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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025105264
(43)【公開日】2025-07-10
(54)【発明の名称】ハンドル、及び貯蔵庫
(51)【国際特許分類】
   A47B 95/02 20060101AFI20250703BHJP
   F25D 23/02 20060101ALI20250703BHJP
【FI】
A47B95/02 501B
A47B95/02 502A
A47B95/02 502Z
A47B95/02 503B
A47B95/02 504A
A47B95/02 505A
F25D23/02 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023223702
(22)【出願日】2023-12-28
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001081
【氏名又は名称】弁理士法人クシブチ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】桑子 久史
(72)【発明者】
【氏名】秋山 達也
(72)【発明者】
【氏名】乙川 恵佑
(72)【発明者】
【氏名】加藤 潤一
【テーマコード(参考)】
3L102
【Fターム(参考)】
3L102JA01
3L102KA01
3L102KA06
3L102KE06
(57)【要約】
【課題】部材の離脱を抑制できるハンドル、及び貯蔵庫を提供する。
【解決手段】ハンドル10は、扉に取り付けられるハンドル10であって、扉に対して締結される被締結部18を有する表部材と、表部材30の扉側の面に設けられ、表部材30に取り付けられている裏部材50、150と、を備える。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
扉に取り付けられるハンドルであって、
前記扉に対して締結される被締結部を有する表部材と、
前記表部材の前記扉側の面に設けられ、前記表部材に取り付けられている裏部材と、
を備えるハンドル。
【請求項2】
前記表部材には、前記扉側から前記扉と離れる向きに窪む凹部が設けられ、
前記裏部材は、前記凹部を覆うように取り付けられている
請求項1に記載のハンドル。
【請求項3】
前記凹部の縁部と、前記裏部材の縁部とは、前記扉側に設けられる
請求項2に記載のハンドル。
【請求項4】
前記凹部と、
前記裏部材と、
の少なくとも一方には、リブが設けられる
請求項2または請求項3に記載のハンドル。
【請求項5】
前記凹部と、
前記裏部材と、
の少なくとも一方には、補強部材が取り付けられる
請求項2または請求項3に記載のハンドル。
【請求項6】
前記被締結部には、前記被締結部において、前記扉の反対側から前記扉に近づく向きに窪む収容部が設けられており、
前記収容部は、前記被締結部を前記扉に締結する締結部材を収容可能に形成されている
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のハンドル。
【請求項7】
開口部が設けられ、内部に貯蔵室が設けられている貯蔵庫本体と、
開閉可能に設けられ、閉じられた状態で前記開口部を覆う前記扉と、を備え、
前記扉は、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のハンドルを備える
貯蔵庫。
【請求項8】
前記扉には、前記貯蔵室側に窪むように形成される台座が設けられ、
前記台座には、前記扉の内部側に位置する底部と、
前記底部に設けられ、前記貯蔵室側から離れる向きに突出する台座突出部と、
が設けられ、
前記台座突出部には、前記表部材が取り付けられる
請求項7に記載の貯蔵庫。
【請求項9】
前記台座突出部の側面のうち、前記底部に連続する箇所は、曲面状に形成される
請求項8に記載の貯蔵庫。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ハンドル、及び貯蔵庫に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、把手を備える貯蔵庫を開示する。この把手は、扉の前面に締結体で固定される締結壁を有する裏部材と、裏部材に対して外嵌装着される表部材とを備える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2021-60148号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示は、部材の離脱を抑制できるハンドル、及び貯蔵庫を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示におけるハンドルは、扉に取り付けられるハンドルであって、前記扉に対して締結される被締結部を有する表部材と、前記表部材の前記扉側の面に設けられ、前記表部材に取り付けられている裏部材と、を備える。
【0006】
本開示における貯蔵庫は、上記のハンドルを備える。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、部材の離脱を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本開示の実施の形態に係る冷蔵庫の正面図
図2】断熱扉の斜視図
図3】断熱扉の分解斜視図
