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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025010499
(43)【公開日】2025-01-21
(54)【発明の名称】肌性状の評価方法
(51)【国際特許分類】
   C12Q 1/06 20060101AFI20250110BHJP
   C12Q 1/6851 20180101ALI20250110BHJP
   A61Q 19/08 20060101ALI20250110BHJP
   A61K 8/9789 20170101ALI20250110BHJP
   A61P 17/00 20060101ALI20250110BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20250110BHJP
   A61K 36/82 20060101ALI20250110BHJP
   A61K 36/48 20060101ALI20250110BHJP
   A61K 36/77 20060101ALI20250110BHJP
   A61K 36/736 20060101ALI20250110BHJP
   A61K 8/9711 20170101ALI20250110BHJP
   A61K 36/03 20060101ALI20250110BHJP
   G01N 33/15 20060101ALI20250110BHJP
【FI】
C12Q1/06 ZNA
C12Q1/6851 Z
A61Q19/08
A61K8/9789
A61P17/00
A61P43/00 105
A61K36/82
A61K36/48
A61K36/77
A61K36/736
A61K8/9711
A61K36/03
G01N33/15 Z
C12Q1/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024100435
(22)【出願日】2024-06-21
(31)【優先権主張番号】P 2023112552
(32)【優先日】2023-07-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000001959
【氏名又は名称】株式会社 資生堂
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100117019
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 陽一
(74)【代理人】
【識別番号】100141977
【弁理士】
【氏名又は名称】中島 勝
(74)【代理人】
【識別番号】100138210
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 達則
(74)【代理人】
【識別番号】100166165
【弁理士】
【氏名又は名称】津田 英直
(72)【発明者】
【氏名】松浦 有宇子
(72)【発明者】
【氏名】上田 有紀
(72)【発明者】
【氏名】入山 俊介
【テーマコード(参考)】
4B063
4C083
4C088
【Fターム(参考)】
4B063QA01
4B063QA20
4B063QQ02
4B063QQ08
4B063QQ42
4B063QQ52
4B063QR08
4B063QR55
4B063QR62
4B063QS25
4B063QS32
4B063QX02
4C083AA111
4C083BB51
4C083CC03
4C083EE12
4C083EE13
4C088AA13
4C088AB12
4C088AB45
4C088AB52
4C088AB61
4C088AC04
4C088BA09
4C088BA10
4C088CA05
4C088CA06
4C088CA08
4C088MA63
4C088NA14
4C088ZA89
4C088ZC01
(57)【要約】
【課題】小じわの形成の予測を可能にする目元の肌性状を評価する方法を提供すること、さらにかかる評価方法に関わる機構に基づき、小じわの形成を予防し、肌理を整える化粧品の開発を目的とする。
【解決手段】弾性線維形成補助因子としてADAMTSL6を見出し、ADAMTSL6を指標とすることで、目元の肌性状を評価することが可能になる。また、ADAMTSL6を指標とした目元の肌性状改善剤のスクリーニング方法を提供し、併せて新規の肌性状改善剤を提供する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ADAMTSL6の遺伝子発現量又はタンパク質量を指標とした、肌性状の評価方法。
【請求項2】
前記評価に、将来の小じわ形成が予測される、請求項1に記載の評価方法。
【請求項3】
ADAMTSL6の遺伝子発現量又はタンパク質量を指標とした、肌性状改善剤のスクリーニング方法。
