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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025010489
(43)【公開日】2025-01-21
(54)【発明の名称】モータ駆動装置
(51)【国際特許分類】
   H02J 7/10 20060101AFI20250110BHJP
   H02M 7/48 20070101ALI20250110BHJP
【FI】
H02J7/10 P
H02J7/10 B
H02J7/10 H
H02M7/48 E
【審査請求】有
【請求項の数】16
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024078959
(22)【出願日】2024-05-14
(31)【優先権主張番号】112125576
(32)【優先日】2023-07-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(71)【出願人】
【識別番号】522466326
【氏名又は名称】亞福儲能股▲分▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】APh ePower Co., Ltd.
(74)【代理人】
【識別番号】100204490
【弁理士】
【氏名又は名称】三上 葉子
(72)【発明者】
【氏名】陳 志維
(72)【発明者】
【氏名】蘇 修賢
(72)【発明者】
【氏名】曾 ▲ユン▼棋
【テーマコード(参考)】
5G503
5H770
【Fターム(参考)】
5G503AA07
5G503BA01
5G503BB01
5G503CA01
5G503CA11
5G503DA07
5G503DA08
5G503FA06
5G503GB06
5H770BA01
5H770CA06
5H770DA03
5H770DA10
5H770DA41
5H770HA03W
5H770HA03Y
5H770JA19X
(57)【要約】      (修正有)
【課題】充電モードにおいて、変換回路の電圧降下損失を低減させるモータ駆動装置を提供する。
【解決手段】モータ駆動装置100は、バッテリモジュールと、変換回路120と、を含む。変換回路は、駆動モードにおいてモータを駆動し、充電モードにおいてバッテリモジュールを充電する。変換回路は、判定回路と、コントローラと、第1相上アームスイッチ回路SW1と、を含む。パワースイッチT1は、第1端子がバッテリモジュールのプラス電源端子に結合され、第2端子が第1相ノードNDUに結合され、制御端子がコントローラに結合される。トランジスタM1は、第1端子がプラス電源端子に結合され、第2端子が第1相ノードに結合され、制御端子がコントローラに結合される。コントローラは、充電モードにおいて、第1相ノードでの第1相電圧値がプラス電源端子でのバッテリ電圧値よりも大きいとき、第1トランジスタを導通するよう通知する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
モータを駆動するために用いるモータ駆動装置であって、
バッテリ電力を蓄えるよう構成されたバッテリモジュールと、
前記モータと前記バッテリモジュールとに結合され、駆動モードにおいて前記バッテリ電力を用いて前記モータを駆動し、充電モードにおいて、前記モータが生成するモータ電力を用いて前記バッテリモジュールを充電するよう構成された、変換回路と
を含み、
前記変換回路は、
判定回路と
前記判定回路に結合されたコントローラと、
第1パワースイッチと、
第1トランジスタと
を含み、
前記第1パワースイッチの第1端子は前記バッテリモジュールのプラス電源端子に結合され、前記第1パワースイッチの第2端子は第1相ノードに結合され、前記第1パワースイッチの制御端子は前記コントローラに結合され、
前記第1トランジスタの第1端子は前記プラス電源端子に結合され、前記第1トランジスタの第2端子は前記第1相ノードに結合され、前記第1トランジスタの制御端子は前記コントローラに結合される、
第1相上アームスイッチ回路と、
を含み、
前記充電モードにおいて、前記コントローラは前記第1パワースイッチと前記第1トランジスタを遮断し、前記判定回路は前記第1相ノードでの第1相電圧値を判定し、前記第1相電圧値が前記プラス電源端子でのバッテリ電圧値よりも大きいとき、前記判定回路は前記コントローラに前記第1トランジスタを導通させるよう通知する、
モータ駆動装置。
【請求項2】
前記変換回路は、
第2パワースイッチと、
第2トランジスタと
を含み、
前記第2パワースイッチの第1端子は前記第1相ノードに結合され、前記第2パワースイッチの第2端子は前記バッテリモジュールのマイナス電源端子に結合され、前記第2パワースイッチの制御端子が前記コントローラに結合され、
前記第2トランジスタの第1端子は前記第1相ノードに結合され、前記第2トランジスタの第2端子は前記マイナス電源端子に結合され、前記第2トランジスタの制御端子は前記コントローラに結合される、
第1下アームスイッチ回路
を更に含む、
請求項1に記載のモータ駆動装置。
【請求項3】
前記充電モードにおいて、
前記コントローラは前記第2パワースイッチと前記第2トランジスタを遮断し、
前記第1相電圧値が基準低電圧値未満であるとき、前記判定回路は前記コントローラに前記第2トランジスタを導通させるよう通知する、
請求項2に記載のモータ駆動装置。
【請求項4】
前記充電モードにおいて、
前記判定回路は前記第1相ノードを流れる第1相電流を判定し、
前記第1相電流が前記第1パワースイッチのダイオードを経由して前記プラス電源端子へと流れているとき、前記判定回路は前記コントローラに前記第1トランジスタを導通させるよう通知する、
請求項3に記載のモータ駆動装置。
【請求項5】
前記充電モードにおいて、
前記第1相電流が前記第2パワースイッチのダイオードを経由して前記第1相ノードへと流れているとき、前記判定回路は前記コントローラに前記第2トランジスタを導通させるよう通知する、
請求項4に記載のモータ駆動装置。
【請求項6】
前記充電モードにおいて、
前記第1トランジスタが導通されたとき、前記判定回路は前記第1相ノードを流れる第1相電流を判定し、
前記第1相電流が前記プラス電源端子から前記第1相ノードへと流れているとき、前記判定回路は前記コントローラに前記第1トランジスタを遮断するよう通知する、
