(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025104383
(43)【公開日】2025-07-10
(54)【発明の名称】テント
(51)【国際特許分類】
E04H 15/32 20060101AFI20250703BHJP
E04H 15/54 20060101ALI20250703BHJP
【FI】
E04H15/32 A
E04H15/54
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023222102
(22)【出願日】2023-12-28
(71)【出願人】
【識別番号】000138336
【氏名又は名称】株式会社スノーピーク
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】山井 太
(72)【発明者】
【氏名】傅 嘉巍
【テーマコード(参考)】
2E141
【Fターム(参考)】
2E141BB05
2E141CC05
2E141EE32
2E141EE36
2E141GG01
2E141GG10
(57)【要約】
【課題】テントの開口部を静かに開閉する。
【解決手段】部分シート43は、側辺部431が開口部46の第1縁部461に沿ったシート42に固定され、部分シート43の中央側を挟んで反対側の側辺部433はシート42に固定されていない。開口部46の第1縁部461を除いた第2縁部に沿ったシート42に係止部が設けられると共に、係止部に向かうように他方側に張力を付与する開閉機構が設けられている。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
開口部が設けられたシートと、
前記開口部を開閉可能に覆う部分シートと、を備え、
前記部分シートは、一方側が前記開口部の第1縁部に沿った前記シートに固定され、前記部分シートの中央側を挟んで前記一方側とは反対側の他方側は前記シートに固定されておらず、
前記開口部の前記第1縁部を除いた第2縁部に沿った前記シートに係止部が設けられると共に、前記係止部に向かうように前記他方側に張力を付与する開閉機構が設けられている、テント。
【請求項2】
前記係止部は、前記開口部を挟んで前記第1縁部とは反対側における前記第2縁部に沿った領域に設けられている、請求項1に記載のテント。
【請求項3】
前記係止部は、異なる位置に設けられる第1係止部及び第2係止部を含み、
前記開閉機構は、前記第1係止部に向かうように前記部分シートの他方側に張力を付与する第1開閉機構と、前記第2係止部に向かうように前記部分シートの他方側に張力を付与する第2開閉機構と、を含む、請求項1又は2に記載のテント。
【請求項4】
前記第2縁部は、前記第1縁部と前記開口部の中央側を挟んで配置される対向縁部と、前記第1縁部と前記対向縁部とを繋ぎ互いに対向配置される第1連結縁部及び第2連結縁部と、を含み、
前記第1係止部は、前記対向縁部に沿った領域と前記第1連結縁部に沿った領域とが繋がる領域に設けられ、
前記第2係止部は、前記対向縁部に沿った領域と前記第2連結縁部に沿った領域とが繋がる領域に設けられている、請求項3に記載のテント。
【請求項5】
前記開閉機構は、外力が付与されると伸び、外力が除去されると原寸に戻る弾性紐を含む、請求項1に記載のテント。
【請求項6】
前記開閉機構は、前記弾性紐に繋がる連結紐と、前記係止部に設けられると共に前記連結紐が沿う方向を変更する方向転換部と、を含み、
前記弾性紐の前記連結紐に繋がる一端とは反対側の他端が前記シートに固定され、
前記連結紐の前記弾性紐に繋がる一端とは反対側の他端が前記部分シートに固定されている、請求項5に記載のテント。
【請求項7】
前記弾性紐の他端は、前記方向転換部よりも前記第1縁部側において前記シートに固定されている、請求項6に記載のテント。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、テントに関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1には、開口部が設けられたテントが開示されている。テントの開口部は、スライドファスナーで開閉可能なように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1では、スライドファスナーの引手であるスライダーを持って、開口部に沿って動かすことで開閉動作を行っている。スライドファスナーは、一対のテープに噛み合わせ用の務歯を多数並べたものであ。スライドファスナーは、スライダーを動かすことで務歯が噛み合ったり、噛み合わせが解除されたりという動作を行う。
