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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025010458
(43)【公開日】2025-01-21
(54)【発明の名称】クーラーボックス
(51)【国際特許分類】
   B65D 43/02 20060101AFI20250110BHJP
   A01K 97/20 20060101ALI20250110BHJP
   B65D 81/38 20060101ALI20250110BHJP
【FI】
B65D43/02 100
A01K97/20 501
B65D81/38 P
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023179532
(22)【出願日】2023-10-18
(31)【優先権主張番号】P 2023112015
(32)【優先日】2023-07-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000002439
【氏名又は名称】株式会社シマノ
(74)【代理人】
【識別番号】110000202
【氏名又は名称】弁理士法人新樹グローバル・アイピー
(72)【発明者】
【氏名】田中 綾一
【テーマコード(参考)】
2B109
3E067
3E084
【Fターム(参考)】
2B109DA21
2B109DA24
2B109DA33
3E067BA01A
3E067BB14A
3E067BC06A
3E067CA18
3E067EA18
3E067EB17
3E067EC12
3E067FC01
3E067GA11
3E084AA05
3E084AA14
3E084AA24
3E084AB10
3E084BA01
3E084CA03
3E084CC03
3E084DA03
3E084DB14
3E084DC03
3E084FA07
3E084GA06
3E084GB06
3E084GB26
(57)【要約】
【課題】箱体に対して蓋体を簡単な構造で開閉できるクーラーボックスの提供。
【解決手段】
クーラーボックス1は、箱体2と、蓋体4と、軸部61と、操作体62と、溝部63とを備える。箱体2は、第1開口部23を有する。蓋体4は、第1開口部23を開閉する。軸部61は、ロック部61bを有し、蓋体4に回転可能に支持される。操作体62は、軸部61に固定され、軸部61を中心に軸部61と一体的に回動する。溝部63は、軸部61と交差する交差方向に開口する第2開口部63cを有し、箱体2に固定される。ロック部61bは、溝部63に配置される。ロック部61bは、交差方向への移動が第2開口部63cに規制されるロック姿勢と、第2開口部63cを通じて溝部63から離脱可能なアンロック姿勢とを、操作体62の操作に応じて取り得る。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1開口部を有する箱体と、
前記第1開口部を開閉する蓋体と、
ロック部を有し、前記蓋体に回転可能に支持される軸部と、
前記軸部に固定され、前記軸部を中心に前記軸部と一体的に回動する操作体と、
前記軸部と交差する交差方向に開口する第2開口部を有し、前記箱体に固定される溝部と、
を備え、
前記ロック部は、前記溝部に配置され、前記交差方向への移動が前記第2開口部に規制されるロック姿勢と、前記第2開口部を通じて前記溝部から離脱可能なアンロック姿勢とを、前記操作体の操作に応じて取り得る、
クーラーボックス。
【請求項2】
前記ロック部は、前記溝部と係合する半円状の円弧面を有する、
請求項1に記載のクーラーボックス。
【請求項3】
前記ロック部は、Dカット面をさらに有する、
請求項2に記載のクーラーボックス。
【請求項4】
前記操作体は、前記蓋体の上面に配置されている、
請求項1から3のいずれか1項に記載のクーラーボックス。
【請求項5】
前記第2開口部は、前記第1開口部と同じ方向に開口している、
請求項1から3のいずれか1項に記載のクーラーボックス。
【請求項6】
前記軸部を中心として前記蓋体を回動させる開閉機構をさらに備え、
前記蓋体は、前記開閉機構によって前記軸部を中心に前記蓋体が開かれた状態において、前記溝部の外周面に保持される保持部を有する、
請求項1から3のいずれか1項に記載のクーラーボックス。
【請求項7】