請求項3に記載のモータ駆動装置。
【請求項7】
前記充電モードにおいて、
前記第2トランジスタが導通されたとき、前記判定回路は前記第1相電流を判定し、
前記第1相電流が前記第1相ノードから前記マイナス電源端子へと流れているとき、前記判定回路は前記コントローラに前記第2トランジスタを遮断するよう通知する、
請求項6に記載のモータ駆動装置。
【請求項8】
前記充電モードにおいて、
前記第1トランジスタが導通されたとき、前記判定回路は前記第1相電圧値を判定し、
前記第1相電圧値が前記バッテリ電圧値に等しいとき、前記判定回路は第1導通時間長に基づいて前記コントローラに前記第1トランジスタを遮断するよう通知し、前記第1トランジスタが遮断された状況において前記第1相電圧値を判定する、
請求項3に記載のモータ駆動装置。
【請求項9】
前記充電モードにおいて、
前記第2トランジスタが導通されたとき、前記判定回路は前記第1相電圧値を判定し、
前記第1相電圧値が前記基準低電圧値に等しいとき、前記判定回路は第2導通時間長に基づいて前記コントローラに前記第2トランジスタを遮断するよう通知し、前記第2トランジスタが遮断された状況において前記第1相電圧値を判定する、
請求項3に記載のモータ駆動装置。
【請求項10】
前記判定回路は、
前記第1相ノードに結合され、前記第1相電圧値と基準低電圧値とに基づき第1検出値を生成し、前記第1相電圧値と設定電圧値とに基づき第2検出値を生成するよう構成された、第1相電圧検出回路と、
前記プラス電源端子に結合され、前記設定電圧値を第1基準値に変換し、前記バッテリ電圧値を第2基準値に変換するよう構成された、基準回路と、
前記第1相電圧検出回路と前記基準回路とに結合され、
前記第1相電圧値が負の電圧値であるとき、前記第1検出値と前記第1基準値との間の第1比較結果に基づいて前記コントローラに通知し、
前記第1相電圧値が正の電圧値であるとき、前記第2検出値と前記第2基準値との間の第2比較結果に基づいて前記コントローラに通知する
よう構成された、
比較回路と
を更に含む、
請求項1に記載のモータ駆動装置。
【請求項11】
前記第1相電圧検出回路は、
第1検出抵抗器と、
第2検出抵抗器と、
第1検出ダイオードと
を含み、
前記第1検出抵抗器の第1端子は前記設定電圧値を受け取り、前記第1検出抵抗器の第2端子は前記第1検出値を出力するために用いられ、
前記第2検出抵抗器の第1端子は前記第1検出抵抗器の第2端子に結合され、
前記第1検出ダイオードのアノードは前記第2検出抵抗器の第2端子に結合され、前記第1検出ダイオードのカソードは前記第1相電圧値を受け取る、
請求項10に記載のモータ駆動装置。
【請求項12】
前記基準回路は、
第1基準抵抗器と、
第2基準抵抗器と、
第1基準ダイオードと
を含み、
前記第1基準抵抗器の第1端子は前記設定電圧値を受け取り、前記第1基準抵抗器の第2端子は前記第1基準値を出力するために用いられ、
前記第2基準抵抗器の第1端子は前記第1基準抵抗器の第2端子に結合され、
前記第1基準ダイオードのアノードは前記第2基準抵抗器の第2端子に結合され、前記第1基準ダイオードのカソードは前記基準低電圧値に結合される、
請求項11に記載のモータ駆動装置。
【請求項13】
前記第1基準ダイオードの順方向バイアス値は前記第1検出ダイオードの順方向バイアス値に等しい、
請求項12に記載のモータ駆動装置。
【請求項14】
前記第1相電圧検出回路は、
第2検出ダイオードと、
第3検出抵抗器と、
第4検出抵抗器と
を更に含み、
前記第2検出ダイオードのアノードは前記第1相電圧値を受け取り、
前記第3検出抵抗器の第1端子は前記第2検出ダイオードのカソードに結合され、前記第3検出抵抗器の第2端子は前記第2検出値を出力するために用いられ、
前記第4検出抵抗器は前記第3検出抵抗器の第2端子と前記基準低電圧値との間に結合される、
請求項12に記載のモータ駆動装置。
【請求項15】
前記基準回路は、
第2基準ダイオードと、
第3基準抵抗器と、
第4基準抵抗器と
を更に含み、
前記第2基準ダイオードのアノードは前記バッテリ電圧値を受け取り、
前記第3基準抵抗器の第1端子は前記第2基準ダイオードのカソードに結合され、前記第3基準抵抗器の第2端子は前記第2基準値を出力するために用いられ、
前記第4基準抵抗器は前記第3基準抵抗器の第2端子と前記基準低電圧値との間に結合される、
請求項14に記載のモータ駆動装置。
【請求項16】
前記バッテリモジュールはアルミニウムイオン電池により実施される、
請求項1に記載のモータ駆動装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は駆動装置に関するものであり、特にモータを駆動するモータ駆動装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
図1は既存のモータ駆動装置の概略図である。モータ駆動装置10は、バッテリモジュール11と変換回路12とを含む。変換回路12はバッテリモジュール11に蓄えられた電力を用いてモータMTRを駆動する。変換回路12はモータMTRが生成した電力を用いてバッテリモジュール11を充電することができる。変換回路12は、上アームパワースイッチT1、T3、T5と、下アームパワースイッチT2、T4、T6と、ダイオードD1~D6とを含む。
【0003】
バッテリモジュール11を充電するとき、変換回路12の上アームパワースイッチT1、T3、T5と下アームパワースイッチT2、T4、T6はいずれも遮断される。ダイオードD1~D6は、モータMTRが生成した電力に全波整流動作を行うために用いられる。上アームパワースイッチT1を例とすると、上アームパワースイッチT1は第1相ノードNDUとバッテリモジュール11のプラス電源端子との間に結合される。バッテリモジュール11を充電するとき、上アームパワースイッチT1は遮断される。第1相ノードNDUでの第1相電圧値VUからバッテリ電圧値VPを減算した電圧差値がダイオードD1の順方向バイアス値よりも大きいとき、ダイオードD1は導通される。このため、変換回路12は第1相電圧値VUを用いてバッテリモジュール11を充電する。以下に下アームパワースイッチT2を例とすると、下アームパワースイッチT2は第1相ノードNDUとバッテリモジュール11のマイナス電源端子との間に結合される。基準低電圧値VPから第1相電圧値VUを減算した電圧差値がダイオードD2の順方向バイアス値未満であるとき、ダイオードD2は導通される。
