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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025105107
(43)【公開日】2025-07-10
(54)【発明の名称】コネクタ組立体
(51)【国際特許分類】
   H01R 24/38 20110101AFI20250703BHJP
【FI】
H01R24/38
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023223415
(22)【出願日】2023-12-28
(71)【出願人】
【識別番号】000231073
【氏名又は名称】日本航空電子工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100117341
【弁理士】
【氏名又は名称】山崎 拓哉
(72)【発明者】
【氏名】橋口 徹
(72)【発明者】
【氏名】中村 恵介
【テーマコード(参考)】
5E223
【Fターム(参考)】
5E223AB59
5E223AB64
5E223AB67
5E223BA15
5E223BA27
5E223BA28
5E223CA13
5E223CC09
5E223CD01
5E223CD02
5E223DB22
5E223DB34
5E223GA08
5E223GA11
(57)【要約】
【課題】コネクタ組立体の同軸コネクタの外側端子を基板のグランド層に安定して接続することができるコネクタ組立体を提供すること。
【解決手段】コネクタ組立体12は、同軸コネクタ20と、被固定部材40と、2つの固定部材60とを備えている。同軸コネクタ200のフランジ部25は、第1受部252と、2つの第2受部254とを有している。被固定部材40は、主部401と、第1接触部402と、少なくとも1つのばね部404と、2つの第2接触部405とを有している。コネクタ組立体12が基板16に接続された接続状態において、ばね部404は、第2接触部405を第2受部254に押し付けており、第2接触部405は、上記押し付けにより第2受部254から反力を受けている。上記接続状態において、第1接触部402は、上記反力により前後方向に沿って第1受部252に押し付けられている。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板に接続されるコネクタ組立体であって、
前記基板には、2つの通過孔が形成されており、前記通過孔の夫々は、上下方向において前記基板を貫通しており、前記基板は、前記上下方向において上面及び下面を有しており、前記基板の前記上面には、信号線が形成されており、前記信号線は、前記上下方向と直交する横方向において、前記2つの通過孔の間に位置しており、前記基板の前記下面にはグランド層が形成されており、
前記コネクタ組立体は、同軸コネクタと、被固定部材と、2つの固定部材とを備えており、
前記同軸コネクタは、同軸ケーブルの先端に取り付けられるものであり、
前記同軸コネクタは、外側端子と、中心端子とを備えており、
前記外側端子は、フランジ部と、2つの突出部とを有しており、
前記フランジ部は、第1受部と、2つの第2受部とを有しており、
前記第1受部は、前記上下方向及び前記横方向の双方と直交する前後方向において前方に面しており、
前記2つの第2受部の夫々は、前記前後方向において少なくとも後方に面しており、
前記2つの突出部は、前記横方向において互いに離れて位置しており、
前記2つの突出部の夫々は、前記前後方向において前記フランジ部から前方に延びており、
前記被固定部材は、金属からなるものであり、
前記コネクタ組立体が前記基板に接続された接続状態において、前記被固定部材は、前記基板の前記上下方向における下方に位置しており、
前記接続状態において、前記基板の前記グランド層は、前記被固定部材を介して前記フランジ部の前記第1受部に電気的に接続され、
前記被固定部材は、主部と、第1接触部と、少なくとも1つのばね部と、2つの第2接触部とを有しており、
前記主部は、所定平面内に延びており、
前記第1接触部は、前記主部に設けられており、
前記第1接触部は、少なくとも部分的に、前記2つの第2接触部の間に位置しており、
前記ばね部は、前記主部から延びており、弾性変形可能であり、
前記2つの第2接触部は、前記横方向において互いに離れて位置しており、
前記2つの第2接触部の少なくとも一つは、前記ばね部に支持されており、前記所定平面内において変位可能であり、
前記接続状態において、前記ばね部は、前記第2接触部を前記第2受部に押し付けており、前記第2接触部は、前記押し付けにより前記第2受部から反力を受けており、
前記接続状態において、前記第1接触部は、前記反力により前記前後方向に沿って前記第1受部に押し付けられており、
前記2つの固定部材は、前記接続状態において、前記被固定部材を前記基板の前記グランド層に押し付けて前記所定平面を前記上下方向と直交させつつ、前記基板の前記2つの通過孔を通過して前記外側端子の前記2つの突出部に夫々固定されている
コネクタ組立体。
【請求項2】
請求項1記載のコネクタ組立体であって、
前記第1受部は、前記第2受部よりも前記前後方向における前方に位置している
コネクタ組立体。
【請求項3】
請求項2記載のコネクタ組立体であって、
前記ばね部は、第1部と、第2部とを有しており、
前記第1部は、前記前後方向に延びており、
前記第2部は、前記第1部から前記前後方向と交差する方向に延びており、
前記第2接触部は、前記第2部に支持されており、
前記被固定部材は、単体の状態において、前記前後方向における前記少なくとも一つの第2接触部と前記第1接触部との間に第1距離を有しており、
前記フランジ部は、前記前後方向における前記第1受部と前記第2受部との間に第2距離を有しており、
前記第1距離は、前記第2距離よりも小さい
コネクタ組立体。
【請求項4】
請求項1記載のコネクタ組立体であって、
前記被固定部材は、2つの前記ばね部を有しており、
前記2つのばね部は、前記2つの第2接触部を夫々支持しており、
前記接続状態において、前記2つのばね部は、前記2つの第2接触部を前記2つの第2受部に夫々押し付けている
コネクタ組立体。
【請求項5】
請求項1記載のコネクタ組立体であって、
前記第1接触部は、少なくとも1つの凸部からなり、
前記凸部は、前記主部から前記前後方向において後方に突出しており、
前記接続状態において、前記凸部は、前記横方向において前記2つの突出部の間に位置している
コネクタ組立体。
【請求項6】
請求項1記載のコネクタ組立体であって、
前記被固定部材には、2つの固定孔が形成されており、
前記固定孔の夫々は、前記上下方向において前記被固定部材を貫通しており、
前記固定部材の夫々は、ネジであり、
前記突出部の夫々には、ネジ穴が形成されており、
前記固定部材の夫々は、前記接続状態において、前記被固定部材の前記固定孔及び前記基板の前記通過孔を通過して、前記ネジ穴にネジ込まれている
コネクタ組立体。
【請求項7】
請求項1記載のコネクタ組立体であって、
前記被固定部材と前記2つの固定部材とは、互いに一体に形成されており、
前記固定部材の夫々は、被圧入部であり、
前記突出部の夫々には、圧入穴が形成されており、
前記被圧入部の夫々は、前記接続状態において、前記基板の前記通過孔を通過して、前記圧入穴に圧入されている
コネクタ組立体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板に接続されるコネクタ組立体に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1には、基板に接続されるコネクタ組立体が開示されている。
【0003】
図34及び図35を参照すると、特許文献1の基板-コネクタ接続構造900は、基板950と、基板950に接続されるコネクタ(コネクタ組立体)910とを有している。基板950は、信号パターン(信号線)952と、第1のグランド層954と、信号線952の直下に位置し、第1のグランド層954の端面を含む領域に形成されためっき膜956とを有している。コネクタ組立体910は、同軸コネクタ920と、2つのねじ(固定部材)930とを備えている。同軸コネクタ920は、中心導体(中心端子)922と、外部導体(外側端子)924とを有している。コネクタ組立体910を基板950に接続すると、外側端子924は、第1のグランド層954と電気的に接続されためっき膜956と接触する。これにより、特許文献1の基板-コネクタ接続構造900においては、基板950とコネクタ組立体910との間の信号の反射特性を高めようとしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第6853655号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1の基板-コネクタ接続構造900においては、コネクタ組立体910を基板950に接続した際に、同軸コネクタ920の外側端子924を基板950のめっき膜956に安定して接触させることが困難であり、外側端子924と第1のグランド層954との電気的接続の信頼性に欠ける虞がある。
【0006】
そこで、本発明は、コネクタ組立体の同軸コネクタの外側端子を基板のグランド層に安定して接続することができるコネクタ組立体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、第1のコネクタ組立体として、
基板に接続されるコネクタ組立体であって、
前記基板には、2つの通過孔が形成されており、前記通過孔の夫々は、上下方向において前記基板を貫通しており、前記基板は、前記上下方向において上面及び下面を有しており、前記基板の前記上面には、信号線が形成されており、前記信号線は、前記上下方向と直交する横方向において、前記2つの通過孔の間に位置しており、前記基板の前記下面にはグランド層が形成されており、
前記コネクタ組立体は、同軸コネクタと、被固定部材と、2つの固定部材とを備えており、
前記同軸コネクタは、同軸ケーブルの先端に取り付けられるものであり、
前記同軸コネクタは、外側端子と、中心端子とを備えており、
前記外側端子は、フランジ部と、2つの突出部とを有しており、
前記フランジ部は、第1受部と、2つの第2受部とを有しており、
前記第1受部は、前記上下方向及び前記横方向の双方と直交する前後方向において前方に面しており、
前記2つの第2受部の夫々は、前記前後方向において少なくとも後方に面しており、
前記2つの突出部は、前記横方向において互いに離れて位置しており、
前記2つの突出部の夫々は、前記前後方向において前記フランジ部から前方に延びており、
前記被固定部材は、金属からなるものであり、
前記コネクタ組立体が前記基板に接続された接続状態において、前記被固定部材は、前記基板の前記上下方向における下方に位置しており、
前記接続状態において、前記基板の前記グランド層は、前記被固定部材を介して前記フランジ部の前記第1受部に電気的に接続され、
前記被固定部材は、主部と、第1接触部と、少なくとも1つのばね部と、2つの第2接触部とを有しており、
前記主部は、所定平面内に延びており、
前記第1接触部は、前記主部に設けられており、
前記第1接触部は、少なくとも部分的に、前記2つの第2接触部の間に位置しており、
前記ばね部は、前記主部から延びており、弾性変形可能であり、
前記2つの第2接触部は、前記横方向において互いに離れて位置しており、
前記2つの第2接触部の少なくとも一つは、前記ばね部に支持されており、前記所定平面内において変位可能であり、
