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特開2025-10540処理装置、処理プログラム及び処理方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025010540
(43)【公開日】2025-01-21
(54)【発明の名称】処理装置、処理プログラム及び処理方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/06 20230101AFI20250110BHJP
【FI】
G06Q30/06
【審査請求】有
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024180464
(22)【出願日】2024-10-16
(62)【分割の表示】P 2023112174の分割
【原出願日】2023-07-07
(71)【出願人】
【識別番号】523124278
【氏名又は名称】PLネットワークサービス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】230121016
【弁護士】
【氏名又は名称】小笠原 匡隆
(72)【発明者】
【氏名】中山 智貴
(72)【発明者】
【氏名】長谷部 貴士
【テーマコード(参考)】
5L030
【Fターム(参考)】
5L030BB72
(57)【要約】
【課題】
商品の入荷から商品作業を経て出荷するまでの一連の業務処理を管理すること。
【解決手段】
少なくとも一つのプロセッサは、荷主から受信する荷割情報に基づいて、前記荷主から荷割された商品の荷割情報を登録し、前記荷割に基づいて実際に入荷した前記商品に係る入荷情報を登録し、前記荷主から受信する作業依頼情報に基づいて、前記商品に係る作業内容を登録し、前記作業内容に基づいて行われた前記商品の作業に係る作業結果を登録し、前記荷主から受信する出荷依頼に基づいて行われた前記商品の出荷に係る出荷結果を登録する、ための処理を実行するように構成されていること。
【選択図】 図1

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも一つのプロセッサを具備する処理装置であって、
前記少なくとも一つのプロセッサは、
荷主から受信する荷割情報に基づいて、前記荷主から荷割された商品の荷割情報を登録し、
前記荷割に基づいて実際に入荷した前記商品に係る入荷情報を登録し、
前記荷主から受信する作業依頼情報に基づいて、前記商品に係る作業内容を登録し、
前記作業内容に基づいて行われた前記商品の作業に係る作業結果を登録し、
前記荷主から受信する出荷依頼に基づいて行われた前記商品の出荷に係る出荷結果を登録し、
前記作業結果に基づいて、前記商品に係る在庫情報の更新を行う、
ための処理を実行するように構成され、
前記商品に係る前記在庫情報は、複数の前記商品を梱包した梱包単位の情報を含み、
前記梱包単位の情報は、同一の商品について複数通り定義可能であり、
前記梱包単位の情報は、梱包品を解体して異なる梱包数量とする処理を行うために利用される、
処理装置。
【請求項2】
少なくとも一つのプロセッサを具備する処理装置であって、
前記少なくとも一つのプロセッサは、
荷主から受信する荷割情報に基づいて、前記荷主から荷割された商品の荷割情報を登録し、
前記商品が保管されている保管場所から、前記商品の引き取り依頼を行うための浜取処理を実行して浜取情報を生成し、
前記浜取情報を、配送業者に送信し、
前記荷割に基づいて実際に入荷した前記商品に係る入荷情報を登録し、
前記荷主から受信する作業依頼情報に基づいて、前記商品に係る作業内容を登録し、
前記作業内容に基づいて行われた前記商品の作業に係る作業結果を登録し、
前記荷主から受信する出荷依頼に基づいて行われた前記商品の出荷に係る出荷結果を登録する、
ための処理を実行するように構成され、
前記浜取情報は、配送依頼先および出荷元の情報を含む、
処理装置。
【請求項3】
少なくとも一つのプロセッサを具備する処理装置であって、
前記少なくとも一つのプロセッサは、
荷主から受信する荷割情報に基づいて、前記荷主から荷割された商品の荷割情報を登録し、
前記荷割に基づいて実際に入荷した前記商品に係る入荷情報を登録し、
前記荷主から受信する作業依頼情報に基づいて、または前記作業依頼情報に基づかずに、前記商品に係る作業内容を登録し、
前記作業内容に基づいて行われた前記商品の作業に係る作業結果を登録し、
前記荷主から受信する出荷依頼に基づいて行われた前記商品の出荷に係る出荷結果を登録する、
ための処理を実行するように構成され、
前記作業依頼情報に基づいて前記作業内容を登録する場合には、前記作業内容は、複数の前記商品を梱包する加工処理を含み、
前記作業依頼情報に基づかずに前記作業内容を登録する場合には、前記作業内容は、複数の前記商品が梱包された梱包品を解体するバラシ処理を含み、
前記少なくとも一つのプロセッサは、前記加工処理については作業単位を記憶するための処理を実行するように構成され、
前記少なくとも一つのプロセッサは、前記バラシ処理については作業単位を記憶するための処理を実行しないように構成される、
処理装置。
【請求項4】
前記商品の所有者は前記荷主であり、
前記少なくとも一つのプロセッサは、
前記商品が入荷されてから出荷されるまでの間において、前記商品の状況を前記荷主に報告するための報告情報を生成する、
請求項1~3のいずれか一項に記載の処理装置。
【請求項5】
前記少なくとも一つのプロセッサは、
前記入荷情報に基づいて、前記荷主に送信する入荷結果報告情報を生成する、
請求項4に記載の処理装置。
【請求項6】
前記少なくとも一つのプロセッサは、
前記作業結果に前記商品の不良率を含め、前記荷主に送信する作業結果報告情報を生成する、
請求項4に記載の処理装置。
【請求項7】
前記少なくとも一つのプロセッサは、
前記出荷結果に前記商品の出荷に係る費用を含め、前記荷主に送信する出荷結果報告情報を生成する、
請求項4に記載の処理装置。
【請求項8】
前記少なくとも一つのプロセッサは、
前記商品の出荷に係る資材費用を前記費用に含めて前記出荷結果報告情報を生成する、
請求項7に記載の処理装置。
【請求項9】
少なくとも一つのプロセッサを具備するコンピュータにおいて前記少なくとも一つのプロセッサを、
荷主から受信する荷割情報に基づいて、前記荷主から荷割された商品の荷割情報を登録し、
前記荷割に基づいて実際に入荷した前記商品に係る入荷情報を登録し、
前記荷主から受信する作業依頼情報に基づいて、前記商品に係る作業内容を登録し、
前記作業内容に基づいて行われた前記商品の作業に係る作業結果を登録し、
前記荷主から受信する出荷依頼に基づいて行われた前記商品の出荷に係る出荷結果を登録し、
前記作業結果に基づいて、前記商品に係る在庫情報の更新を行う、
ように機能させ、
前記商品に係る前記在庫情報は、複数の前記商品を梱包した梱包単位の情報を含み、
前記梱包単位の情報は、同一の商品について複数通り定義可能であり、
前記梱包単位の情報は、梱包品を解体して異なる梱包数量とする処理を行うために利用される、
処理プログラム。
【請求項10】
少なくとも一つのプロセッサを具備するコンピュータにおいて前記少なくとも一つのプロセッサを、
荷主から受信する荷割情報に基づいて、前記荷主から荷割された商品の荷割情報を登録し、
前記商品が保管されている保管場所から、前記商品の引き取り依頼を行うための浜取処理を実行して浜取情報を生成し、
前記浜取情報を、配送業者に送信し、
前記荷割に基づいて実際に入荷した前記商品に係る入荷情報を登録し、
前記荷主から受信する作業依頼情報に基づいて、前記商品に係る作業内容を登録し、
前記作業内容に基づいて行われた前記商品の作業に係る作業結果を登録し、
前記荷主から受信する出荷依頼に基づいて行われた前記商品の出荷に係る出荷結果を登録する、
ように機能させ、
前記浜取情報は、配送依頼先および出荷元の情報を含む、
る処理プログラム。
【請求項11】
少なくとも一つのプロセッサを具備するコンピュータにおいて前記少なくとも一つのプロセッサを、
荷主から受信する荷割情報に基づいて、前記荷主から荷割された商品の荷割情報を登録し、
前記荷割に基づいて実際に入荷した前記商品に係る入荷情報を登録し、
前記荷主から受信する作業依頼情報に基づいて、または前記作業依頼情報に基づかずに、前記商品に係る作業内容を登録し、
前記作業内容に基づいて行われた前記商品の作業に係る作業結果を登録し、
前記荷主から受信する出荷依頼に基づいて行われた前記商品の出荷に係る出荷結果を登録する、
ように機能させる処理プログラムであって、
前記作業依頼情報に基づいて前記作業内容を登録する場合には、前記作業内容は、複数の前記商品を梱包する加工処理を含み、
前記作業依頼情報に基づかずに前記作業内容を登録する場合には、前記作業内容は、複数の前記商品が梱包された梱包品を解体するバラシ処理を含み、
前記処理プログラムは、前記少なくとも一つのプロセッサを、前記加工処理については作業単位を記憶するように機能させ、
前記処理プログラムは、前記少なくとも一つのプロセッサを、前記バラシ処理については作業単位を記憶しないように機能させる、
処理プログラム。
【請求項12】
少なくとも一つのプロセッサを具備するコンピュータにおいて前記少なくとも一つのプロセッサにより実行される処理方法であって、
荷主から受信する荷割情報に基づいて、前記荷主から荷割された商品の荷割情報を登録する段階と、
前記荷割に基づいて実際に入荷した前記商品に係る入荷情報を登録し、
前記荷主から受信する作業依頼情報に基づいて、前記商品に係る作業内容を登録する段階と、
前記作業内容に基づいて行われた前記商品の作業に係る作業結果を登録し、
前記荷主から受信する出荷依頼に基づいて行われた前記商品の出荷に係る出荷結果を登録する段階と、
前記作業結果に基づいて、前記商品に係る在庫情報の更新を行う段階と、
を含み、
前記商品に係る前記在庫情報は、複数の前記商品を梱包した梱包単位の情報を含み、
前記梱包単位の情報は、同一の商品について複数通り定義可能であり、
前記梱包単位の情報は、梱包品を解体して異なる梱包数量とする処理を行うために利用される、
処理方法。
【請求項13】
少なくとも一つのプロセッサを具備するコンピュータにおいて前記少なくとも一つのプロセッサにより実行される処理方法であって、
荷主から受信する荷割情報に基づいて、前記荷主から荷割された商品の荷割情報を登録する段階と、
前記商品が保管されている保管場所から、前記商品の引き取り依頼を行うための浜取処理を実行して浜取情報を生成する段階と、
前記浜取情報を、配送業者に送信する段階と、
前記荷割に基づいて実際に入荷した前記商品に係る入荷情報を登録し、
前記荷主から受信する作業依頼情報に基づいて、前記商品に係る作業内容を登録する段階と、
前記作業内容に基づいて行われた前記商品の作業に係る作業結果を登録し、
前記荷主から受信する出荷依頼に基づいて行われた前記商品の出荷に係る出荷結果を登録する段階と、
を含み、
前記浜取情報は、配送依頼先および出荷元の情報を含む、
処理方法。
【請求項14】
少なくとも一つのプロセッサを具備するコンピュータにおいて前記少なくとも一つのプロセッサにより実行される処理方法であって、
荷主から受信する荷割情報に基づいて、前記荷主から荷割された商品の荷割情報を登録する段階と、
前記荷割に基づいて実際に入荷した前記商品に係る入荷情報を登録し、
