(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025010521
(43)【公開日】2025-01-21
(54)【発明の名称】位置感知を有するガイドシースシステム及び関連方法
(51)【国際特許分類】
A61B 34/20 20160101AFI20250110BHJP
A61B 5/367 20210101ALI20250110BHJP
A61B 5/33 20210101ALI20250110BHJP
【FI】
A61B34/20
A61B5/367 100
A61B5/33 100
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024108763
(22)【出願日】2024-07-05
(31)【優先権主張番号】63/525,494
(32)【優先日】2023-07-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】18/399,230
(32)【優先日】2023-12-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】511099630
【氏名又は名称】バイオセンス・ウエブスター・(イスラエル)・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Biosense Webster (Israel), Ltd.
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】マーク・ティー・スタンレー
(72)【発明者】
【氏名】レイモンド・ユエ-シン・タン
(72)【発明者】
【氏名】ウィリアム・ジェームズ・アグニュー・ブイ
(72)【発明者】
【氏名】アミー・キム
(72)【発明者】
【氏名】アフラー・サラフディン
(72)【発明者】
【氏名】ドナルド・アボイテス
(72)【発明者】
【氏名】クフィル・コゾカロ
(72)【発明者】
【氏名】マイケル・ディー・バナンド
(72)【発明者】
【氏名】ザッカリー・シュウ
【テーマコード(参考)】
4C127
【Fターム(参考)】
4C127AA02
4C127BB05
4C127HH13
(57)【要約】
【課題】ガイドシースシステムを提供すること。
【解決手段】システムは、ハンドルとカテーテルチューブとを備えるシースと、所定の幾何学的形状のシャフトを有し、ハンドル及びカテーテルチューブを通り抜けるように構成された管腔内装置と、ハンドルに近接して配置されており、かつシース内の管腔内装置の挿入の長さを判定し、それによってシャフトの遠位端部の位置を判定するように構成されたセンサ組立体とを含む。また、管腔内装置の遠位端部を可視化するための方法であって、患者の体内のシースの遠位部分の位置を判定することと、シース内の所定の幾何学的形状で構成されたシャフトの挿入の長さを判定することと、シース内のシャフトの挿入の長さ、シャフトの所定の幾何学的形状、及びシースの遠位部分の位置に少なくとも部分的に基づいて、患者の体内のシャフトの遠位端部の位置を判定することと、患者の体内のシャフトの遠位端部の位置のグラフィカル表現を提供することと、を含む、方法。
【選択図】
図1A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
システムであって、
ハンドルと前記ハンドルから遠位に延在するカテーテルチューブとを備えるシースと、
所定の幾何学的形状を有するシャフトを備え、前記ハンドル及び前記カテーテルチューブを通り抜けるように構成された管腔内装置と、
前記ハンドルに近接して配置されており、かつ前記シース内の前記管腔内装置のパラメータを判定し、それによって前記シャフトの遠位端部の位置を判定するように構成されたセンサ組立体と、を備え、前記パラメータが、前記管腔内装置の挿入又は回転の長さを含む、システム。
【請求項2】
プロセッサと、
命令を有する非一時的コンピュータ可読媒体と、を更に備え、前記命令が、前記プロセッサによって実行されると、前記システムに、
前記シース内の前記管腔内装置の前記挿入の長さを判定させ、
前記シース内の前記管腔内装置の前記挿入の長さ及び前記シャフトの前記所定の幾何学的形状に少なくとも部分的に基づいて、前記シャフトの遠位端部の前記位置を判定させる、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記シースが、前記カテーテルチューブの遠位端部に近接するナビゲーションセンサを備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記カテーテルチューブの遠位部分が、湾曲部を備え、前記シャフトの遠位部分が、予め成形された湾曲部を備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記シースと前記管腔内装置とを備える経中隔穿刺キットを更に備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記管腔内装置が、経中隔針を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記管腔内装置が、拡張器を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記管腔内装置が、識別マーカを更に備え、前記ハンドルが、前記識別マーカに少なくとも部分的に基づいて前記シャフトの前記所定の幾何学的形状を判定するように構成された識別回路を更に備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
前記識別マーカが、無線周波数識別(RFID)回路を備える、請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
前記センサ組立体が、前記シースの前記ハンドル内のセンサアレイと、前記管腔内装置の前記シャフトの近位部分上に配置されたセンサマーカと、を備え、前記センサアレイが、前記ハンドル内の前記センサマーカの位置を判定し、それによって前記シャフトの遠位端部の前記位置を判定するように構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項11】
前記センサマーカが、強磁性材料を含み、前記センサアレイが、複数の磁気センサを備える、請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
前記センサアレイが、長手方向軸に沿って直線的にかつ前記ハンドル内の管腔に隣接して配設された複数のセンサを備え、前記管腔が、前記管腔内装置の前記シャフトを受容するように構成されている、請求項10に記載のシステム。
【請求項13】
プロセッサと、
命令を有する非一時的コンピュータ可読媒体と、を更に備え、前記命令が、前記プロセッサによって実行されると、前記システムに、
前記センサアレイからの電気信号に少なくとも部分的に基づいて、前記ハンドル内の前記センサマーカの前記位置を判定させ、
前記センサアレイからの前記電気信号及び前記シャフトの前記所定の幾何学的形状に少なくとも部分的に基づいて、前記管腔内装置の前記シャフトの前記遠位端部の前記位置を判定させる、請求項10に記載のシステム。
【請求項14】
管腔内装置位置感知システムであって、
シャフトと制御ハンドルとを有するガイドカテーテルシースであって、前記シャフトが、管腔を含み、前記制御ハンドルが、長手方向軸に沿って内部に経路を有し、前記経路と前記管腔とが、互いに連通している、ガイドカテーテルシースと、
所定の幾何学的形状、近位部分、及び遠位部分を有する第1の管腔内装置であって、前記遠位部分が、前記シースの前記管腔を通って延在するように構成されており、前記近位部分が、前記制御ハンドルの前記経路を通って延在するように構成されている、第1の管腔内装置と、
前記第1の管腔内装置の前記近位部分上に位置する第1のエミッタと、
前記制御ハンドルの前記経路内に位置し、前記第1の管腔内装置の前記近位部分上の前記第1のエミッタに応答して信号を生成するように構成されたセンサと、を備え、前記信号が、前記第1の管腔内装置の前記遠位部分の位置を表す、システム。
【請求項15】
前記第1のエミッタが、磁気部材を含み、前記センサが、磁気センサを含む、請求項14に記載のシステム。
【請求項16】
前記第1のエミッタが、照射されたときに光学信号が放出されるように光学的に読み取り可能なパターンを含み、前記センサが、少なくとも光学検出器を有する光学ユニットを含む、請求項14に記載のシステム。
【請求項17】
前記光学ユニットが、光源を含む、請求項16に記載のシステム。
【請求項18】
前記第1の管腔内装置が、拡張器である、請求項14に記載のシステム。
【請求項19】
前記第1の管腔内装置が、第2の管腔内装置を受容するように構成された管腔を含む、請求項14に記載のシステム。
【請求項20】
管腔内装置位置感知システムであって、
シャフトと制御ハンドルとを有するガイドシースであって、前記シャフトが、管腔を含み、前記制御ハンドルが、長手方向軸に沿って内部に経路を画定しており、前記経路と前記管腔とが、互いに連通している、ガイドシースと、
所定の幾何学的形状を有する第1の管腔内装置であって、前記第1の管腔内装置が、近位部分及び遠位部分を含み、前記遠位部分が、前記シースの前記管腔を通って延在するように構成されており、前記近位部分が、前記制御ハンドルの前記経路を通って延在するように構成されている、第1の管腔内装置と、
前記第1の管腔内装置の前記近位部分上に位置する第1の光学的に読み取り可能なパターンと、
前記制御ハンドルの前記経路内に位置する光学源及び光学センサと、を備え、前記光学源が、前記第1の光学的に読み取り可能なパターンを照明するように構成されており、前記光学センサが、前記光学源による前記第1の光学的に読み取り可能なパターンの照明に応答して信号を生成するように構成されており、前記信号が、前記第1の管腔内装置の前記遠位部分の位置を表す、管腔内装置位置感知システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2023年7月7日に出願された米国特許仮出願第63/525,494号の優先権及び利益を主張するものであり、その全容が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
(発明の分野)
本発明は、ガイドシースと、拡張器、治療用及び診断用カテーテル、並びに経中隔針などのガイドシースとともに使用される管腔内装置とに関する。
【背景技術】
【0003】
心不整脈は、異常な電気信号によって引き起こされる心臓の不規則な拍動である。不整脈は、生活の質を低下させ、脳卒中及び心不全のリスクの増加を伴う場合がある。不整脈は、診断用カテーテルを介して、位置特定及び識別され得る。これらのカテーテルは、電気生理学者が病理を理解し、治療用カテーテルを介したアブレーションを含み得る治療を計画及び送達するのを助けるために、電気解剖学的マップを作成するために使用され得る。
【0004】
電気生理学(electrophysiology、EP)カテーテルは、診断用であるか治療用であるかにかかわらず、典型的には大腿動脈及び大動脈を通って最終的に心臓の4つのチャンバにアクセスするために、患者の脈管構造内の経路を容易にする際に使用するためによく知られているガイドシースによってガイドされる。例えば、Biosense Webster,Inc.、Irvine,CaliforniaによるCARTO.VIZIGO(登録商標)Bi-Directional Guiding Sheathは、Biosense Webster,Inc.、Irvine,CaliforniaによるCARTO(登録商標)3 Systemなどの撮像電磁システムを介して、シースをリアルタイムの三次元マップで可視化することを可能にする。システムは、電気生理学者が心臓の正確な3D電気解剖学的マップを構築することを可能にし、電気生理学者が、診断及び治療処置中に、シース、カテーテル、拡張器、及び他のプローブ装置などのEP血管器具の遠位端部の正確な位置(場所及び配向)を正確に示すことによって、これらのEP血管器具を心臓内でナビゲートすることを支援するように設計される。
【0005】
CARTO(登録商標)3 SystemによるEP血管器具の可視化のために、器具は、各々が患者のベッドの下に位置付けられたそれぞれの磁場生成器に応答する3つのコイルを有する電磁位置センサを器具の遠位端部又はその近くに担持する。各コイルは、信号を生成し、信号は、器具の遠位端部からその全長に沿って器具の制御ハンドルまで、制御ハンドルを通って、心臓の3D解剖学的マップを表示するモニタ上に器具の描写を処理及び生成するためのシステムに接続する電気コネクタ内に延在するそれぞれのリードワイヤによって送信される。蛍光透視法は、多くの場合、電磁位置感知の代わりに、又はそれに加えて使用される。電離放射線は、重い鉛入り衣服を着用しなければならない患者及び電気生理学者に危険をもたらす。その上、提供されるビューは、2Dに制限される。
【0006】
EP血管器具のシャフト及び遠位先端は、必然的に小さく、したがって、それらの構築及び組み立ては、高度に熟練した作業者を必要とする。その上、心臓電気生理学の分野が進歩するにつれて、ますます多くの構成要素が、空間が既に限られている器具の遠位端部上に収容又は担持される。更に、遠位端部が心臓の中に前進させられるので、遠位先端からの構成要素の偶発的な分離又は心臓組織への他の回避可能な外傷性損傷のリスクを最小限にするように、医療安全要件が厳しい。かつ遠位端部の電気部品がリードワイヤに接続されている場合、リードワイヤの破損が、器具の故障をもたらす。
【0007】
患者の脈管構造内に前進させられる拡張器及び経中隔針などの管腔内装置の場合、可視化は、多くの場合、利用可能ではない。したがって、拡張器及び経中隔針の位置は、主に、これらの装置を取り扱うオペレータの当て推量及び最良推定に基づく。これらの装置の識別は、超音波による確認を伴う蛍光透視法によって可能であるが、全体的な蛍光透視法の時間の短縮は、患者の健康に有益である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
