(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025105566
(43)【公開日】2025-07-10
(54)【発明の名称】レジスト組成物及びレジストパターンの製造方法
(51)【国際特許分類】
G03F 7/004 20060101AFI20250703BHJP
G03F 7/038 20060101ALI20250703BHJP
G03F 7/039 20060101ALI20250703BHJP
C07D 303/16 20060101ALI20250703BHJP
C07D 303/28 20060101ALI20250703BHJP
G03F 7/20 20060101ALI20250703BHJP
C07D 333/76 20060101ALN20250703BHJP
【FI】
G03F7/004 501
G03F7/004 503A
G03F7/038 601
G03F7/039 601
C07D303/16
C07D303/28
G03F7/20 521
C07D333/76
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024229791
(22)【出願日】2024-12-26
(31)【優先権主張番号】P 2023222834
(32)【優先日】2023-12-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000002093
【氏名又は名称】住友化学株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000202
【氏名又は名称】弁理士法人新樹グローバル・アイピー
(72)【発明者】
【氏名】加藤 早紀
(72)【発明者】
【氏名】吉岡 謙
(72)【発明者】
【氏名】市川 幸司
【テーマコード(参考)】
2H197
2H225
【Fターム(参考)】
2H197AA12
2H197CA06
2H197CA08
2H197CA09
2H197CA10
2H197CE01
2H197CE10
2H197GA01
2H197HA03
2H197JA22
2H225AE06P
2H225AE07P
2H225AF11P
2H225AF16P
2H225AF23P
2H225AF28P
2H225AF29P
2H225AF71P
2H225AF75P
2H225AF99P
2H225AH19
2H225AJ13
2H225AJ48
2H225AL02
2H225AL12
2H225AM15P
2H225AM94P
2H225AM99P
2H225AN24P
2H225AN38P
2H225AN39P
2H225AN54P
2H225BA02P
2H225BA26P
2H225CA12
2H225CB18
2H225CC01
2H225CC15
2H225CD05
(57)【要約】
【課題】良好な解像度を有するレジストパターンを製造し得るレジスト組成物を提供することを目的とする。
【解決手段】式(I)で表される化合物と酸発生剤とを含み、かつ、酸不安定基を有する構造単位を含有する樹脂を含まないレジスト組成物。
[式中、L
1はI原子を有する炭化水素基を表し、該炭化水素基はヨウ素原子以外の置換基を有していてもよく、該基に含まれる-CH
2-は、-O-、-S-、-SO
2-又は-CO-に置き換わっていてもよい。R
1は、-R
10、-CO-R
10、-CO-O-R
10等を表す。R
2は-R
10、-OH、-O-R
10、-O-CO-R
10、-O-CO-O-R
10等を表す。R
10は式(IC)で表される基を表す。m2は1~7の整数を表す。R
Aは飽和炭化水素基を表す。u1は0~2の整数を表す。L
12は単結合又は置換/非置換の炭化水素基を表す。]
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)で表される化合物と酸発生剤とを含み、かつ、酸不安定基を有する構造単位を含有する樹脂を含まないレジスト組成物。
[式(I)中、
L
1は、ヨウ素原子を有する炭素数1~48の(m2+1)価の炭化水素基を表し、該炭化水素基は、ヨウ素原子以外の置換基を有していてもよく、該炭化水素基に含まれる-CH
2-は、-O-、-S-、-SO
2-又は-CO-に置き換わっていてもよい。
R
1は、*-R
10、*-CO-R
10、*-CO-O-R
10、*-L
2-CO-O-R
10又は*-CO-O-L
2-CO-O-R
10を表し、*は、-O-との結合部位を表す。
R
2は、*-R
10、*-OH、*-O-R
10、*-O-CO-R
10、*-O-CO-O-R
10、*-O-L
2-CO-O-R
10又は*-O-CO-O-L
2-CO-O-R
10を表し、*は、L
1との結合部位を表す。
L
2は、置換基を有してもよい炭素数1~6のアルカンジイル基を表し、2以上のL
2は互いに同一でも異なっていてもよい。
R
10は、式(IC)で表される基を表す。
m2は、1~7のいずれかの整数を表し、m2が2以上のとき、複数のR
2は、互いに同一でも異なっていてもよい。]
[式(IC)中、
R
Aは、炭素数1~12の飽和炭化水素基を表す。
u1は、0~2のいずれかの整数を表し、u1が2である場合、複数のR
Aは同一であるか、相異なる。
L
12は、単結合又は置換基を有していてもよい炭素数1~36の炭化水素基を表し、該炭化水素基に含まれる-CH
2-は、-O-、-S-、-CO-又は-SO
2-に置き換わっていてもよい。
*は、-O-又は-CO-との結合部位を表す。]
【請求項2】
L
1が、式(L1-A)で表される基である請求項1に記載のレジスト組成物。
[式(L1-A)中、
L
13A、L
13B、L
13C及び
13Dは、それぞれ独立に、単結合又は炭素数1~6のアルカンジイル基を表し、該アルカンジイル基に含まれる-CH
2-は、-O-、-S-、-SO
2-又は-CO-に置き換わってもよい。
W
1A及びW
1Bは、それぞれ独立に、炭素数3~18の環状炭化水素基を表す。
L
14A及びL
14Bは、それぞれ独立に、単結合、炭素数1~6のアルカンジイル基又は炭素数1~6のアルカンジイル基と炭素数5~18の環状炭化水素基を組み合わせた基を有し、該アルカンジイル基に含まれる-CH
2-は、-O-、-S-、-SO
2-又は-CO-に置き換わってもよく、該環状炭化水素基は、置換基を有してもよい。
L
15は、メチレン基、メタントリイル基又はメタンテトライル基を表す。
m20は、0~7のいずれかの整数を表し、m20が2以上のとき、2以上の括弧内の基は互いに同一でも異なっていてもよい。
m21は、0又は1を表し、1≦m20+m21を満たす。
m22は、0~3のいずれかの整数を表し、m22が2以上のとき、2以上の括弧内の基は互いに同一でも異なっていてもよい。
m23は、0~3のいずれかの整数を表し、m23が2以上のとき、2以上の括弧内の基は互いに同一でも異なっていてもよく、1≦m20+m22+m23≦7を満たす。
m24は、0~7のいずれかの整数を表し、m24が2以上のとき、2以上の括弧内の基は互いに同一でも異なっていてもよい。
R
3A及びR
3Bは、それぞれ独立に、ハロゲン原子又は炭素数1~3のアルキル基を表し、該アルキル基は、ハロゲン原子を有してもよく、該アルキル基に含まれる-CH
2-は、-O-、-S-、-SO
2-又は-CO-に置き換わってもよい。
m3A及びm3Bは、それぞれ独立に、0~3のいずれかの整数を表し、m3A及びm3Bの少なくとも1つは、1以上の整数であり、m3Aが2以上のとき、2以上のR
3Aは、互いに同一であっても異なっていてもよく、m3Bが2以上のとき、2以上のR
3Bは、互いに同一であっても異なっていてもよく、R
3A及びR
3Bの少なくとも1つは、ヨウ素原子である。
R
4は、炭素数1~6のアルキル基を表し、該アルキル基に含まれる-CH
2-は、-O-、-S-、-SO
2-又は-CO-に置き換わってもよい。
m4は、0~3のいずれかの整数を表し、m4が2以上のとき、2以上のR
4は、互いに同一であっても異なっていてもよく、1≦m22+m23+m4≦3を満たす。
式(L1-A)中、すべての基の炭素数の合計は、48を超えない。
*及び**は、それぞれ結合部位を表し、*は、酸素原子との結合部位を表し、**は、R
2との結合部位を表す。]
【請求項3】
前記酸発生剤が、式(B1-A3)で表される塩を含む請求項1に記載のレジスト組成物。
[式(B1-A3)中、
A
1は、窒素原子又は炭素原子を表す。
nb5は、2又は3を表し、nb5が2の場合、A
1が窒素原子を表し、nb5が3の場合、A
1が炭素原子を表す。
L
b2’は、単結合又は置換基を有してもよい炭素数1~24の炭化水素基を表し、該炭化水素基に含まれる-CH
2-は、-O-、-S-、-CO-又は-SO
2-で置き換わっていてもよい。
Y
b1’は、置換基を有してもよいメチル基又は置換基を有してもよい炭素数3~24の環状炭化水素基を表し、該環状炭化水素基に含まれる-CH
2-は、-O-、-S-、-CO-又は-SO
2-で置き換わっていてもよい。
2以上の括弧内の基は、互いに同一であっても異なっていてもよく、2つの括弧内の基が一緒になって環を形成してもよい。
Z1
+は、有機カチオンを表す。]
【請求項4】
(1)請求項1~3のいずれかに記載のレジスト組成物を基板上に塗布する工程、
(2)塗布後の組成物を乾燥させて組成物層を形成する工程、
(3)組成物層に露光する工程、
(4)露光後の組成物層を加熱する工程、及び
(5)加熱後の組成物層を現像する工程、
を含むレジストパターンの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レジスト組成物及び該レジスト組成物を用いるレジストパターンの製造方法等に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、下記化合物と酸発生剤を含むレジスト組成物が記載されている。
【0003】
特許文献2には、下記化合物と酸発生剤と酸不安定基を有する樹脂とを含むレジスト組成物が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008-020839号公報
【特許文献2】特開2022-173128号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記レジスト組成物から形成されたレジストパターンよりも、解像度が良好なレジストパターンを形成するレジスト組成物を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、以下の発明を含む。
[1]式(I)で表される化合物と、酸発生剤とを含み、かつ、酸不安定基を有する構造単位を含有する樹脂を含まないレジスト組成物。
[式(I)中、
L
1は、ヨウ素原子を有する炭素数1~48の(m2+1)価の炭化水素基を表し、該炭化水素基は、ヨウ素原子以外の置換基を有していてもよく、該炭化水素基に含まれる-CH
2-は、-O-、-S-、-SO
2-又は-CO-に置き換わっていてもよい。
R
1は、*-R
10、*-CO-R
10、*-CO-O-R
10、*-L
2-CO-O-R
10又は*-CO-O-L
2-CO-O-R
10を表し、*は、-O-との結合部位を表す。
R
2は、*-R
10、*-OH、*-O-R
10、*-O-CO-R
10、*-O-CO-O-R
10、*-O-L
2-CO-O-R
10又は*-O-CO-O-L
2-CO-O-R
10を表し、*は、L
1との結合部位を表す。
L
2は、置換基を有してもよい炭素数1~6のアルカンジイル基を表し、2以上のL
2は互いに同一でも異なっていてもよい。
R
10は、式(IC)で表される基を表す。
m2は、1~7のいずれかの整数を表し、m2が2以上のとき、複数のR
2は、互いに同一でも異なっていてもよい。]
[式(IC)中、
R
Aは、炭素数1~12の飽和炭化水素基を表す。
u1は、0~2のいずれかの整数を表し、u1が2である場合、複数のR
Aは同一であるか、相異なる。
L
12は、単結合又は置換基を有していてもよい炭素数1~36の炭化水素基を表し、該炭化水素基に含まれる-CH
2-は、-O-、-S-、-CO-又は-SO
2-に置き換わっていてもよい。
*は、-O-又は-CO-との結合部位を表す。]
[2]L
1が、式(L1-A)で表される基である[1]に記載のレジスト組成物。
[式(L1-A)中、
L
13A、L
13B、L
13C及び
13Dは、それぞれ独立に、単結合又は炭素数1~6のアルカンジイル基を表し、該アルカンジイル基に含まれる-CH
2-は、-O-、-S-、-SO
2-又は-CO-に置き換わってもよい。
W
1A及びW
1Bは、それぞれ独立に、炭素数3~18の環状炭化水素基を表す。
L
14A及びL
14Bは、それぞれ独立に、単結合、炭素数1~6のアルカンジイル基又は炭素数1~6のアルカンジイル基と炭素数5~18の環状炭化水素基を組み合わせた基を有し、該アルカンジイル基に含まれる-CH
2-は、-O-、-S-、-SO
2-又は-CO-に置き換わってもよく、該環状炭化水素基は、置換基を有してもよい。
L
15は、メチレン基、メタントリイル基又はメタンテトライル基を表す。
m20は、0~7のいずれかの整数を表し、m20が2以上のとき、2以上の括弧内の基は互いに同一でも異なっていてもよい。
m21は、0又は1を表し、1≦m20+m21を満たす。
m22は、0~3のいずれかの整数を表し、m22が2以上のとき、2以上の括弧内の基は互いに同一でも異なっていてもよい。
m23は、0~3のいずれかの整数を表し、m23が2以上のとき、2以上の括弧内の基は互いに同一でも異なっていてもよく、1≦m20+m22+m23≦7を満たす。
m24は、0~7のいずれかの整数を表し、m24が2以上のとき、2以上の括弧内の基は互いに同一でも異なっていてもよい。
R
3A及びR
3Bは、それぞれ独立に、ハロゲン原子又は炭素数1~3のアルキル基を表し、該アルキル基は、ハロゲン原子を有してもよく、該アルキル基に含まれる-CH
2-は、-O-、-S-、-SO
2-又は-CO-に置き換わってもよい。
m3A及びm3Bは、それぞれ独立に、0~3のいずれかの整数を表し、m3A及びm3Bの少なくとも1つは、1以上の整数であり、m3Aが2以上のとき、2以上のR
3Aは、互いに同一であっても異なっていてもよく、m3Bが2以上のとき、2以上のR
3Bは、互いに同一であっても異なっていてもよく、R
3A及びR
3Bの少なくとも1つは、ヨウ素原子である。
R
4は、炭素数1~6のアルキル基を表し、該アルキル基に含まれる-CH
2-は、-O-、-S-、-SO
2-又は-CO-に置き換わってもよい。
m4は、0~3のいずれかの整数を表し、m4が2以上のとき、2以上のR
4は、互いに同一であっても異なっていてもよく、1≦m22+m23+m4≦3を満たす。
式(L1-A)中、すべての基の炭素数の合計は、48を超えない。
*及び**は、それぞれ結合部位を表し、*は、酸素原子との結合部位を表し、**は、R
2との結合部位を表す。]
[3]前記酸発生剤が、式(B1-A3)で表される塩を含む[1]又は[2]に記載のレジスト組成物。
[式(B1-A3)中、
A
1は、窒素原子又は炭素原子を表す。
nb5は、2又は3を表し、nb5が2の場合、A
1が窒素原子を表し、nb5が3の場合、A
1が炭素原子を表す。
L
b2’は、単結合又は置換基を有してもよい炭素数1~24の炭化水素基を表し、該炭化水素基に含まれる-CH
2-は、-O-、-S-、-CO-又は-SO
2-で置き換わっていてもよい。
Y
b1’は、置換基を有してもよいメチル基又は置換基を有してもよい炭素数3~24の環状炭化水素基を表し、該環状炭化水素基に含まれる-CH
2-は、-O-、-S-、-CO-又は-SO
2-で置き換わっていてもよい。
2以上の括弧内の基は、互いに同一であっても異なっていてもよく、2つの括弧内の基が一緒になって環を形成してもよい。
Z1
+は、有機カチオンを表す。]
[4](1)[1]~[3]のいずれかに記載のレジスト組成物を基板上に塗布する工程、
(2)塗布後の組成物を乾燥させて組成物層を形成する工程、
(3)組成物層に露光する工程、
(4)露光後の組成物層を加熱する工程、及び
(5)加熱後の組成物層を現像する工程、
を含むレジストパターンの製造方法。
【発明の効果】
【0007】
本発明レジスト組成物を用いることにより、良好な解像度でレジストパターンを製造することができる。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本明細書において、「(メタ)アクリル系モノマー」とは、「アクリル系モノマー及びメタクリル系モノマーの少なくとも一種」を意味する。「(メタ)アクリレート」及び「(メタ)アクリル酸」等の表記も、同様の意味を表す。本明細書中に記載する基において、直鎖構造と分岐構造の両方をとり得るものについては、そのいずれでもよい。炭化水素基等に含まれる-CH2-が-O-、-S-、-CO-、-SO-、-NRX-(Xは任意の符号)又は-SO2-で置き換わる場合、各基において同様の例を適用するものとし、置き換わる前の炭素数を炭化水素基等の炭素数とする。「組み合わせた基」とは、例示した基を2種以上結合させた基を意味し、それら基の価数は結合形態によって適宜変更してもよい。「由来する」又は「誘導される」とは、その分子中に含まれる重合性C=C結合が重合により単結合(-C-C-基)となることを指す。立体異性体が存在する場合は、全ての立体異性体を含む。各基は、置換基の数等によって、その基に含まれる任意の位置及び数の水素原子が結合手に置き換わることがある。置換基における炭素数は、被置換基の炭素数には含めない。「酸不安定基」とは、酸(例えば、トリフルオロメタンスルホン酸等)と接触すると、脱離基が脱離し、親水性基(例えば、ヒドロキシ基又はカルボキシ基等)を形成する基を意味する。塩基不安定基とは、塩基(例えば、トリメチルアミン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド等)と接触すると、脱離基が脱離して、親水基(カルボキシ基又はヒドロキシ基等)を形成する基を意味する。
本明細書において、「レジスト組成物の固形分」とは、レジスト組成物の総量から、後述する溶剤(E)を除いた成分の合計を意味する。
【0009】
〔レジスト組成物〕
本発明のレジスト組成物は、式(I)で表される化合物(以下、「化合物(I)」という場合がある。)と、酸発生剤(以下、「酸発生剤(B)」という場合がある。)とを含み、かつ、酸不安定基を有する構造単位を含有する樹脂を含まない。
本発明のレジスト組成物は、塩基性化合物及び酸発生剤から発生する酸よりも酸性度の弱い酸を発生する塩等のクエンチャー(以下「クエンチャー(C)」という場合がある)を含有することが好ましく、溶剤(以下「溶剤(E)」という場合がある)を含有することが好ましい。
【0010】
<化合物(I)>
[式(I)中、全ての符号は、それぞれ前記と同じ意味を表す。]
【0011】
L1における(m2+1)価の炭化水素基としては、m2に応じて、2~8価の炭化水素基が挙げられる。例えば、脂肪族炭化水素基(アルカンジイル基、アルケンジイル基、アルキンジイル基等の直鎖状又は分岐状の鎖式炭化水素基及び単環式又は多環式の脂環式炭化水素基)、芳香族炭化水素基等が挙げられ、これらの基のうち2種以上を組み合わせた炭化水素基であってもよい。L1における炭化水素基に含まれる-CH2-は、-O-、-S-、-CO-又は-SO2-に置き換わっていてもよい。炭化水素基の炭素数は、1~42が好ましく、1~36がより好ましく、1~30がさらに好ましい。
【0012】
アルカンジイル基としては、メチレン基、エチレン基、プロパン-1,3-ジイル基、ブタン-1,4-ジイル基、ペンタン-1,5-ジイル基、ヘキサン-1,6-ジイル基、ヘプタン-1,7-ジイル基、オクタン-1,8-ジイル基、ノナン-1,9-ジイル基、デカン-1,10-ジイル基、ウンデカン-1,11-ジイル基、ドデカン-1,12-ジイル基等の直鎖状アルカンジイル基;
エタン-1,1-ジイル基、プロパン-1,1-ジイル基、プロパン-1,2-ジイル基、プロパン-2,2-ジイル基、ペンタン-2,4-ジイル基、2-メチルプロパン-1,3-ジイル基、2-メチルプロパン-1,2-ジイル基、ペンタン-1,4-ジイル基、2-メチルブタン-1,4-ジイル基等の分岐状アルカンジイル基が挙げられる。
アルケンジイル基としては、エテンジイル基、プロペンジイル基、イソプロペンジイル基、ブテンジイル基、イソブテンジイル基、tert-ブテンジイル基、ペンテンジイル基、ヘキセンジイル基、ヘプテンジイル基、オクテンジイル基、イソオクテンジイル基、ノネンジイル基が挙げられる。
アルキンジイル基としては、エチンジイル基、プロピンジイル基、イソプロピンジイル基、ブチンジイル基、イソブチンジイル基、tert-ブチンジイル基、ペンチンジイル基、ヘキシンジイル基、オクチンジイル基、ノニンジイル基等が挙げられる。
また、上述した基の水素原子の1つ以上を結合部位に置き換えた基等も挙げられる。
鎖式炭化水素基の炭素数は、好ましくは1~30であり、より好ましくは1~24であり、さらに好ましくは1~18であり、より一層好ましくは1~12であり、さらに一層好ましくは1~9であり、さらにより好ましくは1~6であり、さらにより一層好ましくは1~4であり、特に好ましくは1~3である。
【0013】
アルカンジイル基に含まれる-CH2-が、-O-、-S-、-CO-又は-SO2-に置き換わった基としては、ヒドロキシ基(メチル基中に含まれる-CH2-が、-O-に置き換わった基)、カルボキシ基(エチル基中に含まれる-CH2-CH2-が、-O-CO-に置き換わった基)、オキシ基(メチレン基中に含まれる-CH2-が、-O-に置き換わった基)、カルボニル基(メチレン基中に含まれる-CH2-が、-CO-に置き換わった基)、スルホニル基(メチレン基中に含まれる-CH2-が、-SO2-に置き換わった基)、チオール基(メチル基中に含まれる-CH2-が、-S-に置き換わった基)、アルコキシ基(アルキル基中に含まれる任意の位置の-CH2-が、-O-に置き換わった基)、アルキルチオ基(アルキル基中に含まれる任意の位置の-CH2-が、-S-に置き換わった基)、アルコキシカルボニル基(アルキル基中に含まれる任意の位置の-CH2-CH2-が、-O-CO-に置き換わった基)、アルキルカルボニル基(アルキル基中に含まれる任意の位置の-CH2-が、-CO-に置き換わった基)、アルキルスルホニル基(アルキル基中に含まれる任意の位置の-CH2-が、-SO2-に置き換わった基)、アルキルカルボニルオキシ基(アルキル基中に含まれる任意の位置の-CH2-CH2-が、-CO-O-に置き換わった基)、アルコキシカルボニルオキシ基(アルキル基中に含まれる任意の位置の-CH2-CH2-CH2-が、-O-CO-O-に置き換わった基)、アルカンジイルオキシ基(アルカンジイル基中に含まれる任意の位置の-CH2-が、-O-に置き換わった基)、アルカンジイルオキシカルボニル基(アルカンジイル基中に含まれる任意の位置の-CH2-CH2-が、-O-CO-に置き換わった基)、アルカンジイルカルボニル基(アルカンジイル基中に含まれる任意の位置の-CH2-が、-CO-に置き換わった基)、アルカンジイルカルボニルオキシ基(アルカンジイル基中に含まれる任意の位置の-CH2-CH2-が、-CO-O-に置き換わった基)、アルカンジイルチオ基(アルカンジイル基中に含まれる任意の位置の-CH2-が、-S-に置き換わった基)、アルカンジイルスルホニル基(アルカンジイル基中に含まれる任意の位置の-CH2-が、-SO2-に置き換わった基)等が挙げられる。
アルコキシ基としては、炭素数1~47のアルコキシ基が挙げられ、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、オクチルオキシ基、2-エチルヘキシルオキシ基、ノニルオキシ基、デシルオキシ基、ウンデシルオキシ基等が挙げられる。アルコキシ基の炭素数は、1~35であってもよく、好ましくは1~11であり、より好ましくは1~6であり、さらに好ましくは1~4であり、さらにより好ましくは1~3である。
アルキルチオ基としては、炭素数1~47のアルキルチオ基が挙げられ、例えば、メチルチオ基、エチルチオ基、プロピルチオ基、ブチルチオ基等が挙げられる。アルキルチオ基の炭素数は、1~35であってもよく、好ましくは1~11であり、より好ましくは1~6であり、さらに好ましくは1~4であり、さらにより好ましくは1~3である。
アルコキシカルボニル基としては、炭素数2~47のアルコキシカルボニル基が挙げられ、例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、ブトキシカルボニル基等が挙げられる。アルコキシカルボニル基の炭素数は、2~35であってもよく、好ましくは2~11であり、より好ましくは2~6であり、さらに好ましくは2~4であり、さらにより好ましくは2又は3である。
アルキルカルボニル基としては、炭素数2~48のアルキルカルボニル基が挙げられ、例えば、アセチル基、プロピオニル基及びブチリル基等が挙げられる。アルキルカルボニル基の炭素数は、2~36であってもよく、好ましくは2~12であり、より好ましくは2~6であり、さらに好ましくは2~4であり、さらにより好ましくは2又は3である。
アルキルカルボニルオキシ基としては、炭素数2~47のアルキルカルボニルオキシ基が挙げられ、例えば、アセチルオキシ基、プロピオニルオキシ基、ブチリルオキシ基等が挙げられる。アルコキシカルボニルオキシ基としては、炭素数2~46のアルコキシカルボニルオキシ基が挙げられ、例えば、ブトキシカルボニルオキシ基等が挙げられる。アルキルカルボニルオキシ基の炭素数は、2~35であってもよく、好ましくは2~11であり、より好ましくは2~6であり、さらに好ましくは2~4であり、さらにより好ましくは2又は3である。アルコキシカルボニルオキシ基の炭素数は、2~34であってもよく、好ましくは2~10であり、より好ましくは2~6であり、さらに好ましくは2~4であり、さらにより好ましくは2又は3である。
アルキルスルホニル基としては、炭素数1~47のアルキルスルホニル基が挙げられ、例えば、メチルスルホニル基、エチルスルホニル基、プロピルスルホニル基等が挙げられる。アルキルスルホニル基の炭素数は、1~35であってもよく、好ましくは1~11であり、より好ましくは1~6であり、さらに好ましくは1~4であり、さらにより好ましくは1~3である。
アルカンジイルオキシ基としては、炭素数1~47のアルカンジイルオキシ基が挙げられ、例えば、メチレンオキシ基、エチレンオキシ基、プロパンジイルオキシ基、ブタンジイルオキシ基、ペンタンジイルオキシ基、ヘキサンジイルオキシ基、オクタンジイルオキシ基、2-エチルヘキサンジイルオキシ基、ノナンジイルオキシ基、デカンジイルオキシ基、ウンデカンジイルオキシ基等が挙げられる。アルカンジイルオキシ基の炭素数は、1~35であってもよく、好ましくは1~17であり、より好ましくは1~12であり、さらに好ましくは1~8であり、さらにより好ましくは1~5である。
アルカンジイルオキシカルボニル基としては、炭素数2~47のアルカンジイルオキシカルボニル基が挙げられ、例えば、メチレンオキシカルボニル基、エチレンオキシカルボニル基、プロパンジイルオキシカルボニル基、ブタンジイルオキシカルボニル基、ペンタンジイルオキシカルボニル基、ヘキサンジイルオキシカルボニル基、オクタンジイルオキシカルボニル基、2-エチルヘキサンジイルオキシカルボニル基、ノナンジイルオキシカルボニル基、デカンジイルオキシカルボニル基、ウンデカンジイルオキシカルボニル基等が挙げられる。アルカンジイルオキシカルボニル基の炭素数は、2~35であってもよく、好ましくは2~17であり、より好ましくは2~12であり、さらに好ましくは2~8であり、さらにより好ましくは2~5である。
アルカンジイルカルボニル基としては、炭素数2~48のアルカンジイルカルボニル基が挙げられ、例えば、メチレンカルボニル基、エチレンカルボニル基、プロパンジイルカルボニル基、ブタンジイルカルボニル基、ペンタンジイルカルボニル基、ヘキサンジイルカルボニル基、オクタンジイルカルボニル基、2-エチルヘキサンジイルカルボニル基、ノナンジイルカルボニル基、デカンジイルカルボニル基、ウンデカンジイルカルボニル基等が挙げられる。アルカンジイルカルボニル基の炭素数は、2~36であってもよく、好ましくは2~18であり、より好ましくは2~12であり、さらに好ましくは2~8であり、さらにより好ましくは2~5である。
アルカンジイルカルボニルオキシ基としては、炭素数2~47のアルカンジイルカルボニルオキシ基が挙げられ、例えば、メチレンカルボニルオキシ基、エチレンカルボニルオキシ基、プロパンジイルカルボニルオキシ基、ブタンジイルカルボニルオキシ基、ペンタンジイルカルボニルオキシ基、ヘキサンジイルカルボニルオキシ基、オクタンジイルカルボニルオキシ基、2-エチルヘキサンジイルカルボニルオキシ基、ノナンジイルカルボニルオキシ基、デカンジイルカルボニルオキシ基、ウンデカンジイルカルボニルオキシ基等が挙げられる。アルカンジイルカルボニルオキシ基の炭素数は、2~35であってもよく、好ましくは2~17であり、より好ましくは2~12であり、さらに好ましくは2~8であり、さらにより好ましくは2~5である。
アルカンジイルチオ基としては、炭素数1~47のアルカンジイルチオ基が挙げられ、メチレンチオ基、エチレンチオ基、プロパンジイルチオ基、ブタンジイルチオ基、ペンタンジイルチオ基、ヘキサンジイルチオ基、ヘプタンジイルチオ基、オクタンジイルチオ基、ノナンジイルチオ基、デカンジイルチオ基、ウンデカンジイルチオ基、ドデカンジイルチオ基、2-メチルプロパンジイルチオ基等が挙げられる。アルカンジイルチオ基の炭素数は、1~35であってもよく、好ましくは1~17であり、より好ましくは1~12であり、さらに好ましくは1~8であり、さらにより好ましくは1~5である。
アルカンジイルスルホニル基としては、炭素数1~47のアルカンジイルスルホニル基が挙げられ、例えば、メチレンスルホニル基、エチレンスルホニル基、プロピレンスルホニル基等が挙げられる。アルカンジイルスルホニル基の炭素数は、1~35であってもよく、好ましくは1~17であり、より好ましくは1~12であり、さらに好ましくは1~8であり、さらにより好ましくは1~5である。
また、上述した基の水素原子の1つ以上を結合部位に置き換えた基等も挙げられる。
なお、アルケンジイル基、アルキンジイル基における置き換わりは、上述したアルカンジイル基における置き換わりの例示において、任意の位置に炭素-炭素二重結合又は炭素-炭素三重結合を含むものとすることができる。
【0014】
単環式の脂環式炭化水素基としては、シクロブタン-1,3-ジイル基、シクロペンタン-1,3-ジイル基、シクロヘキサン-1,4-ジイル基、シクロヘキセン-3,6-ジイル基、シクロオクタン-1,5-ジイル基等の単環式シクロアルカンジイル基等、多環式の脂環式炭化水素基としては、ノルボルナン-1,4-ジイル基、ノルボルナン-2,5-ジイル基、5-ノルボルネン-2,3-ジイル基、アダマンタン-1,5-ジイル基、アダマンタン-2,6-ジイル基等の多環式シクロアルカンジイル基、スピロシクロヘキサン-1,2’-シクロペンタン基、スピロアダマンタン-2,3’-シクロペンタン基等のシクロアルキル基、ノルボニル基もしくはアダマンチル基とそれぞれにスピロで結合したシクロアルキル基を有するスピロ環等が挙げられ、例えば、以下の基等が挙げられる。結合部位は任意の位置とすることができる。
また、上述した基の水素原子の1つ以上を結合部位に置き換えた基等も挙げられる。
脂環式炭化水素基の炭素数は、好ましくは3~30であり、より好ましくは3~24であり、さらに好ましくは3~18であり、より一層好ましくは3~16であり、さらに一層好ましくは3~12である。
また、脂環式炭化水素基に含まれる-CH
2-が、-O-、-S-、-CO-又は-SO
2-で置き換わった基としては、エーテル環構造、ケトン環構造、ラクトン環構造、スルトン環構造、アセタール環構造を形成していてもよく、以下に表される基及び以下に表される基の-O-が-S-に置き換わった基等が挙げられる。結合部位は任意の位置とすることができる。
【0015】
芳香族炭化水素基としては、フェニレン基、ナフチレン基、アントリレン基、ビフェニレン基、フェナントリレン基等が挙げられる。
また、上述した基の水素原子の1つ以上を結合部位に置き換えた基等も挙げられる。
芳香族炭化水素基の炭素数は、好ましくは6~30であり、より好ましくは6~24であり、さらに好ましくは6~18であり、より一層好ましくは6~14であり、さらに一層好ましくは6~10である。
脂環式炭化水素基と芳香族炭化水素基とを組み合わせた基に含まれる-CH
2-が、-O-、-S-、-CO-又は-SO
2-で置き換わった基としては、以下の基等も挙げられる。結合部位は任意の位置とすることができる。
炭化水素基に含まれる-CH
2-が、-O-、-S-、-CO-又は-SO
2-で置き換わっている場合、置き換わる前の炭素数を該炭化水素基の総炭素数とする。また、その数は、1つでもよいし、2つ以上でもよい。
2種以上を組み合わせた炭化水素基としては、鎖式炭化水素基と脂環式炭化水素基及び/又は芳香族炭化水素基とを組み合わせた基等が挙げられ、組み合わせにおいて、脂環式炭化水素基、芳香族炭化水素基、鎖式炭化水素基は、それぞれ2種以上を組み合わせてもよい。例えば、-脂環式炭化水素基-鎖式炭化水素基-、-鎖式炭化水素基-脂環式炭化水素基-、-鎖式炭化水素基-脂環式炭化水素基-鎖式炭化水素基-、-鎖式炭化水素基-芳香族炭化水素基-、-芳香族炭化水素基-鎖式炭化水素基-等が挙げられる。いずれの基が酸素原子又はR
2に結合していてもよい。
【0016】
L1の炭化水素基が有するヨウ素原子以外の置換基としては、ヨウ素原子以外のハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基等が挙げられる。
ヨウ素原子以外のハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子が挙げられる。
L1の炭化水素基に含まれる-CH2-が-O-、-CO-、-S-又は-SO2-等に置き換わった基により、L1は、実質的に、ヒドロキシ基、カルボキシ基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アルキルカルボニル基、アルキルカルボニルオキシ基、チオール基、アルキルチオ基、アルキルスルホニル基等の置換基を有することができる。
L1における炭化水素基は、1つの置換基又は複数の置換基を有していてもよい。
【0017】
L1は、炭素数1~12の鎖式炭化水素基(該鎖式炭化水素基に含まれる-CH2-は、-O-、-S-、-SO2-又は-CO-に置き換わっていてもよい。)、炭素数3~24の環状炭化水素基(該環状炭化水素基に含まれる-CH2-は、-O-、-S-、-SO2-又は-CO-に置き換わっていてもよい。)又は炭素数1~12の鎖式炭化水素基と炭素数3~24の環状炭化水素基を組み合わせた基(該鎖式炭化水素基及び該環状炭化水素基に含まれる-CH2-は、-O-、-S-、-SO2-又は-CO-に置き換わっていてもよい。)であることが好ましく、炭素数1~6の鎖式炭化水素基(該鎖式炭化水素基に含まれる-CH2-は、-O-、-S-、-SO2-又は-CO-に置き換わっていてもよい。)、炭素数3~18の環状炭化水素基(該環状炭化水素基に含まれる-CH2-は、-O-、-S-、-SO2-又は-CO-に置き換わっていてもよい。)又は炭素数1~6の鎖式炭化水素基と炭素数3~18の環状炭化水素基を組み合わせた基(該鎖式炭化水素基及び該環状炭化水素基に含まれる-CH2-は、-O-、-S-、-SO2-又は-CO-に置き換わっていてもよい。)であることがより好ましく、炭素数1~6の鎖式炭化水素基と炭素数6~18の芳香族炭化水素基を組み合わせた基(該鎖式炭化水素基に含まれる-CH2-は、-O-、-S-、-SO2-又は-CO-に置き換わっていてもよい。)であることがさらに好ましい。
【0018】
L
1は、例えば、式(L1-A)で表される(m2+1)価の基を表す。
[式中、すべての符号は、上記と同じ意味を表す。]
L
13A、L
13B、L
13C及びL
13Dのアルカンジイル基は、炭素数の上限が許す範囲で、L
1の炭化水素基の説明に挙げられたアルカンジイル基と同様の基が挙げられる。
L
13A、L
13B、L
13C及びL
13Dは、それぞれ独立に、単結合又は炭素数1~5のアルカンジイル基(該アルカンジイル基に含まれる-CH
2-は、-O-又は-CO-に置き換わってもよい。)であることが好ましく、単結合、カルボニル基(-CO-)又は-炭素数1~4のアルカンジイル基-CO-**(**は、R
2との結合部位を表す。)であることがより好ましい。
W
1A及びW
1Bの環状炭化水素基は、炭素数の上限が許す範囲で、L
1の炭化水素基の説明に挙げられた環状炭化水素基と同様の基が挙げられる。
W
1A及びW
1Bは、それぞれ独立に、炭素数5~18の環状炭化水素基であることが好ましく、シクロペンタン環、シクロヘキサン環、アダマンタン環及びベンゼン環から選択される1種の環から、それぞれ所望の数の水素原子を取り除いた基であることがより好ましい。
L
14A及びL
14Bのアルカンジイル基及びアルカンジイル基と環状炭化水素基を組み合わせた基は、炭素数の上限が許す範囲で、L
1の炭化水素基の説明に挙げられたアルカンジイル基及びアルカンジイル基と環状炭化水素基を組み合わせた基と同様の基が挙げられる。
L
14Aは、単結合、炭素数1~4のアルカンジイル基(該アルカンジイル基に含まれる-CH
2-は、-O-又は-CO-に置き換わってもよい。)又は炭素数1~4のアルカンジイル基(該アルカンジイル基に含まれる-CH
2-は、-O-又は-CO-に置き換わってもよい。)とフェニレン基とを組み合わせた基であることが好ましい。
L
14Bは、単結合又は炭素数1~4のアルカンジイル基(該アルカンジイル基に含まれる-CH
2-は、-O-又は-CO-に置き換わってもよい。)であることが好ましい。
R
3A及びR
3Bのハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子等が挙げられる。
R
3A及びR
3Bの炭素数1~3のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基等が挙げられる。
アルキル基に含まれる-CH
2-が、-O-、-S-、-SO
2-又は-CO-に置き換わった基としては、炭素数の上限が許す範囲で、L
1の炭化水素基の説明に挙げられた置き換わった基と同様の基が挙げられる。
R
3A及びR
3Bのハロゲン原子を有する炭素数1~3のアルキル基としては、炭素数1~3のフッ化アルキル基、炭素数1~3の塩化アルキル基、炭素数1~3の臭化アルキル基、炭素数1~3のヨウ化アルキル基等の炭素数1~3のハロアルキル基が挙げられる。ハロアルキル基としては、炭素数1~3のペルフルオロアルキル基(トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、ヘプタフルオロプロピル基等)、2,2,2-トリフルオロエチル基、3,3,3-トリフルオロプロピル基、クロロメチル基、ブロモメチル基、ヨードメチル基等が挙げられる。
R
3A及びR
3Bは、それぞれ独立に、フッ素原子、ヨウ素原子、炭素数1~3のフッ化アルキル基又は炭素数1~3のアルキル基(該アルキル基に含まれる-CH
2-は、-O-又は-CO-に置き換わってもよい。)であることが好ましく、1以上のR
3Aの少なくとも1つがヨウ素原子であることがより好ましく、2以上のR
3Aのうち2つのR
3Aがヨウ素原子であることがさらに好ましく、1以上のR
3Bの少なくとも1つがヨウ素原子であることが好ましく、2以上のR
3Bのうち2つのR
3Bがヨウ素原子であることがより好ましい。
m3A及びm3Bは、それぞれ独立に、1~3のいずれかの整数であることが好ましい。