前記接続状態において、前記ばね部は、前記第2接触部を前記第2受部に押し付けており、前記第2接触部は、前記押し付けにより前記第2受部から反力を受けており、
前記接続状態において、前記第1接触部は、前記反力により前記前後方向に沿って前記第1受部に押し付けられており、
前記2つの固定部材は、前記接続状態において、前記被固定部材を前記基板の前記グランド層に押し付けて前記所定平面を前記上下方向と直交させつつ、前記基板の前記2つの通過孔を通過して前記外側端子の前記2つの突出部に夫々固定されている
コネクタ組立体を提供する。
【0008】
本発明は、第2のコネクタ組立体として、第1のコネクタ組立体であって、
前記第1受部は、前記第2受部よりも前記前後方向における前方に位置している
コネクタ組立体を提供する。
【0009】
本発明は、第3のコネクタ組立体として、第2のコネクタ組立体であって、
前記ばね部は、第1部と、第2部とを有しており、
前記第1部は、前記前後方向に延びており、
前記第2部は、前記第1部から前記前後方向と交差する方向に延びており、
前記第2接触部は、前記第2部に支持されており、
前記被固定部材は、単体の状態において、前記前後方向における前記少なくとも一つの第2接触部と前記第1接触部との間に第1距離を有しており、
前記フランジ部は、前記前後方向における前記第1受部と前記第2受部との間に第2距離を有しており、
前記第1距離は、前記第2距離よりも小さい
コネクタ組立体を提供する。
【0010】
本発明は、第4のコネクタ組立体として、第1のコネクタ組立体であって、
前記被固定部材は、2つの前記ばね部を有しており、
前記2つのばね部は、前記2つの第2接触部を夫々支持しており、
前記接続状態において、前記2つのばね部は、前記2つの第2接触部を前記2つの第2受部に夫々押し付けている
コネクタ組立体を提供する。
【0011】
本発明は、第5のコネクタ組立体として、第1のコネクタ組立体であって、
前記第1接触部は、少なくとも1つの凸部からなり、
前記凸部は、前記主部から前記前後方向において後方に突出しており、
前記接続状態において、前記凸部は、前記横方向において前記2つの突出部の間に位置している
コネクタ組立体を提供する。
【0012】
本発明は、第6のコネクタ組立体として、第1のコネクタ組立体であって、
前記被固定部材には、2つの固定孔が形成されており、
前記固定孔の夫々は、前記上下方向において前記被固定部材を貫通しており、
前記固定部材の夫々は、ネジであり、
前記突出部の夫々には、ネジ穴が形成されており、
前記固定部材の夫々は、前記接続状態において、前記被固定部材の前記固定孔及び前記基板の前記通過孔を通過して、前記ネジ穴にネジ込まれている
コネクタ組立体を提供する。
【0013】
本発明は、第7のコネクタ組立体として、第1のコネクタ組立体であって、
前記被固定部材と前記2つの固定部材とは、互いに一体に形成されており、
前記固定部材の夫々は、被圧入部であり、
前記突出部の夫々には、圧入穴が形成されており、
前記被圧入部の夫々は、前記接続状態において、前記基板の前記通過孔を通過して、前記圧入穴に圧入されている
コネクタ組立体を提供する。
【発明の効果】
【0014】
本発明のコネクタ組立体は、以下のように構成されている:コネクタ組立体が基板に接続された接続状態において、ばね部は、第2接触部を第2受部に押し付けており、第2接触部は、上記押し付けにより第2受部から反力を受けている;上記接続状態において、第1接触部は、上記反力により前後方向に沿って第1受部に押し付けられている。これにより、本発明のコネクタ組立体において、被固定部材は、同軸コネクタの外側端子に確実に接続されている。従って、本発明のコネクタ組立体を基板に接続すると、基板のグランド層は、被固定部材を介して外側端子のフランジ部の第1受部に対して高い信頼性をもって電気的に接続されるようになっている。即ち、本発明のコネクタ組立体は、コネクタ組立体の同軸コネクタの外側端子を基板のグランド層に安定して接続することができるようになっている。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の実施の形態による構造体を示す斜視図である。図において、コネクタ組立体は、基板に接続された接続状態にある。
図2図1の構造体を示す別の斜視図である。
図3図1の構造体を示す上面図である。
図4図1の構造体を示す正面図である。
図5図4の構造体をA-A線に沿って示す断面図である。
図6図1の構造体を示す底面図である。図において、コネクタ組立体の一部を拡大して示している。
図7図1の構造体を示す側面図である。
図8図1の構造体を示す分解斜視図である。図において、同軸コネクタは、基板に接続される前の接続前状態にある。
図9図2の構造体を示す分解斜視図である。図において、同軸コネクタは、基板に接続される前の接続前状態にある。
図10図8の構造体に含まれる同軸コネクタを示す側面図である。
図11図8の構造体に含まれる被固定部材を示す上面図である。
図12図6の構造体の第1変形例を示す底面図である。
図13図12の構造体に含まれる被固定部材を示す斜視図である。図において、ばね部は弾性変形していない初期状態にある。
図14図13の被固定部材を示す上面図である。
図15図6の構造体の第2変形例を示す底面図である。
図16図15の構造体に含まれる被固定部材を示す斜視図である。図において、ばね部は弾性変形していない初期状態にある。
図17図16の被固定部材を示す上面図である。
図18図1の構造体の第3変形例を示す斜視図である。図において、コネクタ組立体は、基板に接続された接続状態にある。
図19図18の構造体を示す別の斜視図である。
図20図18の構造体を示す分解斜視図である。図において、同軸コネクタは、基板に接続される前の接続前状態にある。
図21図19の構造体を示す分解斜視図である。
図22図20の構造体に含まれる被固定部材を示す上面図である。
図23図1の構造体の第4変形例を示す斜視図である。図において、コネクタ組立体は、基板に接続された接続状態にある。
図24図23の構造体を示す別の斜視図である。
図25図24の構造体を示す分解斜視図である。図において、同軸コネクタは、基板に接続される前の接続前状態にある。
図26図23の構造体に含まれる同軸コネクタを示す側面図である。
図27図24の構造体を示す別の斜視図である。図において、基板と固定部材とは、同軸コネクタに取り付けられておらず、同軸コネクタと被固定部材とは仮組状態にある。
図28図1の構造体の第5変形例を示す斜視図である。図において、コネクタ組立体は、基板に接続された接続状態にある。
図29図28の構造体を示す底面図である。図において、コネクタ組立体の一部を拡大して示している。
図30図28の構造体を示す分解斜視図である。図において、同軸コネクタは、基板に接続される前の接続前状態にある。
図31図28の構造体に含まれる同軸コネクタを示す側面図である。
図32図31の同軸コネクタを示す別の側面図である。
図33図30の構造体に含まれる被固定部材を示す上面図である。
図34】特許文献1の基板-コネクタ接続構造を示す斜視図である。
図35図34の基板-コネクタ接続構造の一部を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図2を参照すると、本発明の実施の形態による構造体10は、コネクタ組立体12と、基板16とを備えている。基板16は、水平面に沿って延びている。コネクタ組立体12は、基板16に接続されるものである。詳しくは、コネクタ組立体12は、水平面と平行な前後方向における基板16の後端部に接続される。図1から図7までのコネクタ組立体12は、コネクタ組立体12が基板16に接続された接続状態にある。一方、図8及び図9のコネクタ組立体12は、コネクタ組立体12が基板16に接続される前の接続前状態にある。
【0017】
本実施の形態の水平面は、XY平面であり、本実施の形態の前後方向は、X方向である。本実施の形態において、「前方」は+X方向であり、「後方」は-X方向である。水平面、前後方向等の用語は、地面に対する絶対的な位置関係を示すものではなく、基板16が延びる平面を水平面と規定し、且つ、この基板16に対するコネクタ組立体12の位置を後方と規定したときの相対的な位置関係を示すに過ぎない。
【0018】
図8及び図9を参照して、基板16は特に限定されず、フレキシブル基板であってもよいし、リジットな基板であってもよい。
【0019】
図8及び図9に示されるように、基板16は、水平面と直交する上下方向において上面70Uと、下面70Lとを有している。上面70U及び下面70Lは、基体70の上端及び下端に夫々位置している。本実施の形態の上下方向は、Z方向である。本実施の形態において、「上方」は+Z方向であり、「下方」は-Z方向である。
【0020】
図8に示されるように、基板16には、2つの通過孔72が形成されている。通過孔72の夫々は、上下方向において基板16を貫通している。通過孔72の夫々は、水平面において円形状を有している。このように形成された通過孔72は、後述するように、コネクタ組立体12を基板16にねじ止めする際に使用される。2つの通過孔72は、前後方向及び上下方向の双方と直交する横方向において互いに離れており、前後方向において互いに同じ位置にある。本実施の形態の横方向は、Y方向である。また、横方向は、左右方向でもある。本実施の形態において、「右方」は+Y方向であり、「左方」は-Y方向である。
【0021】
本実施の形態の通過孔72は、上述のように形成されている。但し、本発明は、これに限られない。例えば、通過孔72の夫々の形状は、特に限定されない。また、通過孔72の数は3以上であってもよい。この場合、通過孔72のうちの2つは、横方向において互いに離れていてもよく、前後方向において互いに同じ位置にあってもよい。
【0022】
図8に示されるように、基板16の上面70Uには、導電パターンである信号線74が形成されている。信号線74は、前後方向に延びており、横方向において2つの通過孔72の間に位置している。
【0023】
図9に示されるように、基板16の下面70Lには、下面70L全体を覆うようにして導電パターンであるグランド層78Aが形成されている。
【0024】
図3を参照すると、信号線74は、例えば、基板16のうち図示しない前端部に形成されたアンテナに接続されている。この場合、接続状態にあるコネクタ組立体12は、信号線74を経由してアンテナに信号を伝送する。伝送された信号は、アンテナから送信される。また、アンテナが受信した信号は、信号線74を経由してコネクタ組立体12に伝送される。本実施の形態の構造体10は、例えば、上述のように使用される。但し、本発明における構造体10の用途は、特に限定されない。
【0025】
図8に示されるように、基板16は、導電パターンである2つのランド76Xを備えている。2つの通過孔72は、ランド76Xを夫々貫通している。ランド76Xの夫々には、複数のビアホール77Xが形成されている。ビアホール77Xの夫々は、基体70及びランド76Xを上下方向に貫通しており、これにより、ランド76Xの夫々は、下面70Lのグランド層78A(図9参照)に電気的に接続されている。
【0026】
本実施の形態の基板16は、上述の構造を有している。但し、基板16の構造は、構造体10の用途に応じて変形可能である。例えば、グランド層78Aは、下面70Lに部分的に形成されていてもよい。
【0027】
図9を参照して、本実施の形態のコネクタ組立体12は、同軸コネクタ20と、被固定部材40と、2つの固定部材(ネジ)60とを備えている。本実施の形態のコネクタ組立体12は、上述の部材のみを備えている。但し、本発明は、これに限られない。例えば、コネクタ組立体12は、上述の部材に加えて、別の部材を更に備えていてもよい。
【0028】