【0004】
なお、バッテリモジュール11を充電するとき、モータMTRが生成した電力に全波整流動作を行う過程において、変換回路12は電圧降下損失を生む可能性がある。電圧降下損失は、ダイオードD1~D6の順方向バイアス値により発生する。例を挙げると、ダイオードD1~D6の順方向バイアス値は0.7~1ボルトである。全波整流動作の各相の電圧降下損失は1.4~2ボルトである。変換回路12の電圧降下損失は、バッテリモジュール11の充電効率を低減させる可能性がある。ここから分かるように、電圧降下損失を低減することが必須である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、モータを駆動するために用いられるモータ駆動装置を提供する。該モータ駆動装置は電圧降下損失が低い。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のモータ駆動装置はモータを駆動するために用いられる。モータ駆動装置は、バッテリモジュールと、変換回路とを含む。バッテリモジュールはバッテリ電力を蓄える。変換回路はモータとバッテリモジュールとに結合される。変換回路は駆動モードにおいてバッテリ電力を用いてモータを駆動し、充電モードにおいてモータが生成したモータ電力を用いてバッテリモジュールを充電する。変換回路は、判定回路と、コントローラと、第1相上アームスイッチ回路とを含む。第1相上アームスイッチ回路は、第1パワースイッチと、第1トランジスタとを含む。第1パワースイッチの第1端子はバッテリモジュールのプラス電源端子に結合される。第1パワースイッチの第2端子は第1相ノードに結合される。第1パワースイッチの制御端子はコントローラに結合される。第1トランジスタの第1端子はプラス電源端子に結合される。第1トランジスタの第2端子は第1相ノードに結合される。第1トランジスタの制御端子はコントローラに結合される。充電モードにおいて、コントローラは第1パワースイッチと第1トランジスタを遮断する。充電モードにおいて、判定回路は第1相ノードでの第1相電圧値を判定する。第1相電圧値がプラス電源端子でのバッテリ電圧値よりも大きいとき、判定回路はコントローラに第1トランジスタを導通するよう通知する。
【発明の効果】
【0007】
上記に基づき、第1相上アームスイッチ回路は、第1パワースイッチと、第1トランジスタとを含む。第1トランジスタの第1端子はプラス電源端子に結合される。第1トランジスタの第2端子は第1相ノードに結合される。充電モードにおいて、第1相電圧値がプラス電源端子でのバッテリ電圧値よりも大きいとき、第1トランジスタは導通される。第1トランジスタが導通されたとき、第1トランジスタの第1端子と第1トランジスタの第2端子との間の電圧差値は明らかに第1パワースイッチ中のダイオードの順方向バイアス値よりも低い。このようにして、充電モードにおいて、変換回路の電圧降下損失を低減させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】既存のモータ駆動装置の概略図である。
図2】本発明の1つの実施形態に基づき図示したモータ駆動装置の概略図である。
図3】本発明の1つの実施形態に基づき図示した動作図である。
図4】本発明の1つの実施形態に基づき図示した動作図である。
図5】本発明の1つの実施形態に基づき図示した判定回路の概略図である。
図6】本発明の1つの実施形態に基づき図示した基準回路の回路図である。
図7】本発明の1つの実施形態に基づき図示した第1相電圧検出回路の回路図である。
図8】本発明の1つの実施形態に基づき図示した第2相電圧検出回路の回路図である。
図9】本発明の1つの実施形態に基づき図示した第3相電圧検出回路の回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本発明の実施形態の一部を図面を参照して詳細に説明する。以下の記述で引用する部材符号について、異なる図に出現する同一の部材符号は同一又は類似の部材であると見なされる。これら実施形態は本発明の一部にすぎず、本発明の全ての潜在的な実施方式を開示するものではない。更に正確に述べると、これら実施形態は本発明の特許範囲内の実施例にすぎない。
【0010】
図2を参照し、図2は本発明の1つの実施形態に基づき図示したモータ駆動装置の概略図である。本実施形態において、モータ駆動装置100はモータMTRを駆動するために用いられる。モータ駆動装置100は、バッテリモジュール110と、変換回路120とを含む。バッテリモジュール110はバッテリ電力PBを蓄える。変換回路120はモータMTRとバッテリモジュール110に結合される。変換回路120は、駆動モードにおいてバッテリモジュール110のバッテリ電力PBを用いてモータMTRを駆動することでモータMTRを動作させる。変換回路120は、充電モードにおいてモータMTRが生成するモータ電力PMを用いてバッテリモジュール110を充電する。モータMTRは移動車両に用いられる制動装置であってよい。移動車両は、電動アシスト歩行器、電動自転車、電気自動車、又はエレベータであってよい。
【0011】
本実施形態において、変換回路120は、判定回路121と、コントローラ122と、スイッチ回路SW1~SW6とを含む。スイッチ回路SW1は第1相上アームスイッチ回路であってよい。スイッチ回路SW2は第1相下アームスイッチ回路であってよい。スイッチ回路SW3は第2相上アームスイッチ回路であってよい。スイッチ回路SW4は第2相下アームスイッチ回路であってよい。スイッチ回路SW5は第3相上アームスイッチ回路であってよい。スイッチ回路SW6は第3相下アームスイッチ回路であってよい。
【0012】
スイッチ回路SW1は、パワースイッチT1と、トランジスタM1とを含む。パワースイッチT1の第1端子はバッテリモジュール110のプラス電源端子TPに結合される。パワースイッチT1の第2端子は第1相ノードNDUに結合される。パワースイッチT1の制御端子はコントローラ122に結合される。トランジスタM1の第1端子はプラス電源端子TPに結合される。トランジスタM1の第2端子は第1相ノードNDUに結合される。トランジスタM1の制御端子はコントローラ122に結合される。コントローラ122は、制御信号ST1を用いてパワースイッチT1を制御する。コントローラ122は、制御信号SM1を用いてトランジスタM1を制御する。
【0013】