【0005】
スライドファスナーは汎用性の高い開閉機構であるが、務歯の噛み合わせ時や解除時に音が発生する。例えば、複数人が就寝中のテントにおいて一人が外に出ようとすると、スライドファスナーの音が発生し、他の人の安眠を妨げる可能性がある。また、スライドファスナーに限らず面ファスナーといった他のファスナーであっても、何らかの噛み合わせ機構を用いているため、音発生の懸念を解消することができない。
【0006】
本開示は、テントの開口部を静かに開閉することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示はテントであって、開口部が設けられたシートと、開口部を開閉可能に覆う部分シートと、を備えている。部分シートは、一方側が開口部の第1縁部に沿ったシートに固定され、部分シートの中央側を挟んで一方側とは反対側の他方側はシートに固定されておらず、開口部の第1縁部を除いた第2縁部に沿ったシートに係止部が設けられると共に、係止部に向かうように他方側に張力を付与する開閉機構が設けられている。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、テントの開口部を静かに開閉することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、本実施形態に係るテントを示す外観図である。
【
図2】
図2は、
図1の部分シートを開いた状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、添付図面を参照しながら本実施形態について説明する。説明の理解を容易にするため、各図面において同一の構成要素に対しては可能な限り同一の符号を付して、重複する説明は省略する。
【0011】
図1に示されるように、テント2は、フライシート3及びインナーテント4を備えている。フライシート3は、インナーテント4を覆っている。インナーテント4は、フレーム41と、シート42と、部分シート43と、を備えている。フレーム41は、シート42を支えることができるように複数本組み合わされている。部分シート43は、シート42を部分的に覆っている。
【0012】
図2は、
図1に示される部分シート43を引っ張って開口部46を一部露出した状態を示している。部分シート43は、第1開閉機構44及び第2開閉機構45によって、開口部46を開閉自在に覆っている。
【0013】
続いて、
図3を参照しながら、部分シート43の開閉態様について説明する。
図3(A)は、開口部46を部分シート43で覆った状態を示す正面図である。
図3(B)は、部分シート43を開けた状態を示す正面図である。
【0014】
インナーテント4の正面におけるシート42は、側辺部421と、上辺部422と、側辺部423と、下辺部424と、を備えている。下辺部424は、インナーテント4を設置した場合の設置面に沿った辺を含む部分である。上辺部422は、下辺部424と対向する辺を含む部分である。側辺部421,423は、上辺部422と下辺部424とを繋ぐ辺を含む部分である。側辺部421と側辺部423とは互いに対向するように配置されている。
【0015】
図3(A)に示される状態では、シート42に設けられている開口部46を部分シート43が覆っている。部分シート43は、側辺部431と、上辺部432と、側辺部433と、を備えている。側辺部431は、シート42の側辺部421に沿うように設けられている。上辺部432は、シート42の上辺部422に沿うように設けられている。側辺部433は、シート42の側辺部423に沿うように設けられている。下辺部434は、シート42の下辺部424に沿うように設けられている。
【0016】
開口部46は、第1縁部461と、第1連結縁部462と、対向縁部463と、第2連結縁部464と、を備えている。第1縁部461は、部分シート43の側辺部431に沿うように設けられている。第1連結縁部462は、部分シート43の上辺部432に沿うように設けられている。対向縁部463は、部分シート43の側辺部433に沿うように設けられている。第2連結縁部464は、部分シート43の下辺部434に沿うように設けられている。
【0017】
部分シート43の側辺部431は、開口部46の第1縁部461とシート42の側辺部421との間においてシート42に固定されている。部分シート43の上辺部432は、
図3(A)に示される状態では開口部46の第1連結縁部462とシート42の上辺部422との間に配置されている。上辺部432は、シート42に固定されていない。
