(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025105020
(43)【公開日】2025-07-10
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理システム、それらの制御方法、プログラム及び記憶媒体
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/26 20240101AFI20250703BHJP
G06Q 50/06 20240101ALI20250703BHJP
【FI】
G06Q50/26
G06Q50/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023223273
(22)【出願日】2023-12-28
(71)【出願人】
【識別番号】000005326
【氏名又は名称】本田技研工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】弁理士法人大塚国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】玉井 知子
(72)【発明者】
【氏名】田伏 功
(72)【発明者】
【氏名】小丸 貴史
(57)【要約】
【課題】再生可能エネルギー由来の電力で電動車両を充電したことに対して適切な評価を付与する。
【解決手段】情報処理装置であって、電動車両のバッテリに充電される電力量を、再生可能エネルギーに由来する電力量と、前記再生可能エネルギー以外に由来する電力量とで区別して管理する管理手段と、前記再生可能エネルギーに由来する電力が前記バッテリに充電された場合、充電量に応じた再生可能エネルギー価値を発行する発行手段とを備える。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電動車両のバッテリに充電される電力量を、再生可能エネルギーに由来する電力量と、前記再生可能エネルギー以外に由来する電力量とで区別して管理する管理手段と、
前記再生可能エネルギーに由来する電力が前記バッテリに充電された場合、充電量に応じた再生可能エネルギー価値を発行する発行手段と、
を備えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記発行手段は、前記電動車両のユーザに対して前記再生可能エネルギー価値を発行することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記バッテリに充電されている前記再生可能エネルギーに由来する電力が消費されたかどうかを判定する消費判定手段をさらに備え、
前記発行手段は、前記再生可能エネルギーに由来する電力が消費された場合、消費量に応じた前記再生可能エネルギー価値をさらに発行することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記バッテリに充電されている前記再生可能エネルギーに由来する電力が消費されたことを示す情報と当該電力の消費量とを含む消費情報を受信する受信手段をさらに備え、
前記消費判定手段は、前記消費情報に基づいて判定を行うことを特徴とする請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記バッテリに充電されている前記再生可能エネルギーに由来する電力が前記電動車両内で消費されたかどうかを判定する消費判定手段をさらに備え、
前記発行手段は、前記再生可能エネルギーに由来する電力が前記電動車両内で消費された場合、消費量に応じた前記再生可能エネルギー価値をさらに発行することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記バッテリに充電されている前記再生可能エネルギーに由来する電力が前記電動車両内で消費されたことを示す情報と当該電力の消費量とを含む消費情報を受信する受信手段をさらに備え、
前記消費判定手段は、前記消費情報に基づいて判定を行うことを特徴とする請求項5に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記管理手段は、前記電動車両のバッテリに充電される電力量のうちの再生可能エネルギーに由来する電力量を、前記電動車両のユーザに関連する再生可能エネルギーに由来する電力量と、前記電動車両のユーザに関連しない再生可能エネルギーに由来する電力量とでさらに区別して管理し、
前記発行手段は、前記電動車両のユーザに関連する再生可能エネルギーに由来する電力が前記バッテリに充電された場合には、前記電動車両のユーザに関連しない再生可能エネルギーに由来する電力が前記バッテリに充電された場合よりも、高い再生可能エネルギー価値を発行することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記消費判定手段は、前記バッテリに充電されている前記再生可能エネルギーに由来する電力のうち、前記電動車両のユーザに関連する再生可能エネルギーに由来する電力と、前記電動車両のユーザに関連しない再生可能エネルギーに由来する電力とのどちらが消費されたかをさらに判定し、
前記発行手段は、前記電動車両のユーザに関連する再生可能エネルギーに由来する電力が消費された場合には、前記電動車両のユーザに関連しない再生可能エネルギーに由来する電力が消費された場合よりも高い再生可能エネルギー価値を発行することを特徴とする請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記電動車両のユーザに関連する再生可能エネルギーは、前記ユーザが所有する太陽光発電設備によって生成された再生可能エネルギーであることを特徴とする請求項7に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記再生可能エネルギー価値は売買可能であることを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項11】