したがって、出願人らは、心臓内の管腔内装置の不適切な接近が、心臓穿孔及び心タンポナーデなどの組織損傷及び病気をもたらし得るという理解のもとで、EP血管器具、特に、ガイドシースとともに使用されるEP血管器具であって、構築、組み立て労力、及び遠位端部における空間の使用に対する要求が少なく、それと同時にまた、器具の長さに沿って延在するリードワイヤの必要性も最小限に抑えて、位置感知及び可視化を可能にする、EP血管器具を提供する必要性があることを認識した。
【課題を解決するための手段】
【0009】
一部の実施形態では、カテーテルシースで使用するためのカテーテルシャフトは、略管状部材と、エミッタとを備える。略管状部材は、長手方向軸に沿って近位端部から遠位端部まで延在する。近位端部は、近位部分を含み、エミッタは、近位部分上に固定されており、遠位端部は、エンドエフェクタを含む。
【0010】
一部の実施形態では、エンドエフェクタは、隔壁針を含む。
【0011】
一部の実施形態では、エンドエフェクタは、器官をマッピングするように構成された電極組立体を含む。
【0012】
一部の実施形態では、エンドエフェクタは、アブレーション電極組立体を含む。
【0013】
一部の実施形態では、エミッタは、磁気部材を含む。
【0014】
一部の実施形態では、エミッタは、光学的に読み取り可能なパターンを含む。
【0015】
一部の実施形態では、カテーテルシースとともに使用するための制御ハンドルは、制御ハンドルの長手方向軸に沿った経路を含む。経路は、エミッタとともに略管状部材の近位部分を受容するように構成されている。制御ハンドルは、経路に沿って固定された少なくとも1つのセンサを含み、センサは、エミッタに応答する。
【0016】
一部の実施形態では、制御ハンドルは、経路に沿って固定された光源を含む。センサは、光センサを含み、エミッタは、光学的に読み取り可能なパターンを含む。光源は、光学的に読み取り可能なパターンを照明するように構成されており、光センサは、光源によって照明されたときに光学的に読み取り可能なパターンを検出するように構成されている。
【0017】
一部の実施形態では、光センサは、フォトダイオードを含み、光源は、LEDを含む。
【0018】
一部の実施形態では、エミッタは、磁気部材を含み、センサは、磁気センサを含む。
【0019】
一部の実施形態では、管腔内装置位置感知システムは、シャフトと制御ハンドルとを有するカテーテルシースを備える。シャフトは、管腔を含み、制御ハンドルは、長手方向軸に沿った経路を含み、経路と管腔とが、互いに連通している。また、このシステムには、第1の管腔内装置、第1のエミッタ及びセンサが含まれる。第1の管腔内装置は、所定の幾何学的形状で構成されており、近位部分及び遠位部分を含み、遠位部分は、シースの管腔を通って延在するように構成されており、近位部分は、制御ハンドルの経路を通って延在するように構成されている。第1のエミッタは、第1の管腔内装置の近位部分上に位置し、センサは、制御ハンドルの経路内に位置し、第1の管腔内装置の近位部分上の第1のエミッタに応答して信号を生成するように構成されている。信号は、第1の管腔内装置の遠位部分の位置を表す。
【0020】
一部の実施形態では、第1のエミッタは、磁気部材を含み、センサは、磁気センサを含む。
【0021】
一部の実施形態では、第1のエミッタは、照射されたときに光学信号が放出されるように光学的に読み取り可能なパターンを含み、センサは、少なくとも光学検出器を有する光学ユニットを含む。
【0022】
一部の実施形態では、光学ユニットは、光源を含む。
【0023】
一部の実施形態では、第1の管腔内装置は、拡張器を含む。
【0024】
一部の実施形態では、第1の管腔内装置は、第2の管腔内装置を受容するように構成された管腔を含む。
【0025】
一部の実施形態では、第2のエミッタは、第1の管腔内装置の近位部分と概して同一の広がりを持つように構成されている第2の管腔内装置の近位部分上に位置する。
【0026】
一部の実施形態では、第2の管腔内装置は、経中隔針を含む。
【0027】
一部の実施形態では、所定の幾何学的形状は、第1の管腔内装置の遠位端部から近位に測定された第1の管腔内装置の挿入長さ(LIN1)を含み、挿入長さ(LIN1)は、ガイドシースの制御ハンドルの経路及びシャフトの管腔を通過するように構成されており、管腔及び経路の合計長さ(LT)よりも所定の距離(DD1)だけ長い。
【0028】
一部の実施形態では、センサは、制御ハンドルの経路に沿って、ガイドシースの管腔の遠位端部から測定された所定の距離(LS1)に位置する。第1のエミッタは、第1の管腔内装置の遠位端部から近位に測定された所定の距離LM1で第1の管腔内装置上に位置し、LM1=LS1+DD1であり、第1のエミッタに応答してセンサによって生成される信号は、管腔内装置の遠位端部がシャフトの管腔の遠位端部から距離DD1だけ遠位にあることを表す。
【0029】
一部の実施形態では、接近距離ADは、ガイドシースの管腔の遠位端部から近位に測定された所定の距離として定義される。第1のエミッタの遠位で、第2のエミッタは、第1の管腔内装置の遠位端部から近位に測定された所定の距離LM2で第1の管腔内装置上に位置し、LM2=LM1-AD-DD1=LS1-ADであり、第2のエミッタに応答してセンサによって生成される信号は、管腔内装置の遠位端部がシャフトの管腔の遠位端部から距離ADだけ近位にあることを表す。
【0030】
一部の実施形態では、システムは、第1の管腔内装置の遠位端部から近位に測定された所定の距離LM3で、第1のエミッタと第2のエミッタとの間で第1の管腔内装置上に位置する第3のエミッタを含み、LM2=LS1である。第3のエミッタに応答してセンサによって生成される信号は、管腔内装置の遠位端部がシャフトの管腔の遠位端部と同じ高さにあることを表す。
【0031】
一部の実施形態では、第1のエミッタは、磁気部材を含み、センサは、第1の磁気センサを含み、システムは、第1の磁気センサと経路内の同じ軸方向の場所であるが、第1の管腔内装置の長手方向軸の周りの異なる角度の場所に位置する第2の磁気センサを更に備える。
【0032】
一部の実施形態では、エミッタは、磁気部材を含み、センサは、磁気センサを含み、磁気部材は、第1の管腔内装置の長手方向軸に対して軸外に位置する。
【0033】
一部の実施形態では、第1のエミッタは、第1の磁気強度を含み、第2のエミッタは、第1の磁気強度とは異なる第2の磁気強度を含む。
【0034】
一部の実施形態では、システムは、第2のエミッタを含み、第1のエミッタは、第1の磁場を生成し、第2のエミッタは、第1の磁場に対して直交する第2の磁場を生成する。
【0035】
一部の実施形態では、システムは、第2のエミッタを含み、第1のエミッタは、第1の磁場を生成し、第2のエミッタは、第1の磁場に対してオフ角である第2の磁場を生成する。
【0036】
一部の実施形態では、システムは、複数の第1のエミッタ及び複数のセンサを含み、複数の第1のエミッタは、第1の管腔内装置の近位部分上に位置し、第1のエミッタの第1の線形アレイを形成し、第1のエミッタの各々は、第1の管腔内装置の近位部分に沿った異なる軸方向の場所に位置し、複数のセンサは、制御ハンドルの経路内に位置し、センサの線形アレイを形成し、センサの各々は、経路に沿った異なる軸方向の場所に位置する。
【0037】
一部の実施形態では、第1の管腔内装置は、遠位部分が偏向可能であるように構成されている。
【0038】
一部の実施形態では、第2のエミッタに応答してセンサによって生成される信号は、第1の管腔内装置の遠位端部を越えて展開されたときの第2の管腔内装置の遠位部分の位置を表す。
【0039】
一部の実施形態では、管腔内装置位置感知システムは、シャフトと制御ハンドルとを有するガイドシースを含み、シャフトは、管腔を含み、制御ハンドルは、長手方向軸に沿って内部に経路を画定しており、経路と管腔とが、互いに連通している。システムはまた、所定の幾何学的形状を有する第1の管腔内装置を含み、第1の管腔内装置は、近位部分及び遠位部分を含み、遠位部分は、シースの管腔を通って延在するように構成されており、近位部分は、制御ハンドルの経路を通って延在するように構成されている。システムは、第1の管腔内装置の近位部分上に位置する第1の光学的に読み取り可能なパターンと、制御ハンドルの経路内に位置する光学源及び光学センサと、を更に含み、光学源は、第1の光学的に読み取り可能なパターンを照明するように構成されており、光学センサは、光学源による第1の光学的に読み取り可能なパターンの照明に応答して信号を生成するように構成されており、信号は、第1の管腔内装置の遠位部分の位置を表す。
【0040】
一部の実施形態では、光学源は、LEDを含む。
【0041】
一部の実施形態では、光学センサは、フォトダイオードを含む。
【0042】
一部の実施形態では、システムは、第1の光学的に読み取り可能なパターンの第1の場所とは異なる第2の場所で第1の管腔内装置の近位部分上に位置する第2の光学的に読み取り可能なパターンを含む。
【0043】
一部の実施形態では、システムは、第1の光学的に読み取り可能なパターンの第1の場所とは正反対の第2の場所で第1の管腔内装置の近位部分上に位置する第2の光学的に読み取り可能なパターンを含む。
【0044】
一部の実施形態では、システムは、光学エミッタ及び光学センサのそれぞれの対を形成する複数の光学エミッタ及び複数の光学センサを含み、各対は、経路に沿った異なる軸方向の場所に位置する。
【0045】
一部の実施形態では、管腔内装置位置感知システムは、シャフトと制御ハンドルとを有するガイドシースを含み、シャフトは、管腔を含み、制御ハンドルは、長手方向軸に沿って内部に経路を画定しており、経路と管腔とが、互いに連通している。システムはまた、所定の幾何学的形状を有する第1の管腔内装置を含み、第1の管腔内装置は、近位部分及び遠位部分を含み、遠位部分は、シースの管腔を通って延在するように構成されており、近位部分はが、制御ハンドルの経路を通って延在するように構成されている。システムは、制御ハンドルの経路内の第1の管腔内装置の近位部分の位置に基づいて、第1の管腔内の遠位部分の位置を判定するための手段を更に含む。
【0046】
一部の実施形態では、遠位位置の位置は、ガイドシースのシャフトの遠位端部を越えて展開された遠位部分の位置を含む。
【0047】
一部の実施形態では、位置を判定するための手段は、電磁エミッタと、電磁センサとを含む。
【0048】
一部の実施形態では、位置を判定するための手段は、光学源と、光学センサとを含む。
【0049】
一部の実施形態では、管腔内装置の位置を判定するための方法は、シャフトと制御ハンドルとを含むガイドシースの第1の長さを判定することであって、第1の長さが、シースの遠位端部と制御ハンドル内のセンサ部位との間に画定されている、判定することと、患者の体内のシースの遠位端部の位置を判定することとを含む。方法はまた、ガイドシースのシャフト及び制御ハンドルを通過するように構成された管腔内装置の第2の長さを判定することを含み、第2の長さは、管腔内装置の遠位端部と、制御ハンドル内で一致する管腔内装置の近位部分上のエミッタ部位との間に画定されている。方法は、制御ハンドルに対する管腔内装置のエミッタ部位の位置を判定することと、管腔内装置のエミッタ部位の判定された場所に基づいて患者の体内の管腔内装置の遠位端部の位置を判定することとを更に含む。
【0050】
一部の実施形態では、制御ハンドルに対する管腔内装置のエミッタ部位の位置を判定することは、電磁感知を含む。
【0051】
一部の実施形態では、制御ハンドルに対する管腔内装置のエミッタ部位の位置を判定することは、光学感知を含む。
【0052】
一部の実施形態では、患者の体内のシースの遠位端部の位置を判定することは、電磁位置感知を含む。
【0053】
一部の実施形態では、方法は、管腔内装置の遠位端部の位置のグラフィカル表現を表示することを含む。
【0054】
一部の実施形態では、管腔内装置の遠位端部の位置は、線形位置を含む。
【0055】
一部の実施形態では、管腔内装置の遠位端部の位置は、回転位置を含む。
【0056】
一部の実施形態では、システムは、ハンドルとハンドルから遠位に延在するカテーテルチューブとを備えるシースと、所定の幾何学的形状で構成されたシャフトを備え、ハンドル及びカテーテルチューブを通り抜けるように構成されている管腔内装置とを含む。システムはまた、ハンドルに近接して配置されており、かつシース内の管腔内装置の挿入の長さを判定し、それによってシャフトの遠位端部の位置を判定するように構成されたセンサ組立体を含む。
【0057】
一部の実施形態では、システムは、プロセッサと、命令を有する非一時的コンピュータ可読媒体と、を更に含み、命令は、プロセッサによって実行されると、システムに、シース内の管腔内装置の挿入の長さを判定させ、シース内の管腔内装置の挿入の長さ及びシャフトの所定の幾何学的形状に少なくとも部分的に基づいて、シャフトの遠位端部の位置を判定させる。
【0058】
一部の実施形態では、シースは、カテーテルチューブの遠位端部に近接するナビゲーションセンサを含む。
【0059】
一部の実施形態では、カテーテルチューブの遠位部分は、湾曲部を含み、シャフトの遠位部分は、予め成形された湾曲部を含む。
【0060】
一部の実施形態では、カテーテルチューブの遠位部分は、偏向可能である。
【0061】
一部の実施形態では、シャフトの遠位部分は、ナビゲーションセンサを欠く。
【0062】
一部の実施形態では、システムは、シースと管腔内装置とを備える経中隔穿刺キットを含む。
【0063】
一部の実施形態では、管腔内装置は、経中隔針を含む。
【0064】
一部の実施形態では、管腔内装置は、拡張器を含む。
【0065】
一部の実施形態では、管腔内装置のシャフトは、偏向不可能である。
【0066】
一部の実施形態では、管腔内装置は、識別マーカを含み、ハンドルは、識別マーカに少なくとも部分的に基づいてシャフトの所定の幾何学的形状を判定するように構成された識別回路を含む。
【0067】
一部の実施形態では、識別マーカは、無線周波数識別(radio frequency identification、RFID)回路を含む。
【0068】
一部の実施形態では、センサ組立体は、シースのハンドル内のセンサアレイと、管腔内装置のシャフトの近位部分上に配置されたセンサマーカとを含み、センサアレイは、ハンドル内のセンサマーカの位置を判定し、それによってシャフトの遠位端部の位置を判定するように構成されている。
【0069】
一部の実施形態では、センサアレイは、管腔内装置がシース内に完全に遠位に挿入されたときにシースのカテーテルチューブの遠位端部の遠位にあるシャフトの遠位部分の長さにほぼ等しい長さを含む。