図4図1のIV-IV断面図
図5】ハンドルの分解斜視図
図6】裏部材の斜視図
図7】変形例に係る補強体の斜視図
図8】ハンドルの断面図
【発明を実施するための形態】
【0009】
(本開示の基礎となった知見等)
発明者らが本開示に想到するに至った当時、扉の前面に締結体で固定される締結壁を有する裏部材と、裏部材に対して外嵌装着される表部材とを備えるハンドルがあった。このハンドルは、当該構造を備えることによって、表部材を裏部材に装着することが容易になると共に、表部材と裏部材との連結状態を良好に維持することが可能となる。
また、このようなハンドルは、2つの部材で形成されるため、ユーザが把持しやすい厚さ寸法を容易に形成することが可能である。
【0010】
しかしながら、従来のようなハンドルでは、裏部材のような扉に取り付けられる部材に、表部材のような扉の反対側に位置する部材が係合することで取り付けられるため、扉が繰り返し開閉されることで、扉の反対側に位置する部材が離脱する場合がある、と言う課題を発明者らは発見し、その課題を解決するために、本開示の主題を構成するに至った。
そこで本開示は、部材の離脱を抑制できるハンドル、及び貯蔵庫を提供する。
【0011】
以下、図面を参照しながら、実施の形態を詳細に説明する。但し、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明、または、実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。これは、以下の説明が必要以上に冗長になるのを避け、当業者の理解を容易にするためである。
なお、添付図面および以下の説明は、当業者が本開示を十分に理解するために提供されるのであって、これらにより特許請求の範囲に記載の主題を限定することを意図していない。
【0012】
(実施の形態1)
以下、図1図8を用いて、実施の形態1を説明する。本実施の形態では、貯蔵庫1の開口部が設けられる面を前面とし、当該前面が向かう方向を前方とする。各図に示す符号FRは、設置状態における貯蔵庫1の前方を示し、符号UPは、貯蔵庫1の上方を示し、符号LHは、貯蔵庫1の左方を示す。なお、設置状態における貯蔵庫1では、上下方向が鉛直方向に一致し、前後方向及び左右方向が水平方向に一致する。
以下の説明において、各方向は、これらの貯蔵庫1の方向に沿った方向である。
【0013】
[1-1.構成]
[1-1-1.貯蔵庫の構成]
図1は、本実施の形態に係る貯蔵庫1の正面図である。
図1に示すように、本実施の形態の貯蔵庫1は、縦型の冷蔵庫である。貯蔵庫1は、貯蔵庫本体2を備える。
貯蔵庫本体2は、前面(正面)に開口部が設けられ、内部に貯蔵室が設けられる箱状の部材である。貯蔵庫本体2は、断熱材と、当該断熱材を囲む外殻を形成する板状の部材とによって形成される。断熱材には、発泡スチロールや硬質ウレタンフォーム等が用いられる。板状部材には、ステンレス鋼板等の金属材や、ABS樹脂等の硬質樹脂が用いられる。なお、貯蔵庫本体2は、金属と硬質樹脂とを組み合わせて形成されてもよい。
貯蔵庫本体2の開口部は、上下方向、あるいは左右方向を仕切る柱状の仕切り部材によって仕切られる。
【0014】
貯蔵庫本体2の開口部は、複数の断熱扉4によって閉塞される。断熱扉4は、開閉可能に取り付けられる矩形状の扉部材である。本実施の形態の貯蔵庫1は、左右方向に配置された一対の断熱扉4を1組として、上下に2組が設けられる。これらの断熱扉4は、互いに一方の側面を隣接させて配置されている。
【0015】
断熱扉4は、貯蔵庫本体2と同様に、断熱材5(図6)と、当該断熱材5を囲む外殻を形成する板状の外殻部材7とによって形成される。断熱材5には、発泡スチロールや硬質ウレタンフォーム等が用いられる。外殻部材7には、ステンレス鋼板等の金属材や、ABS樹脂等の硬質樹脂が用いられる。なお、貯蔵庫本体2は、金属と、硬質樹脂とを組み合わせて形成されてもよい。
【0016】
断熱扉4の各々の上面及び下面には、断熱扉4の他方の側面側に接近する位置に、ヒンジ8が設けられる。断熱扉4の各々は、これらのヒンジ8によって、貯蔵庫1の左右方向に開閉可能な両開き式の扉となっている。本実施の形態では、1組の断熱扉4は、左右対称な観音開き扉となっている。
断熱扉4の各々の前面4Aには、いずれも左右方向において互いに隣接する側面側にハンドル10が設けられている。
断熱扉4は、本開示の「扉」に相当する。
【0017】
貯蔵庫本体2の上部には、機械室6が設けられる。機械室6の内部には、圧縮機、凝縮器、膨張器、蒸発器等の冷凍サイクルを構成する装置が収められており、これらが駆動することによって、貯蔵室の内部に冷気が送り込まれる。
【0018】
図2は、断熱扉4の斜視図である。図2では、ハンドル10、及びハンドル10の周囲を拡大して示す。
図2に示すように、ハンドル10は、ユーザが把持する把手として機能する部材である。
ハンドル10は、断熱扉4の前面4Aに設けられるハンドル台座14を介して断熱扉4に取り付けられる。
ハンドル台座14は、本開示の「台座」に相当する。
【0019】
図3は、断熱扉4の分解斜視図である。
図3に示すように、外殻部材7には、矩形の開口部9が設けられる。開口部9は、外殻部材7の板厚方向に貫通する貫通孔である。開口部9は、断熱扉4の前面4Aに位置する。おいて、ハンドル台座14は、当該開口部9に嵌め込まれることで、断熱扉4に取り付けられる。これによって、ハンドル台座14は、断熱扉4の前面4Aの一部を形成する。
【0020】