前記再生可能エネルギー価値は、現金、ポイント、ギフト券又は暗号通貨であることを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項12】
電動車両と、情報処理装置とを備える情報処理システムであって、
前記電動車両は、
前記電動車両のバッテリに充電された電力が再生可能エネルギーに由来する電力であるか否かを判定する判定手段と、
前記バッテリに充電された充電量と前記判定手段による判定結果とを含む充電情報を送信する送信手段と、を備え、
前記情報処理装置は、
前記充電情報を受信する受信手段と、
前記充電情報に基づいて、前記電動車両のバッテリに充電される電力量を、前記再生可能エネルギーに由来する電力量と、前記再生可能エネルギー以外に由来する電力量とで区別して管理する管理手段と、
前記再生可能エネルギーに由来する電力が前記バッテリに充電された場合、充電量に応じた再生可能エネルギー価値を発行する発行手段と、
を備えることを特徴とする情報処理システム。
【請求項13】
情報処理装置の制御方法であって、
電動車両のバッテリに充電される電力量を、再生可能エネルギーに由来する電力量と、前記再生可能エネルギー以外に由来する電力量とで区別して管理する管理工程と、
前記再生可能エネルギーに由来する電力が前記バッテリに充電された場合、充電量に応じた再生可能エネルギー価値を発行する発行工程と、
を有することを特徴とする情報処理装置の制御方法。
【請求項14】
電動車両と、情報処理装置とを備える情報処理システムの制御方法であって、
前記電動車両では、
前記電動車両のバッテリに充電された電力が再生可能エネルギーに由来する電力であるか否かを判定する判定工程と、
前記バッテリに充電された充電量と前記判定工程による判定結果とを含む充電情報を送信する送信工程と、
が実行され、
前記情報処理装置では、
前記充電情報を受信する受信工程と、
前記充電情報に基づいて、前記電動車両のバッテリに充電される電力量を、前記再生可能エネルギーに由来する電力量と、前記再生可能エネルギー以外に由来する電力量とで区別して管理する管理工程と、
前記再生可能エネルギーに由来する電力が前記バッテリに充電された場合、充電量に応じた再生可能エネルギー価値を発行する発行工程と、
が実行されることを特徴とする情報処理システムの制御方法。
【請求項15】
コンピュータを、請求項1乃至11の何れか1項に記載の情報処理装置として機能させるためのプログラム。
【請求項16】
コンピュータを、請求項1乃至11の何れか1項に記載の情報処理装置として機能させるためのプログラムが記憶された記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理システム、それらの制御方法、プログラム及び記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、より多くの人々が手ごろで信頼でき、持続可能かつ先進的なエネルギーへのアクセスを確保できるようにするため、エネルギーの効率化に貢献する二次電池を搭載するモビリティにおける充給電に関する研究開発が行われている。
【0003】
特許文献1は、電気自動車のユーザ宅における発電量のうち余剰分を系統に送電した電力量を正の電力資産とし、ユーザ宅以外の別施設で電気自動車を充電した充電量を負の電力資産とすることを開示している。また、正の電力資産と負の電力資産とを相殺した値を電力純資産とし、電力純資産分課金なしでユーザ宅以外の別施設で充電することができる電力アセット管理装置を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1では、電気自動車のユーザ宅における発電量のうちの余剰分について言及されるのみであり、電気自動車に充電した電力が自宅由来か他の施設由来かなどは考慮されていない。そのため、再生可能エネルギー由来の電力で電動車両を充電したとしても、何ら評価されることがないという課題がある。
【0006】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、再生可能エネルギー由来の電力で電動車両を充電したことに対して適切な評価を付与するための技術を提供することを目的とする。そして、延いてはエネルギーの効率化に寄与するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成する本発明の一態様による情報処理装置は、
電動車両のバッテリに充電される電力量を、再生可能エネルギーに由来する電力量と、前記再生可能エネルギー以外に由来する電力量とで区別して管理する管理手段と、
前記再生可能エネルギーに由来する電力が前記バッテリに充電された場合、充電量に応じた再生可能エネルギー価値を発行する発行手段と、
を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、再生可能エネルギー由来の電力で電動車両を充電したことに対して適切な評価を付与することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】一実施形態に係る情報処理システムの構成例を示す図である。
【
図2】一実施形態に係るサーバ装置のハードウェア構成例を示す図ある。
【
図3】一実施形態に係る電動車両のハードウェア構成例を示す図である。
【
図4】実施形態1に係るサーバ装置の機能構成例を示す図ある。
【
図5】実施形態1に係る電動車両の機能構成例を示す図である。
【
図6】実施形態1に係る情報処理システムでの処理シーケンスを示す図である。
【
図7】実施形態1に係る電動車両が実施する処理の手順を示すフローチャートである。
【
図8】実施形態1に係るサーバ装置が実施する処理の手順を示すフローチャートである。
【
図9】実施形態2に係るサーバ装置の機能構成例を示す図ある。
【
図10】実施形態2に係る電動車両の機能構成例を示す図である。
【
図11】実施形態2に係る情報処理システムでの処理シーケンスを示す図である。
【