前記箱体及び前記蓋体の一方は、前記開閉機構によって前記軸部を中心に前記蓋体が開かれた状態において、前記蓋体の回動を規制するストッパ部を有する、
請求項6に記載のクーラーボックス。
【請求項8】
前記ストッパ部は、前記溝部の外周面に配置され、前記ロック部から離れる方向に張り出している、
請求項7に記載のクーラーボックス。
【請求項9】
前記軸部を中心として前記蓋体を回動させる開閉機構と、
前記開閉機構によって前記軸部を中心に前記蓋体が回動するときに、前記ロック部が前記溝部から離脱することを規制する規制部とをさらに備え、
前記規制部は、前記蓋体の回動に応じて、前記溝部の外周面に係合可能な係合位置と、前記溝部の外周面に係合しない非係合位置とに移動可能である、
請求項1から3のいずれか1項に記載のクーラーボックス。
【請求項10】
前記操作体を保持可能な保持機構をさらに備え、
前記保持機構は、
前記蓋体と前記軸部のいずれか一方に配置され、前記蓋体と前記軸部のいずれか他方に向かって開口する収容部と、
前記蓋体と前記軸部のいずれか他方の外周面に配置される第1係合部と、
前記蓋体と前記軸部のいずれか他方に向けて進退可能に前記収容部に配置され、前記操作体が前記ロック姿勢に応じたロック位置又は前記アンロック姿勢に応じたアンロック位置のいずれかの位置にあるときに、前記第1係合部に係合する押圧部材と、
前記収容部に配置され、前記押圧部材を前記軸部に向けて付勢する付勢部材と、
を有する、
請求項1から3のいずれか1項に記載のクーラーボックス。
【請求項11】
前記保持機構は、前記第1係合部と前記軸部の周方向に離れた位置で前記蓋体と前記軸部のいずれか他方の外周面に配置される第2係合部をさらに有し、
前記押圧部材は、前記操作体が前記ロック位置にあるときに前記第1係合部に係合し、前記操作体が前記アンロック位置にあるときに前記第2係合部に係合する、
請求項10に記載のクーラーボックス。
【請求項12】
前記収容部は前記蓋体に設けられ、前記第1係合部は前記軸部に設けられる、
請求項10に記載のクーラーボックス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、クーラーボックスに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、開口部を有する箱体と、箱体の開口部を開閉する蓋体と、蓋体を箱体に対して開閉する開閉機構とを備えるクーラーボックスが知られている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2019-80532号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来のクーラーボックスでは、開閉機構の構成が複雑になっており、部品点数も多い。
【0005】
本発明の課題は、箱体に対して蓋体を簡単な構造で開閉できるクーラーボックスを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1側面のクーラーボックスは、箱体と、蓋体と、軸部と、操作体と、溝部とを備える。箱体は、第1開口部を有する。蓋体は、第1開口部を開閉する。軸部は、ロック部を有し、蓋体に回転可能に支持される。操作体は、軸部に固定され、軸部を中心に軸部と一体的に回動する。溝部は、軸部と交差する交差方向に開口する第2開口部を有し、箱体に固定される。ロック部は、溝部に配置される。ロック部は、交差方向への移動が第2開口部に規制されるロック姿勢と、第2開口部を通じて溝部から離脱可能なアンロック姿勢とを、操作体の操作に応じて取り得る。
【0007】
このクーラーボックスでは、操作体は、軸部に固定され、軸部を中心に軸部と一体的に回動する。そして、軸部のロック部は、操作体の回動に応じてロック姿勢と、アンロック姿勢とを取り得る。このため、例えば、操作体と、軸部と、ロック部とを単一部品で構成して蓋体を開閉することが可能になる。また、ロック部の移動が第2開口部によって規制されるので、蓋体をロックした状態を簡単な構成で実現できる。その結果、箱体に対して蓋体を簡単な構造で開閉できるクーラーボックスを提供することができる。
【0008】
本発明の第1側面に従う第2側面のクーラーボックスのロック部は、溝部と係合する半円状の円弧面を有する。この場合は、ロック部を簡単な構成で形成できる。
【0009】