前記荷主から受信する作業依頼情報に基づいて、または前記作業依頼情報に基づかずに、前記商品に係る作業内容を登録する段階と、
前記作業内容に基づいて行われた前記商品の作業に係る作業結果を登録し、
前記荷主から受信する出荷依頼に基づいて行われた前記商品の出荷に係る出荷結果を登録する段階と、
を含み、
前記作業依頼情報に基づいて前記作業内容を登録する場合には、前記作業内容は、複数の前記商品を梱包する加工処理を含み、
前記作業依頼情報に基づかずに前記作業内容を登録する場合には、前記作業内容は、複数の前記商品が梱包された梱包品を解体するバラシ処理を含み、
前記処理方法は、前記加工処理については作業単位を記憶する段階を含み、
前記処理方法は、前記バラシ処理については作業単位を記憶する段階を含まない、
処理方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、商品の入荷から商品に関する種々の作業を経て出荷するまでの一連の業務処理を管理するための処理装置、処理プログラム、及び処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、小売店等においては、各々の商品の適正在庫量を一定に保つような調整がなされ、品切れによる機会損失や売れ残りによる廃棄等が生じないように在庫管理がなされていた。例えば、特許文献1には、「店舗において、各々の商品の売れ残りより廃棄する実質的な損失、および該各々の商品の品切れによる機会損失をなくすために適正在庫を管理する在庫管理方法であって、前記各々の商品の日々における開店から任意の時刻までの売上数と該各々の商品の該任意の時刻から閉店までの売上数との比率である売上数構成比と、該各々の商品の開店から閉店までの販売予測量と、該各々の商品の開店から該任意の時刻までの売上実績数とにより、該各々の商品の該任意の時刻から閉店までの販売数を予測するステップと、該各々の商品の在庫量を一定に保つように該各々の商品の該任意の時刻から閉店までの売りつくす数量である見切り数を決定するステップとを有することを特徴とする在庫管理方法。」が記載されている。
【0003】
しかし、特許文献1に記載の在庫管理方法においては、出荷の部分がフォーカスされており、入荷やその後の商品作業等が考慮されたものではなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平07-110833号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本開示は、上述した背景からなされたものであり、商品の入荷から商品に関する種々の作業を経て出荷するまでの一連の業務処理を管理するための処理装置、処理プログラム、及び処理方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様によれば、「少なくとも一つのプロセッサを具備する処理装置であって、前記少なくとも一つのプロセッサは、荷主から受信する荷割情報に基づいて、前記荷主から荷割された商品の荷割情報を登録し、前記荷割に基づいて実際に入荷した前記商品に係る入荷情報を登録し、前記荷主から受信する作業依頼情報に基づいて、前記商品に係る作業内容を登録し、前記作業内容に基づいて行われた前記商品の作業に係る作業結果を登録し、前記荷主から受信する出荷依頼に基づいて行われた前記商品の出荷に係る出荷結果を登録する、ための処理を実行するように構成された処理装置。」が提供される。
【0007】
本開示の一態様によれば、「少なくとも一つのプロセッサを具備するコンピュータにおいて前記少なくとも一つのプロセッサを、荷主から受信する荷割情報に基づいて、前記荷主から荷割された商品の荷割情報を登録し、前記荷割に基づいて実際に入荷した前記商品に係る入荷情報を登録し、前記荷主から受信する作業依頼情報に基づいて、前記商品に係る作業内容を登録し、前記作業内容に基づいて行われた前記商品の作業に係る作業結果を登録し、前記荷主から受信する出荷依頼に基づいて行われた前記商品の出荷に係る出荷結果を登録する、ように機能させる処理プログラム。」が提供される。
【0008】
本開示の一態様によれば、「少なくとも一つのプロセッサを具備するコンピュータにおいて前記少なくとも一つのプロセッサにより実行される処理方法であって、荷主から受信する荷割情報に基づいて、前記荷主から荷割された商品の荷割情報を登録する段階と、前記荷割に基づいて実際に入荷した前記商品に係る入荷情報を登録し、前記荷主から受信する作業依頼情報に基づいて、前記商品に係る作業内容を登録する段階と、前記作業内容に基づいて行われた前記商品の作業に係る作業結果を登録し、前記荷主から受信する出荷依頼に基づいて行われた前記商品の出荷に係る出荷結果を登録する段階と、を含む処理方法。」が提供される。
【発明の効果】
【0009】
本開示によれば、商品の入荷から商品に関する種々の作業を経て出荷するまでの一連の業務処理を管理するための処理装置、処理プログラム、及び処理方法を提供することができる。
【0010】
なお、上記効果は説明の便宜のための例示的なものであるにすぎず、限定的なものではない。上記効果に加えて、又は上記効果に代えて、本開示中に記載されたいかなる効果や当業者であれば明らかな効果を奏することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、本開示の実施形態に係る処理システムに係る商品の入荷処理から加工処理を経て出荷処理に至るまでの概要を概略的に示す図である。
図2図2は、本開示の実施形態に係る処理システム1の構成を概略的に示す概念図である。
図3図3は、本開示の実施形態に係る端末装置100の構成の例を示すブロック図である。
図4図4は、本開示の実施形態に係るサーバ装置200の構成の例を示すブロック図である。
図5図5は、本開示の実施形態に係る荷主端末装置300の構成の例を示すブロック図である。
図6A図6Aは、本開示の実施形態に係るサーバ装置200に記憶される入荷管理テーブルを概念的に示す図である。
図6B図6Bは、本開示の実施形態に係るサーバ装置200に記憶される作業管理テーブルを概念的に示す図である。
図6C図6Cは、本開示の実施形態に係るサーバ装置200に記憶される資材管理テーブルを概念的に示す図である。
図6D図6Dは、本開示の実施形態に係るサーバ装置200に記憶される在庫管理テーブルを概念的に示す図である。
図6E図6Eは、本開示の実施形態に係るサーバ装置200に記憶される出荷管理テーブルを概念的に示す図である。
図7図7は、本開示の実施形態における荷割から商品出荷に至るまでの各種の処理の概略を示す処理シーケンスを示す図である。
図8図8は、本開示の実施形態における加工業者において実行される処理フローを示す図である。
図9A図9Aは、本開示の実施形態に係る端末装置100、サーバ装置200、及び荷主端末装置300との間で実行される処理シーケンスを示す図である。
図9B図9Bは、本開示の実施形態に係るロジ端末100-2から出力される情報の例を示す図である。
図9C図9Cは、本開示の実施形態に係るロジ端末100-2に出力される画面の例を示す図である。
図10A図10Aは、本開示の実施形態に係る端末装置100、サーバ装置200、及び荷主端末装置300との間で実行される処理シーケンスを示す図である。
図10B図10Bは、本開示の実施形態に係るロジ端末100-2に出力される画面の例を示す図である。
図10C図10Cは、本開示の実施形態に係るロジ端末100-2に出力される画面の例を示す図である。
図11A図11Aは、本開示の実施形態に係る端末装置100、サーバ装置200、及び荷主端末装置300との間で実行される処理シーケンスを示す図である。
図11B図11Bは、本開示の実施形態に係るロジ端末100-2に出力される画面の例を示す図である。
図12図12は、本開示の実施形態に係るサーバ装置200において実行される処理フローを示す図である。
図13図13は、本開示の実施形態に係るサーバ装置200において実行される処理フローを示す図である。
図14図14は、本開示の実施形態に係るサーバ装置200において実行される処理フローを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
添付図面を参照して本開示の実施形態を説明する。なお、図面における共通する構成要素には同一の参照符号が付されている。
【0013】
1.本開示に係る処理システムの概要
本開示に係る処理システムは、一例としては、入荷された商品に対して所定の作業を行い、その後に当該商品を出荷するための業務管理に用いられる。特に、当該処理システム1は、例えば、荷主が所有者である商品を加工業者に荷割し、当該荷主の作業依頼に基づいて当該加工業者が実際に入荷した商品に梱包等の加工処理を行い、その後に当該荷主の依頼に基づいて梱包された商品を出荷するための業務管理において、好適に用いられる。具体的に、処理システム1は、このような場合に、商品の入荷、商品に関する種々の作業、及び商品の出荷に係る一連の業務を管理するだけでなく、当該荷主と当該加工業者に係る各種の情報を一括して管理することができる。そして、処理システムは、このような場合に、加工業者から商品の所有者である荷主に対して、各種の報告処理を行うための管理が可能になる。
【0014】
図1は、本開示の実施形態に係る処理システムに係る商品の入荷処理から加工処理を経て出荷処理に至るまでの概要を概略的に示す図である。具体的に、図1には、荷主からの連絡又は依頼に基づいて、加工業者が各種の処理を行い、当該処理に係る報告を行う場合が示されている。図1に示すように、先ず、荷主が所有する商品について、荷主が加工業者に対して荷割を行うと、加工業者は所定の保管場所から当該商品を引き取る処理(浜取処理)を行う。その後、加工業者は当該商品の入荷処理を行うとともに、商品の実際の入荷が完了すると、荷主に対して入荷に係る報告を行う。ここで、荷割とは、商品が実際に荷主から加工業者に引き渡されることではなく、単に数字上において商品が引き渡される処理のことである。また、入荷される商品は、コンテナ、又は大型のケース等に収納されている。
【0015】
次に、加工業者が引き取った商品について、荷主が加工業者に対して作業依頼を行うと、加工業者は当該作業依頼に基づいて所定の作業を行う。ここで、商品を実際に保管して扱うものは加工業者であるが、本来の所有者は荷主である。所定の作業の一例としては、入荷された商品を所定の数量にて梱包又は所定の重さとなるように梱包する加工処理がある。また、当該所定の作業としては、廃棄処理もある。更に、当該所定の作業としては、荷主からは依頼がないものの、商品が一度梱包された梱包品を解体するバラシ処理もある。そして、加工業者は当該作業依頼に基づいた所定の作業が完了すると、作業の完了を荷主に報告する。
【0016】
次に、作業が完了した商品(梱包された商品)について、荷主が加工業者に対して出荷依頼を行うと、加工業者は当該出荷依頼に基づいて所定の出荷先に当該梱包品を出荷する出荷処理を行う。当該梱包品(商品)の出荷が完了すると、加工業者は商品の出荷が完了したことを荷主に報告する。
【0017】
次に、加工業者は、入荷処理(浜取を含む)、加工処理、及び出荷処理(配送を含む)等に係る各種の費用を纏め、1つの請求書として発行し、当該発行した請求書を荷主に送付する。ここで、当該請求書においては、日付、内訳(処理の内容)、数量、単価、請求額等が記載され、入荷から出荷に係る一連の費用が時系列で記載され、その内容を簡単に確認することが可能になっている。
