積層型電子部品の場合、Gs1は100nm以上500nm以下であることができ、Gs2は90nm以上450nm以下であることができる。
【0047】
一方、第1カバー部112に位置した角の曲率半径Ruを第2カバー部113に位置した角の曲率半径Rdより大きく、第1カバー部112に含まれた誘電体結晶粒の平均大きさGs1を第2カバー部113に含まれた誘電体結晶粒の平均大きさGs2よりも大きく制御する方法は、特に限定する必要はない。例えば、第1カバー部112を形成するためのセラミックグリーンシートと第2カバー部113を形成するためのセラミックグリーンシートの組成をバインダー含有量、セラミック粉末の種類等を異ならせて第2カバー部113の緻密度を第1カバー部112の緻密度より高くすることができる。また、同一組成のセラミックグリーンシートを用いて第1カバー部112及び第2カバー部113を形成することもできる。例えば、セラミックグリーンシートを1枚以上積層して第2カバー部113を積層した後、内部電極パターンが印刷されたセラミックグリーンシートを積層する前に圧着工程を一度行い、この後、内部電極パターンが印刷されたセラミックグリーンシート及び第1カバー部112を形成するためのセラミックグリーンシートを積層して、再び圧着工程を行うことで、第2カバー部113には2回の圧着工程が行われることによって第1カバー部112に比べて緻密度が大きくなるように制御することができる。このような第1及び第2カバー部間の緻密度の差によって、研磨工程において第1及び第2カバー部に同一条件の研磨工程を行っても、第1及び第2カバー部のそれぞれに位置したラウンド形状の曲率半径を異ならせて制御することができる。
【0048】
一実施形態において、上記第1カバー部112の平均厚さをtc1、上記第2カバー部113の平均厚さをtc2とするとき、tc2<tc1を満たすことができる。tc2<tc1を満たすことによってRd<Ruを容易に満たすことができる。
【0049】
このとき、上記tc1及びtc2は、0.50<tc2/tc1<1.00を満たすことができる。tc2/tc1が0.50以下である場合には、カバー部112、113による内部電極の損傷を防止する役割が不十分となるか、積層型電子部品の単位体積当たりの容量が低下するおそれがある。
【0050】
一方、tc1及びtc2のそれぞれの数値を特に限定する必要はなく、積層型電子部品のサイズを考慮して適宜選択することができる。例えば、1005サイズ(長さ:1.00mm、幅:0.5mm)の積層型電子部品の場合、tc1は20μm以上70μm以下であることができ、tc2は15μm以上60μm以下であることができる。
【0051】
カバー部112、113の厚さは、それぞれの第1方向の大きさを意味することができる。第1カバー部112の平均厚さは、容量形成部Acの上部で等間隔の5個の地点で測定した第1カバー部112の第1方向の大きさを平均した値であることができ、第2カバー部113の平均厚さは、容量形成部Acの下部で等間隔の5個の地点で測定した第2カバー部113の第1方向の大きさを平均した値であることができる。
【0052】
一実施形態において、第1外部電極131は第3面3に配置され、第1面1の一部に延びる第1-1バンド部131b1及び第2面2の一部に延びる第1-2バンド部131b2を含み、第2外部電極132は第4面4に配置され、第1面1の一部に延びる第2-1バンド部132b1及び第2面2の一部に延びる第2-2バンド部132b2を含むことができる。
【0053】
このとき、第1-1バンド部131b1の平均厚さは、第1-2バンド部131b2の平均厚さより薄く、第2-1バンド部132b1の平均厚さは、第2-2バンド部132b2の平均厚さより薄いことができる。これにより、積層型電子部品100を基板に実装する際に、基板と本体との間の距離を最小化して実装強度を向上させることができる。
【0054】
また、本体110の第1及び第2方向の断面において、上記第3面の延長線E3から上記第1-1バンド部の端までの中央地点で測定した第1-1バンド部の厚さをTbd、上記第3面の延長線E3から上記第1-2バンド部の端までの中央地点で測定した第1-2バンド部の厚さをTbuとするとき、Tbd<Tbuを満たすことができる。
【0055】
図5を参照すると、第3面の延長線E3から上記第1-1バンド部の端までの距離がLbdの場合、第3面の延長線E3からLbd/2だけ離隔した地点で測定した第1-1バンド部の厚さをTbdとすることができる。また、
図4を参照すると、第3面の延長線E3から上記第1-2バンド部の端までの距離がLbuの場合、第3面の延長線E3からLbu/2だけ離隔した地点で測定した第1-2バンド部の厚さをTbuとすることができる。このとき、本体の第3方向の中央で切断した第1及び第2方向の断面でTbu及びTbdを測定することができる。