【請求項4】
候補成分を添加された培地で線維芽細胞を培養する工程、
候補成分添加培地で培養された培養物において、ADAMTSL6の遺伝子発現量又はタンパク質量を測定する工程、及び
測定された遺伝子発現量を対照と比較して、ADAMTSL6の遺伝子発現量又はタンパク質量が亢進された場合に、添加された候補成分を目元の肌性状改善剤として決定する工程、
を含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
対照が、候補成分未添加培地で培養された線維芽細胞培養物におけるADAMTSL6の遺伝子発現量又はタンパク質量から決定された閾値である、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記目元の肌性状改善剤が、ADAMTSL6発現促進剤、フィブリリン1線維形成促進剤、オキシタラン線維形成促進剤、小じわ改善剤、小じわ予防剤、及び肌理改善剤からなる群から選ばれる少なくとも1の剤として使用できる、請求項4に記載の方法。
【請求項7】
ツバキ種子エキス、大豆エキス、リュウガン種子エキス、シストセイラタマリシホリアエキス、及びモモ種子エキスからなる群から選ばれる少なくとも1のエキスを含む、ADAMTSL6遺伝子の発現促進剤。
【請求項8】
請求項7に記載のADAMTSL6遺伝子の発現促進剤を含む、ミクロフィブリル形成促進剤。
【請求項9】
請求項7に記載のADAMTSL6遺伝子の発現促進剤を含む、オキシタラン線維およびエラウニン線維の形成促進剤。
【請求項10】
請求項7に記載のADAMTSL6遺伝子の発現促進剤を含む、目元の肌性状改善剤。
【請求項11】
ツバキ種子エキス、大豆エキス、リュウガン種子エキス、シストセイラタマリシホリアエキス、及びモモ種子エキスからなる群から選ばれる少なくとも1のエキスを含む、ミクロフィブリル形成促進剤。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、弾性線維形成を促進するADAMTSL6を指標とした肌性状の評価方法、並びにADAMTSL6を指標とした肌性状の改善剤のスクリーニング方法に関する。さらにかかるスクリーニング方法により選択された成分の利用にも関する。
【背景技術】
【0002】
目元に形成される小じわは、ちりめんじわともよばれることがあり、皮膚の浅い層に形成されるしわである。小じわの原因として、水分保持機能の低下が挙げられ、乾燥、紫外線や加齢により、小じわの形成が促進される。また、小じわと肌理とは密接な関連があり(非特許文献1)、肌理が粗くなり、皮溝が深くなることにより小じわは形成する。皮膚表面の皮溝と皮丘により構成される網目状の模様を皮紋とよび、皮紋が細かく一様であると整った肌理とされる。肌理が整った角層では、水分保持機能が高くかつ柔らかく、小じわの発生が抑えられる。一方で、肌理が粗く大きくなり、そして皮溝が深くなることで小じわが形成される。肌理の形成には、真皮層における弾性線維がかかわっていることが示されている(特許文献1:特開2012-117827号公報)。特に表皮表面に対して垂直方向に存在する弾性線維は、表皮を裏打ちし、肌理の形成に直接かかわっていると考えられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2012-117827号公報
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】Skin Research and Technology 2015; 21: 184-191
【非特許文献2】JBC Vol.285, No. 7 pp.4870-4882
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明者らは、小じわの形成の予測を可能にする肌性状を評価する方法を提供すること、さらにかかる評価方法に関わる機構に基づき、小じわの形成を予防し、肌理を整える化粧品の開発を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、真皮において肌性状に関わる因子の解明を試みるにあたり、加齢に伴いその存在量が顕著に変化する因子に着目し、弾性線維の形成にかかわる因子を探索したところ、オキシタラン線維やエラウニン線維と強く共局在するADAMTSL6という因子を見出した。本発明者らの更なる研究により、ADAMTSL6が、皮膚における弾性線維の形成にかかわることが示され、弾性線維形成補助因子としてADAMTSL6を見出した。そこで、本発明は、以下に関する:
[1] ADAMTSL6の遺伝子発現量又はタンパク質量を指標とした、肌性状の評価方法。
[2] 前記評価に、将来の小じわ形成が予測される、項目1に記載の評価方法。
[3] ADAMTSL6の遺伝子発現量又はタンパク質量を指標とした、肌性状改善剤のスクリーニング方法。