図12】実施形態2に係る電動車両が実施する処理の手順を示すフローチャートである。
【
図13】実施形態2に係るサーバ装置が実施する処理の手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、添付図面を参照して実施形態を詳しく説明する。なお、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではなく、また実施形態で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明に必須のものとは限らない。実施形態で説明されている複数の特徴のうち二つ以上の特徴は任意に組み合わされてもよい。また、同一若しくは同様の構成には同一の参照番号を付し、重複した説明は省略する。
【0011】
(実施形態1)
<システム構成>
図1は、本実施形態に係る情報処理システムの構成例を示す図である。
図1において、10はサーバ装置(情報処理装置)である。20は電動車両であり、例えば四輪の電気自動車である。ただし、四輪車に限定されるものではなく、三輪、二輪の車両であってもよい。電動車両20のユーザは、自宅で電動車両20に対して電源プラグを接続し、電動車両20を充電することができる。また、自宅外の充電ステーション(充電スタンド)で電動車両20を充電することができる。30はネットワークである。サーバ装置10及び電動車両20がネットワーク40を介して接続されている。
【0012】
<ハードウェア構成>
図2及び
図3を参照しながら、一実施形態に係るサーバ装置10及び電動車両20のハードウェア構成例を説明する。
図2が、一実施形態に係るサーバ装置10のハードウェア構成例を示す図であり、
図3が、一実施形態に係る電動車両20のハードウェア構成例を示す図である。
【0013】
図2に示すように、サーバ装置10は、CPU101、記憶装置102、及び通信部103を備えている。サーバ装置10の制御動作は、CPU101が記憶装置102に記憶されたコンピュータプログラムを読み出して実行することにより実現される。CPU101は、1つ以上のCPUであってもよい。記憶装置102は、各種情報を記憶する1つ以上のメモリである。例えば、他の装置から受信した情報や、CPU101により読み出されて実行されるコンピュータプログラムなどを記憶する。通信部103は、ネットワーク40を介して有線又は無線で他の装置と通信する機能を有する。
【0014】
図3に示すように、電動車両20は、CPU201、記憶装置202、通信部203、表示部204、操作入力部205、センサ206及びバッテリ207を備えている。なお、電動車両20の操舵装置、駆動装置等の構成は省略している。
【0015】
電動車両20の制御動作は、CPU201が記憶装置202に記憶されたコンピュータプログラムを読み出して実行することにより実現される。CPU201は、1つ以上のCPUであってもよい。記憶装置202は、各種情報を記憶する1つ以上のメモリである。例えば、他の装置から受信した情報や、CPU201により読み出されて実行されるコンピュータプログラムなどを記憶する。
【0016】
通信部203は、ネットワーク30を介して有線又は無線で他の装置と通信する機能を有する。表示部204は、ユーザに対して各種映像・画像を表示する。操作入力部205は、ユーザから各種の操作指示の入力を受け付ける。センサ206は、電動車両20のバッテリ207が充電されたことを検出する。また、センサ206は、電動車両20のバッテリ207に充電された電力が、再生可能エネルギーに由来する電力であるか、再生可能エネルギー以外に由来する電力であるかを検出することができる。例えば、ユーザが自宅で電動車両20に対して電源プラグを接続し、電動車両20を充電する場合、その電力が、例えば自宅の屋根に設置されている太陽光発電設備で発電されて蓄電池に蓄電されている電力が元となっている場合、再生可能エネルギーに由来する電力であると判定できる。バッテリ207は、ユーザの自宅又は充電ステーションから電力の供給を受けて充電可能な充電電池である。充電ステーションは、例えばガソリンスタンドに併設されていたり、単独で設置されていたりする。充電ステーションから供給される電力が再生可能エネルギー由来の電力である場合に、電動車両20は充電ステーションからそのことを示す情報を受信し、受信した情報に基づいて再生可能エネルギー由来の電力であるか否かを判定してもよい。
【0017】
<機能構成>
続いて、
図4及び
図5を参照しながら、一実施形態に係るサーバ装置10及び電動車両20の機能構成例を説明する。
図4が、一実施形態に係るサーバ装置10の機能構成例を示す図であり、
図5が、一実施形態に係る電動車両20の機能構成例を示す図である。
【0018】
図4に示すように、サーバ装置10は、管理部1001、発行部1002、及び送受信部1003を備える。管理部1001は、電動車両20のバッテリ207に充電される電力量を、再生可能エネルギーに由来する電力量と、再生可能エネルギー以外に由来する電力量とで区別して管理する。
【0019】
発行部1002は、再生可能エネルギーに由来する電力がバッテリ207に充電された場合、充電量に応じた再生可能エネルギー価値を発行する。発行部1002は、電動車両20のユーザに対して再生可能エネルギー価値を発行する。例えば、再生可能エネルギー価値が現金である場合、電動車両20のユーザの口座情報を予め登録しておき保持しておくことで、充電量に応じた現金を口座へ振り込んでもよい。再生可能エネルギー価値は、再生可能エネルギー価値は、売買可能であってもよい。再生可能エネルギー価値は、ポイント、ギフト券、暗号通貨等、種々の形態をとることができる。また、これらの複数を組み合わせて提供してもよい。
【0020】
送受信部1003は、電動車両20のバッテリ207に充電された充電量と、電動車両20のバッテリ207に充電された電力が再生可能エネルギーに由来する電力であるか否かの判定結果とを含む充電情報を、電動車両20から受信する。管理部1001は、送受信部1003で受信された充電情報に基づいて管理を行う。
【0021】
次に、