充電モードにおいて。コントローラ122は先ず、パワースイッチT1とトランジスタM1を遮断する。また、充電モードにおいて、判定回路121は第1相ノードNDUでの第1相電圧値VUを判定する。第1相電圧値VUがプラス電源端子TPでのバッテリ電圧値VPよりも大きいとき、判定回路121はコントローラ121にトランジスタM1を導通するよう通知する。
【0014】
また、スイッチ回路SW1はダイオードD1を更に含む。ダイオードD1は、充電モードにおいて整流動作を行うために用いられる。
【0015】
ここで言及すべき点として、充電モードにおいて、第1相電圧値VUがバッテリ電圧値VPよりも大きいとき、トランジスタM1は導通される。トランジスタM1が導通されたとき、トランジスタM1の第1端子とトランジスタM1の第2端子との間の電圧差値は明らかにスイッチ回路SW1中のダイオードD1の順方向バイアス値よりも低い。このようにして、充電モードにおいて、変換回路120の電圧降下損失を低減させることができる。バッテリモジュール110の充電効率を向上させることができる。
【0016】
本実施形態において、判定回路121は第1相ノードNDUとプラス電源端子TPに結合されることにより、充電モードにおいて第1相電圧値VUとバッテリ電圧値VPを受け取る。パワースイッチT1とトランジスタM1がいずれも遮断された状況において、判定回路121は第1相電圧値VUとバッテリ電圧値VPを比較する。第1相電圧値VUがバッテリ電圧値VPよりも大きいとき、判定回路121は通知信号SNを提供する。コントローラ122は、通知信号SNに応じてトランジスタM1を導通させ、第1相電圧値VUを用いてバッテリモジュール110を充電する。パワースイッチT1とトランジスタM1がいずれも遮断された状況において、第1相電圧値VUがバッテリ電圧値VP未満であるとき、トランジスタM1は遮断に維持される。
【0017】
スイッチ回路SW2は、パワースイッチT2と、トランジスタM2とを含む。パワースイッチT2の第1端子は第1相ノードNDUに結合される。パワースイッチT2の第2端子はバッテリモジュール110のマイナス電源端子TNに結合される。パワースイッチT2の制御端子はコントローラ122に結合される。トランジスタM2の第1端子は第1相ノードNDUに結合される。トランジスタM2の第2端子はマイナス電源端子TNに結合される。トランジスタM2の制御端子はコントローラ122に結合される。コントローラ122は、制御信号ST2を用いてパワースイッチT2を制御する。コントローラ122は、制御信号SM2を用いてトランジスタM2を制御する。
【0018】
充電モードにおいて、コントローラ122はパワースイッチT2とトランジスタM2を遮断する。第1相電圧値VUが基準低電圧値VSS未満であるとき、判定回路121はコントローラ122にトランジスタM2を導通するよう通知する。
【0019】
本実施形態において、判定回路121は更にマイナス電源端子TNに結合されることにより、充電モードにおいて基準低電圧値VSSを受け取る。パワースイッチT2とトランジスタM2がいずれも遮断された状況において、判定回路121は第1相電圧値VUと基準低電圧値VSSとを比較する。第1相電圧値VUが基準低電圧値VSS未満であるとき、判定回路121は通知信号SNを提供する。コントローラ122は、通知信号SNに応じてトランジスタM2を導通させる。一方、パワースイッチT2とトランジスタM2がいずれも遮断された状況において、第1相電圧値VUが基準低電圧値VSSよりも大きいとき、トランジスタM2は遮断に維持される。
【0020】
スイッチ回路SW3は、パワースイッチT3と、トランジスタM3とを含む。パワースイッチT3の第1端子はバッテリモジュール110のプラス電源端子TPに結合される。パワースイッチT2の第2端子は第2相ノードNDVに結合される。パワースイッチT3の制御端子はコントローラ122に結合される。トランジスタM3の第1端子はプラス電源端子TPに結合される。トランジスタM3の第2端子は第2相ノードNDVに結合される。トランジスタM3の制御端子はコントローラ122に結合される。コントローラ122は、制御信号ST3を用いてパワースイッチT3を制御する。コントローラ122は、制御信号SM3を用いてトランジスタM3を制御する。スイッチ回路SW4は、パワースイッチT4と、トランジスタM4とを含む。パワースイッチT4の第1端子は第2相ノードNDVに結合される。パワースイッチT4の第2端子はバッテリモジュール110のマイナス電源端子TNに結合される。パワースイッチT4の制御端子はコントローラ122に結合される。トランジスタM4の第1端子は第2相ノードNDVに結合される。トランジスタM4の第2端子はマイナス電源端子TNに結合される。トランジスタM4の制御端子はコントローラ122に結合される。コントローラ122は、制御信号ST2を用いてパワースイッチT4を制御する。コントローラ122は、制御信号SM4を用いてトランジスタM4を制御する。
【0021】
充電モードにおいて、コントローラ122は先ずパワースイッチT3、T4とトランジスタM3、M4を遮断する。判定回路121は。第2相ノードNDVでの第2相電圧値VVを判定する。第2相電圧値VVがバッテリ電圧値VPよりも大きいとき、判定回路121はコントローラ122にトランジスタM3を導通するよう通知する。第2相電圧値VVがバッテリ電圧値VP未満であるとき、判定回路121はコントローラ122にトランジスタM4を導通するよう通知する。
【0022】
スイッチ回路SW5は、パワースイッチT5と、トランジスタM5とを含む。パワースイッチT5の第1端子はバッテリモジュール110のプラス電源端子TPに結合される。パワースイッチT5の第2端子は第3相ノードNDWに結合される。パワースイッチT5の制御端子はコントローラ122に結合される。トランジスタM5の第1端子はプラス電源端子TPに結合される。トランジスタM5の第2端子は第3相ノードNDWに結合される。トランジスタM5の制御端子はコントローラ122に結合される。コントローラ122は、制御信号ST5を用いてパワースイッチT5を制御する。コントローラ122は、制御信号SM5を用いてトランジスタM5を制御する。スイッチ回路SW6は、パワースイッチT6と、トランジスタM6とを含む。パワースイッチT6の第1端子は第3相ノードNDWに結合される。パワースイッチT6の第2端子はバッテリモジュール110のマイナス電源端子TNに結合される。パワースイッチT6の制御端子はコントローラ122に結合される。トランジスタM6の第1端子は第3相ノードNDWに結合される。トランジスタM6の第2端子はマイナス電源端子TNに結合される。トランジスタM6の制御端子はコントローラ122に結合される。コントローラ122は、制御信号ST6を用いてパワースイッチT6を制御する。コントローラ122は、制御信号SM6を用いてトランジスタM4を制御する。