[4] 候補成分を添加された培地で線維芽細胞を培養する工程、
候補成分添加培地で培養された培養物において、ADAMTSL6の遺伝子発現量又はタンパク質量を測定する工程、及び
測定された遺伝子発現量を対照と比較して、ADAMTSL6の遺伝子発現量又はタンパク質量が亢進された場合に、添加された候補成分を肌性状改善剤として決定する工程、
を含む、項目3に記載の方法。
[5] 対照が、候補成分未添加培地で培養された線維芽細胞培養物におけるADAMTSL6の遺伝子発現量又はタンパク質量から決定された閾値である、項目4に記載の方法。
[6] 前記肌性状改善剤が、ADAMTSL6発現促進剤、フィブリリン1線維形成促進剤、オキシタラン線維形成促進剤、小じわ改善剤、小じわ予防剤、及び肌理改善剤からなる群から選ばれる少なくとも1の剤として使用できる、項目4又は5に記載の方法。
[7] ツバキ種子エキス、大豆エキス、リュウガン種子エキス、シストセイラタマリシホリアエキス、及びモモ種子エキスからなる群から選ばれる少なくとも1のエキスを含む、ADAMTSL6遺伝子の発現促進剤。
[8] 項目7に記載のADAMTSL6遺伝子の発現促進剤を含む、ミクロフィブリル形成促進剤。
[9] 項目7に記載のADAMTSL6遺伝子の発現促進剤を含む、オキシタラン線維の形成促進剤。
[10] 項目7に記載のADAMTSL6遺伝子の発現促進剤を含む、肌性状改善剤。
[11] ツバキ種子エキス、大豆エキス、リュウガン種子エキス、シストセイラタマリシホリアエキス、及びモモ種子エキスからなる群から選ばれる少なくとも1のエキスを含む、ミクロフィブリル形成促進剤。
【発明の効果】
【0007】
ADAMTSL6を指標とすることで、肌性状を評価することが可能になる。また、ADAMTSL6を指標とすることで、肌性状改善剤のスクリーニングが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、加齢によるADAMTSL6タンパク質量の変化を示す蛍光顕微鏡写真である。非露光部である臀部(A)と、露光部である目元(B)における皮膚試料が用いられた。
図2図2は、ADAMTSL6と、フィブリリン1との局在、及びADAMTSL6とエラスチンの局在を示す蛍光顕微鏡写真である。
図3図3は、ADAMTSL6をノックアウトされた真皮線維芽細胞における、ADAMTSL6及びフィブリリン1の局在を示す蛍光顕微鏡写真である。
図4図4は、真皮線維芽細胞にツバキ種子エキス(A)、大豆エキス(B)、(C)リュウガン種子エキス、(D)シストセイラタマリシホリアエキス、(E)モモ種子エキスを添加した場合の、ATAMTSL6(THSD4)の遺伝子発現量の変化を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明は、ADAMTSL6を指標とした、肌性状の評価方法に関する。また、本発明は、ADAMTSL6を指標とした肌性状改善剤のスクリーニング方法にも関する。さらに、本発明は、かかるスクリーニング方法によりスクリーニングされた成分の利用にも関する。
【0010】
本発明により評価される肌性状は、小じわが生じる領域における肌性状であり、特に顔面などの露光部における肌性状である。小じわが生じる領域として、特に目元、例えば下瞼及び上瞼が挙げられ、これらの領域における肌性状が評価される。肌性状としては、ハリや肌理が挙げられ、又はハリと肌理が一体となった性状であってもよい。ハリは皮膚の弾力性及び水分保持機能が維持された状態を指し、ハリがある状態では小じわの形成が抑制される。また、肌理は表皮に現れる皮溝と皮丘により構成される構造であり、光の散乱をもたらし、透明感等に寄与する。目元の皮膚は薄く、目元のハリが失われて、乾燥すると小じわが生じる。小じわは、主に目元の表皮において生じるしわであり、目じりなどの深い真皮性のしわとはその形成機序が異なる。小じわは、皮溝と皮丘により構成される皮紋が粗くなり、皮溝が深くなることで形成されうる。皮溝と皮丘は、真皮層において基底膜に対し垂直方向に走る弾性線維が裏打ちすることで形成されており、基底膜に対し垂直方向に走る弾性線維が減少すると、目元のハリが失われ、小じわの発生につながる。目元のハリは、キュートメーターやダーマトルクメーターなどで測定することもでき、また肌理については、マイクロスコープを用いて測定することもできる。本発明により、弾性線維の形成を促進する因子であるADAMTSL6を指標とすることで皮膚組織の内部の観点から肌性状の評価が可能になる。これにより、将来の小じわ形成について予測が可能になる。
【0011】
