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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025010457
(43)【公開日】2025-01-21
(54)【発明の名称】低ノイズ超高速イメージセンサ
(51)【国際特許分類】
   H10F 39/18 20250101AFI20250114BHJP
   H04N 25/70 20230101ALI20250114BHJP
   H04N 23/11 20230101ALI20250114BHJP
   H10F 30/20 20250101ALN20250114BHJP
【FI】
H01L27/146 A
H04N25/70
H04N23/11
H01L31/10 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2023122033
(22)【出願日】2023-07-08
(71)【出願人】
【識別番号】591128888
【氏名又は名称】江藤 剛治
(72)【発明者】
【氏名】江藤 剛治
【テーマコード(参考)】
4M118
5C024
5F149
【Fターム(参考)】
4M118AA05
4M118AA10
4M118AB01
4M118BA14
4M118CA03
4M118CB01
4M118CB13
4M118DD09
4M118FA26
4M118FA33
4M118FA39
4M118GB03
4M118GB07
4M118HA25
5C024AX01
5C024AX06
5C024CX32
5C024GX01
5C024GX02
5C024GX16
5C024GY31
5F149AB02
5F149AB07
5F149BA05
5F149BB03
(57)【要約】
【課題】Ge-on-Si構造のマルチフレーミングイメージセンサにより、可視光、NIR、1200nm以下のSWIR光に対して時間分解能100ps以下を実現する。最終ターゲットは10psである。さらに、Ge-on-Si構造のイメージセンサに伴う大きな暗電流やリーク電流の生成を抑制する。
【解決の手段】回路拡散層と光電変換層を隔絶するp-wellや絶縁層からなる垂直方向の電荷移動禁止層に3個以上の開口を備える。一つの手段は、前記の開口を画素中心から放射方向で等距離の位置に備え、光電変換層を貫通して各開口に達する縦型転送ゲートを備える。また、電荷移動禁止層と固定電荷層を積層し、これらを貫通する多数の25ナノメートル以下の小孔を備える。
【選択図】図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体デバイスと、
入射電磁波または入射荷電粒子(以後、「入射光等」と呼ぶ)を前記の半導体デバイスの上に集光する手段と、前記の半導体デバイスを制御する手段と、前記の半導体デバイスから出力される信号を処理する手段とを備える撮影装置であって、
前記の入射光等の平均的入射方向を垂直方向と呼び、前記の垂直方向に直交する方向を放射方向と呼ぶとき、
前記の半導体デバイスは、M行N列(ここにMおよびNは正の整数)の画素を備え、
前記の各画素は、放射方向に延在するとともに垂直方向に積層して成る(1)前記の入射光等で信号電荷を生成する光電変換層と、(2)前記の信号電荷の垂直方向の移動を制限する電荷移動制限層と、(3)前記の信号電荷を一旦隔離、もしくは他の電気信号に変換する回路拡散層を備えるとともに、
前記の電荷移動制限層は、信号電荷の垂直移動を許容しない電荷移動禁止層と、前記の電荷移動禁止層に開けられた3個以上の信号電荷垂直移動領域(以後、「開口」と呼ぶ)を備えることを特徴とする。
【請求項2】
請求項1に記載の撮影装置であって、前記の回路拡散層の中心から放射方向の等距離に、3個以上の信号電荷を転送する転送デバイスを備えることを特徴とする。
【請求項3】
請求項2に記載の撮影装置であって、前記の転送デバイスが、前記の回路拡散層内を垂直方向に延在する縦型電極部分を備える縦型転送ゲートであって、前記の各縦型電極が、前記の開口の1個に達していることを特徴とする。
【請求項4】
請求項1に記載の撮影装置であって、前記の電荷移動禁止層が信号電荷に対する反発力を生じる層を備える。
【請求項5】
請求項4に記載の撮影装置であって、前記の信号電荷に対する反発力を生じる層が3型もしくは5型のイオンを注入した層から成る。
【請求項6】
請求項4に記載の撮影装置であって、前記の信号電荷に対する反発力を生じる層が、ハフニウム、アルミニウム、ジルコニウム、タンタル、チタン、イットリウムのうち、少なくとも1つの元素を含む層である。
【請求項7】
請求項4から請求項6までのいずれかに記載の撮影装置であって、前記の開口のサイズとピッチが共に25ナノメートル以下である。
【請求項8】
請求項1から請求項7のいずれかに記載の撮影装置であって、前記の光電変換層がゲルマニウムを含むか、もしくはインジウムとガリウムとヒ素のうちの少なくとも一つを含む半導体から成る。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本特許は超高速撮影のためのイメージセンサの構造の単純化と暗電流抑制技術に関する。
【0002】
特に、シリコン(Si)回路上にゲルマニウムフォトダイオード(Ge PD)を載せたGe-on-Si構造の超高速イメージセンサのさらなる高速化と低ノイズ化に関する。
【背景技術】
【スーパー時間分解能】
【0003】
イメージセンサで達成することができる時間分解能には実質的な上限がある。この上限を限界時間分解能と呼ぶ。
【0004】
通常のイメージセンサでは、フォトダイオード(PD)で生成した信号電子をPD内で縦方向に転送する。
【0005】
発明者らは、信号電子がPD内を縦方向転送する場合について、限界時間分解能の式を導いた。また限界時間分解能より短い時間分解能をスーパー時間分解能(Super-Temporal- Resolution, STR)と呼ぶことを提唱した(非特許文献1)。
【0006】
限界時間分解能の式は、PD材料中の電荷のドリフト速度や拡散係数、光の特性等を代表する数個のパラメータを含む。その一つは入射光の波長に対するPDの吸収係数(1/平均侵入深さ)である。
【0007】
吸収係数については歴史的に非常に多くの測定値が示されている。
【0008】
可視光の代表的な波長として一般的に550nmが使われる。
【0009】
シリコン(Si)に対する550nm光の吸収係数と平均侵入深さのデータを、平均侵入深さで統一表示すると、0.85μmから1.73μmの広範囲に分布している。2つの値を平均すると1.29μmである。既存の多くのデータの平均値もこれに近い値になる。
【0010】
1.73μmは非特許文献2に開示されていた数値表から読み取った。吸収係数や平均侵入深さに関する多くのデータは図で与えられている。図から読み取ると任意性を免れない。従ってこれまでSiに対する550nm光の平均侵入深さとして1.73μmという値を使ってきた。
【0011】
導いた限界時間分解能の式に平均侵入深さとして1.73μmを代入すると、SiPDと550nm光に対して限界時間分解能は11.1psとなる。
【0012】
しかし現在、非特許文献2にはアクセスできない。
【0013】
非特許文献3にもSiに対する波長と吸収係数の関係が数表として開示されている。この表に基づいて平均侵入深さを推定する。
【0014】
この表によれば、550nm光に対する吸収係数は300°Kのとき、6.39E+03(1/cm)である。その逆数である平均侵入深さは1.56μmである。
【0015】
図1は非特許文献3の数値表を、この表の作者が図化したものである。
【0016】
1.56μmは既存のデータが示す平均侵入深さの最大値でもある(非特許文献2の値を除く)。従って、この値から限界時間分解能を推定するとやや過大側になる恐れがある。しかし、6.39E+03(1/cm)が数値として与えられているので本特許申請以後は、平均侵入深さとして1.56μmを用いる。