図1に示すように、ハンドル台座14は、正面視で、長手方向が上下方向に延びる矩形の板状部材である。ハンドル台座14は、樹脂材料を用いて、例えば射出成形等によって形成される。
図3に示すように、ハンドル台座14は、貯蔵庫本体2側、換言すれば断熱扉4の内部側に向かって窪む形状を備える。
【0021】
ハンドル台座14は、断熱扉4の内部側に位置する基底部20を備える。基底部20は、矩形の平板状に形成される。
基底部20の辺の各々には、傾斜面部22が設けられる。傾斜面部22は、正面視で、基底部20の辺の各々から外方に延びるにつれて、前方に向かって、傾斜しつつ起立する曲面形状を備える。傾斜面部22の各々は、隣り合う箇所で曲面を形成しつつ、互いに連結される。
【0022】
ハンドル台座14は、正面視でハンドル台座14の周縁を形成する周縁部24を備える。傾斜面部22の各々は、基底部20と、周縁部24とを連結する。
ハンドル台座14には、延出部28が設けられる。延出部28は、正面視で、ハンドル台座14の周縁のうち、長辺を形成する箇所に重なる位置に設けられる。延出部28は、周縁部24に沿って延び、当該周縁部24から所定の間隔を空けて基底部20側に位置する。
【0023】
ハンドル台座14には、台座突出部26が設けられる。台座突出部26は、基底部20から、前方に向かって突出する柱状に形成される。
本実施の形態では、2つの台座突出部26がハンドル台座14に設けられる。本実施の形態において、一方の台座突出部26は、基底部20の上端部と、当該基底部20の上端部に連続する傾斜面部22とから起立する。他方の台座突出部26は、基底部20の下端部と、当該基底部20の下端部に連続する傾斜面部22とから起立する。
台座突出部26の各々は、周縁部24よりも前方側に突出する。すなわち、台座突出部26は、ハンドル台座14の窪み形状から外部に突出する。
【0024】
台座突出部26の側周面25と、基底部20及び傾斜面部22の上面とは、曲面21によって連結される。すなわち、台座突出部26と、基底部20及び傾斜面部22との連結箇所には、大きな角度変化が生じない滑らかな曲面形状が形成される。これによって、貯蔵庫1では、ユーザが貯蔵庫1を清掃する場合等に、台座突出部26と、基底部20及び傾斜面部22との連結箇所を清掃することが容易となる。
基底部20と、傾斜面部22とは、本開示の「底部」に相当する。
【0025】
このように、断熱扉4では、外殻部材7とは異なる部品として、例えば樹脂成型によりハンドル台座14が形成されることで、上述の曲面21のような形状を形成することが可能となる。
【0026】
台座突出部26の先端部には、断熱扉4の前面4Aに略平行な平坦面27が形成される。台座突出部26の先端部には、ねじ孔29が設けられる。当該ねじ孔29は、台座突出部26の先端部に設けられる平坦面27に直交し、前後方向に沿って、ハンドル台座14を貫通する貫通孔である。
台座突出部26の内部には、後方に向かって延びる一対の係合片23が設けられる。係合片23の先端部には、爪形状が形成される。
【0027】
断熱扉4には、2つの板ナット60が設けられる。板ナット60は、例えば金属材で形成される板状部材である。板ナット60は、外殻部材7の内部に収められ、断熱材5の内部に埋め込まれるように設けられる。板ナット60の各々は、正面視で、いずれも開口部9を介して、外殻部材7の外部に露出する。
【0028】
板ナット60には、ねじ孔61が設けられる。ねじ孔61は、板ナット60の板厚方向に貫通し、開口部9を介して、外殻部材7の外部に露出する。
板ナット60には、ねじ孔61に隣接する箇所に、係合孔63が設けられる。係合孔63は、板ナット60の板厚方向に貫通し、開口部9を介して、外殻部材7の外部に露出する。
板ナット60の各々は、当接部62を備える。当接部62は、左右方向に延びる長尺の平面形状を備える。
【0029】
次いで、外殻部材7にハンドル台座14を取り付ける手順について説明する。
図3に示すように、ハンドル台座14は、断熱扉4の開口部9に嵌め込まれることで、断熱扉4に取り付けられる。この場合、周縁部24は、外殻部材7の表面側に当接し、延出部28は、外殻部材7の裏面側に当接する。すなわち、開口部9の縁部は、周縁部24と、延出部28とによって挟み込まれる。
これによって、基底部20の面は、断熱扉4の前面4Aに略平行に配置される。
【0030】
図4は、図1のIV-IV断面図である。IV-IV断面は、ハンドル10の左右方向における略中央を通過する平面である。図4では、説明の便宜上、断熱材5にドットを付して示す。
ハンドル台座14が開口部9に嵌め込まれると、板ナット60がハンドル台座14に取り付けられる。具体的には、図4に示すように、係合孔63に一方の係合片23が挿通されて係合し、板ナット60の当接部62の反対側に位置する端部に他方の係合片が係合する。これによって、板ナット60は、ハンドル台座14に固定される。
板ナット60がハンドル台座14に固定されると、ねじ孔29の各々は、正面視でねじ孔61の各々に重なる位置に配置される。
【0031】
板ナット60がハンドル台座14に固定されると、当接部62は、左右方向に延び、断熱扉4の前面4Aに対向して配置される。一方の板ナット60の当接部62は、開口部9の上縁部に、外殻部材7の内部側から当接する。他方の板ナット60の当接部62は、開口部9の下縁部に、外殻部材7の内部側から当接する。
開口部9の上縁と下縁とは、周縁部24と、当接部62の各々とに挟み込まれる。
【0032】