m21が0のとき、m20は、1~5のいずれかの整数であることが好ましく、1~4のいずれかの整数であることがより好ましく、1~3のいずれかの整数であることがさらに好ましく、m3Aは、1~3のいずれかの整数であることが好ましく、1又は2であることがより好ましい。
m21が1のとき、m20は、0~3のいずれかの整数であることが好ましく、0~2のいずれかの整数であることがより好ましく、0又は1であることがさらに好ましく、m3Aは、1又は2であることが好ましく、m22+m23は、2又は3であることが好ましく、m24は、1~4のいずれかの整数であることが好ましく、1~3のいずれかの整数であることがより好ましく、1又は2であることがさらに好ましく、m3Bは、1又は2であることが好ましい。
m4は、0~2のいずれか整数であることが好ましい。
【0019】
R1及びR2におけるL2のアルカンジイル基としては、炭素数の上限が許す範囲で、L1のアルカンジイル基と同様の基が挙げられる。また、L2のアルカンジイル基の置換基としては、L1のアルカンジイル基等の置換基と同様の基が挙げられる。
R1及びR2におけるR10の式(IC)において、RAの飽和炭化水素基としては、アルキル基等の鎖式飽和炭化水素基、脂環式飽和炭化水素基及びこれらの2種以上を組み合わせた基が挙げられる。
RAのアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert-ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、ノニル基等のアルキル基が挙げられる。鎖式飽和炭化水素基の炭素数は、好ましくは1~9であり、より好ましくは1~6であり、さらに好ましくは1~4であり、さらにより好ましくは1~3である。
脂環式飽和炭化水素基は、単環式、多環式及びスピロ環のいずれでもよい。脂環式飽和炭化水素基としては、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロへキシル基、シクロオクチル基、シクロノニル基、シクロデシル基、シクロドデシル基等の単環式シクロアルキル基、ノルボルニル基、アダマンチル基等の多環式シクロアルキル基が挙げられる。脂環式飽和炭化水素基の炭素数は、好ましくは3~10であり、より好ましくは3~8であり、さらに好ましくは3~6である。
組み合わせた基は、上述したアルキル基等の鎖式飽和炭化水素基と脂環式飽和炭化水素基とを1つずつ組み合わせた基でも、いずれかを2以上又は双方を2以上組み合わせた基でもよい。
【0020】
式(IC)におけるL12の炭素数1~36の炭化水素基としては、脂肪族炭化水素基(アルカンジイル基、アルケンジイル基、アルキンジイル基等の鎖式炭化水素基及び単環式又は多環式の脂環式炭化水素基)、芳香族炭化水素基等が挙げられ、これらの基のうち2種以上を組み合わせた炭化水素基であってもよい。L12における炭化水素基に含まれる-CH2-は、-O-、-S-、-CO-又は-SO2-に置き換わっていてもよい。
アルカンジイル基としては、メチレン基、エチレン基、プロパン-1,3-ジイル基、ブタン-1,4-ジイル基、ペンタン-1,5-ジイル基、ヘキサン-1,6-ジイル基、ヘプタン-1,7-ジイル基、オクタン-1,8-ジイル基、ノナン-1,9-ジイル基、デカン-1,10-ジイル基、ウンデカン-1,11-ジイル基、ドデカン-1,12-ジイル基等の直鎖状アルカンジイル基;
エタン-1,1-ジイル基、プロパン-1,1-ジイル基、プロパン-1,2-ジイル基、プロパン-2,2-ジイル基、ペンタン-2,4-ジイル基、2-メチルプロパン-1,3-ジイル基、2-メチルプロパン-1,2-ジイル基、ペンタン-1,4-ジイル基、2-メチルブタン-1,4-ジイル基等の分岐状アルカンジイル基
が挙げられる。
アルケンジイル基としては、エテンジイル基、プロペンジイル基、イソプロペンジイル基、ブテンジイル基、イソブテンジイル基、tert-ブテンジイル基、ペンテンジイル基、ヘキセンジイル基、ヘプテンジイル基、オクテンジイル基、イソオクテンジイル基、ノネンジイル基が挙げられる。
アルキンジイル基としては、エチンジイル基、プロピンジイル基、イソプロピンジイル基、ブチンジイル基、イソブチンジイル基、tert-ブチンジイル基、ペンチンジイル基、ヘキシンジイル基、オクチンジイル基、ノニンジイル基等が挙げられる。
鎖式炭化水素基の炭素数は、好ましくは1~24であり、より好ましくは1~18であり、さらに好ましくは1~12であり、より一層好ましくは1~9であり、さらに一層好ましくは1~6であり、さらにより好ましくは1~4であり、さらにより一層好ましくは1~3である。
【0021】
アルカンジイル基に含まれる-CH2-が、-O-、-S-、-CO-又は-SO2-に置き換わった基としては、ヒドロキシ基(メチル基中に含まれる-CH2-が、-O-に置き換わった基)、カルボキシ基(エチル基中に含まれる-CH2-CH2-が、-O-CO-に置き換わった基)、チオール基(メチル基中に含まれる-CH2-が、-S-に置き換わった基)、アルコキシ基(アルキル基中に含まれる任意の位置の-CH2-が、-O-に置き換わった基)、アルキルチオ基(アルキル基中に含まれる任意の位置の-CH2-が、-S-に置き換わった基)、アルコキシカルボニル基(アルキル基中に含まれる任意の位置の-CH2-CH2-が、-O-CO-に置き換わった基)、アルキルカルボニル基(アルキル基中に含まれる任意の位置の-CH2-が、-CO-に置き換わった基)、アルキルスルホニル基(アルキル基中に含まれる任意の位置の-CH2-が、-SO2-に置き換わった基)、アルキルカルボニルオキシ基(アルキル基中に含まれる任意の位置の-CH2-CH2-が、-CO-O-に置き換わった基)、アルコキシカルボニルオキシ基(アルキル基中に含まれる任意の位置の-CH2-CH2-CH2-が、-O-CO-O-に置き換わった基)、オキシ基(メチレン基中に含まれる-CH2-が、-O-に置き換わった基)、カルボニル基(メチレン基中に含まれる-CH2-が、-CO-に置き換わった基)、チオ基(メチレン基中に含まれる-CH2-が、-S-に置き換わった基)、スルホニル基(メチレン基中に含まれる-CH2-が、-SO2-に置き換わった基)、アルカンジイルオキシ基(アルカンジイル基中に含まれる任意の位置の-CH2-が、-O-に置き換わった基)、アルカンジイルオキシカルボニル基(アルカンジイル基中に含まれる任意の位置の-CH2-CH2-が、-O-CO-に置き換わった基)、アルカンジイルカルボニル基(アルカンジイル基中に含まれる任意の位置の-CH2-が、-CO-に置き換わった基)、アルカンジイルカルボニルオキシ基(アルカンジイル基中に含まれる任意の位置の-CH2-CH2-が、-CO-O-に置き換わった基)、アルカンジイルチオ基(アルカンジイル基中に含まれる任意の位置の-CH2-が、-S-に置き換わった基)、アルカンジイルスルホニル基(アルカンジイル基中に含まれる任意の位置の-CH2-が、-SO2-に置き換わった基)等が挙げられる。
アルコキシ基としては、炭素数1~35のアルコキシ基が挙げられ、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、オクチルオキシ基、2-エチルヘキシルオキシ基、ノニルオキシ基、デシルオキシ基、ウンデシルオキシ基等が挙げられる。アルコキシ基の炭素数は、好ましくは1~11であり、より好ましくは1~6であり、さらに好ましくは1~4であり、さらにより好ましくは1~3である。
アルキルチオ基としては、炭素数1~35のアルキルチオ基が挙げられ、例えば、メチルチオ基、エチルチオ基、プロピルチオ基、ブチルチオ基等が挙げられる。アルキルチオ基の炭素数は、好ましくは1~11であり、より好ましくは1~6であり、さらに好ましくは1~4であり、さらにより好ましくは1~3である。
アルコキシカルボニル基としては、炭素数2~35のアルコキシカルボニル基が挙げられ、例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、ブトキシカルボニル基等が挙げられる。アルキルカルボニル基としては、炭素数2~36のアルキルカルボニル基が挙げられ、例えば、アセチル基、プロピオニル基及びブチリル基等が挙げられる。アルキルカルボニルオキシ基としては、炭素数2~35のアルキルカルボニルオキシ基が挙げられ、例えば、アセチルオキシ基、プロピオニルオキシ基、ブチリルオキシ基等が挙げられる。アルコキシカルボニルオキシ基としては、炭素数2~34のアルコキシカルボニルオキシ基が挙げられ、例えば、ブトキシカルボニルオキシ基等が挙げられる。アルコキシカルボニル基の炭素数は、好ましくは2~11であり、より好ましくは2~6であり、さらに好ましくは2~4であり、さらにより好ましくは2又は3である。アルキルカルボニル基の炭素数は、好ましくは2~12であり、より好ましくは2~6であり、さらに好ましくは2~4であり、さらにより好ましくは2又は3である。アルキルカルボニルオキシ基の炭素数は、好ましくは2~11であり、より好ましくは2~6であり、さらに好ましくは2~4であり、さらにより好ましくは2又は3である。アルコキシカルボニルオキシ基の炭素数は、2~11であってもよく、好ましくは2~8であり、より好ましくは2~6であり、さらに好ましくは2~4であり、さらにより好ましくは2又は3である。
アルキルスルホニル基としては、炭素数1~35のアルキルスルホニル基が挙げられ、例えば、メチルスルホニル基、エチルスルホニル基、プロピルスルホニル基等が挙げられる。アルキルスルホニル基の炭素数は、好ましくは1~11であり、より好ましくは1~6であり、さらに好ましくは1~4であり、さらにより好ましくは1~3である。
アルカンジイルオキシ基としては、炭素数1~35のアルカンジイルオキシ基が挙げられ、例えば、メチレンオキシ基、エチレンオキシ基、プロパンジイルオキシ基、ブタンジイルオキシ基、ペンタンジイルオキシ基、ヘキサンジイルオキシ基、オクタンジイルオキシ基、2-エチルヘキサンジイルオキシ基、ノナンジイルオキシ基、デカンジイルオキシ基、ウンデカンジイルオキシ基等が挙げられる。アルカンジイルオキシ基の炭素数は、好ましくは1~11であり、より好ましくは1~6であり、さらに好ましくは1~4であり、さらにより好ましくは1~3である。
アルカンジイルオキシカルボニル基としては、炭素数2~35のアルカンジイルオキシカルボニル基が挙げられ、例えば、メチレンオキシカルボニル基、エチレンオキシカルボニル基、プロパンジイルオキシカルボニル基、ブタンジイルオキシカルボニル基、ペンタンジイルオキシカルボニル基、ヘキサンジイルオキシカルボニル基、オクタンジイルオキシカルボニル基、2-エチルヘキサンジイルオキシカルボニル基、ノナンジイルオキシカルボニル基、デカンジイルオキシカルボニル基、ウンデカンジイルオキシカルボニル基等が挙げられる。アルカンジイルオキシカルボニル基の炭素数は、好ましくは2~11であり、より好ましくは2~6であり、さらに好ましくは2~4であり、さらにより好ましくは2又は3である。
アルカンジイルカルボニル基としては、炭素数2~36のアルカンジイルカルボニル基が挙げられ、例えば、メチレンカルボニル基、エチレンカルボニル基、プロパンジイルカルボニル基、ブタンジイルカルボニル基、ペンタンジイルカルボニル基、ヘキサンジイルカルボニル基、オクタンジイルカルボニル基、2-エチルヘキサンジイルカルボニル基、ノナンジイルカルボニル基、デカンジイルカルボニル基、ウンデカンジイルカルボニル基等が挙げられる。アルカンジイルカルボニル基の炭素数は、好ましくは2~12であり、より好ましくは2~6であり、さらに好ましくは2~4であり、さらにより好ましくは2又は3である。
アルカンジイルカルボニルオキシ基としては、炭素数2~35のアルカンジイルカルボニルオキシ基が挙げられ、例えば、メチレンカルボニルオキシ基、エチレンカルボニルオキシ基、プロパンジイルカルボニルオキシ基、ブタンジイルカルボニルオキシ基、ペンタンジイルカルボニルオキシ基、ヘキサンジイルカルボニルオキシ基、オクタンジイルカルボニルオキシ基、2-エチルヘキサンジイルカルボニルオキシ基、ノナンジイルカルボニルオキシ基、デカンジイルカルボニルオキシ基、ウンデカンジイルカルボニルオキシ基等が挙げられる。アルカンジイルカルボニルオキシ基の炭素数は、好ましくは2~11であり、より好ましくは2~6であり、さらに好ましくは2~4であり、さらにより好ましくは2又は3である。
アルカンジイルチオ基としては、炭素数1~35のアルカンジイルチオ基が挙げられ、メチレンチオ基、エチレンチオ基、プロパンジイルチオ基、ブタンジイルチオ基、ペンタンジイルチオ基、ヘキサンジイルチオ基、ヘプタンジイルチオ基、オクタンジイルチオ基、ノナンジイルチオ基、デカンジイルチオ基、ウンデカンジイルチオ基、ドデカンジイルチオ基、2-メチルプロパンジイルチオ基等が挙げられる。アルカンジイルチオ基の炭素数は、好ましくは1~11であり、より好ましくは1~6であり、さらに好ましくは1~4であり、さらにより好ましくは1~3である。
アルカンジイルスルホニル基としては、炭素数1~35のアルカンジイルスルホニル基が挙げられ、例えば、メチレンスルホニル基、エチレンスルホニル基、プロピレンスルホニル基等が挙げられる。アルカンジイルスルホニル基の炭素数は、好ましくは1~11であり、より好ましくは1~6であり、さらに好ましくは1~4であり、さらにより好ましくは1~3である。
なお、アルケンジイル基、アルキンジイル基における置き換わりは、上述したアルカンジイル基における置き換わりの例示において、任意の位置に炭素-炭素二重結合又は炭素-炭素三重結合を含むものとすることができる。
【0022】
脂環式炭化水素基としては、単環式又は多環式のいずれでもよく、以下に表される基等が挙げられる。結合部位は任意の位置とすることができる。
具体的には、単環式の脂環式炭化水素基としては、シクロブタン-1,3-ジイル基、シクロペンタン-1,3-ジイル基、シクロヘキサン-1,4-ジイル基、シクロヘキセン-3,6-ジイル基、シクロオクタン-1,5-ジイル基等の単環式シクロアルカンジイル基等、多環式の脂環式炭化水素基としては、ノルボルナン-1,4-ジイル基、ノルボルナン-2,5-ジイル基、5-ノルボルネン-2,3-ジイル基、アダマンタン-1,5-ジイル基、アダマンタン-2,6-ジイル基等の多環式シクロアルカンジイル基等が挙げられる。
脂環式炭化水素基の炭素数は、好ましくは3~24であり、より好ましくは3~18であり、さらに好ましくは3~16であり、さらにより好ましくは3~12である。
また、脂環式炭化水素基に含まれる-CH
2-が、-O-、-S-、-CO-又は-SO
2-で置き換わった基としては、以下に表される基等が挙げられる。また、以下に表される基のうち、-O-が-S-、-CO-が-SO
2-にそれぞれ置き換わった基等も挙げられる。結合部位は任意の位置とすることができる。
芳香族炭化水素基としては、フェニレン基、ナフチレン基、アントリレン基、ビフェニレン基、フェナントリレン基等が挙げられる。芳香族炭化水素基の炭素数は、好ましくは6~24であり、より好ましくは6~18であり、さらに好ましくは6~14であり、さらにより好ましくは6~10である。
炭化水素基に含まれる-CH
2-が、-O-、-S-、-CO-又は-SO
2-で置き換わっている場合、置き換わる前の炭素数を該炭化水素基の総炭素数とする。また、その数は、1つでもよいし、2つ以上でもよい。
【0023】
2種以上の基を組み合わせた炭化水素基としては、アルカンジイル基等の鎖式炭化水素基と脂環式炭化水素基及び/又は芳香族炭化水素基とを組み合わせた基等が挙げられ、組み合わせにおいて、脂環式炭化水素基、芳香族炭化水素基、鎖式炭化水素基は、それぞれ2種以上を組み合わせてもよい。例えば、-脂環式炭化水素基-アルカンジイル基-、-アルカンジイル基-脂環式炭化水素基-、-アルカンジイル基-脂環式炭化水素基-アルカンジイル基-、-アルカンジイル基-芳香族炭化水素基-、-芳香族炭化水素基-アルカンジイル基-等が挙げられる。いずれの基が酸素原子に結合していてもよい。
【0024】
L12の炭化水素基が有する置換基としては、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基等が挙げられる。
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子等が挙げられる。
L12の炭化水素基に含まれる-CH2-が-O-又は-CO-等に置き換わった基により、L12は、実質的に、ヒドロキシ基、カルボキシ基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アルキルカルボニル基、アルキルカルボニルオキシ基等の置換基を有することができる。
L12における炭化水素基は、1つの置換基又は複数の置換基を有していてもよい。
【0025】
L12は、単結合、炭素数1~8の鎖式炭化水素基(該鎖式炭化水素基に含まれる-CH2-は、-O-、-S-、-SO2-又は-CO-に置き換わっていてもよい。)、炭素数3~18の脂環式炭化水素基(該脂環式炭化水素基に含まれる-CH2-は、-O-、-S-、-SO2-又は-CO-に置き換わっていてもよい。)又は炭素数1~8の鎖式炭化水素基と炭素数3~18の脂環式炭化水素基を組み合わせた基(該鎖式炭化水素基及び該脂環式炭化水素基に含まれる-CH2-は、-O-、-S-、-SO2-又は-CO-に置き換わっていてもよい。)であることが好ましく、炭素数1~6のアルカンジイル基又は炭素数1~6のアルカンジイル基と炭素数3~12の脂環式炭化水素基を組み合わせた基(該アルカンジイル基及び該脂環式炭化水素基に含まれる-CH2-は、-O-、-S-、-SO2-又は-CO-に置き換わっていてもよい。)であることがより好ましく、炭素数1~3のアルカンジイル基又は炭素数1~5のアルカンジイル基と炭素数3~12の脂環式炭化水素基を組み合わせた基(該アルカンジイル基及び該脂環式炭化水素基に含まれる-CH2-は、-O-又は-CO-に置き換わっていてもよい。)であることがさらに好ましく、メチレン基、-アダマンタンジイル基-O-CO-O-CH2-、-ノルボルナンラクトンジイル基-CO-O-CH2-又は-シクロヘキサンジイル基-O-CO-O-CH2-であることがさらにより好ましい。
【0026】
化合物(I)は、下記式で表される化合物が挙げられる。
【0027】
【0028】
化合物(I)は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
化合物(I)の含有率は、レジスト組成物の固形分量を基準に、10~95質量%が挙げられ、好ましくは20~90質量%、より好ましくは30~85質量%である。
化合物(I)は、種々の方法で合成可能であり、市場から入手できる化合物である。
【0029】
本発明のレジスト組成物は、化合物(I)以外に、ヨウ素原子を含まない化合物(I’)を含んでもよい。
[式(I’)中、
L
1’は、ヨウ素原子以外の置換基を有してもよい炭素数1~48の(m2+1)価の炭化水素基を表し、該炭化水素基に含まれる-CH
2-は、-O-、-S-、-SO
2-又は-CO-に置き換わっていてもよい。
R
1、R
2及びm2は、式(I)と同じ意味を表す。]
L
1’は、ヨウ素原子を有さない以外は、L
1と同じ基が挙げられる。L
1’は、式(L1-A)において、R
3A及びR
3Bが、ヨウ素原子ではない、炭化水素基であることが好ましい。
【0030】
化合物(I’)は、下記式で表される化合物が挙げられる。
【0031】
【0032】
【0033】
【0034】
【0035】
【0036】
【0037】
【0038】
化合物(I’)は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
化合物(I’)の含有率は、レジスト組成物の固形分量を基準に、1~50質量%が挙げられる。化合物(I)と化合物(I’)の含有率は、化合物(I)の含有率が大きいことが好ましく、化合物(I)と化合物(I’)の含有比は、20:1~5:1であることが好ましい。
化合物(I’)は、種々の方法で合成可能であり、市場から入手できる化合物である。
【0039】
本発明のレジスト組成物は、化合物(I)以外に、化合物(II)を含んでもよい。
[式(II)中、
L
3は、置換基を有してもよい炭素数1~48の(m4+1)価の炭化水素基を表し、該炭化水素基に含まれる-CH
2-は、-O-、-S-、-SO
2-又は-CO-に置き換わっていてもよい。
R
3は、*-R
11、*-CO-R
11、*-CO-O-R
11、*-L
4-CO-O-R
11又は*-CO-O-L
4-CO-O-R
11を表し、*は、-O-との結合部位を表す。
R
4は、*-R
11、*-OH、*-O-R
11、*-O-CO-R
11、*-O-CO-O-R
11、*-O-L
4-CO-O-R
11又は*-O-CO-O-L
4-CO-O-R
11を表し、*は、L
3との結合部位を表す。
m4は、0~7のいずれかの整数を表し、m4が2以上のとき、複数のR
4は互いに同一であっても異なってもよい。
L
4は、置換基を有してもよい炭素数1~6のアルカンジイル基を表す。
R
11は、式(IIC)で表される基を表す。]
[式(IIC)中、
R
Bは、炭素数1~12の飽和炭化水素基を表す。
u2は、0~2のいずれかの整数を表し、u2が2である場合、複数のR
Bは同一であるか、相異なる。
s1は、1又は2を表す。
t1は、0又は1を表す。但し、s1とt1との和は、2である。
L
32は、単結合又は置換基を有していてもよい炭素数1~36の炭化水素基を表し、該炭化水素基に含まれる-CH
2-は、-O-、-S-、-CO-又は-SO
2-に置き換わっていてもよい。
*は、-O-又は-CO-との結合部位を表す。]
【0040】
L3における(m4+1)価の炭化水素基としては、式(I)におけるL1の炭化水素基と同様の炭化水素基が挙げられる。
【0041】
L3は、炭素数1~12の鎖式炭化水素基(該鎖式炭化水素基に含まれる-CH2-は、-O-、-S-、-SO2-又は-CO-に置き換わっていてもよい。)、炭素数3~24の環状炭化水素基(該環状炭化水素基に含まれる-CH2-は、-O-、-S-、-SO2-又は-CO-に置き換わっていてもよい。)又は炭素数1~12の鎖式炭化水素基と炭素数3~24の環状炭化水素基を組み合わせた基(該鎖式炭化水素基及び該環状炭化水素基に含まれる-CH2-は、-O-、-S-、-SO2-又は-CO-に置き換わっていてもよい。)であることが好ましく、炭素数1~6の鎖式炭化水素基(該鎖式炭化水素基に含まれる-CH2-は、-O-、-S-、-SO2-又は-CO-に置き換わっていてもよい。)、炭素数3~18の環状炭化水素基(該環状炭化水素基に含まれる-CH2-は、-O-、-S-、-SO2-又は-CO-に置き換わっていてもよい。)又は炭素数1~6の鎖式炭化水素基と炭素数3~18の環状炭化水素基を組み合わせた基(該鎖式炭化水素基及び該環状炭化水素基に含まれる-CH2-は、-O-、-S-、-SO2-又は-CO-に置き換わっていてもよい。)であることがより好ましく、炭素数1~6の鎖式炭化水素基と炭素数6~18の芳香族炭化水素基を組み合わせた基(該鎖式炭化水素基に含まれる-CH2-は、-O-、-S-、-SO2-又は-CO-に置き換わっていてもよい。)であることがさらに好ましい。
また、L3は、式(L1-A)で表される基において、m3A及びm3Bが共に0であってよい炭化水素基が挙げられる。
【0042】
R3及びR4におけるL4のアルカンジイル基としては、炭素数の上限が許す範囲で、L1のアルカンジイル基と同様の基が挙げられる。また、L4のアルカンジイル基の置換基としては、L1のアルカンジイル基等の置換基と同様の基が挙げられる。
R3及びR4におけるR11の式(IIC)において、RBの飽和炭化水素基としては、RAの飽和炭化水素基と同様の基が挙げられる。
【0043】
L32の炭素数1~36の炭化水素基としては、式(IC)のL12の炭化水素基と同様の炭化水素基が挙げられる。
L32の炭化水素基が有する置換基としては、L12の炭化水素基が有する置換基と同様の基が挙げられる。
【0044】
L32は、単結合、炭素数1~8の鎖式炭化水素基(該鎖式炭化水素基に含まれる-CH2-は、-O-、-S-、-SO2-又は-CO-に置き換わっていてもよい。)、炭素数3~18の脂環式炭化水素基(該脂環式炭化水素基に含まれる-CH2-は、-O-、-S-、-SO2-又は-CO-に置き換わっていてもよい。)又は炭素数1~8の鎖式炭化水素基と炭素数3~18の脂環式炭化水素基を組み合わせた基(該鎖式炭化水素基及び該脂環式炭化水素基に含まれる-CH2-は、-O-、-S-、-SO2-又は-CO-に置き換わっていてもよい。)であることが好ましく、炭素数1~6のアルカンジイル基又は炭素数1~6のアルカンジイル基と炭素数3~12の脂環式炭化水素基を組み合わせた基(該アルカンジイル基及び該脂環式炭化水素基に含まれる-CH2-は、-O-、-S-、-SO2-又は-CO-に置き換わっていてもよい。)であることがより好ましく、炭素数1~3のアルカンジイル基又は炭素数1~5のアルカンジイル基と炭素数3~12の脂環式炭化水素基を組み合わせた基(該アルカンジイル基及び該脂環式炭化水素基に含まれる-CH2-は、-O-又は-CO-に置き換わっていてもよい。)であることがさらに好ましく、メチレン基、-アダマンタンジイル基-O-CO-O-CH2-、-ノルボルナンラクトンジイル基-CO-O-CH2-又は-シクロヘキサンジイル基-O-CO-O-CH2-であることがさらにより好ましい。
【0045】
化合物(II)は、下記式で表される化合物が挙げられる。
【0046】
【0047】
【0048】
【0049】
【0050】
【0051】
【0052】
【0053】
【0054】
【0055】
【0056】
化合物(II)は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
化合物(II)の含有率は、レジスト組成物の固形分量を基準に、1~50質量%が挙げられる。化合物(I)と化合物(II)の含有率は、化合物(I)の含有率が大きいことが好ましく、化合物(I)と化合物(II)の含有比は、20:1~5:1であることが好ましい。
化合物(II)は、種々の方法で合成可能であり、市場から入手できる化合物である。
【0057】
<酸発生剤(B)>
酸発生剤(B)は、非イオン系化合物又はイオン系化合物のいずれを用いてもよい。非イオン系化合物としては、スルホネートエステル類(例えば2-ニトロベンジルエステル、芳香族スルホネート、オキシムスルホネート、N-スルホニルオキシイミド、スルホニルオキシケトン、ジアゾナフトキノン 4-スルホネート)、スルホン類(例えばジスルホン、ケトスルホン、スルホニルジアゾメタン)等が挙げられる。イオン系化合物としては、オニウムカチオンを含むオニウム塩(例えばジアゾニウム塩、ホスホニウム塩、スルホニウム塩、ヨードニウム塩)が代表的である。オニウム塩のアニオンとしては、スルホン酸アニオン、ベンゼンスルホニルアニオン、スルホニルイミドアニオン、スルホニルメチドアニオン及びカルボン酸アニオン等が挙げられる。
【0058】
酸発生剤(B)としては、特開昭63-26653号、特開昭55-164824号、特開昭62-69263号、特開昭63-146038号、特開昭63-163452号、特開昭62-153853号、特開昭63-146029号、米国特許第3,779,778号、米国特許第3,849,137号、独国特許第3914407号、欧州特許第126,712号等に記載の放射線によって酸を発生する化合物を使用することができる。また、公知の方法で製造した化合物を使用してもよい。酸発生剤(B)は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、酸発生剤(B)は、酸不安定基を有する酸発生剤であってもよい。例えば、酸発生剤となる化合物又は樹脂が、酸不安定基となる部分構造を含んでいてもよく、酸不安定基は、本明細書で例示する基(1)又は基(2)を含むことが好ましい。
【0059】
酸発生剤(B)の好ましい一形態としては、スルホニルイミドアニオン又はスルホニルメチドアニオンを含む塩が挙げられ、式(B1-A3)で表されるスルホニルイミドアニオン又はスルホニルメチドアニオン(以下、アニオン部を「アニオン(B1-A3)」という場合がある。)を含む塩(以下、「塩(B1-A3)」又は「酸発生剤(B1-A3)」という場合がある。)である。
[式(B1-A3)中、全ての符号は、上記と同じ意味を表す。]
L
b2’の炭化水素基としては、1価の鎖式炭化水素基、1価の脂環式炭化水素基、1価の芳香族炭化水素基及びこれらの2つ以上の基を組み合わせた1価の基から1個の水素原子を取り除き、SO
2又はY
b1’と結合する2価の基が挙げられる。
炭化水素基の炭素数としては、1~20であることが好ましく、1~18であることがより好ましい。
鎖式炭化水素基としては、アルキル基又はアルケニル基から1個の水素原子を取り除いた基が挙げられる。アルキル基としては、直鎖状でも分岐状であってもよく、具体的には、メチル基、エチル基、n-プロピル基、iso-プロピル基、n-ブチル基、sec-ブチル基、iso-ブチル基、tert-ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタンデシル基、ヘプタデシル基等が挙げられる。アルケニル基としては、エテニル基、プロペニル基、イソプロペニル基、ブテニル基、イソブテニル基、tert-ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基、ヘプテニル基、オクテニル基、イソオクテニル基、ノネニル基が挙げられる。
鎖式炭化水素基の炭素数は、好ましくは1~20であり、より好ましくは1~18であり、さらに好ましくは1~16であり、より一層好ましくは1~12であり、さらに一層好ましくは1~9であり、さらにより好ましくは1~6であり、さらにより一層好ましくは1~4であり、特に好ましくは1~3である。
脂環式炭化水素基としては、単環式又は多環式のシクロアルキル基の1個の水素原子を取り除いた基が挙げられる。単環式のシクロアルキル基としては、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基等が挙げられる。
多環式のシクロアルキル基としては、架橋構造を有するシクロアルキル基、2つ以上の環が縮合したシクロアルキル基又は2つの環がスピロで結合したシクロアルキル基等が挙げられる。架橋構造を有するシクロアルキル基としては、ノルボルニル基、アダマンチル基等が挙げられる。2種以上の環が縮合したシクロアルキル基としては、ビシクロ〔4,4,0〕デカン基、ステロイド基(ステロイド骨格)等が挙げられる。また、2つの環がスピロで結合したシクロアルキル基としては、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、ノルボルニル基及びアダマンチル基から構成される群から選択される1種のシクロアルキル基と炭素数5~8のシクロアルキル基とがスピロで結合したスピロ環式シクロアルキル基等が挙げられる。また、脂環式炭化水素基に含まれる2つの炭素原子間は、二重結合が形成されていてもよい。
より具体的には、以下の式で表される脂環式炭化水素基が挙げられる。
脂環式炭化水素基が単環式のシクロアルキル基の場合、脂環式炭化水素基の炭素数は、3~20であることが好ましく、3~18であることがより好ましく、3~16であることがさらに好ましく、3~12であることがより一層好ましく、3~10であることがさらに一層好ましく、3~8であることがさらにより好ましい。脂環式炭化水素基が多環式のシクロアルキル基の場合、脂環式炭化水素基の炭素数は、6~20であることが好ましく、6~18であることがより好ましく、6~14であることがさらに好ましく、6~12であることがより一層好ましく、7~12であることがさらに一層好ましい。
芳香族炭化水素基としては、アリール基の1個の水素原子を取り除いた基が挙げられる。アリール基としては、フェニル基、ナフチル基、アントリル基、ビフェニル基、フルオレニル基等が挙げられる。
より具体的には、以下の式で表される芳香族炭化水素基が挙げられる。
芳香族炭化水素基の炭素数としては、4~20であることが好ましく、4~18であることがより好ましく、4~16であることがさらに好ましく、5~14であることがより一層好ましく、5~10であることがさらに一層好ましく、6~10であることがさらにより好ましい。
L
b2’の炭化水素基に含まれる-CH
2-が、-O-、-CO-、-S-又は-SO
2-に置き換わっている場合、置き換わる前の炭素数を該炭化水素基の炭素数とする。
L
b2’の炭化水素基のうち、鎖式炭化水素基に含まれる-CH
2-が、-O-、-CO-、-S-又は-SO
2-に置き換わった基としては、ヒドロキシ基(メチル基中に含まれる-CH
2-が、-O-に置き換わった基)、カルボキシ基(エチル基中に含まれる-CH
2-CH
2-が、-O-CO-に置き換わった基)、カルボニル基(メチレン基中に含まれる-CH
2-が、-CO-に置き換わった基)、オキシ基(メチレン基中に含まれる-CH
2-が、-O-に置き換わった基)、アルコキシ基(アルキル基中に含まれる任意の位置の-CH
2-が、-O-に置き換わった基)、アルコキシカルボニル基(アルキル基中に含まれる任意の位置の-CH
2-CH
2-が、-O-CO-に置き換わった基)、アルキルカルボニル基(アルキル基中に含まれる任意の位置の-CH
2-が、-CO-に置き換わった基)、アルキルカルボニルオキシ基(アルキル基中に含まれる任意の位置の-CH
2-CH
2-が、-CO-O-に置き換わった基)、アルカンジイルオキシ基(アルカンジイル基中に含まれる任意の位置の-CH
2-が、-O-に置き換わった基)、アルカンジイルオキシカルボニル基(アルカンジイル基中に含まれる任意の位置の-CH
2-CH
2-が、-O-CO-に置き換わった基)、アルカンジイルカルボニル基(アルカンジイル基中に含まれる任意の位置の-CH
2-が、-CO-に置き換わった基)、アルカンジイルカルボニルオキシ基(アルカンジイル基中に含まれる任意の位置の-CH
2-CH
2-が、-CO-O-に置き換わった基)等が挙げられる。これらの置き換わった基としては、炭素数の上限が許す範囲で、本明細書で例示したものと同様の基が挙げられる。
L
b2’の炭化水素基のうち、脂環式炭化水素基に含まれる-CH
2-が、-O-、-CO-、-S-又は-SO
2-に置き換わった基としては、環状エーテル、環状ケトン、環状エステル(ラクトン)、環状チオエーテル、環状アセタール、環状スルホン酸エステル(スルトン)等の構造を含む基等が挙げられる。具体的には、以下の式で表される脂環式炭化水素基が挙げられる。以下の式で挙げた脂環式炭化水素基の結合位置は、任意の位置とすることができる。
L
b2’の炭化水素基のうち、芳香族炭化水素基に含まれる-CH
2-は、-O-又は-S-に置き換わってもよく、-CH
2-が、-O-又は-S-に置き換わった基としては、それぞれフラン環又はチオフェン環に由来する基等が挙げられる。具体的には、以下の式で表される芳香族炭化水素基が挙げられる。
鎖式炭化水素基、脂環式炭化水素基及び芳香族炭化水素基の2種以上の基を組み合わせた基としては、上記の鎖式炭化水素基と上記の脂環式炭化水素基を組み合わせた基、上記の鎖式炭化水素基と上記の芳香族炭化水素基を組み合わせた基、上記の脂環式炭化水素基と上記の芳香族炭化水素基とを組み合わせた基、上記の鎖式炭化水素基と上記の脂環式炭化水素基と上記の芳香族炭化水素基を組み合わせた基が挙げられる。脂環式炭化水素基と芳香族炭化水素基を組み合わせた基としては、縮合環であってもよい。
脂環式炭化水素基と芳香族炭化水素基とを組み合わせた基に含まれる-CH
2-が、-O-、-S-、-CO-又は-SO
2-で置き換わった基としては、以下の基等も挙げられる。結合部位は任意の位置とすることができる。
L
b2’の炭化水素基が有してもよい置換基としては、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基等が挙げられる。ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられる。
L
b2’が、脂環式炭化水素基又は芳香族炭化水素基と鎖式炭化水素基とを組み合わせた基である場合、実質的に、該鎖式炭化水素基を脂環式炭化水素基又は芳香族炭化水素基が有する置換基とみなしてもよい。また、L
b2’の炭化水素基に含まれる鎖式炭化水素基の-CH
2-が、-O-、-CO-、-S-又は-SO
2-に置き換わることで、L
b2’の炭化水素基は、実質的に、ヒドロキシ基、カルボキシ基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アルキルカルボニル基、アルキルカルボニルオキシ基、チオール基、スルホニル基等の置換基を有することができる。
【0060】
Y
b1’の環状炭化水素基としては、脂環式炭化水素基、芳香族炭化水素基及び脂環式炭化水素基と芳香族炭化水素基とを組み合わせた基が挙げられる。
Y
b1’の脂環式炭化水素基及び芳香族炭化水素基は、それぞれ、L
b2’で例示した脂環式炭化水素基及び芳香族炭化水素基と同様のものが挙げられ、置換基を有さない場合は、1価の脂環式炭化水素基及び芳香族炭化水素基であってもよい。
Y
b1’のメチル基が有してもよい置換基としては、ハロゲン原子、シアノ基、ヒドロキシ基、ニトロ基等が挙げられる。
Y
b1’の環状炭化水素基が有してもよい置換基としては、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基又はハロゲン原子、シアノ基もしくはニトロ基を有してもよい炭素数1~18の炭化水素基が挙げられる。該炭化水素基に含まれる-CH
2-は、-O-、-S-、-CO-又は-SO
2-に置き換わってもよい。
Y
b1’の環状炭化水素基が有してもよい炭化水素基の炭素数は、Y
b1の環状炭化水素基の炭素数には含まない。
Y
b1’の環状炭化水素基が置換基として有してもよい炭素数1~18の炭化水素基は、鎖式炭化水素基、脂環式炭化水素基、芳香族炭化水素基及びこれらの基を組み合わせた基が挙げられる。鎖式炭化水素基、脂環式炭化水素基、芳香族炭化水素基及びこれらの基を2種以上組み合わせた基の例示としては、炭素数の上限が許す範囲で、L
b2’で例示した鎖式炭化水素基、脂環式炭化水素基、芳香族炭化水素基及びこれらの基を2種以上組み合わせた基と同様の基が挙げられる。また、Y
b1’の環状炭化水素基が置換基として有してもよい炭素数1~18の炭化水素基に含まれる-CH
2-が、-O-、-S-、-CO-又は-SO
2-に置き換わっている基の例示は、炭素数の上限が許す範囲で、L
b2’の炭化水素基に含まれる-CH
2-が、-O-、-S-、-CO-又は-SO
2-に置き換わっている基で例示した基と同様の基が挙げられる。Y
b1’の環状炭化水素基が置換基として有してもよい炭素数1~18の炭化水素基としては、当該分野において一般的に用いられる保護基又は脱離基(酸不安定基又は塩基不安定基)を構成していてもよい。
式(B1-A3)において、L
b2’は、単結合、*-L
b23-、*-L
b23-X
2-又は*-L
b23-X
2-W
2-X
3-(L
b23は、フッ素原子を有してもよい炭素数1~6の鎖式炭化水素基を表し、X
2及びX
3は、それぞれ独立に、-O-、-CO-O-、-O-CO-、-O-CO-O-又は-O-を表し、W
2は、炭素数3~12の脂環式炭化水素基を表し、該脂環式炭化水素基に含まれる-CH
2-は、-O-又は-CO-に置き換わっていてもよく、*はSO
2との結合部位を表す。)であることが好ましい。
Y
b1’は、フッ素原子を有するメチル基又は置換基を有してもよい炭素数3~20の環状炭化水素基(該環状炭化水素基に含まれる-CH
2-は、-O-、-CO-、-S-又は-SO
2-に置き換わっていてもよい。)であることが好ましく、トリフルオロメチル基、置換基を有してもよい炭素数3~18の脂環式炭化水素基(該脂環式炭化水素基に含まれる-CH