【0070】
一部の実施形態では、センサマーカは、強磁性材料を含み、センサアレイは、複数の磁気センサを備える。
【0071】
一部の実施形態では、センサアレイは、長手方向軸に沿って直線的にかつハンドル内の管腔に隣接して配設された複数のセンサを含み、管腔は、管腔内装置のシャフトを受容するように構成されている。
【0072】
一部の実施形態では、システムはまた、プロセッサと、命令を有する非一時的コンピュータ可読媒体と、を含み、命令は、プロセッサによって実行されると、システムに、センサアレイからの電気信号に少なくとも部分的に基づいて、ハンドル内のセンサマーカの位置を判定させ、センサアレイからの電気信号及びシャフトの所定の幾何学的形状に少なくとも部分的に基づいて、管腔内装置のシャフトの遠位端部の位置を判定させる。
【0073】
一部の実施形態では、コンピュータ可読媒体は、命令を含み、命令は、プロセッサによって実行されると、システムに、患者の体内の管腔内装置の遠位端部の位置を判定させる。
【0074】
一部の実施形態では、コンピュータ可読媒体は、命令を含み、命令は、プロセッサによって実行されると、システムに、患者の心臓内の管腔内装置の遠位端部の位置を判定させる。
【0075】
一部の実施形態では、コンピュータ可読媒体は、命令を含み、命令は、プロセッサによって実行されると、システムに、患者の心臓内の卵円窩に対する管腔内装置の遠位端部の位置を判定させる。
【0076】
一部の実施形態では、コンピュータ可読媒体は、命令を含み、命令は、プロセッサによって実行されると、システムに、カテーテルチューブの遠位部分上に配置されたナビゲーションセンサの位置を判定させ、ナビゲーションセンサに対する管腔内装置の遠位端部の位置を判定させる。
【0077】
一部の実施形態では、コンピュータ可読媒体は、命令を含み、命令は、プロセッサによって実行されると、システムに、管腔内装置上の識別マーカに少なくとも部分的に基づいてシャフトの所定の幾何学的形状を判定させる。
【0078】
一部の実施形態では、システムは、プロセッサと、命令を有する非一時的コンピュータ可読媒体と、を含み、命令は、プロセッサによって実行されると、システムに、シース内の管腔内装置のシャフトであって、シャフトが、所定の幾何学的形状を含み、シースが、ハンドルとハンドルから遠位に延在するカテーテルチューブとを備える、シャフトの挿入の長さを判定させ、シース内の管腔内装置の挿入の長さ及びシャフトの所定の幾何学的形状に少なくとも部分的に基づいて、シャフトの遠位端部の位置を判定させる。
【0079】
一部の実施形態では、コンピュータ可読媒体は、命令を含み、命令は、プロセッサによって実行されると、システムに、カテーテルチューブの遠位部分上に配置されたナビゲーションセンサの位置を判定させ、ナビゲーションセンサに対する管腔内装置の遠位端部の位置を判定させる。
【0080】
一部の実施形態では、コンピュータ可読媒体は、命令を含み、命令は、プロセッサによって実行されると、システムに、患者の体内のカテーテルチューブの遠位部分の位置を判定させ、カテーテルチューブの遠位部分の位置、管腔内装置の挿入の長さ、及びシャフトの所定の幾何学的形状に少なくとも部分的に基づいて、患者の体内のシャフトの遠位端部の位置を判定させる。
【0081】
一部の実施形態では、コンピュータ可読媒体は、命令を含み、命令は、プロセッサによって実行されると、システムに、体内のシャフトの遠位端部の位置のグラフィカル表現を含む表示出力を提供させる。
【0082】
一部の実施形態では、コンピュータ可読媒体は、命令を含み、命令は、プロセッサによって実行されると、システムに、患者の心臓内の管腔内装置の遠位端部の位置を判定させる。
【0083】
一部の実施形態では、コンピュータ可読媒体は、命令を含み、命令は、プロセッサによって実行されると、システムに、患者の心臓内の卵円窩に対する管腔内装置の遠位端部の位置を判定させる。
【0084】
一部の実施形態では、コンピュータ可読媒体は、命令を含み、命令は、プロセッサによって実行されると、システムに、ハンドル内のセンサアレイからの電気信号に少なくとも部分的に基づいて、シース内の管腔内装置の挿入の長さを判定させる。
【0085】
一部の実施形態では、管腔内装置の遠位端部を可視化するための方法は、患者の体内のシースの遠位部分の位置を判定することと、シース内の所定の幾何学的形状で構成されたシャフトの挿入の長さを判定することとを含む。方法はまた、シース内のシャフトの挿入の長さ、シャフトの所定の幾何学的形状、及びシースの遠位部分の位置に少なくとも部分的に基づいて、患者の体内のシャフトの遠位端部の位置を判定することと、患者の体内のシャフトの遠位端部の位置のグラフィカル表現を提供することとを含む。
【0086】
一部の実施形態では、位置を判定するための手段は、経路に沿って配置された第1の導電性部材及び第2の導電性部材と、管腔内装置の近位部分上に配置されており、近位部分が経路に沿って移動するときに完成した電気回路を形成する際に第1の導電性部材及び第2の導電性部材に接触するように構成された第3の導電性部材と、完成した電気回路を検出するように構成された回路検出器とを含む。
【0087】
一部の実施形態では、第3の導電性部材は、管腔内装置の近位部分上に配置されたリング電極を含む。
【0088】
一部の実施形態では、システムは、完成した電気回路のインピーダンスを測定するように構成されたインピーダンスセンサを更に含む。
【0089】
一部の実施形態では、位置を判定するための手段は、経路に沿って配置された第1の導電性部材の第1のアレイ及び第2の導電性部材の第2のアレイと、管腔内装置の近位部分上に配置された第3の導電性部材の第3のアレイであって、各第3の導電性部材が、近位部分が経路に沿って移動するときにそれぞれの完成した電気回路を形成する際に第1の導体及び第2の導体のそれぞれの対に接触するように構成されている、第3のアレイと、それぞれの完成した電気回路を検出するように構成された回路検出器とを含む。
【0090】
一部の実施形態では、システムは、それぞれの完成した電気回路のインピーダンスを測定するためのインピーダンスセンサを更に備える。
【0091】
一部の実施形態では、管腔内装置の近位部分は、管腔内装置の外面上の隣接する第3の導電性部材の間に配置された視覚的印を含む。
【0092】
一部の実施形態では、視覚的印は、英数字記号を含む。
【0093】
一部の実施形態では、視覚的印は、色を含む。
【0094】
一部の実施形態では、管腔内装置の可視化のためのシステムは、第1の所定の幾何学的形状を有し、かつ第1の近位部分及び第1の遠位部分を含む、管腔付き装置と、第2の所定の幾何学的形状を有する管腔内装置とを含み、管腔内装置は、第2の近位部分及び第2の遠位部分を含み、第2の近位部分及び第2の遠位部分は、管腔付き装置の管腔を通って遠位に延在するように構成されている。システムはまた、プロセッサと、ディスプレイと、命令を有する非一時的コンピュータ可読媒体と、を含み、命令は、プロセッサによって実行されると、ディスプレイに、第1の遠位部分の遠位端部の遠位に延在する第2の遠位部分の露出部分を表すグラフィカル要素を用いて、第1の遠位部分を表す可視化を提供させる。
【0095】
一部の実施形態では、グラフィカル要素は、露出した遠位部分の長さに基づく直径を有する円を含む。
【0096】
一部の実施形態では、直径は、露出した遠位部分が経路に沿って並進するときに、露出した遠位部分の長さに基づいてリアルタイムで変化する。
【0097】
一部の実施形態では、管腔付き装置は、拡張器を含み、管腔内装置は、ガイドワイヤを含む。
【0098】
一部の実施形態では、システムは、ガイドシースと、位置感知組立体とを更に含む。ガイドシースは、制御ハンドル及びシースを含み、シースは、第3の近位部分及び第3の遠位部分を含み、シースは、内部を通って管腔付き装置が延在する管腔を有するように構成されている。位置感知組立体は、ガイドシースの第3の近位部分に対する管腔付き装置の第1の近位部分の位置に基づいて、ガイドシースの第3の遠位部分に対する管腔付き装置の第1の遠位部分の位置を判定するように構成されている。
【0099】
一部の実施形態では、システムは、ガイドシースと、位置感知組立体とを更に含む。ガイドシースは、制御ハンドル及びシースを含み、シースは、第3の近位部分及び第3の遠位部分を含み、シースは、内部を通って管腔付き装置が延在する管腔を有するように構成されている。位置感知組立体は、ガイドシースの第3の近位部分に対する管腔内装置の第2の近位部分の位置に基づいて、ガイドシースの第3の遠位部分に対する管腔内装置の第2の遠位部分の位置を判定するように構成されている。
【図面の簡単な説明】
【0100】
本発明のこれらの特徴及び利点、並びに他の特徴及び利点は、以下の詳細な説明を添付図面と併せて考慮することによってより充分な理解がなされるであろう。特定の図面では、ある選択された構造及び機構が、残りの構造及び機構を見やすくするために示されていないということを理解されたい。
【
図1A】一実施形態による、ガイドシースシステムの上面図であり、それを通して位置感知及び少なくとも1つの管腔内装置が延在する。
【
図1B】
図1Aのガイドシースシステムの上面図であり、第1の管腔内装置が遠位方向に前進し、遠位端部が露出している。
【
図1C】
図1Bのガイドシースシステムの上面図であり、第1の管腔内装置及び第2の管腔内装置が遠位方向に前進し、両方とも遠位端部が露出している。
【
図1D】偏向した状態の
図1Cの遠位端部の側面断面図である。
【
図1E】一実施形態による、ガイドシースに対して接近距離AD1(実線)及び展開距離DD1(破線)にある第1の管腔内装置の遠位端部の断面図である。
【
図1F】一実施形態による、第1の管腔内装置に対して接近距離AD2(実線)及び展開距離DD2(破線)にある第2の管腔内装置の遠位端部の断面図である。
【
図1G】一実施形態による、ガイドシースを通って延在する第1の管腔内装置の近位部分と同一の広がりを持つ第2の管腔内装置の近位部分の側面断面図である。
【
図2A】一実施形態による、センサと位置合わせされた経路を示すために部分的に切り取られたガイドシース制御ハンドルの斜視図であり、経路は、エミッタを担持する第1の管腔内装置及び第2の管腔内装置を受容するように構成されている。
【
図2B】同一の広がりを持つ、
図2Aの第1の管腔内装置及び第2の管腔内装置の斜視図である。
【
図3】一実施形態による、ガイドシース並びに第1の管腔内装置及び第2の管腔内装置の相対的構成及び幾何学的形状の概略図である。
【
図4A】一実施形態による、高度EP撮像を伴うガイドシースシステムの図である。
【
図4B】一実施形態による、
図4Aのシステムの動作を示す概略ブロック図である。
【
図4C】別の実施形態による、
図4Aのシステムの動作を示す概略ブロック図である。
【
図5A】一実施形態による、ガイドシースを通ってセンサと同一の広がりを持つそれぞれのエミッタを有する第1の管腔内装置及び第2の管腔内装置の端部断面図、並びに管腔内装置の長手方向軸の周りの異なる回転角度におけるエミッタに応答してセンサによって生成される対応する電圧である。
【
図5B】一実施形態による、ガイドシースを通ってセンサと同一の広がりを持つそれぞれのエミッタを有する第1の管腔内装置及び第2の管腔内装置の端部断面図、並びに管腔内装置の長手方向軸の周りの異なる回転角度におけるエミッタに応答してセンサによって生成される対応する電圧である。
【
図5C】一実施形態による、ガイドシースを通ってセンサと同一の広がりを持つそれぞれのエミッタを有する第1の管腔内装置及び第2の管腔内装置の端部断面図、並びに管腔内装置の長手方向軸の周りの異なる回転角度におけるエミッタに応答してセンサによって生成される対応する電圧である。
【
図6A】一実施形態による、センサを有するガイドシースを有する相対的構成における磁気エミッタを有する管腔内装置の側面断面図、並びにエミッタの異なる長手方向位置及び配向に応答してセンサによって生成される対応する電圧である。
【
図6B】一実施形態による、センサを有するガイドシースを有する相対的構成における磁気エミッタを有する管腔内装置の側面断面図、並びにエミッタの異なる長手方向位置及び配向に応答してセンサによって生成される対応する電圧である。
【
図7A】センサを有するガイドシースを通って延在するリングエミッタを有する管腔内装置の端部断面図であり、リングエミッタは、センサに対して異なる回転角度にある。
【
図7B】センサを有するガイドシースを通って延在するリングエミッタを有する管腔内装置の端部断面図であり、リングエミッタは、センサに対して異なる回転角度にある。
【
図8A】一実施形態による、光学エミッタを担持する管腔内装置を受容するように構成された光学センサと位置合わせされる経路を示すために部分的に切り取られた、ガイドシース制御ハンドルの斜視図である。
【
図9】フォトダイオード電圧対光学的に読み取り可能なパターンユニットのグラフである。
【
図10】一実施形態による、内部を通って管腔内装置が延在するガイドシースに対する管腔内装置の遠位端部の位置を判定するために、管腔内装置をその近位部分で位置感知するステップを示すフローチャートである。
【
図11】別の実施形態による、内部を通って管腔内装置が延在するガイドシースに対する管腔内装置の遠位端部の位置を判定するために、管腔内装置をその近位部分で位置感知するステップを示すフローチャートである。
【
図12】なおも別の実施形態による、内部を通って1つ又は2つ以上の管腔内装置が延在するガイドシースに対するそれらのそれぞれの遠位端部の位置を判定するために、1つ又は2つ以上の管腔内装置のそれぞれの近位部分において1つ又は2つ以上の管腔内装置を位置感知するステップを示すフローチャートである。
【
図13】遠位端部が患者の心臓のチャンバ内でガイドシースの遠位端部を越えて展開された状態の、第1の管腔内装置及び第2の管腔内装置を示すディスプレイモニタ上に表示されたEP画像の図である。
【
図14A】ガイドシース制御ハンドル及びそれを通って遠位に前進している管腔内装置の側面断面図であり、各々が接触して完成した電気回路を形成するように構成された導電性部材を有する。
【
図14B】ガイドシース制御ハンドル及びそれを通って遠位に前進している管腔内装置の側面断面図であり、各々が接触して完成した電気回路を形成するように構成された導電性部材を有する。
【