ハンドル台座14が外殻部材7に取り付けられると、当該外殻部材7の内部には、断熱材5が充填される。本実施の形態では、外殻部材7の内部には、断熱材5として、ウレタンが発泡充填される。ハンドル台座14は、断熱材5によって、外殻部材7に接着されて固定される。これにより、ハンドル台座14は、断熱扉4の一部として構成される。
【0033】
次いで、ハンドル10について説明する。
図2に示すように、ハンドル10は、上下方向に沿って延びる長尺の形状を備える。ハンドル10は、長手方向の略中央に、ユーザが把持可能な把持部16が設けられる。本実施の形態において、把持部16は、上下方向に沿って直線状に延びる棒状に形成される。
ハンドル10は、長手方向の両端部に、被締結部18が設けられる。被締結部18は、把持部16の上下端の各々に連続して設けられる。ハンドル10は、これらの被締結部18がハンドル台座14に連結されることで、断熱扉4に取り付けられる。
【0034】
図3に示すように、ハンドル10は、表部材30を備える。表部材30は、全体が樹脂材料で形成される。表部材30は、本体把持部32を備える。本体把持部32は、把持部16のうち、当該把持部16の前面側、換言すれば表側を形成する。本実施の形態において、把持部16の後面は、断熱扉4の前面4Aに対向し、把持部16の前面は、把持部16の後面を挟んで断熱扉4の前面4Aとは反対側に位置する。本体把持部32の前面側には、連続する一つの面形状が形成される。
本体把持部32は、前後方向に所定の厚さを備える。本体把持部32の左右方向には、前面から連続する側面が形成される。
【0035】
図5は、ハンドル10の分解斜視図である。図5は、ハンドル10を後方から視た図である。
図5に示すように、本体把持部32の後部には、前方に向かって窪む凹部35が設けられる。本実施の形態において、凹部35は、後面視で矩形状に形成される。凹部35は、本体把持部32の上下方向全体に亘って形成される。凹部35は、左右方向において、本体把持部32の長さ寸法よりも短い長さ寸法で形成される。すなわち、凹部35の縁部37は、全周に亘って、断熱扉4の前面4Aに対向する位置に配置される。
以下の説明では、凹部35が設けられる本体把持部32の面を対向面31とする。対向面31は、断熱扉4の前面4Aに対向し、凹部35の縁部37は、全周に亘って、対向面31に配置される。
【0036】
凹部35の内部において、上下方向に延びる内側面には、左右方向に沿って突出する複数の係合片36が設けられる。
凹部35の内部において、上端部には、複数のリブ38が設けられる(図6)。表部材30は、これらのリブ38が設けられることで、補強される。当該リブ38は、凹部35の内部における下端部に設けられてもよい。
【0037】
図3に示すように、被締結部18の各々は、表部材30に設けられる。被締結部18の各々には、収容部41が設けられる。収容部41は、被締結部18において、表部材30の前面側から、後面側に向かって窪むことで形成される。
【0038】
図5に示すように、被締結部18には、対向面31側から断熱扉4の前面4Aに向かって突出するハンドル突出部42が設けられる。ハンドル突出部42は、本体把持部32の対向面31よりも、後方、換言すれば断熱扉4の前面4Aに向かって突出する。
ハンドル突出部42の先端部には、断熱扉4の前面4Aに略平行な平坦面45が形成される。ハンドル突出部42の先端部には、ねじ孔43が設けられる。当該ねじ孔43は、ハンドル突出部42の先端部に設けられる平坦面45に直交し、前後方向に沿って、ハンドル突出部42を貫通する貫通孔である。ねじ孔43は、収容部41の内部空間に連通する。
【0039】
ねじ孔43には、例えばねじやボルト等の締結部材46が挿通される(図3)。締結部材46がねじ孔43に挿通されると、ねじ溝が設けられる締結部材46の先端部は、ハンドル突出部42の先端部から断熱扉4の前面4Aに向かって突出する。
締結部材46がねじ孔43に挿通されると、締結部材46の頭部は、収容部41の内部に収められる。
収容部41は、カバー部材48によって閉塞される。カバー部材48は、収容部41の開口部に、例えばスナップフィット等によって固定される。
【0040】
上述のように、表部材30には、凹部35と、一対の収容部41と、が互いに重ならずに長手方向に沿って並ぶように設けられる。これによって、表部材30は、中実に形成されるよりも各部の板厚を薄く形成できると共に、全体では、前後方向に沿う寸法である厚さ寸法を厚く形成することができる。
【0041】
このため、表部材30は、樹脂材で成形される場合に、所謂ヒケが生じることを抑制しつつ、本体把持部32や、被締結部18を太く形成することができる。すなわち、貯蔵庫1では、当該貯蔵庫1の前面側に位置する本体把持部32の外観を損ねることなく表部材30を形成することができる。加えて、表部材30では、各部の板厚の増大を抑制しつつ、所定の強度を備えるように形成することができる。
【0042】
図6は、裏部材50の斜視図である。
図3図5に示すように、ハンドル10は、裏部材50を備える。裏部材50は、正面視で、上下方向に沿って長手方向が延びる矩形状に形成される板状部材である。裏部材50は、表部材30と同様に、樹脂材料で形成される。裏部材50は、表部材30の裏側の面に設けられる。
裏部材50は、表部材30と、断熱扉4の前面4Aとの各々に対向する平面形状を形成する裏面部52を備える。裏面部52は、矩形状に形成され、当該裏面部52の各辺を形成する縁部53には、表部材30に向かって起立する起立面部54が設けられる。
【0043】
起立面部54のうち、裏面部52の上端に位置する辺から起立する起立面部54には、前後方向に沿って切り欠かれて形成されるスリット55が設けられる。