2-は、-O-、-S-、-CO-又は-SO
2-で置き換わっていてもよい。)又は置換基を有してもよい炭素数6~18の芳香族炭化水素基であることがより好ましい。具体的には、トリフルオロメチル基又は式(Y1)~式(Y36)で表される基であることがより好ましい。式(Y1)~式(Y36)中、R
Ybは、水素原子又はY
b1の環状炭化水素基が有してもよい置換基のうち、炭素数1~4のアルキル基を表し、R
Ycは、水素原子又はY
b1の環状炭化水素基が有してもよい置換基を表し、*は、L
b2との結合部位を表す。以下の式で表される脂環式炭化水素基及び芳香族炭化水素基は、以下の式中に特に図示していないが、他に置換基を有してもよい。
式(B1-A3)において、2つの-SO
2-L
b2’-Y
b1’が一緒になってA
1を含む環を形成する場合、アニオンとしては、例えば、式(B1-A3’)で表されるアニオンが挙げられる。
[式(B1-A3’)中、
A
1、Y
b1’、L
b2’及びnb5は、式(B1-A3)と同じ意味を表す。
W
b4は、フッ素原子を有してもよい炭素数2~12のジスルホニルイミド環又はジスルホニルメチド環を表す。]
W
b4のジスルホニルイミド環又はジスルホニルメチド環は、炭素数3~12であることが好ましく、炭素数3~6であることがより好ましく、該環に含まれるメチレン基の水素原子は、フッ素原子に置き換わっていることが好ましい。
【0061】
式(B1-A3)で表される塩のアニオンとしては、以下のものが挙げられる。なかでも、式(B1-a3-1)、式(B1-a3-2)で表されるアニオンが好ましい。
【0062】
Z1
+の有機カチオンとしては、有機オニウムカチオン、有機スルホニウムカチオン、有機ヨードニウムカチオン、有機アンモニウムカチオン、ベンゾチアゾリウムカチオン及び有機ホスホニウムカチオン等が挙げられる。これらの中でも、有機スルホニウムカチオン及び有機ヨードニウムカチオンが好ましく、アリールスルホニウムカチオン又はアリールヨードニウムカチオンがより好ましい。具体的には、式(b2-1)~式(b2-5)のいずれかで表されるカチオン(以下、式番号に応じて「カチオン(b2-1)」等という場合がある。)が挙げられる。
[式(b2-1)~式(b2-5)中、
R
b4~R
b6は、それぞれ独立に、炭素数1~30の鎖式炭化水素基、炭素数3~36の脂環式炭化水素基又は炭素数6~36の芳香族炭化水素基を表し、該鎖式炭化水素基に含まれる水素原子は、ヒドロキシ基、炭素数1~12のアルコキシ基、炭素数3~12の脂環式炭化水素基又は炭素数6~18の芳香族炭化水素基で置換されていてもよく、該脂環式炭化水素基に含まれる水素原子は、ハロゲン原子、炭素数1~18の脂肪族炭化水素基、炭素数2~4のアルキルカルボニル基又はグリシジルオキシ基で置換されていてもよく、該芳香族炭化水素基に含まれる水素原子は、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、炭素数1~18の脂肪族炭化水素基、炭素数1~12のフッ化アルキル基又は炭素数1~12のアルコキシ基で置換されていてもよい。
R
b4とR
b5とは、互いに結合してそれらが結合する硫黄原子と一緒になって環を形成してもよく、該環に含まれる-CH
2-は、-O-、-S-又は-CO-に置き換わってもよい。
R
b7及びR
b8は、それぞれ独立に、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、炭素数1~12の脂肪族炭化水素基、炭素数1~12のフッ化アルキル基又は炭素数1~12のアルコキシ基を表す。
m2及びn2は、それぞれ独立に0~5のいずれかの整数を表す。
m2が2以上のとき、複数のR
b7は同一でも異なってもよく、n2が2以上のとき、複数のR
b8は同一でも異なってもよい。
R
b9及びR
b10は、それぞれ独立に、炭素数1~36の鎖式炭化水素基又は炭素数3~36の脂環式炭化水素基を表す。
R
b9とR
b10とは、互いに結合してそれらが結合する硫黄原子と一緒になって環を形成してもよく、該環に含まれる-CH
2-は、-O-、-S-又は-CO-に置き換わってもよい。
R
b11は、水素原子、炭素数1~36の鎖式炭化水素基、炭素数3~36の脂環式炭化水素基又は炭素数6~18の芳香族炭化水素基を表す。
R
b12は、炭素数1~12の鎖式炭化水素基、炭素数3~18の脂環式炭化水素基又は炭素数6~18の芳香族炭化水素基を表し、該鎖式炭化水素基に含まれる水素原子は、炭素数6~18の芳香族炭化水素基で置換されていてもよく、該芳香族炭化水素基に含まれる水素原子は、炭素数1~12のアルコキシ基又は炭素数1~12のアルキルカルボニルオキシ基で置換されていてもよい。
R
b11とR
b12とは、互いに結合してそれらが結合する-CH-CO-を含めて環を形成していてもよく、該環に含まれる-CH
2-は、-O-、-S-又は-CO-に置き換わってもよい。
R
b13~R
b18及びR
b21~R
b26は、それぞれ独立に、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、炭素数1~12の脂肪族炭化水素基、炭素数1~12のフッ化アルキル基又は炭素数1~12のアルコキシ基を表す。
R
b13とR
b14及びR
b21とR
b22とは、互いに結合してそれらが結合するベンゼン環と一緒になって硫黄原子を含む環を形成してもよく、該環に含まれる-CH
2-は、-O-、-S-又は-CO-に置き換わってもよい。
R
b27~R
b29は、それぞれ独立に、水素原子又は酸不安定基を含む基を表す。
L
b31及びL
b41~L
b43は、それぞれ独立に、硫黄原子又は酸素原子を表す。
o2、p2、s2、及びt2は、それぞれ独立に、0~5のいずれかの整数を表す。
q2及びr2は、それぞれ独立に、0~4のいずれかの整数を表す。
u2は0又は1を表す。
o2が2以上のとき、複数のR
b13は同一又は相異なり、p2が2以上のとき、複数のR
b14は同一又は相異なり、q2が2以上のとき、複数のR
b15は同一又は相異なり、r2が2以上のとき、複数のR
b16は同一又は相異なり、s2が2以上のとき、複数のR
b17は同一又は相異なり、t2が2以上のとき、複数のR
b18は同一又は相異なる。
u3は、1~3のいずれかの整数を表し、1≦u3+q23≦5を満たす。
u4及びu5は、それぞれ独立に、0~3のいずれかの整数を表し、0≦u4+o21≦5及び0≦u5+p22≦5を満たす。
o21、p22、q23、r24、t25及びs26は、それぞれ独立に、0~4のいずれかの整数を表す。
u3、u4及びu5が、それぞれ2以上のとき、複数の括弧内の基は、それぞれ、同一又は異なる。
o21、p22、q23、r24、t25及びs26が、それぞれ2以上のとき、複数のR
b21~R
b26は、それぞれ、同一又は相異なる。]
u2が0のとき、o2、p2、q2及びr2のうちいずれか1つは1以上であり、R
b13~R
b16のうち少なくとも1つはハロゲン原子であることが好ましく、u2が1のとき、o2、p2、s2、t2、q2及びr2のうちいずれか1つは1以上であり、R
b13~R
b18のうち少なくとも1つはハロゲン原子であることが好ましい。
さらに、u2が0のとき、r2は1以上であることが好ましく、1であることがさらに好ましい。また、u2が0、かつ、r2が1以上のとき、R
b16がハロゲン原子であることが好ましい。
【0063】
脂肪族炭化水素基とは、鎖式炭化水素基及び脂環式炭化水素基を表す。
鎖式炭化水素基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基及び2-エチルヘキシル基のアルキル基が挙げられる。
特に、R
b9~R
b12の鎖式炭化水素基は、好ましくは炭素数1~12である。
脂環式炭化水素基としては、単環式又は多環式のいずれでもよく、単環式の脂環式炭化水素基としては、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロへキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロデシル基等のシクロアルキル基が挙げられる。多環式の脂環式炭化水素基としては、デカヒドロナフチル基、アダマンチル基、ノルボルニル基及び下記の基等が挙げられる。
特に、R
b9~R
b12の脂環式炭化水素基は、好ましくは炭素数3~18、より好ましくは炭素数4~12である。
【0064】
水素原子が脂肪族炭化水素基で置換された脂環式炭化水素基としては、メチルシクロヘキシル基、ジメチルシクロへキシル基、2-メチルアダマンタン-2-イル基、2-エチルアダマンタン-2-イル基、2-イソプロピルアダマンタン-2-イル基、メチルノルボルニル基、イソボルニル基等が挙げられる。水素原子が脂肪族炭化水素基で置換された脂環式炭化水素基においては、脂環式炭化水素基と脂肪族炭化水素基との合計炭素数が好ましくは20以下である。
フッ化アルキル基とは、フッ素原子を有する炭素数1~12のアルキル基を表し、フルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、ペルフルオロブチル基等が挙げられる。フッ化アルキル基の炭素数は、好ましくは1~9であり、より好ましくは1~6であり、さらに好ましくは1~4である。
【0065】
芳香族炭化水素基としては、フェニル基、ビフェニル基、ナフチル基、フェナントリル基等のアリール基が挙げられる。芳香族炭化水素基は、鎖式炭化水素基又は脂環式炭化水素基を有していてもよく、鎖式炭化水素基を有する芳香族炭化水素基(トリル基、キシリル基、クメニル基、メシチル基、p-エチルフェニル基、p-tert-ブチルフェニル基、2,6-ジエチルフェニル基、2-メチル-6-エチルフェニル基等)及び脂環式炭化水素基を有する芳香族炭化水素基(p-シクロへキシルフェニル基、p-アダマンチルフェニル基等)等が挙げられる。
なお、芳香族炭化水素基が、鎖式炭化水素基又は脂環式炭化水素基を有する場合は、炭素数1~18の鎖式炭化水素基及び炭素数3~18の脂環式炭化水素基が好ましい。
水素原子がアルコキシ基で置換された芳香族炭化水素基としては、p-メトキシフェニル基等が挙げられる。
水素原子が芳香族炭化水素基で置換された鎖式炭化水素基としては、ベンジル基、フェネチル基、フェニルプロピル基、トリチル基、ナフチルメチル基、ナフチルエチル基等のアラルキル基が挙げられる。
【0066】
アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基、デシルオキシ基及びドデシルオキシ基等が挙げられる。
アルキルカルボニル基としては、アセチル基、プロピオニル基及びブチリル基等が挙げられる。
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子等が挙げられる。
アルキルカルボニルオキシ基としては、メチルカルボニルオキシ基、エチルカルボニルオキシ基、プロピルカルボニルオキシ基、イソプロピルカルボニルオキシ基、ブチルカルボニルオキシ基、sec-ブチルカルボニルオキシ基、tert-ブチルカルボニルオキシ基、ペンチルカルボニルオキシ基、ヘキシルカルボニルオキシ基、オクチルカルボニルオキシ基及び2-エチルヘキシルカルボニルオキシ基等が挙げられる。
【0067】
R
b4とR
b5とが互いに結合してそれらが結合する硫黄原子と一緒になって形成する環は、単環式、多環式、芳香族性、非芳香族性、飽和及び不飽和のいずれの環であってもよい。この環は、炭素数3~18の環が挙げられ、好ましくは炭素数4~18の環である。また、硫黄原子を含む環は、3員環~12員環が挙げられ、好ましくは3員環~7員環であり、例えば下記の環が挙げられる。*は結合部位を表す。
【0068】
Rb9とRb10とが一緒になって形成する環は、単環式、多環式、芳香族性、非芳香族性、飽和及び不飽和のいずれの環であってもよい。この環は、3員環~12員環が挙げられ、好ましくは3員環~7員環である。例えば、チオラン-1-イウム環(テトラヒドロチオフェニウム環)、チアン-1-イウム環、1,4-オキサチアン-4-イウム環等が挙げられる。
Rb11とRb12とが一緒になって形成する環は、単環式、多環式、芳香族性、非芳香族性、飽和及び不飽和のいずれの環であってもよい。この環は、3員環~12員環が挙げられ、好ましくは3員環~7員環である。オキソシクロヘプタン環、オキソシクロヘキサン環、オキソノルボルナン環、オキソアダマンタン環等が挙げられる。
Rb27~Rb29の酸不安定基を含む基としては、-Rc30、-CO-O-Rc30又は-Lc10-CO-O-Rc30で示される基(Lc10は、炭素数1~6のアルカンジイル基を表し、Rc30は、酸不安定基を表す。)等が挙げられる。
Rb27、Rb28及びRb29の酸不安定基としては、後述する式(1)又は式(2)で表される基が挙げられる。
【0069】
カチオン(b2-1)~カチオン(b2-5)の中でも、好ましくは、カチオン(b2-1)、カチオン(b2-4)又はカチオン(b2-5)である。
カチオン(b2-1)としては、以下のカチオンが挙げられる。
カチオン(b2-2)としては、以下のカチオンが挙げられる。
カチオン(b2-3)としては、以下のカチオンが挙げられる。
カチオン(b2-4)としては、以下のカチオンが挙げられる。
カチオン(b2-5)としては、以下のカチオンが挙げられる。
【0070】
酸発生剤(B)は、上述のアニオン及び上述の有機カチオンの組合せであり、これらは任意に組合せることができる。酸発生剤(B)としては、式(B1-3a-1)~式(B1-3a-3)又は式(B1-3a-11)~式(B1-3a-14)のいずれかで表されるアニオンのいずれかで表されるアニオンと、カチオン(b2-1)、カチオン(b2-2)、カチオン(b2-3)、カチオン(b2-4)又はカチオン(b2-5)との組合せが挙げられる。
【0071】
酸発生剤(B)としては、好ましくは式(B3-1)~式(B3-30)でそれぞれ表されるものが挙げられる。
【0072】
【0073】
また、酸発生剤(B)の別の形態では、式(B1-A3)で表される塩のアニオンをスルホン酸アニオン、ベンゼンスルホニルアニオン等に置き替えた塩も酸発生剤(B)として好適に用いられる。
酸発生剤(B)の別の形態としては、式(B1)で表される塩(以下「塩(B1)」又は「酸発生剤(B1)」という場合がある。)が挙げられる。
[式(B1)中、
L
b1は、単結合又は置換基を有してもよい(nb1+1)価の炭化水素基を表し、該炭化水素基に含まれる-CH
2-は、-O-、-S-、-CO-又は-SO
2-に置き換わっていてもよい。
L
b2は、単結合又は置換基を有してもよい炭素数1~24の2価の炭化水素基を表し、該炭化水素基に含まれる-CH
2-は、-O-、-S-、-CO-又は-SO
2-で置き換わっていてもよい。
Y
b1は、置換基を有していてもよいメチル基又は置換基を有していてもよい炭素数3~24の環状炭化水素基を表し、該環状炭化水素基に含まれる-CH
2-は、-O-、-S-、-SO
2-又は-CO-に置き換わっていてもよい。
nb1は、1~6のいずれかの整数を表す。nb1が2以上のとき、複数の括弧内の基は、互いに同じであっても異なっていてもよい。
Z1
+は、有機カチオンを表す。]
式(B1)において、L
b1の(nb1+1)価の炭化水素基としては、1価の鎖式炭化水素基、1価の脂環式炭化水素基、1価の芳香族炭化水素基及びこれらの2つ以上の基を組み合わせた1価の基から、nb1個の水素原子を取り除き、1以上のL
b2と結合する基が挙げられる。
炭化水素基の炭素数としては、1~48であることが好ましく、1~42であることがより好ましく、1~36であることがさらに好ましく、1~30であることがより一層好ましく、1~24であることがさらに一層好ましい。
鎖式炭化水素基としては、アルキル基又はアルケニル基のnb1個の水素原子を取り除いた基が挙げられる。アルキル基としては、直鎖状でも分岐状であってもよく、具体的には、メチル基、エチル基、n-プロピル基、iso-プロピル基、n-ブチル基、sec-ブチル基、iso-ブチル基、tert-ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタンデシル基、ヘプタデシル基等が挙げられる。アルケニル基としては、エテニル基、プロペニル基、イソプロペニル基、ブテニル基、イソブテニル基、tert-ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基、ヘプテニル基、オクテニル基、イソオクテニル基、ノネニル基が挙げられる。
鎖式炭化水素基の炭素数としては、1~36であることが好ましく、1~24であることがより好ましく、1~20であることがさらに好ましく、1~18であることがより一層好ましく、1~12であることがさらに一層好ましく、1~10であることがさらにより好ましい。
脂環式炭化水素基としては、単環式又は多環式のシクロアルキル基のnb1個の水素原子を取り除いた基が挙げられる。単環式のシクロアルキル基としては、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基等が挙げられる。
多環式のシクロアルキル基としては、架橋構造を有するシクロアルキル基、2つ以上の環が縮合したシクロアルキル基又は2つの環がスピロで結合したシクロアルキル基等が挙げられる。架橋構造を有するシクロアルキル基としては、ノルボルニル基、アダマンチル基等が挙げられる。2種以上の環が縮合したシクロアルキル基としては、ビシクロ〔4,4,0〕デカン基、ステロイド基(ステロイド骨格)等が挙げられる。また、2つの環がスピロで結合したシクロアルキル基としては、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、ノルボルニル基及びアダマンチル基から構成される群から選択される1種のシクロアルキル基と炭素数5~8のシクロアルキル基とがスピロで結合したスピロ環式シクロアルキル基等が挙げられる。また、脂環式炭化水素基に含まれる2つの炭素原子間は、二重結合が形成されていてもよい。
より具体的には、以下の式で表される脂環式炭化水素基が挙げられる。
脂環式炭化水素基が単環式のシクロアルキル基の場合、脂環式炭化水素基の炭素数は、3~24であることが好ましく、3~20であることがより好ましく、3~18であることがさらに好ましく、3~12であることがより一層好ましく、3~10であることがさらに一層好ましく、3~8であることがさらにより好ましい。脂環式炭化水素基が多環式のシクロアルキル基の場合、脂環式炭化水素基の炭素数は、6~24であることが好ましく、6~20であることがより好ましく、6~18であることがさらに好ましく、6~12であることがより一層好ましく、7~12であることがさらに一層好ましい。
芳香族炭化水素基としては、アリール基のnb1個の水素原子を取り除いた基が挙げられる。アリール基としては、フェニル基、ナフチル基、アントリル基、ビフェニル基、フルオレニル基等が挙げられる。
より具体的には、以下の式で表される芳香族炭化水素基が挙げられる。
芳香族炭化水素基の炭素数としては、4~24であることが好ましく、4~20であることがより好ましく、4~18であることがさらに好ましく、5~14であることがより一層好ましく、5~10であることがさらに一層好ましく、6~10であることがさらにより好ましい。
L
b1の炭化水素基に含まれる-CH
2-が、-O-、-CO-、-S-又は-SO
2-に置き換わっている場合、置き換わる前の炭素数を該炭化水素基の炭素数とする。
L
b1の炭化水素基のうち、鎖式炭化水素基に含まれる-CH
2-が、-O-、-CO-、-S-又は-SO
2-に置き換わった基としては、ヒドロキシ基(メチル基中に含まれる-CH
2-が、-O-に置き換わった基)、カルボキシ基(エチル基中に含まれる-CH
2-CH
2-が、-O-CO-に置き換わった基)、カルボニル基(メチレン基中に含まれる-CH
2-が、-CO-に置き換わった基)、オキシ基(メチレン基中に含まれる-CH
2-が、-O-に置き換わった基)、アルコキシ基(アルキル基中に含まれる任意の位置の-CH
2-が、-O-に置き換わった基)、アルコキシカルボニル基(アルキル基中に含まれる任意の位置の-CH
2-CH
2-が、-O-CO-に置き換わった基)、アルキルカルボニル基(アルキル基中に含まれる任意の位置の-CH
2-が、-CO-に置き換わった基)、アルキルカルボニルオキシ基(アルキル基中に含まれる任意の位置の-CH
2-CH
2-が、-CO-O-に置き換わった基)、アルコキシカルボニルオキシ基(アルキル基中に含まれる任意の位置の-CH
2-CH
2-CH
2-が、-O-CO-O-に置き換わった基)、アルカンジイルオキシ基(アルカンジイル基中に含まれる任意の位置の-CH
2-が、-O-に置き換わった基)、アルカンジイルオキシカルボニル基(アルカンジイル基中に含まれる任意の位置の-CH
2-CH
2-が、-O-CO-に置き換わった基)、アルカンジイルカルボニル基(アルカンジイル基中に含まれる任意の位置の-CH
2-が、-CO-に置き換わった基)、アルカンジイルカルボニルオキシ基(アルカンジイル基中に含まれる任意の位置の-CH
2-CH
2-が、-CO-O-に置き換わった基)等が挙げられる。これらの置き換わった基としては、炭素数の上限が許す範囲で、本明細書で例示したものと同様の基が挙げられる。
L
b1の炭化水素基のうち、脂環式炭化水素基に含まれる-CH
2-が、-O-、-CO-、-S-又は-SO
2-に置き換わった基としては、環状エーテル、環状ケトン、環状エステル(ラクトン)、環状チオエーテル、環状アセタール、環状スルホン酸エステル(スルトン)等の構造を含む基等が挙げられる。具体的には、以下の式で表される脂環式炭化水素基が挙げられる。以下の式で挙げた脂環式炭化水素基の結合位置は、任意の位置とすることができる。
L
b1の炭化水素基のうち、芳香族炭化水素基に含まれる-CH
2-は、-O-又は-S-に置き換わってもよく、-CH
2-が、-O-又は-S-に置き換わった基としては、それぞれフラン環又はチオフェン環に由来する基等が挙げられる。具体的には、以下の式で表される芳香族炭化水素基が挙げられる。
鎖式炭化水素基、脂環式炭化水素基及び芳香族炭化水素基の2種以上の基を組み合わせた基としては、上記の鎖式炭化水素基と上記の脂環式炭化水素基を組み合わせた基、上記の鎖式炭化水素基と上記の芳香族炭化水素基を組み合わせた基、上記の脂環式炭化水素基と上記の芳香族炭化水素基とを組み合わせた基、上記の鎖式炭化水素基と上記の脂環式炭化水素基と上記の芳香族炭化水素基を組み合わせた基が挙げられる。脂環式炭化水素基と芳香族炭化水素基を組み合わせた基としては、縮合環であってもよい。
脂環式炭化水素基と芳香族炭化水素基とを組み合わせた基に含まれる-CH
2-が、-O-、-S-、-CO-又は-SO
2-で置き換わった基としては、炭素数の上限が許す範囲で、本明細書で例示した基と同様のものが挙げられる。
L
b2の2価の炭化水素基としては、2価の鎖式炭化水素基、2価の脂環式炭化水素基、2価の芳香族炭化水素基及びこれらの2つ以上の基を組み合わせた基が挙げられ、1価の炭化水素基から1個の水素原子を取り除き、Y
b1と結合する基が挙げられる。
L
b2の2価の鎖式炭化水素基、2価の脂環式炭化水素基、2価の芳香族炭化水素基及びこれらの2つ以上の基を組み合わせた2価の基は、それぞれ、炭素数の上限が許す範囲で、式(B1-A3)のアニオンにおけるL
b2’で例示した1価の鎖式炭化水素基、1価の脂環式炭化水素基、1価の芳香族炭化水素基及びこれらの2つ以上を組み合わせた1価の基から水素原子を1つ取り除いた基が挙げられる。
L
b1及びL
b2の炭化水素基が有してもよい置換基としては、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基等が挙げられる。
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられる。
L
b1及びL
b2が、脂環式炭化水素基又は芳香族炭化水素基と鎖式炭化水素基とを組み合わせた基である場合、実質的に、該鎖式炭化水素基を脂環式炭化水素基又は芳香族炭化水素基が有する置換基とみなしてもよい。また、L
b1及びL
b2の炭化水素基に含まれる鎖式炭化水素基の-CH
2-が、-O-、-CO-、-S-又は-SO
2-に置き換わることで、L
b1及びL
b2の炭化水素基は、実質的に、ヒドロキシ基、カルボキシ基、アルコキシ基、アルキルカルボニル基、アルコキシカルボニル基、アルキルカルボニルオキシ基、チオール基、アルキルチオ基、アルキルスルホニル基等の置換基を有することができる。
Y
b1の環状炭化水素基としては、脂環式炭化水素基、芳香族炭化水素基及び脂環式炭化水素基と芳香族炭化水素基とを組み合わせた基が挙げられる。
Y
b1の脂環式炭化水素基及び芳香族炭化水素基は、それぞれ、式(B1-A3)のアニオンにおけるY
b1’及びL
b2’で例示した脂環式炭化水素基及び芳香族炭化水素基と同様のものが挙げられ、置換基を有さない場合は、1価の脂環式炭化水素基及び芳香族炭化水素基であってもよい。
Y
b1のメチル基が有してもよい置換基としては、ハロゲン原子、シアノ基、ヒドロキシ基、ニトロ基等が挙げられる。
Y
b1の環状炭化水素基が有してもよい置換基としては、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基又はハロゲン原子、シアノ基もしくはニトロ基を有してもよい炭素数1~18の炭化水素基(該炭化水素基に含まれる-CH
2-は、-O-、-S-、-CO-又は-SO
2-に置き換わってもよい。)等が挙げられる。
Y
b1の環状炭化水素基が有してもよい炭化水素基の炭素数は、Y
b1の環状炭化水素基の炭素数には含まない。
Y
b1の環状炭化水素基が置換基として有してもよい炭素数1~18の炭化水素基は、鎖式炭化水素基、脂環式炭化水素基、芳香族炭化水素基及びこれらの基を組み合わせた基が挙げられる。鎖式炭化水素基、脂環式炭化水素基、芳香族炭化水素基及びこれらの基を2種以上組み合わせた基の例示としては、炭素数の上限が許す範囲で、式(B1-A3)のアニオンにおけるY
b1’及びL
b2’で例示した鎖式炭化水素基、脂環式炭化水素基、芳香族炭化水素基及びこれらの基を2種以上組み合わせた基と同様の基が挙げられる。また、Y
b1の環状炭化水素基が置換基として有してもよい炭素数1~18の炭化水素基に含まれる-CH
2-が、-O-、-S-、-CO-又は-SO
2-に置き換わっている基の例示は、炭素数の上限が許す範囲で、式(B1-A3)のアニオンにおけるY
b1’及びL
b2’の炭化水素基に含まれる-CH
2-が、-O-、-S-、-CO-又は-SO
2-に置き換わっている基で例示した基と同様の基が挙げられる。また、Y
b1の環状炭化水素基が置換基として有してもよい炭素数1~18の炭化水素基としては、当該分野において一般的に用いられる保護基又は脱離基(酸不安定基又は塩基不安定基)を構成していてもよい。
【0074】
式(B1)で表される塩のアニオンは、以下の式(B1-A1)で表されるアニオン(以下、「アニオン(B1-A1)」という場合がある。)又は式(B1-A2)で表されるアニオン(以下、「アニオン(B1-A2)」という場合がある。)であることが好ましい。
[式(B1-A1)中、
L
b2及びY
b1は、式(B1)と同じ意味を表す。
Q
b1、Q
b2、Q
b3及びQ
b4は、それぞれ独立に、水素原子、フッ素原子、炭素数1~6のペルフルオロアルキル基又は炭素数1~6のアルキル基を表す。
z1は、0~6のいずれかの整数を表す。z1が2以上のとき、複数の括弧内の基は互いに同一であっても異なっていてもよい。
X
1は、-O-CO-、-CO-O-、-O-CO-O-又は-O-を表す。
L
b3は、単結合又は置換基を有してもよい炭素数1~24の(nb2+1)価の炭化水素基を表し、該炭化水素基に含まれる-CH
2-は、-O-、-S-、-CO-又は-SO
2-で置き換わっていてもよい。
nb2は、1~3のいずれかの整数を表す。nb2が2以上のとき、複数の括弧内の基は互いに同一であっても異なっていてもよい。]
Q
b1、Q
b2、Q
b3及びQ
b4のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、ペンチル基及びヘキシル基等が挙げられる。
Q
b1、Q
b2、Q
b3及びQ
b4のペルフルオロアルキル基としては、トリフルオロメチル基、ペルフルオロエチル基、ペルフルオロプロピル基、ペルフルオロイソプロピル基、ペルフルオロブチル基、ペルフルオロsec-ブチル基、ペルフルオロtert-ブチル基、ペルフルオロペンチル基及びペルフルオロヘキシル基等が挙げられる。
Q
b1及びQ
b2は、Q
b1及びQ
b2の少なくとも一方に、フッ素原子又はペルフルオロアルキル基を含むことが好ましく、フッ素原子又はペルフルオロアルキル基であることがより好ましく、フッ素原子又はトリフルオロメチル基であることがさらに好ましく、ともにフッ素原子であることがさらにより好ましい。
Q
b3及びQ
b4は、それぞれ独立に、水素原子、フッ素原子又は炭素数1~3のペルフルオロアルキル基であることが好ましく、Q
b3は、水素原子、フッ素原子又は炭素数1~3のペルフルオロアルキル基であることが好ましく、Q
b4は、水素原子又はフッ素原子であることが好ましい。
z1は、0~3のいずれかの整数であることが好ましく、0、1又は2であることがより好ましい。
X
1は、-O-CO-又は-CO-O-であることが好ましい。
【0075】
L
b3における炭化水素基としては、炭素数の上限が許す範囲で、式(B1)のL
b1の例示と同じ炭化水素基が挙げられる。
式(B1-A1)において、L
b3は、単結合、置換基を有してもよい炭素数1~12の鎖式炭化水素基(該鎖式炭化水素基に含まれる-CH
2-は、-O-又は-CO-に置き換わっていてもよい。)、置換基を有してもよい炭素数3~18の脂環式炭化水素基(該脂環式炭化水素基に含まれる-CH
2-は、-O-、-S-、-CO-又は-SO
2-に置き換わっていてもよい。)、置換基を有してもよい炭素数6~10の芳香族炭化水素基(該芳香族炭化水素基に含まれる-CH
2-は、-O-又は-S-に置き換わっていてもよい。)又はこれらの基を2種以上組み合わせた基であることが好ましく、単結合、炭素数1~6の鎖式炭化水素基又は以下の式(Lb3-1)で表される基であることがより好ましい。尚、鎖式炭化水素基に含まれる-CH
2-が-O-又は-CO-に置き換わる場合、その数は、1つ~4つであることが好ましく、鎖式炭化水素基に含まれる1つの-CH
2-CH
2-が、-O-CO-又は-CO-O-に置き換わるか、鎖式炭化水素基に含まれる1つの-CH
2-CH
2-CH
2-が、-O-CO-O-に置き換わることが好ましい。
[式(Lb3-1)中、
nb2は、式(B1-A1)と同じ意味を表す。
L
b31は、単結合又は炭素数1~12の鎖式炭化水素基を表し、該鎖式炭化水素基に含まれる-CH
2-は、-O-又は-CO-に置き換わってもよく、該鎖式炭化水素基は、置換基を有してもよい。
W
b3は、炭素数3~18の脂環式炭化水素基又は炭素数6~10の芳香族炭化水素基を表し、該脂環式炭化水素基に含まれる-CH
2-は、-O-、-S-、-CO-又は-SO
2-に置き換わってもよく、該芳香族炭化水素基に含まれる-CH
2-は、-O-又は-S-に置き換わってもよく、該脂環式炭化水素基及び該芳香族炭化水素基は、置換基を有してもよい。
*及び**は結合部位を表し、*はX
1との結合部位を表す。]
式(Lb3-1)中、L
b31の鎖式炭化水素基は、炭素数の上限が許す限り、L
b1で例示した鎖式炭化水素基と同様の基が挙げられる。
式(Lb3-1)中、W
b3の脂環式炭化水素基及び芳香族炭化水素基は、炭素数の上限が許す限り、L
b1で例示した脂環式炭化水素基及び芳香族炭化水素基と同様の基が挙げられる。
式(Lb3-1)中、L
b31の鎖式炭化水素基が有してもよい置換基並びにW
b3の脂環式炭化水素基及び芳香族炭化水素基が有してもよい置換基は、L
b1の炭化水素基が有してもよい置換基として例示した置換基と同様の基が挙げられる。
L
b31としては、単結合又は炭素数1~6のアルカンジイル基(該アルカンジイル基に含まれる-CH
2-は、-O-又は-CO-で置き換わっていてもよい。)であることが好ましい。
なかでも、W
b3の脂環式炭化水素基及び芳香族炭化水素基としては、以下で表される脂環式炭化水素基及び芳香族炭化水素基が好ましい。以下で表す脂環式炭化水素基及び芳香族炭化水素基において、*及び**は、結合部位を表し、*は、X
1又はL
b31との結合部位を表し、**は、水素原子、置換基又はL
b2との結合部位を表し、少なくとも1つの**がL
b2との結合部位を表す。また、以下で表す脂環式炭化水素基において、該脂環式炭化水素基に含まれる-CH
2-は、-O-、-S-、-CO-又は-SO
2-で置き換わってもよい。該脂環式炭化水素基に含まれる-CH
2-が、-O-、-S-、-CO-又は-SO
2-で置き換わっている場合、エーテル環、エステル環(ラクトン)、炭酸エステル環、スルホン酸エステル環(スルトン)又はアセタール環を形成していることが好ましい。
式(B1-A1)において、L
b2は、単結合又は炭素数1~12の鎖式炭化水素基(該鎖式炭化水素基に含まれる-CH
2-は、-O-又は-CO-に置き換わっていてもよい。)が好ましく、単結合、-O-、-O-CO-、-CO-O-、-O-CO-O-又は*-L
b21-X
2-L
b22-**(L
b21及びL
b22のいずれか一方は、炭素数1~6の鎖式炭化水素基を表し、他方は、単結合又は炭素数1~6の鎖式炭化水素基を表す。X
2は、-O-、-CO-O-、-O-CO-又は-O-CO-O-を表す。*及び**は、結合部位を表し、**はY
b1との結合部位を表す。但し、L
b21、X
2及びL
b22の合計炭素数は12以下である。)であることがより好ましい。
式(B1-A1)において、Y
b1は、置換基を有してもよい炭素数3~20の環状炭化水素基(該環状炭化水素基に含まれる-CH
2-は、-O-、-CO-、-S-又は-SO
2-に置き換わっていてもよい。)であることが好ましく、置換基を有してもよい炭素数3~18の脂環式炭化水素基(該脂環式炭化水素基に含まれる-CH
2-は、-O-、-CO-、-S-又は-SO
2-に置き換わっていてもよい。)又は置換基を有してもよい炭素数6~18の芳香族炭化水素基であることがより好ましく、置換基を有してもよい炭素数3~16の脂環式炭化水素基(該脂環式炭化水素基に含まれる-CH
2-は、-O-、-CO-、-S-又は-SO
2-に置き換わっていてもよい。)又は置換基を有してもよい炭素数6~10の芳香族炭化水素基であることがさらに好ましい。具体的には上述した式(Y1)~式(Y36)で表される基であることがより好ましい。
【0076】
式(B1-A1)で表されるアニオンとしては、式(B1-A1-1)~式(B1-A1-85)で表されるアニオン〔以下、式番号に応じて「アニオン(B1-A1-1)」等という場合がある。〕が好ましく、式(B1-A1-1)~式(B1-A1-4)、式(B1-A1-9)、式(B1-A1-10)、式(B1-A1-24)~式(B1-A1-33)、式(B1-A1-36)~式(B1-A1-40)、式(B1-A1-47)~式(B1-A1-85)のいずれかで表されるアニオンがより好ましい。
【0077】
【0078】
【0079】
ここでRi2~Ri7は、互いに独立に、例えば、炭素数1~4のアルキル基、好ましくはメチル基又はエチル基である。Ri8は、例えば、炭素数1~12の脂肪族炭化水素基、好ましくは炭素数1~4のアルキル基、炭素数5~12の脂環式炭化水素基又はこれらを組合せることにより形成される基、より好ましくはメチル基、エチル基、シクロヘキシル基又はアダマンチル基である。LA41は、単結合又は炭素数1~4のアルカンジイル基である。
Qb1及びQb2は、上記と同じ意味を表す。
式(B1-A1)で表されるアニオンとしては、具体的には、特開2010-204646号公報に記載されたアニオンが挙げられる。
【0080】
好ましい式(B1-A1)で表されるアニオンとしては、式(B1a-1)~式(B1a-70)でそれぞれ表されるアニオンが挙げられる。
【0081】
【0082】
【0083】
なかでも、式(B1a-1)~式(B1a-4)、式(B1a-7)~式(B1a-11)、式(B1a-14)~式(B1a-30)及び式(B1a-35)~式(B1a-70)のいずれかで表されるアニオンが好ましい。
【0084】
式(B1-A2)で表されるアニオンは、以下の式で表される。
[式(B1-A2)中、
L
b2及びY
b1は、式(B1)と同じ意味を表す。
R
b1は、ハロゲン原子又は炭素数1~6のアルキル基を表し、該アルキル基に含まれる-CH
2-は、-O-又は-CO-に置き換わっていてもよい。
nb4は、1~5のいずれかの整数を表す。nb4が2以上のとき、複数の括弧内の基は、互いに同一であっても異なっていてもよい。
nb3は、0~4のいずれかの整数を表す。nb3が2以上のとき、複数のR
b1は互いに同一であっても異なっていてもよい。
但し、1≦nb4+nb3≦5を満たす。]
【0085】
式(B1-A2)において、Lb2の炭化水素基の例示及びYb1の環状炭化水素基の例示は、炭素数の上限が許す範囲で、式(B1)におけるLb2の炭化水素基の例示及びYb1の環状炭化水素基の例示と同じものが挙げられる。Lb2の炭化水素基、Yb1のメチル基及び環状炭化水素基が有してもよい置換基についても、式(B1)のLb2の炭化水素基、Yb1のメチル基及び環状炭化水素基が有してもよい置換基の例示と同じものが挙げられる。
これらの炭化水素基、メチル基及び環状炭化水素基は、1つの置換基又は複数の置換基を有していてもよい。
Lb2は、好ましくは、炭素数1~12の鎖式炭化水素基(該鎖式炭化水素基に含まれる-CH2-は、-O-又は-CO-に置き換わっていてもよい。)であり、より好ましくは、*-CO-O-Lb41-(Lb41は、単結合又は炭素数1~6の鎖式炭化水素基であり、該鎖式炭化水素基に含まれる-CH2-は、-O-又は-CO-に置き換わっていてもよい。*は、SO3
-が結合するベンゼン環との結合部位を表す。Lb41は、単結合又は炭素数1~3の鎖式炭化水素基が好ましい。)であり、さらに好ましくは、*-CO-O-である。
Yb1としては、置換基を有してもよい炭素数3~20の環状炭化水素基(該環状炭化水素基に含まれる-CH2-は、-O-、-CO-、-S-又は-SO2-に置き換わっていてもよい。)であることが好ましく、置換基を有してもよい炭素数3~18の脂環式炭化水素基(該脂環式炭化水素基に含まれる-CH2-は、-O-、-CO-、-S-又は-SO2-に置き換わっていてもよい。)又は置換基を有してもよい炭素数6~18の芳香族炭化水素基であることがより好ましく、式(B1-A1)のYb1又はLb1で例示された脂環式炭化水素基又は芳香族炭化水素基であることがさらに好ましい。具体的には、上述した式(Y1)~式(Y36)で表される基であることが好ましく、上述した式(Y1)~式(Y19)で表される基であることがより好ましい。
【0086】
式(B1-A2)において、nb4は、1~4のいずれかの整数が好ましく、1~3のいずれかの整数がより好ましく、1又は2がさらに好ましく、2がさらにより好ましい。nb4が1又は2である場合、-L
b2-Y
b1の結合位置は、SO
3
-の結合位置に対して、ベンゼン環のm位置換である下記の構造であることが好ましい。
[上記式中、L
b2、Y
b1、R
b1、nb3は、式(B1-A2)と同じ意味を表す。]
式(B1-A2)において、nb4が2以上の場合、複数のL
b2及びY
b1は、互いに同じ基であることが好ましい。
【0087】
Rb1の炭素数1~6のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert-ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等のアルキル基が挙げられる。アルキル基の炭素数は、好ましくは1~4であり、より好ましくは1~3である。