図14C】ガイドシース制御ハンドル及びそれを通って遠位に前進している管腔内装置の側面断面図であり、各々が接触して完成した電気回路を形成するように構成された導電性部材を有する。
【
図15A】接触している第1の導電性部材、第2の導電性部材、及び第3の導電性部材によって形成された
図14Cの完成した電気回路の概略図である。
【
図16A】ガイドシース制御ハンドル及びそれを通って遠位に前進している管腔内の側面断面図であり、各々が接触してそれぞれの完成した電気回路を形成するように構成された導電性部材のアレイを有する。
【
図16B】ガイドシース制御ハンドル及びそれを通って遠位に前進している管腔内の側面断面図であり、各々が接触してそれぞれの完成した電気回路を形成するように構成された導電性部材のアレイを有する。
【
図16C】ガイドシース制御ハンドル及びそれを通って遠位に前進している管腔内の側面断面図であり、各々が接触してそれぞれの完成した電気回路を形成するように構成された導電性部材のアレイを有する。
【
図17】各々が回路センサを有する、
図16Aのアレイのそれぞれの電気回路の概略図である。
【
図18】線形変位対インピーダンスのグラフである。
【
図19】接触している第1の導電性部材、第2の導電性部材、及び第3の導電性部材によって形成された完成した電気回路のインピーダンスを測定するための回路の概略図である。
【
図20A】隔壁を貫通する際に管腔付き装置を通って遠位に前進している管腔内装置の側面断面図である。
【
図20C】隔壁を貫通する際に管腔付き装置を通って遠位に前進している管腔内装置の側面断面図である。
【
図20E】隔壁を貫通する際に管腔付き装置を通って遠位に前進している管腔内装置の側面断面図である。
【
図20G】隔壁を貫通する際に管腔付き装置を通って遠位に前進している管腔内装置の側面断面図である。
【
図20I】隔壁を貫通する際に管腔付き装置を通って遠位に前進している管腔内装置の側面断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0101】
図1A、
図2A、及び
図3を参照すると、本発明の一部の実施形態では、ガイドシース10は、細長い可撓性カテーテルチューブ又はシース12と、シース12の近位にある制御ハンドル16とを含む。シース12は、様々な管腔内装置が通り抜けることができ、最終的に患者の心臓のチャンバに到達するように患者の血管を通って案内され得る、管腔14を有するように構成されている。制御ハンドル16は、その近位端部に、遠隔制御及び処理システムに接続するための電気コネクタ17を有し、遠隔制御及び処理システムは、装置及びガイドシースの構成要素に通電するための電気信号を送信し、かつ/又は管腔内装置及びガイドシースの構成要素によって生成又は検出された信号を受信する。
【0102】
シース12の管腔14は、制御ハンドル16に設けられた長手方向経路18と連通している。経路18は、長さL18を有し、制御ハンドル16の経路18からシース12の管腔14の中へ通り抜けることができる管腔内装置を受容するように構成されている。一部の実施形態では、経路18の近位端部は、制御ハンドル16の近位端部から近位に延在する止血弁22によって画定され、経路18の近位端部へのアクセスは、弁22の流体密封シールを通して行われ、弁22から流体が漏出することなく、又は空気が弁22に進入することなく、管腔内装置の進入及び通過を可能にする。管腔がある場合、制御ハンドル16の経路18を通り、かつシース12の管腔14を更に通って前進する第1の(又は外側の)管腔内装置24は、第2の(又は内側の)管腔内装置26が第1の管腔内装置24の管腔25を通過することを可能にする。管腔内装置のいずれかは、エンドエフェクタ、例えば、隔壁針、器官をマッピングするように構成された電極組立体、及び/又はアブレーション電極組立体を含み得ることが理解される。
【0103】
一部の実施形態では、第1の管腔内装置24は、ガイドシース10を通して患者の心臓の中へ前進させられる管腔カテーテル又は拡張器であり、その後に、カテーテル又は拡張器24の管腔25を通して患者の心臓の中へ前進させられる第2の管腔内装置26として経中隔針又はワイヤが続く。
【0104】
シース12及び制御ハンドル16を含むガイドシース10は、制御ハンドルの近位端部16Pからシースの遠位端部12Dまでの全長LTを有する。一部の実施形態では、例えば、第1の管腔内装置24が拡張器である場合、装置は、ハンドル27と、弁23と、シャフト28とを有する。シャフト28は、ガイドシース10内に挿入されるように構成されているが、ハンドル27及び弁23は、ガイドシース10の制御ハンドル16の近位に留まるように構成されている。装置24のシャフト28は、近位端部28Pと遠位端部28Dとの間に所定の長さLIN1を有し、長さLIN1は、ガイドシース10の長さLTよりも少なくとも長さDD1だけ長く、その結果、第1の管腔内装置24がその遠位端部28Dで展開するためにガイドシース内で十分に前進させられると(例えば、そのハンドル27が制御ハンドル16の近位端部16Pに当接した状態で)、第1の管腔内装置24の遠位端部28Dは、ガイドシース10の遠位端部12Dを越えてDD1の露出長さを有する。第1の管腔内装置24は、弁23と遠位端部28Dとの間に全長L24を有する。
【0105】
第2の管腔内装置26は、近位端部26Pと遠位端部26Dとの間に長さLIN2の細長い本体31を有し、長さLIN2は、第1の管腔内装置24の全長L24よりも長く、その結果、第2の管腔内装置26が第1の管腔内装置24を通って延在し、その遠位端部26が患者の心臓内の治療部位、例えば、隔壁に展開されているときに、本体31は、少なくとも第1の管腔内装置24の遠位端部28Dの遠位の遠位方向に露出した長さDD2(第1の管腔内装置24の弁23の近位の近位余剰長さLEXでない場合)を有する。安全対策として、第2の管腔内装置26の遠位方向に露出した長さDD2は、遠位端部26Dによる不注意な組織穿刺のリスクを最小限に抑える際に、第1の管腔内装置24及び/又はガイドシース10に対する第2の管腔内装置26の較正された最大前進位置を設定するように位置付けられた止め具26Sによって制限され得る。
【0106】
これらの装置の典型的な使用において、
図1A、
図1B、及び
図1Cを参照すると、電気生理学者は、ガイドシース10のシース12を患者の大腿動脈内に挿入する。第1の管腔内装置24のシャフト28は、止血弁22を通して制御ハンドル16の経路18内に挿入され、次いで、ガイドシース10の管腔14内に遠位方向に更に前進される。第1の管腔内装置24は、遠位端部28Dがガイドシース10の遠位端部12Dを通過するまで、ガイドシース10に対して遠位方向に前進される。遠位端部28Dが露出された状態で、第1の管腔内装置24が展開され、診断用途、治療用途、及び/又は第2の管腔内装置26の受容の準備が整う。後者の場合、第2の器具26は、遠位端部26Dが第1の管腔内装置24の遠位端部28Dを通過するまで、第1の管腔内装置24の管腔25を通って遠位方向に前進させられる。遠位端部26Dが露出された状態で、第2の管腔内装置26が展開され、診断及び/又は治療用途の準備が整う。
【0107】
これらの接近及び展開段階の間、遠位端部28Dがガイドシース10の遠位端部12Dに接近しているとき(
図1E)、及び遠位端部12Dを通過して前進しているとき(
図1F)、第1の管腔内装置24の位置を知ることに対するユーザの関心は一般的に高まる。高められた関心は、少なくとも遠位端部28Dがシース12の外側に露出されている限り継続し得る。シース12に対する第1の管腔内装置24の較正された最大遠位前進は、止血弁22又はガイドシース10の制御ハンドル16の近位端部16Pに当接する装置ハンドル27によって制限され得る(
図1B)。同様に、第2の管腔内装置26が第1の管腔内装置24に挿入されている場合、遠位端部26Dが第1の管腔内装置24のシャフト28の遠位端部28Dに接近しており(
図1Fの実線)、それを越えて前進しているとき(
図1Fの破線)、第2の管腔内装置26の位置を知ることへのユーザの関心は一般的に高まる。高められた関心は、少なくとも遠位端部26Dが第1の管腔内装置24の遠位端部28Dの外側に露出されている限り継続し得る。第2の管腔内装置26の近位端部の構成に応じて、第1の管腔内装置24及び/又はガイドシース10に対する第2の管腔内装置の較正された最大遠位前進があり得る。例えば、第1の管腔内装置24が、ガイドシース10を通して前進させられる拡張器であり、拡張器を通して前進させられる第2の管腔内装置26として経中隔針が続く場合、拡張器及び経中隔針の両方の遠位端部は、シース12の遠位端部12Dを越えて遠位に前進させられすぎる場合、心臓組織に外傷及び損傷を与え得るガイドシースに対して、より狭くかつ/又はより急勾配テーパが付けられている。したがって、心臓組織の不注意な穿刺の危険性を含む患者への傷害のリスクを最小限にするように、ガイドシース10の遠位端部12Dに対する遠位端部28D及び26Dの直線的な前進及び配置を追跡又は監視することは、ユーザの関心の対象である。
【0108】
管腔内装置のうちの1つ又は2つ以上について、特にそれらの遠位端部に関して、ユーザのためにディスプレイモニタ上で可視化されるために、一部の実施形態におけるガイドシースシステムは、ガイドシース10及び管腔内装置24、26の各々のそれぞれの近位部分に有利に提供される位置感知組立体40の構成要素を支持する高度電気生理学(「electrophysiology、EP」)撮像システムSの構成要素を含む。位置感知組立体40は、管腔内装置24、26の近位部分によって生成され、かつガイドシース10に対する管腔内装置24、26の遠位端部の位置(場所及び配向を含む)を判定する際にシステムによって処理するために電気コネクタ17を介してシステムSに送信される信号を提供する。
【0109】
一部の実施形態では、
図4A及び
図4Bを参照すると、EP撮像システムSは、アブレーション電力生成器125と、患者インターフェースユニット(patient interface unit、PIU)126と、3Dマップ及び電位図を表示するための1つ又は2つ以上のディスプレイ127及び128とを含み得る、コンソール122を含む。EP撮像システムSの動作、機能、及び動きは、システムコントローラ100によって管理され、このシステムコントローラ100には、システムの動作のためのソフトウェアが記憶されているメモリ134と通信する処理ユニット132が含まれている。一部の実施形態では、システムコントローラ100は、汎用コンピュータ処理ユニットを含む業界標準のパーソナルコンピュータである。しかしながら、一部の実施形態では、システムコントローラの動作、機能、又は動きのうちの少なくとも一部が、特定用途向け集積回路(application specific integrated circuit、ASIC)又は現場でプログラム可能なゲートアレイ(field programmable gate array、FPGA)などの、カスタム設計のハードウェア及びソフトウェアを用いて実施される。一部の実施形態では、システムコントローラは、ポインティング装置及びグラフィカルユーザインターフェース(graphical user interface、GUI)を使用してオペレータによって管理され、これらによってシステムのパラメータをオペレータが設定することが可能になる。GUIはまた、典型的には、ディスプレイ上でオペレータに処置の結果を表示する。メモリ中のソフトウェアは、例えば、ネットワークを介して、電子的形態でコントローラにダウンロードすることができる。代替的に又は追加的に、ソフトウェアは、光、磁気又は電子記憶媒体などの非一時的な有形媒体上に提供され得る。
【0110】
一部の実施形態では、メモリ134は、例えば、力感知モジュール151、温度感知モジュール152、3Dマッピングモジュール153、アブレーションモジュール154、及び灌注モジュール155などの、処理ユニット132によって使用される複数のモジュールを含み、それらの機能(例えば、それぞれ、組織温度を測定すること、患者の身体の外側(例えば、患者のベッドの下)に位置付けられた外部磁場生成器に応答する電磁ナビゲーション/位置センサを使用して患者の体内の構成要素の位置を判定すること、電極に通電して組織をアブレーションすること、及び治療部位への灌注流体の流れを制御することなど)は、当技術分野で知られている。メモリ134には、処理ユニット132によって使用される位置感知組立体及び位置感知方法を支持する位置感知モジュール160が更に含まれる。
【0111】
一部の実施形態では、
図1A、
図2A、及び
図2Bを参照すると、位置感知組立体40の構成要素は、第1の管腔内装置24の近位部分上に有利に位置する少なくともエミッタ42Aと、ガイドシース10の制御ハンドル16内の経路18に沿って固定されるか又は他の方法で位置する少なくとも1つのセンサ44とを含み、その結果、エミッタ42A及びセンサ44は、第1の管腔内装置が経路18を通って移動するときに互いに相互作用することができる。例えば、第1の管腔内装置24上に担持されたエミッタ42Aがセンサ44の感知近傍に移動すると、センサ44に対するエミッタ42Aの存在及び/又は移動に応答してセンサによって信号が生成され、そのような生成された信号は、制御ハンドル16に対する第1の管腔内装置24の近位部分の少なくとも位置(線形及び/又は回転)を示し、その所定の構成及び幾何学的形状のために第1の管腔内装置24の遠位端部28Dの位置(線形及び/又は回転)も表す。
【0112】
一部の実施形態では、
図1A及び
図2A及び
図2Bを参照すると、位置感知組立体40の構成要素はまた、第2の管腔内装置26の近位部分上に有利に位置する少なくとも1つのエミッタ42Bを含み、その結果、エミッタ42B及びセンサ44は、第2の管腔内装置が第1の管腔内装置24の管腔25を通って移動するときに互いに相互作用することができる。例えば、第2の管腔内装置26上に担持されたエミッタ42Bがセンサ44の感知近傍に移動すると、センサ44に対するエミッタ42Bの存在及び/又は移動に応答してセンサによって信号が生成され、そのような生成された信号は、制御ハンドルに対する第2の管腔内装置26の近位部分の少なくとも位置(線形及び/又は回転)を示し、管腔内装置26及びガイドシース10の所定の構成及び幾何学的形状による第2の管腔内装置26の遠位端部26Dの位置(線形及び/又は回転)も表す。
【0113】
