(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025010475
(43)【公開日】2025-01-21
(54)【発明の名称】既設管分岐装置、及び既設管分岐方法
(51)【国際特許分類】
F16L 55/00 20060101AFI20250110BHJP
F16L 41/06 20060101ALI20250110BHJP
【FI】
F16L55/00 C
F16L41/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024051939
(22)【出願日】2024-03-27
(31)【優先権主張番号】P 2023112440
(32)【優先日】2023-07-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】396020361
【氏名又は名称】株式会社水道技術開発機構
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】弁理士法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】各務 修爾
(72)【発明者】
【氏名】山本 大介
(72)【発明者】
【氏名】津川 達彦
【テーマコード(参考)】
3H019
【Fターム(参考)】
3H019AA01
3H019AA04
3H019AB04
3H019BA05
3H019BB01
3H019BD03
3H019CB01
3H019DA03
(57)【要約】
【課題】施工作業の効率を向上させる既設管分岐装置、及び既設管分岐方法を提供する。
【解決手段】既設管分岐装置1は、流体Fが流れる既設管P1を分割し、分割された既設管P1から流体Fを分岐させる。既設管分岐装置1は、切断対象箇所を収容し、既設管P1の延在する第1方向の両端の各々に第1開口11hが形成された胴部と、胴部と連通し、第1方向と交差する第2方向に沿って延びる回転軸心RXを中心として回転することにより既設管P1を穿孔する筒状カッターが挿通される第2開口12hが形成された首部12と、胴部を基端とし、第1方向及び第2方向と交差する第3方向に延在する分岐管P2が接合される第3開口13hが形成された分岐管部13と、を有し、第2開口12hの第2開口軸心HX2は、第1開口11hの第1開口軸心HX1及び第3開口13hの第3開口軸心HX3の少なくとも一方に対してオフセットしている。
【選択図】
図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体が流れる既設管の切断対象箇所を穿孔することにより、前記既設管を分割し、分割された前記既設管から前記流体を分岐させる既設管分岐装置であって、
前記切断対象箇所を収容し、前記既設管の延在する第1方向の両端の各々に第1開口が形成された胴部と、
前記胴部と連通し、前記第1方向と交差する第2方向に沿って延びる回転軸心を中心として回転することにより前記既設管を穿孔する筒状カッターが挿通される第2開口が形成された首部と、
前記胴部を基端とし、前記第1方向及び前記第2方向と交差する第3方向に延在する分岐管が接合される第3開口が形成された分岐管部と、を有し、
前記第2開口の第2開口軸心は、前記第1開口の第1開口軸心及び前記第3開口の第3開口軸心の少なくとも一方に対してオフセットしている既設管分岐装置。
【請求項2】
前記切断対象箇所の前記筒状カッターによって穿孔された穿孔中心は、前記第1開口軸心に対して前記第3開口側にオフセットしている請求項1に記載の既設管分岐装置。
【請求項3】
前記胴部は、前記切断対象箇所に挿入されて前記流体の流通を制御する弁体を支持する弁座を有し、前記弁座は、前記第2方向に沿って見たときV字状に屈曲している請求項1又は2に記載の既設管分岐装置。
【請求項4】
前記弁座は、前記V字状に屈曲している屈曲点から前記第3方向に延在する第1座部と、
前記屈曲点から前記屈曲点よりも前記第1方向の下流側と前記分岐管部との間に向けて延在する第2座部と、を有しており、
前記屈曲点から前記屈曲点よりも前記第1方向の上流側と前記分岐管部との間に向けて補助座部が延在している請求項3に記載の既設管分岐装置。
【請求項5】
前記第2座部及び前記補助座部は、前記第3方向に対して対称に設けられており、
前記第1座部と前記第2座部との間の第1角度は、前記第2座部と前記補助座部との間の第2角度よりも大きい請求項4に記載の既設管分岐装置。
【請求項6】
前記胴部は、前記弁体を支持するガイドを有しており、
前記第2方向に沿った前記ガイドの高さは、前記第2方向に沿った前記弁座の高さよりも大きい請求項3に記載の既設管分岐装置。
【請求項7】
前記切断対象箇所の前記筒状カッターによって穿孔された穿孔中心は、前記第3開口軸心に対して前記第1方向にオフセットしている請求項1に記載の既設管分岐装置。
【請求項8】
前記胴部は、前記第3開口に接続され、前記第1方向において互いに対向する一対の対向部を有し、
一対の前記対向部は、前記第1方向に沿う方向の長さが異なる請求項7に記載の既設管分岐装置。
【請求項9】
流体が流れる既設管の切断対象箇所を穿孔することにより、前記既設管を分割し、分割された前記既設管から前記流体を分岐させる既設管分岐方法であって、
前記既設管から分岐した前記流体が流れる分岐管が接合される分岐管部を有し、前記切断対象箇所を含むように前記既設管の一部を収容する既設管分岐装置を設置する既設管分岐装置設置工程と、
前記既設管の延在する第1方向と交差する第2方向に沿って延びる回転軸心を中心として回転する筒状カッターを有する穿孔機を設置する穿孔機設置工程と、
前記筒状カッターが前記切断対象箇所を穿孔する穿孔工程と、を含み、
前記穿孔工程において、前記筒状カッターは、前記切断対象箇所を穿孔する穿孔中心を、前記既設管の軸心及び前記分岐管部の軸心の少なくとも一方に対してオフセットさせて穿孔する既設管分岐方法。
【請求項10】
前記穿孔工程において、前記筒状カッターは、前記既設管の軸心に対して前記分岐管部側に前記穿孔中心をオフセットさせて穿孔する請求項9に記載の既設管分岐方法。
【請求項11】
前記穿孔工程において、前記筒状カッターは、前記分岐管部の軸心に対して前記流体の流通方向に前記穿孔中心をオフセットさせて穿孔する請求項9に記載の既設管分岐方法。
【請求項12】
前記切断対象箇所に前記流体の流通を制御する弁体を挿入する弁体挿入工程をさらに含み、
前記既設管分岐装置は、前記流体を排出又は流入させる複数のドレン口を有しており、
前記弁体挿入工程は、前記弁体の挿入位置よりも前記既設管の上流側に設けられた前記ドレン口と、前記挿入位置よりも前記既設管の下流側に設けられた前記ドレン口とを連通させた状態で行われる請求項9~11の何れか一項に記載の既設管分岐方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、既設管分岐装置、及び既設管分岐方法に関する。
【背景技術】
【0002】