以下、本実施の形態の同軸コネクタ20、被固定部材40及び固定部材60について、この順に説明する。
【0029】
図5を参照すると、本実施の形態の同軸コネクタ20は、同軸ケーブル80の先端に取り付けられるものである。即ち、同軸コネクタ20は、同軸ケーブル80の前端に取り付けられる。本実施の形態の同軸コネクタ20は、所謂SMA(Sub Miniature Type A)コネクタである。但し、本発明は、これに限られず、様々な同軸コネクタ20に適用可能である。
【0030】
図5を参照して、破線で図示した同軸ケーブル80は、一般的な同軸ケーブルであり、導電体からなる中心導体82と、絶縁体からなり中心導体82を覆う内部絶縁体84と、導電体からなり内部絶縁体84を覆う外部導体86と、絶縁体からなり外部導体86を覆う外被88とを備えている。本実施の形態の中心導体82の数は1である。中心導体82の数が1であることを除き、同軸ケーブル80の構造は、特に限定されない。例えば、外部導体86は、金属細線から形成された編組であってもよいし、金属箔から形成されていてもよい。例えば、同軸ケーブル80は、同軸ケーブル80に取り付けられた相手側コネクタ89を介して同軸コネクタ20の後端に取り付けてもよい。
【0031】
図5を参照して、本実施の形態の同軸コネクタ20は、金属製の中心端子21と、金属製の外側端子24とを備えている。
【0032】
図5に示されるように、本実施の形態の中心端子21は、前後方向に沿って延びており、本体部212と、接触部214と、接続部218とを有している。本体部212は、前後方向における中心端子21の中間部である。接触部214は、本体部212から前方に延びている。図10に示されるように、接触部214は、同軸コネクタ20を組み立てた後においては、上下方向における下方に向かって曲げられている。即ち、接触部214は、コネクタ組立体12が基板16に接続される前の接続前状態において、前方及び下方に向かって延びている。接触部214は、中心端子21の前後方向における前端を規定している。図5に示されるように、接続部218は、ソケット形状を有しており、本体部212から後方に延びている。。接続部218は、中心端子21の前後方向における後端を規定している。同軸コネクタ20が同軸ケーブル80に取り付けられると、中心端子21は、同軸ケーブル80の中心導体82に接続される。詳しくは、中心端子21の接続部218は、中心導体82に電気的に接続される。互いに接続された中心端子21及び中心導体82は、互いの間で信号を伝送する。
【0033】
本実施の形態の中心端子21は、上述の構造を有している。但し、中心端子21が前後方向に沿って延びる接触部214を有している限り、中心端子21の構造は、必要に応じて変形可能である。
【0034】
図5に示されるように、本実施の形態の外側端子24は、前側導電部材242と、後側導電部材244とを備えている。前側導電部材242は、後側導電部材244に組み合わされており、後側導電部材244の前方に位置している。前側導電部材242は、後側導電部材244と接触している。本実施の形態の外側端子24は、上述の2つの部材からなる。但し、本発明は、これに限られない。例えば、前側導電部材242及び後側導電部材244とは、互いに一体の部材であってもよい。
【0035】
図5を参照すると、同軸コネクタ20が同軸ケーブル80に取り付けられると、外側端子24は、同軸ケーブル80の外部導体86に接続される。例えば、外側端子24の後側導電部材244は、外部導体86に電気的に接続される。互いに接続された外側端子24及び外部導体86は、互いに同じグランド電位を有する。
【0036】
図9に示されるように、外側端子24は、フランジ部25と、2つの突出部27とを有している。
【0037】
図8及び図9に示されるように、本実施の形態のフランジ部25は、第1受部252と、2つの第2受部254とを有している。
【0038】
図9に示されるように、第1受部252は、上下方向及び横方向の双方と直交する前後方向において前方に面している。第1受部252は、フランジ部25の上下方向における中央付近に位置している。第1受部252は、フランジ部25の横方向における中央に位置している。図2及び図9を参照して、接続状態において、基板16のグランド層78Aは、被固定部材40を介してフランジ部25の第1受部252に電気的に接続される。
【0039】
図6に示されるように、2つの第2受部254の夫々は、前後方向において後方に面している。なお、本発明はこれに限定されず、第2受部254は、前後方向における後方且つ横方向における外側に面していてもよい。即ち、2つの第2受部254の夫々は、前後方向において少なくとも後方に面していればよい。第2受部254は、フランジ部25の横方向における両端に夫々位置している。
【0040】
図10に示されるように、第1受部252は、第2受部254よりも前後方向における前方に位置している。なお、本発明はこれに限定されない。第1受部252が前方に面しており、且つ、第2受部254が少なくとも後方に面している限り、第1受部252は、第2受部254よりも前後方向における後方に位置していてもよい。なお、本実施の形態のように第1受部252及び第2受部254が構成されていると、フランジ部25の前後方向におけるサイズの大型化を避けることができるため、より好ましい。フランジ部25は、前後方向における第1受部252と第2受部254との間に第2距離D2を有している。
【0041】
図8を参照して、本実施の形態のフランジ部25は、2つの誘い部256を有している。誘い部256の夫々は、前後方向及び上下方向の双方と斜交している。誘い部256は、第2受部254の上下方向における下方に位置している。誘い部256は、第2受部254と夫々対応している。誘い部256の夫々は、対応する第2受部254の上下方向における下方に位置している。
【0042】
図9に示されるように、本実施の形態の2つの突出部27は、横方向において互いに離れている。接触部214は、横方向において2つの突出部27の間に位置している。2つの突出部27の夫々は、前後方向においてフランジ部25から前方に延びている。本実施の形態の2つの突出部27は、所定平面(XZ平面)について鏡対称な形状を有している。即ち、2つの突出部27は、上下方向において互いに同じ位置にある。突出部27の夫々は、上下方向において、上面27Uと、上面27Uとを有している。上面27U及び上面27Uの夫々は、水平面と平行な平面である。上面27Uは、突出部27の上下方向における上端を規定している。下面27Lは、突出部27の上下方向における下端を規定している。図10に示されるように、接触部214の下端は、接続前状態において、突出部27の下面27Lの下方に位置している。図7図8及び図9を参照すると、接続状態における外側端子24は、突出部27及びランド76Xを介して基板16のグランド層78Aに接地されている。
【0043】
図9に示されるように、本実施の形態の突出部27の夫々には、ネジ穴28が形成されている。本実施の形態のネジ穴28の夫々は、上下方向において突出部27を貫通している。ネジ穴28は、水平面において基板16の通過孔72に夫々対応する位置に設けられている。即ち、2つのネジ穴28は、横方向において互いに離れており、前後方向において互いに同じ位置にある。また、本実施の形態のネジ穴28の数は2である。但し、本発明は、これに限られない。例えば、突出部27の夫々に、2以上のネジ穴28が形成されていてもよい。ネジ穴28の夫々は、天井のある穴であってもよい。
【0044】
図4に示されるように、本実施の形態の外側端子24には、中心穴29が形成されている。中心穴29は、YZ平面において円形状を有している。中心穴29は、横方向において2つの突出部27の間に位置している。中心端子21は、YZ平面における中心穴29の中心に位置している。
【0045】
図9に示されるように、外側端子24は、端面26を更に有している。本実施の形態の端面26は、YZ平面と平行な平面である。第1受部252は、フランジ部25の端面26の一部である。2つの突出部27の夫々は、端面26から前後方向における前方に突出している。中心端子21の接触部214は、端面26の前方に位置している。接触部214は、端面26を超えて前後方向における前方に延びている。
【0046】
本実施の形態の端面26、突出部27及び接触部214は、上述の構造を有しており、上述のように配置されている。但し、本発明は、これに限られず、端面26、突出部27及び接触部214の構造及び配置は、必要に応じて変形可能である。
【0047】
図5に示されるように、本実施の形態の同軸コネクタ20は、絶縁体からなる絶縁部材22を更に備えている。本実施の形態の同軸コネクタ20は、中心端子21、絶縁部材22、及び外側端子24のみを備えている。但し、本発明は、これに限られない。例えば、同軸コネクタ20は、上述の部材に加えて、別の部材を更に備えていてもよい。
【0048】
図5に示されるように、絶縁部材22は、中心端子21の本体部212を、前後方向と直交する垂直平面(YZ平面)において囲んでいる。外側端子24は、絶縁部材22をYZ平面において囲んでいる。即ち、絶縁部材22は、YZ平面において中心端子21と外側端子24との間に位置している。即ち、絶縁部材22は、外側端子24と中心端子21とを互いに絶縁している。本実施の形態の中心端子21、絶縁部材22及び外側端子24は、上述のように配置されている。但し、外側端子24及び中心端子21が絶縁部材22によって互いに絶縁されている限り、中心端子21、絶縁部材22及び外側端子24の配置は、特に限定されない。
【0049】
図9に示されるように、本実施の形態の被固定部材40は、平板形状を有している。図8及び図9に示されるように、被固定部材40は、上面40Uと、下面40Lとを有している。図7に示されるように、コネクタ組立体12が基板16に接続された接続状態において、被固定部材40は、基板16の上下方向における下方に位置している。図7及び図9を参照して、コネクタ組立体12と基板16とを接続した接続状態において、被固定部材40は、基板16のグランド層78Aと接触している。図6に示されるように、接続状態において、被固定部材40は、外側端子24と接触している。被固定部材40は、金属からなるものである。なお、被固定部材40は、基板16や外側端子24との接続の信頼性を確保するため、例えば金めっきのような表面処理が施されることが好ましい。
【0050】
図11に示されるように、被固定部材40は、主部401と、第1接触部402と、2つのばね部404と、2つの第2接触部405とを有している。なお、本発明はこれに限定されず、ばね部404は一つであってもよい。即ち、被固定部材40は、主部401と、第1接触部402と、少なくとも1つのばね部404と、2つの第2接触部405とを有していればよい。
【0051】
図9に示されるように、本実施の形態の主部401は、所定平面内に延びている。詳しくは、主部401は、全体として、所定平面内に延びている。なお、本発明はこれに限定されず、主部401は、その一部が所定平面内に延びていればよい。即ち、主部401は、主として所定平面内に延びていればよい。図11に示されるように、主部401は、2つの張り出し部4012を有している。張り出し部4012は、主部401の横方向における両端に位置している。
【0052】
図11に示されるように、本実施の形態の第1接触部402は、主部401に設けられている。第1接触部402は、前後方向において後方に面している。第1接触部402は、主部401の後端を規定している。第1接触部402は、主部401の後端面である。第1接触部402は、少なくとも部分的に、2つの第2接触部405の間に位置している。図6に示されるように、接続状態において、第1接触部402は、第1受部252と接触している。即ち、接続状態において、第1接触部402と第1受部252とは、電気的に接続されている。