【0018】
また、本開示において、「荷主」とは商品に関する所有権を有する者であり、加工業者のクライアントに該当する。このため、「荷主」は、加工業者に商品に係る各種の依頼を行うことになり、依頼に対する報告を加工業者から受領する。当該依頼及び報告については、以下の実施形態において、端末装置を利用することを前提に説明しているが、書面等の他の媒体を利用して行われてもよい。なお、「荷主」が商品の所有権を有さない場合であっても、本開示の処理システムを活用することは当然に可能である。
【0019】
本開示において、「加工業者」とは商品を実際に保管し及び取り扱う者である。特に、以下の実施形態において、「加工業者」は入荷された商品を、スーパーマーケット等の所定の販売店に対して、出荷するための各種作業を行う者である。また、本開示において、「商品」とは、商取引の対象となるものに過ぎず、食品(青果、加工食品)、機械部品、電子部品、電子機器、及び機械等が該当する。特に、以下の実施形態においては、「商品」として食品の中の青果を対象としているがこれに限定されない。
【0020】
本開示において、「浜取」とは、国内又は外国から運搬された商品を所定の保管場所(例えば、税関等の入管所)から、加工業者の倉庫に引き取ることをいう。なお、入管所とは、所定の方法によって搬入された商品を保管及び管理する場所である。
【0021】
なお、本開示において、「第1」や「第2」等の記載がなされていたとしても、これらが付された二つの要素のみに限定されることを意味するわけではない。当然に、「第3」、「第4」及びそれ以上の複数の要素が含まれていてもよい。
【0022】
2.処理システム1の構成
図2は、本開示の実施形態に係る処理システム1の構成を概略的に示す概念図である。図2によると、荷主から依頼を受ける加工業者の営業担当が使用する加工業者端末装置100-1(以下、営業端末100-1とも称する)、当該加工業者のロジ担当が使用する加工業者端末装置100-2(以下、ロジ端末100-2とも称する)、加工業者が管理するサーバ装置200、及び荷主が使用する荷主端末装置300が、互いにネットワークを通じて通信可能に接続されている。当該ネットワークは、無線、有線又はそれらの組み合わせにより構成される。
【0023】
なお、図2の例では、営業端末100-1、ロジ端末100-2及び荷主端末装置300は、それぞれ1台しか記載されていないが、当然2台以上の各装置を含むことが可能である。また、サーバ装置200は単一のものとして記載されているが、サーバ装置200の各構成要素及び処理を複数のサーバ装置やクラウドサーバ装置に分配することも可能である。
【0024】
また、図2の例では、営業端末100-1及びロジ端末100-2を互いに区別して記載しているが、これらを総称して端末装置100と記載する場合がある。ただし、このような場合であったとしても、各端末装置をただ単に総称しているに過ぎず、営業端末100-1及びロジ端末100-2が同じ処理・構成をしていることを意味するわけではない。
【0025】
3.端末装置100の構成
図3は、本開示の実施形態に係る端末装置100の構成の例を示すブロック図である。端末装置100は、図3に示す構成要素の全てを備える必要はなく、一部を省略した構成をとることも可能であるし、他の構成要素を加えることも可能である。
【0026】
端末装置100は、典型的には、スマートフォンに代表される無線通信可能な端末装置が挙げられるが、当然当該装置のみには限られない。例えば、端末装置としては、フィーチャーフォン、携帯情報端末、PDA、ラップトップパソコン、デスクトップパソコン、携帯型ゲーム機、据え置き型ゲーム機など、本開示に係るプログラムを実行可能な装置であれば、いずれでも好適に適用することが可能である。また、上記のとおり、端末装置100には、営業端末100-1及びロジ端末100-2があるが、これらの端末装置が常に同種又は同じ端末装置である必要はなく、互いに異なる種類の端末装置であってもよい。また、上記のとおり、処理システム1において営業端末100-1及びロジ端末100-2は、それぞれ複数の端末装置を含むことが可能であるが、各端末装置内において同種の端末装置である必要はなく、それぞれ異なる種類の端末装置であってもよい。
【0027】
図3によると、端末装置100は、出力インターフェイス111、プロセッサ112、RAM、ROM、又は不揮発性メモリ(場合によっては、HDD)等を含むメモリ113、通信処理回路及びアンテナを含む通信インターフェイス114、タッチセンサ及びハードキーを含む入力インターフェイス115を含む。そして、これらの各構成要素が制御ライン及びデータラインを介して互いに電気的に接続される。
【0028】
出力インターフェイス111は、プロセッサ112の指示に応じて、図示しないカメラで撮影される画像や、本開示に係るプログラムを実行することによって出力される各種表示を、ディスプレイやプリンタ等の機器に出力する出力部として機能する。なお、このようなディスプレイは、例えば液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ又は電子ペーパー等から構成される。
【0029】
プロセッサ112は、CPU(マイクロコンピュータ:マイコン)から構成され、メモリ113に記憶された各種プログラムに基づいて、接続された他の構成要素を制御する制御部として機能する。具体的には、プロセッサ112は、本開示に係るアプリケーションを実行するためのプログラムやOSを実行するためのプログラムをメモリ113から読み出して実行する。本開示においては、プロセッサ112は、特に、図9A図10A、及び図11Aの処理シーケンスで記載された各処理等を実行する(処理の詳細は、図9A図10A、及び図11A等において説明する。)。なお、プロセッサ112は、単一のCPUで構成されても良いが、複数のCPUやGPUを組み合わせて構成されても良い。
【0030】
メモリ113は、ROM、RAM、不揮発性メモリ、HDD等から構成され、記憶部として機能する。ROMは、本開示に係るアプリケーションやOSを実行するための指示命令をプログラムとして記憶する。RAMは、ROMに記憶されたプログラムがプロセッサ112により処理されている間、データの書き込み及び読み込みをするために用いられる。不揮発性メモリは、当該プログラムの実行によってデータの書き込み及び読み込みが実行されるメモリであって、ここに書き込まれたデータは、当該プログラムの実行が終了した後でも保存される。本開示においては、メモリ113は、特に、図9A図10A、及び図11Aの処理シーケンスで記載された各処理等を実行するプログラムを記憶する(処理の詳細は、図9A図10A、及び図11Aにおいて説明する。)。
【0031】
通信インターフェイス114は、通信処理回路及びアンテナを介して、遠隔に設置されたサーバ装置200や他の端末装置との間で情報の送受信をする通信部として機能する。通信処理回路は、処理システム1において用いられるプログラムや各種情報等を処理の進行に応じて、サーバ装置200や他の端末装置から情報を送受信するための処理をする。
【0032】
通信処理回路は、LTE方式に代表されるような広帯域の無線通信方式に基づいて処理するが、IEEE802.11に代表されるような無線LANやBluetooth(登録商標)のような狭帯域の無線通信に関する方式や非接触無線通信に関する方式に基づいて処理することも可能である。また、無線通信に代えて、又は加えて、有線通信を用いることも可能である。
【0033】
入力インターフェイス115は、タッチセンサやハードキー等から構成され、本開示に係るプログラムの実行に係る指示入力や、様々な情報を登録するための操作入力等を受け付ける入力部として機能する。タッチセンサは、出力インターフェイス111を被覆するように配置され、出力インターフェイス111からディスプレイに出力される画像データに対応する位置座標の情報を、プロセッサ112に送信する。タッチパネル方式としては、抵抗膜方式、静電容量結合方式、超音波表面弾性波方式など、公知の方式を利用することができる。本開示においては、タッチセンサは、指示体により出力インターフェイス111に表示された各アイコン等に対するスワイプ操作やタップ操作を検出する。なお、本開示では端末装置100に備えられる入力インターフェイス115を用いたが、例えばマウスのような、プロセッサ112等を備える本体に無線又は有線で接続された入力インターフェイス115を用いることも可能である。
【0034】
4.サーバ装置200の構成
図4は、本開示の実施形態に係るサーバ装置200の構成の例を示すブロック図である。サーバ装置200は、図4に示す構成要素の全てを備える必要はなく、一部を省略した構成をとることも可能であるし、他の構成要素を加えることも可能である。また、サーバ装置200は単一の筐体に図4に図示するものを備える必要はなく、サーバ装置200の各構成要素及び処理を複数のサーバ装置やクラウドサーバ装置に分配することも可能である。
【0035】
図4によると、サーバ装置200は、RAM、ROM、及び不揮発性メモリ、HDD等を含むメモリ211、CPU等から構成されるプロセッサ212及び通信インターフェイス213を含む。そして、これらの各構成要素が制御ライン及びデータラインを介して互いに電気的に接続される。
【0036】
メモリ211は、RAM、ROM、不揮発性メモリ、HDD等から構成され、記憶部として機能する。ROMは、本開示に係るアプリケーションやOSを実行するための指示命令をプログラムとして記憶する。このようなプログラムは、プロセッサ212によってロードされ実行される。RAMは、ROMに記憶されたプログラムがプロセッサ212によって処理されている間、データの書き込み及び読み込みを実行するために用いられる。不揮発性メモリは、当該プログラムの実行によってデータの書き込み及び読み込みが実行されるメモリであって、ここに書き込まれたデータは、当該プログラムの実行が終了した後でも保存される。本開示においては、メモリ211は、特に、「荷主から受信する荷割情報に基づいて、当該荷主から荷割された商品の荷割情報を登録する処理」、「当該荷割に基づいて実際に入荷した当該商品に係る入荷情報を登録する処理」、「当該荷主から受信する作業依頼情報に基づいて、当該商品に係る作業内容を登録する処理」、「当該作業内容に基づいて行われた当該商品の作業に係る作業結果を登録する処理」、「当該荷主から受信する出荷依頼に基づいて行われた当該商品の出荷に係る出荷結果を登録する処理」等のためのプログラムを記憶する。また、メモリ211は、各種の管理テーブル(図6A図6E)に記載された各種情報を記憶する。
【0037】
プロセッサ212は、CPU(マイクロコンピュータ:マイコン)から構成され、メモリ211に記憶された各種プログラムに基づいて、接続された他の構成要素を制御するための制御部として機能する。具体的には、プロセッサ212は、本開示に係るアプリケーションを実行するためのプログラムやOSを実行するためのプログラムをメモリ211から読み出して実行する。本開示においては、プロセッサ212は、特に、「荷主から受信する荷割情報に基づいて、当該荷主から荷割された商品の荷割情報を登録する処理」、「当該荷割に基づいて実際に入荷した当該商品に係る入荷情報を登録する処理」、「当該荷主から受信する作業依頼情報に基づいて、当該商品に係る作業内容を登録する処理」、「当該作業内容に基づいて行われた当該商品の作業に係る作業結果を登録する処理」、「当該荷主から受信する出荷依頼に基づいて行われた当該商品の出荷に係る出荷結果を登録する処理」等を実行する。なお、プロセッサ212は、単一のCPUで構成されても良いが、複数のCPUやGPUを組み合わせて構成されても良い。