水道管などの既設管に対する作業に関する様々な技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1には、既設流体管に弁本体を挿入する弁本体の設置方法において、不断流状態で取り付け可能な弁の設置方法が開示されている。特許文献1に開示の設置方法では、円筒形状のホールソーが、既設流体管の軸心上を中心として回転することにより既設流体管を切断して分割し、既設流体管の分割された部分に弁本体を設置する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示の弁本体の設置方法のように、既設流体管を分割(以下、「フルカット」と称する)する場合、既設流体管の分割に用いられるホールソーとしては、既設流体管の直径よりも大きいものが必要となる。つまり、作業対象の既設流体管の直径が大きくなれば、ホールソーも更に大きいものが必要となる。ホールソーの大型化は、ホールソーを含む穿孔機等の機材の大型化、施工スペースの大型化等を招来し、施工作業の効率が低下するといった課題がある。
【0005】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、施工作業の効率を向上させる既設管分岐装置、及び既設管分岐方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る既設管分岐装置の特徴構成は、流体が流れる既設管の切断対象箇所を穿孔することにより、前記既設管を分割し、分割された前記既設管から前記流体を分岐させる既設管分岐装置であって、前記切断対象箇所を収容し、前記既設管の延在する第1方向の両端の各々に第1開口が形成された胴部と、前記胴部と連通し、前記第1方向と交差する第2方向に沿って延びる回転軸心を中心として回転することにより前記既設管を穿孔する筒状カッターが挿通される第2開口が形成された首部と、前記胴部を基端とし、前記第1方向及び前記第2方向と交差する第3方向に延在する分岐管が接合される第3開口が形成された分岐管部と、を有し、前記第2開口の第2開口軸心は、前記第1開口の第1開口軸心及び前記第3開口の第3開口軸心の少なくとも一方に対してオフセットしている点にある。
【0007】
この特徴構成によると、第2開口の第2開口軸心、すなわち、第2開口軸心と同軸に第2開口に挿通される筒状カッターの回転軸心(穿孔中心)がオフセットする。このため、例えば、第2開口軸心を第1開口軸心に対してオフセットしない場合と同じ直径の筒状カッターで穿孔した場合であっても、既設管の穿孔された部分(切断開口)の開口面積(流路断面積)を大きくすることが可能となる。また、筒状カッターの回転軸心(穿孔中心)を第3開口軸心に対してオフセットすることにより、筒状カッターの直径を小さくした場合であっても、既設管と分岐管とが連通する部分(第3開口)の流路断面積として要求される大きさを確保することが可能となる。これにより、第3開口と連通(対向)する切断開口を形成する筒状カッターの小型化を図ることが可能となる。また、筒状カッターの小型化を図ることが可能となるため、既設管分岐装置の小型化も図ることができる。その結果、筒状カッター及び既設管分岐装置を含む機材の小型化が図られ、機材の取り扱いが容易になり、施工作業の効率が向上する。
【0008】
他の構成として、前記切断対象箇所の前記筒状カッターによって穿孔された穿孔中心は、前記第1開口軸心に対して前記第3開口側にオフセットしてもよい。
【0009】
この特徴構成によると、オフセットしない場合と比べて、同じ直径の筒状カッターの大径部位によって形成された切断開口の開口面積を大きくすることができる。その結果、筒状カッター及び既設管分岐装置を含む機材の小型化を図ることができる。
【0010】
他の構成として、前記胴部は、前記切断対象箇所に挿入されて前記流体の流通を制御する弁体を支持する弁座を有し、前記弁座は、前記第2方向に沿って見たときV字状に屈曲してもよい。
【0011】
この特徴構成によると、第2方向に沿って見たとき直線状の弁座を有する構成に比べて、既設管分岐装置(第2開口の開口面積)を小さくすることが可能となる。その結果、機材(施工機材を含む)の大型化を回避することができる。
【0012】
他の構成として、前記弁座は、前記V字状に屈曲している屈曲点から前記第3方向に延在する第1座部と、前記屈曲点から前記屈曲点よりも前記第1方向の下流側と前記分岐管部との間に向けて延在する第2座部と、を有しており、前記屈曲点から前記屈曲点よりも前記第1方向の上流側と前記分岐管部との間に向けて補助座部が延在していてもよい。
【0013】
この特徴構成によると、補助座部を有しない構成に比べて、安定した姿勢で弁体を第1筐体の内部へ挿入することができる。このため、弁体が第1方向の上流側に向かって傾くことや、弁体の挿入位置がずれることがないので、施工作業の効率を向上可能である。
【0014】
他の構成として、前記第2座部及び前記補助座部は、前記第3方向に対して対称に設けられており、前記第1座部と前記第2座部との間の第1角度は、前記第2座部と前記補助座部との間の第2角度よりも大きくてもよい。
【0015】
第1座部は第3方向に延在しているため、第1座部と弁体との当接面は第3方向に沿って形成される。したがって、第1方向に沿って流通する流体から受ける力を、その流通方向に対して垂直な面で吸収することができる。一方で、第2座部は第1方向の下流側と分岐管部との間に向けて延在するため、第2座部と弁体との当接面は流体の流通方向に対して傾斜しており、流体圧によって第2座部と弁体とが離れやすい。そこで、この特徴構成によると、第2座部と補助座部との間の第2角度が、第1座部と第2座部との間の第1角度よりも小さいので、弁体と第2座部又は補助座部との当接面において、流体の圧力に対する抵抗力を向上させることができる。
【0016】
他の構成として、前記胴部は、前記弁体を支持するガイドを有しており、前記第2方向に沿った前記ガイドの高さは、前記第2方向に沿った前記弁座の高さよりも大きくてもよい。
【0017】
この特徴構成によると、第1方向又は第3方向への弁体の移動がガイドにより抑制されるので、弁体が挿入位置からずれることがない。また、弁体を挿入する際に、ガイドにより弁体が案内されるので弁体の挿入作業の作業性を高めることができる。
【0018】
他の構成として、前記切断対象箇所の前記筒状カッターによって穿孔された穿孔中心は、前記第3開口軸心に対して前記第1方向にオフセットしてもよい。
【0019】
この特徴構成によると、切断開口の開口面積が、要求される開口面積に対して十分に確保されるので、切断幅(切断開口のうちの既設管が延在する方向の長さ)を小さくすることが可能となり、筒状カッター及び既設管分岐装置を含む機材の小型化を図ることができる。
【0020】
他の構成として、前記胴部は、前記第3開口に接続され、前記第1方向において互いに対向する一対の対向部を有し、一対の前記対向部は、前記第1方向に沿う方向の長さが異なってもよい。
【0021】
この特徴構成によると、切断開口の開口面積が、要求される開口面積に対して十分に確保されるので、切断幅(切断開口のうちの既設管が延在する方向の長さ)を小さくすることが可能となり、筒状カッター及び既設管分岐装置を含む機材の小型化を図ることができる。
【0022】