【0018】
部分シート43の側辺部433は、
図3(A)に示される状態では開口部46の対向縁部463とシート42の側辺部423との間に配置されている。側辺部433は、シート42に固定されていない。側辺部433には、第1張力付与部433aと第2張力付与部433bとが設けられている。第1張力付与部433aは、側辺部433が上辺部432に繋がる部分に設けられている。第2張力付与部433bは、側辺部433が下辺部434に繋がる部分に設けられている。
【0019】
部分シート43の下辺部434は、
図3(A)に示される状態では開口部46の第2連結縁部464とシート42の下辺部424との間に配置されている。下辺部434は、シート42に固定されていない。
【0020】
図3(A)に示される状態から部分シート43の側辺部433に対して図中矢印方向に力を加えると、
図3(B)に示されるように部分シート43が移動し、開口部46が露出する状態となる。
【0021】
部分シート43の側辺部433に設けられた第1張力付与部433aには、第1開閉機構44が繋がれている。第1開閉機構44は、連結紐441、弾性紐442、及びリング443を備えている。弾性紐442の一端が連結紐441に繋がっている。弾性紐442の一端とは反対側の他端がシート42における第1固定部51に固定されている。第1固定部51は、第1連結縁部462と上辺部422との間の領域と、第1縁部461と側辺部421との間の領域と、が繋がる領域に設けられている。
【0022】
連結紐441の一端が弾性紐442に繋がっている。連結紐441の一端とは反対側の他端が部分シート43における第1張力付与部433aに固定されている。連結紐441は、リング443に通されている。リング443は、第1連結縁部462と上辺部422との間の領域と、対向縁部463と側辺部423との間の領域と、が繋がる領域に設けられている。
【0023】
第1固定部51に他端が固定されている弾性紐442は、第1連結縁部462と上辺部422との間の領域において第1連結縁部462に沿って配置されている。弾性紐442の一端は連結紐441に繋がっている。連結紐441は、第1連結縁部462と上辺部422との間の領域において第1連結縁部462に沿って配置され、リング443を通って方向が転換されている。連結紐441の他端は第1張力付与部433aに繋がっている。
【0024】
部分シート43の側辺部433に設けられた第2張力付与部433bには、第2開閉機構45が繋がれている。第2開閉機構45は、連結紐451、弾性紐452、及びリング453を備えている。弾性紐452の一端が連結紐451に繋がっている。弾性紐452の一端とは反対側の他端がシート42における第2固定部52に固定されている。第2固定部52は、第2連結縁部464と下辺部424との間の領域と、第1縁部461と側辺部421との間の領域と、が繋がる領域に設けられている。
【0025】
連結紐451の一端が弾性紐452に繋がっている。連結紐451の一端とは反対側の他端が部分シート43における第2張力付与部433bに固定されている。連結紐451は、リング453に通されている。リング453は、第2連結縁部464と下辺部424との間の領域と、対向縁部463と側辺部423との間の領域と、が繋がる領域に設けられている。
【0026】
第2固定部52に他端が固定されている弾性紐452は、第2連結縁部464と下辺部424との間の領域において第2連結縁部464に沿って配置されている。弾性紐452の一端は連結紐451に繋がっている。連結紐451は、第2連結縁部464と下辺部424との間の領域において第2連結縁部464に沿って配置され、リング453を通って方向が転換されている。連結紐451の他端は第2張力付与部433bに繋がっている。
【0027】
図3(A)に示される状態では、第1張力付与部433aが弾性紐442及び連結紐441に引っ張られ、部分シート43は開口部46を覆ってシート42に密着している。同様に、第2張力付与部433bが弾性紐452及び連結紐451に引っ張られ、部分シート43は開口部46を覆ってシート42に密着している。
【0028】
図3(B)に示される状態では、第1張力付与部433aが弾性紐442及び連結紐441に引っ張られる力を図中矢印方向の外力が上回り、部分シート43は開口部46から引き離され、開口部46が露出する。同様に、第2張力付与部433bが弾性紐452及び連結紐451に引っ張られる力を図中矢印方向の外力が上回り、部分シート43は開口部46から引き離され、開口部46が露出する。