本発明の第2側面に従う第3側面のクーラーボックスのロック部は、Dカット面をさらに有する。この場合は、アンロック姿勢において、ロック部を溝部から容易に離脱させることができる。
【0010】
本発明の第1から第3側面のいずれか1つに従う第4側面のクーラーボックスの操作体は、蓋体の上面に配置されている。この場合は、蓋体の上面から蓋体を開閉することが可能になる。
【0011】
本発明の第1から第4側面のいずれか1つに従う第5側面のクーラーボックスの第2開口部は、第1開口部と同じ方向に開口している。この場合は、ロック部を溝部から容易に離脱させることができる。
【0012】
本発明の第1から第5側面のいずれか1つに従う第6側面のクーラーボックは、軸部を中心として蓋体を回動させる開閉機構をさらに備え、蓋体は、開閉機構によって軸部を中心に蓋体が開かれた状態において、溝部の外周面に保持される保持部を有する。この場合は、箱体に対して蓋体の両開きが可能なクーラーボックスを簡単な構成で実現できる。
【0013】
本発明の第6側面に従う第7側面のクーラーボックの箱体及び蓋体の一方は、開閉機構によって軸部を中心に蓋体が開かれた状態において、蓋体の回動を規制するストッパ部を有する。この場合は、蓋体の開放角度をストッパ部によって規制できる。
【0014】
本発明の第7側面に従う第8側面のクーラーボックのストッパ部は、溝部の外周面に配置され、ロック部から離れる方向に張り出している。この場合は、ストッパ部を簡単な構成で実現できる。
【0015】
本発明の第1から第8側面のいずれか1つに従う第9側面のクーラーボックは、軸部を中心として蓋体を回動させる開閉機構と、開閉機構によって軸部を中心に蓋体が回動するときに、ロック部が溝部から離脱することを規制する規制部とをさらに備え、規制部は、蓋体の回動に応じて、溝部の外周面に係合可能な係合位置と、溝部の外周面に係合しない非係合位置とに移動可能である。この場合は、開閉機構によって軸部を中心に蓋体が回動するときに蓋体が箱体から外れることを規制部によって防止できる。
【0016】
本発明の第1から第9側面のいずれか1つに従う第10側面のクーラーボックスは、操作体を保持可能な保持機構をさらに備え、保持機構は、収容部と、第1係合部と、押圧部材と、付勢部材とを有する。収容部は、蓋体と軸部のいずれか一方に配置され、蓋体と軸部のいずれか他方に向かって開口する。第1係合部は、蓋体と軸部のいずれか他方の外周面に配置される。押圧部材は、蓋体と軸部のいずれか他方に向けて進退可能に収容部に配置され、操作体がロック姿勢に応じたロック位置又はアンロック姿勢に応じたアンロック位置のいずれかの位置にあるときに、第1係合部に係合する。付勢部材は、収容部に配置され、押圧部材を前記軸部に向けて付勢する。この場合は、保持機構によって、操作体をロック位置又はアンロック位置に保持できるとともに、ロックフィーリングを調整することができる。
【0017】
本発明の第10側面に従う第11側面のクーラーボックスは、保持機構は、第1係合部と前記軸部の周方向に離れた位置で蓋体と軸部のいずれか他方の外周面に配置される第2係合部をさらに有し、押圧部材は、操作体がロック位置にあるときに第1係合部に係合し、操作体がアンロック位置にあるときに第2係合部に係合する。この場合は、保持機構によって、操作体をロック位置とアンロック位置とに保持できるとともに、ロックフィーリングを調整することができる。
【0018】
本発明の第10側面または第11側面に従う第12側面のクーラーボックスは、収容部は蓋体に設けられ、第1係合部は前記軸部に設けられる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、箱体に対して蓋体を簡単な構造で開閉できるクーラーボックスを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】クーラーボックスの部分斜視図。
図2図1のII-II線断面図。
図3図1のIII-III線底面図。
図4】ロック部がロック姿勢のときのクーラーボックスの部分断面斜視図。
図5】ロック部がアンロック姿勢のときのクーラーボックスの部分断面斜視図。
図6】ロック部が溝部から離脱した状態を説明するための図。
図7】ストッパ部を説明するための図。
図8】規制部を説明するための図。
図9】規制部を説明するための図。
図10】保持機構を説明するための図。