第1の管腔内装置24及び第2の管腔内装置26の各々は、装置が一方向又は双方向に偏向するように構成されているか否かにかかわらず、そのそれぞれの遠位端部と近位部分との間の空間的関係が既知であり、かつ概して予測可能なままであるように、それぞれの所定の構成及び幾何学的形状を有することが理解される(
図1D参照)。システムとともに使用するための第1の管腔内装置及び第2の管腔内装置並びにガイドシースの構成及び幾何学的形状は、メモリ134の構成及び幾何学的形状サブルーチン156に記憶される(
図4B)。したがって、システムは、第1の管腔内装置及び第2の管腔内装置の各々の近位部分内のエミッタに応答してセンサによって生成される信号を利用して、ガイドシースに対するこれらの装置のそれぞれの遠位端部の位置(場所及び配向)を確実に判定することができる。
【0114】
一部の実施形態では、
図1A及び
図2Aを参照すると、複数のセンサ44がガイドシースの制御ハンドル16の経路18内に位置する場合、センサ44は、制御ハンドル16の長手方向軸48に対して平行に経路18に沿って延在する長さL46を有するN×1センサアレイ46を形成するように、直線的に配設され、かつ均等に離間配置される。長さL46は、経路の長さL18に概して等しくてもよく、したがって、L18及びL46は、本明細書では互換的に使用され得る。Nは、1~10の範囲であり得、一部の実施形態では、6であることが好ましい。
【0115】
図3に示されるように、第1の管腔内装置24の1つ又は2つ以上のエミッタ42Aは、第1の管腔内装置24がガイドシース10の遠位端部12Dを越えて展開するためにガイドシース10内に十分に前進されたときに、アレイ46のセンサ44のすぐ近くで経路18と同一の広がりを持つシャフト28の近位部分上に支持される。第2の管腔内装置26の1つ又は2つ以上のエミッタ42Bは、シャフト28の管腔25を通って延在し、かつ第2の管腔内装置26が第1の管腔内装置24の遠位端部28Dを越えて展開するために第1の管腔内装置24内に十分に前進したときに経路18と同一の広がりを持つ、装置26の細長い本体31の近位部分上に支持される。
【0116】
管腔内装置の接近距離ADは、本明細書では、管腔内装置の遠位先端がガイドシース(又は第1の若しくは外側管腔内装置)の遠位端部に遠位方向に接近しているときにユーザの関心が高まる所定の距離として画定される。管腔内装置の露出された(又は展開された)長さDDは、本明細書では、ユーザが管腔内装置の遠位端部がガイドシース(又は第1の若しくは外側管腔内装置)の遠位端部を越えて延在することを可能にする所定の最大距離として画定される。
【0117】
センサアレイ46の長さL46が、(i)第1の管腔内装置24の露出DD1、又は(ii)第2の管腔内装置26の露出長さDD2のいずれかよりも短い実施形態では、それぞれの管腔内装置24、26は、より長い露出長さDD1及び/又はDD2に対するセンサアレイの長さL46の不足を補償するために、長さL45以上の距離にわたってそれぞれの近位部分に沿って広がる複数のエミッタを担持するように構成され得、各エミッタ間の分離距離は、センサアレイの長さL46に少なくとも部分的に依存する。
【0118】
一部の実施形態では、ガイドシース10の制御ハンドル16内のセンサアレイ46の長さL46が、
図3に示されるような、(i)第1の管腔内装置24の接近距離AD1及び第2の管腔内装置26の接近距離AD2、(ii)
図3に示されるような、第1の管腔内装置24の展開距離DD1及び第2の管腔内装置26の展開距離DD2の各々よりも大きい場合、各管腔内装置は、スケーリングが必要とされないため、単一のエミッタを担持し得る。しかしながら、管腔内装置は、単一のエミッタを担持することに限定されず、各管腔内装置は、必要に応じて、又は所望により、複数のエミッタを担持し得ることが理解される。
【0119】
システムによる位置感知におけるより微細な検出及びより高い分解能のために、アレイ46内のN個の複数のセンサ44及び/又は隣接するセンサ44間の分離距離は、所望に応じて、又は適切に変更され得ることが理解される。一部の実施形態では、アレイ46内の隣接するセンサ部材44間の分離距離は、接近距離AD1、AD2のうちの小さい方以下である。一部の実施形態では、分離距離は、展開距離DD1、DD2のうちの小さい方以下である。一部の実施形態では、分離距離は、接近距離AD1、AD2及び展開距離DD1、DD2のうちの小さい方以下である。
【0120】
一部の実施形態では、隣接するセンサ44間の分離距離は、2つの隣接するセンサの検出フィールドが重複を含み、したがって、エミッタがセンサアレイ46の検出内にある間、エミッタが任意の所与の時間に少なくとも1つのセンサによって検出されるように、センサ44の検出の距離又はフィールド未満である。
【0121】
本明細書に記載されるように、ガイドシースの制御ハンドルに対する外側管腔内装置及び内側管腔内装置の線形運動及び位置の検出及び判定は、管腔内装置が制御ハンドルの経路に沿って移動するときのエミッタ42A、42Bとセンサアレイ46との間の相互作用によって可能になる。一部の実施形態では、エミッタは、磁場生成部材、例えば、永久磁石又は一時磁石を含み得、センサは、磁場センサ、例えば、ホールセンサ又はコイルベースのセンサを含む。
【0122】
エミッタ42A、42Bが、管腔内装置の外面上に円周方向に担持されており、かつ管腔内装置の長手方向軸を中心として磁気的に半径方向に対称である磁気リングである実施形態では、リングは、管腔内装置の回転位置(本明細書では互換的に使用される移動又は変位)に関する情報を経路に沿ったセンサアレイに適切に提供しない場合がある。したがって、一部の実施形態では、
図5A、
図5B、及び
図5Cに示すように、管腔内装置24、26のそれらの長手方向軸Zを中心とした回転運動及び位置の検出及び判定のために、追加の磁場生成部材42A及び44Bが、それぞれ管腔内装置24、26上のZ軸からずれて配置され、「回転」運動及び位置を検出及び判定するための直交(又は90度よりも大きい又は小さいオフ角)センサ44x及び44yと相互作用するための軸外タブの形態で構成されている。センサ44x及び44yは、制御ハンドル16の長手方向軸Zに沿って同じ軸方向位置(同じx/y平面)に位置特定されるが、長手方向軸Zの周りの異なる角度位置に配置される。管腔内装置24及び26の各々が、センサ44x(x軸に沿って)及びセンサ44y(y軸に沿って)に対してZ軸の周りで回転するか又は別様に異なる半径方向角度をとると、直交センサの各々に対する各部材42A、42Bの異なる角度位置に応答して、異なる識別可能な信号が生成される。したがって、直交(又はオフ角)センサ44x、44yは、各管腔内装置のx/y平面における回転運動及び変位を表す信号を提供することができる。センサ44x及び44yの対又は組がz軸に沿った異なる軸方向の場所に位置特定される実施形態では、Z軸方向に延在する複数のセンサ44xが、センサアレイ46xを形成し得、Z軸方向に延在する複数のセンサ44yが、センサアレイ46yを形成し得、これらのアレイは、ガイドシース10を通って前進するときの各管腔内装置の線形及び回転の両方の移動及び位置を表す信号を生成することができる。
【0123】
一部の実施形態では、
図6A及び
図6Bを参照すると、制御ハンドル16の経路18は、近位センサ44P及び遠位センサ44Dを伴う単一の線形アレイ46を有する。管腔内装置24は、管腔内装置24を通って延在する近位磁場エミッタ42P及び遠位磁場エミッタ42Dを有しており、それらのそれぞれの磁気双極子又は磁場が互いに直交するように構成されている。例えば、図示のように、近位エミッタ42Pは、管腔内装置24の長手方向軸Zに対して垂直な磁力線を生成し、一方で、遠位エミッタ42Dは、長手方向軸Zに対して平行な磁力線を生成する。エミッタ42P、42Dは、管腔内装置のシャフトに埋め込まれてもよい。一部の実施形態では、遠位エミッタ42Pは、その磁力線が長手方向軸Zに対して平行であるように構成されており、それは、センサを越えて遠位に移動されると、0.0Vから3.0Vへのセンサ内の変化電圧を生み出し、センサを越えて近位に移動されると、3.0Vから0.0Vへの変化電圧を生成する。したがって、遠位センサ44Dによって生成される信号は、管腔内装置20の線形位置又は移動、及び移動の方向を表すことができる。一部の実施形態では、近位エミッタ42Dは、その磁力線が長手方向軸Zに対して直交するように構成されており、管腔内装置24がセンサに対してその長手方向軸を中心に180°回転されると、0.0Vから3.0Vへの変化電圧を生み出す。したがって、近位センサ44Pによって生成される信号は、管腔内装置20の回転位置又は移動を表すことができる。0.0V~6.0Vの総電圧読み取り値は、線形及び回転位置及び移動の程度を表す。
【0124】
一部の実施形態では、
図7A及び
図7Bを参照すると、制御ハンドル16の経路18は、センサ46x及び46yの2つの直交(又はオフ角)アレイを有し、それを通して延在する管腔内装置20は、その磁力線が管腔内装置20に対して正反対であるか、又は管腔内装置20の長手方向軸に対して垂直である、正反対に磁化された部材(又はリング磁石)42を有する。エミッタ部材42は、両方のアレイのセンサに電圧変化を生み出すように構成されており、管腔内装置20の回転運動を伴わない純粋な線形運動は、直交アレイの各センサ46x間にほぼ同一の応答信号を生み出し、直交アレイの各センサ46y間にほぼ同一の応答信号を生み出し、線形運動を伴わない管腔内装置20の純粋な回転運動は、同じ軸方向位置にある46x及び46yの直交対のみに応答信号を生み出す。管腔内装置20における線形運動と回転運動との組み合わせは、組み合わせ運動を表す応答信号を両方のアレイのセンサにおいて生み出す。
【0125】
一部の実施形態では、
図8A及び
図8Bを参照すると、位置感知組立体240の構成要素は、光学センサ252と、例えば、光学源250によって照明されたときに光学放射が光学センサ252によって検出される光学的に検出可能なパターン254を含む、光学エミッタ(又はセンサマーカ)とを含む。光学源250及び光学センサ252は、制御ハンドル16内に光学ユニットを形成し得る。光学的に検出可能なパターン254は、管腔内装置220の近位部分220P上に提供されており、光学源250及び光学センサ252は、管腔内装置220を受容するガイドシース210の制御ハンドル216の経路218に沿って位置する。光学センサ252は、照明された光学的に検出可能なパターン254の存在、移動、及び場所に応答して信号を生成し、そのような生成された信号は、制御ハンドル16に対する管腔内装置220の近位部分220Pの変位及び位置(線形及び/又は回転)を表し、制御ハンドル16に対する管腔内装置の遠位部分の変位及び位置をも表し得る。
【0126】
一部の実施形態では、複数の光学ユニットが、経路18に沿って長手方向に延在する線形光学アレイを形成するように提供されている。一部の実施形態では、2つのアレイ間の光学照明と感知との間の干渉を最小限にするように、経路18に沿って互いに直径方向に対向する2つの光学アレイ246a及び246bが提供されている。
【0127】
図8Bに示すように、光学的に検出可能なパターンは、管腔内装置220の表面上の異なる場所又は対向する場所に設けられた少なくとも2つの異なるパターン254a及び254bを含み得、これにより、2つの異なるパターンに応答して光学センサ252によって生成された信号は、管腔内装置220のその長手方向軸の周りの角回転を示すことができる。光学的に検出可能なパターンはまた、各管腔内装置が単回使用装置として識別及び限定され得るように、個々の管腔内装置に対して固有であり得る。
【0128】
一部の実施形態では、
図2Aに示されるように、管腔内装置24、26のうちの1つ又は2つ以上は、識別マーカ170を含み、ガイドシース10の制御ハンドル16は、識別回路172を含む。識別回路172は、無線周波数識別(RFID)回路を含み得る、識別マーカ170に少なくとも部分的に基づいて、管腔内装置の所定の構成及び幾何学的形状を判定又は識別するように構成されている。識別マーカ170は、各管腔内装置の近位部分に固定され得、これにより、制御ハンドル内に挿入されると、又はその直後に、制御ハンドル16の経路18に沿って位置する識別回路172によって読み取られる。一部の実施形態では、識別マーカ170は、制御ハンドル16内の識別回路172とは別個の、又はそれに加えて、位置感知モジュール160のIDサブルーチン159と通信する走査ユニット176によって読み取られ得る(
図4B)。
【0129】
一部の実施形態では、光学源250は、LEDを含み、光学センサ252は、フォトダイオードを含み、光学エミッタとしての光学的に検出可能なパターン254は、管腔内装置220の表面上の円周方向の多軸方向の場所にバーコード又はバイナリ交互記号を含む。光学エミッタとしての光学的に検出可能なパターンは、典型的には、暗い影及び明るい影の別個の印からなり、
図9に示されるように、その出力電圧がより高い反射光エネルギーとともに増加し、より低い反射光エネルギーとともに減少する光学検出器によって検出される、対応するパターンで光エネルギーを反射することが理解される。位置感知組立体240は、対で配設された複数の光学源250及び複数の光学検出器252を含み得、各対は、経路18に沿った異なる場所に位置特定される。位置感知組立体240の構成のパラメータは、各エミッタの照明フィールドのサイズ、光学的に検出可能なパターンの長さ、ガイドシースに対する管腔内装置の正確な場所における不確実性の許容可能な程度などを含む、種々の要因に依存することが理解される。
【0130】
位置感知組立体の構成要素の全てが、患者に対する安全性を向上させるために患者の体外ではないとしても患者の心臓の十分外側にあるガイドシースの制御ハンドルの範囲内にあることが強調される。その上、電磁センサへの電気接続、及び電磁センサからの電気接続は、制御ハンドルを越えて遠位に延在しない。すなわち、第1又は第2の管腔内装置のうちのいずれかの遠位先端の位置を表す信号を送信するためのリードワイヤなどの電気コネクタは、もはやこれらの器具のシャフトの全長を通過する必要がなく、このことは、x/y/zコイルを使用する従来の電磁位置センサによって占有される遠位先端において節約される空間は言うまでもなく、これらの器具の構築及び組み立てに必要な手作業を大幅に節約する。
【0131】
管腔内装置の遠位部分の位置を判定するための手段を含む、位置を判定するための手段は、例えば、