【0053】
図11に示されるように、本実施の形態のばね部404の夫々は、主部401から延びており、弾性変形可能である。図6を参照して、2つのばね部404は、同軸コネクタ20のフランジ部25の2つの誘い部256と夫々対応している。ばね部404の夫々は、第1部4041と、第2部4042とを有している。
【0054】
図11に示されるように、本実施の形態の第1部4041は、前後方向に延びている。第1部4041は、主として前後方向に延びている。被固定部材40が単体の状態において、第1部4041は、主部401から前後方向における後方且つ横方向内側に延びている。即ち、被固定部材40が単体の状態において、第1部4041は、主部401の張り出し部4012から前後方向における後方且つ横方向内側に延びている。
【0055】
図11に示されるように、本実施の形態の第2部4042は、第1部4041から前後方向と交差する方向に延びている。即ち、第2部4042は、第1部4041から前後方向と直交する横方向内側に延びている。
【0056】
図11に示されるように、本実施の形態の2つの第2接触部405は、横方向において互いに離れて位置している。2つのばね部404は、2つの第2接触部405を夫々支持している。これにより、2つの第2接触部405の夫々は、所定平面内において変位可能となっている。なお、本発明はこれに限定されず、2つの第2接触部405の少なくとも一つが、ばね部404に支持されており、所定平面内において変位可能となっていればよい。第2接触部405は、第2部4042に支持されている。第2接触部405は、第2部4042の横方向内端の近傍に位置している。図6を参照して、後述するように、被固定部材40を同軸コネクタ20に取り付ける際、誘い部256は、第2接触部405を第2受部254までガイドする。接続状態において、第2接触部405は、第2受部254と接触する。接続状態において、金属製の被固定部材40の第2接触部405は、金属製のフランジ部25の第2受部254と、電気的に接続される。なお、本発明はこれに限定されず、接続状態において、第2接触部405と第2受部254とは電気的に接続されなくてもよい。
【0057】
図11に示されるように、被固定部材40は、単体の状態において、前後方向における第2接触部405と第1接触部402との間に第1距離D1を有している。即ち、被固定部材40は、ばね部404が弾性変形していない初期状態において、前後方向における第2接触部405と第1接触部402との間に第1距離D1を有している。なお、ばね部404が一つの場合には、被固定部材40は、単体の状態において、前後方向における、ばね部404に支持された第2接触部405と第1接触部402との間に第1距離D1を有していればよい。即ち、2つの第2接触部405の少なくとも一つがばね部404に支持されている場合、被固定部材40は、単体の状態において、前後方向における上記少なくとも一つの第2接触部405と第1接触部402との間に第1距離D1を有していればよい。図10及び図11を参照して、第1距離D1は、第2距離D2よりも小さい。これにより、接続状態において、ばね部404が弾性変形した状態で、被固定部材40の第1接触部402と第2接触部405との間にフランジ部25が第1受部252及び第2受部254を介して挟み込まれることとなる。
【0058】
図6を参照して、接続状態において、2つのばね部404は、2つの第2接触部405を2つの第2受部254に夫々押し付けている。より詳しくは、接続状態において、ばね部404は、第2接触部405を第2受部254に押し付けており、第2接触部405は、上記押し付けにより第2受部254から反力を受けている。接続状態において、第1接触部402は、上記反力により前後方向に沿って第1受部252に押し付けられている。これにより、本実施の形態のコネクタ組立体12において、被固定部材40は、同軸コネクタ20の外側端子24に確実に接続されるようになっている。従って、本実施の形態のコネクタ組立体12を基板16に接続すると、基板16のグランド層78Aは、被固定部材40を介して外側端子24のフランジ部25の第1受部252に対して高い信頼性をもって電気的に接続されるようになっている。即ち、本実施の形態のコネクタ組立体12は、外側端子24を基板16のグランド層78Aに安定して接続することができるようになっており、基板16とコネクタ組立体12との間の信号の反射特性を確実に向上させることができるようになっている。
【0059】
図8に示されるように、被固定部材40は、被押付部42を有している。後述するように、被押付部42は、接続状態において基板16に押し付けられる部位である。本実施の形態によれば、上面40Uの横方向における中間部が主として被押付部42として機能する。
【0060】
図9に示されるように、本実施の形態の被固定部材40には、2つの固定孔45が形成されている。固定孔45の夫々は、上下方向において被固定部材40を貫通している。図11に示されるように、固定孔45の夫々は、水平面において円形状を有している。図8を参照して、固定孔45は、水平面において基板16の通過孔72に夫々対応する位置に設けられている。即ち、2つの固定孔45は、横方向において互いに離れており、前後方向において互いに同じ位置にある。
【0061】
本実施の形態の被固定部材40は、上述の構造を有している。但し、本発明は、これに限られない。例えば、固定孔45の夫々の形状は、特に限定されない。また、固定孔45の数は3以上であってもよい。
【0062】
図7を参照すると、コネクタ組立体12は、基板16に接続されて構造体10を形成する。構造体10の基板16は、上下方向において、外側端子24の突出部27と被固定部材40との間に位置している。図3及び図5を参照して、基板16の信号線74は、被固定部材40によって下方から加圧されて、中心端子21の接触部214に押し付けられて接触し、接触部214と信号線74とが電気的に接続される。なお、本発明はこれに限定されず、接触部214と信号線74とは、はんだ付けで接続されていてもよい。
【0063】
図9に示されるように、本実施の形態の2つの固定部材60は、互いに同じ形状を有している。より具体的には、本実施の形態の固定部材60の夫々は、ネジ60である。即ち、固定部材60の夫々にはねじ(図示せず)が切られている。より詳しくは、固定部材60の夫々は、金属製の右ネジ60である。固定部材60は、基板16の通過孔72に夫々対応して設けられている。即ち、本実施の形態の固定部材60の数は2である。但し、本発明は、これに限られない。例えば、互いに異なる形状を有する3つ以上の固定部材60を設けてもよい。図2及び図9を参照して、固定部材60の夫々は、接続状態において、被固定部材40の固定孔45及び基板16の通過孔72を通過して、ネジ穴28にネジ込まれている。
【0064】
本実施の形態のコネクタ組立体12は、以下に説明する接続方法によって基板16に接続される。以下に説明する接続方法は、一例に過ぎず、必要に応じて変形可能である。
【0065】
図8及び図9を参照して、まず、同軸コネクタ20の突出部27の下面27Lと基板16の上面70Uとが上下方向において接触し、且つ、同軸コネクタ20のネジ穴28と基板16の通過孔72とが水平面において互いに同じ位置となるように、同軸コネクタ20と基板16とを上下方向に配置する。
【0066】
次に、基板16の下面70Lと被固定部材40の上面40Uとが上下方向において対向し、且つ、同軸コネクタ20の誘い部256の夫々と、被固定部材40の対応するばね部404の第2接触部405とが水平面において互いに同じ位置となるように、被固定部材40を、同軸コネクタ20及び基板16に対して上下方向に配置する。
【0067】
その後、被固定部材40を、同軸コネクタ20及び基板16に対して上下方向に近づけると、被固定部材40の第2接触部405は、同軸コネクタ20の誘い部256に接触する。
【0068】
この状態で、被固定部材40を、同軸コネクタ20及び基板16に対して上下方向に更に近づけると、被固定部材40の第2接触部405は、同軸コネクタ20の誘い部256を乗り越えて同軸コネクタ20の対応する第2受部254上に乗り上げるとともに、被固定部材40の上面40Uは基板16の下面70Lと上下方向において接触する。
【0069】
この状態において、被固定部材40の第1接触部402は、同軸コネクタ20の第1受部252と前後方向において接触しており、被固定部材40の第2接触部405は、同軸コネクタ20の対応する第2受部254と前後方向において接触している。また、この状態において、ばね部404の夫々は、対応する第2接触部405を対応する第2受部254に押し付けており、第2接触部405は、上記押し付けにより第2受部254から反力を受けている。更に、この状態において、第1接触部402は、上記反力により前後方向に沿って第1受部252に押し付けられている。
【0070】
その後、固定部材60の夫々を、被固定部材40の固定孔45及び基板16の通過孔72を通して同軸コネクタ20の突出部27のネジ穴28にネジ込む。これにより、コネクタ組立体12は、基板16に接続された接続状態となる。
【0071】
図3及び図5を参照すると、中心端子21の接触部214は、接続状態において、基板16の信号線74と接触する。ここで、上述のように、接続前状態において、中心端子21の接触部214は、前方及び下方に向かって延びており、接触部214の下端は、突出部27の下面27Lの下方に位置している。これにより、接触部214は、接続状態において基板16の信号線74と突き当たって弾性変形する。接触部214は、弾性変形に起因して生じる復元力によって、信号線74に上方から押し付けられる。
【0072】
図5に示されるように、被固定部材40は、接続状態において、基板16の上下方向における下方に位置している。図5及び図9を参照して、固定部材60の夫々の頭部は、接続状態において、被固定部材40の下面40Lに押し付けられ、被固定部材40を上方に加圧する。このように加圧された被固定部材40の上面40Uは、基板16を突出部27の下面27Lに押し付ける。この結果、基板16は、突出部27と被固定部材40の間に挟み込まれる。特に、被固定部材40の被押付部42(図8参照)は、基板16のうち中心端子21の接触部214の下方に位置する接触領域に押し付けられ、接触領域を下方から支持する。特に、基板16が撓み易いフレキシブル基板である場合、基板16の接触領域は、上方から力を受けても撓まない。また、被固定部材40は、接続状態において、基板16のグランド層78Aに押し付けられて所定平面を上下方向と直交させている。
【0073】
即ち、2つの固定部材60は、接続状態において、被固定部材40を基板16のグランド層78Aに押し付けて所定平面を上下方向と直交させつつ、基板16の2つの通過孔72を通過して外側端子24の2つの突出部27に夫々固定されている。
【0074】
図4及び図9を参照すると、外側端子24は、接続状態において、突出部27、固定部材60及び被固定部材40を介して基板16の下面70Lのグランド層78Aに接地される。
【0075】
本実施の形態の構造体10は、既に説明した様々な変形例に加えて、更に様々に変形可能である、以下、構造体10の3つの変形例について構造体10との相違点を中心に説明する。
【0076】
(第1変形例)
図12図6と比較すると、第1変形例による構造体10Aは、コネクタ組立体12Aと、基板16とを備えている。本変形例の基板16は、上述の実施形態の基板16と同じであり、詳細な説明は省略する。コネクタ組立体12Aは、コネクタ組立体12と同様に、基板16に接続される。