Rb1のハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子等が挙げられる。
アルキル基に含まれる-CH2-が-O-又は-CO-に置き換わった基としては、ヒドロキシ基、カルボキシ基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アルキルカルボニル基、アルキルカルボニルオキシ基、オキシ基、カルボニル基等が挙げられる。これらの置き換わった基は、炭素数の上限が許す範囲で、本明細書で例示した基と同様のものが挙げられる。
Rb1は、それぞれ独立に、ハロゲン原子又は炭素数1~4のアルキル基(該アルキル基に含まれる-CH2-は、-O-又は-CO-で置き換わっていてもよい。)であることが好ましく、フッ素原子、ヨウ素原子又は炭素数1~3のアルキル基(該アルキル基に含まれる-CH2-は、-O-又は-CO-で置き換わっていてもよい。)であることがより好ましく、フッ素原子、ヨウ素原子、ヒドロキシ基、メトキシ基又はメチル基であることがさらに好ましい。
nb3は、0~3のいずれかの整数であることが好ましく、0~2のいずれかの整数であることがより好ましい。一実施形態では、nb3は0であるものが好ましい。また、別の実施形態では、nb3が1又は2であるものが好ましい。nb3が1である場合、Rb1がハロゲン原子であることが好ましく、Rb1がフッ素原子又ヨウ素原子であることがより好ましい。nb3が2である場合、Rb1の一方がハロゲン原子であり、他方がハロゲン原子又は炭素数1~4のアルキル基であることが好ましく、Rb1の一方がフッ素原子又ヨウ素原子であり、他方がフッ素原子、ヨウ素原子又は炭素数1~3のアルキル基であることがより好ましい。
【0088】
式(B1-A2)で表されるアニオンとしては、例えば、以下のアニオンが挙げられる。なかでも、式(B2a-1)~式(B2a-20)で表されるアニオンが好ましく、式(B2a-1)~式(B2a-11)、式(B2a-16)~式(B2a-20)で表されるアニオンがより好ましい。以下のアニオンは、一部のR
b1が省略されており、図示されていない置換基を含んでいてもよい。
【0089】
また、酸発生剤(B)の別の形態では、式(B1)で表される塩におけるアニオンをカルボン酸アニオンに置き替えた塩も酸発生剤(B)として好適に用いられる。
カルボン酸アニオンとしては、以下のものが挙げられる。
【0090】
酸発生剤(B1)としては、好ましくは式(B1a-1)~式(B1a-4)、式(B1a-7)~式(B1a-11)、式(B1a-14)~式(B1a-30)、式(B1a-35)~式(B1a-70)、式(B2a-1)~式(B2a-11)及び式(B2a-16)~式(B2a-20)のいずれかで表されるアニオンと、カチオン(b2-1)、カチオン(b2-2)、カチオン(b2-3)、カチオン(b2-4)又はカチオン(b2-5)との組合せが挙げられる。
酸発生剤(B1)としては、好ましくは式(B1-1)~式(B1-105)、式(B2-1)~式(B2-20)でそれぞれ表されるものが挙げられる。中でもアリールスルホニウムカチオンを含むものが好ましく、式(B1-1)~式(B1-3)、式(B1-5)~式(B1-7)、式(B1-11)~式(B1-14)、式(B1-20)~式(B1-26)、式(B1-29)、式(B1-31)~式(B1-105)、式(B2-1)~式(B2-20)で表されるものがとりわけ好ましい。
【0091】
【0092】
【0093】
【0094】
【0095】
【0096】
本発明のレジスト組成物においては、酸発生剤(B)の含有率は、レジスト組成物の固形分に対して、1質量%以上90質量%以下が挙げられ、好ましくは3質量%以上45質量%以下、より好ましくは5質量%以上40質量%以下、さらに好ましくは10質量%以上35質量%以下である。
【0097】
〈酸不安定基を有する構造単位を含有する樹脂〉
酸不安定基は、例えば、式(1)で表される基(以下、基(1)とも記す)及び/又は式(2)で表される基(以下、基(2)とも記す)が挙げられる。
[式(1)中、R
a1、R
a2及びR
a3は、それぞれ独立に、炭素数1~8のアルキル基、炭素数2~8のアルケニル基、炭素数3~20の脂環式炭化水素基、炭素数6~18の芳香族炭化水素基又はこれらを組み合わせた基を表すか、R
a1及びR
a2は互いに結合してそれらが結合する炭素原子とともに炭素数3~20の脂環式炭化水素基を形成し、該アルキル基、該アルケニル基、該脂環式炭化水素基及び該芳香族炭化水素基は、ハロゲン原子を有してもよい。
ma及びnaは、それぞれ独立して、0又は1を表し、ma及びnaの少なくとも一方は1を表す。
*は結合部位を表す。]
[式(2)中、R
a1’及びR
a2’は、それぞれ独立に、水素原子又は炭素数1~12の炭化水素基を表し、R
a3’は、炭素数1~20の炭化水素基を表すか、R
a2’及びR
a3’は互いに結合してそれらが結合する炭素原子及びXとともに炭素数3~20の複素環基を形成し、該炭化水素基及び該複素環基に含まれる-CH
2-は、-O-又は-S-で置き換わってもよく、該炭化水素基及び該複素環基は、ハロゲン原子を有してもよい。
Xは、酸素原子又は硫黄原子を表す。
na’は、0又は1を表す。
*は結合部位を表す。]
これらの基は、本願明細書で記載している範囲で、同様の基が挙げられる。
R
a1及びR
a2が互いに結合して脂環式炭化水素基を形成する場合の-C(R
a1)(R
a2)(R
a3)としては、下記の基が挙げられる。*は-O-との結合部位を表す。
R
a2’及びR
a3’が互いに結合してそれらが結合する炭素原子及びXとともに複素環基を形成する場合、-C(R
a1’)(R
a2’)-X-R
a3’としては、下記の基が挙げられる。*は、結合部位を表す。
基(1)としては、具体的には以下の基が挙げられる。*は結合部位を表す。
基(2)の具体例としては、以下の基が挙げられる。*は結合部位を表す。
【0098】
従って、酸不安定基を有する構造単位を含有する樹脂とは、上述した酸不安定基と、例えば、エチレン性不飽和結合とを有するモノマー、より具体的には、酸不安定基を有する(メタ)アクリル系モノマー等の重合性C=C結合が-C-C-基(単結合)となった、構造単位を含有する樹脂を意味し、本発明におけるレジスト組成物は、このような樹脂を含まないことを意味する。
酸不安定基を有する構造単位を含有する樹脂の重量平均分子量は、例えば、3,500以上(より具体的には、4,000以上、4,500以上、5,000以上)が挙げられ、50,000以下(より具体的には、30,000以下、15,000以下)が挙げられる。本明細書では、重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーで実施例に記載の条件により求めた値である。
【0099】
<化合物(L)>
本発明のレジスト組成物は、さらに、化合物(L)として、フェノール性ヒドロキシ基もしくは安息香酸性カルボキシ基を有する化合物及び/又はフェノール性ヒドロキシ基のヒドロキシ基もしくは安息香酸性カルボキシ基のカルボキシ基が酸不安定基で保護された化合物を含むことが好ましい。化合物(L)は、式(L0)で表される構造を部分構造として1以上含む。
[式(L0)中、
Ar
lkは、置換基を有していてもよい炭素数6~18の芳香族炭化水素環を表す。
X
lkは、単結合又はカルボニル基を表す。
R
lkは、水素原子又は酸不安定基を表す。
lkは、1以上の整数を表し、lkが2以上のとき、複数の括弧内の基は、互いに同一であっても異なってもよい。
*は、結合部位を表す。
loは、1以上の整数を表す。]
Ar
lkの芳香族炭化水素環としては、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フェナントレン環等が挙げられる。
Ar
lkの芳香族炭化水素環が有していてもよい置換基としては、後述するR
lk11及びR
lk22等で例示する基と同様の基が挙げられる。
Ar
lkは、置換基を有していてもよいベンゼン環又はナフタレン環であることが好ましく、置換基を有していてもよいベンゼン環であることがより好ましい。
R
lkの酸不安定基としては、式(1a)で表される基(以下、場合により「酸不安定基(1a)」という。)、式(2a)で表される基(以下、場合により「酸不安定基(2a)」という。)が挙げられる。なかでも、式(2a)で表される基が好ましい。
[式(1a)中、R
aa1、R
aa2及びR
aa3は、それぞれ独立に、炭素数1~8のアルキル基、炭素数2~8のアルケニル基、炭素数3~20の脂環式炭化水素基、炭素数6~18の芳香族炭化水素基又はこれらを組み合わせた基を表すか、又はR
aa1及びR
aa2は互いに結合してそれらが結合する炭素原子とともに炭素数3~20の脂環式炭化水素基を形成し、該アルキル基、該アルケニル基、該脂環式炭化水素基及び該芳香族炭化水素基は、ハロゲン原子を有してもよい。
*は結合部位を表す。]
[式(2a)中、R
aa1’及びR
aa2’は、それぞれ独立に、水素原子又は炭素数1~12の炭化水素基を表し、R
aa3’は、炭素数1~20の炭化水素基を表すか、又はR
aa2’及びR
aa3’は互いに結合してそれらが結合する-C-X
a-とともに炭素数3~20の複素環基を形成し、該炭化水素基及び該複素環基に含まれる-CH
2-は、-O-又は-S-で置き換わってもよく、該炭化水素基及び該複素環基は、ハロゲン原子を有してもよい。
X
aは、酸素原子又は硫黄原子を表す。
*は結合部位を表す。]
【0100】
R
aa1、R
aa2及びR
aa3のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、n-ブチル基、n-ペンチル基、n-ヘキシル基、n-ヘプチル基、n-オクチル基等が挙げられる。R
aa1、R
aa2及びR
aa3のアルキル基の炭素数は、1~8が挙げられ、好ましくは1~6であり、より好ましくは1~4であり、さらに好ましくは1~3である。
R
aa1、R
aa2及びR
aa3のアルケニル基としては、エテニル基、プロペニル基、イソプロペニル基、ブテニル基、イソブテニル基、tert-ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基、ヘプテニル基、オクテニル基、イソオクテニル基、ノネニル基が挙げられる。
R
aa1、R
aa2及びR
aa3の脂環式炭化水素基は、単環式及び多環式のいずれでもよい。単環式の脂環式炭化水素基としては、シクロペンチル基、シクロへキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基等のシクロアルキル基が挙げられる。多環式の脂環式炭化水素基としては、例えば、デカヒドロナフチル基、アダマンチル基、ノルボルニル基及び下記の基(*は結合部位を表す。)等が挙げられる。R
aa1、R
aa2及びR
aa3の脂環式炭化水素基の炭素数は、3~20が挙げられ、好ましくは3~18であり、より好ましくは3~16であり、さらに好ましくは3~12である。
R
aa1、R
aa2及びR
aa3の芳香族炭化水素基としては、フェニル基、ナフチル基、アントリル基、ビフェニル基、フェナントリル基等のアリール基が挙げられる。R
aa1、R
aa2及びR
aa3の芳香族炭化水素基の炭素数は、6~18が挙げられ、好ましくは6~14であり、より好ましくは6~10である。
組み合わせた基としては、上述したアルキル基と脂環式炭化水素基とを組み合わせた基(例えば、メチルシクロヘキシル基、ジメチルシクロへキシル基、メチルノルボルニル基、シクロヘキシルメチル基、アダマンチルメチル基、アダマンチルジメチル基、ノルボルニルエチル基等のアルキルシクロアルキル基又はシクロアルキルアルキル基)、ベンジル基等のアラルキル基、アルキル基を有する芳香族炭化水素基(p-メチルフェニル基、p-tert-ブチルフェニル基、トリル基、キシリル基、クメニル基、メシチル基、2,6-ジエチルフェニル基、2-メチル-6-エチルフェニル基等)、脂環式炭化水素基を有する芳香族炭化水素基(p-シクロヘキシルフェニル基、p-アダマンチルフェニル基等)、フェニルシクロヘキシル基等のアリール-シクロアルキル基等が挙げられる。
【0101】
R
aa1及びR
aa2が互いに結合してそれらが結合する炭素原子とともに脂環式炭化水素基を形成する場合の-C(R
aa1)(R
aa2)(R
aa3)としては、下記の基が挙げられる。脂環式炭化水素基の炭素数は、好ましくは3~18であり、より好ましくは3~16であり、さらに好ましくは3~12である。*は-O-との結合部位を表す。
【0102】
式(1a)で表される基としては、1,1,1-トリアルキル基(式(1a)中においてRaa1、Raa2及びRaa3がアルキル基である基、好ましくはtert-ブチル基)、2-アルキルアダマンタン-2-イル基(式(1a)中、Raa1、Raa2及びこれらが結合する炭素原子がアダマンチル基を形成し、Raa3がアルキル基である基)及び1-(アダマンタン-1-イル)-1,1-ジアルキル基(式(1a)中、Raa1及びRaa2がアルキル基であり、Raa3がアダマンチル基である基)等が挙げられる。
【0103】
R
aa1'、R
aa2'及びR
aa3'の炭化水素基としては、アルキル基等の鎖式炭化水素基、脂環式炭化水素基、芳香族炭化水素基等の環状炭化水素基及びこれらを組み合わせることにより形成される基等が挙げられる。
アルキル基、脂環式炭化水素基、芳香族炭化水素基及びこれらを組み合わせた基は、R
aa1、R
aa2及びR
aa3で挙げた基と同じものが挙げられる。
R
aa2'及びR
aa3'が互いに結合してそれらが結合する炭素原子及びX
aとともに複素環基を形成する場合、-C(R
aa1')(R
aa2')-X
a-(R
aa3')としては、下記の基が挙げられる。*は、結合部位を表す。複素環基の炭素数は、3~20が挙げられ、好ましくは3~18であり、より好ましくは3~16であり、さらに好ましくは3~12である。
R
aa1、R
aa2、R
aa3、R
aa1'、R
aa2'及びR
aa3'が有してもよいハロゲン原子は、フッ素原子、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子が挙げられる。
R
aa1'及びR
aa2'のうち、少なくとも1つは水素原子であることが好ましい。
【0104】
酸不安定基(1a)の具体例としては、以下の基が挙げられる。*は結合部位を表す。
酸不安定基(2a)の具体例としては、以下の基が挙げられる。*は結合部位を表す。
【0105】
lkは、2以上のいずれかの整数であってもよい。また、lkは、例えば、13以下のいずれかの整数が挙げられる。なかでも、lkは、1~11のいずれかの整数が好ましく、1~9のいずれかの整数がより好ましく、1~7のいずれかの整数がさらに好ましく、1~6のいずれかの整数が一層好ましく、1~5のいずれかの整数がより一層好ましく、1~4のいずれかの整数がさらに一層好ましい。
loは、2以上のいずれかの整数であってもよい。また、loは、例えば、13以下のいずれかの整数が挙げられる。なかでも、loは、1~11のいずれかの整数が好ましく、1~9のいずれかの整数がより好ましく、1~7のいずれかの整数がさらに好ましく、1~6のいずれかの整数が一層好ましく、1~5のいずれかの整数がより一層好ましく、1~4のいずれかの整数がさらに一層好ましい。
【0106】
化合物(L0)としては、式(LX)で表される化合物(以下「化合物(LX)」という場合がある)が挙げられる。
[式(LX)中、
Ar
k1及びAr
k2は、それぞれ独立に、炭素数6~18の芳香族炭化水素環を表す。
X
lk1及びX
lk2は、それぞれ独立に、単結合又はカルボニル基を表す。
R
lk1及びR
lk2は、それぞれ独立に、水素原子又は酸不安定基を表す。
Lxは、置換基を有していてもよい炭素数1~80の炭化水素基を表し、該炭化水素基に含まれる-CH
2-は、-O-、-CO-、-S-又は-SO
2-で置き換わっていてもよい。
R
lk11及びR
lk22は、それぞれ独立に、ハロゲン原子又は置換基を有していてもよい炭素数1~20の炭化水素基を表し、該炭化水素基に含まれる-CH
2-は、-O-、-CO-、-S-又は-SO
2-で置き換わっていてもよく、R
lk11とR
lk22、R
lk11とLx又はR
lk22とLxがそれぞれ結合して環を形成してもよく、該環は、置換基を有していてもよく、該環に含まれる-CH
2-は、-O-、-S-、-CO-、-SO-又は-SO
2-で置き換わっていてもよい。
lx2は、1~6のいずれかの整数を表し、lx2が2以上のとき、複数の括弧内の基は、互いに同一であっても異なっていてもよい。
lk1’は、1~13のいずれかの整数を表し、lk1’が2以上のとき、複数の括弧内の基は、互いに同一であっても異なっていてもよい。
lk11’は、0~12のいずれかの整数を表し、lk11’が2以上のとき、複数の括弧内の基は、互いに同一であっても異なっていてもよい。
lk2’は、1~13のいずれかの整数を表し、lk2’が2以上のとき、複数の括弧内の基は、互いに同一であっても異なっていてもよい。
lk22’は、0~12のいずれかの整数を表し、lk22’が2以上のとき、複数の括弧内の基は、互いに同一であっても異なっていてもよい。]
Ar
k1及びAr
k2の芳香族炭化水素環としては、Ar
lkの芳香族炭化水素環で例示した基と同様の基が挙げられる。
R
lk1及びR
lk2の酸不安定基としては、R
lkの酸不安定基で例示した基と同様の基が挙げられる。
Lxの炭化水素基としては、鎖式炭化水素基、単環式又は多環式(スピロ環、縮合環又は橋掛け環等を含む)の脂環式炭化水素基、芳香族炭化水素基が挙げられ、これらの基のうち2種以上を組み合わせた基(例えば脂環式炭化水素基と鎖式炭化水素基とから形成される炭化水素基)でもよい。Lxの炭化水素基は、(lx2+1)価の炭化水素基であり、lx2に応じて、2~7価の炭化水素基となり得る。炭化水素基の炭素数は、1~72が好ましく、1~60がより好ましく、1~48がさらに好ましく、1~36がより一層好ましく、1~24がさらに一層好ましい。
鎖式炭化水素基としては、アルカンジイル基等が挙げられ、アルカンジイル基としては、メチレン基、エチレン基、プロパン-1,3-ジイル基、ブタン-1,4-ジイル基、ペンタン-1,5-ジイル基、ヘキサン-1,6-ジイル基、ヘプタン-1,7-ジイル基、オクタン-1,8-ジイル基、ノナン-1,9-ジイル基、デカン-1,10-ジイル基、ウンデカン-1,11-ジイル基、ドデカン-1,12-ジイル基、トリデカン-1,13-ジイル基、テトラデカン-1,14-ジイル基、ペンタデカン-1,15-ジイル基、ヘキサデカン-1,16-ジイル基及びヘプタデカン-1,17-ジイル基等の直鎖状アルカンジイル基;エタン-1,1-ジイル基、プロパン-1,1-ジイル基、プロパン-1,2-ジイル基、プロパン-2,2-ジイル基、ペンタン-2,4-ジイル基、2-メチルプロパン-1,3-ジイル基、2-メチルプロパン-1,2-ジイル基、ペンタン-1,4-ジイル基、2-メチルブタン-1,4-ジイル基等の分岐状アルカンジイル基が挙げられる。なお、分岐状のアルカンジイル基は、末端がメチル基であってもよい。
また、鎖式炭化水素基としては、上述した基の1以上の水素原子を結合部位に置き換えた基も挙げられる。
鎖式炭化水素基の炭素数は、好ましくは1~18であり、より好ましくは1~12であり、好ましくは1~10であり、より一層好ましくは1~9であり、さらに一層好ましくは1~8であり、さらにより好ましくは1~6であり、さらにより一層好ましくは1~4である。
脂環式炭化水素基としては、シクロブタン-1,3-ジイル基、シクロペンタン-1,3-ジイル基、シクロヘキサン-1,4-ジイル基、シクロオクタン-1,5-ジイル基等の単環式シクロアルカンジイル基;ノルボルナン-1,4-ジイル基、ノルボルナン-2,5-ジイル基、アダマンタン-1,5-ジイル基、アダマンタン-2,6-ジイル基等の多環式シクロアルカンジイル基、スピロシクロヘキサン-1,2′-シクロペンタン基、スピロアダマンタン-2,3′-シクロペンタン基等のシクロアルキル基、ノルボルニル基もしくはアダマンチル基とそれぞれにスピロで結合したシクロアルキル基を有するスピロ環等のスピロ環式の脂環式炭化水素基が挙げられる。
また、脂環式炭化水素基としては、上述した基の1以上の水素原子を結合部位に置き換えた基も挙げられる。
脂環式炭化水素基としては、以下の基等が挙げられる。結合部位は任意の位置とすることができる。
脂環式炭化水素基の炭素数は、3~72が挙げられ、3~60であってもよく、好ましくは3~24であり、より好ましくは3~20であり、さらに好ましくは3~18であり、より一層好ましくは3~16であり、さらに一層好ましくは3~12である。
芳香族炭化水素基としては、フェニレン基、ナフチレン基、アントリレン基、ビフェニレン基、フェナントリレン基等のアリーレン基等の芳香族炭化水素基が挙げられる。
また、芳香族炭化水素基としては、上述した基の1以上の水素原子を結合部位に置き換えた基も挙げられる。
芳香族炭化水素基の炭素数は、6~72が挙げられ、6~60であってもよく、好ましくは6~24であり、より好ましくは6~20であり、さらに好ましくは6~18であり、より一層好ましくは6~14であり、さらに一層好ましくは6~10である。
2種以上を組み合わせた基としては、脂環式炭化水素基と鎖式炭化水素基とを組み合わせた基、芳香族炭化水素基と鎖式炭化水素基とを組み合わせた基及び脂環式炭化水素基と芳香族炭化水素基とを組み合わせた基が挙げられる。組み合わせにおいて、脂環式炭化水素基、芳香族炭化水素基、鎖式炭化水素基は、それぞれ2種以上を組み合わせてもよい。また、いずれの基がAr
k1又はAr
k2に結合していてもよい。
脂環式炭化水素基と鎖式炭化水素基とを組み合わせた基としては、例えば、-脂環式炭化水素基-鎖式炭化水素基-、-鎖式炭化水素基-脂環式炭化水素基-鎖式炭化水素基-、-鎖式炭化水素基-脂環式炭化水素基-等が挙げられる。
芳香族炭化水素基と鎖式炭化水素基とを組み合わせた基としては、例えば、-芳香族炭化水素基-鎖式炭化水素基-、-鎖式炭化水素基-芳香族炭化水素基-鎖式炭化水素基-、-鎖式炭化水素基-芳香族炭化水素基-等が挙げられる。
脂環式炭化水素基と芳香族炭化水素基とを組み合わせた基としては、-芳香族炭化水素基-脂環式炭化水素基-、-脂環式炭化水素基-芳香族炭化水素基-、-脂環式炭化水素基-芳香族炭化水素基-脂環式炭化水素基-等が挙げられる。
また、組み合わせた基としては、上述した基の1以上の水素原子を結合部位に置き換えた基も挙げられる。
Lxの炭化水素基に含まれる-CH
2-は、-O-、-S-、-SO
2-又は-CO-に置き換わっていてもよい。
炭化水素基に含まれる-CH
2-が、-O-、-S-、-SO
2-又は-CO-に置き換わった基としては、上述したように、ヒドロキシ基、カルボキシ基、チオール基、オキシ基、カルボニル基、チオ基、スルホニル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アルキルスルホニル基、アルコキシカルボニル基、アルキルカルボニル基、アルキルカルボニルオキシ基、アルカンジイルオキシ基、アルカンジイルオキシカルボニル基、アルカンジイルカルボニル基、アルカンジイルカルボニルオキシ基、アルカンジイルスルホニル基、アルカンジイルチオ基、シクロアルコキシ基、シクロアルキルアルコキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、芳香族炭化水素基-カルボニルオキシ基、芳香族炭化水素基-カルボニル基、芳香族炭化水素基-オキシ基、これらの基のうち2種以上を組み合わせた基等が挙げられる。これらの置き換わった基は、炭素数の上限が許す範囲で、本明細書で例示した基と同様のものが挙げられる。
また、脂環式炭化水素基に含まれる-CH
2-が、-O-、-S-、-CO-又は-SO
2-で置き換わった基は、炭素数の上限が許す範囲で、本明細書で例示した基と同様のものが挙げられる。
炭化水素基に含まれる-CH
2-が、-O-、-S-、-SO
2-又は-CO-に置き換わった基としては、上述した基の1以上の水素原子を結合部位に置き換えた基も挙げられる。
Lxが有してもよい置換基としては、例えば、ハロゲン原子、シアノ基等が挙げられる。
Lxが、脂環炭化水素基もしくは芳香族炭化水素基とアルキル基等の鎖式炭化水素基を組み合わせた基の場合、アルキル基等の鎖式炭化水素基を脂環式炭化水素基もしくは芳香族炭化水素基の置換基とすることができる。
Lxに含まれるアルキル基等の鎖式炭化水素基に含まれる-CH
2-が、-O-、-CO-、-S-又は-SO
2-に置き換わることで、Lxは、実質的に、ヒドロキシ基、カルボキシ基、アルコキシ基、アルキルカルボニル基、アルコキシカルボニル基、アルキルカルボニルオキシ基、チオール基、スルホニル基等の置換基を有することができる。
Lxが有してもよい置換基としては、後述するR
lk11及びR
lk22等で例示する基と同様の基も挙げられる。
【0107】
R
lk11及びR
lk22のハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子等が挙げられる。
R
lk11及びR
lk22の炭化水素基としては、アルキル基及びアルカンジイル基等の鎖式炭化水素基、脂環式炭化水素基、芳香族炭化水素基及びこれらを組み合わせることにより形成される基が挙げられる。
アルキル基としては、直鎖又は分岐のアルキル基であり、例えば、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、2-エチルヘキシル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基及びドデシル基等が挙げられる。
アルカンジイル基としては、直鎖又は分岐のアルカンジイル基であり、メチレン基、エチレン基、プロパン-1,3-ジイル基、ブタン-1,4-ジイル基、ペンタン-1,5-ジイル基、ヘキサン-1,6-ジイル基、ヘプタン-1,7-ジイル基、オクタン-1,8-ジイル基、ノナン-1,9-ジイル基、デカン-1,10-ジイル基、ウンデカン-1,11-ジイル基、ドデカン-1,12-ジイル基、トリデカン-1,13-ジイル基、テトラデカン-1,14-ジイル基、ペンタデカン-1,15-ジイル基、ヘキサデカン-1,16-ジイル基及びヘプタデカン-1,17-ジイル基等の直鎖状アルカンジイル基及びエタン-1,1-ジイル基、プロパン-1,1-ジイル基、プロパン-1,2-ジイル基、プロパン-2,2-ジイル基、ペンタン-2,4-ジイル基、2-メチルプロパン-1,3-ジイル基、2-メチルプロパン-1,2-ジイル基、ペンタン-1,4-ジイル基、2-メチルブタン-1,4-ジイル基等の分岐状アルカンジイル基が挙げられる。分岐状のアルカンジイル基の末端はメチル基であってもよい。
鎖式炭化水素基の炭素数は、好ましくは1~12であり、より好ましくは1~9であり、さらに好ましくは1~6であり、より一層好ましくは1~4であり、さらに一層好ましくは1~3である。
脂環式炭化水素基は、単環式又は多環式のいずれでもよく、該脂環式炭化水素基としては、以下に表される基等が挙げられる。結合部位は任意の位置とすることができる。
具体的には、単環式の脂環式炭化水素基としては、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロノニル基、シクロデシル基、シクロドデシル基等の単環式シクロアルキル基が挙げられる。多環式の脂環式炭化水素基としては、デカヒドロナフチル基、アダマンチル基、ノルボルニル基等の多環式シクロアルキル基が挙げられる。スピロ環式の脂環式炭化水素基としては、スピロシクロヘキサン-1,2′-シクロペンタン基、スピロアダマンタン-2,3’-シクロペンタン基等のシクロアルキル基、ノルボルニル基もしくはアダマンチル基とそれぞれにスピロで結合したシクロアルキル基を有するスピロ環等が挙げられる。脂環式炭化水素基の炭素数は、好ましくは3~18であり、より好ましくは3~16であり、さらに好ましくは3~12である。
芳香族炭化水素基としては、フェニル基、ナフチル基、ビフェニル基、アントリル基、フェナントリル基、ビナフチル基等が挙げられる。芳香族炭化水素基の炭素数は、好ましくは6~18であり、より好ましくは6~14であり、さらに好ましくは6~10である。
2種以上の基を組み合わせることにより形成される基としては、芳香族炭化水素基と鎖式炭化水素基とを組み合わせた基(例えば、芳香族炭化水素基-アルカンジイル基-*、アルキル基-芳香族炭化水素基-*、アルキル基-芳香族炭化水素基-アルカンジイル基-*が挙げられ、該アルカンジイル基及び該アルキル基に含まれる-CH
2-は、-O-、-CO-、-S-又は-SO
2-に置き換わってもよい。)、脂環式炭化水素基と鎖式炭化水素基とを組み合わせた基(例えば、脂環式炭化水素基-アルカンジイル基-*、アルキル基-脂環式炭化水素基-*、アルキル基-脂環式炭化水素基-アルカンジイル基-*が挙げられ、該脂環式炭化水素基、該アルカンジイル基及び該アルキル基に含まれる-CH
2-は、-O-、-CO-、-S-又は-SO
2-に置き換わってもよい。)、芳香族炭化水素基と脂環式炭化水素基とを組み合わせた基(例えば、芳香族炭化水素基-脂環式炭化水素基-*、脂環式炭化水素基-芳香族炭化水素基-*が挙げられ、該脂環式炭化水素基に含まれる-CH
2-は、-O-、-CO-、-S-又は-SO
2-に置き換わってもよい。)が挙げられる。*は結合部位を表す。
芳香族炭化水素基-アルカンジイル基-*としては、ベンジル基、フェネチル基等のアラルキル基が挙げられる。
アルキル基-芳香族炭化水素基-*としては、トリル基、キシリル基、クメニル基等が挙げられる。
脂環式炭化水素基-アルカンジイル基-*としては、シクロヘキシルメチル基、シクロヘキシルエチル基、1-(アダマンタン-1-イル)メチル基、1-(アダマンタン-1-イル)-1-メチルエチル基等のシクロアルキルアルキル基等が挙げられる。
アルキル基-脂環式炭化水素基-*としては、メチルシクロヘキシル基、ジメチルシクロヘキシル基、2-アルキルアダマンタン-2-イル基等のアルキル基を有するシクロアルキル基等が挙げられる。
芳香族炭化水素基-脂環式炭化水素基-*としては、フェニルシクロヘキシル基等が挙げられる。
脂環式炭化水素基-芳香族炭化水素基-*としては、シクロヘキシルフェニル基等が挙げられる。
なお、組み合わせにおいて、脂環式炭化水素基、芳香族炭化水素基、鎖式炭化水素基は、それぞれ2種以上を組み合わせてもよい。また、いずれの基がベンゼン環に結合していてもよい。
R
lk11及びR
lk22で表される炭化水素基に含まれる-CH
2-は、-O-、-CO-、-S-又は-SO
2-に置き換わっている場合、置き換わる前の炭素数を該炭化水素基の総炭素数とする。また、その数は、1つでもよいし、2つ以上でもよい。
炭化水素基に含まれる-CH
2-が、-O-、-S-、-SO
2-又は-CO-に置き換わった基としては、炭素数の上限が許す範囲で、Lxで例示した基と同様の基が挙げられる。
R
lk11及びR
lk22の炭化水素基が有していてもよい置換基としては、ハロゲン原子、シアノ基等が挙げられる。
R
lk11及びR
lk22が、ハロゲン原子を有する炭化水素基である場合、R
lk11及びR
lk22のハロゲン原子を有する炭化水素基としては、例えば、ハロアルキル基等のハロゲン原子を有する鎖式炭化水素基、ハロゲン原子を有する脂環式炭化水素基、ハロゲン原子を有する芳香族炭化水素基が挙げられる。
ハロアルキル基とは、ハロゲン原子を有するアルキル基を表し、該ハロアルキル基としては、炭素数1~12のフッ化アルキル基、炭素数1~12の塩化アルキル基、炭素数1~12の臭化アルキル基、炭素数1~12のヨウ化アルキル基等の炭素数1~12のハロアルキル基が挙げられる。該ハロアルキル基の具体例としては、炭素数1~12のペルフルオロアルキル基(トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、ヘプタフルオロプロピル基、ノナフルオロブチル基等)、2,2,2-トリフルオロエチル基、3,3,3-トリフルオロプロピル基、4,4,4-トリフルオロブチル基、3,3,4,4,4-ペンタフルオロブチル基、クロロメチル基、ブロモメチル基、ヨードメチル基等が挙げられる。ハロアルキル基の炭素数は、好ましくは1~9であり、より好ましくは1~6であり、さらに好ましくは1~4であり、さらにより好ましくは1~3である。
ハロアルキル基に含まれる-CH
2-は-O-又は-CO-等に置き換わっていてもよく、このような基としては、ハロアルコキシ基、ハロアルコキシカルボニル基、ハロアルキルカルボニル基、ハロアルキルカルボニルオキシ基等が挙げられる。具体的には、炭素数1~11のハロアルコキシ基、炭素数2~11のハロアルコキシカルボニル基、炭素数2~12のハロアルキルカルボニル基、炭素数2~11のハロアルキルカルボニルオキシ基等が挙げられ、例えば、上記に例示した基の1以上の水素原子をハロゲン原子に置き換えた基が挙げられる。
炭化水素基は、1つの置換基又は複数の置換基を有していてもよい。
【0108】
化合物(LX)としては、式(LX-0)で表される化合物(以下「化合物(LX-0)」という場合がある)が挙げられる。化合物(LX-0)としては、式(LX-1)で表される化合物(以下「化合物(LX-1)」という場合がある)が好ましい。
[式(LX-0)中、下記以外の符号は、前記と同じ意味を表す。
lk1は、1~5のいずれかの整数を表し、lk1が2以上のとき、複数の括弧内の基は、互いに同一でも異なっていてもよい。
lk11は、0~4のいずれかの整数を表し、1≦lk1+lk11≦5を満たし、lk11が2以上のとき、複数の括弧内の基は、互いに同一でも異なっていてもよい。
lk2は、1~5のいずれかの整数を表し、lk2が2以上のとき、複数の括弧内の基は、互いに同一でも異なっていてもよい。
lk22は、0~4のいずれかの整数を表し、1≦lk2+lk22≦5を満たし、lk22が2以上のとき、複数の括弧内の基は、互いに同一でも異なっていてもよい。]
[式(LX-1)中、下記以外の符号は、前記と同じ意味を表す。
X
lk3は、単結合又はカルボニル基を表す。
R
lk3は、水素原子又は酸不安定基を表す。
Lx1及びLx2は、それぞれ独立に、置換基を有していてもよい炭素数1~20の炭化水素基を表し、該炭化水素基に含まれる-CH
2-は、-O-、-CO-、-S-又は-SO
2-で置き換わっていてもよい。
R
lk33は、ハロゲン原子又は置換基を有していてもよい炭素数1~20の炭化水素基を表し、該炭化水素基に含まれる-CH
2-は、-O-、-CO-、-S-又は-SO
2-で置き換わっていてもよい。
lx3は、0~6のいずれかの整数を表し、lx3が2以上のとき、複数の括弧内の基は、互いに同じであっても異なっていてもよい。
lk3は、1~4のいずれかの整数を表し、lk3が2以上のとき、複数の括弧内の基は、互いに同一でも異なっていてもよい。
lk33は、0~3のいずれかの整数を表し、1≦lk3+lk33≦4を満たし、lk33が2以上のとき、複数の括弧内の基は、互いに同一でも異なっていてもよい。]
Lx1及びLx2の置換基を有していてもよい炭化水素基(該炭化水素基に含まれる-CH
2-は、-O-、-CO-、-S-又は-SO
2-で置き換わっていてもよい。)としては、炭素数の上限等が許す範囲で、Lxで例示した置換基を有していてもよい炭化水素基(該炭化水素基に含まれる-CH
2-は、-O-、-CO-、-S-又は-SO
2-で置き換わっていてもよい。)と同様の基が挙げられる。
R
lk33のハロゲン原子又は置換基を有していてもよい炭化水素基(該炭化水素基に含まれる-CH
2-は、-O-、-CO-、-S-又は-SO
2-で置き換わっていてもよい。)としては、炭素数の上限等が許す範囲で、R
lk11及びR
lk22で例示したハロゲン原子又は置換基を有していてもよい炭化水素基(該炭化水素基に含まれる-CH
2-は、-O-、-CO-、-S-又は-SO
2-で置き換わっていてもよい。)と同様の基が挙げられる。
R
lk11とLx
1、又は、R
lk22とLx
2は、それぞれ互いに結合して環を形成してもよい。この場合の環は、R
lk11及びR
lk22が、それぞれベンゼン環に結合しているため、ベンゼン環と縮合する縮合環又はベンゼン環とスピロ結合するスピロ環となるものが挙げられる。この縮合環又はスピロ環の全炭素数は、3~28が挙げられ、3~24であってもよく、3~20が好ましい。縮合環又はスピロ環は、1以上の-O-、-CO-、-S-又は-SO
2-を含む環であってもよい。ベンゼン環(-R
lk11)-Lx
1-又はベンゼン環(-R
lk22)-Lx
2-において、R
lk11とLx
1又はR
lk22とLx
2がそれぞれ結合して形成する環としては、例えば、以下の基等が挙げられる。以下の基は、記載を省略しているが、少なくとも1つのR
lk1-O-X
lk1-又はR
lk2-O-X
lk2-を有し、他のR
lk11又はR
lk22を有してもよい。*はベンゼン環との結合部位を表す。
R
lk11とR
lk22は、互いに結合して環を形成してもよい。この場合の環としては、例えば、後述する式(LX-13)で示される構造の環等が挙げられる。
【0109】
化合物(LX-1)としては、式(LX-11)、式(LX-12)及び式(LX-13)で表される化合物(以下、それぞれ、「化合物(LX-11)」、「化合物(LX-12)」及び「化合物(LX-13)」という場合がある)が好ましい。
[式(LX-11)、式(LX-12)及び式(LX-13)中、
下記以外の符号は、前記と同じ意味を表す。
Lyは、置換基を有していてもよい炭素数1~20の炭化水素基を表し、該炭化水素基に含まれる-CH
2-は、-O-、-CO-、-S-又は-SO
2-で置き換わっていてもよい。]
Lyの置換基を有していてもよい炭化水素基(該炭化水素基に含まれる-CH
2-は、-O-、-CO-、-S-又は-SO
2-で置き換わっていてもよい。)としては、炭素数の上限等が許す範囲で、Lxで例示した置換基を有していてもよい炭化水素基(該炭化水素基に含まれる-CH
2-は、-O-、-CO-、-S-又は-SO
2-で置き換わっていてもよい。)と同様の基が挙げられる。
lk1及びlk2は、それぞれ独立に、1~4のいずれかの整数であることが好ましく、1~3のいずれかの整数であることがより好ましく、1又は2であることがさらに好ましい。
lk11及びlk22は、それぞれ独立に、0~3のいずれかの整数であることが好ましく、0~2のいずれかの整数であることがより好ましい。
lk3は、1~3のいずれかの整数であることが好ましく、1又は2であることがより好ましい。
lk33は、0~2のいずれかの整数であることが好ましい。
lx2は、1~5のいずれかの整数であることが好ましく、1~4のいずれかの整数であることがより好ましく、1~3のいずれかの整数であることがさらに好ましく、1又は2であることがさらにより好ましい。
lx3は、0~5のいずれかの整数であることが好ましく、0~4のいずれかの整数であることがより好ましく、0~3のいずれかの整数であることがさらに好ましく、0~2のいずれかの整数であることがさらにより好ましい。
R
lk11、R
lk22及びR
lk33は、それぞれ独立に、ハロゲン原子、炭素数1~6のハロアルキル基又は炭素数1~6のアルキル基(該ハロアルキル基又は該アルキル基に含まれる-CH
2-は、-O-又は-CO-に置き換わっていてもよい。)であることが好ましく、ハロゲン原子、炭素数1~4のハロアルキル基又は炭素数1~4のアルキル基(該アルキル基に含まれる-CH
2-は、-O-又は-CO-に置き換わっていてもよい。)であることがより好ましく、ヨウ素原子、フッ素原子、炭素数1~3のフッ化アルキル基、ヒドロキシ基、カルボキシ基、炭素数1~3のアルコキシ基、炭素数1~3のヒドロキシアルキル基又は炭素数1~3のアルキル基であることがさらに好ましく、ヨウ素原子、フッ素原子、トリフルオロメチル基、ヒドロキシ基、カルボキシ基、メトキシ基又はメチル基であることがさらにより好ましい。