【0056】
このとき、上記Tbd及びTbuは、0.5<Tdb/Tbu<1.0を満たすことができる。これにより、より容易に本体の割れを抑制しながらも実装信頼性を確保することができる。
【0057】
一方、Tbd及びTbuのそれぞれの数値を特に限定する必要はなく、積層型電子部品のサイズを考慮して適宜選択することができる。例えば、1005サイズ(長さ:1.00mm、幅:0.5mm)の積層型電子部品の場合、Tbdは17μm以上35μm以下であることができ、Tbuは15μm以上30μm以下であることができる。
【0058】
図4~6を参照すると、上記第1方向の最上部に配置された第1内部電極121で測定した第1外部電極131の厚さをTau、上記第1方向の最下部に配置された第1内部電極121上で測定した第1外部電極131の厚さをTad、上記本体の第1方向の中央部で測定した第1外部電極の厚さをTacとするとき、Tad<Tau<Tacを満たすことができる。
【0059】
外部電極131、132を導電性ペーストにディッピングする方式によって形成することにより、本体110の中央部における外部電極131、132の厚さが本体110の外側での外部電極131、132の厚さより厚いことができ、Rd<Ruを満たすことによってTad<Tauを満たすことができる。
【0060】
このとき、外部電極のバンド部は、本体の外側での外部電極の厚さよりも薄いことができ、Tbd<Tbu<Tad<Tau<Tacを満たすことができる。
【0061】
一方、本体の第1及び第2方向の断面のみならず、本体の第1及び第3方向の断面においても本体の角はラウンド形状を有することができる。
図9及び
図10を参照すると、本体の第1及び第3方向の断面において第1カバー部に位置した角の曲率半径をRuw、上記第2カバー部に位置した角の曲率半径をRdwとするとき、Ruw>Rdwを満たすことができる。
【0062】
また、
図2及び
図3を参照すると、本体の第2方向の端部には第1内部電極又は第2内部電極が配置されるが、本体の第3方向の端部には第1及び第2内部電極が配置されないため、内部電極の厚さによる段差によって、上記Ru、Rd、Ruw及びRudは、Ruw>Ru>Rdw>Rdを満たすことができる。
【0063】
図7及び
図8を参照すると、第1カバー部112は複数の結晶粒G1及び気孔P1を含むことができ、第2カバー部113は複数の結晶粒G2及び気孔P2を含むことができる。
【0064】
上記第1カバー部112の気孔率をPs1、上記第2カバー部113の気孔率をPs2とするとき、Ps2<Ps1を満たすことができる。気孔率も第1及び第2カバー部の緻密度に大きな影響を及ぼすことができるため、Ps2<Ps1を満たすことによって、第1カバー部の緻密度を第2カバー部の緻密度より低くすることができるため、より容易に本体の割れを抑制しながらも実装信頼性を確保することができる。
【0065】
一実施形態において、Ps1及びPs2は、0.7≦Ps2/Ps1<1.0を満たすことができる。Ps2/Ps1が0.7未満の場合、第2カバー部113の十分な強度が確保されず、研磨時に曲率半径が第1カバー部112と類似する可能性が高く、これにより十分な実装強度を確保することが難しいことがある。
【0066】
第1及び第2カバー部112、113の結晶粒の平均大きさ及び気孔率は、本体の第3方向の中央で第1及び第2方向に切断した断面においてZEISS社のSEMを用いて50k倍率でスキャンしたイメージを分析して測定することができる。このとき、第1及び第2カバー部112、113のそれぞれの第1方向の中央部及び第2方向の中央部をSEMでスキャンすることができる。
【0067】
上記スキャンしたイメージを粒径測定ソフトウェアであるZootosを用いて結晶粒のペレット径(Feret diameter)を測定して、各結晶粒G1、G2の平均大きさを取得することができる。また、誘電体結晶粒G1、G2と気孔P1、P2は、明確な明暗差を有するため、イメージ分析プログラムを用いてSEMのスキャンイメージで観察される第1カバー部の全体面積(気孔を含む)に対して気孔P1が占める面積割合及びSEMのスキャンイメージで観察される第2カバー部の全体面積(気孔を含む)のうち、気孔P2が占める面積割合を測定してそれぞれの気孔率を取得することができる。
【0068】
また、上記容量形成部Acの側面にはマージン部114、115が配置されることができる。
【0069】
マージン部114、115は、本体110の第5面5に配置された第1マージン部114と第6面6に配置された第2マージン部115を含むことができる。すなわち、マージン部114、115は、上記セラミック本体110の幅方向の両端面(end surfaces)に配置されることができる。
【0070】
マージン部114、115は、