本発明に係る既設管分岐方法の特徴は、流体が流れる既設管の切断対象箇所を穿孔することにより、前記既設管を分割し、分割された前記既設管から前記流体を分岐させる既設管分岐方法であって、前記既設管から分岐した前記流体が流れる分岐管が接合される分岐管部を有し、前記切断対象箇所を含むように前記既設管の一部を収容する既設管分岐装置を設置する既設管分岐装置設置工程と、前記既設管の延在する第1方向と交差する第2方向に沿って延びる回転軸心を中心として回転する筒状カッターを有する穿孔機を設置する穿孔機設置工程と、前記筒状カッターが前記切断対象箇所を穿孔する穿孔工程と、を含み、前記穿孔工程において、前記筒状カッターは、前記切断対象箇所を穿孔する穿孔中心を、前記既設管の軸心及び前記分岐管部の軸心の少なくとも一方に対してオフセットさせて穿孔する点にある。
【0023】
この特徴によると、上記の既設管分岐装置と同様の作用効果を奏することができる。
【0024】
他の特徴として、前記穿孔工程において、前記筒状カッターは、前記既設管の軸心に対して前記分岐管部側に前記穿孔中心をオフセットさせて穿孔してもよい。
【0025】
この特徴によると、オフセットしない場合と比べて、同じ直径の筒状カッターの大径部位によって形成された切断開口の開口面積を大きくすることができる。その結果、筒状カッター及び既設管分岐装置を含む機材の小型化を図ることができる。
【0026】
他の特徴として、前記穿孔工程において、前記筒状カッターは、前記分岐管部の軸心に対して前記流体の流通方向に前記穿孔中心をオフセットさせて穿孔してもよい。
【0027】
この特徴によると、切断開口の開口面積が、要求される開口面積に対して十分に確保されるので、切断幅(切断開口のうちの既設管が延在する方向の長さ)を小さくすることが可能となり、筒状カッター及び既設管分岐装置を含む機材の小型化を図ることができる。
【0028】
他の特徴として、前記切断対象箇所に前記流体の流通を制御する弁体を挿入する弁体挿入工程をさらに含み、前記既設管分岐装置は、前記流体を排出又は流入させる複数のドレン口を有しており、前記弁体挿入工程は、前記弁体の挿入位置よりも前記既設管の上流側に設けられた前記ドレン口と、前記挿入位置よりも前記既設管の下流側に設けられた前記ドレン口とを連通させた状態で行われてもよい。
【0029】
不断流状態下で既設管の切断対象箇所に弁体を挿入する場合には、弁体の上流側の面に流体の圧力が作用する。これに対し、この特徴構成によれば、既設管分岐装置が流体を排出又は流入させる複数のドレン口を有しており、弁体挿入工程は弁体の挿入位置よりも上流側に設けられたドレン口と、当該挿入位置よりも下流側に設けられたドレン口とを連通させた状態で行われるので、弁体の上流側の面にかかる流体圧を減じることができる。これにより、弁体を挿入する工程を効率よく行うことが可能となり、作業性を向上可能である。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【
図1】実施形態1に係る管路作業装置の構成を示す図である。
【
図2】実施形態1に係る管路作業装置の構成を示す図である。
【
図3】
図2に示す管路作業装置を既設管の軸心に沿って見た図である。
【
図4】実施形態1に係る管路作業装置の構成を示す図である。
【
図5】実施形態1に係る管路作業装置の構成の一部を示す分解斜視図である。
【
図6】実施形態1に係る第1筐体を分岐管の軸心に沿って見た図である。
【
図7】実施形態1に係る第1筐体を回転軸心に沿って見た図である。
【
図8】実施形態1に係る管路作業装置の内部の構成を示す図である。
【
図9】実施形態1に係る既設管分岐方法を示すフロー図である。
【
図10】実施形態1に係る管路作業装置組立工程を示すフロー図である。
【
図11】実施形態2に係る管路作業装置の内部の構成を示す図である。
【
図12】実施形態3に係る第1筐体を回転軸心に沿って見た図である。
【
図13】実施形態3に係る弁基部及び弁体の斜視図である。
【
図14】実施形態3に係る弁基部を下側から見た図である。
【
図15】実施形態3に係る弁体と弁座との構成を示す図である。
【
図16】実施形態3に係る管路作業装置の構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
〔実施形態1〕
以下、図面を参照して、本発明の実施形態に係る既設管分岐装置、及び既設管分岐方法について説明する。本実施形態では、既設管分岐装置の一例として、管路作業装置100に備えられる第1筐体1を説明する。ただし、以下の実施形態に限定されることなく、その要旨を逸脱しない範囲内で種々の変形が可能である。
【0032】
〔管路作業装置の概要〕
管路作業装置100は、流体Fが流れる既設管P1に対する管路作業を行う際に既設管P1に装着される。管路作業は、既設管P1の分岐作業、既設管P1の下流側の更新作業等であり、管路作業装置100は、流体Fの流れを維持した不断流状態における管路作業に用いられる。
【0033】
本実施形態において、流体Fは、
図1を見たときに左側から右側へと流れるものとする。流体Fは、例えば、水であり、既設管P1は、例えば、水平方向に沿って地中に埋設された水道管である。
【0034】
管路作業装置100は、既設管P1の軸心(以下、「第1管軸心PX1」と称する)に沿う方向の途中部分を穿孔することにより、既設管P1を分割し、既設管P1の分割された箇所から流体Fを分岐させるための装置である。
【0035】
以下、水平方向のうちの既設管P1が延在する方向(第1管軸心PX1に沿う方向)を「X方向」と称し、水平方向のうちのX方向と直交する方向を「Y方向」と称し、X方向及びY方向と直交する方向(鉛直方向)を「Z方向」と称する。また、X方向(流通方向)における上流側を「上流側X1」と称し、下流側を「下流側X2」と称する。更に、Z方向における鉛直方向下側を「下側Z1」と称し、鉛直方向上側を「上側Z2」と称する。なお、X方向は、第1方向の一例であり、Y方向は、第3方向の一例であり、Z方向は、第2方向の一例である。
【0036】
〔管路作業装置の構成〕
図1~
図3を参照して、管路作業装置100の構成について説明する。
図1は、組立完了時における管路作業装置100の構成を示す図であり、
図2及び
図3は、穿孔作業時の管路作業装置100の構成を示す図である。
【0037】
管路作業装置100は、第1筐体1(既設管分岐装置の一例)と、作業弁2と、第2筐体3と、穿孔機4とを備える。
【0038】
〔第1筐体〕
第1筐体1は、既設管P1のX方向における一部を収容する。詳しくは、第1筐体1は、既設管P1の途中部位である切断対象箇所と、切断対象箇所に隣接する部分とを収容する。本実施形態において、第1筐体1は、第1管軸心PX1に沿って上下に分割される分割筐体であって、第1管軸心PX1よりも下側Z1の下部筐体1Aと、第1管軸心PX1よりも上側Z2の上部筐体1Bとで構成される。なお、本実施形態では、下部筐体1Aと上部筐体1Bとは、X方向及びY方向に沿った平面(水平面)を割面とし、溶接によって接合される。
【0039】
下部筐体1Aと上部筐体1Bとは、密封部材(不図示)を介在させた状態で接合される。これにより、既設管P1の周囲に密封空間が形成される。なお、下部筐体1Aと上部筐体1Bとの各々には、下部筐体1A及び上部筐体1Bの各々の既設管P1に対する芯出しを行う位置固定ボルト(不図示)が螺合される。位置固定ボルトの先端は、既設管P1に当接するように下部筐体1A及び上部筐体1Bの各々に螺合される。その他の第1筐体1の構成の詳細については後述する。