Lx1、Lx2及びLyは、それぞれ独立に、炭素数1~10の鎖式炭化水素基(該鎖式炭化水素基に含まれる-CH
2-は、-O-又は-CO-に置き換わっていてもよい。)又は炭素数1~6の鎖式炭化水素基と炭素数3~18の環状炭化水素基とを組み合わせた基(該鎖式炭化水素基及び該環状炭化水素基に含まれる-CH
2-は、-O-又は-CO-に置き換わっていてもよい。)であることが好ましく、炭素数1~8の鎖式炭化水素基(該鎖式炭化水素基に含まれる-CH
2-は、-O-又は-CO-に置き換わっていてもよい。)又は炭素数1~4の鎖式炭化水素基と炭素数3~16の環状炭化水素基とを組み合わせた基(該鎖式炭化水素基及び該環状炭化水素基に含まれる-CH
2-は、-O-又は-CO-に置き換わっていてもよい。)であることがより好ましく、炭素数1~6の鎖式炭化水素基又は炭素数1~4の鎖式炭化水素基と炭素数3~12の環状炭化水素基とを組み合わせた基であることがさらに好ましい。
また、R
lk11とLx
1又はR
lk22とLx
2がそれぞれ結合して環を形成することも好ましく、R
lk11とR
lk22が結合して環を形成することも好ましい。
【0110】
化合物(L)は、低分子量化合物及び樹脂のいずれでもよい。但し、樹脂の場合は、酸不安定基を有さない。
低分子量化合物としては、重量平均分子量が3,500未満の化合物が挙げられる。
化合物(L)が低分子量化合物である場合、重量平均分子量は、3,000以下であることが好ましく、2,500以下であることがより好ましく、2,000以下であることがさらに好ましく、1,500以下であることが一層好ましく、1,000以下であることがより一層好ましい。また、100以上が挙げられ、120以上であることが好ましく、150以上であることがより好ましく、200以上であることがさらに好ましく、300以上であることがより一層好ましい。
【0111】
化合物(L)のうち、フェノール性ヒドロキシ基を有する低分子量化合物(X
lkが単結合であり、R
lkが水素原子である化合物)としては、下記式で表される化合物が挙げられる。
化合物(L)のうち、安息香酸性カルボキシ基を有する低分子量化合物(X
lkがカルボニル基であり、R
lkが水素原子である化合物)としては、上記化合物のヒドロキシ基をカルボキシ基に置き換えた化合物が挙げられる。なお、化合物(L)では、ヒドロキシ基とカルボキシ基との双方を有していてもよい。
【0112】
化合物(L)のうち、フェノール性ヒドロキシ基のヒドロキシ基が酸不安定基で保護された低分子量化合物としては、下記式で表される化合物が挙げられる。
化合物(L)のうち、安息香酸性カルボキシ基のカルボキシ基が酸不安定基で保護された低分子量化合物としては、上記化合物のエトキシエトキシ基をエトキシエトキシカルボニル基に置き換えた化合物が挙げられる。なお、化合物(L)では、エトキシエトキシ基とエトキシエトキシカルボニル基との双方を有していてもよい。
【0113】
本発明のレジスト組成物においては、化合物(L0)を含む場合、化合物(L0)の含有率は、レジスト組成物の固形分に対して、0.1質量%以上が挙げられ、好ましくは0.3質量%以上、より好ましくは0.5質量%以上、さらに好ましくは1質量%以上である。また、90質量%以下が挙げられ、好ましくは70質量%以下、より好ましくは60質量%以下、さらに好ましくは50質量%以下である。具体的には、0.1質量%以上90質量%以下が挙げられ、好ましくは0.3質量%以上70質量%以下、より好ましくは0.5質量%以上60質量%以下、さらに好ましくは1質量%以上50質量%以下である。
【0114】
化合物(L)が樹脂である場合、式(a2-A)で表される構造単位を含む樹脂(以下「樹脂(AX)」という場合がある)であることが好ましい。
[式(a2-A)中、
R
a2は、水素原子、ハロゲン原子又はハロゲン原子を有していてもよい炭素数1~6のアルキル基を表す。
R
a27は、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、カルボキシ基、ハロゲン原子を有していてもよい炭素数1~6のアルキル基、炭素数1~6のアルコキシ基、炭素数2~12のアルコキシアルキル基、炭素数2~12のアルコキシアルコキシ基、炭素数2~4のアルキルカルボニル基、炭素数2~4のアルキルカルボニルオキシ基、アクリロイルオキシ基又はメタクリロイルオキシ基を表す。
A
a21は、単結合又は炭素数1~12のアルカンジイル基を表し、該アルカンジイル基に含まれる-CH
2-は、-O-、-CO-又は-NR
a28-に置き換わってもよい。
R
a28は、水素原子又は炭素数1~6のアルキル基を表す。
X
a2は、単結合又はカルボニル基を表す。
nA2は、1~5のいずれかの整数を表し、nA2が2以上のとき、複数の括弧内の基は、互いに同一であっても異なっていてもよい。
na21は、0~4のいずれかの整数を表し、na21が2以上のとき、複数のR
a27は、互いに同一であっても異なっていてもよい。
mcは、0~2のいずれかの整数を表す。]
R
a2におけるハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、ヨウ素原子及び臭素原子等が挙げられる。
R
a2におけるハロゲン原子を有していてもよい炭素数1~6のアルキル基としては、トリフルオロメチル基、ジフルオロメチル基、メチル基、ペルフルオロエチル基、2,2,2-トリフルオロエチル基、1,1,2,2-テトラフルオロエチル基、エチル基、ペルフルオロプロピル基、2,2,3,3,3-ペンタフルオロプロピル基、プロピル基、ペルフルオロブチル基、1,1,2,2,3,3,4,4-オクタフルオロブチル基、ブチル基、ペルフルオロペンチル基、2,2,3,3,4,4,5,5,5-ノナフルオロペンチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ペルフルオロヘキシル基、クロロメチル基、ブロモメチル基、ヨードメチル基が挙げられる。アルキル基の炭素数は、好ましくは1~4であり、より好ましくは1~3であり、さらに好ましくは1又は2である。
R
a2は、水素原子又は炭素数1~4のアルキル基が好ましく、水素原子、メチル基又はエチル基がより好ましく、水素原子又はメチル基がさらに好ましい。
【0115】
Aa21のアルカンジイル基としては、メチレン基、エチレン基、プロパン-1,3-ジイル基、プロパン-1,2-ジイル基、ブタン-1,4-ジイル基、ペンタン-1,5-ジイル基、ヘキサン-1,6-ジイル基、へプタン-1,7-ジイル基、オクタン-1,8-ジイル基、ノナン-1,9-ジイル基、デカン-1,10-ジイル基、ウンデカン-1,11-ジイル基、ドデカン-1,12-ジイル基等の直鎖状のアルカンジイル基、ブタン-1,3-ジイル基、2-メチルプロパン-1,3-ジイル基、2-メチルプロパン-1,2-ジイル基、ペンタン-1,4-ジイル基、2-メチルブタン-1,4-ジイル基、ヘプタン-1,6-ジイル基、オクタン-1,7-ジイル基、ノナン-1,8-ジイル基、デカン-1,9-ジイル基、ウンデカン-1,10-ジイル基等の分岐状のアルカンジイル基が挙げられる。アルカンジイル基の炭素数は、好ましくは1~10であり、より好ましくは1~8であり、さらに好ましくは1~6であり、より一層好ましくは1~4であり、さらに一層好ましくは1~3であり、さらにより好ましくは1又は2である。
Ra28のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、tert-ブチル基が挙げられる。
Aa21のアルカンジイル基に含まれる-CH2-が、-O-、-CO-又は-NRa28-に置き換わっている場合、置き換わる前の炭素数を該アルカンジイル基の炭素数とする。
Aa21のアルカンジイル基に含まれる-CH2-が、-O-、-CO-又は-NRa28-に置き換わった基としては、ヒドロキシ基、カルボキシ基、カルボニル基、オキシ基、アミノ基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アルキルカルボニル基、アルキルアミノ基、ペプチド基、アルカンジイルオキシ基、アルカンジイルオキシカルボニル基、アルカンジイルカルボニル基、アルカンジイルカルボニルオキシ基、アルカンジイルスルホニル基、アルカンジイルチオ基、アルカンジイルアミノ基等が挙げられる。これらの置き換わった基は、炭素数の上限が許す範囲で、本明細書で例示した基と同様のものが挙げられる。
アルキルアミノ基としては、炭素数1~11のアルキルアミノ基が挙げられ、例えば、メチルアミノ基、エチルアミノ基、プロピルアミノ基、ブチルアミノ基、ペンチルアミノ基、ヘキシルアミノ基、オクチルアミノ基等が挙げられる。アルキルアミノ基の炭素数は、好ましくは1~8であり、より好ましくは1~6であり、さらに好ましくは1~4であり、さらにより好ましくは1~3である。
アルカンジイルアミノ基としては、炭素数1~11のアルカンジイルアミノ基が挙げられ、例えば、メチレンアミノ基、エチレンアミノ基、プロピレンアミノ基等が挙げられる。アルカンジイルアミノ基の炭素数は、好ましくは1~8であり、より好ましくは1~6であり、さらに好ましくは1~4であり、さらにより好ましくは1~3である。
なかでも、Aa21のアルカンジイル基に含まれる-CH2-が、-O-、-CO-又は-NRa28-に置き換わった基としては、*-O-、*-CO-O-、*-O-CO-、*-CO-O-Aa22-CO-O-、*-O-CO-Aa22-O-、*-O-Aa22-CO-O-、*-CO-O-Aa22-O-CO-、*-O-CO-Aa22-O-CO-、*-CO-NRa28-が挙げられる。なかでも、*-CO-O-、*-CO-O-Aa22-CO-O-又は*-O-Aa22-CO-O-、*-CO-NRa28-が好ましい。ここで、Aa22は、炭素数1~8のアルカンジイル基を表し、*はRa2が結合する炭素原子との結合部位を表す。Aa22のアルカンジイル基は、炭素数の上限が許す範囲で、Aa21と同様のアルカンジイル基が挙げられる。
Aa21は、単結合、*-CO-O-又は*-CO-O-Aa22-CO-O-であることが好ましく、単結合、*-CO-O-又は*-CO-O-CH2-CO-O-であることがより好ましく、単結合又は*-CO-O-であることがさらに好ましい。
【0116】
Ra27のハロゲン原子及びハロゲン原子を有していてもよい炭素数1~6のアルキル基としては、Ra2と同様のものが挙げられる。
Ra27のアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、sec-ブトキシ基、tert-ブトキシ基が挙げられる。アルコキシ基は、好ましくは1~4のアルコキシ基であり、より好ましくは1~3のアルコキシ基であり、さらに好ましくはメトキシ基又はエトキシ基であり、より一層好ましくはメトキシ基である。
Ra27のアルコキシアルキル基としては、メトキシメチル基、エトキシエチル基、プロポキシメチル基、イソプロポキシメチル基、ブトキシメチル基、sec-ブトキシメチル基、tert-ブトキシメチル基が挙げられる。アルコキシアルキル基は、炭素数2~8のアルコキシアルキル基が好ましく、メトキシメチル基又はエトキシエチル基がより好ましく、メトキシメチル基がさらに好ましい。
Ra27のアルコキシアルコキシ基としては、メトキシメトキシ基、メトキシエトキシ基、エトキシメトキシ基、エトキシエトキシ基、プロポキシメトキシ基、イソプロポキシメトキシ基、ブトキシメトキシ基、sec-ブトキシメトキシ基、tert-ブトキシメトキシ基が挙げられる。アルコキシアルコキシ基は、炭素数2~8のアルコキシアルコキシ基が好ましく、メトキシエトキシ基又はエトキシエトキシ基がより好ましい。
Ra27のアルキルカルボニル基としては、アセチル基、プロピオニル基及びブチリル基等が挙げられる。アルキルカルボニル基は、炭素数2~3のアルキルカルボニル基が好ましく、アセチル基がより好ましい。
Ra27のアルキルカルボニルオキシ基としては、アセチルオキシ基、プロピオニルオキシ基及びブチリルオキシ基が挙げられる。アルキルカルボニルオキシ基は、炭素数2~3のアルキルカルボニルオキシ基が好ましく、アセチルオキシ基がより好ましい。
Ra27は、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、カルボキシ基、ハロゲン原子を有していてもよい炭素数1~4のアルキル基、炭素数1~4のアルコキシ基又は炭素数2~8のアルコキシアルコキシ基が好ましく、フッ素原子、ヨウ素原子、ヒドロキシ基、メチル基、メトキシ基、エトキシ基、エトキシエトキシ基又はエトキシメトキシ基がより好ましく、フッ素原子、ヨウ素原子、ヒドロキシ基、メチル基、メトキシ基又はエトキシエトキシ基がさらに好ましい。
nA2は、1、2、3又は4が好ましく、1、2又は3がより好ましく、1又は2がさらに好ましい。
na21は、0、1、2又は3が好ましく、0、1又は2がより好ましく、0又は1がさらに好ましい。
mcは、0又は1が好ましい。
-Xa2-OHは、ベンゼン環の場合、Aa21の結合位置に対して、o-位、m-位又はp-位のいずれに結合してもよい。なかでも、少なくとも1つが、m-位又はp-位に結合することが好ましく、m-位に結合することがより好ましい。ナフタレン環の場合、Aa21の結合位置が1位の場合は、2位~8位のいずれに結合してもよく、Aa21の結合位置が2位の場合は、1位及び3位~8位のいずれに結合してもよい。なかでも、Aa21の結合位置が1位の場合は、少なくとも1つが、3位~6位に結合することが好ましく、3位又は4位に結合することがより好ましい。Aa21の結合位置が2位の場合は、4位~7位に結合することが好ましく、5位又は6位に結合することがより好ましい。
【0117】
構造単位(a2-A)としては、特開2010-204634号公報、特開2012-12577号公報に記載されているモノマー由来の構造単位が挙げられる。
構造単位(a2-A)としては、式(a2-2-1)~式(a2-2-32)、式(a2-3-1)~式(a2-3-24)で表される構造単位及び式(a2-2-1)~式(a2-2-32)、式(a2-3-1)~式(a2-3-24)で表される構造単位において、構造単位(a2-A)におけるR
a2に相当するメチル基が水素原子、ハロゲン原子、ハロアルキル基又は他のアルキル基に置き換わった構造単位が挙げられる。
【0118】
樹脂中に構造単位(a2-A)が含まれる場合の構造単位(a2-A)の含有率は、全構造単位に対して、好ましくは5モル%以上であり、より好ましくは10モル%以上であり、さらに好ましくは15モル%以上であり、より一層好ましくは20モル%以上である。また、好ましくは80モル%以下であり、より好ましくは70モル%以下であり、さらに好ましくは65モル%以下であり、より一層好ましくは60モル%以下であり、さらに一層好ましくは50モル%以下であり、さらにより好ましくは45モル%以下であり、さらにより一層好ましくは40モル%以下である。具体的には、好ましくは5~80モル%であり、より好ましくは10~70モル%であり、さらに好ましくは15~65モル%であり、より一層好ましくは20~65モル%である。
構造単位(a2-A)は、構造単位(a2-A)を誘導する化合物(例えば、構造単位(a2-A)の-CH
2-C(-R
a2)-が、開裂前の2重結合のCH
2=C(-R
a2)の状態である化合物(a2-A’)等)を重合させることにより、樹脂(A)に含ませることができる。また、例えば構造単位(a1-4)を用いて重合した後、p-トルエンスルホン酸等の酸で処理することにより、樹脂に含ませることができる。また、アセトキシスチレン等を用いて重合した後、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド等のアルカリで処理することにより、構造単位(a2-A)を樹脂に含ませることができる。
【0119】
本発明のレジスト組成物に樹脂が含まれる場合、樹脂は、式(a2-A)で表される構造単位以外の構造単位を含んでいてもよい。
式(a2-A)で表される構造単位以外の構造単位としては、式(a2-A)で表される構造単位以外の酸不安定基を有さない構造単位(以下「構造単位(s)」という場合がある)、構造単位(s)以外の構造単位(例えば、後述するハロゲン原子を有する構造単位(以下「構造単位(a4)」という場合がある)、後述する非脱離炭化水素基を有する構造単位(以下「構造単位(a5)」という場合がある)及びその他の当該分野で公知のモノマーに由来する構造単位等が挙げられる。
【0120】
〈構造単位(s)〉
構造単位(s)は、酸不安定基を有さないモノマー(以下「モノマー(s)」という場合がある)から導かれる。構造単位(s)を導くモノマーは、レジスト分野で公知の酸不安定基を有さないモノマーを使用できる。
構造単位(s)としては、ヒドロキシ基、カルボキシ基又はラクトン環を有するのが好ましい。ヒドロキシ基又はカルボキシ基を有し、かつ酸不安定基を有さない構造単位(以下「構造単位(a2)」という場合がある)及び/又はラクトン環を有し、かつ酸不安定基を有さない構造単位(以下「構造単位(a3)」という場合がある)を含む樹脂を本発明のレジスト組成物に使用すれば、レジストパターンの解像度及び基板との密着性を向上させることができる。上述した構造単位の他にも、構造単位(s)には、ハロゲン原子を有する構造単位(以下、「構造単位(a4)」という場合がある。)、非脱離炭化水素基を有する構造単位(以下、「構造単位(a5)」という場合がある。)、スルトン構造を有する構造単位(以下、「構造単位(a6)」という場合がある。)又は露光により分解して酸を発生する構造単位(以下、「構造単位(a7)」という場合がある。)などが挙げられる。
【0121】
〈構造単位(a2)〉
構造単位(a2)は、構造単位(a2-A)以外の構造単位を除く、式(a2)で表される構造単位であり、アルコール性ヒドロキシ基又はカルボキシ基を有する。
[式(a2)中、
R
a2は、水素原子、ハロゲン原子又はハロゲン原子を有していてもよい炭素数1~6のアルキル基を表す。
A
a21は、単結合又は炭素数1~12のアルカンジイル基を表し、該アルカンジイル基に含まれる-CH
2-は、-O-、-CO-又は-NR
a28-に置き換わってもよい。
R
a28は、水素原子又は炭素数1~6のアルキル基を表す。
L
a21は、単結合又は炭素数1~28の炭化水素基を表し、該炭化水素基は、置換基を有してもよく、該炭化水素基に含まれる-CH
2-は、-O-、-CO-、-S-又は-SO
2-に置き換わっていてもよい。
L
a22は、単結合又はフッ素原子を有してもよい炭素数1~12の鎖式炭化水素基を表し、該鎖式炭化水素基に含まれる-CH
2-は、-O-又は-CO-に置き換わっていてもよい。
na2は、1~5のいずれかの整数を表す。na2が2以上のとき、複数のL
a22は、互いに同一であっても異なっていてもよい。]
R
a2、A
a21及びR
a28は、上記式(a2-A)と同様のものが挙げられる。
【0122】
L
a21における炭化水素基は、(na2+1)価の炭化水素基であり、直鎖状又は分岐状の鎖式炭化水素基、単環式又は多環式(スピロ環、縮合環又は橋掛け環等を含む)の脂環式炭化水素基、芳香族炭化水素基等の環状炭化水素基が挙げられ、これらの基のうち2種以上を組み合わせた基(例えば脂環式炭化水素基又は芳香族炭化水素基と鎖式炭化水素基とから形成される炭化水素基)でもよい。
L
a21の鎖式炭化水素基としては、アルカンジイル基、アルカントリイル基、アルカンテトライル基、アルカンペンタイル基、アルカンヘキサイル基等の2~6価の鎖式炭化水素基等が挙げられる。
アルカンジイル基としては、例えば、A
a21と同様のアルカンジイル基が挙げられる。
アルカントリイル基としては、メタントリイル基、エタントリイル基、プロパントリイル基、ブタントリイル基、ペンタントリイル基、ヘキサントリイル基、ヘプタントリイル基、オクタントリイル基、ノナントリイル基、デカントリイル基、ウンデカントリイル基、ドデカントリイル基、トリデカントリイル基、テトラデカントリイル基、ペンタデカントリイル基、ヘキサデカントリイル基及びヘプタデカントリイル基等が挙げられる。
アルカンテトライル基としては、メタンテトライル基、エタンテトライル基、プロパンテトライル基、ブタンテトライル基、ペンタンテトライル基、ヘキサンテトライル基、ヘプタンテトライル基、オクタンテトライル基、ノナンテトライル基、デカンテトライル基、ウンデカンテトライル基、ドデカンテトライル基、トリデカンテトライル基、テトラデカンテトライル基、ペンタデカンテトライル基、ヘキサデカンテトライル基及びヘプタデカンテトライル基等が挙げられる。
また、上述した基の水素原子の1つ以上を結合部位に置き換えた基等も挙げられる。
鎖式炭化水素基の炭素数は、好ましくは1~18であり、より好ましくは1~12であり、さらに好ましくは1~10であり、より一層好ましくは1~9であり、さらに一層好ましくは1~8であり、さらにより好ましくは1~6であり、さらにより一層好ましくは1~5であり、特に好ましくは1~4である。
L
a21における単環式及び多環式の脂環式炭化水素基としては、以下の脂環式炭化水素基等が挙げられる。結合部位は任意の位置とすることができる。
例えば、シクロアルカンジイル基、シクロアルカントリイル基、シクロアルカンテトライル基、シクロアルカンペンタイル基、シクロアルカンヘキサイル基等の2~6価の脂環式炭化水素基等が挙げられる。
具体的には、シクロブタン-1,3-ジイル基、シクロペンタン-1,3-ジイル基、シクロヘキサン-1,4-ジイル基、シクロオクタン-1,5-ジイル基、シクロプロパントリイル基、シクロブタントリイル基、シクロペンタントリイル基、シクロヘキサントリイル基、シクロヘプタントリイル基、シクロオクタントリイル基、シクロデカントリイル基、シクロプロパンテトライル基、シクロブタンテトライル基、シクロペンタンテトライル基、シクロヘキサンテトライル基、シクロヘプタンテトライル基、シクロオクタンテトライル基、シクロデカンテトライル基等の単環式の脂環式炭化水素基及び
ノルボルナン-1,4-ジイル基、ノルボルナン-2,5-ジイル基、アダマンタン-1,5-ジイル基、アダマンタン-2,6-ジイル基、デカヒドロナフタレンジイル基、ビシクロ[3.3.0]オクタンジイル基、ノルボルナントリイル基、アダマンタントリイル基、デカヒドロナフタレントリイル基、ビシクロ[3.3.0]オクタントリイル基、ノルボルナンテトライル基、アダマンタンテトライル基、デカヒドロナフタレンテトライル基、ビシクロ[3.3.0]オクタンテトライル基等の多環式の脂環式炭化水素基が挙げられる。
また、上述した基の水素原子の1つ以上を結合部位に置き換えた基等も挙げられる。
脂環式炭化水素基の炭素数は、好ましくは3~20であり、より好ましくは3~18であり、さらに好ましくは3~16であり、より一層好ましくは3~12であり、さらに一層好ましくは6~12であり、特に好ましくは6~10である。
L
a21における芳香族炭化水素基としては、アリーレン基、アレーントリイル基、アレーンテトライル基、アレーンペンタイル基、アレーンヘキサイル基等の2~6価の芳香族炭化水素基等が挙げられる。具体的には、フェニレン基、ナフチレン基、アントリレン基、ビフェニレン基、フェナントリレン基、ベンゼントリイル基、ナフタレントリイル基、アントラセントリイル基、ビフェニレントリイル基、フェナントレントリイル基、ベンゼンテトライル基、ナフタレンテトライル基、アントラセンテトライル基、ビフェニレンテトライル基、フェナントレンテトライル基等が挙げられる。
また、上述した基の水素原子の1つ以上を結合部位に置き換えた基等も挙げられる。
芳香族炭化水素基の炭素数は、好ましくは6~20であり、より好ましくは6~18であり、さらに好ましくは6~14であり、より一層好ましくは6~12であり、さらに一層好ましくは6~10である。
2種以上を組み合わせた基としては、脂環式炭化水素基と鎖式炭化水素基とを組み合わせた基、芳香族炭化水素基と鎖式炭化水素基とを組み合わせた基、脂環式炭化水素基と芳香族炭化水素基とを組み合わせた基、脂環式炭化水素基と鎖式炭化水素基と芳香族炭化水素基とを組み合わせた基等が挙げられる。組み合わせにおいて、脂環式炭化水素基、芳香族炭化水素基、鎖式炭化水素基は、それぞれ2種以上を組み合わせてもよい。また、いずれの基がA
a21及びL
a22に結合していてもよい。
炭化水素基に含まれる-CH
2-が、-O-、-S-、-SO
2-又は-CO-に置き換わった基としては、ヒドロキシ基(メチル基中に含まれる-CH
2-が、-O-に置き換わった基)、カルボキシ基(エチル基中に含まれる-CH
2-CH
2-が、-O-CO-に置き換わった基)、チオール基(メチル基中に含まれる-CH
2-が、-S-に置き換わった基)、アルコキシ基(アルキル基中に含まれる任意の位置の-CH
2-が、-O-に置き換わった基)、アルキルチオ基(アルキル基中に含まれる任意の位置の-CH
2-が、-S-に置き換わった基)、アルコキシカルボニル基(アルキル基中に含まれる任意の位置の-CH
2-CH
2-が、-O-CO-に置き換わった基)、アルキルスルホニル基(アルキル基中に含まれる任意の位置の-CH
2-が、-SO
2-に置き換わった基)、アルキルカルボニル基(アルキル基中に含まれる任意の位置の-CH
2-が、-CO-に置き換わった基)、アルキルカルボニルオキシ基(アルキル基中に含まれる任意の位置の-CH
2-CH
2-が、-CO-O-に置き換わった基)、オキシ基(メチレン基中に含まれる-CH
2-が、-O-に置き換わった基)、カルボニル基(メチレン基中に含まれる-CH
2-が、-CO-に置き換わった基)、チオ基(メチレン基中に含まれる-CH
2-が、-S-に置き換わった基)、スルホニル基(メチレン基中に含まれる-CH
2-が、-SO
2-に置き換わった基)、アルカンジイルオキシ基(アルカンジイル基中に含まれる任意の位置の-CH
2-が、-O-に置き換わった基)、アルカンジイルオキシカルボニル基(アルカンジイル基中に含まれる任意の位置の-CH
2-CH
2-が、-O-CO-に置き換わった基)、アルカンジイルカルボニル基(アルカンジイル基中に含まれる任意の位置の-CH
2-が、-CO-に置き換わった基)、アルカンジイルカルボニルオキシ基(アルカンジイル基中に含まれる任意の位置の-CH
2-CH
2-が、-CO-O-に置き換わった基)、アルカンジイルスルホニル基(アルカンジイル基中に含まれる任意の位置の-CH
2-が、-SO
2-に置き換わった基)、アルカンジイルチオ基(アルカンジイル基中に含まれる任意の位置の-CH
2-が、-S-に置き換わった基)、シクロアルコキシ基、シクロアルキルアルコキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、芳香族炭化水素基-カルボニルオキシ基、芳香族炭化水素基-カルボニル基、芳香族炭化水素基-オキシ基、これらの基のうち2種以上を組み合わせた基等が挙げられる。また、これらの基の水素原子の1つ以上を結合部位に置き換えた基等も挙げられる。これらの置き換わった基は、炭素数の上限が許す範囲で、本明細書で例示した基と同様のものが挙げられる。
【0123】
また、脂環式炭化水素基に含まれる-CH
2-が、-O-、-S-、-CO-又は-SO
2-で置き換わった基としては、以下の基等が挙げられる。また、以下に表される基のうち、-O-が-S-、-CO-が-SO
2-にそれぞれ置き換わった基等も挙げられる。結合部位は任意の位置とすることができる。
組み合わせた基に含まれる-CH
2-が、-O-、-S-、-CO-又は-SO
2-で置き換わった基としては、以下の基等も挙げられる。結合部位は任意の位置とすることができる。
L
a21における炭化水素基は、1又は複数の置換基を有していてもよい。該置換基としては、ハロゲン原子、炭素数1~12のハロアルキル基、炭素数1~16のアルキル基(該アルキル基に含まれる-CH
2-は、-O-又は-CO-で置き換わっていてもよい。)、アクリロイルオキシ基又はメタクリロイルオキシ基等が挙げられる。
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられる。
L
a21における炭化水素基は、置換基としてハロゲン原子を有することで、実質的に、ハロアルキル基等の置換基を有することができる。ハロアルキル基は、フッ化アルキル基、塩化アルキル基、臭化アルキル基、ヨウ化アルキル基等が挙げられ、例えば、クロロメチル基、ブロモメチル基、ヨードメチル基、フルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、ペルフルオロエチル基、ペルフルオロプロピル基、ペルフルオロブチル基等が挙げられる。ハロアルキル基の炭素数は、好ましくは1~8であり、より好ましくは1~6であり、さらに好ましくは1~4であり、さらにより好ましくは1~3である。
L
a21の炭化水素基は、分岐状の構造を含むことにより、L
a21は、実質的に、アルキル基等の置換基を有することができる。アルキル基は、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、2-エチルヘキシル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基及びドデシル基等が挙げられる。アルキル基の炭素数は、好ましくは1~12であり、より好ましくは1~10であり、さらに好ましくは1~8であり、より一層好ましくは1~6であり、さらに一層好ましくは1~4であり、さらにより好ましくは1~3である。
L
a21の炭化水素基に含まれる-CH
2-が-O-又は-CO-等に置き換わった基により、L
a21は、実質的に、ヒドロキシ基、カルボキシ基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アルキルカルボニル基、アルキルカルボニルオキシ基、チオール基、スルホニル基、アルコキシアルキル基、アルコキシアルコキシ基、アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基等の置換基を有することができる。このような基としては、炭素数の上限が許す範囲で、本明細書で例示した基と同様のものが挙げられる。
L
a21における炭化水素基が有していてもよい置換基としては、ハロゲン原子、炭素数1~8のハロアルキル基又は炭素数1~12のアルキル基(該アルキル基に含まれる-CH
2-は、-O-又は-CO-で置き換わっていてもよい。)が好ましく、ハロゲン原子、炭素数1~6のハロアルキル基又は炭素数1~10のアルキル基(該アルキル基に含まれる-CH
2-は、-O-又は-CO-で置き換わっていてもよい。)がより好ましく、ハロゲン原子、炭素数1~4のハロアルキル基、炭素数1~4のアルキル基、ヒドロキシ基、炭素数1~4のアルコキシ基又は炭素数2~8のアルコキシアルコキシ基がさらに好ましく、フッ素原子、ヨウ素原子、トリフルオロメチル基、メチル基、ヒドロキシ基、メトキシ基、エトキシ基、エトキシエトキシ基又はエトキシメトキシ基がより一層好ましく、フッ素原子、ヨウ素原子、トリフルオロメチル基、メチル基、ヒドロキシ基、メトキシ基又はエトキシエトキシ基がさらに一層好ましい。
また、L
a21のアルカンジイル基が、-O-又は-CO-等に置き換わっている場合、例えば、*-L
a23-X
a21-(L
a23は、炭素数1~8のアルカンジイル基を表し、X
a21は、-O-、-O-CO-、-CO-O-又は-O-CO-O-を表し、*は、A
a21との結合部位を表す。)であることも好ましい。
L
a21は、単結合、置換基を有していてもよい炭素数1~12の鎖式炭化水素基(但し、該鎖式炭化水素基に含まれる-CH
2-は、-O-又は-CO-に置き換わっていてもよい。)、置換基を有していてもよい炭素数3~20の環状炭化水素基(但し、該環状炭化水素基に含まれる-CH
2-は、-O-、-S-、-CO-又は-SO
2-に置き換わっていてもよい。)又は置換基を有していてもよい炭素数1~8の鎖式炭化水素基と置換基を有していてもよい炭素数3~20の環状炭化水素基とを組み合わせてなる基(但し、該鎖式炭化水素基に含まれる-CH
2-は、-O-又は-CO-に置き換わっていてもよく、該環状炭化水素基に含まれる-CH
2-は、-O-、-S-、-SO
2-又は-CO-に置き換わっていてもよい。)であることが好ましく、置換基を有していてもよい炭素数1~10の鎖式炭化水素基(但し、該鎖式炭化水素基に含まれる-CH
2-は、-O-又は-CO-に置き換わっていてもよい。)、置換基を有していてもよい炭素数3~18の環状炭化水素基(但し、該環状炭化水素基に含まれる-CH
2-は、-O-、-S-、-CO-又は-SO
2-に置き換わっていてもよい。)又は置換基を有していてもよい炭素数1~6の鎖式炭化水素基と置換基を有していてもよい炭素数3~18の環状炭化水素基とを組み合わせてなる基(但し、該鎖式炭化水素基に含まれる-CH
2-は、-O-又は-CO-に置き換わっていてもよく、該環状炭化水素基に含まれる-CH
2-は、-O-、-S-、-SO
2-又は-CO-に置き換わっていてもよい。)であることがより好ましい。
【0124】
L
a22の炭素数1~12の鎖式炭化水素基としては、メチレン基、エチレン基、プロパン-1,3-ジイル基、プロパン-1,2-ジイル基、ブタン-1,4-ジイル基、ペンタン-1,5-ジイル基、ヘキサン-1,6-ジイル基、ヘプタン-1,7-ジイル基、オクタン-1,8-ジイル基、ノナン-1,9-ジイル基、デカン-1,10-ジイル基、ウンデカン-1,11-ジイル基、ドデカン-1,12-ジイル基等の直鎖状アルカンジイル基、エタン-1,1-ジイル基、プロパン-1,1-ジイル基、プロパン-1,2-ジイル基、プロパン-2,2-ジイル基、1-メチルプロパン-1,3-ジイル基、2-メチルプロパン-1,3-ジイル基、2-メチルプロパン-1,2-ジイル基、1-ジメチルプロパン-1,3-ジイル基、ペンタン-2,4-ジイル基、ペンタン-1,4-ジイル基、2-メチルブタン-1,4-ジイル基等の分岐状アルカンジイル基が挙げられる。鎖式炭化水素基の炭素数は、好ましくは1~10であり、より好ましくは1~8であり、さらに好ましくは1~6であり、より一層好ましくは1~4である。
鎖式炭化水素基に含まれる-CH
2-が-O-又は-CO-に置き換わった基としては、炭素数の上限が許す範囲で、本明細書において例示したものと同様のものが挙げられる。
L
a22が有するフッ素原子は、1つであっても、2つ以上であってもよい。
na2は、1~4のいずれかの整数であることが好ましく、1~3のいずれかの整数であることがより好ましい。
L
a21が、単結合又は鎖式炭化水素基である場合の構造単位(a2)としては、例えば、下記の構造単位(以下「構造単位(a2-e)」という場合がある。)が挙げられる。下記の構造単位のうち、R
a2に相当するメチル基が、水素原子等に置き換わった構造単位も下記の構造単位と同様に構造単位(a2-e)の好適な構造単位である。
樹脂が構造単位(a2-e)を含む場合、その含有率は、樹脂の全構造単位に対して、1モル%以上が挙げられ、好ましくは5モル%以上であり、より好ましくは10モル%以上であり、さらに好ましくは15モル%以上であり、より一層好ましくは20モル%以上である。また、好ましくは80モル%以下であり、より好ましくは70モル%以下であり、さらに好ましくは65モル%以下であり、より一層好ましくは60モル%以下であり、さらに一層好ましくは50モル%以下であり、さらにより好ましくは45モル%以下であり、さらにより一層好ましくは40モル%以下である。具体的には、好ましくは5~80モル%であり、より好ましくは10~70モル%であり、さらに好ましくは15~65モル%であり、より一層好ましくは20~65モル%である。
【0125】
本発明のレジスト組成物からレジストパターンを製造するとき、露光光源としてKrFエキシマレーザ(248nm)、電子線又はEUV(超紫外光)等の高エネルギー線を用いる場合には、構造単位(a2)として、フェノール性ヒドロキシ基を有する構造単位(a2)が好ましく、上述した構造単位(a2-A)を用いることがより好ましい。また、ArFエキシマレーザ(193nm)等を用いる場合には、構造単位(a2)として、アルコール性ヒドロキシ基を有する構造単位(a2)が好ましく、後述する構造単位(a2-C)を用いることがより好ましい。構造単位(a2)としては、1種を単独で含んでいてもよく、2種以上を含んでいてもよい。
【0126】
構造単位(a2)において、L
a21が環状炭化水素基である場合であって、アルコール性ヒドロキシ基又はカルボキシ基を有する構造単位としては、式(a2-B)で表される構造単位(以下「構造単位(a2-B)」という場合がある。)、式(a2-C)で表される構造単位(以下「構造単位(a2-C)」という場合がある。)及び式(a2-D)で表される構造単位(以下、「構造単位(a2-D)」という場合がある)が挙げられる。
[式(a2-B)及び式(a2-C)中、
R
a2は、式(a2)と同じ意味を表す。
R
a27は、式(a2-A)と同じ意味を表す。
L
a25は、-O-又は*-O-(CH
2)
k2-CO-O-を表し、k2は、1~7のいずれかの整数を表す。*は-CO-との結合部位を表す。
X
a2は、単結合又は-CO-を表す。
R
a25及びR
a26は、それぞれ独立に、水素原子、メチル基又はヒドロキシ基を表す。
nB2は、1~5のいずれかの整数を表す。nB2が2以上のとき、複数のX
a2は、互いに同一であっても異なっていてもよい。
nB22は、0~8のいずれかの整数を表す。nB22が2以上のとき、複数のR
a27は、互いに同一であっても異なっていてもよい。
nC22は、0~10のいずれかの整数を表す。nC22が2以上のとき、複数のR
a27は、互いに同一であっても異なっていてもよい。]
L
a25は、好ましくは、-O-、-O-(CH
2)
f1-CO-O-であり(前記f1は、1~4のいずれかの整数を表す)、より好ましくは、-O-である。
R
a2は、好ましくはメチル基である。
X
a2は、好ましくは単結合である。
R
a25は、好ましくは水素原子である。
R
a26は、好ましくは水素原子又はヒドロキシ基である。
R
a27は、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、カルボキシ基、ハロゲン原子を有していてもよい炭素数1~4のアルキル基、炭素数1~4のアルコキシ基又は炭素数2~8のアルコキシアルコキシ基が好ましく、フッ素原子、ヨウ素原子、ヒドロキシ基、メチル基、メトキシ基、エトキシ基、エトキシエトキシ基又はエトキシメトキシ基がより好ましく、フッ素原子、ヨウ素原子、ヒドロキシ基、メチル基、メトキシ基又はエトキシエトキシ基がさらに好ましい。
nB2は、好ましくは1、2、3又は4であり、より好ましくは1、2又は3であり、さらに好ましくは1又は2である。
nB22は、好ましくは0~3のいずれかの整数であり、より好ましくは0、1又は2であり、さらに好ましくは0又は1である。
nC22は、好ましくは0~6のいずれかの整数であり、より好ましくは0~3のいずれかの整数であり、さらに好ましくは0又は1である。
【0127】
構造単位(a2-B)及び構造単位(a2-C)としては、例えば、特開2010-204646号公報に記載されたモノマーに由来する構造単位、以下の構造単位及び以下の構造単位におけるR
a2に相当するメチル基又は水素原子が、水素原子、ハロゲン原子、ハロアルキル基又は他のアルキル基に置き換わった構造単位が挙げられる。なかでも、式(a2-B-1)~式(a2-B-5)及び式(a2-C-1)~式(a2-C-9)のいずれかで表される構造単位が好ましい。