図5に示すように、電動車両20は、検出部2001、判定部2002、及び送受信部2003を備える。
【0022】
検出部2001は、電動車両20のバッテリ207が充電されたことを検出する。また、検出部2001は、電動車両20のバッテリ207に充電された電力が、再生可能エネルギーに由来する電力であるか、再生可能エネルギー以外に由来する電力であるかを検出することができる。例えば、ユーザが自宅で電動車両20に対して電源プラグを接続し、電動車両20を充電する場合、その電力が、例えば自宅の屋根に設置されている太陽光発電設備で発電されて蓄電池に蓄電されている電力が元となっている場合を考える。その場合、接続先を示す情報として蓄電池を認識し、それによって再生可能エネルギーに由来する電力であると判定できる。或いは、太陽光発電設備で発電された電力が蓄電池を介さずに直接バッテリ207に供給される場合には、接続先を示す情報として太陽光発電設備を認識し、それによって再生可能エネルギーに由来する電力であると判定できる。このように、検出部2001は、バッテリ207に供給された電力の供給元を示す情報(バッテリ207の接続先を示す情報)を受信して検出してもよい。電力の供給元(バッテリ207の接続先)は、例えば電動車両20のユーザ宅の屋根に設置された太陽光発電設備、その太陽光発電設備で発電された電力を蓄電する蓄電池、電動車両20のユーザ宅の再生可能エネルギーに由来しない電源、充電ステーション等、種々の接続先であってもよい。
【0023】
判定部2002は、検出部2001の検出結果に基づいて、電動車両20のバッテリ207に充電された電力が再生可能エネルギーに由来する電力であるか否かを判定する。送受信部2003は、電動車両20のバッテリ207に充電された充電量と、判定部2002の判定結果とを含む充電情報をサーバ装置10へ送信する。
【0024】
<処理>
続いて、
図6を参照して、本実施形態に係る情報処理システムで実施される処理の手順を説明する。F601において、検出部2001は、電動車両20のバッテリ207が充電されたことを検出する。
【0025】
F602において、判定部2002は、検出部2001の検出結果に基づいて、電動車両20のバッテリ207に充電された電力が再生可能エネルギーに由来する電力であるか否かを判定する。
【0026】
F603において、送受信部2003は、電動車両20のバッテリ207に充電された充電量と、判定部2002の判定結果とを含む充電情報をサーバ装置10へ送信する。
【0027】
F604において、管理部1001は、電動車両20から受信した充電情報に基づいて、電動車両20のバッテリ207に充電される電力量を管理する。より具体的には、電動車両20のバッテリ207に充電される電力量を、再生可能エネルギーに由来する電力量と、再生可能エネルギー以外に由来する電力量とで区別して管理する。
【0028】
F605において、発行部1002は、再生可能エネルギーに由来する電力がバッテリ207に充電された場合、充電量に応じた再生可能エネルギー価値を発行する。以上が
図6の一連の処理である。
【0029】
ここで、
図7を参照して、本実施形態に係る電動車両20が実施する処理の手順を説明する。S701において、判定部2002は、検出部2001の検出結果に基づいて、電動車両20のバッテリ207が充電されたか否かを判定する。本ステップがYesである場合、S702へ進む。一方、本ステップがNoである場合、充電が検出されるまで待機する。
【0030】
S702において、判定部2002は、電動車両20のバッテリ207に充電された電力が再生可能エネルギーに由来する電力であるか否かを判定する。本ステップがYesである場合、S703へ進む。一方、本ステップがNoである場合、S704へ進む。
【0031】
S703において、判定部2002は、電動車両20のバッテリ207に充電された充電量と、再生可能エネルギーに由来する電力であることを示す付加情報とを含む充電情報を生成する。
【0032】
S704において、判定部2002は、電動車両20のバッテリ207に充電された充電量と、再生可能エネルギー以外に由来する電力であることを示す付加情報とを含む充電情報を生成する。
【0033】
S705において、送受信部2003は、電動車両20のバッテリ207に充電された充電量と、判定部2002の判定結果とを含む充電情報をサーバ装置10へ送信する。以上で
図7の処理が終了する。
【0034】
また、
図8を参照して、本実施形態に係るサーバ装置10が実施する処理の手順を説明する。S801において、送受信部1003は、電動車両20のバッテリ207に充電された充電量と、電動車両20のバッテリ207に充電された電力が再生可能エネルギーに由来する電力であるか否かの判定結果とを含む充電情報を、電動車両20から受信する。
【0035】
S802において、管理部1001は、電動車両20から受信した充電情報に基づいて、電動車両20のバッテリ207に充電される電力量を、再生可能エネルギーに由来する電力量と、再生可能エネルギー以外に由来する電力量とで区別して管理する。
【0036】
S803において、発行部1002は、再生可能エネルギーに由来する電力がバッテリ207に充電された場合、充電量に応じた再生可能エネルギー価値を発行する。以上が
図8の一連の処理である。
【0037】
以上説明したように、本実施形態では、電動車両のバッテリに充電される電力量を、再生可能エネルギーに由来する電力量と、再生可能エネルギー以外に由来する電力量とで区別して管理する。そして、再生可能エネルギーに由来する電力がバッテリに充電された場合、充電量に応じた再生可能エネルギー価値を発行する。
【0038】
これにより、再生可能エネルギー由来の電力で電動車両を充電したことに対して適切な評価を付与することが可能となる。特に、電動車両のユーザは、再生可能エネルギー由来の電力で電動車両を充電するだけで、今までは特に評価されることがなかった再生可能エネルギー価値を顕在化させることができる。すなわち、今までは埋没していた再生エネルギー価値を再発見して、適切な評価・報酬を付与することができる。
【0039】