図2A及び
図2Bに示される磁石及びホール効果センサを含む、磁場エミッタ及び磁場センサに関連して、並びに例えば、
図8A及び
図8Bに示されるフォトダイオード、光学的に読み取り可能なパターン、及びLEDを含む、光学源によって照明される光学センサ及び光学エミッタに関連して、多くの例のうちの1つに示され、かつ説明されることが理解される。位置を判定することは、長さを判定することを含み得、したがって、位置を判定するための手段は、必要に応じて、又は適切に、長さを判定するための手段と交換可能に使用され得ることが更に理解される。位置を判定するための手段は、以下で更に説明するように、電気回路を完成させるように構成された導電性部材と、完成した電気回路を検出するためのセンサと、インピーダンスを測定するためのセンサとを含むことが更に理解される。
【0132】
位置感知組立体は、電磁構成要素又は光学構成要素のみに限定されず、更に、これらのタイプの構成要素の両方が、必要又は所望に応じて、組み込まれ、かつ一緒に使用され得ることも理解される。
【0133】
図13を参照すると、オペレータは、CARTO(登録商標)3 Systemなどの高度電気生理学(EP)撮像システムSを用いて、患者の心臓を含む患者の身体の3Dマップを取得している。表示されるシステムSによって生成された画像は、患者の心臓の3Dマップを含むだけでなく、第1の(又は外側の)管腔内装置24、例えば、拡張器、及び第2の(又は内側の)管腔内装置26、例えば、経中隔針、特にそれらのそれぞれの遠位端部の描写をも含む。
【0134】
一部の実施形態による第1の管腔内装置及び第2の管腔内装置のこの画像に到達する際に、ユーザは、ユーザがポインティング装置及びグラフィカルユーザインターフェースを使用して、処置の種々のユーザ選択可能パラメータをシステムSに入力することを含み、またガイドシース並びに処置において使用されるべき第1の管腔内装置及び第2の管腔内装置の選択を含む、アクションを行った。選択された第1の管腔内装置24及び第2の管腔内装置26を含む、システムSとともに使用するのに適したガイドシース10及び管腔内装置の幾何学的形状及び構成は、メモリ134の構成及び幾何学的形状サブルーチン156に記憶されている(
図4B)。これらの構成及び幾何学的形状は、内部を通って管腔内装置が延在するガイドシースの制御ハンドルに対する管腔内装置の近位部分の場所、位置、及び/又は配向に基づいて、管腔内装置の遠位部分の場所、位置、及び/又は配向の予測可能かつ信頼性のある判定を提供する。
図3を参照すると、構成及び幾何学的形状サブルーチン156に記憶されるパラメータは、例えば、以下を含み得る。
【0135】
【0136】
ガイドシース並びに第1の管腔内装置及び第2の管腔内装置がユーザによって識別された処置において使用される状態で、システムは、構成及び幾何学的形状サブルーチン156から、位置感知モジュール160によって使用及び適用される上記パラメータを含む関連パラメータを検索することができる。
【0137】
システム、装置、及び関連する方法の一部の実施形態では、
図10のフローチャートが参照される。ブロック502において、例えば、マッピングモジュール153によって、患者の体内のガイドシースの遠位部分の位置の判定がなされる。ブロック504において、シース内に所定の幾何学的形状を有する管腔内装置のシャフトの挿入の長さの判定がなされる。ブロック506において、シースのシャフトの挿入の長さに少なくとも部分的に基づいて、患者の体内のシャフトの遠位端部の位置の判定がなされる。ブロック508において、患者の体内のシャフトの遠位端部の位置のグラフィカル表現が提供される。
【0138】
システム及び装置に関連する方法の一部の実施形態では、
図11のフローチャートが参照される。フローチャートは、ブロック300で開始する。ブロック302において、ガイドシース及び管腔内装置の構成及び幾何学的形状のパラメータが判定され、EP撮像システムSのメモリの構成/幾何学的形状サブルーチンに記憶される。ブロック304において、ガイドシースが患者に挿入される。ブロック304において、管腔内装置がガイドシース内に挿入される。ブロック306において、管腔内装置は、管腔内装置上のエミッタがガイドシースの制御ハンドル内に位置するセンサに向かって移動している状態で、ガイドシースに対して前進させられる。ブロック308において、センサは、エミッタを感知し、かつエミッタに応答して信号を生成する。ブロック310において、位置感知モジュールは、パラメータにアクセスし、かつ信号に基づいて管腔内装置の遠位端部の位置を判定する。ブロック312において、EP撮像システムSは、管腔内装置の遠位端部の位置を表示する。位置は、場所及び配向を含み得ることが理解される。
【0139】
システム及び装置に関連する方法の一部の実施形態では、
図12のフローチャートが参照される。フローチャートは、ブロック400から開始する。ブロック402において、表1のパラメータが判定され、メモリ134の構成/幾何学的形状サブルーチンに記憶される。ブロック404において、ユーザは、ガイドシース10を患者の血管系、例えば、大腿動脈に挿入し、ガイドシース10の位置を患者に対して固定された関係に固定する。ブロック406において、EP撮像システムSは、当該技術分野において知られているように、例えば、電磁ナビゲーションセンサによって、ガイドシースの遠位端部12Dの位置を判定する。ブロック408において、ユーザは、止血弁22を介して第1の管腔内装置24をガイドシース10の管腔14内に挿入する。ブロック410において、ユーザは、装置24をガイドシース10の遠位端部12Dに向かって遠位に前進させる。ブロック412において、第1の管腔内装置24のシャフト28上の遠位エミッタ42A1がガイドシースの制御ハンドル16内のセンサ44に接近すると、センサ44は、遠位エミッタ42A1を感知し、かつエミッタ42A1に応答して信号を生成する。ブロック414において、位置感知モジュール160は、制御ハンドル16の長手方向軸に沿って、センサ44と並んで位置合わせされてセンサ44に最も近接している遠位エミッタ42A1を表す事象、例えば、ピーク(較正された最大値)又は特定の特性について信号を監視する。ブロック416において、位置感知モジュール160は、信号事象に基づいて、構成及び幾何学的形状サブルーチン156に記憶されたパラメータにアクセスする。第1の管腔内装置24は、例えば、遠位端部28Dに対するシャフト28上の遠位エミッタ42A1の位置LM1が長さLS1(すなわち、センサ44とガイドシースの遠位端部12Dとの間の距離)から接近距離AD1を引いたものに等しいことを含む所定の幾何学的形状を有するので、センサ44及び遠位エミッタ42A1が並んで位置合わせされて最も近接しているときにセンサ44によって生成される信号は、第1の管腔内装置24の遠位端部28Dがガイドシースの遠位端部12Dの接近距離AD1に到達したことを含む、装置24とガイドシース10との間の相対位置を有利に示す。決定ブロック418において、事象が、遠位端部28Dが接近距離AD1に到達していることを示すか、又はそれに関連するか否かについての問い合わせが行われる。センサ44が遠位エミッタ42A1に応答して信号(又はピーク信号)を生成している場合、問い合わせに対する回答は、はいであり、フローチャートは、ブロック420に進み、これにより、ブロック422に進む前に、遠位端部28Dが接近距離AD1に到達したこと、及び遠位端部28Dがシース12の遠位端部12Dからすぐに突出する可能性があることをユーザに通知するために、インジケータ、例えば、視覚アラーム160及び/又は音声アラーム162をアクティブ化する。インジケータは、所定の持続時間後に自動的に終了し得るか、又はユーザによって非アクティブ化されるまでアクティブのままであり得る。センサ44が遠位エミッタ42A1に応答して信号(又はピーク信号)を生成していない場合、ブロック418の問い合わせに対する回答は、いいえであり、フローチャートは、ブロック422に進み、処理ユニット132は、ディスプレイモニタ上の患者の心臓内のガイドシースの遠位端部12Dの表示を基準として、第1の管腔内装置24の構成及び幾何学的形状のパラメータに従って、遠位端部28Dをディスプレイモニタにリアルタイムで表示(又は表示を継続)する。このようにして、管腔内装置24の遠位端部28Dの判定された位置及び表示は、有利には、第1の管腔内装置24の近位端部によって生成された信号に基づく。
【0140】
決定ブロック424において、第1の管腔内装置24がガイドシース10に対して遠位方向に前進し続けているかどうかに関する問い合わせが行われる。この判定は、例えば、第1の管腔内装置24のパラメータを参照してセンサ44によって感知された信号の変化を評価することによって行うことができる。はいの場合、フローチャートは、ブロック412に戻る。第1の管腔内装置24の中間エミッタ42A2がセンサ44に接近すると、センサ44は、中間エミッタ42A2を感知し、かつ中間エミッタ42A2に応答して信号を生成する。ブロック414において、位置決めモジュール160は、制御ハンドル16の長手方向軸に沿って、センサ44と並んで位置合わせされてセンサ44に最も近接している中間エミッタ42A2を表す事象、例えば、ピーク(較正された最大値)又は特定の特性について信号を監視する。ブロック416において、位置感知モジュール160は、信号事象に基づいて、第1の管腔内装置24及び中間エミッタ42A2の構成及び幾何学的形状サブルーチン156に記憶されたパラメータにアクセスする。第1の管腔内装置24は、例えば、遠位端部28Dに対するシャフト28上の中間エミッタ42A2の位置が長さLS1に等しいことを含む所定の幾何学的形状を有するので、センサ44と中間エミッタ42A2とが並んで位置合わせされて最も近接しているときにセンサ44によって生成される信号は、有利には、遠位端部28Dが遠位端部12Dにあることを含む、装置24とガイドシース10との間の相対位置を示す。ブロック418において、遠位端部28Dが接近距離AD1にない(しかし、実際には接近距離AD1を過ぎて移動している)ので、フローチャートは、ブロック422に続き、処理ユニット132は、ディスプレイモニタ上の患者の心臓内のガイドシースの遠位端部12Dに対する遠位端部28Dの場所をリアルタイムでディスプレイモニタ上に表示し続ける。この場合も、管腔内装置24の遠位端部28Dの判定された位置及び表示は、有利には、第1の管腔内装置の近位端部によって生成された信号に基づく。決定ブロック424において、第1の管腔内装置24がガイドシース10に対して遠位方向に前進し続けているかどうかに関する問い合わせが行われる。この判定は、例えば、第1の管腔内装置24のパラメータを参照してセンサ44によって感知された信号の変化を評価することによって、又は第1の管腔内装置24をまだ前進させているというユーザによる入力によって行うことができる。はいの場合、フローチャートは、ブロック412に戻る。追加的に、又はその代わりに、決定ブロック424の問い合わせは、構成及び幾何学的形状サブルーチン146に記憶されたパラメータにアクセスすることによって、遠位端部28Dが最大展開距離DD1にあるかどうかに関する判定を含み得る。いいえの場合、フローチャートは、ブロック412に戻る。
【0141】
ブロック412、414、416、418、420、422及び424を含むループは、第1の管腔内装置24上の近位エミッタ42A3に対して繰り返され得る。ブロック416において、位置感知モジュール160は、第1の管腔内装置24及び近位エミッタ42A3の構成及び幾何学的形状サブルーチン156に記憶されたパラメータにアクセスする。第1の管腔内装置24は、例えば、遠位端部28Dに対するシャフト28上の近位エミッタ42A3の位置が、長さLS1に、制御ハンドルの遠位端部12Dの遠位にある第1の管腔内装置24の遠位端部28Dの較正された最大露出距離DD1を加えたものに等しいことを含む、所定の幾何学的形状を有するので、センサ44及び近位エミッタ42A3が並んで位置合わせされて最も近接しているときに生成される信号は、有利には、遠位端部28Dが遠位端部12Dの遠位の較正された最大露出長さDD1にあることを含む、装置24とガイドシース10との間の相対位置を示す。再び、遠位端部28Dが接近距離AD1を過ぎて前進しているので、フローチャートは、ブロック422に続く。ブロック422において、処理ユニット132は、ディスプレイモニタ上の患者の心臓内のガイドシースの遠位端部12Dに対する遠位端部28Dの場所をリアルタイムでディスプレイモニタ上に表示し続け、遠位端部28Dの判定された位置及び表示は、有利には、第1の管腔内装置24の近位端部によって生成された信号に基づく。
【0142】
第1の管腔内装置24のパラメータを参照してセンサ44によって感知された信号の変化を評価する位置感知モジュールによって、又は第1の管腔内装置24をまだ前進させていないというユーザによる入力によって判定されるように、第1の管腔内装置がガイドシースに対してもはや前進させられていないとき、決定ブロック424は、別の管腔内装置が挿入されるべきかどうかに関する問い合わせを有する決定ブロック426に続く。この判定は、ユーザ入力に基づいてもよい。はいの場合、フローチャートは、ブロック410に戻り、第2の管腔内装置26は、弁23を介して、第1の管腔内装置24内に挿入され、かつ第1の管腔内装置24の遠位端部28Dに向かって遠位方向に前進させられる。ブロック412において、第2の管腔内装置26の細長い本体31上の遠位エミッタ42B1がガイドシースの制御ハンドル内のセンサ44に接近すると、センサ44は、エミッタ42B1を感知し、かつエミッタ42B1に応答して信号を生成する。ブロック414において、位置感知モジュール160は、制御ハンドル16の長手方向軸に沿って並んで位置合わせされて最も近接したセンサ44及び遠位エミッタ42B1を表すものとして、事象、例えば、ピーク(較正された最大値)又は特定の特性について信号を監視する。ブロック416において、位置感知モジュール160は、信号事象に基づいて、構成及び幾何学的形状サブルーチン156に記憶されたパラメータにアクセスする。第2の管腔内装置26は、例えば、遠位端部26Dに対する細長い本体31上の遠位エミッタ42B1の位置LE1が、長さLS1に第1の管腔内装置24の較正された最大露出距離DD1を加えたものから、接近距離AD2を引いたものに等しいことを含む、所定の幾何学的形状を有するので、第2の管腔内装置26の遠位端部26Dが第1の管腔内装置24の遠位端部28Dの接近距離AD2にあることを含む、装置24とガイドシース10との間の相対位置を有利に示すときに信号が生成される。このようにして、第2の管腔内装置26の遠位端部26Dの判定された位置及び表示は、有利には、第2の管腔内装置26の近位端部によって生成された信号に基づく。