樹脂が構造単位(a2-B)又は構造単位(a2-C)を含む場合、その含有率は、樹脂の全構造単位に対して、1モル%以上が挙げられ、2モル%以上が好ましい。また、45モル%以下が挙げられ、好ましくは40モル%以下であり、より好ましくは35モル%以下であり、さらに好ましくは20モル%以下であり、より一層好ましくは10モル%以下である。具体的には、1~45モル%が挙げられ、好ましくは1~40モル%であり、より好ましくは1~35モル%であり、さらに好ましくは1~20モル%であり、さらにより好ましくは1~10モル%である。
【0128】
[式(a2-D)中、
R
a2及びA
a21は、それぞれ式(a2)と同じ意味を表す。
R
a27は、式(a2-A)と同じ意味を表す。
R
a21及びR
a22は、それぞれ独立に、炭素数1~4のフッ化アルキル基を表す。
L
a24は、単結合又は炭素数1~3のアルカンジイル基を表し、該アルカンジイル基はフッ素原子が置換されていてもよい。
nD2は、1~5のいずれかの整数を表す。nD2が2以上のとき、複数の括弧内の基は、互いに同一であっても異なっていてもよい。
nD22は、0~4のいずれかの整数を表す。nD22が2以上のとき、複数のR
a27は、互いに同一であっても異なっていてもよい。
但し、1≦nD2+nD22≦5である。]
R
a21及びR
a22のフッ化アルキル基としては、それぞれ独立に、トリフルオロメチル基、2,2,2-トリフルオロエチル基、3,3,3-トリフルオロプロピル基、4,4,4-トリフルオロブチル基等が挙げられる。
R
a21及びR
a22としては、トリフルオロメチル基が好ましい。
L
a24のアルカンジイル基としては、メチレン基、エタン-1,1-ジイル基、プロパン-1,1-ジイル基、プロパン-2,2-ジイル基等が挙げられる。
L
a24としては、単結合又はメチレン基が好ましい。
R
a27は、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、カルボキシ基、ハロゲン原子を有していてもよい炭素数1~4のアルキル基、炭素数1~4のアルコキシ基又は炭素数2~8のアルコキシアルコキシ基が好ましく、フッ素原子、ヨウ素原子、ヒドロキシ基、メチル基、メトキシ基、エトキシ基、エトキシエトキシ基又はエトキシメトキシ基がより好ましく、フッ素原子、ヨウ素原子、ヒドロキシ基、メチル基、メトキシ基又はエトキシエトキシ基がさらに好ましい。
nD2は、好ましくは1、2、3又は4であり、より好ましくは1、2又は3であり、さらに好ましくは1又は2であり、さらにより好ましくは1である。また、好ましくは、nD2が1であり、かつ括弧内の基がパラ位に結合するものである。
nD22は、好ましくは0~3のいずれかの整数であり、より好ましくは0~2のいずれかの整数であり、さらに好ましくは0又は1であり、さらにより好ましくは0である。
【0129】
構造単位(a2-D)としては、以下の式(a2-D1)で表される構造単位(以下、「構造単位(a2-D1)」という場合がある。)であることがより好ましい。
[式(a2-D1)中、
R
a2、A
a21、R
a27、nD2及びnD22は、式(a2-D)と同じ意味を表す。]
式(a2-D1)において、R
a2は、好ましくは水素原子又はメチル基である。
A
a21は、好ましくは単結合である。
【0130】
構造単位(a2-D)としては、以下に記載の構造単位が挙げられる。
【0131】
式(a2-D-1)~式(a2-D-8)で表される構造単位において、Ra2に相当する水素原子がメチル基等に置き換わった構造単位、及び、式(a2-D-9)~式(a2-D-16)で表される構造単位において、Ra2に相当するメチル基が水素原子等に置き換わった構造単位も、構造単位(a2-D)の具体例として挙げることができる。なかでも、式(a2-D-1)~式(a2-D-8)で表される構造単位が好ましく、式(a2-D-1)~式(a2-D-4)で表される構造単位がより好ましく、式(a2-D-1)で表される構造単位がさらに好ましい。
【0132】
樹脂が構造単位(a2-D)を含む場合、その含有率は、樹脂の全構造単位に対して、好ましくは3モル%以上であり、より好ましくは5モル%以上であり、さらに好ましくは10モル%以上である。また、好ましくは80モル%以下であり、より好ましくは75モル%以下であり、さらに好ましくは70モル%以下であり、より一層好ましくは65モル%以下である。具体的には、好ましくは3~80モル%であり、より好ましくは5~75モル%であり、さらに好ましくは10~70モル%、より一層好ましくは10~65モル%である。
【0133】
〈構造単位(a3)〉
構造単位(a3)が有するラクトン環は、β-プロピオラクトン環、γ-ブチロラクトン環、δ-バレロラクトン環のような単環でもよく、単環式のラクトン環と他の環との縮合環でもよい。好ましくは、γ-ブチロラクトン環、アダマンタンラクトン環、又は、γ-ブチロラクトン環構造を含む橋かけ環(例えば下式(a3-2)で表される構造単位)が挙げられる。
構造単位(a3)は、好ましくは、式(a3-1)、式(a3-2)、式(a3-3)又は式(a3-4)で表される構造単位である。これらの1種を単独で含有してもよく、2種以上を含有してもよい。
[式(a3-1)、式(a3-2)、式(a3-3)及び式(a3-4)中、
L
a4、L
a5及びL
a6は、それぞれ独立に、-O-又は*-O-(CH
2)
k3-CO-O-(k3は1~7のいずれかの整数を表す。)で表される基を表す。
L
a7は、-O-、*-O-L
a8-O-、*-O-L
a8-CO-O-、*-O-L
a8-CO-O-L
a9-CO-O-又は*-O-L
a8-O-CO-L
a9-O-を表す。
L
a8及びL
a9は、それぞれ独立に、炭素数1~6のアルカンジイル基を表す。
*はカルボニル基との結合部位を表す。
R
a18、R
a19、R
a20及びR
a24は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子又はハロゲン原子を有していてもよい炭素数1~6のアルキル基を表す。
X
a3は、-CH
2-又は酸素原子を表す。
R
a21は、炭素数1~4の脂肪族炭化水素基を表す。
R
a22、R
a23及びR
a25は、それぞれ独立に、カルボキシ基、シアノ基又は炭素数1~4の脂肪族炭化水素基を表す。
p1は、0~5のいずれかの整数を表す。
q1は、0~3のいずれかの整数を表す。
r1は、0~3のいずれかの整数を表す。
w1は、0~8のいずれかの整数を表す。
p1、q1、r1及び/又はw1が2以上のとき、複数のR
a21、R
a22、R
a23及び/又はR
a25は互いに同一であってもよく、異なっていてもよい。]
【0134】
R
a21、R
a22、R
a23及びR
a25における脂肪族炭化水素基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、sec-ブチル基及びtert-ブチル基等のアルキル基が挙げられる。
R
a18、R
a19、R
a20及びR
a24におけるハロゲン原子及びハロゲン原子を有していてもよいアルキル基としては、式(a1-0)のR
a01等で例示したものと同様のものが挙げられる。
L
a8及びL
a9におけるアルカンジイル基としては、メチレン基、エチレン基、プロパン-1,3-ジイル基、プロパン-1,2-ジイル基、ブタン-1,4-ジイル基、ペンタン-1,5-ジイル基、ヘキサン-1,6-ジイル基、ブタン-1,3-ジイル基、2-メチルプロパン-1,3-ジイル基、2-メチルプロパン-1,2-ジイル基、ペンタン-1,4-ジイル基及び2-メチルブタン-1,4-ジイル基等が挙げられる。
L
a4~L
a6は、それぞれ独立に、好ましくは-O-又は、*-O-(CH
2)
k3-CO-O-において、k3が1~4のいずれかの整数である基、より好ましくは-O-及び、*-O-CH
2-CO-O-、さらに好ましくは酸素原子である。
L
a7は、好ましくは-O-又は*-O-L
a8-CO-O-であり、より好ましくは-O-、-O-CH
2-CO-O-又は-O-C
2H
4-CO-O-である。
R
a18、R
a19、R
a20及びR
a24は、好ましくは水素原子又は炭素数1~4のアルキル基であり、より好ましくは水素原子、メチル基又はエチル基であり、さらに好ましくは水素原子又はメチル基である。
R
a21は、好ましくはメチル基である。
R
a22、R
a23及びR
a25は、それぞれ独立に、好ましくはカルボキシ基、シアノ基又はメチル基である。
p1、q1及びr1は、それぞれ独立に、好ましくは0~2のいずれかの整数であり、より好ましくは0又は1である。
w1は、好ましくは0~2のいずれかの整数であり、より好ましくは0又は1である。
特に、式(a3-4)は、式(a3-4)’が好ましい。
(式中、R
a24、L
a7は、上記と同じ意味を表す。)
【0135】
構造単位(a3)としては、特開2010-204646号公報に記載されたモノマー、特開2000-122294号公報に記載されたモノマー、特開2012-41274号公報に記載されたモノマーに由来の構造単位が挙げられる。構造単位(a3)としては、式(a3-1-1)、式(a3-1-2)、式(a3-2-1)、式(a3-2-2)、式(a3-3-1)、式(a3-3-2)及び式(a3-4-1)~式(a3-4-12)のいずれかで表される構造単位及び、前記構造単位において、式(a3-1)~式(a3-4)におけるR
a18、R
a19、R
a20及びR
a24に相当するメチル基が水素原子に置き換わった構造単位が好ましい。
樹脂が構造単位(a3)を含む場合、その合計含有率は、樹脂の全構造単位に対して、1モル%以上が挙げられ、好ましくは3モル%以上であり、より好ましくは5モル%以上であり、さらに好ましくは10モル%以上である。また、70モル%以下が挙げられ、好ましくは65モル%以下であり、より好ましくは60モル%以下であり、さらに好ましくは50モル%以下であり、より一層好ましくは40モル%以下であり、さらに一層好ましくは30モル%以下であり、さらにより好ましくは25モル%以下であり、さらにより一層好ましくは20モル%以下である。具体的には、1~70モル%が挙げられ、好ましくは3~70モル%であり、より好ましくは3~65モル%であり、さらに好ましくは5~65モル%であり、より一層好ましくは5~60モル%であり、さらに一層好ましくは10~60モル%である。
また、構造単位(a3-1)、構造単位(a3-2)、構造単位(a3-3)又は構造単位(a3-4)の含有率は、それぞれ、樹脂の全構造単位に対して、好ましくは1モル%以上であり、より好ましくは3モル%以上であり、さらに好ましくは5モル%以上であり、さらにより好ましくは10モル%以上である。また、好ましくは60モル%以下であり、より好ましくは55モル%以下であり、さらに好ましくは50モル%以下であり、より一層好ましくは40モル%以下であり、さらに一層好ましくは30モル%以下であり、さらにより好ましくは25モル%以下であり、さらにより一層好ましくは20モル%以下である。具体的には、1~60モル%が好ましく、3~60モル%がより好ましく、3~55モル%がさらに好ましく、5~55モル%がさらにより好ましく、5~50モル%がより一層好ましく、10~50モル%がさらに一層好ましい。
【0136】
〈構造単位(a4)〉
式(a4)で表される構造単位は以下で示される。
[式(a4)中、
R
41は、水素原子又はメチル基を表す。
R
42は、炭素数1~48のハロゲン原子を有する脂肪族炭化水素基を表し、該脂肪族炭化水素基に含まれる-CH
2-は、-O-又は-CO-に置き換わっていてもよい。]
【0137】
R
42で表される脂肪族炭化水素基は、直鎖又は分岐の鎖式炭化水素基及び単環又は多環の脂環式炭化水素基、並びに、これらを組み合わせることにより形成される基等が挙げられる。
鎖式炭化水素基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基及びオクタデシル基等の直鎖状のアルキル基、イソプロピル基、イソブチル基等の分岐状のアルキル基が挙げられる。
単環又は多環の脂環式炭化水素基としては、シクロペンチル基、シクロへキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基等の単環式シクロアルキル基である単環式の脂環式炭化水素基;デカヒドロナフチル基、アダマンチル基、ノルボルニル基及び下記の基(*は結合部位を表す。)等の多環式シクロアルキル基である多環式の脂環式炭化水素基が挙げられる。
組み合わせにより形成される基としては、1以上のアルキル基又は1以上のアルカンジイル基と、1以上の脂環式炭化水素基とを組み合わせることにより形成される基が挙げられ、-アルカンジイル基-脂環式炭化水素基、-脂環式炭化水素基-アルキル基、-アルカンジイル基-脂環式炭化水素基-アルキル基等が挙げられる。
アルカンジイル基としては、メチレン基、エチレン基、プロパン-1,3-ジイル基、ブタン-1,4-ジイル基、ペンタン-1,5-ジイル基、ヘキサン-1,6-ジイル基等の直鎖状アルカンジイル基;プロパン-1,2-ジイル基、ブタン-1,3-ジイル基、2-メチルプロパン-1,2-ジイル基、1-メチルブタン-1,4-ジイル基、2-メチルブタン-1,4-ジイル基等の分岐状アルカンジイル基が挙げられる。分岐状のアルカンジイル基の末端は、メチル基であってもよい。
R
42に含まれる脂肪族炭化水素基が有するハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子が挙げられる。
R
42に含まれる脂肪族炭化水素基の-CH
2-が、-O-又は-CO-に置き換わった基としては、ヒドロキシ基、カルボキシ基、カルボニル基、オキシ基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アルキルカルボニル基、アルキルカルボニルオキシ基、アルカンジイルオキシ基、アルカンジイルオキシカルボニル基、アルカンジイルカルボニル基、アルカンジイルカルボニルオキシ基、シクロアルコキシ基、シクロアルキルアルコキシ基、これらの基のうち2種以上を組み合わせた基等が挙げられる。これらの置き換わった基は、炭素数の上限が許す範囲で、本明細書で例示した基と同様のものが挙げられる。
【0138】
構造単位(a4)としては、R
42が、フッ素原子を有する脂肪族炭化水素基であることが好ましく、R
42が、フッ素原子を有する脂肪族炭化水素基である構造単位(a4)の一例としては、式(a4-1)で表される構造単位(以下、「構造単位(a4-1)」という場合がある。)、式(a4-2)で表される構造単位(以下、「構造単位(a4-2)」という場合がある。)、式(a4-3)で表される構造単位(以下、「構造単位(a4-3)」という場合がある。)及び式(a4-A)で表される構造単位(以下、「構造単位(a4-A)」という場合がある。)が挙げられる。
式(a4-1)で表される構造単位は、以下で示される構造単位である。
[式(a4-1)中、
R
41は、水素原子又はメチル基を表す。
L
41は、単結合又は炭素数1~4のアルカンジイル基を表す。
L
42fは、フッ素原子を有する炭素数1~8のアルカンジイル基又はフッ素原子を有する炭素数3~12のシクロアルカンジイル基を表す。
R
42fは、水素原子又はフッ素原子を表す。]
【0139】
L41におけるアルカンジイル基としては、メチレン基、エチレン基、プロパン-1,3-ジイル基、ブタン-1,4-ジイル基等の直鎖状アルカンジイル基、エタン-1,1-ジイル基、プロパン-1,2-ジイル基、ブタン-1,3-ジイル基、2-メチルプロパン-1,3-ジイル基及び2-メチルプロパン-1,2-ジイル基等の分岐状アルカンジイル基が挙げられる。分岐状のアルカンジイル基の末端は、メチル基であってもよい。
L42fにおけるフッ素原子を有するアルカンジイル基としては、フッ素原子を有するメチレン基、フッ素原子を有するエチレン基、フッ素原子を有するプロパン-1,3-ジイル基、フッ素原子を有するブタン-1,4-ジイル基、フッ素原子を有するペンタン-1,5-ジイル基、フッ素原子を有するヘキサン-1,6-ジイル基、フッ素原子を有するヘプタン-1,7-ジイル基、フッ素原子を有するオクタン-1,8-ジイル基等のフッ素原子を有する直鎖状アルカンジイル基;
フッ素原子を有するエタン-1,1-ジイル基、フッ素原子を有するプロパン-1,1-ジイル基、フッ素原子を有するプロパン-1,2-ジイル基、フッ素原子を有するプロパン-2,2-ジイル基、フッ素原子を有するペンタン-2,4-ジイル基、フッ素原子を有する2-メチルプロパン-1,3-ジイル基、フッ素原子を有する2-メチルプロパン-1,2-ジイル基、フッ素原子を有するペンタン-1,4-ジイル基、フッ素原子を有する2-メチルブタン-1,4-ジイル基等のフッ素原子を有する分岐状アルカンジイル基が挙げられる。分岐状のアルカンジイル基の末端は、フッ素原子を有してもよいメチル基であってもよい。
L42fにおけるフッ素原子を有するシクロアルカンジイル基としては、フッ素原子を有するシクロブタン-1,3-ジイル基、フッ素原子を有するシクロペンタン-1,3-ジイル基、フッ素原子を有するシクロヘキサン-1,4-ジイル基、フッ素原子を有するシクロヘキセン-3,6-ジイル基、フッ素原子を有するシクロヘプタン-1,4-ジイル基、フッ素原子を有するシクロオクタン-1,5-ジイル基等のフッ素原子を有する単環式シクロアルカンジイル基、
フッ素原子を有するノルボルナン-1,4-ジイル基、フッ素原子を有するノルボルナン-2,5-ジイル基、フッ素原子を有する5-ノルボルネン-2,3-ジイル基、フッ素原子を有するアダマンタン-1,5-ジイル基、フッ素原子を有するアダマンタン-2,6-ジイル基等のフッ素原子を有する多環式シクロアルカンジイル基が挙げられる。
L42fにおけるフッ素原子を有するアルカンジイル基及びシクロアルカンジイル基が有するフッ素原子の数は、1以上であればよく、2以上であることが好ましい。
L42fにおけるフッ素原子を有するアルカンジイル基及びシクロアルカンジイル基は、それぞれ、ペルフルオロアルカンジイル基及びペルフルオロシクロアルカンジイル基であることが好ましい。
【0140】
L42fにおけるペルフルオロアルカンジイル基としては、ジフルオロメチレン基、ペルフルオロエチレン基、ペルフルオロエチルフルオロメチレン基、ペルフルオロプロパン-1,3-ジイル基、ペルフルオロプロパン-1,2-ジイル基、ペルフルオロプロパン-2,2-ジイル基、ペルフルオロブタン-1,4-ジイル基、ペルフルオロブタン-2,2-ジイル基、ペルフルオロブタン-1,2-ジイル基、ペルフルオロペンタン-1,5-ジイル基、ペルフルオロペンタン-2,2-ジイル基、ペルフルオロペンタン-3,3-ジイル基、ペルフルオロヘキサン-1,6-ジイル基、ペルフルオロヘキサン-2,2-ジイル基、ペルフルオロヘキサン-3,3-ジイル基、ペルフルオロヘプタン-1,7-ジイル基、ペルフルオロヘプタン-2,2-ジイル基、ペルフルオロヘプタン-3,4-ジイル基、ペルフルオロヘプタン-4,4-ジイル基、ペルフルオロオクタン-1,8-ジイル基、ペルフルオロオクタン-2,2-ジイル基、ペルフルオロオクタン-3,3-ジイル基、ペルフルオロオクタン-4,4-ジイル基等が挙げられる。
L42fにおけるペルフルオロシクロアルカンジイル基としては、ペルフルオロシクロヘキサンジイル基、ペルフルオロシクロペンタンジイル基、ペルフルオロシクロヘプタンジイル基、ペルフルオロアダマンタンジイル基等が挙げられる。
【0141】
L41は、好ましくは単結合又は炭素数1~3のアルカンジイル基であり、より好ましくは単結合、メチレン基又はエチレン基であり、さらに好ましくは、単結合又はメチレン基である。
L42fは、好ましくは炭素数1~8のペルフルオロアルカンジイル基又は炭素数3~12のペルフルオロシクロアルカンジイル基であり、より好ましくは炭素数1~6のペルフルオロアルカンジイル基であり、さらに好ましくは炭素数1~3のペルフルオロアルカンジイル基である。
【0142】
構造単位(a4-1)としては、以下に示す構造単位及び下記構造単位中の構造単位(a4-1)におけるR
41に相当するメチル基が水素原子に置き換わった構造単位が挙げられる。
式(a4-2)で表される構造単位は、以下で示される構造単位である。
[式(a4-2)中、
R
41は、水素原子又はメチル基を表す。
L
43fは、フッ素原子を有してもよい炭素数1~20の脂肪族炭化水素基を表し、該脂肪族炭化水素基に含まれる-CH
2-は、-O-又は-CO-に置き換わってもよい。
R
43fは、フッ素原子を有していてもよい炭素数1~20の脂肪族炭化水素基を表し、該脂肪族炭化水素基に含まれる-CH
2-は、-O-又は-CO-に置き換わっていてもよい。
ただし、L
43f及びR
43fのうち少なくとも1つはフッ素原子を有し、L
43f及びR
43fの合計炭素数の上限は、21である。]
【0143】
L43f及びR43fにおける脂肪族炭化水素基としては、直鎖又は分岐の鎖式炭化水素基及び単環又は多環の脂環式炭化水素基、並びに、これらを組み合わせることにより形成される基等が挙げられる。L43f及びR43fにおける脂肪族炭化水素基の例示は、L43f及びR43fの合計炭素数の上限が許す限り、式(a4)におけるR42の脂肪族炭化水素基として、例示された脂肪族炭化水素基と同様の基が挙げられる。
【0144】
L
43fの脂肪族炭化水素基としては、炭素数1~6のアルカンジイル基又は式(L43f-1)で表される基が好ましい。
[式(L43f-1)中、
sは0又は1を表す。
L
45f及びL
46fは、それぞれ独立に、フッ素原子を有していてもよい炭素数1~5の2価の脂肪族炭化水素基を表す。
L
47fは、単結合又はフッ素原子を有していてもよい炭素数1~5の2価の脂肪族炭化水素基を表す。
X
46f及びX
47fは、それぞれ独立に、-O-、-CO-、-CO-O-又は-O-CO-を表す。
ただし、L
45f、L
46f、L
47f、X
46f及びX
47fの炭素数の合計は7以下である。
*及び**は結合部位であり、**が-O-CO-R
43fとの結合部位である。]
【0145】
式(L43f-1)で表される基におけるL45f、L46f及びL47fが表す2価の脂肪族炭化水素基としては、直鎖又は分岐のアルカンジイル基及び単環又は多環の2価の脂環式炭化水素基、並びに、アルカンジイル基及び2価の脂環式炭化水素基を組合せることにより形成される2価の脂肪族炭化水素基等が挙げられる。具体的には、メチレン基、エチレン基、プロパン-1,3-ジイル基、プロパン-1,2-ジイル基、ブタン-1,4-ジイル基、1-メチルプロパン-1,3-ジイル基、2-メチルプロパン-1,3-ジイル基、2-メチルプロパン-1,2-ジイル基等が挙げられる。
sは、0であることが好ましい。
【0146】
式(L43f-1)で表される基としては、以下の基等が挙げられる。以下の例示において、*及び**はそれぞれ結合部位を表し、**が-O-CO-R
43fとの結合部位である。
【0147】
R
43fは、フッ素原子を有する脂肪族炭化水素基が好ましい。
この場合の式(a4-2)で表される構造単位は、例えば、式(a4-2A)又は(式a4-2B)で表される構造単位が挙げられる。
[式(a4-2A)及び式(a4-2B)中、
R
41及びL
43fは、式(a4-2)中と同じものを表す。
R
43fAは、フッ素原子を有する炭素数1~20の脂肪族炭化水素基を表す。
A
43fは、フッ素原子を有していてもよい炭素数1~17の2価の脂肪族炭化水素基を表し、該脂肪族炭化水素基に含まれる-CH
2-は、-O-又は-CO-に置き換わってもよい。
X
43は、**-O-CO-又は**-CO-O-を表し、**はA
43fとの結合部位を表す。
R
43fBは、フッ素原子を有していてもよい炭素数1~17の脂肪族炭化水素基を表す。
ただし、式(a4-2A)において、L
43f及びR
43fAの炭素数の合計は21以下であり、式(a4-2B)において、L
43f、A
43f、X
43及びR
43fBの炭素数の合計は21以下であり、A
43f及びR
43fBのうち、少なくとも一方は、少なくとも1つのフッ素原子を有する。]
R
43fAの脂肪族炭化水素基は、炭素数の上限が許す限り、R
42で例示された脂肪族炭化水素基と同様の脂肪族炭化水素基が挙げられる。
R
43fAは、炭素数1~13のフッ素原子を有するアルキル基、炭素数3~12のフッ素原子を有するシクロアルキル基又はそれらを組み合わせた基であることが好ましく、*-(CF
2)
n43f-R
42’(*はカルボニル基との結合部位を表す。n43fは、1~6のいずれかの整数を表す。R
42’は、水素原子又はフッ素原子を表す。)又は炭素数3~12のペルフルオロシクロアルキル基であることがより好ましい。
A
43f及びR
43fBの脂肪族炭化水素基は、炭素数の上限が許す限り、式(a4)におけるR
42で例示された脂肪族炭化水素基と同様の脂肪族炭化水素基が挙げられる。
A
43fは、フッ素原子を有してもよい2価の鎖式炭化水素基、2価の脂環式炭化水素基又はそれらを組み合わせた基であることが好ましく、フッ素原子を有する2価の鎖式炭化水素基であることがより好ましく、炭素数1~6のフッ化アルカンジイル基であることがさらに好ましい。
R
43fBのフッ素原子を有していてもよい脂肪族炭化水素基は、フッ素原子を有してもよい鎖式炭化水素基、脂環式炭化水素基又はそれらを組み合わせた基が好ましく、フッ素原子を有してもよい炭素数1~12のアルキル基、炭素数3~12のシクロアルキル基又はそれらを組み合わせた基がより好ましく、トリフルオロメチル基、ジフルオロメチル基、メチル基、ペルフルオロエチル基、2,2,2-トリフルオロエチル基、1,1,2,2-テトラフルオロエチル基、エチル基、ペルフルオロプロピル基、2,2,3,3,3-ペンタフルオロプロピル基、プロピル基、ペルフルオロブチル基、1,1,2,2,3,3,4,4-オクタフルオロブチル基、ブチル基、ペルフルオロペンチル基、2,2,3,3,4,4,5,5,5-ノナフルオロペンチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ペルフルオロヘキシル基、ヘプチル基、ペルフルオロヘプチル基、オクチル基及びペルフルオロオクチル基等のフッ化アルキル基、シクロプロピルメチル基、シクロプロピル基、シクロブチルメチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、ペルフルオロシクロヘキシル基、アダマンチル基、アダマンチルメチル基、アダマンチルジメチル基、ノルボルニル基、ノルボルニルメチル基、ペルフルオロアダマンチル基、ペルフルオロアダマンチルメチル基等がさらに好ましい。
【0148】
式(a4-2B)中、*-A
f43-X
43-R
f43Bで表される基が取り得る構造の一例は、以下の構造である(*はカルボニル基との結合部位である)。
【0149】
式(a4-2A)で表される構造単位としては、以下に示す構造単位及び下記構造単位中の式(a4-2A)で表される構造単位におけるR
41に相当するメチル基が水素原子に置き換わった構造単位が挙げられる。
【0150】
式(a4-2B)で表される構造単位としては、以下に示す構造単位及び下記構造単位中の式(a4-2B)で表される構造単位におけるR
41に相当するメチル基が水素原子に置き換わった構造単位が挙げられる。
【0151】
構造単位(a4)としては、式(a4-3)で表される構造単位も挙げられる。
[式(a4-3)中、
R
41は、水素原子又はメチル基を表す。
L
44fは、フッ素原子を有してもよい炭素数1~20の脂肪族炭化水素基を表し、該脂肪族炭化水素基に含まれる-CH
2-は、-O-又は-CO-に置き換わってもよい。
R
44fは、フッ素原子を有してもよい炭素数1~20の脂肪族炭化水素基を表し、該脂肪族炭化水素基に含まれる-CH
2-は、-O-又は-CO-に置き換わってもよい。
ただし、L
44f及びR
44fのうち少なくとも1つはフッ素原子を有し、L
44f及びR
44fの合計炭素数の上限は、21である。]
【0152】
L44f及びR44fにおける脂肪族炭化水素基としては、直鎖又は分岐の鎖式脂肪族炭化水素基及び単環又は多環の脂環式脂肪族炭化水素基、並びに、これらを組み合わせることにより形成される基等が挙げられる。L44f及びR44fにおける脂肪族炭化水素基の例示は、L44f及びR44fの合計炭素数の上限が許す限り、式(a4)におけるR42の脂肪族炭化水素基として、例示された脂肪族炭化水素基と同様の基が挙げられる。
L44fは、炭素数1~14のアルカンジイル基(該アルカンジイル基に含まれる-CH2-は、-O-又は-CO-に置き換わっていてもよい。)であることが好ましく、-(CH2)j1-、-(CH2)j2-O-(CH2)j3-又は-(CH2)j4-CO-O-(CH2)j5-で表される基(j1~j5は、それぞれ独立に、1~6のいずれかの整数を表す。)であることがより好ましい。また、炭素数1~4のアルカンジイル基(該アルカンジイル基に含まれる1つの-CH2-が、-O-に置き換わっていてもよく、該アルカンジイル基に含まれる1つの-CH2-CH2-が、-CO-O-又は-O-CO-に置き換わっていてもよい。)であることもさらに好ましい。
R44fは、フッ素原子を有する炭素数1~10の脂肪族炭化水素基が好ましく、フッ素原子を有する炭素数1~10のアルキル基、フッ素原子を有する炭素数3~10の脂環式炭化水素基又はそれらを組み合わせた基がより好ましく、フッ素原子を有する炭素数1~10のアルキル基がさらに好ましく、フッ素原子を有する炭素数1~6のアルキル基が一層好ましい。
【0153】
式(a4-3)で表される構造単位としては、例えば、以下の構造単位及び以下の式で表される構造単位において、構造単位(a4-3)におけるR
41に相当するメチル基が水素原子に置き換わった構造単位が挙げられる。
【0154】
構造単位(a4)としては、式(a4-A)で表される構造単位も挙げられる。
[式(a4-A)中、
R
1は、水素原子、ハロゲン原子又はハロゲン原子を有していてもよい炭素数1~6のアルキル基を表す。
X
11は、単結合又は*-CO-O-を表す。*は、R
1が結合する炭素原子との結合部位を表す。
L
1は、置換基を有していてもよい炭素数1~28の脂肪族炭化水素基を表し、該脂肪族炭化水素基に含まれる-CH
2-は、-O-、-S-、-SO
2-又は-CO-に置き換わっていてもよい。
R
2は、炭素数1~8のフッ化アルキル基を表す。
R
3は、水素原子又は炭素数1~6のフッ化アルキル基を表し、該フッ化アルキル基はL
1と結合し、炭素数3~12の脂環式炭化水素基を形成してもよく、該脂環式炭化水素基に含まれる-CH
2-は、-O-に置き換わっていてもよい。
miは、1~4のいずれかの整数を表す。miが2以上のとき、複数の括弧内の基は、互いに同じであっても異なっていてもよい。]
【0155】
R1における炭素数1~6のアルキル基は、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基が挙げられる。
R1におけるハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子等が挙げられる。
R1におけるハロゲン原子を有する炭素数1~6のアルキル基としては、トリフルオロメチル基、ジフルオロメチル基、ペルフルオロエチル基、2,2,2-トリフルオロエチル基、1,1,2,2-テトラフルオロエチル基、ペルフルオロプロピル基、2,2,3,3,3-ペンタフルオロプロピル基、ペルフルオロブチル基、1,1,2,2,3,3,4,4-オクタフルオロブチル基、ペルフルオロペンチル基、2,2,3,3,4,4,5,5,5-ノナフルオロペンチル基、ペルフルオロヘキシル基、トリクロロメチル基、ジクロロメチル基、トリヨードメチル基、ジヨードメチル基、トリブロモメチル基、ジブロモメチル基等が挙げられる。
R1は、水素原子又は炭素数1~4のアルキル基が好ましく、水素原子又は炭素数1~3のアルキル基がより好ましく、水素原子、メチル基又はエチル基がさらに好ましく、水素原子又はメチル基がさらにより好ましい。
【0156】
L1における脂肪族炭化水素基としては、鎖式炭化水素基、単環式又は多環式(スピロ環、縮合環又は橋掛け環等を含む)の脂環式炭化水素基が挙げられ、これらの基のうち2種以上を組み合わせた基(例えば脂環式炭化水素基と鎖式炭化水素基とから形成される炭化水素基)でもよい。
鎖式炭化水素基としては、アルカンジイル基、アルカントリイル基、アルカンテトライル基、アルカンペンタイル基等の2~5価の鎖式炭化水素基等が挙げられる。
アルカンジイル基としては、メチレン基、エチレン基、プロパン-1,3-ジイル基、ブタン-1,4-ジイル基、ペンタン-1,5-ジイル基、ヘキサン-1,6-ジイル基、ヘプタン-1,7-ジイル基、オクタン-1,8-ジイル基、ノナン-1,9-ジイル基、デカン-1,10-ジイル基、ウンデカン-1,11-ジイル基、ドデカン-1,12-ジイル基、トリデカン-1,13-ジイル基、テトラデカン-1,14-ジイル基、ペンタデカン-1,15-ジイル基、ヘキサデカン-1,16-ジイル基及びヘプタデカン-1,17-ジイル基等の直鎖状アルカンジイル基及び
エタン-1,1-ジイル基、プロパン-1,1-ジイル基、プロパン-1,2-ジイル基、プロパン-2,2-ジイル基、ペンタン-2,4-ジイル基、2-メチルプロパン-1,3-ジイル基、2-メチルプロパン-1,2-ジイル基、ペンタン-1,4-ジイル基、2-メチルブタン-1,4-ジイル基等の分岐状アルカンジイル基が挙げられる。
また、上述した基の水素原子の1つ以上を結合部位に置き換えた基等も挙げられる。
鎖式炭化水素基の炭素数は、好ましくは1~18であり、より好ましくは1~12であり、さらに好ましくは1~10であり、より一層好ましくは1~9であり、さらに一層好ましくは1~8であり、さらにより好ましくは1~6であり、さらにより一層好ましくは1~5であり、特に好ましくは1~4である。
【0157】
単環式又は多環式の脂環式炭化水素基としては、以下の脂環式炭化水素基等が挙げられる。結合部位は任意の位置とすることができる。
例えば、シクロアルカンジイル基、シクロアルカントリイル基、シクロアルカンテトライル基、シクロアルカンペンタイル基等の2~5価の脂環式炭化水素基等が挙げられる。
具体的には、シクロブタン-1,3-ジイル基、シクロペンタン-1,3-ジイル基、シクロヘキサン-1,4-ジイル基、シクロオクタン-1,5-ジイル基等の単環式の脂環式炭化水素基及び
ノルボルナン-1,4-ジイル基、ノルボルナン-2,5-ジイル基、アダマンタン-1,5-ジイル基、アダマンタン-2,6-ジイル基、デカヒドロナフタレンジイル基、ビシクロ[3.3.0]オクタンジイル基、スピロシクロヘキサン-1,2’-シクロペンタン-ジイル基、スピロアダマンタン-2,3’-シクロペンタン-ジイル基等のシクロアルカンジイル基、ノルボルナンジイル基もしくはアダマンタンジイル基とそれぞれにスピロで結合したシクロアルカンジイル基を有するスピロ環等の多環式の脂環式炭化水素基が挙げられる。
また、上述した基の水素原子の1つ以上を結合部位に置き換えた基等も挙げられる。
脂環式炭化水素基の炭素数は、好ましくは3~20であり、より好ましくは3~18であり、さらに好ましくは3~16であり、さらにより好ましくは3~12である。
【0158】
2種以上を組み合わせた基としては、脂環式炭化水素基と鎖式炭化水素基とを組み合わせた基等が挙げられる。組み合わせにおいて、脂環式炭化水素基、鎖式炭化水素基は、それぞれ2種以上を組み合わせてもよい。また、いずれの基がX11に結合していてもよい。
脂環式炭化水素基と鎖式炭化水素基とを組み合わせた基としては、例えば、鎖式炭化水素基に脂環式炭化水素基が結合した基(例えば、*-鎖式炭化水素基-脂環式炭化水素基-等)、脂環式炭化水素基に鎖式炭化水素基が結合した基(例えば、*-脂環式炭化水素基-鎖式炭化水素基-等)、鎖式炭化水素基に脂環式炭化水素基と鎖式炭化水素基が結合した基(例えば、*-鎖式炭化水素基-脂環式炭化水素基-鎖式炭化水素基-等)、脂環式炭化水素基に鎖式炭化水素基と脂環式炭化水素基が結合した基(例えば、*-脂環式炭化水素基-鎖式炭化水素基-脂環式炭化水素基-等)、鎖式炭化水素基に脂環式炭化水素基と鎖式炭化水素基と脂環式炭化水素基が結合した基(例えば、*-鎖式炭化水素基-脂環式炭化水素基-鎖式炭化水素基-脂環式炭化水素基-等)、脂環式炭化水素基に鎖式炭化水素基と脂環式炭化水素基と鎖式炭化水素基が結合した基(例えば、*-脂環式炭化水素基-鎖式炭化水素基-脂環式炭化水素基-鎖式炭化水素基-等)等が挙げられる。
*はX11との結合部位を表す。
また、上述した基の水素原子の1つ以上を結合部位に置き換えた基等も挙げられる。
【0159】
L1の炭素数1~28の脂肪族炭化水素基に含まれる-CH2-は、-O-、-S-、-SO2-又は-CO-に置き換わっていてもよい。
L1の炭素数1~28の脂肪族炭化水素基に含まれる-CH2-が-O-、-S-、-SO2-又は-CO-に置き換わっている場合、置き換わる前の炭素数を該脂肪族炭化水素基の炭素数とする。
脂肪族炭化水素基に含まれる-CH2-が、-O-、-S-、-SO2-又は-CO-に置き換わった基としては、ヒドロキシ基、カルボキシ基、チオール基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アルコキシカルボニル基、アルキルスルホニル基、アルキルカルボニル基、アルキルカルボニルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、オキシ基、カルボニル基、チオ基、スルホニル基、アルカンジイルオキシ基、アルカンジイルオキシカルボニル基、アルカンジイルカルボニル基、アルカンジイルカルボニルオキシ基、アルカンジイルスルホニル基、アルカンジイルチオ基、シクロアルコキシ基、シクロアルキルアルコキシ基、これらの基のうち2種以上を組み合わせた基等が挙げられる。これらの置き換わった基は、炭素数の上限が許す範囲で、本明細書で例示した基と同様のものが挙げられる。
また、上述した基の水素原子の1つ以上を結合部位に置き換えた基等も挙げられる。
脂環式炭化水素基に含まれる-CH2-が、-O-、-S-、-CO-又は-SO2-で置き換わった基としては、炭素数の上限が許す範囲で、本明細書で例示した基と同様のものが挙げられる。
【0160】
L1における脂肪族炭化水素基は、1又は複数の置換基を有していてもよい。該置換基としては、ハロゲン原子、炭素数1~4のハロアルキル基、炭素数1~12のアルキル基、炭素数3~18の脂環式炭化水素基又は炭素数6~18の芳香族炭化水素基(該アルキル基又は該脂環式炭化水素基に含まれる-CH2-は、-O-又は-CO-で置き換わっていてもよい。)等が挙げられる。
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられる。
炭素数1~4のハロアルキル基とは、炭素数1~4のフッ化アルキル基、炭素数1~4の塩化アルキル基、炭素数1~4の臭化アルキル基、炭素数1~4のヨウ化アルキル基等が挙げられる。ハロアルキル基としては、炭素数1~4のペルフルオロアルキル基(トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、ヘプタフルオロプロピル基、ノナフルオロブチル基等)、2,2,2-トリフルオロエチル基、3,3,3-トリフルオロプロピル基、4,4,4-トリフルオロブチル基、3,3,4,4,4-ペンタフルオロブチル基、クロロメチル基、ブロモメチル基、ヨードメチル基等が挙げられる。ハロアルキル基の炭素数は、好ましくは1~3であり、より好ましくは1又は2である。
炭素数1~12のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基等が挙げられる。アルキル基の炭素数は、好ましくは1~9であり、より好ましくは1~6であり、さらに好ましくは1~4であり、さらにより好ましくは1~3である。
炭素数3~18の脂環式炭化水素基としては、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロデシル基等の単環式シクロアルキル基、デカヒドロナフチル基、アダマンチル基、ノルボルニル基等の多環式シクロアルキル基が挙げられる。脂環式炭化水素基の炭素数は、好ましくは3~16であり、より好ましくは3~12であり、さらに好ましくは3~10である。