ADAMTSL6は、ADAMTSスーパーファミリーに属する遺伝子であり、THSD4という遺伝子名で呼ばれることもある。ADAMTSLは、「A disintegrin and metalloproteinase with thrombospondin motifs-like」タンパク質の略であり、フィブリリン1に結合し、ミクロフィブリルの形成を促進することが報告されている(非特許文献2:JBC Vol.285, No. 7 pp.4870-4882)。ADAMTSL6は、表皮及び真皮に広く分布するが、特に基底膜に垂直方向に走っている弾性線維に集積している(図2)。ADAMTSL6は、非露光部(臀部)の皮膚では、加齢変化は少ない一方、露光部(下瞼)の皮膚では加齢に伴い変化し、特に30代から40代にかけてその発現が減少する(図1)。本発明者らの研究により、ADAMTSL6は、弾性線維を構成するフィブリリン1及びエラスチンと共局在する一方、すべてのフィブリリン1及びエラスチンの局在と一致するわけではなく、真皮の基底膜直下に、基底膜に垂直に走る弾性線維においてフィブリリン1及びエラスチンと共局在している一方、真皮の深層に存在するフィブリリン1及びエラスチンとは共局在していないことが示された(図2)。このようにADAMTSL6は、弾性線維全体に分布しているわけではなく、特に基底膜直下のオキシタラン線維や、オキシタラン線維に連結しているエラウニン線維に分布する一方で、さらに深部の線維には分布しない(図2)。真皮線維芽細胞の培養物におけるsiRNAによるノックダウン実験により、フィブリリン1線維の形成が抑制されることが示された(図3)。これらの結果及び周知技術の知見から、ADAMTSL6は真皮線維芽細胞から細胞外マトリクスに放出され、細胞外マトリクスにおけるミクロフィブリルの形成に関与し、弾性線維の中でも特にオキシタラン線維及びエラウニン線維の形成に寄与することが示されている。
【0012】
基底膜を裏打ちする弾性線維は、基底膜直下と、より深い部位とで、性質が異なっており、基底膜直下の弾性線維はオキシタラン線維と呼ばれ、より深い部位ではエラウニン線維と呼ばれる。これらの弾性線維は、エラスチンとミクロフィブリルとから形成されており、オキシタラン線維では、エラスチン含有量が少なく、細い線維である一方、エラウニン線維ではエラスチン含有量が多くなり、太い線維を形成する。
【0013】
ミクロフィブリルは、微細線維とも呼ばれる弾性線維である。主にフィブリリンから構成され、LTBP(潜在型TGFβ結合タンパク質)、MAGP(ミクロフィブリル結合性糖タンパク質)、MFAP(ミクロフィブリル結合性タンパク質)、エミリン、フィビュリンなどの複数の構成要素となるタンパク質を含みうる。通常ミクロフィブリルは細い線維であるが、エラスチンがミクロフィブリルと結合することでより太い線維となる。
【0014】
エラスチンは、前駆体であるトロポエラスチンとして合成され、ミクロフィブリルの周囲や間隙に集合し、架橋されることにより形成される弾性線維である。結合組織に含まれ、動脈、肺、真皮に含まれうる。基底膜直下に存在するオキシタラン線維は、エラスチン含有量が少なく細い線維を形成するが、より深い部位に存在するエラウニン線維はエラスチン含有量が多くより太くなる。
【0015】
オキシタラン線維は、生体の結合組織における力学的強度を作り出す線維成分であり、弾性線維のひとつである。弾性線維は特に機械的圧力の加わる臓器や組織、例えば皮膚、血管、肺、靱帯などに豊富に認められる。オキシタラン線維は主にマイクロフィブリルとエラスチンとを含むが、エラスチン含有量は低く、細いマイクロフィブリルから主に構成される。オキシタラン線維は基底膜直下から、垂直方向に存在し、基底膜を裏打ちする。肌理の皮丘における皮膚内部構造を観察すると、皮丘に対応する領域の基底膜が多くのオキシタラン線維により裏打ちされている一方で、皮溝に対応する領域の基底膜はオキシタラン線維により裏打ちがされておらず、肌理を構成する皮丘及び皮溝という構造が、基底膜を裏打ちするオキシタラン線維により形成されると考えられている。また、基底膜を裏打ちすることで、皮膚表面にハリをもたらすことができる。特に目元の表皮は薄く、基底膜の裏打ち構造の影響が強く表れる。オキシタラン線維は、より深い部位にてエラウニン線維と連結されている。エラウニン線維は、通常オキシタラン線維よりも太い。ADAMTSL6は、オキシタラン線維及びエラウニン線維に局在するが、特にオキシタラン線維に多く局在する。理論に限定することを意図するものではないが、ADAMTSL6は、フィブリリン1のマイクロフィブリルへの成熟を補助し、オキシタラン線維の維持にも寄与していると考えられる。したがって、ADAMTSL6は、弾性線維補助因子とも呼ぶことができる。
【0016】
本発明の1の実施形態では、ADAMTSL6を指標とした、目元のハリの評価方法に関する。特にADAMTSL6の遺伝子発現又はタンパク質量を指標とすることができる。ADAMTSL6は、オキシタラン線維の形成量に寄与することから、ADAMTSL6の遺伝子発現又はタンパク質量が高いほど、目元のハリが優れていると判定することができる。予め決定された1又は複数の基準値と比較することで、ハリを複数段階に評価することができる。
【0017】