【0017】
超高速撮影のために、飽和ドリフト速度に対応する高い電界を想定する。このとき、限界時間分解能は近似的にドリフト速度Vに反比例し、PDの厚さWに比例する。
【0018】
限界時間分解能の式と、転送方向の拡散係数(縦拡散係数)Dの関係については非線形関係になる。しかし、飽和ドリフト速度に近い高い電界ではドリフト効果に対して縦拡散効果は小さくなる。従って、高い精度を必要としなければ、限界時間分解能は平均侵入深さに比例する。
【0019】
従って、平均侵入深さ17.3μmのときの限界時間分解能11.1psから、平均侵入深さが1.56μmのときの限界時間分解能を推定する。結果は10.0ps(=11.1×1.56/1.73)となる。従って本明細書では1.00ps以下の時間分解能をSTRと定義する。
【0020】
因みに平均侵入深さとして1.29μmを用いると、限界時間分解能は近似的に8.28ps(=11.1×1.29/1.73)と推定される。
【0021】
このように、過去の実験値から推定した限界時間分解能には上下約30%の大きな幅がある。しかし、限界時間分解能の値がこの程度変わっても、以下の論理展開の論拠として使う大小関係に矛盾は生じない。
【0022】
非特許文献5ではGeに対する550nm光の平均侵入深さを0.02μmとしている。Geに対しては波長と吸収係数の関係を表すまとまった数値表を見つけることができなかった。従ってインターネットに掲載されていたGeの波長と吸収係数の関係を示す図から0.02μmという値を推定した。
【0023】
以上より、本特許申請ではSiとGeに対する550nm光の平均侵入深さを1.56μmおよび0.02μmとする。
【95%飽和ドリフト速度】
【0024】
図2はSiに対する電界Eとドリフト速度Vの関係100を示す(非特許文献5の図9)。Geに対するEとVの関係も併記している。
【0025】
電界に対してドリフト速度は単調増加し、飽和ドリフト速度に漸近して、勾配がほとんど0になる。従って、電界とドリフト速度の関係図から飽和ドリフト速度に対応する電界を推定すると大きな任意性を伴う。
【0026】
従って、飽和ドリフト速度の95%の電界を「飽和電界」と呼ぶことにした。またこの飽和電界(95%飽和電界)に対するドリフト速度を新たに「飽和ドリフト速度」と定義した。
【0027】
このとき、Siの飽和電界と飽和ドリフト速度は25kV/cm(=2.5V/μm)および0.091μm/psと推定される。Geに対しては4kV/cm(=0.4V/μm)および0.058μm/psと推定される。
【0028】
飽和ドリフト速度等の値についても読み取り時に誤差が生じる。しかし、これらの値が多少変わっても以下の論理展開の論拠として使う大小関係に矛盾は生じない。
【0029】
このとき、SiとGeの飽和ドリフト速度の比は約3/2(=0.091/0.058)である。また飽和電界比は約6倍(≒25/4)である。
【シリコン結晶とゲルマニウム結晶の格子定数と界面の欠陥】
【0030】
300°KにおけるSiとGeの格子定数は0.54310nm、および0.56754nmである。従ってGeの格子定数はSiのそれより4.5%大きい。
【0031】
このためSiとGeの結晶界面には大別して2種の結晶欠陥(Dislocations)が生じる。
【0032】
一つは大規模なThreading Dislocationである。この欠陥はGeとSiの界面からGe側にひも状もしくはリボン状に延びる。従って非常に大きな暗電流やトラップを生じる。他の一つは原子間の接続が切れているMisfit Dislocationである。
【0033】
このうちThreading Dislocationについては、Si結晶上のGe結晶の成長時、および成長後の温度管理により減らすことができる。
【0034】
例えば、Ge結晶の厚さが20nmまでは250℃程度の低温で成長させる。それ以後は700℃程度で成長させる。これによりThreading Dislocationの密度が下がる。
【0035】
さらにGeの結晶成長後、約200℃と約700℃の間で複数回温度を上下させる。これにより、Threading Dislocationは合体や移動を起こす。
【0036】
水平方向に移動したThreading DislocationはGe PDの端面に設けた縦方向の酸化膜の近傍で移動が制限される。
【0037】
このような温度制御技術により、信号電子が通過するPD中央部のThreading Dislocationの空間密度を減少させることができる。
【0038】
現在では、Threading Dislocationの空間密度は数μm四方に1個以下にできる。
【0039】
最近のイメージセンサの画素サイズは、1ミクロンのオーダーである。従って、1画素当たりのThreading Dislocationの存在確率を1より小さい値にできる。
【0040】
実際的な対応として、Threading Dislocationにより大きな暗電流が生じる画素の画像信号を無視し、周囲の4画素の画像信号の平均値で内挿することができる。
【0041】
このように、Threading Dislocationの空間密度の減少とPD端面への水平移動により、Threading Dislocationを原因とする非常に大きな暗電流の影響は実用上回避することができる。
【0042】
Misfit Dislocationも温度制御により減少する。しかし、Misfit Dislocationのサイズは原子間距離、すなわち1nmのオーダーである。従って、PDのサイズである1μm程度とはスケールが違う。従ってPDを縮小しても解消されない。
【2酸化シリコン薄層に開けられたナノホールでのSi層とGe層の結合】
【0043】
図3は非特許文献6から引用した図である。この図はTEMによってSiとGeの界面の原子の配列を観察した図である。
【0044】
Si層の表面に、数原子層以下の厚さの2酸化シリコン層を形成する。これに直径数nmの孔を開ける。露出したSi層の表面からGe層を成長させる。
【0045】
図3では、GeとSiの界面にMisfit Dislocationが見られる。しかし、孔の中央付近の少なくとも3nm程度の領域101の数個のSi原子はGe原子と直接連結しているように見える。このように、開口スケールが原子間距離のスケールに近くなるに従って、Misfit Dislocationの生成確率も減少すると期待される。
【0046】
一方、開口領域の辺縁部では数原子層の幅にわたって結晶の不連続性が見られる。また図3の範囲には入っていないが、開口の外側の2酸化シリコン層とその上下面は、全く結晶化されていない。
【0047】
上層のGe層を光電変換層として使う場合、2酸化シリコンの開口部の辺縁と、2酸化シリコン層の上下面との非結晶性領域は非常に大きな暗電流と信号電子のトラップおよび再放出の生成領域となる。
【ダングリングボンドと固定電荷層】
【0048】
通常のSiイメージセンサのPDの表面は2酸化シリコンから成る酸化膜の薄層で保護されている。Si層と酸化膜の境界となる層のSi原子のほとんどは未結合手(ダングリングボンド)層である。
【0049】
この境界部の未結合Si原子には水素ガスを供給してダングリングボンドを水素で終端させる。これは標準的な技術である。
【0050】
さらに界面近傍の欠陥領域の影響を抑制するために、界面近傍に局所的に負電位を形成する技術が使われている。これにより信号電子が界面近傍に近付く確率を下げる。
このために一般的に以下の2種類の技術が使われている。
【0051】
一つは境界部へのボロンイオンの注入である。
【0052】
他の一つは界面のシリコン酸化膜への3酸化2アルミニウム(以後「酸化アルミニウム」と書く)や2酸化ハフニウム等の固定電荷を持つ薄層の積層である(特許文献4、非特許文献7)。2つの技術を併用する場合もある。