【0040】
〔作業弁〕
作業弁2は、作業弁ケース20と、作業弁体21とを有する。作業弁ケース20は、第1筐体1の上側Z2に配置され、第1筐体1とボルト等の締結部材によって接合される。
作業弁ケース20は、X方向を長手方向とする直方体形状を有し、作業弁体21を収容する。
【0041】
作業弁体21は、平板状の部材であり、X方向に沿ってスライド可能に作業弁ケース20に保持される。作業弁体21は、作業弁ケース20内をスライドすることにより、その姿勢が閉塞姿勢(
図1参照)と開放姿勢(
図2参照)との間で変化する。作業弁体21が
図1に示す閉塞姿勢の場合、作業弁体21に対して上側Z2の上部空間と、作業弁体21に対して下側Z1の下部空間とが遮断される。一方、作業弁体21が
図2に示す開放姿勢の場合、上部空間と下部空間とが連通する。
【0042】
〔第2筐体〕
第2筐体3は、作業弁ケース20の上側Z2に配置され、作業弁ケース20とボルト等の締結部材によって接合される。第2筐体3は、Z方向に沿って見たときに円形の筒形状(円筒形状)を有する。第2筐体3は、Z方向に沿って見たときに円形の第2筐体空間30Sを含む。第2筐体空間30Sは、穿孔機4の一部を収容可能な大きさを有する。
【0043】
〔穿孔機〕
穿孔機4は、穿孔ケース40と、ホールソー41と、センタードリル42と、回転軸43とを有する。なお、ホールソー41とセンタードリル42とを総称して「筒状カッター」と称する場合がある。ただし、筒状カッターは、ホールソー41のみで構成されてもよい。
【0044】
穿孔ケース40は、第2筐体3の上側Z2に配置され、第2筐体3とボルト等の締結部材によって接合される。
【0045】
ホールソー41は、回転軸43の回転軸心RXを中心とする円筒形状(Z方向視で円形)である。
【0046】
ホールソー41は、回転軸心RXを中心として回転する。これにより、既設管P1の切断対象箇所が穿孔されて、既設管P1が分割される(2分割される)。詳しくは、
図2に示すように、穿孔機4は、X方向において接続する部分を有することなく離間するように既設管P1を完全に分離する。本実施形態において、既設管P1は、穿孔機4によって分割されるように穿孔(完全に分離されるように穿孔)されるため、このような穿孔機4による穿孔を「フルカット」と称する場合もある。なお、以下では、穿孔機4によって穿孔された既設管P1の部分を「被穿孔部PH」と称する(
図4参照)。被穿孔部PHは、穿孔機4によって穿孔(切断)されて形成された開口(切断開口)で構成される。
【0047】
センタードリル42は、回転軸心RX上(ホールソー41の中心部分)に配置される。
センタードリル42には、既設管P1が穿孔された切片(切り取られた既設管P1の一部)を引き上げるためのカエリ(不図示)が回転軸心RXの軸方向(Z方向)に沿って複数設けられる。センタードリル42は、ホールソー41と共に回転軸43の一方の端部(一端部)に連結される。
【0048】
回転軸43は、Z方向に沿って延在し、少なくとも一部が穿孔ケース40に収容される。詳しくは、回転軸43は、ホールソー41及びセンタードリル42と接続する側の端部(一端部)とは反対側の端部(他端部)が穿孔ケース40に収容される。穿孔ケース40が第2筐体3の上に配置されると、穿孔ケース40の下側Z1から露出する部分(ホールソー41とセンタードリル42と回転軸43の一部と)が第2筐体3の第2筐体空間30Sに収容される。なお、穿孔ケース40と第2筐体3とは、作業弁ケース20に配置される前に予め接続され、一体で作業弁ケース20に配置してもよい。
【0049】
回転軸43の他端部は、モータ等の駆動源(不図示)に接続される。回転軸43は、駆動源から動力が伝達されて回転軸心RXを中心に回転する。これにより、ホールソー41とセンタードリル42とが回転軸心RXを中心に回転し、既設管P1の切断対象箇所が穿孔される。
【0050】
既設管P1に対する穿孔が完了すると、ホールソー41及びセンタードリル42と穿孔された切片を引き上げて作業弁体21を閉塞姿勢に設定する。穿孔機4の穿孔ケース40は、第2筐体3との接合が解除され、ホールソー41及びセンタードリル42が第2筐体3から引き上げられて、穿孔機4が撤去される。穿孔機4が撤去された後、
図4及び
図5に示すように、管路作業装置100が更に備える仕切弁装置5が設置される。なお、
図4は、仕切弁装置設置作業時の管路作業装置100の構成を示す図であり、
図5は、
図4に示す管路作業装置100の構成の一部を示す分解斜視図である。
【0051】
〔仕切弁装置〕
図4に示すように、仕切弁装置5は、仕切弁ケース50と、弁基部51と、弁体52と、軸部材53とを有する。
【0052】
仕切弁ケース50は、第2筐体3の上側Z2に配置され、第2筐体3と締結部材によって接合される。なお、仕切弁ケース50は、穿孔機4(穿孔ケース40)を兼用することも可能である。この場合、仕切弁装置5は、仕切弁ケース50を省略可能である。
【0053】
弁基部51は、弁体52を支持する。弁体52は、流体Fの流通を制御(本実施形態では、遮蔽板であって、流体Fの流通を遮断)する。弁基部51と弁体52とは、軸部材53の一方の端部(一端部)に連結される。
【0054】
図5に示すように、弁基部51は、Z方向に沿って見たときにV字状に屈曲する第1屈曲点を有する。弁体52は、Z方向に沿って見たときに円弧形状を有する。弁体52は、弁基部51の第1屈曲点から遠い側の第1端部511aと第2端部511bとに接続される(
図8参照)。なお、弁体52の外周面には、例えば、流体Fの流れをガイドする突起が形成されてもよい。
【0055】
図4に示すように、軸部材53は、回転軸心RXに沿って延在し、少なくとも一部が仕切弁ケース50に収容される。詳しくは、軸部材53は、弁基部51及び弁体52と接続する側の端部(一端部)とは反対側の端部(他端部)が仕切弁ケース50に収容される。
なお、上記の第2筐体3の第2筐体空間30Sは、弁基部51及び弁体52も挿通可能な大きさを有する。仕切弁ケース50が第2筐体3の上に配置されると、仕切弁ケース50の下側Z1から露出する弁基部51と弁体52とが第2筐体3の第2筐体空間30Sに収容される。
【0056】
軸部材53の他端部は、例えば、クレーン(不図示)等と連結される。クレーン等の操作によって軸部材53が下降することにより、弁基部51と弁体52とが既設管P1の被穿孔部PHに送り込まれる(
図5も参照)。
【0057】
〔蓋部〕
図5に示すように、管路作業装置100は、後述の首部12の第2開口12hを覆う蓋部6を更に備える。蓋部6は、Z方向に沿って見たときに円形の平板であって、首部12と締結部材等によって接合される。蓋部6は、既設管P1の被穿孔部PHに弁基部51と弁体52が送り込まれた後に(
図8参照)、首部12の第2開口12hを覆うように配置される。
【0058】
〔第1筐体の詳細構成〕
続いて、
図5~
図8を参照して、第1筐体1の構成について詳細に説明する。
図6は、分岐管P2の軸心に沿って見た第1筐体1を示す図(正面図)であり、