目元のハリは、特に目元に形成される小じわ及び/又はちりめんじわの形成に関与する。したがって、本発明に係る目元のハリの評価方法により、現在又は将来における小じわ形成可能性を評価することもできる。したがって、本発明は、ADAMTSL6を指標とした、小じわ形成可能性を評価する方法に関してもよい。ADAMTSL6の遺伝子発現又はタンパク質量が少ない被験者では、将来的に小しわを形成する可能性が高くなる。
【0018】
ADAMTSL6の遺伝子発現又はタンパク質量は、取得された皮膚試料において測定することができる。一例としては、皮膚組織切片について、ADAMTSL6のタンパク質を、抗ADAMTSL6抗体を用いて定量することができる。抗体に基づく手法は、ウエスタンブロット法、免疫染色法など、本技術分野に周知の任意の方法を用いることができる。ほかの例では、皮膚試料において、ADAMTSL6のmRNA量を定量することにより、遺伝子発現量が決定される。遺伝子発現量は、通常、リアルタイムPCR法など既知の手法に基づいて、決定することができる。
【0019】
本発明の更なる態様では、本発明は、ADAMTSL6を指標とした目元の肌性状改善剤のスクリーニング方法にも関する。ADAMTSL6の遺伝子発現量又はタンパク質量を指標とすることができる。本発明のスクリーニング方法は、より具体的に以下の:
候補成分を添加された培地で線維芽細胞を培養する工程、
候補成分添加培地で培養された培養物において、ADAMTSL6の遺伝子発現又はタンパク質量を測定する工程、及び
測定された遺伝子発現量又はタンパク質量を対照と比較して、ADAMTSL6の遺伝子発現又はタンパク質量が亢進された場合に、添加された候補成分を目元の肌性状改善剤として決定する工程
を含む。こうしてスクリーニングされた目元の肌性状改善剤は、ADAMTSL6の発現促進を介して基底膜直下のオキシタラン線維及び/又はエラウニン線維の形成を促進することができ、それにより肌理を整え、小じわの形成を抑制し、目元のハリを改善することができる。したがって、目元の肌性状改善剤は、ADAMTSL6発現促進剤、ミクロフィブリル形成促進剤、オキシタラン線維形成促進剤、小じわ改善剤、小じわ予防剤、肌理改善剤、目元のハリ改善剤ともいうことができる。かかるスクリーニング方法を実行することにより、ツバキ種子エキス、大豆エキス、リュウガン種子エキス、シストセイラタマリシホリアエキス、及びモモ種子エキスが、目元の肌性状改善剤としてスクリーニングされた(図4)。
【0020】
線維芽細胞は、特に真皮線維芽細胞である。真皮線維芽細胞は、初代培養物であってもよいし、株化された細胞であってもよい。また、線維芽細胞は、単独で培養されていてもよいし、ケラチノサイトなど皮膚を構成するほかの細胞と一緒に培養された3次元培養皮膚モデルであってもよいし、器官培養物であってもよい。対照は、候補成分が添加されていない点でのみ異なる培養物における遺伝子発現量又はタンパク質量を使用することができる。対照の遺伝子発現量又はタンパク質量は、候補成分を添加した場合の実験と平行して実験を行い測定されてもよいし、予め行われて決定されていてもよい。
【0021】
本発明のスクリーニング方法に用いる候補成分は、化粧品素材、食品素材、医薬品素材などの任意のライブラリーを使用することができる。かかるライブラリーとしては、化合物ライブラリー、エキスライブラリーなどを使用してもよい。各ライブラリーに含まれる化合物及びエキスは、市販の化合物及びエキスを使用してもよいし、合成された化合物及び調製されたエキスを使用してもよい。
【0022】
本明細書に記載される植物のエキスは常法により得ることができ、例えばその起源となる植物を抽出溶媒とともに常温又は加熱して浸漬または加熱還流した後、濾過し、濃縮して得ることができる。抽出溶媒としては、通常抽出に用いられる溶媒であれば任意に用いることができ、例えば、水性溶媒、例えば水、生理食塩水、リン酸緩衝液、ホウ酸緩衝液、あるいは有機溶媒、例えばエタノール、プロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、グリセリン等のアルコール類、含水アルコール類、クロロホルム、ジクロルエタン、四塩化炭素、アセトン、酢酸エチル、ヘキサン等を、それぞれ単独あるいは組み合わせて用いることができる。好ましくは、溶媒として水とアルコール、例えば1,3-ブチレングリコールの混合溶媒が使用される。上記溶媒で抽出して得られた抽出物をそのまま、あるいは例えば凍結乾燥などにより濃縮したエキスを使用でき、また必要であれば吸着法、例えばイオン交換樹脂を用いて不純物を除去したものや、ポーラスポリマー(例えばアンバーライトXAD-2)のカラムにて吸着させた後、所望の溶媒で溶出し、さらに濃縮したものも使用することができる。
【0023】