図11】保持機構を説明するための図。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明の一実施形態に係るクーラーボックス1は、図1から図3に示すように、箱体2と、蓋体4と、1対の開閉機構6と、規制部8とを備える。
【0022】
箱体2は、矩形状の箱型に形成されており、物品を収納可能な収納空間を内部に有する。箱体2は、樹脂製であり、断熱材が内包されている。
【0023】
箱体2は、図示しない底部と、1対の長手壁21と、1対の短手壁22と、第1開口部23とを有する。底部は、略長方形の外形を有する。1対の長手壁21は、底部の長辺から上方に延びている。以下の説明では、1対の長手壁21の一方を第1長手壁21aと称し、1対の長手壁21の他方を第2長手壁21bと称する。1対の短手壁22は、底部の短辺から上方に延びている。第1開口部23は、略長方形の外形を有しており、上方に向かって開口している。
【0024】
蓋体4は、平板状の部材であり、略長方形の外形を有する。蓋体4は、樹脂製であり、断熱材が内包されている。蓋体4は、第1開口部23を開閉する。蓋体4は、箱体2に回動可能かつ着脱可能に支持されている。蓋体4は、箱体2に対して両開きが可能である。蓋体4は、箱体2に対して長手方向に平行な軸を中心に回動可能である。
【0025】
蓋体4によって第1開口部23が閉じられた状態において、蓋体4の上面は、1対の短手壁22と面一になるように構成されている。蓋体4によって第1開口部23が閉じられた状態において、長手方向に延びる蓋体4の側面は、1対の長手壁21と面一になるように構成されている。
【0026】
蓋体4は、1対の長手辺41と、1対の短手辺42と、支持部43を有する。1対の長手辺41は、箱体2の長手方向に延びている。以下の説明では、1対の長手辺41の一方を第1長手辺41aと称し、1対の長手辺41の他方を第2長手辺41bと称する。1対の短手辺42は、箱体2の短手方向に延びている。支持部43は、1対の長手辺41の長手方向の両端に配置されている。支持部43は、長手方向に開口する円形の孔である。
【0027】
蓋体4は、外蓋44と、内蓋45とを有する。外蓋44は、内蓋45の上部に配置されている。外蓋44は、内蓋45の上方を覆うように配置されている。外蓋44は、後述する操作体62が配置される凹部44aを有する。内蓋45は、外蓋44の下方で外蓋44に固定されている。内蓋45は、支持部43を有する。なお、外蓋44と内蓋45の間には、図示しない断熱材が配置されている。
【0028】
1対の開閉機構6は、箱体2に対して蓋体4を開閉動作させる。以下の説明では、1対の開閉機構6の一方を第1開閉機構6Aと称し、1対の開閉機構6の他方を第2開閉機構6Bと称する。
【0029】
第1開閉機構6Aは、箱体2の第1長手壁21aと、蓋体4の第1長手辺41aとに亘って配置されている。第1開閉機構6Aは、軸部61と、操作体62と、溝部63とを有する。
【0030】
軸部61は、操作体62の長手方向の両端から長手方向に延びている。本実施形態では、軸部61は、操作体62と一体である。軸部61は、支持部43に回動可能に支持さえている。軸部61及び操作体62は、樹脂製である。軸部61は、蓋体4に対して相対回転可能である。
【0031】
軸部61は、軸本体61aと、ロック部61bとを有する。軸本体61aは、中空の円柱形状であり、支持部43に支持されている。ロック部61bは、軸本体61aの先端面から長手方向に延びている。ロック部61bは、溝部63に配置されている。ロック部61bは、軸本体61aと一体である。ロック部61bは、例えば、軸部61の先端をDカット形状とすることで形成される。ロック部61bは、溝部63と係合する半円状の円弧面61cと、Dカット面61dとを有する。
【0032】
操作体62は、外蓋44の凹部44aに配置されている。操作体62は、軸部61に固定され、軸部61を中心に軸部61と一体的に回動する。操作体62は、蓋体4の上面に配置されている。操作体62は、長手方向における蓋体4の第1長手辺41aの中央に配置されている。操作体62は、軸部61を回転軸として、蓋体4に対して相対回転可能である。操作体62は、蓋体4に対して、図4に示すロック位置と、図5に示すアンロック位置との間で回動可能である。操作体62は、例えば、ねじりばねなどの付勢部材(図示せず)によって、ロック位置に向けて付勢されている。付勢部材は、例えば、軸部61に連結されている。
【0033】