(実施形態2)
実施形態1では、再生可能エネルギー由来の電力で電動車両を充電した場合に、電動車両のユーザに対して再生可能エネルギー価値を発行する例を説明した。これに対して、本実施形態では、再生可能エネルギー由来の電力が実際に消費された場合に再生可能エネルギー価値を発行する例を説明する。情報処理システムの構成及び各装置のハードウェア構成については実施形態1と同様であり、本実施形態に係る情報処理システムは、サーバ装置11と、電動車両21とを備えるものとする。
【0040】
<サーバ装置の機能構成>
図9を参照して、本実施形態に係るサーバ装置の機能構成について説明する。本実施形態に係るサーバ装置11は、管理部1001、発行部1002、送受信部1003に加えて、消費判定部1004をさらに備える。
【0041】
消費判定部1004は、バッテリ207に充電されている再生可能エネルギーに由来する電力が実際に消費(使用)されたかどうかを判定する。消費の例は、電動車両21の動作(車両の走行等)のために電力が消費される場合や、電動車両21から電源を取って他の電化製品等で電力が消費される場合等が想定される。
【0042】
発行部1002は、実施形態1で説明した機能に加えて、バッテリ207に充電されている再生可能エネルギーに由来する電力が消費された場合、消費量に応じた再生可能エネルギー価値を発行する機能を有する。なお、本実施形態では、充電時には再生可能エネルギー価値を発行せず、消費時に初めて再生可能エネルギー価値を発行する例を説明するが、これに限定されない。例えば、充電時と消費時とのそれぞれにおいて再生可能エネルギー価値を発行してもよい。
【0043】
また、消費判定部1004は、バッテリ207に充電されている再生可能エネルギーに由来する電力が電動車両21内で消費(使用)されたかどうかを判定してもよい。その場合、発行部1002は、再生可能エネルギーに由来する電力が電動車両21内で消費された場合に、消費量に応じた再生可能エネルギー価値をさらに発行するようにしてもよい。電動車両21外で消費される例とは、電動車両21から電源を取って他の電化製品等で電力が消費される場合等である。
【0044】
送受信部1003は、実施形態1で説明したように充電情報を受信するとともに、バッテリ207に充電されている再生可能エネルギーに由来する電力が消費されたことを示す情報と当該電力の消費量とを含む消費情報を受信する。或いは、電力消費が電動車両21内で行われたことに限定する場合は、送受信部1003は、実施形態1で説明したように充電情報を受信するとともに、バッテリ207に充電されている再生可能エネルギーに由来する電力が電動車両21内で消費されたことを示す情報と当該電力の消費量とを含む消費情報を受信してもよい。消費判定部1004は、受信した消費情報に基づいて判定を行うことができる。
【0045】
<電動車両の機能構成>
図10を参照して、本実施形態に係る電動車両の機能構成について説明する。本実施形態に係る電動車両21は、検出部2021、判定部2022、及び送受信部2023を備える。
【0046】
検出部2021は、実施形態1の検出部2021の機能を有するとともに、電動車両21のバッテリ207の電力が消費されたことを検出する。本実施形態に係るセンサ206は、例えばバッテリ207に設けられており、バッテリ207の残量を検出することが可能である。
【0047】
判定部2022は、実施形態1の検出部2002の機能を有するとともに、バッテリ207に充電されている再生可能エネルギーに由来する電力が実際に消費(使用)されたかどうかを判定する。
【0048】
送受信部2023は、実施形態1の送受信部2003の機能を有するとともに、バッテリ207に充電されている再生可能エネルギーに由来する電力が消費されたことを示す情報と当該電力の消費量とを含む消費情報を、サーバ装置11へ送信する。或いは、電力消費が電動車両21内で行われたことに限定する場合は、送受信部2023は、バッテリ207に充電されている再生可能エネルギーに由来する電力が電動車両21内で消費されたことを示す情報と当該電力の消費量とを含む消費情報を送信してもよい。
【0049】
<処理>
図11を参照して、本実施形態に係る情報処理システムで実施される処理の手順を説明する。F1101において、検出部2021は、電動車両21のバッテリ207の電力が消費されたことを検出する。特に、検出部2021は、電動車両21のバッテリ207の再生可能エネルギー由来の電力が消費されたことを検出する。バッテリ207に充電された電力が全て可能エネルギー由来の電力である場合、電力の消費が検出されたことに応じて、再生可能エネルギー由来の電力が消費されたことを検出できる。また、バッテリ207に充電された電力の一部が可能エネルギー由来の電力である場合にも、電力の消費が検出されたことに応じて、再生可能エネルギー由来の電力が消費されたことを検出できる。
【0050】
F1102において、判定部2022は、検出部2021の検出結果に基づいて、電動車両21のバッテリ207に充電されている再生可能エネルギーに由来する電力が実際に消費(使用)されたかどうかを判定する。F1103において、送受信部2023は、バッテリ207に充電されている再生可能エネルギーに由来する電力が消費されたことを示す情報と当該電力の消費量とを含む消費情報を、サーバ装置11へ送信する。
【0051】
なお、バッテリ207に充電された電力が全て再生可能エネルギー由来の電力である場合、電力の消費量が再生可能エネルギー由来の電力の消費量となる。また、バッテリ207に充電された電力の一部が再生可能エネルギー由来の電力である場合、割合に応じて、再生可能エネルギー由来の電力の消費量を導出できる。例えば、消費前に、再生可能エネルギーに由来する電力と、再生可能エネルギー以外に由来する電力との比率が、A:Bである場合、再生可能エネルギー由来の電力の消費量=全消費量×(A/A+B)として導出してもよい。
【0052】