ツバキ種子エキスとは、日本原産のツバキ(Camellia japonica)の種子から抽出されたエキスであり、日本化粧品工業会が定めた化粧品の全成分表示に用いる表示名称及びINCI名(化粧品原料国際命名法)による国際的表示名称では、表示名/INCI名:ツバキ種子エキス/CAMELLIA JAPONICA SEED EXTRACTで表される。ツバキの種子を粉砕し、水、アルコール又はそれらの混合溶液で抽出することで調製することができる。ツバキ種子は、生又は乾燥されたものであってもよいし、発酵されたものであってもよい。アルコールとしては、エタノール、プロピレングリコール、グリセリン又はブチレングリコールが用いられる。より好ましくは、水とアルコール、特に水とエタノール、水とグリセリン、又は水と1,3-ブチレングリコールの任意の割合の混合液、例えば10:90~90:10の混合液、好ましく30:70~70:30、さらに好ましくは50:50の混合液により抽出されうる。ツバキ種子エキスは、0.0001%~1%の濃度で配合され、0.01%~0.3%がより好ましい。
【0024】
大豆エキスとは、大豆(Glycine soja)の種子から抽出されるエキスであり、上記国際的表示名称では、表示名/INCI名:ダイズ種子エキス/GLYCINE SOJA (SOYBEAN) SEED EXTRACTで表される。大豆種子を粉砕し、水、アルコール又はそれらの混合溶液で抽出することで調製することができる。大豆種子は、生又は乾燥されたものであってもよいし、発酵されたものであってもよい。アルコールとしては、エタノール、プロピレングリコール、グリセリン又はブチレングリコールが用いられる。より好ましくは、水とアルコール、特に水とエタノール、水とグリセリン、又は水と1,3-ブチレングリコールの任意の割合の混合液、例えば10:90~90:10の混合液、好ましく30:70~70:30、さらに好ましくは50:50の混合液により抽出されうる。大豆種子エキスは、0.001%~1%の濃度で配合され、0.01%~1%がより好ましい。
【0025】
リュウガン種子エキスとは、南アジア~東南アジア原産のリュウガン(Dimocarpus longan L.)の種子から抽出されるエキスであり、上記国際的表示名称では、表示名/INCI名:リュウガン種子エキス/NEPHELIUM LONGANA SEED EXTRACTで表される。リュウガン種子を粉砕し、水、アルコール又はそれらの混合溶液で抽出することで調製することができる。種子は、生又は乾燥されたものであってもよいし、発酵されたものであってもよい。アルコールとしては、エタノール、プロピレングリコール、グリセリン又はブチレングリコールが用いられる。より好ましくは、水とアルコール、特に水とエタノール、水とグリセリン、又は水と1,3-ブチレングリコールの任意の割合の混合液、例えば10:90~90:10の混合液、好ましく30:70~70:30、さらに好ましくは50:50の混合液により抽出されうる。リュウガン種子エキスは、0.001%~1%の濃度で配合され、0.01%~1%がより好ましい。
【0026】
シストセイラタマリシホリアエキスとは、欧州の沿岸域に生育する褐藻類の一種であるレインボーアルゲ(シストセイラタマリシホリア(Cystoseira tamariscifolia))から抽出されるエキスであり、上記国際的表示名称では、表示名/INCI名:シストセイラタマリシホリアエキス/Cystoseira Tamariscifolia Extractで表される。レインボーアルゲの本体を粉砕し、水、アルコール又はそれらの混合溶液で抽出することで調製することができる。レインボーアルゲの本体は、生又は乾燥されたものであってもよいし、発酵されたものであってもよい。アルコールとしては、エタノール、プロピレングリコール、グリセリン又はブチレングリコールが用いられる。より好ましくは、水とアルコール、特に水とエタノール、水とグリセリン、又は水と1,3-ブチレングリコール、の任意の割合の混合液、例えば10:90~90:10の混合液、好ましく30:70~70:30、さらに好ましくは50:50の混合液により抽出されうる。シストセイラタマリシホリアエキスは、0.001%~1%の濃度で配合され、0.01%~1%がより好ましい。
【0027】
モモ種子エキスとは、中国を原産とするモモ(Prunus persica) の種子から抽出されるエキスであり、上記国際的表示名称では、表示名/INCI名:モモ種子エキス/Prunus Persica (Peach) Kernel Extractで表される。モモの種子を粉砕し、水、アルコール又はそれらの混合溶液で抽出することで調製することができる。種子は生又は乾燥されたものであってもよいし、発酵されたものであってもよい。アルコールとしては、エタノール、プロピレングリコール、グリセリン、又はブチレングリコールが用いられる。より好ましくは、水とアルコール、特に水とエタノール、水と1,3-ブチレングリコール、水とグリセリンの任意の割合の混合液、例えば10:90~90:10の混合液、好ましく30:70~70:30、さらに好ましくは50:50の混合液により抽出されうる。モモ種子エキスエキスは、0.001%~1%の濃度で配合され、0.01%~1%がより好ましい。