【平屋型マルチフレーミングイメージセンサ】
【0053】
特許文献1、特許文献2はマルチフレーミングイメージセンサの画素の1形態を開示している。この形態では、PD下のp-wellの中心に1個の比較的大きい開口を備える。回路拡散層上に、この開口から放射方向に配置した3個以上の平面型転送ゲート(Transfer Gate, TG)を備える。光電変換手段で生成した信号電子を順次、これらのTGの上を通して、画素中心から放射方向で等距離にあるアナログメモリに保存する。これにより、TGの数に等しい数の連続画像を非常に短い時間間隔で撮影することができる。
【0054】
この画素構造を備えるイメージセンサを用いて、イメージセンサとしては世界で初めて飛翔する光の連続撮影に成功した(非特許文献8)。
【0055】
特許文献3は図4に示すイメージセンサの画素構造を開示している。図4(a)は平面図、図4(b)は、図4(a)の一点鎖線103に沿う断面図である。この構造は特許文献1、特許文献2で開示された画素構造を単純化して進化させた形態である。
【0056】
センサチップは通常、PD104、TG105、106、107、および読出し回路(Output Circuit、 OC)108、109、116を備える。
【0057】
OCは図4(c)に示すように、通常、信号電荷の電圧変換のためのフローティングディフュージョン(Floating Diffusion,FD)110、リセットゲート(Reset Gate, RS)111、およびリセットドレーン(Reset Drain, RD)112を備える。
【0058】
図4に示すセンサチップのPD104と単一電極縦型TG105、106、107は、図4(b)に示すように、同じ平面空間上に配列されている。従ってこのセンサ構造を「平屋型」と呼ぶことにする。
【0059】
このセンサではPD、TG、FD等は全てSi半導体で作られている。
【0060】
またセンサ部はN個の単一電極縦型TGを備えることを特徴とする。このケースではN=16である。
【0061】
撮影時には1個のTG105に高い電圧VHをかけ、残りの15個のTG106、107に低い電圧VLをかける。PDで生成した信号電子はVHをかけたTG105に収集され、PD領域の外部のOC108中のFD110で電圧に変換される。
【0062】
VHをかけるTG105を、VLをかけていたTG106の一つに変えることで、順次、連続15枚の画像信号を最短時間間隔で収集し、一旦、FDに保存することができる。
【0063】
1個のTG107はドレーン用の読出し回路OC116として使う。すなわち、このOCのRS111は常に高い電圧VHに保つ。OC116のRSの前段のTG107にVHをかける。これにより、撮影後にPDで生じる暗電流やリーク電流によって生成する電子はTG107に接続するRDから連続的にセンサ外に排出される。
【0064】
撮影後、他のTG105、106の電圧はVLに固定される。従って、PDで生成した暗電流は全てドレーンからイメージセンサ外に排出される。
【0065】
15個のFD110の信号電子パケットの流入前後の電位差が電流増幅され、画像信号として接合チップに転送される。
【0066】
実際のイメージセンサは図5に示すように、センサチップ113の下部に駆動回路114を備えるチップ152と画像信号処理回路115を備えるチップ153を接合してなる。
【0067】
駆動回路は、センサ部を駆動するための駆動電圧を生成する。画像信号処理回路は、撮影で得られた画像信号を一旦保存し、信号処理後、イメージセンサ外に転送する。
【0068】
FDで電圧変換された画像信号は金属配線(図には描かれていない)を通じて、画像信号処理回路115に転送される。
【0069】
平屋型ではPD104とTG105、106、107の深さ(幅)は実質的に同じである。このとき図4(b)に示すように、PD内の信号電子の転送方向は水平方向である。これにより、PD内での信号転送時間は最小化される。
【0070】
ただしPDと同じ高さの広い幅のTGは駆動電圧のRC遅れを大きくする。ここにRとCは、TGの電気抵抗と容量である。RC遅れを小さくする技術については後述する。
【0071】
VHをかけたTGには次の瞬間VLがかかる。従って一旦1個のTGの外側に出た信号電子は、そのTGを経由してPDに帰ることはできない。
【0072】
ドリフト速度の上限は飽和ドリフト速度で決まっている。従って、最高速を達成することを目的にする場合は、図4の平屋型の時間分解能は、一旦PD外に出るまでの距離、すなわちPDの直径102で決まる。
【0073】
PDの最小直径は回折限界で決まる。例えば550nm光に対しては250nmから500nmである。ただし250nmにするには液浸レンズを使うなど、特殊な光学系を必要とする。従って以下では550nm光の実用的回折限界を500nmとする。
【0074】
平屋型イメージセンサが全Si構造であるとき、550nm光の平均侵入深さは1.56μmである。550nm光に対する回折限界は500nm程度である。従って、回折限界は平均侵入深さの約1/3(=500nm/1.56μm)である。
【0075】
平屋型の信号電子の転送方向は水平方向である。Siではドリフト速度は、垂直転送の場合も水平転送の場合もほとんど同じ値である。
【0076】
STR条件を導くに当たっては、信号電子は、光の平均侵入深さに等しい厚さのPDを飽和ドリフト速度で縦方向に転送されるとした。図4の平屋型における限界時間分解能は、信号電子が光の回折限界に等しい直径のPDを飽和ドリフト速度で水平方向に転送される場合の時間分解能として定義するのが妥当である。従ってこの場合の限界時間分解能は、縦方向転送のPDに対して導かれたSTRに対して約1/3になる。
【0077】
従って、全Si構造であっても平屋型にすることでPDでの転送時間についてはSTRを達成できる。
【0078】
ただしこの場合、TGの幅は550nm光の平均侵入深さと同オーダーである。これを1.56μmとする。一方、通常のイメージセンサで使われる回路要素のサイズは数10ナノメートルから数100ナノメートルである。従って1.56μmのTGは、通常の回路要素のサイズに比べて1から2桁大きい。
【0079】
TG単体の電気抵抗Rと容量Cは幅に比例する。従って図4の平屋型ではそれらの積であるTGのRC遅れは非常に大きい。従って、全Si構造の平屋型画素では、駆動電圧の送付におけるRC遅れが時間分解能を抑制する上で大きな制限要因になる。
【Ge-on-Si構造の2階型マルチフレーミングイメージセンサ】
【0080】
図6のセンサチップ117ではSi半導体層118の上にGe PD119を載せている。いわば「2階型」である。
【0081】
2階型で、通常のSi PDをGe PDで置換するとSTRを容易に実現できる。2つの理由がある。一つはPD内の信号電子の垂直転送時間の短縮である。他の一つはSi回路拡散層におけるTGのRC遅れの短縮である。これらについて説明する。
【0082】
550nm光のSiに対する平均侵入深さは1560nmである。Geでは20nmである。従ってGe PDの厚さはSi PDの厚さの1/78程度になる。図2に示すようにGeとSiの飽和ドリフト速度には大きな差はない。
【0083】
従って550nm光に対してGe PDでの垂直転送時間はSi PDの場合より2桁程度小さくなる。
【0084】
STR(<10.0ps)は550nm光のSiへの平均侵入深さ1.56μmに対して導かれた。図2に示すように、Geの飽和ドリフト速度はSiのそれの約2/3である。一方、NIRと、1,200nm以下のSWIR(短波赤外)光のGeへの平均侵入深さは1μm(=1.56×2/3)以下である。従って、Ge PDにより、これらの入射光に対してもSTRを実現できる。
【0085】
平屋型ではPDもSiであるとすると、このSi層は光電変換と信号電子の水平転送の2つの機能を持つ。一方、図6の2階型では光電変換は実質的にGe PDで完了している。従ってSi層の役割は信号電子の水平転送だけである。