図3に示されたように、上記本体110を幅-厚さ(W-T)方向に切断した断面(cross-section)で第1及び第2内部電極121、122の両端と本体110の境界面との間の領域を意味することができる。
【0071】
マージン部114、115は、基本的に物理的または化学的ストレスによる内部電極の損傷を防止する役割を果たすことができる。
【0072】
マージン部114、115は、セラミックグリーンシート上にマージン部が形成されるところを除いて導電性ペーストを塗布して内部電極を形成することで形成されたものであることができる。
【0073】
一方、マージン部114、115の幅は特に限定する必要はない。ただし、積層型電子部品の小型化及び高容量化をより容易に達成するために、マージン部114、115の平均幅は15μm以下であることができる。
【0074】
マージン部114、115の平均幅は、内部電極121、122が第5面と離隔した領域の第3方向の平均大きさ及び内部電極121、122が第6面と離隔した領域の第3方向の平均大きさを意味することができ、容量形成部Acの側面で第1方向に等間隔を有する5個の地点で測定したマージン部114、115の第3方向の大きさを平均した値であることができる。
【0075】
したがって、一実施形態において、内部電極121、122が第5及び第6面と離隔した領域の第3方向の平均大きさは、それぞれ15μm以下であることができる。
【0076】
内部電極121、122は、第1及び第2内部電極121、122を含むことができる。第1及び第2内部電極121、122は、本体110を構成する誘電体層111を挟んで互いに対向するように交互に配置され、本体110の第3及び第4面3、4にそれぞれ露出することができる。
【0077】
第1内部電極121は第4面4から離隔し、第3面3を介して露出し、第2内部電極122は第3面3から離隔し、第4面4を介して露出することができる。本体の第3面3には第1外部電極131が配置されて、第1内部電極121と連結され、本体の第4面4には第2外部電極132が配置されて第2内部電極122と連結されることができる。
【0078】
すなわち、第1内部電極121は第2外部電極132とは連結されず、第1外部電極131と連結され、第2内部電極122は第1外部電極131とは連結されずに第2外部電極132と連結される。したがって、第1内部電極121は第4面4で一定距離離隔して形成され、第2内部電極122は第3面3で一定距離離隔して形成されることができる。また、第1及び第2内部電極121、122は、本体110の第5及び第6面と離隔して配置されることができる。
【0079】
内部電極121、122に含まれる導電性金属は、Ni、Cu、Pd、Ag、Au、Pt、In、Sn、Al、Ti及びこれらの合金のうち一つ以上であることができるが、本発明がこれに限定されるものではない。
【0080】
誘電体層111の平均厚さtdは、特に限定する必要はないが、例えば0.1μm~10μmであることができる。内部電極121、122の平均厚さteは、特に限定する必要はないが、例えば0.05μm~3.0μmであることができる。また、誘電体層111の平均厚さtdと内部電極121、122の平均厚さteは、所望の特性や用途に応じて任意に設定することができる。例えば、小型化及び高容量化を達成するために、高電圧電場用電子部品の場合、誘電体層111の平均厚さtdは2.8μm未満であることができ、内部電極121、122の平均厚さteは、1μm未満であることができる。また、小型化及び高容量化を達成するために小型IT用電子部品の場合、誘電体層111の平均厚さtdは0.4μm以下であることができ、内部電極121、122の平均厚さteは0.4μm以下であることができる。
【0081】
誘電体層111の平均厚さtd及び内部電極121、122の平均厚さteは、それぞれ誘電体層111及び内部電極121、122の第1方向の大きさを意味する。誘電体層111の平均厚さtd及び内部電極121、122の平均厚さteは、本体110の第1方向及び第2方向の断面を1万倍率の走査電子顕微鏡(SEM)でスキャンして測定することができる。より具体的には、誘電体層111の平均厚さtdは、一つの誘電体層111の多数の地点、例えば第2方向に等間隔の30個の地点でその厚さを測定して平均値を測定することができる。また、内部電極121、122の平均厚さteは、一つの内部電極121、122の多数の地点、例えば第2方向に等間隔の30個の地点で、その厚さを測定して平均値を測定することができる。上記等間隔の30個の地点は、容量形成部Acで指定されることができる。一方、このような平均値測定をそれぞれ10個の誘電体層111及び10個の内部電極121、122について行った後、平均値を測定すると、誘電体層111の平均厚さtd及び内部電極121、122の平均厚さteをさらに一般化することができる。