【0023】
充電モードにおいて、コントローラ122は先ずパワースイッチT5、T6とトランジスタM5、M6を遮断する。判定回路121は、第3相ノードNDWでの第3相電圧値VWを判定する。第3相電圧値VWがバッテリ電圧値VPよりも大きいとき、判定回路121はコントローラ122にトランジスタM5を導通するよう通知する。第3相電圧値VWがバッテリ電圧値VP未満であるとき、判定回路121はコントローラ122にトランジスタM6を導通するよう通知する。
【0024】
本実施形態において、スイッチ回路SW2はダイオードD2を更に含む。スイッチ回路SW3はダイオードD3を更に含む。同様に、スイッチ回路SW6はダイオードD6を含むことを推知することができる。ダイオードD2~D6は、充電モードにおいて整流動作を行うために用いられる。
【0025】
上記に基づき、充電モードにおいて、判定回路121は、第1相電圧値VU、第2相電圧値VV、及び第3相電圧値VWを検出することにより、トランジスタM1~M6を導通させるか否かを判定する。
【0026】
本実施形態において、パワースイッチT1~T6はそれぞれ、例えば絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ(Insulated Gate Bipolar Transistor、IGBT)により実施される。トランジスタM1~M6はそれぞれ、例えば金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ(Metal-Oxide-Semiconductor Field-Effect Transistor、MOSFET)により実施される。ただし、本発明は本実施形態のパワースイッチT1~T6とトランジスタM1~M6の様態を限定しない。パワースイッチT1~T6とトランジスタM1~M6は任意の適した形態のトランジスタにより実施されてよい。
【0027】
充電モードにおいて、判定回路121は更に、第1相ノードNDUを流れる第1相電流IU、第2相ノードNDVを流れる第2相電流IV、及び第3相ノードNDWを流れる第3相電流IWを検出することにより、トランジスタM1~M6を導通させるか否かを判定することができる。
【0028】
ここで第1相電流IUを例とすると、充電モードにおいて、判定回路121は第1相電流IUの方向を検出する。第1相電流IUが第1パワースイッチT1のダイオードD1を経由してプラス電源端子TPへ流れているとき、判定回路121はコントローラ122にトランジスタM1を導通するよう通知する。第1相電流IUが第2パワースイッチT2のダイオードD2を経由して第1相ノードNDUへ流れているとき、判定回路121はコントローラ122にトランジスタM2を導通するよう通知する。
【0029】
本実施形態において、変換回路120は充電モードにおいて上記に類似の動作を用いてトランジスタM3~M6を導通させるか判定してよく、故にここでは繰り返し述べない。
【0030】
充電モードにおいて、判定回路121は更に第1相電流IU、第2相電流IV、及び第3相電流IWを検出することより、トランジスタM1~M6のうちの既に導通されたトランジスタを遮断するか否かを判定することができる。
【0031】
ここで第1相電流IUを例とすると、充電モードにおいて、トランジスタM1が導通されているとき、判定回路121は第1相電流IUを判定してよい。第1相電流IUがプラス電源端子TPから第1相ノードNDUへと流れているとき、判定回路121は第1相電流IUをモータMTRへ還流させるよう判定する。このため、モータMTR又はトランジスタM1が焼損することを防止するため、判定回路121はコントローラ122にトランジスタM1を遮断するよう通知する。トランジスタM2が導通されているとき、判定回路121は第1相電流IUを判定する。第1相電流IUが第1相ノードNDUからマイナス電源端子TNへと流れているとき、判定回路121は第1相電流IUを基準低電圧値VSSへと流すよう判定する。このため、トランジスタM2が焼損することを防止するため、判定回路121はコントローラ122にトランジスタM2を遮断するよう通知する。
【0032】
本実施形態において、変換回路120は充電モードにおいて上記に類似の動作を用いてトランジスタM3~M6のうちの既に導通されたトランジスタを遮断するか判定してよく、故にここでは繰り返し述べない。
【0033】
充電モードにおいて、判定回路121は更に、第1相電圧値VU、第2相電圧値VV、及び第3相電圧値VWを検出することにより、トランジスタM1~M6のうちの既に導通されたトランジスタを遮断するか否かを判定することができる。
【0034】
ここで第1相電圧値VUを例とすると、充電モードにおいて、判定回路121は第1相電圧値VUを判定する。第1相電圧値VUがバッテリ電圧値VPと概ね等しいとき、判定回路121は第1導通時間長TL1に基づいてコントローラ122にトランジスタM1を遮断するよう通知する。このため、判定回路121はトランジスタM1が遮断された状況において第1相電圧値VUを判定する。
【0035】
例を挙げて説明すると、図2図3を同時に参照し、図3は本発明の1つの実施形態に基づき図示した動作図である。図3は、充電モードにおける制御信号SM1、バッテリ電圧値VP、及び第1相電圧値VUのシーケンス図を示している。第1相電圧値VUがバッテリ電圧値VP未満であるとき、制御信号SM1は低電圧値を有する。このため、トランジスタM1は遮断される。時点tp1で、第1相電圧値VUがバッテリ電圧値VPよりも大きいとき、制御信号SM1は低電圧値から高電圧値へ変換される。このため、トランジスタM1は導通される。第1相電圧値VUがバッテリ電圧値VPと概ね等しい。第1導通時間長TL1の後、制御信号SM1は時点tp2で高電圧値から低電圧値へと変換される。トランジスタM1は遮断される。このため、判定回路121はトランジスタM1が遮断された状況において第1相電圧値VUとバッテリ電圧値VPを比較することができる。第1相電圧値VUがバッテリ電圧値VPよりも大きいとき、トランジスタM1は時点tp3で導通される。続いて、時点tp4でトランジスタM1は遮断される。判定回路121は第1相電圧値VUとバッテリ電圧値VPを比較し、以下同様である。トランジスタM1が遮断された状況において、第1相電圧値VUが時点tp5でバッテリ電圧値VP未満であるとき、トランジスタM1は遮断される。本実施形態において、第1導通時間長TL1は設定されてよい。