【0028】
本発明において、目元の肌性状改善剤、ADAMTSL6発現促進剤、目元のハリ改善剤、ミクロフィブリル線維形成促進剤、オキシタラン線維形成促進剤、小じわ改善剤、小じわ予防剤、又は肌理改善剤と互換的に用いることができる。理論に限定されることを意図するものではないが、本発明におけるスクリーニング方法において選択された目元の肌性状改善剤は、真皮線維芽細胞において、ADAMTSL6の発現を促進する。ADAMTSL6は、真皮中のフィブリリン1と会合し、ミクロフィブリルの形成を促進する。ミクロフィブリルは、さらにエラスチンを取り込むことでオキシタラン線維を形成し、真皮から基底膜を裏打ちし、それにより肌理を改善し、小じわを改善又は予防することができる。
【0029】
本発明において、目元の肌性状改善剤、ADAMTSL6発現促進剤、目元のハリ改善剤、ミクロフィブリル線維形成促進剤、オキシタラン線維形成促進剤、小じわ改善剤、小じわ予防剤、又は肌理改善剤は、それぞれ化粧料、医薬品又は医薬部外品に配合されてもよく、また、食品、例えばサプリメントなどの栄養補助食品に配合されてもよい。これらの薬剤は、経口、又は非経口、例えば経皮投与されてもよい。経皮投与される場合、皮膚外用剤に剤形することができる。皮膚外用剤は、皮膚に適用可能であれば特に限定されず、例えば、溶液状、乳化状、固形状、半固形状、粉末状、粉末分散状、水-油二層分離状、水-油-粉末三層分離状、軟膏状、ゲル状、エアゾール状、ムース状、スティック状等、任意の剤型が適用できる。皮膚外用剤に剤形される場合には、皮膚外用剤に通常用いられる基剤、及び賦形剤、例えば保存剤、乳化剤、pH調整剤などが用いられてもよい。化粧料に配合する場合、化粧水、乳液、美容液、クリーム、ローション、パック、エッセンス、ジェル等の顔用又は体用の化粧料や、ファンデーション、化粧下地、コンシーラー等のメーキャップ化粧料、さらには浴用剤などに配合することができる。本発明の成分を含む化粧品、医薬品及び医薬部外品を用いることにより、オキシタラン線維の形成促進を介して、肌理を維持又は改善し、目元のハリの維持又は改善することができ、それにより小じわの改善又は予防をすることができる。
【0030】
本発明の目元の肌性状改善剤、ADAMTSL6発現促進剤、目元のハリ改善剤、ミクロフィブリル線維形成促進剤、オキシタラン線維形成促進剤、小じわ改善剤、小じわ予防剤、又は肌理改善剤は、所望の効果、例えば目元のハリの維持又は改善、或いは小じわの抑制又は改善する効果を発揮させる観点で任意に濃度を選択することができる。皮膚外用剤として配合する観点からは、本発明に係るエキスは、市販のエキスをさらに、0.0005%~0.5%で配合することができる。効果を十分に発揮させる観点から、好ましくは0.001%以上で配合でき、さらに好ましくは0.005%以上で配合することができる。強いにおいを避ける観点から、好ましくは0.1%以下で配合することができ、さらに好ましくは0.05%以下で配合することができる。市販のエキスは、通常、0.1~10%程度、好ましくは0.5~5%程度の濃度である。
【0031】
本明細書において言及される全ての文献はその全体が引用により本明細書に取り込まれる。以下に説明する本発明の実施例は例示のみを目的とし、本発明の技術的範囲を限定するものではない。本発明の技術的範囲は特許請求の範囲の記載によってのみ限定される。本発明の趣旨を逸脱しないことを条件として、本発明の変更、例えば、本発明の構成要件の追加、削除及び置換を行うことができる。
【実施例0032】
実施例1:加齢によるADAMTSL6タンパク質量の変化
20歳代、30歳代、40歳代、60歳代の被験者の臀部及び目じりから、パンチ生検により皮膚試料を取得した。取得した皮膚試料をAMeX固定法(参考文献:Am J Pathol、1986,125-3、p431-435)を用いて固定し、パラフィン包埋を行い、4μmの厚さの皮膚切片を取得した。通常の脱パラフィン処理の後、皮膚切片をブロッキング溶液(12%ウシ血清由来アルブミンを含むPBC)で200倍希釈した一次抗体(抗ADAMTSL6抗体(Proteintech Group Inc., 20619-1-AP )で4℃で一晩インキュベートした。その後洗浄液PBSで洗浄し、次いで二次抗体として200倍希釈の蛍光標識ロバ抗ウサギIgG抗体(Lifetechnologies,R37119)で1時間、暗所、室温でインキュベートを行った。PBSにて二次抗体を洗浄した。最後に、DAPI入りの封入剤Vectashield(Vector Laboratories)を添加しカバーガラスでスライドサンプルを封入後、蛍光顕微鏡にて観察を行った(図1)。
【0033】
実施例2:ADAMTSL6の局在