【0086】
例えば、PDの直径が回折限界である500nmとするときは、Si層の厚さは200nm程度にできる。すなわち1.56μmに比べて1桁小さい。
【0087】
図6に示すように、TGの幅(深さ)はSi層の厚さ118と同じである。TGを駆動するときのRC遅れはRとCの積に比例する。従って、TGのRC遅れのうち、ドライバや配線のRCを除く、TG起源のRC遅れは、図4の全Si平屋型の場合のRC遅れに対して2桁程度小さくなる。
【0088】
従って、Ge―on-Siの2階型のセンサチップについてはPDでの垂直転送時間も、TGの駆動におけるRC遅れもSTRを実現する上での大きな制約にならない。
【0089】
ただし、図4図5の平屋型でも、PD104がGeであれば、可視光やNIR光ではTGの幅(=PDの厚さ)が薄くなる。従って、RもCも小さくなり、相乗効果により、RC遅れがSTRを実現する上での大きな障害ではなくなる。しかも、図2に示すように、Ge PDに対してあるドリフト速度を達成するために必要な電界は、Si PDの場合の約1/2である。
【超高速撮影における連続撮影枚数、暗電流と読出しノイズ】
【0090】
マルチフレーミングイメージセンサでSTR撮影を目指す場合は画素からの読出しノイズと暗電流の課題は大きく軽減される。
【0091】
マルチフレーミングイメージセンサでは、取得した信号電子パケットは各画素の光電変換層に直近の画素内メモリにその場保存される。従って、PDから画素内メモリへの転送に伴う読出し(転送)ノイズは十分小さい。また、撮影後の画素内メモリからの信号転送速度は十分遅くできるので、センサチップから接合したチップ等への読出しノイズも小さい。特に、センサを冷却する場合は読出しノイズを1電子以下にできる。
【0092】
通常のビデオカメラの撮影速度は30fps(frames per second)から120fpsである。暗電流をオーダー的に比較するために、代表値を100fps(時間分解能10ms)とする。
【0093】
通常の並列連続読出し高速イメージセンサで実現できる最高撮影速度は1Mfps(時間分解能1μs)程度である。ただし、並列連続読出しイメージセンサでは撮影速度と画素数が逆比例する。最高撮影速度時の画素数は1000画素(30×30画素)程度である。多くの撮影用途ではこの空間分解能では足りない。
【0094】
現実的に有効な空間分解能を確保する場合の最高撮影速度は100kfps(時間分解能10μs)程度である。
【0095】
マルチフレーミングイメージセンサでは連続撮影枚数は数枚から100枚程度と少ない。従って、マルチフレーミング超高速イメージセンサを適用せざるを得ない撮影速度領域は、並列連続読出しイメージセンサでは撮影困難な速度領域である。すなわち、時間分解能が10μsからSTR(10ps)程度までの撮影速度領域である。
【0096】
このとき、マルチフレーミングイメージセンサの1フレーム当たりの暗電流は、10ms(100fps)当たりの暗電流の1/1,000(=10μs/10ms)から1/1,000,000,000(=10ps/10ms)である。
【0097】
従って、撮影速度が大きいほど1画素当たりの暗電流は小さくなる。
【0098】
また、連続読出しイメージセンサでは撮影速度を上げようとすると、各画素からセンサ外への画像信号の読出し速度を上げる必要があり、ノイズがさらに増大する。
【0099】
さらに、超高速撮影では、空間分解能についてもマルチフレーミングイメージセンサが有利である。すなわち、マルチフレーミングイメージセンサでは、画素数(空間分解能)は撮影速度に関係なく一定である。
【0100】
以上、連続撮影枚数の点では並列連続読出しイメージセンサが有利である。一方、撮影速度、空間分解能(画素数)、ノイズレベルの点でマルチフレーミングイメージセンサがはるかに有利である。
【0101】
近い将来、イメージセンサチップの接合枚数が増える。実際、デジタル回路では10枚程度のチップを接合している場合もある。接合メモリチップを増やせば、マルチフレーミングイメージセンサの連続撮影枚数も大きくなる。
【p-wellに達する縦型転送ゲートを備える2階型イメージセンサ】
【0102】
特許文献1、特許文献2で開示されている画素構造では、上部の光電変換層と下部の回路拡散層をp-wellで隔てている。p-wellに1個の開口(孔)を設け、光電変換層で生じた信号電子を回路拡散層に転送している。この場合、開口部とその周辺の非常に弱いp領域の面積は広い。
【0103】
特許文献5でも図7に示すように、n型の光電変換層120とp型の回路拡散層121の間にpプラスのp-well122を設けている。このような、垂直方向の電荷移動を制限する層を「電荷移動制限層」と呼ぶことにする。
【0104】
本例ではp-wellから成る電荷移動制限層にpマイナスから成る開口124を設けている。さらにこの開口に縦型のTG123を通している。TGは酸化膜127で絶縁されている。
【0105】
TGに高い電圧を与えるとTG周辺のpマイナス領域124の電位は、n型の光電変換層の電位より高くなる。このとき、光電変換層への入射光125で生成した信号電子126はpマイナス領域124を通って、TGの周辺を伝って回路拡散層121に導かれる。
【0106】
特許文献1、2での開口部とその周辺の非常に弱いp領域の面積に比べて。開口124に縦型TG123を通して、正電圧をかけ、いわば無理やり電子を通過させる場合に必要な開口124の面積ははるかに小さくて良い。これにより画素面積を縮小することができる。
【0107】
一方、縦型貫通TGの周囲の絶縁層と外部のSi層の界面は欠陥層で、暗電流の原因となる。ただし、TGの周囲に固定電荷層を挿入すればこの問題は軽減される。
【0108】
一方、特許文献1、2の構造の場合は、開口の周りの絶縁層は無い。従って、Si層と絶縁層の界面の欠陥から生じる暗電流やトラップはない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0109】
【特許文献1】特許6188679号、登録日 2017年8月10日、非特権者 江藤剛治、発明者 江藤剛治・山田哲生・ヴ・ツルオン・ソン,ダオ
【特許文献2】Patent No:US9,503,663 B2,Nov.22,2016,Applicant:Takeharu Etoh,Inventors:Takeharu Etoh;Tetso Yamada;Dao Vu Truong Son.
【特許文献3】特願2023-76972、出願日 2023年5月8日、出願者 武藤秀樹、発明者 武藤秀樹、江藤剛治、シャルボン・エドアルド
【特許文献4】特許5136081号、登録日 2012年11月22日、特許権者 ソニー株式会社、発明者 平野智之
【特許文献5】特許5401928号、登録日 2013年11月8日、特許権者 ソニー株式会社、発明者 山田明大
【非特許文献】
【0110】
【非特許文献1】T.G.Etoh,et al.,The Theoretical Highest Frame Rate of Silicon Image Sensors,Sensors,vol.17,No.3,483,2017.
【非特許文献2】M.H.Jones and S.H.Jones,Optical Properties of Silicon,Verginia Semiconductor,Inc.(accessed on 13 January 2017:no more accessible).
【非特許文献3】M.A.Green,Self-consistent optical parameters of intrinsic silicon at 300 K including temperature coeffifients,Solar Energy Materials & Solar Cells,Vol.92,No.11,1305-1310(2008).