F1104において、消費判定部1004は、電動車両21から受信した消費情報に基づいて、電動車両21のバッテリ207に充電されている再生可能エネルギーに由来する電力が実際に消費(使用)されたかどうかを判定する。F1105において、発行部1002は、バッテリ207に充電されている再生可能エネルギーに由来する電力が消費された場合、消費量に応じた再生可能エネルギー価値を発行する。以上が
図11の一連の処理である。
【0053】
ここで、
図12を参照して、本実施形態に係る電動車両21が実施する処理の手順を説明する。S1201において、判定部2002は、検出部2001の検出結果に基づいて、電動車両21のバッテリ207の電力が消費されたか否かを判定する。本ステップがYesである場合、S1202へ進む。一方、本ステップがNoである場合、消費が検出されるまで待機する。
【0054】
S1202において、判定部2002は、消費された電力が再生可能エネルギーに由来する電力であるか否かを判定する。本ステップがYesである場合、S1203へ進む。一方、本ステップがNoである場合、S1204へ進む。
【0055】
S1203において、判定部2002は、バッテリ207に充電されている再生可能エネルギーに由来する電力が消費されたことを示す情報と当該電力の消費量とを含む消費情報を生成する。
【0056】
S1204において、判定部2002は、バッテリ207に充電されている再生可能エネルギー以外に由来する電力が消費されたことを示す情報と当該電力の消費量とを含む消費情報を生成する。
【0057】
S1205において、送受信部2003は、生成された消費情報をサーバ装置11へ送信する。以上で
図12の処理が終了する。
【0058】
また、
図13を参照して、本実施形態に係るサーバ装置11が実施する処理の手順を説明する。S1301において、送受信部1003は、電動車両21のバッテリ207で消費された充電量と、電動車両21のバッテリ207で消費された電力が再生可能エネルギーに由来する電力であるか否かの判定結果とを含む消費情報を、電動車両21から受信する。
【0059】
S1302において、消費判定部1004は、電動車両21から受信した消費情報に基づいて、電動車両21のバッテリ207に充電されている再生可能エネルギーに由来する電力が実際に消費(使用)されたかどうかを判定する。
【0060】
S1303において、発行部1002は、バッテリ207に充電されている再生可能エネルギーに由来する電力が消費された場合、消費量に応じた再生可能エネルギー価値を発行する。以上が
図13の一連の処理である。
【0061】
以上説明したように、本実施形態では、電動車両のバッテリに充電されている再生可能エネルギーに由来する電力が実際に消費された場合、その消費量に応じた再生可能エネルギー価値を発行する。
【0062】
これにより、再生可能エネルギー由来の電力が実際に消費されたことに対して適切な評価を付与することが可能となる。特に、電動車両のユーザは、電動車両に充電された再生可能エネルギー由来の電力を消費するだけで、今までは特に評価されることがなかった再生可能エネルギー価値を顕在化させることができる。すなわち、今までは埋没していた再生エネルギー価値を再発見して、適切な評価・報酬を付与することができる。
【0063】
[変形例]
上述した実施形態は組み合わせて実施してもよい。すなわち、再生可能エネルギー由来の電力で電動車両を充電した場合に、電動車両のユーザに対して再生可能エネルギー価値を発行するとともに、再生可能エネルギー由来の電力が実際に消費された場合に再生可能エネルギー価値をさらに発行してもよい。これにより、再生可能エネルギー由来の電力の充電時と消費時との両方において、適切な評価・報酬を付与することができる。なお、その際、発行する再生可能エネルギー価値を変化させてもよい。例えば、「充電時に発行する再生可能エネルギー価値>消費時に発行する再生可能エネルギー価値」となるように発行を行ってもよい。
【0064】
上述の実施形態では、再生エネルギー価値として、現金、ポイント等を例に挙げたが、これに限定されない。例えば、電動車両メーカ等が買い取り可能なように再生エネルギー価値として再生エネルギー証書(例えば、グリーン電力証書)を電動車両のユーザに対して発行してもよい。電動車両のユーザは、再生エネルギー証書を電動車両メーカ等に売却することで、報酬を受け取ることが可能となる。
【0065】
電動車両メーカ等は、再生エネルギー証書を購入することでそれをLCA評価に反映することができるため、製造時や材料取得時に使用していたCO2排出量の数値を減少させることができる。LCAとは、ライフサイクルアセスメントであり、ある製品・サービスのライフサイクル全体又は特定段階における環境負荷を定量的に評価する手法である。
【0066】
電動車両のユーザとしては、ユーザの自宅に設置している太陽光発電設備の固定価格買取制度(FIT制度)の買取期間終了後に、再生エネルギーの新たな売却先を見つけることができるようになる。買取期間終了後に電力会社による買取価格が低下したとしても、代わりのルートから新たな報酬を得ることが可能になるため、ユーザにとって大きなメリットとなる。
【0067】
また、電動車両のユーザ宅の太陽光発電設備で発電された再生可能エネルギーと、それ以外の設備で発電された再生可能エネルギーとを区別し、より詳細な制御を行ってもよい。例えば、管理部1001は、電動車両のバッテリに充電される電力量のうちの再生可能エネルギーに由来する電力量を、電動車両のユーザに関連する再生可能エネルギーに由来する電力量と、電動車両のユーザに関連しない再生可能エネルギーに由来する電力量とでさらに区別して管理してもよい。電動車両のユーザに関連する再生可能エネルギーとは、例えば、電動車両のユーザ宅の太陽光発電設備(当該ユーザが所有)で発電された再生可能エネルギーである。ユーザの電動車両と当該ユーザの太陽光発電設備とを関連付けて予めサーバ装置10等に登録しておくことで、関連の有無を判定することが可能となる。また、電動車両のユーザに関連しない再生可能エネルギーとは、電動車両のユーザ宅の太陽光発電設備以外の設備で発電された再生可能エネルギーであり、例えば、再生可能エネルギー由来の充電ステーションである。再生可能エネルギー由来の充電ステーションが、そのことを示す情報を充電時に電動車両に送信することで区別が可能となる。