溝部63は、箱体2に固定されている。溝部63は、箱体2の1対の短手壁22の内面に固定されている。溝部63は、箱体2に固定される板状のプレートから長手方向に突出する突起によって構成されている。溝部63の内周面63a及び外周面63bは、略円弧状に形成されている。溝部63の内周面63aは、ロック部61bの円弧面61cが係合する。
【0034】
溝部63は、軸部61と交差する交差方向に開口する第2開口部63cを有する。軸部61と交差する交差方向は、長手方向と交差する方向である。第2開口部63cは、第1開口部23と同じ方向(ここでは上方)に開口している。
【0035】
第2開閉機構6Bは、箱体2の第2長手壁21bと、蓋体4の第2長手辺41bとに亘って配置されている。第2開閉機構6Bは、第1開閉機構6Aと同様の構成を有する。このため、第2開閉機構6Bの詳細な説明は省略する。なお、図面では、第2開閉機構6Bの各構成において、第1開閉機構6Aの各構成と同じ符号を付している。
【0036】
図4から図6を参照して、1対の開閉機構6の動作について説明する。ロック部61bは、図4に示すロック姿勢と、図5に示すアンロック姿勢とを操作体62の回動操作に応じて取り得る。操作体62がロック位置にあるとき、ロック部61bは、ロック姿勢を取り得る。操作体62がアンロック位置にあるとき、操作体62は、アンロック位置を取り得る。
【0037】
ロック姿勢では、ロック部61bは、交差方向(ここでは上方)への移動が溝部63の第2開口部63cによって規制される。ロック姿勢では、ロック部61bの円弧面61cの略中心が第2開口部63cに位置している。ロック姿勢では、短手方向におけるロック部61bの寸法が、第2開口部63cの寸法よりも大きい。このため、ロック姿勢では、ロック部61bは、第2開口部63cから抜け出せない。ロック部61bがロック姿勢にあるときは、箱体2の第1長手壁21aと蓋体4の第1長手辺41aとが連結される。
【0038】
アンロック姿勢では、ロック部61bは、第2開口部63cを通じて溝部63から離脱可能である。図5に示すように、アンロック姿勢では、短手方向におけるロック部61bの寸法が、第2開口部63cの寸法よりも小さい。このため、アンロック姿勢では、ロック部61bは、第2開口部63cを通じて上方への移動が可能である。
【0039】
図6に示すように、第2開閉機構6Bのロック部61bがロック姿勢にあるときに、第1開閉機構6Aのロック部61bをアンロック姿勢にして蓋体4の第1長手辺41aを上方に持ち上げた場合、蓋体4は、第2開閉機構6Bの軸部61を中心に回動する。このとき、第2開閉機構6Bの軸部61に連結される付勢部材の付勢力が第2開閉機構6Bの軸部61に作用することで、第2開閉機構6Bの軸部61は、蓋体4と一体的に回動する。このため、第2開閉機構6Bの操作体62は、ロック位置に保持された状態で、第2開閉機構6Bの軸部61及び蓋体4と一体的に回動する。
【0040】
一方、第1開閉機構6Aのロック部61bがロック姿勢にあるときに、第2開閉機構6Bのロック部61bをアンロック姿勢にして蓋体4の第2長手辺41bを上方に持ち上げた場合、蓋体4は、第1開閉機構6Aの軸部61を中心に回動する。このとき、第1開閉機構6Aの軸部61に連結される付勢部材の付勢力が第1開閉機構6Aの軸部61に作用することで、第1開閉機構6Aの軸部61は、蓋体4と一体的に回動する。このため、第1開閉機構6Aの操作体62は、ロック位置に保持された状態で、第1開閉機構6Aの軸部61及び蓋体4と一体的に回動する。なお、第1開閉機構6Aのロック部61bと第2開閉機構6Bのロック部61bとをアンロック姿勢にした場合は、蓋体4を箱体2から取り外すことが可能である。
【0041】
図4及び図7に示すように、蓋体4は、保持部46を有する。保持部46は、蓋体4の下面に配置されている。保持部46は、内蓋45に形成されている。保持部46は、断面が略U字形状である。保持部46は、蓋体4が閉じられた状態において、下方に開口している。保持部46は、蓋体4が閉じられた状態において、溝部63の外周面63bに接触している。
【0042】
保持部46は、円弧面46aと、平坦面46bとを有する。円弧面46aは、溝部63の外周面63bと係合する。平坦面46bは、後述するストッパ部24の平坦面24aと係合可能である。
【0043】