【0038】
通信インターフェイス213は、通信処理回路及びアンテナを介して、遠隔に設置された他のサーバ装置や端末装置100との間で情報の送受信をする通信部として機能する。通信処理回路は、処理システム1において用いられるプログラムや各種情報等を処理の進行に応じて、他のサーバ装置、端末装置100、荷主端末装置300から情報を送受信するための処理をする。
【0039】
通信処理回路は、LTE方式に代表されるような広帯域の無線通信方式に基づいて処理するが、IEEE802.11に代表されるような無線LANやBluetooth(登録商標)のような狭帯域の無線通信に関する方式や非接触無線通信に関する方式に基づいて処理することも可能である。また、無線通信に代えて、又は加えて、有線通信を用いることも可能である。
【0040】
5.荷主端末装置300の構成
図5は、本開示の実施形態に係る荷主端末装置300の構成の例を示すブロック図である。荷主端末装置300は、図5に示す構成要素の全てを備える必要はなく、一部を省略した構成をとることも可能であるし、他の構成要素を加えることも可能である。
【0041】
荷主端末装置300は、典型的には、スマートフォンに代表される無線通信可能な端末装置が挙げられるが、当然当該装置のみには限られない。例えば、端末装置としては、フィーチャーフォン、携帯情報端末、PDA、ラップトップパソコン、デスクトップパソコン、携帯型ゲーム機、据え置き型ゲーム機など、本開示に係るプログラムを実行可能な装置であれば、いずれでも好適に適用することが可能である。
【0042】
図5によると、荷主端末装置300は、出力インターフェイス311、プロセッサ312、RAM、ROM、又は不揮発性メモリ(場合によっては、HDD)等を含むメモリ313、通信処理回路及びアンテナを含む通信インターフェイス314、タッチセンサ及びハードキーを含む入力インターフェイス315を含む。そして、これらの各構成要素が制御ライン及びデータラインを介して互いに電気的に接続される。
【0043】
出力インターフェイス311は、プロセッサ312の指示に応じて、図示しないカメラで撮影される画像や、本開示に係るプログラムを実行することによって出力される各種表示を、ディスプレイやプリンタ等の機器に出力する出力部として機能する。なお、このようなディスプレイは、例えば液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ又は電子ペーパー等から構成される。
【0044】
プロセッサ312は、CPU(マイクロコンピュータ:マイコン)から構成され、メモリ313に記憶された各種プログラムに基づいて、接続された他の構成要素を制御する制御部として機能する。具体的には、プロセッサ312は、本開示に係るアプリケーションを実行するためのプログラムやOSを実行するためのプログラムをメモリ313から読み出して実行する。本開示においては、プロセッサ312は、特に、図9A図10A、及び図11Aの処理シーケンスで記載された各処理等を実行する(処理の詳細は、図9A図10A、及び図11A等において説明する。)。なお、プロセッサ312は、単一のCPUで構成されても良いが、複数のCPUやGPUを組み合わせて構成されても良い。
【0045】
メモリ313は、ROM、RAM、不揮発性メモリ、HDD等から構成され、記憶部として機能する。ROMは、本開示に係るアプリケーションやOSを実行するための指示命令をプログラムとして記憶する。RAMは、ROMに記憶されたプログラムがプロセッサ312により処理されている間、データの書き込み及び読み込みをするために用いられる。不揮発性メモリは、当該プログラムの実行によってデータの書き込み及び読み込みが実行されるメモリであって、ここに書き込まれたデータは、当該プログラムの実行が終了した後でも保存される。本開示においては、メモリ313は、特に、図9A図10A、及び図11Aの処理シーケンスで記載された各処理等を実行するプログラムを記憶する(処理の詳細は、図9A図10A、及び図11Aにおいて説明する。)。
【0046】
通信インターフェイス314は、通信処理回路及びアンテナを介して、遠隔に設置されたサーバ装置200や他の端末装置との間で情報の送受信をする通信部として機能する。通信処理回路は、処理システム1において用いられるプログラムや各種情報等を処理の進行に応じて、サーバ装置200や他の端末装置から情報を送受信するための処理をする。
【0047】
通信処理回路は、LTE方式に代表されるような広帯域の無線通信方式に基づいて処理するが、IEEE802.11に代表されるような無線LANやBluetooth(登録商標)のような狭帯域の無線通信に関する方式や非接触無線通信に関する方式に基づいて処理することも可能である。また、無線通信に代えて、又は加えて、有線通信を用いることも可能である。
【0048】
入力インターフェイス315は、タッチセンサやハードキー等から構成され、本開示に係るプログラムの実行に係る指示入力や、様々な情報を登録するための操作入力等を受け付ける入力部として機能する。タッチセンサは、出力インターフェイス311を被覆するように配置され、出力インターフェイス311からディスプレイに出力される画像データに対応する位置座標の情報を、プロセッサ312に送信する。タッチパネル方式としては、抵抗膜方式、静電容量結合方式、超音波表面弾性波方式など、公知の方式を利用することができる。本開示においては、タッチセンサは、指示体により出力インターフェイス311に表示された各アイコン等に対するスワイプ操作やタップ操作を検出する。なお、本開示では荷主端末装置300に備えられる入力インターフェイス315を用いたが、例えばマウスのような、プロセッサ312等を備える本体に無線又は有線で接続された入力インターフェイス315を用いることも可能である。
【0049】
6.サーバ装置200のメモリ211に記憶される情報
図6Aは、本開示の実施形態に係るサーバ装置200に記憶される入荷管理テーブルを概念的に示す図である。図6Aに示すように、入荷管理テーブルには、「入荷ID」、「出荷元」、「出荷方法」、「商品名」、「数量(ケース)」、「ブランド」、「入荷日時」、「不良率(%)」の項目が含まれ、当該項目に該当する各種の情報が記憶されている。
【0050】
「入荷ID」の項目には、入荷された商品に対して割振られる個別のIDが記憶されている。当該IDは、数字、アルファベット、又はこれの組合せ等から構成されてもよい。「出荷元」の項目には、入荷された商品の産地が記憶されている。産地としては、例えば、国、都道府県、又は市区町村等が記憶される。「出荷方法」の項目には、商品を所定の保管所まで運搬した方法が記憶されている。例えば、トラック、電車、飛行機、船等の運搬装置が記憶される。「商品名」の項目には、入荷した商品の名称が記憶される。本実施形態においては、青果を対象として説明するため、りんご、バナナ等が記憶されている。
【0051】
「数量(ケース)」の項目には、入荷した商品の数量がケース単位で記憶されている。ここで、ケースとは、商品の販売店に対する配送用の梱包(例えば、段ボール)とは異なり、大量の商品を一挙に配送するためのコンテナや大型のケースである。すなわち、ケース単位とは、入荷時の商品の収納状態に係る数量情報である。「ブランド」の項目には、入荷した商品にブランド名が設定されている場合に、当該ブランド名が記憶される。「入荷日時」の項目には、加工業者に商品が入荷された日時が記憶されている。「不良率(%)」の項目には、入荷された商品について加工処理がなされた場合に、当該加工処理の結果である商品のロス率(すなわち、梱包できなかった商品の割合)が記憶されている。
【0052】
次に、図6Bは、本開示の実施形態に係るサーバ装置200に記憶される作業管理テーブルを概念的に示す図である。図6Bに示すように、作業管理テーブルには、「作業ID」、「作業名」、「商品名」、「作業単位」、「作業数量(箱)」、「作業日時」、「入荷ID」、「資材ID」、「使用資材数」の項目が含まれ、当該項目に該当する各種の情報が記憶されている。
【0053】
「作業ID」の項目には、商品に対して行われる作業ごとに割振られる個別のIDが記憶されている。当該IDは、数字、アルファベット、又はこれの組合せ等から構成されてもよい。「作業名」の項目には、加工業者が商品に対して行う作業の名称が記憶されている。例えば、作業の種類としては、商品の梱包である加工、梱包された商品をもとの個別の状態に戻すバラシ、及び商品の廃棄がある。「商品名」の項目には、作業した商品の名称が記憶される。本実施形態においては、青果を対象として説明するため、りんご、バナナ等が記憶されている。「作業単位」の項目には、加工処理である梱包を行う場合に、1箱当たりの重さ(kg)又は数量(玉)が記憶されている。ただし、商品によっては、作業単位が重さ又は数量のいずれかに限定される場合もある。そして、作業がバラシ処理である場合には、情報が記憶されない。
【0054】
「作業数量(箱)」の項目には、加工処理によって生成された箱数、又はバラシ処理によって解体された箱数が記憶されている。「作業日時」の項目には、加工業者によって商品に作業が施された日時が記憶されている。「入荷ID」の項目には、入荷管理テーブルにおいて記憶されている個別のIDと同一のIDが記憶されている。これにより、入荷管理テーブルと作業管理テーブルを紐づけることが可能となり、入荷された商品のいずれに対して、どのような作業が行われたかを把握することが可能になる。「資材ID」の項目には、後述する資材管理テーブルにおいて記憶されている資材の個別IDが記憶されている。これにより、作業管理テーブルと資材管理テーブルを紐づけることが可能となり、商品に対する各種の作業が行われた際に使用された資材を把握することが可能になる。なお、複数の資材が使用された場合には、複数の資材IDが記憶されることになる。「使用資材数」の項目には、商品に対する各種の作業が行われた際に使用された資材の数量が記憶されている。なお、複数の資材IDが記憶されている場合には、各資材IDに対する使用資材数が記憶されている。
【0055】
次に、図6Cは、本開示の実施形態に係るサーバ装置200に記憶される資材管理テーブルを概念的に示す図である。図6Cに示すように、資材管理テーブルには、「資材ID」、「資材名」、「在庫数」、「所有者」、「単価(円)」の項目が含まれ、当該項目に該当する各種の情報が記憶されている。
【0056】
「資材ID」の項目には、各資材に割振られる個別のIDが記憶されている。当該IDは、数字、アルファベット、又はこれの組合せ等から構成されてもよい。ここで、同一の資材であっても、その所有者が異なっている場合には、それぞれの資材に対して異なる資材IDが付与されることになる。「資材名」の項目には、加工業者において管理されている資材の名称が記憶されている。例えば、段ボールやラベル等の梱包に関連する資材の名称が記憶されているが、これに限定されず加工業者が取り扱う様々な資材が記憶されることになる。「在庫数」の項目には、該当する資材の在庫の数量が記憶されている。「所有者」の項目には、各資材の所有者の情報(名称)が記憶されている。本実施形態における各資材については、荷主P1又は加工業者(当社)が所有者になっており、これらの名称が記憶されている。「単価(円)」の項目には、資材の単価である金額が記憶されている。当該単価は、荷主P1に対して、費用請求する際の費用計算に用いられる情報である。このため、所有者が荷主P1である資材については、単価が0(無料)となっている。