炭素数6~18の芳香族炭化水素基としては、フェニル基、ナフチル基、ビフェニル基、アントリル基、フェナントリル基、ビナフチル基等が挙げられる。芳香族炭化水素基の炭素数は、好ましくは6~14であり、より好ましくは6~12であり、さらに好ましくは6~10である。
アルキル基に含まれる-CH2-は、-O-又は-CO-に置き換わっている場合、置き換わる前の炭素数を該アルキル基の総炭素数とする。置き換わった基としては、ヒドロキシ基、カルボキシ基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アルキルカルボニル基、アルキルカルボニルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基等が挙げられる。これらの置き換わった基は、炭素数の上限が許す範囲で、本明細書で例示した基と同様のものが挙げられる。
また、脂環式炭化水素基に含まれる-CH2-が、-O-又は-CO-で置き換わった基としては、炭素数の上限が許す範囲で、本明細書で例示した基と同様のものが挙げられる。
L1における脂肪族炭化水素基が有していてもよい置換基としては、ハロゲン原子、炭素数1~3のハロアルキル基、炭素数1~6のアルキル基、炭素数3~10の脂環式炭化水素基又は炭素数6~10の芳香族炭化水素基(該アルキル基又は該脂環式炭化水素基に含まれる-CH2-は、-O-又は-CO-で置き換わっていてもよい。)が好ましく、フッ素原子、ヨウ素原子、炭素数1~3のペルフルオロアルキル基又は炭素数1~4のアルキル基(該アルキル基に含まれる-CH2-は、-O-又は-CO-で置き換わっていてもよい。)がより好ましく、フッ素原子、ヨウ素原子、トリフルオロメチル基、メチル基、ヒドロキシ基又はメトキシ基がさらに好ましい。
L1は、R3のフッ化アルキル基と脂環式炭化水素基を形成しない場合、置換基を有していてもよい炭素数1~12の鎖式炭化水素基(該鎖式炭化水素基に含まれる-CH2-は、-O-又は-CO-に置き換わっていてもよい。)、置換基を有していてもよい炭素数3~18の脂環式炭化水素基(該脂環式炭化水素基に含まれる-CH2-は、-O-又は-CO-に置き換わっていてもよい。)又は置換基を有していてもよい炭素数1~6の鎖式炭化水素基と置換基を有していてもよい炭素数3~18の脂環式炭化水素基とを組み合わせてなる基(該鎖式炭化水素基に含まれる-CH2-は、-O-又は-CO-に置き換わっていてもよく、該脂環式炭化水素基に含まれる-CH2-は、-O-又は-CO-に置き換わっていてもよい。)であることが好ましく、置換基を有していてもよい炭素数1~8の鎖式炭化水素基(該鎖式炭化水素基に含まれる-CH2-は、-O-又は-CO-に置き換わっていてもよい。)、置換基を有していてもよい炭素数3~12の脂環式炭化水素基又は置換基を有していてもよい炭素数1~6の鎖式炭化水素基と置換基を有していてもよい炭素数3~18の脂環式炭化水素基とを組み合わせてなる基(該鎖式炭化水素基に含まれる-CH2-は、-O-又は-CO-に置き換わっていてもよい。)であることがより好ましく、置換基を有していてもよい炭素数1~8の鎖式炭化水素基(該鎖式炭化水素基に含まれる-CH2-は、-O-又は-CO-に置き換わっていてもよい。)、置換基を有していてもよい炭素数5~12の脂環式炭化水素基、炭素数1~6の鎖式炭化水素基と置換基を有していてもよい炭素数5~12の脂環式炭化水素基とを組み合わせてなる基(該鎖式炭化水素基に含まれる-CH2-は、-O-又は-CO-に置き換わっていてもよい。)又は置換基を有していてもよい炭素数5~12の脂環式炭化水素基と炭素数1~6の鎖式炭化水素基と置換基を有していてもよい炭素数5~12の脂環式炭化水素基とを組み合わせてなる基(該鎖式炭化水素基に含まれる-CH2-は、-O-又は-CO-に置き換わっていてもよい。)であることがさらに好ましい。
【0161】
R
2における炭素数1~8のフッ化アルキル基としては、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、1,1-ジフルオロエチル基、2,2-ジフルオロエチル基、2,2,2-トリフルオロエチル基、パーフルオロエチル基、1,1,2,2-テトラフルオロプロピル基、1,1,2,2,3,3-ヘキサフルオロプロピル基、ペルフルオロエチルメチル基、1-(トリフルオロメチル)-1,2,2,2-テトラフルオロエチル基、ペルフルオロプロピル基、1,1,2,2-テトラフルオロブチル基、1,1,2,2,3,3-ヘキサフルオロブチル基、1,1,2,2,3,3,4,4-オクタフルオロブチル基、ペルフルオロブチル基、1,1-ビス(トリフルオロ)メチル-2,2,2-トリフルオロエチル基、2-(ペルフルオロプロピル)エチル基、1,1,2,2,3,3,4,4-オクタフルオロペンチル基、ペルフルオロペンチル基、1,1,2,2,3,3,4,4,5,5-デカフルオロペンチル基、1,1-ビス(トリフルオロメチル)-2,2,3,3,3-ペンタフルオロプロピル基、ペルフルオロペンチル基、2-(ペルフルオロブチル)エチル基、1,1,2,2,3,3,4,4,5,5-デカフルオロヘキシル基、1,1,2,2,3,3,4,4,5,5,6,6-ドデカフルオロヘキシル基、ペルフルオロペンチルメチル基、ペルフルオロヘキシル基、ペルフルオロへプチル基、ペルフルオロオクチル基が挙げられる。フッ化アルキル基の炭素数は、好ましくは1~6であり、より好ましくは1~5であり、さらに好ましくは1~4であり、さらにより好ましくは1~3である。
R
3における炭素数1~6のフッ化アルキル基は、炭素数の上限が許す限り、R
2のフッ化アルキル基の例に挙げられた炭素数1~6のフッ化アルキル基が同様に挙げられる。
R
2は、R
3が炭素数1~6のフッ化アルキル基の場合、好ましくは炭素数1~6のフッ化アルキル基であり、より好ましくは炭素数1~3のフッ化アルキル基であり、さらに好ましくは、トリフルオロメチル基、ペルフルオロエチル基又はペルフルオロプロピル基であり、さらにより好ましくは、トリフルオロメチル基である。
R
2は、R
3が水素原子の場合、好ましくは炭素数1~6のフッ化アルキル基であり、より好ましくは炭素数1~5のフッ化アルキル基であり、さらに好ましくは炭素数3~5のフッ化アルキル基である。
R
3がL
1と結合し、炭素数3~12の脂環式炭化水素基を形成する場合、R
3がL
1と結合し形成される基としては、例えば、以下の式で表される基が挙げられる。以下の式のうち、*及び**は、結合部位を表し、2つの**は、一方がヒドロキシ基との結合部位を表し、他方がR
2との結合部位を表し、L
1Aは、L
1の炭化水素基の一部であり、単結合又は炭素数1~4のアルカンジイル基を表す。R
3がL
1と結合し形成される脂環式炭化水素基の炭素数は、好ましくは3~10であり、より好ましくは3~8であり、さらに好ましくは3~6である。
R
3は、水素原子又は炭素数1~3のフッ化アルキル基であることが好ましい。
miは、1~3のいずれかの整数であることが好ましく、1又は2であることがより好ましく、1であることがさらに好ましい。
【0162】
構造単位(a4-A)としては、以下の構造単位等が挙げられる。以下の構造単位において、R
1に相当するメチル基が水素原子、ハロゲン原子、ハロアルキル基又はメチル基以外のアルキル基に置き換わった構造単位及びR
1に相当する水素原子が、ハロゲン原子、ハロアルキル基又はアルキル基に置き換わった構造単位も、構造単位(a4-A)の具体例として挙げることができる。
【0163】
樹脂が、構造単位(a4)を含む場合、その含有率は、樹脂の全構造単位に対して、1~20モル%が好ましく、2~15モル%がより好ましく、3~10モル%がさらに好ましい。
【0164】
〈構造単位(a5)〉
構造単位(a5)が有する非脱離炭化水素基としては、直鎖、分岐又は環状の炭化水素基を有する基が挙げられる。なかでも、構造単位(a5)は、脂環式炭化水素基を有する基が好ましい。
構造単位(a5)としては、例えば、式(a5-1)で表される構造単位が挙げられる。
[式(a5-1)中、
R
51は、水素原子又はメチル基を表す。
R
52は、炭素数3~18の脂環式炭化水素基を表し、該脂環式炭化水素基に含まれる水素原子は炭素数1~8の脂肪族炭化水素基で置換されていてもよい。
L
55は、単結合又は炭素数1~18の2価の飽和炭化水素基を表し、該飽和炭化水素基に含まれる-CH
2-は、-O-又は-CO-に置き換わっていてもよい。]
【0165】
R52における脂環式炭化水素基としては、単環式及び多環式のいずれでもよい。単環式の脂環式炭化水素基としては、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基及びシクロヘキシル基が挙げられる。多環式の脂環式炭化水素基としては、例えば、アダマンチル基及びノルボルニル基等が挙げられる。
炭素数1~8の脂肪族炭化水素基は、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基及び2-エチルヘキシル基等のアルキル基が挙げられる。
置換基を有する脂環式炭化水素基としては、3-メチルアダマンチル基などが挙げられる。
R52は、好ましくは、無置換の炭素数3~18の脂環式炭化水素基であり、より好ましくは、アダマンチル基、ノルボルニル基又はシクロヘキシル基である。
L55における2価の飽和炭化水素基としては、2価の鎖式飽和炭化水素基及び2価の脂環式飽和炭化水素基が挙げられ、好ましくは2価の鎖式飽和炭化水素基である。
2価の鎖式飽和炭化水素基としては、例えば、メチレン基、エチレン基、プロパンジイル基、ブタンジイル基及びペンタンジイル基等のアルカンジイル基が挙げられる。
2価の脂環式飽和炭化水素基は、単環式及び多環式のいずれでもよい。単環式の脂環式飽和炭化水素基としては、シクロペンタンジイル基及びシクロヘキサンジイル基等のシクロアルカンジイル基が挙げられる。多環式の2価の脂環式飽和炭化水素基としては、アダマンタンジイル基及びノルボルナンジイル基等が挙げられる。
【0166】
L
55の表す2価の飽和炭化水素基に含まれる-CH
2-が、-O-又は-CO-で置き換わった基としては、例えば、式(L1-1)~式(L1-4)で表される基が挙げられる。下記式中、*及び**は各々結合部位を表し、*は酸素原子との結合部位を表す。
[式(L1-1)中、
X
x1は、*-O-CO-又は*-CO-O-を表す(*はL
x1との結合部位を表す。)。
L
x1は、炭素数1~16の2価の脂肪族飽和炭化水素基を表す。
L
x2は、単結合又は炭素数1~15の2価の脂肪族飽和炭化水素基を表す。
ただし、L
x1及びL
x2の合計炭素数は、16以下である。
式(L1-2)中、
L
x3は、炭素数1~17の2価の脂肪族飽和炭化水素基を表す。
L
x4は、単結合又は炭素数1~16の2価の脂肪族飽和炭化水素基を表す。
ただし、L
x3及びL
x4の合計炭素数は、17以下である。
式(L1-3)中、
L
x5は、炭素数1~15の2価の脂肪族飽和炭化水素基を表す。
L
x6及びL
x7は、それぞれ独立に、単結合又は炭素数1~14の2価の脂肪族飽和炭化水素基を表す。
ただし、L
x5、L
x6及びL
x7の合計炭素数は、15以下である。
式(L1-4)中、
L
x8及びL
x9は、単結合又は炭素数1~12の2価の脂肪族飽和炭化水素基を表す。
W
x1は、炭素数3~15の2価の脂環式飽和炭化水素基を表す。
ただし、L
x8、L
x9及びW
x1の合計炭素数は、15以下である。]
【0167】
Lx1は、好ましくは、炭素数1~8の2価の脂肪族飽和炭化水素基、より好ましくは、メチレン基又はエチレン基である。
Lx2は、好ましくは、単結合又は炭素数1~8の2価の脂肪族飽和炭化水素基、より好ましくは、単結合である。
Lx3は、好ましくは、炭素数1~8の2価の脂肪族飽和炭化水素基である。
Lx4は、好ましくは、単結合又は炭素数1~8の2価の脂肪族飽和炭化水素基である。
Lx5は、好ましくは、炭素数1~8の2価の脂肪族飽和炭化水素基、より好ましくは、メチレン基又はエチレン基である。
Lx6は、好ましくは、単結合又は炭素数1~8の2価の脂肪族飽和炭化水素基、より好ましくは、メチレン基又はエチレン基である。
Lx7は、好ましくは、単結合又は炭素数1~8の2価の脂肪族飽和炭化水素基である。
Lx8は、好ましくは、単結合又は炭素数1~8の2価の脂肪族飽和炭化水素基、より好ましくは、単結合又はメチレン基である。
Lx9は、好ましくは、単結合又は炭素数1~8の2価の脂肪族飽和炭化水素基、より好ましくは、単結合又はメチレン基である。
Wx1は、好ましくは、炭素数3~10の2価の脂環式飽和炭化水素基、より好ましくは、シクロヘキサンジイル基又はアダマンタンジイル基である。
【0168】
式(L1-1)で表される基としては、例えば、以下に示す2価の基が挙げられる。
式(L1-2)で表される基としては、例えば、以下に示す2価の基が挙げられる。
式(L1-3)で表される基としては、例えば、以下に示す2価の基が挙げられる。
式(L1-4)で表される基としては、例えば、以下に示す2価の基が挙げられる。
L
55は、好ましくは、単結合又は式(L1-1)で表される基である。
【0169】
構造単位(a5-1)としては、以下に示す構造単位及び下記構造単位中の構造単位(a5-1)におけるR
51に相当するメチル基が水素原子に置き換わった構造単位が挙げられる。
樹脂が、構造単位(a5)を含む場合、その含有率は、樹脂の全構造単位に対して、1~30モル%が好ましく、2~20モル%がより好ましく、3~15モル%がさらに好ましい。
【0170】
〈構造単位(a6)〉
構造単位(a6)は、-SO2-基を有する構造単位であり、-SO2-基を側鎖に有することが好ましい。
-SO2-基を有する構造単位は、-SO2-基を有する直鎖状構造を有していてもよいし、-SO2-基を有する分岐状構造を有していてもよいし、-SO2-基を有する環状構造(単環及び多環構造)を有していてもよい。好ましくは、-SO2-基を有する環状構造を有する構造単位であり、より好ましくは、-SO2-O-を含む環状構造(スルトン環)を有する構造単位である。
【0171】
スルトン環としては、下記式(T
1-1)、式(T
1-2)、式(T
1-3)及び式(T
1-4)で表される環が挙げられる。結合部位は任意の位置とすることができる。スルトン環は、単環式であってもよいが、多環式であることが好ましい。多環式のスルトン環とは、環を構成する原子団として-SO
2-O-を含む橋かけ環を意味し、式(T
1-1)及び式(T
1-2)で表される環が挙げられる。スルトン環は、式(T
1-2)で表される環のように、環を構成する原子団として、-SO
2-O-以外に、さらにヘテロ原子を含んでいてもよい。ヘテロ原子としては、酸素原子、硫黄原子又は窒素原子が挙げられ、好ましくは酸素原子である。
【0172】
スルトン環は置換基を有してもよく、置換基としては、ハロゲン原子又はヒドロキシ基を有していてもよい炭素数1~12のアルキル基、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、シアノ基、炭素数1~12のアルコキシ基、炭素数6~12のアリール基、炭素数7~12のアラルキル基、グリシジルオキシ基、炭素数2~12のアルコキシカルボニル基及び炭素数2~4のアルキルカルボニル基等が挙げられる。
【0173】
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子が挙げられる。
アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基及びデシル基が挙げられ、好ましくは炭素数1~6のアルキル基であり、より好ましくはメチル基である。
ハロゲン原子を有するアルキル基としては、トリフルオロメチル基、ペルフルオロエチル基、ペルフルオロプロピル基、ペルフルオロイソプロピル基、ペルフルオロブチル基、ペルフルオロsec-ブチル基、ペルフルオロtert-ブチル基、ペルフルオロペンチル基、ペルフルオロヘキシル基、トリクロロメチル基、トリブロモメチル基及びトリヨードメチル基が挙げられ、好ましくはトリフルオロメチル基が挙げられる。
ヒドロキシ基を有するアルキル基としては、ヒドロキシメチル基及び2-ヒドロキシエチル基のヒドロキシアルキル基が挙げられる。
アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基、デシルオキシ基及びドデシルオキシ基が挙げられる。
アリール基としては、フェニル基、ナフチル基、アントリル基、p-メチルフェニル基、p-tert-ブチルフェニル基、p-アダマンチルフェニル基、トリル基、キシリル基、クミル基、メシチル基、ビフェニル基、フェナントリル基、2,6-ジエチルフェニル基及び2-メチル-6-エチルフェニル基が挙げられる。
アラルキル基としては、ベンジル基、フェネチル基、フェニルプロピル基、ナフチルメチル基及びナフチルエチル基が挙げられる。
アルコキシカルボニル基としては、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基等のアルコキシ基とカルボニル基とが結合した基が挙げられ、好ましくは炭素数6以下のアルコキシカルボニル基が挙げられ、より好ましくはメトキシカルボニル基が挙げられる。
アルキルカルボニル基としては、アセチル基、プロピオニル基及びブチリル基が挙げられる。
構造単位(a6)を導くモノマーの製造が容易であるという観点から、置換基を有さないスルトン環が好ましい。
【0174】
スルトン環としては、以下の式(T1’)で表される環が好ましい。
[式(T1’)中、
X
11は、酸素原子、硫黄原子又はメチレン基を表す。
R
41は、ハロゲン原子もしくはヒドロキシ基を有していてもよい炭素数1~12のアルキル基、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、シアノ基、炭素数1~12のアルコキシ基、炭素数6~12のアリール基、炭素数7~12のアラルキル基、グリシジルオキシ基、炭素数2~12のアルコキシカルボニル基又は炭素数2~4のアルキルカルボニル基を表す。
maは、0~9のいずれかの整数を表す。maが2以上のとき、複数のR
41は同一であっても異なってもよい。
結合部位は任意の位置である。]
X
11は、好ましくは酸素原子又はメチレン基であり、より好ましくはメチレン基である。
R
41としては、スルトン環の置換基と同様のものが挙げられ、ハロゲン原子又はヒドロキシ基を有していてもよい炭素数1~12のアルキル基が好ましい。
maは、好ましくは0又は1であり、より好ましくは0である。
【0175】
式(T1’)で表される環としては、以下の環が挙げられる。結合部位は任意の位置である。なかでも、結合部位は1位又は3位であるものが好ましい。
【0176】
-SO2-基を有する構造単位は、さらに、重合性基に由来する基を有することが好ましい。重合性基としては、ビニル基、アクリロイル基、メタクリロイル基、アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基、アクリロイルアミノ基、メタクリロイルアミノ基、アクリロイルチオ基、メタクリロイルチオ基等が挙げられる。
中でも、構造単位(a6)を導くモノマーは、好ましくはエチレン性不飽和結合を有するモノマーであり、より好ましくは(メタ)アクリル系モノマーである。
【0177】
構造単位(a6)は、好ましくは、式(a6-0)で表される構造単位である。
[式(a6-0)中、
R
xは、ハロゲン原子を有してもよい炭素数1~6のアルキル基、水素原子又はハロゲン原子を表す。
A
xxは、酸素原子、-N(R
c)-又は硫黄原子を表す。
A
xは、単結合又は炭素数1~18の2価の飽和炭化水素基を表し、該飽和炭化水素基に含まれる-CH
2-は、-O-、-CO-又は-N(R
d)-に置き換わっていてもよい。
X
11は、酸素原子、硫黄原子又はメチレン基を表す。
R
41は、上記と同様の基を表す。
maは、0~9のいずれかの整数を表す。maが2以上のとき、複数のR
41は同一であっても異なってもよい。
R
c及びR
dは、互いに独立に、水素原子又は炭素数1~6のアルキル基を表す。]
【0178】
Rxのハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子が挙げられる。
Rxのアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、n-ペンチル基及びn-ヘキシル基等が挙げられ、好ましくは炭素数1~4のアルキル基であり、より好ましくはメチル基又はエチル基である。
Rxのハロゲン原子を有するアルキル基としては、例えば、トリフルオロメチル基、ペルフルオロエチル基、ペルフルオロプロピル基、ペルフルオロイソプロピル基、ペルフルオロブチル基、ペルフルオロsec-ブチル基、ペルフルオロtert-ブチル基、ペルフルオロペンチル基、ペルフルオロヘキシル基、トリクロロメチル基、トリブロモメチル基及びトリヨードメチル基などが挙げられる。
Rxは、好ましくは水素原子又は炭素数1~4のアルキル基であり、より好ましくは水素原子、メチル基又はエチル基であり、さらに好ましくは水素原子又はメチル基である。
Axの2価の飽和炭化水素基としては、直鎖状アルカンジイル基、分岐状アルカンジイル基、単環式又は多環式の2価の脂環式飽和炭化水素基が挙げられ、これらの基のうち2種以上を組合せたものでもよい。
具体的には、メチレン基、エチレン基、プロパン-1,3-ジイル基、プロパン-1,2-ジイル基、ブタン-1,4-ジイル基、ペンタン-1,5-ジイル基、ヘキサン-1,6-ジイル基、ヘプタン-1,7-ジイル基、オクタン-1,8-ジイル基、ノナン-1,9-ジイル基、デカン-1,10-ジイル基、ウンデカン-1,11-ジイル基、ドデカン-1,12-ジイル基、トリデカン-1,13-ジイル基、テトラデカン-1,14-ジイル基、ペンタデカン-1,15-ジイル基、ヘキサデカン-1,16-ジイル基、ヘプタデカン-1,17-ジイル基、エタン-1,1-ジイル基、プロパン-1,1-ジイル基及びプロパン-2,2-ジイル基等の直鎖状アルカンジイル基;
ブタン-1,3-ジイル基、2-メチルプロパン-1,3-ジイル基、2-メチルプロパン-1,2-ジイル基、ペンタン-1,4-ジイル基、2-メチルブタン-1,4-ジイル基等の分岐状アルカンジイル基;
シクロブタン-1,3-ジイル基、シクロペンタン-1,3-ジイル基、シクロヘキサン-1,4-ジイル基、シクロオクタン-1,5-ジイル基等のシクロアルカンジイル基である単環式の2価の脂環式飽和炭化水素基;
ノルボルナン-1,4-ジイル基、ノルボルナン-2,5-ジイル基、アダマンタン-1,5-ジイル基、アダマンタン-2,6-ジイル基等の多環式の2価の脂環式飽和炭化水素基等が挙げられる。
Axのスルトン環への結合位置は、任意の位置とすることができるが、1位であるものが好ましい。
【0179】
構造単位(a6-0)としては、以下の構造単位が挙げられる。
【0180】
なかでも、式(a6-1)、式(a6-2)、式(a6-6)、式(a6-7)、式(a6-8)及び式(a6-12)で表される構造単位が好ましく、式(a6-1)、式(a6-2)、式(a6-7)及び(a6-8)で表される構造単位がより好ましい。
樹脂が、構造単位(a6)を含む場合、その含有率は、樹脂の全構造単位に対して、1~50モル%が好ましく、2~40モル%がより好ましく、3~30モル%がさらに好ましい。
【0181】
<構造単位(a7)>
樹脂は、さらに、露光により分解して酸を発生する構造単位(以下、「構造単位(a7)」という場合がある)を含有してもよい。構造単位(a7)としては、具体的には特開2016-79235号公報に記載の構造単位が挙げられ、側鎖にスルホナート基若しくはカルボキシレート基と有機カチオンとを有する構造単位又は側鎖にスルホニオ基と有機アニオンとを有する構造単位であることが好ましい。
【0182】
側鎖にスルホナート基若しくはカルボキシレート基と有機カチオンとを有する構造単位は、式(a7-A)で表される構造単位であることが好ましい。
[式(a7-A)中、
R
a7は、水素原子、ハロゲン原子又はハロゲン原子を有していてもよい炭素数1~6のアルキル基を表す。
X
a71は、単結合、*-O-**、*-CO-O-**、*-O-CO-O-**、*-CO-NR
a71-**、*-NR
a71-CO-O-**、*-O-CO-NR
a71-**又は*-Ax-Ph-Ay-**を表す。
R
a71は、水素原子又は炭素数1~6のアルキル基を表す。
Phは、置換基を有してもよいフェニレン基を表す。
Ax及びAyは、それぞれ独立に、単結合、エーテル結合、チオエーテル結合、エステル結合、アミド結合及び炭酸エステル結合から構成される群から選択される1種以上の結合種を表す。
*及び**は、結合部位を表し、*はR
a7が結合した炭素原子との結合部位を表す。
L
a71及びL
a72は、それぞれ独立に、置換基を有してもよい炭素数1~24の炭化水素基を表し、該炭化水素基に含まれる-CH
2-は、-O-、-S-、-CO-又は-SO
2-に置き換わっていてもよい。
X
a72は、***-CO-O-、***-O-CO-、***-O-CO-O-、***-O-を表し、***は、L
a71との結合部位を表す。
na7は、0~2のいずれかの整数を表す。na7が2のとき、複数の括弧内の基は互いに同じでも異なっていてもよい。
RA
-は、スルホナートアニオン又はカルボキシルアニオンを表す。
ZA
+は、有機カチオンを表す。]
R
a7におけるハロゲン原子及びハロゲン原子を有していてもよい炭素数1~6のアルキル基としては、式(a1-0)のR
a01等で例示したものと同様のものが挙げられる。
R
a7は、水素原子又は炭素数1~4のアルキル基が好ましく、水素原子又は炭素数1~3のアルキル基がより好ましく、水素原子、メチル基又はエチル基がさらに好ましく、水素原子又はメチル基がさらにより好ましい。
R
a71における炭素数1~6のアルキル基は、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基が挙げられる。
【0183】
X
a71が、*-Ax-Ph-Ay-**で表される基の場合、以下の式(X10)で表される連結基であることが好ましい。
[式(X10)中、
Axは、R
a7が結合した炭素原子と結合する結合種を表し、単結合、エーテル結合、チオエーテル結合、エステル結合、炭酸エステル結合及びアミド結合から構成される群から選択される1種以上の結合種を表す。
Ayは、L
a71と結合する結合種を表し、単結合、エーテル結合、チオエーテル結合、エステル結合、炭酸エステル結合及びアミド結合から構成される群から選択される1種以上の結合種を表す。
Rxは、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、炭素数1~6のフッ化アルキル基、炭素数1~18のアルキル基又は炭素数1~6のアルコキシ基を表す。
mxは、0~4のいずれかの整数を表し、mxが2以上の整数の場合、複数のRxは互いに同じでも異なっていてもよい。]
Ax及びAyのどちらかの一方が、単結合である場合、他方は、エーテル結合、チオエーテル結合、エステル結合、炭酸エステル結合及びアミド結合から構成される群から選択される1種以上であることが好ましい。
Ax及びAyのいずれかがアミド結合の場合、-CO-NR
a71-で表される結合であることが好ましい。
フェニレン基におけるAyの結合位置は、Axの結合位置に対して、m位又はp位であることが好ましく、p位であることがより好ましい。
Rxは、中でも、フッ素原子、ヨウ素原子、トリフルオロメチル基、メチル基又はエチル基が好ましい。
mxは、0、1又は2が好ましい。
X
a71としては、例えば、単結合、以下の式(X
10-1)~式(X
10-10)で表される基が挙げられる。*は-R
a7が結合する炭素原子との結合部位を表す。**は、L
a71との結合部位を表す。X
20は、-O-又は-NR
a71-を表す。
[式(X
10-1)~式(X
10-10)中、全ての符号は上記と同じ意味を表す。]
式(X
10-1)~式(X
10-10)で表される基の具体例としては、以下の基が挙げられる。
なかでも、X
a71は、単結合又は式(X
10-1’)及び式(X
10-3’)~式(X
10-10’)のいずれかで表される基であることが好ましく、単結合又は式(X
10-1’)、式(X
10-4’)、式(X
10-5’)、式(X
10-6’)及び式(X
10-10’)のいずれかで表される基であることがより好ましく、単結合、式(X
10-1’)で表される基、式(X
10-5’)で表される基又は式(X
10-6’)で表される基であることがさらに好ましい。
【0184】
L
a71の炭化水素基としては、鎖式炭化水素基、脂環式炭化水素基、芳香族炭化水素基及びこれらの2つ以上の基を組み合わせた基から、1個の水素原子を取り除き、X
a71とX
a72と結合する基が挙げられる。また、L
a72の炭化水素基としては、鎖式炭化水素基、脂環式炭化水素基、芳香族炭化水素基及びこれらの2つ以上の基を組み合わせた基から、1個の水素原子を取り除き、X
a72とRA
-と結合する基が挙げられる。
L
a71及びL
a72の鎖式炭化水素基としては、アルキル基又はアルケニル基の1個の水素原子を取り除いた基が挙げられる。アルキル基としては、直鎖状でも分岐状であってもよく、具体的には、メチル基、エチル基、n-プロピル基、iso-プロピル基、n-ブチル基、sec-ブチル基、iso-ブチル基、tert-ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタンデシル基、ヘプタデシル基等が挙げられる。アルケニル基としては、エテニル基、プロペニル基、イソプロペニル基、ブテニル基、イソブテニル基、tert-ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基、ヘプテニル基、オクテニル基、イソオクテニル基、ノネニル基等が挙げられる。
鎖式炭化水素基の炭素数としては、1~20であることが好ましく、1~18であることがより好ましく、炭素数1~10であることがさらに好ましい。
L
a71及びL
a72の脂環式炭化水素基としては、単環式又は多環式のシクロアルキル基の1個の水素原子を取り除いた基が挙げられる。単環式のシクロアルキル基としては、シクロブチル基、シクロヘプチル基、シクロヘキシル基、シクロペンチル基、シクロオクチル基等が挙げられる。
L
a71及びL
a72の多環式のシクロアルキル基としては、架橋構造を有するシクロアルキル基、2つ以上の環が縮合したシクロアルキル基又は2つの環がスピロで結合したシクロアルキル基等が挙げられる。架橋構造を有するシクロアルキル基としては、ノルボルニル基、アダマンチル基等が挙げられる。2つ以上の環が縮合したシクロアルキル基としては、ビシクロ〔4,4,0〕デカン基、ステロイド基(ステロイド骨格)等が挙げられる。また、2つの環がスピロで結合したシクロアルキル基としては、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、ノルボルニル基及びアダマンチル基から構成される群から選択される1種のシクロアルキル基と炭素数5~8のシクロアルキル基とがスピロで結合したスピロ環式シクロアルキル基等が挙げられる。また、脂環式炭化水素基に含まれる2つの炭素原子間は、二重結合が形成されていてもよい。より具体的には、以下の式で表される脂環式炭化水素基が挙げられる。
脂環式炭化水素基が単環式のシクロアルキル基の場合、脂環式炭化水素基の炭素数は、3~18であることが好ましく、3~12であることがより好ましく、3~8であることがさらに好ましい。脂環式炭化水素基が多環式のシクロアルキル基の場合、脂環式炭化水素基の炭素数は、6~18であることが好ましく、7~12であることがより好ましい。
L
a71及びL
a72の芳香族炭化水素基としては、アリール基の1個の水素原子を取り除いた基が挙げられる。アリール基としては、フェニル基、ナフチル基、アントリル基、ビフェニル基、フルオレニル基等が挙げられる。芳香族炭化水素基の炭素数としては、5~14であることが好ましく、6~14であることがより好ましく、6~10であることがさらに好ましい。
L
a71及びL
a72の炭化水素基に含まれる-CH
2-が、-O-、-CO-、-S-又は-SO
2-に置き換わっている場合、置き換わる前の炭素数を該炭化水素基の炭素数とする。
L
a71及びL
a72の炭化水素基のうち、鎖式炭化水素基に含まれる-CH
2-が、-O-、-CO-、-S-又は-SO
2-に置き換わった基としては、ヒドロキシ基、カルボキシ基、チオール基、カルボニル基、オキシ基、チオ基、スルホニル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アルキルカルボニル基、アルキルカルボニルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アルカンジイルオキシ基、アルカンジイルオキシカルボニル基、アルカンジイルカルボニル基、アルカンジイルカルボニルオキシ基等が挙げられる。これらの置き換わった基は、炭素数の上限が許す範囲で、本明細書で例示した基と同様のものが挙げられる。
L
a71及びL
a72の炭化水素基のうち、脂環式炭化水素基に含まれる-CH
2-が、-O-、-CO-、-S-又は-SO
2-に置き換わった基としては、環状エーテル、環状ケトン、環状エステル(ラクトン)、環状チオエーテル、環状アセタール、環状スルホン酸エステル(スルトン)構造を含む基等が挙げられる。具体的には、以下の式で表される脂環式炭化水素基が挙げられる。以下の式で挙げた脂環式炭化水素基の結合位置は、任意の位置とすることができる。
L
a71及びL
a72の炭化水素基のうち、芳香族炭化水素基に含まれる-CH
2-は、-O-又は-S-に置き換わってもよく、-CH
2-が、-O-又は-S-に置き換わった基としては、それぞれフラン環又はチオフェン環に由来する基等が挙げられる。
L
a71及びL
a72の鎖式炭化水素基、脂環式炭化水素基及び芳香族炭化水素基の2種以上の基を組み合わせた基としては、上記の鎖式炭化水素基と上記の脂環式炭化水素基を組み合わせた基、上記の鎖式炭化水素基と上記の芳香族炭化水素基を組み合わせた基、上記の脂環式炭化水素基と上記の芳香族炭化水素基とを組み合わせた基、上記の鎖式炭化水素基と上記の脂環式炭化水素基と上記の芳香族炭化水素基を組み合わせた基が挙げられる。脂環式炭化水素基と芳香族炭化水素基を組み合わせた基としては、縮合環であってもよい。
L
a71及びL
a72の炭化水素基が有してもよい置換基としては、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基が挙げられる。ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられる。
L
a71及びL
a72が、脂環式炭化水素基又は芳香族炭化水素基と鎖式炭化水素基と組み合わせた基である場合、実質的に、該鎖式炭化水素基を脂環式炭化水素基又は芳香族炭化水素基が有する置換基とみなしてもよい。また、L
a71及びL
a72の炭化水素基に含まれる鎖式炭化水素基の-CH
2-が、-O-、-CO-、-S-又は-SO
2-に置き換わることで、L
a71及びL
a72の炭化水素基は、実質的に、ヒドロキシ基、カルボキシ基、アルコキシ基、アルキルカルボニル基、アルコキシカルボニル基、アルキルカルボニルオキシ基、チオール基、スルホニル基等の置換基を有することができる。
na7は、0又は1が好ましい。
式(a7-A)中のZA
+は、式(B1)等で表される塩におけるカチオンと同様のものが挙げられる。
【0185】
式(a7-A)において、L
a71及びL
a72の炭化水素基が飽和炭化水素基である場合、後述の式(a7-B)において、A
b7の2価の連結基として例示する基と同様の基を含んでいてもよい。
式(a7-A)で表される構造単位としては、式(a7-A1)で表される構造単位等も挙げられる。
[式(a7-A1)中、
R
a7、X
a71、L
a71、X
a72、na7、RA
-及びZA
+は、上記と同じ意味を表す。
z7は、0~6のいずれかの整数を表す。
Q
a7、Q
b7、R
z71及びR
z72は、それぞれ独立に、水素原子、フッ素原子、炭素数1~6のペルフルオロアルキル基又は炭素数1~6のアルキル基を表し、z7が2以上のとき、複数のR
z71及びR
z72は互いに同一であっても異なっていてもよい。]
Q
a7、Q
b7、R
z71及びR
z72における炭素数1~6のペルフルオロアルキル基又は炭素数1~6のアルキル基としては、R
a7で例示した基と同様の基が挙げられる。
【0186】
式(a7-A)で表される構造単位としては、例えば、以下の構造単位、R
a7のメチル基に相当する基が水素原子、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子)又はハロゲン原子を有していてもよい炭素数1~6のアルキル基(例えば、トリフルオロメチル基等)に置き換わった構造単位及び国際公開第2012/050015号記載の構造単位が挙げられる。ZA
+は、有機カチオンを表す。
【0187】
【0188】
側鎖にスルホニオ基と有機アニオンとを有する構造単位は、式(a7-B)で表される構造単位であることが好ましい。
[式(a7-B)中、
R
a7は、水素原子、ハロゲン原子又はハロゲン原子を有していてもよい炭素数1~6のアルキル基を表す。
A
b7は、単結合又は2価の連結基を表す。
R
b71は、置換基を有してもよい炭素数6~18の2価の芳香族炭化水素基を表す。
R
b72及びR
b73は、それぞれ独立して、置換基を有してもよい炭素数1~18の炭化水素基を表し、R
b72及びR
b73は互いに結合してそれらが結合する硫黄原子とともに環を形成していてもよい。
A
-は、有機アニオンを表す。]
R
a7のハロゲン原子及びハロゲン原子を有してもよいアルキル基としては、式(a7-A)と同様のハロゲン原子及びハロゲン原子を有してもよいアルキル基が挙げられる。
R
b71で表される炭素数6~18の2価の芳香族炭化水素基としては、フェニレン基及びナフチレン基等が挙げられる。
R
b72及びR
b73で表される炭化水素基としては、アルキル基、脂環式炭化水素基、芳香族炭化水素基及びこれらを組み合わせることにより形成される基等が挙げられる。
アルキル基、脂環式炭化水素基、芳香族炭化水素基及びこれらを組み合わせることにより形成される基等は、上記と同様のものが挙げられる。
A
b7で表される2価の連結基としては、例えば、炭素数1~18の2価の飽和炭化水素基が挙げられ、該2価の飽和炭化水素基に含まれる-CH
2-は、-O-、-S-又は-CO-で置き換わっていてもよい。
2価の飽和炭化水素基としては、直鎖状又は分岐状アルカンジイル基等の2価の鎖式飽和炭化水素基、単環式又は多環式の2価の脂環式飽和炭化水素基が挙げられ、これらの組み合わせであってもよい。
2価の飽和炭化水素基としては、直鎖又は分岐状アルカンジイル基、単環式又は多環式の2価の脂環飽和炭化水素基が挙げられ、これらの組み合わせてあってもよい。
具体的には、メチレン基、エチレン基、プロパン-1,3-ジイル基、プロパン-1,2-ジイル基、ブタン-1,4-ジイル基、ペンタン-1,5-ジイル基、ヘキサン-1,6-ジイル基、ヘプタン-1,7-ジイル基、オクタン-1,8-ジイル基、ノナン-1,9-ジイル基、デカン-1,10-ジイル基、ウンデカン-1,11-ジイル基、ドデカン-1,12-ジイル基等の直鎖状アルカンジイル基;ブタン-1,3-ジイル基、2-メチルプロパン-1,3-ジイル基、2-メチルプロパン-1,2-ジイル基、ペンタン-1,4-ジイル基、2-メチルブタン-1,4-ジイル基等の分岐状アルカンジイル基;シクロブタン-1,3-ジイル基、シクロペンタン-1,3-ジイル基、シクロヘキサン-1,4-ジイル基、シクロオクタン-1,5-ジイル基等の単環式シクロアルカンジイル基である2価の単環式脂環式飽和炭化水素基;ノルボルナン-1,4-ジイル基、ノルボルナン-2,5-ジイル基、アダマンタン-1,5-ジイル基、アダマンタン-2,6-ジイル基等の多環式シクロアルカンジイル基である2価の多環式脂環式飽和炭化水素基等が挙げられる。