図7は、回転軸心RXに沿って見た第1筐体1を示す図(上面図)であり、
図8は、仕切弁装置設置完了後の管路作業装置100の内部の構成を示す図である。
【0059】
図5~
図8に示すように、第1筐体1は、胴部11と、首部12と、分岐管部13とを有する。なお、胴部11と分岐管部13とは、
図1及び
図2を参照して説明した下部筐体1Aと上部筐体1Bとで構成され、首部12は、上部筐体1Bで構成される(
図3参照)。
【0060】
〔胴部〕
図6に示すように、胴部11は、作業部位111と、一対の支持部位112とを含む。
【0061】
胴部11は、作業部位111が既設管P1の切断対象箇所(穿孔対象箇所)を収容し、且つ、一対の支持部位112が既設管P1の切断対象箇所に隣接する部分(一部)の外周に沿うように配置される。
【0062】
作業部位111の内部では、切断対象箇所に対する穿孔作業が行われる。以下、作業部位111の内部を「第1筐体空間111S」と称する。
【0063】
また、
図7に示すように、作業部位111は、
図4及び
図5を参照して説明した弁基部51及び弁体52を支持する弁座16を有する。本実施形態では、弁座16は、Z方向に沿って見たときにV字状に屈曲している。詳しくは、弁座16は、Z方向に沿って見たときに、Y方向に延在する第1座部161と、第1座部161及び第1管軸心PX1に対して傾斜する第2座部162とを有する。第1座部161は、第2屈曲点を基端としてY2側に延在し、第2座部162は第2屈曲点を基端として下流側X2と分岐管部13側(Y1側)との間に向けて延在する。なお、弁座16は、作業部位111の底壁部(下側Z1の壁)のみならず、底壁部から上側Z2へ延びる側壁部(Z方向に沿う方向の壁)にも配置される。なお、弁座16は、Z方向に沿って見たときにV字状でなくても直線上でもよく、分岐の反対側の側壁部から分岐横の側壁部に連続していればよい。
【0064】
一対の支持部位112の各々は、作業部位111を基端としてX方向へ延在する。詳しくは、一方の支持部位112は上流側X1へ、他方の支持部位112は下流側X2へ延在する。
【0065】
支持部位112には、既設管P1が同軸となるように挿通される第1開口11hが形成されている。換言すると、胴部11のX方向の両端の各々には、第1開口11hが形成されている。
【0066】
図5に示すように、第1開口11hは、X方向に沿って見たときに円形であり、第1開口11hの軸心は、X方向に沿って延びる(
図3参照)。以下、第1開口11hの軸心を「第1開口軸心HX1」と称する。
【0067】
〔首部〕
図5及び
図6に示すように、首部12は、Z方向に沿って見たときに円形の筒状(円筒形状)であり、胴部11を基端として上側Z2へ延在する。
【0068】
図7に示すように、首部12には、胴部11の第1筐体空間111Sと連通する第2開口12hが形成されている。第2開口12hには、既設管P1の穿孔作業時に、ホールソー41及びセンタードリル42が挿通される。第2開口12hは、Z方向に沿って見たときに円形であり、第2開口12hの軸心は、Z方向に沿って延びる。以下、第2開口12hの軸心を「第2開口軸心HX2」と称する。
【0069】
本実施形態において、第2開口軸心HX2は、第1開口軸心HX1に対してY方向にオフセットしている。詳しくは、第2開口軸心HX2は、第1開口軸心HX1(第1管軸心PX1)に対して分岐管部13側にオフセットしている。以下、第2開口軸心HX2の第1開口軸心HX1(第1管軸心PX1)に対してオフセットする量を「第1オフセット量H1」と称する。
【0070】
第1オフセット量H1は、分岐管P2の外径に基づいて予め決定される。分岐管P2の外径は、既設管P1の外径、及び/又は、既設管P1を流れる流体Fの流量に基づいて決定される。
【0071】
〔分岐管部〕
図5~
図8に示すように、分岐管部13は、胴部11を基端としてY方向に延在する。
以下、胴部11に対して分岐管部13が配置される側を「Y1側」と称し、その反対側を「Y2側」と称する。
【0072】
分岐管部13には、Y方向に沿って延在する分岐管P2が接合される第3開口13hが形成されている。第3開口13hは、
図5を参照して説明した被穿孔部PHと連通する。
第3開口13hは、Y方向に沿って見たときに円形であり(
図6参照)、第3開口13hの軸心は、Y方向に沿って延びる(
図7参照)。以下、第3開口13hの軸心を「第3開口軸心HX3」と称する。本実施形態において、第3開口軸心HX3は、第1開口軸心HX1及び第2開口軸心HX2の各々と直交(略直交も含む。以下同様)する。
【0073】
〔既設管分岐方法〕
続いて、
図1~
図10を参照して、既設管分岐方法について説明する。既設管分岐方法は、流体Fが流れる既設管P1の切断対象箇所を穿孔することにより、既設管P1を分割し、分割された既設管P1から流体Fを分岐させる方法である。
【0074】
図9に示すように、既設管分岐方法は、管路作業装置組立工程S1と、穿孔工程S2と、仕切弁設置工程S3(弁体挿入工程の一例)とを含む。なお、穿孔工程S2では、上記の穿孔作業が実施され、仕切弁設置工程S3では、上記の仕切弁装置設置作業が実施される。
【0075】
管路作業装置組立工程S1では、既設管P1の切断対象箇所に対する作業を行うために管路作業装置100が組立てられる。管路作業装置100の組立前には、準備作業が作業者等によって実施される。準備作業では、既設管P1を地面から露出させる作業、施工スペースを確保する作業等が実施される。
【0076】
図10に示すように、管路作業装置組立工程S1は、第1筐体設置工程S11(既設管分岐装置設置工程の一例)と、分岐管設置工程S12と、作業弁設置工程S13と、第2筐体設置工程S14と、穿孔機設置工程S15とを含む。なお、第2筐体設置工程S14と穿孔機設置工程S15とは、まとめて実施してもよい(第2筐体3と穿孔機4とは、作業弁ケース20に配置される前に予め接続され、一体で作業弁ケース20に配置してもよい)。
【0077】
第1筐体設置工程S11では、
図1に示すように、既設管P1の一部を収容するように第1筐体1を設置する。詳しくは、胴部11が既設管P1の切断対象箇所を含むように、第1筐体1が配置される。これにより、第1筐体設置工程S11が完了する。
【0078】
分岐管設置工程S12では、第3開口13hに分岐管P2(
図8参照)を配置する。分岐管P2は、例えば、流体Fの流通を遮断するように構成された分岐管用弁(不図示)を備える。分岐管部13(第3開口13h)には、分岐管用弁が閉弁された分岐管P2が接合される。これにより、分岐管設置工程S12が完了する。
【0079】
作業弁設置工程S13では、クレーン(不図示)等で吊り下げられた作業弁2の作業弁ケース20を、
図1に示すように、第1筐体1(首部12)の上に配置し、第1筐体1と締結部材等によって接合することにより、作業弁2を設置する。これにより、作業弁設置工程S13が完了する。作業弁体21は、穿孔工程S2及び仕切弁設置工程S3以外において閉塞姿勢に設定される。なお、作業弁ケース20の弁箱(第1筐体1(首部12)の上のケース)と弁蓋(開弁状態の作業弁体21を収容するケース)とは、別々にクレーンで吊り下げてボルト等で締結してもよいし、現場で組付けられた作業弁ケース20を一体的にクレーンで吊り下げてもよい。