【0057】
次に、図6Dは、本開示の実施形態に係るサーバ装置200に記憶される在庫管理テーブルを概念的に示す図である。図6Dに示すように、在庫管理テーブルには、「在庫ID」、「商品名」、「在庫数量(箱)」、「単位(1箱)」、「作業ID」の項目が含まれ、当該項目に該当する各種の情報が記憶されている。
【0058】
「在庫ID」の項目には、作業が完了して梱包された商品に割振られる個別のIDが記憶されている。当該IDは、数字、アルファベット、又はこれの組合せ等から構成されてもよい。ここで、同一の商品であっても、作業ID(すなわち、作業内容)が異なっている場合には、それぞれの商品に対して異なる在庫IDが付与されることになる。具体的には、商品名が「りんご」であっても、1箱に梱包する商品の単位が異なれば作業IDも異なるため、在庫IDも異なることになる。
【0059】
「商品名」の項目には、作業が完了して梱包された商品の名称が記憶される。本実施形態においては、青果を対象として説明するため、りんご、バナナ等が記憶されている。「在庫数量(箱)」の項目には、加工処理によって生成された箱数の残数情報が記憶されている。「単位(1箱)」の項目には、加工処理である梱包を行う場合に、1箱当たりの重さ(kg)又は数量(玉)が記憶されている。ただし、商品によっては、(作業)単位が重さ又は数量のいずれかに限定される場合もある。「作業ID」の項目には、作業管理テーブルにおいて記憶されている個別のIDと同一のIDが記憶されている。これにより、在庫管理テーブルと作業管理テーブルを紐づけることが可能となり、在庫として登録されている各商品の梱包内容(加工処理の内容)を把握することが可能になる。
【0060】
次に、図6Eは、本開示の実施形態に係るサーバ装置200に記憶される出荷管理テーブルを概念的に示す図である。図6Eに示すように、出荷管理テーブルには、「出荷ID」、「商品名」、「出荷数量(箱)」、「出荷先ID」、「出荷日時」、「在庫ID」の項目が含まれ、当該項目に該当する各種の情報が記憶されている。
【0061】
「出荷ID」の項目には、出荷が完了した商品に割振られる個別のIDが記憶されている。当該IDは、数字、アルファベット、又はこれの組合せ等から構成されてもよい。ここで、同一の商品であっても、出荷先ID(すなわち、出荷先)や在庫ID(すなわち、作業内容)が異なっている場合には、それぞれの商品に対して異なる出荷IDが付与されることになる。具体的には、商品名が「りんご」であっても、出荷先ID及び在庫IDに応じて、異なる出荷IDが存在することになる。
【0062】
「商品名」の項目には、出荷が完了した商品の名称が記憶される。本実施形態においては、青果を対象として説明するため、りんご、バナナ等が記憶されている。「出荷数量(箱)」の項目には、出荷された箱数の情報が記憶されている。「出荷先ID」の項目には、出荷先のそれぞれに対応して付与された個別のIDが記憶されている。「出荷日時」の項目には、商品が出荷された日時が記憶されている。「在庫ID」の項目には、在庫管理テーブルにおいて記憶されている個別のIDと同一のIDが記憶されている。これにより、在庫管理テーブルと出荷管理テーブルを紐づけることが可能となり、出荷された商品がどのような在庫であり、更にはどのような作業(加工処理の内容)がなされたかを把握することが可能になる。
【0063】
7.一連の処理シーケンス及び処理フロー
(A)荷割から製品出荷に至るまでの全体の流れ
図7は、本開示の実施形態における荷割から商品出荷に至るまでの各種の処理の概略を示す処理シーケンスを示す図である。具体的に、図7は、荷主P1、加工業者の営業担当P2並びにロジ担当P3、及び配送業者P4が行う各処理によって構成される処理シーケンスを示す図である。すなわち、図7における処理主体は人になっている。
【0064】
図7に示すように、先ず、荷主P1が加工業者の営業担当P2に対して、荷割の連絡を行う(S1:荷割連絡)。これにより、荷主P1が所有する商品について、数字上であるものの、その管理が加工業者に移ることになる。当該荷割の連絡を受け付けた営業担当P2は、受け付けた荷割の内容を確認し(S2:荷割確認)、当該荷割の内容に基づく浜取の依頼を配送業者P4に行う(S3:浜取依頼)。ここで、荷割の内容には、商品名、数量、及び保管場所に係る情報が含まれており、これらの情報から浜取の内容(浜取先、対象商品、数量)が決定される。
【0065】
次に、配送業者P4が浜取依頼に対応し、所定の浜取を実行する(S4:浜取)。そして、配送業者P4が浜取した商品を加工業者にまで配送し、商品の入荷が行われる(S5:商品入荷)。加工業者のロジ担当P3は、商品入荷を確認するとともに、入荷に係る処理及び報告を荷主P1に行う(S6:入荷処理・報告)。これにより、荷主P1は、商品に対する加工業者の作業が実行できる状態であることを把握することが可能になる。
【0066】
次に、荷主P1は、加工業者のロジ担当P3に対して、入荷した商品に係る作業の依頼を行う(S7:作業依頼)。なお、当該作業の依頼は、営業担当P2を経由してロジ担当P3に伝えられてもよい。その後、ロジ担当P3は、作業依頼に対応した作業指示を作業現場に対して行い、当該作業指示に基づいて作業現場で商品の作業が実施される。そして、商品に対する作業が完了すると、ロジ担当P3は作業完了に係る処理を行う。これにより、加工業者における商品の作業が完了する(S8:作業処理)。なお、上述したように、加工業者における作業としては、商品の梱包である加工処理、出荷できない商品を廃棄する廃棄処理、及び一度梱包された梱包品を解体するバラシ処理があるが、当該バラシ処理については荷主P1の作業依頼に基づかずに行われるため、この場合には、S7の作業依頼が存在しないことになる。
【0067】
加工業者のロジ担当P3は、作業が完了すると、作業の完了に関する報告を荷主P1に行う(S9:作業完了報告)。これにより、荷主P1は、商品が出荷できる状況や、出荷できない商品が廃棄されたことを把握することが可能になる。また、当該作業完了報告には、商品の不良率に関する情報も含まれており、荷主P1は入荷した商品ごと(すなわち、入荷IDごと)に不良率を把握することができる。これにより、荷主P1は、商品の産地に係る不良率、商品のブランドに係る不良率、又は運送方法に係る不良率を把握することが可能となり、今後の商品の仕入れ先や運送方法の再検討を行うことが可能になる。なお、バラシ処理については、荷主P1の作業依頼に基づかず行われるため、当該処理の完了報告が荷主P1に行われることはない。また、廃棄処理については、作業依頼の連絡が加工業者側に届く前に、営業担当P2又はロジ担当P3から荷主P1に対して廃棄処理を行ってよいかなどの確認が行われることが前提となる。
【0068】
次に、荷主P1は、加工業者のロジ担当P3に対して、加工処理が完了した商品に係る出荷の依頼を行う(S10:出荷依頼)。なお、当該出荷の依頼は、営業担当P2を経由してロジ担当P3に伝えられてもよい。その後、ロジ担当P3は、出荷依頼に対応した出荷指示を作業現場に対して行うとともに、配送業者P4に対して出荷する商品の配送の依頼を行う。続いて、当該出荷指示に基づいて作業現場から配送業者P4に商品が引き渡され、加工業者から商品が出荷されたことになる。そして、商品の出荷が完了すると、ロジ担当P3は出荷完了に係る処理を行う。これにより、加工業者における商品の出荷に係る処理が完了する(S11:出荷処理)。
【0069】
次に、配送業者P4が出荷依頼に対応し、所定の出荷先まで商品を配送する(S12:配送)。これにより、荷主P1の商品が、荷主P1の指定する出荷先まで配送されることになり、当該配送先において一般消費者に販売されることになる。そして、加工業者のロジ担当P3は、出荷が完了すると、出荷の完了に関する報告を荷主P1及び営業担当P2に行う(S13:出荷完了報告)。これにより、荷主P1及び営業担当P2は、商品が出荷されたことを把握することができる。そして、営業担当P2は、出荷された商品に係る在庫を確認し(S14:在庫確認)、荷主P1から更に他の商品出荷が依頼された場合にも早期に対応できるか否かを把握することができる。
【0070】
次に、営業担当P2は、S14で確認した在庫に係る情報を、荷主P1に送付し、在庫の報告を行う(S14:在庫報告)。また、営業担当P2は、加工業者における一連の作業の結果を、荷主P1に送付し、作業の報告を行う(S16:作業報告)。これらの報告は、毎日の業務終了後に、各報告書がダウンロードされ、メール等によって荷主に送信されてもよい。また、これらの報告は、営業担当P2が使用する営業端末100-1又はサーバ装置200から、在庫表と作業報告表が自動的に送信されてもよい。これにより、荷主は、作業の進捗及び在庫を容易に把握することができ、次の出荷等の依頼を計画立てて行うことが可能になる。
【0071】
(B)加工業者の処理フロー
図8は、本開示の実施形態における加工業者において実行される処理フローを示す図である。具体的には、図8は、加工業者において、商品の入荷から出荷までにどのような処理や判断がなされているかを説明するための概略的な処理フローである。ここで、図8における処理主体は基本的に人になっている。
【0072】
先ず、配送業者P4から加工業者に対して、商品が実際に引き渡されると、商品の入荷に係る各種の処理が行われる(S20:入荷処理)。その後、加工業者は、入荷した商品に対して、どのような作業を行うかを決定する(S21:作業依頼の種別)。作業依頼の種別が「廃棄」である場合には、加工業者は、該当商品の廃棄処理を実行する(S22:廃棄処理)。一方、作業依頼の種別が「加工」である場合には、加工業者は、入荷された商品を梱包する加工処理を実行する(S23:加工処理)。
【0073】
次に、加工処理によって廃棄されるべきもの又は再利用ができるのものがあるか否かの判定処理が行われる(S24:廃棄or再利用)。具体的に、入荷されたケースから商品を取り出したものの、傷があるもの、又は腐っているものが存在する場合に、当該判定処理が行われる。そして、腐っているなどして、商品として使用することができない場合には、廃棄処理(S22)が行われる。一方、傷があるものの、正規商品(A品)としては出荷できないものの、各種の加工によって商品として使用できる可能性があるものは、B品として登録される(S25:B品登録)。B品登録されたものは、入荷処理(S20)に戻り、再利用がなされることになる。
【0074】
次に、S24において廃棄や再利用品せずに出荷処理に進める場合、加工業者は、加工処理の結果として、出荷できる商品に係る在庫の登録を行う(S26:在庫登録)。ここで、当該在庫は、荷主P1からの出荷依頼があった場合、早期に出荷可能とする見込み在庫としての位置づけとなる。次に、荷主P1からの事前の情報や、以前の出荷履歴を考慮して、次に予定される出荷に対応できるための在庫があるか否かを判断する(S27:在庫不足)。加工業者は、在庫が不足していると判断した場合(S28:Yes)、同一商品(産地及びブランドが共通)であって、作業IDが異なる(すなわち、1箱当たりの梱包数量等が異なる)商品を使用できるように、該当する梱包品を解体する処理を行う(S29:バラシ処理)。これにより、同一商品が実質的に入庫された扱いがとられ、出荷が予定される商品と同一の梱包となるような加工処理が可能になる。