【0077】
図12に示されるように、本変形例のコネクタ組立体12Aは、同軸コネクタ20と、被固定部材40Aと、2つの固定部材60とを備えている。本変形例の同軸コネクタ20及び固定部材60は、上述の実施形態の同軸コネクタ20及び固定部材60と同じであり、詳細な説明は省略する。
【0078】
図14に示されるように、本変形例の被固定部材40Aは、主部401Aと、第1接触部402Aと、2つのばね部404と、2つの第2接触部405とを有している。本変形例のばね部404及び第2接触部405は、上述の実施形態のばね部404及び第2接触部405と同じであり、詳細な説明は省略する。
【0079】
図14に示されるように、本変形例の主部401Aは、所定平面内に延びている。詳しくは、主部401Aは、全体として、所定平面内に延びている。主部401Aは、2つの張り出し部4012を有している。本変形例の張り出し部4012は、上述の実施の形態の張り出し部4012と同じであり、詳細な説明は省略する。
【0080】
図14に示されるように、本変形例の第1接触部402Aは、1つの凸部403からなる。凸部403は、被固定部材40Aの横方向における中央に位置している。凸部403は、主部401Aから前後方向において後方に突出している。図12に示されるように、コネクタ組立体12Aと基板16とを接続した接続状態において、凸部403は、第1受部252と接触している。即ち、接続状態において、被固定部材40Aの凸部403とフランジ部25の第1受部252とは、電気的に接続される。図12及び図3を参照して、接続状態において、凸部403は、横方向において2つの突出部27の間に位置している。接続状態において、凸部403は、横方向において中心端子21の接触部214と同じ位置に位置している。接続状態において、凸部403は、中心端子21の接触部214の近傍に位置している。
【0081】
図14に示されるように、被固定部材40Aは、単体の状態において、前後方向における第2接触部405と第1接触部402Aとの間に第1距離D1を有している。即ち、被固定部材40Aは、ばね部404が弾性変形していない初期状態において、前後方向における第2接触部405と第1接触部402Aとの間に第1距離D1を有している。図10及び図14を参照して、第1距離D1は、第2距離D2よりも小さい。これにより、接続状態において、ばね部404が弾性変形した状態で、被固定部材40Aの第1接触部402Aと第2接触部405との間にフランジ部25が第1受部252及び第2受部254を介して挟み込まれることとなる。
【0082】
図12を参照して、接続状態において、2つのばね部404は、2つの第2接触部405を2つの第2受部254に夫々押し付けている。より詳しくは、接続状態において、ばね部404は、第2接触部405を第2受部254に押し付けており、第2接触部405は、上記押し付けにより第2受部254から反力を受けている。接続状態において、第1接触部402Aは、上記反力により前後方向に沿って第1受部252に押し付けられている。これにより、本変形例のコネクタ組立体12Aにおいても、被固定部材40Aは、同軸コネクタ20の外側端子24に確実に接続されるようになっている。従って、本変形例のコネクタ組立体12Aを基板16に接続すると、基板16のグランド層78Aは、被固定部材40Aを介して外側端子24のフランジ部25の第1受部252に対して高い信頼性をもって電気的に接続されるようになっている。即ち、本変形例のコネクタ組立体12Aは、コネクタ組立体12Aの同軸コネクタ20の外側端子24を基板16のグランド層78Aに安定して接続することができるようになっており、基板16とコネクタ組立体12Aとの間の信号の反射特性を確実に向上させることができるようになっている。
【0083】
また、上述のように、接続状態において、同軸コネクタ20の中心端子21の接触部214の近傍に位置する第1接触部402Aは、前後方向に沿って第1受部252に押し付けられている。これにより、被固定部材40Aは、接続状態において、同軸コネクタ20の中心端子21の接触部214の近傍においてフランジ部25と必ず接触することとなる。
【0084】
一方、基板16とコネクタ組立体12,12Aとの間の信号の反射特性を改善させるためには、接続状態において、被固定部材40,40Aが、同軸コネクタ20の中心端子21の近傍においてフランジ部25に接触していることが好ましいことが分かっている。
【0085】
翻って、上述のように、本変形例のコネクタ組立体12Aにおいては、接続状態において、同軸コネクタ20の中心端子21の接触部214の近傍においてフランジ部25と必ず接触している。これにより、第1接触部402Aと第1受部252との接触力が大きくない場合等においても、本変形例のコネクタ組立体12Aは、接続状態において、基板16とコネクタ組立体12Aとの間の信号の反射特性を確実に改善することができるようになっている。
【0086】
(第2変形例)
図15図6と比較すると、第2変形例による構造体10Bは、コネクタ組立体12Bと、基板16とを備えている。本変形例の基板16は、上述の実施形態の基板16と同じであり、詳細な説明は省略する。コネクタ組立体12Bは、コネクタ組立体12と同様に、基板16に接続される。
【0087】
図15に示されるように、本変形例のコネクタ組立体12Bは、同軸コネクタ20と、被固定部材40Bと、2つの固定部材60とを備えている。本変形例の同軸コネクタ20及び固定部材60は、上述の実施形態の同軸コネクタ20及び固定部材60と同じであり、詳細な説明は省略する。
【0088】
図17に示されるように、本変形例の被固定部材40Bは、主部401Bと、第1接触部402Bと、2つのばね部404と、2つの第2接触部405とを有している。本変形例のばね部404及び第2接触部405は、上述の実施形態のばね部404及び第2接触部405と同じであり、詳細な説明は省略する。
【0089】
図17に示されるように、本変形例の主部401Bは、所定平面内に延びている。詳しくは、主部401Bは、全体として、所定平面内に延びている。主部401Bは、2つの張り出し部4012を有している。本変形例の張り出し部4012は、上述の実施の形態の張り出し部4012と同じであり、詳細な説明は省略する。
【0090】
図17に示されるように、第2変形例の第1接触部402Bは、2つの凸部403Bからなる。なお、本発明はこれに限定されず、第1接触部402Bは、少なくとも1つの凸部403Bからなっていてもよい。凸部403Bの夫々は、被固定部材40Bの横方向における中央付近に位置している。凸部403Bの夫々は、主部401Bから前後方向において後方に突出している。図15に示されるように、コネクタ組立体12Bが基板16に接続された接続状態において、凸部403Bの夫々は、第1受部252と接触している。即ち、接続状態において、被固定部材40Bの凸部403Bとフランジ部25の第1受部252とは、電気的に接続される。図15及び図3を参照して、接続状態において、凸部403Bの夫々は、横方向において2つの突出部27の間に位置している。接続状態において、2つの凸部403Bは、横方向において中心端子21の接触部214の両側に位置している。接続状態において、凸部403Bの夫々は、中心端子21の接触部214の近傍に位置している。
【0091】
図17に示されるように、被固定部材40Bは、単体の状態において、前後方向における第2接触部405と第1接触部402Bとの間に第1距離D1を有している。即ち、被固定部材40Bは、ばね部404が弾性変形していない初期状態において、前後方向における第2接触部405と第1接触部402Bとの間に第1距離D1を有している。図10及び図17を参照して、第1距離D1は、第2距離D2よりも小さい。これにより、接続状態において、ばね部404が弾性変形した状態で、被固定部材40Bの第1接触部402Bと第2接触部405との間にフランジ部25が第1受部252及び第2受部254を介して挟み込まれることとなる。
【0092】
図15を参照して、接続状態において、2つのばね部404は、2つの第2接触部405を2つの第2受部254に夫々押し付けている。より詳しくは、接続状態において、ばね部404は、第2接触部405を第2受部254に押し付けており、第2接触部405は、上記押し付けにより第2受部254から反力を受けている。接続状態において、第1接触部402Bは、上記反力により前後方向に沿って第1受部252に押し付けられている。これにより、本変形例のコネクタ組立体12Bにおいても、被固定部材40Bは、同軸コネクタ20の外側端子24に確実に接続されるようになっている。従って、本変形例のコネクタ組立体12Bを基板16に接続すると、基板16のグランド層78Aは、被固定部材40Bを介して外側端子24のフランジ部25の第1受部252に対して高い信頼性をもって電気的に接続されるようになっている。即ち、本変形例のコネクタ組立体12Bは、コネクタ組立体12Bの同軸コネクタ20の外側端子24を基板16のグランド層78Aに安定して接続することができるようになっており、基板16とコネクタ組立体12Bとの間の信号の反射特性を確実に向上させることができるようになっている。
【0093】
また、上述のように、接続状態において、同軸コネクタ20の中心端子21の接触部214の近傍に位置する第1接触部402Bは、前後方向に沿って第1受部252に押し付けられている。よって、被固定部材40Bは、接続状態において、同軸コネクタ20の中心端子21の接触部214の近傍においてフランジ部25と必ず接触することとなる。これにより、第1の変形例と同様に、第1接触部402Bと第1受部252との接触力が大きくない場合等においても、本変形例のコネクタ組立体12Bは、接続状態において、基板16とコネクタ組立体12Bとの間の信号の反射特性を確実に改善することができるようになっている。
【0094】
(第3変形例)
図20図8と比較すると、第3変形例による構造体10Cは、コネクタ組立体12Cと、基板16とを備えている。本変形例の基板16は、上述の実施形態の基板16と同じであり、詳細な説明は省略する。コネクタ組立体12Cは、コネクタ組立体12と同様に、基板16に接続される。
【0095】
図20図8と比較すると、本変形例のコネクタ組立体12Cは、同軸コネクタ20Cと、接続部材40Cとを備えている。接続部材40Cは、曲げを有する1枚の金属板である。本変形例によれば、接続部材40Cの所定の部位が被固定部材41Cとして機能し、接続部材40Cの他の2つの部位が固定部材46Cとして機能する。即ち、コネクタ組立体12Cは、同軸コネクタ20と異なる同軸コネクタ20Cと、被固定部材40と異なる被固定部材41Cと、固定部材60と異なる2つの固定部材46Cとを備えている。本変形例の被固定部材41C及び固定部材46Cの夫々は、接続部材40Cの一部である。即ち、被固定部材41Cと2つの固定部材46Cとは、互いに一体に形成されている。
【0096】
図21に示されるように、本変形例の同軸コネクタ20Cは、外側端子24と異なる外側端子24Cを備えていることを除き、同軸コネクタ20と同じ構造を有している。外側端子24Cは、前側導電部材242と異なる前側導電部材242Cを有していることを除き、外側端子24と同じ構造を有している。前側導電部材242Cは、突出部27と異なる突出部27Cを有していることを除き、前側導電部材242と同じ構造を有している。
【0097】
図18図5と併せて参照すると、同軸コネクタ20Cは、同軸ケーブル80の前端に取り付けられる。図21を参照すると、同軸コネクタ20Cは、外側端子24Cと、中心端子21と、絶縁部材(図示せず)とを備えている。絶縁部材は、外側端子24Cと中心端子21とを互いに絶縁している。外側端子24Cは、端面26と、2つの突出部27Cとを有している。2つの突出部27Cは、横方向において互いに離れており、端面26から前方に突出している。