【0080】
第2筐体設置工程S14では、クレーン(不図示)等で吊り下げられた第2筐体3を、
図1に示すように、作業弁2の上側Z2に配置し、作業弁2と締結部材等によって接合することにより、第2筐体3を設置する。これにより、第2筐体設置工程S14が完了する。
【0081】
穿孔機設置工程S15では、クレーン(不図示)等で吊り下げられた穿孔ケース40を第2筐体3の上側Z2に配置し、第2筐体3と締結部材によって接合することにより、穿孔機4を設置する。詳しくは、穿孔機設置工程S15では、
図3に示すように、穿孔機4のホールソー41(センタードリル42及び回転軸43)の回転軸心RXが第2開口軸心HX2と一致するように穿孔機4を配置する。
【0082】
上記のように、第2開口軸心HX2は、第1開口11hの第1開口軸心HX1に対して、分岐管部13側(Y1側)にオフセットしている。つまり、穿孔機4は、回転軸心RXが第1開口軸心HX1(第1管軸心PX1)に対して分岐管部13側(Y1側)にオフセットするように配置される。なお、回転軸心RXの第1開口軸心HX1(第1管軸心PX1)に対するオフセット量は、第1オフセット量H1と一致(略一致も含む。以下同様)する。
【0083】
上記のように穿孔機4を配置した後、穿孔機4の穿孔ケース40を第2筐体3と締結部材等によって接合する。これにより、穿孔機4の設置が完了し、穿孔機設置工程S15が完了する。
【0084】
第1筐体1と、作業弁2と、第2筐体3と、穿孔機4との設置が完了し、分岐管P2が接合されると、管路作業装置100の組立が完了し、管路作業装置組立工程S1が完了する。
【0085】
図9に示す穿孔工程S2では、
図2に示すように、作業弁2の作業弁体21を開放姿勢に設定した後、ホールソー41及びセンタードリル42を第1筐体空間111Sまで下降させる。センタードリル42の先端が既設管P1の切断対象箇所に当接した状態で、回転軸43の他端部に接続される駆動源(不図示)を駆動させる。これにより、回転軸43、ホールソー41及びセンタードリル42が、回転軸心RXを中心として回転し、ホールソー41及びセンタードリル42が既設管P1の切断対象箇所を穿孔する。
【0086】
上記のように、回転軸心RX(センタードリル42)は、第1開口軸心HX1(第1管軸心PX1)に対して分岐管部13側(Y1側)にオフセットするように穿孔機4が配置されている(
図3参照)。このため、ホールソー41は、回転軸心RXを第1開口軸心HX1(第1管軸心PX1)に対して分岐管部13側(Y1側;第3開口13h側)にオフセットさせて穿孔する。この結果、既設管P1の被穿孔部PHの穿孔中心Oが第1管軸心PX1(第1開口軸心HX1)に対して第3開口13h側にオフセットする。なお、穿孔中心Oは、被穿孔部PHの中心(幾何学中心)である。また、穿孔中心Oの第1管軸心PX1(第1開口軸心HX1)に対するオフセット量も第1オフセット量H1と一致する。
【0087】
上記のように、既設管P1が穿孔され、既設管P1が上流側X1と下流側X2とに完全に分割されると(フルカットされると)、ホールソー41とセンタードリル42と穿孔された既設管P1の一部である切片とが、第2筐体3の第2筐体空間30Sまで引き上げた後、作業弁体21を閉塞姿勢に設定する。その後、クレーン(不図示)等によって第2筐体3の第2筐体空間30Sまで吊り上げられる。その後、
図1に示すように、作業弁体21が閉塞姿勢に設定された後、第2筐体3の外部へと切片が取り出され、穿孔機4が撤去されて穿孔工程S2が完了する。
【0088】
仕切弁設置工程S3では、クレーン(不図示)等で吊り下げられた仕切弁装置5の仕切弁ケース50を、
図4に示すように、第2筐体3の上側Z2に配置し、第2筐体3と締結部材によって接合することにより、仕切弁装置5を設置する。
【0089】
作業弁2の作業弁体21が開放姿勢に設定された後、弁基部51及び弁体52を、軸部材53を介して既設管P1の被穿孔部PHへ送り込む。詳しくは、
図8に示すように、弁基部51及び弁体52を被穿孔部PHに配置する。
【0090】
弁基部51及び弁体52が被穿孔部PHに配置されると、弁基部51及び弁体52と軸部材53との連結が解除され、第2筐体3及び第2筐体3の上側Z2に設置された部材(軸部材53、軸部材53を収容する仕切弁ケース50等)が撤去されて仕切弁設置工程S3が完了する。
【0091】
仕切弁設置工程S3が完了すると、蓋部6(
図5参照)が第2開口12hを覆うように首部12上に配置されて、首部12と締結部材等によって接合される。その後、既設管P1の分岐管用弁が開弁される。これにより、流体Fが、上流側の既設管P1から第3開口13hを介して分岐管P2へと流れる。なお、分岐管P2の分岐管用弁が開弁は、蓋部6の接合よりも前に行われていてもよい。
【0092】
以上により、既設管分岐作業(既設管分岐方法)が終了する。
【0093】
〔実施形態2〕
続いて、
図11を参照して、実施形態2に係る管路作業装置100について説明する。実施形態2では、穿孔中心Oのオフセットする方向が実施形態1と異なる。なお、以下では、実施形態1と同一の構成には同一の符号を付して説明し、実施形態1と同一の構成についての詳細な説明は省略する。
【0094】
〔第1筐体〕
図11に示すように、本実施形態に係る第1筐体1において、第2開口12hの第2開口軸心HX2は、第1開口11hの第1開口軸心HX1に対してオフセットするのではなく、第3開口13hの第3開口軸心HX3に対してオフセットする。詳しくは、第2開口軸心HX2は、第3開口軸心HX3に対してX方向(詳しくは、下流側X2)にオフセットする。以下、第2開口軸心HX2の第3開口軸心HX3に対してオフセットする量を「第2オフセット量H2」と称する。
【0095】
上記のように、第2開口軸心HX2は、第3開口軸心HX3に対して下流側X2にオフセットするため、本実施形態に係る第1筐体1(胴部11の作業部位111)の構成も実施形態1の構成と異なる。詳しくは、第1筐体1における分岐管部13と一対の支持部位112の各々との接続部分のX方向に沿う長さが異なる。以下、作業部位111のうちの分岐管部13と一対の支持部位112の各々との接続部分の下流側X2を「第1対向部151」と称し、上流側X1を「第2対向部152」と称する。
【0096】
具体的には、
図11に示すように、第1対向部151の第1長さL1は、第2対向部152の第2長さL2よりも長い。なお、第1対向部151と第2対向部152とを総称して「接続部15」と称する場合がある。第1長さL1が第2長さL2よりも長いことにより、機材の小型化の目的等によりホールソー41の直径(第3開口13hの開口面積)を小さくした場合であっても、接続部15の下流側X2(第1筐体1の第1対向部151)に弁体52を配置するスペースとしての弁座16を確保することができる。
【0097】
また、第2開口軸心HX2が第3開口軸心HX3に対して下流側X2にオフセットするため、第2開口軸心HX2と回転軸心RXを同軸とするように配置される穿孔機4のホールソー41は、回転軸心RX(センタードリル42)を第3開口軸心HX3に対して下流側X2にオフセットさせて既設管P1を穿孔する。換言すると、ホールソー41は、穿孔中心Oを第3開口軸心HX3に対して下流側X2にオフセットさせて、既設管P1を穿孔する。なお、穿孔中心Oの第3開口軸心HX3に対するオフセット量は、第2オフセット量H2と一致する。