【0075】
一方、在庫が不足していない場合(S27:No)、加工業者は荷主P1からの出荷依頼があった否かを判断する(S29:出荷依頼あり)。荷主P1から出荷依頼がなければ(S29:No)、商品の出荷は行われず、出荷依頼待ちの状態となる。一方、荷主P1から出荷依頼があった場合(S29:Yes)、加工業者から商品が出荷される(S30:出荷処理)。以上により、加工業者における商品の入荷から出荷までの処理が完了する。
【0076】
以上のように、加工業者においては、荷主P1から出荷依頼に早期に対応できるように、加工処理を先行して行うことになる。また、加工業者は、出荷のために必要な在庫がない場合には、他の梱包内容によって梱包した同一商品をバラして、再度の加工処理を行うことができる。これにより、梱包内容が異なる同一商品の有効活用が可能となり、早期の出荷に対応できるだけでなく、青果等の商品が腐るなどのロスを低減することができる。
【0077】
8.処理システム1により実行される処理シーケンス
(A)商品の入荷に係る処理
図9Aは、本開示の実施形態に係る端末装置100、サーバ装置200、及び荷主端末装置300との間で実行される処理シーケンスを示す図である。具体的には、図9Aは、商品の数字上の引き渡しである荷割がされてから、商品が実際に入荷されるまでに、端末装置100、サーバ装置200、及び荷主端末装置300との間で実行される処理シーケンスを示す図である。また、図9Bは、本開示の実施形態に係るロジ端末100-2から出力される情報の例を示す図である。具体的には、浜取処理後に自動的に作成される商品看板(シール)の表示例である。更に、図9Cは、本開示の実施形態に係るロジ端末100-2に出力される画面の例を示す図である。具体的には、図9Cには、商品の入荷が完了した際に、ロジ端末100-2において入力又は選択される情報が示されている。
【0078】
図9Aによると、荷主端末装置300のプロセッサ312は、入力インターフェイス315を介して荷主P1の操作入力を受け付けて荷割情報を生成する(S31:荷割情報生成)。当該荷割情報には、商品名、数量、産地(出荷元)、ブランド、保管場所等の情報が含まれる。これらの情報があらかじめ入力インターフェイス315を介して荷主P1の操作入力を受け付けることによって生成される。そして、プロセッサ312は、生成された荷割情報を、新たに荷割として登録するための荷割依頼と共に、通信インターフェイス314を介してサーバ装置200に送信する(T31:荷割依頼)。
【0079】
新たに生成された荷割情報及び荷割依頼がサーバ装置200において通信インターフェイス213を介して受信されると、サーバ装置200のプロセッサ212は、新たに入荷IDを生成し、受信した情報を入荷管理テーブル等に記憶する(S32:荷割登録)。また、プロセッサ212は、受信した荷割情報に基づいて、ロジ担当P3が商品の入荷に係る情報等を入力するための入力フォーム情報を生成する。当該入力フォーム情報には、その後の入荷処理に必要となる入荷情報を構成する入力ボックス等が含まれる。そして、プロセッサ212は、荷主P1から商品の荷割が行われたことを示す荷割通知を荷割情報と共に、通信インターフェイス213を介して、営業端末100-1に送信する(T32:荷割通知)。なお、プロセッサ212は、ロジ端末100-2にも荷割通知及び荷割情報を送信してもよい。これにより、ロジ担当P3は、入荷よりも前に入荷される商品の情報を事前把握することが可能になる。
【0080】
営業端末100-1のプロセッサ112は、入力インターフェイス115を介して営業担当P2の操作入力を受け付けて浜取情報を生成する(S33:浜取処理)。当該浜取情報には、配送依頼先、商品名、数量、産地(出荷元)、ブランド、保管場所等の情報が含まれる。配送依頼先については、入力インターフェイス115を介して営業担当P2の操作入力を受け付けることによって生成される。一方、配送依頼先以外の情報は上述した荷割情報と共通しているため、基本的に荷割情報の内容がそのまま流用されるが、必要に応じて営業担当P2の操作入力を受け付けて修正されることもある。当該浜取情報は、配送業者P4に送信されることになるが、送信方法はメール、電話、又はFAX等の公知の連絡方法によって行われる。
【0081】
その後、荷割された商品が配送業者P4によって加工業者に実際に届けられると、ロジ端末100-2のプロセッサ112は、入荷した商品のケース等に付する看板を生成する(S34:看板作成)。ロジ端末100-2のプロセッサ112は、営業端末100-1から浜取に係る情報を受信し、それに基づいて、看板を作成してもよい。看板には、図9Bに示すように、荷主、入荷日時、商品名/数量、ブランド、原産地、キーNo、入庫ケース、パレット数等の各種の情報が含まれる。これらの情報がシール等に印字され、商品のケース等に貼り付けられることにより、在庫管理が容易となり、更には加工処理も明確になる。特に、当該看板にはバーコード又は他の二次元コード等を表示することにより、当該コードを読み込むことによって各種の情報を取得可能にしてもよい。
【0082】
また、ロジ端末100-2のプロセッサ112は、入力インターフェイス115を介してロジ担当P3の操作入力を受け付けて入荷情報を生成する(S35:入荷情報生成)。当該入荷情報には、入荷ID、出荷元、出荷方法、商品名、数量、ブランド、入荷日時が含まれる。ロジ担当P3による操作入力の具体例としては、上述した入力フォーム情報を用いて行われる。より具体的には、図9Cに示すように、ロジ端末100-2の画面410には、入荷情報として、入荷IDの入力枠411、出荷元の入力枠412、出荷方法の入力枠413、商品名の入力枠414、数量の入力枠415、ブランドの入力枠416、及び入荷日時の入力枠417が選択又は入力可能な状態で表示される。また、上記入力枠の一部については、荷割情報に基づいて内容が事前に入力されている。そして、ロジ端末100-2の操作者であるロジ担当P3は、実際に入荷された商品に対応させて、各入力枠に必要な情報を入力し、又はスクロールすることによって情報を修正する。これより、入荷情報の生成のために必要な操作が完了する。なお、これらの情報は上述した看板に係る情報と共通化したり、S35における入力作業がなくなるようにしてもよい。
【0083】
そして、プロセッサ112は、生成された入荷情報を、入荷管理テーブルの更新を依頼するための入荷登録依頼と共に、通信インターフェイス114を介してサーバ装置200に送信する(T33:入荷登録依頼)。新たに生成された入荷情報及び入荷登録依頼がサーバ装置200において通信インターフェイス213を介して受信されると、サーバ装置200のプロセッサ212は、受信した情報に基づいて入荷管理テーブルを更新する(S35:入荷登録)。ここで、荷割情報に誤り等がなければ、入荷日時のみが更新されることになるが、例えば入荷数量が荷割情報と異なる場合には、入荷管理テーブルの「数量(ケース)」の項目が更新される。同様に、他の項目についても、荷割情報と異なる場合には、実際の内容(すなわち、ロジ端末100-2から入力された情報)に基づいて、入荷管理テーブルの更新が行われる。また、サーバ装置200のプロセッサ212は、入荷情報に基づいた入荷結果報告情報の生成も行う。ここで、入荷結果報告情報には、商品名、数量、入荷日時等の情報が含まれるが、荷割情報とは異なる内容が存在する場合にはその旨の情報も含まれる。
【0084】
次に、プロセッサ212は、荷割された商品が実際に入荷したことを示す入荷結果報告を、生成した入荷結果報告情報と共に、通信インターフェイス213を介して、荷主端末装置300に送信する(T34:入荷結果報告)。これにより、加工業者に商品が入荷され、加工処理等の作業を行える状況であることを把握することができる。なお、プロセッサ212は、営業端末100-1にも入荷結果報告及び入荷結果報告情報を送信してもよい。
【0085】
(B)商品の作業に係る処理
図10Aは、本開示の実施形態に係る端末装置100、サーバ装置200、及び荷主端末装置300との間で実行される処理シーケンスを示す図である。具体的には、図10Aは、商品の作業の依頼があってから、当該作業が完了して報告がされるまでに、端末装置100、サーバ装置200、及び荷主端末装置300との間で実行される処理シーケンスを示す図である。また、図10Bは、本開示の実施形態に係るロジ端末100-2に出力される画面の例を示す図である。具体的には、図10Bには、商品の加工処理が完了した際に、ロジ端末100-2において入力又は選択される情報が示されている。また、図10Cは、本開示の実施形態に係るロジ端末100-2に出力される画面の例を示す図である。具体的には、図10Cには、商品のバラシ処理が完了した際に、ロジ端末100-2において入力又は選択される情報が示されている。
【0086】
図10Aによると、荷主端末装置300のプロセッサ312は、入力インターフェイス315を介して荷主P1の操作入力を受け付けて作業依頼情報を生成する(S41:作業依頼情報生成)。当該作業依頼情報には、商品名、数量、作業内容等の情報が含まれる。これらの情報があらかじめ入力インターフェイス315を介して荷主P1の操作入力を受け付けることによって生成される。そして、プロセッサ312は、生成された作業依頼情報を、新たに作業として登録するための作業依頼と共に、通信インターフェイス314を介してサーバ装置200に送信する(T41:作業依頼)。ここで、荷主P1から依頼される作業内容としては、商品を梱包する加工処理、及び商品を廃棄する廃棄処理がある。
【0087】
一方、荷主P1の依頼によらず、加工業者が必要性を判断して行うバラシ処理を行う場合、ロジ端末100のプロセッサ112は、入力インターフェイス115を介してロジ担当P3の操作入力を受け付けて作業登録情報を生成する(S42:作業登録情報生成)。当該作業登録情報には、商品名、数量、作業内容等の情報が含まれる。これらの情報があらかじめ入力インターフェイス115を介してロジ担当P3の操作入力を受け付けることによって生成される。そして、プロセッサ112は、生成された作業登録情報を、新たに作業として登録するための作業登録依頼と共に、通信インターフェイス114を介してサーバ装置200に送信する(T42:作業登録依頼)。
【0088】
新たに生成された作業依頼情報と作業依頼、又は作業登録情報と作業登録依頼のいずれかが、サーバ装置200において通信インターフェイス213を介して受信されると、サーバ装置200のプロセッサ212は、新たに作業IDを生成し、受信した情報を作業管理テーブル等に記憶する(S43:作業登録)。また、プロセッサ212は、受信した作業依頼情報又は作業登録情報に基づいて、作業完了時にロジ担当P3が作業情報を入力するための入力フォーム情報を生成する。当該入力フォーム情報には、作業管理テーブルに記憶の必要がある作業情報を構成する入力ボックス等が含まれる。そして、プロセッサ212は、現場での作業を開始する旨を示す作業通知を作業依頼情報と共に、通信インターフェイス213を介して、ロジ端末100-2に送信する(T43:作業通知)。なお、プロセッサ212は、ロジ端末100-2から作業登録依頼(T42)を受信した場合、作業依頼情報の送信は不要となるため、作業登録が完了した旨を作業通知として、通信インターフェイス213を介して、ロジ端末100-2に送信する。なお、プロセッサ212は、営業端末100-1にも作業依頼情報と作業依頼、又は作業登録情報と作業登録依頼を送信してもよい。