飽和炭化水素基に含まれる-CH
2-が、-O-、-S-又は-CO-で置き換わったものとしては、例えば以下の2価の基が挙げられる。ただし、飽和炭化水素基に含まれる-CH
2-が、-O-、-S-又は-CO-で置き換わる前の炭素数はそれぞれ17以下である。下記式において、*及び**は結合部位を表し、*はR
b71との結合部位を表す。
[式中、X
3は、2価の炭素数1~16の飽和炭化水素基を表す。
X
4は、2価の炭素数1~15の飽和炭化水素基を表す。
X
5は、2価の炭素数1~13の飽和炭化水素基を表す。
X
6は、2価の炭素数1~14の飽和炭化水素基を表す。
X
7は、3価の炭素数1~14の飽和炭化水素基を表す。
X
8は、2価の炭素数1~13の飽和炭化水素基を表す。]
【0189】
式(a7-B)中のカチオンを含む構造単位としては、以下で表される構造単位及びR
a7のメチル基に相当する基が、水素原子、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子)又はハロゲン原子を有していてもよい炭素数1~6のアルキル基(例えば、トリフルオロメチル基等)等に置き換わった構造単位などが挙げられる。
【0190】
A-で表される有機アニオンとしては、スルホン酸アニオン、スルホニルイミドアニオン、スルホニルメチドアニオン及びカルボン酸アニオン等が挙げられる。A-で表される有機アニオンは、スルホン酸アニオンが好ましく、スルホン酸アニオンとしては、酸発生剤(B)で例示するアニオンと同様のものであることがより好ましい。スルホニルイミドアニオン、スルホニルメチドアニオン及びカルボン酸アニオンとしては、酸発生剤(B)で例示するアニオンと同様のものが挙げられる。
【0191】
式(a7-B)で表される構造単位としては、以下で表される構造単位などが挙げられる。
【0192】
樹脂中に、構造単位(a7)を含む場合、構造単位(a7)は単独で含んでいてもよいし、2種以上を含んでいてもよい。その合計構造単位(a7)の含有率は、樹脂の全構造単位に対して、好ましくは1~30モル%であり、より好ましくは2~25モル%であり、さらに好ましくは3~20モル%であり、より一層好ましくはさらに好ましくは3~15モル%である。
【0193】
樹脂は、好ましくは、構造単位(a2-A)を含む樹脂である。
樹脂を構成する各構造単位は、1種のみ又は2種以上を組み合わせて用いてもよく、これら構造単位を導くモノマーを用いて、公知の重合法(例えばラジカル重合法)によって製造することができる。樹脂が有する各構造単位の含有率は、重合に用いるモノマーの使用量で調整できる。
樹脂の重量平均分子量は、好ましくは、2,000以上(より好ましくは2,500以上、さらに好ましくは3,000以上)、50,000以下(より好ましくは30,000以下、さらに好ましくは15,000以下)である。本明細書では、重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーで実施例に記載の条件により求めた値である。
本発明のレジスト組成物において、樹脂を含有する場合、樹脂の合計含有率は、レジスト組成物の固形分に対して、1質量%以上80質量%以下であることが好ましく、3質量%以上60質量%以下であることがより好ましく、5質量%以上50質量%以下であることがさらに好ましい。
【0194】
<その他の樹脂>
本発明のレジスト組成物は、構造単位(a2-A)を含む樹脂以外の樹脂を含んでいてもよい。
構造単位(a2-A)を含む樹脂以外の樹脂としては、例えば、構造単位(a4)及び/又は構造単位(a5)を含有する樹脂(以下、樹脂(X)という場合がある)等が挙げられる。
【0195】
樹脂(X)としては、なかでも、構造単位(a4)を含む樹脂が好ましい。つまり、フッ素原子を有する構造単位を含む樹脂であることが好ましい。
樹脂(X)がさらに有していてもよい構造単位としては、構造単位(a3)、構造単位(a6)、構造単位(a7)及びその他の公知のモノマーに由来する構造単位が挙げられる。中でも、樹脂(X)は、構造単位(a4)及び/又は構造単位(a5)のみからなる樹脂であることが好ましく、構造単位(a4)のみからなる樹脂であることがより好ましい。 樹脂(X)が構造単位(a4)を含む場合、樹脂(X)において、構造単位(a4)の含有率は、樹脂(X)の全構造単位の合計に対して、20モル%以上が挙げられ、30モル%以上が好ましく、40モル%以上がより好ましく、45モル%以上がさらに好ましい。また、100モル%以下が挙げられ、80モル%以下が好ましく、70モル%以下がより好ましく、60モル%以下がさらに好ましく、55モル%以下がより一層好ましい。具体的には、20~100モル%が挙げられ、20~80モル%が好ましく、30~70モル%がより好ましく、40~60モル%がさらに好ましく、45~55モル%がより一層好ましい。樹脂(X)が構造単位(a5)を含む場合、構造単位(a5)の含有率は、樹脂(X)の全構造単位の合計に対して、20モル%以上が挙げられ、30モル%以上が好ましく、40モル%以上がより好ましく、45モル%以上がさらに好ましい。また、100モル%以下が挙げられ、80モル%以下が好ましく、70モル%以下がより好ましく、60モル%以下がさらに好ましく、55モル%以下がより一層好ましい。具体的には、20~100モル%が挙げられ、20~80モル%が好ましく、30~70モル%がより好ましく、40~60モル%がさらに好ましく、45~55モル%がより一層好ましい。また、樹脂(X)が構造単位(a4)及び構造単位(a5)を含む場合、構造単位(a4)及び構造単位(a5)の合計含有率は、樹脂(X)の全構造単位の合計に対して、40モル%以上が挙げられ、60モル%以上が好ましく、70モル%以上がより好ましく、80モル%以上がさらに好ましい。さらに、100モル%以下が挙げられる。具体的には、40~100モル%が挙げられ、60~100モル%が好ましく、70~100モル%がより好ましく、80~100モル%がさらに好ましい。さらに含んでいてもよい他の構造単位(構造単位(a2)等)の含有率は、樹脂(X)の全構造単位の合計に対して、1~45モル%が挙げられ、2~30モル%が好ましく、2~20モル%がより好ましい。
【0196】
樹脂(X)を構成する各構造単位は、1種のみ又は2種以上を組合せて用いてもよく、これら構造単位を誘導するモノマーを用いて、公知の重合法(例えばラジカル重合法)によって製造することができる。樹脂(X)が有する各構造単位の含有率は、重合に用いるモノマーの使用量で調整できる。
樹脂(X)の重量平均分子量は、好ましくは6,000以上(より好ましくは7,000以上)、80,000以下(より好ましくは60,000以下)である。樹脂(X)の重量平均分子量の測定手段は、樹脂の場合と同様である。
また、レジスト組成物が樹脂(X)を含む場合、その含有量は、樹脂100質量部に対して、好ましくは1~60質量部であり、より好ましくは1~50質量部であり、さらに好ましくは1~40質量部であり、より一層好ましくは2~30質量部であり、さらに一層好ましくは2~8質量部である。
【0197】
レジスト組成物における樹脂(AX)の含有率は、レジスト組成物の固形分に対して、0質量%以上60質量%以下であることが好ましく、0質量%以上50質量%以下がより好ましい。また、樹脂(AX)以外の樹脂を含む場合は、樹脂(AX)と樹脂(AX)以外の樹脂との合計含有率は、レジスト組成物の固形分に対して、0質量%以上80質量%以下であることが好ましく、0質量%以上60質量%以下がより好ましい。レジスト組成物の固形分及びこれに対する樹脂の含有率は、液体クロマトグラフィー又はガスクロマトグラフィー等の公知の分析手段で測定することができる。
【0198】
<溶剤(E)>
溶剤(E)の含有率は、レジスト組成物中、通常90質量%以上99.9質量%以下であり、好ましくは92質量%以上99質量%以下であり、より好ましくは94質量%以上99質量%以下である。溶剤(E)の含有率は、例えば液体クロマトグラフィー又はガスクロマトグラフィー等の公知の分析手段で測定できる。
溶剤(E)としては、エチルセロソルブアセテート、メチルセロソルブアセテート及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のグリコールエーテルエステル類;プロピレングリコールモノメチルエーテル等のグリコールエーテル類;乳酸エチル、酢酸ブチル、酢酸アミル及びピルビン酸エチル等のエステル類;アセトン、メチルイソブチルケトン、2-ヘプタノン及びシクロヘキサノン等のケトン類;γ-ブチロラクトン等の環状エステル類;等を挙げることができる。溶剤(E)の1種を単独で使用してもよく、2種以上を使用してもよい。
【0199】
<クエンチャー(C)>
クエンチャー(C)は、塩基性の含窒素有機化合物又は酸発生剤(酸発生剤(B))から発生する酸よりも酸性度の弱い酸を発生する塩が挙げられる。レジスト組成物がクエンチャー(C)を含有する場合、クエンチャー(C)の含有量は、レジスト組成物の固形分量を基準に、0.01~15質量%程度であることが好ましく、0.01~10質量%程度であることがより好ましく、0.1~8質量%程度であることがさらに好ましく、0.1~7質量%程度であることがさらにより好ましい。
塩基性の含窒素有機化合物としては、アミン及びアンモニウム塩が挙げられる。アミンとしては、脂肪族アミン及び芳香族アミンが挙げられる。脂肪族アミンとしては、第一級アミン、第二級アミン及び第三級アミンが挙げられる。
アミンとしては、1-ナフチルアミン、2-ナフチルアミン、アニリン、ジイソプロピルアニリン、2-,3-又は4-メチルアニリン、4-ニトロアニリン、N-メチルアニリン、N,N-ジメチルアニリン、ジフェニルアミン、ヘキシルアミン、ヘプチルアミン、オクチルアミン、ノニルアミン、デシルアミン、ジブチルアミン、ジペンチルアミン、ジヘキシルアミン、ジヘプチルアミン、ジオクチルアミン、ジノニルアミン、ジデシルアミン、トリエチルアミン、トリメチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、トリペンチルアミン、トリヘキシルアミン、トリヘプチルアミン、トリオクチルアミン、トリノニルアミン、トリデシルアミン、メチルジブチルアミン、メチルジペンチルアミン、メチルジヘキシルアミン、メチルジシクロヘキシルアミン、メチルジヘプチルアミン、メチルジオクチルアミン、メチルジノニルアミン、メチルジデシルアミン、エチルジブチルアミン、エチルジペンチルアミン、エチルジヘキシルアミン、エチルジヘプチルアミン、エチルジオクチルアミン、エチルジノニルアミン、エチルジデシルアミン、ジシクロヘキシルメチルアミン、トリス〔2-(2-メトキシエトキシ)エチル〕アミン、トリイソプロパノールアミン、エチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、4,4’-ジアミノ-1,2-ジフェニルエタン、4,4’-ジアミノ-3,3’-ジメチルジフェニルメタン、4,4’-ジアミノ-3,3’-ジエチルジフェニルメタン、2,2’-メチレンビスアニリン、イミダゾール、4-メチルイミダゾール、ピリジン、4-メチルピリジン、1,2-ジ(2-ピリジル)エタン、1,2-ジ(4-ピリジル)エタン、1,2-ジ(2-ピリジル)エテン、1,2-ジ(4-ピリジル)エテン、1,3-ジ(4-ピリジル)プロパン、1,2-ジ(4-ピリジルオキシ)エタン、ジ(2-ピリジル)ケトン、4,4’-ジピリジルスルフィド、4,4’-ジピリジルジスルフィド、2,2’-ジピリジルアミン、2,2’-ジピコリルアミン、ビピリジン等が挙げられ、好ましくはジイソプロピルアニリン等の芳香族アミンが挙げられ、より好ましくは2,6-ジイソプロピルアニリンが挙げられる。
アンモニウム塩としては、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトライソプロピルアンモニウムヒドロキシド、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド、テトラヘキシルアンモニウムヒドロキシド、テトラオクチルアンモニウムヒドロキシド、フェニルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、3-(トリフルオロメチル)フェニルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラ-n-ブチルアンモニウムサリチラート及びコリン等が挙げられる。
【0200】
酸発生剤から発生する酸よりも酸性度の弱い酸を発生する塩における酸性度は、酸解離定数(pKa)で示される。酸発生剤から発生する酸よりも酸性度の弱い酸を発生する塩は、該塩から発生する酸の酸解離定数が、通常-3<pKaの塩であり、好ましくは-1<pKa<7の塩であり、より好ましくは0<pKa<5の塩である。
酸発生剤から発生する酸よりも酸性度の弱い酸を発生する塩としては、下記式で表される塩、特開2015-147926号公報記載の式(D)で表される塩(以下、「弱酸分子内塩(D)」という場合がある。)、並びに特開2012-229206号公報、特開2012-6908号公報、特開2012-72109号公報、特開2011-39502号公報及び特開2011-191745号公報記載の塩が挙げられる。酸発生剤から発生する酸よりも酸性度の弱い酸を発生する塩は、好ましくは、酸発生剤から発生する酸よりも酸性度の弱いカルボン酸を発生する塩(カルボン酸アニオンを有する塩)であり、より好ましくは、弱酸分子内塩(D)であり、さらに好ましくは、弱酸分子内塩(D)のうち、カルボン酸アニオンが置換されたフェニル基を含むジフェニルヨードニウム塩である。
【0201】
弱酸分子内塩(D)としては、2つのフェニル基が結合したヨードニウムカチオンと、ヨードニウムカチオンに結合した2つのフェニル基のうち少なくとも一方のフェニル基に置換されたカルボン酸アニオンと、を有するジフェニルヨードニウム塩であることが好ましく、具体的には、以下の式で表される塩が挙げられる。
【0202】
[式(D)中、
R
D1及びR
D2は、それぞれ独立に、炭素数1~12の炭化水素基、炭素数1~6のアルコキシ基、炭素数2~7のアシル基、炭素数2~7のアシルオキシ基、炭素数2~7のアルコキシカルボニル基、ニトロ基又はハロゲン原子を表す。
m’及びn’は、それぞれ独立に、0~4のいずれかの整数を表し、m’が2以上の場合、複数のR
D1は同一であっても異なってもよく、n’が2以上の場合、複数のR
D2は同一であっても異なってもよい。]
R
D1及びR
D2の炭化水素基としては、鎖式炭化水素基、脂環式炭化水素基、芳香族炭化水素基及びこれらを組み合わせることにより形成される基等が挙げられる。
鎖式炭化水素基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert-ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ノニル基等のアルキル基が挙げられる。
脂環式炭化水素基としては、単環式及び多環式のいずれでもよく、飽和及び不飽和のいずれでもよい。シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロへキシル基、シクロノニル基、シクロドデシル基等のシクロアルキル基、ノルボニル基、アダマンチル基等が挙げられる。
芳香族炭化水素基としては、フェニル基、1-ナフチル基、2-ナフチル基、2-メチルフェニル基、3-メチルフェニル基、4-メチルフェニル基、4-エチルフェニル基、4-プロピルフェニル基、4-イソプロピルフェニル基、4-ブチルフェニル基、4-t-ブチルフェニル基、4-ヘキシルフェニル基、4-シクロヘキシルフェニル基、アントリル基、p-アダマンチルフェニル基、トリル基、キシリル基、クメニル基、メシチル基、ビフェニル基、フェナントリル基、2,6-ジエチルフェニル基、2-メチル-6-エチルフェニル基等のアリール基等が挙げられる。
これらを組み合わせることにより形成される基としては、アルキル-シクロアルキル基、シクロアルキル-アルキル基、アラルキル基(例えば、フェニルメチル基、1-フェニルエチル基、2-フェニルエチル基、1-フェニル-1-プロピル基、1-フェニル-2-プロピル基、2-フェニル-2-プロピル基、3-フェニル-1-プロピル基、4-フェニル-1-ブチル基、5-フェニル-1-ペンチル基、6-フェニル-1-ヘキシル基等)等が挙げられる。
アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基等が挙げられる。
アシル基としては、アセチル基、プロパノイル基、ベンゾイル基、シクロヘキサンカルボニル基等が挙げられる。
アシルオキシ基としては、上記アシル基にオキシ基(-O-)が結合した基等が挙げられる。
アルコキシカルボニル基としては、上記アルコキシ基にカルボニル基(-CO-)が結合した基等が挙げられる。
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等が挙げられる。
R
D1及びR
D2は、それぞれ独立に、炭素数1~8のアルキル基、炭素数3~10のシクロアルキル基、炭素数1~6のアルコキシ基、炭素数2~4のアシル基、炭素数2~4のアシルオキシ基、炭素数2~4のアルコキシカルボニル基、ニトロ基又はハロゲン原子が好ましい。
m’及びn’は、それぞれ独立に、0~2のいずれかの整数であることが好ましく、0であることがより好ましい。m’が2以上の場合、複数のR
D1は同一であっても異なってもよく、n’が2以上の場合、複数のR
D2は同一であっても異なってもよい。
【0203】
【0204】
〈その他の成分〉
本発明のレジスト組成物は、必要に応じて、上述の成分以外の成分(以下「その他の成分(F)」という場合がある。)を含有していてもよい。その他の成分(F)に特に限定はなく、レジスト分野で公知の添加剤、例えば、増感剤、溶解抑止剤、界面活性剤、安定剤、染料等を利用できる。
【0205】
〈レジスト組成物の調製〉
本発明のレジスト組成物は、化合物(I)及び酸発生剤(B)、並びに、必要に応じて、化合物(I’)、化合物(II)、フェノール性水酸基等を有する化合物、酸不安定基を有する構造単位を含有する樹脂以外の樹脂、溶剤(E)、クエンチャー(C)及びその他の成分(F)を混合することにより調製することができる。混合順は任意であり、特に限定されるものではない。混合する際の温度は、10~40℃から、樹脂等の種類や樹脂等の溶剤(E)に対する溶解度等に応じて適切な温度を選ぶことができる。混合時間は、混合温度に応じて、0.5~24時間の中から適切な時間を選ぶことができる。なお、混合手段も特に制限はなく、攪拌混合等を用いることができる。
各成分を混合した後は、孔径0.003~0.2μm程度のフィルターを用いてろ過することが好ましい。
【0206】
〈レジストパターンの製造方法〉
本発明のレジストパターンの製造方法は、
(1)本発明のレジスト組成物を基板上に塗布する工程、
(2)塗布後のレジスト組成物を乾燥させて組成物層を形成する工程、
(3)組成物層に露光する工程、
(4)露光後の組成物層を加熱する工程、及び
(5)加熱後の組成物層を現像する工程を含む。
レジスト組成物を基板上に塗布するには、スピンコーター等、通常、用いられる装置によって行うことができる。基板としては、シリコンウェハ等の無機基板、表面にレジスト膜が形成された有機基板が挙げられる。レジスト組成物を塗布する前に、基板を洗浄してもよく、基板上に反射防止膜等が形成されていてもよい。
塗布後の組成物を乾燥することにより、溶剤を除去し、組成物層を形成する。乾燥は、例えば、ホットプレート等の加熱装置を用いて溶剤を蒸発させること(いわゆるプリベーク)により行うか、あるいは減圧装置を用いて行う。加熱温度は、50~200℃であることが好ましく、加熱時間は、10~180秒間であることが好ましい。また、減圧乾燥する際の圧力は、1~1.0×105Pa程度であることが好ましい。
得られた組成物層に、通常、露光機を用いて露光する。露光機は、液浸露光機であってもよい。露光光源としては、KrFエキシマレーザ(波長248nm)、ArFエキシマレーザ(波長193nm)、F2エキシマレーザ(波長157nm)のような紫外域のレーザ光を放射するもの、固体レーザ光源(YAG又は半導体レーザ等)からのレーザ光を波長変換して遠紫外域または真空紫外域の高調波レーザ光を放射するもの、電子線や、超紫外光(EUV)を照射するもの等、種々のものを用いることができる。尚、本明細書において、これらの放射線を照射することを総称して「露光」という場合がある。露光の際、通常、求められるパターンに相当するマスクを介して露光が行われる。露光光源が電子線の場合は、マスクを用いずに直接描画により露光してもよい。
露光後の組成物層を、酸不安定基における脱保護反応を促進するために加熱処理(いわゆるポストエキスポジャーベーク)を行う。加熱温度は、通常50~200℃程度、好ましくは70~150℃程度である。加熱後の組成物の表面側にある樹脂の親水性又は疎水性を調整する化学処理(シリル化)を行ってもよい。また、現像を行う前に、露光後の組成物層上に、レジスト組成物の塗布、乾燥、露光、加熱の工程を繰り返し行ってもよい。
加熱後の組成物層を、通常、現像装置を用いて、現像液を利用して現像する。現像方法としては、ディップ法、パドル法、スプレー法、ダイナミックディスペンス法等が挙げられる。現像温度は、例えば、5~60℃であることが好ましく、現像時間は、例えば、5~300秒間であることが好ましい。現像液の種類を以下のとおりに選択することにより、ポジ型レジストパターン又はネガ型レジストパターンを製造できる。
本発明のレジスト組成物からポジ型レジストパターンを製造する場合は、現像液としてアルカリ現像液を用いる。アルカリ現像液は、この分野で用いられる各種のアルカリ性水溶液であればよい。例えば、テトラメチルアンモニウムヒドロキシドや(2-ヒドロキシエチル)トリメチルアンモニウムヒドロキシド(通称コリン)の水溶液等が挙げられる。アルカリ現像液には、界面活性剤が含まれていてもよい。
現像後レジストパターンを超純水で洗浄し、次いで、基板及びパターン上に残った水を除去することが好ましい。
本発明のレジスト組成物からネガ型レジストパターンを製造する場合は、現像液として有機溶剤を含む現像液(以下「有機系現像液」という場合がある)を用いる。
有機系現像液に含まれる有機溶剤としては、2-ヘキサノン、2-ヘプタノン等のケトン溶剤;プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のグリコールエーテルエステル溶剤;酢酸ブチル等のエステル溶剤;プロピレングリコールモノメチルエーテル等のグリコールエーテル溶剤;N,N-ジメチルアセトアミド等のアミド溶剤;アニソール等の芳香族炭化水素溶剤等が挙げられる。
有機系現像液中、有機溶剤の含有率は、90質量%以上100質量%以下が好ましく、95質量%以上100質量%以下がより好ましく、実質的に有機溶剤のみであることがさらに好ましい。
中でも、有機系現像液としては、酢酸ブチル及び/又は2-ヘプタノンを含む現像液が好ましい。有機系現像液中、酢酸ブチル及び2-ヘプタノンの合計含有率は、50質量%以上100質量%以下が好ましく、90質量%以上100質量%以下がより好ましく、実質的に酢酸ブチル及び/又は2-ヘプタノンのみであることがさらに好ましい。
有機系現像液には、界面活性剤が含まれていてもよい。また、有機系現像液には、微量の水分が含まれていてもよい。
現像の際、有機系現像液とは異なる種類の溶剤に置換することにより、現像を停止してもよい。
現像後のレジストパターンをリンス液で洗浄することが好ましい。リンス液としては、レジストパターンを溶解しないものであれば特に制限はなく、一般的な有機溶剤を含む溶液を使用することができ、好ましくはアルコール溶剤又はエステル溶剤である。
洗浄後は、基板及びパターン上に残ったリンス液を除去することが好ましい。
【0207】
〈用途〉
本発明のレジスト組成物は、KrFエキシマレーザ露光用のレジスト組成物、ArFエキシマレーザ露光用のレジスト組成物、電子線(EB)露光用のレジスト組成物又はEUV露光用のレジスト組成物、特にArFエキシマレーザ露光用のレジスト組成物、電子線(EB)露光用のレジスト組成物又はEUV露光用のレジスト組成物として好適であり、半導体の微細加工に有用である。
【実施例0208】
実施例を挙げて、本発明をさらに具体的に説明する。例中、含有量ないし使用量を表す「%」及び「部」は、特記しないかぎり質量基準である。
重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーで下記条件により求めた値である。
装置:HLC-8120GPC型(東ソー社製)
カラム:TSKgel Multipore HXL-M x 3 + guardcolumn(東ソー社製)
溶離液:テトラヒドロフラン
流量:1.0mL/min
検出器:RI検出器
カラム温度:40℃
注入量:100μl
分子量標準:標準ポリスチレン(東ソー社製)
また、化合物の構造は、質量分析(LCはAgilent製1100型、MASSはAgilent製LC/MSD型)を用い、分子イオンピークを測定することで確認した。以下の実施例ではこの分子イオンピークの値を「MASS」で示す。
【0209】
合成例1:式(I-1)で表される化合物の合成
式(I-1-a)で表される化合物5.16部及びクロロホルム40部を混合し、23℃で30分間攪拌した。得られた混合溶液に、式(I-1-b)で表される化合物3.24部を添加し、さらに、50℃で2時間攪拌した。得られた混合溶液に、式(I-1-c)で表される化合物1.48部を添加し、さらに、50℃で3時間攪拌した後、23℃まで冷却した。得られた混合物に、5%シュウ酸水溶液20部を加えて23℃で30分間攪拌した後、分液して有機層を取り出した。得られた有機層にイオン交換水20部を加えて23℃で30分間攪拌した後、分液して有機層を取り出した。この水洗操作を5回繰り返した。得られた有機層を濃縮し、濃縮混合物をカラム(シリカゲル60N(球状、中性)100-210μm;関東化学(株)製、展開溶媒:n-ヘプタン/酢酸エチル=10/1)を用いて分取することにより、式(I-1)で表される化合物2.25部を得た。
MASS(質量分析):672.8[M+H]
+
【0210】
合成例2:式(I-6)で表される化合物の合成
式(I-6-a)で表される化合物8.00部及、式(I-6-b)で表される化合物1.32部及び式(I-6-c)で表される化合物38部を添加し、23℃で30分間攪拌した後、さらに、50℃で5時間攪拌した。得られた反応混合溶液を23℃まで冷却した後、水酸化ナトリウム1.81部及びイオン交換水7.22部の水溶液を添加し、さらに、23℃で3時間攪拌した。得られた混合物に、クロロホルム50部を加えて23℃で30分間攪拌した後、分液して有機層を取り出した。得られた有機層にイオン交換水20部を加えて23℃で30分間攪拌した後、分液して有機層を取り出した。この水洗操作を5回繰り返した。得られた有機層を濃縮し、濃縮混合物をカラム(シリカゲル60N(球状、中性)100-210μm;関東化学(株)製、展開溶媒:n-ヘプタン/酢酸エチル=10/1)を用いて分取することにより、式(I-6)で表される化合物6.89部を得た。
MASS(質量分析):502.9[M+H]
+
【0211】
合成例3:式(I-17)で表される化合物の合成
式(I-17-a)で表される化合物8.10部及、式(I-6-b)で表される化合物0.99部及び式(I-6-c)で表される化合物29部を添加し、23℃で30分間攪拌した後、さらに、50℃で5時間攪拌した。得られた反応混合溶液を23℃まで冷却した後、水酸化ナトリウム1.36部及びイオン交換水5.42部の水溶液を添加し、さらに、23℃で3時間攪拌した。得られた混合物に、クロロホルム50部を加えて23℃で30分間攪拌した後、分液して有機層を取り出した。得られた有機層にイオン交換水20部を加えて23℃で30分間攪拌した後、分液して有機層を取り出した。この水洗操作を5回繰り返した。得られた有機層を濃縮し、濃縮混合物をカラム(シリカゲル60N(球状、中性)100-210μm;関東化学(株)製、展開溶媒:n-ヘプタン/酢酸エチル=10/1)を用いて分取することにより、式(I-17)で表される化合物5.18部を得た。
MASS(質量分析):958.8[M+H]
+
【0212】
合成例4:式(I-3)で表される化合物の合成
式(I-3-a)で表される化合物3.90部及びクロロホルム40部を混合し、23℃で30分間攪拌した。得られた混合溶液に、式(I-1-b)で表される化合物3.24部を添加し、さらに、50℃で2時間攪拌した。得られた混合溶液に、式(I-1-c)で表される化合物1.48部を添加し、さらに、50℃で3時間攪拌した後、23℃まで冷却した。得られた混合物に、5%シュウ酸水溶液20部を加えて23℃で30分間攪拌した後、分液して有機層を取り出した。得られた有機層にイオン交換水20部を加えて23℃で30分間攪拌した後、分液して有機層を取り出した。この水洗操作を5回繰り返した。得られた有機層を濃縮し、濃縮混合物をカラム(シリカゲル60N(球状、中性)100-210μm;関東化学(株)製、展開溶媒:n-ヘプタン/酢酸エチル=10/1)を用いて分取することにより、式(I-3)で表される化合物4.25部を得た。
MASS(質量分析):546.9[M+H]
+
【0213】
合成例5:式(I-21)で表される化合物の合成
式(I-21-a)で表される化合物10.89部及、式(I-6-b)で表される化合物0.99部及び式(I-6-c)で表される化合物29部を添加し、23℃で30分間攪拌した後、さらに、50℃で5時間攪拌した。得られた反応混合溶液を23℃まで冷却した後、水酸化ナトリウム1.36部及びイオン交換水5.42部の水溶液を添加し、さらに、23℃で3時間攪拌した。得られた混合物に、クロロホルム50部を加えて23℃で30分間攪拌した後、分液して有機層を取り出した。得られた有機層にイオン交換水20部を加えて23℃で30分間攪拌した後、分液して有機層を取り出した。この水洗操作を5回繰り返した。得られた有機層を濃縮し、濃縮混合物をカラム(シリカゲル60N(球状、中性)100-210μm;関東化学(株)製、展開溶媒:n-ヘプタン/酢酸エチル=10/1)を用いて分取することにより、式(I-21)で表される化合物5.18部を得た。
MASS(質量分析):1230.6[M+H]
+
【0214】
合成例6:式(I’-1)で表される化合物の合成
式(I’-1-a)で表される化合物1.38部及びクロロホルム40部を混合し、23℃で30分間攪拌した。得られた混合溶液に、式(I-1-b)で表される化合物3.24部を添加し、さらに、50℃で2時間攪拌した。得られた混合溶液に、式(I-1-c)で表される化合物1.48部を添加し、さらに、50℃で3時間攪拌した後、23℃まで冷却した。得られた混合物に、5%シュウ酸水溶液20部を加えて23℃で30分間攪拌した後、分液して有機層を取り出した。得られた有機層にイオン交換水20部を加えて23℃で30分間攪拌した後、分液して有機層を取り出した。この水洗操作を5回繰り返した。得られた有機層を濃縮し、濃縮混合物をカラム(シリカゲル60N(球状、中性)100-210μm;関東化学(株)製、展開溶媒:n-ヘプタン/酢酸エチル=10/1)を用いて分取することにより、式(I’-1)で表される化合物2.42部を得た。
MASS(質量分析):295.1[M+H]
+
【0215】
合成例7:式(B3-23)で表される塩の合成
式(B3-23-a)で表される塩3.53部、式(B3-12-b)で表される塩4.49部、クロロホルム60部及び酢酸エチル30部を混合し、23℃で2時間攪拌した。得られた混合物に、イオン交換水30部を加えて23℃で30分間攪拌した後、分液して有機層を取り出した。この水洗操作を5回繰り返した。得られた有機層を濃縮し、濃縮残渣に、tert-ブチルメチルエーテル30部を加えて23℃で30分間攪拌した後、ろ過することにより、式(B3-23)で表される塩7.23部を得た。
MASS(ESI(+)Spectrum):M
+ 317.1
MASS(ESI(-)Spectrum):M
- 425.9
【0216】
合成例8:式(B3-27)で表される塩の合成
式(B3-27-a)で表される塩3.53部、式(B3-12-b)で表される塩4.49部、クロロホルム60部及び酢酸エチル30部を混合し、23℃で2時間攪拌した。得られた混合物に、イオン交換水30部を加えて23℃で30分間攪拌した後、分液して有機層を取り出した。この水洗操作を5回繰り返した。得られた有機層を濃縮し、濃縮残渣に、tert-ブチルメチルエーテル30部を加えて23℃で30分間攪拌した後、ろ過することにより、式(B3-27)で表される塩6.89部を得た。
MASS(ESI(+)Spectrum):M
+ 317.0
MASS(ESI(-)Spectrum):M
- 425.9
【0217】
合成例9:式(B3-29)で表される塩の合成
式(B3-29-a)で表される塩2.97部、式(B3-12-b)で表される塩4.49部、クロロホルム60部及び酢酸エチル30部を混合し、23℃で2時間攪拌した。得られた混合物に、イオン交換水30部を加えて23℃で30分間攪拌した後、分液して有機層を取り出した。この水洗操作を5回繰り返した。得られた有機層を濃縮し、濃縮残渣に、tert-ブチルメチルエーテル30部を加えて23℃で30分間攪拌した後、ろ過することにより、式(B3-29)で表される塩6.41部を得た。
MASS(ESI(+)Spectrum):M
+ 261.1
MASS(ESI(-)Spectrum):M
- 425.9
【0218】
合成例10:式(B3-30)で表される塩の合成
式(B3-30-a)で表される塩5.15部、式(B3-12-b)で表される塩4.49部、クロロホルム60部及び酢酸エチル30部を混合し、23℃で2時間攪拌した。得られた混合物に、イオン交換水30部を加えて23℃で30分間攪拌した後、分液して有機層を取り出した。この水洗操作を5回繰り返した。得られた有機層を濃縮し、濃縮残渣に、tert-ブチルメチルエーテル30部を加えて23℃で30分間攪拌した後、ろ過することにより、式(B3-30)で表される塩8.36部を得た。
MASS(ESI(+)Spectrum):M
+ 479.0
MASS(ESI(-)Spectrum):M
- 425.9
【0219】
樹脂の合成
樹脂の合成に使用した化合物(モノマー)を下記に示す。以下、これらの化合物をその式番号に応じて、「モノマー(a1-2-6)」等という。また、これらのモノマーを重合することにより得られる構造単位をその式番号に応じて、「構造単位(a1-2-6)」等という。
【0220】
合成例11〔樹脂AX1の合成〕
モノマーとして、モノマー(a1-4-2)及びモノマー(a2-B-1)を用い、そのモル比〔モノマー(a1-4-2):モノマー(a2-B-1)〕が、45:55の割合となるように混合し、さらに、このモノマー混合物に、全モノマーの合計質量に対して、1.5質量倍のメチルイソブチルケトンを混合した。得られた混合物に、開始剤としてアゾビスイソブチロニトリルを全モノマーの合計モル数に対して、それぞれ、9mol%となるように添加し、これを85℃で約5時間加熱することで重合を行った。その後、重合反応液に、全モノマー量の合計質量に対して2.0質量倍のp-トルエンスルホン酸水溶液(2.5重量%)を加え、6時間攪拌し、重合反応液に含まれる構造単位(a1-4-2)に含まれる酸不安定基をヒドロキシ基に変換させた後、分液した。得られた有機層を、大量のn-ヘプタンに注ぎ樹脂を析出させ、ろ過・回収することにより、重量平均分子量が約3.3×10
3である樹脂AX1(共重合体)を収率92%で得た。この樹脂AX1は、以下の構造単位を有するものであり、樹脂AX1における構造単位(a1-4-2)の含有率は、樹脂AX1の全構造単位に対して検出限界以下(1モル%未満)であった。
【0221】
合成例12〔樹脂A1の合成〕
モノマーとして、モノマー(a1-4-2)及びモノマー(a1-2-6)を用い、そのモル比〔モノマー(a1-4-2):モノマー(a1-2-6)〕が、38:62の割合となるように混合し、さらに、このモノマー混合物に、全モノマーの合計質量に対して、1.5質量倍のメチルイソブチルケトンを混合した。得られた混合物に、開始剤としてアゾビスイソブチロニトリルを全モノマーの合計モル数に対して、7mol%となるように添加し、これを85℃で約5時間加熱することで重合を行った。その後、重合反応液に、p-トルエンスルホン酸水溶液を加え、6時間攪拌した後、分液した。得られた有機層を、大量のn-ヘプタンに注ぎ樹脂を析出させ、ろ過・回収することにより、重量平均分子量が約5.4×10
3である樹脂A1(共重合体)を収率88%で得た。この樹脂A1は、以下の構造単位を有するものである。
【0222】
<レジスト組成物の調製>
表1に示すように、以下の各成分を混合し、得られた混合物を孔径0.2μmのフッ素樹脂製フィルターで濾過することにより、レジスト組成物を調製した。
【表1】
【0223】
<化合物(I)>
I-1:式(I-1)で表される化合物
I-3:式(I-3)で表される化合物
I-6:式(I-6)で表される化合物
I-17:式(I-17)で表される化合物
I-21:式(I-21)で表される化合物
<化合物(I')>
I’-1:式(I’-1)で表される化合物 分子量:294.3
I’-2:(プリンテック社製) 分子量:592.7
<化合物(II)>
II-6:(東亜合成(株)製) 分子量:334.5
<基材>
III-3:(東京化成工業(株)製) 分子量:306.4
IV-3:III-3のヒドロキシ基を、公知の製法により、エトキシメチル化することにより合成 分子量:480.6
AX1、A1:樹脂AX1、樹脂A1
<酸発生剤(B)>
B3-23:式(B3-23)で表される塩
B3-27:式(B3-27)で表される塩
B3-29:式(B3-29)で表される塩
B3-30:式(B3-30)で表される塩
<クエンチャー(C)>
D1:(東京化成工業(株)製)
<溶剤>
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 600部
プロピレングリコールモノメチルエーテル 300部
γ-ブチロラクトン 20部
【0224】
(レジスト組成物の電子線露光評価:有機溶剤現像)
6インチのシリコンウェハを、ダイレクトホットプレート上で、ヘキサメチルジシラザンを用いて90℃で60秒処理した。このシリコンウェハに、レジスト組成物を、組成物層の膜厚が0.03μmとなるようにスピンコートした。その後、ダイレクトホットプレート上で、表1の「PB」欄に示す温度で60秒間プリベークして組成物層を形成した。ウェハ上に形成された組成物層に、電子線描画機〔(株)エリオニクス製の「ELS-F125 125keV」〕を用い、露光量を段階的に変化させてラインアンドスペースパターン(ピッチ24~72nm/ライン幅12~36nm)を直接描画した。
露光後、ホットプレート上にて表1の「PEB」欄に示す温度で60秒間ポストエキスポジャーベークを行った。次いで、このシリコンウェハ上の組成物層を、現像液として酢酸ブチル(東京化成工業(株)製)を用いて、23℃で20秒間ダイナミックディスペンス法によって現像を行うことにより、レジストパターンを得た。
得られたレジストパターンにおいて、30nmのラインアンドスペースパターンのライン幅とスペース幅とが1:1になる露光量を実効感度とした。
【0225】
<解像度評価>
実効感度において、レジストパターンを走査型電子顕微鏡で観察し、解像している最小線幅を解像度とした。その結果を表2に示す。解像度(nm)を示す。
【表2】