【0098】
ホールソー41及びセンタードリル42による穿孔が完了すると(
図9に示す穿孔工程S2が終了すると)、実施形態1と同様にして仕切弁設置工程S3以降の工程が実行される。
【0099】
また、本実施形態では、仕切弁装置5が備える弁基部51及び胴部11の作業部位111の弁座16の形状も実施形態1とは異なる。詳しくは、
図11に示すように、弁基部51及び弁座16は、Z方向に沿って見たときに屈曲せずに、直線状に構成される。
【0100】
〔実施形態の作用効果〕
以上説明したように、上記の実施形態によれば、第2開口軸心HX2、すなわち、第2開口軸心HX2と同軸に第2開口12hに挿通されるホールソー41の回転軸心RX(穿孔中心O)が、第1開口軸心HX1又は第3開口軸心HX3に対してオフセットする。このため、例えば、第2開口軸心HX2を第1開口軸心HX1に対してオフセットしない場合と同じ直径のホールソー41で穿孔した場合であっても被穿孔部PH(切断開口)の開口面積(流路断面積)を大きくすることが可能となる。つまり、ホールソー41の直径を小さくしても要求される被穿孔部PH(切断開口)の開口面積(流路断面積)を確保することができる。また、ホールソー41の回転軸心RX(第2開口軸心HX2)を第3開口軸心HX3に対してオフセットすることにより、ホールソー41の直径を小さくした場合であっても、既設管P1と分岐管P2とが連通する部分(第3開口13h)の流路断面積として、要求される(オフセットしない場合の流路断面積と同等の)大きさを確保することが可能となる。これにより、被穿孔部PH(切断開口)を形成するホールソー41の小型化を図ることが可能となる。また、ホールソー41の小型化を図ることが可能となるため、第1筐体1の小型化も図ることができる。その結果、ホールソー41及び第1筐体1を含む機材の小型化が図られ、機材の取り扱いが容易になり、施工作業の効率が向上する。
【0101】
また、機材の小型化を図ることができることから、準備作業で確保される施工スペースの大型化を回避することができる。また、機材の運搬に要する費用も抑制することができる。
【0102】
〔実施形態3〕
次に、
図12~
図15を参照して実施形態3に係る管路作業装置100について説明する。
図12に示すように、実施形態3に係る弁座16の第1座部161は、第2屈曲点(第2開口軸心HX2、屈曲点の一例)よりもY1側からY2側に向かって延在する。また、第2屈曲点(第2開口軸心HX2)からは、補助座部163が上流側X1と分岐管部13側(Y1側)に向かって延在している。すなわち、実施形態3に係る弁座16は、第1座部161及び第2座部162に加えて、第1座部161及び第1管軸心PX1に対して傾斜する補助座部163を有している。弁座16が補助座部163を有することにより、弁基部51を弁座16に当接させる際に弁基部51が上流側X1に向かって傾くことやずれることがない。このため、弁基部51及び弁体52の挿入作業の作業性を高めることが可能である。なお、第1座部161は第2屈曲点(第2開口軸心HX2)からY2側に向かって延在していてもよいが、本実施形態のように第2屈曲点(第2開口軸心HX2)よりもY1側からY2側に向かって延在していれば、弁基部51と弁座16との接触面積を増大させることができ、弁基部51及び弁体52の姿勢をより安定にすることが可能となる。
【0103】
第2座部162と補助座部163とは、第3開口軸心HX3に対して対称に設けられている。すなわち、第3開口軸心HX3と第2座部162との間の角度は、第3開口軸心HX3と補助座部163との間の角度と等しい。また、第1座部161と第2座部162との間の角度である第1角度αは、第2座部162と補助座部163との間の角度である第2角度βよりも大きくなるように設定されている。
【0104】
実施形態3に係る作業部位111は、作業部位111の底面からZ方向に向かって突出した底面ガイド17(ガイドの一例)と、その内周面から第1筐体空間111Sに向かって突出した側面ガイド18とを有している。底面ガイド17は、第1座部161の外周縁から上流側X1及び下流側X2へ所定距離だけ離間した位置に第1座部161と並行姿勢となるよう配置される。底面ガイド17の形状は角柱であっても円柱であってもよく、第1座部161のY方向における寸法よりも小さい寸法を有しているとよい。
図15に示すように、Z方向に沿った底面ガイド17の高さは、Z方向に沿った第1座部161の高さよりも大きいとよい。また、第1座部161の上流側X1の面及び下流側X2の面と対向する底面ガイド17の面は、Z方向に平行であってもよいが、下側Z1側へ向かうにつれて、第1座部161に向かって近づくように傾斜していてもよい。これにより、弁基部51及び弁体52の挿入時の位置合わせをより容易にすることができる。
【0105】
側面ガイド18は、作業部位111の内周面であって、第1座部161の外周縁から上流側X1及び下流側X2へ所定距離だけ離間した位置と、第2座部162の外周縁から第2座部162の延在方向に平行な方向へ所定距離だけ離間した位置と、補助座部163の外周縁から補助座部163の延在方向に平行な方向へ所定距離だけ離間した位置と、に設けられる。側面ガイド18はZ方向に沿って、作業部位111の内周面に連続的に形成されてもよいし、Z方向に平行な同一直線上に複数の側面ガイド18が互いに離間した状態で形成されてもよい。側面ガイド18により、弁体52の位置合わせを容易にできる。また、第1座部161、第2座部162又は補助座部163を挟んで対向する側面ガイド18,18の面は、上側Z2へ向かうほど第1座部161、第2座部162又は補助座部163から離れるよう傾斜してもよい。これにより、弁基部51及び弁体52の挿入時の位置合わせをより容易にすることができる。
【0106】
図13には、実施形態3に係る弁基部51及び弁体52が示されている。実施形態3に係る弁基部51は、Z方向に沿って見たときにV字状には屈曲しておらず、扁平円形状を有している。また、
図14及び
図15に示すように、弁基部51の下面からは、第1基部511と、第2基部512と、第3基部513とが下側Z1へ向かって延出している。第1基部511、第2基部512及び第3基部513の夫々は、弁体52が挿入位置に挿入された際に、弁座16の第1座部161、第2座部162又は補助座部163に当接するよう形成されている。したがって、第1基部511は、弁体52が挿入位置に挿入された姿勢において、弁基部51の底面における中心点からY2側に向かって延在する。もちろん、第1基部511は弁基部51の底面における中心点よりもY1側からY2側に向かって延在していてもよい。同様に、第2基部512は、中心点から下流側X2と分岐管部13側(Y1側)に向かって延在しており、第3基部513は、中心点から上流側X1と分岐管部13側(Y1側)に向かって延在している。
【0107】