【0089】
次に、作業通知に対応して商品の作業が行われると、ロジ端末100-2のプロセッサ112は、入力インターフェイス115を介してロジ担当P3の操作入力を受け付けて作業情報を生成する(S44:作業情報生成)。当該作業情報には、作業ID、作業名、商品名、作業単位、作業数、作業日時、入荷ID、資材ID、及び使用資材数が含まれる。ロジ担当P3による操作入力の具体例としては、上述した入力フォーム情報を用いて行われる。より具体的な一例として、加工処理を行った場合、図10Bに示すように、ロジ端末100-2の画面510には、作業情報として、作業IDの入力枠511、作業名の入力枠512、商品名の入力枠513、作業単位の入力枠514、作業数の入力枠515、在庫IDの入力枠516、作業日時の入力枠517、入荷IDの入力枠518、資材IDの入力枠519、及び使用資材数の入力枠520が選択又は入力可能な状態で表示さる。また、上記入力枠の一部については、作業依頼情報に基づいて内容が事前に入力されている。
【0090】
一方、バラシ処理を行った場合、図10Cに示すように、ロジ端末100-2の画面510には、作業情報として、作業IDの入力枠511、作業名の入力枠512、商品名の入力枠513、作業数の入力枠515、在庫IDの入力枠516、作業日時の入力枠517、及び入荷IDの入力枠518が選択又は入力可能な状態で表示さる。また、図10Cに示すように、作業単位の入力枠514、資材IDの入力枠519、及び使用資材数の入力枠520については、入力するべき情報はないため、入力不可能な状態で表示される。そして、上記入力枠の一部については、作業登録情報に基づいて内容が事前に入力されている。
【0091】
ロジ端末100-2の操作者であるロジ担当P3は、実際の作業内容に対応させて、各入力枠に必要な情報を入力し、又はスクロールすることによって情報を修正する。これにより、作業情報の生成のために必要な操作が完了する。
【0092】
そして、プロセッサ112は、生成された作業情報を、作業管理テーブルの更新を依頼するための作業結果登録依頼と共に、通信インターフェイス114を介してサーバ装置200に送信する(T44:作業結果登録依頼)。新たに生成された作業情報及び作業結果登録依頼がサーバ装置200において通信インターフェイス213を介して受信されると、サーバ装置200のプロセッサ212は、受信した情報に基づいて作業管理テーブル、在庫管理テーブル、入荷管理テーブルを更新する(S45:作業結果登録)。
【0093】
ここで、作業依頼情報又は作業登録情報に誤り等がなければ、作業管理テーブルの作業数量(箱)、作業日時、資材ID、使用資材数が更新されることになるが、例えば作業単位が作業依頼情報と異なる場合には、作業管理テーブルの「作業単位」の項目が更新される。同様に、他の項目についても、作業依頼情報又は作業登録情報と異なる場合には、実際の内容(すなわち、ロジ端末100-2から入力された情報)に基づいて、作業管理テーブルの更新が行われる。
【0094】
また、サーバ装置200のプロセッサ212は、作業が加工処理である場合に、商品の不良率を入荷IDに対応させて算出する。当該算出結果は、入荷管理テーブルに記憶されることになる。更に、サーバ装置200のプロセッサ212は、作業結果情報に基づいた作業結果報告情報の生成も行う。ここで、作業結果報告情報には、作業管理テーブルの項目に係る情報が含まれるが、作業依頼情報と作業情報との間に異なる内容が存在する場合にはその旨の情報も含まれる。また、作業結果報告情報には、商品の不良率も含まれる。
【0095】
次に、プロセッサ212は、商品に対する所定の作業が完了したことを示す作業結果報告を、生成した作業結果報告情報と共に、通信インターフェイス213を介して、荷主端末装置300に送信する(T45:作業結果報告)。なお、バラシ処理については、報告が不要であるため、バラシ処理が完了した場合には本処理が行われることはない。これにより、荷主P1は、入荷した商品の不良率を把握することができ、今後の商品の仕入れ先や運搬方法を再検討することができる。
【0096】
(C)商品の出荷に係る処理
図11Aは、本開示の実施形態に係る端末装置100、サーバ装置200、及び荷主端末装置300との間で実行される処理シーケンスを示す図である。具体的には、図11Aは、商品の出荷の依頼があってから、当該出荷が完了して報告がされるまでに、端末装置100、サーバ装置200、及び荷主端末装置300との間で実行される処理シーケンスを示す図である。また、図11Bは、本開示の実施形態に係るロジ端末100-2に出力される画面の例を示す図である。具体的には、図11Bには、商品の出荷が完了した際に、ロジ端末100-2において入力又は選択される情報が示されている。
【0097】
図11Aによると、荷主端末装置300のプロセッサ312は、入力インターフェイス315を介して荷主P1の操作入力を受け付けて出荷依頼情報を生成する(S51:出荷依頼情報生成)。当該出荷依頼情報には、商品名、数量、出荷先等の情報が含まれる。これらの情報があらかじめ入力インターフェイス315を介して荷主P1の操作入力を受け付けることによって生成される。そして、プロセッサ312は、生成された出荷依頼情報を、新たに作業として登録するための出荷依頼と共に、通信インターフェイス314を介してサーバ装置200に送信する(T51:出荷依頼)。
【0098】
新たに生成された出荷依頼情報と出荷依頼が、サーバ装置200において通信インターフェイス213を介して受信されると、サーバ装置200のプロセッサ212は、新たに出荷IDを生成し、受信した情報を出荷管理テーブル等に記憶する(S52:出荷登録)。また、プロセッサ212は、受信した出荷依頼情報に基づいて、出荷完了時にロジ担当P3が出荷情報を入力するための入力フォーム情報を生成する。当該入力フォーム情報には、出荷管理テーブルに記憶の必要がある出荷情報を構成する入力ボックス等が含まれる。そして、プロセッサ212は、現場での出荷を開始する旨を示す出荷通知を出荷依頼情報と共に、通信インターフェイス213を介して、ロジ端末100-2に送信する(T52:出荷通知)。
【0099】
次に、出荷通知に対応して商品の出荷が行われると、ロジ端末100-2のプロセッサ112は、入力インターフェイス115を介してロジ担当P3の操作入力を受け付けて出荷情報を生成する(S53:出荷情報生成)。当該出荷情報には、出荷ID、商品名、出荷数量(箱)、出荷先ID、出荷日時、及び在庫IDが含まれる。ロジ担当P3による操作入力の具体例としては、上述した入力フォーム情報を用いて行われる。より具体的な一例として、図11Bに示すように、ロジ端末100-2の画面610には、出荷情報として、出荷IDの入力枠611、商品名の入力枠612、出荷数の入力枠613、出荷先IDの入力枠614、出荷日時の入力枠615、在庫IDの入力枠616、及び配送方法の入力枠617が選択又は入力可能な状態で表示される。また、上記入力枠の一部については、出荷依頼情報に基づいて内容が事前に入力されている。ロジ端末100-2の操作者であるロジ担当P3は、実際の出荷内容に対応させて、各入力枠に必要な情報を入力し、又はスクロールすることによって情報を修正する。これにより、出荷情報の生成のために必要な操作が完了する。配送方法については、各種の配送会社を選択することが可能となっており、選択された配送会社が異なると、後述する請求書の作成方法が異なるが、本システムでは当該配送会社に応じた請求書の作成が容易に可能となっている。
【0100】
そして、プロセッサ112は、生成された出荷情報を、出荷管理テーブルの更新を依頼するための出荷結果登録依頼と共に、通信インターフェイス114を介してサーバ装置200に送信する(T53:出荷結果登録依頼)。新たに生成された出荷情報及び出荷結果登録依頼がサーバ装置200において通信インターフェイス213を介して受信されると、サーバ装置200のプロセッサ212は、受信した情報に基づいて出荷管理テーブルを更新する(S54:出荷結果登録)。
【0101】
ここで、出荷依頼情報に誤り等がなければ、出荷管理テーブルの出荷数量(箱)、出荷日時が更新されることになるが、例えば出荷数量が出荷依頼情報と異なる場合には、出荷管理テーブルの「出荷数量(箱)」の項目が更新される。同様に、他の項目についても、出荷依頼情報と異なる場合には、実際の内容(すなわち、ロジ端末100-2から入力された情報)に基づいて、出荷管理テーブルの更新が行われる。
【0102】
また、サーバ装置200のプロセッサ212は、更新した出荷管理テーブル、作業管理テーブル、在庫管理テーブル、資材管理テーブルを参照し、商品の出荷に係る費用を算出する。プロセッサ212は、出荷管理テーブル、作業管理テーブル、在庫管理テーブル、及び資材管理テーブルが互いに紐づけられているため、各テーブルを参照することにより、出荷対象の商品の費用を容易に算出することが可能になる。
【0103】
更に、サーバ装置200のプロセッサ212は、出荷結果情報に基づいた出荷結果報告情報の生成も行う。ここで、出荷結果報告情報には、出荷管理テーブルの項目に係る情報が含まれるが、出荷依頼情報と出荷情報との間に異なる内容が存在する場合にはその旨の情報も含まれる。また、出荷結果報告情報には、商品の不良率を含めてもよい。
【0104】
次に、プロセッサ212は、商品の出荷が完了したことを示す出荷結果報告を、生成した出荷結果報告情報と共に、通信インターフェイス213を介して、荷主端末装置300に送信する(T54:出荷結果報告)。
【0105】
9.サーバ装置200において実行される処理フロー
以下、図10Aに記載された作業結果登録に係る処理、図11Aに記載された出荷結果登録に係る処理、及び資材の管理において、サーバ装置200において実行される処理フローを具体的に説明する。
【0106】
(A)作業結果登録に係る処理フロー
図12は、本開示の実施形態に係るサーバ装置200において実行される処理フローを示す図である。当該処理フローは、主にサーバ装置200のプロセッサ212がメモリ211に記憶されたプログラムを読み出して実行することにより行われる。
【0107】
図12によると、プロセッサ212は、通信インターフェイス213を介して、ロジ担当P3のロジ端末100-2から作業情報を受信したか否かを判断する(S711:作業情報受信?)。そして、当該作業情報を受信した場合には、プロセッサ212は、受信した作業情報に基づいて、作業管理テーブルの各項目を更新する(S712:作業管理テーブル更新)。ここで、プロセッサ212は、作業依頼情報に基づいて記憶した作業管理テーブルの各項目の情報を、受信した作業情報に基づいて更新することになる。
【0108】
次に、プロセッサ212は、受信した作業情報に含まれる作業種別(作業内容)が加工であるか否かを判断する(S713:作業種別が加工?)。作業種別が加工でない場合、すなわち、作業がバラシ処理や廃棄処理の場合、S714及びS715をスキップしてS716に進む。一方、作業種別が加工である場合、すなわち、作業が商品梱包である加工処理の場合、プロセッサ212は、在庫管理テーブルの更新を行う(S714:作業管理テーブル更新)。具体的に、プロセッサ212は、加工結果として生成された梱包品の数量(図6Dの在庫数量)を更新する。その後、プロセッサ212は、受信した作業情報に基づいて、商品の不良率及び加工費用を算出する(S715:不良率算出)。ここで、加工費用とは、作業処理後の不良率(出来高)に係る情報と使用商品(原料)等の情報とから、算出されることになる。