【0036】
図2の実施形態に戻り、充電モードにおいて、トランジスタM2が導通されているとき、判定回路121は第1相電圧値VUを判定する。第1相電圧値VUが基準低電圧値VSSと概ね等しいとき、判定回路121は第2導通時間長TL2に基づいてコントローラ122にトランジスタM1を遮断するよう通知する。このため、判定回路121はトランジスタM2が遮断された状況において第1相電圧値VUを判定する。
【0037】
例を挙げて説明すると、図2図4を同時に参照し、図4は本発明の1つの実施形態に基づき図示した動作図である。図4は、充電モードにおける、制御信号SM2、基準低電圧値VSS、及び第1相電圧値VUのシーケンス図を示している。第1相電圧値VUが基準低電圧値VSSよりも大きいとき、制御信号SM1は低電圧値を有する。このため、トランジスタM2は遮断される。時点tp1で、第1相電圧値VUが基準低電圧値VSSよりも低いとき、制御信号SM2は低電圧値から高電圧値へ変換される。このため、トランジスタM2は導通される。第1相電圧値VUは基準低電圧値VSSに概ね等しい。第2導通時間長TL2の後、制御信号SM2は時点tp2で高電圧値から低電圧値へ変換される。トランジスタM2は遮断される。このため、判定回路121はトランジスタM2が遮断された状況において第1相電圧値VUと基準低電圧値VSSを比較することができる。第1相電圧値VUがバッテリ電圧値VP未満であるとき、トランジスタM2は時点tp3で導通される。続いて、時点tp4で、トランジスタM2は遮断される。判定回路121は、第1相電圧値VUと基準低電圧値VSSを比較し、以下同様である。トランジスタM2が遮断された状況において、第1相電圧値VUが時点tp5で基準低電圧値VSSよりも大きいとき、トランジスタM2は遮断される。本実施形態において、第2導通時間長TL2は設定されてよい。
【0038】
本実施形態において、変換回路120は充電モードにおいて上記に類似の動作を用いてトランジスタM3~M6のうちの既に導通されたトランジスタを遮断するよう判定してよく、故にここでは繰り返し述べない。
【0039】
本実施形態において、バッテリモジュール110はアルミニウムイオン電池により実施される。アルミニウムイオン電池は高い充放電率(Cレート)を有する。このため、バッテリモジュール110は急速充電の利点を達成することができる。
【0040】
以下に、例を挙げて判定回路121の実施方式を説明する。
【0041】
図2図5を同時に参照し、図5は本発明の1つの実施形態に基づき図示した判定回路の概略図である。本実施形態において、判定回路121は、基準回路1211と、第1相電圧検出回路1212_U、第2相電圧検出回路1212_V、第3相電圧検出回路1212_Wと、比較回路1213とを含む。
【0042】
本実施形態において、基準回路1211はプラス電源端子TPに結合される。基準回路1211は、設定電圧値VCCとバッテリ電圧値VPとを受け取る。基準回路1211は、設定電圧値VCCを基準値VRNに変換する。また、基準回路1211はバッテリ電圧値VPを基準値VRPに変換する。
【0043】
本実施形態において、第1相電圧検出回路1212_Uは第1相ノードNDUに結合される。第1相電圧検出回路1212_Uは、第1相電圧値VUを受け取る。第1相電圧検出回路1212_Uは、第1相電圧値VUと基準低電圧値VSSとに基づき、検出値VUNを生成する。また、第1相電圧検出回路1212_Uは、第1相電圧値VUと設定電圧値VCCとに基づき、検出値VUPを生成する。
【0044】
本実施形態において、比較回路1213は、第1相電圧検出回路1212_Uと基準回路1211とに結合される。第1相電圧値VUが負の電圧値であるとき、比較回路1213は、検出値VUNと基準値VRNとの間の第1比較結果に基づいてコントローラ122に通知する。また、第1相電圧値VUが正の電圧値であるとき、検出値VUPと基準値VRPとの間の比較結果に基づいてコントローラ122に通知する。なお、第1相電圧値VUは交流電気信号である。比較回路1213は、第1相電圧値VUに基づき、第1比較結果と第2比較結果のうちの1つを提供することにより対応する通知信号を提供することができる。判定回路121は、第1相電圧値VUの正の値と負の値のためにエラーが発生したと判定することはない。
【0045】
本実施形態において、第2相電圧検出回路1212_Vは第2相ノードNDVに結合される。第2相電圧検出回路1212_Vは、第2相電圧値VVを受け取る。第2相電圧検出回路1212_Vは、第2相電圧値VVと基準低電圧値VSSとに基づき、検出値VVNを生成する。また、第2相電圧検出回路1212_Vは、第2相電圧値VVと設定電圧値VCCとに基づき、検出値VVPを生成する。本実施形態において、比較回路1213は第2相電圧検出回路1212_Vに更に結合される。第2相電圧値VVが負の電圧値であるとき、比較回路1213は、検出値VVNと基準値VRNとの間の第1比較結果に基づいてコントローラ122に通知する。また、第2相電圧値VVが正の電圧値であるとき、検出値VVPと基準値VRPとの間の第2比較結果に基づいてコントローラ122に通知する。
【0046】
本実施形態において、第3相電圧検出回路1212_Wは第3相ノードNDWに結合される。第3相電圧検出回路1212_Wは、第3相電圧値VWを受け取る。第3相電圧検出回路1212_Wは、第3相電圧値VWと基準低電圧値VSSとに基づき、検出値VWNを生成する。また、第3相電圧検出回路1212_Wは、第3相電圧値VWと設定電圧値VCCとに基づき、検出値VWPを生成する。本実施形態において、比較回路1213は第3相電圧検出回路1212_Wに更に結合される。第3相電圧値VWが負の電圧値であるとき、比較回路1213は、検出値VWNと基準値VRNとの間の第1比較結果に基づいてコントローラ122に通知する。また、第3相電圧値VWが正の電圧値であるとき、検出値VWPと基準値VRNとの間の第2比較結果に基づいてコントローラ122に通知する。
【0047】