【非特許文献4】Handbook of Optical Constants of Solids,edited by Edward D.Palik,Academic Press Inc.,(1985).
【非特許文献5】江藤剛治、超高速カメラ開発の歴史と展望、応用物理、90巻6号、332-338頁、2021年.
【非特許文献6】Qiming Li,et al.,Morphological evolution and strain relaxation of Ge islands grown on chemically oxidized Si(100)by molecular-beam epitaxi,Journal of Applied Physics,Vol.98,No.7,073504(2005).
【非特許文献7】上村昌己、山華雅司、内藤達也、Al2O3固定電荷層適用における裏面照射型CMOSイメージセンサ暗電流低減についての検討、第63回応用物理学会春季学術講演会講演予稿集、20a-S422-12,2016.
【非特許文献8】T.G.Etoh,et al.,Light-in-Flight Imaging by a Silicon Image Sensor:Toward the Theoretical Highest Frame Rate,Sensors,Vol.19,No.10,2247(2019).
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0111】
2つの課題を解決する。
【0112】
特許文献3では図4に示す縦型TGを用いた平屋型のマルチフレーミングイメージセンサが開示されている。この発明では、平面的に見て受光面の外部に縦型TG105、106、107や画素内メモリおよび画素外への読出し回路OC108、109、116がある。従って受光面の外部の回路要素の面積分だけ画素サイズが大きくなる。
【0113】
本発明の第1の課題は縦型TGの利点を活かしつつ、マルチフレーミングイメージセンサの画素サイズを縮小することである。
【0114】
非特許文献5等では、Ge-on-Si構造のマルチフレーミングイメージセンサが開示されている。このイメージセンサにより、可視光、NIR、1200nm以下のSWIR光に対してSTRを実現できる。
【0115】
第2の課題は、Ge PD光電変換層とSi回路拡散層の界面の結晶欠陥に伴う暗電流の抑制である。
【課題を解決するための手段と効果】
【0116】
第1の課題の解決手段は以下の通りである。
【0117】
n型もしくはp型の光電変換層、光電変換層とは逆の型の半導体から成る電荷移動制限層、および回路拡散層を積層して成る画素において、回路拡散層を垂直方向に貫通し、光電変換層の中心から放射方向の等距離に位置するm(m≧3)個の電荷移動禁止層の開口を備え、前記の開口の各々に達する縦型TGを備える。
【0118】
第1の課題の解決手段の効果は以下の通りである。図4に開示した縦型TGを備える画素構造では、光電変換層の外部に縦型TGや読出し回路OC等の回路要素が配置されている。第1の課題の解決手段により、これらの回路要素が光電変換層の下部に配置される。従って、開口率を100%、もしくは100%に近い値にできる。従って、集光のためのオンチップマイクロレンズが実質的に不要になる。また、同一の受光面積に対して画素数を大きくできる。
【0119】
第2の課題の解決手段は以下の通りである。
【0120】
光電変換層、酸化膜からなる電荷移動制限層、および回路拡散層を積層して成る画素において、前記の電荷移動禁止層にm(m≫3)個の微細な開口を備えるとともに、非開口部分に信号電荷に対して反発力を生じる層を備える。
【0121】
第2の課題の解決手段の効果は以下の通りである。開口サイズと開口のピッチが実質的に25ナノメートル以下であれば、開口部を起点とするThreading Dislocationの生成が抑制される。また、近年のイメージセンサプロセスの最小ノードは20ナノメートル程度であるから、開口サイズが同程度であれば、本発明の実用化に寄与する。さらに10ナノメートル以下であればMisfit Dislocationの生成も抑制されるのでなお好適である。
【0122】
また、非開口部分に備えた信号電荷に対して反発力を生じる層により、電荷移動禁止層部分の上下、および開口部の端面の結晶欠陥層への信号電荷の接近が抑制される。これにより、これらの欠陥層に起因する大きな暗電流や信号電子のトラップおよび再放出が抑制される。
【0123】
光電変換層としては,シリコンに代えてゲルマニウムやInGaAsを用いると1200nm程度までの入射光に対してSTRを実現できる。また信号電荷が電子の場合には、反発力を生じる層として酸化アルミニウムや酸化ハフニウム等の固定電荷層、または酸化シリコン層の周囲に注入したボロンイオン層が好適である。
【図面の簡単な説明】
【0124】
図1】シリコンの波長と吸収係数の関係
図2】シリコンとゲルマニウムの電界とドリフト速度の関係
図3】Si結晶上の酸化膜薄層に開けた小孔から成長したGe結晶のTEM像
図4】特許文献3に開示されているイメージセンサの画素の平面図と断面図
図5】接合チップを備えるマルチフレーミングイメージセンサの1画素の断面図
図6】Ge-on-Siマルチフレーミングイメージセンサの1画素の断面図
図7】特許文献5に開示されているイメージセンサの画素の断面図
図8】本発明の第1の実施の形態のイメージセンサの1画素
図9】本発明の第2の実施の形態のイメージセンサの1画素
図10】本発明の第2の実施の形態の電荷移動制限層の説明図
図11】本発明の撮影装置の説明図
【発明を実施するための形態】
【第1の実施の形態】
【第1の実施の形態の構造】
【0125】
図8は本発明の第1の実施の形態の説明のための図である。この図は第1の実施の形態のセンサチップの1画素を示す。第1の実施の形態はSi半導体から成る。
【0126】
図8(a)は平面図128を示す。図8(b)129と図8(c)130は図8(a)の平面図に示されている点線131と点線132に沿う断面図を示す。
【0127】
図8(b)と図8(c)で、上面が受光面133である。センサチップは、上面から順に、酸化シリコンからなる保護層134、基本的にn型のSiから成る光電変換層135、p型のSiから成る電荷移動制限層136、p型の回路拡散層137、酸化シリコン中の配線から成る配線層138から成る。
【0128】
光電変換層135はnマイナス層139、とnプラス層140、および表層のボロンイオンをドープしたp層141から成る。
【0129】
8個の縦型TG142はポリシリコンから成る。8個のTGは、水平方向には、光電変換層の中心から放射方向の等距離に配置されている。垂直方向には、回路拡散層137を貫通し、電荷移動制限層136に達している。TGは酸化シリコン薄層143で絶縁されている。電荷移動制限層の大部分はpプラスである。しかし、TGが到達する部分144の濃度はpマイナスである。
【0130】
各TGの外側には信号電子パケットの保存ゲート(Storage Gate,SG)156が配置されている。
【0131】
図8(a)の平面図に、4個のコーナー部157の1個を点線の円で示している。コーナー部には、アウトプットゲート(Output Gate, OG)145、FD146、リセットゲート(Reset Gate, RS)147,リセットドレーン(Reset Drain, RD)148を備える。
【0132】
画素中心にはセンタードレーン(Center Drain, CD)149を備える。CDの上部のpプラス層150は回路拡散層とCDを電気的に分離している。
【0133】