起立面部54のうち、裏面部52の左右に位置する辺から起立する起立面部54の外側面には、内側面側に窪むことで形成される複数の係合穴56が設けられる。
【0044】
裏面部52において、表部材30に対向する面には、複数のリブ58と、リブ59とが設けられる。リブ58と、リブ59とは、表部材30に向かって突出する。リブ58は、裏面部52には、裏部材50の長手方向に沿って延びる。リブ59は、リブ58の長手方向に直交する方向に沿って延びる。
なお、リブ58は、裏部材50の長手方向に沿って延びるもののみ設けられてもよい。また例えば、リブ58は、当該長手方向や、当該長手方向に直交する方向に交差する方向に延びるように形成されてもよい。
【0045】
本実施の形態において、リブ58の各々は、起立面部54に囲まれるように設けられる。リブ58の各々は、起立面部54よりも表部材30に接近しない程度の寸法で形成される。
リブ58、及びリブ59は、本開示の「リブ」に相当する。
【0046】
裏部材50は、凹部35に嵌め込まれることで、表部材30に取り付けられる。図5に示すように、裏部材50は、起立面部54の各々が凹部35の内側面の各々に沿うように、凹部35の内部に挿通される。そして、係合片36が係合穴56に係合することで、裏部材50は、表部材30に固定される。さらにこの場合、リブ38の各々は、スリット55の各々に挿通される。
これによって、ハンドル10では、表部材30の本体把持部32と、裏部材50との2つの部材で把持部16が形成される。
表部材30の本体把持部32は、把持部16の前面側を形成し、裏部材50は、把持部16の後面側を形成する。
【0047】
このように、把持部16は、2つの部材によって形成されることで、前後方向に沿う寸法である厚さ寸法が厚く形成される。これによって、ハンドル10では、例えばガスアシスト成形や、厚肉成形等といった高いコストを要する成型方法を用いることなく、把持部16をユーザが把持しやすい太さ寸法で形成することができる。
【0048】
次いで、断熱扉4にハンドル10を取り付ける手順について説明する。
図3に示すように、表部材30は、裏部材50が取り付けられた状態で、ハンドル台座14に取り付けられる。
詳述すると、ハンドル突出部42の平坦面45と、台座突出部26の平坦面27とが当接された状態で、ねじ孔43の各々に締結部材46が挿通される。締結部材46は、ねじ孔43の各々と、ねじ孔29の各々と、ねじ孔61の各々とに挿通されて螺合する。これによって、ハンドル台座14と、表部材30との各々は、断熱扉4に固定される。
この後、収容部41の各々がカバー部材48によって閉塞されることで、締結部材46が覆われる。
【0049】
上述のように、台座突出部26の各々は、当該ハンドル台座14の凹形状から外方に向かって突出する。ハンドル突出部42の各々は、把持部16よりも断熱扉4に向かって突出する。これによって、ハンドル10がハンドル台座14に固定されると、把持部16は、前後方向に沿って、ハンドル台座14の基底部20から所定の空間Sを空けた状態で、断熱扉4の前面4Aよりも前方に配置される。
このため、断熱扉4では、ハンドル台座14が外殻部材7に向かって窪む深さ寸法が大きくなることが抑制され、断熱材5の厚さ寸法が薄くなることを抑制可能となる。
【0050】
ここで、空間Sは、ハンドル台座14と、ハンドル10の把持部16との間に位置する空間である。対向面31や、裏部材50は、空間Sに対向して配置される。ハンドル突出部42は、把持部16よりも空間Sに向かって突出して設けられる。
【0051】
ハンドル10がハンドル台座14に取り付けられると、台座突出部26の側周面25と、ハンドル突出部42の側周面とは、面一となるように配置される。これによって、ハンドル10と、ハンドル台座14との連結箇所にごみや塵等が堆積することが抑制される。加えて、ハンドル10では、ユーザが把持しやすく操作しやすい形状を提供することができる。
【0052】
[1-2.動作]
以上のように構成された貯蔵庫1について、その動作を以下説明する。
ハンドル10は、ユーザが断熱扉4を開閉する場合に、ユーザによって操作される。この場合、ユーザは、把持部16を把持する。
【0053】
把持部16は、上述のように、表部材30と、裏部材50とによって形成されることで、所定の厚さ寸法を備える。これによって、ハンドル10では、ユーザが把持しやすく操作しやすい形状を提供することができる。
【0054】
上述のように、凹部35の縁部37は、全周に亘って、断熱扉4の前面4Aに対向する対向面31に配置される。また、裏部材50は、凹部35に嵌め込まれるため、縁部53も同様に、断熱扉4の前面4Aに対向する対向面31に配置される。
これによって、ハンドル10では、ユーザが把持部16を把持した場合に、縁部37や、縁部53がユーザの手に押圧されることが抑制される。このため、ハンドル10では、ユーザが把持しやすく操作しやすい形状を提供することができる。
【0055】
上述のように、ハンドル10を形成する2つの部材のうち、表部材30の本体把持部32は、把持部16の前面側を形成し、裏部材50は、把持部16の後面側を形成する。
断熱扉4を閉止する場合において、ユーザは、ハンドル10を把持する状態で、主に表部材30を当該表部材30の前面側から押圧することとなる。上述のように、裏部材50は、本体把持部32よりも小さく形成されると共に、把持部16の後面側に配置される。このため、断熱扉4が閉止される場合において、裏部材50には、前面側から後面側に向かう力がかからず、裏部材50が表部材30から脱落することが抑制される。