【0098】
図21に示されるように、突出部27Cの夫々には、圧入穴28Cが形成されている。同軸コネクタ20Cは、ネジ穴28に代えて圧入穴28Cが形成されていることを除き、同軸コネクタ20と同じ構造を有している。本変形例の圧入穴28Cの夫々は、上下方向において突出部27Cを貫通している。なお、本発明はこれに限定されず、圧入穴28Cの夫々は、天井のある穴であってもよい。圧入穴28Cの夫々は、前後方向に延びる長丸の穴になっている。圧入穴28Cは、水平面において基板16の通過孔72に夫々対応する位置に設けられている。即ち、2つの圧入穴28Cは、横方向において互いに離れており、前後方向において互いに同じ位置にある。本変形例の圧入穴28Cの数は2である。但し、本発明は、これに限られない。例えば、突出部27Cの夫々に、2以上の圧入穴28Cが形成されていてもよい。
【0099】
図21に示されるように、中心端子21は、接触部214を有している。接触部214は、横方向において2つの突出部27Cの間に位置しており、端面26を超えて前方に延びている。詳しくは、接触部214は、コネクタ組立体12Cが基板16に接続される前の接続前状態において、前方及び下方に向かって延びている。
【0100】
図22に示されるように、接続部材40Cは、被固定部材41Cと、被押付部42Cと、2つの被圧入部(固定部材)46Cとを有している。本変形例によれば、被圧入部46Cの夫々は、固定部材46Cとして機能する。換言すれば、本変形例の固定部材46Cの夫々は、被圧入部46Cである。
【0101】
図22に示されるように、被固定部材41Cは、主部401Cと、第1接触部402と、2つのばね部404と、2つの第2接触部405とを有している。なお、本発明はこれに限定されず、ばね部404は一つであってもよい。即ち、被固定部材41Cは、主部401Cと、第1接触部402と、少なくとも1つのばね部404と、2つの第2接触部405とを有していればよい。本変形例の第1接触部402、ばね部404及び第2接触部405は、上述の実施形態の第1接触部402、ばね部404及び第2接触部405と同様であり、詳細な説明は省略する。
【0102】
図22に示されるように、本変形例の主部401Cは、所定平面内に延びている。詳しくは、主部401Cは、全体として、所定平面内に延びている。なお、本発明はこれに限定されず、主部401Cは、その一部が所定平面内に延びていればよい。即ち、主部401Cは、主として所定平面内に延びていればよい。
【0103】
図22に示されるように、主部401Cは、連結部4011と、2つの張り出し部4012を有している。本変形例の張り出し部4012は、上述の実施の形態の張り出し部4012と同様であり、詳細な説明は省略する。
【0104】
図20及び図21を参照して、連結部4011は、上面40Uと下面40Lとを有している。本変形例によれば、連結部4011の上面40Uの横方向における中間部が主として被押付部42Cとして機能する。図22に示されるように、2つの被圧入部46Cは、連結部4011の横方向における両側に夫々位置している。連結部4011は、2つの被圧入部46Cを横方向において互いに連結している。詳しくは、被圧入部46Cの夫々は、連結部4011に繋がっている。図20に示されるように、被圧入部46Cの夫々は、連結部4011を超えて上方に延びている。
【0105】
図19及び図21を参照して、コネクタ組立体12Cが基板16に接続された接続状態において、被固定部材41Cの第1接触部402は、フランジ部25Cの第1受部252と接触している。即ち、接続状態において、被固定部材41Cの第1接触部402とフランジ部25Cの第1受部252とは、電気的に接続される。図18及び図20を参照して、接続状態において、被固定部材41Cの第2接触部405は、フランジ部25Cの第2受部254と接触している。即ち、接続状態において、被固定部材41Cの第2接触部405とフランジ部25Cの第2受部254とは、電気的に接続される。
【0106】
図22に示されるように、被固定部材41Cは、単体の状態において、前後方向における第2接触部405と第1接触部402との間に第1距離D1を有している。即ち、被固定部材41Cは、ばね部404が弾性変形していない初期状態において、前後方向における第2接触部405と第1接触部402との間に第1距離D1を有している。図10及び図22を参照して、第1距離D1は、第2距離D2よりも小さい。これにより、接続状態において、ばね部404が弾性変形した状態で、被固定部材41Cの第1接触部402と第2接触部405との間にフランジ部25Cが第1受部252及び第2受部254を介して挟み込まれることとなる。
【0107】
図18図19及び図20を参照して、接続状態において、2つのばね部404は、2つの第2接触部405を2つの第2受部254に夫々押し付けている。より詳しくは、接続状態において、ばね部404は、第2接触部405を第2受部254に押し付けており、第2接触部405は、上記押し付けにより第2受部254から反力を受けている。図19及び図21を参照して、接続状態において、第1接触部402は、上記反力により前後方向に沿って第1受部252に押し付けられている。これにより、本変形例のコネクタ組立体12Cにおいても、被固定部材41Cは、同軸コネクタ20Cの外側端子24Cに確実に接続されるようになっている。従って、本変形例のコネクタ組立体12Cを基板16に接続すると、基板16のグランド層78Aは、被固定部材41Cを介して外側端子24Cのフランジ部25Cの第1受部252に対して高い信頼性をもって電気的に接続されるようになっている。即ち、本変形例のコネクタ組立体12Cは、外側端子24Cを基板16のグランド層78Aに安定して接続することができるようになっており、基板16とコネクタ組立体12Cとの間の信号の反射特性を確実に向上させることができるようになっている。
【0108】
図18及び図20を参照して、圧入穴28Cの夫々の横方向におけるサイズは、被圧入部46Cの横方向におけるサイズよりも小さくなっている。被圧入部46Cの夫々は、接続状態において、基板16の通過孔72を通過して、圧入穴28Cに圧入されている。図20に示されるように、被圧入部46Cの夫々には、孔部48Cが形成されている。孔部48Cの夫々は上下方向に延びており、前後方向において被圧入部46Cを貫通している。孔部48Cが形成された被圧入部46Cの夫々は、横方向に沿った力を受けると、横方向において部分的に圧縮されるようにして弾性変形する。弾性変形した被圧入部46Cの夫々には、復元力に起因して横方向外側に向かう力が生じる。
【0109】
なお、上述のように、圧入穴28Cの夫々は、前後方向に延びる長丸の穴になっている。これにより、被圧入部46Cを圧入穴28Cに圧入する際の圧入位置は、前後方向において若干の自由度がある。これにより、被固定部材41Cの第1接触部402とフランジ部25Cの第1受部252とが前後方向に隙間を生じることなく確実に接触するように、被圧入部46Cの夫々を圧入穴28Cに的確に圧入することができるようになっている。
【0110】
図18図1と比較すると、コネクタ組立体12Cは、コネクタ組立体12におけるネジ60を使用したねじ込みによる接続方法ではなく、被圧入部46Cを使用した圧入による接続方法によって基板16に接続される。
【0111】
詳しくは、コネクタ組立体12Cを基板16に接続する際、被圧入部46Cの夫々は、基板16の通過孔72を通過して、同軸コネクタ20Cの圧入穴28Cに挿入される。ここで、上述のように、圧入穴28Cの夫々の横方向におけるサイズは、被圧入部46Cの横方向におけるサイズよりも小さくなっている。このため、被圧入部46Cの夫々は、横方向において圧縮されつつ、圧入穴28Cに挿入される。圧入穴28Cの夫々に挿入された被圧入部46Cは、復元力によって圧入穴28Cの内壁面に押し付けられる。この結果、接続部材40Cは、同軸コネクタ20Cに固定され、コネクタ組立体12Cは、基板16に接続される。
【0112】
図19を参照すると、接続部材40Cの被固定部材41Cは、コネクタ組立体12Cが基板16に接続された接続状態において、基板16の上下方向における下方に位置する。図18及び図20を参照すると、接続部材40Cの2つの固定部材46Cは、接続状態において、被固定部材41Cの被押付部42Cを基板16のうち信号線74が形成された部位の下面70Lに押し付けつつ、基板16の2つの通過孔72を通過して外側端子24Cの2つの突出部27Cに夫々固定される。これにより、中心端子21の接触部214(図21参照)は、基板16の信号線74に押し付けられて接触し、接触部214と信号線74とが電気的に接続される。なお、本発明はこれに限定されず、接触部214と信号線74とは、はんだ付けで接続されていてもよい。
【0113】
本変形例によれば、被圧入部46Cの夫々は、接続状態において、基板16の通過孔72を通過して、圧入穴28Cに圧入される。圧入による接続方法は、ねじ込みによる接続方法に比べて短時間で容易に実行できる。
【0114】
(第4変形例)
図24図2と比較すると、第4変形例による構造体10Dは、コネクタ組立体12Dと、基板16とを備えている。本変形例の基板16は、上述の実施形態の基板16と同じであり、詳細な説明は省略する。コネクタ組立体12Dは、コネクタ組立体12と同様に、基板16に接続される。
【0115】
図25に示されるように、本変形例のコネクタ組立体12Dは、同軸コネクタ20Dと、被固定部材40Dと、2つの固定部材60とを備えている。本変形例の固定部材60は、上述の実施形態の固定部材60と同じであり、詳細な説明は省略する。
【0116】
図25を参照して、本変形例の同軸コネクタ20Dは、導電体からなる中心端子21と、絶縁体からなる絶縁部材(図示せず)と、導電体からなる外側端子24Dとを備えている。本変形例の中心端子21及び絶縁部材は、上述の実施形態の中心端子21及び絶縁部材22と同じであり、詳細な説明は省略する。
【0117】
図26に示されるように、本変形例の外側端子24Dは、前側導電部材242Dと、後側導電部材244とを備えている。本変形例の後側導電部材244は、上述の実施形態の後側導電部材244と同じであり、詳細な説明は省略する。
【0118】
図25に示されるように、本変形例の外側端子24Dは、フランジ部25Dと、2つの突出部27とを有している。本変形例の突出部27は、上述の実施形態の突出部27と同じであり、詳細な説明は省略する。
【0119】
図26を参照して、本変形例のフランジ部25Dは、第1受部252Dと、2つの第2受部254Dとを有している。
【0120】
図25に示されるように、第1受部252Dは、上下方向及び横方向の双方と直交する前後方向において前方に面している。第1受部252Dは、フランジ部25Dの上下方向における中央付近に位置している。第1受部252Dは、フランジ部25Dの横方向における中央に位置している。
【0121】
図26を参照して、2つの第2受部254Dの夫々は、前後方向において後方に面している。なお、本発明はこれに限定されず、第2受部254Dは、前後方向における後方且つ横方向における外側に面していてもよい。即ち、2つの第2受部254Dの夫々は、前後方向において少なくとも後方に面していればよい。第2受部254Dは、フランジ部25Dの横方向における両端に位置している。
【0122】