図2図6図7を同時に参照し、図6は、本発明の1つの実施形態に基づき図示した基準回路の回路図である。図7は、本発明の1つの実施形態に基づき図示した第1相電圧検出回路の回路図である。基準回路1211は、基準抵抗器R1R、R2Rと、基準ダイオードD1Rとを含む。基準抵抗器R1Rの第1端子は設定電圧値VCCを受け取る。基準抵抗器R1Rの第2端子は、基準値VRNを出力するために用いられる。基準抵抗器R2Rの第1端子は、基準抵抗器R1Rの第2端子に結合される。基準ダイオードD1Rのアノードは、基準抵抗器R2Rの第2端子に結合される。基準ダイオードD1Rのカソードは、基準低電圧値VSSに結合される。本実施形態において、基準回路1211は、基準抵抗器R1Rの抵抗値、基準抵抗器R2Rの抵抗値、及び基準ダイオードD1Rの順方向バイアス値VD1Rに基づき、基準値VRNを生成する。基準値VRNは式(1)に示される。
【0048】
【数1】
【0049】
「RR1R」は基準抵抗器R1Rの抵抗値を表す。「RR2R」は基準抵抗器R2Rの抵抗値を表す。
【0050】
本実施形態において、第1相電圧検出回路1212_Uは、検出抵抗器R1U、R2Uと、検出ダイオードD1Uとを含む。検出抵抗器R1Uの第1端子は、設定電圧値VCCを受け取る。検出抵抗器R1Uの第2端子は、検出値VUNを出力するために用いられる。検出抵抗器R2Uの第1端子は、検出抵抗器R1Uの第2端子に結合される。検出ダイオードD1Uのアノードは、検出抵抗器R2Uの第2端子に結合される。検出ダイオードD1Uのカソードは、第1相電圧値VUを受け取る。設定電圧値VCCから第1相電圧値VUを減算した電圧差値が検出ダイオードD1Uの順方向バイアス値VD1Uよりも大きいとき、検出ダイオードD1Uは導通状態を呈する。このため、第1相電圧検出回路1212_Uは、検出抵抗器R1Uの抵抗値、検出抵抗器R2Uの抵抗値、及び検出ダイオードD1Uの順方向バイアス値VD1Uに基づき、検出値VUNを生成する。
【0051】
例を挙げると、設定電圧値VCCから第1相電圧値VUを減算した電圧差値が検出ダイオードD1Uの順方向バイアス値VD1Uよりも大きいとき、検出ダイオードD1Uは導通状態を呈する。このため、検出値VUNは式(2)で表される。
【0052】
【数2】
【0053】
「RR1U」は基準抵抗器R1Uの抵抗値を表す。「RR1U」は基準抵抗器R1Uの抵抗値を表す。
【0054】
本実施形態において、比較回路1213は、検出値VUNと基準値VRNとに基づき、第1比較結果を生成する。比較回路1213は、検出値VUNから基準値VRNを減算して電圧差値を生成する。例を挙げると、基準低電圧値VSSは0ボルトである。検出抵抗器R1Uの抵抗値は基準抵抗器R1Rの抵抗値に等しい。検出抵抗器R2Uの抵抗値は基準抵抗器R2Uの抵抗値に等しい。基準ダイオードD1Rの順方向バイアス値VD1Rは検出ダイオードD1Uの順方向バイアス値VD1Uに等しい。このため、差値は式(3)で表される。
【0055】
【数3】
【0056】
充電モードにおいて、上記差値が「0」より小さいとき、検出値VUNが基準値VRNよりも小さいことを表す。比較回路1213は、第1相電圧値VUは基準低電圧値VSS(即ち、0ボルト)よりも小さいと判定する。比較回路1213は、第1相電圧値VUが負の電圧値であることに対応する第1比較結果を生成し、第1比較結果を含む通知信号SNを提供する。このため、充電モードにおいて、トランジスタM2は導通される。一方、上記差値が「0」よりも大きいとき、トランジスタM2は導通されることがない。
【0057】
本実施形態において、基準回路1211は、基準抵抗器R3R、R4Rと、基準ダイオードD2Rとを更に含む。基準ダイオードD2Rのアノードは、バッテリ電圧値VPを受け取る。基準ダイオードD3Rの第1端子は、基準ダイオードD2Rのカソードに結合される。基準抵抗器R3Rの第2端子は、基準値VRPを出力するために用いられる。基準抵抗器R4Rは、基準抵抗器R3Rの第2端子と基準低電圧値VSSとの間に結合される。基準回路1211は、基準抵抗器R3Rの抵抗値、基準抵抗器R4Rの抵抗値、及び基準ダイオードD2Rの順方向バイアス値VD2Rに基づき、基準値VRPを生成する。例を挙げると、基準低電圧値VSSは0ボルトである。基準値VRPは式(4)で表される。
【0058】
【数4】
【0059】
「RR3R」は基準抵抗器R3Rの抵抗値を表す。「RR4R」は基準抵抗器R4Rの抵抗値を表す。
【0060】
本実施形態において、第1相電圧検出回路1212_Uは、検出抵抗器R3U、R4Uと、検出ダイオードD2Uとを更に含む。検出ダイオードD2Uのアノードは、第1相電圧値VUを受け取る。検出抵抗器R3Uの第1端子は、検出ダイオードD2Uのカソードに結合される。検出抵抗器R3Uの第2端子は、検出値VUPを出力するために用いられる。検出抵抗器R4Uは、検出抵抗器R3Uの第2端子と基準低電圧値VSSとの間に結合される。第1相電圧値VUから検出ダイオードD2Uのアノードでの電圧値を減算した電圧差値が検出ダイオードD1Uの順方向バイアス値VD2Uよりも大きいとき、検出ダイオードD2Uは導通状態を呈する。このため、第1相電圧検出回路1212_Uは、検出抵抗器R3Uの抵抗値、検出抵抗器R4Uの抵抗値、及び検出ダイオードD2Uの順方向バイアス値VD2Uに基づき、検出値VUPを生成する。
【0061】
例を挙げると、基準低電圧値VSSは0ボルトである。第1相電圧値VUから基準低電圧値VSSを減算した電圧差値が検出ダイオードD1Uの順方向バイアス値VD2Uよりも大きいとき、検出ダイオードD2Uは導通状態を呈する。このため、検出値VUPは式(5)で表される。
【0062】
【数5】
【0063】
「RR3U」は検出抵抗器R3Uの抵抗値を表す。「RR4U」は検出抵抗器R4Uの抵抗値を表す。
【0064】
本実施形態において、比較回路1213は、検出値VUPと基準値VRPとに基づき、第2比較結果を生成する。比較回路1213は、検出値VUPから基準値VRPを減算することで差値を生成する。検出抵抗器R3Uの抵抗値は、基準抵抗器R3Rの抵抗値に等しい。検出抵抗器R4Uの抵抗値は、基準抵抗器R4Rの抵抗値に等しい。基準ダイオードD2Rの順方向バイアス値VD2Rは、検出ダイオードD2Uの順方向バイアス値VD2Uに等しい。このため、差値は式(6)で表される。
【0065】
【数6】
【0066】