【0056】
断熱扉4を開放する場合において、ユーザは、裏部材50と、表部材30とを共に把持する状態で、前面側に向かってハンドル10を引くこととなる。すなわち、裏部材50は、ハンドル10において、表部材30を挟んで、引かれる方向とは反対側に配置される。
このため、断熱扉4が開放される場合において、裏部材50には、表部材30に向かって押し付けられる力がかかり、裏部材50が表部材30から脱落することが抑制される。
このように、断熱扉4では、開閉に伴って、裏部材50が脱落することが抑制される。
【0057】
上述のように、ハンドル突出部42の平坦面45の各々と、台座突出部26の平坦面27の各々との当接箇所は、ハンドル台座14の窪み形状よりも外方に位置する。これによって、貯蔵庫1では、ユーザが貯蔵庫1を清掃する場合に、当該当接箇所を清掃することが容易となる。このため、貯蔵庫1では、ハンドル10と、ハンドル台座14との連結箇所にごみや塵等が堆積することが抑制される。
【0058】
加えて、ハンドル突出部42の平坦面45の各々と、台座突出部26の平坦面27の各々との当接箇所は、断熱扉4の前面4Aよりも前方側に突出して配置される。このため、貯蔵庫1では、前面4Aを伝って流れる結露水等の水分がハンドル10と、ハンドル台座14との連結箇所に入り込むことが抑制される。
【0059】
上述のように、ハンドル突出部42の各々は、把持部16よりも断熱扉4に向かって突出する。これによって、例えばユーザが把持部16の上端部や下端部を把持して操作する場合に、ハンドル10と、ハンドル台座14との連結箇所がユーザの手に押圧されることが抑制される。このため、ハンドル10では、ユーザが把持しやすく操作しやすい形状を提供することができる。
【0060】
[1-3.効果等]
以上のように、本実施の形態において、貯蔵庫1は、断熱扉4に設けられるハンドル10を備える。ハンドル10は、締結部材46を介して断熱扉4に取り付けられる表部材30と、表部材30に係合することで断熱扉4に対向する位置に取り付けられる裏部材50と、を備える。
【0061】
これにより、ハンドル10では、ハンドル10の前面視で裏部材50が表部材30に覆われる。このため、ハンドル10では、当該ハンドル10が操作される場合に、表部材30から離間させる力が裏部材50にかかることが抑制され、裏部材50が表部材30から脱落することが抑制される。
【0062】
本実施の形態のように、表部材30には、断熱扉4に対向する位置に、断熱扉4から離間する方向に窪む凹部35が設けられ、裏部材50は、凹部35を覆うように取り付けられてもよい。
これにより、ハンドル10では、表部材30を形成が容易な方法で形成することができる。そして、ハンドル10では、凹部35が裏部材50に覆われることで、ユーザが把持しやすく操作しやすい厚さとなる形状を形成することができる。
【0063】
本実施の形態のように、凹部35の縁部37と、裏部材50の縁部53とは、断熱扉4に対向する位置に設けられてもよい。
これにより、ハンドル10では、ユーザが把持部16を把持した場合に、縁部37や、縁部53がユーザの手に押圧されることが抑制される。そのため、ハンドル10では、ユーザが把持しやすく操作しやすい形状を提供することができる。
【0064】
本実施の形態のように、表部材30には、凹部35を避ける位置に、断熱扉4に対向する位置の反対側から断熱扉4の側に窪み、表部材30と断熱扉4とを連結する締結部材が納められる収容部41が設けられてもよい。
これにより、表部材30は、中実に形成されるよりも各部の板厚を薄く形成できると共に、全体では、前後方向に沿う寸法である厚さ寸法を厚く形成することができる。
そのため、表部材30では、所定の強度を備えると共に、所謂ヒケが生じることが抑制され、意匠性の向上を図ることができる。
【0065】
本実施の形態のように、裏部材50には、リブ58が設けられてもよい。
これにより、裏部材50が補強される。そのため、当該裏部材50が設けられるハンドル10の全体が補強される。また、裏部材50にリブ58を設け、ハンドル10の表側に位置する表部材30では、リブ58のような補強構造を省略することで、表部材30にヒケ等が生じることが抑制される。このため、ハンドル10では、意匠性を向上させることができる。
【0066】
本実施の形態のように、断熱扉4には、断熱扉4の側面から内部に向かって窪むように形成されるハンドル台座14が設けられる。ハンドル台座14には、断熱扉4の内部側に位置する基底部20と、基底部20から断熱扉4の外方に突出する台座突出部26と、が設けられる。表部材30は、台座突出部26に取り付けられてもよい。
これにより、貯蔵庫1では、ユーザが貯蔵庫1を清掃する場合に、ハンドル10と、ハンドル台座14との連結箇所を清掃することが容易となる。そのため、貯蔵庫1では、ハンドル10と、ハンドル台座14との連結箇所にごみや塵等が堆積することが抑制される。
【0067】
本実施の形態のように、台座突出部26の側面のうち、基底部20と、傾斜面部22との連結箇所には、大きな角度変化が生じない滑らかな曲面形状が形成される。
これによって、貯蔵庫1では、ユーザが貯蔵庫1を清掃する場合等に、台座突出部26と、基底部20及び傾斜面部22との連結箇所を清掃することが容易となる。
【0068】
(他の実施の形態)