【0068】
そして、発行部1002は、電動車両のユーザに関連する再生可能エネルギーに由来する電力がバッテリに充電された場合には、電動車両のユーザに関連しない再生可能エネルギーに由来する電力がバッテリに充電された場合よりも高い再生可能エネルギー価値を発行してもよい。これにより、電動車両のユーザに関連する再生可能エネルギーをより有効活用することを促すことができる。
【0069】
さらに、消費判定部1004は、バッテリに充電されている再生可能エネルギーに由来する電力のうち、電動車両のユーザに関連する再生可能エネルギーに由来する電力と、電動車両のユーザに関連しない再生可能エネルギーに由来する電力とのどちらが消費されたかをさらに判定してもよい。その場合、発行部1002は、電動車両のユーザに関連する再生可能エネルギーに由来する電力が消費された場合には、電動車両のユーザに関連しない再生可能エネルギーに由来する電力が消費された場合よりも高い再生可能エネルギー価値を発行してもよい。
【0070】
<実施形態のまとめ>
1.上記実施形態に係る情報処理装置(10、11)は、
電動車両(20、21)のバッテリ(207)に充電される電力量を、再生可能エネルギーに由来する電力量と、前記再生可能エネルギー以外に由来する電力量とで区別して管理する管理手段(1001)と、
前記再生可能エネルギーに由来する電力が前記バッテリに充電された場合、充電量に応じた再生可能エネルギー価値を発行する発行手段(1002)と、
を備える。
【0071】
これにより、再生可能エネルギー由来の電力で電動車両を充電したことに対して適切な評価を付与することが可能となる。従って、電動車両を充電するだけで、今までは評価されていなかった価値(埋没していた価値)を有効利用することが可能となる。
【0072】
2.上記実施形態に係る情報処理装置(10、11)では、
前記発行手段は、前記電動車両のユーザに対して前記再生可能エネルギー価値を発行する。
【0073】
これにより、電動車両のユーザが再生可能エネルギー由来の電力で電動車両を充電したことに対して適切な評価を付与することが可能となる。
【0074】
3.上記実施形態に係る情報処理装置(10、11)は、
前記バッテリに充電されている前記再生可能エネルギーに由来する電力が消費されたかどうかを判定する消費判定手段をさらに備え、
前記発行手段は、前記再生可能エネルギーに由来する電力が消費された場合、消費量に応じた前記再生可能エネルギー価値をさらに発行する。
【0075】
これにより、再生可能エネルギー由来の電力が消費されたことに対して適切な評価を付与することが可能となる。従って、消費するだけで、今までは評価されていなかった価値(埋没していた価値)を有効利用することが可能となる。また、実際に消費されたことを判定することで、再生可能エネルギーが有効活用されたことに対して適切な評価を行うことができる。
【0076】
4.上記実施形態に係る情報処理装置(10、11)は、
前記バッテリに充電されている前記再生可能エネルギーに由来する電力が消費されたことを示す情報と当該電力の消費量とを含む消費情報を受信する受信手段をさらに備え、
前記消費判定手段は、前記消費情報に基づいて判定を行う。
【0077】
これにより、情報処理装置は、再生可能エネルギーに由来する電力が消費されたことを容易に判定できる。
【0078】
5.上記実施形態に係る情報処理装置(10、11)は、
前記バッテリに充電されている前記再生可能エネルギーに由来する電力が前記電動車両内で消費されたかどうかを判定する消費判定手段をさらに備え、
前記発行手段は、前記再生可能エネルギーに由来する電力が前記電動車両内で消費された場合、消費量に応じた前記再生可能エネルギー価値をさらに発行する。
【0079】
これにより、再生可能エネルギー由来の電力が電動車両内で消費されたことに対して適切な評価を付与することが可能となる。従って、電動車両内で消費するだけで、今までは評価されていなかった価値(埋没していた価値)を有効利用することが可能となる。また、実際に電動車両内で消費されたことを判定することで、再生可能エネルギーが有効活用されたことに対して適切な評価を行うことができる。
【0080】
6.上記実施形態に係る情報処理装置(10、11)は、
前記バッテリに充電されている前記再生可能エネルギーに由来する電力が前記電動車両内で消費されたことを示す情報と当該電力の消費量とを含む消費情報を受信する受信手段をさらに備え、
前記消費判定手段は、前記消費情報に基づいて判定を行う。
【0081】
これにより、情報処理装置は、再生可能エネルギーに由来する電力が電動車両内で消費されたことを容易に判定できる。
【0082】
7.上記実施形態に係る情報処理装置(10、11)では、
前記管理手段は、前記電動車両のバッテリに充電される電力量のうちの再生可能エネルギーに由来する電力量を、前記電動車両のユーザに関連する再生可能エネルギーに由来する電力量と、前記電動車両のユーザに関連しない再生可能エネルギーに由来する電力量とでさらに区別して管理し、
前記発行手段は、前記電動車両のユーザに関連する再生可能エネルギーに由来する電力が前記バッテリに充電された場合には、前記電動車両のユーザに関連しない再生可能エネルギーに由来する電力が前記バッテリに充電された場合よりも、高い再生可能エネルギー価値を発行する。
【0083】
これにより、同じ再生可能エネルギーに由来する電力が充電された場合でも、電動車両のユーザに関連する再生可能エネルギーに由来する電力が充電されたことに対して、より適切な評価を行うことが可能となる。
【0084】
8.上記実施形態に係る情報処理装置(10、11)では、
前記消費判定手段は、前記バッテリに充電されている前記再生可能エネルギーに由来する電力のうち、前記電動車両のユーザに関連する再生可能エネルギーに由来する電力と、前記電動車両のユーザに関連しない再生可能エネルギーに由来する電力とのどちらが消費されたかをさらに判定し、