【0109】
次に、プロセッサ212は、入荷管理テーブルの更新を行う(S716:入荷管理テーブル更新)。ここで、S715を経てS716に進んだ場合、プロセッサ212は、入荷管理テーブルの不良率(%)の項目に、S715で算出した不良率の情報を書き込む処理を行う。一方、S713からS716に進んだ場合、プロセッサ212は、廃棄処理又はバラシ処理に応じて、数量(ケース)の項目を更新する。入荷管理テーブルの更新が行われた後、プロセッサ212は、作業情報及び算出した不良率に基づいて、作業結果報告情報を生成する(S717:作業結果報告情報生成)。以上により、作業結果登録に係る処理フローが終了する。
【0110】
(B)出荷結果登録に係る処理フロー
図13は、本開示の実施形態に係るサーバ装置200において実行される処理フローを示す図である。当該処理フローは、主にサーバ装置200のプロセッサ212がメモリ211に記憶されたプログラムを読み出して実行することにより行われる。
【0111】
図13によると、プロセッサ212は、通信インターフェイス213を介して、ロジ担当P3のロジ端末100-2から出荷情報を受信したか否かを判断する(S811:出荷情報受信?)。そして、当該出荷情報を受信した場合には、プロセッサ212は、受信した出荷情報に基づいて、出荷管理テーブルの各項目を更新する(S812:出荷管理テーブル更新)。ここで、プロセッサ212は、出荷依頼情報に基づいて記憶した出荷管理テーブルの各項目の情報を、受信した出荷情報に基づいて更新することになる。
【0112】
次に、プロセッサ212は、更新した出荷管理テーブル、在庫管理テーブル、作業管理テーブル、及び資材管理テーブルを参照し、出荷対象である商品に係る出荷の費用を算出する(S813:費用算出)。そして、プロセッサ212は、出荷情報及び算出した費用に基づいて、出荷結果報告情報を生成する(S814:出荷結果報告情報生成)。以上により、出荷結果登録に係る処理フローが終了する。
【0113】
(C)資材管理に係る処理フロー
図14は、本開示の実施形態に係るサーバ装置200において実行される処理フローを示す図である。具体的に、図14においては、資材登録から資材数の変更に係る処理の一例を示す処理フローが示されている。当該処理フローは、主にサーバ装置200のプロセッサ212がメモリ211に記憶されたプログラムを読み出して実行することにより行われる。
【0114】
図14によると、プロセッサ212は、通信インターフェイス213を介して、ロジ担当P3のロジ端末100-2から受信する資材情報に基づいて、資材の登録を行う(S911:資材登録)。より具体的に、プロセッサ212は、資材の画像、単価(売上単価及び仕入単価を含む)、所有権等の情報を受信し、同一の資材が登録されていないことを条件として、資材IDを発行することになる。そして、プロセッサ212は、発行した資材IDに紐づけて、資材名、所有権、単価等の各種の情報を図6Cに示す資材管理テーブルに記憶する。
【0115】
次に、プロセッサ212は、通信インターフェイス213を介して、ロジ担当P3のロジ端末100-2から受信する資材の入庫情報に基づいて、資材の入庫処理を行う(S912:資材の入庫処理)。具体的には、入庫した資材の数量を図6Cに示す資材管理テーブルに記憶する。これにより、各資材の在庫がサーバ装置200において管理されることになり、上述した図9Aにおける看板生成(図9:S34)等において、資材管理テーブルの情報をもとに出力処理が可能になる。なお、プロセッサ212は、入力インターフェイスを介した入力情報に基づいて、上記処理を行ってもよい。
【0116】
次に、プロセッサ212は、各種の作業(加工処理、出荷処理)の完了報告を受信したか否かを判断する(S913:作業完了?)。そして、当該作業が完了している場合には、プロセッサ212は、完了した作業に係る情報に基づいて、使用された資材の数量を自動計算し、資材管理テーブルの各項目を更新する(S914:自動計算)。すなわち、プロセッサ212は、作業内容に応じて、使用された資材を算出し、現在の在庫から当該使用された資材の数量を差し引き、資材管理テーブルの自動更新を行う。これは、作業(作業指示、作業完了)に係る情報と資材の情報が紐づけられて管理されているため、このような自動更新が可能になる。
【0117】
次に、プロセッサ212は、通信インターフェイス213を介して、ロジ担当P3のロジ端末100-2から受信する出力要求に応じて、各資材の在庫を出力する。出力ファイル形式としては、例えば、CSVファイルであってもよい。ここで、出力要求には、確認を希望する資材名又は資材IDが含まれる。なお、プロセッサ212は、入力インターフェイスを介した入力情報に基づいて、上記処理を行ってもよい。
【0118】
10.変形例
上記においては、加工処理が梱包に関する内容であったが、これに限定されない。例えば、肉又は魚などの場合には、入荷した食材を切り分けるなどの処理が含まれてもよい。また、電子部品等について、他の電子部品を組み合わせる組み立て処理が含まれてもよい。すなわち、商品を受けとった加工業者が何等かの処理を行うことが、本開示の作業に該当する。
【0119】
本明細書で説明される処理及び手順は、本開示において明示的に説明されたものによってのみならず、ソフトウェア、ハードウェア又はこれらの組み合わせによっても実現可能である。具体的には、本明細書で説明された処理及び手順は、集積回路、揮発性メモリ、不揮発性メモリ、磁気ディスク、光ストレージ等の媒体に、当該処理に相当するロジックを実装することによって実現される。また、本明細書で説明される処理及び手順は、それらの処理・手順をコンピュータプログラムとして実装し、端末装置やサーバ装置を含む各種のコンピュータに実行させることが可能である。
【0120】
本明細書中で説明される処理及び手順が単一の装置、ソフトウェア、コンポーネント、モジュールによって実行される旨が説明されたとしても、そのような処理又は手順は、複数の装置、複数のソフトウェア、複数のコンポーネント、及び/又は、複数のモジュールによって実行されるものとすることができる。また、本明細書中で説明される各種情報が単一のメモリや記憶部に格納される旨が説明されたとしても、そのような情報は、単一の装置に備えられた複数のメモリ又は複数の装置に分散して配置された複数のメモリに分散して格納されるものとすることができる。さらに、本明細書において説明されるソフトウェア及びハードウェアの要素は、それらをより少ない構成要素に統合して、又は、より多い構成要素に分解することによって実現されるものとすることができる。
【0121】
11.本開示の実施態様のまとめ
本開示の実施態様に係る処理装置は、少なくとも一つのプロセッサを具備する処理装置であって、当該少なくとも一つのプロセッサは、荷主P1から受信する荷割情報に基づいて、荷主P1から荷割された商品の荷割情報を登録し、当該荷割に基づいて実際に入荷した商品に係る入荷情報を登録し、当該荷主から受信する作業依頼情報に基づいて、当該商品に係る作業内容を登録し、当該作業内容に基づいて行われた当該商品の作業に係る作業結果を登録し、荷主P1から受信する出荷依頼に基づいて行われた商品の出荷に係る出荷結果を登録する、ための処理を実行するように構成されている。これにより、商品の入荷から加工を経て出荷するまでの一連の業務処理を管理することが可能になる。
【0122】
上記構成において、当該商品の所有者は荷主P1であり、当該少なくとも一つのプロセッサは、当該商品が入荷されてから出荷されるまでの間において、当該商品の状況を荷主P1に報告するための報告情報を生成してもよい。この場合に、当該少なくとも一つのプロセッサは、当該入荷情報に基づいて、荷主P1に送信する入荷結果報告情報を生成してもよい。また、当該少なくとも一つのプロセッサは、当該作業結果に当該商品の不良率を含め、荷主P1に送信する作業結果報告情報を生成してもよい。更に、当該少なくとも一つのプロセッサは、当該出荷結果に当該商品の出荷に係る費用を含め、荷主P1に送信する出荷結果報告情報を生成してもよい。そして、当該少なくとも一つのプロセッサは、当該商品の出荷に係る資材費用を当該費用に含めて当該出荷結果報告情報を生成してもよい。
【0123】
上記構成において、当該少なくとも一つのプロセッサは、当該作業結果に基づいて、当該商品に係る在庫情報の更新を行ってもよい。この場合に、当該商品に係る在庫情報は、複数の商品を梱包した梱包単位の情報を含んでもよい。
【0124】
上記構成において、当該少なくとも一つのプロセッサは、当該商品が保管されている保管場所から、当該商品の引き取り依頼を行うための浜取処理を実行してもよい。
【0125】
上記構成において、当該作業内容は、複数の商品を梱包する加工処理、及び複数の商品が梱包された梱包品を解体するバラシ処理を含んでもよい。
【0126】
本開示の実施態様に係る処理プログラムは、少なくとも一つのプロセッサを具備するコンピュータにおいて当該少なくとも一つのプロセッサを、荷主P1から受信する荷割情報に基づいて、荷主P1から荷割された商品の荷割情報を登録し、当該荷割に基づいて実際に入荷した当該商品に係る入荷情報を登録し、荷主P1から受信する作業依頼情報に基づいて、当該商品に係る作業内容を登録し、当該作業内容に基づいて行われた当該商品の作業に係る作業結果を登録し、荷主P1から受信する出荷依頼に基づいて行われた商品の出荷に係る出荷結果を登録する、ように機能させる。これにより、商品の入荷から加工を経て出荷するまでの一連の業務処理を管理することが可能になる。
【0127】
本開示の実施態様に係る処理方法は、少なくとも一つのプロセッサを具備するコンピュータにおいて当該少なくとも一つのプロセッサにより実行される処理方法であって、荷主P1から受信する荷割情報に基づいて、荷主P1から荷割された商品の荷割情報を登録する段階と、当該荷割に基づいて実際に入荷した当該商品に係る入荷情報を登録し、荷主P1から受信する作業依頼情報に基づいて、当該商品に係る作業内容を登録する段階と、当該作業内容に基づいて行われた当該商品の作業に係る作業結果を登録し、荷主P1から受信する出荷依頼に基づいて行われた当該商品の出荷に係る出荷結果を登録する段階と、を含む。これにより、商品の入荷から加工を経て出荷するまでの一連の業務処理を管理することが可能になる。
【符号の説明】
【0128】
100 加工業者端末装置(端末装置)
100-1 加工業者端末装置(営業端末)
100-2 加工業者端末装置(ロジ端末)
200 サーバ装置
300 荷主端末装置
図1
図2
図3
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図5
図6A
図6B
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図6D
図6E
図7
図8
図9A
図9B
図9C
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図10B
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図11B
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図14