【0143】
決定ブロック418において、処理ユニット132は、遠位端部26Dが遠位端部28Dの接近距離AD2にあることを表す信号に応答して、遠位端部26Dが接近距離AD2に到達したこと、及び遠位端部26Dが第1の管腔内装置24の遠位端部28Dからすぐに突出する可能性があることをユーザに通知するために、インジケータ(例えば、音声アラーム162又は視覚アラーム164)をアクティブ化する。ブロック422において、処理ユニット132は、ディスプレイモニタ上の患者の心臓内の遠位端部28D及び遠位端部12Dの表示に対して、第2の管腔内装置26の構成及び幾何学的形状のパラメータに従って、遠位端部26Dの場所をディスプレイモニタ127上にリアルタイムで表示することを開始する。
【0144】
決定ブロック424において、ユーザが第2の管腔内装置26をガイドシース10に対して遠位方向に前進させ続ける場合、フローチャートは、ブロック412に戻る。ブロック412、414、416、418、422、及び424を含むループは、中間エミッタ42B2及び近位エミッタ42B3に対して繰り返され得る。中間エミッタ42B2について、ブロック414において、位置感知モジュール160は、センサ44及び中間エミッタ42B2が制御ハンドル16の長手方向軸に沿って並んで位置合わせされて最も近接していることを表すような事象、例えば、ピーク(較正された最大値)又は特定の特性について信号を監視する。ブロック416において、位置感知モジュール160は、信号事象に基づいて、構成及び幾何学的形状サブルーチン156に記憶されたパラメータにアクセスする。第2の管腔内装置26は、遠位端部26Dに対する細長い本体31上の中間エミッタ42B2の位置が、長さLS1に、第1の管腔内装置24の較正された最大露出長さDD1を加えたものに等しいことを含む、所定の幾何学的形状を有するので、センサ44及び中間エミッタ42B2が並んで位置合わせされて最も近接しているときに生成される信号は、有利には、遠位端部26Dが遠位端部28Dに到達したことを含む、装置24とガイドシース10との間の相対位置を示す。ブロック422において、処理ユニット132は、ディスプレイモニタ上の患者の心臓内の第1の管腔内装置24の遠位端部28D及びガイドシース10の遠位端部12Dに対する第2の管腔内装置26の遠位端部26Dの場所をディスプレイモニタ上にリアルタイムで表示し続ける。
【0145】
近位エミッタ42B3について、ブロック414において、位置感知モジュール160は、センサ44及び近位エミッタ42B3が制御ハンドル16の長手方向軸に沿って並んで位置合わせされて最も近接していることを表すような事象、例えば、ピーク(較正された最大値)又は特定の特性について信号を監視する。ブロック416において、位置感知モジュール160は、信号事象に基づいて、構成及び幾何学的形状サブルーチン156に記憶されたパラメータにアクセスする。第2の管腔内装置26は、例えば、遠位端部26Dに対する細長い本体31上の近位エミッタ42B3の位置が、長さLS1に、較正された最大露出距離DD1及び較正された最大露出距離DD2を加えたものに等しいことを含む、第2の管腔内装置26の所定の幾何学的形状を有するので、センサ44及び近位エミッタ42B3が並んで位置合わせされて最も近接しているときに生成される信号は、有利には、遠位端部26Dが遠位端部28Dの遠位の較正された最大露出長さにあることを含む、装置24とガイドシース10との間の相対位置を示す。ブロック422において、処理ユニット132は、ディスプレイモニタ上の患者の心臓内のガイドシースの遠位端部12Dに対する遠位端部26D及び遠位端部28Dの場所をディスプレイモニタ上にリアルタイムで表示し続ける。
【0146】
センサによる管腔内装置(例えば、42A1、42A2、42A3、42B1、42B2.42B3)上の任意のエミッタの検出は、例えば、パラメータLM1、LM2、LM3、LE1、LE2、LE3を含む、管腔内装置の所定の構成及び幾何学的形状のために、エミッタが検出されている管腔内装置の挿入の長さを表す信号を生じさせることが理解される。更に、管腔内装置の所定の構成及び幾何学的形状のため、ガイドシースに対する管腔内装置の遠位端部の位置(又は少なくとも場所)を判定するために、挿入の長さを使用することができる。
【0147】
フローチャートは、管腔内装置が制御ハンドルに対して前進している限り、任意の複数のエミッタに対応することが更に理解される。すなわち、ループは、管腔内装置が制御ハンドルに対してまだ前進しているかどうかの問い合わせに対して決定ブロック424が「いいえ」を生み出すまで、各エミッタに対して繰り返される。また、決定ブロック426で他の管腔内装置が挿入されない場合、フローチャートは、ブロック428で終了し得る。
【0148】
エミッタ42A1、42A2、42A3、42B1、42B2及び42B3のうちの1つ又は2つ以上が、それぞれ、第1の管腔内装置24のシャフト28及び第2の管腔内装置26の細長い本体31上で軸外である一部の実施形態では、それに応答してセンサ44によって生成される信号はまた、
図5A、
図5B及び
図5Cに示されるように、第1の管腔内装置24及び第2の管腔内装置26のそれぞれの長手方向軸の周りの第1の管腔内装置24及び第2の管腔内装置26の回転を表すことが理解される。パラメータは、軸外エミッタの回転角度に対応する較正されたセンサ読み取り値を含む。したがって、ブロック312及びブロック416において、アクセスされるパラメータは、場所及び回転配向を含む遠位端部28D及び26Dの位置を表す信号値又は特性を含む。この点に関して、第1の管腔内装置及び第2の管腔内装置の所定の構成及び幾何学的形状は、装置の近位端部に並進力及び/又は回転力を加えると、遠位端部に予測可能な並進及び/又は回転を生み出すように、装置の長さにわたる装置の所定の剛性及び装置のねじれ剛性を含む。
【0149】
一部の実施形態では、位置感知モジュール160は、センサ44に対する第1の管腔内装置及び第2の管腔内装置の各エミッタの長手方向及び回転位置に対応する信号読み取り値の較正表を含み、この較正表は、装置24及び26の近位部分上のエミッタのセンサ44に対する相対位置を判定及び/又は確認するためにモジュールによって参照され得、この相対位置は、ディスプレイモニタ上に表示するために管腔内装置24及び26の遠位端部28D及び26Dの位置を判定する(又は確実に予測する)ために処理ユニットによって参照される。
【0150】
図14A、
図14B、及び
図14Cを参照すると、一部の実施形態では、位置感知組立体600は、ガイドシース610の制御ハンドル616の経路618に沿って位置する第1の導電性部材及び第2の導電性部材(又は電極)602、604と、経路618への挿入及び制御ハンドル616の遠位に延在するシース612の管腔614を通した遠位前進のために構成された管腔内装置608の近位部分608P上に位置する第3の導電性部材(又は電極)606とを含む。第1の回路部材602及び第2の回路部材604は、互いに分離して別個であり、例えば、経路618を横切って互いに正反対の位置に配置され得、各々は、制御ハンドル616によって画定される長手方向軸Lと位置合わせされる経路618に沿って同じ寸法又は幅Wを有し得る。第3の導電性部材606は、管腔内装置608の外面609上に配置された円周バンド620として構成され得る。バンドは、長手方向軸に沿って、第1及び第2の幅W以上の幅WBを有する。
【0151】
使用時、管腔内装置608の遠位端部608Dは、制御ハンドル616の近位端部616Pにおいて止血弁622内に挿入されて、経路618に入る。次いで、遠位端部608Dは、ガイドシース610のシース612の管腔614に入る。管腔内装置608の前進が遠位方向に続くと、近位部分608Pが経路618に入り、第3の導電性部材606が第1の導電性部材602及び第2の導電性部材604に接近する(
図14A)。更に遠位に前進すると、第3の導電性部材606は、第1の導電性部材602及び第2の導電性部材604の両方と接触するようになる(
図14B)。
図15に示されるように、第1の伝導性要素602及び第2の伝導性要素604の各々は、電力/電流源629への接続を可能にする電気コネクタ(
図1Aの電気コネクタ17を参照)を通して延在するそれぞれのリードワイヤ625、627に接続される。したがって、第1の導電性部材602及び第2の導電性部材604との接触を確立することによって、第3の導電性要素606は、第1の導電性部材、第3の導電性部材、及び第2の導電性部材を含む電気回路624を完成し、その結果、導電率が検出される(
図15B)。すなわち、第3の導電性部材606が第1の導電性部材602及び第2の導電性部材604と接触すると、回路624が完成し、それによって、管腔内装置608の存在が識別される。装置608は、所定の幾何学的形状、例えば、装置608の遠位端部又は近位端部からの第3の導電性部材606の所定の位置を有するので、電気回路624が第1の導電性部材602と、第2の導電性部材604と、第3の導電性部材606との間の導電性接触によって完成されるときに生成される信号は、有利には、例えば、遠位端部608Dがシース612の遠位端部612Dに接近している、又はそこから突出していることを含む、装置608とガイドシース610との間の相対位置を示す。
図15Bに示されるように、導電率は、制御ハンドル616に対する装置608の線形並進の間、部材602と606との間、及び部材606と604との間に接触がある限り、維持される。
【0152】
この点に関して、
図4Cに示されるようなシステムSは、位置感知モジュール160内に回路感知サブルーチン165を含む。回路624の完了を測定及び監視することによって、システムSは、制御ハンドル616に対する装置608の近位部分の位置、したがって、シース612の遠位端部に対する遠位端部608Dの位置を、装置608のためのメモリ134の構成及び幾何学的形状サブルーチン156に基づいて判定するように構成されている。装置608の記憶された構成及び幾何学的形状は、内部を通って装置608が延在するガイドシース610の制御ハンドル616に対する装置608の近位部分608Pの場所、位置、及び/又は配向に基づいて、装置608の遠位端部608Dの場所、位置、及び/又は配向の予測可能かつ信頼性のある判定を提供する。
【0153】
図16A、
図16B、及び
図16Cを参照すると、一部の実施形態では、制御ハンドル616は、複数の第1の導電性部材602の第1のアレイAと、共通の複数の第2の導電性部材604の第2のアレイBとを含み、各第2の導電性部材は、経路618に沿ってそれぞれの第1の導電性部材から直径方向に対向して、それぞれの対の別個かつ異なる導電性部材を形成する。複数の第3の導電性部材606の第3のアレイCは、管腔内装置608の近位部分608P上に位置しており、第3の導電性部材606の各々は、制御ハンドル616に対する装置608の移動に伴って、接続された対602、604を有するそれぞれの電気回路624を完成させる際に、一対の導電性部材602、604に接触し得る。
【0154】
図17に示すように、管腔内装置608が経路618に沿って制御ハンドル616内で遠位方向に前進し、第3の導電性部材608の第3のアレイCが第1のアレイA及び第2のアレイBに接近すると、第3の導電性部材606によって第1の導電性部材602及び第2の導電性部材604のそれぞれの対の間で完成した回路の数は、装置608の近位部分608Pと制御ハンドル616との間の相対位置及び移動、したがって、装置608の構成及び幾何学的形状に基づく装置の遠位端部608Dとガイドシース610の遠位端部610Dとの間の相対位置及び移動を示す。
【0155】
N個の複数の第1の導電性部材602及び第2の導電性部材604と、N個の複数の電流センサA1~ANとを用いて、第3の導電性部材606を接続することによる第1の導電性部材602及び第2の導電性部材604のそれぞれの対の間の各回路の完了が、電流センサA1~ANによって検出される。アレイA、Bに沿った回路の完了を検出する電流センサA1~ANの進行によって、システムSは、装置608の近位部分608P及び制御ハンドル616の相対位置及び移動を判定する。回路A1の完了の検出は、近位部分608Pが制御ハンドルに対して位置P1にあることを示す。例えば、
図17に示されるように、第3の導電性部材606A、606B、606Cによる回路A1、A2、A3の完了の検出は、近位部分608Pが制御ハンドル616に対してそれぞれの位置にあることを示す。同様に、第3の導電性部材606A、606B、606C、606Dによる回路A1、A2、A3、A4の完了の検出は、近位部分608Pが制御ハンドル616に対してより遠位のそれぞれの位置にあることを示すことが理解される。制御ハンドルに対する各それぞれの位置は、装置608及びガイドシース610の既知の構成及び幾何学的形状に基づいて、ガイドシース610の遠位端部に対する装置608の遠位端部608Dのそれぞれの位置を判定する。アレイA1、A2、A3の導電性部材の幅及び間隔は、装置608の相対位置及び移動の所望の精度又は分解能に応じて変更することができることが理解される。一部の実施形態では、第3の導電性部材606は、リング電極又は装着された可撓性電極として構成され得る。
【0156】
一部の実施形態では、
図17に示されるように、装置608の近位部分608Pは、装置608と制御ハンドル616との間の相対位置、したがって、装置608の遠位端部608Dとガイドシース610のシース612の遠位端部との間の相対位置をユーザに視覚的に通知する際に、ユーザによって視認されるように構成された視覚的印630を含む。一部の実施形態では、視覚的印630は、例えば、それぞれの場所から装置608の近位端部までの距離を示す選択された場所に英数字記号630Nを含み得、場所は、隣接する第3の導電性部材606の間にある。一部の実施形態では、視覚的印630は、色分けされたマーカ又はバンド630B、例えば、遠位場所Dにおける緑色マーカ、中間場所Mにおける黄色マーカ、及び近位場所Pにおける赤色マーカを含み得、緑色マーカは、装置608の遠位端部608Dがシース612の遠位端部612Dの近位にあることを示し、黄色マーカは、遠位端部608Dが遠位端部612に接近していることを示し、赤色マーカは、遠位端部608Dがすぐに通過して遠位端部612から突出し、遠位前進が続くことを示す。