図7に示すように、保持部46は、第2開閉機構6Bの軸部61を中心に蓋体4が開かれた状態において、溝部63の外周面63bに保持される。保持部46は、第2開閉機構6Bの軸部61を中心に蓋体4が回動するときに、第2開閉機構6Bの溝部63の外周面63bと係合する。これにより、第2開閉機構6Bの軸部61を中心に蓋体4が回動するときに、蓋体4の第2長手辺41bが箱体2の第2長手壁21bから離脱することを防止できる。
【0044】
図7に示すように、箱体2に対する蓋体4の開放角度θは、例えば、110°に設定されている。ここで、箱体2は、ストッパ部24を有する。ストッパ部24は、第2開閉機構6Bの軸部61を中心に蓋体4が開かれた状態において、蓋体4の回動を規制する。ストッパ部24は、蓋体4の開放角度が設定された開放角度θを超えることを規制する。蓋体4は、ストッパ部24によって開放角度θで保持可能である。
【0045】
ストッパ部24は、溝部63の外周面63bの一部に形成されている。ストッパ部24は、断面が略U字形状である。ストッパ部24は、溝部63の外周面63bにおいて、ロック部61bから離れる方向に張り出している。
【0046】
ストッパ部24は、平坦面24aと、角部24bとを有する。平坦面24aは、保持部46の平坦面46bと係合可能である。平坦面24aは、長手方向から見て、短手方向と交差する方向に延びている。蓋体4を開放角度θまで回動させたときに、ストッパ部24は、保持部46の平坦面46bと係合する。これにより、蓋体4の回動が規制される。
【0047】
角部24bは、短手方向において平坦面24aの内側に位置する。角部24bは、平坦面24aの下端よりも上方に位置する。角部24bは、蓋体4に対して蓋体4が開放される方向に過度の力が作用した場合、保持部46に干渉する。なお、角部24bと保持部46との干渉量は、保持部46が角部24bを乗り越えることが可能な量に設定されている。
【0048】
図8及び図9に示すように、規制部8は、第1開閉機構6Aの軸部61を中心として蓋体4が回動するときに、ロック部61bが溝部63から離脱することを規制する。
【0049】
規制部8は、蓋体4と一体的に回動する。規制部8は、溝部63の外周側に配置されている。規制部8は、円柱形状の突起であり、蓋体4から長手方向に突出している。規制部8は、蓋体4に一体形成されてもよい。
【0050】
規制部8は、蓋体4の回動に応じて、図8に示す非係合位置と、図9に示す係合位置とに移動可能である。非係合位置では、規制部8は、溝部63の外周面63bに係合しない。
【0051】
係合位置では、規制部8は、溝部63の外周面63bに係合可能であり、ロック部61bが第2開口部63cの開口方向(ここでは上方)へ移動することを規制する。本実施形態では、係合位置では、規制部8は、ストッパ部24の平坦面24aに係合可能である。第1開閉機構6Aの軸部61を中心として蓋体4が回動するときに、規制部8は、ロック部61bが第2開口部63cを通じて溝部63から離脱することを防止する。これにより、第2開閉機構6Bの軸部61を中心に蓋体4が回動するときに、蓋体4の第2長手辺41bが箱体2の第2長手壁21bから離脱することを防止できる。なお、図4から図7では、規制部8の図示が省略されている。
【0052】
図8に示すように、溝部63は、凹部63dを有する。凹部63dは、軸部61と交差する方向に開口している。凹部63dは、第2開口部63cと同じ方向に開口している。凹部63dは、蓋体4の開閉時において、規制部8の上下方向の移動を許容するための開口である。凹部63dは、蓋体4によって第1開口部23が閉じられた状態において、規制部8の上方に位置する。短手方向における凹部63dの寸法は、規制部8の外径よりも大きい。例えば、第1開閉機構6Aのロック部61bを溝部63から離脱させて軸部61を上方に移動させるときに、規制部8は、溝部63と干渉しない。すなわち、ロック部61bが蓋体4の開閉方向に移動するときに、規制部8は、凹部63d及び第2開口部63cを通り抜けることが可能である。このため、規制部8は、蓋体4の開閉を阻害しない。
【0053】
上記構成のクーラーボックス1では、操作体62は、軸部61に固定され、軸部61を中心に軸部61と一体的に回動する。そして、軸部61のロック部61bは、操作体62の回動に応じてロック姿勢と、アンロック姿勢とを取り得る。このため、例えば、操作体62と、軸部61と、ロック部61bとを単一部品で構成して蓋体4を開閉することが可能になる。また、ロック部61bの移動が第2開口部63cによって規制されるので、蓋体4をロックした状態を簡単な構成で実現できる。その結果、箱体2に対して蓋体4を簡単な構造で開閉することができる。