充電モードにおいて、上記差値が「0」よりも大きいとき、検出値VUPが基準値VRPよりも小さいことを表す。比較回路1213は、第1相電圧値VUがバッテリ電圧値VPよりも大きいと判定する。比較回路1213は、第1相電圧値VUがバッテリ電圧値VPよりも大きいことに対応する第2比較結果を生成し、第2比較結果を含む通知信号SNを提供する。このため、充電モードにおいて、トランジスタM1は導通される。一方、上記差値が「0」未満であるとき、トランジスタM1は導通されることがない。
【0067】
本実施形態において、基準抵抗器R1R~R4Rと検出抵抗器R1U~R4Uはそれぞれ、物理的な抵抗器、又はトランジスタで形成された等価抵抗器であってよい。
【0068】
図8は、本発明の1つの実施形態に基づき図示した第2相電圧検出回路の回路図である。本実施形態において、第2相電圧検出回路1212_Vは、検出抵抗器R1V、R2Vと、検出ダイオードD1Vとを含む。検出ダイオードD1Vの第1端子は、設定電圧値VCCを受け取る。検出抵抗器R1Vの第2端子は、検出値VVNを出力するために用いられる。検出抵抗器R2Vの第1端子は、検出抵抗器R1Vの第2端子に結合される。検出ダイオードD1Vのアノードは、検出抵抗器R2Vの第2端子に結合される。検出ダイオードD1Vのカソードは、第2相電圧値VVを受け取る。
【0069】
第2相電圧検出回路1212_Vは、検出抵抗器R3V、R4Vと、検出ダイオードD2Vとを更に含む。検出ダイオードD2Vのアノードは、第2相電圧値VVを受け取る。検出抵抗器R3Vの第1端子は、検出ダイオードD2Vのカソードに結合される。検出抵抗器R3Vの第2端子は、検出値VVPを出力するために用いられる。検出抵抗器R4Vは、検出抵抗器R3Vの第2端子と基準低電圧値VSSとの間に結合される。
【0070】
第2相電圧検出回路1212_Vの動作は図7に示した第1相電圧検出回路1212_Uの動作に類似しており、故にここでは繰り返し述べない。
【0071】
本実施形態において、検出抵抗器R1V~R4Vはそれぞれ、物理的な抵抗器、又はトランジスタで形成された等価抵抗器であってよい。
【0072】
図9は、本発明の1つの実施形態に基づき図示した第3相電圧検出回路の回路図である。本実施形態において、第3相電圧検出回路1212_Wは、検出抵抗器R1W、R2Wと、検出ダイオードD1Wとを含む。検出抵抗器R1Wの第1端子は、設定電圧値VCCを受け取る。検出抵抗器R1Wの第2端子は、検出値VWNを出力するために用いられる。検出抵抗器R2Wの第1端子は、検出抵抗器R1Wの第2端子に結合される。検出ダイオードD1Wのアノードは、検出抵抗器R2Wの第2端子に結合される。検出ダイオードD1Wのカソードは、第3相電圧値VWを受け取る。
【0073】
第3相電圧検出回路1212_Wは、検出抵抗器R3W、R4Wと、検出ダイオードD2Wとを更に含む。検出ダイオードD2Wのアノードは、第3相電圧値VWを受け取る。検出抵抗器R3Wの第1端子は、検出ダイオードD2Wのカソードに結合される。検出抵抗器R3Wの第2端子は、検出値VWPを出力するために用いられる。検出抵抗器R4Wは、検出抵抗器R3Wの第2端子と基準低電圧値VSSとの間に結合される。
【0074】
第3相電圧検出回路1212_Wの動作は図7に示した第1相電圧検出回路1212_Uの動作に類似しており、故にここでは繰り返し述べない。
【0075】
検出抵抗器R1W~R4Wはそれぞれ、物理的な抵抗器、又はトランジスタで形成された等価抵抗器であってよい。
【0076】
上記をまとめると、モータ駆動装置は、バッテリモジュールと、変換回路とを含む。変換回路は、判定回路と、コントローラと、複数のスイッチ回路とを含む。前記複数のスイッチ回路のうちの第1相上アームスイッチ回路は、パワースイッチと、トランジスタとを含む。充電モードにおいて、第1相電圧値がバッテリ電圧値よりも大きいとき、トランジスタは導通される。トランジスタが導通されたとき、トランジスタの第1端子とトランジスタの第2端子との間の電圧差値は、明らかにパワースイッチ中のダイオードの順方向バイアス値よりも低い。このようにして、充電モードにおいて、変換回路の電圧降下損失を低減させることができる。バッテリモジュールの充電効率を向上させることができる。
【0077】
本発明を実施形態にて上記のように開示したが、本願を限定するために用いられるものではなく、当業者であれば、本発明の精神と範囲から逸脱することなく、いくつかの改変と変更を加えることができることは明らかであり、故に本発明の保護範囲は添付の特許請求の範囲によって定義されるものに準ずる。
【産業上の利用可能性】
【0078】
本発明は、モータを駆動するために用いるモータ駆動装置を提供する。モータ駆動装置は、バッテリモジュールと、変換回路とを含む。充電モードにおいて、変換回路の電圧降下損失を低減させることができ、バッテリモジュールの充電効率を向上させることができる。
【符号の説明】
【0079】
10、100:モータ駆動装置
11、110:バッテリモジュール
12、120:変換回路
121:判定回路
1211:基準回路
1212_U:第1相電圧検出回路
1212_V:第2相電圧検出回路
1212_W:第3相電圧検出回路
1213:比較回路
122:コントローラ
D1~D6:ダイオード
D1R、D2R:基準ダイオード
D1U、D2U、D1V、D2V、D1W、D2W:検出ダイオード
IU:第1相電流
IV:第2相電流
IW:第3相電流
M1~M6:トランジスタ
MTR:モータ
NDU:第1相ノード
NDV:第2相ノード
NDW:第3相ノード
PB:バッテリ電力
PM:モータ電力
R1R、R2R、R3R、R4R:基準抵抗器
R1U、R2U、R3U、R4U、R1V、R2V、R3V、R4V、R1W、R2W、R3W、R4W:検出抵抗器
SM1~SM6、ST1~ST6:制御信号
SN:通知信号
SW1~SW6:スイッチ回路
T1~T6:パワースイッチ
TL1:第1導通時間長
TL2:第2導通時間長
TN:マイナス電源端子
TP:プラス電源端子
tp1~tp5:時点
VCC:設定電圧値
VD1R、VD2R、VD1U、VD2U、VD1V、VD2V、VD1W、VD2W:順方向バイアス値
VP:バッテリ電圧値
VSS:基準低電圧値
VRN、VRP:基準値
VU:第1相電圧値
VUN、VUP、VVN、VVP、VWN、VWP:検出値
VV:第2相電圧値
VW:第3相電圧値

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
【外国語明細書】