TG、OG、FD、RS、RD、SG、CDと接合チップ152、153(図5に記載)間は銅配線151で電気的に接合されている。また、表面側からはアルミニウム配線154で、入射光で生成する電子・ホールペアからホールを排出する。
【0134】
また、連続する画像信号間のクロストーク防止のため、pプラス型の分離層155を設けている。
【0135】
図5の接合チップ152、153内の回路114、115の説明はイメージセンサのセンサ部に関する通常の特許文書では省略されているので本明細書でも記載を省略している。
【0136】
図8のセンサは波長450nmから650nmまでの可視光による撮影を目的とする。
【0137】
画素サイズは10μm×10μmである。2酸化シリコン保護膜134の厚さは10nmである。Si光電変換層135の厚さは7μmである。電荷移動制限層136の厚さは0.5μmである。回路拡散層137の厚さは1μmである。配線層138の厚さは0.5μmである。
【0138】
従って、Si層の総厚は8.5(=7+0.5+1)μmである。
【第1の実施の形態の動作】
【0139】
入射面133にコンタクト154を通じて-10Vの電圧を加える。また、リセットドレーンRD148およびセンタードレーンCD149には0Vを加える。
【0140】
撮影時は、縦型転送ゲートTG142にはVHとして3Vを加える。またVLとして1Vを加える。
【0141】
従って、光電変換層には約1.43V/μm(≒(3―(-10))/7)の電界がかかる。この値は真正Siの飽和電界2.5V/μm(図2参照)の約60%である。
【0142】
飽和電界より低い理由は以下の通りである。光電変換層の下層にはnプラス型の不純物がドープされている。このため、真性Si層の場合に比べて飽和電界が小さい。また飽和電界では、暗電流やリーク電流が大きくなる。
【0143】
撮影開始時は、8個の保存ゲートSG156にはVHを、8個のTG142にはVLを加えている。8個のアウトプットOG145の電圧は一定である。
【0144】
撮影開始の瞬間に、1個のTGに加える電圧をVLからVHに変える。入射光で生成した信号電子は電荷移動制限層上を前記のVHを加えたTGに向かって移動する。次に、前記のTGの側面のpマイナス領域144を通って回路拡散層137に移動する。次に、前記のTGの底面の上層に移動する。次いで、前記のTGに隣接する保存ゲートSG156に移動する。次に、前記のTGの電圧をVLに戻す。これにより、1個の信号電子パケットが、一旦、前記のSG上に保存される。
【0145】
残りの7個のTGに順次VHを加え、VLに戻すと、8個のSGに信号電子パケットが保存される。これにより、連続8枚の画像信号がセンサチップ上に保存される。
【0146】
次に、8個のSGに保存された信号電子パケットを電圧変換して接合チップ153に転送する。以下でこの動作を説明する。
【0147】
コーナー部157には、2個のOG145に対して、1組のFD146、RS147、RD148を備える。これによって信号読出し部の回路要素数と各画素に接続する配線数を減らすことができる。これによって、画素サイズを縮小できる。
【0148】
一方、接合チップへの信号の転送動作には工夫が必要である。撮影直後に1個のコーナー部157の直前の2個のSG156のうちの1個にVLを加える。前記のSGに加えたVHにより保存されていた信号電子パケットは隣接するアウトプットゲートOG145の電位障壁を超えてFD146に流入する。
【0149】
信号電子パケットの流入により、FDの電位が低下する。この電位変化を電流増幅し、電圧変換して、接合チップ153上のメモリ領域115(例を図5に記載)上で保存する。上記の、1個のSGに保存されていた信号電子パケットをFDで読み出す技術はイメージセンサ分野では汎用技術である。
【0150】
2個のOG145のうちの他の1個についても同じ動作を繰り返す。これにより、1個のコーナー部157のFDに接続する2個のSGに保持されていた画像信号は接合チップ153上のメモリ領域115に保存される。その時点では残りの6個の画像信号はまだ6個のSG上に保存されている。
【0151】
最初の2個の信号の読出し直後に、前記のコーナー部157に接続するTG142、OG145、SG156、RS147をVHに固定する。これにより、残りの6個の画像信号の転送中に光電変換層135で生成した暗電流は、前記のコーナー部157を経由してセンサチップ外に排出される。すなわちドレーンとして機能する。
【0152】
OGの電圧は一定に保たれている。FDでの変換誤差を抑制するためである。ドレーンの経路として使用中はSGの電圧はVHに保たれている。従って、光電変換層で生成し続ける電子が溜まり、満杯になる。それ以後に流入する暗電流はOGを越えてRDから自然に流出する。
【0153】
前記のコーナー部157の各ゲート電圧は上記の条件に保ったままで、引き続き残りの6個の画像信号パケットを接合チップに読み出す。
【0154】
以上により、センサチップ上の各画素から8個の画像信号が接合チップに送られ、記録される。
【0155】
その後、接合チップ上に保存された画素数×8個の画像信号を十分低速で接合チップから、イメージセンサ外に読み出す。
【0156】
撮影直前の撮影待機時間中は、センサチップを空乏化しておく必要がある。この間は8個のTGと4個のRSをVHにする。8個のSGには交互にVHとVLを加える。これにより、SGに蓄積する暗電流やリーク電流を隣接するOGを越えて、RDから連続的には排除する。これにより、光電変換層が空乏状態に保たれる。またSGへの暗電流の蓄積を防ぐことができる。
【0157】
CDの電圧は撮影中はVLに保つ。撮影待機時間中はVHに保つ。これにより、撮影前の回路拡散層での暗電流の蓄積を防ぐ。
【0158】
撮影後に、接合チップ上の画像信号メモリに保存されている画像信号をセンサチップ外に読み出す。
【0159】
以上により、第1の実施の形態では、実質的に開口率100%で、マルチフレーミング動作による超高速撮影ができる。
【0160】
第1の実施の形態の動作は上記の例に限らない。
【0161】
再現性現象の撮影では、撮影動作を繰り返して信号電子を、SG上で積算することもできる。
【0162】
また、接合チップに16個以上のアナログ、もしくはデジタルメモリを備えるときは、画像信号を連続的に接合メモリに送って連続16枚以上の画像を撮影することもできる。
【0163】
この場合、各SGに一旦保存された画像信号を接合チップに転送する時の転送時間は、残りの7個のSGに信号電子を記録するまでに完了すれば良い。従って理論的には撮影時間間隔の8倍の時間でSGから接合チップに信号を転送できる。
【0164】
センサチップのPDと読出し回路が1組の場合でも接合チップには多数のメモリを作り込むことはできる。しかし、1画素のサイズは接合チップ上のメモリ数が大きいほど大きくなる。
【0165】
これにより、画素面積が広くなるのであれば、センサチップをマルチフレーミング構造にできる。
【0166】
これにより、センサチップから接合チップへの信号転送速度をセンサチップ上のフレーム数に比例して低速化できる。このとき、転送に伴うノイズは転送速度の平方根に逆比例して小さくなる。
【0167】
また、第1の実施の形態から派生する実施の形態もある。
【0168】
TGは、光電変換層の中心から等距離にあるm(m≧3)個の他に、配置されていても良い。撮影枚数の増加、ドレーン機能の付加、参照信号電子パケットの導入等の効果がある。
【0169】
電荷移動制限層136と回路拡散層137のp型不純物濃度は同じであっても良い。この場合は電荷移動制限層と回路拡散層が一つの層となる。ただしTGを囲む小領域144は、信号電子の通過を許容するためにpマイナス型である。この場合は、信号電子の転送にはTGの電圧振幅(VH-VL)を非常に大きくする必要がある。