弁体52が挿入位置に挿入された姿勢において、第2基部512と第3基部513とは、第3開口軸心HX3に対して対称に設けられている。このため、第3開口軸心HX3と第2基部512との間の角度は、第3開口軸心HX3と第3基部513との間の角度と等しい。また、弁座16の第1座部161、第2座部162及び補助座部163との位置関係と同様に、第1基部511と第2基部512との間の角度である第1角度α1は、第2基部512と第3基部513との間の角度である第2角度β2よりも大きくなるように設定されている。これにより、第2基部512と第2座部162との当接面、及び第3基部513と補助座部163との当接面において、流体Fの圧力に対する抵抗力を向上させることができる。
【0108】
また、
図13に示すように、弁基部51の外周縁と第1基部511、第2基部512又は第3基部513との交点である第1端部511a、第2端部511b、及び第3端部511cからは、枠部54が上側Z2へ向かって延在している。枠部54は、第1基部511、第2基部512及び第3基部513と一体的に形成されており、その端部は弁基部51の上側Z2の面と対向する面を有する上板57に接続されている。上板57は、第1筐体1の首部12の内径と略同一の外径を有している。第1端部511a及び第2端部511bから延在する枠部54は、弁体52に接続しているとよい。なお、弁体52が挿入された姿勢において、第3端部511cから延在する枠部54は胴部11の内周面に当接しているとよい。これにより、枠部54が第1開口11hを塞ぐように配置されることがないので、流体Fの流れを妨げることにならない。
【0109】
図13及び
図14に示すように、第1基部511、第2基部512及び第3基部513の下側Z1の面と、枠部54の外周面と、上板57の外周面には、シール部材56が配置されている。シール部材56は、第1基部511、第2基部512、第3基部513、枠部54、及び上板57の表面に設けられた溝に嵌め込む形態で配置されてもよい。
図14に示すように、第1基部511に配置されるシール部材56と、第2基部512に配置されるシール部材56とは、一体形成されたシール部材56aであり、第3基部513に配置されるシール部材56bとは異なる。しかしながら、シール部材56aとシール部材56bとは一体形成されていてもよく、これらと枠部54及び上板57の側面に配置されるシール部材56とが全て一体的に形成されていてもよい。
【0110】
シール部材56は所定の厚みを有しているため、弁体52を挿入位置に挿入した場合には、
図15に示すように、シール部材56と弁座16とが当接する。また、枠部54においても、作業部位111の内周面と枠部54に設けられたシール部材56とが当接する。弁基部51及び弁体52の重みによりシール部材56が変形するので、シール部材56により仕切弁装置5の密封状態が保たれる。
【0111】
続いて、実施形態3に係る弁基部51及び弁体52の挿入工程について説明する。
図12に示すように、第1筐体1における作業部位111の底面には、流体Fを排出又は流入させるドレン口19a,19bが設けられている。ドレン口19aは弁体52の挿入位置に対して上流側X1にあり、ドレン口19bは弁体52の挿入位置に対して下流側X2にある。
【0112】
実施形態3では、
図16に示すように、ドレン口19aとドレン口19bとが配管190によって連通した状態で仕切弁設置工程S3が行われる。不断流状態下で既設管P1の切断対象箇所に弁体52を挿入する場合には、弁体52の上流側X1の面に流体Fの圧力が作用する。そこで、ドレン口19aとドレン口19bとを連通した状態で仕切弁設置工程S3を行うことにより、ドレン口19aからドレン口19bに流体Fを流通させて、弁体52の上流側X1の面にかかる流体圧を減じることができる。その後、ドレン口19aのバルブを閉止する。これにより、仕切弁設置工程S3を効率よく行うことができるため、仕切弁設置工程S3の作業性を向上可能である。
【0113】
なお、本実施形態では、第2開口軸心HX2が第1開口軸心HX1に対してオフセットしている例について説明したが、本実施形態に係る弁基部51を有する仕切弁装置5は、第2開口軸心HX2が第3開口軸心HX3に対してもオフセットしていてもよく、第1開口軸心HX1及び/又は第3開口軸心HX3に対してオフセットしていない例においても使用することができる。
【0114】
〔別実施形態〕
本発明は、上記した実施形態以外に以下のように構成してもよい(実施形態と同じ機能を有するものには、実施形態と共通の番号、符号を付している)。
【0115】
(1)実施形態1及び実施形態2において説明した事項は、適宜組み合わせ可能である。
詳しくは、第2開口軸心HX2(穿孔中心O)は、第1開口軸心HX1(第1管軸心PX1)に対して分岐管部13(第3開口13h)側にオフセットし、且つ、第3開口軸心HX3に対してX方向(例えば、下流側X2)にオフセットしてもよい。
【0116】
(2)上記実施形態では、第1方向(X方向)と第2方向(Z方向)と第3方向(Y方向)とが互いに直交する形態を例に説明したが、第1方向と第2方向と第3方向とは、互いに直交する場合に限定されない。
【0117】
(3)上記実施形態では、第1筐体1が第1管軸心PX1よりも下側Z1の下部筐体1Aと、第1管軸心PX1よりも上側Z2の上部筐体1Bとで構成されたが、第1筐体1は、水平面と直交する面を割面とする上流側X1の筐体と下流側X2の筐体とで構成されてもよい。
【0118】
(4)上記実施形態において、下部筐体1Aと上部筐体1Bとは、溶接によって接合される場合に限定されず、ボルト、ナット等の締結部材によって接合されてもよい。
【0119】
(5)実施形態1、2では、弁体52は、流通を遮断する遮蔽板に限定されず、ゲート弁、バタフライ弁、ボール弁等であってもよく、この場合、流体Fの流通方向を、既設管P1の上流から分岐管P2又は既設管P1の下流へと切り替えることができる。
【0120】
(6)実施形態3では、弁座16が補助座部163を有するとしたが、補助座部163は設けられなくてもよく、弁基部51はV字状に屈曲していてもよい。この場合には、第1座部161及び第2座部162よりも上流側X1に、弁基部51及び弁体52の挿入時におけるずれや傾きを抑制するガイド等を設けてもよい。当該ガイドは、底面ガイド17と同様に、弁基部51の上面から上側Z2に向かって延出するものであるとよい。
【産業上の利用可能性】
【0121】
本発明は、既設管分岐装置、及び既設管分岐方法に利用することができる。
【符号の説明】
【0122】
1 :第1筐体(既設管分岐装置)
4 :穿孔機
11 :胴部
11h :第1開口
12 :首部
12h :第2開口
13 :分岐管部
13h :第3開口
151 :第1対向部(一対の対向部)
152 :第2対向部(一対の対向部)
41 :ホールソー(筒状カッター)
16 :弁座
17 :底面ガイド(ガイド)
19a :ドレン口
19b :ドレン口
52 :弁体
161 :第1座部
162 :第2座部
163 :補助座部
F :流体
HX1 :第1開口軸心
HX2 :第2開口軸心(屈曲点)
HX3 :第3開口軸心
O :穿孔中心
P1 :既設管
P2 :分岐管
RX :回転軸心
S11 :第1筐体設置工程(既設管分岐装置設置工程)
S15 :穿孔機設置工程
S2 :穿孔工程
S3 :仕切弁設置工程(弁体挿入工程)
X1 :上流側
X2 :下流側
α :第1角度
β :第2角度