以上のように、本出願において開示する技術の例示として、実施の形態1を説明した。しかしながら、本開示における技術は、これに限定されず、変更、置き換え、付加、省略などを行った実施の形態にも適用できる。また、上記実施の形態1で説明した各構成要素を組み合わせて、新たな実施の形態とすることも可能である。
そこで、以下、他の実施の形態を例示する。
【0069】
図7は、本開示の変形例に係る裏部材150の斜視図である。図7では、図6と同一箇所に同一の符号を付して、その説明を省略する。
ハンドル10は、裏部材50に替えて、裏部材150を備えてもよい。裏部材150の裏面部52では、リブ58が省略され、取付部158が形成される。取付部158は、裏面部52の長手方向の略全体に亘って、当該裏面部52から表部材30に向かって起立する形状を備える。
【0070】
取付部158の先端部には、取付部158の長手方向全体に亘って、裏面部52側に向かって窪むスリット状の差し込み部159が設けられる。
差し込み部159には、長尺の平板形状を備える補強部材170が差し込まれる。補強部材170は、取付部158の長手方向における長さ寸法と略同一の長さ寸法を備え、差し込み部159に差し込み可能な程度の板厚を備える。補強部材170は、例えば板金等の、表部材30や裏部材150を形成する樹脂材料よりも高い強度を備える材料で形成される。
補強部材170は、差し込み部159に取り付けられると、裏面部52から起立する。
【0071】
図8は、変形例に係るハンドル10の断面図である。図8は、把持部16の長手方向における略中央を通り、当該長手方向に直交する平面でハンドル10を切断した断面を示す。
図8に示すように、裏部材150が表部材30に取り付けられると、補強部材170は、凹部35の内部に収められる。これによって、ハンドル10は、当該ハンドル10を形成する部材とは異なる部材によって、内部で補強される。このため、ハンドル10では、意匠性を向上させつつ、所定の強度を備えることができる。
【0072】
裏部材150が表部材30に取り付けられると、補強部材170は、ハンドル10の外部から隔てられて配置される。このため、補強部材170には、例えばポリカーボネートのような、高い強度を備えると共に清掃等に用いられる溶剤に対する耐性が低い材料を用いることができる。
【0073】
なお、図8では、補強部材170は、表部材30から離間して配置されるが、これに限らず、表部材30に当接するように配置されてもよい。
また例えば、本変形例では、裏部材150には、1つの補強部材170と、1つの取付部158が設けられるとしたが、これに限らず、複数が設けられてもよい。
また例えば、補強部材170と、取付部158とは、凹部35の内部に位置するように、表部材30に設けられてもよい。
【0074】
上述した実施の形態において、リブ58は、裏部材50に設けられるとしたが、これに限らず、表部材30の例えば凹部35に設けられてもよい。
【0075】
上述した実施の形態において、ハンドル10は、長手方向が上下方向に沿って延びるように配置されるとした。しかしながらこれに限らず、ハンドル10は、長手方向が左右方向に沿って延びるように配置されてもよい。この場合、上述の実施の形態における上下方向は、左右方向に代替可能である。
【0076】
上述した実施の形態において、貯蔵庫1は、縦型の冷蔵庫としたが、これに限らず、例えば横型の冷蔵庫であってもよい。
また例えば、貯蔵庫1は、両開き式の断熱扉4を備えるとしたが、これに限らず、片開式の断熱扉4を備えてもよい。
また例えば、貯蔵庫1では、機械室6と、当該機械室6に収められる各種の装置が省略されてもよい。この場合、貯蔵庫1では、貯蔵庫本体2に設けられる断熱材や、断熱扉4に設けられる断熱材5が省略されてもよい。
【0077】
上述した実施の形態において、ハンドル10は、一対の被締結部18が設けられるとした。しかしながらこれに限らず、ハンドル10では、1つの被締結部18が設けられてもよい。この場合、ハンドル10は、所謂片持ち状態で断熱扉4に取り付けられる。
【0078】
上述した実施の形態において、ハンドル10は、把持部16よりも空間Sに向かって突出して設けられるハンドル突出部42を備えるとした。しかしながらこれに限らず、把持部より空間に向かって突出していないハンドル突出部に対し、台座突出部が大きく突出する構成であってもよい。この場合でも、被締結部において台座突出部に対して締結されることで、ハンドル台座と把持部との間に空間が形成される。
【0079】
上述した実施の形態において、収容部41は、前方側が開口するとしたが、これに加えて、他の方向に向かう面が解放されてもよい。この場合、カバー部材48は、収容部41の開放される個所全体を覆う形状となる。
【0080】
上述した実施の形態において、ハンドル10は、長手方向が直線状に延びる形状を備えるとしたが、これに限らず、他の形而上を備えてもよい。例えば、ハンドル10は、長手方向における略中央が貯蔵庫1の前方側に、突となるように曲線を描くように形成されてもよい。
【0081】
上述した実施の形態において、ハンドル10は、ハンドル台座14を介して断熱扉4に取り付けられるとした。しかしながらこれに限らず、ハンドル10は、外殻部材7に直接取り付けられてもよい。この場合、断熱扉4において、ハンドル台座14は、省略されてもよい。
【0082】
また例えば、断熱扉4には、外殻部材7を加工することで、断熱扉4の内部側に窪む構造や、台座突出部26のように、断熱扉4の前方に向かって突出する突出構造が設けられてもよい。この場合、ハンドル10は、ハンドル突出部42と当該突出構造とが当接された状態で、締結部材46によって、締結されることで、断熱扉4に設けられてもよい。