【0029】
[付記]下記付記1から7は、技術的に矛盾しない限り任意に組合せ可能である。
【0030】
[付記1]
開口部46が設けられたシート42と、
開口部46を開閉可能に覆う部分シート43と、を備え、
部分シート43は、一方側である側辺部431が開口部46の第1縁部461に沿ったシート42に固定され、部分シート43の中央側を挟んで一方側とは反対側の他方側である側辺部433はシート42に固定されておらず、
開口部46の第1縁部461を除いた第2縁部に沿ったシート42に係止部が設けられると共に、係止部に向かうように他方側に張力を付与する開閉機構が設けられている、テント2。
【0031】
付記1における第2縁部は、例えば、第1連結縁部462、対向縁部463、及び第2連結縁部464を含む。係止部は、第1連結縁部462、対向縁部463、及び第2連結縁部464に沿ったシート42の領域に設けられる。上記実施形態では、リング443,453が設けられている部分を含む領域が係止部であるが、第1連結縁部462、対向縁部463、及び第2連結縁部464に沿ったシート42の領域であれば、他の場所でもよい。開閉機構は、係止部に向かうように他方側に張力を付与できればよく、上記実施形態で説明した第1開閉機構及び第2開閉機構に限られない。開閉機構は、例えば、紐を引っ張り出すと戻す力が作用するリールを用いてもよい。
【0032】
部分シート43は、開口部46を開閉可能に覆うことができればよく、上記実施形態で説明した形状に限られない。例えば、開口部が円形で、部分シートが矩形でもよい。上記実施形態では、開口部46を単一の部分シート43で覆う例を示したが、1つの開口部を複数の部分シートで覆ってもよい。上記実施形態では、部分シート43の一方側を側辺部431としたが、一方側を上辺部432や側辺部433や下辺部434とし、部分シートが開く方向を変えてもよい。上記実施形態では、一対のフレーム41の間に開口部46が設けられ、部分シート43は外側から開口部46を覆った例を示したが、開口部46及び部分シート43の態様はこれに限られるものではなく、例えば部分シート43が内側から開口部46を覆ってもよい。
【0033】
付記1においては、シート42に設けられた開口部46を開閉可能に覆う部分シート43の一方側がシート42に固定され、他方側がシート42に固定されていないので、他方側を一方側に向けて引っ張ることで部分シート43が開口部46を覆う状態から開く状態へと遷移できる。開閉機構は、他方側が係止部に向かうように張力を付与しているので、部分シート43が開口部46を覆わない状態から他方側を一方側に向けて引っ張る力を弱めることで、他方側は係止部に向かう。係止部は、部分シート43の一方側が固定されている第1縁部461とは異なる第2縁部に沿ったシート42に設けられているので、他方側が係止部に向かうことで部分シート43が一方側とは反対側に展開し、部分シート43が開口部46を覆う状態へと遷移できる。シート42に固定されていない他方側に張力を付与する開閉機構を設けることで、部分シート43によって開口部46を開閉自在に覆うことができ、他方側とシートの開口部近傍との間にファスナーといった噛み合わせ機構を設ける場合に発生する音を低減することができる。
【0034】
[付記2]
係止部は、開口部46を挟んで第1縁部461とは反対側における第2縁部である対向縁部463に沿った領域に設けられている、付記1に記載のテント2。
【0035】
付記2によれば、部分シート43の一方側が固定されている第1縁部461と開口部46を挟んで反対側の第2縁部である対向縁部463に沿った領域に係止部が設けられているので、部分シート43は、開口部46を覆うように引っ張られシート42に当接し、開口部46を確実に覆うことができる。
【0036】
[付記3]
係止部は、異なる位置に設けられる第1係止部及び第2係止部を含み、
開閉機構は、第1係止部に向かうように部分シート43の他方側に張力を付与する第1開閉機構44と、第2係止部に向かうように部分シート43の他方側に張力を付与する第2開閉機構45と、を含む、付記1又は2に記載のテント2。
【0037】
付記3によれば、部分シート43の他方側は、第1開閉機構44によって第1係止部に向かう張力が付与されると共に、第2開閉機構45によって第2係止部に向かう張力が付与されるので、異なる2方向に沿った張力が付与され、開口部46を確実に覆うことができる。
【0038】
[付記4]
第2縁部は、第1縁部461と開口部46の中央側を挟んで配置される対向縁部463と、第1縁部461と対向縁部463とを繋ぎ互いに対向配置される第1連結縁部462及び第2連結縁部464と、を含み、