前記発行手段は、前記電動車両のユーザに関連する再生可能エネルギーに由来する電力が消費された場合には、前記電動車両のユーザに関連しない再生可能エネルギーに由来する電力が消費された場合よりも高い再生可能エネルギー価値を発行する。
【0085】
これにより、同じ再生可能エネルギーに由来する電力が消費された場合でも、電動車両のユーザに関連する再生可能エネルギーに由来する電力が消費されたことに対して、より適切な評価を行うことが可能となる。
【0086】
9.上記実施形態に係る情報処理装置(10、11)では、
前記電動車両のユーザに関連する再生可能エネルギーは、前記ユーザが所有する太陽光発電設備によって生成された再生可能エネルギーである。
【0087】
これにより、例えば電動車両のユーザの自宅屋根に設置されている太陽光発電設備による発電を有効活用できる。また、より高い再生可能エネルギー価値が発行されるため、太陽光発電設備を有していないユーザに設置を促すことが可能となる。
【0088】
10.上記実施形態に係る情報処理装置(10、11)では、
前記再生可能エネルギー価値は売買可能である。
【0089】
これにより、電動車両メーカ等の購入者は、再生エネルギー価値を購入することで、製造時や材料取得時に使用していたCO2排出量の数値を減少させることができる。また、売却者は、自身の電動車両を充電するためのみに使用していて、再生エネルギー価値として埋没していた価値を有効利用できる。
【0090】
11.上記実施形態に係る情報処理装置(10、11)では、
前記再生可能エネルギー価値は、現金、ポイント、ギフト券又は暗号通貨である。
【0091】
これにより、再生可能エネルギー由来の電力で電動車両を充電したことに対して適切な報酬を付与することが可能となる。
【0092】
12.上記実施形態に係る情報処理システムは、
電動車両(20、21)と、情報処理装置(10、11)とを備える情報処理システムであって、
前記電動車両は、
前記電動車両のバッテリに充電された電力が再生可能エネルギーに由来する電力であるか否かを判定する判定手段と、
前記バッテリに充電された充電量と前記判定手段による判定結果とを含む充電情報を送信する送信手段と、を備え、
前記情報処理装置は、
前記充電情報を受信する受信手段と、
前記充電情報に基づいて、前記電動車両のバッテリに充電される電力量を、前記再生可能エネルギーに由来する電力量と、前記再生可能エネルギー以外に由来する電力量とで区別して管理する管理手段と、
前記再生可能エネルギーに由来する電力が前記バッテリに充電された場合、充電量に応じた再生可能エネルギー価値を発行する発行手段と、
を備える。
【0093】
これにより、再生可能エネルギー由来の電力で電動車両を充電したことに対して適切な評価を付与することが可能となる。従って、電動車両を充電するだけで、今までは評価されていなかった価値(埋没していた価値)を有効利用することが可能となる。
【0094】
13.上記実施形態に係る情報処理装置の制御方法は、
電動車両のバッテリに充電される電力量を、再生可能エネルギーに由来する電力量と、前記再生可能エネルギー以外に由来する電力量とで区別して管理する管理工程と、
前記再生可能エネルギーに由来する電力が前記バッテリに充電された場合、充電量に応じた再生可能エネルギー価値を発行する発行工程と、
を有する。
【0095】
これにより、再生可能エネルギー由来の電力で電動車両を充電したことに対して適切な評価を付与することが可能となる。従って、電動車両を充電するだけで、今までは評価されていなかった価値(埋没していた価値)を有効利用することが可能となる。
【0096】
14.上記実施形態に係る情報処理システムの制御方法は、
電動車両と、情報処理装置とを備える情報処理システムの制御方法であって、
前記電動車両では、
前記電動車両のバッテリに充電された電力が再生可能エネルギーに由来する電力であるか否かを判定する判定工程と、
前記バッテリに充電された充電量と前記判定工程による判定結果とを含む充電情報を送信する送信工程と、
が実行され、
前記情報処理装置では、
前記充電情報を受信する受信工程と、
前記充電情報に基づいて、前記電動車両のバッテリに充電される電力量を、前記再生可能エネルギーに由来する電力量と、前記再生可能エネルギー以外に由来する電力量とで区別して管理する管理工程と、
前記再生可能エネルギーに由来する電力が前記バッテリに充電された場合、充電量に応じた再生可能エネルギー価値を発行する発行工程と、
が実行されることを特徴とする情報処理システムの制御方法。
【0097】
これにより、再生可能エネルギー由来の電力で電動車両を充電したことに対して適切な評価を付与することが可能となる。従って、電動車両を充電するだけで、今までは評価されていなかった価値(埋没していた価値)を有効利用することが可能となる。
【0098】
15.上記実施形態に係るプログラムは、
コンピュータを、上記実施形態の情報処理装置として機能させるためのプログラムである。
【0099】
これにより、情報処理装置の機能をプログラムとして実現することが可能となる。
【0100】
16.上記実施形態に係る記憶媒体は、
コンピュータを、上記実施形態の情報処理装置として機能させるためのプログラムが記憶された記憶媒体である。
【0101】
これにより、情報処理装置の機能を記憶媒体として実現することが可能となる。
【0102】
<その他の実施形態>
また、各実施形態で説明された1以上の機能を実現するプログラムは、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給され、該システム又は装置のコンピュータにおける1以上のプロセッサは、このプログラムを読み出して実行することができる。このような態様によっても本発明は実現可能である。
【0103】
発明は上記の実施形態に制限されるものではなく、発明の要旨の範囲内で、種々の変形・変更が可能である。
【符号の説明】
【0104】
10,11:サーバ装置、20,21:電動車両、1001:管理部、1002:発行部、1003:送受信部、1004:消費判定部、2001,2021:検出部、2002,2022:判定部、2003,2023:送受信部