図26に示されるように、第1受部252Dは、第2受部254Dよりも前後方向における前方に位置している。なお、本発明はこれに限定されない。第1受部252Dが前方に面しており、且つ、第2受部254Dが少なくとも後方に面している限り、第1受部252Dは、第2受部254Dよりも前後方向における後方に位置していてもよい。なお、本変形例のように第1受部252D及び第2受部254Dが構成されていると、フランジ部25Dの前後方向におけるサイズの大型化を避けることができるため、より好ましい。フランジ部25Dは、前後方向における第1受部252Dと第2受部254Dとの間に第2距離D2を有している。
【0123】
図26を参照して、本変形例のフランジ部25Dは、平面部257と、端面26Dと、誘い部256Dと、2つの第1止部258と、2つの第2止部259とを有している。
【0124】
図26に示されるように、本変形例の平面部257は、YZ平面と平行な平面である。平面部257は、フランジ部25Dの上下方向における下端を規定している。
【0125】
図26に示されるように、本変形例の端面26Dは、YZ平面と平行な平面である。第1受部252Dは、フランジ部25Dの端面26Dの一部である。2つの突出部27の夫々は、端面26Dから前後方向における前方に突出している。中心端子21の接触部214は、端面26Dの前方に位置している。接触部214は、端面26Dを超えて前後方向における前方に延びている。
【0126】
図26に示されるように、本変形例の誘い部256Dは、前後方向及び上下方向の双方と斜交している。誘い部256Dは、上下方向において平面部257と第1受部252Dとの間に位置している。誘い部256Dは、平面部257の上下方向における上方に位置している。誘い部256Dは、第1受部252Dの上下方向における下方に位置している。図25に示されるように、誘い部256Dは、中心穴29の上下方向における下方に位置している。
【0127】
図26を参照して、本変形例の第1止部258は、第2受部254Dと夫々対応している。第1止部258の夫々は、上下方向において対応する第2受部254Dの下方に位置している。第1止部258の夫々は、上下方向において上方に向いている。第1止部258の夫々は、上下方向と直交する面である。第1止部258は、上下方向において第2止部259の下方に位置している。
【0128】
図26を参照して、本変形例の第2止部259は、第2受部254Dと夫々対応している。第2止部259の夫々は、上下方向において対応する第2受部254Dの上方に位置している。第2止部259の夫々は、上下方向において下方に向いている。第2止部259の夫々は、上下方向と直交する面である。第2止部259は、上下方向において第1止部258の上方に位置している。
【0129】
図23及び図25に示されるように、被固定部材40Dは、主部401Bと、第1接触部402Bと、2つのばね部404と、2つの第2接触部405と、2つの第1被止部408と、2つの第2被止部409とを有している。本変形例の主部401B、第1接触部402B、ばね部404及び第2接触部405は、第2変形例の被固定部材40Bの主部401B、第1接触部402B、ばね部404及び第2接触部405と同じであり、詳細な説明は省略する。第2接触部405は、第1止部258と夫々対応している。第2接触部405は、第2止部259と夫々対応している。
【0130】
図24及び図25を参照して、被固定部材40Dを同軸コネクタ20Dに取り付ける際、誘い部256Dは、第1接触部402Bを第1受部252Dまでガイドする。
【0131】
図24に示されるように、接続状態において、第1接触部402Bの凸部403Bの夫々は、第1受部252Dと接触している。即ち、接続状態において、凸部403Bとフランジ部25Dの第1受部252Dとは、電気的に接続される。図24及び図25を参照して、接続状態において、凸部403Bの夫々は、横方向において2つの突出部27の間に位置している。接続状態において、2つの凸部403Bは、横方向において中心端子21の接触部214の両側に位置している。接続状態において、凸部403Bの夫々は、中心端子21の接触部214の近傍に位置している。
【0132】
図25を参照して、被固定部材40Dは、単体の状態において、前後方向における第2接触部405と第1接触部402Bとの間に第1距離を有している。即ち、被固定部材40Dは、ばね部404が弾性変形していない初期状態において、前後方向における第2接触部405と第1接触部402Bとの間に第1距離を有している。図25及び図26を参照して、第1距離は、第2距離D2よりも小さい。これにより、図23及び図24を参照して、接続状態において、ばね部404が弾性変形した状態で、被固定部材40Dの第1接触部402Bと第2接触部405との間にフランジ部25Dが第1受部252D及び第2受部254Dを介して挟み込まれることとなる。
【0133】
図23を参照して、接続状態において、2つのばね部404は、2つの第2接触部405を2つの第2受部254Dに夫々押し付けている。より詳しくは、接続状態において、ばね部404は、第2接触部405を第2受部254Dに押し付けており、第2接触部405は、上記押し付けにより第2受部254Dから反力を受けている。図24を参照して、接続状態において、第1接触部402Bの凸部403Bは、上記反力により前後方向に沿って第1受部252Dに押し付けられている。これにより、本変形例のコネクタ組立体12Dにおいても、被固定部材40Dは、同軸コネクタ20Dの外側端子24Dに確実に接続されるようになっている。従って、本変形例のコネクタ組立体12Dを基板16に接続すると、基板16のグランド層78Aは、被固定部材40Dを介して外側端子24Dのフランジ部25Dの第1受部252Dに対して高い信頼性をもって電気的に接続されるようになっている。即ち、本変形例のコネクタ組立体12Dは、コネクタ組立体12Dの同軸コネクタ20Dの外側端子24Dを基板16のグランド層78Aに安定して接続することができるようになっており、基板16とコネクタ組立体12Dとの間の信号の反射特性を確実に向上させることができるようになっている。
【0134】
また、上述のように、接続状態において、同軸コネクタ20Dの中心端子21の接触部214の近傍に位置する第1接触部402Bは、前後方向に沿って第1受部252Dに押し付けられている。これにより、被固定部材40Dは、接続状態において、同軸コネクタ20Dの中心端子21の接触部214の近傍においてフランジ部25Dと必ず接触することとなる。これにより、第2の変形例と同様に、これにより、第1接触部402Bと第1受部252Dとの接触力が大きくない場合等においても、本変形例のコネクタ組立体12Dは、接続状態において、基板16とコネクタ組立体12Dとの間の信号の反射特性を確実に改善することができるようになっている。
【0135】
図25に示されるように、本変形例の第1被止部408は、ばね部404と夫々対応している。第1被止部408の夫々は、対応するばね部404の第2部4042の幅方向内端に位置している。第1被止部408は、上下方向において下方に面している。
【0136】
図23を参照して、本変形例の第2被止部409は、ばね部404と夫々対応している。第2被止部409の夫々は、対応するばね部404の第2部4042の幅方向内端に位置している。第2被止部409は、上下方向において上方に面している。
【0137】
図24及び図25を参照して、2つの固定部材60は、接続状態において、被固定部材40Dを基板16のグランド層78Aに押し付けて所定平面を上下方向と直交させつつ、基板16の2つの通過孔72を通過して外側端子24Dの2つの突出部27に夫々固定されている。
【0138】
図27を参照して、本変形例の被固定部材40Dは、同軸コネクタ20Dに仮に組付けられた仮組状態をとることができる。具体的には、図25及び図27を参照して、第2接触部405が、対応する第1止部258と対応する第2止部259との間に位置すると共に、凸部403Bが誘い部256Dに接触するように、ばね部404を弾性変形させつつ、被固定部材40Dを同軸コネクタ20Dに取り付ける。これにより、同軸コネクタ20Dと被固定部材40Dとは、図27に示される仮組状態となる。
【0139】
この仮組状態においては、被固定部材40Dの第1被止部408は、同軸コネクタ20Dの第1止部258に接触しており、被固定部材40Dの凸部403Bは、誘い部256Dに接触している。また、この仮組状態において、同軸コネクタ20Dを上下逆さにしても、被固定部材40Dの第2被止部409(図23参照)が同軸コネクタ20Dの第2止部259に接触すると共に、被固定部材40Dの凸部403Bがフランジ部25Dの平面部257に接触するため、被固定部材40Dが同軸コネクタ20Dから脱落しない。これらのことから、被固定部材40D及び同軸コネクタ20Dを仮組状態のまま運版可能となっている。
【0140】
(第5変形例)
図28に示されるように、第1変形例による構造体10Eは、コネクタ組立体12Eと、基板16とを備えている。本変形例の基板16は、上述の実施形態の基板16と同じであり、詳細な説明は省略する。コネクタ組立体12Eは、コネクタ組立体12と同様に、基板16に接続される。
【0141】
図30に示されるように、本変形例のコネクタ組立体12Eは、同軸コネクタ20Eと、被固定部材40Eと、2つの固定部材60とを備えている。本変形例の固定部材60は、上述の実施形態の固定部材60と同じであり、詳細な説明は省略する。
【0142】
図30を参照して、本変形例の同軸コネクタ20Eは、導電体からなる中心端子21と、絶縁体からなる絶縁部材(図示せず)と、導電体からなる外側端子24Eとを備えている。本変形例の中心端子21及び絶縁部材は、上述の実施形態の中心端子21及び絶縁部材22と同様であり、詳細な説明は省略する。
【0143】
図32に示されるように、本変形例の外側端子24Eは、前側導電部材242Eと、後側導電部材244とを備えている。本変形例の後側導電部材244は、上述の実施形態の後側導電部材244と同じであり、詳細な説明は省略する。
【0144】
図30に示されるように、本変形例の外側端子24Eは、フランジ部25Eと、2つの突出部27とを有している。本変形例の突出部27は、上述の実施形態の突出部27と同じであり、詳細な説明は省略する。
【0145】
図32を参照して、本変形例のフランジ部25Eは、第1受部252と、2つの第2受部254Eとを有している。本変形例の第1受部252は、上述の実施形態の第1受部252と同じであり、詳細な説明は省略する。
【0146】
図29に示されるように、2つの第2受部254Eの夫々は、前後方向において後方に面している。なお、本発明はこれに限定されず、第2受部254Eは、前後方向における後方且つ横方向における外側に面していてもよい。即ち、2つの第2受部254Eの夫々は、前後方向において少なくとも後方に面していればよい。第2受部254Eは、フランジ部25Eの横方向における両端に位置している。
【0147】
図29に示されるように、第1受部252は、第2受部254Eよりも前後方向における前方に位置している。なお、本発明はこれに限定されない。第1受部252が前方に面しており、且つ、第2受部254Eが少なくとも後方に面している限り、第1受部252は、第2受部254Eよりも前後方向における後方に位置していてもよい。なお、本変形例のように第1受部252及び第2受部254Eが構成されていると、フランジ部25Eの前後方向におけるサイズの大型化を避けることができるため、より好ましい。
【0148】
図29に示されるように、2つの第2受部254Eは、第2主受部2541と、第2副受部2542とを含んでいる。
【0149】