【0054】
<他の実施形態>
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0055】
前記実施形形態では、蓋体4の1対の長手辺41の両方が箱体2から分離可能であったが、蓋体4の1対の長手辺41の一方が箱体2から分離不能な構成であってもよい。第1開閉機構6A及び第2開閉機構6Bの一方は、例えばヒンジで構成されてもよい。
【0056】
1対の開閉機構6は、箱体2の1対の短手壁22と蓋体4の1対の短手辺42とに亘って配置されてもよい。
【0057】
ロック部61bの形状及び溝部63の形状は、変更されてもよい。ロック部61bの形状は、操作体62の回動操作に応じてロック姿勢とアンロック姿勢とを取り得る形状であればよい。溝部63は、箱体2に一体形成されてもよい。
【0058】
操作体62と軸部61とは別体であってもよい。軸部61は、金属製であってもよい。ロック部61bは、軸部61と別体であってもよい。
【0059】
蓋体4の支持部43は、外蓋44と内蓋45とに亘って形成されてもよい。軸部61は、外蓋44と内蓋45とに挟まれることによって蓋体4に回動可能に支持されてもよい。
【0060】
図10及び図11に示すように、クーラーボックス1は、保持機構70を備えてもよい。保持機構70は、軸部61の軸本体61aの両端に配置されている(図3参照)。保持機構70は、収容部71と、第1係合部72と、第2係合部73と、押圧部材74と、付勢部材75とを有する。なお、図3では、押圧部材74及び付勢部材75の図示が省略されている。
【0061】
収容部71は、蓋体4と軸部61のいずれか一方に配置され、蓋体4と軸部61のいずれか他方に向かって開口する。図10及び図11に示す例では、収容部71は、蓋体4に配置され、軸部61の軸本体61aに向かって開口する。収容部71は、有底筒状に形成されている。収容部71は、軸部61の径方向に延びている。
【0062】
第1係合部72及び第2係合部73は、蓋体4と軸部61のいずれか他方の外周面に配置される。図10及び図11に示す例では、第1係合部72及び第2係合部73は、軸部61の軸本体61aの外周面に配置される。第1係合部72及び第2係合部73は、軸本体61aの外周面において、軸部61の径方向内側に凹む形状を有する。第2係合部73は、第1係合部72と軸部61の周方向に離れている。これにより、第1係合部72と第2係合部73の間には、凸部76が形成されている。
【0063】
押圧部材74は、蓋体4と軸部61のいずれか他方に向けて進退可能に収容部71に配置される。図10及び図11に示す例では、押圧部材74は、軸部61の軸本体61aに向けて進退可能に収容部71に収容される。押圧部材74は、例えば、球状の部材である。図10に示すように、押圧部材74は、操作体62がロック位置(図4参照)にあるときに、第1係合部72に係合する。図11に示すように、押圧部材74は、操作体62がアンロック位置にあるときに、第2係合部73に係合する。
【0064】
付勢部材75は、収容部71に配置され、押圧部材74を軸部61の軸本体61aに向けて付勢する。付勢部材75は、例えばコイルばねである。例えば、操作体62をロック位置からアンロック位置に移動させる時は、押圧部材74は、凸部76に押圧されて径方向外側に退く。その後、押圧部材74は、凸部76を乗り越えて、第2係合部73に係合する。
【0065】
なお、収容部71を軸部61に配置して、第1係合部72及び第2係合部73を蓋体4に配置してもよい。この場合、付勢部材75は、押圧部材74を蓋体4に向けて付勢する。なお、第1係合部72及び第2係合部73の一方は、省略されてもよい。押圧部材74と付勢部材75は、形状を変えて合成樹脂等で一体に形成されていてもよい。また、それらがさらに内蓋45や軸本体61aと一体に形成されていてもよい。
【符号の説明】
【0066】
1 クーラーボックス
2 箱体
23 第1開口部
24 ストッパ部
4 蓋体
46 保持部
6A,6B 開閉機構
61 軸部
61b ロック部
61c 円弧面
61d Dカット面
62 操作体
63 溝部
63c 第2開口部
8 規制部
70 保持機構
71 収容部
72 第1係合部
73 第2係合部
74 押圧部材
75 付勢部材
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11