【0170】
前記のTGを囲む小領域は、実際には真性Siで設計する。プロセス中に周辺のp型不純物がTG周辺に拡散するのでpマイナス領域となる。
【0171】
またTGは、ポリシリコンではなく、金属であっても良い。
【0172】
ただし、これらの第1の実施例の派生型では、8枚の連続する画像信号間のクロストークの抑制や、リーク電流の抑制等のための設計条件の調整が必要である。第1の実施例はこれらの調整にほとんど考慮することなく設計、生産ができる。
【0173】
さらに、電荷移動制限層136は絶縁層であっても良い。ただしTGを囲む小領域は半導体層からなる絶縁層の開口部でなければならない。
【0174】
電荷移動制限層が絶縁層である場合でも、平面型のTGを使う場合に比べてTG周辺の電荷収集のための開口領域144の面積を縮小できる。
【0175】
この場合は、第2の実施の形態で開示されるように、絶縁層からなる電荷移動制限層の開口部以外の領域には、電子の接近を抑制する固定電荷層を備えることが好適である。
【0176】
この場合は、光電変換層はSiでなく、Geであっても良い。
【第2の実施の形態】
【第2の実施の形態の構造】
【0177】
図9は本発明の第2の実施の形態を示す。図9(a)は断面図158図9(b)は平面図159を示す。ただし中心線からの片側半面を示す。
【0178】
また図10は、図9中に楕円160で囲んだ領域の説明図である。
【0179】
第1の実施の形態と第2の実施の形態の主要な相違点は以下の通りである。
【0180】
光電変換層161がGe半導体である。
【0181】
光電変換層161とSiからなる回路拡散層163の境界の電荷移動制限層164は、図10に示すように、2酸化シリコン層165と酸化アルミニウム層167を積層して成る。酸化アルミニウム層の固定電荷が信号電子の反発層162を形成する。
【0182】
前記の電荷移動制限層164は直径5nmのm(m≫3)個の開口166を備える。
【0183】
その他の特徴は以下の通りである。
【0184】
光電変換層161は画素の中央部を占める。従って光電変換層の側方の周辺領域168の表面は遮光層169で覆われている。
【0185】
光電変換層161の側面170と表層171は積層した絶縁層である。前記の絶縁層は酸化アルミニウム173と2酸化ゲルマニウム174からなる。
【0186】
本実施の形態では側面170の側方の外部の周辺領域168もGeである。周辺領域168と下層のSi回路拡散層163の間の絶縁層175は2酸化シリコン172と2酸化ゲルマニウム174との層からなる。しかし開口はない。
【0187】
第1の実施の形態では縦型TG142は回路拡散層を貫通している。しかし、第2の実施の形態ではTG176は回路拡散層163中に延在している。しかし、電荷移動制限層164には届いていない。
【0188】
他の構造は、図8に示す第1の実施の形態と同じである。従って、図8図9の共通の回路要素については図8で用いた参照番号と同じ番号を付す。
【0189】
図8にはゲート間の隔離のためのpプラス領域155が記載されている。
【0190】
第2の実施の形態でも前記のゲート間の隔離のためのpプラス領域を備える。ただし、図9ではその記載を省略している。
【0191】
光電変換層161の厚さ177は1μmである。回路拡散層163の厚さ178は0.5μmである。配線層179の厚さは0.5μmである。
【0192】
画素サイズ180は3μmである。受光面サイズ181は1.8μmである。
【0193】
電荷移動制限層164の2酸化シリコン165と酸化アルミニウム167の厚さは2nmである。
【0194】
光電変換層の側方の縦型の1層の酸化アルミニウム層173と2層の酸化ゲルマニウム層174の厚さは10nmである。また、Ge層の表層の酸化アルミニウム層173と酸化ゲルマニウム層174の厚さも10nmである。
【0195】
最表層182は厚さ20nmの2酸化シリコンからなるスクラッチ保護層である。
【第2の実施の形態の動作】
【0196】
光電変換層161はnマイナス型のGe層である。回路拡散層163はnマイナス型のSi層である。ただし、回路拡散層には図8に示しているpプラス層のゲート間隔離層155が配置されている。ただし、図9では記載を省略している。
【0197】
表面側のコンタクト154に0Vを加える。リセットドレーンRD148に4Vを加える。
【0198】
転送ゲートTG176の電圧はVL=1V、VH=3Vである。
【0199】
撮影中のセンタードレーンCD149の電圧はVL=3Vである。撮影前と撮影後はVH=5Vである。CDの表面にpプラス層150を備えているので、CD上方の回路拡散層に対する電位(実効電圧)はVLに対して約2V、VHに対して約4Vになる。
【0200】
CDのVLに対する実効電圧2Vは、TGのVH=3VとVL=1Vの中間電圧である。
【0201】
CDのVHに対する実効電圧4VはリセットドレーンRDの電圧である。
【0202】
従って、光電変換層161の表面の電圧0Vと回路拡散層163の平均電圧2Vの間には垂直方向に平均2V(=4―2)の電圧差が加わっている。
【0203】
ただし、図10に示すように、電荷移動制限層には酸化アルミニウムによる固定電荷領域167が広がっている。また開口部の直径は5nmであるが実効的な開口直径は約3nm以下である。これらが縦方向の非常に強い電界抑制要因となる。
【0204】
従って、光電変換層に働く縦方向の電位差は2Vの数分の1である。
【0205】
実効電位差の正確な調整は難しい。2Vの1/3から1/5程度とすると光電変換層の縦方向実効電位差は0.67Vから0.2Vとなる。
【0206】
光電変換層の厚さは1μmであるので縦方向実効電界は0.67V/μmから0.2V/μmとなる。この値は図2に示すGeの飽和電界0.4V/μmと同オーダーである。
【0207】
次に回路拡散層の水平電界について説明する。TGはVH=3V、VL=1Vであるから、水平電位差は2Vである。光電変換層の直径は1.8μmであるから、直径に対する平均水平電界は1.11V/μm(=2/1.8)である。ただし、VHを加えるTGに隣接するTGとの距離は近いので、その間の平均電界は飽和電界2.5V/μmに近い値となる。全体的に飽和電界以下になるので、これが安全側の設計である。
【0208】
次にCDの役割について説明する。CDには2つの役割がある。その一つは回路拡散層163の水平電界をできるだけ一定化することである。経路の両端の電位が固定されているとき、理論的に、電界一定(直線電位)が信号電子の移動時間を最小化する。すなわち、図2に示すように、ドリフト速度は電界に対して指数関数的に増大する(半対数図上で直線)。従って、電子の転送区間のうちの一部の区間の電界が小さいとき、これが全体的な転送時間の増大の原因となる。まず、水平電位の直線化の技術について説明する。
【0209】
まず、中央のpプラス領域150およびCD149がいずれも無い場合について説明する。この場合、水平電位は直線的にはならない。
【0210】
実際の形状は、VL=1VのTGの位置を頂点として、VL=1VのTGからVH=3VのTGに向かって増大する放物線状の電位曲線になる。
【0211】
すなわち、VL=1Vを加えた7個のTGから画素中央付近に向かう電界が小さく、画素中央付近からVH=3Vを加えた1個のTGに向けての電界だけが大きくなる。
中央にpプラス領域を備えることで実効的な電位が約2Vになり、水平方向の電界を直線に近付けることができる。
【0212】
CDのもう一つの役割は、撮影の前と後に生成する暗電流のセンサチップ外への排出である。そのため、撮影待機中と撮影直後にはCDに5Vを加える。この電圧は実効的にリセットドレーンRDの電位4Vに相当する。