図29に示されるように、第2主受部2541は、フランジ部25Eの横方向における一方の端部に位置している。即ち、第2主受部2541は、フランジ部25Eの左右方向における右端に位置している。第2主受部2541は、前後方向において第2副受部2542の前方に位置している。図32に示されるように、フランジ部25Eは、前後方向における第1受部252と第2主受部2541との間に第2距離D2を有している。即ち、フランジ部25Eは、前後方向における第1受部252と第2受部254Eとの間に第2距離D2を有している。
【0150】
図29に示されるように、第2副受部2542は、フランジ部25Eの横方向における他方の端部に位置している。即ち、第2副受部2542は、フランジ部25Eの左右方向における左端に位置している。第2副受部2542は、前後方向において第2主受部2541の後方に位置している。
【0151】
図32に示されるように、本変形例のフランジ部25Eは、誘い部256Eを有している。誘い部256Eは、前後方向及び上下方向の双方と斜交している。誘い部256Eは、第2主受部2541の上下方向における下方に位置している。
【0152】
図30に示されるように、本実施の形態の被固定部材40Eは、平板形状を有している。図30及び図33に示されるように、被固定部材40Eは、上面40Uと、下面40Lとを有している。被固定部材40Eは、金属からなるものである。図28に示されるように、コネクタ組立体12Eが基板16に接続された接続状態において、被固定部材40Eは、基板16の上下方向における下方に位置している。接続状態において、被固定部材40Eは基板16のグランド層78Aと接触している。
【0153】
図33に示されるように、本変形例の被固定部材40Eは、主部401Eと、第1接触部402Eと、1つのばね部404Eと、支持部406と、2つの第2接触部405Eとを有している。接続状態において、第1接触部402Eは、中心端子21の接触部214の近傍に位置している。本変形例の第1接触部402Eは、第1変形例の被固定部材40Aの第1接触部402Aと同様であり、詳細な説明は省略する。
【0154】
図33に示されるように、本変形例の主部401Eは、所定平面内に延びている。詳しくは、主部401Eは、全体として、所定平面内に延びている。なお、本発明はこれに限定されず、主部401Eは、その一部が所定平面内に延びていればよい。即ち、主部401Eは、主として所定平面内に延びていればよい。主部401Eは、1つの張り出し部4012Eを有している。張り出し部4012Eは、主部401Eの横方向における一方の端部に位置している。即ち、張り出し部4012Eは、主部401Eの左右方向における右端に位置している。
【0155】
図33に示されるように、本変形例のばね部404Eは、主部401Eから延びており、弾性変形可能である。ばね部404Eは、主部401Eから前後方向における後方に延びている。ばね部404Eは、第1部4041Eと、第2部4042Eとを有している。
【0156】
図33に示されるように、本変形例の第1部4041Eは、前後方向に延びている。第1部4041Eは、主として前後方向に延びている。被固定部材40Eが単体の状態において、第1部4041Eは、主部401Eから前後方向における後方且つ横方向内側に延びている。即ち、被固定部材40Eが単体の状態において、第1部4041Eは、主部401Eの張り出し部4012Eから前後方向における後方且つ横方向内側に延びている。
【0157】
図33に示されるように、本変形例の第2部4042Eは、第1部4041Eから前後方向と交差する方向に延びている。即ち、第2部4042Eは、第1部4041Eから前後方向と直交する横方向内側に延びている。
【0158】
図33に示されるように、本変形例の支持部406は、主部401Eから延びておりいる。具体的には、支持部406は、主部401Eの左端から前後方向における後方に延びた後、屈曲して幅方向内側に延びている。
【0159】
図33に示されるように、本変形例の2つの第2接触部405Eは、横方向において互いに離れて位置している。図29に示されるように、接続状態において、第2接触部405Eは、第2受部254Eと夫々接触する。接続状態において、金属製の被固定部材40Eの第2接触部405Eは、金属製のフランジ部25Eの第2受部254Eと、電気的に接続される。なお、本発明はこれに限定されず、接続状態において、第2接触部405Eと第2受部254Eとは電気的に接続されなくてもよい。
【0160】
図33に示されるように、2つの第2接触部405Eは、第2主接触部4051と、第2副接触部4052とを含んでいる。
【0161】
図33に示されるように、第2主接触部4051は、第2部4042Eの横方向内端の近傍に位置している。第2主接触部4051は、第2副接触部4052の左右方向における右方に位置している。ばね部404Eは、第2主接触部4051を支持している。これにより、第2主接触部4051は、所定平面内において変位可能となっている。図29を参照して、被固定部材40Eを同軸コネクタ20Eに取り付ける際、誘い部256Eは、第2主接触部4051を第2主受部2541までガイドする。接続状態において、第2主接触部4051は、第2主受部2541と接触する。
【0162】
図33に示されるように、第2副接触部4052は、支持部406の横方向内端の近傍に位置している。支持部406は、第2副接触部4052を支持している。第2副接触部4052は、第2主接触部4051の左右方向における左方に位置している。第2副接触部4052は、被固定部材40Eの左右方向における左端付近に位置している。図29に示されるように、接続状態において、第2副接触部4052は、第2副受部2542と接触する。図32及び図33を参照して、被固定部材40Eが単体の状態における前後方向の第2副接触部4052と第1接触部402Eとの間の距離は、第2距離D2とほぼ等しい。
【0163】
図33に示されるように、被固定部材40Eは、単体の状態において、前後方向における第2主接触部4051と第1接触部402Eとの間に第1距離D1を有している。即ち、被固定部材40Eは、単体の状態において、前後方向における第2接触部405Eと第1接触部402Eとの間に第1距離D1を有している。被固定部材40Eは、ばね部404Eが弾性変形していない初期状態において、前後方向における第2主接触部4051と第1接触部402Eとの間に第1距離D1を有している。図32及び図33を参照して、第1距離D1は、第2距離D2よりも小さい。これにより、接続状態においては、ばね部404Eが弾性変形した状態で、被固定部材40Eの第1接触部402Eと第2主接触部4051との間にフランジ部25Eが第1受部252及び第2主受部2541を介して挟み込まれることとなる。
【0164】
図29を参照して、接続状態において、ばね部404Eは、第2主接触部4051を第2主受部2541に押し付けており、第2主接触部4051は、上記押し付けにより第2主受部2541から反力を受けている。接続状態において、第1接触部402Eは、上記反力により前後方向に沿って第1受部252に押し付けられている。これにより、本変形例のコネクタ組立体12Eにおいても、被固定部材40Eは、同軸コネクタ20Eの外側端子24Eに確実に接続されるようになっている。従って、本変形例のコネクタ組立体12Eを基板16に接続すると、基板16のグランド層78Aは、被固定部材40Eを介して外側端子24Eのフランジ部25Eの第1受部252に対して高い信頼性をもって電気的に接続されるようになっている。即ち、本変形例のコネクタ組立体12Eは、コネクタ組立体12Eの同軸コネクタ20Eの外側端子24Eを基板16のグランド層78Aに安定して接続することができるようになっており、基板16とコネクタ組立体12Eとの間の信号の反射特性を確実に向上させることができるようになっている。
【0165】
また、上述のように、接続状態において、同軸コネクタ20Eの中心端子21の接触部214の近傍に位置する第1接触部402Eは、前後方向に沿って第1受部252に押し付けられている。これにより、被固定部材40Eは、接続状態において、同軸コネクタ20Eの中心端子21の接触部214の近傍においてフランジ部25Eと必ず接触することとなる。これにより、第1の変形例と同様に、第1接触部402Eと第1受部252との接触力が大きくない場合等においても、本変形例のコネクタ組立体12Eは、接続状態において、基板16とコネクタ組立体12Eとの間の信号の反射特性を確実に改善することができるようになっている。
【0166】
図33に示されるように、被固定部材40Eは、被押付部42Eを有している。後述するように、被押付部42Eは、接続状態(図29参照)において基板16に押し付けられる部位である。本変形例によれば、上面40Uの横方向における中間部が主として被押付部42Eとして機能する。
【0167】
図29を参照して、本変形例のコネクタ組立体12Eにおいては、第2副受部2542は、フランジ部25Eの左端に位置しており、支持部406に支持された第2副接触部4052は、被固定部材40Eの左端付近に位置している。一方、右ネジ60である固定部材60の一つをネジ穴28(図30参照)にネジ込んだ際、被固定部材40Eには下方から見て時計回りに回転させる力が作用する。しかしながら、本変形例のコネクタ組立体12Eにおいては、上述のように第2副受部2542と第2副接触部4052とが配置されている。これにより、固定部材60の一つをネジ穴28にネジ込んだ際に、第2副接触部4052が接触している第2副受部2542が上記力を受け止めるため、フランジ部25Eに対する被固定部材40Eの上記回転を抑制することができるようになっている。
【0168】
以上、実施の形態や及び様々な変形例を説明したが、前述した実施の形態及び変形例は、更に様々に変形可能であり、且つ、様々に組み合わせることができる。
【符号の説明】
【0169】
10,10A,10B,10C,10D,10E 構造体
12,12A,12B,12C,12D,12E コネクタ組立体
16 基板
20,20C,20D,20E 同軸コネクタ
21 中心端子
212 本体部
214 接触部
218 接続部
22 絶縁部材
24,24C,24D,24E 外側端子
242,242C,242D,242E 前側導電部材
244 後側導電部材
25,25C,25D,25E フランジ部
252,252D 第1受部
254,254D,254E 第2受部
2541 第2主受部
2542 第2副受部
256,256D,256E 誘い部
257 平面部
258 第1止部
259 第2止部
26,26D 端面
27,27C 突出部
27U 上面
27L 下面
28 ネジ穴
28C 圧入穴
29 中心穴
40,40A,40B,40D,40E 被固定部材
40C 接続部材
40U 上面
40L 下面
41C 被固定部材
42,42C,42E 被押付部
45 固定孔
46C 被圧入部(固定部材)
48C 孔部
401,401A,401B,401C,401E 主部
4011 連結部
4012,4012E 張り出し部
402,402A,402B,402E 第1接触部
403,403B 凸部
404,404E ばね部
4041,4041E 第1部
4042,4042E 第2部
405,405E 第2接触部
4051 第2主接触部
4052 第2副接触部
406 支持部
408 第1被止部
409 第2被止部
60 固定部材(ネジ)
70U 上面
70L 下面
72 通過孔
74 信号線
76X ランド
77X ビアホール
78A グランド層
80 同軸ケーブル
82 中心導体
84 内部絶縁体
86 外部導体
88 外被
89 相手側コネクタ
D1 第1距離
D2 第2距離
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29
図30
図31
図32
図33
図34
図35