【0083】
なお、上述の実施の形態は、本開示における技術を例示するためのものであるから、特許請求の範囲またはその均等の範囲において種々の変更、置き換え、付加、省略などを行うことができる。
【0084】
(付記)
以上の実施の形態の記載により、下記の技術が開示される。
【0085】
(技術1)扉に取り付けられるハンドルであって、前記扉に対して締結される被締結部を有する表部材と、前記表部材の前記扉側の面に設けられ、前記表部材に取り付けられている裏部材と、を備えるハンドル。
これにより、ユーザが扉を閉止する場合において、ハンドルは、表部材の前面側から当該表部材がユーザに押圧される。ユーザが扉を開放する場合において、ハンドルは、裏部材と、表部材とが共に把持されて前面側に向かって引かれる。
このため、ハンドルでは、当該ハンドルが操作される場合に、表部材から離間させる力が裏部材にかかることが抑制され、裏部材が表部材から脱落することが抑制される。
【0086】
(技術2)前記表部材には、前記扉側から前記扉と離れる向きに窪む凹部が設けられ、前記裏部材は、前記凹部を覆うように取り付けられている技術1に記載のハンドル。
これにより、ハンドルでは、表部材を形成が容易な方法で形成することができる。そして、ハンドルでは、凹部が裏部材に覆われることで、ユーザが把持しやすく操作しやすい厚さとなる形状を形成することができる。
【0087】
(技術3)前記凹部の縁部と、前記裏部材の縁部とは、前記扉側に設けられる技術2に記載のハンドル。
これにより、ハンドルでは、ユーザが把持部を把持した場合に、縁部の各々がユーザの手に押圧されることが抑制される。そのため、ハンドルでは、ユーザが把持しやすく操作しやすい形状を提供することができる。
【0088】
(技術4)前記凹部と、前記裏部材と、の少なくとも一方には、リブが設けられる技術2または技術3に記載のハンドル。
これにより、裏部材が補強される。そのため、当該裏部材が設けられるハンドルの全体が補強される。また、裏部材にリブを設け、ハンドルの表側に位置する表部材では、リブのような補強構造を省略することで、表部材にヒケ等が生じることが抑制される。このため、ハンドルでは、意匠性を向上させることができる。
【0089】
(技術5)前記凹部と、前記裏部材と、の少なくとも一方には、補強部材が取り付けられる技術2から技術4のいずれか一項に記載のハンドル。
これによって、ハンドルは、当該ハンドルを形成する部材とは異なる部材によって、内部で補強される。このため、ハンドルでは、意匠性を向上させつつ、所定の強度を備えることができる。
【0090】
(技術6)前記被締結部には、前記被締結部において、前記扉の反対側から前記扉に近づく向きに窪む収容部が設けられており、前記収容部は、前記被締結部を前記扉に締結する締結部材を収容可能に形成されている技術1から技術5のいずれか一項に記載のハンドル。
これにより、表部材は、中実に形成されるよりも各部の板厚を薄く形成できると共に、全体では、前後方向に沿う寸法である厚さ寸法を厚く形成することができる。
そのため、表部材では、所定の強度を備えると共に、所謂ヒケが生じることが抑制され、意匠性の向上を図ることができる。
【0091】
(技術7)開口部が設けられ、内部に貯蔵室が設けられている貯蔵庫本体と、開閉可能に設けられ、閉じられた状態で前記開口部を覆う前記扉と、を備え、前記扉は、技術1から技術6のいずれか一項に記載のハンドルを備える貯蔵庫。
これによれば、貯蔵庫は、上述したハンドルの効果と同様の効果を奏する。
【0092】
(技術9)前記扉には、前記貯蔵室側に窪むように形成される台座が設けられ、前記台座には、前記扉の内部側に位置する底部と、前記底部に設けられ、前記貯蔵室側から離れる向きに突出する台座突出部と、が設けられ、前記台座突出部には、前記表部材が取り付けられる技術7に記載の貯蔵庫。
これにより、扉では、ユーザが扉を清掃する場合に、ハンドルと、台座部との連結箇所を清掃することが容易となる。そのため、扉では、ハンドルと、台座部との連結箇所にごみや塵等が堆積することが抑制される。
【0093】
(技術10)前記台座突出部の側面のうち、前記底部に連続する箇所は、曲面状に形成される技術8に記載の貯蔵庫。
これによって、ハンドルでは、ユーザがハンドルを清掃する場合等に、突出部と、底部との連結箇所を清掃することが容易となる。
【産業上の利用可能性】
【0094】
本開示は、繰り返し開閉される扉を備える貯蔵庫のハンドルに適用可能である。具体的には、業務用冷蔵庫のハンドル等に、本開示は適用可能である。
【符号の説明】
【0095】
1 貯蔵庫
2 貯蔵庫本体
4 断熱扉(扉)
4A 前面
5 断熱材
6 機械室
7 外殻部材
8 ヒンジ
9 開口部
10 ハンドル
14 ハンドル台座(台座)
16 把持部
18 締結部
20 基底部(底部)
21 曲面
22 傾斜面部(底部)
24 周縁部
25 側周面
26 台座突出部
27 平坦面
28 延出部
29 ねじ孔
30 部材
31 対向面
32 本体把持部
35 凹部
37 縁部
38 リブ
41 収容部
42 ハンドル突出部
43 ねじ孔
45 平坦面
46 締結部材
48 カバー部材
50 裏部材
52 裏面部
53 縁部
54 起立面部
55 スリット
56 係合穴
58、59 リブ
60 板ナット
61 ねじ孔
62 当接部
63 係合孔
150 裏部材
158 取付部
159 差し込み部
170 補強部材
S 空間
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8