【0157】
図18に示されるように、導体の断面積を大きくすると電気インピーダンスが小さくなることが理解される。装置608が制御ハンドル616に対して遠位に前進させられる(又は変位させられる)のにつれて、第3の伝導性要素606と第1の伝導性要素602及び第2の伝導性要素604との間の接触面積が増加し、その結果、完成された回路の電気インピーダンスZが減少する。したがって、位置値に較正されると、完成した回路のインピーダンス読み取り値は、制御ハンドル616に対する、したがって、ガイドシース612及びシース610の遠位端部612Dに対する装置608の線形位置を示す。位置値は、装置608の遠位端部608Dがシース612の遠位端部612Dから突出している距離、又は遠位先端608Dがシース612の遠位端部612Dを出るまでに残っている接近距離に相関させることができる。
【0158】
一部の実施形態では、
図19に示されるように、第1の導電性部材602、第2の導電性部材604、及び第3の導電性部材606によって完成される回路625は、信号生成器626と、インピーダンス測定装置628、例えば、オシロスコープ、AC電圧計、又はインピーダンス計とを含む。
図18は、第1の導電性部材602及び第2の導電性部材604に対する第3の導電性部材606の距離(変位)の関数として、回路625にわたって測定されたインピーダンス(オーム単位)のグラフであり、第1、第2及び導電性部材602、604、606間の接触表面積の量を表す。第3の導電性部材606が第1の導電性部材602及び第2の導電性部材604に接触していない場合(
図14A)、
図18のグラフは、最大で測定されたインピーダンスを示す。管腔内装置608が遠位方向に前進すると、第3の導電性部材606が第2の部材602及び第3の部材604と接触し(
図14B)、測定されたインピーダンスZが減少する。管腔内装置608が更に遠位方向に前進すると、第3の導電性部材606は、第2の部材及び第3の部材と完全に接触し(
図14C)、測定されたインピーダンスは更に減少する。この点に関して、
図4Cに示すシステムSは、位置感知モジュール160内にインピーダンスサブルーチン166を含む。インピーダンスを測定及び監視することによって、システムSは、制御ハンドル616に対する装置608の近位部分の位置、したがって、シース612の遠位端部に対する遠位端部608Dの位置を、装置608のためのメモリ134の構成及び幾何学的形状サブルーチン156に基づいて判定するように構成されている。装置608の記憶された構成及び幾何学的形状は、内部を通って装置608が延在するガイドシース610の制御ハンドル616に対する装置608の近位部分608Pの場所、位置、及び/又は配向に基づいて、装置608の遠位端部608Dの場所、位置、及び/又は配向の予測可能かつ信頼性のある判定を提供する。
【0159】
一部の実施形態では、システムSは、Biosense Webster,Inc.、Irvine,CaliforniaによるCARTO(登録商標)3 Systemなどの撮像電磁システムを介して、リアルタイム3D電気解剖学的マップ内の視覚的関心領域印をディスプレイ上でユーザに提供するように構成されている。
図20A、
図20B、
図20C、
図20D、
図20E、
図20F、
図20G、
図20H、
図20I、及び
図20Jを参照すると、ガイドシース701を通して挿入された、例えば、拡張器などの管腔付き装置704の管腔706を通して挿入された、例えば、経中隔ガイドワイヤなどの管腔内装置702の生成された3D電気解剖学的可視化には、突出した遠位部分702Dによって占められる関心領域ROIを表す視覚的印700が含まれる。一部の実施形態では、管腔内装置702の遠位部分702Dは、管腔706内への挿入及びそれを通した前進のために、所定の2D又は3D構成から直線化され、次いで、管腔を出るときに、又は他の方法で拘束されず、外力から解放されるときに、所定の構成を弾性的に再適合するように、形状記憶を有する。所定の構成は、遠位部分が内面管腔付き装置704を出て、隔壁712を貫通し、かつ左心房714の中へ遠位に前進した後に、遠位部分702Dによって再適合される、「J」形状又は任意の他の2D若しくは3D形状であり得る。
【0160】
一部の実施形態では、動的視覚的印700は、左心房内の遠位部分704Dによって占有される2D又は3D領域を表すように、管腔付き装置704の遠位端部702Dの描写又は可視化の近くに、又はそこから延在するグラフィカル要素として表示される。
図20Aでは、遠位部分702Dは、管腔706からまだ出ていないので、遠位部分は、
図20Bに示されるように、第1の色で表示され得る第1のグラフィカル要素715、例えば、楕円形として、ディスプレイ上で可視化される。
図20Cに示されるように、遠位部分702Dが遠位方向に前進させられ、かつ隔壁712を穿刺すると、遠位部分702Dの可視化における動的視覚的印700は、第2の色で表示され得る、第2のグラフィカル要素716、例えば、円になる。円は、
図20Dに示されるように、遠位部分702Dによって占有され得る球状領域を表す。特に、円の直径は、位置感知組立体による管腔内装置702の線形並進の判定に基づいて、管腔付き装置704の遠位端部704Dを越えて突出している露出した遠位部分702Dの長さを表すようにスケーリングされる。更に遠位に前進すると、遠位部分702Dは、
図20Eに示されるように、隔壁712を貫通して左心房714内に入り、第2のグラフィカル要素716の円は、
図20Fに示されるように、直径が、遠位端部704Dを越えて突出する遠位部分702Dのより長い露出長さを表す長さにスケーリングされるのにつれて、サイズが増加する。
【0161】
管腔内装置704の遠位部分704Dが、
図20Gに示すように、左心房714内への隔壁712の更なる貫通後に遠位部分704Dによって再適合される所定の構成、例えば、「J」湾曲部を有する一部の実施形態では、第2のグラフィカル要素716の直径、したがって円は、
図20Hに示すように、円が露出した遠位部分702D全体に外接するように更に増大される。表される円及び球状領域は、管腔付き装置704の長手方向軸に沿ったその軸回転にかかわらず、「J」湾曲部の全ての可能な場所を有利にカバーする。遠位部分704Dが、
図20Iに示されるように、例えば、遠位端部704Dを過ぎて所定の閾値長さを超えて左心房714の中へ更に延在する場合、遠位部分704Dの可視化は、
図20Jに示されるように、その直径が所定の閾値長さを表すようにスケーリングされる、第3のグラフィカル要素719、例えば、別の色の別の円になる。第3のグラフィカル要素719は、遠位部分702Dが「範囲外」であることをユーザに警告する役割を果たし得る。管腔内装置702、管腔付き装置704、及び/又は外側管腔付き装置の既知の構成及び幾何学的形状を適用することによる位置感知組立体40の前述の実施形態のいずれも、その近位端部における装置702の相対的線形並進を判定して、その遠位端部における装置702の相対的線形並進を判定することができる。また、視覚的印700は、これらの装置のうちのいずれか、いくつか、又はこれらの装置の全ての可視化とともにリアルタイムでユーザに動的に表示され、これにより、ユーザは、管腔内装置702の遠位部分702Dが処置中の任意の所与の時間に位置特定され得る領域の視覚的合図を有する。上記の説明は、現時点における本発明の好ましい実施形態に関連して示したものである。本発明が関連する分野及び技術の当業者であれば、本発明の原理、趣旨、及び範囲を大きく逸脱することなく、記載される構造に改変及び変更を実施し得る点は認識されるであろう。1つの実施形態に開示される任意の特徴又は構成は、必要に応じて又は適宜、他の任意の実施形態の他の特徴に代えて、又はそれに加えて組み込むことができる。当業者には理解されるように、図面は必ずしも縮尺どおりではない。したがって、上記の説明文は、添付図面に記載及び例示される正確な構成のみに関連したものとして読まれるべきではなく、むしろ以下の最も完全で公正な範囲を有するものとされる特許請求の範囲と一致し、かつこれを支持するものとして読まれるべきである。
【0162】
〔実施の態様〕
(1) システムであって、
ハンドルと前記ハンドルから遠位に延在するカテーテルチューブとを備えるシースと、
所定の幾何学的形状を有するシャフトを備え、前記ハンドル及び前記カテーテルチューブを通り抜けるように構成された管腔内装置と、
前記ハンドルに近接して配置されており、かつ前記シース内の前記管腔内装置のパラメータを判定し、それによって前記シャフトの遠位端部の位置を判定するように構成されたセンサ組立体と、を備え、前記パラメータが、前記管腔内装置の挿入又は回転の長さを含む、システム。
(2) プロセッサと、
命令を有する非一時的コンピュータ可読媒体と、を更に備え、前記命令が、前記プロセッサによって実行されると、前記システムに、
前記シース内の前記管腔内装置の前記挿入の長さを判定させ、
前記シース内の前記管腔内装置の前記挿入の長さ及び前記シャフトの前記所定の幾何学的形状に少なくとも部分的に基づいて、前記シャフトの遠位端部の前記位置を判定させる、実施態様1に記載のシステム。
(3) 前記シースが、前記カテーテルチューブの遠位端部に近接するナビゲーションセンサを備える、実施態様1に記載のシステム。
(4) 前記カテーテルチューブの遠位部分が、湾曲部を備え、前記シャフトの遠位部分が、予め成形された湾曲部を備える、実施態様1に記載のシステム。
(5) 前記シースと前記管腔内装置とを備える経中隔穿刺キットを更に備える、実施態様1に記載のシステム。
【0163】
(6) 前記管腔内装置が、経中隔針を含む、実施態様1に記載のシステム。
(7) 前記管腔内装置が、拡張器を含む、実施態様1に記載のシステム。
(8) 前記管腔内装置が、識別マーカを更に備え、前記ハンドルが、前記識別マーカに少なくとも部分的に基づいて前記シャフトの前記所定の幾何学的形状を判定するように構成された識別回路を更に備える、実施態様1に記載のシステム。
(9) 前記識別マーカが、無線周波数識別(RFID)回路を備える、実施態様8に記載のシステム。
(10) 前記センサ組立体が、前記シースの前記ハンドル内のセンサアレイと、前記管腔内装置の前記シャフトの近位部分上に配置されたセンサマーカと、を備え、前記センサアレイが、前記ハンドル内の前記センサマーカの位置を判定し、それによって前記シャフトの遠位端部の前記位置を判定するように構成されている、実施態様1に記載のシステム。
【0164】
(11) 前記センサマーカが、強磁性材料を含み、前記センサアレイが、複数の磁気センサを備える、実施態様10に記載のシステム。
(12) 前記センサアレイが、長手方向軸に沿って直線的にかつ前記ハンドル内の管腔に隣接して配設された複数のセンサを備え、前記管腔が、前記管腔内装置の前記シャフトを受容するように構成されている、実施態様10に記載のシステム。
(13) プロセッサと、
命令を有する非一時的コンピュータ可読媒体と、を更に備え、前記命令が、前記プロセッサによって実行されると、前記システムに、
前記センサアレイからの電気信号に少なくとも部分的に基づいて、前記ハンドル内の前記センサマーカの前記位置を判定させ、
前記センサアレイからの前記電気信号及び前記シャフトの前記所定の幾何学的形状に少なくとも部分的に基づいて、前記管腔内装置の前記シャフトの前記遠位端部の前記位置を判定させる、実施態様10に記載のシステム。
(14) 管腔内装置位置感知システムであって、
シャフトと制御ハンドルとを有するガイドカテーテルシースであって、前記シャフトが、管腔を含み、前記制御ハンドルが、長手方向軸に沿って内部に経路を有し、前記経路と前記管腔とが、互いに連通している、ガイドカテーテルシースと、
所定の幾何学的形状、近位部分、及び遠位部分を有する第1の管腔内装置であって、前記遠位部分が、前記シースの前記管腔を通って延在するように構成されており、前記近位部分が、前記制御ハンドルの前記経路を通って延在するように構成されている、第1の管腔内装置と、
前記第1の管腔内装置の前記近位部分上に位置する第1のエミッタと、
前記制御ハンドルの前記経路内に位置し、前記第1の管腔内装置の前記近位部分上の前記第1のエミッタに応答して信号を生成するように構成されたセンサと、を備え、前記信号が、前記第1の管腔内装置の前記遠位部分の位置を表す、システム。
(15) 前記第1のエミッタが、磁気部材を含み、前記センサが、磁気センサを含む、実施態様14に記載のシステム。
【0165】
(16) 前記第1のエミッタが、照射されたときに光学信号が放出されるように光学的に読み取り可能なパターンを含み、前記センサが、少なくとも光学検出器を有する光学ユニットを含む、実施態様14に記載のシステム。
(17) 前記光学ユニットが、光源を含む、実施態様16に記載のシステム。
(18) 前記第1の管腔内装置が、拡張器である、実施態様14に記載のシステム。
(19) 前記第1の管腔内装置が、第2の管腔内装置を受容するように構成された管腔を含む、実施態様14に記載のシステム。
(20) 管腔内装置位置感知システムであって、
シャフトと制御ハンドルとを有するガイドシースであって、前記シャフトが、管腔を含み、前記制御ハンドルが、長手方向軸に沿って内部に経路を画定しており、前記経路と前記管腔とが、互いに連通している、ガイドシースと、
所定の幾何学的形状を有する第1の管腔内装置であって、前記第1の管腔内装置が、近位部分及び遠位部分を含み、前記遠位部分が、前記シースの前記管腔を通って延在するように構成されており、前記近位部分が、前記制御ハンドルの前記経路を通って延在するように構成されている、第1の管腔内装置と、
前記第1の管腔内装置の前記近位部分上に位置する第1の光学的に読み取り可能なパターンと、
前記制御ハンドルの前記経路内に位置する光学源及び光学センサと、を備え、前記光学源が、前記第1の光学的に読み取り可能なパターンを照明するように構成されており、前記光学センサが、前記光学源による前記第1の光学的に読み取り可能なパターンの照明に応答して信号を生成するように構成されており、前記信号が、前記第1の管腔内装置の前記遠位部分の位置を表す、管腔内装置位置感知システム。
【外国語明細書】