【0213】
暗電流はCDの周辺にある程度蓄積する。これにより、CD周辺の電位が低下する。
このとき、CD周辺とCDの電圧差が大きくなり、暗電流はCDを経由してセンサ外に排出される。
【0214】
周辺領域168の電位は0Vである。隣接する光電変換層161の底部は撮影中は約0.5Vである。回路拡散層の上層の電位はもっと高い。このため、周辺領域168の内部で循環電流が生じる。
【0215】
循環電流の生成を最小限に抑制するために、周辺領域168はできるだけ高抵抗にする。一方、絶縁体であると帯電が起きる。従って、本実施の形態の周辺領域168は真性ゲルマニウムである。
【0216】
第2の実施の形態のその他の動作については第1の実施の形態と同じであるから説明を省略する。
【その他の実施の形態】
【0217】
図10で周辺領域168には光電変換層161より低い電圧を与えても良い。光電変換層の側面の絶縁層170に対する電子の接近を抑制できる。
【0218】
また光電変換層と周辺領域は連結していても良い。ただし、光電変換層の側面の絶縁層170は画素境界に移す。絶縁層に代えて、ポリシリコン等から成る導電性の層とし、負電圧を与えても良い。この場合も遮光層はある方が好適である。
【0219】
光電変換層はInGaAsで、回路拡散層はInPでも良い。
【0220】
固定電荷層は酸化ハフニウムでも良い。またボロンイオンの注入で固定電荷層に代えても良い。
【0221】
図10では電荷移動禁止層は2酸化シリコンと酸化アルミニウムを積層してなるが、酸化アルミニウムまたは酸化ハフニウムの単層でも良い。
【撮影装置】
【0222】
本特許技術における、受光面の画素配置、撮影装置の構成、及び操作の方法は、ブランチング型のマルチフレーミングイメージセンサの基本特許である特許文献1及び特許文献2で詳述している。
【0223】
以下では図11に示す本発明の第1の実施の形態の撮影装置の構成について簡単に説明する。撮影装置183は光学系184とカメラ本体185で構成されている。
【0224】
カメラ本体は本発明の第1の実施の形態のイメージセンサ186、AFE(アナログフロントエンド回路)187、駆動回路188、画素構成回路189、DSP(デジタル信号処理回路)190、画像表示回路191を備える。
【0225】
イメージセンサは1200×700の画素からなる画素アレイ192、駆動信号受信回路193および撮影信号送付回路194を備える。
【0226】
AFEはTG(タイミングジェネレータ)と初段画像信号記録手段を備える(図には記載していない)。TGで生成した信号に従って駆動回路でイメージセンサの駆動信号が作られる。また撮影した画像信号のイメージセンサからの読出しを行う。
【0227】
画素構成回路で画像信号が並べ替え、DSPでデジタル画像信号に変換した後、画像表示回路で表示速度等を合わせた画像信号として外部のモニターや記録装置(表示されていない)に出力する。
【適用分野】
【0228】
高速ビデオカメラは物体の運動、高速流れ、衝撃波、衝突に伴う変形等の機械工学系の研究や技術開発に使われることが多い。本発明の高速マルチフレーミングカメラは、これまでの高速ビデオカメラより数桁速いので、これまで高速撮影の適用分野としては想像できなかった幅広い適用分野を創造する。
【0229】
1例を上げる。既存技術で本発明のイメージセンサを作ると100psの時間分解能を達成できる。原理的にはごく近い将来10psを達成できる。また100psの時間分解能の撮影であっても、100回以上繰り返すと誤差は1/10以下になり、時間分解能10ps相当の現象解析ができる。
【0230】
10psで光(X線、ガンマ線等を含む)は人体中を約2.3mm進む。TOF PET(Time-of-Flight Positron Emission Tomography)に適用すると、これまでのような、患部から発する多数のガンマ線の交点から位置を特定する方法に加えて、センサから患部までの距離を知ることができるので、ガン検出の確率と精度を各段に向上させることができる。
【符号の説明】
【0231】
100 シリコンに対する電界Eとドリフト速度Vの関係
101 シリコン上の薄層酸化膜の微細な開口から成長したゲルマニウム結晶の無欠陥領域
102 PDの直径
103 断面図の位置を示す一点鎖線
104 フォトダイオード(PD)
105、106、107 縦型転送ゲート(TG)
108、109、113 読出し回路(OC)
110 フローティングディフュージョン(FD)
111 リセットゲート(RS)
112 リセットドレーン(RD)
113 センサチップ
114 駆動回路
115 画像信号処理回路(メモリを含む)
116 ドレーン用の読出し回路OC
117 センサチップ
118 センサチップのSi回路拡散層
119 Ge PD
120 n型の光電変換層
121 p型の回路拡散層
122 p-wellから成る電荷移動制限層
123 縦型のTG
124 pマイナスから成る電荷移動制限層の開口
125 入射光
126 信号電子
127 酸化膜
128 第1の実施の形態の平面図
129 平面図128上の点線131に沿う断面図
130 平面図128上の点線132に沿う断面図
131、132 平面図128上の断面図の位置を示す点線
133 受光面
134 酸化シリコンからなる保護層
135 n型のSiから成る光電変換層
136 p型のSiから成る電荷移動制限層
137 p型の回路拡散層
138 配線層
139 nマイナス層
140 nプラス層
141 表層のボロンイオンをドープしたp層
142 縦型TG
143 TGのまわりの絶縁層
144 TGが到達する部分のpマイナス領域
145 アウトプットゲート(OG)
146 フローティングディフュージョン(FD)
147 リセットゲート(RS)
148 リセットドレーン(RD)
149 センタードレーン(CD)
150 CDの上部のpプラス層
151 銅配線
152 駆動回路用接合チップ
153 画像信号処理回路用接合チップ
154 表面側のアルミニウム配線コンタクト
155 隔離のためのpプラス領域
156 各TGの外側の信号電子パケットの保存ゲート(SG)
157 平面図のコーナー部を示す点線の円
158 本発明の第2の実施の形態の断面図
159 本発明の第2の実施の形態の中心線からの片側半面の平面図
160 本発明の第2の実施の形態の電荷移動制限層の説明の対象領域
161 Ge半導体からなる光電変換層
162 信号電子の反発層
163 Siからなる回路拡散層
164 電荷移動制限層
165 電荷移動制限層を構成する2酸化シリコン層
166 電荷移動制限層の開口
167 電荷移動制限層を構成する酸化アルミニウム層
168 光電変換層の側方の周辺領域
169 光電変換層の表面の遮光層
170 光電変換層の側面
171 光電変換層の表層
172 2酸化シリコン層
173 酸化アルミニウム層
174 2酸化ゲルマニウム層
175 光電変換層の外部の周辺領域の絶縁層
176 縦型TG
177 光電変換層161の厚さ
178 回路拡散層163の厚さ
179 配線層
180 画素サイズ
181 受光面サイズ
182 表層の2酸化シリコンからなるスクラッチ保護層
183 撮影装置
184 光学系
185 カメラ本体
186 第1の実施の形態のイメージセンサ
187 AFE(アナログフロントエンド回路
188 駆動回路
189 画素構成回路
190 DSP(デジタル信号処理回路)
191 画像表示回路
192 画素アレイ
193 駆動信号受信回路
194 撮影信号送付回路
図1
図2
図3
図4
図5
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図7
図8
図9
図10
図11