第1係止部は、対向縁部463に沿った領域と第1連結縁部462に沿った領域とが繋がる領域に設けられ、
第2係止部は、対向縁部463に沿った領域と第2連結縁部464に沿った領域とが繋がる領域に設けられている、付記3に記載のテント2。
【0039】
付記4によれば、第1係止部と第2係止部とが開口部46を挟んで設けられるので、部分シート43によって開口部46をより確実に覆うことができる。
【0040】
[付記5]
開閉機構は、外力が付与されると伸び、外力が除去されると原寸に戻る弾性紐442,452を含む、付記1から4のいずれか1つに記載のテント2。
【0041】
付記5によれば、開閉機構は弾性紐442,452を含むので、引っ張り力を与えると復元力によって他方側に張力を与えることができ、簡便な構成で静音化を達成できる。
【0042】
[付記6]
開閉機構は、弾性紐に繋がる連結紐441,451と、係止部に設けられると共に連結紐441,451が沿う方向を変更する方向転換部としてのリング443,453と、を含み、
弾性紐442,452の連結紐441,451に繋がる一端とは反対側の他端がシート42に固定され、
連結紐441,451の弾性紐442,452に繋がる一端とは反対側の他端が部分シート43に固定されている、付記5に記載のテント2。
【0043】
付記6によれば、連結紐441,451は、一端が弾性紐442,452に繋がり、係止部に設けられる方向転換部としてのリング443,453によって沿う方向が変更され、他端が部分シート43に固定されている。連結紐441,451は、方向転換部としてのリング443,453よりも弾性紐442,452側においては、弾性紐442,452を伸ばす方向に力を加えるのに適した方向に沿って配置される。一方、方向転換部としてのリング443,453よりも部分シート43側においては、連結紐441,451は部分シート43を開閉するのに適した方向に沿って配置される。従って、部分シート43を開閉しやすくすると共に弾性紐442,452を伸縮しやすくし、静音化を達成しつつ部分シート43の開閉性も向上できる。
【0044】
尚、リング443,453は、方向転換部の一例である。方向転換部は、連結紐441,451が沿う方向を変更することができればいかなる形態・材料のものも採用することができる。例えば、フック状のものでもよく、布地をループ状にしてシート42に縫い付けたようなものでもよい。
【0045】
[付記7]
弾性紐442,452の他端は、方向転換部としてのリング443,453よりも第1縁部461側においてシート42に固定されている、付記6に記載のテント2。
【0046】
付記7によれば、弾性紐442,452の他端が方向転換部としてのリング443,453よりも第1縁部461側においてシート42に固定されており、弾性紐442,452の一端に繋がる連結紐441,451は係止部に設けられる方向転換部としてのリング443,453を経由して部分シート43の他方側に固定されているので、弾性紐442,452及び連結紐441,451は第1縁部461側から他方側に向かう方向に沿って折り返されることになり、よりコンパクトな構成とすることができる。
【0047】
以上、具体例を参照しつつ本実施形態について説明した。しかし、本開示はこれらの具体例に限定されるものではない。これら具体例に、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本開示の特徴を備えている限り、本開示の範囲に包含される。前述した各具体例が備える各要素およびその配置、条件、形状などは、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。前述した各具体例が備える各要素は、技術的な矛盾が生じない限り、適宜組み合わせを変えることができる。
【符号の説明】
【0048】
2:テント
3:フライシート
4:インナーテント
41:フレーム
42:シート
421:側辺部
422:上辺部
423:側辺部
424:下辺部
43:部分シート
431:側辺部(一方側)
432:上辺部
433:側辺部(他方側)
433a:第1張力付与部
433b:第2張力付与部
434:下辺部
44:第1開閉機構
441:連結紐
442:弾性紐
443:リング
45:第2開閉機構
451:連結紐
452:弾性紐
453:リング
46:開口部
461:第1縁部
462:第1連結縁部
463:対向縁部
464:第2連結縁部
51:第1固定部
52:第2固定部