【0082】
外部電極131、132は、本体110の第3面3及び第4面4に配置されることができる。
【0083】
外部電極131、132は、本体110の第3及び第4面3、4にそれぞれ配置されて、第1及び第2内部電極121、122とそれぞれ連結された第1及び第2外部電極131、132を含むことができる。
【0084】
図1を参照すると、外部電極131、132は、サイドマージン部114、115の第2方向の両端面を覆うように配置されることができる。
【0085】
本実施形態では、積層型電子部品100が2つの外部電極131、132を有する構造について説明しているが、外部電極131、132の個数や形状などは内部電極121、122の形態やその他の目的に応じて変更することができる。
【0086】
一方、外部電極131、132は、金属などのように電気導電性を有するものであれば、どのような物質を用いても形成されることができ、電気的特性、構造的安定性などを考慮して具体的な物質が決定されることができ、さらに多層構造を有することができる。
【0087】
例えば、外部電極131、132は、本体110に配置される電極層及び上記電極層上に形成されためっき層を含むことができる。
【0088】
上記電極層に対するより具体的な例を挙げると、上記電極層は、導電性金属及びガラスを含む焼成(firing)電極であるか、導電性金属及び樹脂を含む樹脂系電極であることができる。
【0089】
また、上記電極層は、本体上に焼成電極及び樹脂系電極が順次形成された形態であることができる。また、上記電極層は、本体上に導電性金属を含むシートを転写する方式で形成されるか、焼成電極上に導電性金属を含むシートを転写する方式で形成されたものであることができる。
【0090】
上記電極層に含まれる導電性金属として、電気導電性に優れた材料を用いることができるが、特に限定されない。例えば、導電性金属は、ニッケル(Ni)、銅(Cu)及びそれらの合金のうち一つ以上であることができる。
【0091】
上記めっき層は実装特性を向上させる役割を果たす。上記めっき層の種類は特に限定されず、Ni、Sn、Pd及びこれらの合金のうち一つ以上を含むめっき層であることができ、複数の層で形成されることができる。
【0092】
上記めっき層に対するより具体的な例を挙げると、上記めっき層は、Niめっき層またはSnめっき層であることができ、上記電極層上にNiめっき層及びSnめっき層が順次形成された形態であることができ、Snめっき層、Niめっき層及びSnめっき層が順次形成された形態であることができる。また、上記めっき層は、複数のNiめっき層及び/または複数のSnめっき層を含むこともできる。
【0093】
積層型電子部品100のサイズは、特に限定する必要はない。例えば、積層型電子部品100の長さは4.5mm以下であることができ、積層型電子部品100の厚さは3.2mm以下であることができ、積層型電子部品100の幅は3.2mm以下であることができる。
【0094】
ここで、積層型電子部品100の長さは、積層型電子部品100の第2方向の最大大きさを意味し、積層型電子部品100の厚さは、積層型電子部品100の第1方向の最大大きさを意味し、積層型電子部品100の幅は、積層型電子部品100の第3方向の最大大きさを意味することができる。
【0095】
以上、本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明は、上述の実施形態及び添付の図面によって限定されるものではなく、添付の特許請求の範囲によって限定される。したがって、特許請求の範囲に記載された本発明の技術的思想から外れない範囲内で、当技術分野における通常の知識を有する者によって多様な形態の置換、変形、及び変更が可能であり、これも本発明の範囲に属するといえる。
【0096】
また、本開示において用いられた「一実施形態」という表現は、互いに同一の実施形態を意味するものではなく、それぞれ互いに異なる固有の特徴を強調して説明するために提供されたものである。しかしながら、上記提示された一実施形態は、他の一実施形態の特徴と組み合わせて実現されることを排除しない。例えば、特定の一実施形態において説明された事項が他の一実施形態に説明されていなくても、他の一実施形態においてその事項と反対または矛盾する説明がない限り、他の一実施形態に関連する説明として理解することができる。
【0097】
本開示で用いられた用語は、単に一実施形態を説明するために用いられたものであり、本開示を限定する意図ではない。このとき、単数の表現は、文脈上明らかに異なるものを意味しない限り、複数の表現を含む。
【符号の説明】
【0098】
100 積層型電子部品
110 本体
111 誘電体層
112 第1カバー部
113 第2カバー部
114、115 マージン部
121、122 内部電極
131、132 外部電極