被験者の臀部から、パンチ生検により皮膚試料を取得した。取得した皮膚試料をAMeX固定法を用いて固定し、パラフィン包埋を行い、4μmの厚さの皮膚切片を取得した。通常の脱パラフィン処理の後、皮膚切片をブロッキング溶液(12%ウシ血清由来アルブミンを含むPBC)で200倍希釈した一次抗体(抗ADAMTSL6抗体(Proteintech, 20619-1-AP)及び抗エラスチン抗体(Abcam,ab77804)、(抗ADAMTSL6抗体(Proteintech, 20619-1-AP)及び抗フィブリリン1抗体(Thermo Fisher Scientific))で4℃で一晩インキュベートした。その後洗浄液PBSで洗浄し、次いで二次抗体として200倍希釈の蛍光標識ロバ抗ウサギ/マウスIgG(Lifetechnologies,R37119)および蛍光標識ロバ抗マウスIgG抗体(Lifetechnologies,R37114)で1時間、暗所、室温でインキュベートを行った。PBSにて二次抗体を洗浄した。最後に、DAPI入りの封入剤Vectashield(Vector Laboratories)を添加しカバーガラスでスライドサンプルを封入後、蛍光顕微鏡にて観察を行った(図2)。
【0034】
実施例3:ADAMTSL6のノックダウン
真皮線維芽細胞(Biopredic International)の培養物において、siRNA(Thermo Fisher Scientific、Silencer select(登録商標) siRNA)を用いて、ADAMTSL-6の遺伝子発現を抑制した。1ウェルカルチャープレートに真皮線維芽細胞を1×105 cells/wellで播種し、37℃・5%CO2で一晩培養した。siRNAとトランスエクション試薬(Lifetechnologies、13778)の混合液を加えた培地を1mL/wellで細胞に加えsiRNAを導入し、3日間培養を行った。siRNAを導入された細胞について、定量的PCRを行い、目的の遺伝子発現が抑制されていることを確認した(データ未掲載)。真皮線維芽細胞培養物において、一次抗体として抗ADAMTSL-6抗体(Proteintech)、及び抗フィブリリン1抗体(Thermo Fisher Scientific)を用い、そして二次抗体として蛍光標識ロバ抗ウサギ/マウスIgG(Lifetechnologies,R37119)および蛍光標識ロバ抗マウスIgG抗体(Lifetechnologies,R37114)を用いて真皮線維芽細胞培養物を染色した(図3)。ADAMTSL-6の遺伝子発現を抑制した場合に、フィブリリン1線維形成が抑制された。
【0035】
実施例4:ADAMTSL-6発現を増大させる候補薬物のスクリーニング
線維芽細胞を7x104cells/1mLで12well plateに播種し、37℃5%CO2雰囲気下で48時間培養した。候補薬物として、0.07%ツバキ種子エキス(ブチレングリコール抽出)、0.3%大豆エキス(ブチレングリコール抽出)、0.1%リュウガン種子エキス(ブチレングリコール抽出)、0.1%シストセイラタマリシホリアエキス(グリセリン抽出)、及び0.1%モモ種子エキス(エタノール抽出)を添加して、37℃5%CO2雰囲気下で24時間培養後、細胞を回収した。候補薬物の希釈にはDMSOを用いた。対照群には、エキスを添加しない点を除き同じ条件で培養後細胞を回収した。回収した細胞について、PBSで洗浄後、RNeasy Mini Kit (Qiagen)を用いてRNAを抽出し、Super Script VILO(Thermo Fisher Scientific)を用いて逆転写反応を行った。逆転写後の核酸は、以下のプライマーセットとPlatinum(登録商標) SYBR(登録商標) green qRCR SuperMix-UDG with ROX(Thermo Fisher Scientific)、およびStepOne(登録商標)plus (Applied Biosystems)を用いて定量PCRを行った。結果を図4に示す。ツバキエキス、大豆エキス、リュウガン種子エキス、シストセイラタマリシホリアエキス、及びモモ種子エキスをそれぞれ添加した場合に、ADAMTSL-6の遺伝子発現が亢進し、これらの成分をADAMTSL-6発現促進剤として、スクリーニングした。なお、ツバキエキス及び大豆エキスを添加した際のTHSD4の遺伝子発現は、内部標準遺伝子としてグリセルアルデヒド3-リン酸脱水素酵素(G3PDHを用いた。リュウガン種子エキス、シストセイラタマリシホリアエキス、及びモモ種子エキスを添加した際のTHSD4の遺伝子発現は、内部標準遺伝子としてβ-アクチン(ACTB)を用いた。ADAMTSL-6発現促進剤は、目元のハリ改善剤、フィブリリン1線維形成促進剤、オキシタラン線維形成促進剤、エラウニン線維形成促進剤、小じわ形成抑制剤、小じわ改善剤、小じわ予防剤、肌理改善剤として使用することができる。
【表1】
図1
図2
図3
図4
【配列表】
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